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特許7503931通過車両数カウント装置、通過車両数カウント方法及び通過車両数カウントプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】通過車両数カウント装置、通過車両数カウント方法及び通過車両数カウントプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20240614BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
G08G1/01 C
G08G1/04 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020074230
(22)【出願日】2020-04-17
(65)【公開番号】P2021174015
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】524066085
【氏名又は名称】FCNT合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】影沢 正
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-190142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/01
G08G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラが撮影した道路を含む範囲の撮像を取得する取得部と、
前記撮像において前記道路と交差するように予め設定した複数の交差線のうちのいずれかを車両が通過すると、通過した車両の速度、通過位置及び通過時刻を通過した交差線と対応付けて記憶部に記憶させる通過車両管理部と、
前記複数の交差線のうちの1の交差線を通過する第1車両の位置が、前記1の交差線よりも前記第1車両の進行方向の反対側に位置する交差線に対応付けて前記記憶部に記憶された情報から推定される車両の現在位置と異なる場合に、前記1の交差線を通過した車両の数をカウントアップさせる計数部と、
前記複数の交差線の夫々についてカウントアップした車両の数を合算する合算部と、を備える、
通過車両数カウント装置。
【請求項2】
前記取得部が取得する撮像は、前記道路を側方から撮影した撮像である、
請求項1に記載の通過車両数カウント装置。
【請求項3】
前記カメラは、半天球カメラであり、
前記取得部は、前記半天球カメラから取得した魚眼画像に対して平面展開処理及び歪補正処理を実行する、
請求項1または2に記載の通過車両数カウント装置。
【請求項4】
コンピュータが、
カメラが撮影した道路を含む範囲の撮像を取得し、
前記撮像において前記道路と交差するように予め設定した複数の交差線のうちのいずれかを車両が通過すると、通過した車両の速度、通過位置及び通過時刻を通過した設定位置と対応付けて記憶部に記憶し、
前記複数の交差線のうちの1の交差線を通過する第1車両の位置が、前記1の交差線よりも前記第1車両の進行方向の反対側に位置する交差線に対応付けて前記記憶部に記憶された情報から推定される車両の現在位置と異なる場合に、前記1の交差線を通過した車両の数をカウントアップし、
前記複数の交差線の夫々についてカウントアップした車両の数を合算する、
通過車両数カウント方法。
【請求項5】
コンピュータに、
カメラが撮影した道路を含む範囲の撮像を取得させ、
前記撮像において前記道路と交差するように予め設定した複数の交差線のうちのいずれかを車両が通過すると、通過した車両の速度、通過位置及び通過時刻を通過した交差線と対応付けて記憶部に記憶させ、
前記複数の交差線のうちの1の交差線を通過する第1車両の位置が、前記1の交差線よりも前記第1車両の進行方向の反対側に位置する交差線に対応付けて前記記憶部に記憶された情報から推定される車両の現在位置と異なる場合に、前記1の交差線を通過した車両の数をカウントアップさせ、
前記複数の交差線の夫々についてカウントアップした車両の数を合算させる、
通過車両数カウントプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通過車両数カウント装置、通過車両数カウント方法及び通過車両数カウントプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、道路を走行する車両を数を計数するトラフィックカウンターが利用されている。トラフィックカウンターとしては、例えば、磁気センサーを用いたもの、カメラを用いたもの、超音波センサーを用いたもの等が利用されている。例えば、特許文献1、2では、カメラが撮影した道路の撮像から車両のトラッキングを行って、交通状況を監視する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-229488号公報
【文献】特開2005-190142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
道路をカメラで撮影して道路を通過する車両数をカウントする場合、道路を俯瞰できる高い位置にカメラを設けることが好ましい。しかしながら、このような高い位置にカメラを設けるには、設置可能な場所が限定される上に、設置工事の工事費用がかさみやすい。カメラを低い位置に設ければ、設置場所の選択肢を広げるとともに、設置工事の工事費用を低廉にできることで、カメラの設置が容易になるとも考えられる。しかしながら、カメラを低い位置に設けると、トラッキング中の車両が他の車両の後ろ等に隠れてしまい、連続的にトラッキングを行えないことがある。連続的にトラッキングが行えない場合、他の車両の影等から出現した車両が計数済みであるか否かの判定が容易ではなく、車両の計数精度が低下する虞がある。
【0005】
開示の技術の1つの側面は、容易にカメラを設置可能で計数精度の低下を抑制できる通過車両数カウント装置、通過車両数カウント方法及び通過車両数カウントプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の1つの側面は、次のような通過車両数カウント装置によって例示される。本通過車両数カウント装置は、カメラが撮影した道路を含む範囲の撮像を取得する取得部と、前記撮像において予め設定した複数の設定位置のうちのいずれかを車両が通過すると、通過した車両の速度、通過位置及び通過時刻を通過した設定位置と対応付けて記憶部に記憶させる通過車両管理部と、前記複数の設定位置のうちの1の設定位置を通過する第1車両の位置が、前記1の設定位置よりも第1車両の進行方向の反対側に位置する設定位置に対応付けて前記記憶部に記憶された情報から推定される車両の現在位置と異なる場合に、前記1の設定位置を通過した車両の数をカウントアップさせる計数部と、前記複数の設定位置の夫々についてカウントアップした車両の数を合算する合算部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術は、容易にカメラを設置可能で計数精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る通過車両数カウントシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る計数装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る計数装置の処理ブロックの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態において、取得部が取得する撮像の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態において、交差線設定部が設定する交差線を例示する図である。
図6図6は、実施形態において、車両情報データベースが記憶する車両認識テーブルの一例を示す図である。
図7図7は、実施形態において、車両情報データベースが記憶するトラッキングテーブルの一例を示す図である。
図8】。図8は、取得部が監視カメラから取得する撮像の3フレーム分を抜粋した図である。
図9図9は、実施形態において、車両情報データベースが記憶する通過車両テーブルの一例を示す図である。
図10図10は、実施形態において、車両情報データベースが記憶するカウント車両情報テーブルの一例を示す図である。
図11図11は、実施形態において、車両情報データベースが記憶するカウント対象車両テーブルの一例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る通過車両数カウントシステムの処理フローの一例を示す図である。
図13図13は、実施形態において、道路を通過する車両を計数する処理の処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。実施形態に係る通過車両数カウント装置は、例えば、以下の構成を備える。
本実施形態に係る通過車両数カウント装置は、
カメラが撮影した道路を含む範囲の撮像を取得する取得部と、
前記撮像において予め設定した複数の設定位置のうちのいずれかを車両が通過すると、通過した車両の速度、通過位置及び通過時刻を通過した設定位置と対応付けて記憶部に記憶させる通過車両管理部と、
前記複数の設定位置のうちの1の設定位置を通過する第1車両の位置が、前記1の設定位置よりも第1車両の進行方向の反対側に位置する設定位置に対応付けて前記記憶部に記憶された情報から推定される車両の現在位置と異なる場合に、前記1の設定位置を通過した車両の数をカウントアップさせる計数部と、
前記複数の設定位置の夫々についてカウントアップした車両の数を合算する合算部と、を備える。
【0010】
通過車両数カウント装置は、カメラから取得した撮像を基に、道路を通過する車両の台数をカウントする情報処理装置である。通過車両数カウント装置は、カメラと一体型であってもよいし、カメラと別体で形成されてもよい。
【0011】
カメラは、道路を撮影可能な位置に設けられる。カメラは、動画を撮影するビデオカメラでもよいし、静止画を撮影するスチルカメラであってもよい。カメラがスチルカメラである場合には、車両の走行方向や走行速度を把握できるように、所定間隔で連続的に静止画を撮影することが好ましい。カメラとして半天球カメラが採用されると、1台のカメラ
で道路のより広い範囲を逆走車の監視対象とすることができる。また、カメラは道路を側方から撮影する位置に設けられてもよい。ここで、半天球カメラとは、例えば、画角180度または180度以上の魚眼レンズカメラである。このような位置にカメラが設けられることで、例えば、高所から道路を撮影できるようにカメラを設ける場合と比較して、より安価でより簡便にカメラを設置することができる。
【0012】
記憶部には、予め設定した設定位置を通過した際の、車両の速度、通過位置及び通過時刻が通過した設定位置と対応付けて記憶される。計数部は、複数の設定位置のうちの1の設定位置を通過する第1車両の位置が、1の設定位置よりも第1車両の進行方向の反対側に位置する設定位置に対応付けて記憶部に記憶された情報から推定される車両の現在位置と異なる場合に、1の設定位置を通過した車両の数をカウントアップさせる。計数部がこのようにカウントアップさせることで、同一の車両について複数の設定位置でカウントアップされることが抑制される。また、車両のカウントアップを行う箇所を設定位置として複数設けることで、ある設定位置では他の車両の背後等に隠れて撮像中に出現していなかった車両についても、他の設定位置においてカウントすることができる。そのため、通過車両数カウント装置は、例えば、設置が容易な一方で他の車両の背後等に隠れる車両が生じやすい位置(例えば、道路を側方から撮影する位置等)にカメラが設けられていても、計数精度の低下を抑制することができる。すなわち、通過車両数カウント装置は、道路を側方から撮影した撮像を取得した場合でも、計数精度の低下を抑制することができる。
【0013】
本実施形態において、カメラは半天球カメラであってもよく、取得部は、半天球カメラから取得する魚眼画像に対して平面展開処理及び歪補正処理を実行してもよい。このような特徴を備えることで、半天球カメラによって道路の広い範囲を撮影範囲に含めることが可能となる。また、半天球カメラから取得した魚眼画像を車両の認識等が容易な画像に変換することができる。
【0014】
以上説明した技術は、通過車両数カウント方法及び通過車両数カウントプログラムの側面から把握することも可能である。
【0015】
以下、図面を参照して上記通過車両数カウント装置を計数装置として利用する通過車両数カウントシステムについてさらに説明する。図1は、実施形態に係る通過車両数カウントシステムの構成の一例を示す図である。図1に例示される通過車両数カウントシステム500は、計数装置1、監視カメラ2および監視センター300に設置された監視サーバ301を含む。
【0016】
通過車両数カウントシステム500は、監視カメラ2が撮影した道路600の撮像を基に、計数装置1が道路600を通過する車両の数を計数する。図1に例示される道路600は、図面に向かって右から左に向かう方向を進行方向とする車線601と図面に向かって左から右に向かう方向を進行方向とする車線602を含む2車線の道路である。しかしながら、通過車両数カウントシステム500が車両台数の計数対象とする道路は、2車線の道路に限定されず、3車線以上の道路であってもよいし、1車線の道路であってもよい。
【0017】
監視カメラ2は、例えば、道路600を撮影するカメラである。監視カメラ2は、例えば、道路600の脇に設置される。監視カメラ2は、例えば、Charge Coupled Device(CCD)センサーやComplementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)センサーを有するデジタルカメラである。監視カメラ2は、動画および静止画の少なくとも一方を撮影可能である。
【0018】
監視カメラ2は、道路600を撮影可能な位置に設けられる。監視カメラ2は、例えば
、道路600の脇に設置され、横方向から道路600を撮影する。しかしながら、監視カメラ2の設置場所は、道路600の脇に限定されるわけではない。監視カメラ2は、例えば、道路600の上方を横断する歩道橋等に設けられてもよい。この場合、監視カメラ2は、上方から道路600を撮影すればよい。
【0019】
監視カメラ2は、例えば、道路600のうち、特定の領域(自動車専用道路の出入り口、サービスエリアの出入り口、路肩等)を撮影可能な位置に設けられてもよい。また、道路600の全体を監視できるように、複数の監視カメラ2が道路600に沿って配置されてもよい。本実施形態では、監視カメラ2として、半天球カメラを採用する。半天球カメラを採用することで、道路600のより広い範囲を1台の監視カメラ2で撮影することができる。図1の領域R1は、半天球カメラである監視カメラ2が撮影可能な範囲を例示する。監視カメラ2は「カメラ」の一例である。
【0020】
計数装置1は、監視カメラ2から取得した撮像を解析して道路600を走行する車両の数を計数する情報処理装置である。計数装置1は、計数した車両数等の情報を、監視センター300に設置された監視サーバ301へと通知する。なお、図1では、計数装置1と監視カメラ2はそれぞれ別の装置となっているが、計数装置1と監視カメラ2とがひとつの車両数計数装置となっていてもよい。
【0021】
監視センター300は、監視員が常駐し、道路600を走行する車両数等の交通状況を監視する。監視サーバ301は、監視センター300に常駐する監視員によって操作される情報処理装置である。監視サーバ301は、計数装置1から車両数等の情報を受信すると、道路600を通過する車両数を監視員に通知する。監視員への通知は、例えば、ディスプレイに通過する車両数を出力することで行われる。
【0022】
ネットワークN1は、情報処理装置を相互に通信可能に接続するコンピュータネットワークである。ネットワークN1は、例えば、インターネット、専用線、Local Area Network(LAN)であり、有線、無線を問わない。
【0023】
<計数装置1のハードウェア構成>
図2は、実施形態に係る計数装置のハードウェア構成の一例を示す図である。計数装置1は、Central Processing Unit(CPU)101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104、接続端子105および接続バスB1を含む情報処理装置である。CPU101、主記憶部102、補助記憶部103、通信部104および接続端子105は、接続バスB1によって相互に接続されている。
【0024】
CPU101は、マイクロプロセッサユニット(MPU)、プロセッサとも呼ばれる。CPU101は、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU101がマルチコア構成を有していても良い。CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU101以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサで行われても良い。また、CPU101が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のディジタル回路によって実行されてもよい。また、CPU101の少なくとも一部にアナログ回路が含まれても良い。集積回路は、Large Scale Integrated circuit(LSI)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。CPU101は、プロセッサと集積回路との組み合わせで
あっても良い。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。計数装置1では、CPU101が補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、計数装置1は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。主記憶部102および補助記憶部103は、計数装置1が読み取り可能な記録媒体である。
【0025】
主記憶部102は、CPU101から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部102は、Random Access Memory(RAM)およびRead
Only Memory(ROM)を含む。
【0026】
補助記憶部103は、各種のプログラムおよび各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部103は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部103には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部104を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピュータネットワーク等で接続された、他の情報処理装置および外部記憶装置が含まれる。なお、補助記憶部103は、例えば、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドシステムの一部であってもよい。
【0027】
補助記憶部103は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。また、補助記憶部103は、例えば、Compact Disc(CD)ドライブ装置、Digital Versatile Disc(DVD)ドライブ装置、Blu-ray(登録商標) Disc(BD)ドライブ装置等であってもよい。
【0028】
通信部104は、例えば、ネットワークN1とのインターフェースである。通信部104は、ネットワークN1を介して外部の装置と通信を行う。
【0029】
接続端子105は、監視カメラ2等の外部機器を接続する端子である。接続端子105としては、例えば、Universal Serial Bus(USB)端子、High-Definition Multimedia Interface(HDMI(登録商標))端子等を挙げることができる。
【0030】
計数装置1は、例えば、ユーザ等からの操作指示等を受け付ける入力部をさらに備えてもよい。このような入力部として、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、加速度センサーあるいは音声入力装置といった入力デバイスを例示できる。
【0031】
計数装置1は、例えば、CPU101で処理されるデータや主記憶部102に記憶されるデータを出力する出力部を備えるものとしてもよい。このような、出力部として、Cathode Ray Tube(CRT)ディスプレイ、Liquid Crystal
Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、Electroluminescence(EL)パネル、有機ELパネルあるいはプリンタといった出力デバイスを例示できる。
【0032】
<計数装置1の処理ブロック>
図3は、実施形態に係る計数装置の処理ブロックの一例を示す図である。計数装置1は、取得部11、交差線設定部12、追跡部13、推定部14、計数部15及び車両情報データベース(図中では、「DB」と表記)16を備える。計数装置1は、主記憶部102
に実行可能に展開されたコンピュータプログラムをCPU101が実行することで、上記計数装置1の、取得部11、交差線設定部12、追跡部13、推定部14、計数部15及び車両情報データベース16等の各部としての処理を実行する。
【0033】
取得部11は、監視カメラ2が撮影した道路600の撮像を取得する。取得部11は、取得した道路600の撮像を補助記憶部103に記憶させる。図4は、実施形態において、取得部が取得する撮像の一例を示す図である。図4を参照すると理解できるように、監視カメラ2が半天球カメラであるため、道路600の広い範囲が撮影される一方で、撮影された撮像は、歪んだ魚眼画像となる。取得部11は、魚眼画像を平面展開するとともに、歪を補正した撮像を補助記憶部103に記憶させる。取得部11は、このような処理を行うことで、監視カメラ2から取得した魚眼画像から上下左右に180度の範囲を含むパノラマ画像を生成できる。取得部11は、生成したパノラマ画像を補助記憶部103に記憶させる。取得部11は、「取得部」の一例である。
【0034】
交差線設定部12は、取得部11が補助記憶部103に記憶させた撮像に対して、撮影された道路600と交差する複数の交差線を設定する。図5は、実施形態において、交差線設定部が設定する交差線を例示する図である。図5では、交差線設定部12が設定した複数の交差線L1、L2、L3、L4、L5が例示される。図5に例示されるトラッキング枠W1、W2、W3、W4については後述する。本実施形態では、取得部11が補助記憶部103に記憶させた撮像において、道路600は略左右方向に延びる。そのため、交差線設定部12は、撮像の略上下方向に延びる交差線L1、L2、L3、L4、L5を設定する。交差線設定部12は、このように交差線L1、L2、L3、L4、L5を設定することで、道路600と交差する複数の交差線L1、L2、L3、L4、L5を、撮像に対して設定することができる。なお、図5では、5本の交差線が例示されているが、交差線の数が5本に限定されるわけではない。交差線設定部12が設定する交差線の数は、6本以上であってもよいし、4本以下であってもよい。交差線設定部12が設定する交差線は、「設定位置」の一例である。
【0035】
追跡部13は、取得部11が補助記憶部103に記憶させたパノラマ画像に出現した車両を物体認識によって認識する。物体認識としては、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)とSingle Shot Multi Detector(SSD)を用いることができる。追跡部13は、認識した車両の夫々を、図5に例示するトラッキング枠W1、W2、W3、W4で囲んで追跡を行う。トラッキング枠W1、W2、W3、W4は、例えば、矩形である。追跡部13は、認識した車両のタイプを示す情報と検出位置とを対応付けて車両情報データベース16の車両認識テーブルに記憶させる。
【0036】
図6は、実施形態において、車両情報データベースが記憶する車両認識テーブルの一例を示す図である。図6に例示される車両認識テーブル161は、「車両タイプ」及び「検出位置」の各項目を含む。「車両タイプ」には、車両の特徴を示す情報が格納される。車両の特徴を示す情報としては、例えば、小型車、中型車、大型車、タンクローリー、救急車、消防車等を挙げることができる。「検出位置」には、撮像中において車両を検出した座標を示す情報が格納される。検出位置に格納される座標は、例えば、検出した車両を囲むトラッキング枠の左上の角と右下の角の座標(X、Y座標)の組である。
【0037】
また、追跡部13は、物体認識によって認識した車両の追跡(トラッキング)を開始する。追跡部13は、トラッキングを開始した車両の、追跡を開始した時刻、追跡を開始した位置、現在位置とを対応付けて、車両情報データベース16のトラッキングテーブルに記憶させる。
【0038】
図7は、実施形態において、車両情報データベースが記憶するトラッキングテーブルの
一例を示す図である。図7に例示されるトラッキングテーブル162は、「TID」、「車両タイプ」、「トラッキング情報」、「カウント済みフラグ」の各項目を含む。「TID」には、「車両タイプ」、「トラッキング情報」及び「カウント済みフラグ」に格納される情報の組を一意に識別する情報が格納される。「車両タイプ」に格納される情報は、車両認識テーブル161の「車両タイプ」に格納される情報と同一である。「トラッキング情報」には、車両の追跡に係る情報が格納される。車両の追跡に係る情報は、例えば、開始時刻、開始位置、現在位置を挙げることができる。開始時刻は、追跡部13が車両の追跡を開始した時刻である。開始位置は、追跡部13が車両の追跡を開始したときにおける車両の位置である。現在位置は、現在における追跡部13が追跡している車両の位置である。車両の位置は、車両情報データベース16の「検出位置」と同様に、検出した車両を囲むトラッキング枠の左上の角と右下の角の座標(X、Y座標)の組によって示すことができる。「カウント済みフラグ」には、追跡部13が追跡している車両を計数部15がカウント済みであることを示す情報が格納される。図5は、カウント済みである場合に「1」、未カウントの場合に「0」が記憶される場合を例示する。しかしながら、「カウント済みフラグ」に格納される情報は、「1」と「0」に限定されず、カウント済みであるか否かを示す情報であればよい。
【0039】
追跡部13は、さらに、追跡していない車両が交差線L1、L2、L3、L4、L5のいずれかを通過すると、通過した車両の通過速度、通過時間、通過位置を取得する。図8は、取得部が監視カメラから取得する撮像の3フレーム分を抜粋した図である。図8に例示するように、追跡を開始した車両(図8の四角枠で例示)が他の車両の背後に一時的に隠れる等により、追跡部13による追跡が継続できなくなる場合がある。監視カメラ2として半天球カメラを採用すると、撮影範囲が広いことにより、一時的に隠れた車両が再度撮像中に現れる可能性が高くなる。追跡部13は、このように追跡が中断してしまった車両や、新規に撮像中に出現した車両について、車両の通過速度、通過時間、通過位置を示す情報を、車両情報データベース16の通過車両テーブルに記憶させる。追跡部13は、「通過車両管理部」の一例である。
【0040】
図9は、実施形態において、車両情報データベースが記憶する通過車両テーブルの一例を示す図である。図9に例示される通過車両テーブル163は、交差線L1、L2、L3、L4、L5の夫々に用意される。すなわち、交差線L1用の通過車両テーブル163、交差線L2用の通過車両テーブル163、交差線L3用の通過車両テーブル、交差線L4用の通過車両テーブル及び交差線L4用の通過車両テーブルが用意される。交差線L1用の通過車両テーブル163には、交差線L1を通過した車両の情報が格納される。他の交差線用の通過車両テーブル163についても同様である。
【0041】
図9に例示される通過車両テーブル163は、「通過速度」、「通過時刻」、「通過位置」の各項目を含む。「通過速度」は、交差線を通過した車両の速度が格納される。「通過時刻」には、車両が交差線を通過した時刻が格納される。「通過位置」には、車両が交差線を通過した位置が格納される。通過車両テーブル163は、「記憶部」の一例である。
【0042】
推定部14は、追跡部13が追跡していない車両が交差線L1、L2、L3、L4、L5のいずれかを通過すると、通過した車両の車両タイプ、通過速度、通過時刻、通過位置を取得する。推定部14は、さらに、通過車両テーブル163に記憶された各車両の現在時刻における位置を、通過車両テーブル163に記憶された情報を基に推定する。図5に例示するような場合、車両は右から左に走行するため、推定部14は、通過車両テーブル163に記憶された情報のうち、車両が通過する交差線よりも右側に位置する交差線に対応した情報に基づいて、推定すればよい。すなわち、推定部14は、車両が通過する交差線よりも、当該車両の進行方向の反対側に位置する交差線に対応した情報に基づいて、推
定すればよい。推定部14は、取得した通過位置と、推定した現在位置とが一致しない場合、撮像中に新たに出現した新規車両を検出したと判定する。推定部14は、検出した新規車両の通過速度、通過時刻及び通過位置を車両情報データベース16のカウント車両情報テーブルに記憶させる。また、推定部14は、新規車両と判定した車両のトラッキングを追跡部13に開始させる。追跡部13は、新規車両についての情報をトラッキングテーブル162に記憶させて、当該新規車両のトラッキングを開始する。
【0043】
図10は、実施形態において、車両情報データベースが記憶するカウント車両情報テーブルの一例を示す図である。図10に例示されるカウント車両情報テーブル164は、交差線L1、L2、L3、L4、L5の夫々に用意される。すなわち、交差線L1用のカウント車両情報テーブル164、交差線L2用のカウント車両情報テーブル164、交差線L3用のカウント車両情報テーブル164、交差線L4用のカウント車両情報テーブル164及び交差線L4用のカウント車両情報テーブル164が用意される。交差線L1用のカウント車両情報テーブル164には、交差線L1を通過した車両の情報が格納される。他の交差線用のカウント車両情報テーブル164についても同様である。
【0044】
カウント車両情報テーブル164は、「CID」、「TID」、「通過速度」、「通過時刻」、「通過位置」の各項目を含む。「CID」には、カウント車両情報テーブル164に記憶される情報を一意に識別する情報が格納される。「CID」は、好ましくは、交差線L1、L2、L3、L4、L5の夫々に対応するカウント車両情報テーブル164全体の中で一意な情報に定められる。「TID」には、追跡部13に追跡を開始させた際に割り当てられる情報が格納される。「TID」に格納される情報は、トラッキングテーブル162の「TID」と同一である。「通過速度」、「通過時刻」、「通過位置」の夫々に格納される情報は、通過車両テーブル163の「通過速度」、「通過時刻」、「通過位置」の夫々に格納される情報と同一であるため、その説明を省略する。
【0045】
計数部15は、監視カメラ2が撮影する範囲の道路600を通過する車両の数を計数する。計数部15は、追跡部13が追跡している車両が交差線L1、L2、L3、L4、L5のいずれかを通過すると、トラッキングテーブル162において当該車両に対応付けられた「カウント済みフラグ」に格納された情報を確認する。「カウント済みフラグ」に格納された情報が未だカウントしていないことを示す場合、計数部15は、当該車両の情報を車両情報データベース16のカウント対象車両テーブルに記憶させる。計数部15は、さらに、トラッキングテーブル162において当該車両についての「カウント済みフラグ」をオンにする。
【0046】
計数部15は、トラッキングテーブル162と、交差線L1、L2、L3、L4、L5の夫々に対応付けられたカウント車両情報テーブル164とを参照し、未だカウントしていない車両についての情報を抽出する。計数部15は、抽出した情報を、車両情報データベース16のカウント対象車両テーブルに記憶させる。計数部15は、さらに、トラッキングテーブル162において当該車両についての「カウント済みフラグ」をオンにする。
【0047】
図11は、実施形態において、車両情報データベースが記憶するカウント対象車両テーブルの一例を示す図である。図11に例示されるカウント対象車両テーブル165は、「CID」、「車両タイプ」、「通過速度」の各項目を含む。これら各項目については説明済みであるため、その説明を省略する。なお、カウント対象車両テーブル165は、さらに、車両の色(車カラー)を項目として含んでもよい。
【0048】
カウント対象車両テーブル165には、一行につき一台ずつ計数対象となる車両の情報が格納されている。そのため、計数部15は、カウント対象車両テーブル165に記憶された情報を集計することで、監視カメラ2が撮影する範囲における道路600を通過する
車両の台数を計数することができる。
【0049】
計数部15は、計数した車両の台数を監視サーバ301に通知する。計数部15は、さらに、カウント対象車両テーブル165に記憶した情報を監視サーバ301に送信してもよい。計数部15は、「計数部」及び「合算部」の一例である。
【0050】
<処理フロー>
図12は、実施形態に係る通過車両数カウントシステムの処理フローの一例を示す図である。以下、図12を参照して、通過車両数カウントシステム500の処理フローの一例について説明する。
【0051】
J1では、取得部11は、監視カメラ2が撮影した道路600の撮像を取得する。取得部11は、取得した道路600の撮像を補助記憶部103に記憶させる。J1で取得する撮像は、例えば、図4に例示するような歪んだ魚眼画像である。J2では、取得部11は、J1で取得した魚眼画像を補正してパノラマ画像を生成する。
【0052】
J3では、追跡部13は、J2で生成したパノラマ画像に出現した車両を物体認識によって認識する。追跡部13は、認識した車両のトラッキングに係る情報を、車両認識テーブル161に記憶させる。J4では、追跡部13は、車両認識テーブル161に記憶にトラッキングに係る情報を記憶させた車両の追跡を開始する。
【0053】
J5では、追跡部13は、追跡していない車両が交差線L1、L2、L3、L4、L5のいずれかを通過すると、当該車両の通過速度、通過時間、通過位置を通過車両テーブル163に記憶させる。推定部14は、追跡部13が追跡していない車両が交差線L1、L2、L3、L4、L5のいずれかを通過すると、通過した車両の通過速度、通過時刻、通過位置と、通過車両テーブル163に記憶された情報とを基に、撮像中に新たに出現した新規車両であるか否かを判定する。J6では、推定部14は、J5で新規車両であると判定した車両の情報をカウント車両情報テーブル164に記憶させる。
【0054】
J7では、計数部15は、監視カメラ2が撮影する範囲の道路600を通過する車両の数を計数する。計数する処理の詳細は、図13を参照して、後述する。
【0055】
図13は、実施形態において、道路を通過する車両を計数する処理の処理フローの一例を示す図である。図13の処理は、例えば、図12のJ7で実行される。以下、図13を参照して、監視カメラ2が撮影する範囲において道路600を通過する車両を計数する処理の処理フローの一例について説明する。
【0056】
J71では、推定部14は、車両が交差線L1、L2、L3、L4、L5のいずれかを通過したか否かを判定する。通過した場合(J71でYES)、処理はJ72に進められる。通過しない場合(J71でNO)、処理は終了する。
【0057】
J72では、推定部14は、トラッキングテーブル162において、J71で交差線を通過したと判定した車両に対応付けられた「カウント済みフラグ」がオンになっているか否かを判定する。オンになっている場合(J72でNO)、処理は終了する。オンになっていない場合(J72でYES)、処理はJ73に進められる。ここで、オンになっていない場合としては、追跡部13が追跡した車両であって未だカウントされていない車両の場合及び追跡部13によって未だ追跡されていない車両の場合を挙げることができる。
【0058】
J73では、推定部14は、さらに、通過車両テーブル163に記憶された各車両の現在時刻における位置を、通過車両テーブル163に記憶された情報を基に推定する。
【0059】
J74では、推定部14は、J71で交差線を通過した車両の位置が、J73で推定した車両の位置のいずれかに一致するか否かを判定する。一致する場合(J74でYES)、処理は終了する。一致しない場合(J74でNO)、処理はJ75に進められる。
【0060】
J75では、推定部14は、J1で交差線を通過した車両の通過速度、通過時刻及び通過位置をカウント車両情報テーブル164に記憶させる。
【0061】
J76では、計数部15は、監視カメラ2が撮影する範囲の道路600を通過する車両の数を計数する。計数部15は、追跡部13が追跡している車両が交差線のいずれかを通過すると、トラッキングテーブル162において当該車両に対応付けられた「カウント済みフラグ」に格納された情報を確認する。「カウント済みフラグ」に格納された情報が未だカウントしていないことを示す場合、計数部15は、当該車両の情報をカウント対象車両テーブル165に記憶させる。
【0062】
また、計数部15は、未だカウントしていない車両についての情報をカウント車両情報テーブル164から抽出する。計数部15は、抽出した情報をカウント対象車両テーブル165に記憶させる。計数部15は、カウント対象車両テーブル165に記憶された情報を集計することで、監視カメラ2が撮影する範囲の道路600を通過する車両の数を計数する。計数部15は、トラッキングテーブル162において、計数した車両に対応付けられた「カウント済みフラグ」をオンにする。
【0063】
<実施形態の作用効果>
監視カメラ2を道路600の側方に設けた場合、撮像中の車両が他の車両の背後に隠れる等によって、継続的に追跡することは困難である。継続的に追跡できない場合、同一の車両を複数回カウントしてしまう虞があり、道路600を通過する車両の計数結果の精度が低下する。本実施形態では、撮像において道路600と交差する交差線が複数設定される。そして、計数装置1は、交差線を通過する車両夫々について、通過時刻、速度、位置等の情報を通過車両テーブル163に記憶させる。計数装置1は、通過車両テーブル163に記憶させた情報に基づいて、交差線を通過する車両が新規の車両であるか、既にいずれかの交差線を通過して記憶された車両であるかを判定する。計数装置1は、新規の車両である場合には、当該車両の情報をカウント車両情報テーブル164に記憶させる。このような処理により、カウント車両情報テーブル164には、同一車両についての情報が重複して記憶されることが抑制される。計数部15は、カウント車両情報テーブル164に記憶された情報と、追跡部13が追跡している車両の情報を記憶するトラッキングテーブル162とを参照することで、道路600を通過する車両の台数をより高い精度で計数することができる。
【0064】
本実施形態によれば、道路600を通過する車両が他の車両等の背後に隠れるようなことがあっても、道路600を通過する車両の台数をより高い精度で計数することができる。そのため、本実施形態によれば、道路600を俯瞰できる高い位置に監視カメラ2を設けなくともよい。そのため、本実施形態によれば、監視カメラ2の設置が容易になる。換言すれば、監視カメラ2の設置費用を低廉にできる上に、設置工事も簡易な工事で済むようになる。
【0065】
本実施形態では、監視カメラ2として半天球カメラを採用する。このようなカメラを採用することで、道路600のより広い範囲を撮影範囲とすることができる。その結果、車両が他の車両の背後等に隠れたとしても、図8に例示するように、少し後のフレームでは隠れた車両が再度出現する可能性が高くなる。そのため、本実施形態によれば、他の車両等の背後に隠れた車両の計数漏れを抑制することができる。
【0066】
本実施形態では、計数部15は、カウント対象車両テーブル165に記憶した情報を監視サーバ301に送信することもできる。そのため、本実施形態によれば、道路600を通過する車両の台数のみならず、どのような車両が道路600を通過するかを監視サーバ301に通知することができる。このような情報は、例えば、道路600の利用状況の分析に用いることが可能である。
【0067】
<変形例>
本実施形態では、トラッキングテーブル162は、カウント済みフラグを含む。トラッキングテーブル162は、例えば、車両をカウントした交差線を示す情報をさらに含んでもよい。計数装置1は、トラッキングテーブル162をこのような構成とすることで、車両をカウントした位置を把握することができるようになる。
【0068】
実施形態では、推定部14は、追跡部13が追跡していない車両が交差線L1、L2、L3、L4、L5のいずれかを通過した場合、通過した車両が新規車両である場合に当該車両の情報をカウント車両情報テーブル164に記憶させる。しかしながら、推定部14は、追跡部13が追跡している車両の情報についても、当該車両の情報をカウント車両情報テーブル164に記憶させてもよい。
【0069】
なお、本実施形態で説明した通過車両数カウントシステム500は、監視カメラ2を道路600の脇に設ける構成に限定するわけではない。監視カメラ2は、例えば、道路600を俯瞰できる位置(例えば、道路600の上方を横断する歩道橋等)に設けてもよい。
【0070】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0071】
<<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0072】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Compact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【符号の説明】
【0073】
1:計数装置
2:監視カメラ
101:CPU
102:主記憶部
103:補助記憶部
104:通信部
105:接続端子
11:取得部
12:交差線設定部
13:追跡部
14:推定部
15:計数部
16:車両情報データベース
161:車両認識テーブル
162:トラッキングテーブル
163:通過車両テーブル
164:カウント車両情報テーブル
165:カウント対象車両テーブル
300:監視センター
301:監視サーバ
500:通過車両数カウントシステム
600:道路
601、602:車線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13