(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備
(51)【国際特許分類】
B01D 29/46 20060101AFI20240614BHJP
C02F 11/125 20190101ALI20240614BHJP
【FI】
B01D29/46 C ZAB
C02F11/125
(21)【出願番号】P 2022140265
(22)【出願日】2022-09-02
【審査請求日】2022-09-02
(31)【優先権主張番号】202122105634.1
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522351217
【氏名又は名称】呉雲萍
【氏名又は名称原語表記】Yunping WU
【住所又は居所原語表記】unit 810, bldg 6, Helin new town, No. 53, Sanba Road, Yuefeng town, Jin’an Dist Fuzhou City, China 350000
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】呉雲萍
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/068183(WO,A1)
【文献】国際公開第00/032292(WO,A1)
【文献】特開2010-012495(JP,A)
【文献】特表平07-501016(JP,A)
【文献】特開2003-033896(JP,A)
【文献】特表平03-504103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 23/00-35/04,35/08-37/08
C02F 11/00-11/20
B30B 9/00-9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過チャンバーと、螺旋軸と、駆動装置と、複数の支持板とを含む、取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備であって、
前記濾過チャンバー、螺旋軸及び駆動装置は、前記複数の支持板により支持して位置決めされ、
前記螺旋軸は、前記濾過チャンバー中を貫通し、
前記濾過チャンバーの両端は、それぞれ供給端及び排出端であり、前記濾過チャンバーの供給端には、泥供給箱が設けられ、前記濾過チャンバーの排出端には、泥排出箱が設けられ、
前記濾過チャンバーは、少なくとも2群の閉合リング片群を含み、前記2群の閉合リング片群は、第1閉合リング片群と、動作状態が第1閉合リング片群と一致しない第2閉合リング片群とを含み、
2群の閉合リング片群のうち、少なくとも1群の閉合リング片群における隣接する2つの閉合リング片の間には、スペーサーが設けられ、前記スペーサーの厚さは、もう1群の閉合リング片の厚さよりも高いことにより、隣接する閉合リング片の間には濾過隙間が形成され、
前記第1閉合リング片群は、前記駆動装置の駆動によって運動し、前記第2閉合リング片群は、前記支持板に接続されて動かないように固定され、又は駆動装置の駆動によって前記第1閉合リング片群と相対変位するように運動することにより、濾過隙間が閉塞されることがなく、
前記螺旋軸の数は1つ又は2つ以上であり、前記螺旋軸の数が複数である場合、前記複数の螺旋軸は、前記濾過チャンバー内に並列して配置され、1つの螺旋軸のブレードは、隣接するもう1つの螺旋軸の中心軸に近く、
前記駆動装置は、主駆動ロッドと、副駆動ロッドと、位置決めロッドと、偏心装置と、伝動可動リングとを含み、
前記主駆動ロッドは、独立駆動モーターに接続され、又は伝動機構により前記螺旋軸と1つの駆動モーターを共用し、
前記主駆動ロッドは、前記複数の支持板のうちの2つ又はそれ以上の支持板により支持され、前記主駆動ロッドには、1つ又はそれ以上の前記偏心装置がさらに設けられ、
前記主駆動ロッドは、前記副駆動ロッドの上方に位置し、各前記偏心装置は、それぞれ駆動片により1つの前記第1閉合リング片に接続され、前記駆動片は、前記第1閉合リング片と一体に成形され、前記駆動片を有する第1閉合リング片は、前記伝動可動リングと呼ばれ、
前記副駆動ロッドは、全ての前記第1閉合リング片群の上端に内嵌され、前記位置決めロッドは、全ての前記第1閉合リング片群の下端に内嵌されることで、全ての前記第1閉合リング片群は一体に接続され、
前記伝動機構又は駆動モーターは、前記主駆動ロッドに接続され、前記主駆動ロッド上の偏心装置は、前記第1閉合リング片により前記副駆動ロッドに接続され、前記副駆動ロッドは前記支持板上の第1逃げ孔内に内嵌され、前記位置決めロッドは、前記支持板の直線位置決め孔内に内嵌され、
前記支持板の上端は開口し、前記伝動可動リングの駆動片の上端は開口し、
前記主駆動ロッドの中間セグメントは、開口が対向する1対のU形軸スリーブにより前記支持板の上端開口の前後両側に取り外し可能に固定され、開口が対向する1対の前記U形軸スリーブは丸孔を形成して前記主駆動ロッドを内嵌し、
前記主駆動ロッドの一端は、前記独立駆動モーターに接続され、前記主駆動ロッドの末端は、軸スリーブにより前記支持板に固定して位置決めされ、
前記主駆動ロッドは、前記偏心装置により前記伝動可動リングの駆動片の上端開口に取り外し可能に接続され、
前記偏心装置は、偏心輪と、軸受と、軸受座とを含み、前記偏心輪は、前記主駆動ロッドに外嵌され、前記軸受は、前記偏心輪に外嵌され、前記軸受座は、前記軸受を包み、前記軸受座は、前記伝動可動リングの駆動片の上端に固定して接続されることを特徴とする、取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備。
【請求項2】
前記支持板における前記位置決めロッドが通過する
前記直線位置決め孔は、第2逃げ孔であり、前記支持板上の第2逃げ孔の前後両側の対応する位置にU形ポリアセタール板又はナイロン板が固定されることにより、前記位置決めロッドが上下直線運動するための直線位置決め孔が形成され、これによって摩耗が低減されることを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備。
【請求項3】
前記位置決めロッドは、環状スペーサーに内嵌されて前記第2逃げ孔内に嵌入されるとともに、両辺が前記U形ポリアセタール板又はナイロン板により位置決めされ、これによって、前記位置決めロッドと前記支持板との間の摩耗が低減されることを特徴とする、請求項2に記載の取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備。
【請求項4】
前記第2閉合リング片群における各リング片の内輪郭は、突起及び凹溝を有することを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備。
【請求項5】
前記第1閉合リング片群における各リング片の内輪郭は、突起及び凹溝を有することを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備。
【請求項6】
前記泥供給箱の断面は多角形であり、前記多角形の各辺は、前記螺旋軸のブレードにほぼ接し、前記多角形の夾角には、バッフルが設けられ、前記バッフルの一辺は、前記螺旋軸ブレードに近いことを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備。
【請求項7】
前記濾過チャンバーの排出端に近い尾部は、圧縮部に接続され、前記圧縮部の断面は多角形であり、前記多角形の各辺は、前記螺旋軸のブレードにほぼ接し、前記多角形の夾角には、バッフルが設けられ、前記バッフルの一辺は、前記螺旋軸ブレードに近いことを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備。
【請求項8】
各前記支持板の左右両辺の上下には、それぞれノッチが設けられ、前記ノッチは、4つの方向から前記濾過チャンバーに対して噴射するための4つの噴射管を取り付けるためのものであることを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備。
【請求項9】
隣接する前記支持板の間には、板溝により前記濾過チャンバーの左右両側に設けられるスプラッシュガードが取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固液分離設備の技術分野に属し、具体的には、取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備に関する。
【背景技術】
【0002】
中国特許出願201710239689.7には、振り子運動の多軸積層螺旋型固液分離機が開示されている。具体的には、固定リング可動リングが積層されてチャンバー構造を形成し、2つ又は複数の螺旋軸がそれを貫通し、可動リングは外部駆動により上端が往復上下直線運動し、下端が往復振り子運動する。しかし、この文献に開示された技術には以下の欠点が存在する。
【0003】
1、駆動装置が濾過チャンバーの下方に設けられる場合、正常な観察やメンテナンスすることができず、迅速に着脱することができず、漏泥が底部で堆積しやすい。可動リングの上端が上下直線運動のみできるため、上端で堆積した漏泥は、可動リング自体の運動により十分に清掃することができない。
【0004】
2、駆動装置が濾過チャンバーの上方に設けられる場合、上端に位置する位置決めロッドを中心として下端に位置する副駆動ロッドを揺動するが、主駆動ロッドと位置決めロッドとの間の距離が位置決めロッドと副駆動ロッドとの間の距離よりも短いため、駆動モーターに過負荷が発生しやすく、位置決めロッドを制限する位置規制孔が受ける力が大きくなりすぎることで摩耗変形などの機械的故障が発生する場合がある。また、主駆動ロッド及び螺旋軸が同一のモーターを共用し、1つのギア機構により伝動するため、このような構造は、迅速な着脱により不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、観察及び定期的なメンテナンスに便利で、着脱が容易で、底部での漏泥の堆積を減少できる取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋脱水設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の技術的手段により実現される。
【0007】
濾過チャンバーと、螺旋軸と、駆動装置と、複数の支持板とを含む、取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋固液分離機であって、
前記濾過チャンバー、螺旋軸及び駆動装置は、前記複数の支持板により支持して位置決めされ、
前記螺旋軸は、前記濾過チャンバー中を貫通し、
前記濾過チャンバーの両端は、それぞれ供給端及び排出端であり、前記濾過チャンバーの供給端には、泥供給箱が設けられ、前記濾過チャンバーの排出端には、泥排出箱が設けられ、
前記濾過チャンバーは、少なくとも2群の閉合リング片群を含み、前記2群の閉合リング片群は、第1閉合リング片群と、動作状態が第1閉合リング片群と一致しない第2閉合リング片群とを含み、
2群の閉合リング片群のうち、少なくとも1群の閉合リング片群における隣接する2つの閉合リング片の間には、スペーサーが設けられ、前記スペーサーの厚さは、もう1群の閉合リング片の厚さよりも高いことにより、隣接する閉合リング片の間には濾過隙間が形成され、
前記第1閉合リング片群は、前記駆動装置の駆動によって運動し、前記第2閉合リング片群は、前記支持板に接続されて動かないように固定され、又は駆動装置の駆動によって前記第1閉合リング片群と相対変位するように運動することにより、濾過隙間が閉塞されることがなく、
前記螺旋軸の数は1つ又は2つ以上であり、前記螺旋軸の数が複数である場合、前記複数の螺旋軸は、前記濾過チャンバー内に並列して配置され、1つの螺旋軸のブレードは、隣接するもう1つの螺旋軸の中心軸に近く、
前記駆動装置は、主駆動ロッドと、副駆動ロッドと、位置決めロッドと、偏心装置と、伝動可動リングとを含み、
前記主駆動ロッドは、独立駆動モーターに接続され、又は伝動機構により前記螺旋軸と1つの駆動モーターを共用し、
前記主駆動ロッドは、前記複数の支持板のうちの2つ又はそれ以上の支持板により支持され、前記主駆動ロッドには、1つ又はそれ以上の前記偏心装置がさらに設けられ、
前記主駆動ロッドは、前記副駆動ロッドの上方に位置し、各前記偏心装置は、それぞれ駆動片により1つの前記第1閉合リング片に接続され、前記駆動片は、前記第1閉合リング片と一体に成形され、前記駆動片を有する第1閉合リング片は、前記伝動可動リングと呼ばれ、
前記副駆動ロッドは、全ての前記第1閉合リング片群の上端に内嵌され、前記位置決めロッドは、全ての前記第1閉合リング片群の下端に内嵌されることで、全ての前記第1閉合リング片群は一体に接続され、
前記伝動機構又は駆動モーターは、前記主駆動ロッドを運動させ、前記主駆動ロッド上の偏心装置は、前記副駆動ロッドを前記支持板上の第1逃げ孔内で往復円運動させるとともに、前記位置決めロッドを前記支持板の直線位置決め孔内で往復上下直線運動させることにより、前記第1閉合リング片群の上端は往復円運動し、前記第1閉合リング片群の下端は往復上下直線運動する、取り外し可能な駆動装置を有する摩耗なし積層螺旋固液分離機。
【0008】
さらに、前記支持板の上端は開口し、前記伝動可動リングの駆動片の上端は開口し、
前記主駆動ロッドの中間セグメントは、開口が対向する1対のU形軸スリーブにより前記支持板の上端開口の前後両側に取り外し可能に固定され、開口が対向する1対の前記U形軸スリーブは丸孔を形成して前記主駆動ロッドを内嵌し、
前記主駆動ロッドの一端は、前記独立駆動モーターに接続され、前記主駆動ロッドの末端は、軸スリーブにより前記支持板に固定して位置決めされ、
前記主駆動ロッドは、前記偏心装置により前記伝動可動リングの駆動片の上端開口に取り外し可能に接続され、
前記偏心装置は、偏心輪と、軸受と、軸受座とを含み、前記偏心輪は、前記主駆動ロッドに外嵌され、前記軸受は、前記偏心輪に外嵌され、前記軸受座は、前記軸受を包み、前記軸受座は、前記伝動可動リングの駆動片の上端に固定して接続される。
【0009】
さらに、前記支持板における前記位置決めロッドが通過する位置は、第2逃げ孔であり、前記支持板上の第2逃げ孔の前後両側の対応する位置にU形ポリアセタール板又はナイロン板が固定されることにより、前記位置決めロッドが上下直線運動するための直線位置決め孔が形成され、これによって摩耗が低減される。
【0010】
さらに、前記位置決めロッドは、環状スペーサーに内嵌されて前記第2逃げ孔内に嵌入されるとともに、両辺が前記U形ポリアセタール板又はナイロン板により位置決めされ、これによって、前記位置決めロッドと前記支持板との間の摩耗が低減される。
【0011】
さらに、前記第2閉合リング片群における各リング片の内輪郭は、突起及び凹溝を有する。
【0012】
さらに、前記第1閉合リング片群における各リング片の内輪郭は、突起及び凹溝を有する。
【0013】
さらに、前記泥供給箱の断面は多角形であり、前記多角形の各辺は、前記螺旋軸のブレードにほぼ接し、前記多角形の夾角には、バッフルが設けられ、前記バッフルの一辺は、前記螺旋軸ブレードに近い。
【0014】
さらに、前記濾過チャンバーの排出端に近い尾部は、圧縮部に接続され、前記圧縮部の断面は多角形であり、前記多角形の各辺は、前記螺旋軸のブレードにほぼ接し、前記多角形の夾角には、バッフルが設けられ、前記バッフルの一辺は、前記螺旋軸ブレードに近い。
【0015】
さらに、各前記支持板の左右両辺の上下には、それぞれノッチが設けられ、前記ノッチは、4つの方向から前記濾過チャンバーに対して噴射するための4つの噴射管を取り付けるためのものである。
【0016】
さらに、隣接する前記支持板の間には、板溝により前記濾過チャンバーの左右両側に設けられるスプラッシュガードが取り付けられる。
【0017】
本発明の利点は以下の通りである。
【0018】
1、主駆動ロッド、偏心装置などの駆動装置を濾過チャンバーの最上方に取り外し可能に設けることにより、駆動装置が濾液により侵食されることが防止されることで駆動装置の故障率が減少し、駆動装置の使用寿命が向上されるとともに、観察が便利で、メンテナンスのときに迅速に着脱することができる。
【0019】
2、濾過チャンバーの第1閉合リング片(可動リング)の上端が往復円運動し、下端が往復上下直線運動し、可動リングの上端の揺動角度が比較的大きいことにより、漏泥を即時に取り除くことができ、下端に主駆動ロッド及び偏心装置などの障碍物がないため、濾過隙間が閉塞されることがなく、底部での漏泥の堆積が減少される。
【0020】
3、固定リング及び可動リングのリング片の内輪郭が突起及び凹溝を有し、泥供給箱及び圧縮部が多角形であり、バッフルが内蔵されることにより、材料に抵抗を与え、共同回転が回避され、材料がよりスムーズに前進することができる。
【0021】
4、支持板には4つの噴射管が取り付けられ、4つの方向から濾過チャンバーに対して噴射することにより、噴射効果が高くなり、濾過チャンバーの表面がより清潔になり、材料が濾過隙間をより容易に通過することができる。
【0022】
5、隣接する2つの支持板の間にスプラッシュガードが設けられて濾過チャンバーの上端及び側辺を包むことにより、濾過チャンバーの側辺及び頂部の濾液及び噴射水の噴き出しが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下、図面及び実施例により本発明をさらに説明する。
【0024】
【
図2】本発明の取り外し可能な部分の駆動装置の構造模式図である。
【
図3】
図1において
図2の部品を取り外した後の上面図である。
【
図4】本発明の第2閉合リング片(固定リング)の構造模式図である。
【
図5】本発明の第1閉合リング片(可動リング)の構造模式図である。
【
図6】本発明の伝動可動リングの構造模式図である。
【
図7】本発明の主駆動ロッド及び支持板の上端の組立部品(1対のU形軸スリーブ)の構造模式図である。
【
図9】本発明の支持板及び位置決めロッドの組立方式の構造模式図である。
【
図10】本発明の偏心装置及び伝動可動リングの取付分解図である。
【
図11】本発明の偏心装置及び伝動可動リングの組立後の正面図である。
【
図17】本発明の噴射管が取り付けられた後の簡易構造模式図(他の部品を省略)である。
【
図19】本発明のスプラッシュガードの正面図である。
【
図20】本発明のスプラッシュガードの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1から
図9に示すように、取り外し可能な駆動装置を有する積層螺旋型固液分離機は、濾過チャンバー1と、螺旋軸2と、駆動装置3と、複数の支持板4とを含む。
【0026】
濾過チャンバー1、螺旋軸2及び駆動装置3は、複数の支持板4により支持して位置決めされる。螺旋軸2は、濾過チャンバー1の中を貫通する。濾過チャンバー1の両端は、それぞれ供給端11及び排出端12である。濾過チャンバー1の供給端11には、泥供給箱15が設けられ、濾過チャンバー1の排出端12には、泥排出箱18が設けられる。
【0027】
濾過チャンバー1は、2群の閉合リング片群を含む。第1閉合リング片群13(可動リング)は、駆動装置3の駆動により動き、第2閉合リング片群14(固定リング)上の4つの孔141は、固定リング支持柱142により支持板4に動かないように固定される。第2閉合リング片群14における隣接する2つの閉合リング片の間には、スペーサー19が設けられる。スペーサー19も対応する固定リング支持柱142により固定される。このスペーサー19の厚さは第1閉合リング片13の厚さよりも大きいことにより、隣接する第1閉合リング片13と第2閉合リング片14との間には濾過隙間が形成される。
【0028】
本実施例において、螺旋軸2は2つあり、濾過チャンバー1内に並列して配置される。2つの螺旋軸2のうちの一方の螺旋軸のブレードは、隣接するもう一方の螺旋軸の中心軸に近い。第1閉合リング片群13及び第2閉合リング片群14におけるそれぞれのリング片の形状は、並列して配置される2つの螺旋軸2の外形と適合する。第1閉合リング片群13及び第2閉合リング片群14におけるそれぞれのリング片の内輪郭は、突起及び凹溝を有する。材料は、螺旋軸2によって移動する過程において、濾過チャンバー1の内壁の抵抗を受けることにより、より容易に前進することができる。2つの螺旋軸2のうちの一方は、駆動モーター20により駆動されるとともに、ギア伝動によりもう一方の螺旋軸2を螺旋運動させる。螺旋軸2は、供給端11から排出端12までピッチが徐々に小さくなる。実用において、螺旋軸2の数は、1つ又は2つ以上であってもよい。
【0029】
本実施例において、駆動装置3は、主駆動ロッド31と、副駆動ロッド32と、位置決めロッド33と、独立駆動モーター34と、複数の偏心装置35と、伝動可動リング37とを含む。
【0030】
主駆動ロッド31は、濾過チャンバー1の上方に位置し、複数の支持板4により支持される。主駆動ロッド31には、複数の偏心装置35がさらに間隔をあけて設けられる。
【0031】
主駆動ロッド31は、副駆動ロッド32の上方に位置する。各偏心装置35は、それぞれ駆動片36により1つの第1閉合リング片13に接続される。駆動片36は、第1閉合リング片13と一体成形される。駆動片36を有する第1閉合リング片13は、伝動可動リング37と呼ばれる。伝動可動リング37の厚さは、他の第1閉合リング片13(可動リング)の厚さよりも大きく、これによって、強度が向上する。
【0032】
第1閉合リング片群13(可動リング)には、上端孔131及び下端孔132が設けられる。副駆動ロッド32は、全ての第1閉合リング片群13の上端孔131に内嵌され、位置決めロッド33は、全ての第1閉合リング片群13(可動リング)の下端孔132に内嵌されることによって、全ての第1閉合リング片群13は、一体に接続される。
【0033】
独立駆動モーター34は、主駆動ロッド31を運動させ、主駆動ロッド31上の偏心装置35は、副駆動ロッド32を支持板4上の第1逃げ孔41内で往復円運動させるとともに、位置決めロッド33を支持板4の直線位置決め孔内で往復上下直線運動させることによって、第1閉合リング片群13の上端は、往復円運動し、第1閉合リング片群13の下端は、往復上下直線運動する。
【0034】
図8及び
図9に示すように、支持板4における位置決めロッド31が通過する位置は第2逃げ孔42である。支持板4上の第2逃げ孔42の前後両側における対応する位置にU形ポリアセタール(POM)板又はナイロン板81(U形ガイドレール)をロックすることにより、位置決めロッド31が上下直線運動するための直線位置決め孔が形成され、摩耗が低減される。位置決めロッド31には、第2逃げ孔42内に嵌入された環状スペーサー82が外嵌され、両側がU形ポリアセタール板又はナイロン板81により位置決めされ、これによって、位置決めロッド31と支持板4との間の摩耗がさらに低減される。
【0035】
本実施例において、支持板4の上端は開口し、伝動可動リング37の駆動片36の上端は開口する。主駆動ロッド31の中間セグメントは、開口が対向する1対のU形ポリアセタール板又はナイロン軸スリーブ71、72(也可以是其他耐摩耗性材料)により支持板4の上端開口の前後両側に取り外し可能に固定される。開口が対向する1対のU形ポリアセタール板又はナイロン軸スリーブ71は丸孔を形成して主駆動ロッド31を内嵌する。主駆動ロッド31の一端は、独立駆動モーター34に接続され、主駆動ロッド31の末端は、軸スリーブ73により支持板4に固定して位置決めされる。独立駆動モーター34は、泥排出箱18に取り付けられる。
【0036】
主駆動ロッド31は、偏心装置35により伝動可動リング37の駆動片36の上端開口に取り外し可能に接続される。偏心装置35は、偏心輪351、軸受352、及び軸受座353などを含む。実際に取り付ける際に、2つの偏心輪バッフル354、2つのナイロンブッシング355、2つのオイルシール356、軸受座ワッシャー357、軸受座カバー358、O型シールリング359などをさらに使用する必要がある。各部品の位置関係及び組立方式を
図10から
図12に示す。主駆動ロッド31及び偏心輪351には、それぞれキー及びキー溝が設けられる。偏心輪351のキー溝は、主駆動ロッド31のキーに係止されることにより、軸受352は、偏心輪351に締り嵌めて外嵌され、軸受座353及び軸受座カバー358により軸受352を包み、軸受座353、駆動片36、軸受座ワッシャー357、軸受座カバー358は、順に接続され、長ネジ3591によりロックされる。軸受座353と軸受座カバー358は、O型シールリング359によりシールされる。軸受座353と主駆動ロッド31との間の前後2箇所に形成された隙間は、オイルシール356によりシールされる。組立後に、軸受座353の前後両面には、ナイロンブッシング355をさらに外嵌し、ナイロンブッシング355の外面には、偏心輪バッフル354をさらに被覆する。偏心輪バッフル354は、ネジ3592により偏心輪351にロックされ、偏心輪351と一緒に回転する。偏心輪バッフル354は、偏心輪351の位置ずれを防止する。ナイロンブッシング355は、軸受座353と、軸受座カバー358と、偏心輪バッフル354との間の摩耗を防止するためのものである。
【0037】
図13及び
図14に示すように、泥供給箱15の断面は多角形である。この多角形の各辺は、いずれも螺旋軸2のブレードにほぼ接する。多角形の夾角にはバッフル151が設けられる。バッフル151は、螺旋軸2ブレードに近い。濾過チャンバー1の排出端に近い尾部は、圧縮部16に接続される。
図15及び
図16に示すように、圧縮部16の断面は多角形である。この多角形の各辺は、螺旋軸2のブレードにほぼ接する。多角形の夾角にはバッフル161が設けられる。バッフル161は、螺旋軸2ブレードに近い。このような設計により、材料に抵抗が与えられ、共同回転が回避される。
【0038】
各支持板4の左右両側の上下には、それぞれノッチ43が設けられる。
図17及び
図18に示すように、4つのノッチ43は、4つの方向から濾過チャンバー1を噴射する4つの噴射管5を取り付けるためのものである。
【0039】
隣接する2つの支持板4の間には、板溝によりスプラッシュガード9が取り付けられる。板溝は、2つのL型アングル鋼を特定の距離をあけて支持板4上に取り付けることにより形成される。
図19及び
図20に示すように、スプラッシュガード9は逆L型であり、濾過チャンバー1の側面及び頂部の濾液及び噴射水の噴き出しを防止することができる。
【0040】
図8に示すように、支持板4には、逃げ孔41、42及びノッチ43に加えて、U形軸スリーブ固定孔44、スプラッシュガードブラケット固定孔45、噴射管ブラケット固定孔46、U形ガイドレール固定孔47、固定リング固定孔48などの様々な取付孔及び螺旋軸貫通孔49がさらに設けられる。
【0041】
動作過程
材料は、泥供給箱15の供給口から濾過チャンバー1に入り、濾過チャンバー1内に並列して配置された2つの螺旋軸2によって持続的に押し進められる。絡みやすく、ブロッキングしやすい材料であっても、2つの螺旋軸の間の相互作用によって擦り落とされ、さらに泥供給箱15のバッフル151、固定リング及び可動リング上の突起及び凹溝、圧縮部16のバッフル161のブロックにより、汚泥は、スムーズに押し進められる。材料の輸送過程において、濾過チャンバー1は、第1閉合リング片群13の上端の往復円運動、下端の直線運動により隣接する閉合リング片と変位が発生することで、濾過隙間が閉塞されることがなく、濾液は濾過隙間を通して濾過チャンバー1内部から外部へ排出され、濾過残渣は排出端から排出される。濾過過程において、一部の汚泥は濾過チャンバー1から押し出される。この場合、下端に位置決めロッド33のみがあるため、濾液の排出はよりスムーズになり、堆積が発生することがない。上端からの漏泥については、可動リングの動作幅が大きいため、上端からの漏泥はより容易に擦り落とされやすい。また、濾過チャンバー1の表面に残留されても、噴射管5の4つの方向からの噴射により、濾過チャンバー1の表面が清潔に保持され、濾液の順調な排出に有利である。濾過チャンバー1の両側及び上端から排出された濾液及び噴射管5から噴射された噴射水は、スプラッシュガード9によって遮られることで脱水機本体内でそのまま脱水機本体の下方にある濾液収集タンクに流れ込む。
【0042】
以上の実施例及び図面は、本発明の製品の形態及び態様を制限するものではない。当業者が行う適切な変更又は修飾は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。