(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】カーシェアリングシステム及びカーシェアリング方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240614BHJP
G07F 17/00 20060101ALI20240614BHJP
E04H 1/12 20060101ALI20240614BHJP
E04H 6/42 20060101ALI20240614BHJP
E06B 9/68 20060101ALI20240614BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240614BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07F17/00 Z
E04H1/12 307
E04H6/42 Z
E06B9/68 A
H04Q9/00 301B
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2019076639
(22)【出願日】2019-04-12
【審査請求日】2022-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】植竹 徹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大助
(72)【発明者】
【氏名】及川 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】馬場 寿一
(72)【発明者】
【氏名】足立 陽平
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸口 遥香
(72)【発明者】
【氏名】藤森 英樹
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-018464(JP,A)
【文献】特開2001-152749(JP,A)
【文献】特開2004-300683(JP,A)
【文献】特開2016-061114(JP,A)
【文献】上妻 英夫,最新 シェアリングエコノミーがよ~くわかる本 ,第1版,日本,株式会社秀和システム 斉藤 和邦,2018年06月29日,第154ページ~第162ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07F 17/00
E04H 1/12
E04H 6/42
E06B 9/68
H04Q 9/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に配置されている1又は複数の車両を複数のユーザーが共同で利用することができるように構成されたカーシェアリングシステムにおいて、
前記駐車場内に配置され、前記車両に取り付けられることによって利用される物品及び/又は前記車両を利用するユーザーが前記車両の利用時に使用する物品
であって前記車両のキー以外の物品を収納する収納手段と、
前記収納手段に収納されている物品を
前記車両の利用時に利用可能な状態とする制御手段とを備え、
前記複数の車両に対してそれぞれ1つの収納手段が割り当てられて前記駐車場内に配置され、さらに前記収納手段以外に共通に利用可能な共通収納手段が前記駐車場内に配置されることを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前
記共通収納手段が前記車両台数よりも少ない数だけ前記駐車場内に配置されることを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項3】
請求項
1に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記制御手段は、前記車両のドアの解錠に連動して前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項4】
請求項
1に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記制御手段は、前記車両のエンジン始動に連動して前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記制御手段は、カーシェアリングシステムの利用に供するカードが前記車両のカードリーダ部にかざされた場合に前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記制御手段は、カーシェアリングシステムの利用に供するカードが前記収納手段のカードリーダ部にかざされた場合に前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記収納手段内に収納される物品は、カーシェアリングシステムを運営する業者が提供する物品及び/又はユーザーの所有する物品で構成されていることを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記物品として、少なくともチャイルドシートを含むことを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項9】
請求項1から
8までのいずれか1に記載のカーシェアリングシステムにおいて、
前記収納手段は、電動シャッター装置を備えており、
前記制御手段は、前記電動シャッター装置の開閉動作を制御する開閉制御手段と、
操作子の操作に応じた制御信号を前記開閉制御手段に出力する操作子手段とで構成されることを特徴とするカーシェアリングシステム。
【請求項10】
駐車場に配置されている1又は複数の車両を複数のユーザーが共同で利用する
ことができるように構成され、制御手段によって制御されるカーシェアリング方法において、
前記車両に取り付けられることによって利用される物品及び/又は前記車両を利用するユーザーが前記車両の利用時に使用する物品であって前記車両のキー以外の物品を収納する収納手段
であって、所定の条件に応じて前記収納手段に収納されている物品を前記車両の利用時に利用可能な状態と
なるように前記制御手段によって制御される収納手段を前記駐車場内に配置し、
前記複数の車両に対してそれぞれ1つの収納手段
を割り当
てて前記駐車場内に配置し、
さらに前記収納手段以外に共通に利用可能な共通収納手段
を前記駐車場内に配置
したことを特徴とするカーシェアリング方法。
【請求項11】
請求項
10に記載のカーシェアリング方法において、
前
記共通収納手段を前記車両台数よりも少ない数だけ前記駐車場内に配置することを特徴とするカーシェアリング方法。
【請求項12】
請求項
10に記載のカーシェアリング方法において、
前記車両のドアの解錠に連動して前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることを特徴とするカーシェアリング方法。
【請求項13】
請求項
10に記載のカーシェアリング方法において、
前記車両のエンジン始動に連動して前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることを特徴とするカーシェアリング方法。
【請求項14】
請求項
10に記載のカーシェアリング方法において、
カーシェアリングの利用に供するカードが前記車両のカードリーダ部にかざされた場合に前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることを特徴とするカーシェアリング方法。
【請求項15】
請求項
10に記載のカーシェアリング方法において、
カーシェアリングの利用に供するカードが前記収納手段のカードリーダ部にかざされた場合に前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることを特徴とするカーシェアリング方法。
【請求項16】
請求項
10に記載のカーシェアリング方法において、
前記収納手段内に収納される物品は、カーシェアリングシステムを運営する業者が提供する物品及び/又はユーザーの所有する物品で構成されていることを特徴とするカーシェアリング方法。
【請求項17】
請求項10に記載のカーシェアリング方法において、
前記物品として、少なくともチャイルドシートを含むことを特徴とするカーシェアリング方法。
【請求項18】
請求項
10から17までのいずれか1に記載のカーシェアリング方法において、
前記収納手段に電動シャッター装置を設け、前記電動シャッター装置の開閉動作を、操作子手段の操作に応じて制御することによって、前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることを特徴とするカーシェアリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザーが車両を共同で利用するカーシェアリングシステム及びカーシェアリング方法に係り、特に車両の利用に応じて収納してある物品を利用可能とする収納庫を備えたカーシェアリングシステム及びカーシェアリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザーが車両を共同で利用するカーシェアリングシステムは、駐車場に配置されている車両を、利用者がインターネットや電話などで予約し、予約した時刻に駐車場に出向いて、会員カードを車両のカードリーダ部にかざしてドアロックを解錠し、車内に設置されているキーを用いて利用するというものである。
【文献】特開2018-81618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の管理装置は、カーシェアリングシステムにおける貸し出し対象となる車両を検索するための仕組みに関するものである。この管理装置では、車両の装備に関する情報として、チャイルドシート、スノータイヤ、チェーン、キャリーなどの有無を検索対象として記録している。従って、ユーザーは、この車両の装備に関する情報の中から所望する装備を備えている車両を検索して利用する。
これらの車両の装備の中で、特にチャイルドシートは、0~4歳くらいの対象となる子どもを同乗させる場合にはその装着が義務化されているため、子どもを同乗させたいユーザーにとってチャイルドシートは必須の物品である。
【0004】
カーシェアリングシステムにおいては、チャイルドシートを装着している車両は全体の割合から見たら極めて少ないため、ユーザーの中には、自分でチャイルドシートを購入し、自宅から車両まで持参して、車両に取り付け、使用後に取り外し、自宅に持ち帰ることによって、車両を利用しているのが現状である。
【0005】
また、カーシェアリングシステムの中には、店舗などでチャイルドシートの無料貸出を行っているところもある。しかしながら、チャイルドシートの貸し出し作業を店舗スタッフが行わなければならず、貸し出し時や返却時の時間を制限されることとなり、必要な時に自由に利用できるというカーシェアリングシステムの利点を損なうこととなっていた。また、このような貸し出しを行う店舗数も少ないのが現状である。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みなされたものであり、いつでも必要な時に車両と共にチャイルドシートなどの物品を利用することのできるカーシェアリングシステム及びカーシェアリング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るカーシェアリングシステムの第1の特徴は、駐車場に配置されている1又は複数の車両を複数のユーザーが共同で利用することができるように構成されたカーシェアリングシステムにおいて、物品を収納することのできる収納手段と、前記収納手段に収納されている物品を利用可能な状態とする制御手段とを備えたことにある。
これは、カーシェアリングシステム用の1又は複数の車両が配置された駐車場内に、チャイルドシートなどの物品を収納可能な収納手段を設置し、制御手段によって収納手段に収納されている物品を利用可能な状態、すなわち収納手段の開口部に設けられている開閉戸やシャッターなどの開閉装置を開放し、収納手段内の物品をユーザーが利用できるようにしたものである。これによって、ユーザーは、いつでも必要な時に車両と共にチャイルドシートなどの物品を利用することができるという効果を奏する。
【0008】
本発明に係るカーシェアリングシステムの第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のカーシェアリングシステムにおいて、前記複数の車両に対してそれぞれ1つの収納手段が割り当てられて前記駐車場内に配置されていることにある。
これは、カーシェアリングシステム用の駐車場に十分なスペースが存在する場合に、それぞれの車両に対応して収納手段を配置するようにしたものである。
【0009】
本発明に係るカーシェアリングシステムの第3の特徴は、前記第2の特徴に記載のカーシェアリングシステムにおいて、前記収納手段以外に共通に利用可能な共通収納手段が前記駐車場内に配置されることにある。
これは、各車両に対応して設置された収納手段の収納容量には限界があるので、収納手段以外に共通収納手段を設置し、利用頻度の高いチャイルドシートなどの物品をこの共通収納庫内に収納し、ユーザーの利用に供するようにしたものである。
【0010】
本発明に係るカーシェアリングシステムの第4の特徴は、前記第1の特徴に記載のカーシェアリングシステムにおいて、前記収納手段として、共通に利用される共通収納手段が前記車両台数よりも少ない数だけ前記駐車場内に配置されることにある。
カーシェアリングシステム用の駐車場に十分なスペースが存在する場合に、それぞれの車両に収納手段を設けることが可能であるが、駐車場に十分なスペースを確保することができない場合が存在する。そこで、この発明では、駐車場内に共通収納手段を設けて、ユーザーがこの共通収納手段に収納されているチャイルドシートなどの物品を利用することができるようにした。
【0011】
本発明に係るカーシェアリングシステムの第5の特徴は、前記第1の特徴に記載のカーシェアリングシステムにおいて、前記制御手段は、前記車両の状態に応じて前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることにある。
これは、車両の状態として、例えばドアが解錠した場合又は車両のエンジンが始動した場合に、それに応じて収納手段に収納されている物品を利用可能な状態とするようにしたものである。
【0012】
本発明に係るカーシェアリングシステムの第6の特徴は、前記第6の特徴に記載のカーシェアリングシステムにおいて、前記制御手段は、前記車両のドアの解錠に連動して前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることにある。
これは、車両の状態、すなわち車両のドアが解錠した場合、それに応じて収納手段に収納されている物品を利用可能な状態とするようにしたものである。
【0013】
本発明に係るカーシェアリングシステムの第7の特徴は、前記第6の特徴に記載のカーシェアリングシステムにおいて、前記制御手段は、前記車両のエンジン始動に連動して前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることことにある。
これは、車両の状態、すなわち車両のエンジンが始動した場合、それに応じて収納手段に収納されている物品を利用可能な状態とするようにしたものである。
【0014】
本発明に係るカーシェアリングシステムの第8の特徴は、前記第1の特徴に記載のカーシェアリングシステムにおいて、前記制御手段は、カーシェアリングシステムの利用に供するカードの状態に応じて前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることにある。
これは、カーシェアリングシステムを利用する際にユーザーに発行される会員カードの状態として、例えば車両のカードリーダ部にかざされた場合又は収納手段のカードリーダ部にかざされた場合に、それに応じて収納手段に収納されている物品を利用可能な状態とするようにしたものである。
【0015】
本発明に係るカーシェアリングシステムの第9の特徴は、前記第8の特徴に記載のカーシェアリングシステムにおいて、前記制御手段は、カーシェアリングシステムの利用に供するカードが前記車両のカードリーダ部にかざされた場合に前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることにある。
これは、カードの状態、すなわち会員カードが車両のカードリーダ部にかざされた場合、それに応じて収納手段に収納されている物品を利用可能な状態とするようにしたものである。
【0016】
本発明に係るカーシェアリングシステムの第10の特徴は、前記第8の特徴に記載のカーシェアリングシステムにおいて、前記制御手段は、カーシェアリングシステムの利用に供するカードが前記収納手段のカードリーダ部にかざされた場合に前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることにある。
これは、カードの状態、すなわち会員カードが収納手段のカードリーダ部にかざされた場合、それに応じて収納手段に収納されている物品を利用可能な状態とするようにしたものである。
【0017】
本発明に係るカーシェアリングシステムの第11の特徴は、前記第1の特徴に記載のカーシェアリングシステムにおいて、前記収納手段内に収納される物品は、カーシェアリングシステムを運営する業者が提供する物品及び/又はユーザーの所有する物品で構成されていることにある。
これは、収納手段内に収納される物品としては、カーシェアリングシステムを運営する業者が提供するチャイルドシートなどの物品が主な収納物となるが、ユーザーが個人的に所有しているチャイルドシートなどの物品も収納手段内に収納可能とすることで、収納手段をレンタルスペースとしてユーザーに利用させることができる。
【0018】
本発明に係るカーシェアリング方法の第12の特徴は、前記第1の特徴から第11の特徴に記載のカーシェアリングシステムにおいて、前記収納手段は、電動シャッター装置を備えており、前記制御手段は、前記電動シャッター装置の開閉動作を制御する開閉制御手段と、操作子の操作に応じた制御信号を前記開閉制御手段に出力する操作子手段とで構成されることことにある。
電動シャッター装置は、収納手段の開口部に設けられ、操作子の操作に応じた制御信号に対応して電動でシャッターの開閉動作を実行する。通常は車両に乗車したまま専用のリモコン操作スイッチ(操作子手段)を操作して開閉動作を制御することができるようになっている。また、スマートフォン(多機能型携帯電話)やPDA等の携帯通信端末手段を電動シャッター装置の操作子手段として機能させ、これらの操作子手段を操作することによって、遠隔操作にて電動シャッター装置の開閉動作を制御することもできる。
本発明において、操作子の操作に応じた制御信号とは、専用の操作子手段や携帯通信端末手段を用いた操作子手段を直接操作する場合の他に、車両のドアが解錠した場合、車両のエンジンが始動した場合、会員カードが車両のカードリーダ部にかざされた場合、又は会員カードが収納手段のカードリーダ部にかざされた場合などのように、間接的な操作に応じて制御信号を出力するような場合を含むものである。
なお、専用のリモコン操作スイッチ(操作子手段)や携帯通信端末手段を用いた操作子手段が車両の移動に伴って所定距離だけ離間し、制御信号の受信が途絶えた場合にも同様に、操作子手段が間接的に操作されたものと認識して、電動シャッター装置は、シャッターが開状態である場合にはシャッターを自動的に閉動作し、収納手段の電動シャッターの閉め忘れを防止する。
また、専用のリモコン操作スイッチには、車両のUSB又は電源ソケットに差し込まれることによって、操作子の操作に応じた制御信号を開閉制御手段に出力するように構成された車載用自動開閉リモコンなどが該当する。
【0019】
本発明に係るカーシェアリング方法の第1の特徴は、駐車場に配置されている1又は複数の車両を複数のユーザーが共同で利用するカーシェアリング方法において、物品を収納する収納手段を前記駐車場内に配置し、所定の条件に応じて前記収納手段に収納されている物品を利用可能な状態とすることにある。
これは、前記カーシェアリングシステムの第1の特徴に対応したカーシェアリング方法の発明である。
【0020】
本発明に係るカーシェアリング方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のカーシェアリング方法において、前記複数の車両に対してそれぞれ1つの収納手段を割り当てて前記駐車場内に配置することにある。
これは、前記カーシェアリングシステムの第2の特徴に対応したカーシェアリング方法の発明である。
【0021】
本発明に係るカーシェアリング方法の第3の特徴は、前記第1の特徴に記載のカーシェアリング方法において、前記収納手段以外に共通に利用可能な共通収納手段を前記駐車場内に配置することにある。
これは、前記カーシェアリングシステムの第3の特徴に対応したカーシェアリング方法の発明である。
【0022】
本発明に係るカーシェアリング方法の第4の特徴は、前記第1の特徴に記載のカーシェアリング方法において、前記収納手段として、共通に利用される共通収納手段を前記車両台数よりも少ない数だけ前記駐車場内に配置することにある。
これは、前記カーシェアリングシステムの第4の特徴に対応したカーシェアリング方法の発明である。
【0023】
本発明に係るカーシェアリング方法の第5の特徴は、前記第1の特徴に記載のカーシェアリング方法において、前記車両の状態に応じて前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることにある。
これは、前記カーシェアリングシステムの第5の特徴に対応したカーシェアリング方法の発明である。
【0024】
本発明に係るカーシェアリング方法の第6の特徴は、前記第6の特徴に記載のカーシェアリング方法において、前記車両のドアの解錠に連動して前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることにある。
これは、前記カーシェアリングシステムの第6の特徴に対応したカーシェアリング方法の発明である。
【0025】
本発明に係るカーシェアリング方法の第7の特徴は、前記第6の特徴に記載のカーシェアリング方法において、前記車両のエンジン始動に連動して前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることことにある。
これは、前記カーシェアリングシステムの第7の特徴に対応したカーシェアリング方法の発明である。
【0026】
本発明に係るカーシェアリング方法の第8の特徴は、前記第1の特徴に記載のカーシェアリング方法において、カーシェアリングシステムの利用に供するカードの状態に応じて前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることにある。
これは、前記カーシェアリングシステムの第8の特徴に対応したカーシェアリング方法の発明である。
【0027】
本発明に係るカーシェアリング方法の第9の特徴は、前記第8の特徴に記載のカーシェアリング方法において、カーシェアリングシステムの利用に供するカードが前記車両のカードリーダ部にかざされた場合に前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることにある。
これは、前記カーシェアリングシステムの第9の特徴に対応したカーシェアリング方法の発明である。
【0028】
本発明に係るカーシェアリング方法の第10の特徴は、前記第8の特徴に記載のカーシェアリング方法において、カーシェアリングシステムの利用に供するカードが前記収納手段のカードリーダ部にかざされた場合に前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることにある。
これは、前記カーシェアリングシステムの第10の特徴に対応したカーシェアリング方法の発明である。
【0029】
本発明に係るカーシェアリング方法の第11の特徴は、前記第1の特徴に記載のカーシェアリング方法において、前記収納手段内に収納される物品は、カーシェアリングシステムを運営する業者が提供する物品及び/又はユーザーの所有する物品で構成されていることにある。
これは、前記カーシェアリングシステムの第11の特徴に対応したカーシェアリング方法の発明である。
【0030】
本発明に係るカーシェアリング方法の第12の特徴は、前記第1の特徴から第11の特徴に記載のカーシェアリング方法において、前記収納手段に電動シャッター装置を設け、前記電動シャッター装置の開閉動作を、操作子手段の操作に応じて制御することによって、前記収納手段内の物品を利用可能な状態とすることにある。
これは、前記カーシェアリングシステムの第12の特徴に対応したカーシェアリング方法の発明である。
【発明の効果】
【0031】
本発明のカーシェアリングシステム及びカーシェアリング方法によれば、いつでも必要な時に車両と共にチャイルドシートなどの物品を利用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明に係るカーシェアリングシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】複数の駐車スペースにそれぞれ収納庫を備えたカーシェアリングシステムの概略構成を示す図である。
【
図3】
図2に対応したカーシェアリングシステムの各収納庫の電動シャッター装置の開閉制御システムの概略構成を示す図である。
【
図4】携帯通信端末の表示画面の一例を示す図である。
【
図5】
図1のカーシェアリングシステムにおいて、車載用自動開閉リモコンが実行するリモコン処理、送受信子機が送受信親機及び車載用自動開閉リモコンとの間で実行する送受信処理の一例を示す図である。
【
図6】
図1のカーシェアリングシステムにおいて、送受信親機が送受信子機並びに携帯通信端末及びサーバーとの間で実行する送受信処理の一例を示す図である。
【
図7】
図1のカーシェアリングシステムにおいて、携帯通信端末が送受信親機との間で実行する送受信処理並びにサーバーが送受信親機及びユーザー端末との間で実行する送受信処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面に従って本発明に係るカーシェアリングシステムの好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では物品を収納する収納庫として電動で開口部のシャッターを開閉制御する電動シャッター装置を備えた収納庫を例に説明する。
【0034】
図1は、本発明に係るカーシェアリングシステムの概略構成を示す図である。
図1に示すように、カーシェアリングシステムでは、複数のユーザーによって共同で利用される車両11がカーシェアリング専用の駐車場の所定の駐車スペース31に駐車してある。カーシェアリングシステムでは、このような駐車スペース31を複数備えた駐車場が存在する。この実施の形態では、車両11の後方であって駐車スペース31の後部側のスペースに各種の物品を収納することのできる収納庫21が設置されている。この実施の形態では、収納庫21に収納されているのは、主にチャイルドシート4である。図では、このチャイルドシート4が収納庫21から取り出された状態が示してある。なお、収納庫21にはチャイルドシート4以外のスノータイヤ、チェーン、キャリーなどの種々の物品が収納される場合もある。
【0035】
図2は、複数の駐車スペースにそれぞれ収納庫を備えたカーシェアリングシステムの概略構成を示す図である。
図2では、5ヶ所の駐車スペース31~35に車両11~15が配置されている。各車両11~15の後方であって駐車スペース31~35の後部側には、物品を収納する収納庫21~25がそれぞれ設置されている。各収納庫21~25は、電動で開口部のシャッターを開閉動作する電動シャッター装置を備えている。なお、収納庫21~25は、シャッター以外の開閉体として引き戸などの開閉体を備えたものであってもよい。
【0036】
図3は、
図2に対応したカーシェアリングシステムの各収納庫の電動シャッター装置の開閉制御システムの概略構成を示す図である。各収納庫21~25に設けられている電動シャッター装置は、基本的にシャッターケース、シャッターカーテン、ガイドレール、モータ、シャッター駆動回路、開閉制御回路、送受信機、車載用自動開閉リモコン(操作子手段)などから構成される。
【0037】
シャッターケースは、収納庫21の開口部の上方に設けられている。ガイドレールは、シャッターカーテンの両端部に接するように収納庫21の開口部の左右両端側に設けられ、開口部上方から開口部下部まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材で構成されている。シャッターカーテンは、このガイドレールの各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉停又は途中停止(半開若しくは半閉)の各動作を行う。
【0038】
図示していない巻取りシャフトは、シャッターケースの両端側に回動可能に設けられ、シャッターカーテンを巻き取ったり巻き戻したりする。図示していないチェーンは、モータの回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取りシャフトの回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、モータの回転駆動力はチェーンを介して巻取りシャフト側に伝達され、モータが回転すると、チェーンを介して巻取りシャフトが回転し、シャッターカーテンの開閉停又は途中停止の各動作が制御されるようになっている。
【0039】
シャッター駆動回路は、図示していないが、それぞれのシャッターケース内に設けられている。シャッター駆動回路は、マイクロコンピュータ構成になっており、電源ラインを介して外部から電力が供給されている。シャッター駆動回路は、開閉制御回路21a~25aからの制御信号に基づいて、モータの回転を制御してシャッターカーテンの開閉停の各動作を制御している。送受信子機21b~25bは、電源線、信号線及びに内蔵アンテナを備えて構成されている。なお、外部アンテナ接続線を備えている場合もある。
図3では、送受信子機21b~25bは、操作子手段である車載用自動開閉リモコン21c~25cからの制御信号を受信するアンテナを内蔵している。
【0040】
車載用自動開閉リモコン21c~25cは、車両11~15の車両内USB又は電源ソケットに差し込まれることによって動作する車載用自動開閉リモコンである。この車載用自動開閉リモコン21c~25cは、車両11~15の中から収納庫21~25に設けられている電動シャッター装置のシャッターを開閉操作できる携帯用のリモコンであり、通常のリモコン操作スイッチと同等の機能を有する。
【0041】
各収納庫21~25に設けられている電動シャッター装置の送受信子機21b~25bと車載用自動開閉リモコン21c~25cとは所定の周波数帯(例えば、426[MHz])で接続され、所定のIDを介して1対1で接続されるようになっている。この実施の形態では、所定のIDとして車載用自動開閉リモコン21cには、id21が、車載用自動開閉リモコン22cにはid22が、車載用自動開閉リモコン23cにはid23が、車載用自動開閉リモコン24cにはid24が、車載用自動開閉リモコン25cにはid25が、それぞれ固有のIDとして割り当てられているので、これらのIDを利用して開閉制御が実行される。
【0042】
各収納庫21~25には、収納された物品の中で特に殺菌消毒を必要とするチャイルドシートの近傍、すなわちチャルイドシート収納棚などの上部に、殺菌灯21d~25dを設け、常時殺菌消毒しており、衛生面対策が施してある。なお、殺菌灯は、収納される物品の種類に応じて1又は複数設けられる。また、殺菌灯21d~25dの他にも、収納庫21~25は、シャッターの開動作に対応して点灯し、収納庫内を明るく照らす照明装置を具備している。
【0043】
なお、図示していないが、各収納庫21~25に設けられている電動シャッター装置には、車載用自動開閉リモコン21c~25c以外にも有線の操作子をそれぞれの開口部近傍に備えていてもよい。車載用自動開閉リモコン21c~25cは、開閉停の各操作ボタンの操作状態に対応した制御信号を送受信子機21b~25bに送信する。各開閉制御回路21a~25aは、これらの操作状態に対応した制御信号に応じて、シャッターカーテンの開閉停の各動作を制御する。
【0044】
送受信子機21b~25bは、それぞれの開閉制御回路21a~25aに有線にて電気的に接続されている。送受信子機21b~25bは、特定小電力無線(例えば、周波数429[MHz])によって送受信親機50に無線接続されている。図示していないが送受信親機50は、車載用自動開閉リモコン21c~25cからの信号を受信するアンテナを内蔵している。アクセスポイント60(Wireless LAN access point)は、送受信親機50にWi-Fiを介して接続されている。さらに、このアクセスポイント60に携帯通信端末70がWi-Fiを介して接続されている。
【0045】
図1では、送受信子機21b~25bに、車載用自動開閉リモコン21c~25c及び送受信親機50に接続されるアンテナが図示してある。送受信子機21b~25bと車載用自動開閉リモコン21c~25cとの間を接続する特定の周波数帯と、送受信子機21b~25bと送受信親機50との間を接続する特定の周波数帯は、同じであってもよいし、異なるものであってもよい。なお、特定の周波数帯が異なる場合、送受信子機21b~25bは、受信信号の周波数をソフト的に切り替えて受信している。
【0046】
送受信親機50およびアクセスポイント60の設置(配置)位置について、この実施の形態においては、少なくともどちらか一方又は両方がいずれかの収納庫21~25の電動シャッターのシャッターケース内に収容されていることが好ましい。例えばシャッターケース内部等であっても、通信が可能な範囲でかつシャッターカーテンの開閉や巻き取り等の移動動作と干渉しない位置であればその設置位置は任意である。
【0047】
携帯通信端末70は、例えば、携帯電話、PHS、スマートフォン(多機能型携帯電話)、PDA等の携帯型の通信端末であり、GPS機能を搭載している。この実施の形態では、携帯通信端末70は、GPS機能を搭載したスマートフォンで構成され、通常の通話機能だけでなく、タッチパネル式の表示画面を備え、各種アプリケーションの起動に応じて、車載用自動開閉リモコン21c~25cの各ボタンと同等の機能を備えたリモコン操作スイッチが表示画面上に表示され、これらの各ボタンを操作することによって、リモコン操作スイッチとして機能するようになっている。
【0048】
携帯通信端末70のタッチパネル式の表示画面には、通話を含む複数のアプリケーションを起動するための各種アイコンが表示されており、所望のアイコンをタッチ操作することによって所望のアプリケーションを起動できるように構成されている。
図3では、開閉体制御用リモコンのアプリケーションが起動され、開ボタン、停止ボタン、閉ボタンの各操作ボタンが表示された状態が示されている。携帯通信端末70は、Wi-Fi、赤外線通信、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信機能を備えているが、この実施の形態では、アクセスポイント60にWi-Fiで接続され、さらにアクセスポイント60を介して送受信親機50にWi-Fiにて接続されるように構成されている。なお、図では1個の携帯通信端末70を示しているが複数でもよい。
【0049】
図1のカーシェアリングシステムにおいて、車載用自動開閉リモコン21c~25c、送受信子機21b~25b及び送受信親機50には、それぞれのリモコンID(id21,id22,id23,id24,id25)が設定される。このリモコンIDの設定処理の詳細は、先に出願した特願2015-208071に記載されているので、ここでは説明を省略する。
【0050】
図4は、携帯通信端末の表示画面の一例を示す図である。
図4において、携帯通信端末701は、開閉体制御用リモコンのアプリケーションが起動された初期状態を示す画面の一例である。携帯通信端末701の初期状態画面には、「個別シャッター」、「全シャッター」の選択ボタンが表示される。
【0051】
「個別シャッター」の選択ボタンは、
図2に示す各収納庫21~25に設けられている電動シャッター装置の中から選択したものを個別に制御する場合に選択されるものである。「全シャッター」の選択ボタンは、
図2に示す各収納庫21~25に設けられている全ての電動シャッター装置を同時に制御する場合に選択されるものである。
【0052】
図4において、携帯通信端末702は、初期状態画面の表示された携帯通信端末701の「個別シャッター」の選択ボタンが操作された場合の画面の一例を示す。携帯通信端末702には、
図1に示した開閉制御可能な装置名として、「駐車スペース31の収納庫21」、「駐車スペース32の収納庫22」、「駐車スペース33の収納庫23」、「駐車スペース34の収納庫24」及び「駐車スペース35の収納庫25」のような選択ボタンが表示される。
【0053】
なお、「駐車スペース31の収納庫21」に変えて、「道路側から1番目の駐車スペースの収納庫」などのようにその名称を分かり易いように割り当てることも可能である。このように、送受信親機50に割り当てられた名称は、アクセスポイント60を介して携帯通信端末70にも送信されるので、携帯通信端末70を送受信親機50に別途登録する必要もなく、アクセスポイント60に携帯通信端末70を接続するだけで、携帯通信端末70を用いて、各収納庫21~25に設けられている電動シャッター装置の開閉停の各動作を適宜制御することができる。
【0054】
図4において、携帯通信端末703は、携帯通信端末702に表示された開閉制御可能な装置名の「駐車スペース31の収納庫21」の選択ボタンが操作された場合の画面の一例を示す。携帯通信端末703の表示画面上部には、現在制御対象である装置名「駐車スペース31の収納庫21」が表示され、さらに下側には開閉停の各操作ボタンに対応した操作ボタンが表示される。
【0055】
上述のように、携帯通信端末702に表示された開閉制御可能な収納庫名の「駐車スペース31の収納庫21」、「駐車スペース32の収納庫22」、「駐車スペース33の収納庫23」、「駐車スペース34の収納庫24」及び「駐車スペース35の収納庫25」の選択ボタンのいずれかが操作された場合には、それぞれの収納庫名が携帯通信端末703に示すように表示画面上部に表示され、携帯通信端末703の表示画面を用いて収納庫の電動シャッター装置の開閉停、途中停止などの各動作を制御することができるようになる。
【0056】
携帯通信端末701の表示画面で「全シャッター」の選択ボタンが操作された場合には、「全シャッター(全収納庫)」の文字が携帯通信端末704の表示画面上部に表示され、携帯通信端末704を用いて全ての収納庫21~25の電動シャッターの開閉を一斉(同時)に制御することができるようになる。この携帯通信端末70を使用しての制御は、カーシェアリングシステムのスタッフが収納庫21~25内の物品のメンテナンスや取り替え、清掃等を容易に行えるようにするためのものであり、カーシェアリングシステムのユーザーが同様にして携帯通信端末を開閉体制御用リモコンとして利用することはできない。
【0057】
図1に示すカーシェアリングシステムにおいては、専用の車載用自動開閉リモコン21c~25c以外に、カーシェアリングシステムのスタッフが携帯通信端末70を用いて収納庫21~25の電動シャッター装置の開閉停の各動作を適宜制御することができる。また、送受信親機50と携帯通信端末70とは、アクセスポイント60を介して接続されているので、WEP(WPA,WPA2でもよい)の認証を受けた携帯通信端末70のみが送受信親機50に接続されるので、高いセキュリティを構築することができる。
【0058】
図3において、送受信親機50は、各収納庫21~25の電動シャッター装置からの各種信号を受信して、それを所定のデータとして記録すると共にアクセスポイント60並びに外部のネットワーク95を経由して、カーシェアリングシステムを構築するサーバー100に送信する。サーバー100には、送受信親機50から送信されて来た各収納庫21~25の電動シャッター装置の状態をライブ表示するモニタが設けられている。このモニタを視認することで、どこの地域のどのカーシェアリングシステムの収納庫の電動シャッター装置がどのような状態にあるのか、あらゆる情報を容易に取得し認識し、離間した場所にそれぞれ設置された複数の収納庫の電動シャッター装置の開閉動作を効率的かつ集中的に制御することができるようになっている。
【0059】
ネットワーク95は、移動体通信網(無線網)及び有線通信網(有線網)から構成される。移動体通信網(無線網)は、携帯電話やPHSなどの携帯電話サービス会社などによって提供される通信サービス網であり、有線通信網(有線網)は、固定電話などの公衆電話サービス会社などによって提供される通信サービス網である。有線通信網(有線網)には、ISP(Internet Service Provider)を介して接続されるものを含む。
【0060】
アクセスポイント60は、送受信親機50を図示してしいないISP経由にてネットワーク95に接続するものであり、WiFi機能を備えている。サーバー100は、図示していないISP経由にてネットワーク95に接続されている。携帯通信端末70も、アクセスポイント60にWiFiにて接続可能される。
【0061】
また、携帯通信端末70以外の携帯通信端末、タブレット端末及びノートPC端末などのユーザー端末101も、別のISPを経由してネットワーク95に接続される。携帯通信端末70以外のユーザー端末101は、カーシェアリングシステムの設置されている場所から遠く離れた管理センターやカーシェアリングシステムを提供する業者(運営会社)やその他の出先などの遠隔地から接続可能に構成されている。
【0062】
携帯通信端末70のようにWiFiを経由してアクセスポイント60に接続可能な状態にある場合は、アクセスポイント60を経由して送受信親機50に接続可能である。また、ユーザー端末101のように、アクセスポイント60に接続できない場合には、ネットワーク95及びアクセスポイント60を経由して送受信親機50に接続可能である。さらに、携帯通信端末70は、アクセスポイント60及びネットワーク95を経由して、サーバー100に接続可能である。一方、送受信親機50は、アクセスポイント60及びネットワーク95を経由してサーバー100に接続可能となっている。
【0063】
従って、送受信親機50は、アクセスポイント60経由にてネットワーク95に接続するためのサーバー情報部、ユーザー情報部、ISP情報部及び電子メール送信部などを備えている。サーバー情報部は、サーバー100のURL、ログインID、パスワードなどの各種情報を格納しており、サーバー100への接続を実行するものである。
【0064】
ユーザー情報部は、ユーザー端末101(携帯通信端末、ノートPC端末、タブレット端末など)に関するID、パスワードなどの各種情報を格納しており、ユーザー端末101と送受信親機50とを接続するものである。ISP情報部は、図示していないISPを介してネットワーク95に接続するために必要な情報を格納しており、ネットワーク95への接続を実行するものである。
【0065】
なお、送受信親機50は、電子メール送信部を備え、ユーザー端末101や遠隔監視センターなどから入力した電子メールアドレスを格納し、その電子メールアドレス宛にネットワーク95を経由して各種情報や画像データなどを送信することも可能である。また、送受信親機50は、ユーザー端末101(携帯通信端末、ノートPC端末、タブレット端末など)からの要求に応じて各種データをネットワーク95経由にて送信することもできる。また、送受信親機50は、所定のタイミング又は各収納庫21~25の電動シャッター装置の状態が変化したタイミングなどに、その各種データをネットワーク95経由にてサーバー100に送信する。
【0066】
送受信親機50は、アクセスポイント60を経由して受信したアクセス要求がユーザーとしてあらかじめ設定登録されたID及びパスワードに一致するか照合すると共にIDに対応する電子メールアドレスを抽出する。送受信親機50は、照合の結果、ID及びパスワードが設定登録されたものに一致する場合は、グローバルIPアドレス又はこのグローバルIPアドレスを含んだURLに関する情報をユーザー端末などに送信する。ユーザー端末101(携帯通信端末、ノートPC端末、タブレット端末など)は、端末自体に通知機能を備えているので、受信したデータをユーザーに瞬時に通知可能となっている。
【0067】
ユーザー端末101(携帯通信端末、ノートPC端末、タブレット端末など)を使用して、各収納庫21~25の電動シャッター装置の状態を確認する場合、割り振られたグローバルIPアドレスあるいはグローバルIPアドレスを含むURLに基づいて、ユーザー端末101から送受信親機50に対してアクセスを行う。送受信親機50は、ユーザー情報部に格納されているユーザーID、パスワード等を使用し、ユーザー端末101に接続許可を与える。これによって、ユーザー端末101は、送受信親機50にアクセスし、各収納庫21~25の電動シャッター装置の状態や検出データなどを確認することができる。
【0068】
各収納庫21~25の電動シャッター装置などの確認が終わると、ユーザー端末101から終了要求を送受信親機50に送信する。この終了要求を受け取ると、送受信親機50は、ネットワーク95との接続を切断する。また、一定時間以上、ユーザー端末101の通信端末から送受信親機50に対するアクセスがない場合にも、ネットワーク95との接続を切断する。これにより、ユーザーは簡単な操作で送受信親機50から各収納庫21~25の電動シャッター装置の状態を取得し確認することができる。上述の実施の形態では、送受信親機50を用いて各収納庫21~25の電動シャッター装置の状態を複数のユーザー端末101から同時にアクセス可能である。
【0069】
図5は、
図1のカーシェアリングシステムにおいて、車載用自動開閉リモコン21c~25cが実行するリモコン処理、送受信子機21b~25bが送受信親機50及び車載用自動開閉リモコン21c~25cとの間で実行する送受信処理の一例を示す図である。
図6は、
図1のカーシェアリングシステムにおいて、送受信親機50が送受信子機21b~25b並びに携帯通信端末70及びサーバー100との間で実行する送受信処理の一例を示す図である。
図7は、
図1のカーシェアリングシステムにおいて、携帯通信端末70が送受信親機50との間で実行する送受信処理並びにサーバー100が送受信親機50及びユーザー端末101との間で実行する送受信処理の一例を示す図である。
【0070】
図5において、通信回線1a,2a,3a,4a,5aは、車載用自動開閉リモコン21c~25cからそれぞれ対応する送受信子機21b~25bへの送信を示す。
図5及び
図6において、通信回線3a,3bは、送受信子機21b~25bから送受信親機50への送信を示し、通信回線5b,5cは、送受信親機50からそれぞれの送受信子機21b~25bへの送信を示す。
図6及び
図7において、通信回線5a1,5d1は、送受信親機50から携帯通信端末70への送信を示す。通信回線7a2,7b1は、携帯通信端末70から送受信親機50への送信を示す。通信回線5a2,5d2は、送受信親機50からサーバー100への送信を示し、通信回線7a1は、サーバー100から送受信親機50への送信を示す。
【0071】
図5において、車載用自動開閉リモコン21c~25cは、それぞれ対応する通信回線1a,2a,3a,4a,5aを介して送受信子機21b~25bに、収納庫21~25の電動シャッターに対する操作信号を送信する。すなわち、車載用自動開閉リモコン21c~25cは、ユーザーが会員カードを車両11~15のカードリーダ部にかざしてドアロックを解錠した時点で、収納庫21~25の電動シャッターに開信号を送信する。また、車両11~15内において、車載用自動開閉リモコン21c~25cがユーザーによって操作された場合には、その操作ボタンに対応した開閉停の各操作信号を送信する。
【0072】
通信回線1a,2a,3a,4a,5aを介して操作信号を受信した送受信子機21b~25bは、受信した操作信号に含まれるID(id12,id22,id32,id42)が、事前に収納庫21~25の利用を申し込んだユーザーが利用する車両11~15に搭載されている車載用自動開閉リモコン21c~25cのIDと一致するか否かを確認し、一致する場合にその操作信号に対応した処理を実行する。
【0073】
次に、送受信子機21b~25bが送受信親機50及び車載用自動開閉リモコン21c~25cからの操作信号に基づいて実行する送受信処理について説明する。
ステップS51では、送受信子機21b~25bが、それぞれの制御対象である開閉体の状態(開状態、閉状態、停止状態)の変化時に、それぞれの状態に対応した状態信号を通信回線3a経由にて送受信親機50に送信する。この状態の変化には、IDの一致した車載用自動開閉リモコン21c~25cからの操作信号の受信を所定の時間、受信しなくなった場合を含む。
【0074】
ステップS52では、操作信号に含まれるIDが一致するか否かの判定を行い、一致する(yes)場合は、ステップS53に進み、一致しない(no)場合はリターンする。このステップS52における操作信号には、送受信子機21b~25bが通信回線1a,2a,3a,4a,5aを介して受信した車載用自動開閉リモコン21c~25cからの操作信号と、送受信子機21b~25bが通信回線5b,5cを介して受信した送受信親機50からの操作信号との両方を含む。
【0075】
そこで、ステップS52では、操作信号が車載用自動開閉リモコン21c~25cからの操作信号の場合には、その操作信号に含まれるIDが、ユーザー申込み車両11~15の車載用自動開閉リモコン21c~25cのIDと一致するか否かの判定を行い、一致する(yes)場合は、ステップS53に進み、一致しない(no)場合はリターンする。また、操作信号が送受信親機50からの操作信号の場合には、その操作信号に含まれるIDが送受信子機21b~25bのIDと一致するか否かの判定を行い、一致する(yes)場合は、ステップS53に進み、一致しない(no)場合はリターンする。
【0076】
ステップS53では、受信した操作信号に含まれるIDの一致した開閉制御回路21a~25aが、その操作信号に対応した開閉停の各動作の処理を実行する。このIDには、個別IDと共通IDを含むものとし、個別IDは制御対象である開閉体にそれぞれ割り当てられるものであり、共通IDは、送受信親機50からの操作信号に含まれるものであり、カーシェアリングシステム内の各収納庫21~25に設けられている電動シャッター装置に共通に割り当てられるものである。従って、送受信子機21b~25bが共通IDを含む操作信号を受信した場合は、全ての開閉制御回路21a~25aはその操作信号に対応した開閉の各動作の処理を実行する。
【0077】
なお、共通IDを設けずに、全てのシャッターを一斉(同時)に操作する場合は、それぞれの個別IDを含んだ操作信号を送受信機からシャッターの台数分送信してもよい。なお、ステップS51で状態変化時として、車載用自動開閉リモコン21c~25cからの操作信号の受信が所定の時間(例えば5分~10分の間)存在しなくなった場合には、車両11~15のユーザーが収納庫21~25を閉鎖するのを忘れて出庫したものと見なして、安全のために各収納庫21~25の電動シャッター装置に対して閉信号を送信して、各収納庫21~25の開口部を閉鎖する。
【0078】
ステップS54では、開閉停の各動作の処理が終了したか否かの判定を行い、終了した(yes)場合はステップS55に進み、終了していない(no)場合はステップS53にリターンし、操作信号に対応した処理を継続する。
ステップS55では、受信した操作信号が通信回線1a,2a,3a,4a,5aを介した車載用自動開閉リモコン21c~25cからのものか否かを判定し、車載用自動開閉リモコン21c~25cからの操作信号(yes)の場合は直ちにリターンし、送受信親機50からの操作信号(no)の場合は、ステップS56に進む。
ステップS56では、各開閉制御回路21a~25aは操作信号に対応した処理が終了したことを示す操作終了信号を送受信子機21b~25b及び通信回線3bを介して、送受信親機50に送信する。
【0079】
図6において、送受信親機50は、送受信子機21b~25bから送信される状態信号を通信回線3a経由で、操作終了信号を通信回線3b経由でそれぞれ受信する。また、送受信親機50は、サーバー100から送信される予約状況信号を通信回線7a1経由で受信する。この予約状況信号には、ユーザー情報、ユーザー申込み車両11~15の車載用自動開閉リモコン21c~25cのIDに関する情報及び予約時間に関する情報等が含まれる。
【0080】
送受信親機50は、携帯通信端末70から送信されるアクセス信号を通信回線7a2経由で受信する。また、送受信親機50は、携帯通信端末70又はサーバー100から送信される全/個別の電動シャッターに関する操作指示信号を通信回線7b1又は7b2経由でそれぞれ受信する。
【0081】
ステップS61では、送受信親機50は、送受信子機21b~25bから通信回線3aを介して受信した各種の状態信号に基づいて、収納庫21~25の電動シャッター装置の開閉停の各状態をそれぞれ記録する。また、送受信親機50は、サーバー100から通信回線7a1を介して受信した予約状況信号に基づいて、ユーザー情報、ユーザー申込み車両11~15の車載用自動開閉リモコン21c~25cのIDに関する情報も合わせて記録する。
【0082】
ステップS62では、携帯通信端末70から通信回線7a2を介して受信したアクセス信号に応じて、ステップS61の処理にて記録済の収納庫21~25の電動シャッター装置の状態に関する信号を携帯通信端末70に通信回線5a1経由にて送信する。
【0083】
一方、サーバー100に対しては、所定のタイミング又は収納庫21~25の電動シャッター装置の状態が変化したタイミングで、ステップS61の処理にて記録済の各種の状態に関する信号を通信回線5a2経由にて送信する。ここで所定のタイミングとは、1~数時間毎、毎日所定の時刻、数日間毎など任意に送信タイミングが設定可能である。
【0084】
ステップS63では、携帯通信端末70から通信回線7b1経由にて操作信号を受信したか否か、又はサーバー100から通信回線7b2経由にて操作信号を受信したか否かを判定し、受信していない(no)場合は直ちにリターンし、受信した(yes)場合は、その受信した操作信号が全シャッターに関するものか個別のシャッターに関するものかを判定し、個別のシャッターに関する場合はステップS64に進み、全てのシャッターに関するものの場合はステップS65に進む。
【0085】
ステップS64では、個別のシャッターに関する操作信号を送受信子機21b~25bに通信回線5bを介して送信する。通信回線5bを介して送信される個別のシャッターに関する操作信号には、前述の個別IDを含むので、この個別IDに対応した送受信子機21b~25b(収納庫21~25の電動シャッター装置)がステップS53の操作信号に対応した処理を実行する。
【0086】
ステップS65では、全てのシャッターに関する操作信号を送受信子機21b~25bに通信回線5cを介して送信する。通信回線5cを介して送信される全てのシャッターに関する操作信号が、前述の共通IDを含むように構成してある場合には、これを受信した全ての送受信子機21b~25b(収納庫21~25の電動シャッター装置)がステップS53の操作信号に対応した処理を実行する。
【0087】
ステップS66では、送受信子機21b~25bから通信回線3bを介して操作終了信号を受信したか否かを判定し、受信した(yes)場合はステップS67に進み、受信していない(no)場合は操作終了信号を受信するまでこの判定処理を繰り返す。
ステップS67では、送受信親機50は、操作信号に対応した処理が終了したことを示す操作終了信号を携帯通信端末70及びサーバー100に通信回線5d1,5d2を介して送信する。
【0088】
図7において、携帯通信端末70は、送受信親機50から送信される各種の状態信号を通信回線5a1経由で、操作終了信号を通信回線5d1経由でそれぞれ受信する。また、携帯通信端末70は、車載用自動開閉リモコンとして機能するアプリケーションソフトの起動に応じて、通信回線7a2を介して、アクセス信号を送受信親機50に送信する。送受信親機50は、サーバー100から送信される予約状況信号を通信回線7a1経由で受信する。
【0089】
ステップS71では、送受信親機50から通信回線5a1を介して受信した状態信号に基づいて、制御可能な収納庫21~25の電動シャッター装置のそれぞれの開閉停の状態を携帯通信端末70の表示画面に表示する。
【0090】
ステップS72では、収納庫21~25の電動シャッター装置の全てのシャッターに対する操作指示信号又は個別のシャッターに対する操作指示信号を通信回線7b1経由で送受信親機50へ送信する。
ステップS73では、送受信親機50から通信回線5d1を介して操作終了信号を受信したか否かを判定し、受信した(yes)場合はステップS74に進み、受信していない(no)場合は操作終了信号を受信するまでこの判定処理を繰り返す。
ステップS74では、操作指示したシャッターの開閉停の各状態を携帯通信端末70の表示画面に表示してリターンする。
【0091】
一方、
図7において、サーバー100は、送受信親機50から送信される各種の状態信号を通信回線5a2経由で、操作終了信号を通信回線5d2経由でそれぞれ受信する。
また、サーバー100は、インターネット経由にて接続して来たユーザー端末(タブレット端末、携帯通信端末、ノートPC端末など)101から送信されるアクセス信号を通信回線10a経由にて受信し、操作信号を通信回線10b経由にて受信する。
【0092】
ステップS101では、サーバー100は、送受信親機50から通信回線5a2を介して受信した状態信号に基づいて、制御可能な収納庫21~25の電動シャッター装置のそれぞれの開閉停の状態や電動シャッター装置の型番や種類、設置場所、収納庫に収納されている物品の型番や種類などの各種情報を記録し、データベース化する。
【0093】
データベース化された各種情報に基づいてサーバー100は、電動シャッター装置の部品交換等のメンテナンスの時期や各機器の寿命等を認識することができ、また、ユーザーからの要求に応じた物品の検索等を実行する。
【0094】
ステップS102では、通信回線10b経由にてユーザー端末101から受信した操作信号に応じて、収納庫21~25の電動シャッター装置に操作信号を通信回線7b2経由にて送受信親機50へ送信する。すなわち、ユーザー端末101からサーバー100にアクセスすることによって、車両11~15の利用と直接関係ない収納庫21~25の電動シャッター装置に対して操作信号を送信することによって、その電動シャッター装置を操作して収納庫を利用できるようにした。例えば、車両11の収納庫21に収納されているチャイルドシートが一つだけであり、収納庫22に収納されているチャイルドシートを利用したい場合などに、ユーザー端末101及びサーバー100経由にて収納庫22の電動シャッター装置を操作することによって、他の収納庫22内のチャイルドシートを利用することができる。
【0095】
ステップS103では、送受信親機50から通信回線5d2を介して操作終了信号を受信したか否かを判定し、受信した(yes)場合はステップS103に進み、受信していない(no)場合は操作終了信号を受信するまでこの判定処理を繰り返す。
【0096】
ステップS104では、ステップS101の操作信号の送信処理がユーザー端末101からの指示によるものであった場合に、その操作信号を送信して来たユーザー端末101に対して操作指示に対応した処理が終了したことを示す状態信号を通信回線7a2経由にて送信する。これによって、ユーザー端末101は操作指示による処理が確実に実行されたことを認識することができる。
【0097】
上述の実施の形態では、収納庫21~25の電動シャッター装置の全てをグループ化して制御する場合を例に説明したが、カーシェアリングシステムのスタッフが携帯通信端末の開閉体制御用リモコンアプリケーションソフトを操作して操作可能な個別シャッターの1又は複数を任意にグループ化して制御できるようにしてもよい。
【0098】
上述の実施の形態では、アクセスポイント60が一箇所に設けられた場合について説明したが、カーシェアリングシステムの規模に応じて複数個所にアクセスポイントを設置してもよい。この場合、各収納庫21~25内にアクセスポイントを設けてもよいし、収納庫21~25の電動シャッター内にアクセスポイントを設けてもよい。
また、上述の実施の形態では、送受信親機50とアクセスポイント60が別途設けられているが、送受信親機50がアクセスポイント60の機能を内蔵していてもよい。
【0099】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出される電動シャッター装置を例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。また、電動シャッター装置以外にも電動引戸装置などにも適用可能である。
携帯通信端末用のアプリケーションソフトは、所定のURLから任意に入手可能とする。また、このアプリケーションソフトを適宜変更することによって、デザインや操作方法を容易に変更可能とする。
収納庫の周辺や内部に監視カメラや人感センサなどを設置し、カメラの撮影画像や人感センサの感知情報等に基づいて開閉停の各動作の可否等を制御するようにしてもよい。また、監視カメラを用いて収納庫内の物品の設置状態を把握可能としてもよい。
【0100】
図8は、
図2の実施の形態の変形例を示す図である。
図2の実施の形態では、複数の車両11~15に対してそれぞれ1つの収納庫21~25が割り当てられて駐車場内に配置される場合について説明したが、
図8に示すように駐車場内に共通収納庫210を設けて、ユーザーがこの共通収納庫210に収納されているチャイルドシートなどの物品を利用することができるようにしてもよい。
また、
図2の実施の形態では、車両11~15に対応して設置された収納庫21~25の収納容量には限界があるので、収納庫21~25以外に
図8に示すような共通収納庫210を
図2の駐車場内にも設置し、利用頻度の高いチャイルドシートなどの物品をこの共通収納庫210内に収納し、ユーザーの利用に供するようにしてもよい。
【0101】
上述の実施の形態では、ユーザーが会員カードを車両11~15のカードリーダ部にかざしてドアロックを解錠した時点で、収納庫21~25の電動シャッターに開信号を送信する場合について説明したが、車両11~15の状態に応じて、すなわち車両11~15のドアが解錠した場合や車両11~15のエンジンが始動した場合には、それに連動して収納庫21~25の電動シャッターに開信号を送信するようにしてもよい。また、収納庫21~25にカードリーダ部を設け、ユーザーが会員カードを収納庫21~25のカードリーダ部にかざした場合、電動シャッターに開信号を送信するようにしてもよい。
【0102】
上述の実施の形態では、収納庫21~25内に収納される物品は、カーシェアリングシステムを運営する業者が提供する物品が主な収納物である場合について説明したが、ユーザーが個人的に所有しているチャイルドシートなどの物品を収納庫21~25内に収納可能とすることで、ユーザーは収納庫21~25をレンタルスペースとして利用することができるようにしてもよい。
【0103】
上述の実施の形態では、カーシェアリングシステムとして、4輪の自動車である車両を例に説明したが、モーターバイクなどをシェアリングする場合にも同様に適用することが可能である。なお、モーターバイクの場合には、収納庫にヘルメット、グローブなどの装身具を収納するようにすればよい。この場合もユーザー所有のヘルメットを収納可能としてもよい。
【0104】
上述の実施の形態では、会員カードを例に説明したが、会員カード以外にドアロック解除ボタンなどのアプリを搭載した携帯通信端末などのスマートフォンを用いて車両のドアを解錠するものにおいても同様に適用することができる。
【0105】
図9は、収納庫の変形例を示す図である。上述の実施の形態では、1の開口部に電動シャッター装置を備えた収納庫を例に説明したが、
図9に示すような複数の開口部を備えたコインロッカー型の収納庫を共通収納庫210として利用することによって、多数のユーザーに種々の物品を提供することができる。各開口部の開閉戸について、上述の電動シャッター装置と同様の制御システムを用いて、開閉戸の開閉動作を制御するようにしてもよい。この場合、開閉戸は電動である必要はなく、施錠を電動にて行えるようにすることが望ましい。
図9では、チャイルドシートが収納されている様子を示しているが、モーターバイク用のヘルメットやグローブなどの装身具を収納することもできる。また、ロッカーの一部をユーザーにレンタルすることによって、ユーザー所有の物品を収納することができ、これによって、ユーザーは自分でチャイルドシートを購入し、それをレンタルスペースに収納することで、自宅から車両まで持参し、使用後に自宅に持ち帰るという煩わしさがなくなり、ユーザーの利便性を飛躍的に向上させることができる。
【符号の説明】
【0106】
11~15…車両
1a~5a…通信回線、
100…サーバー
101…ユーザー端末
21~25,210…収納庫
21a~25a…開閉制御回路
21b~25b…送受信子機
21c~25c…車載用自動開閉リモコン
21d~25d…殺菌灯
31~35…駐車スペース
4…チャイルドシート
50…送受信親機
60…アクセスポイント
70,701~704…携帯通信端末
95…ネットワーク