IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社豊田中央研究所の特許一覧 ▶ 豊田合成株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電池パック 図1
  • 特許-電池パック 図2
  • 特許-電池パック 図3
  • 特許-電池パック 図4
  • 特許-電池パック 図5
  • 特許-電池パック 図6
  • 特許-電池パック 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/20 20210101AFI20240614BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240614BHJP
   H01M 10/643 20140101ALI20240614BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240614BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALI20240614BHJP
   H01M 10/6551 20140101ALI20240614BHJP
【FI】
H01M50/20
H01M10/613
H01M10/643
H01M10/625
H01M10/6555
H01M10/6551
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020076589
(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2021174647
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】小宅 教文
(72)【発明者】
【氏名】日下部 誠
(72)【発明者】
【氏名】石垣 将紀
(72)【発明者】
【氏名】草場 幸助
(72)【発明者】
【氏名】吉田 怜史
(72)【発明者】
【氏名】藤井 康平
【審査官】宮田 繁仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-373708(JP,A)
【文献】国際公開第2018/003478(WO,A1)
【文献】特開2013-242979(JP,A)
【文献】特開2019-109968(JP,A)
【文献】特開2019-021402(JP,A)
【文献】特開2014-191968(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0079444(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104078636(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/52-10/667
H01M50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックであって、
複数の電池と、
前記複数の電池と接触する熱伝導部材と、
前記複数の電池および前記熱伝導部材を内側に収容するケースであって、前記熱伝導部材の端部を挟み込むことによって、前記熱伝導部材の端部を把持する把持部が設けられるケースと、を備え、
前記熱伝導部材は、平板状に形成されている一対の端部を有しており、
前記ケースは、前記複数の電池と前記熱伝導部材とが間に配置される、一対の側面部を有しており、
前記把持部は、前記一対の側面部のそれぞれの内側に設けられており、前記熱伝導部材の端部が差し込まれるスリットを形成する2つのスリット形成部を有しており、
2つの前記スリット形成部のそれぞれは、前記スリットを形成する平面状の内壁面を有し、
前記熱伝導部材は、一対の端部のうちの一方の端部が前記一対の側面部の一方に設けられる第1把持部が有する2つのスリット形成部によって両側から挟み込まれ、一対の端部のうちの他方の端部が前記一対の側面部の他方に設けられる第2把持部が有する2つのスリット形成部によって両側から挟み込まれることで把持されており
前記熱伝導部材における前記一方の端部と前記他方の端部との間の長さは、前記第1把持部に形成されている第1スリットの前記第2把持部側の端と前記第2把持部に形成されている第2スリットの前記第1把持部側の端との間の距離よりも長く、かつ、前記第1スリットの前記第2把持部とは反対側の端と前記第2スリットの前記第1把持部とは反対側の端との間の距離よりも短い、
電池パック。
【請求項2】
請求項1に記載の電池パックであって、
前記熱伝導部材は、板形状を有し、主面に、凹凸部が形成されており、
前記電池は、前記熱伝導部材の前記凹凸部のうちの凹部と接触している、
電池パック。
【請求項3】
請求項に記載の電池パックであって、
前記熱伝導部材は、一方の主面の凸部が形成されている位置に他方の主面の凹部が形成されており、
前記一方の主面と前記他方の主面との両側において、前記凹部が前記電池と接触している、
電池パック。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電池パックであって、
1つの熱伝導部材と、前記1つの熱伝導部材と接触する複数の電池とは、電池モジュールを構成し、
前記電池パックは、複数の前記電池モジュールを有し、
前記電池パックは、さらに、
隣り合う前記電池モジュールの間に配置される遮熱部材を備える、
電池パック。
【請求項5】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電池パックであって、
1つの熱伝導部材と、前記1つの熱伝導部材に固定される複数の電池とは、電池モジュールを構成し、
前記把持部は、前記電池モジュールを前記スリットに対してスライドさせることによって、着脱可能に構成されている、
電池パック。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電池パックは、さらに、
前記スリットにおいて、前記把持部に把持される前記熱伝導部材の端部と、前記把持部との間の隙間を埋める熱伝導性グリスを備える、
電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ケース内に収容される複数の電池を備える電池パックが知られている。電池パックでは、複数の電池のそれぞれにおいて発生する熱を電池パックの外部に放出する必要がある。例えば、特許文献1には、2列に並べられている複数の電池のそれぞれに接触する熱伝導部材を備え、熱伝導部材の内部を流れる冷媒によって電池の熱を外部に放出する技術が開示されている。また、特許文献2には、複数の円筒型電池の間に充填される熱伝導材を利用して、円筒型電池で発生する熱を外部に放出する技術が開示されている。また、非特許文献1には、複数の電池のそれぞれに接触する熱伝導部材の両端部をケースに接続することで、電池で発生する熱を外部に放出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許公開公報2011/0212356号
【文献】特開2018-60594号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】Suman Basu et al., Applied Energy 181, 1-13(2016)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記先行技術によっても、電池パックにおいて、製造コストを低減しつつ電池の冷却効率を向上するためには、なお改善の余地があった。例えば、特許文献1に記載の技術では、電池を冷却する冷媒は、熱伝導部材の内部を流れた後、ケースの内部に形成されている流路を流れるため、熱伝導部材とケースとは液漏れしないように接続される必要がある。このため、熱伝導部材を精度よく製作しなければならず、製造コストが増大する。また、特許文献2に記載の技術では、複数の円筒型電池の間に熱伝導材を隙間がないように充填する必要があり、この充填工程に時間がかかるため、製造コストが増大し、熱伝導材が十分に充填されない場合、冷却効率が低下するおそれがある。また、非特許文献1に記載の技術では、熱伝導部材の長さがケースの内寸より短い場合、熱伝導部材の両端部をケースに接続できないため、ケースに接続されていない端部側の電池の熱は放出されにくくなる。このため、冷却効率にばらつきが発生するとともに、所望の冷却効率に得ることができないおそれがある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、電池パックにおいて、製造コストを低減しつつ電池の冷却効率を向上する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本発明の一形態によれば、電池パックが提供される。この電池パックは、複数の電池と、前記複数の電池と接触する熱伝導部材と、前記複数の電池および前記熱伝導部材を内側に収容するケースであって、前記熱伝導部材の端部を挟み込むことによって、前記熱伝導部材の端部を把持する把持部が設けられるケースと、を備える。
【0009】
この構成によれば、複数の電池と接触する熱伝導部材は、ケースに設けられる把持部によって把持されており、電池で発生する熱は、熱伝導部材を介してケースに伝わることでケースから電池パックの外部に放出される。把持部は、熱伝導部材の端部を挟み込むことによって熱伝導部材を把持するため、熱伝導部材の長さのばらつきによって把持部が挟み込む位置がずれても、熱伝導部材を把持することができる。これにより、例えば、両端部をケースに接続するために熱伝導部材の長さの製作公差を厳しくする必要がある場合に比べ、長さの製作公差を大きくしても電池で発生する熱をケースに伝えることができる。したがって、電池パックの製造コストを低減しつつ、電池の冷却効率を向上することができる。
【0010】
(2)上記形態の電池パックにおいて、前記ケースは、一対の側面部を有しており、前記一対の側面部の間に前記複数の電池および前記熱伝導部材が配置されており、前記把持部は、前記一対の側面部のそれぞれに設けられており、前記熱伝導部材の端部の一方は、前記一対の側面部の一方に設けられた前記把持部に把持され、前記熱伝導部材の端部の他方は、前記一対の側面部の他方に設けられた前記把持部に把持されてもよい。この構成によれば、熱伝導部材の両端部のそれぞれは、一対の側面部に設けられている2つの把持部のそれぞれによって把持される。これにより、一方の端部が固定され、他方の端部が把持部によって把持される熱伝導部材に比べ、熱伝導部材の製作公差をさらに大きくすることができる。したがって、電池パックの製造コストをさらに低減することができる。
【0011】
(3)上記形態の電池パックにおいて、前記熱伝導部材は、板形状を有し、主面に、凹凸部が形成されており、前記電池は、前記熱伝導部材の前記凹凸部のうちの凹部と接触してもよい。この構成によれば、電池は、板形状を有する熱伝導部材の凹凸部のうちの凹部と接触している。これにより、電池が円筒形状を有している場合、熱伝導部材と電池とが占める体積は、平板形状の熱伝導部材の主面に電池が接触する場合での熱伝導部材と電池とが占める体積に比べ、小さくなる。したがって、ケースの内側に、より多くの電池を収容することができるため、電池の冷却効率を向上しつつ、電池の充填密度を向上することができる。
【0012】
(4)上記形態の電池パックにおいて、前記熱伝導部材は、一方の主面の凸部が形成されている位置に他方の主面の凹部が形成されており、前記一方の主面と前記他方の主面との両側において、前記凹部が前記電池と接触してもよい。この構成によれば、熱伝導部材は、一方の主面の凸部が形成されている位置に他方の主面の凹部が形成されている。熱伝導部材の一方の主面側に配置される電池は、一方の主面の凹部に接触し、熱伝導部材の他方の主面側に配置される電池は、一方の主面の凸部の裏側にあたる他方の主面の凹部に接触している。これにより、電池パック1では、電池が円筒形状を有している場合、熱伝導部材と電池とが占める体積は、平板形状の熱伝導部材が有する2つの主面のそれぞれに電池が接触する場合での熱伝導部材と電池とが占める体積に比べ、さらに小さくなる。したがって、ケースの内側に、さらに多くの電池を収容することができるため、電池の冷却効率を向上しつつ、電池の充填密度をさらに向上することができる。
【0013】
(5)上記形態の電池パックにおいて、1つの熱伝導部材と、前記1つの熱伝導部材と接触する複数の電池とは、電池モジュールを構成し、前記電池パックは、複数の前記電池モジュールを有し、前記電池パックは、さらに、隣り合う前記電池モジュールの間に配置される遮熱部材を備えてもよい。この構成によれば、電池パックは、1つの熱伝導部材と、1つの熱伝導部材と接触する複数の電池とから構成される電池モジュールを複数有しており、隣り合う電池モジュールの間には、遮熱部材が配置されている。これにより、隣り合う電池モジュール間での熱のやり取りを抑制することができるとともに、一の電池モジュールが有する電池に外観上の異常が生じたときに、一の電池モジュールに隣り合う電池モジュールに一の電池モジュールの異常による影響が及ぶことを抑制することができる。これにより、一の電池モジュールの異常が電池パック全体に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0014】
(6)上記形態の電池パックにおいて、1つの熱伝導部材と、前記1つの熱伝導部材に固定される複数の電池とは、電池モジュールを構成し、前記把持部は、前記熱伝導部材の端部が差し込まれるスリットを有しており、前記電池モジュールを前記スリットに対してスライドさせることによって、着脱可能に構成されてもよい。この構成によれば、電池パックは、1つの熱伝導部材と、1つの熱伝導部材に固定される複数の電池とから構成される電池モジュールを複数有している。把持部は、電池モジュールが有する熱伝導部材の端部を差し込み可能なスリットを有しており、スリットに対して電池モジュールをスライドさせることによって、着脱可能に構成されている。これにより、1つの電池モジュールに異常が発生したとき、電池パックごとではなく、異常が発生した電池モジュールのみを交換するだけで電池パックを正常な状態に戻すことができる。また、スリットに対して電池モジュールをスライドさせることで、電池モジュールを着脱することができるため、電池モジュールを容易に交換することができる。
【0015】
(7)上記形態の電池パックは、前記スリットにおいて、前記把持部に把持される前記熱伝導部材の端部と、前記把持部との間の隙間を埋める熱伝導性グリスを備えてもよい。この構成によれば、把持部に把持される熱伝導部材の端部と把持部との間の隙間は、熱伝導性グリスによって埋められる。これにより、熱伝導部材の長さが比較的短い場合に、熱伝導部材の端部と把持部との間に隙間ができても、隙間を埋める熱伝導性グリスによって、熱伝導部材から把持部を介してケースに熱を伝えることができる。したがって、電池の冷却効率をさらに向上することができる。
【0016】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、電池パックを含むシステム、電池パックの製造方法、電池パックの製造を実行させるコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態の電池パックの概略構成を示す模式図である。
図2】電池パックの部分拡大図である。
図3】電池パックが備える電池モジュールの模式図である。
図4】本実施形態の電池パックの部分断面図である。
図5】比較例の電池パックにおける課題を説明する図である。
図6】本実施形態の電池パックの効果を説明する図である。
図7】第2実施形態の電池パックの概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の電池パック1の概略構成を示す模式図である。第1実施形態の電池パック1は、例えば、高出力が要求される電気自動車の車載用バッテリなどとして利用される。電池パック1は、複数の電池10と、複数の熱伝導部材20と、ケース30と、を備える。なお、説明の便宜上、図1図2図3(b)、および、図4において、熱伝導部材20が延設されている方向をx軸方向とし、ケース30内に収容されている全ての電池10を通る水平面内でx軸に巣直な方向をy軸方向とする。また、x軸方向とy軸方向とに垂直な方向をz軸方向とする。
【0019】
電池10は、円筒形状を有するリチウムイオン電池であって、電池パック1は、複数の電池10を備えている。本実施形態では、複数の電池10のそれぞれの中心軸は、z軸に略平行となるように配置されている。電池10は、図示しない入出力部と電気的に接続しており、この入出力部を介して、例えば、電気自動車の外部電源から供給される電力や走行中の電気自動車の減速によって発生する電気エネルギを受電し、蓄電する。また、電池10は、入出力部を介して、電気自動車が備えるモータを駆動するための電力を放出する。
【0020】
電池パック1は、図1に示すように、x軸方向に沿って6個の電池10が並べられている列(以下、「電池列」という)B1と、x軸方向に沿って5個の電池10が並べられている列(電池列)B2と、を有する。電池パック1は、8個の電池列B1と、8個の電池列B2と、を備え、電池列B1と電池列B2とは、y軸方向に交互に並べられて配置される(図1参照)。
【0021】
熱伝導部材20は、熱伝導性が高い材料、例えば、金属から形成される板形状の部材である。電池パック1は、図1に示すように、8個の熱伝導部材20を備えている。熱伝導部材20は、2つの主面21、22のそれぞれに、複数の電池10が固定されている。熱伝導部材20は、主面21、22に、複数の凹凸部が形成されている。
【0022】
図2は、電池パック1の部分拡大図である。熱伝導部材20におけるy軸のマイナス側の主面21には、図2(a)に示すように、x軸方向に沿って、x軸のマイナス側の一方の端部20aとx軸のプラス側の他方の端部20bとの間に、5個の凸部と、4個の凹部が形成されている。これらの凸部と凹部とは、一方の端部20a側から順に、凸部21a、凹部21b、凸部21c、凹部21d、凸部21e、凹部21f、凸部21g、凹部21h、凸部21iと並んで配置されている。主面21には、電池列B1の電池10が固定されている。電池列B1の6個の電池10のうち、4個の電池10のそれぞれは、凹部21bと、凹部21dと、凹部21fと、凹部21hとに固定されている。熱伝導部材20におけるy軸のマイナス側の主面21は、特許請求の範囲の「一方の主面」に相当する。
【0023】
熱伝導部材20におけるy軸のプラス側の主面22には、図2(a)に示すように、x軸方向に沿って、x軸のマイナス側の一方の端部20aとx軸のプラス側の他方の端部20bとの間に、5個の凹部と、4個の凸部が形成されている。これらの凹部と凸部とは、一方の端部20a側から順に、凹部22a、凸部22b、凹部22c、凸部22d、凹部22e、凸部22f、凹部22g、凸部22h、凹部22iと並んで配置されている。主面22の凹部22aと、凹部22cと、凹部22eと、凹部22gと、凹部22iとのそれぞれは、主面21の凸部21aと、凸部21cと、凸部21eと、凸部21gと、凸部21iのそれぞれが形成される位置に形成されている。主面22の凸部22bと、凸部22dと、凸部22fと、凸部22hのそれぞれは、主面21の凹部21bと、凹部21dと、凹部21fと、凹部21hのそれぞれが形成される位置に形成されている。主面22には、電池列B2の電池10が固定されている。電池列B2の5個の電池10のそれぞれは、凹部22aと、凹部22cと、凹部22eと、凹部22gと、凹部22iと、に固定されている。熱伝導部材20におけるy軸のプラス側の主面22は、特許請求の範囲の「他方の主面」に相当する。
【0024】
図3は、電池パック1が備える電池モジュール15の模式図である。本実施形態では、1つの熱伝導部材20と、この1つの熱伝導部材20に固定される11個の電池10(1つの電池列B1と、1つの電池列B2)とは、図3(a)に示す1つの電池モジュール15を構成している。電池パック1は、図3(b)に示すように、電池モジュール15を8個備えている。本実施形態では、図3(b)に示すように、1つの電池10dに不具合が生じた場合、その不具合が生じた電池10dを有する電池モジュール15oを取り外して(図3(b)の白抜き矢印T1)、新しい電池モジュール15nを、電池モジュール15oを取り外した場所に取り付ける(図3(b)の白抜き矢印T2)ことが可能である。
【0025】
図1に戻り、ケース30は、複数の電池10および複数の熱伝導部材20を内側に収容する。ケース30は、例えば、熱伝導性が高い金属から形成されている。ケース30は、複数の電池10および複数の熱伝導部材20を収容する収容空間30aを形成する複数の壁部31、32、33、34と、複数の把持部36、37とを備える。ケース30は、図示しない外部の放熱装置に接続されており、電池10と熱伝導部材20とを収容するとともに、電池10で発生する熱を放熱装置に伝える。
【0026】
壁部31と壁部32とは、図1に示すように、対向する位置に配置されており、複数の電池10および複数の熱伝導部材20が配置される収容空間30aを形成する。壁部31の収容空間30a側には、複数の把持部36が設けられている(図1および図2参照)。壁部32の収容空間30a側には、複数の把持部37が設けられている(図1および図2参照)。把持部36、37の構成の詳細は、後述する。壁部31と壁部32とは、特許請求の範囲の「一対の側面部」に相当する。
【0027】
図4は、本実施形態の電池パック1の部分断面図である。壁部33は、壁部31のz軸方向のマイナス側の端部と、壁部32のz軸方向のマイナス側の端部とに接続する。壁部33は、ケース30における底部に相当し、図4に示すように、収容空間30aに収容される複数の電池10が載置される。壁部34は、壁部31のz軸方向のプラス側の端部と、壁部32のz軸方向のプラス側の端部とに接続する。すなわち、壁部34は、壁部33に対向する位置に配置される。図4に示すように、壁部34の外壁面には、複数のフィン34aが形成される。これにより、ケース30は、上述した放熱装置に加え、フィン34aを利用して、電池10で発生する熱を効率的に外部に放出することができる。
【0028】
図2に示すように、把持部36は、壁部31の収容空間30a側に配置されている。把持部36は、2つのスリット形成部36a、36bを有する。2つのスリット形成部36a、36bは、図2(a)のA部拡大図である図2(b)に示すように、一定の間隔の隙間(図2(b)では、隙間の幅Sで示す部分)を形成するように配置されている。2つのスリット形成部36a、36bのそれぞれには、y軸方向において互いに対向する平面状の内壁面36c、36dが形成されており、内壁面36cと内壁面36dとの間が、z軸方向に貫通するスリットSとなる。把持部36は、図2(b)に示すように、熱伝導部材20の一方の端部20aを内壁面36cと内壁面36dとによって挟み込むことによって、熱伝導部材20の一方の端部20aを把持する。本実施形態では、図2(b)に示すように、スリットSにおいて、把持部36に把持される。熱伝導部材20の一方の端部20aと、把持部36との間の隙間は、熱伝導性グリス38によって埋められる。本実施形態では、2つのスリット形成部36a、36bは、熱伝導部材20に固定される電池10との干渉を防止するため、x軸方向の大きさが異なる。なお、図2(b)では、スリットSおよび熱伝導性グリス38をわかりやすくするため、スリットSの幅を熱伝導部材20の一方の端部20aの幅に比べ大きくなるように示しており、実際には、内壁面36c、36dのそれぞれは、熱伝導部材20の主面21、22のそれぞれにほぼ接触している。
【0029】
把持部37は、壁部32の収容空間30a側に配置されている。把持部37は、2つのスリット形成部37a、37bを有する。2つのスリット形成部37a、37bは、把持部36の隙間と同程度の一定の間隔の隙間を形成するように配置されている。2つのスリット形成部37a、37bのそれぞれには、y軸方向において互いに対向する平面状の内壁面が形成されており、これらの内壁面の間が、z軸方向に貫通するスリットとなる。把持部37は、図2(a)に示すように、熱伝導部材20の他方の端部20bを、2つのスリット形成部37a、37bのそれぞれに形成されている2つの内壁面によって挟み込むことによって、熱伝導部材20の他方の端部20bを把持する。本実施形態では、把持部37に形成されているスリットにおいて、把持部37に把持される熱伝導部材20の他方の端部20bと、把持部37との間の隙間は、把持部36と同じように、熱伝導性グリスによって埋められる。2つのスリット形成部37a、37bは、熱伝導部材20に固定される電池10との干渉を防止するため、把持部36と同様に、x軸方向の大きさが異なる。
【0030】
電池パック1が備える8個の電池モジュール15のそれぞれは、2つの把持部36、37のそれぞれのスリットに両端部20a、20bが差し込まれることによって把持されている。任意の電池モジュール15を把持部36、37に対してz軸方向にスライドさせると、ケース30に対して該電池モジュール15を着脱させることが可能である。これにより、上述したように、電池モジュール15を容易に交換することができる(図3(b)参照)。
【0031】
図5は、比較例の電池パック90における課題を説明する図である。図6は、本実施形態の電池パック1の効果を説明する図である。次に、本実施形態の電池パック1の効果について説明する。
【0032】
最初に、図5を用いて、比較例の電池パック90における課題を説明する。図5に示す比較例の電池パック90では、複数の電池10に接触する熱伝導部材91は、一列に並べられている電池10の両側に配置され、電池10を囲んで形成されている。熱伝導部材91は、比較例の電池パック90のケースが有する一対の壁部92、93の間に配置されている。比較例の電池パック90では、熱伝導部材91は、両端部のそれぞれを、壁部92、93のそれぞれに、例えば、溶接などによって固定される。
【0033】
熱伝導部材91のサイズは、製造段階で決定される。このため、熱伝導部材91において、複数の電池10が並ぶ方向の長さが異なる場合があり、図5(a)のように、比較的短いものもあれば、図5(b)に示すように比較的長いものもある。例えば、図5(a)のように、熱伝導部材91の電池10が並ぶ方向の長さL01が、一対の壁部92、93の間の長さL0に比べ短い場合、熱伝導部材91の一方の端部94は、壁部92に接続できるものの、他方の端部95は壁部93に接続できない。このため、熱伝導部材91の端部95側の電池10の熱は、ケースを介して放熱されにくくなる。
【0034】
また、図5(b)のように、熱伝導部材91の電池10が並ぶ方向の長さL02が、一対の壁部92、93の間の長さL0に比べ長い場合、電池10が固定されている熱伝導部材91を一対の壁部92、93の間に配置することができない(図5(b)の点線91参照)。このため、熱伝導部材91の電池10が並ぶ方向の長さを一対の壁部92、93の間の長さL0より短くするように、熱伝導部材91を製造する必要がある。一方で、図5(a)で説明したように、熱伝導部材91の長さが一対の壁部92、93の間の長さL0に比べ短いと、2つの端部94、95のいずれかが壁部92、93に接続できなくなる。このため、熱伝導部材91の長さによって、複数の熱伝導部材91の間で冷却効率に違いができるため、冷却効率にばらつきが生じ、電池パック90全体の冷却効率が低下する。また、冷却効率のばらつきを抑制するためには、熱伝導部材91の長さを、上限の長さを一対の壁部92、93の間の長さL0として高精度に管理する必要がある。このため、熱伝導部材91の製作公差を小さく設定する必要があるため、製造コストが増大する。
【0035】
一方、本実施形態の電池パック1では、上述したように、一対の壁部31、32のそれぞれには、熱伝導部材20の2つの端部20a、20bのそれぞれを把持する把持部36、37が設けられている。これにより、例えば、熱伝導部材20の製造工程において、熱伝導部材20の長さの基準寸法を把持部36の中央線C36と把持部37の中央線C37との間の長さL1(図6参照)に設定すると、図6(a)のように熱伝導部材20の電池10が並ぶ方向の長さL11が長さL1より短い場合でも、図6(b)のように、熱伝導部材20の電池10が並ぶ方向の長さL12が長さL1より長い場合でも、熱伝導部材20をケース30内に配置することができる。したがって、熱伝導部材20の製作公差を比較例の熱伝導部材91の製作公差より大きくすることができるため、電池パック1の製造コストが低下する。また、熱伝導部材20の2つの端部20a、20bのそれぞれが2つの把持部36、37のそれぞれに把持されることによって、電池10で発生する熱は、熱伝導部材20を介してケース30に伝わるため、冷却効率のばらつきも少なくなり、冷却効率を向上することができる。
【0036】
以上説明した、本実施形態の電池パック1によれば、複数の電池10が固定される熱伝導部材20は、ケース30に設けられる把持部36、37によって把持されており、電池10で発生する熱は、熱伝導部材20を介してケース30に伝わることでケース30から電池パック1の外部に放出される。把持部36、37は、熱伝導部材20の2つの端部20a、20bを挟み込むことによって熱伝導部材20を把持するため、熱伝導部材20の長さのばらつきによって把持部36、37に対する熱伝導部材20の2つの端部20a、20bの位置がずれても、熱伝導部材20を把持することができる。これにより、例えば、両端部をケースに接続するために熱伝導部材の長さの製作公差を厳しく管理する必要がある場合に比べ、長さの製作公差を大きくしても電池10で発生する熱をケース30に伝えることができる。したがって、電池パック1の製造コストを低減しつつ、電池10の冷却効率を向上することができる。
【0037】
また、本実施形態の電池パック1によれば、熱伝導部材20の2つの端部20a、20bのそれぞれは、一対の壁部31、32に設けられている2つの把持部36、37によって把持される。これにより、一方の端部が固定され、他方の端部がケースに固定される熱伝導部材に比べ、熱伝導部材20の製作公差をさらに大きくすることができる。したがって、電池パック1の製造コストをさらに低減することができる。
【0038】
また、本実施形態の電池パック1によれば、円筒形状を有している電池10は、板形状を有する熱伝導部材20の凹部21b、21d、21f、21h、22a、22c、22e、22g、22iと接触している。これにより、熱伝導部材20と電池10とが占める体積は、平板形状の熱伝導部材の主面に円筒形状の電池が接触する場合での熱伝導部材と電池とが占める体積に比べ、小さくなる。したがって、ケース30の内側に、より多くの電池10を収容することができるため、電池10の冷却効率を向上しつつ、電池10の充填密度を向上することができる。
【0039】
また、本実施形態の電池パック1によれば、熱伝導部材20は、主面22の凹部22aと、凹部22cと、凹部22eと、凹部22gと、凹部22iとのそれぞれは、主面21の凸部21aと、凸部21cと、凸部21eと、凸部21gと、凸部21iとのそれぞれが形成される位置に形成されている。熱伝導部材20の主面21側に配置される電池10は、主面21の凹部21b、21d、21f、21hに固定される。また、熱伝導部材20の主面22側に配置される電池10は、主面22の凹部22a、22c、22e、22g、22iに固定される。これにより、電池パック1では、熱伝導部材と電池とが占める体積は、平板形状の熱伝導部材が有する2つの主面のそれぞれに電池が接触する場合の熱伝導部材と電池とが占める体積に比べ、さらに小さくなる。したがって、ケース30の内側に、さらに多くの電池10を収容することができるため、電池10の冷却効率を向上しつつ、電池10の充填密度をさらに向上することができる。
【0040】
また、本実施形態の電池パック1によれば、電池パック1は、1つの熱伝導部材20と、1つの熱伝導部材20に固定される複数の電池10とから構成される電池モジュール15を複数有している。把持部36、37は、電池モジュール15が有する熱伝導部材20の2つの端部20a、20bのいずれかを差し込み可能なスリットを有しており、スリットに対して電池モジュール15をスライドさせることによって、着脱可能に構成されている。これにより、1つの電池モジュール15に異常が発生したとき、電池パック1ごとではなく、異常が発生した電池モジュール15のみを交換するだけで電池パック1を正常な状態に戻すことができる。また、スリットに対して電池モジュール15をスライドさせることで、電池モジュール15を着脱することができるため、電池モジュール15を容易に交換することができる。
【0041】
また、本実施形態の電池パック1によれば、把持部36、37に把持される熱伝導部材20の2つの端部20a、20bと把持部36、37との間の隙間は、熱伝導性グリス38によって埋められる。これにより、熱伝導部材20の長さが比較的短い場合に、熱伝導部材20の端部20a、20bと把持部36、37との間に隙間ができても、隙間を埋める熱伝導性グリス38によって、熱伝導部材20から把持部36、37を介してケース30に熱を伝えることができる。したがって、電池10の冷却効率をさらに向上することができる。
【0042】
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態の電池パック2の概略構成を示す模式図である。第2実施形態の電池パック2は、第1実施形態の電池パック1(図1)と比較すると、遮熱部材を備える点が異なる。
【0043】
本実施形態の電池パック2は、複数の電池10と、熱伝導部材20と、遮熱部材25と、ケース40とを備える。
【0044】
遮熱部材25は、ケース40内に配置される複数の電池モジュール15のうち、隣り合う電池モジュール15の間に配置される板形状の部材である。遮熱部材25は、熱伝導性が低く、難燃性の材料から形成されている。本実施形態では、電池パック2は、6個の遮熱部材25を備えている。
【0045】
ケース40は、複数の電池10と、複数の熱伝導部材20と、複数の遮熱部材25と、を収容する収容空間40aを形成する複数の壁部31、32、33、34と、熱伝導部材20を把持する複数の把持部36、37と、遮熱部材25を把持する複数の把持部48、49を備える。
【0046】
把持部48は、壁部31の収容空間40a側において、隣り合う把持部36の間に配置されている。把持部48は、遮熱部材25の端部を差し込み可能なスリットを有している。把持部48は、遮熱部材25の端部が差し込まれると、遮熱部材25の端部を把持する。
【0047】
把持部49は、壁部32の収容空間40a側において、隣り合う把持部37の間に配置されている。把持部49は、遮熱部材25の端部を差し込み可能なスリットを有している。把持部49は、遮熱部材25の端部が差し込まれると、遮熱部材25の端部を把持する。
【0048】
遮熱部材25は、2つの把持部48、49が有するスリットに、2つの端部のそれぞれが差し込まれることで支持されている。これにより、遮熱部材25を把持部48、49に対してスライドさせることで、遮熱部材25を交換可能となっている。
【0049】
以上説明した、本実施形態の電池パック2によれば、電池パック2は、1つの熱伝導部材20と、1つの熱伝導部材20に接触する複数の電池10とから構成される電池モジュール15を複数有しており、隣り合う電池モジュール15の間には、遮熱部材25が配置されている。これにより、隣り合う電池モジュール15の間での熱のやり取りを抑制することができるとともに、一の電池モジュール15が有する電池10に外観上の異常が生じたときに、一の電池モジュール15に隣り合う電池モジュール15に一の電池モジュール15の異常による影響が及ぶことを抑制することができる。これにより、一の電池モジュール15の異常が電池パック2全体に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0050】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0051】
[変形例1]
上述の実施形態では、電池10は、熱伝導部材20に固定されるとした。しかしながら、電池は、熱伝導部材と接触していればよい。電池と熱伝導部材とが接触することで、熱伝導部材を介して電池で発生する熱をケースに伝えることができるため、冷却効率を向上することができる。
【0052】
[変形例2]
上述の実施形態では、把持部36、37は、ケース30の一対の壁部31、32のそれぞれに設けられるとした。しかしながら、把持部は、いずれか一方の壁部にあるだけでもよい。1つの把持部によって熱伝導部材の一方の端部を把持することができれば、熱伝導部材の製作公差を大きくしつつ、電池の熱をケースに伝えることができる。
【0053】
[変形例3]
上述の実施形態では、熱伝導部材20は、主面21、22に、複数の凹凸部が形成されており、電池10は、凹部に固定されるとした。しかしながら、熱伝導部材20の形状はこれに限定されない。平板形状であってもよい。
【0054】
[変形例4]
上述の実施形態では、主面22の凹部22aと、凹部22cと、凹部22eと、凹部22gと、凹部22iとのそれぞれは、主面21の凸部21aと、凸部21cと、凸部21eと、凸部21gと、凸部21iのそれぞれが形成される位置に形成されているとした。しかしながら、熱伝導部材20の形状はこれに限定されない。また、熱伝導部材20の両側に電池10が配置されるとしたが、片側だけであってもよい。
【0055】
[変形例5]
上述の実施形態では、電池パック1は、複数の電池モジュール15を備え、電池モジュール15を把持部36、37に対してz軸方向にスライドさせると、ケース30に対して該電池モジュール15を着脱させることができるとした。しかしながら、電池モジュール15は、ケース30に固定されていてもよい。
【0056】
[変形例6]
上述の実施形態では、把持部36に把持される熱伝導部材20の一方の端部20aと、把持部36との間の隙間は、熱伝導性グリス38によって埋められるとした、しかしながら、熱伝導部材20の端部と把持部との間の隙間を埋める材料はこれに限定されない。接着材で埋められており、熱伝導部材の端部と把持部とが固定されていてもよい。また、隙間を埋める材料はなくてもよい。
【0057】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0058】
1,2…電池パック
10,10d…電池
15,15n,15o…電池モジュール
20…熱伝導部材
20a…(熱伝導部材の)一方の端部
20b…(熱伝導部材の)他方の端部
21,22…主面
21a,21c,21e,21g,21i,22b,22d,22f,22h…凸部
21b,21d,21f,21h,22a,22c,22e,22g,22i…凹部
25…遮熱部材
30,40…ケース
36,37…把持部
38…熱伝導性グリス
S…スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7