IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社小松製作所の特許一覧

<>
  • 特許-装軌式搬送車両 図1
  • 特許-装軌式搬送車両 図2
  • 特許-装軌式搬送車両 図3
  • 特許-装軌式搬送車両 図4
  • 特許-装軌式搬送車両 図5
  • 特許-装軌式搬送車両 図6
  • 特許-装軌式搬送車両 図7
  • 特許-装軌式搬送車両 図8
  • 特許-装軌式搬送車両 図9
  • 特許-装軌式搬送車両 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】装軌式搬送車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 13/04 20060101AFI20240614BHJP
   B62D 21/18 20060101ALI20240614BHJP
   B62D 33/06 20060101ALI20240614BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B60K13/04 A
B62D21/18 E
B62D33/06 A
F01N3/08 B ZAB
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020152591
(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公開番号】P2022046941
(43)【公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂 元希
(72)【発明者】
【氏名】山田 健夫
(72)【発明者】
【氏名】杉山 広之
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-147551(JP,A)
【文献】特開2002-079837(JP,A)
【文献】国際公開第2011/033732(WO,A1)
【文献】特開2013-249670(JP,A)
【文献】特開2001-213215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 13/04
B62D 21/18
B62D 33/06
F01N 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履帯を有する走行体と、
前記走行体上に配置された上部体とを備える、装軌式搬送車両において、
前記上部体は、
前記上部体の後部に配置され、運搬物を積載する荷台と、
前記上部体の前部の左右方向の一方側部に配置され、オペレータが搭乗するキャブと、
前記装軌式搬送車両の駆動源であるエンジンと、
前記エンジンから排出された排気を処理する排気処理装置と、
前記キャブに対し前記左右方向の他方側に配置され、前記排気処理装置に供給される還元剤を収容する還元剤タンクと
前記キャブに対し前記左右方向の他方側に、前記還元剤タンクと並んで配置され、前記エンジンに供給される燃料を収容する燃料タンクとを含み、
前記キャブは、前記左右方向の他方側の側面に、前記キャブの内部から前記キャブの外部を視認可能とする窓を有し、
前記還元剤タンクは、前記キャブの上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されており、前記燃料タンクに対し前記左右方向の他方側に配置されている、装軌式搬送車両。
【請求項2】
前記上部体は、前記還元剤タンクを上方から覆う外装カバーをさらに含み、
前記外装カバーは、前記キャブの上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されている、請求項1に記載の装軌式搬送車両。
【請求項3】
前記上部体は、前記燃料タンクを上方から覆う第2外装カバーをさらに含み
前記第2外装カバーは、前記キャブの上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されている、請求項1または2に記載の装軌式搬送車両。
【請求項4】
前記上部体は、前記還元剤タンクを前方から覆う第1前方カバーと、前記燃料タンクを前方から覆う第2前方カバーとをさらに含み、
前記第2前方カバーは前記第1前方カバーよりも前方に配置されている、請求項3に記載の装軌式搬送車両。
【請求項5】
前記上部体は、前記還元剤タンクを上方から覆う外装カバーと、前記第1前方カバーの前方に前記第1前方カバーと隣り合って配置された段差形成部とをさらに含み、
前記段差形成部は前記外装カバーよりも低い上面を有する、請求項4に記載の装軌式搬送車両。
【請求項6】
前記上部体は、前記第2外装カバーの前方に配置された手摺をさらに含み、
前記エンジンは、前記燃料タンクの後方かつ前記荷台の前方に配置されている、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の装軌式搬送車両。
【請求項7】
前記上部体は、油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに供給される作動油を収容する作動油タンクとをさらに含み、
前記作動油タンクは、前記キャブの後方に配置されている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の装軌式搬送車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、装軌式搬送車両に関する。
【背景技術】
【0002】
山岳地、不整地などにおいて、土砂などの運搬物を運搬するため、履帯を有する走行体と、運搬物を積載する荷台とを備えた装軌式搬送車両が、たとえば特開2002-79837号公報(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-79837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排ガス規制の強化に伴い、装軌式搬送車両に、エンジンから排出された排気を処理する排気処理装置を搭載することが検討されている。排気処理装置としては、たとえば、排気中の窒素酸化物を低減する選択還元触媒装置(SCR)がある。この排気処理に使用される還元剤は、還元剤タンクに貯留される。
【0005】
本開示では、排気処理装置が搭載される装軌式搬送車両において、キャブに搭乗したオペレータの視界性を確保するための技術が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従うと、履帯を有する走行体と、走行体上に配置された上部体とを備える、装軌式搬送車両が提案される。上部体は、上部体の後部に配置され、運搬物を積載する荷台と、上部体の前部の左右方向の一方側部に配置され、オペレータが搭乗するキャブと、装軌式搬送車両の駆動源であるエンジンと、エンジンから排出された排気を処理する排気処理装置と、キャブに対し左右方向の他方側に配置され、排気処理装置に供給される還元剤を収容する還元剤タンクとを含んでいる。キャブは、左右方向の他方側の側面に、キャブの内部からキャブの外部を視認可能とする窓を有している。還元剤タンクは、キャブの上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されている。
【0007】
なお、本明細書中では、還元剤および還元剤の前駆体を「還元剤」として総称するものとする。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る装軌式搬送車両によれば、キャブに搭乗したオペレータの視界性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一実施形態に基づく装軌式搬送車両を右側方から見た図である。
図2図1に示される装軌式搬送車両を前方から見た図である。
図3図1に示される装軌式搬送車両を上方から見た図である。
図4図1に示される装軌式搬送車両の右前方からの斜視図である。
図5】上部体に搭載された装置の配置を模式的に示す平面図である。
図6】燃料タンクおよび還元剤タンクの配置を示す前方からの図である。
図7】還元剤タンクケースの開閉蓋を開けた状態の右前方からの斜視図である。
図8】エンジンルームの開閉扉を開けた状態の前方からの図である。
図9】第二実施形態に基づく装軌式搬送車両の右前方からの斜視図である。
図10】第三実施形態に基づく装軌式搬送車両の右前方からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面に基づいて説明する。以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に基づく装軌式搬送車両1を右側方から見た図である。図2は、図1に示される装軌式搬送車両1を前方から見た図である。図3は、図1に示される装軌式搬送車両1を上方から見た図である。図4は、図1に示される装軌式搬送車両1の右前方からの斜視図である。
【0012】
図1~4に示されるように、装軌式搬送車両1は、走行体2と、上部体10とを備えている。走行体2と上部体10とにより、装軌式搬送車両1の車両本体が構成されている。
【0013】
走行体2は、トラックフレーム3と、駆動輪4と、遊動輪5と、履帯6とを含んでいる。
【0014】
トラックフレーム3は、前後方向に延びている。駆動輪4は、前後方向におけるトラックフレーム3の一端に取り付けられており、図示しない走行モータによって回転駆動される。遊動輪5は、前後方向におけるトラックフレーム3の他端に回転可能に取り付けられている。履帯6は、駆動輪4と遊動輪5とに巻き掛けられている。履帯6は、地面に接触する接地面を有している。図2に示されるように、駆動輪4、遊動輪5および履帯6は、左右一対に設けられており、トラックフレーム3の左端および右端に配設されている。駆動輪4の回転駆動に伴って履帯6が回転することにより、装軌式搬送車両1は自走可能に構成されている。
【0015】
上部体10は、走行体2の上方に配置されている。トラックフレーム3上に旋回サークル部8が搭載されており、旋回サークル部8上に上部体10が搭載されている。上部体10は、旋回サークル部8を介して、走行体2に対して相対的に旋回可能に、走行体2に搭載されている。上部体10は、旋回サークル部8を介さずに走行体2に搭載されて、走行体2に対して相対的に回転不能に構成されていてもよい。
【0016】
実施形態においては、上部体10に設けられるキャブ20内の運転席に着座したオペレータOPを基準として、装軌式搬送車両1の各部の位置関係について説明する。前後方向とは、運転席に着座したオペレータOPの前後方向をいう。左右方向(車幅方向)とは、運転席に着座したオペレータOPの左右方向をいう。上下方向とは、運転席に着座したオペレータOPの上下方向をいう。
【0017】
運転席に着座したオペレータOPに正対する方向が前方向であり、前方向と反対の方向が後方向である。運転席に着座したオペレータOPが正面に正対したときの右側、左側がそれぞれ右方向、左方向である。運転席に着座したオペレータOPの足下側が下側、頭上側が上側である。
【0018】
走行体2が直進走行する方向が前後方向であり、平面視において前後方向と直交する方向が左右方向である。上部体10が走行体2に対して旋回した状態で、上記のオペレータ基準の前後方向と、トラックフレーム3の延在方向(図1,3においては図中の左右方向、図2においては紙面垂直方向)とが一致しないことがある。
【0019】
上部体10は、車体フレーム11を含んでいる。車体フレーム11は、トラックフレーム3上に、旋回サークル部8を介して取り付けられている。旋回サークル部8は、平面視した装軌式搬送車両1の略中央部に配置されている。旋回サークル部8は、円環状の概略形状を有しており、内周面に旋回用の内歯を有している。この内歯と噛み合うピニオンが装着された図示しない旋回モータから駆動力が伝達されて旋回サークル部8が回転することにより、車体フレーム11がトラックフレーム3に対して相対的に旋回自在とされている。
【0020】
上部体10を構成する各構造物は、車体フレーム11上に搭載されて、車体フレーム11によって支持されている。車体フレーム11は、前縁11Fと、右縁11Rとを有している。右側の履帯6の前方の位置に、車体フレーム11の右縁11Rから下方に延びる右ステップ17が設けられている。左側の履帯6の前方の位置に、車体フレーム11の左縁から下方に延びる左ステップ18が設けられている。
【0021】
上部体10は、荷台12を含んでいる。荷台12は、車体フレーム11に搭載されている。荷台12は、上部体10の後部に配置されている。荷台12は、上方が開口した有底の箱状に形成されている。荷台12は、後述する荷台昇降用シリンダ13,14の伸縮によって、起伏自在に構成されている。荷台12には、土砂などの運搬物が積載される。
【0022】
上部体10は、キャブ20を含んでいる。キャブ20は、車体フレーム11に搭載されている。オペレータOPは、キャブ20に搭乗して、装軌式搬送車両1を操作する。キャブ20は、上部体10の前部の、左右方向の一方側部に配置されている。具体的にはキャブ20は、上部体10の前部左側に配置されている。キャブ20は、車体フレーム11の前縁11Fの近傍かつ車体フレーム11の左縁の近傍の位置に配置されている。キャブ20に搭乗するオペレータOPは、地面に立った状態から左ステップ18を登って、キャブ20にアクセスすることができる。
【0023】
キャブ20の内部には、オペレータOPが着座する運転席が設けられている。運転席は、平面視においてキャブ20の略中央部に配置されている。
【0024】
キャブ20内の前部の、左右方向の中央部に、右走行レバー21と左走行レバー23とが配置されている。右走行レバー21は、その先端(上端)に、オペレータOPが把持する握り部22を有している。左走行レバー23は、その先端(上端)に、オペレータOPが把持する握り部24を有している。右走行レバー21と左走行レバー23とは、装軌式搬送車両1の走行操作のためにオペレータOPが操作するレバーである。
【0025】
キャブ20の内部の、運転席に対して左側に、操作レバー27が配置されている。操作レバー27は、その先端(上端)に、オペレータOPが把持する握り部28を有している。操作レバー27は、荷台12の昇降操作および走行体2に対する上部体10の旋回操作のために、オペレータOPが操作するレバーである。
【0026】
キャブ20は、前面に、前窓31を有している。キャブ20は、右側面に、右窓32を有している。キャブ20は、左側面に、左窓33を有している。キャブ20は、上面に、天窓34を有している。前窓31、右窓32、左窓33および天窓34は、ガラスに代表される透明材料製である。前窓31、右窓32、左窓33および天窓34によって、キャブ20の内部からキャブ20の外部を視認可能とされている。キャブ20に搭乗したオペレータOPは、前窓31、右窓32、左窓33および天窓34を通して、装軌式搬送車両1の前方、右方、左方および上方を視認可能である。
【0027】
キャブ20に対して右側に、燃料タンク60(図1~4には不図示)が配置されている。燃料タンク60は、装軌式搬送車両1の駆動源であるエンジン41(図1~4には不図示)に供給される燃料を収容する。
【0028】
燃料タンク60は、燃料タンクケース64の内部の収容空間に収容されている。燃料タンクケース64は、燃料タンク60を上方から覆う天板65を有している。天板65は、実施形態における第2外装カバーに相当する。燃料タンクケース64は、燃料タンク60を前方から覆う前板66を有している。前板66は、実施形態における第2前方カバーに相当する。
【0029】
燃料タンク60は、給油口62を有している。燃料タンク60の上面から、給油口62が突出している。給油口62は、燃料タンク60から上方に延び、燃料タンク60の上方を覆う天板65を貫通して、燃料タンクケース64の外部に露出している。給油口62に容易にアクセスが可能とされていることで、燃料タンク60に燃料を補給する給油作業が容易になっている。作業者は、タンクローリーのホースを給油口62に差し込んで、給油作業を行うことができる。
【0030】
キャブ20に対して右側に、還元剤タンク70(図1~4には不図示)が配置されている。還元剤タンク70は、後述する排気処理装置56に供給される還元剤を収容する。還元剤としては、たとえば尿素水が好適に用いられるが、これに限られるものではない。
【0031】
還元剤タンク70は、還元剤タンクケース74の内部の収容空間に収容されている。還元剤タンクケース74は、還元剤タンク70を上方から覆う天板75を有している。天板75は、実施形態における外装カバーに相当する。還元剤タンクケース74は、還元剤タンク70を前方から覆う前板76を有している。前板76は、実施形態における第1前方カバーに相当する。
【0032】
還元剤タンク70は、前板76と天板75とに亘って形成された開閉蓋77を有している。開閉蓋77は、天板75にヒンジ結合されている。開閉蓋77は、ハンドル部78を有している。作業者は、ハンドル部78を手で操作しながら開閉蓋77を持ち上げて開閉蓋77を開けることにより、還元剤タンクケース74内に収容されている還元剤タンク70を外部に露出させて、還元剤タンク70へのアクセスを可能にすることができる。
【0033】
前後方向において、燃料タンクケース64の前板66は、還元剤タンクケース74の前板76よりも前方に配置されている。還元剤タンクケース74の前板76は、燃料タンクケース64の前板66よりも、車体フレーム11の前縁11Fから後方に離れて配置されている。
【0034】
還元剤タンクケース74の前板76と車体フレーム11の前縁11Fとの間の空間に、段差形成部81が配置されている。段差形成部81は、還元剤タンクケース74の前板76の前方に配置されている。段差形成部81は、還元剤タンクケース74の前板66と隣り合って配置されている。段差形成部81は、前板66の直ぐ前方に配置されている。段差形成部81は、略矩形箱状の形状を有している。段差形成部81は、中空の内部空間を有していてもよい。この内部空間は、車体フレーム11の右縁11Rの側からアクセス可能とされ、装軌式搬送車両1のメンテナンス作業用の工具などの物品が収容される収容空間として形成されていてもよい。
【0035】
段差形成部81は、車体フレーム11の前縁11Fから後方に離れて配置されている。前後方向における、車体フレーム11の前縁11Fと段差形成部81との間に、足場83が設けられている。段差形成部81の上面は、足場84を構成している。足場84は、足場83よりも上方に配置されている。
【0036】
燃料タンクケース64の天板65と、還元剤タンクケース74の天板75とは、上下方向における略同じ高さ位置に配置されている。天板65と天板75とは、車体フレーム11の上方の、略同一平面上に設けられた足場85を構成している。足場85は、足場84よりも上方に配置されている。
【0037】
装軌式搬送車両1のメンテナンス作業を行う作業者は、地面に立った状態から、右ステップ17を登って足場83に到達し、足場84を経由して、足場85へアクセスすることができる。足場83,84,85には、その上を歩行する作業者が足を滑らせることを抑制するための、滑り止め構造が設けられていてもよい。
【0038】
足場83の前方に、手摺91が配置されている。足場84の左方に、手摺92が配置されている。足場85を構成する還元剤タンクケース74の天板75の右方に、手摺93が配置されている。足場85を構成する燃料タンクケース64の天板65の前方に、手摺94が配置されている。作業者は、手摺91,92,93,94を適宜左右の手で掴んで身体を三点支持しながら移動することにより、地面から足場85上へ容易かつ確実にアクセスすることができる。
【0039】
燃料タンクケース64の後方に、図1~4には図示しないエンジン41を収容するエンジンルーム40が配置されている。エンジンルーム40を区画する筐体の前面に、開閉扉47が設けられている。開閉扉47は、ハンドル部48を有している。作業者は、ハンドル部48を手で操作して開閉扉47を空けることにより、エンジンルーム40を露出させることができる。
【0040】
エンジンルーム40の上方に、エアクリーナ43が配置されている。エアクリーナ43は、エンジン41に供給される空気から粉塵などを除去するための部材である。エアクリーナ43を通過した空気が、エンジン41に供給される。エアクリーナ43は、足場85の上方に配置されている。エアクリーナ43は、足場85の後方に配置されている。エアクリーナ43は、燃料タンクケース64の後方に配置されている。
【0041】
図5は、上部体10に搭載された装置の配置を模式的に示す平面図である。既に述べたように、荷台12は、上部体10の後部に配置されている。キャブ20は、上部体10の前部左側に配置されている。
【0042】
荷台12の下方に、荷台昇降用シリンダ13,14が配置されている。荷台昇降用シリンダ13,14は、車体フレーム11に搭載されている。荷台昇降用シリンダ13,14は、車体フレーム11に回転可能に連結される一端と、荷台12の下面に回転可能に連結される他端とを有している。
【0043】
荷台昇降用シリンダ13,14は、荷台12を起伏させる。たとえば荷台昇降用シリンダ13,14を伸長させることにより、車体フレーム11に対して荷台12を傾斜させることができる。これにより、荷台12に積載された土砂などの運搬物を、荷台12から排出することが可能とされている。荷台12が傾斜した状態から荷台昇降用シリンダ13,14を収縮させることにより、荷台12の元の位置に戻すことができる。
【0044】
燃料タンク60は、車体フレーム11に搭載されている。燃料タンク60は、キャブ20に対し右側に配置されている。還元剤タンク70は、車体フレーム11に搭載されている。還元剤タンク70は、キャブ20に対し右側に配置されている。還元剤タンク70は、燃料タンク60の右隣に配置されている。燃料タンク60と還元剤タンク70とは、左右方向に並んで配置されている。
【0045】
還元剤タンク70は、補給口72を有している。補給口72は、還元剤タンク70から前方斜め上に向かって突き出している。
【0046】
エンジン41は、車体フレーム11に搭載されている。エンジン41は、前後方向において、燃料タンク60と荷台12との間に配置されている。エンジン41は、燃料タンク60の後方、かつ荷台12の前方に配置されている。エンジン41は、燃料タンクケース64の天板65の、直ぐ後方に配置されている。エンジン41は、キャブ20に対して後方右側に配置されている。
【0047】
エンジン41の出力軸は、左右方向に延びている。エンジン41の出力軸に、油圧ポンプ42が連結されている。油圧ポンプ42は、車体フレーム11に搭載されている。油圧ポンプ42は、エンジン41に対して左方に配置されている。油圧ポンプ42は、キャブ20の後方に配置されている。油圧ポンプ42は、エンジン41の動力を受けて作動する。油圧ポンプ42は、荷台昇降用シリンダ13,14、および上部体10を走行体2に対して旋回させる旋回モータなどの、各種の油圧アクチュエータに作動油を供給する。
【0048】
油圧アクチュエータに供給される作動油は、作動油タンク50に収容される。作動油タンク50は、車体フレーム11に搭載されている。作動油タンク50は、キャブ20の後方に配置されている。作動油タンク50は、油圧ポンプ42の後方に配置されている。作動油タンク50を油圧ポンプ42の近くに配置することにより、作動油を油圧ポンプ42で圧送するときの作動油の流れの圧力損失が低減されている。
【0049】
エンジン41を冷却するために用いられる冷却装置46は、車体フレーム11に搭載されている。冷却装置46は、たとえば熱交換器と、熱交換器に冷却風を供給する送風装置とを含んでいる。冷却装置46は、エンジン41に対して右方に配置されている。冷却装置46は、還元剤タンク70の後方に配置されている。
【0050】
エンジン41から排出された排気を処理する排気処理装置56は、車体フレーム11に搭載されている。排気処理装置56は、キャブ20の後方に配置されている。排気処理装置56は、油圧ポンプ42の後方、かつ作動油タンク50の前方に配置されている。
【0051】
排気処理装置56は、選択触媒還元装置を含んでいる。選択触媒還元装置は、還元剤との反応によって排気中に含まれている窒素酸化物(NO)を還元し、窒素酸化物を無害な窒素ガスに化学変化して、排気中の窒素酸化物濃度を低下させる。選択触媒還元装置は、原理的には、還元剤としての尿素水を排気中に噴射することで高温下で加水分解させて得られたアンモニア(NH)により、窒素酸化物NOを還元し、窒素(N)と水(HO)とを生成するものである。
【0052】
排気処理装置56は、エンジン41の排気に含まれる粒子状物質(PM)をフィルタによって捕集するディーゼル微粒子捕集フィルタ(DPF)装置を含んでもよい。排気処理装置56は、エンジン41の排気に含まれるPM中の可溶性有機成分(SOF)、CO(一酸化炭素)、およびHC(炭化水素)を酸化して除去するディーゼル酸化触媒(DOC)装置を含んでもよい。
【0053】
図6は、燃料タンク60および還元剤タンク70の配置を示す前方からの図である。図6では、図2に示される燃料タンクケース64、還元剤タンクケース74および手摺91,92,93,94は、図示を省略されている。
【0054】
キャブ20の右方に燃料タンク60が配置され、燃料タンク60の右方に還元剤タンク70が配置されている。還元剤タンク70の上面は、燃料タンク60の上面よりも低く配置されている。燃料タンク60と還元剤タンク70との各々の上面は、キャブ20の上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されている。燃料タンク60と還元剤タンク70との各々の上面は、キャブ20の底面から天面までの上下方向の寸法(キャブ20の高さ)の半分の位置よりも、低い位置に配置されている。燃料タンク60の全体が、キャブ20の上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されている。還元剤タンク70の全体が、キャブ20の上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されている。
【0055】
燃料タンク60と還元剤タンク70との各々の上面は、キャブ20内の右走行レバー21および左走行レバー23の握り部22,24よりも低く配置されている。燃料タンク60と還元剤タンク70との各々の上面は、キャブ20内の操作レバー27の握り部28よりも低く配置されている。
【0056】
図2を併せて参照して、燃料タンク60を上方から覆う燃料タンクケース64の天板65と、還元剤タンク70を上方から覆う還元剤タンクケース74の天板75とは、キャブ20の上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されている。天板65,75は、キャブ20の底面から天面までの上下方向の寸法(キャブ20の高さ)の半分の位置よりも、低い位置に配置されている。燃料タンクケース64の全体が、キャブ20の上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されている。還元剤タンクケース74の全体が、キャブ20の上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されている。
【0057】
天板65,75は、キャブ20内の右走行レバー21および左走行レバー23の握り部22,24よりも低く配置されている。天板65,75は、キャブ20内の操作レバー27の握り部28よりも低く配置されている。右方から水平方向に見て、天板65,75は、キャブ20の右窓32と重なる位置にある。
【0058】
図7は、還元剤タンクケース74の開閉蓋77を開けた状態の右前方からの斜視図である。開閉蓋77を開けることにより、還元剤タンク70の補給口72が外部に露出する。作業者は、補給用の還元剤が収容されたコンテナを補給口72に接続して、還元剤を還元剤タンク70内に流入させ、還元剤タンク70内へ還元剤を補給する。還元剤のコンテナは、ポリエチレン製の容器をさらにダンボールで外装した、バッグインボックスであってもよい。
【0059】
補給口72が前方斜め上へ突き出しており、還元剤タンクケース74の前方には段差形成部81が配置されている。作業者は、還元剤のコンテナを段差形成部81の上面(足場84)に載せ置いて、開閉蓋77を開けて、前方から還元剤の補給作業を行うことができる。これにより補給作業の作業性が向上されており、還元剤タンク70へ還元剤を容易に補給することができる。
【0060】
図8は、エンジンルーム40の開閉扉47を開けた状態の前方からの図である。開閉扉47は、エンジンルーム40を区画する筐体の前面にヒンジを介して取り付けられていてもよい。図8では、簡略化のため開閉扉47は図示を省略されている。
【0061】
開閉扉47が開けられたことにより、エンジン41が外部から視認可能とされている。エンジン41の前方に、燃料フィルタ44と、エンジンオイル供給口45とが配置されている。燃料フィルタ44は、燃料タンク60からエンジン41へ流れる燃料の経路中に設けられており、燃料中に含まれる不純物を濾過する。エンジンオイル供給口45から、エンジンオイルがエンジン41に供給される。
【0062】
エンジン41の補機であるエアクリーナ43、燃料フィルタ44、エンジンオイル供給口45は、燃料タンクケース64の天板65の直ぐ後方に配置されている。作業者は、天板65(足場85)に載って、エアクリーナ43、燃料フィルタ44、エンジンオイル供給口45に容易にアクセスすることができる。これにより作業者は、エアクリーナ43、燃料フィルタ44、エンジンオイル供給口45のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0063】
燃料フィルタ44およびエンジンオイル供給口45は、上下方向において、燃料タンクケース64の天板65(足場85)の直ぐ上方に配置されている。たとえば燃料フィルタ44およびエンジンオイル供給口45は、天板65(足場85)よりも高く、エンジン41の上端よりも低く、全開状態の還元剤タンクケース74の開閉蓋77の上縁よりも低く配置されている。作業者は、足場85上で座って燃料フィルタ44およびエンジンオイル供給口45のメンテナンス作業を行うことができるので、メンテナンス作業の作業性が向上されている。
【0064】
上述した説明と一部重複する記載もあるが、本実施形態の特徴的な構成および作用効果についてまとめて記載すると、以下の通りである。
【0065】
図4に示されるように、キャブ20は、右側面に右窓32を有している。図5,6に示されるように、還元剤タンク70は、キャブ20に対し右側に配置されている。図6に示されるように、還元剤タンク70は、キャブ20の上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されている。
【0066】
キャブ20の右側に配置された還元剤タンク70の高さを抑え、キャブ20内の運転席に着座したオペレータOPの視点よりも還元剤タンク70を低くする。これによりオペレータOPは、右窓32を通してキャブ20の右側を直視で見ることが可能となる。排ガス規制を遵守するために排気処理装置56および還元剤タンク70が搭載される装軌式搬送車両1においても、還元剤タンク70がオペレータOPの視界が妨げとなることを抑制することで、キャブ20に搭乗したオペレータOPの側方の視界性を確保することができる。
【0067】
図2に示されるように、還元剤タンクケース74の天板75は、キャブ20の上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されている。
【0068】
キャブ20の右側に配置された還元剤タンクケース74の天板75の高さを抑え、キャブ20内の運転席に着座したオペレータOPの視点よりも天板75を低くする。これによりオペレータOPは、右窓32を通してキャブ20の右側を直視で見ることが可能となる。還元剤タンクケース74がオペレータOPの視界が妨げとなることを抑制することで、キャブ20に搭乗したオペレータOPの側方の視界性を確保することができる。
【0069】
図5,6に示されるように、燃料タンク60は、キャブ20に対し右側に配置されている。図2に示されるように、燃料タンクケース64の天板65は、キャブ20の上下方向長さの半分の位置よりも低く配置されている。
【0070】
キャブ20の右側に配置された燃料タンクケース64の天板65の高さを抑え、キャブ20内の運転席に着座したオペレータOPの視点よりも天板65を低くする。これによりオペレータOPは、右窓32を通してキャブ20の右側を直視で見ることが可能となる。燃料タンクケース64がオペレータOPの視界が妨げとなることを抑制することで、キャブ20に搭乗したオペレータOPの側方の視界性を確保することができる。
【0071】
燃料タンク60と還元剤タンク70とを並べて配置することで、燃料タンク60の給油口62と還元剤タンク70の補給口72とが近く配置される。そのため、燃料タンク60への給油作業および還元剤タンク70への還元剤の補給作業の作業性を向上することができる。
【0072】
図4に示されるように、燃料タンクケース64の前板66は、還元剤タンクケース74の前板76よりも前方に配置されている。給油の頻度を低くするために還元剤タンク70の容量よりも燃料タンク60の容量を大きくするのが望ましい。前板66を前板76よりも前方に配置することで、容量の大きい燃料タンク60の車体フレーム11上の配置計画が容易になる。
【0073】
容量のより小さい還元剤タンク70を収容する還元剤タンクケース74が車体フレーム11の右端に配置されていることで、還元剤タンクケース74の前方の車体フレーム11上に足場83を形成することができる。装軌式搬送車両1のメンテナンス作業を行う作業者は、車体フレーム11の右縁11Rに取り付けられた右ステップ17を登って、足場83に容易にアクセスすることができる。
【0074】
図4に示されるように、段差形成部81は、還元剤タンクケース74の前板76の前方に、前板76と隣り合って配置されている。段差形成部81は、還元剤タンクケース74の天板75よりも低い上面を有している。段差形成部81の高さを抑えることで、段差形成部81がオペレータOPの視界の妨げとなることが抑制されている。段差形成部81は、車体フレーム11と還元剤タンクケース74の天板75との間のアクセス通路となる階段を形成する。装軌式搬送車両1のメンテナンス作業を行う作業者は、車体フレーム11上の足場83から、段差形成部81の上面の足場84を利用して、還元剤タンクケース74の天板75上の足場85まで容易にアクセスすることができる。
【0075】
図4に示されるように、燃料タンクケース64の天板65の前方に、手摺94が配置されている。図5に示されるように、エンジン41は、燃料タンク60の後方かつ荷台12の前方に配置されている。手摺94を設けることで、燃料タンクケース64の天板65上のスペースを、メンテナンス作業用のスペースとして利用することが可能になる。エンジン41が天板65の直ぐ後方に配置されているので、天板65に載った作業者が、燃料フィルタ44などのエンジン41の補機に容易にアクセスできる。したがってメンテナンス作業の作業性を向上することができる。
【0076】
図5に示されるように、作動油タンク50は、キャブ20の後方に配置されている。作動油タンク50は定期的なメンテナンス作業を必要としないので、キャブ20の後方の、相対的にアクセスが容易でない位置に作動油タンク50を配置しても、装軌式搬送車両1のメンテナンス作業に影響することがない。したがって、還元剤タンク70への還元剤の補給作業を含むメンテナンス作業の作業性を確保することができる。
【0077】
[第二実施形態]
図9は、第二実施形態に基づく装軌式搬送車両1の右前方からの斜視図である。燃料タンクケース64および還元剤タンクケース74の配置は、第一実施形態で説明した例に限られない。たとえば燃料タンクケース64と還元剤タンクケース74とを、図9に示される配置としてもよい。
【0078】
図9では、車体フレーム11の前部左側に配置されたキャブ20の右側に、燃料タンク60と還元剤タンク70とが配置されている。燃料タンクケース64と還元剤タンクケース74との両方が、キャブ20の右側面の右方に、キャブ20の右側面と隣り合って配置されている。燃料タンクケース64の左側面と還元剤タンクケース74の左側面とは、左右方向において略同じ位置にある。容量の大きい燃料タンク60は、還元剤タンク70よりも左右方向の寸法が大きく形成されており、これにより燃料タンクケース64の右側面が、還元剤タンクケース74の右側面よりも右方にある。
【0079】
前後方向において、還元剤タンク70が前に配置され、燃料タンク60が後に配置されるように、並んで配置されている。還元剤タンクケース74の前面が、燃料タンクケース64の前面よりも前方にある。燃料タンクケース64の上面と還元剤タンクケース74の上面とは、上下方向において略同じ位置にある。
【0080】
このような配置において、還元剤タンクケース74の天板75と燃料タンクケース64の天板65とを、キャブ20の上下方向長さの半分の位置よりも低く配置する。天板65,75を、キャブ20の底面から天面までの上下方向の寸法(キャブ20の高さ)の半分の位置よりも、低い位置に配置する。天板65,75を、キャブ20内の右走行レバー21および左走行レバー23の握り部22,24よりも低く配置する。天板65,75を、キャブ20内の操作レバー27の握り部28よりも低く配置する。これにより、キャブ20に搭乗したオペレータOPの側方の視界性を確保できる効果を、第一実施形態と同様に得ることができる。
【0081】
燃料タンクケース64には、上面の右端部が下方に向かって傾斜する面取り部が形成されている。燃料タンクケース64に対して右側の車体フレーム11上に、足場83が形成されている。燃料タンクケース64の面取り部が、足場84を構成する。燃料タンクケース64の上面が、足場85を構成する。作業者は、足場83,84を順に通って、燃料タンクケース64上の足場85に容易にアクセスすることができる。作業者は、足場85に載って、エンジン41の補機などのメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0082】
[第三実施形態]
図10は、第三実施形態に基づく装軌式搬送車両1の右前方からの斜視図である。燃料タンクケース64および還元剤タンクケース74の配置は、第一および第二実施形態で説明した例に限られない。たとえば燃料タンクケース64と還元剤タンクケース74とを、図10に示される配置としてもよい。
【0083】
図10では、車体フレーム11の前部左側に配置されたキャブ20の右側に、燃料タンク60と還元剤タンク70とが配置されている。燃料タンクケース64がキャブ20の右隣に配置されており、還元剤タンクケース74は燃料タンクケース64に対して右方に配置されている。左右方向において、還元剤タンク70が右に配置され、燃料タンク60が左に配置されるように、並んで配置されている。還元剤タンクケース74の右側面が、燃料タンクケース64の右側面よりも右方にある。
【0084】
容量の大きい燃料タンク60は、還元剤タンク70よりも前後方向の寸法が大きく形成されており、これにより燃料タンクケース64の前面が、還元剤タンクケース74の前面よりも前方にある。燃料タンクケース64の上面と還元剤タンクケース74の上面とは、上下方向において略同じ位置にある。
【0085】
このような配置において、還元剤タンクケース74の天板75と燃料タンクケース64の天板65とを、キャブ20の上下方向長さの半分の位置よりも低く配置する。天板65,75を、キャブ20の底面から天面までの上下方向の寸法(キャブ20の高さ)の半分の位置よりも、低い位置に配置する。天板65,75を、キャブ20内の右走行レバー21および左走行レバー23の握り部22,24よりも低く配置する。天板65,75を、キャブ20内の操作レバー27の握り部28よりも低く配置する。これにより、キャブ20に搭乗したオペレータOPの側方の視界性を確保できる効果を、第一実施形態と同様に得ることができる。
【0086】
還元剤タンクケース74に対して右側の車体フレーム11上に、足場83が形成されている。還元剤タンクケース74の右側に、右方へ向かうにつれて下方へ向かう傾斜部が形成されており、この傾斜部が足場84を構成する。傾斜部は、還元剤タンクケース74に形成された面取り部であってもよい。還元剤タンクケース74および燃料タンクケース64の上面が、足場85を構成する。足場83,84を順に通って、足場85に容易にアクセスすることができる。作業者は、足場85に載って、エンジン41の補機などのメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0087】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
1 装軌式搬送車両、2 走行体、6 履帯、10 上部体、11 車体フレーム、11F 前縁、11R 右縁、12 荷台、13,14 荷台昇降用シリンダ、20 キャブ、21 右走行レバー、22,24,28 握り部、23 左走行レバー、27 操作レバー、31 前窓、32 右窓、33 左窓、34 天窓、40 エンジンルーム、41 エンジン、42 油圧ポンプ、43 エアクリーナ、44 燃料フィルタ、45 エンジンオイル供給口、46 冷却装置、47 開閉扉、48,78 ハンドル部、50 作動油タンク、56 排気処理装置、60 燃料タンク、62 給油口、64 燃料タンクケース、65,75 天板、66,76 前板、70 還元剤タンク、72 補給口、74 還元剤タンクケース、77 開閉蓋、81 段差形成部、83,84,85 足場、91,92,93,94 手摺、OP オペレータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10