(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】承継情報処理方法、承継情報処理装置、承継情報処理プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240614BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020008818
(22)【出願日】2020-01-23
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】319013458
【氏名又は名称】株式会社エータイ
(74)【代理人】
【識別番号】100171206
【氏名又は名称】小林 茂
(72)【発明者】
【氏名】樺山 伸一
(72)【発明者】
【氏名】樺山 玄基
(72)【発明者】
【氏名】増田 武志
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑治
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-329013(JP,A)
【文献】特開2008-234341(JP,A)
【文献】特開2013-131131(JP,A)
【文献】特開2015-090652(JP,A)
【文献】特開2017-146814(JP,A)
【文献】特開2012-248021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示媒体を有する表示装置と通信ネットワークによって接続された承継情報処理サーバを備える承継情報処理システムにおける承継情報処理方法であって、
被承継人が一又は複数の独立した承継情報を承継人の連絡先アドレスを特定する情報を個別に対応付けて設定するための承継情報設定ページを前記表示媒体に表示させ、
前記承継情報設定ページにおいて前記承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記承継情報と前記連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置に記憶させ、
前記被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合において、前記承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第1承継情報及び第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第2承継情報が前記記憶装置に記憶されているとき、前記第1承継情報を含み、前記第2承継情報を含まない第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を前記第1連絡先アドレスへ送信
し、
前記承継情報設定ページにおいて前記第1承継情報が設定された後に前記第2承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記第1承継情報の内容と前記第2承継情報の内容との一致率を判定し、前記第1承継情報の内容に対する前記第2承継情報の内容の近似の程度に関する情報を前記表示媒体に表示させる、
承継情報処理方法。
【請求項2】
前記承継人の連絡先アドレスを特定する情報は前記承継人の連絡先アドレスである、
請求項1に記載の承継情報処理方法。
【請求項3】
前記承継人の連絡先アドレスを特定する情報は前記承継人のID情報であり、前記承継人の連絡先アドレスの情報は前記ID情報に対応付けて前記記憶装置に記憶させることが可能である場合において、前記第1連絡先アドレスの情報が前記第1承継人の前記ID情報に対応付けられて前記記憶装置に記憶されているとき、
前記第1ページアドレスの情報は、前記第1承継人の前記ID情報に基づいて前記第1連絡先アドレスへ送信される、
請求項1に記載の承継情報処理方法。
【請求項4】
前記第1承継情報閲覧ページは、前記被承継人に関する前記所定のトリガー情報が受信された後に生成される、
請求項1に記載の承継情報処理方法。
【請求項5】
前記被承継人に関する前記所定のトリガー情報が受信されたとき、前記承継情報設定ページの編集を不可能にした後に、前記第1ページアドレス情報を前記第1連絡先アドレスへ送信する、
請求項1に記載の承継情報処理方法。
【請求項6】
前記被承継人に関する前記所定のトリガー情報が受信された場合において、前記承継情報設定ページにおいて前記第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第3承継情報が、さらに前記記憶装置に記憶されているとき、
前記第1承継情報閲覧ページは、さらに前記第3承継情報を含む、
請求項1に記載の承継情報処理方法。
【請求項7】
前記被承継人に関する前記所定のトリガー情報が受信された場合において、前記承継情報設定ページにおいて前記連絡先アドレスを特定する情報が対応付けられずに設定された第4承継情報が、さらに前記記憶装置に記憶されているとき、
前記第4承継情報が前記承継情報設定ページから削除されるように前記記憶装置を制御する、
請求項1に記載の承継情報処理方法。
【請求項8】
前記第2連絡先アドレスの情報が前記第2承継人の前記ID情報に対応付けられて前記記憶装置に記憶されていない場合において、前記被承継人に関する前記所定のトリガー情報を受信したとき、
前記第2承継情報を含み、前記第1承継情報を含まない第2承継情報閲覧ページの第2ページアドレスの情報が、前記第2承継人の前記ID情報に対応付けられて前記第2連絡先アドレスの情報が前記記憶装置に記憶されたことに応じて、前記第2連絡先アドレスへ送信される、
請求項3に記載の承継情報処理方法。
【請求項9】
前記承継情報設定ページにおいて前記承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記承継情報設定ページにおいて設定されている一又は複数の承継情報について、承継人の連絡先アドレスを特定する情報ごとに、対応付けられている承継情報の割合情報を前記表示媒体に表示させる、
請求項1に記載の承継情報処理方法。
【請求項10】
前記承継情報設定ページにおいて前記第1承継情報が設定された後に前記第3承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記第1承継情報の内容と前記第3承継情報の内容との一致率を判定し、前記第1承継情報の内容に対する前記第3承継情報の内容の近似の程度に関する情報を前記表示媒体に表示させる、
請求項6に記載の承継情報処理方法。
【請求項11】
前記被承継人の連絡先アドレスの情報が前記記憶装置に記憶されている場合において、前記被承継人に関する前記所定のトリガー情報を受信する前に、前記第1承継人に関する前記所定のトリガー情報を受信したとき、
前記第1承継情報に関する所定メッセージを前記被承継人の連絡先アドレスへ送信する、
請求項1に記載の承継情報処理方法。
【請求項12】
前記所定メッセージは、前記第1承継情報に対応付ける連絡先アドレスを特定する情報の再設定が可能であるページの第3ページアドレスの情報を含む、
請求項
11に記載の承継情報処理方法。
【請求項13】
前記被承継人の連絡先アドレスの情報が前記記憶装置に記憶されている場合において、前記被承継人に関する前記所定のトリガー情報を受信する前に、前記第1承継人に関する前記所定のトリガー情報を受信したとき、
前記第1承継情報及び前記第3承継情報に関する所定メッセージを前記被承継人の連絡先アドレスへ送信する、
請求項6に記載の承継情報処理方法。
【請求項14】
前記所定メッセージは、前記第1承継情報に対応付ける連絡先アドレスを特定する情報、及び、前記第3承継情報に対応付ける連絡先アドレスを特定する情報を個別に設定可能であるページの第4ページアドレスの情報を含む、
請求項
13に記載の承継情報処理方法。
【請求項15】
前記承継情報設定ページにおいて、前記承継情報に対して承継優先順位を設定した複数の連絡先アドレスを特定する情報を対応付けることが可能であり、前記承継優先順位を設定した前記複数の連絡先アドレスを特定する情報に対応する承継人ごとに、前記承継情報の内容の一部を変更することが可能である、
請求項1に記載の承継情報処理方法。
【請求項16】
表示媒体を有する表示装置と通信する通信部と、
被承継人が一又は複数の独立した承継情報を承継人の連絡先アドレスを特定する情報を個別に対応付けて設定するための承継情報設定ページを前記表示媒体に表示させ、前記承継情報設定ページにおいて前記承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記承継情報と前記連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置に記憶させ、前記被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合において、前記承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第1承継情報及び第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第2承継情報が前記記憶装置に記憶されているとき、前記第1承継情報を含み、前記第2承継情報を含まない第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を前記第1連絡先アドレスへ送信
し、前記承継情報設定ページにおいて前記第1承継情報が設定された後に前記第2承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記第1承継情報の内容と前記第2承継情報の内容との一致率を判定し、前記第1承継情報の内容に対する前記第2承継情報の内容の近似の程度に関する情報を前記表示媒体に表示させる制御部と、
を備える承継情報処理装置。
【請求項17】
表示媒体を有する表示装置と通信する通信処理と、
被承継人が一又は複数の独立した承継情報を承継人の連絡先アドレスを特定する情報を個別に対応付けて設定するための承継情報設定ページを前記表示媒体に表示させ、前記承継情報設定ページにおいて前記承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記承継情報と前記連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置に記憶させ、前記被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合において、前記承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第1承継情報及び第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第2承継情報が前記記憶装置に記憶されているとき、前記第1承継情報を含み、前記第2承継情報を含まない第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を前記第1連絡先アドレスへ送信
し、前記承継情報設定ページにおいて前記第1承継情報が設定された後に前記第2承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記第1承継情報の内容と前記第2承継情報の内容との一致率を判定し、前記第1承継情報の内容に対する前記第2承継情報の内容の近似の程度に関する情報を前記表示媒体に表示させる制御処理と、
をコンピュータに実行させる承継情報処理プログラム。
【請求項18】
表示媒体を有する表示装置と通信する通信処理と、
被承継人が一又は複数の独立した承継情報を承継人の連絡先アドレスを特定する情報を個別に対応付けて設定するための承継情報設定ページを前記表示媒体に表示させ、前記承継情報設定ページにおいて前記承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記承継情報と前記連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置に記憶させ、前記被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合において、前記承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第1承継情報及び第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第2承継情報が前記記憶装置に記憶されているとき、前記第1承継情報を含み、前記第2承継情報を含まない第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を前記第1連絡先アドレスへ送信
し、前記承継情報設定ページにおいて前記第1承継情報が設定された後に前記第2承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記第1承継情報の内容と前記第2承継情報の内容との一致率を判定し、前記第1承継情報の内容に対する前記第2承継情報の内容の近似の程度に関する情報を前記表示媒体に表示させる制御処理と、
をコンピュータに実行させる承継情報処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、承継情報処理方法、承継情報処理装置、承継情報処理プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
被承継人の異常発生をトリガーにして、被承継人が生前に登録しておいたメッセージを承継人に通知する装置が開発されている。例えば、被引継人に異常が発生したとき、保護復号鍵によって復号化された引継開始復号鍵を第2保管領域に保存することを引継人利用端末装置に可能にする手段と、引継開始復号鍵により復号化された引継復号鍵を第2保管領域に保存することを代行者利用端末装置に可能にする手段と、引継復号鍵により復号化した引継開始に必要な情報に含まれている被引継人が予め定めた鍵により被引継人利用端末装置から送信されて第1保管領域に保管されている引継対象情報を取得して復号化することを引継人利用端末装置に可能にする手段と、を含むプロセッサを備える引継対象情報処理装置がある。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1の技術(以下、従来技術)において、複数の独立した承継情報を承継人ごとに承継させることが困難であった。
【0005】
本発明の目的は、被承継人が相互に独立した複数の承継情報を設定したとき、各承継情報に対応付けられた承継人が承継情報の内容を容易に閲覧できることに寄与する承継情報処理方法、承継情報処理装置、承継情報処理プログラムおよび記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る承継情報処理方法は、表示媒体を有する表示装置と通信ネットワークによって接続された承継情報処理サーバを備える承継情報処理システムにおける承継情報処理方法であって、被承継人が一又は複数の独立した承継情報を承継人の連絡先アドレスを特定する情報を個別に対応付けて設定するための承継情報設定ページを前記表示媒体に表示させ、前記承継情報設定ページにおいて前記承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記承継情報と前記連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置に記憶させ、前記被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合において、前記承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第1承継情報及び第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第2承継情報が前記記憶装置に記憶されているとき、前記第1承継情報を含み、前記第2承継情報を含まない第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を前記第1連絡先アドレスへ送信し、前記承継情報設定ページにおいて前記第1承継情報が設定された後に前記第2承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記第1承継情報の内容と前記第2承継情報の内容との一致率を判定し、前記第1承継情報の内容に対する前記第2承継情報の内容の近似の程度に関する情報を前記表示媒体に表示させる、を含むようにした。
【0007】
本発明の一態様に係る承継情報処理装置は、表示媒体を有する表示装置と通信する通信部と、被承継人が一又は複数の独立した承継情報を承継人の連絡先アドレスを特定する情報を個別に対応付けて設定するための承継情報設定ページを前記表示媒体に表示させ、前記承継情報設定ページにおいて前記承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記承継情報と前記連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置に記憶させ、前記被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合において、前記承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第1承継情報及び第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第2承継情報が前記記憶装置に記憶されているとき、前記第1承継情報を含み、前記第2承継情報を含まない第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を前記第1連絡先アドレスへ送信し、前記承継情報設定ページにおいて前記第1承継情報が設定された後に前記第2承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記第1承継情報の内容と前記第2承継情報の内容との一致率を判定し、前記第1承継情報の内容に対する前記第2承継情報の内容の近似の程度に関する情報を前記表示媒体に表示させる制御部と、を備える構成を採る。
【0008】
本発明の一態様に係る承継情報処理プログラムは、表示媒体を有する表示装置と通信する通信処理と、被承継人が一又は複数の独立した承継情報を承継人の連絡先アドレスを特定する情報を個別に対応付けて設定するための承継情報設定ページを前記表示媒体に表示させ、前記承継情報設定ページにおいて前記承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記承継情報と前記連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置に記憶させ、前記被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合において、前記承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第1承継情報及び第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第2承継情報が前記記憶装置に記憶されているとき、前記第1承継情報を含み、前記第2承継情報を含まない第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を前記第1連絡先アドレスへ送信し、前記承継情報設定ページにおいて前記第1承継情報が設定された後に前記第2承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記第1承継情報の内容と前記第2承継情報の内容との一致率を判定し、前記第1承継情報の内容に対する前記第2承継情報の内容の近似の程度に関する情報を前記表示媒体に表示させる制御処理と、をコンピュータに実行させるようにした。
【0009】
本発明の一態様に係る記録媒体は、表示媒体を有する表示装置と通信する通信処理と、被承継人が一又は複数の独立した承継情報を承継人の連絡先アドレスを特定する情報を個別に対応付けて設定するための承継情報設定ページを前記表示媒体に表示させ、前記承継情報設定ページにおいて前記承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記承継情報と前記連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置に記憶させ、前記被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合において、前記承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第1承継情報及び第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第2承継情報が前記記憶装置に記憶されているとき、前記第1承継情報を含み、前記第2承継情報を含まない第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を前記第1連絡先アドレスへ送信し、前記承継情報設定ページにおいて前記第1承継情報が設定された後に前記第2承継情報が設定されたことが検知されたとき、前記第1承継情報の内容と前記第2承継情報の内容との一致率を判定し、前記第1承継情報の内容に対する前記第2承継情報の内容の近似の程度に関する情報を前記表示媒体に表示させる制御処理と、をコンピュータに実行させる承継情報処理プログラムを記録する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被承継人が相互に独立した複数の承継情報を設定したとき、各承継情報に対応付けられた承継人が承継情報の内容を容易に参照できることに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態1に係る承継情報処理システムおよび承継情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図
【
図2】本発明の実施形態1に係る承継情報処理システムおよび承継情報処理装置の機能的な構成の他の例を示すブロック図
【
図3】本発明の実施形態1に係る表示装置の機能的な構成の一例を示すブロック図
【
図4】本発明の実施形態1に係る承継情報処理サーバの動作の流れの一例を示すフロー図
【
図5】表示媒体に表示された承継情報設定ページの画像の一例を示す図
【
図6】承継人のID情報と連絡先アドレスとを対応付けたテーブルの一例を示す図
【
図7】表示媒体に表示された承継情報閲覧ページの画像の一例を示す図
【
図8】表示媒体に表示された承継情報設定ページの画像の他の例を示す図
【
図9】表示媒体に表示された承継情報閲覧ページの画像の他の例を示す図
【
図10】承継人のID情報と承継情報の割合情報を対応付けたテーブルの一例を示す図
【
図11】承継情報の近似の程度の度合いを判定するテーブルの一例を示す図
【
図12】変形例1における承継情報処理サーバの動作の流れの一例を示すフロー図
【
図13】各部の機能をプログラムにより実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本発明に係る一態様を発明するに至った経緯)
【0013】
本発明の発明者は、被承継人が承継情報を設定する場合、単一の承継情報が単一の承継人に割り当てられる場合だけではなく、相互に独立した複数の承継情報が一または複数の承継人に設定される場合もあると想起した。
【0014】
相互に独立した情報とは、例えば、実質的に内容の異なる情報、件名が異なる情報、および、異なるタイミングで新規に設定された情報などである。相互に独立して複数の承継情報が設定された場合、承継情報が割り当てられた承継人だけが当該承継情報を閲覧でき、他の承継人は当該承継情報を閲覧できないように、排他的に閲覧される必要がある。
【0015】
そこで、本発明の発明者は、被承継人が相互に独立した複数の承継情報を設定したとき、各承継情報に対応付けられた承継人が承継情報の内容を容易に閲覧できる承継情報処理装置および承継情報処理方法を想起し、本発明に係る一態様を発明するに至った。
【0016】
なお、本開示においては、以下のように用語が定義される。
【0017】
(本サービス)
本開示における承継情報処理サーバが提供する承継情報処理サービスを本サービスという。以下の説明において、本開示における承継情報処理サーバが提供する承継情報処理サービスは、本サービスと言い換えてもよい。本サービスにおける基本的なサービスは、例えば、被承継人が死亡したなど、被承継人に異常事態が発生したことをトリガーにして、被承継人が異常発生前に登録しておいた承継情報を、当該承継情報の承継先として設定登録されている承継人に通知するものである。
【0018】
(ユーザー)
本サービスの利用者をユーザーという。ユーザーとは、例えば、本サービスに係るWebサイトへアクセスし、当該サイト上において本サービスの提供を受ける者である。ユーザーには、承継情報を設定する被承継人、および、承継情報を引き継ぐ承継人が含まれる。
【0019】
(承継)
本開示における承継とは、相続その他の一般承継、または、譲渡などの特定承継であってもよい。
【0020】
(承継情報)
本開示における承継情報とは、被承継人に異常事態が発生したときに、被承継人から承継人に引き継がれる情報である。承継情報とは、例えば、遺言の他、任意のWebサイトへログインするための会員番号およびパスワード、任意のサービスを利用するための会員番号およびパスワード、銀行口座の口座番号および暗証番号、被承継人が承継人に対して伝えたい任意のメッセージ等であってもよい。会員番号、パスワード、暗証番号などはテキスト情報であっても、画像情報であってもよい。また、任意のメッセージは、テキスト情報、静止画情報、動画情報などであってもよい。承継情報の種類は、本開示の範囲を限定しない。
【0021】
以上、本開示における用語の定義について説明した。定義された用語について、特別な意味が付される場合には、実施形態の説明において、さらに定義がなされる場合がある。
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施形態において、同一機能を有する構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。以下に説明される実施形態は本開示の一具体例を示す。実施形態において示される構成、フロー図における処理または処理の順序などは一例であって、本開示の技術を限定しない。
【0023】
(実施形態1)
本実施形態に係る承継情報処理システム1および承継情報処理装置100の構成について、
図1から
図3を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る承継情報処理システム1および承継情報処理装置100の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図2は、本発明の実施形態1に係る承継情報処理システム1および承継情報処理装置100の機能的な構成の他の例を示すブロック図である。
図3は、本発明の実施形態1に係る表示装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図1において、承継情報処理システム1は、承継情報処理装置100、表示装置200、および、記憶装置300を備える。
図1において、承継情報処理装置100は、承継情報処理サーバ10とも呼称される。
【0025】
図1において、承継情報処理装置100と承継情報処理サーバ10とは、互いに読み替えることができる。
図1においては、承継情報処理サーバ10は承継情報処理装置100を含み、記憶装置300を含まないとして説明しているが、
図2に示すように、承継情報処理サーバ10は、承継情報処理装置100および記憶装置300を含む構成としてもよい。
【0026】
以下において、承継情報処理サーバ10とは、
図1に示すシステム構成の場合も、
図2に示すシステム構成の場合も含むものとする。すなわち、承継情報処理サーバ10に記憶装置300が含まれるか否かは、本開示の範囲を限定しない。
【0027】
承継情報処理サーバ10は、後述するように、通信ネットワークを介して表示装置200が有する表示媒体201に承継情報設定ページを表示させ、承継情報設定ページにおいてユーザーである被承継人によって設定された承継情報を記憶装置300に記憶させ、被承継人に関する異常事態が発生したことを示すトリガー情報を受信したとき、承継情報を閲覧するための情報を予め当該承継情報に対応付けられて設定された連絡先アドレスへ送信することによって本サービスを提供する機能を有するコンピュータまたは記録媒体である。承継情報処理サーバ10は、例えば、汎用コンピュータおよび本実施形態において説明される各動作等を実施させるソフトウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
【0028】
なお、
図1に示す承継情報処理サーバ10および記憶装置300、ならびに、
図2に示す承継情報処理サーバ10のそれぞれは複数あってもよい。係る場合、複数のサーバおよび複数の装置に対して、複数の機能が分散されてもよい。
【0029】
また、
図1および
図2に示すように、複数の表示装置200が、通信ネットワークを介して承継情報処理サーバ10に接続されてもよい。例えば、被承継人が本サービスを利用する場合に用いる表示装置200aと、第1承継人が本サービスを利用する場合に用いる表示装置200bと、第2承継人が本サービスを利用する場合に用いる表示装置200cとは異なってもよい。例えば、被承継人、第1承継人、および、第2承継人が同居する家族であったり、同一の組織に属する者であったりする場合には、被承継人、第1承継人、および、第2承継人が本サービスを利用する場合に用いる表示装置200は同一機器であってもよい。さらに、承継情報処理システム1は、
図1および
図2には図示していない、他の一または複数の被承継人が本サービスを利用する場合に用いる表示装置200を含んでもよい。
【0030】
なお、以下の説明において、記憶装置300は記憶サーバ300と呼称されてもよい。通信部101および記憶装置300は、互いに、通信ネットワークを介して接続されてもよい。
【0031】
図1および
図2において、承継情報処理装置100は、通信部101および制御部102を備える。通信部101および制御部102は、互いに有線接続または無線接続される。
図3において、表示装置200は、表示媒体201、入力部202、通信部203、メモリ204、および、制御部205を備える。表示装置200に含まれる各要素は、設計仕様に基づき、他の要素の一部または全部と有線接続または無線接続される。
【0032】
通信部101は、表示装置200における通信部203と通信ネットワークによって接続され、情報を送受信する機能を有する。通信ネットワークは、電気通信回線によって構成されるネットワークであってもよい。通信ネットワークは、有線通信ネットワークであっても、無線通信ネットワークであってもよい。通信ネットワークは、例えば、インターネット、専用回線、LAN(Local Area Network)等であってもよい。
【0033】
表示装置200は、例えば、被承継人が利用する場合には、後述するように、承継情報設定ページの表示を承継情報処理サーバ10に対して要求し、当該要求に応じて承継情報処理サーバ10から送信される制御信号に基づいて、承継情報設定ページを表示媒体201に表示させる機能を有してもよい。表示装置200は、例えば、承継人が利用する場合には、後述するように、承継情報処理サーバ10から承継人の連絡先アドレス宛に送信された通知を読み込み、読み込まれた通知の内容を表示媒体201に表示させる機能を有してもよい。
【0034】
表示装置200は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、デスクトップパソコン、ウェアラブル端末、または、専用端末などであってもよい。
【0035】
表示媒体201は、例えば、2次元ディスプレイでもよく、バーチャルリアリティー、ミックスドリアリティーなどにおける3次元ディスプレイであってもよい。2次元ディスプレイは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどであってもよい。ディスプレイの種類は、本開示の範囲を限定しない。
【0036】
入力部202は、表示媒体201における表示内容を選択する機能、および、文字を入力または編集する機能を有する。入力部202は、ユーザーによる入力を受け付ける。
【0037】
入力部202は、例えば、キーボード、マウス、ハードウェアボタン、タッチパネルを用いたタッチ操作、タッチパネルを用いたスタイラスペン、ユーザーの視線検知に基づく入力、および音声入力などのうち少なくとも1つであってもよい。キーボードは、外部接続された物理的キーボードであってもよく、タッチパネル上のソフトウェアキーボードであってもよい。また、表示媒体201がバーチャルリアリティー、ミックスドリアリティーなどにおける3次元ディスプレイの場合には、専用コントローラー、ユーザーのジェスチャーなどに基づく情報入力または情報選択であってもよい。
【0038】
通信部203は、通信部101と通信ネットワークによって接続され、承継情報処理サーバ10から信号または情報を受け取る。通信部203は、例えば、無線通信のためのアンテナを含む通信モジュールであってもよい。また、通信部203は、例えば、有線通信のための通信モジュールであってもよい。
【0039】
メモリ204は、通信部203が承継情報処理サーバ10から受け取った情報を保存する機能を有してもよい。メモリ204は、通信部203が後述する各種アプリケーションソフトウェアを受け取った場合には、各種アプリケーションソフトウェアを保存してもよい。以下の説明において、表示装置200は、承継情報処理サーバ10から受け取った各種情報を、例えば、メモリ204に保存してもよい。
【0040】
制御部205は、表示装置200における各種制御を行う。制御部205は、例えば、通信部203が承継情報処理サーバ10から受け取った情報をメモリ204に保存させる。制御部205は、ユーザーによる入力を入力部202に受け取らせる。
【0041】
また、制御部205は、例えば、承継情報処理サーバ10から受け取った承継情報設定ページの情報を表示媒体201に表示する機能を有する。また、制御部205は、例えば、各種アプリケーションまたは承継情報処理サーバ10からの指示に基づいて、表示媒体201に所定の情報を表示する機能を有する。制御部205における、各種情報を表示媒体201に表示させる機能は公知技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0042】
制御部205は、例えば、電気信号によって各部を制御する制御回路(control circuitry)であってもよい。具体的には、制御部205は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって構成されてもよい。また、制御部205は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などにより実現されてもよい。制御部205は、例えば、Webブラウザであってもよい。
【0043】
なお、以上の説明において、表示装置200が備える表示媒体201などの各要素は、表示装置200に内蔵されるものとして説明したが、表示装置200に対して外付けされるものでもよい。
【0044】
図1および
図2において、記憶装置300は、例えば、後述するように、承継情報設定ページにおいて、被承継人によって連絡先アドレスに対応付けられて設定された承継情報などを記憶する。記憶装置300は、各種アプリケーションソフトウェアを記憶してもよい。各種アプリケーションソフトウェアは、例えば、承継情報処理サーバ10が提供するサービスを、ユーザーの要求に応じて、表示装置200においてスタンドアロンで実行させるものであってもよい。また、各種アプリケーションソフトウェアは、例えば、クライアントPCにインストールされたWebブラウザに読み込んで動作させるHTML、CSS、JavaScript(登録商標)等のソースコードであってもよい。
【0045】
承継情報処理装置100において、通信部101は、表示媒体201を有する表示装置200と通信する。具体的には、通信部101は、通信ネットワークを介して、表示装置200における通信部203との間で情報を送受信する機能を有する。また、通信部101は、記憶装置300から情報を受け取る機能を有する。
【0046】
なお、通信部101および記憶装置300は、互いに有線ネットワークまたは無線ネットワークによって接続される。通信部101は、例えば、無線通信のためのアンテナを含む通信モジュールであってもよく、有線通信のための通信モジュールであってもよい。通信部101および記憶装置300を接続するネットワークの形態、規格などの仕様は、本開示の範囲を限定しない。
【0047】
制御部102は、被承継人が一又は複数の独立した承継情報を承継人の連絡先アドレスを特定する情報を個別に対応付けて設定するための承継情報設定ページを表示媒体201に表示させ、承継情報設定ページにおいて承継情報が設定されたことが検知されたとき、承継情報と連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置300に記憶させる。また、制御部102は、被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合において、承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第1承継情報及び第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第2承継情報が記憶装置300に記憶されているとき、第1承継情報を含み、第2承継情報を含まない第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を第1連絡先アドレスへ送信する。
【0048】
制御部102は、電気信号によって各部を制御する制御回路(control circuitry)であってもよい。具体的には、制御部102は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路によって構成されてもよい。また、制御部102は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などにより実現されてもよい。制御部102の機能の詳細については、後述する。
【0049】
以上、
図1から
図3を参照して、本実施形態に係る承継情報処理システム1、承継情報処理サーバ10、および承継情報処理装置100の構成例について説明した。
【0050】
本実施形態に係る承継情報処理システム1は、例えば、上記の構成例によって本サービスをユーザーに提供する。本サービスは、例えば、本サービスに係るWebサイトにユーザーがアクセスすることによって提供されてもよい。本サービスは、被承継人の異常事態が発生したことをトリガーにして、被承継人が異常発生前に登録しておいた承継情報を承継人に通知してもよい。
【0051】
例えば、被承継人が本サービスに係るWebサイトにアクセスし、承継情報および承継先の設定サービスの提供を要求してもよい。当該要求を受けた承継情報処理サーバ10は、承継情報設定ページを表示するための情報を、ユーザーである被承継人が操作する表示装置200aへ送信し、承継情報および承継人の連絡先アドレスを特定する情報を設定するための領域を表示媒体201aに表示させてもよい。連絡先アドレスを特定する情報の定義は、後述する。
【0052】
被承継人が、表示装置200aを用いて、相互に独立した一または複数の承継情報、および、当該承継情報に対応付けた承継人の連絡先アドレスを特定する情報を設定したとき、承継情報処理サーバ10は、設定された一または複数の承継情報、および、当該承継情報に対応付けられた承継人の連絡先アドレスを特定する情報を、当該被承継人によって設定された情報として記憶装置300に記憶させてもよい。承継情報および承継人の連絡先アドレスを特定する情報と、被承継人の情報とは、例えば、被承継人に付与される固有の識別情報に基づいて対応付けてもよい。
【0053】
その後、承継情報処理サーバ10は、当該被承継人に関する異常事態発生を通知するトリガー情報を受信した場合、記憶装置300に記憶されている当該被承継人によって設定された一または複数の承継情報を閲覧するための情報を、それぞれについて対応付けられている承継人の連絡先アドレスへ通知してもよい。
【0054】
例えば、第1承継情報を閲覧するための情報を連絡先アドレスによって受け取った第1承継人は、第1承継情報を閲覧するための情報に基づき、表示装置200bを用いて第1承継情報を閲覧してもよい。一方、例えば、第2承継情報を閲覧するための情報を連絡先アドレスによって受け取った第2承継人は、第2承継情報を閲覧するための情報に基づき、表示装置200cを用いて第2承継情報を閲覧してもよい。
【0055】
なお、承継情報を閲覧するための情報とは、後述するように、例えば、当該承継情報を含む所定ページへアクセスするためのページアドレスの情報であってもよい。当該承継情報を含む所定ページとは、例えば、本サービスに係るWebサイトに含まれる承継情報閲覧ページであってもよく、第1承継情報閲覧ページは、第1承継情報を含み、第1承継情報とは独立して設定された第2承継情報を含まない。また、第2承継情報閲覧ページは、第2承継情報を含み、第2承継情報とは独立して設定された第1承継情報は含まない。
【0056】
このように、本サービスは、第1承継人に対して設定された承継情報を含み、第1承継人以外の承継人に対して設定された承継情報を含まない第1承継情報閲覧ページへアクセスするためのページアドレスの情報を、第1承継人の連絡先アドレス宛に通知することで、メッセージ等を排他的に閲覧可能にする承継情報処理サービスを提供するものである。
【0057】
これにより、被承継人が相互に独立した複数の承継情報を設定したとき、各承継情報に対応付けられた承継人が承継情報の内容を容易に参照できることに寄与する承継情報処理システム1が提供される。
【0058】
なお、本サービスは、承継情報処理サーバ10を用いて、被承継人が相互に独立した複数の承継情報を設定し、承継人が承継情報を閲覧できるものであればよく、サービスが提供される態様は本開示の範囲を限定しない。例えば、承継情報処理サーバ10がWebブラウザを用いないスタンドアロンで動作するアプリケーションソフトウェアを表示装置200に送信し、ダウンロードされた当該アプリケーションソフトウェアを用いて、表示媒体201上において各種サービスが提供されてもよい。
【0059】
図4は、本発明の実施形態1に係る承継情報処理サーバ10の動作の流れの一例を示すフロー図である。
図5は、表示媒体に表示された承継情報設定ページの画像の一例を示す図である。
図6は、承継人のID情報と連絡先アドレスとを対応付けたテーブルの一例を示す図である。
図7は、表示媒体に表示された承継情報閲覧ページの画像の一例を示す図である。
【0060】
以下、
図4から
図7を参照して、本実施形態に係る承継情報処理サーバ10の基本動作の処理手順について説明する。
【0061】
なお、以下の説明において、承継情報処理サーバ10から表示装置200に対して送信された後にメモリ204に保存された各種プログラム等の情報によって、表示媒体201に所定の情報が表示されることは、承継情報処理サーバ10が直接的または間接的に所定の情報の表示を制御していることと同じである。
【0062】
すなわち、本発明の実施形態においては、承継情報処理サーバ10から表示装置200へ提供された各種プログラムによる制御、および、承継情報処理サーバ10による制御を、承継情報処理サーバ10などによる制御と呼称してもよい。単に、承継情報処理サーバ10による制御と呼称される場合であっても、承継情報処理サーバ10などによる制御と同じ意味に解釈してもよい。
【0063】
なお、下記に説明される各フロー図は、本開示に係る承継情報処理サーバ10の動作の処理手順について説明するために必要なステップを例示として記載しているにすぎない。本発明の実施形態における機能が発揮される範囲において、各フロー図の各ステップの間に他の動作の処理に関するステップが適切に挿入されることを妨げるものではない。
【0064】
また、本サービス提供のためのシステムが構築される場合、ユーザーインターフェースは一般的にイベントドリブン型でプログラムが実行されるが、本発明の実施形態におけるフロー図においては、説明の便宜のために、必ずしもイベントドリブン型のフロー図に基づいて説明されるわけではない。さらに、一般的には、イベントは表示装置200で発生させるが、承継情報処理サーバ10で発生させてもよい。イベント処理は、表示装置200によって行われてもよく、また、承継情報処理サーバ10によって行われてもよい。すなわち、イベント発生またはイベント処理の主体は本発明を限定しない。
【0065】
以上のフロー図に関する説明は、下記で説明されるフロー図において適用されてもよい。
【0066】
図4において、承継情報処理サーバ10は、ユーザーである被承継人が操作する表示装置200aが有する表示媒体201aに承継情報設定ページを表示させる(ステップS401)。承継情報設定ページとは、被承継人が一又は複数の独立した承継情報を承継人の連絡先アドレスを特定する情報を個別に対応付けて設定するためのページである。
【0067】
承継情報設定ページは、例えば、
図5に示すように、承継情報を入力部202aによって設定可能である領域500と、当該承継情報の承継先である承継人の連絡先アドレスを特定する情報を入力部202aによって設定可能である領域501とが、一対一に対応して表示されてもよい。
【0068】
図5に示すように、領域500aに設定される承継情報と、領域500bに設定される承継情報とは、相互に独立した情報である。相互に独立した情報とは、
図5に示すように、例えば、件名が異なる情報であってもよい。相互に独立した情報とは、例えば、
図5に示すように、内容を設定する領域が異なる情報であってもよい。一方、例えば、第1承継情報と、第1承継情報を一部修正または追記した情報とは、相互に独立した情報ではない。
【0069】
なお、本開示において設定とは、任意の文字情報等を、入力部202を用いて任意に記述することであってもよい。また、本開示において設定とは、予め用意されたプルダウンメニューまたはチェックボックスなどによって一のテキストを、入力部202を用いて選択することであってもよい。承継情報および連絡先アドレスを特定する情報を設定する方法は、本開示の範囲を限定しない。
【0070】
なお、承継情報設定ページは、ユーザーによる承継情報が未設定である初期状態においては、領域500および領域501が表示されていなくてもよい。また、承継情報設定ページは、初期状態においては、第1承継情報を入力可能な領域500a、および、第1承継情報の承継先である第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報を入力可能である領域501aのみが表示されていてもよい。
【0071】
係る場合、非表示状態の領域500および領域501は、例えば、図示していない新規作成ボタンが入力部202を用いて押下されることによって、承継情報設定ページに表示されてもよい。承継情報設定ページの初期状態の画像は、本開示の範囲を限定しない。
【0072】
なお、
図5において、領域500および領域501は、説明の便宜のために実線で囲われた領域として表示されているが、他の表示態様であってもよい。承継情報設定ページにおける領域500および領域501の表示態様は、本開示の範囲を限定しない。
【0073】
承継人の連絡先アドレスを特定する情報は、承継人の連絡先アドレスであってもよい。連絡先アドレスとは、メールアドレス、ソーシャルネットワークサービスまたはチャット等の所定のアプリケーションのID、または電話番号等であってもよい。
【0074】
また、承継人の連絡先アドレスを特定する情報は承継人のID情報であり、承継人の連絡先アドレスの情報は当該ID情報に対応付けて記憶装置300に記憶させることが可能であってもよい。承継人のID情報とは、例えば、本サービスの利用に当たって付与可能な情報であり、承継人の氏名、ニックネーム、被承継人に対する続柄、または会員番号等であってもよい。承継人のID情報は、本サービスに係るWebサイトの所定のページまたは所定の画面において、ユーザーによって設定可能であってもよい。また、承継人のID情報は、本サービスに係るWebサイトの所定のページまたは所定の画面において、承継人の連絡先アドレスと対応付けて登録可能であってもよい。
【0075】
承継人の連絡先アドレスと対応付けられた承継人のID情報は、例えば、
図6に示すように、承継人のID情報と連絡先アドレスとを対応付けたテーブル601によって管理されてもよい。当該テーブル601の情報は、記憶装置300によって記憶されてもよい。なお、
図6においては、連絡先アドレスはメールアドレスであるとして図示されるが、上記の通り、連絡先アドレスは電話番号等であってもよい。
【0076】
例えば、第1承継人の第1連絡先アドレスの情報が第1承継人のID情報に対応付けられて記憶装置300に記憶されているとき、後述するように、第1承継情報を閲覧するための第1承継情報閲覧ページのページアドレスの情報は、第1承継人のID情報に基づいて第1連絡先アドレスへ送信される。
【0077】
なお、本サービスが提供される場合において、連絡先アドレスを特定する情報の設定方法は、連絡先アドレスのみ設定可能とする仕様であってもよく、承継人のID情報のみ設定可能とする仕様であってもよく、または、連絡先アドレスおよび承継人のID情報を任意に選択的に設定可能とする仕様であってもよい。
【0078】
なお、承継情報設定ページは、ユーザーである被承継人からの要求に応じて承継情報処理サーバ10から表示装置200aに送信される承継情報設定ページの情報に基づいて表示媒体201aに表示される。被承継人からの要求とは、ユーザーが本サービスの提供を受けるために、入力部202aを用いて、承継情報設定ページの情報を表示装置200aへ送信するように承継情報処理サーバ10へ要求するものであってもよい。当該要求は、被承継人が承継情報および承継人の連絡先アドレスを特定する情報を設定するために行われる。当該要求は、例えば、ユーザーが、本サービスに係るWebサイト上の所定のページを表示する表示媒体201上において、承継情報等の設定を要求するための所定のボタンを押下することによって行われてもよい。
【0079】
なお、ユーザーは、本サービスの提供を受ける前提として、例えば、本サービスに係るWebサイトへアクセスしておく必要があってもよい。係る場合、ユーザーは、予め定められた、本サービスに係るWebサイトへログインするための会員番号およびパスワードを用いることで、個人用ページにアクセスできてもよい。会員番号は、例えば、被承継人のメールアドレス、電話番号などであってもよい。
【0080】
次に、
図4において、承継情報処理サーバ10は、承継情報設定ページにおいて承継情報等が設定されたか否かを判定する(ステップS402)。承継情報等が設定されていない場合(ステップS402:NO)、承継情報等が設定されるまで待機状態となってもよい。
【0081】
一方、承継情報処理サーバ10は、承継情報設定ページにおいて承継情報が設定されたことが検知されたとき(ステップS402:YES)、承継情報と連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置300に記憶させる(ステップS403)。
【0082】
例えば、
図5に示すように、領域500aに第1承継情報502aが設定され、領域501aに第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報503aが設定された場合、承継情報処理サーバ10は、第1承継情報502aと、第1連絡先アドレスを特定する情報503aとを対応させて、当該被承継人によって設定された情報として、記憶装置300に記憶させる。第1承継情報502等は、当該情報を設定した被承継人を特定する情報と紐づけて記憶装置300に記憶されてもよい。被承継人を特定する情報とは、例えば、本サービスにおいて付与可能である被承継人のID情報等であってもよい。
【0083】
次に、
図4において、承継情報処理サーバ10は、承継情報の編集要求を表示装置200aから受信したか否かを判定し(ステップS404)、編集要求を受信した場合(ステップS404:YES)、承継情報設定ページを表示媒体201aに表示させる。係る場合、例えば、
図5に示すように、第2承継情報502bおよび第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報503bが設定された場合、承継情報処理サーバ10は、これらの情報を記憶装置300に記憶させてもよい。
【0084】
なお、上記において、第1承継情報502aと第2承継情報502bとは、互いに異なるタイミングで設定されるものとして説明したが、この限りではない。第1承継情報502aが設定された後、別のページへの遷移が選択される前、または、本サービスに係るWebサイトからユーザーがログアウトする前に、第2承継情報502bが設定されてもよい。
【0085】
なお、
図5においては、第1承継情報502aおよび第2承継情報502bのみが承継情報設定ページに表示されているが、図示していない他の承継情報がユーザーによって設定され、表示媒体201に表示されてもよい。さらに、設定済みの承継情報などは、適宜、削除、修正を行うことが可能であってもよい。
【0086】
一方、
図4において、承継情報処理サーバ10は、承継情報の編集要求を受信しない場合(ステップS404:NO)、被承継人に関する所定のトリガー情報を受信したか否かを判定する(ステップS405)。承継情報処理サーバ10は、当該所定のトリガー情報を受信しない場合には(ステップS405:NO)、承継情報の編集要求を受信するまで待機状態となってもよい(ステップS404)。
【0087】
一方、承継情報処理サーバ10は、被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合(ステップS405:YES)、承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報503aに対応付けられて設定された第1承継情報502a、および、第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報503bに対応付けられて設定された第2承継情報502bが記憶装置300に記憶されているとき、第1承継情報502aを含み、第2承継情報502bを含まない第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を、第1連絡先アドレスへ送信する(ステップS406)。
【0088】
所定のトリガー情報とは、トリガー情報の対象者に異常事態が発生したことを示す情報であってもよい。具体的には、所定のトリガー情報とは、トリガー情報の対象者が死亡したことを示す情報、対象者が所定のレベルの要介護状態になったことを示す情報、および、対象者が求職または退職したことを示す情報など、対象者が承継情報の内容を自己で管理および処理することが困難になったことを示す情報であってもよい。
【0089】
なお、承継情報処理サーバ10は、所定のトリガー情報を、本サービスの提供者または管理者による入力によって受信してもよい。また、承継情報処理サーバ10は、所定のトリガー情報を、トリガー情報の対象者のID情報等に基づいて、承継情報処理システム1とは異なる外部システムから受け取ってもよい。外部システムは、例えば、トリガー情報の対象者の死亡を管理する所定機関のシステムであってもよく、また、トリガー情報の対象者の介護状態の情報を管理する所定機関のシステムであってもよい。外部システムとの連携に関する動作の説明は、公知であるため省略する。
【0090】
承継情報処理サーバ10は、ステップS406において、まず、被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合、例えば、当該被承継人を特定するID情報等に基づき、当該被承継人に死亡などの異常事態が発生する前に設定され、記憶装置300に記憶されている一または複数の承継情報を抽出してもよい。
【0091】
例えば、承継情報処理サーバ10は、被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合において、少なくとも第1承継情報502aおよび第2承継情報502bが記憶装置300に記憶されているとき、少なくとも第1承継情報502aを含み、第2承継情報502bを含まない第1承継情報閲覧ページを生成する。
【0092】
なお、承継情報閲覧ページが生成されるタイミングは、本開示の範囲を限定しない。ただし、承継情報閲覧ページは、被承継人に関する所定のトリガー情報が受信された後に生成されてもよい。被承継人の死亡などの異常事態発生をトリガーにして、被承継人が承継を望む一または複数の承継情報の内容が確定するためである。これにより、被承継人によって承継情報の内容が編集される度に承継情報閲覧ページの内容を編集する必要がなくなり、承継情報処理サーバ10における情報処理量を減らすことができる。
【0093】
承継情報処理サーバ10は、ステップS406において、次に、第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を第1連絡先アドレス宛に送信する。
【0094】
なお、承継情報設定ページにおいて第1連絡先アドレスが第1承継人のID情報として設定されたときには、第1ページアドレスの情報は、第1承継人のID情報に基づいて、第1連絡先アドレス宛へ送信されてもよい。
【0095】
すなわち、承継人の連絡先アドレスを特定する情報は承継人のID情報であり、承継人の連絡先アドレスの情報はID情報に対応付けて記憶装置300に記憶させることが可能である場合において、第1連絡先アドレスの情報が第1承継人のID情報に対応付けられて記憶装置300に記憶されているとき、第1ページアドレスの情報は、第1承継人のID情報に基づいて第1連絡先アドレスへ送信されてもよい。
【0096】
なお、承継情報処理サーバ10は、被承継人に関する所定のトリガー情報が受信されたとき、承継情報設定ページの編集を不可能にした後に、第1ページアドレス情報を第1連絡先アドレスへ送信してもよい。承継情報設定ページの編集が不可能である状態とは、当該被承継人の承継情報設定ページが消去された状態であってもよく、または、当該承継情報設定ページへのアクセスが禁止された状態であってもよい。
【0097】
これにより、当該被承継人の承継情報設定ページへログインするためのIDおよびパスワードが第三者に知られている場合であっても、事後的な編集を禁止することができる。
【0098】
図4において、承継情報処理サーバ10は、承継人の連絡先アドレスへ送信されたページアドレスへのアクセスが検知されたか否かを判定し(ステップS407)、検知されない場合には待機状態となってもよい(ステップS407:NO)。一方、承継情報処理サーバ10は、承継人の連絡先アドレスへ送信されたページアドレスへのアクセスが検知されたとき(ステップS407:YES)、対応する承継情報閲覧ページを、承継人が利用する表示装置200の表示媒体201に表示させる(ステップS408)。
【0099】
例えば、第1承継人が表示装置200bを用いて第1ページアドレスへアクセスした場合、承継情報処理サーバ10は、当該アクセスを検知し、第1承継情報閲覧ページを表示媒体201bに表示させる。
【0100】
第1承継情報閲覧ページは、例えば、
図7に示すように、少なくとも第1承継情報502aの内容を含み、第1承継人には承継されていない第2承継情報502bの内容は含まれない。なお、後述するように、当該被承継人に関する所定のトリガー情報が受信されたとき、承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスに対応付けられて設定された他の承継情報が記憶装置300に記憶されている場合、当該他の承継情報の内容は、第1承継情報と併せて、第1承継情報閲覧ページに含まれてもよい。
【0101】
なお、
図7において、承継情報502aは、説明の便宜のために破線で囲われた領域に表示されているが、他の表示態様であってもよい。承継情報閲覧ページにおける承継情報の表示態様は、本開示の範囲を限定しない。
【0102】
以上、実施形態1に係る承継情報処理サーバ10の処理手順の一例について説明した。
【0103】
なお、本サービスを表示装置200において実行させるための各種プログラムは適宜、承継情報処理サーバ10から表示装置200へ送信される。本サービスを実行させるための各種プログラムが表示装置200へ送信されるタイミングは本発明を限定しない。Webサイトの場合、サービスの提供開始時点において、基本機能を実現する各種プログラムの送信を完了してもよい。
【0104】
なお、本サービスに係るWebサイト上の各ページはスクロールすることができてもよい。例えば、
図5および
図7に示す表示媒体201において、図示しないスクロールバーまたはタッチパネルによる操作によって、さらに複数の承継情報が表示されてもよい。また、
図5および
図7に示す表示媒体201において、複数の承継情報を示すページは複数ページによって構成されてもよい。
【0105】
以上のように、本実施に係る承継情報処理サーバ10を用いた承継情報処理方法は、表示媒体201を有する表示装置200と通信ネットワークによって接続された承継情報処理サーバ10を備える承継情報処理システム1における承継情報処理方法であって、被承継人が一又は複数の独立した承継情報を承継人の連絡先アドレスを特定する情報を個別に対応付けて設定するための承継情報設定ページを表示媒体201に表示させ、承継情報設定ページにおいて承継情報が設定されたことが検知されたとき、承継情報と連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置300に記憶させ、被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合において、承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第1承継情報及び第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第2承継情報が記憶装置300に記憶されているとき、第1承継情報を含み、第2承継情報を含まない第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を第1連絡先アドレスへ送信する。
【0106】
これにより、被承継人が相互に独立した複数の承継情報を設定したとき、各承継情報に対応付けられた承継人が承継情報の内容を容易に閲覧できることに寄与することができる。
【0107】
なお、上記においては、第1承継情報閲覧ページは第1承継情報を含むものとして説明したが、例えば、承継情報処理サーバ10は、被承継人に関する所定のトリガー情報が受信された場合において、承継情報設定ページにおいて第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第3承継情報が、さらに記憶装置300に記憶されているとき、第1承継情報閲覧ページは、さらに第3承継情報を含んでもよい。
【0108】
図8は、表示媒体201に表示された承継情報設定ページの画像の他の例を示す図である。
図9は、表示媒体201に表示された承継情報閲覧ページの画像の他の例を示す図である。
【0109】
例えば、
図8に示すように、第3承継情報502cに対応付けられた承継先が第1連絡先アドレス503aであった場合、
図9に示すように、第1承継情報閲覧ページは、少なくとも第1承継情報502aおよび第3承継情報502cを含む。
【0110】
これにより、承継人は、自らが承継先に設定されている複数の承継情報のすべてを、一の承継情報閲覧ページにおいて一度に確認できる。
【0111】
例えば、被承継人が複数の承継情報を設定する場合において、第1承継人に対して第1承継情報を設定した後、例えば数年経過後に、第1承継人に対して第3承継情報を設定する場合も想定される。係る場合においても、第1承継情報に対応して生成される第1承継情報閲覧ページに第3承継情報も含ませることにより、被承継人が第1承継情報に関連する事項を第1承継情報の追記事項として設定せずに、第1承継情報とは独立して第3承継情報を設定しても、承継人は第1承継情報およびそれに関連する事項を一度に閲覧できる。
【0112】
なお、上記においては、承継情報設定ページにおいて、承継情報は連絡先アドレスを特定する情報が対応付けられて設定されるものとして説明したが、例えば、連絡先アドレスを特定する情報が対応付けられずに記憶装置300に記憶される承継情報があってもよい。係る場合、連絡先アドレスを特定する情報が対応付けられていない承継情報は、承継先が未設定であるため、被承継人に関する所定のトリガー情報が受信されたときに、承継情報設定ページから消去されてもよい。
【0113】
すなわち、被承継人に関する所定のトリガー情報が受信された場合において、承継情報設定ページにおいて連絡先アドレスを特定する情報が対応付けられずに設定された第4承継情報が、さらに記憶装置300に記憶されているとき、第4承継情報が承継情報設定ページから削除されるように記憶装置300を制御してもよい。係る場合、第4承継情報は、承継情報設定ページ上から消去されればよく、第4承継情報の内容は記憶装置300に記憶されたままでもよい。
【0114】
これにより、被承継人に関する所定のトリガー情報が受信された場合において、当該被承継人の承継情報設定ページにアクセスするためのIDおよびパスワードが第三者に漏れた場合であっても、承継先の設定されていない情報の秘密性を保つことができる。すなわち、被承継人は、承継先を対応付けない承継情報を、誰にも開示しない秘密の備忘録として、承継情報設定ページに記述しておくことができる。
【0115】
なお、上記においては、連絡先アドレスを特定する情報が承継人のID情報である場合において、承継人のID情報と、承継人の連絡先アドレスとが相互に対応して記憶装置300に記憶されるものと説明したが、承継人の連絡先アドレスが存在しない場合には、連絡先アドレスを特定する情報として承継人のID情報のみを設定し、当該ID情報に対応する連絡先アドレスが未設定であってもよい。
【0116】
たとえば、
図6に示すテーブル601に含まれるID「bbb」に対応する連絡先アドレスが「blank」とされているように、被承継人が、幼年の孫を承継人として設定する際、当該幼年の承継人に特有の連絡先アドレスが未だ作成されていない場合もある。係る場合、承継情報設定ページにおいて、被承継人は幼年の承継人に対して承継情報および連絡先アドレスを特定する情報としてID情報のみを設定し、当該ID情報に対応付けるメールアドレスなどの連絡先アドレスは未設定であってもよい。
【0117】
そして、被承継人に関する所定のトリガー情報が受信された後、幼年の承継人が成長し、当該承継人に特有の連絡先アドレスが作成されたとき、当該連絡先アドレスを、本サービスに係るWebサイト上において、当該承継人のID情報と対応付けて設定することに応じて、被承継人からの承継情報を閲覧するための情報が当該承継人の連絡先アドレスへ通知されてもよい。
【0118】
すなわち、承継情報処理サーバ10は、第2連絡先アドレスの情報が第2承継人のID情報に対応付けられて記憶装置300に記憶されていない場合において、被承継人に関する所定のトリガー情報を受信したとき、第2承継情報を含み、第1承継情報を含まない第2承継情報閲覧ページの第2ページアドレスの情報が、第2承継人のID情報に対応付けられて第2連絡先アドレスの情報が記憶装置300に記憶されたことに応じて、第2連絡先アドレスへ送信されてもよい。
【0119】
これにより、被承継人は、未だメールアドレスなど連絡先アドレスが作成されていない承継人に対しても、事後的に承継情報を承継させることができる。
【0120】
なお、幼年の孫が承継人として設定された場合について説明したが、この限りではなく、例えば、被承継人の子供の将来の配偶者などが承継人として設定されてもよい。また、承継人のID情報に対応する連絡先アドレスの情報が未設定である旨の表示態様は、本開示の範囲を限定しない。すなわち、連絡先アドレスの情報が未設定である旨の表示態様は、
図6に示す「blank」に限定されず、他の任意の表示態様であってもよい。
【0121】
なお、上記においては、被承継人が承継情報設定ページにおいて複数の承継情報を設定した場合、承継情報同士の関係は表示されていないものとして説明したが、例えば、誰にどの程度の承継情報を設定しているかの割合情報が表示媒体201に表示されてもよい。
【0122】
すなわち、承継情報処理サーバ10は、承継情報設定ページにおいて承継情報が設定されたことが検知されたとき、承継情報設定ページにおいて設定されている一又は複数の承継情報について、承継人の連絡先アドレスを特定する情報ごとに、対応付けられている承継情報の割合情報を表示媒体201に表示させてもよい。
【0123】
図10は、承継人のID情報と承継情報の割合情報とを対応付けたテーブルの一例を示す図である。例えば、被承継人が承継情報設定ページにおいて、「長男」、「孫」、「次男」、「長女」のそれぞれを承継先とした複数の承継情報を設定した場合において、被承継人が承継情報を設定したタイミングで、または、所定のボタンが押下されたタイミングで、
図10に示すテーブル1001が表示媒体201に表示されてもよい。
【0124】
テーブル1001は、被承継人によって設定された一または複数の承継情報について、承継人の連絡先アドレスを特定する情報ごとに、対応付けられている承継情報の割合情報を示すテーブルである。承継情報の割合情報は、例えば、設定された承継情報の件数の割合情報であってもよく、または、設定された承継情報の総文字数の割合情報であってもよい。承継情報の割合情報の定義は、承継人に対して設定された承継情報の分量の割合を示すものであればよく、本開示の範囲を限定しない。
【0125】
これにより、被承継人は、承継情報設定ページにおいて一または複数の承継人に対して承継情報を設定する場合、誰に対してどの程度の承継情報を設定しているのかを一目瞭然に把握することが可能となる。その結果、被承継人は、承継情報の承継先が偏っている場合に、当該偏りを修正する機会を容易に得ることができる。
【0126】
なお、テーブル1001の「承継人」の列に列挙される承継人は、被承継人によって何らかの承継情報が設定されている全ての承継人であってもよく、または、被承継人によって設定された所定条件を満たす承継人であってもよい。被承継人によって設定される所定条件は、例えば、親族の範囲、企業における同一組織の範囲、または、親族のうち被承継人の兄弟の範囲等であってもよい。当該所定条件は、被承継人によって設定されてもよい。
【0127】
なお、
図10に示すテーブル1001において、「承継人」の列には承継人のID情報が表示されるものとして説明したが、「承継人」の列には承継人の連絡先アドレスを特定する情報が表示されてもよい。
【0128】
なお、
図10に示すテーブル1001において、「承継人」の列には複数の承継人のID情報が表示されるものとして説明したが、一の承継人のID情報のみが表示されてもよい。係る場合には、テーブル1001の「承継情報の割合」の列には「100%」が表示されてもよい。
【0129】
なお、上記においては、被承継人が承継情報設定ページにおいて複数の承継情報を設定した場合、承継情報同士の関係は表示されていないものとして説明したが、例えば、承継情報処理サーバ10は、一または複数の承継情報が設定された後に、他の承継情報が設定された場合、一または複数の承継情報の内容に対する当該他の承継情報の内容の近似の程度を表示媒体201に表示させてもよい。
【0130】
すなわち、承継情報設定ページにおいて第1承継情報が設定された後に第2承継情報が設定されたことが検知されたとき、第1承継情報の内容と第2承継情報の内容との一致率を判定し、第1承継情報の内容に対する第2承継情報の内容の近似の程度に関する情報を表示媒体201に表示させてもよい。
【0131】
近似の程度に関する情報は、例えば、承継情報の内容の近似の程度の度合いをパーセンテージなどの定量的な数値で示す情報であってもよい。また、承継情報の近似の程度の度合いを判定するテーブルを用いて、算出された一致率に基づき、近似の程度を示すテキスト情報を表示媒体201に表示させてもよい。
【0132】
図11は、承継情報の近似の程度の度合いを判定するテーブルの一例を示す図である。
図11に示すテーブル1101は、近似の程度の度合いを示す数値の範囲と、近似の程度を示すテキストなどの情報とを対応付けた判定テーブルである。例えば、第1承継情報の内容に対する第2承継情報の内容の一致率が30%であった場合、判定テーブル1101に基づいて、「少し似ている」という情報が表示媒体201に表示されてもよい。
【0133】
なお、
図11においては、判定テーブル1101は5段階評価であるものとして説明したが、この限りではなく、3段階評価であってもよい。判定テーブル1101の評価の定義は、本開示の範囲を限定しない。
【0134】
なお、被承継人の承継情報設定ページにおいて、第2承継情報が設定される前に、第1承継情報を含む複数の承継情報が設定されている場合、第1承継情報を含む複数の承継情報のそれぞれに対する、第2承継情報の内容の近似の程度に関する情報が表示媒体201に表示されてもよい。
【0135】
なお、承継情報の内容の近似の程度に関する情報の表示対象は、承継人が異なる承継情報同士である場合だけでなく、承継人が同じ承継情報同士であってもよい。
【0136】
すなわち、承継情報設定ページにおいて第1承継情報が設定された後に第1連絡先アドレスに対応付けられた第3承継情報が設定されたことが検知されたとき、第1承継情報の内容と第3承継情報の内容との一致率を判定し、第1承継情報の内容に対する第3承継情報の内容の近似の程度に関する情報を表示媒体201に表示させてもよい。
【0137】
これにより、被承継人が、承継情報設定ページにおいて複数の承継情報を設定する場合に、設定済みの承継情報と、新規に設定される承継情報との内容の近似度合いを把握することができる。その結果、被承継人が、内容が似ている承継情報を同一の承継人に設定する等の非効率な作業を回避することができる。
【0138】
なお、上記においては、連絡先アドレスを特定する情報として、または、承継人のID情報に対応付けられる情報として、一の連絡先アドレスのみが設定されるものとして説明したが、その限りではない。例えば、一の承継人に対して複数の連絡先アドレスを対応付けて設定し、且つ、当該複数の連絡先アドレスにおける優先順位を設定できるようにしてもよい。係る場合、優先順位が第1位に設定された連絡先アドレスに対して、承継情報閲覧ページのページアドレスの情報が送信されてもよい。
【0139】
なお、本開示において、承継情報、連絡先アドレスを特定する情報、承継人のID情報、連絡先アドレスへ通知されるメッセージ情報などは、適宜、鍵情報によって暗号化されて保管および送受信が行われてもよい。
【0140】
なお、上記説明においては、承継情報は、本サービスに係るWebサイト上の承継情報閲覧ページにおいて閲覧されるものとして説明したが、その限りではない。例えば、承継情報の内容が、承継人の連絡先アドレスへ送信されてもよい。例えば、承継情報の内容を含む電子ファイルが、連絡先アドレスであるメールアドレス宛へ、添付ファイルとして送信されてもよい。係る場合、電子ファイルは所定の鍵情報によって暗号化されてもよい。鍵情報を用いた暗号化および復号化の処理は公知技術であるため、説明を省略する。
【0141】
なお、上記説明においては、本サービスが提供するアプリケーションの画面のみが表示媒体201に表示されているとして説明したが、その限りではない。すなわち、表示媒体201に、本サービスのアプリケーション以外のアプリケーションが別のウィンドウによって表示されていてもよい。係る場合、本サービスのアプリケーションは、任意の一のウィンドウの表示領域内において表示されてもよい。
【0142】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。以下、各変形例について説明する。
【0143】
(変形例1)
上記説明においては、承継人に死亡などの異常事態が発生していない状態において、被承継人に異常事態が発生した場合について説明したが、被承継人に異常事態が発生する前に、承継人に異常事態が発生した場合においては、被承継人に対して、承継人の再設定を促してもよい。
【0144】
すなわち、承継情報処理サーバ10は、被承継人の連絡先アドレスの情報が記憶装置300に記憶されている場合において、被承継人に関する所定のトリガー情報を受信する前に、第1承継人に関する所定のトリガー情報を受信したとき、第1承継情報に関する所定メッセージを被承継人の連絡先アドレスへ送信してもよい。
【0145】
承継情報に関する所定メッセージとは、例えば、第1承継情報に対応付ける連絡先アドレスの再設定が必要であることを示すメッセージでもよく、または、第1承継情報に対応付けた連絡先アドレスは無効であることを示すメッセージなどであってもよい。所定メッセージは、承継先の再設定を促すメッセージであればよく、メッセージの具体的内容は本開示の範囲を限定しない。
【0146】
被承継人の連絡先アドレスは、被承継人によって本サービスに係るWebサイト上において登録されてもよい。また、本サービスに係るWebサイトへログインする際に用いられるIDが、被承継人の既存のメールアドレス等である場合には、当該メールアドレス等を被承継人の連絡先アドレスとしてもよい。
【0147】
図12は、変形例1における承継情報処理サーバ10の動作の流れの一例を示すフロー図である。以下、
図12を参照して、変形例1に係る承継情報処理サーバ10の処理手順について説明する。
【0148】
図12において、承継情報処理サーバ10は、ユーザーである被承継人が用いる表示装置200aの表示媒体201aに承継情報設定ページを表示させ、承継情報設定ページにおいて承継情報が設定されたとき、承継情報と連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置300に記憶させる(ステップS401~ステップS403)。これらのステップの説明は
図4と重複するため省略する。
【0149】
次に、承継情報処理サーバ10は、承継情報の編集要求を受信したか否かを判定し(ステップS404)、編集要求を受信しない場合(ステップS404:NO)、被承継人によって承継先に設定された承継人に関する所定のトリガー情報を受信したか否かを判定する(ステップS1201)。承継人に関する所定のトリガー情報とは、上述したように、承継人に異常事態が発生したことを示す情報であってもよい。
【0150】
承継情報処理サーバ10は、承継人に関する所定のトリガー情報を受信していない場合(ステップS1201:NO)、被承継人に関する所定のトリガー情報を受信したか否かを判定する(ステップS405)。なお、ステップS405以降の処理手順についての説明は、
図4と重複するため省略する。
【0151】
一方、承継情報処理サーバ10は、承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合(ステップS1201:YES)、承継情報に関する所定メッセージを、被承継人の連絡先アドレスへ送信する(ステップS1202)。
【0152】
承継情報に関する所定メッセージは、上述のとおり、承継先の再設定を促すメッセージであってもよく、第1承継情報に対応付ける連絡先アドレスを特定する情報の再設定が可能であるページの第3ページアドレスの情報を含んでもよい。これにより、被承継人は、第1承継情報の承継先を簡易に再設定できる。
【0153】
次に、承継情報処理サーバ10は、第3ページアドレスへのアクセスが検知されたか否かを判定し(ステップS1203)、検知されない場合には待機状態となってもよい(ステップS1203:NO)。
【0154】
一方、承継情報処理サーバ10は、第3ページアドレスへのアクセスが検知された場合(ステップS1203:YES)、表示媒体201aにおいて、承継情報設定ページを表示させる(ステップS401)。
【0155】
なお、
図12において、第3ページアドレスは、承継情報設定ページのページアドレスであるとして説明したが、その限りではない。第3ページアドレスは、承継情報設定ページのページアドレスとは異なる、承継先の再設定用の所定ページのページアドレスであってもよい。
【0156】
以上のように、本変形例1においては、承継情報処理サーバ10は、被承継人の連絡先アドレスの情報が記憶装置300に記憶されている場合において、被承継人に関する所定のトリガー情報を受信する前に、第1承継人に関する所定のトリガー情報を受信したとき、第1承継情報に関する所定メッセージを被承継人の連絡先アドレスへ送信してもよい。
【0157】
これにより、例えば、第1承継人が被承継人よりも先に死亡した場合であっても、他の承継人に対して第1承継情報を承継させるか否かを判断する機会を、被承継人に確実に与えることができる。
【0158】
なお、第1承継人に異常事態が発生した場合には別の承継人に承継させることを予め設定しておくこともできるが、係る場合には、別の承継人に承継させることが決定されたタイミングで、承継情報の内容を見直す機会を被承継人に確実に与えることはできない。
【0159】
これに対して、本変形例1に係る承継情報処理サーバ10は、第1承継人とは別の承継人に承継させることが決定されたタイミングで、承継情報の内容を見直す機会を被承継人に確実に与えることができる効果を有する。
【0160】
なお、上記においては、第1承継人に承継させる情報が第1承継情報である場合について説明したが、第1承継人に承継させる情報が複数の承継情報であってもよい。
【0161】
すなわち、承継情報処理サーバ10は、承継情報設定ページにおいて被承継人が第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けて第1承継情報および第3承継情報を設定している場合であって、被承継人の連絡先アドレスの情報が記憶装置300に記憶されている場合において、被承継人に関する所定のトリガー情報を受信する前に、第1承継人に関する所定のトリガー情報を受信したとき、第1承継情報及び第3承継情報に関する所定メッセージを被承継人の連絡先アドレスへ送信してもよい。
【0162】
これにより、第1承継人に対応付けられた承継情報が複数ある場合、承継人の再設定が必要である旨を被承継人に対してまとめて通知することができ、結果的に、承継情報処理サーバ10における処理を効率化できる。
【0163】
係る場合、所定メッセージは、第1承継情報に対応付ける連絡先アドレスを特定する情報、及び、第3承継情報に対応付ける連絡先アドレスを特定する情報を個別に設定可能であるページの第4ページアドレスの情報を含んでもよい。
【0164】
これにより、承継人の再設定が必要である旨を被承継人に対してまとめて通知しておきながら、第1承継情報について再設定される承継先と、第3承継情報について再設定される承継先とを、同一とするか否かを検討する機会を被承継人に与えることができる。
【0165】
なお、本変形例1の内容は、実施形態の内容だけでなく、他の変形例の各内容に適用させてもよい。
【0166】
(変形例2)
変形例1においては、被承継人に関する所定のトリガー情報が受信される以前に、承継人に関する所定のトリガー情報が受信された場合には、承継人の再設定を促す所定メッセージを被承継人の連絡先アドレスへ送信するとして説明したが、予め、第1承継人について異常事態が発生した場合には、別の承継人に対して第1承継情報を承継させることを設定可能としてもよい。
【0167】
ただし、第1承継人に異常事態が発生した場合には別の承継人に承継させることを予め設定しておくだけでは、第1承継人に対する承継情報の内容と、別の承継人に対する承継情報の内容とが完全同一となってしまい、被承継人との個別的な関わり合いに関する情報を含ませることが困難である。
【0168】
これに対して、本変形例2においては、第1承継人に関する所定のトリガー情報が受信された場合において、第1承継情報を、第1承継人とは異なる別の承継人に承継させるときには、第1承継情報の内容の一部を変更させることが設定可能であってもよい。
【0169】
すなわち、承継情報設定ページにおいて、承継情報に対して承継優先順位を設定した複数の連絡先アドレスを特定する情報を対応付けることが可能であり、承継優先順位を設定した複数の連絡先アドレスを特定する情報に対応する承継人ごとに、承継情報の内容の一部を変更することが可能であってもよい。
【0170】
これにより、第1承継人に異常事態が発生した場合には別の承継人に承継させることを予め設定しておくことが可能でありつつ、第1承継人に対する承継情報の内容と、別の承継人に対する承継情報の内容とを異ならせることができる。結果的に、第1承継人に対する承継情報には、第1承継人と被承継人との関わり合いに関する情報を含ませることができ、別の承継人に対する承継情報には、当該別の承継人と被承継人との関わり合いに関する情報を含ませることができる。
【0171】
なお、本変形例2の内容は、実施形態の内容だけでなく、他の変形例の各内容に適用させてもよい。
【0172】
(コンピュータのハードウェア構成の一例)
実施形態および各変形例における各部の機能は、プログラムにより実現されてもよい。
【0173】
すなわち、本発明の一態様に係る承継情報処理プログラムは、表示媒体201を有する表示装置200と通信する通信処理と、被承継人が一又は複数の独立した承継情報を承継人の連絡先アドレスを特定する情報を個別に対応付けて設定するための承継情報設定ページを表示媒体201に表示させ、承継情報設定ページにおいて承継情報が設定されたことが検知されたとき、承継情報と連絡先アドレスを特定する情報とを対応させて記憶装置300に記憶させ、被承継人に関する所定のトリガー情報を受信した場合において、承継情報設定ページにおいて第1承継人の第1連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第1承継情報及び第2承継人の第2連絡先アドレスを特定する情報に対応付けられて設定された第2承継情報が記憶装置300に記憶されているとき、第1承継情報を含み、第2承継情報を含まない第1承継情報閲覧ページの第1ページアドレスの情報を第1連絡先アドレスへ送信する制御処理と、をコンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0174】
係る場合におけるコンピュータのハードウェア構成の一例を
図13に示す。
【0175】
図13に示すように、コンピュータ9000は、例えば、CPU(Central Processing Unit)9001、RAM(Random Access Memory)9002、ROM(Read Only Memory)9003、記憶装置9004、入出力インターフェース(I/F)9005、読取インターフェース(I/F)9006、通信インターフェース(I/F)9007を有する。上述した各部はバス9008を介して、直接的に、または、間接的に接続される。
【0176】
記憶装置9004は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。コンピュータ9000は、入出力インターフェース9005を介して、入出力(I/O)装置9009と接続される。入出力装置9009は、磁気ディスク装置等の入力機能および出力機能を有する装置の他、入力機能が主機能である入力装置、出力機能が主機能である出力装置を含む。入力装置は、例えば、入力キー、マウス、タッチパネル、スキャナである。出力装置は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、プリンタである。
【0177】
読取インターフェース9006は、記録媒体9010に記録されたプログラムまたはデータを読み取る。記録媒体9010は、例えば、半導体メモリ、光学記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体等である。
【0178】
通信インターフェース9007は、ネットワーク9011を介して、他の機器からデータを受信し、他の機器へデータを送信する。ネットワーク9011は、有線ネットワークであってもよく、無線ネットワークであってもよい。他の機器は、クライアント装置であってもよく、サーバ装置であってもよい。
【0179】
例えば、ROM9003に記憶されたプログラム、記憶装置9004に記憶されたプログラム、記録媒体9010に記録されたプログラム、または、通信インターフェースが他の機器から受信したプログラムは、RAM9002にロードされる。上記の実施形態および各変形例において、例えば、CPU9001がRAM9002にロードされたプログラムを実行することにより、上記の実施形態等における各部の機能が実現される。
【0180】
なお、コンピュータ9000における各部の機能は、クラウドコンピューティングによって実現されてもよい。
【0181】
なお、承継情報処理システム1におけるコンピュータに実行させる承継情報処理プログラムまたは説明された機能は、非一時的な有形のコンピュータ可読記録媒体(A non-transitory, tangible computer-readable storage medium)に記録されてもよい。非一時的な有形のコンピュータ可読記録媒体は、コンピュータ、CPU、MPU(Micro Processing Unit)等によってアクセスされることが可能な任意の記録媒体である。任意の記録媒体は、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリ、磁気記憶装置、光ディスク等であって、例示したものに限定されない。
【0182】
なお、以上の説明において、A、BおよびCのうち少なくとも1つ(at least one of)が含まれるとは、A、B、Cのうち1つまたは2つ以上(one or two or more of)の組み合わせでもよいという意味であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0183】
本発明に係る承継情報処理方法、承継情報処理装置、承継情報処理プログラム、および記録媒体は、承継情報の設定支援に関する技術全般に有効である。
【符号の説明】
【0184】
1 承継情報処理システム
10 承継情報処理サーバ
100 承継情報処理装置
101 通信部
102 制御部
200 表示装置
201 表示媒体
202 入力部
203 通信部
204 メモリ
205 制御部
300 記憶装置
9000 コンピュータ
9001 CPU
9002 RAM
9003 ROM
9004 記憶装置
9005 入出力インターフェース
9006 読取インターフェース
9007 通信インターフェース
9008 バス
9009 入出力装置
9010 記録媒体
9011 ネットワーク