IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンカーン グローバル,インコーポレイテッドの特許一覧

特許7503892全方向ビルド経路を有するレーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】全方向ビルド経路を有するレーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/34 20140101AFI20240614BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20240614BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20240614BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240614BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20240614BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20240614BHJP
   B29C 64/227 20170101ALI20240614BHJP
【FI】
B23K26/34
B23K26/21 Z
B23K26/00 N
B33Y30/00
B29C64/268
B29C64/209
B29C64/227
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019131587
(22)【出願日】2019-07-17
(65)【公開番号】P2020011300
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-06-29
(31)【優先権主張番号】62/700,398
(32)【優先日】2018-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/383,822
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510202156
【氏名又は名称】リンカーン グローバル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ディー.アゴスティ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ディー.ラテッサ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ティー.マシューズ
(72)【発明者】
【氏名】カイル ジー.スミス
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0124483(US,A1)
【文献】特開2016-159297(JP,A)
【文献】特開2016-179499(JP,A)
【文献】特表2017-503660(JP,A)
【文献】登録実用新案第3198490(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/34
B23K 26/21
B23K 26/00
B33Y 30/00
B29C 64/268
B29C 64/209
B29C 64/227
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッドであって、前記蒸着ヘッドは、
構造フレームと、
前記構造フレーム内に取り付けられた、レーザ集束装置を含むレーザ処理サブシステムであって基板または付加製造される部品に向かって縦配向方向に単一光線経路レーザ光線を配送するように構成されたレーザ処理サブシステムと、
前記構造フレーム内に取り付けられたワイヤ送出装置および接触管であって、消耗溶接ワイヤを前記縦配向方向に対して1°~30°の間の角度で前記基板または前記部品の方向に送出するように構成されたワイヤ送出装置および接触管と
を含み、
ホットワイヤが前記レーザ光線の経路に入ったときのホットワイヤの集中の微調整は、ホットワイヤ接触ブロックおよび接触管アセンブリを保持する2軸線形クロススライドモジュールを介し達成され、
前記蒸着ヘッドは、前記消耗溶接ワイヤが第1の角度で前記接触管に近づき、該第1の角度にわたって前記縦配向方から1~5°の第2の角度で前記接触管から出るようにするよう構成されているため、前記蒸着ヘッドは、前記単一光線経路レーザ光線の配向を前記縦配向方向から角度的に変更する必要無く、または、前記蒸着ヘッドを回転する必要無く、前記部品を付加製造するために運動制御システムの誘導下で前記基板または前記部品に対して全方向に移動でき
前記レーザ処理サブシステム及び前記ワイヤ送出装置は、別々に動かすことも互いに同期させることも要無い、一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項2】
前記角度は1°~30°の間で手動調整可能である、請求項1に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項3】
前記単一光線経路レーザ光線が前記基板または前記部品に合流する第1の位置と前記消耗溶接ワイヤの先端が前記基板または前記部品に合流する第2の位置との間の距離が手動調整可能である、請求項1に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項4】
前記単一光線経路レーザ光線は前記一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド内で分割または再合成されない、請求項1に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項5】
ノーズコーン、ユーティリィティホースおよび導管、並びに水冷接触ブロックをさらに含む、請求項1に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項6】
前記ワイヤ送出装置はモータおよび駆動ローラを含む、請求項1に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項7】
前記第1の角度は、前記縦配向方向から約30度以下である、請求項1に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項8】
前記レーザ集束装置は最大15キロワットの出力を供給する赤外スペクトルで動作する、請求項1に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項9】
最大約10.0キログラム/時間の蒸着速度が実現可能である、請求項1に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項10】
前記レーザ集束装置は、レーザ光線集束光学系モジュール、集束光学系支援ガス入口、無孔集束光学系カバースライド、および集束光学系出口先端のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項11】
一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッドであって、前記蒸着ヘッドは、
構造フレームと、
前記構造フレーム内に取り付けられた、レーザ集束装置を含むレーザ処理サブシステムであって、基板または付加製造される部品に向かって縦配向方向に単一光線経路レーザ光線を配送するように構成されたレーザ処理サブシステムと、
前記構造フレーム内に取り付けられた接触管であって、外部ワイヤ送出装置からの消耗溶接ワイヤを受け入れ、前記消耗溶接ワイヤを前記縦配向方向に対し1°~30°の間の角度で前記基板または前記部品の方向に誘導するように構成された、接触管と
を含み、
ホットワイヤが前記レーザ光線の経路に入ったときのホットワイヤの集中の微調整は、ホットワイヤ接触ブロックおよび接触管アセンブリを保持する2軸線形クロススライドモジュールを介し達成され、
前記蒸着ヘッドは、前記消耗溶接ワイヤが第1の角度で前記接触管に近づき、該第1の角度にわたって前記縦配向方から1~5°の第2の角度で前記接触管から出るように構成されているため、前記蒸着ヘッドは、前記単一光線経路レーザ光線の配向を前記縦配向方向から角度的に変更する必要無く、または、前記蒸着ヘッドを回転する必要無く、前記部品を付加製造するために運動制御システムの誘導下で前記基板または前記部品に対して全方向に移動でき
前記レーザ処理サブシステム及び前記外部ワイヤ送出装置は、別々に動かすことも同期させることも要無い、一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項12】
前記角度は1°~30°の間で手動調整可能である、請求項11に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項13】
前記単一光線経路レーザ光線が前記基板または前記部品に合流する第1の位置と前記消耗溶接ワイヤの先端が前記基板または前記部品に合流する第2の位置との間の距離が手動調整可能である、請求項11に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項14】
前記単一光線経路レーザ光線は前記一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド内で分割または再合成されない、請求項11に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項15】
ノーズコーン、ユーティリィティホースおよび導管、並びに水冷接触ブロックをさらに含む、請求項11に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項16】
前記第1の角度は、前記縦配向方向から約30度以下である、請求項11に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項17】
前記レーザ集束装置は最大15キロワットの出力を供給する赤外スペクトルで動作する、請求項11に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項18】
最大約10.0キログラム/時間の蒸着速度が実現可能である、請求項11に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項19】
前記レーザ集束装置は、レーザ光線集束光学系モジュール、集束光学系支援ガス入口、無孔集束光学系カバースライド、および集束光学系出口先端のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【請求項20】
熱的/電気的絶縁板、ワイヤ進入調整ユニット、ノーズコーンロック環、および補助/先端冷却ガス導管のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項11に記載の一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本米国特許出願は、参照のためその開示を本明細書に援用する2018年7月19日出願の米国仮特許出願第62/700,398号明細書からの優先権および便宜を主張する。
【0002】
本発明の実施形態は、しばしば同義的に3D印刷と呼ばれる付加製造(additive manufacturing)に関係するシステムおよび方法に関し、より具体的には全方向ビルド経路(omni-directional build path)を許容するレーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド(laser hot wire additive deposition head)に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、付加製造プロセスはニアネットシェイプ(near net shape)部品を比較的低蒸着速度で作ることができ、ここでは各部品は層毎にビルドアップされる。しかし、蒸着装置の配向は、例えば金属材料の層を蒸着しながら常時調整される必要があるかもしれない。このような常時調整は複雑な経路計画およびロボット操作を伴い得る。さらに、いくつかのレーザホットワイヤ実施形態におけるレーザ光学系は極めて複雑になり得、レーザ光線の分割とその後の再合成とを必要とする。このような複雑な光学的実施形態は極めて高価になり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、全方向ビルド経路の製造を許容する付加製造のためのレーザホットワイヤ蒸着ヘッドに関係するシステムおよび方法を含む。一実施形態は、単一蒸着ヘッド内に組み込まれるレーザ集束装置、ワイヤ送出装置、および溶接ワイヤ接触先端または管を含む蒸着ヘッドを含む。この蒸着ヘッドの構成は、溶接ワイヤが縦配向レーザ光線の縦軸から30度以下(例えば一実施形態では12度)外れた角度で送出される縦配向レーザ光線を供給する。縦(長さという意味で、線形な)軸は、基板または付加製造される部品の表面方向に向かう自由空間内のレーザ光線経路の方向ベクトルに対応する。このような構成は、蒸着ヘッドの角度を変更するまたは経路面に垂直な蒸着ヘッドを回転する必要無く、蒸着ヘッドが任意の併進方向または経路(例えばデカルト平面に対する)に移動されることを可能にする。生成され処理場所へ運ばれるレーザ光線は蒸着ヘッド内の単一経路に従う。例えば、レーザ光線は複数経路内へ分割されなくかつその後元に戻されない。付加製造される部品の層スライスおよび経路計画のために通常使用される利用可能ソフトウェアに関し、処理複雑性は、蒸着装置の回転配向を調整する必要があると著しく増加される。さらに、蒸着装置の回転配向が考慮されなければならなければ、処理ホースおよびユーティリティの装置および支援導管の巻き取りおよび巻き戻しも同様に考慮されなければならなく、いくつかのケースでは、中程度に複雑な幾何学形状を有する付加製造される部品を製造することがより困難、高価、時間集約的、または最終的には不可能にする。これらの理由と本文書の文脈内で述べない他の理由のために、経路に方向的に依存する回転配向を有する蒸着装置は、特定用途にはそれほど好都合でなく、一般的使用にそれほど汎用的でないかもしれない。
【0005】
一実施形態では、一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッドは構造フレーム、レーザ処理サブシステム、ワイヤ送出装置、および接触管を含む。レーザ処理サブシステムは、フレーム内に取り付けられるレーザ集束装置を含み、単一光線経路レーザ光線を基板または付加製造される部品の表面に向かって縦配向方向に発射するように構成される。単一光線経路レーザ光線は、一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド内では分割または再合成されない。ワイヤ送出装置および接触管は、フレーム内に取り付けられ、縦配向方向に対して1°~30°の間の角度で消耗品溶接ワイヤを基板または部品方向に送出するように構成される。この角度は、角状ピボット継手を装備する接触管アセンブリを介し1°~30°間で手動調整可能である。具体的には、接触管は、球状ボールおよびソケットスイベル継手内に組み込まれ、軟質ワイヤ導管へ結合され、その後、強固据え付けワイヤ送出器へ取り付けられ、これにより、レーザ光線の経路に入るときのワイヤの角度調整および再配置を可能にする。蒸着ヘッドは、縦配向方向(部品の現在部分を付加製造するために確立された方向)から単一光線経路レーザ光線の配向を角度的に変更する必要無く部品を付加製造するためにまたは蒸着ヘッドを回転するために、運動制御システムの誘導下で基板または部品に対して全方向に移動されるように構成される。一実施形態では、レーザ光線が基板または部品に収斂する第1の位置と消耗溶接ワイヤの先端が基板または部品に収斂する第2の位置との間の距離は手動調整可能である。レーザ光線の経路に入るときのワイヤの集中を微調整することは、ホットワイヤ接触ブロックおよび接触管アセンブリを保持する2軸線形クロススライドモジュールを介し達成される。一実施形態では、一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッドは、ノーズコーン、ユーティリィティホースおよび導管、並びに水冷式ホットワイヤ接触ブロックを含む。一実施形態では、ワイヤ送出装置はモータおよび駆動ローラを含む。一実施形態では、消耗溶接ワイヤは、縦配向方向から約30度以下の第1の角度で蒸着ヘッド内の接触管に近づき、次に、縦配向方向から約1~5度の第2の角度で接触管から出る(例えば湾曲接触管のおかげで)。一実施形態では、レーザ装置は最大15キロワットの出力を供給する赤外スペクトルで動作する。一実施形態では、最大約10.0キログラム/時間の蒸着速度が実現可能である。一実施形態では、レーザ集束装置は、レーザ光線集束光学系モジュール、集束光学系支援ガス入口、無孔集束光学系カバースライド、および集束光学系出口先端のうちの少なくとも1つを含む。
【0006】
一実施形態では、一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッドはフレーム、レーザ処理サブシステム、および接触管を含む。レーザ処理サブシステムは、フレーム内に取り付けられるレーザ集束装置であって、基板または付加製造される部品の表面に向かって縦配向方向に単一光線経路レーザ光線を配送するように構成されたレーザ集束装置を含む。単一光線経路レーザ光線は一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッド内で分割または再合成されない。接触管はフレーム内に取り付けられる。接触管は、外部ワイヤ送出装置から消耗品溶接ワイヤを受け入れ、消耗溶接ワイヤを縦配向方向に対して1°~30°の間の角度で基板または部品方向に誘導するように構成される。一実施形態では、角度は1°~30°間で手動調整可能である(例えばワイヤ進入調整ユニットを介し)。蒸着ヘッドは、縦配向方向(部品の現在部分を付加製造するために確立された方向)から単一光線経路レーザ光線の配向を角度的に変更する必要無く部品を付加製造するためにまたは蒸着ヘッドを回転するために、運動制御システムの誘導下で基板または部品に対して全方向的に移動されるように構成される。一実施形態では、レーザ光線が基板または部品に収斂する第1の位置と消耗溶接ワイヤの先端が基板または部品に収斂する第2の位置との間の距離が手動調整可能である。一実施形態では、一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッドは、ノーズコーン、ユーティリィティホースおよび導管、並びに水冷式接触ブロックを含む。一実施形態では、消耗溶接ワイヤは、縦配向方向から約30度以下の第1の角度で蒸着ヘッド内の接触管に近づき、次に、縦配向方向から約1~5度の第2の角度で接触管から出る(例えば湾曲される接触管のおかげで)。一実施形態では、レーザ装置は最大15キロワットの出力を供給する赤外スペクトルで動作する。一実施形態では、最大約10.0キログラム/時間の蒸着速度が実現可能である。一実施形態では、レーザ集束装置は、レーザ光線集束光学系モジュール、集束光学系支援ガス入口、無孔集束光学系カバースライド、および集束光学系出口先端のうちの少なくとも1つを含む。一実施形態では、一体化レーザホットワイヤ付加蒸着ヘッドは、熱的/電気的絶縁板、ワイヤ進入調整ユニット、ノーズコーンロック環、および補助/先端冷却ガス導管のうちの少なくとも1つを含む。ファイバ強化高熱容量高分子材料で構築される絶縁板は、付加蒸着ヘッドの構造フレームを通りそしてロボット、コントローラ、または関連システム配線を通り戻る電気伝導を防止する主目的に役立つ。電流のこのような無制御でかつ予期しない送信は通常、装置を損傷するとともに、また、蒸着ヘッド処理性能に有害な影響を及ぼす可能性が高い。第2の特徴として、熱的絶縁特性は、水冷処理ヘッド接触ブロックを越えて、ヘッドの構造フレームまたは温度を能動的に制御する方法を欠く他の領域内への熱転送を防止する。ワイヤ進入調整ユニットは、特定用途が、蒸着プロセスにより採用される様々な合金の物理的および熱的性質の差異のおかげで若干異なる送り込み角度において若干の蒸着性能恩恵を示し得る蒸着プロセスの送り込み角度の微調整を可能にする。ノーズコーンロック環は、一実施形態によると、プロセスノーズコーンを水冷接触ブロックに対し適所に固定する螺刻環である。ノーズコーンロック環はまた、ノーズコーンが破損されれば除去および修復または置換されることを許容し、さらに、様々な形状または設計のノーズコーンが所与の付加製造用途のために設置されることを可能にする。補助先端冷却ガス導管は、不活性遮蔽ガスをノーズコーンの内部に供給し、ワイヤ接触管の先端を冷却するのを支援するためにガス流をこの先端上へ導き、その後、蒸着場所および周辺部品ビルド領域を溢れさせる。
【0007】
包括的発明概念の多くの態様は例示的実施形態の以下の詳細説明からそして添付図面から容易に明らかになる。
【0008】
本明細書に援用され本明細書の一部を構成する添付図面は本開示の様々な実施形態を例示する。添付図面に示された要素境界(例えばボックス、ボックスのグループ、または他の形状)が境界の一実施形態を表すということが理解される。いくつかの実施形態では、1つの要素が複数の要素として設計され得る、または複数の要素が1つの要素として設計され得る。いくつかの実施形態では、別の要素の内部部品として示された要素が外部部品として実現され得、逆も同様である。さらに、要素は原寸に比例して描かれないことがある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一体化蒸着ヘッドを有する部品を付加製造するための付加製造セルの一実施形態を示す。
図2】付加製造プロセスにおいてレーザおよび溶接ワイヤを使用する従来のレーザホットワイヤ(LHW:laser hot wire)システムを示す。
図3】付加製造プロセス中に基板/層上へ溶融金属を蒸着する際の一体化蒸着ヘッドの一実施形態のレーザ光線、消耗金属溶接ワイヤ、接触先端/管、遮蔽ガス、およびノーズコーン間の関係を示す。
図4】ノーズコーンおよびワイヤ送出装置を示す垂直配向一体化蒸着ヘッドの一実施形態を示す。
図5】ガスホースおよびガスノズルを介し補助冷却/遮蔽ガスも供給する一体化蒸着ヘッドの一部分の内部構成の一実施形態を示す。
図6-7】ユーティリィティホースおよび導管を示す部分的に組み立てられた一体化蒸着ヘッドの実施形態の2つの図を示す。
図8-10】カバーが除去されており次にロボットのアームへ取り付けられる一体化蒸着ヘッドの実施形態の3つの図を示す。
図11】駆動ローラを含むワイヤ送出装置(カバーが除去された)の側の一実施形態を示す。
図12】垂直に対し急角度で突き出る溶接ワイヤを有する一体化蒸着ヘッドのノーズコーン端の実施形態を示す。
図13】ロボットのアームへ取り付けられる一体化蒸着ヘッドの一実施形態を示す。
図14】ノーズコーンが除去された一体化蒸着ヘッドの一実施形態のノーズコーン端を示す。
図15】直方体ブロックを形成する付加製造プロセス中に一体化蒸着ヘッドの一実施形態により蒸着される複数の金属層の第1の例を示す。
図16】中空円筒部品を形成する付加製造プロセス中に一体化蒸着ヘッドの一実施形態により蒸着される複数の金属層の第2の例を示す。
図17-18】ロボットのアームへ取り付けられる小型かつ軽量一体化蒸着ヘッドの実施形態を示す。
図19】付加製造システム内で使用される例示的コントローラの一実施形態を示す。
図20】フレームまたはカバーのうちのすべてが取り付けられていない一体化蒸着ヘッドの一実施形態の2つの図を示す。
図21図5と同様な一体化蒸着ヘッドの一部分の内部構成の一実施形態を示し、様々な部品詳細を示す。
図22】一体化蒸着ヘッドの一実施形態のホットワイヤ処理サブシステムを示す。
図23】一体化蒸着ヘッドの一実施形態のレーザ処理サブシステムを示す。
図24図23のレーザ処理サブシステムのレーザ集束装置の一実施形態を示す。
図25】一体化蒸着ヘッドの一実施形態の蒸着ヘッド構造フレームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書における例と図は、単に例示的であり、したがって特許請求の範囲と精神とにより判断される本発明を制限するようには意図されていない。一般的に知られているように、付加製造は、所望製作品を生成するように材料が基部/基板または部品(例えば層内の)上へ蒸着されるプロセスである。付加製造される三次元(3D)部品の複数層のパターンが、一実施形態によると、デジタルデータとして表され格納される。例えば、デジタルデータはCADモデルからのものであってもよいし走査された部品からのものであってもよい。
【0011】
付加製造装置の実施形態は、例えば金属ワイヤを溶融することにより金属材料を蒸着するために例えばレーザベースサブシステム、プラズマベースサブシステム、電気アークベースサブシステム、電子光線ベースサブシステム、または電気抵抗ベースサブシステムのうちの少なくとも1つを含み得る。さらに、付加製造装置のいくつかの実施形態は、例えば、基部上に3D部品を付加製造するために消耗金属ワイヤを送出/配送するワイヤ配送または送出システムを含み得る。また、付加製造装置のいくつかの実施形態は、例えば、基部または基板上に付加製造される3D部品に対してレーザ光線、プラズマ光線、電気アーク、電子光線、または消耗金属ワイヤを移動するために運動学的制御要素(例えばロボット)または他のタイプの制御要素(例えば光学的制御要素)を含み得る。
【0012】
図1、2は、一体化蒸着ヘッドの実施形態を文脈に入れるために本明細書に含まれる。図1を参照すると、図1は、付加製造を介し金属部品を製造するためのレーザホットワイヤ装置により構成される付加製造セル10の一実施形態を示す。図1のレーザホットワイヤ装置は、ロボットのアームへ取り付けられる一体化蒸着ヘッドを含む。付加製造セル10は通常、フレーム12、フレーム内に配置されたロボット14、およびそれぞれがまたフレーム内に配置される第1および第2のテーブル16、18を含む。付加製造セル10は、本明細書で以下にさらに詳細に説明されるやり方で部品(例えば22、24)を付加製造するのに有用である。図1の描写された実施形態では、フレーム12は、ロボット14およびテーブル16、18を取り囲むために複数の側壁およびドアを含む。平面図においてほぼ矩形な構成が示されたとしても、フレーム12およびセル10は無数の構成をとり得る。
【0013】
フレームの内部へのアクセスを提供するためにフロントアクセスドア26がフレーム12へ取り付けられる。フロントアクセスドア26は、ドア26をフレーム12へ取り付ける第1の蝶番セットとドアの1つのパネルを別のパネルへ取り付ける第2の蝶番セットとの2つの蝶番セットをドアが含む二重折り構成をとり得る。それにもかかわらず、フロントアクセスドア26はスライドドアまたはスウィングドアなどの他の構成をとり得る。同様に、リアアクセスドア28もまたフレーム12へ取り付けられる。描写された実施形態におけるリアアクセスドア28もまた二重折り構成をとるが、リアアクセスドアは、フロントアクセスドア26を参照して論述されたものなどの他の構成をとり得る。窓32はいずれかのドア上に設けられ得る(ここでは、フロントドア26上にだけ描写される)。窓は当該技術分野で知られている着色セイフティスクリーン(例えば、レーザ波長適合フィルタリングスクリーン、例えば1064nm用の)を含み得る。一実施形態によると、セル10はCDRHクラス1レーザ筐体である。
【0014】
制御パネル40が、フロントドア26に隣接するフレーム12上に設けられる。制御パネル40上に設けられた制御ノブおよび/またはスイッチは、フレーム12へ取り付けられる制御筐体42内に収容される制御装置と通信する。制御パネル40上の制御手段は、既知の付加製造セルと共に使用される制御手段と同様なやり方で、付加製造セル10内で行われる操作を制御するために使用され得る。
【0015】
一実施形態では、ロボット14は、支持体上に取り付けられた台座上に取り付けられる。描写された実施形態におけるロボット14は、テーブル16、18に対してセンタリングされ、複数の移動軸を含む。必要に応じ、台座はタレットと同様に支持体に対し回転し得る。したがって、ある種の駆動機構(例えばモータおよび変速機(図示せず))が、ロボット14を回転させるための台座および/または支持体内に収容され得る。
【0016】
一実施形態では、蒸着ヘッド60がロボット14のアームの遠端部に取り付けられる。蒸着ヘッド60は例えば、本明細書において後で論述される実施形態による一体化レーザホットワイヤ蒸着ヘッドである。蒸着ヘッド60は蒸着ヘッド60の回転配向を変更する必要無く全方向ビルド経路(蒸着運動)を可能にする(すなわち、蒸着ヘッドの回転配向は層の蒸着中に一定に保持され得る)。軟質管または導管62が蒸着ヘッド60へ取り付けられる。容器66内に格納され得る消耗金属ワイヤ64(ホットワイヤとして使用される)が導管62を介し蒸着ヘッド60へ配送される。一実施形態では、ワイヤ送出器68は、蒸着ヘッド60への消耗金属ワイヤ64の配送を容易にするためにフレーム12(またはロボット14)へ取り付けられる。別の実施形態では、ワイヤ送出器68は、本明細書で後で論述するように(例えば、オンボード一体化ワイヤ送出モジュールとして)蒸着ヘッド60内に組み込まれる。
【0017】
フレーム12の基部または下部に取り付けられたロボット14が示されても、必要に応じ、ロボット14は、フレームの上部構造へ取り付けられ、セル10内に下方へ降り得る。一実施形態では、レーザホットワイヤ操作のための電源72は、フレーム12へ接続されその一部であり得るプラットホーム74へ取り付けられその上に載る。電源72は、レーザ出力発振器(レーザエネルギーを生成するするための)として、および蒸着ヘッド60を通るときに消耗金属ワイヤ64を通電するための溶接電源としての両方で働き得る。別の実施形態では、電源72は、次の2つの別々の電源として実装され得る:レーザエネルギーを生成するためのレーザ出力発振器として働くためのものと、蒸着ヘッド60を通るときに消耗金属ワイヤ64を加熱するための別のもの。セルコントローラ76は、付加製造セル10のレーザホットワイヤ装置の様々な部分(ロボット14を含む)と通信しそれらを制御し、プラットホーム74上に載り取り付けられる。さらに別の実施形態によると、レーザ出力発振器は蒸着ヘッド60内に組み込まれ得る(例えば低電力用途のために)。
【0018】
図2は、付加製造プロセスにおいてレーザサブシステムおよび溶接ワイヤを使用する従来のレーザホットワイヤ(LHW)システム100を示す。システム100は図1の付加製造セル10と同様な付加製造セル内に存在し得る。しかし、図2のシステム100は一体化レーザホットワイヤ蒸着ヘッドを含まない。図2のシステム100は溶接ワイヤ送出器およびエネルギー源を含む。特に、システム100は、基板または部品115を加熱するために基板または部品115上へレーザ光線110を集束することができるレーザサブシステムを含む。レーザサブシステムは高強度エネルギー源であり得る。レーザサブシステムは、限定しないが二酸化炭素、Nd:YAG、Ybディスク、YBファイバ、ファイバ配送または直接ダイオード(例えば、ファイバ結合直接ダイオード)レーザシステムを含む任意のタイプの高エネルギーレーザ源であり得る。
【0019】
レーザサブシステムは、互いに作動可能に接続されたレーザ集束装置120およびレーザ電源130(レーザ出力発振器)を含む。レーザ電源130は、レーザ集束装置120へ(例えばファイバ光学的に)供給されるレーザエネルギーを生成するための電力を供給する。システム100はまた、レーザ光線110の近傍の基板または部品115と接触するために少なくとも1つの抵抗性溶接ワイヤ140を供給することができるホット溶接ワイヤ送出器サブシステムを含む。ワイヤ送出器サブシステムは、溶接ワイヤ送出器150、接触管160、および電源170を含む。動作中、溶接ワイヤ140は、接触管160と基板または部品115との間に作動可能に接続される電源170からの電流により抵抗加熱される。電源170は、交流(AC)または他のタイプの電源が同様に可能であるが、パルス状直流(DC)電源であり得る。ワイヤ140は、溶接ワイヤ送出器150から接触管160を介し基板または部品115方向に送出され、管160を越えて伸張する。ワイヤ140の伸張部分は、伸張部分が基板または部品115に接触する前に融点に近づくまたは達するように抵抗加熱される。一実施形態によると、ホットワイヤ電源170は、ホットワイヤ処理を維持するとともにアーク放電を抑制するためのホットワイヤ波形制御(電流、電圧および形状パラメータの能動的拡張)を提供する。レーザ光線110は、パドルを形成するために基板または部品115のベース金属の一部を溶融する役目を果たし得、および/またはワイヤ140を基板または部品115上へ溶融するためにも使用され得る。電源170は、溶接ワイヤ140を抵抗溶融するために必要とされるエネルギーを供給する。
【0020】
システム100はさらに、レーザ光線110と抵抗性溶接ワイヤ140とが互いに固定された関係のままであるようにレーザ光線110および抵抗性溶接ワイヤ140を基板または部品115に沿った同じ制御方向125(少なくとも相対的意味で)に移動することができる運動制御サブシステムを含む。基板または部品115とレーザ/ワイヤ組み合わせとの間の相対運動は、基板または部品115を実際に移動することによりまたはレーザ装置120およびワイヤ送出器サブシステムを移動することにより実現され得る。
【0021】
図2では、運動制御サブシステムは、プラットホーム193(例えば、回転可能プラットホームおよび/または併進可能プラットホーム)を有するロボット190へ作動可能に接続された運動コントローラ180を含む。運動コントローラ180はロボット190の運動を制御する。ロボット190は、レーザ光線110およびワイヤ140が基板または部品115に沿って実効的に走行するように、基板または部品115を例えば現在の走行方向125に移動するためにプラットホーム193を介し基板または部品115へ作動可能に接続される(例えば、機械的に固定される)。プラットホーム193を駆動するロボット190は、電気的、空気的、または油圧的に駆動され得る。
【0022】
システム100はさらに、基板または部品115および接触管160へ作動可能に接続される(すなわち電源170の出力へ実効的に接続される)感知および電流制御サブシステム195であって、基板または部品115およびワイヤ140を通る電流(I)の電位差(すなわち電圧V)を測定することができる感知および電流制御サブシステム195を含む。感知および電流制御サブシステム195はさらに、測定された電圧および電流から抵抗値(R=V/I)および/または電力値(P=V×I)を計算することができるかもしれない。一般的に、ワイヤ140が基板または部品115に接していると、ワイヤ140と基板または部品115との間の電位差は零ボルトまたは極零近傍ボルト(比較的低い電圧)である。この結果、感知および電流制御サブシステム195は、いつ抵抗性溶接ワイヤ140が基板または部品115に接触しているかを感知することができ、この感知に応答して、抵抗性溶接ワイヤ140を通る電流の流れをさらに制御する(例えばアーク抑制のために)ことができるように電源170へ作動可能に接続される。一実施形態では、感知および電流コントローラ195は電源170の不可欠な部品であり得る。
【0023】
本発明の一実施形態によると、図2のシステム100は、全方向ビルド経路能力を提供する単一一体化レーザホットワイヤ蒸着ヘッド(例えば図1のような)を提供することにより修正され得る。一実施形態では、少なくとも1つのレーザ集束装置、ワイヤ送出装置、および接触管が単一蒸着ヘッド内に組み込まれる(一体化蒸着ヘッドを形成する)。一体化蒸着ヘッドは、本明細書において後で詳細に論述されるように、レーザ集束装置により配送されるレーザ光線の縦方向に(基板または付加製造される部品方向に)対する溶接ワイヤの急峻な送り込み角度を提供し、ビルド経路全方向性を可能にする。縦方向は、レーザ光線の中心線が基板または付加製造される部品の表面方向に向けられた直線方向である。
【0024】
一体化蒸着ヘッドが使用されるシステムは、図1のシステム10であってもよいし、レーザ電源130、ホットワイヤ電源170、運動コントローラ180、およびロボット190を含む図2のシステム100のいくつかの部品を含んでもよい。しかし、一体化蒸着ヘッドは、ロボットのアームへ取り付けられ(例えば図1のように)、蒸着ヘッドが、蒸着ヘッドの縦配向または回転配向を角度的に変更する必要無く運動コントローラの制御下で基板/部品に対し全方向的に(例えばデカルト座標(例えばx-y)面に沿って)移動されることを可能にする。例えば、一実施形態によると、一体化蒸着ヘッドは、層の蒸着中、回転されることなく同じ縦配向位置(例えば垂直配向位置)に留まり得る。縦配向位置は、運動コントローラにより提供される複雑な運動制御方式を必要とすることなく、付加製造される部品の層の蒸着中に一体化蒸着ヘッドがロボットにより容易に移動されることを可能にする。さらに、一体化蒸着ヘッドを有することは、別個のレーザサブシステムおよび別個のホットワイヤサブシステムが別々に移動され互いに同期される必要が無いということを意味する。
【0025】
図3は、付加製造プロセス中に溶融金属を基板/層360上へ蒸着する際の、一体化蒸着ヘッド300の一実施形態のレーザ光線310、消耗金属溶接ワイヤ320、接触先端/管330、遮蔽ガス340、およびノーズコーン350間の関係を示す。レーザ光線310は、垂直に配向され、そして溶接ワイヤ320の先端がレーザ光線310と合う収斂場所370において集束される。一実施形態によると、レーザ光線310はファイバ配送レーザにより生成され得る。しかし、レーザサブシステムは、限定しないが二酸化炭素、Nd:YAG、Ybディスク、YBファイバ、ファイバ配送または直接ダイオード(例えば、ファイバ結合直接ダイオード)レーザシステムを含む任意のタイプの高エネルギーレーザ源であり得る。
【0026】
溶接ワイヤ320は、レーザ光線310の長手(例えば垂直)方向380から30度以下外れた角度で配向される。消耗金属溶接ワイヤ320は接触先端/管330を介し予熱され、基板/層360との接触部内に送出される。ホットワイヤ電源(蒸着ヘッド300外部の)が、溶接ワイヤ320を予熱するための電力を供給する。一実施形態によると、ホットワイヤ電源は、ホットワイヤ処理を維持するとともにアーク放電を抑制するためにホットワイヤ波形制御(電流、電圧および形状パラメータの能動的拡張)を提供する。レーザ電源(レーザ集束装置の外部のレーザ出力発振器)は、レーザエネルギーを生成し、このエネルギーをレーザ光線310を生成するレーザ集束装置へ(例えばファイバ光学的に)供給する。レーザ光線310は、溶融金属390を基板/先行付加ビルド層360へ融合させるために基板/先行付加ビルド層360および/または予熱された溶接ワイヤ320を溶融する。図3は基板/層360に対する蒸着区域362および希釈区域364を示す。図3はまた、消耗金属溶接ワイヤ320の予熱区域335を示す。レーザ光線310は、一実施形態による、一体化蒸着ヘッド300内でいかなるやり方でも分割または再合成されない単一経路レーザ光線310である。
【0027】
光学系を通って蒸着ヘッドの中心へ降りる同軸ガス遮蔽構成は、プロセスと蒸着された金属とを保護し、残滓がレーザ装置および光学系に近づかないようにするのを助ける。犠牲集束光学系カバースライド(穿孔されていない)がまた、レーザ装置および光学系を保護するのを助ける。消耗溶接ワイヤはカバースライドを通る必要がないのでカバースライドの穿孔は無い。15度以下の溶接ワイヤの急峻な送り込み角度が付加ビルド経路の全方向性を提供する。すなわち、付加ビルドアップは、一体化蒸着ヘッドの縦配向または回転配向の角度を変更することなく実現され得る。一般的に、レーザスポットに対するワイヤ先端の空間的関係は、蒸着ヘッドがあちこち移動されると変化する傾向がある。この運動は急峻な溶接ワイヤ送り込み角度を有することにより最小化され得る。さらに、一実施形態によると、一体化蒸着ヘッドまで上昇しその中に入る消耗溶接ワイヤの経路は比較的真っすぐである。
【0028】
図4は、ノーズコーン410と、駆動ローラ425を有するワイヤ送出装置420(オンボード一体化ワイヤ送出モジュール)とを示す垂直配向一体化蒸着ヘッド400の一実施形態を示す。ワイヤ送出装置420は、駆動ローラ425を駆動するためのサーボ制御系(サーボモータ)を含み、消耗溶接ワイヤの安定かつ精確な送出を提供する。消耗溶接ワイヤは導管を介し一体化蒸着ヘッド内に入る。図5は、ガスホース510およびガスノズル520を介し補助冷却/遮蔽ガスもまた供給する一体化蒸着ヘッド500の一部分の内部構成の一実施形態を示す。図5はまたノーズコーン550を示す。一実施形態では、消耗溶接ワイヤ530のx-y位置はレーザ光線540に対して手動で調整され得る(すなわち、溶接ワイヤの先端が基板/層または収斂場所においてレーザ光線スポットの中心にどれだけ近く到達するかを調整し得る)。レーザ光線の経路に入るときのワイヤの集中を微調整することは、ホットワイヤ接触ブロックおよび接触管アセンブリを保持する2軸線形蟻継ぎクロススライドモジュールを介し達成される。クロススライドは、線形蟻継ぎ形状を介し相互接続し互いに対して移動する次の3つの板を採用する;基板、中間キャリッジ板および上側取り付け板。これらの板は、X-Yデカルト面直線運動(2つの垂直軸に沿った)を許容し、2つの螺刻送りねじ(運動軸毎に1つのねじ)の使用により調整される。基板は、絶縁板へ取り付けられ、これにより付加蒸着ヘッドの構造フレームへ取り付けられる。水冷接触板は、接触板および接触先端位置が、構造フレーム、構造フレームへ堅固に固定されるレーザ集束光学系装置、およびレーザ光線経路自体に対して調整され得るようにスライドの上側取り付け板へ取り付けられる。一実施形態では、レーザ光線540と溶接ワイヤ530との間の急角度は固定される。さらに、別の実施形態によると、垂直方向レーザ光線540に対する消耗溶接ワイヤ530の角度は手動で調整され得る(例えば、角度は1~30度の間で連続的に調整可能かもしれない)。この角度は、角状ピボット継手を装備する接触管アセンブリを介し1°~30°間で手動調整可能である。具体的には、接触管は、球状ボールおよびソケットスイベル継手内に組み込まれ、軟質ワイヤ導管へ結合され、その後、強固据え付けワイヤ送出器へ取り付けられ、これにより、レーザ光線の経路に入るときのワイヤの角度調整および再配置を可能にする。拡張使用のために固定位置において角度位置を確保および保持するためにロック止めねじが使用される。この止めねじを緩めることは、手を使用して接触管を移動し、その後この止めねじを再度締付けることにより接触管を新しい位置で固定することにより接触管の角度位置が変更され得るようにする。代替実施態様によると、消耗溶接ワイヤ530は、レーザ光線の縦方向に対して30度以下(例えば12度)の角度で蒸着ヘッド内の接触管に近づき、次に、湾曲接触管のおかげでほぼ縦方向に(例えば縦方向から1~5度の角度で)接触管から出る。
【0029】
図6~7は、ユーティリィティホースおよび導管610(例えばワイヤ、ガス、水用の)、水冷接触ブロック620、およびノーズコーン630を示す一体化蒸着ヘッド600(部分的に組み立てられた)の実施形態の2つの図を示す。図8~10は、カバーが除去されておりロボットのアーム820へ取り付けられるノーズコーン630を有する一体化蒸着600ヘッドの実施形態の3つの図を示す。図9の蒸着ヘッド600もまたワイヤ送出装置930を示し、図10の蒸着ヘッド600もまた、水冷接触ブロック620を明確に示す。図11は、駆動ローラ935を含むワイヤ送出装置930(カバーが除去された)の側面の一実施形態を示す。ワイヤ送出装置930の反対側(図示せず)は、駆動ローラ935を駆動するためのモータとモータを制御するための一体化ワイヤ送出器回路制基板とを含む(図20を参照)。
【0030】
図12は、縦方向(例えば垂直方向)に対し急角度(30度未満)で突き出る溶接ワイヤ1210を有する一体化蒸着ヘッド600のノーズコーン端の実施形態を示す。水冷接触ブロック620は、ノーズコーン630が余りに熱くなること(ノーズコーン630を損傷する可能性がある)を回避するようにする。レーザ反射は、強烈であり得、ノーズコーン630が冷却されなければそれを加熱する。様々な実施形態に従って、能動または受動水(またはいくつかの他の流体)冷却システムが使用され得る。蒸着ヘッド600に至る配管(導管610)は水(または他の流体)を水冷接触ブロック620へ供給し、他の配管(導管610)は水を水冷接触ブロック620および蒸着ヘッド600から運び去る。水冷接触ブロック620は他の図のいくつか(例えば図6、10、12および21)において同様に明確に示される。図13は、ロボットのアーム820へ取り付けられる一体化蒸着ヘッド600の一実施形態を示す。図14は、ノーズコーン630が除去された一体化蒸着ヘッド600の一実施形態のノーズコーン端を示す。補助ガスノズル1410とワイヤ導管(例えばワイヤ接触管先端として働く)1420から伸びる溶接ワイヤ1210を有するワイヤ導管1420とを見ることができる。補助ガスノズルは、不活性遮蔽ガスをノーズコーンの内部に供給し、ワイヤ接触管先端を冷却するのを支援するためにガス流をこの先端上へ導き、その後、蒸着場所および周辺部品ビルド領域を溢れさせる。高温において光学系内の内面と接触すると温度が増加し得るカバースライドに逆らって集束光学系装置内に供給されるガスジェットとは対照的に、補助ガスは、加圧貯蔵タンクから解放されたガスが膨張してその結果温度低下を受けると、環境室温以下でホットワイヤノーズコーン内に配送される。接触管先端上へそしてその周囲へ直接流れるこの冷却ガスの流れは接触管先端からそしてそれから離れたところへ熱を転送するのを支援することになる。加えて、ガスは次に、ノーズコーンから流れ出、蒸着場所を取り囲み、温度上昇時に不純物とより反応する溶融されたまたはほぼ溶融された金属の能動的蒸着の追加の保護を提供する。このガスは、窒素またはアルゴンとなる可能性が最も高い、または、金属蒸着の特定用途および合金組成に依存していくつかの他の機能的に不活性なガスであり得る。図15は、直方体ブロック1500を形成する付加製造プロセス中に一体化蒸着ヘッド600の一実施形態により蒸着される複数の金属層の第1の例を示す。ミリメートル(mm)の増分を有する物差し1510が寸法比較のために示される。図16は、中空円筒部品1600を形成する付加製造プロセス中に一体化蒸着ヘッド600の一実施形態により蒸着される複数の金属層の第2の例を示す。
【0031】
図17~18は、ロボットのアーム1710へ取り付けられる一体化蒸着ヘッド1700の実施形態を示す。図17~18の一体化蒸着ヘッド1700は、例えば図13に示す蒸着ヘッド600よりサイズが小さくかつ重量が軽く、したがって比較的小さなロボット1750へ取り付けられ得る。図17~18の実施形態では、ワイヤ送出装置930(サーボ駆動ワイヤ送出器)は、蒸着ヘッド1700内にもはや一体化されなく、その代りに、ワイヤ送出装置1740として蒸着ヘッド1700の外にある。これは、蒸着ヘッド1700のサイズおよび重量を低減するのを助ける。同様な実施形態では、付加蒸着ヘッドが、一体化された一組の駆動ロールと、追加駆動ロールおよびサーボモータを含むロボット搭載ワイヤ送出器と結合されたサーボモータとを含むプッシュプル送出器構成が使用され得る。この実施形態では、蒸着ヘッドは、駆動ロール、サーボモータ、および送出制御回路基板を有するオンボード一体化内蔵型「プル」ワイヤ送出器モジュールを含む。「プッシュ」ワイヤ送出器は、蒸着ヘッド(例えば取り付けられたロボット)から外部へ独立に取り付けられる。また、アルミニウムベース軽量カバーがまた、図17~18の一体化蒸着ヘッド1700の重量を低減するのを助ける。さらに、能動的冷却が、より小さくかつ軽いノーズコーン1730を可能にするために使用され得る。
【0032】
図19は、付加製造システム内で使用される例示的コントローラ1900の一実施形態を示す。様々な実施形態によると、コントローラ1900は、例えばセルコントローラ(例えば図1のセルコントローラ76)として、運動コントローラ(例えば図2の運動コントローラ180)として、電源(例えば図1の電源72、図2のレーザ電源130、および/または図2のホットワイヤ電源170)のコントローラとして使用され得る。
【0033】
コントローラ1900は、バスサブシステム1912を介し多くの周辺装置と通信する少なくとも1つのプロセッサ1914を含む。これらの周辺装置は、例えばメモリサブシステム1928およびファイル記憶サブシステム1926を含む記憶サブシステム1924、ユーザインターフェース入力装置1922、ユーザインターフェース出力装置1920、およびネットワークインターフェースサブシステム1916を含み得る。入出力装置はコントローラ1900とのユーザ相互作用を可能にする。ネットワークインターフェースサブシステム1916は、外部ネットワークへのインターフェースを提供し、他のコンピュータシステム内の対応インターフェース装置へ結合される。例えば、システム100の運動コントローラ180は、コントローラ1900と1つまたは複数の特性を共有し得、例えば従来のコンピュータ、デジタルシグナルプロセッサ、および/または他のコンピュータ装置であり得る。
【0034】
ユーザインターフェース入力装置1922は、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、またはグラフィックタブレットなどのポインティング装置、スキャナ、ディスプレイ内に取り込まれるタッチスクリーン、音声認識システムなどのオーディオ入力装置、マイクロホン、および/または他のタイプの入力装置を含み得る。一般的に、用語「入力装置」の使用は、コントローラ1900内にまたは通信ネットワーク上へ情報を入力する全ての可能なタイプの装置およびやり方を含むように意図されている。
【0035】
ユーザインターフェース出力装置1920は、ディスプレイサブシステム、プリンタ、ファックス、またはオーディオ出力装置などの非視覚的ディスプレイを含み得る。ディスプレイサブシステムは、陰極線管(CRT:cathode ray tube)、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)などの平面パネル装置、投影装置、または可視像を生成するためのいくつかの他の機構を含み得る。ディスプレイサブシステムはまた、オーディオ出力装置などの非視覚的ディスプレイを提供し得る。一般的に、用語「出力装置」の使用は、コントローラ1900からユーザまたは別のマシンまたはコンピュータシステムへ情報を出力する全ての可能なタイプの装置およびやり方を含むように意図されている。
【0036】
記憶サブシステム1924は、本明細書で説明される機能(例えばソフトウェアモジュール)の一部またはすべてを提供または支援するプログラミングおよびデータ構造を格納する。例えば、記憶サブシステム1924は、付加製造される部品のCADモデルと、付加製造プロセス中に一体化金属蒸着ヘッドの位置を調整するために蒸着位置を識別するための論理とを含み得る。
【0037】
ソフトウェアモジュールは通常、プロセッサ1914単独でまたは他のプロセッサと組み合わせて実行される。記憶サブシステム内で使用されるメモリサブシステム1928は、プログラム実行中の命令およびデータの格納のための主ランダムアクセスメモリ(RAM)1930と固定命令が格納される読み出し専用メモリ(ROM)1932とを含む多くのメモリを含み得る。ファイル記憶サブシステム1926は、プログラムおよびデータファイルの持続的記憶を提供し得、ハードディスクドライブ、関連着脱可能媒体と共にフロッピーディスクドライブ、CD-ROMドライブ、光ドライブ、または着脱可能媒体カートリッジを含み得る。いくつかの実施形態の機能を実施するモジュールは、記憶サブシステム1924内のまたはプロセッサ1914によりアクセス可能な他のマシン内のファイル記憶サブシステム1926により格納され得る。
【0038】
バスサブシステム1912は、コントローラ1900の様々な部品およびサブシステムに意図通り互いに通信させるための機構を提供する。バスサブシステム1912は単一バスとして概略的に示されたが、バスサブシステムの代替実施態様は複数のバスを使用し得る。
【0039】
コントローラ1900は、ワークステーション、サーバ、コンピュータクラスタ、ブレードサーバ、サーバファーム、または任意の他のデータ処理システムまたはコンピュータ装置を含む様々なタイプのものであり得る。コンピュータ装置およびネットワークの絶え間なく変わる性質のために、図19に描写されたコントローラ1900の説明は、いくつかの実施形態を示す目的のための特別な例に過ぎないように意図されている。図19に描写されたコントローラより多いまたは少ない部品を有するコントローラ1900の多くの他の構成が可能である。
【0040】
図20は、フレームまたはカバーのすべてが取り付けられていないが一体化ワイヤ送出器を有する一体化蒸着ヘッド2000の一実施形態の2つの図を示す。第1の図は、モータ2015とモータ2015を制御する一体化ワイヤ送出器回路制基板2016とを有するワイヤ送出器2010のモータ側の蒸着ヘッド2000を示す。一実施形態では、基板2016は、同じ送出速度を維持する「プッシュプル」ワイヤ送出動作を制御するのを助ける。一実施形態では、基板2016はまた、ガスの流れを制御するためにガスソレノイドを制御する役目を果たす。第2の図は、駆動ローラ2017を有するワイヤ送出器2010の駆動ローラ側の蒸着ヘッド2000を示す。レーザ処理サブシステム2020は、ノーズコーン2030と共にワイヤ送出器2010の下のアセンブリ内に示される。一実施形態によると、レーザ処理サブシステム2020は、赤外スペクトルにおいて動作し1~15キロワット(kW)の出力を供給するレーザ集束装置を含む。例えば、4kWでは、2.0~3.5キログラム/時間の蒸着速度が実現され得るということが予想される。
【0041】
図21は、図5と同様な図20の一体化蒸着ヘッド2000の一部分2100の内部構成の一実施形態を示し、様々な部品詳細を示す。部分2100は、蒸着ヘッド筐体2101、クランプ2105、軟質ブーツ2110、シール付きクランプ2115、および熱的/電気的絶縁板2120を含む。部分2100はまた、ワイヤ進入調整ユニット2125、水冷接触ブロック2130、ノーズコーンロック環2135、補助/先端冷却ガス導管2140、およびノーズコーン2145を含む。部分2100は、レーザ光線2150を生成し発射し、溶接ワイヤ2155を送出する。部分2100はまた、ワイヤ接触先端2160、冷却通路2165、ワイヤ導管およびライナ2170、並びにホットワイヤ処理導電リード(背景内の)2175を含む。一実施形態では、導電リード2175は、電流をワイヤ導管およびライナ2170へ供給し、水冷され、導電リード2175が比較的小口径のものであることを許容する。部分2100はまた、集束光学系出口先端2180、集束光学系支援ガス入口2185、無孔集束光学系カバースライド2190、およびレーザ光集束光学系モジュール2195を含む。
【0042】
カバースライド2190は、不要材料/粒子(例えばスパッタ、フューム)が集束光学系モジュール2195内に入り込むのを防止するのを助ける。集束光学系支援ガス入口2185内に入るガス(例えばアルゴン)もまた、不要材料/粒子(例えばスパッタ、フューム)が集束光学系モジュール2195内に入り込むのを防止するのを助ける。クランプ2105、シール付きクランプ2115、および軟質ブーツ2110は、周囲環境空気が入り込むのを許すことなく、ガスを部分2100の所望領域内に密閉し続けるのを助ける。これは、レーザ光線2150に対し溶接ワイヤ2155を移動する目的のために、部分2100の上部に対する蒸着ヘッド2000のノーズコーン部分の移動を可能にする。水冷接触ブロック2130は、流体(例えば水)の循環がノーズコーン領域を冷却し得るようにブロック内の通路2165を有する。
【0043】
絶縁板2120は、付加蒸着ヘッドの構造フレームを通りそしてロボット、コントローラ、または関連システム配線を通って戻る電気伝導を防止する主目的に役立つ。ワイヤ進入調整ユニット2125は蒸着プロセスの送り込み角度の微調整を可能にする。ここでは、特定用途が、プロセスにより採用される様々な合金の物理的および熱的性質の差異のおかげで若干異なる送り込み角度でのわずかな蒸着性能恩恵を示し得る。ノーズコーンロック環2135は、様々なノーズコーンが除去/設置されることを可能にする(例えば螺刻接続を介し)。補助/先端冷却ガス導管2140は、ガスを供給して、接触先端領域を冷却するとともに当該領域をガスで溢れさせるのを助ける。一般的に、補助/先端冷却ガス導管2140からのガスは、ガス入口2185から来るガスよりノーズコーン領域内で冷たくなる。補助/先端冷却ガス導管2140の端の孔またはオリフィスは、ガスの真直ぐな流れを形成するためにガスを集束させるように働く。集束光学系出口先端2180は、材料/粒子(例えばスプラッタ、フューム)がレーザ光集束光学系モジュール2195へ戻るのを防止するのを助ける一陣のガスを生成するのを助ける。
【0044】
図22は、駆動ローラ2017を有するワイヤ送出器2010を有する一体化蒸着ヘッド2000の一実施形態のホットワイヤ処理サブシステム2200を示す。ワイヤ処理サブシステム2200は、本明細書で先に説明したように、縦方向(例えば垂直方向)に対するある角度を実現するためにワイヤ導管およびライナ2170を介し溶接ワイヤ2155を送出するように構成される。図23は、レーザ光集束光学系モジュール2195、集束光学系カバースライド2190(無孔)、および集束光学系支援ガス入口2185を有するレーザ集束装置2350を示す一体化蒸着ヘッド2000の一実施形態のレーザ処理サブシステム2300を示す。レーザ処理サブシステム2300はレーザ光線2150を生成するように構成される。図24は、レーザ光集束光学系モジュール2195、集束光学系支援ガス入口2185、集束光学系カバースライド2190、および集束光学系出口先端2180を示す図23のレーザ処理サブシステム2300のレーザ集束装置2350の一実施形態を示す。図25は、一体化蒸着ヘッド2000の内部部品を取り囲むように構成された一体化蒸着ヘッド2000の一実施形態の蒸着ヘッド構造フレーム2500を示す。一実施形態では、構造フレーム2500は、一体化蒸着ヘッド2000のいくつかの内部部品へのアクセスを可能にするように構成された着脱可能カバーを含む。
【0045】
開示実施形態はかなり詳細に示され説明されたが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に限定するまたはこのような詳細にいかなるやり方でも制限することを意図していない。当然ながら、主題の様々な態様を説明する目的のための部品または方法論のあらゆる考えられる組み合わせを説明することは不可能である。したがって、本開示は示され説明された特定の詳細または例示的例に限定されない。したがって、本開示は、合衆国法典第35巻§101の法令の主題要件を満足する添付された請求項の範囲に入るこのような代替、修正、および変形を包含するように意図されている。特定実施形態の上記説明は一例として与えられた。与えられた本開示から、当業者は、包括的発明概念と付帯利点とを理解するだけでなく、開示される構造および方法への明白な様々な変更と修正も発見することになる。したがって、添付の特許請求の範囲により規定された包括的発明概念の精神および範囲に入るこのような変更と修正およびその等価物をすべてカバーすることが求められる。
【符号の説明】
【0046】
10 付加製造セル
12 フレーム
14 ロボット
16 第1のテーブル
18 第2のテーブル
22 部品
24 部品
26 フロントアクセスドア
28 リアアクセスドア
32 窓
40 制御パネル
42 制御筐体
60 蒸着ヘッド
62 軟質管または導管
64 消耗金属ワイヤ
66 容器
68 ワイヤ送出器
72 電源
74 プラットホーム
76 セルコントローラ
100 従来のレーザホットワイヤシステム
110 レーザ光線
115 基板または部品
120 レーザ集束装置
130 レーザ出力発振器
140 抵抗性溶接ワイヤ
150 溶接ワイヤ送出器
160 接触管
170 ホットワイヤ電源
180 運動コントローラ
190 ロボット
193 プラットホーム
195 感知および電流コントローラ
310 レーザ光線
320 消耗金属溶接ワイヤ
330 接触先端/管
335 予熱区域
340 遮蔽ガス
350 ノーズコーン
360 基板/層
362 蒸着区域
364 希釈区域
370 収斂場所
380 長手方向
400 垂直配向一体化蒸着ヘッド
410 ノーズコーン
420 ワイヤ送出装置
425 駆動ローラ
500 一体化蒸着ヘッド
510 ガスホース
520 ガスノズル
530 消耗溶接ワイヤ
540 レーザ光線
550 ノーズコーン
600 一体化蒸着ヘッド
610 ユーティリティホースおよび導管
620 水冷接触ブロック
630 ノーズコーン
820 アーム
930 ワイヤ送出装置
935 駆動ローラ
1210 溶接ワイヤ
1410 補助ガスノズル
1420 ワイヤ導管
1500 直方体ブロック
1510 物差し
1600 中空円筒部品
1700 一体化蒸着ヘッド
1710 アーム
1740 ワイヤ送出装置
1750 比較的小さいロボット
1900 コントローラ
1912 バスサブシステム
1914 プロセッサ
1916 ネットワークインターフェースサブシステム
1920 ユーザインターフェース出力装置
1922 ユーザインターフェース入力装置
1924 記憶サブシステム
1926 ファイル記憶サブシステム
1928 メモリサブシステム
2000 一体化蒸着ヘッド
2010 ワイヤ送出器
2015 モータ
2016 一体化ワイヤ送出器回路制御基板
2017 駆動ローラ
2020 レーザ処理サブシステム
2030 ノーズコーン
2100 部分
2101 蒸着ヘッド筐体
2105 クランプ
2110 軟質ブーツ
2115 シール付きクランプ
2120 熱的/電気的絶縁板
2125 ワイヤ進入調整ユニット
2130 水冷接触ブロック
2135 ノーズコーンロック環
2140 補助/先端冷却ガス導管
2145 ノーズコーン
2150 レーザ光線
2155 溶接ワイヤ
2160 ワイヤ接触先端
2165 冷却通路
2170 ワイヤ導管およびライナ
2175 ホットワイヤ処理導電リード
2180 集束光学系出口先端
2185 集束光学系支援ガス入口
2190 無孔集束光学系カバースライド
2195 レーザ光集束光学系モジュール
2200 ホットワイヤ処理サブシステム
2300 レーザ処理サブシステム
2350 レーザ集束装置
2500 蒸着ヘッド構造フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25