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特許7503885密封剤を作製するための装置、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】密封剤を作製するための装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 35/83 20220101AFI20240614BHJP
   G01N 23/223 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B01F35/83
G01N23/223
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017232466
(22)【出願日】2017-12-04
(65)【公開番号】P2018134630
(43)【公開日】2018-08-30
【審査請求日】2020-12-03
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】15/371,043
(32)【優先日】2016-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン, ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ディッカーソン, サラ
(72)【発明者】
【氏名】アクワリ, ネルソン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ディフォレスト, ジョン
【合議体】
【審判長】樋口 宗彦
【審判官】渡▲辺▼ 純也
【審判官】▲高▼見 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-162207(JP,A)
【文献】特開2010-22908(JP,A)
【文献】特開平7-286977(JP,A)
【文献】”VALUATION OF THE MIXING RATIO IN POLYSULPHIDE SEALANTS: THE X-RAY FLUORESCENCE METHOD”、NEWSLETTER、FENZI社、Volume 2-2005、2005年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00 - 23/2276
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造現場で第1材料(106)と第2材料(108)とを混合して密封剤(110)を作製すること(602)と、
前記密封剤(110)を試験することであって、
ロボット(124)を用いて、前記密封剤(110)の一部を前記製造現場で試験領域に付けて、前記密封剤(110)の分離された部分を作製することと、
前記試験領域における前記密封剤(110)の前記分離された部分にX線エネルギーを照射すること(604)と、
前記X線エネルギーを照射することに応じて前記密封剤(110)の前記分離された部分が発する、蛍光の量を測定すること(606)と、
前記密封剤(110)の前記分離された部分が発した前記蛍光の量に基づいて、前記密封剤(110)の前記分離された部分における前記第1材料(106)と前記第2材料(108)との混合比率を算出すること(608)であって、前記混合比率は、前記密封剤(110)の前記分離された部分に照射されたX線エネルギーの量と、前記密封剤(110)の前記分離された部分が発した前記蛍光の量との比較に基づいて算出されることと、
前記混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっているか否かを判定すること(610)とを含む、前記密封剤(110)を試験することと、
前記混合比率が前記所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、前記ロボット(124)を用いて前記密封剤(110)を部品(522)に付けながら、同時に前記混合比率を調整することと、
所定の頻度で、又は所定の質量の前記密封剤(110)が付けられた後に、前記密封剤(110)を試験することを繰り返すこととを含む、方法(600)。
【請求項2】
前記第1材料(106)は基剤を含み、前記第2材料(108)は促進剤を含み、前記促進剤は蛍光性化合物を含む、請求項1に記載の方法(600)。
【請求項3】
前記蛍光の量に基づいて前記密封剤(110)の前記分離された部分における前記第1材料(106)と前記第2材料(108)との前記混合比率を算出することが、前記蛍光の量を校正カーブと比較することによって前記混合比率を算出することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法(600)
【請求項4】
前記混合比率が前記所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、前記密封剤(110)の前記ロボット(124)による付着の動作を修正することを更に含む、請求項1に記載の方法(600)
【請求項5】
第1材料(106)と第2材料(108)とを混合して密封剤(110)を作製するよう構成された、混合デバイス(104)と、
部品(522)及び試験領域に前記密封剤(110)を付けるよう構成されたエンドエフェクタ(310)を備える、ロボット(124)と、
前記試験領域における前記密封剤(110)の分離された部分にX線エネルギーを照射するよう構成されたX線デバイス(120)と、
前記密封剤(110)の前記分離された部分に照射された前記X線エネルギーに応じて前記密封剤(110)の前記分離された部分が発する、蛍光の量を測定するよう構成された、メータ(122)と、
前記密封剤(110)の前記分離された部分が発した前記蛍光の量に基づいて前記密封剤(110)の前記分離された部分における前記第1材料(106)と前記第2材料(108)との混合比率を算出し、前記混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっているか否かを判定し、かつ、前記混合比率が前記所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、前記ロボット(124)を用いて前記密封剤(110)を前記部品(522)に付けながら、同時に前記混合比率を調整するよう設定された、コントローラ(126)とを備え、前記コントローラ(126)は、所定の頻度で、又は所定の質量の前記密封剤(110)が付けられた後に、前記混合比率の算出を繰り返すようにさらに設定され、
前記混合比率は、前記密封剤(110)の前記分離された部分に照射されたX線エネルギーの量と、前記密封剤(110)の前記分離された部分が発した前記蛍光の量との比較に基づいて算出される、製造システム(100)。
【請求項6】
前記コントローラ(126)が、前記混合比率が前記所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、前記ロボット(124)の動作を抑制するよう設定される、請求項に記載の製造システム(100)。
【請求項7】
前記第1材料(106)は基剤を含み、前記第2材料(108)は促進剤を含む、請求項5又は6に記載の製造システム(100)。
【請求項8】
前記促進剤が蛍光性化合物を含む、請求項に記載の製造システム(100)
【請求項9】
前記コントローラ(126)が、前記蛍光の量を校正カーブと比較することによって前記混合比率を算出するよう更に設定される、請求項5から8のいずれか一項に記載の製造システム(100)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は概して製造に関し、より具体的には、製造向けの密封剤を作製することに関する。
【背景技術】
【0002】
予め作製された密封剤は、硬化可能な密封剤であってよく、付着又は使用に先立って、一又は複数の密封基剤と一又は複数の促進剤とが予め混合され、予めパッケージングされる。特定の環境において、製造中に、予め作製された密封剤が使用されうる。かかる予め作製された密封剤は、密封剤が部品に付けられる製造現場以外の場所、又はそのような製造現場から離れた場所において、作り出されうる。通常、予め作製された密封剤は、作り出された後に、凍結状態で保存され、それが解凍されて部品に付けられる製造現場へと搬送される。予め作製された密封剤は、追加材料への添加又は追加材料との混合を必要とせずに、特定の応用に適する化学特性を含みうる。しかし、予め作製された密封剤の、意図されていたこととは異なる応用での使用が求められても、予め作製された密封剤の化学組成は修正することが困難である。
【0003】
予め作製された密封剤は、使用するのに時間がかかり、かつ高価なものでありうる。例えば、予め作製された密封剤は、早期硬化を抑制するために、フリーザー内の容器の中に保管され、使用に先立って解凍される必要がある。更に、この容器は、製造中に使用される予め作製された密封剤の量と比較して、不釣り合いなほど小さな、又は大きなものでありうる。したがって、部品に予め作製された密封剤を付けるには、何度も、予め作製された密封剤の新しい容器を取り付け、かつ、予め作製された密封剤の古い空の容器を取り除くことが、必要になりうる。小規模な応用では、未使用の解凍済み材料は、もはや保管することができず、廃棄されなくてはならない。
【発明の概要】
【0004】
本願の主題は、当技術分野の現状に応じて、詳細には従来型の密封剤作製の欠点に応じて、開発されたものである。例えば、従来型の密封剤作製技法は、適切で調整可能な組成を有し、かつ、時間効率の良い様態で使用されうる、使いやすい密封剤の作製を促進するものではない。
【0005】
したがって、本願の主題は、従来技術の技法の上述の欠点の少なくとも一部を克服する、密封剤作製の装置、システム、及び方法を提供するために、開発されたものである。より具体的には、一部の実施形態における、製造現場で材料を混合し、かつ、製造現場で材料の混合比率を試験する、密封剤作製のための装置、システム、及び方法について本書で説明する。
【0006】
一実施形態により、方法は、製造現場で第1材料と第2材料とを混合して密封剤を作製することを含む。この方法は、製造現場で密封剤にX線エネルギーを照射することも含む。方法は、X線エネルギーを照射することに応じて密封剤が発する、蛍光の量を測定することを含む。方法は、蛍光の量に基づいて、密封剤の第1材料と第2材料との混合比率を算出することも含む。方法は、混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっているか否かを判定することを含む。
【0007】
別の実施形態では、方法は、ロボットによる付着を使用して、製造現場で部品に密封剤を付けることを含む。
【0008】
特定の実行形態では、第1材料は基剤を含み、第2材料は促進剤を含み、促進剤は蛍光性化合物を含む。
【0009】
一部の実行形態では、製造現場で密封剤にX線エネルギーを照射することは、密封剤の分離された部分にX線エネルギーを照射することを更に含む。
【0010】
様々な実行形態において、製造現場で密封剤にX線エネルギーを照射することは、密封剤の分離されていない部分にX線エネルギーを照射することを更に含む。
【0011】
更に別の実施形態では、方法は、混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、混合比率を調整することを含む。
【0012】
方法の一実行形態により、蛍光の量に基づいて密封剤の第1と第2の材料の混合比率を算出することは、蛍光の量を校正カーブと比較することによって混合比率を算出することを更に含む。
【0013】
別の実施形態では、方法は、混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、密封剤のロボットによる付着の動作を修正することを含む。
【0014】
一部の実施形態により、密封剤を作製する製造システムは、第1材料と第2材料とを混合して密封剤を作製するよう構成された、混合デバイスを含む。この製造システムは、密封剤にX線エネルギーを照射するよう構成されたX線デバイスも含む。製造システムは、密封剤に照射されたX線エネルギーに応じて密封剤が発する、蛍光の量を測定するよう構成された、メータを含む。製造システムは、部品に密封剤を付けるよう構成されたエンドエフェクタを有する、ロボットも含む。製造システムは、蛍光の量に基づいて、密封剤の第1と第2の材料の混合比率を算出し、かつ、混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっているか否かを判定するよう設定された、コントローラを含む。
【0015】
特定の実行形態では、コントローラは、混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、ロボットの動作を抑制するよう設定される。
【0016】
一部の実行形態では、コントローラは、混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、混合比率を調整するよう設定される。
【0017】
様々な実行形態において、製造システムは、第1材料を保持するよう構成された第1容器と、第2材料を保持するよう構成された第2容器とを含む。
【0018】
更に別の実施形態では、製造システムは、第1容器から混合デバイスへと第1材料を汲み出すよう構成された第1ポンプと、第2容器から混合デバイスへと第2材料を汲み出すよう構成された第2ポンプとを含む。
【0019】
別の実施形態では、製造システムはプラットフォームを含む。混合デバイス、X線デバイス、メータ、及びロボットは、このプラットフォームに装着され、プラットフォームは部品に対して可動である。
【0020】
特定の実行形態では、第1材料は基剤を含み、第2材料は促進剤を含む。
【0021】
一部の実行形態では、促進剤は蛍光性化合物を含む。
【0022】
様々な実行形態において、コントローラは、蛍光の量を校正カーブと比較することによって混合比率を算出するよう、設定される。
【0023】
特定の実施形態により、密封剤の作製を制御するコントローラは、製造現場で第1材料と第2材料とを混合して密封剤を作製する、混合モジュールを含む。コントローラは、製造現場で、密封剤にX線エネルギーを照射することに応じて密封剤が発する蛍光の量を測定する、検出モジュールも含む。コントローラは、蛍光の量に基づいて密封剤の第1と第2の材料の混合比率を算出する、算出モジュールを含む。コントローラは、混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じてロボットの動作を抑制する、ロボット制御モジュールも含む。
【0024】
特定の実行形態では、算出モジュールは、蛍光の量を第1と第2の材料に対応する校正カーブと比較することによって、混合比率を算出する。
【0025】
様々な実行形態において、校正カーブは、第1と第2の材料に対応するロットナンバーに基づいて変動する。
【0026】
説明されている本開示の主題の特徴、構造、利点、及び/又は特性は、一又は複数の実施形態及び/又は実行形態において、任意の好適な様態で組み合わされうる。下記の説明において、本開示の主題の実施形態についての網羅的な理解を促すために、多数の具体的な詳細事項が提示される。当業者は、本開示の主題が、特定の実施形態又は実行形態の具体的な特徴、詳細事項、構成要素、材料、及び/又は方法のうちの一又は複数がなくとも実践されうることを、認識しよう。他の事例としては、特定の実施形態及び/又は実行形態において、全ての実施形態又は実行形態には存在しないことがある追加の特徴及び利点が認められうる。更に、場合によっては、本開示の主題の態様を不明瞭にしないよう、周知の構造、材料、又は動作が、詳細に説明も図示もされない。本開示の主題の特徴及び利点は、下記の記述及び付随する特許請求の範囲から一層網羅的に明らかになるか、又は、後述するように本主題を実践することによって理解されうる。
【0027】
本主題の利点をより容易に理解しうるように、上記で概説した本主題が、付随する図面に示される具体的な実施形態を参照することによって、一層詳細に説明される。これらの図面は、本主題の典型的な実施形態のみを図示していることから、本主題の範囲を限定するものと見なすべきではない。本主題は、図面の使用を通じて、一層具体的かつ詳細に、説明され、解説される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】密封剤を作製するためのシステムの一実施形態の概略図である。
図2】密封剤を使用して作製される部品を含むシステムの、一実施形態の概略図である。
図3】密封剤を作製するためのシステムの一実施形態の概略図である。
図4】密封剤の作製を制御するためのコントローラの、一実施形態の概略ブロック図である。
図5A】密封剤を作製するためのシステムの一実施形態の概略ブロック図である。
図5B】密封剤を試験するためのシステムの一実施形態の概略ブロック図である。
図5C】密封剤を試験するためのシステムの別の実施形態の概略ブロック図である。
図6】密封剤に関連する方法の一実施形態の概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
この明細書を通じての「一実施形態(one embodiment/an embodiment)」又は類似の文言への言及は、実施形態に関連して説明される詳細な特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。この明細書を通じての「一実施形態では(in one embodiment/in an embodiment)」という表現又は類似の文言の出現は、全て同一の実施形態を意味することもあるが、必ずしもそうであるわけではない。同様に、「実行形態(implementation)」という用語の使用は、本開示の一又は複数の実施形態に関連して説明される詳細な特徴、構造、又は特性を有する一実行形態を意味するが、明示的な相互関係が別途示されない限り、一実行形態は一又は複数の実施形態に関連付けられうる。
【0030】
図1は、密封剤110を作製するためのシステム100の一実施形態の概略図である。一部の実施形態では、システム100は、製造現場又は製造セル(例えば1つの場所)に配置される。システム100は、製造のために複数のデバイスが連結されている、プラットフォーム102(例えば製造プラットフォーム)を含む。様々な実施形態において、プラットフォーム102は、製造されている部品に対して可動である。
【0031】
具体的には、図1に示しているように、プラットフォーム102は、第1材料106と第2材料108とを混合して密封剤110を作製するよう構成された、混合デバイス104を含む。一実施形態では、第1材料106は一又は複数の基剤を含み、第2材料108は一又は複数の促進剤を含む。更に、様々な実施形態において、促進剤は、X線が照射されると蛍光する、金属化合物又は別の化合物を含む。この金属化合物は、特定の実施形態では、マンガンを含む。一部の実施形態では、促進剤は、X線が照射されると蛍光して第1材料106と第2材料108との混合比率を示すために実質的に使用されうる、ドーピング剤を含む。本書の定義では、密封剤とは、少なくとも2つの材料のうちのいずれかを混合して一緒にすることによって形成された、様々な物質のうちのいずれかでありうる。したがって、一部の実施形態では、第1と第2の材料106及び108は任意の好適な材料である。
【0032】
プラットフォーム102は、第1材料106を保持するよう構成された第1容器112を含む。一実施形態では、第1容器112は、1~60ガロンの第1材料106を保持するよう構成される。特定の実施形態では、第1容器112は、1ガロンを下回るか、又は60ガロンを上回る第1材料106を保持するよう、構成される。例えば、一実施形態では、第1容器112は、おおよそ55ガロンの第1材料106を保持するよう構成される。プラットフォーム102は、第1容器112から混合デバイス104へと第1材料106を汲み出すよう構成された、第1ポンプ114も含む。一部の実施形態では、プラットフォーム102は、第1容器112を含み、第1ポンプ114、及び/又は、第1ポンプ114から混合デバイス104へと第1材料106を導く導管も含む。
【0033】
更に、プラットフォーム102は、第2材料108を保持するよう構成された第2容器116を含む。一実施形態では、第2容器116は、1~60ガロンの第2材料108を保持するよう構成される。特定の実施形態では、第2容器116は、1ガロンを下回るか、又は60ガロンを上回る第2材料108を保持するよう、構成される。例えば、一実施形態では、第2容器116は、おおよそ5ガロンの第2材料108を保持するよう構成される。プラットフォーム102は、第2容器116から混合デバイス104へと第2材料108を汲み出すよう構成された、第2ポンプ118も含む。一部の実施形態では、プラットフォーム102は、第2容器116を含まないが、第2ポンプ118、及び/又は、第2ポンプ118から混合デバイス104へと第2材料108を導く導管を含む。
【0034】
プラットフォーム102は、密封剤110の第1と第2の材料の混合比率を判定するために、密封剤110にX線エネルギーを照射するよう構成された、X線デバイス120を含む。X線デバイス120は、X線エネルギーを照射することが可能な、任意の好適なX線デバイスでありうる。密封剤110にX線エネルギーが照射された後、密封剤110は蛍光を発する。一部の実施形態では、密封剤110の促進剤の中にあるマンガン又は別の蛍光性材料に応じて、蛍光が発せられる。他の実施形態により、密封剤内の別の類似材料又は類似性材料に応じて、蛍光が発せられる。
【0035】
プラットフォーム102は、密封剤110にX線エネルギーが照射されることに応じて密封剤110が発する、蛍光の量を測定するよう構成された、メータ122を含む。メータ122は、例えば蛍光計などの、蛍光の検出が可能な任意の好適なメータでありうる。プラットフォーム102は、部品に密封剤110を付けるよう構成されたロボット124も含む。一部の実施形態では、ロボット124は、部品に密封剤110を付けるエンドエフェクタを含む。
【0036】
プラットフォーム102は、蛍光の量に基づいて、密封剤の第1と第2の材料の混合比率を算出し、かつ、混合比率が所定の混合比率範囲(例えば、混合比率設定、品質保証混合比率範囲など)の範囲内であるか否かを判定するよう設定された、コントローラ126を含む。一部の実施形態では、コントローラ126は、混合比率が所定の混合比率から外れていること(例えば、上限を上回っていること、下限を下回っていることなど)に応じて、ロボット124の動作を抑制する(例えば、ロボット124を停止させる)よう設定される。他の実行形態では、コントローラ126は、混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、混合比率を調整するよう設定される。例えば、コントローラ126は、密封剤110の測定単位当たりの第1材料106の量を増加させ、密封剤110の測定単位当たりの第1材料106の量を減少させ、密封剤110の測定単位当たりの第2材料108の量を増加させ、かつ/又は、密封剤110の測定単位当たりの第2材料108の量を減少させうる。一実施形態では、コントローラ126は、蛍光の量を校正カーブと比較することによって混合比率を算出するよう、設定される。かかる実施形態では、校正カーブは第1材料106及び/又は第2材料108に対応する。校正カーブは、第1材料106及び/又は第2材料108のロットナンバー(例えば、特定のロット又はバッチの予め設定された又は所定の特性)に基づいて変動しうることが、認識されよう。例えば、校正カーブは、第1材料106のロットナンバーに基づいて変動しうる。別の例としては、校正カーブは、第2材料108のロットナンバーに基づいて変動しうる。更なる例としては、校正カーブは、第1材料106と第2材料108の独自のグループのロットナンバーに基づいて、変動しうる。本書において「ロットナンバー(lotnumber)」とは、一又は複数の材料のグループを表すために使用される任意の記号指示(例えば、番号、色、コード、記号、名称など)のことでありうる。
【0037】
図2は、密封剤110を使用して作製される部品を含むシステム200の、一実施形態の概略図である。図示しているように、密封剤110を使用して航空機の部品が作製されうる。更に、密封剤110を使用して、任意の好適な部品が製造されうる。例えば、航空機の部品、自動車の部品、構造部品、衛星の部品、宇宙船の部品、金属製部品、電子部品等々が、密封剤110を使用して製造されうる。
【0038】
図3は、密封剤110を作製するためのシステム300の一実施形態の概略図である。システム300は、ロボット124を有するプラットフォーム102を含む。プラットフォーム102は、第1方向304に平行に、レール302に沿って動いて、製造されている部品への密封剤110の付着を促進するよう、構成される。ロボット124は、第2方向306に実質的に平行な方向に、レール302から(例えば垂直に又は上方に)延在する。更に、ロボット124のアームが、レール302から離れるように(例えば、第3方向308に、レール302に対して直角に)延在する。図示しているように、ロボット124は、製造されている部品に密封剤110を付けるために、エンドエフェクタ310を含む。
【0039】
図4は、密封剤10の作製を制御するためのコントローラ126の、一実施形態の概略ブロック図である。コントローラ126は、混合モジュール402と、検出モジュール404と、算出モジュール406と、ロボット制御モジュール408とを含む。
【0040】
一部の実施形態では、混合モジュール402は、密封剤110を作製するための、製造現場での第1材料106と第2材料108との混合を制御する。混合モジュール402は、第1分量の第1材料106と第2分量の第2材料108とを混合するよう、混合用のデバイス及び構成要素(例えばポンプ及びミキサ)を制御する。例えば、一実施形態では、第1分量と第2分量との比率は10:1である。別の例としては、一実施形態では、第1分量と第2分量との比率は4:3である。第1分量と第2分量との比率は任意の好適な比率でありうることが、認識されよう。一実行形態では、この比率は、第1材料106及び第2材料108に対応する仕様に基づいて決定される。特定の実施形態では、比率は、密封剤の望ましい粘度、接着性、若しくは強度、又はコストといった様々な要因のうちのいずれかに基づいて、オペレータによって選択される。一部の実施形態では、比率は、予め設定され、かつ、この予め設定された比率によって作製された密封剤110の試験に基づいて、調整される。様々な実施形態において、比率は、第1材料106及び/又は第2材料108に対応する校正カーブに基づいて設定される。コントローラ126は、一部の実行形態により、稼働中にリアルタイムで比率の変化を制御する。
【0041】
特定の実施形態では、検出モジュール404は、製造現場で密封剤110にX線エネルギーを照射することに応じて密封剤110が発する蛍光の量の測定を行う。一部の実施形態では、検出モジュール404が、製造現場で密封剤110にX線エネルギーを照射しうる。様々な実施形態において、算出モジュール406は、検出された(例えば、検出モジュール404によって測定された)蛍光の量に基づいて、密封剤110の第1と第2の材料の混合比率を算出する。算出モジュール406は、一部の実施形態では、混合比率の算出の一環として、密封剤110に照射されたX線エネルギーの量を密封剤110が発した蛍光の量と比較する。一部の実施形態では、算出モジュール406は、蛍光の量を校正カーブと比較することによって、混合比率を更に算出する。校正カーブは、特定の実行形態では、第1材料106及び/又は第2材料108に対応する。特定の実施形態では、校正カーブは、第1材料106及び/又は第2材料108のロットナンバーに基づいて変動する。一部の実施形態では、校正カーブは、第1材料106と第2材料108の独自のグループに対応するロットナンバーに基づいて、変動する。
【0042】
一実施形態では、ロボット制御モジュール408は、混合比率が所定の混合比率範囲(例えば、下方値から上方値までの範囲)から外れていることに応じて、ロボット124の動作を抑制するよう設定される。一部の実施形態では、ロボット制御モジュール408は、混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっていることに応じて、ロボット124を動作させる。様々な実施形態において、コントローラ126は、混合比率が所定の混合比率範囲におさまるよう制御されるまで、ロボット124の動作を遅延させる。例えば、コントローラ126は、一部の実行形態では、算出モジュール406によって、混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることを通知される。一部の実施形態により、算出モジュール406は、混合比率を所定の混合比率範囲内におさめるように、第1材料106及び/又は第2材料108の分量の変更を決定する。コントローラ126は次いで、決定された変更に基づいて第1材料106と第2材料108とを混合するよう、混合モジュール402を制御する。
【0043】
図5Aは、密封剤110を作製するためのシステム500の一実施形態の概略ブロック図である。図示しているように、密封剤110を作製するために、第1材料106と第2材料とが混合デバイス104によって混合される。
【0044】
図5Bは、密封剤110を作製するためのシステム520の一実施形態の概略ブロック図である。図示しているように、密封剤110がロボット124に提供される。ロボット124は、部品522に密封剤110を付ける。特定の実施形態では、ロボット124は、密封剤110の第1と第2の材料の混合比率が試験された後にだけ、部品522に密封剤110を付ける。一部の実施形態では、密封剤110は、所定の頻度で(例えば、密封剤110のロットナンバーの変更がある時、所定の質量の密封剤110が付けられてから、最後の試験の後所定の時間が経過してから、かつ/又は、1日若しくは1シフトでの使用開始時に)試験されうる。密封剤110を試験するために、ロボット124は、試験領域524に密封剤110を付ける。例えば、一実施形態では、ロボット124は、試験領域524内の容器(例えばカップ)に密封剤110を付ける。X線デバイス120が、試験されている密封剤110にX線エネルギーを照射する。メータ122が、照射されたX線エネルギーに応じて試験されている密封剤110が発する、蛍光の量を測定する。コントローラ126は、蛍光の量に基づいて、密封剤110の第1と第2の材料の混合比率を算出し、かつ、混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっているか否かを判定する。混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっている場合、コントローラ126は、部品522に最新の混合比率を有する密封剤110を付けるよう、ロボット124を制御する。しかし、一実行形態では、点線で示しているように、混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっていない場合、コントローラ126が、新たな混合比率を決定し、かつ、この新たな混合比率にしたがって第1と第2の材料106及び108を混合するよう混合デバイス104を制御している間、ロボット124は止められる。新たな混合比率が実現すると、コントローラ126は、この新たな混合比率を有する密封剤を付けるよう、ロボット124を始動させる。一部の実施形態では、新たな混合比率は、付着前に、X線デバイス120を使用する試験を通じて検証されうる。別の実行形態により、同じく点線で示しているように、混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっていない場合、コントローラ126は、部品に密封剤110を付けるための動作をロボット124に継続させつつ、それと同時に、新たな混合比率を決定し、かつ、この新たな混合比率にしたがって、ロボット124に供給するための第1と第2の材料106及び108を混合するよう混合デバイス104を制御する。一実施形態により、所定の混合比率範囲は、この段落において直前に提示した、いずれかを選ぶべき2つの実行形態の各々ごとに異なる。例えば、新たな混合比率が実現するまでの間、ロボット124を停止させることに関連付けられた所定の混合比率範囲は、新たな混合比率が実現するまでの間、ロボットの継続的な動作を可能にすることに関連付けられた所定の混合比率範囲と比べて、より極端に望ましい混合比率から逸脱したものになりうる。
【0045】
図5Cは、密封剤110を試験するための、システム540の別の実施形態の概略ブロック図である。図示しているように、密封剤110がロボット124に提供される。ロボット124は、部品522に密封剤110を付ける。特定の実施形態では、ロボット124は、密封剤110の第1と第2の材料の混合比率が試験された後にだけ、部品522に密封剤110を付ける。密封剤110を試験するために、X線デバイス120は、密封剤110がロボット124のエンドエフェクタ310から出るように導かれていくにつれて、密封剤110にX線エネルギーを照射する。特定の実施形態では、X線エネルギーが(例えば、密封剤110がエンドエフェクタ310から出るのに先立って)ロボット124の一部分の中で、密封剤110に照射される一方、他の実施形態では、X線エネルギーは、密封剤110がロボット124のエンドエフェクタ310から出るにつれて、又は出た直後に、密封剤110に照射される。メータ122が、照射されたX線エネルギーに応じて試験されている密封剤110が発する、蛍光の量を測定する。コントローラ126は、蛍光の量に基づいて、密封剤110の第1と第2の材料の混合比率を算出し、かつ、混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっているか否かを判定する。混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっている場合、ロボット124は、部品522に密封剤110を付けるよう動作する。しかし、一実行形態では、点線で示しているように、混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっていない場合、コントローラ126が、新たな混合比率を決定し、かつ、この新たな混合比率にしたがって第1と第2の材料106及び108を混合するよう混合デバイス104を制御している間、ロボット124は止められる。新たな混合比率が実現すると、コントローラ126は、この新たな混合比率を有する密封剤を付けるよう、ロボット124を始動させる。一部の実施形態では、新たな混合比率は、付着前に、X線デバイス120を使用する試験を通じて検証されうる。別の実行形態により、同じく点線で示しているように、混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっていない場合、コントローラ126は、部品に密封剤110を付けるための動作をロボット124に継続させつつ、それと同時に、新たな混合比率を決定し、かつ、この新たな混合比率にしたがって、ロボット124に供給するための第1と第2の材料106及び108を混合するよう混合デバイス104を制御する。一実施形態により、所定の混合比率範囲は、この段落において直前に提示した、いずれかを選ぶべき2つの実行形態の各々ごとに異なる。例えば、新たな混合比率が実現するまでの間、ロボット124を停止させることに関連付けられた所定の混合比率範囲は、新たな混合比率が実現するまでの間、ロボットの継続的な動作を可能にすることに関連付けられた所定の混合比率範囲と比べて、より極端に望ましい混合比率から逸脱したものになりうる。
【0046】
図6は、密封剤110に関連する方法600の一実施形態の概略フロー図である。一実施形態では、方法600は、製造現場で第1材料(例えば第1材料106)と第2材料(例えば第2材料108)とを混合して、密封剤110を作製すること602を含む。様々な実施形態において、第1材料は基剤を含み、第2材料は促進剤を含み、促進剤は、金属から作られうる蛍光性化合物を含む。特定の実施形態では、方法600は、製造現場で密封剤110にX線エネルギーを照射すること604を含む。一実施形態では、X線エネルギーが密封剤110の分離された部分(例えば、試験領域内の密封剤110)に照射される一方、別の実施形態では、X線エネルギーは、密封剤110の分離されていない部分(例えば、製造ラインで試験される密封剤110、密封剤110が付けられている最中に試験される密封剤110など)に照射される。一部の実施形態では、方法600は、X線エネルギーを照射することに応じて密封剤110が発する、蛍光の量を測定すること606を含む。
【0047】
様々な実施形態において、方法600は、蛍光の量に基づいて、密封剤110の第1と第2の材料の混合比率を算出すること608を含む。特定の実施形態では、蛍光の量に基づいて密封剤110の第1と第2の材料の混合比率を算出すること608は、蛍光の量を校正カーブと比較することによって混合比率を算出することを含む。一実施形態では、方法600は、混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっているか否かを判定すること610を含む。一実施形態では、方法600は、混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、密封剤のロボットによる付着の動作を修正することを含む。密封剤のロボットによる付着の動作を修正することは、(例えば修正された密封剤を用いる、)密封剤のロボットによる付着の動作を抑制すること、密封剤のロボットによる付着を停止すること、及び/又は、密封剤のロボットによる付着を継続することを、含みうる。一部の実施形態では、方法600は、製造現場で部品(例えば部品522)に、ロボットによる付着を使用して密封剤110を付けることを含む。特定の実施形態では、方法600は、混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、混合比率を調整することを含む。
【0048】
上記の説明において、例えば「上へ(up)」「下へ(down)」「上側(upper)」「下側(lower)」「水平(horizontal)」「垂直(vertical)」「左(left)」「右(right)」「上方(over)」「下方(under)」などの、特定の用語が使用されていることがある。これらの用語は、相関関係を扱う際に説明に何らかの明確性をもたらすために、適宜使用されている。しかし、これらの用語は、絶対的な関係、位置、及び/又は配向を含意することを意図するものではない。例えば、ある対象物に関して、単にこの対象物の上下を逆にすることで、「上側」表面が「下側」表面になりうる。それでもなお、これは同じ対象物である。更に、「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」という用語、及びこれらの変化形は、別途明示的に規定しない限り、「~を含むがそれらに限定されるわけではない(including but not limited to)」ことを意味する。列挙されたアイテムは、別途明示的に規定しない限り、それらのアイテムのいずれか又は全てが相互排他的及び/又は相互含有的であることを含意するわけではない。「1つの(a/an)」、及び「前記(the)」という用語は、別途明示的に規定しない限り、「一又は複数の(one or more)」という意味でもある。更に、「複数(plurality)」という用語は、「少なくとも2つ(at least two)」であると定義されうる。
【0049】
加えて、この明細書における、1つの要素が別の要素に「連結される(coupled)」という事例は、直接的及び間接的な連結を含みうる。直接的な連結は、1つの要素が別の要素に連結しており、かつ、別の要素と何らかの接触があることであると、定義されうる。間接的な連結は、互いに直接接触しておらず、連結された要素同士の間に一又は複数の追加の要素を有する、2つの要素間の連結であると、定義されうる。更に、本書において、1つの要素を別の要素に固定することは、直接的に固定すること及び間接的に固定することを含みうる。加えて、本書において、「隣接した(adjacent)」とは、必ずしも接触を意味するわけではない。例えば、1つの要素は、別の要素に接触することなく隣接しうる。
【0050】
本書において、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」という表現は、列挙されたアイテムのうちの一又は複数の種々の組み合わせが使用可能であり、かつ、列挙されたアイテムのうち1つだけが必要でありうることを意味している。アイテムとは、特定の物体、物品、又はカテゴリでありうる。換言すると、「~のうち少なくとも1つ」とは、列挙された中から任意の組み合わせのアイテム又は任意の数のアイテムを使用しうるが、列挙されたアイテムの全てが必要とされるわけではないことを、意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、「アイテムA」、「アイテムAとアイテムB」、「アイテムB」、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」を意味しうる。場合によっては「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」とは、限定する訳ではないが例としては、「2つのアイテムA、1つのアイテムB、及び、10のアイテムC」、「4つのアイテムB及び7つのアイテムC」、又は、他の適切な何らかの組み合わせを意味しうる。
【0051】
別途示さない限り、「第1(first)」、「第2(second)」などの用語は、本書では単に符号として使用されており、これらの用語が表すアイテムに対して、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことを意図していない。更に、例えば「第2」のアイテムへの言及は、例えば「第1」の、若しくより小さい数がふられたアイテム、及び/又は、例えば「第3」の、若しくより大きな数がふられたアイテムの存在を、必要とすることも、排除することもない。
【0052】
本書に含まれる概略フロー図は概して、論理フロー図として記載されている。そのため、記載の順序及び標識されたステップは、提示されている方法の一実施形態を示している。図示されている方法の機能、論理、又は、かかる方法の一又は複数のステップ若しくはそれらの部分に対する効果において同等である、他のステップ及び方法も想起されうる。加えて、用いられている形式及び記号は、本方法の論理ステップを説明するために提供されており、本方法の範囲を限定するものではないと理解される。フロー図には様々な種類の矢印及び線が用いられうるが、これらは、対応する方法の範囲を限定するものではないと理解される。実際、いくつかの矢印又はその他の接続部は、本方法の論理フローを示すためにのみ使用されうる。例えば、矢印は、図示されている方法の列挙されたステップ同士の間の、不特定の長さの待機時間又はモニタリング時間を示しうる。加えて、特定の方法が発生する順序は、図示されている対応するステップの順序に厳密に従うことも、従わないこともある。
【0053】
コントローラ126のモジュールの実施形態は、専らハードウェアの実施形態、専らソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又は、ソフトウェア態様とハードウェア態様とを組み合わせる実施形態の形式をとりうるが、本書ではそれらは全て、「回路(circuit)」、「モジュール(module)」又は「システム(system)」と広く称されうる。更に、実施形態は、機械可読コード、コンピュータ可読コード、及び/又はプログラムコード(以下「コード」と称される)を記憶する一又は複数のコンピュータ可読記憶デバイスで具現化される、プログラム製品の形式をとりうる。記憶デバイスは、有形であり、非一過性であり、かつ/又は、非伝播でありうる。記憶デバイスは、信号を具現化しないことがある。特定の実施形態では、記憶デバイスは、アクセスコード用の信号だけを用いる。
【0054】
コントローラ126のモジュールは、カスタムのVLSI回路若しくはゲートアレイ、論理チップなどの市販の半導体、トランジスタ、又は他の個別構成要素を含む、ハードウェア回路として実装されうる。コントローラ126のモジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイ論理、プログラマブル論理デバイスなどといったプログラマブルハードウェアデバイスでも実装されうる。
【0055】
コントローラ126のモジュールは、様々な種類のプロセッサによって実行されるコード及び/又はソフトウェアでも実装されうる。識別されたコードのモジュールは、例えば、実行可能コードの一又は複数の物理ブロック又は論理ブロックを含み、これらのブロックは例えば、オブジェクト、手順、又は機能として整理されうる。しかしながら、識別されたモジュールの実行ファイル(executable)は、物理的にひとまとまりに配置される必要はなく、別々の場所に記憶された異種指令を含みうる。かかる異種指令は、論理的に一緒にされると、モジュールを含み、かつ、モジュールの規定された目的を達成する。
【0056】
実際、コードのモジュールは、単一指令又は多数の指令であってよく、かつ、種々のプログラム間にいくつかのメモリデバイスにわたって、いくつかの異なるコードセグメントに分散されていてもよい。同様に、動作データは、本書では、モジュール内で識別され、示されてよく、任意の好適な形式で具現化され、かつ、任意の好適な種類のデータ構造の中で整理されうる。動作データは、単一のデータセットとして収集されうるか、又は、種々のコンピュータ可読記憶デバイスにわたる場所を含む種々の場所に分散されうる。モジュール又はモジュールの一部分がソフトウェアで実装される場合、このソフトウェア部分は、一又は複数のコンピュータ可読記憶デバイスに記憶される。
【0057】
一又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、コントローラ126のモジュールによって利用されうる。このコンピュータ可読媒体はコンピュータ可読記憶媒体でありうる。コンピュータ可読記憶媒体は、コードを記憶する記憶デバイスでありうる。記憶デバイスは、例えば、電子式、磁気式、光学式、電磁式、赤外線、ホログラフ、微小機械、又は半導体の、システム、装置、若しくはデバイス、又はこれらの任意の好適な組み合わせでありうるが、これらに限定されるわけではない。
【0058】
記憶デバイスのより具体的な例は(包括的に列挙しているわけではないが)、一又は複数の電線を有する電気接続、携帯式コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM若しくはフラッシュメモリ)、携帯式コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は、これらの任意の好適な組み合わせを、含む。この開示に照らすと、コンピュータ可読記憶媒体は、指令を実行するシステム、装置、若しくはデバイスによって使用される、又は、それらと接続しているプログラムを、包含するか又は記憶することが可能な、任意の有形媒体でありうる。
【0059】
実施形態の動作を実施するためのコードは、Python、Ruby、Java、Smalltalk、C++、などといったオブジェクト指向プログラミング言語、並びに、「C」プログラミング言語やそれに類するもの、及び/又は、アセンブリ言語といった機械言語などの、従来型の手続き型プログラミング言語を含む、一又は複数のプログラミング言語の任意の組み合せで書かれうる。コードは、専らユーザのコンピュータで実行されうるか、部分的にユーザのコンピュータで実行されうるか、スタンドアローン型のソフトウェアパッケージとして実行されうるか、部分的にユーザのコンピュータで、かつ部分的に遠隔コンピュータで実行されうるか、又は、専ら遠隔のコンピュータ若しくはサーバで実行されうる。最後の事例の場合、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続されうるか、又は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて、)外部コンピュータへの接続がなされうる。
【0060】
更に、本開示は、以下の条項による実施形態を含む。
【0061】
条項1.製造現場で第1材料と第2材料とを混合して密封剤を作製することと、製造現場で密封剤にX線エネルギーを照射することと、X線エネルギーを照射することに応じて密封剤が発する、蛍光の量を測定することと、蛍光の量に基づいて、密封剤の第1と第2の材料の混合比率を算出することと、混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっているか否かを判定することとを含む、方法。
【0062】
条項2.ロボットによる付着を使用して、製造現場で部品に密封剤を付けることを更に含む、条項1に記載の方法。
【0063】
条項3.第1材料は基剤を含み、第2材料は促進剤を含み、促進剤は蛍光性化合物を含む、条項1に記載の方法。
【0064】
条項4.製造現場で密封剤にX線エネルギーを照射することが、密封剤の分離された部分にX線エネルギーを照射することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0065】
条項5.製造現場で密封剤にX線エネルギーを照射することが、密封剤の分離されていない部分にX線エネルギーを照射することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0066】
条項6.混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、混合比率を調整することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0067】
条項7.蛍光の量に基づいて密封剤の第1と第2の材料の混合比率を算出することが、蛍光の量を校正カーブと比較することによって混合比率を算出することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0068】
条項8.混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、密封剤のロボットによる付着の動作を修正することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0069】
条項9.第1材料と第2材料とを混合して密封剤を作製するよう構成された、混合デバイスと、密封剤にX線エネルギーを照射するよう構成されたX線デバイスと、密封剤に照射されたX線エネルギーに応じて密封剤が発する、蛍光の量を測定するよう構成されたメータと、部品に密封剤を付けるよう構成されたエンドエフェクタを備える、ロボットと、蛍光の量に基づいて、密封剤の第1と第2の材料の混合比率を算出し、かつ、混合比率が所定の混合比率範囲内におさまっているか否かを判定するよう設定された、コントローラとを備える、製造システム。
【0070】
条項10.コントローラが、混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、ロボットの動作を抑制するよう設定される、条項9に記載の製造システム。
【0071】
条項11.コントローラが、混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じて、混合比率を調整するよう設定される、条項9に記載の製造システム。
【0072】
条項12.第1材料を保持するよう構成された第1容器と、第2材料を保持するよう構成された第2容器とを更に備える、条項9に記載の製造システム。
【0073】
条項13.第1容器から混合デバイスへと第1材料を汲み出すよう構成された第1ポンプと、第2容器から混合デバイスへと第2材料を汲み出すよう構成された第2ポンプとを更に備える、条項12に記載の製造システム。
【0074】
条項14.部品に対して可動であるプラットフォームを更に備え、混合デバイス、X線デバイス、メータ、及びロボットがプラットフォームに装着される、条項9に記載の製造システム。
【0075】
条項15.第1材料は基剤を含み、第2材料は促進剤を含む、条項9に記載の製造システム。
【0076】
条項16.促進剤が蛍光性化合物を含む、条項15に記載の製造システム。
【0077】
条項17.コントローラが、蛍光の量を校正カーブと比較することによって混合比率を算出するよう設定される、条項9に記載の製造システム。
【0078】
条項18.製造現場で第1材料と第2材料とを混合して密封剤を作製する、混合モジュールと、製造現場で、密封剤にX線エネルギーを照射することに応じて密封剤が発する蛍光の量を測定する、検出モジュールと、蛍光の量に基づいて密封剤の第1と第2の材料の混合比率を算出する、算出モジュールと、混合比率が所定の混合比率範囲から外れていることに応じてロボットの動作を抑制する、ロボット制御モジュールとを備える、コントローラ。
【0079】
条項19.算出モジュールが、蛍光の量を第1と第2の材料に対応する校正カーブと比較することによって、混合比率を算出する、条項18に記載のコントローラ。
【0080】
条項20.校正カーブが、第1と第2の材料に対応するロットナンバーに基づいて変動する、条項19に記載のコントローラ。
【0081】
本主題は、その本質や実質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されうる。説明されている実施形態はあらゆる点で例示にすぎず、限定的ではないと解釈すべきである。特許請求の範囲の意義及び均等範囲内で行われるあらゆる変更は、特許請求の範囲に包含されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6