(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】電動遮蔽装置及び構造
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20240614BHJP
E06B 9/68 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
E06B9/42 A
E06B9/68 A
(21)【出願番号】P 2020113596
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】P 2020030974
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020039033
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】谷川 文彦
(72)【発明者】
【氏名】岡部 健邦
(72)【発明者】
【氏名】高木 学
(72)【発明者】
【氏名】中村 元
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-82042(JP,A)
【文献】特開2019-206889(JP,A)
【文献】特開平10-184249(JP,A)
【文献】特開2016-69879(JP,A)
【文献】特開2011-236684(JP,A)
【文献】登録実用新案第3114704(JP,U)
【文献】実開平4-66297(JP,U)
【文献】実開平1-114796(JP,U)
【文献】特開2019-178543(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0202221(US,A1)
【文献】特開2008-77970(JP,A)
【文献】特開2000-337050(JP,A)
【文献】特開2013-234496(JP,A)
【文献】実開昭60-108691(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00-11/08
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、回路基板と、基板ケースと備え、
前記フレーム内には、前記基板ケースが設けられ、
前記フレームには、前記フレームの長手方向に延びる突出部を有し、
前記基板ケース内には、前記回路基板が設けられ、
前記基板ケースは、前記突出部と係合することで、前記長手方向の移動が規制される、電動遮蔽装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電動遮蔽装置であって、
前記基板ケースは、前記突出部と嵌合する嵌合部を有し、
前記嵌合部は、下側に突出する突部であり、且つ、前記基板ケースの底面に形成されている、電動遮蔽装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電動遮蔽装置であって、
前記フレームは、底面部を有し、
前記底面部には、前記嵌合部と嵌合する孔部が形成されている、電動遮蔽装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の電動遮蔽装置であって、
前記フレームの上部は、開口しており、
前記基板ケースは、前記フレームの開口している部分から、前記フレームに挿入される、電動遮蔽装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の電動遮蔽装置であって、
前記基板ケースは、基台部と、キャップ部を有し、
前記キャップ部は、前記回路基板の上部を覆うように、前記基台部の上部に取り付けられている、電動遮蔽装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電動遮蔽装置であって、
前記キャップ部は、前記キャップ部の最上部が前記フレームの最上部の位置よりも低くなるように、前記フレーム内に設けられている、電動遮蔽装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の電動遮蔽装置であって、
前記キャップ部は、リブを有し、
前記リブは、前記基板ケースの上方向の移動が前記フレームに規制されるように構成されている、電動遮蔽装置。
【請求項8】
請求項5~請求項7の何れか1つに記載の電動遮蔽装置であって、
前記キャップ部は、逃げ部を有し、
前記逃げ部は、前記フレームがブラケットに取り付けられた状態において、前記フレームの前後方向の移動を規制する係合突部に干渉しないように構成されて
おり、前記係合突部は前記ブラケットに設けられている、電動遮蔽装置。
【請求項9】
部品と係合可能な型材の構造であって、
前記型材は、互いに向かい合う第1及び第2側壁部と、底面部と、突出部とを備え、
前記突出部は、前記底面部から立ち上がるように形成され、
前記部品は、
第2側壁部と前記底面部と前記突出部とによって形成される凹部に係合することで、移動が規制される、構造。
【請求項10】
請求項9に記載の構造であって、
前記部品は、前記凹部に嵌合している、構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動遮蔽装置及び構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モーターの回転により巻取パイプを回転させ、巻取パイプによりスクリーンの巻き取り、或いは巻き戻しを行って、スクリーンを昇降させる電動遮蔽装置が知られている(例えば、特許文献1参照)
【0003】
このような従来の電動遮蔽装置では、巻取パイプ内にモーターユニットが配設され、モーターユニット内のモーターは、巻取パイプを支持するフレーム内の回路基板に接続される。そして、電動遮蔽装置は、リモートコントローラ等の操作装置の操作により、回路基板を介してモーターユニット内のモーターの駆動を制御可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電動遮蔽装置において、回路基板はフレーム外に設けられている。ここで、回路基板がフレーム外に設けられていると、その分、設置スペースが拡大し、加えて、意匠性が低下する、という課題がある。
【0006】
本発明は、コンパクトであり、且つ、意匠性の低下を抑制することができる電動遮蔽装置及び構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電動遮蔽装置は、フレームと、回路基板と、基板ケースと備え、前記フレーム内には、前記基板ケースが設けられ、前記フレームには、前記フレームの長手方向に延びる突出部を有し、前記基板ケース内には、前記回路基板が設けられ、前記基板ケースは、前記突出部と係合することで、前記長手方向の移動が規制される、電動遮蔽装置が提供される。
【0008】
本発明によれば、フレーム内に回路基板及び基板ケースが設けられているため、コンパクトであり、且つ、意匠性の低下を抑制することができる。また、本発明によれば、基板ケースは、突出部と係合することで、フレームの長手方向の移動が規制されるので、電動遮蔽装置の据付時等に基板ケースの位置がずれることを抑制することができる。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記基板ケースは、前記突出部と嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合部は、下側に突出する突部であり、且つ、前記基板ケースの底面に形成されている、電動遮蔽装置が提供される。
好ましくは、前記フレームは、底面部を有し、前記底面部には、前記嵌合部と嵌合する孔部が形成されている、電動遮蔽装置が提供される。
好ましくは、前記フレームの上部は、開口しており、前記基板ケースは、前記フレームの開口している部分から、前記フレームに挿入される、電動遮蔽装置が提供される。
好ましくは、前記基板ケースは、基台部と、キャップ部を有し、前記キャップ部は、前記回路基板の上部を覆うように、前記基台部の上部に取り付けられている、電動遮蔽装置が提供される。
好ましくは、前記キャップ部は、前記キャップ部の最上部が前記フレームの最上部の位置よりも低くなるように、前記フレーム内に設けられている、電動遮蔽装置が提供される。
好ましくは、前記キャップ部は、リブを有し、前記リブは、前記基板ケースの上方向の移動が前記フレームに規制されるように構成されている、電動遮蔽装置が提供される。
好ましくは、前記キャップ部は、逃げ部を有し、前記逃げ部は、前記フレームがブラケットに取り付けられた状態において、前記フレームの前後方向の移動を規制する係合突部に干渉しないように構成されている、電動遮蔽装置が提供される。
好ましくは、部品と係合可能な型材の構造であって、前記型材は、互いに向かい合う第1及び第2側壁部と、底面部と、突出部とを備え、前記突出部は、前記底面部から立ち上がるように形成され、前記部品は、前記底面部と前記突出部とによって形成される凹部に係合することで、移動が規制される、構造が提供される。
好ましくは、前記部品は、前記凹部に嵌合している、構造が提供される。
【0010】
好ましくは、電動遮蔽装置であって、スクリーンを巻取り、又は巻戻すための巻取パイプと、前記巻取パイプの回転させるモーターと巻取パイプを支持するフレームを備え、前記フレーム内に格納された、モーターコントローラはモーターコントローラ底面に設けた凸部とフレーム孔とが篏合することを特徴する。
好ましくは、本発明の電動遮蔽装置において、前記モーターは、巻取パイプ内に収容され、前記制御基板に近接する側に前記制御基板が配置されることを特徴とする。
好ましくは、本発明の電動遮蔽装置において、前記制御基板と前記電源基板の前記フレームとの接触面には篏合凸部を設け、前記篏合凸部は前記フレームに孔加工された部分に篏合固定することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1Aは、実施形態に係る電動ロールスクリーン100が複数台配置された状態を示す模式図である。
図1Bは、
図1Aに示す領域Bの上面図である。
【
図2】
図2は、
図1Aに示す複数の電動ロールスクリーン100の電気的な接続状態を示す模式図である。
【
図3】
図3Aは、実施形態に係る電動ロールスクリーン100の正面図である。
図3Bは、
図3Aに示す領域Bの拡大図である。
【
図4】
図4は、
図2Aに示す電動ロールスクリーン100の右側面図である。
【
図5】
図5は、フレーム1、電源制御ユニット9、モーター制御ユニット10及び電源分岐ユニット11の分解斜視図である。
【
図6】
図6Aは、
図5に示す電源制御ユニット9の拡大図である。
図6Bは、
図5に示すモーター制御ユニット10の拡大図である。
【
図7】
図7Aは、フレーム1の上面斜視図である。
図7Bは、フレーム1の下面斜視図である。
【
図8】
図8Aは、電源制御ユニット9がフレーム1に取り付けられている状態を示す斜視図である。
図8Bは、
図8に示すフレーム1及び電源制御ユニット9の断面図である。
図8Bにおいて、フレーム1は
図8Aの矢印Aの位置で切断し、電源制御ユニット9は
図8Aに示す矢印Bの位置で切断し、矢印C方向から見ている。
【
図11】
図11Aは、電源分岐ユニット11の分解斜視図である。
図11Bは、
図11Aの領域Bの拡大図である。
図11Cは、電源分岐ユニット11の電源分岐配線部11aのコードの構成を示す模式図である。
【
図12】
図12Aは、電源制御ユニット9をフレーム1に取り付ける前の状態を示している。
図12Bは、電源制御ユニット9を傾けながら、電源制御ユニット9の端側をフレーム1に挿入した状態を示している。
図12Cは、電源制御ユニット9をフレーム1に取り付けた状態を示している。
【
図13】
図13Aは、電源分岐ユニット11をフレーム1に取り付ける前の状態を示している。
図13Bは、電源分岐ユニット11をフレーム1に取り付けた状態を示している。
【
図14】
図14A及び
図14Bは、電源制御ユニット9が設けられている位置のフレーム1の断面を示している。
図14Aは、フレーム1の引掛部1b1をブラケット2の被引掛部2aに引っ掛けた状態を示している。
図14Bは、フレーム1の引掛部1c1をブラケット2の被引掛部2cに引っ掛け、フレーム1をブラケット2に取り付けた状態を示している。
【
図15】
図15A及び
図15Bは、電源分岐ユニット11が設けられている位置のフレーム1の断面を示している。
図15Aは、フレーム1の引掛部1b1をブラケット2の被引掛部2aに引っ掛けた状態を示している。
図15Bは、フレーム1の引掛部1c1をブラケット2の被引掛部2cに引っ掛け、フレーム1をブラケット2に取り付けた状態を示している。
【
図16】
図16は、キャップ部11b2の変形例4を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の電動ロールスクリーンを説明する。
【0013】
1 全体構成
1-1 電動ロールスクリーン100の複数台配置
実施形態は、コンセント一口で、複数台の電動ロールスクリーン100を動作させることができるように構成されている。つまり、コンセントに接続された電動ロールスクリーン100と他の電動ロールスクリーン100とが渡り配線で接続可能となっており、他の電動ロールスクリーン100は、コンセントに直接接続されている必要がない。このため、実施形態に係る電動ロールスクリーン100が、例えば、設置箇所の窓サイズが大きい場合や、複数の窓が併置されている場合(連窓)等において、複数配置されるとき、必要となるコンセント数が一口でよく、且つ、配線の引き回しによる意匠性の低下を抑制することができる。各電動ロールスクリーン100の基板(後述するモーター制御ユニット10の制御基板10a)は、統括制御部(図示省略)に接続されており、統括制御部が、各電動ロールスクリーン100を統括制御可能となっている。
【0014】
図1A、
図1B及び
図2に示すように、実施形態は、3台の電動ロールスクリーン100が電源分岐ユニット11によって連結される構成を有する。右側の電動ロールスクリーン100は、電源ケーブルc1を後述する電源分岐配線部11aに接続する。なお、電源分岐配線部11aは、商用電源を分配する機能を有する。
右側の電動ロールスクリーン100の電源分岐配線部11aと、中央の電動ロールスクリーン100の電源分岐配線部11aとは、電源渡りケーブルc2を介して接続される。これにより、電力は、コンセントから、電源ケーブルc1、電源渡りケーブルc2を介して中央の電動ロールスクリーン100に供給される。
中央の電動ロールスクリーン100の電源分岐配線部11aと、左側の電動ロールスクリーン100の電源基板9aとは、電源渡りケーブルc2を介して接続される。なお、左側の電動ロールスクリーン100は、電源分岐配線部11aを有さず、電源渡りケーブルc3は電源基板9aに接続されている。電力は、コンセントから、電源ケーブルc1、電源渡りケーブルc2、電源渡りケーブルc3を介して左側の電動ロールスクリーン100に供給される。
【0015】
なお、電源ケーブルc1、電源渡りケーブルc2、電源渡りケーブルc3及び配線c4等の各種配線は、絡まる等のコードトラブルの防止や、コードの判別を容易にできる効果があることから、形状の配線を採用することが好ましい。
【0016】
1-2 電動ロールスクリーン100
図1B、
図3A及び
図5に示すように、電動ロールスクリーン100(電動遮蔽装置の一例)は、フレーム1と、ブラケット2と、サイドブラケット3と、スクリーン4と、ウェイトバー5と、シールド6と、巻取パイプ7と、モーターユニット8と、電源制御ユニット9と、モーター制御ユニット10と、電源分岐ユニット11とを備えている。なお、以下の説明において、左右の方向は、電動ロールスクリーン100を正面からから見た状態(
図3Aに示す状態)を基準としている。
【0017】
図1B及び
図5に示すように、フレーム1は、長尺状部材(型材の一例)であり、フレーム1の両端部近傍が、それぞれブラケット2によって支持されている。なお、ブラケット2は、建物等の取付面(例えば窓枠や壁面等)に固定される。フレーム1の両端部には、それぞれ、サイドブラケット3が取り付けられている。フレーム1の正面(前面)には、シールド6が取り付けられている。このため、室外光が、フレーム1と巻取パイプ7との間の隙間から室内に入射することを抑制することができる。
【0018】
図3A及び
図3Bに示すように、巻取パイプ7は、右側のサイドブラケット3と左側のサイドブラケット3と間に回転可能に設けられている。巻取パイプ7の右側の端部は、モーター制御ユニット10に回転可能に支持され、巻取パイプ7の左側の端部は、左側のサイドブラケット3に固定された軸支持部(図示省略)に回転可能に支持されている。巻取パイプ7には、スクリーン4の端部が取り付けられ、スクリーン4は、巻取パイプ7から垂下されている。また、スクリーン4の下端にはウェイトバー5が取り付けられている。巻取パイプ7は、スクリーン4を巻取り及び巻き戻し可能に構成されており、巻取パイプ7の回転方向に応じてスクリーン4が巻取パイプ7に巻き取られる又は巻き戻される。
【0019】
巻取パイプ7の左側の端部(一端部)内には、スプリングモーター(図示省略)が配設される。このスプリングモーターは左側端(一端)がサイドブラケット3に対し回転不能に固定され、右側端(他端)は巻取パイプに設けられている。そして、巻取パイプ7がスクリーン4の巻戻し方向に回転されるとスプリングモーターが蓄勢される。電動ロールスクリーン100において、モーターユニット8が巻取パイプ7を回転駆動させるだけでなく、スプリングモーターの付勢力が巻取パイプ7でスクリーン4を巻き取る際に補助力として作用する。
【0020】
図3A及び
図3Bに示すように、巻取パイプ7の右側の端部(他端部)内には、巻取パイプ7を回転駆動するモーターユニット8が配設されている。モーターユニット8は、後述する基板8fと、ロータリーエンコーダ8gと、受光部8hとを備えている。ロータリーエンコーダ8gは、巻取パイプ7の回転量を検出するように構成され、ロータリーエンコーダ8gは、巻取パイプ7と共に回転する発光素子8g1と、モーターユニット8内において固定されている受光素子8g2とを有する。基板8fは、例えば、ロータリーエンコーダ8gの受光素子から出力信号を増幅する回路を有する。基板8fは、モーター制御ユニット10に配線を介して接続されており、増幅された信号は、モーター制御ユニット10(
図5参照)へ出力される。また、ユーザーが、リモートコントローラ等の操作装置(図示省略)を操作すると、受光部8hが、リモートコントローラから出力される信号を受け付ける。基板8fは、受光部8hで受け付けた信号を増幅し、増幅された信号は、モーター制御ユニット10へ出力される。
【0021】
図5に示す電源制御ユニット9は、交流電圧の電圧を下げ、交流を直流へ変換する機能を有する。モーター制御ユニット10は、ロータリーエンコーダ8gの出力や受光部8hの出力に基づいて、モーターユニット8を制御する機能を有する。電源分岐ユニット11は、交流電圧を他の電動ロールスクリーン100へ分配する機能を有する。電源制御ユニット9、モーター制御ユニット10及び電源分岐ユニット11は、フレーム1内に収容されている。
【0022】
なお、実施形態は、電動ロールスクリーン100を一例に説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、遮蔽材を畳むことで遮蔽材を上方に移動させる電動ローマンシェード等に適用することも可能である。
【0023】
2 電動ロールスクリーン100の詳細構成説明
2-1 フレーム1
図7A及び
図7Bに示すように、フレーム1は、底面部1aと、側壁部1bと、側壁部1cとを備えている。側壁部1b及び側壁部1cは、第1及び第2側壁部の一例である。フレーム1は、巻取パイプ7に平行に延びる長尺状部材である。また、フレーム1は、例えば金属製の材料で構成することができる。
図5に示すように、フレーム1は、電源制御ユニット9、モーター制御ユニット10及び電源分岐ユニット11を収容できるように、凹状に形成されている。具体的には、フレーム1の上部は、開口しており、電源制御ユニット9、モーター制御ユニット10及び電源分岐ユニット11は、フレーム1の開口している部分から、フレーム1に挿入され、フレーム1に嵌合される。
【0024】
図8に示すように、フレーム1内には、空間Spが形成されている。空間Spは、電源制御ユニット9がフレーム1内に設置された状態において、電源制御ユニット9の背面とフレーム1の内面との間に形成されている。モーター制御ユニット10についても同様に、空間Spは、モーター制御ユニット10の背面とフレーム1の内面との間に形成されている。上述した電源ケーブルc1、電源渡りケーブルc2及び電源渡りケーブルc3は、この空間Spを通り、電源分岐配線部11a又は電源制御ユニット9へ延びる。
【0025】
2-1-1 底面部1a
底面部1aは、弓なりに湾曲している。具体的には、底面部1aは、電源制御ユニット9、モーター制御ユニット10及び電源分岐ユニット11を支持する部分であり、上側に突出するように円弧状に湾曲している。
図7A及び
図7Bに示すように、底面部1aは、孔部1a1と、第1係合部の一例としての突出部1a2とを備えている。孔部1a1は、フレーム1の長手方向に延びるように形成されている。実施形態では、底面部1aが上側に突出するように円弧状に湾曲しているが、孔部1a1は、このように湾曲した部分に形成されている。ここで、底面部1aが湾曲していることで、巻取パイプ7に巻き取られるスクリーン4との干渉を回避しやすくなるだけでなく、意匠性が向上する。
【0026】
図12A~
図12Cに示すように、孔部1a1には、後述する電源制御ユニット9及びモーター制御ユニット10の嵌合部9b13が挿入される。これにより、孔部1a1は、嵌合部9b13と連結する。ここで、フレーム1は孔部1a1を有するので、電源制御ユニット9等の設置位置が明確となり、電動ロールスクリーン100の組立性が向上する。また、上から嵌合部9b13を孔部1a1へ嵌め込むので、電源制御ユニット9及びモーター制御ユニット10が下側に落ち込むことになり、その分、フレーム1、電源制御ユニット9及びモーター制御ユニット10等からなるユニットの上下方向の幅が抑制される。例えば、連結部材が、底面部1a上に設けられており、この連結部材が電源制御ユニット9やモーター制御ユニット10と連結すると、連結部材の上下方向の幅の分だけ、電源制御ユニット9やモーター制御ユニット10が上方に突き出してしまい、上述したユニットの上下方向の幅が増大することになる。
【0027】
図13A及び
図13Bに示すように、突出部1a2は、後述する電源分岐ユニット11と係合するように構成されている。突出部1a2は、底面部1aから上方に突出するように形成されている。突出部1a2には、凹状の隙間が形成されており、突出部1a2は、電源分岐ユニット11の凸状の係合部11b13と係合可能となっている。突出部1a2は、フレーム1の長手方向に延びるように形成されている。つまり、突出部1a2は、フレーム1の長手方向にレール状に形成されている。電源分岐ユニット11が突出部1a2に係合した状態において、電源分岐ユニット11は、突出部1a2上を、フレーム1の長手方向に平行にスライド移動可能である。これにより、作業者は、電源分岐ユニット11の設置位置を容易に変更することができる。すなわち、作業者は、例えば配線の長さ等に応じて、電源分岐ユニット11の設置位置を変更する場合があるので、このような設置位置の変更作業の負担を抑制することができる。
【0028】
突出部1a2は、底面部1aから立ち上がるように形成されている。ここで、実施形態では、フレーム1の製造過程において、フレーム1の突出部1a2の形成部位が打ち抜かれることで、孔部1a1が形成される。つまり、製造当初のフレームは、長手方向の全域にかけて突出部1a2が形成されていたが、製造当初のフレームに穴加工(打ち抜き加工)が施されることで、突出部1a2の一部が打ち抜かれ、フレーム1には孔部1a1が形成されることになる。このため、孔部1a1と突出部1a2とは、フレーム1の長手方向に互いに並ぶように配置されている。具体的には、孔部1a1と突出部1a2とは、フレーム1の長手方向において、交互に設けられている。換言すると、孔部1a1の長手方向の両端部には、それぞれ、突出部1a2が立ち上がるように配置されている。このため、
図8に示すように、突出部1a2は、電源制御ユニット9(基板ケース9b)がフレーム1の長手方向(水平方向)に動くことを規制するように、電源制御ユニット9の周壁(基板ケース9bの周壁)に対向している。なお、モーター制御ユニット10も同様である。このように、実施形態では電源制御ユニット9が底面部1aに取り付けられたときにおいて、フレーム1の長手方向に平行な力(ずれ力)が電源制御ユニット9に加わったとしても、電源制御ユニット9が突出部1a2と干渉し、電源制御ユニット9がフレーム1の長手方向に移動することを防止することができる。なお、モーター制御ユニット10も同様の効果が得られる。
【0029】
2-1-2 側壁部1b
図7Aに示すように、側壁部1bは、底面部1aに接続されており、底面部1aから立ち上がるように設けられている。
図12Cに示すように、側壁部1bは、引掛部1b1と、規制部1b2とを有する。引掛部1b1は、ブラケット2に引っ掛け可能に構成されている。引掛部1b1は、フレーム1の外側に形成されている。規制部1b2は、フレーム1上に電源制御ユニット9やモーター制御ユニット10が設置されたときに、電源制御ユニット9やモーター制御ユニット10が上下方向に動き、ガタつくことを抑制する。規制部1b2は、フレーム1内(電源制御ユニット9やモーター制御ユニット10を収容する空間内)に突出している。
【0030】
2-1-3 側壁部1c
側壁部1cは、側壁部1bと同様の構成及び同様の機能を有する。
図7Aに示すように、側壁部1cは、底面部1aに接続されており、底面部1aから立ち上がるように設けられている。
図12Cに示すように、側壁部1cは、引掛部1c1と、規制部1c2とを有する。引掛部1c1は、ブラケット2に引っ掛け可能に構成されている。引掛部1c1は、フレーム1の外側に形成されている。規制部1c2は、フレーム1上に電源制御ユニット9やモーター制御ユニット10が設置されたときに、電源制御ユニット9やモーター制御ユニット10が上下方向に動き、ガタつくことを抑制する。規制部1c2は、フレーム1内(電源制御ユニット9やモーター制御ユニット10を収容する空間内)に突出している。
【0031】
2-2 ブラケット2
図14A及び
図14Bに示すように、ブラケット2は、ブラケット本体2Aと、スライドブロック2Bと、コイルスプリング(図示なし)とを備えている。コイルスプリングは、ブラケット本体2Aとスライドブロック2Bとの間に介在するように設けられている。コイルスプリングは、スライドブロック2Bを前方に付勢している。ブラケット2の基本構成や機能は、例えば特開2014-211059号公報に開示されるブラケットと同様であるため、適宜、説明を省略する。
【0032】
ブラケット本体2Aには、スライドブロック2Bが前後方向に移動可能に取り付けられている。なお、ブラケット本体2Aには、スライドブロック2Bが上下方向及び左右方向に動かないようになっている。ブラケット本体2Aは、被引掛部2aと、係合突部2bとを備えている。被引掛部2aには、フレーム1の側壁部1bの引掛部1b1が引っ掛けられる。係合突部2bは、被引掛部2aに付設され、引掛部1b1の前後方向の動きを規制する機能を有する。
【0033】
スライドブロック2Bは、被引掛部2cと、係合突部2dとを有する。被引掛部2cには、フレーム1の側壁部1cの引掛部1c1が引っ掛けられる。係合突部2dは、引掛部1c1の前後方向の動きを規制する機能の他に、係合突部2dは、フレーム1の上端に押されることで、後述する係合機構の係合状態を解除するように構成される。スライドブロック2Bは、前側位置と、後側位置とを移動自在に設けられている。
図14Aに示すように、フレーム1がブラケット2に取り付けられる前の状態では、スライドブロック2Bの位置は、後側位置である。ここで、スライドブロック2Bが後側位置に位置している状態において、スライドブロック2Bはコイルスプリングによって前に付勢されているが、ブラケット本体2A及びスライドブロック2Bには、係合機構が設けられているので、スライドブロック2Bは後側位置に留まり続ける。なお、この係合機構は、例えば特開2014-211059号公報における仮止突出部及び仮止係止部に対応する。
図14A及び
図14Bに示すように、フレーム1がブラケット2に取り付けられるときにおいて、係合突部2dがフレーム1の側壁部1cの上端部Sr2に押されると、係合機構の係合が解除される。これにより、スライドブロック2Bは、後側位置から前側位置へ前進して、被引掛部2cが前進し、その結果、被引掛部2cには、フレーム1の引掛部1c1が引っ掛けられる。
【0034】
2-3 サイドブラケット3
図4及び
図10に示すように、サイドブラケット3は、本体部材3aと、カバー部材3bとを備えている。
【0035】
本体部材3aは、板状に構成されている。本体部材3aには、引掛部3a1と、上穴部3a2と、下穴部3a3とが形成されている。引掛部3a1は、本体部材3aの上部に形成されており、フレーム1に引っ掛けられる。上穴部3a2には、上固定部材3a4(例えばネジ)が挿入され、この上固定部材3a4が、フレーム1の突出部1a2の隙間に挿入されて突出部1a2に締結されることで、本体部材3aがフレーム1に固定される。すなわち、突出部1a2は、上固定部材3a4が締結されるビスホールとしての機能を有する。下穴部3a3には、下固定部材3a5(例えば、ネジ)が挿入され、この下固定部材3a5が、ケース支持部8cに締結されることで、モーターユニット8がサイドブラケット3に固定される。電動ロールスクリーン100の右側部において、巻取パイプ7は、モーターユニット8に支持され、モーターユニット8は、本体部材3aに支持され、本体部材3aは、フレーム1に支持されている。
【0036】
図4に示すように、カバー部材3bは、上述した上固定部材3a4及び下固定部材3a5のネジ頭を隠すように、本体部材3aに取り付けられている。
【0037】
2-4 モーターユニット
図3B及び
図10に示すように、モーターユニット8は、モーターケース8aと、モーター8bと、ケース支持部8cと、回転部8dと、モーターアダプタ8eと、基板8fと、ロータリーエンコーダ8gと、受光部8hとを備えている。実施形態において、モーターケース8a、モーター8b、ケース支持部8cの一部、回転部8dの一部、及び、モーターアダプタ8eは、巻取パイプ7内に収容されている。これにより、電動ロールスクリーン100は、左右方向の幅が増大することを抑制することが可能となっている。
【0038】
図10に示すように、モーターケース8aは、上ケース8a1と、下ケース8a2とを有し、モーター8bは、上ケース8a1と下ケース8a2との間に収容されている。下ケース8a2は、挿入部8a21を有し、挿入部8a21は、ケース支持部8cに挿入されることで、ケース支持部8cに支持される。
【0039】
図10に示すように、モーター8bは、モーター本体部8b1と、シャフト8b2と、伝達部8b3とを有する。モーター8bは、筐体及び筐体内に設けられた部品(例えば固定子や回転子等)を有する。シャフト8b2の先端部には、十字状の伝達部8b3が取り付けられている。そして、伝達部8b3は、モーターアダプタ8eに取り付けられている。シャフト8b2の回転は、伝達部8b3を介して、モーターアダプタ8eに伝達される。そして、モーターアダプタ8eは、巻取パイプ7の内周面に接触するように設けられているので、シャフト8b2の回転がモーターアダプタ8eに伝達されると、巻取パイプ7が回転する。
【0040】
図10に示すように、ケース支持部8cは、サイドブラケット3に固定されているため、ケース支持部8cは、回転不能である。ケース支持部8cは、軸状突部8c1と、基板収容部8c2とを有する。軸状突部8c1の外周部には、回転部8dが回転可能に取り付けられている。軸状突部8c1の内周部には、下ケース8a2の挿入部8a21が挿入されている。なお、下ケース8a2は回転不能である。基板収容部8c2には、基板8f及び受光部8hが収容されている。換言すると、基板収容部8c2とサイドブラケット3(本体部材3a)との間には、空間が形成され、当該空間には、基板8f及び受光部8hが配置されている。
【0041】
図10に示すように、回転部8dは、筒状部8d1と、支持部8d2と、開口部8d3とを有する。筒状部8d1は、ケース支持部8cに回転可能に設けられている。回転部8dの中央部には開口部8d3が形成されており、この開口部8d3には、ケース支持部8cの軸状突部8c1が挿入される。支持部8d2は、巻取パイプ7の内周面に接触しており、支持部8d2は、巻取パイプ7を支持する機能を有する。支持部8d2は、筒状部8d1の周方向に並ぶように複数設けられている。支持部8d2は、電動ロールスクリーン100の左右方向(巻取パイプ7の軸方向)に平行に突出するように形成されている。
【0042】
図3Bに示すように、ロータリーエンコーダ8gは、巻取パイプ7の回転量を検出する機能を有する。ロータリーエンコーダ8gは、例えば、発光素子8g1と、受光素子8g2とを有する。発光素子8g1は、回転部8dに取り付けられ、受光素子8g2は、ケース支持部8cに取り付けられる。ロータリーエンコーダ8g(受光素子8g2)の出力は、基板8fへ送られる。
【0043】
図10に示すように、受光部8hは、リモートコントローラの出力を受け付けるように構成される。実施形態において、リモートコントローラは赤外線信号を出力するため、受光部8hは、赤外線センサで構成される。受光部8hの出力は、基板8fへ送られる。
【0044】
2-5 電源制御ユニット9
図5及び
図6Aに示すように、電源制御ユニット9は、電源基板9a(回路基板の一例)と、基板ケース9b(基板ケースの一例)とを備えている。電源制御ユニット9は、全体として長尺状に構成されており、電源制御ユニット9は、その長手方向がフレーム1の長手方向と平行になるように、フレーム1内に収容されている。
【0045】
電源基板9aは、交流電圧の電圧を下げ、交流を直流へ変換する回路を有する。電源基板9aは、電源分岐ユニット11から受け取った交流を直流に変換する。そして、
図2に示すように、電源基板9a、基板8f及びモーター8bは、この順番で直列に接続されており、モーター8bは、基板8fを介して電源基板9aから電力が供給される。電源基板9aは、基板ケース9b内に収容されている。
【0046】
図6Aに示すように、基板ケース9bは、基台部9b1と、キャップ部9b2とを備えている。基台部9b1は、収容部9b11と、接触面部9b12と、嵌合部9b13とを備えている。嵌合部9b13がフレーム1の孔部1a1に連結(嵌合)することで、基台部9b1の底面はフレーム1に連結する。
【0047】
図6Aに示すように、収容部9b11は、上方が開放された箱状部材であり、キャップ部9b2を取付可能となっている。収容部9b11には、電源基板9aが収容可能である。収容部9b11には、係合穴9b14が形成されており、係合穴9b14は、キャップ部9b2と係合可能となっている。収容部9b11には、配線を通すための切欠9b15が形成されている。
【0048】
図12A~
図12Cに示すように、接触面部9b12は、下側に突出する嵌合部9b13が形成されている。接触面部9b12は、基台部9b1の底面部に設けられている。電源制御ユニット9がフレーム1に取り付けられている状態において、接触面部9b12の下面は、フレーム1の底面部1aの上面に接触している。接触面部9b12の下面には、湾曲面が形成されており、当該湾曲面は、上側に突出するように円弧状に湾曲している。ここで、接触面部9b12の下面及び底面部1aの上面には、それぞれ、同様の曲率の湾曲面が形成されているので、基台部9b1がフレーム1上に設置されたときに、接触面部9b12の全面が底面部1aに接触することとなり、基台部9b1がフレーム1上でガタつくことを抑制することができる。
【0049】
図12A~
図12Cに示すように、嵌合部9b13は、フレーム1の孔部1a1に連結可能(嵌合可能)に構成されている。嵌合部9b13は、基台部9b1の底面部に設けられ、下側に突出する突部である。なお、実施形態では、嵌合部9b13が突部であるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、基台部9b1の底面全体がすり鉢状(錐状)に形成され、フレーム1と嵌合する構成であってもよい。嵌合部9b13は、フレーム1の孔部1a1に対応する形状を有し、嵌合部9b13は、フレーム1の長手方向に平行に延びるように形成されている。嵌合部9b13は、前後に2列形成されている。2列の嵌合部9b13の間には、接触面部9b12が設けられている。このように、基台部9b1が嵌合部9b13によってフレーム1に固定されるので、電動ロールスクリーン100の据付時等に電源制御ユニット9の位置がずれることを防止することができる。
【0050】
フレーム1の前後方向において、嵌合部9b13の幅は、孔部1a1の幅以上とするとよい。これにより、嵌合部9b13が、孔部1a1に嵌め込まれる(圧入される)ことになり、孔部1a1が嵌合部9b13に対してより確実に嵌合する。
【0051】
図12Cに示すように、嵌合部9b13が孔部1a1と嵌合した状態において、嵌合部9b13は、孔部1a1内に収められている。すなわち、嵌合部9b13の高さ幅(上下方向の幅)は、嵌合部9b13が孔部1a1から突き出さないように設定されている。これにより、電動ロールスクリーン100の意匠性が低減することを抑制することができる。なお、
図12Cに示すように、実施形態では、嵌合部9b13が孔部1a1に挿入された状態において、嵌合部9b13の下面は、フレーム1の下面と滑らかにつながるように形成されている。つまり、嵌合部9b13の下面には、湾曲面が形成されており、当該湾曲面は、上側に突出するように円弧状に湾曲している。そして、当該湾曲面の曲率は、底面部1aの下面の曲率と同様である。これにより、フレーム1の穴部(孔部1a1)が目立たなくなり、電動ロールスクリーン100の意匠性が向上する。
【0052】
なお、実施形態では、基台部9b1には嵌合部9b13が2列設けられているが、1列であってもよく、3列以上であってもよい。また、嵌合部9b13は、フレーム1の長手方向に平行に延びているが、これに限定されるものではなく、例えば、フレーム1の短手方向(前後方向)に平行に延びていてもよい。
【0053】
図6Aに示すように、キャップ部9b2は、基台部9b1に取付可能に構成された蓋状部材である。
図6A、
図9A及び
図9Bに示すように、キャップ部9b2は、取付キャップ部9b21と、延長キャップ部9b22と、端壁部9b23と、切欠部9b24と、逃げ部9b25と、リブ9b26とを備えている。なお、キャップ部9b2は、基台部9b1から着脱可能に構成されているが、これに限定されるものではなく、例えばヒンジ機構を介して回転自在に取り付けられていてもよい。
【0054】
図6Aに示すように、取付キャップ部9b21は、基台部9b1の上方を覆うように基台部9b1に取り付けられ、電源基板9aが埃等にさらされることを防止する機能を有する。取付キャップ部9b21の長手方向の端部には、延長キャップ部9b22が接続されている。延長キャップ部9b22を上面からみたときは、延長キャップ部9b22は、基台部9b1の配置位置から、フレーム1の長手方向に突き出すように設けられている。これにより、延長キャップ部9b22の下に配線やコネクタ等の電子部品を配置しても、電子部品に埃がつくことを抑制することができる。また、キャップ部9b2は、キャップ部9b2の最上部がフレーム1の最上部の位置よりも低くなるように、フレーム1内に設けられている。具体的には、
図12Cに示すように、基板ケース9bがフレーム1に取り付けられた状態において、取付キャップ部9b21及び延長キャップ部9b22の上端面Sr1は、フレーム1の上端部Sr2の位置以下となっている。これにより、基板ケース9bがフレーム1内に収まることになり、
図14A及び
図14Bに示すように、基板ケース9bがブラケット2と干渉することを回避することができる。また、基板ケース9bがフレーム1内に格納されるため、電動ロールスクリーン100がコンパクトになり、意匠性が向上する。
【0055】
図9Bに示すように、端壁部9b23は、延長キャップ部9b22の端部側に接続され、端壁部9b23は、延長キャップ部9b22との接続位置から下側に延びるように設けられている。端壁部9b23と基台部9b1との間には、配線やコネクタ等の電子部品を配置する空間が形成される。つまり、作業者は、電子部品を当該空間に配置することで、フレーム1内が配線等で乱雑になることを抑制することができる。端壁部9b23には、切欠部9b24が形成されている。切欠部9b24は、配線を通すために形成されている。なお、実施形態では、端壁部9b23には、切欠部9b24が形成されているが、開口部であってもよい。
【0056】
図6Aに示すように、逃げ部9b25は、キャップ部9b2の上面(取付キャップ部9b21の上面及び延長キャップ部9b22の上面)に形成されている。逃げ部9b25は、フレーム1の長手方向に延びるように形成され、逃げ部9b25は、前後に2列形成されている。
図14A及び
図14Bに示すように、逃げ部9b25は、フレーム1をブラケット2に取り付けるときに、キャップ部9b2とブラケット2とが干渉することを回避している。逃げ部9b25の上面は、テーパー(傾斜面)となっており、ブラケット2から逃げるように形成されている。
【0057】
図9B及び
図12Cに示すように、リブ9b26は、基板ケース9bがフレーム1に取り付けられた状態において、基板ケース9bが上側の動くことを規制する機能を有する。リブ9b26は、フレーム1の長手方向に延びるように形成され、リブ9b26は、前後に2列形成されている。各リブ9b26は、各逃げ部9b25に接続されている。基板ケース9bがフレーム1に取り付けられた状態において、前側のリブ9b26の上部には規制部1b2が配置され、後側のリブ9b26の上部には規制部1c2が配置されている。基板ケース9bが上側に移動するように基板ケース9bに力が作用したときにおいて、リブ9b26が、規制部1b2又は規制部1c2と干渉し、基板ケース9bが上方向に移動することが規制される。これにより、電動ロールスクリーン100の据付時等にキャップ部9b2が基台部9b1から外れ、電源基板9aが基板ケース9bから飛び出すことを回避することができる。
【0058】
電源制御ユニット9のキャップ部9b2の長手方向の一方の端部は、モーター制御ユニット10のキャップ部9b2と連続するように隣接配置されていることが好ましい。なお、電源制御ユニット9のキャップ部9b2とモーター制御ユニット10のキャップ部9b2とは、完全に接触していなくてもよい。また、電源制御ユニット9のキャップ部9b2の長手方向の他方の端部は、電源分岐ユニット11のキャップ部11b2と連続するように隣接配置されていることが好ましい。なお、電源制御ユニット9のキャップ部9b2と電源分岐ユニット11のキャップ部11b2とは、完全に接触していなくてもよい。
このようにキャップ部9b2,11b2が配置されていることで、各キャップ部9b2,11b2の間に隙間が生じることが抑制され、電子部品等に埃がつくことを効果的に抑制することができる。
【0059】
2-6 モーター制御ユニット10
モーター制御ユニット10は、制御基板10aを有する点で、電源制御ユニット9と異なるが、その他の構成は、電源制御ユニット9と同様であるため、適宜、説明を省略する。
図6Bに示すように、モーター制御ユニット10は、制御基板10a(回路基板の一例)と、基板ケース9b(基板ケースの一例)とを備えている。
【0060】
制御基板10aは、基板8fから出力される各種信号に基づいて、モーターユニット8のモーター8bの動作を制御する機能を有する。制御基板10aは、基板ケース9b内に収容されている。実施形態において、基板8fから出力される各種信号は、例えば、受光部8hの信号及びロータリーエンコーダ8gの信号等である。
【0061】
モーター制御ユニット10の基板ケース9bは、電源制御ユニット9の基板ケース9bと同様の構成である。つまり、モーター制御ユニット10の基板ケース9bは、基台部9b1と、キャップ部9b2とを備え、基台部9b1は、収容部9b11と、接触面部9b12と、嵌合部9b13とを備えている。
【0062】
2-7 電源分岐ユニット11
図5及び
図11Aに示すように、電源分岐ユニット11は、電源分岐配線部11aと、電源分岐配線部ケース11bとを備えている。電源分岐配線部11aは、コネクタ部11a1とコード11a2とを有する。コード11a2は、コネクタ部11a1に接続されており、コード11a2は、異なる電動ロールスクリーン100間と電気的に接続するように構成されている。電源分岐配線部11aは、他の電動ロールスクリーン100へ商用交流を分配することができるように配線が分岐している。
【0063】
コード11a2は、電源ケーブルc1と、電源基板9aと、異なる電動ロールスクリーン100と、を電気的に接続するように構成されている。
図11Cに示すように、コード11a2は、第1~第4コード11a21~11a24を有する。第1コード11a21及び第2コード11a22の一方の端部は、後述する第1コネクタ部11a11に繋げられ、第1コード11a21及び第2コード11a22の他方の端部は、後述する第3コネクタ部11a13に繋げられている。第3コード11a23及び第4コード11a24の一方の端部は、後述する第2コネクタ部11a12に繋げられている。第3コード11a23の他方の端部は、位置Pにおいて第1コード11a21に繋げられ、第4コード11a24の他方の端部は、位置Pにおいて第2コード11a22に繋げられている。また、第1コード11a21と第3コード11a23とは、位置Pにおいて、圧着スリーブによってかしめられており、同様に、第2コード11a22と第4コード11a24とは、位置Pにおいて、圧着スリーブによってかしめられている。
【0064】
実施形態において、コネクタ部11a1は、第1コネクタ部11a11と、第2コネクタ部11a12と、第3コネクタ部11a13とを有する。
図11Aに示すように、第1~第3コネクタ部11a11~11a13のそれぞれは、3つの端子部(2つの端子部sb及び1つの端子部st)を有する。実施形態では、2つの端子部sbが使用され、端子部stについては使用されていない。つまり、端子部sbには、第1~第4コード11a21~11a24が繋げられているが、端子部stには、コードが繋げられていない。実施形態では、汎用性の観点で3つの端子部を有するコネクタ部11a1を使用しているが、これに限定されるものではない。第1~第3コネクタ部11a11~11a13のそれぞれは、端子部stを有さない形態であってもよい。第1コネクタ部11a11は、商用電源を供給するための電源ケーブルc1に繋がっており、第2コネクタ部11a12は、電源基板9aに繋がっている。また、第3コネクタ部11a13は、異なる電動ロールスクリーン100に繋がっている。すなわち、第3コネクタ部11a13は、電源渡りケーブルc2に繋がっている。そして、コード11a2は、第1コネクタ部11a11と第2コネクタ部11a12とを繋ぐと共に、第1コネクタ部11a11と第3コネクタ部11a13とを繋ぐように構成されている。
【0065】
また、
図11に示すように、第1~第3コネクタ部11a11~11a13は、それぞれ、オスコネクタ部11amとメスコネクタ部11afとを有する。オスコネクタ部11amは、メスコネクタ部11afと連結可能に構成され、逆に、メスコネクタ部11afは、オスコネクタ部11amと連結可能に構成されている。なお、オスコネクタ部11am同士やメスコネクタ部11af同士は、互いに連結不能である。これにより、誤配線を防止することができる。
【0066】
特に、実施形態の場合には、複数の電動ロールスクリーン100が電源渡りケーブルc2,c3によって電気的に接続されることになるので、誤配線の影響は大きくなる。つまり、ある1台の電動ロールスクリーン100において、仮に誤配線がなされてショートすると、当該1台の電動ロールスクリーン100の各種基板(電源基板9a、制御基板10a、基板8f)だけでなく、他の電動ロールスクリーン100の各種基板(電源基板9a、制御基板10a、基板8f)まで故障する可能性がある。実施形態におけるコネクタ部11a1は、オスコネクタ部11amとメスコネクタ部11afが1つの対をなす構成である。そして、オスコネクタ部11am同士やメスコネクタ部11af同士は連結できないので、誤配線によるショートを防止し、ひいては、他の電動ロールスクリーン100各種基板の故障も防止することができる。
【0067】
図11Aに示すように、電源分岐配線部ケース11bは、基台部11b1と、キャップ部11b2とを有する。電源分岐配線部ケース11bは、コネクタ部11a1の少なくとも上部を覆うように構成されている。基台部11b1は、収容部11b11と、接触面部11b12と、第1係合部と係合する第2係合部の一例としての係合部11b13とを備えている。係合部11b13がフレーム1の突出部1a2に挿入されることで、基台部11b1は、フレーム1の長手方向に平行にスライド移動可能に、フレーム1と係合する。
【0068】
図11Aに示すように、収容部11b11は、上方が開放された箱状部材であり、キャップ部11b2を取付可能となっている。収容部11b11には、電源分岐配線部11aが収容可能である。収容部11b11には、係合爪11b14が形成されており、係合爪11b14は、キャップ部11b2に形成された係合孔11b24と係合可能となっている。収容部11b11には、配線を通すための切欠11b15が形成されている。
【0069】
図11A及び
図13Aに示すように、接触面部11b12は、一対の係合部11b13の間に設けられ、接触面部11b12は、フレーム1と接触した状態で、フレーム1上に設置されている。なお、実施形態では、接触面部11b12がフレーム1と接触するものとして説明するが、これに限定されるものではない。基台部11b1は、係合部11b13を介してフレーム1に支持されているので、基台部11b1は、接触面部11b12を有していなくてもよい。
図13Aに示すように、接触面部11b12の下面には、湾曲面が形成されており、当該湾曲面は、上側に突出するように円弧状に湾曲している。接触面部11b12の下面及び底面部1aの上面には、それぞれ、同様の曲率の湾曲面が形成されているので、基台部11b1がフレーム1上に設置されたときに、接触面部11b12の全面が底面部1aに接触することとなり、基台部11b1がフレーム1上でガタつくことを抑制することができる。
【0070】
図11Bに示すように、係合部11b13は、フレーム1の突出部1a2に係合可能に構成されている。係合部11b13は、基台部9b1の底面部に設けられ、下側に突出する突部である。係合部11b13が突出部1a2に係合している状態において、基台部11b1は、フレーム1の長手方向に平行にスライド移動可能である。つまり、突出部1a2が係合部11b13のガイドレールとして機能し、係合部11b13は、突出部1a2上をスライド移動可能である。
なお、実施形態では、係合部11b13が凸状であり、突出部1a2が凹状であるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、係合部11b13が凹状であり、突出部1a2が凸状であってもよい。係合部11b13は、フレーム1の長手方向に平行に延びるように形成されている。係合部11b13は、前後に2列形成されている。2列の係合部11b13の間には、接触面部9b12が設けられている。このように、基台部11b1が係合部11b13を有するので、作業者は、電源分岐ユニット11をフレーム1内で容易にスライド移動させることができる。
【0071】
なお、実施形態では、基台部11b1には係合部11b13が2列設けられているが、1列であってもよく、3列以上であってもよい。また、係合部11b13は、フレーム1の長手方向に平行に延びているが、これに限定されるものではなく、例えば、フレーム1の短手方向(前後方向)に平行に延びていてもよい。
【0072】
図6Bに示すように、キャップ部11b2は、基台部11b1に取付可能に構成された蓋状部材である。キャップ部11b2は、取付キャップ部11b21と、延長キャップ部11b22と、逃げ部11b23とを備えている。キャップ部11b2は、コネクタ部11a1の上部を覆うように設けられている。なお、キャップ部11b2は、基台部11b1から着脱可能に構成されているが、これに限定されるものではなく、例えばヒンジ機構を介して回転自在に取り付けられていてもよい。
【0073】
図6Bに示すように、取付キャップ部11b21は、基台部11b1の上方を覆うように基台部11b1に取り付けられ、電源分岐配線部11aが埃等にさらされることを防止する機能を有する。取付キャップ部11b21の長手方向の両方の端部には、それぞれ、延長キャップ部11b22が接続されている。延長キャップ部11b22を上面からみたときは、延長キャップ部11b22は、基台部11b1の配置位置から、フレーム1の長手方向に突き出すように設けられている。これにより、延長キャップ部11b22の下に電子部品を配置しても、電子部品に埃がつくことを抑制することができる。また、キャップ部11b2は、キャップ部11b2の最上部がフレーム1の最上部の位置よりも低くなるように、フレーム1内に設けられている。具体的には、
図13Bに示すように、電源分岐配線部ケース11bがフレーム1に取り付けられた状態において、取付キャップ部11b21及び延長キャップ部11b22の上端面Sr3は、フレーム1の上端部Sr2の位置以下となっている。これにより、電源分岐配線部ケース11bがフレーム1内に収まることになり、電源分岐配線部ケース11bがブラケット2と干渉してしまうことを回避することができる。また、電源分岐配線部ケース11bがフレーム1内に格納されるため、電動ロールスクリーン100がコンパクトになり、意匠性が向上する。
【0074】
図6Bに示すように、逃げ部11b23は、キャップ部11b2の上面(取付キャップ部11b21の上面及び延長キャップ部11b22の上面)に形成されている。逃げ部11b23は、フレーム1の長手方向に延びるように形成され、逃げ部11b23は、前後に2列形成されている。
図15A及び
図15Bに示すように、逃げ部11b23は、フレーム1をブラケット2に取り付けるときに、キャップ部9b2とブラケット2とが干渉することを回避している。逃げ部9b25の上面は、傾斜面となっており、ブラケット2から逃げるように形成されている。
【0075】
また、実施形態では、
図11Aに示すように、コネクタ部11a1に埃が付着することを抑制する観点から、フレーム1の長手方向における延長キャップ部11b22の長さWa1が、フレーム1の長手方向におけるコネクタ部11a1の長さWb1よりも、長くなっている。実施形態では、これに加えて、フレーム1の長手方向における延長キャップ部11b22の長さWa2が、フレーム1の長手方向におけるコネクタ部11a1の長さWb2よりも、長くなっている。なお、必ずしも、長さWa2が長さWb2よりも長くなっている必要はないが、長さWa2が長さWb2よりも長くなっていることで、埃がコネクタ部11a1に付着することをより確実に抑制することができる。
更に、実施形態では、
図13Bに示すように、フレーム1の短手方向における電源分岐配線部ケース11bの幅Wcが、フレーム1の短手方向におけるフレーム1の開口の幅Wdよりも、広くなっている。これにより、埃がフレーム1内に進入しにくくなっている。
【0076】
3 設置方法の説明
複数台(実施形態では3台)の電動ロールスクリーン100の設置方法について説明する。また、ここでの説明では、作業者が、左側、中央及び右側の順番で、電動ロールスクリーン100をブラケット2に取り付けるものとする。また、作業者は、天井等に、各電動ロールスクリーン100のブラケット2を固定しておく。
【0077】
まず、最初に、左側の電動ロールスクリーン100をブラケット2に取り付ける。
作業者は、左側の電動ロールスクリーン100のフレーム1に、電源制御ユニット9及びモーター制御ユニット10をそれぞれ搭載する。具体的には、
図12Bに示すように、作業者は、フレーム1の開口へ電源制御ユニット9を進入させる際に、電源制御ユニット9の一方側が下方にくるように電源制御ユニット9を斜めに傾ける。作業者は、電源制御ユニット9の一方側をフレーム1内に進入させた後、電源制御ユニット9の他方側を降ろし、電源制御ユニット9をフレーム1内に収める。そして、
図12Cに示すように、作業者は、電源制御ユニット9の嵌合部9b13をフレーム1の孔部1a1内に押し込み、嵌合部9b13を孔部1a1に圧入する。モーター制御ユニット10をフレーム1に取り付ける方法は、電源制御ユニット9と同様なので省略する。また、作業者は、予め電源渡りケーブルc3を電源制御ユニット9に接続しておく。なお、作業者は、左側の電動ロールスクリーン100のフレーム1については、電源制御ユニット9及びモーター制御ユニット10を搭載しておけばよい。つまり、作業者は、左側の電動ロールスクリーン100のフレーム1に電源分岐ユニット11を搭載する必要はない。
【0078】
次に、作業者は、左側の電動ロールスクリーン100をブラケット2に取り付ける。具体的には、
図14A、
図14B、
図15A及び
図15Bに示すように、作業者は、フレーム1の引掛部1b1をブラケット2の被引掛部2aに引っ掛け、フレーム1を回動させて、フレーム1の上端部を係合突部2dに押し付ける。これにより、スライドブロック2Bの係合状態が解除されて、スライドブロック2Bが前進し、フレーム1の引掛部1c1がブラケット2の被引掛部2cに引っ掛かる。
【0079】
次に、中央の電動ロールスクリーン100をブラケット2に取り付ける。
作業者は、中央の電動ロールスクリーン100のフレーム1に、電源制御ユニット9及びモーター制御ユニット10及び電源分岐ユニット11をそれぞれ搭載する。電源制御ユニット9及びモーター制御ユニット10の搭載方法は、右側の電動ロールスクリーン100と同様なので省略する。作業者は、左側の電動ロールスクリーン100から引き出された電源渡りケーブルc3を、電源分岐ユニット11に接続する。作業者は、
図13A及び
図13Bに示すように、電源分岐ユニット11をフレーム1の開口から鉛直下方に降ろし、係合部11b13をフレーム1の突出部1a2に係合させる。そして、作業者は、電源分岐ユニット11を、左側の電動ロールスクリーン100と同様にフレーム1に取り付け、その後、電動ロールスクリーン100(フレーム1)をブラケット2に取り付ける。
【0080】
最後に、左側の電動ロールスクリーン100をブラケット2に取り付ける。
作業者は、予め電源渡りケーブルc3を電源制御ユニット9に接続しておく。その後、作業者は、右側の電動ロールスクリーン100と同様に、フレーム1に、電源制御ユニット9、モーター制御ユニット10及び電源分岐ユニット11をそれぞれ搭載する。最後に、作業者は、電動ロールスクリーン100(フレーム1)をブラケット2に取り付ける。
【0081】
なお、上記設置方法は、一例である。例えば、作業者は、ブラケット2にフレーム1を仮止めし、この仮止め状態時に、作業者は、電源制御ユニット9等のフレーム1への取付作業や、電源分岐ユニット11に電源渡りケーブルc2等の接続作業を実施してもよい。
【0082】
4 変形例
4-1 変形例1
実施形態では、逃げ部9b25がテーパー状に形成されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、逃げ部9b25が段差で形成されていてもよい。すなわち、フレーム1をブラケット2へ取り付けるときにおいて、前側の逃げ部9b25は、係合突部2bへ向かう方向の移動軌跡上でブラケット2の干渉を避けることができるように、逃げ部9b25は段差で形成されていてもよい。なお、フレーム1をブラケット2へ取り付けるときにおいて、スライドブロック2Bが前進する。スライドブロック2Bが前進したときにおいて、係合突部2dが逃げ部9b25へ向かって移動するが、後側の逃げ部9b25が段差で形成されていることで、逃げ部9b25は係合突部2dとの干渉も避けることができる。
【0083】
4-2 変形例2
実施形態では、延長キャップ部11b22の下に電子部品を配置し、電子部品に埃がつくことを抑制する構成を採用したが、これに限定されるものではない。例えば、延長キャップ部11b22に代えて、透明樹脂シートを設けてもよい。
【0084】
4-3 変形例3
図1Bに示す領域Tに透明樹脂シートを配置することも有効である。これにより、ブラケット2にフレーム1を取り付けるときに、電源渡りケーブルc2がブラケット2に挟まれることを防止することができる。
【0085】
4-4 変形例5
図16に示すように、電源分岐ユニットの電源分岐配線部ケースのキャップ部11b2は、長手方向の両端部に設けられた端壁部11b25を備えていてもよい。この端壁部11b25には、切欠部11b26が形成されている。端壁部11b25及び切欠部11b26は、実施形態で説明した端壁部9b23及び切欠部9b24と同様の機能及び効果を有する。
【0086】
4-5 変形例5
実施形態において、フレーム1が孔部1a1を有するものとして説明したがこれに限定されるものではない。変形例5において、フレーム1は、底面部1aと、互いに向かい合う一対の側壁部1b,1cと、突出部1a2とを備えている。そして、部品の一例である基板ケース9bは、底面部1aと、突出部1a2とによって形成される凹部に係合することで、基板ケース9bの移動が規制される形態であってもよい。なお、ここでは説明の便宜上、凹部は、底面部1aと、突出部1a2とによって形成されているものとする。この凹部は、実施形態のようなフレーム1に形成された貫通穴としての孔部1a1とは異なり、フレーム1に形成された有底の凹み部分である。なお、凹部は、底面部1a及び突出部1a2に加えて、側壁部1b又は側壁部1cによって形成されていてもよい。
【0087】
部品の一例である基板ケース9bが、この凹部に係合することで、基板ケース9bの移動が規制され、実施形態と同様の効果が得られる。具体的には、基板ケース9bがこの凹部に係合している状態において、基板ケース9bは、基板ケース9bの動きが規制されるように、凹部内に配置されている。なお、基板ケース9bが、この凹部に係合するにあたり、基板ケース9bとフレーム1との間に多少の隙間ができていてもよい。つまり、基板ケース9bが凹部に圧入される必要はなく、基板ケース9bが凹部内でガタつかないように、基板ケース9bが側壁部1cや突出部1a2によって係合していればよい。
【0088】
また、基板ケース9bの横幅寸法が、凹部の横幅寸法よりも、大きくてもよい。これにより、基板ケース9bが凹部に圧入されることになり、基板ケース9bが凹部に嵌合する。これにより、基板ケース9bは、更に強固に凹部に固定されることになる。なお、上述した横幅寸法は、フレーム1の長手方向に平行な方向の寸法や、フレーム1の短手方向に平行な方向の寸法である。
また、凹部の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、テーパー状に凹んでいてもよいし、鉛直方向に平行に凹んでいてもよい。また、基板ケース9bの底面部自体や横側面自体が、本変形例5の凹部に嵌合してもよいし、実施形態で説明したように、基板ケース9bの嵌合部9b13が、変形例5の凹部に嵌合する形態であってもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 :フレーム
1a :底面部
1a1 :孔部
1a2 :係合部
1b :側壁部
1b1 :引掛部
1b2 :規制部
1c :側壁部
1c1 :引掛部
1c2 :規制部
2 :ブラケット
2A :ブラケット本体
2B :スライドブロック
2a :被引掛部
2b :係合突部
2c :被引掛部
2d :係合突部
3 :サイドブラケット
3a :本体部材
3a1 :引掛部
3a2 :上穴部
3a3 :下穴部
3a4 :上固定部材
3a5 :下固定部材
3b :カバー部材
4 :スクリーン
5 :ウェイトバー
6 :シールド
7 :巻取パイプ
8 :モーターユニット
8a :モーターケース
8a1 :上ケース
8a2 :下ケース
8a21 :挿入部
8b :モーター
8b1 :モーター本体部
8b2 :シャフト
8b3 :伝達部
8c :ケース支持部
8c1 :軸状突部
8c2 :基板収容部
8d :回転部
8d1 :筒状部
8d2 :支持部
8d3 :開口部
8e :モーターアダプタ
8f :基板
8g :ロータリーエンコーダ
8g1 :発光素子
8g2 :受光素子
8h :受光部
9 :電源制御ユニット
9a :電源基板
9b :基板ケース
9b1 :基台部
9b11 :収容部
9b12 :接触面部
9b13 :嵌合部
9b14 :係合穴
9b15 :切欠
9b2 :キャップ部
9b21 :取付キャップ部
9b22 :延長キャップ部
9b23 :端壁部
9b24 :切欠部
9b25 :逃げ部
9b26 :リブ
10 :モーター制御ユニット
10a :制御基板
11 :電源分岐ユニット
11a :電源分岐配線部
11a1 :コネクタ部
11a11 :第1コネクタ部
11a12 :第2コネクタ部
11a13 :第3コネクタ部
11a2 :コード
11a21 :第1コード
11a22 :第2コード
11a23 :第3コード
11a24 :第4コード
11b :電源分岐配線部ケース
11b1 :基台部
11b11 :収容部
11b12 :接触面部
11b13 :係合部
11b14 :係合爪
11b15 :切欠
11b2 :キャップ部
11b21 :取付キャップ部
11b22 :延長キャップ部
11b23 :逃げ部
11b24 :係合孔
100 :電動ロールスクリーン
Sp :空間
Sr1 :上端面
Sr2 :上端部
Sr3 :上端面
c1 :電源ケーブル
c2 :電源渡りケーブル
c3 :電源渡りケーブル
c4 :配線