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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】シール構造体
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20240614BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
F16J15/10 Y
H01R13/52 301G
F16J15/10 N
F16J15/10 X
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020169291
(22)【出願日】2020-10-06
(65)【公開番号】P2022061342
(43)【公開日】2022-04-18
【審査請求日】2023-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】永井 隆一
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-098055(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0074741(US,A1)
【文献】特開2010-080106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/00-15/14
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1層と第2層とを含むシール構造体であって、前記第1層が第1上方凸部を有し、前記第2層が第1上方凸部を有し、前記第1層の第1上方凸部の少なくとも一部が前記第2層の第1上方凸部で覆われていて、前記第1層の組成材料が前記第2層の組成材料よりも硬く、前記第1層および前記第2層が、相互に同一種類で硬さの異なる樹脂である、シール構造体。
【請求項2】
前記第2層の第1上方凸部が可撓性を有する、請求項1に記載のシール構造体。
【請求項3】
前記第2層の第1上方凸部の高さが、該第1上方凸部の全体の高さに対して50%未満の範囲内で変動する、請求項1または2に記載のシール構造体。
【請求項4】
前記第1層が少なくとも1つの第2上方凸部をさらに有し、前記第2層が少なくとも1つの第2上方凸部をさらに有し、前記第1層の第2上方凸部の少なくとも一部が前記第2層の第2上方凸部で覆われている、請求項1~のいずれか1項に記載のシール構造体。
【請求項5】
前記第1層が少なくとも1つの第3上方凸部をさらに有し、前記第2層が少なくとも1つの第3上方凸部をさらに有し、前記第1層の第3上方凸部の少なくとも一部が前記第2層の第3上方凸部で覆われている、請求項に記載のシール構造体。
【請求項6】
前記第1層の第1上方凸部の組成材料と、前記第1層の第2上方凸部および/または第3上方凸部の組成材料とが互いに異なる硬度を有する、あるいは
前記第2層の第1上方凸部の組成材料と、前記第2層の第2上方凸部および/または第3上方凸部の組成材料とが互いに異なる硬度を有する、請求項に記載のシール構造体。
【請求項7】
さらに第3層を含み、該第3層と前記第2層との間に前記第1層が位置付けられている、請求項1~のいずれか1項に記載のシール構造体。
【請求項8】
前記第1層は前記第3層に対向する側に少なくとも1つの第1下方凸部を有し、前記第3層も少なくとも1つの第1下方凸部を有し、前記第1層の第1下方凸部の少なくとも一部が前記第3層の第1下方凸部で覆われていて、前記第1層の組成材料が前記第3層の組成材料よりも硬い、請求項に記載のシール構造体。
【請求項9】
前記シール構造体が積層体である、請求項1~のいずれか1項に記載のシール構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はシール構造体に関する。より具体的には、本開示は、コネクター、特にコネクターのハウジングなどに使用することができるシール構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
シール構造体、例えば電気接続用のコネクターなどに使用することができるシール構造体が知られている(特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-119022号公報
【文献】特開2005- 5035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1には、成形時における変形の発生の防止を目的とした弾性体から成るコネクターシールが開示されている。特許文献2には、防水コネクター用のゴム栓が開示されている。
【0005】
本願発明者は、従前のシール構造体には克服すべき課題があることに気付き、そのための対策を取る必要性を見出した。具体的には以下の課題があることを本願発明者は見出した。
【0006】
例えば特許文献1および特許文献2に記載の従前のシール構造体では、その表面に設けられた凸部によって、例えばコネクターのハウジングなどの被シール構造体に対してシールを形成している(特許文献1の図1および図2ならびに特許文献2の図1および図2参照)。
【0007】
例えば図13の模式的な断面図で示す通り、従前のシール構造体(X)は、少なくとも1つの凸部(Y)を有するように構成されている(図13A参照)。尚、従前のシール構造体の凸部(Y)は、説明の便宜上、三角形の形状で簡略化して示している。
【0008】
従前のシール構造体の凸部(Y)は、ゴムなどの弾性体から形成されている。凸部(Y)は、例えばコネクターのハウジングなどの被シール構造体(S)に矢印Dの方向で進入または挿入されて、その頂部が変形する(図13B参照)。このようにして凸部(Y)の頂部が変形することで被シール構造体(S)に対するシール性を確保している。
【0009】
例えば図13Bに示すように、変形した凸部(Y’)は、例えばFの力で被シール構造体(S)を押圧するが、凸部(Y)の異常な変形により、被シール構造体(S)を押圧する力(F)が低下する虞がある。つまり、シール性が低下する虞がある。
【0010】
例えば図13Cに示すように、変形前の凸部(Y)の全体の高さ(h)に対して、変形後では、高さ(h)だけ頂部の高さが減少する。凸部(Y)の異常な変形により、この頂部の高さが50%以上低下する場合もある(つまり、h/hの値が1/2以上となる場合がある)。そのため、従来のシール構造体(X)では、このような異常な変形によって、凸部(Y’)が被シール構造体(S)を押圧する力(F)が低下する(図13B参照)。ひいてはシール性が低下する。
【0011】
さらに、図13Cに示すように、凸部(Y)の変形によって、変形前の凸部(Y)の全幅(w)に対して、変形後では、凸部(Y)の頂部が幅(w)だけ変位する。凸部(Y)の異常な変形により、頂部が幅方向に50%以上変位する場合もある(つまりw/wの値が1/2以上となる)。そのため、従来のシール構造体(X)では、凸部と凸部との間に間隔を設ける必要があり、シール構造体(X)の全幅を小さくすること、すなわちシール構造体の幅方向の小型化は困難であった。また、当該分野では、シール構造体の厚み方向の寸法を減少させることとも求められている。
【0012】
本願発明はかかる課題に鑑みて為されたものである。即ち、本開示の主たる目的は、より向上したシール性を有するシール構造体を提供することである。また、本開示は、より向上したシール性を有するシール構造体をさらに小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明者は、従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処することによって上記課題の解決を試みた。その結果、上記主たる目的が達成されたシール構造体の発明に至った。
【0014】
具体的には、シール構造体の凸部の異常な変形を抑制することでシール構造体のシール性をより向上させることを検討した。
【0015】
シール構造体の凸部の異常な変形を抑制するために、例えば図1に示す通り、シール構造体(10)を少なくとも2層から構成し、第1層(1)が凸部(11)を有し、さらにその少なくとも一部を覆うように第2層(2)の凸部(12)を設けることを検討した。さらに、第1層(1)を第2層(2)よりも硬い材料から構成することで第2層(2)の凸部(12)、特に頂部の異常な変形を抑制するとともに、被シール構造体(S)(例えばコネクターのハウジングなどの第1被シール構造体)を押圧する力(F10)をより向上させることを検討した(図1B参照)。
【0016】
本開示では、少なくとも第1層と第2層とを含むシール構造体が提供される。当該シール構造体は、第1層が少なくとも1つの第1上方凸部を有し、第2層が少なくとも1つの第1上方凸部を有し、第1層の第1上方凸部の少なくとも一部が第2層の第1上方凸部で覆われていて、第1層の組成材料が第2層の組成材料よりも硬い。
【発明の効果】
【0017】
本開示では、より向上したシール性を有するシール構造体が得られる。また、本開示では、より向上したシール性を有するシール構造体をさらに小型化することができる。尚、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでなく、また、付加的な効果があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本開示の一実施形態に係るシール構造体を模式的に示す概略図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係るシール構造体のバリエーションを模式的に示す概略図である。
図3図3は、本開示の一実施形態に係るシール構造体のバリエーションを模式的に示す概略図である。
図4図4は、本開示の一実施形態に係るシール構造体のバリエーションを模式的に示す概略図である。
図5図5は、本開示の一実施形態に係るシール構造体のバリエーションを模式的に示す概略図である。
図6図6は、本開示の一実施形態に係るシール構造体のバリエーションを模式的に示す概略図である。
図7図7は、本開示の一実施形態に係るシール構造体のバリエーションを模式的に示す概略図である。
図8図8は、本開示の別の実施形態に係るシール構造体を模式的に示す概略図である。
図9図9は、本開示のシール構造体の全体形状のバリエーションを模式的に示す概略図である。
図10図10は、リング型のシール構造体の例を模式的に示す概略図である。
図11図11は、チューブ型のシール構造体の例を模式的に示す概略図である。
図12図12は、多孔型のシール構造体の例を模式的に示す概略図である。
図13図13は、従来のシール構造体を模式的に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、例えば図1に示す通り、少なくとも第1層(1)と第2層(2)とを含むシール構造体(10)を提供する。当該シール構造体において、第1層(1)は、少なくとも1つの第1上方凸部(11)を有し、第2層(2)は少なくとも1つの第1上方凸部(12)を有する。第1層(1)の第1上方凸部(11)の少なくとも一部は、第2層(2)の第1上方凸部(12)で覆われている。当該シール構造体において、第1層(1)の組成材料は、第2層(2)の組成材料よりも硬い。
本明細書中、上記シール構造体を「本開示のシール構造体」と称する場合もある。
【0020】
このように本開示のシール構造体は、少なくとも1つの第1上方凸部(11)を有する第1層(1)と、少なくとも1つの第1上方凸部(12)を有する第2層(2)とを少なくとも含む(図1参照)。本開示のシール構造体は、さらに第3層(3)を含んでいてもよい(図8参照)。本開示のシール構造体に含まれ得る凸部および層の数に特に制限はない。
【0021】
本開示のシール構造体は、その全体形状として、例えば、リング型、チューブ型、多孔型などの形状を有していてよい(図9参照)。
【0022】
本開示において「シール構造体」とは、以下にて詳説する任意の「被シール構造体」とともにシールまたはシーリングを形成し得る部品または部材を意味する。
【0023】
本開示において「被シール構造体」とは、「シール」が求められる部品または部材を意味する。「被シール構造体」は、例えば、その内部に本開示の「シール構造体」を挿入することができるような構造を有することが好ましい。特に、本開示の「シール構造体」と「被シール構造体」の内壁とが接触して「シール」を形成するような構造を有することが好ましい。被シール構造体として、例えばコネクターのハウジング、コネクターのハウジングと係合または嵌合することができるコネクターの本体、プラグ、コード、電線またはその固定具などが挙げられる。ただし、被シール構造体はこれらに限定されるものではない。
【0024】
例えば、被シール構造体がコネクターのハウジングなどの構造体である場合、本開示の「シール構造体」が「被シール構造体」に接触、係合および/または嵌合して、本開示の「シール構造体」と「被シール構造体」とが互いに係合または結合することが好ましい。
【0025】
本開示において「シール」とは、本開示の「シール構造体」と「被シール構造体」との間において、水分、水蒸気などの気体および/または埃などの進入を防止または抑制することなどを意味する。
【0026】
(第1層)
第1層は、層状の構造を有し、少なくとも1つの「第1上方凸部」を有する。
【0027】
第1層に含まれ得る「第1上方凸部」とは、第1層の表面から隆起した部分を意味する(以下、「上方凸部」または単に「凸部」と省略して記載する場合もある)。第1層に設けられ得る凸部の数に特に制限はない。例えば1~10、好ましくは1~5、より好ましくは1~3の凸部が第1層に設けられてよい。凸部は、例えば第1層の表面から隆起して連続して延在する凸条であってよい。
【0028】
本開示において「第1層」の「上方凸部」の「上方」とは、説明の便宜上、以下にて詳説する「第2層」が配置される側を意味する。換言すると「第2層」が配置される側を「上方」と称する。
【0029】
第1層に設けられ得る凸部の形状に特に制限はない。凸部は、例えば、断面視で三角形の形状、四角形などの矩形の形状(台形を含む)を有することが好ましい。凸部のエッジ部分は丸められていてよい。あるいは、凸部の頂部は円弧を描いていてもよい。
【0030】
第1層を構成し得る組成材料(以下、「第1層の組成材料」と称する場合もある)は、以下にて詳説する第2層を構成し得る組成材料(以下、「第2層の組成材料」と称する場合もある)よりも硬い。換言すれば、第2層の組成材料は、外力に応じて、第1層の組成材料よりも相対的に変形し易い可撓性を有している。つまり、第1層の組成材料は、第2層の組成材料よりも相対的に変形し難い可撓性を有している。
【0031】
本開示において層の「組成材料」とは層を構成し得る1またはそれ以上の材料を意味する。
【0032】
第1層の組成材料は、樹脂を含むことが好ましい。第1層に使用することができる樹脂として特に制限はない。例えば、ポリブタジエン、シリコーンなどのゴム類を使用することが好ましい。また、第1層に使用することができる樹脂は温度に依存して選択してもよい。
【0033】
本開示において、第1層の組成材料に主として含まれる樹脂を「第1樹脂」と称する。
【0034】
第1層の組成材料の硬度は、第2層の組成材料の硬度よりも高く、その範囲に特に制限はない。
【0035】
第1層の組成材料の硬度として、例えば、ショア硬さ、ロックウェル硬さ、ビッカース硬さ、ブリネル硬さ、デュロメータ硬さ、バーコル硬さ等が挙げられる。
【0036】
第1層の組成材料の硬度は、特に限定されず、上記いずれの硬さにおいても、例えば20以上50以下、好ましくは25以上45以下、より好ましくは30以上40以下の範囲内である。ショア硬さが上記の範囲内であることが好ましい。
【0037】
第1層の組成材料の硬度は、例えば第1層の組成材料が樹脂である場合、その樹脂製造の際に使用するフィラーや硬化剤などにより変更することができる。
【0038】
第1層は、必要に応じて、例えば、第1層に設けられた「第1上方凸部」とは形状が異なる少なくとも1つの「第2上方凸部」、「第3上方凸部」などをさらに含んでいてもよい。本開示において、第1層に設けられ得る上方凸部の総数に特に制限はない。
【0039】
(第2層)
第2層は、層状の構造を有し、少なくとも1つの「第1上方凸部」を有する。
【0040】
第2層に含まれ得る「第1上方凸部」とは、第2層の表面から隆起した部分を意味する(以下、「上方凸部」または単に「凸部」と省略して記載する場合もある)。第2層に設けられ得る凸部の数に特に制限はない。例えば1~10、好ましくは1~5、より好ましくは1~3の凸部が設けられてよい。凸部は、例えば第2層の表面から隆起して連続して延在する凸条であってよい。
【0041】
本開示において「第2層」の「上方凸部」の「上方」とは、説明の便宜上、「第1層」の反対方向を意味する。
【0042】
第2層に設けられ得る凸部の形状に特に制限はない。凸部は、例えば、断面視で特に外形が三角形の形状、四角形などの矩形の形状(台形を含む)を有することが好ましい。凸部のエッジ部分は丸められていてよい。あるいは、凸部の頂部は円弧を描いていてもよい。第2層の凸部の頂部は、第1層の凸部の頂部よりも相対的に丸められていることが好ましい。
【0043】
第2層に設けられ得る凸部は、例えば、シール構造体の断面視において蛇行するように延在していてよい(図1A参照)。
【0044】
第2層を構成し得る組成材料(以下、「第2層の組成材料」と称する場合もある)は、第1層の組成材料よりも柔らかいことが好ましい。第2層の組成材料は、樹脂を含むことがより好ましい。第2層に使用することができる樹脂として特に制限はない。例えば、ポリブタジエン、シリコーンなどのゴム類を使用することが好ましい。また、第2層に使用することができる樹脂は温度に依存して選択してもよい。
【0045】
本開示において、第2層の組成材料に主として含まれる樹脂を「第2樹脂」と称する。
【0046】
第2層の組成材料の硬度は、第1層の組成材料の硬度よりも低く、その範囲に特に制限はない。
【0047】
第2層の組成材料の硬度として、例えば、ショア硬さ、ロックウェル硬さ、ビッカース硬さ、ブリネル硬さ、デュロメータ硬さ、バーコル硬さ等が挙げられる。
【0048】
第2層の組成材料の硬度は、特に限定されず、上記いずれの硬さにおいても、例えば20以上50以下、好ましくは25以上45以下、より好ましくは30以上40以下の範囲内である。ショア硬さが上記の範囲内であることが好ましい。
【0049】
第2層の組成材料の硬度は、例えば第2層の組成材料が樹脂を含む場合、その樹脂製造の際に使用するフィラーや硬化剤などにより変更することができる。
【0050】
第2層は、必要に応じて、例えば、第2層に設けられた「第1上方凸部」とは形状が異なる少なくとも1つの「第2上方凸部」、「第3上方凸部」などをさらに含んでいてよい。第2層に設けられ得る上方凸部の総数に特に制限はない。
【0051】
[本開示のシール構造体の特徴]
本開示のシール構造体は、少なくとも第1層と第2層とを含み、第1層の第1上方凸部は、その少なくとも一部が第2層の第1上方凸部で覆われている(例えば図1に示す第1層(1)の第1上方凸部(11)および第2層(2)の第1上方凸部(12)を参照のこと)。第1層の組成材料は第2層の組成材料よりも硬い。
【0052】
本開示のシール構造体は、例えばコネクターのハウジングなどの被シール構造体の内部に進入または挿入することができる。本開示のシール構造体は、上記の二重凸部の構成により、より向上した力で被シール構造体を内側から押圧することができる(図1B参照)。このようなことから、本開示のシール構造体は、より向上したシール性を提供することができる。また、本開示のシール構造体は、このような二重凸部の構成により、凸部の異常な変形を抑制することができる。
【0053】
例えば図1Aに示す通り、本開示の一実施形態に係るシール構造体10は、第1層(符号1で示す層)と第2層(符号2で示す層)とを含む。
【0054】
第1層(1)は少なくとも1つの第1上方凸部11(以下、「凸部11」または単に「凸部」と省略して記載する)を含む。第2層(2)も少なくとも1つの第1上方凸部12(以下、「凸部12」または単に「凸部」と省略して記載する)を含む。図示する形態において、説明の便宜上、第1層(1)は3つの同じ形状の凸部を有し、第2層(2)も同様に3つの同じ形状の凸部12を有する。本開示において、凸部の形状および寸法は同一であっても異なっていてもよい。凸部は、連続して配置されていても、離隔して配置されていてもよい。
【0055】
図示する態様では、第1層(1)の凸部11の表面の全部が第2層(2)の凸部12で覆われている。シール構造体10において、第1層(1)の凸部11の表面の少なくとも一部が第2層(2)の凸部12で覆われていればよい。第1層(1)の凸部11が第2層(2)の凸部12で覆われる部分に特に制限はない。第1層(1)の凸部11の頂部が第2層(2)の凸部12で覆われていることが好ましい。また、第1層(1)の凸部11が第2層(2)の凸部12で覆われる部分は、第1層(1)の凸部ごとに決定されてよい。換言すると、第1層(1)の凸部11が第2層(2)の凸部12で覆われる部分は、凸部ごとに異なっていてよい。
【0056】
図示する形態では、第1層(1)と第2層(2)とがほぼ同じ外形を有しているが、本開示のシール構造体は、このような形状を有するものに限定されない。第1層(1)および第2層(2)において、様々な形状および寸法の凸部を独立して選択して使用することができる。
【0057】
図示する形態では、第1層(1)の凸部11および第2層(2)の凸部12は両方とも外形が三角形の断面形状を有している。本開示のシール構造体において、凸部の形状は、このような形状に限定されるものではない。
【0058】
第1層(1)の凸部の断面形状および第2層(2)の凸部の断面形状の組み合わせに特に制限はない。第1層(1)の凸部および第2層(2)の凸部において、それぞれ独立して幾何学的な断面形状を適宜選択して使用することができる。
【0059】
図示する形態では、第1層(1)の凸部11の頂部と第2層(2)の凸部12の頂部とが直線L上で整列しているが、頂部は直線L上に整列していなくてもよい。換言すると、第1層(1)の凸部11の頂部の位置および/または第2層(2)の凸部12の頂部の位置は直線Lから離れていてもよい。つまり、凸部11の頂部および/または凸部12の頂部は直線L上に存在していても、存在していなくてもよい。
【0060】
シール構造体10では、第1層(1)の組成材料が第2層(2)の組成材料よりも硬い。換言すると、第2層(2)の組成材料は、第1層(1)の組成材料よりも柔らかい。
【0061】
具体的には、第1層(1)の凸部11を構成し得る組成材料が第2層(2)の凸部12を構成し得る組成材料よりも硬いことが好ましい。換言すると、第2層(2)の凸部12を構成し得る組成材料が第1層(1)の凸部11を構成し得る組成材料よりも柔らかいことが好ましい。
【0062】
本開示のシール構造体では、第1層および第2層を構成し得る組成材料がともに樹脂を含み、第1層に主として含まれる樹脂(すなわち「第1樹脂」)が第2層に主として含まれる樹脂(すなわち「第2樹脂」)よりも硬いこと、あるいは第2樹脂が第1樹脂よりも柔らかいことが好ましい。本開示において、第1樹脂と第2樹脂との間に硬さの差を設けることができる限り、使用する樹脂に特に制限はない。第1層および第2層において、同一種類で硬さの異なる樹脂を使用してもよい。あるいは、第1層および第2層において、異なる種類で硬さも異なる樹脂を使用してよい。
【0063】
より具体的には、第1層を構成し得る材料、具体的には第1樹脂の硬さと、第2層を構成し得る材料、具体的には第2樹脂の硬さとの差が、上記のいずれの硬さにおいても、5~25であることが好ましく、より好ましくは10~20である。このように、本開示のシール構造体において、第1樹脂と第2樹脂との間に硬さの差を設けることでシール性をさらに向上させることができる。
【0064】
第2層の凸部は「可撓性」を有することが好ましい。本開示において「可撓性」とは、外部からの力が加わると変形する性質を意味する。第2層の凸部は弾性的に変形することが好ましい。
【0065】
例えば図1Aおよび図1Bに示すように、第2層(2)の凸部12と被シール構造体(S)とが接触したとき、第2層(2)の凸部12は弾性的に変形することが好ましい。より具体的には、第2層(2)の凸部の頂部の位置が弾性的に変位することが好ましい(図1Bに示す変形した凸部12’を参照のこと)。
【0066】
例えば図1Cに示す通り、第2層(2)の凸部12の高さ、具体的にはその頂部の位置が、凸部12の全体の高さ(H)に対して、例えば高さ方向に50%未満の範囲内で変動または低下することが好ましい。より好ましくは40%以下の範囲内で変動することができる(図1C参照)。さらにより好ましくは20%以上30%以下の範囲内で変動することができる。
【0067】
より具体的には、図1Cに示す通り、凸部12は、その全体の高さHに対して、頂部の位置が高さ方向にHだけ変位することができる(変形後の凸部12’参照)。このときH/Hの値が1/2未満であることが好ましい。より好ましくはH/Hの値が2/5以下、さらにより好ましくは1/5以上3/10以下である。
【0068】
尚、第2層(2)の凸部の高さHは、凸部ごとに異なっていてもよい。また同様に第1層(1)の凸部の全体の高さも凸部ごとに異なっていてよい。第2層(2)の凸部の全体の高さ(H)は、第1層(1)の凸部の全体の高さよりも大きいことが好ましい。
【0069】
このように第2層(2)の凸部12の高さ方向の変位を50%未満に制限することによって、変形した凸部12’が被シール構造体(S)を押圧する力(F10)をより増加させることができる(図1B参照)。ひいては凸部12の異常な変形を抑制することができる。特にシール性をより向上させることができる。このような効果は、第2層(2)の凸部12の下側にそれよりも硬い第1層(1)の凸部11が存在することに起因する。
【0070】
また、第2層(2)の凸部12の下側にそれよりも硬い第1層(1)の凸部11が存在することによって、シール構造体10の全体の厚み寸法を小さくすることができる。ひいては、シール構造体10を厚み方向に小型化することができる。このような小型化は、被シール構造体、具体的にはコネクターのハウジングなどの小型化にも貢献し得る。
【0071】
さらに、第2層(2)の凸部12、具体的にはその頂部は、凸部12の全幅(W)に対して、幅方向に50%未満の範囲内で変動することが好ましい。より好ましくは40%以下の範囲内で変動することができる。さらにより好ましくは20%以上30%以下の範囲内で変動することができる。
【0072】
より具体的には、図1Cに示す通り、第2層(2)の凸部12は、その全幅Wに対して、頂部の位置が幅方向にWだけ変位することができる(変形後の凸部12’参照)。このときW/Wの値が1/2未満であることが好ましい。より好ましくはW/Wの値が2/5以下、さらにより好ましくは1/5以上3/10以下であることが好ましい。
【0073】
尚、第2層(2)の凸部の全幅Wは、凸部ごとに異なっていてもよい。また同様に第1層(1)の凸部の全幅も凸部ごとに異なっていてよい。
【0074】
このように第2層(2)の凸部12の幅方向の変位を50%未満に制限することで凸部12の幅方向の寸法および凸部12の間隔をより小さくすることができる。ひいてはシール構造体10の幅方向の寸法をより小さくすることができる。ひいては、シール構造体10の全体を幅方向に小型化することができる。このような小型化は、被シール構造体、具体的にはコネクターのハウジングなどの小型化にも貢献し得る。
【0075】
本開示において「幅方向」とは、例えば図1Cにおける全幅Wの方向または紙面の左右方向を意味する。また、被シール構造体がコネクターのハウジングなどである場合、シール構造体の「幅方向」は、本開示のシール構造体の被シール構造体への嵌合方向を意味してよい。
【0076】
尚、図示する形態では、第1層(1)の下面(第1層(1)の第2層(2)に対向する側の面とは反対側の面)はフラットであるが、第1層(1)の下面の形状は、第1層(1)の下面と直接接触し得る他の被シール構造体(以下、「第2被シール構造体」と称する場合もある)の表面の形状に合わせて適宜変更することができる(図7参照)。すなわち、第1層(1)の下面はフラットの形状に限定されるものではない。
【0077】
第1層(1)の凸部11の頂部の形状および/または第2層(2)の凸部12の頂部の形状は、被シール構造体S図1B参照)の表面の形状に合わせて適宜変更してもよい。すなわち、第1層(1)の凸部11の頂部の形状および/または第2層(2)の凸部12の頂部の形状は、鋭利なエッジ部分を有するものに限定されない。
【0078】
シール構造体10の凸部(11,12)の外形が断面視で三角形の形状を有することで被シール構造体Sの内部への進入または挿入(矢印D10の方向に沿う進入または挿入)がより促進され得る(図1B参照)。
【0079】
図1に示す凸部の三角形の断面形状は、左右非対称であってもよい。換言すると、凸部の頂部を通る垂線を中心として線対称であっても、線対称でなくてもよい。
【0080】
バリエーションとして、例えば図2に示すように、シール構造体20の凸部(21,22)の頂部は、そのエッジ部分が丸められてよい。換言すると、凸部(21,22)は、その断面視が「略三角形」の形状を有していてよい。
【0081】
例えば図2に示すように、シール構造体20の凸部(21,22)、なかでも特に第2層(2)に設けられた凸部22が丸められた頂部を有することで被シール構造体への進入を促進するとともに、被シール構造体を押圧する力をより増加させることができる。シール構造体20において、第2層(2)の凸部22だけが丸められてよい。換言すると、第1層(1)の凸部21は鋭利なエッジ部分を有していてもよい。
【0082】
図2に示す凸部の略三角形の断面形状は、左右非対称であってよい。換言すると、凸部の頂部を通る垂線を中心として線対称であっても、線対称でなくてもよい。
【0083】
他のバリエーションとして、例えば図3Aには、三角形の頂部を平坦にした形状または台形の凸部(31,32)を有するシール構造体30を示す。図3Aに示す凸部(31,32)は、その頂部が平坦であることから、被シール構造体を押圧する力をより増加させることができる。
【0084】
他のバリエーションとして、例えば図3Bには、図3Aに示すエッジ部分が丸められた台形(以下、「略台形」と称する)の形状を有する凸部(41,42)を有するシール構造体40を示す。凸部(41,42)が略台形の形状を有することで被シール構造体への進入を促進するとともに、被シール構造体を押圧する力をより増加させることができる。シール構造体40において、第2層(2)の凸部42だけが丸められていてもよい。換言すると、第1層(1)の凸部41は鋭利なエッジ部分を有していてもよい。
【0085】
図3Aおよび図3Bに示す凸部の断面形状は、左右非対称であってもよい。換言すると、凸部の頂部を通る垂線を中心として線対称であっても、線対称でなくてもよい。
【0086】
他のバリエーションとして、例えば図4Aには、より直立した台形(以下、「略四角形」と称する)の凸部(51,52)を有するシール構造体50を示す。凸部(51,52)の傾斜角は80°以上90°以下であることが好ましい。凸部(51,52)が略四角形の形状を有することで被シール構造体を押圧する力をより増加させることができる。
【0087】
他のバリエーションとして、図4Bには、図3Aに示すエッジ部分が丸められた略四角形の形状を有する凸部(61,62)を有するシール構造体60を示す。このような凸部(61,62)により、シール構造体60の被シール構造体への進入を促進するとともに、被シール構造体を押圧する力をより増加させることができる。シール構造体60において、第2層(2)の凸部62だけが丸められていてもよい。換言すると、第1層(1)の凸部61は鋭利なエッジ部分を有していてもよい。
【0088】
他のバリエーションとして、例えば、シール構造体の被シール構造体への進入をさらに促進するとともに、被シール構造体を押圧する力をさらに増加させるためにシール構造体の凸部の形状を例えば直角三角形としてよい。
【0089】
例えば図5Aに示すシール構造体70は、外形が直角三角形の断面の形状を有する第1上方凸部(71,72)を有する。
【0090】
図5Bに示す通り、シール構造体70は、被シール構造体Sの内部に矢印D70の方向に沿って進入することができる。第1層(1)の凸部71の上側に配置された第2層(2)の凸部72は、被シール構造体Sの内壁と接触して変形することができる(変形後の凸部72’参照)。
【0091】
第2層(2)の凸部72は、第1層(1)の凸部71によって支持され得ることから、その変形した凸部72’によって、被シール構造体Sをさらにより大きな力(F70)で押圧することができる(図5B参照)。
【0092】
例えば図5Aに示すように、シール構造体70の凸部(71,72)の形状、特に凸部72の外形の断面の形状は直角三角形である。それにより、例えば図5Bに示すように、矢印D70の方向に沿うシール構造体70の被シール構造体Sへの進入を促進するとともに、被シール構造体Sをさらにより大きな力(F70)で押圧することができる。
【0093】
例えば図5Aに示すように、シール構造体70の凸部(71,72)は、シール構造体70の進行方向(図5Bに示す矢印D70の方向)に斜面を有することが好ましい。そうすることでシール構造体70の被シール構造体Sへの進入をさらにより促進するとともに、被シール構造体Sを押圧する力をさらにより増加させることができる。
【0094】
例えば図5Aに示す通り、第1層(1)の凸部71の頂部は、直線L上にある。第2層(2)の凸部72の頂部は直線L上にある。このように図5Aに示す形態では、凸部71の頂部の位置と凸部72の頂部の位置とが互いにずれていてよい。換言すると、凸部71の頂部と凸部72の頂部は同一線上に存在していても、同一線上に存在していなくてもよい。頂部の位置が異なることでシール構造体70の被シール構造体Sへの進入および被シール構造体Sを押圧する力をより増加させることができる(図5B参照)。
【0095】
例えば図5Aに示すシール構造体70の凸部(71,72)の頂部は丸められていてよい(図示せず)。そうすることでシール構造体70の被シール構造体Sへの進入をさらに促進することができる。シール構造体70において、第2層(2)の凸部72だけが丸められていてよい。換言すると、第1層(1)の凸部71は鋭利なエッジ部分を有していてもよい。
【0096】
本開示のシール構造体は、上述のように様々な形状の凸部を有することができる。必要に応じて、このような様々な形状の凸部を組み合わせて使用してよい。本開示において、凸部の形状の組み合わせに特に制限はない。
【0097】
第1層(1)は、上記第1上方凸部とともに、例えば形状の異なる少なくとも1つの第2上方凸部をさらに有していてよい。さらに、第2層(2)は、上記第1上方凸部とともに、例えば形状の異なる少なくとも1つの第2上方凸部をさらに有していてよい。このような態様において、第1層(1)の第2上方凸部の少なくとも一部は、第2層(2)の第2上方凸部で覆われていることが好ましい。このような構成を有することでシール性をさらに向上させることができる。
【0098】
さらに、第1層(1)は、上記第1上方凸部および第2上方凸部とともに、例えば形状の異なる少なくとも1つの第3上方凸部をさらに有していてよい。第2層(2)は、上記第1上方凸部および第2上方凸部とともに、例えば形状の異なる少なくとも1つの第3上方凸部をさらに有していてよい。このような態様において、第1層(1)の第3上方凸部の少なくとも一部は、第2層(2)の第3上方凸部で覆われていることが好ましい。このような構成を有することでシール性をさらに向上させることができる。
【0099】
第1層(1)の第1上方凸部の組成材料と、第1層(1)の第2上方凸部および/または第3上方凸部の組成材料とが互いに異なる硬度を有していてよい。このような構成を有することでより適切に第2層(2)を支持することができる。ひいては、より適切なシールを提供することができる。
【0100】
第2層(2)の第1上方凸部の組成材料と、第2層(2)の第2上方凸部および/または第3上方凸部の組成材料とが互いに異なる硬度を有していてよい。このような構成を有することでより適切なシールを提供することができる。
【0101】
例えば図6Aに示すシール構造体80では、第1層(1)が3つの上方凸部(81a,81b,81c)を有し、その上側に配置された第2層(2)も3つの上方凸部82(82a,82b,82c)を有する。
【0102】
第1層(1)において、説明の便宜上、凸部81aを「第1上方凸部」と称し、凸部81bを「第2上方凸部」と称し、凸部81cを「第3上方凸部」と称する。以下、「凸部81a」、「凸部81b」、「凸部81c」と省略して記載する場合もある。
【0103】
第2層(2)において、説明の便宜上、凸部82aを「第1上方凸部」と称し、凸部82bを「第2上方凸部」と称し、凸部82cを「第3上方凸部」と称する。以下、「凸部82a」、「凸部82b」、「凸部82c」と省略して記載する場合もある。
【0104】
図6Aに示す第1層(1)において、凸部81aおよび凸部81bは、その断面の形状が直角三角形の頂部を平坦にした形状または略台形である。凸部81cは、その断面の形状が略四角形である。
【0105】
図6Aに示す第2層(2)において、凸部82aおよび凸部82bは、その外形の断面の形状が直角三角形の頂部を平坦にした形状または略台形である。凸部82cは、その外形の断面の形状が略四角形である。
【0106】
図6Aに例示するシール構造体80は、第2層(2)の凸部82aおよび凸部82bのいずれの側からも被シール構造体の内部に進入することができる(図示せず)。
このような構造は、例えば図9Aに示すリング型の全体形状を有するシール構造体200において利用することができる。例えば図9Aに示すリング型のシール構造体200をコネクターのハウジングなどの被シール構造体(または第1の被シール構造体)の内部に挿入する場合、シール構造体の挿入方向を選択する必要がない。
【0107】
例えば図6Aに示すシール構造体80は、このような凸部を有することから、シール構造体80の被シール構造体の内部への進入および被シール構造体を押圧する力をより増加させることができる。
【0108】
図6Aに示す第1層(1)および第2層(2)は、その外形がほぼ同じ形状である。第1層(1)および第2層(2)の形状、特に凸部の形状は互いに異なっていてよい。第1層(1)および第2層(2)において、様々な形状の凸部を独立して選択することができる。
【0109】
さらなるバリエーションとして、凸部のエッジ部分が丸められたシール構造体90を例えば図6Bに示す。シール構造体90は、エッジ部分が丸められた凸部を有することから、シール構造体90の被シール構造体への進入をより促進させることができる。また、凸部の頂部、特に第2層(2)の凸部(92a,92b,92c)の頂部は円弧を描いていてもよい。
【0110】
本開示のシール構造体の別の実施形態を図7に示す。
【0111】
例えば図7Aに示すシール構造体110において、第1層(1)は、第1上方凸部111を有し、具体的には3つの上方凸部111a,111bおよび111cを有する。以下、「凸部111a,111bおよび111c」または単に「上方凸部」または「凸部」と省略して記載する場合もある。
【0112】
第2層(2)は、第1上方凸部112を有し、具体的には3つの上方凸部112a,112bおよび112cを有する。以下、「凸部112a,112bおよび112c」または単に「上方凸部」または「凸部」と省略して記載する場合もある。
【0113】
図7Aに示す凸部(111,112)は、図1に示す凸部(11,12)と同様である。また、図7Aに示す凸部(111,112)は、必要に応じて、図2図6に例示する凸部に変更してもよい。
【0114】
図7Aに例示するシール構造体110は、第1層(1)の下面(または凸部111が突出する方向とは反対側の面あるいは第2層(2)に対向する面とは反対側の面)に3つの第1下方凸部114、より具体的には3つの下方凸部114a,114bおよび114cを有していてよい。以下、「凸部114a,114bおよび114c」または単に「下方凸部」または「凸部」と省略して記載する場合もある。
【0115】
第1層(1)の下面に設けられ得る凸部の数に特に制限はない。例えば1~10、好ましくは1~5、より好ましくは1~3の凸部が設けられていてよい。凸部は、例えば第1層の下面から隆起して連続して延在する凸条であってよい。
【0116】
シール構造体110の第1層(1)の下面に設けることができる凸部(114a,114b,114c)は、第1層(1)の下面が接触し得る他の被シール構造体(例えば、コネクターの本体またはハウジング、プラグ、コード、電線またはその固定具などの第2被シール構造体)の表面の形状に適合するように形成されることが好ましい。
【0117】
第1層(1)の下面に設けることができる凸部の形状に特に制限はない。第1層(1)の下面に設けることができる凸部は、例えば、断面視で三角形の形状、四角形などの矩形の形状(台形を含む)を有することが好ましい。凸部は、断面視で左右対称の形状であっても、左右非対象の形状であってもよい。凸部の頂部は丸められていてよい。
【0118】
図7Aに例示する第1層(1)の下面に設けられた3つの凸部(114a,114b,114c)は、いずれも下方に隆起する三角形の断面形状を有する。
【0119】
図示する形態において、上方凸部111aの頂部を通る垂線Laと、下方凸部114aの頂部を通る垂線Maとが一致している。同様に上方凸部111bの頂部を通る垂線Lbと、下方凸部114bの頂部を通る垂線Mbとが一致している。上方凸部111cの頂部を通る垂線Lcと、下方凸部114cの頂部を通る垂線Mcとが一致している。
【0120】
垂線La,LbおよびLcは、それぞれ垂線Ma,MbおよびMcと一致していなくてもよい。換言すると、第1層(1)の上側の凸部111の頂部の位置と、下側の凸部114の頂部の位置とが図示するように同一線上に存在していても、同一線上に存在していなくてもよい。
【0121】
他のバリエーションとして、第1層(1)の下面に凸部124、具体的には2つの下方凸部(124a,124b)を有するシール構造体120を図7Bに例示する。説明の便宜上、下方凸部124aを「第1下方凸部」と称し、下方凸部124bを「第2下方凸部」と称する。以下、「凸部124a」、「凸部124a」と省略して記載する場合もある。
【0122】
シール構造体120の第1層(1)の上側に隆起する第1上方凸部121、具体的には3つの上方凸部(121a,121b,121c)は、図7Aに例示する凸部(111a,111b,111c)と同様に形成されてよい。
【0123】
シール構造体120の第2層(2)の第1上方凸部122、具体的には3つの上方凸部(122a,122b,122c)は、図7Aに例示する凸部(112a,112b,112c)と同様に形成されてよい。
【0124】
図7Bに例示する第1層(1)の下面に設けられた2つの凸部(124a,124b)は、いずれも下方に隆起する三角形の断面形状を有する。
【0125】
凸部(124a,124b)の形状は、その断面が三角形の形状に限定されず、例えば、断面視で四角形などの矩形の形状(台形を含む)を有していてよい。凸部(124a,124b)の形状は、例えば図7Aのように断面視で左右対称の形状であってもよい。また、凸部(124a,124b)の頂部は丸められていてもよい。
【0126】
図示する形態において、下方凸部124aの頂部を通る垂線Maは、上方凸部121aの頂部を通る垂線Laと一致していない。また同様に下方凸部124bの頂部を通る垂線Mbは上方凸部121bの頂部を通る垂線Lbと一致していない。
【0127】
このような凸部を形成することで、第1層(1)の下方凸部(124a,124b)と上方凸部(121a,121b,121c)とが交互に配置され得ることになる。このような構成により、第1層(1)の全体の厚みをより小さくすることができる。ひいてはシール構造体120を厚み方向にさらに小型化することができる。
【0128】
尚、本開示のシール構造体において、第1層(1)の下方凸部は、例えば図2~6に示す上方凸部と同様の形状を有していてもよい。
【0129】
本開示のシール構造体は、必要に応じて、任意の「第3層」をさらに含んでいてよい。具体的には、本開示のシール構造体は、第1層の下側の面(第2層が設けられる面とは反対側の面)に第3層をさらに含んでいてよい。換言すると、本開示のシール構造体において、第3層と第2層と間に第1層が位置付けられていてよい。以下、第3層について詳説する。
【0130】
(第3層)
第3層は、層状の構造を有し、少なくとも1つの「第1下方凸部」を有していてよい。
【0131】
第3層に含まれ得る「第1下方凸部」とは、第3層の表面から下方に隆起した部分を意味する(以下、「下方凸部」または単に「凸部」と省略して記載する場合もある)。第3層に設けられ得る凸部の数に特に制限はない。例えば1~10、好ましくは1~5、より好ましくは1~3の凸部が第3層に設けられてよい。凸部は、例えば第3層の表面から隆起して連続して延在する凸条であってよい。
【0132】
本開示において「第3層」の「第1下方凸部」の「下方」とは、「第2層」の反対方向を意味する。
【0133】
第3層に設けられ得る下方凸部の形状に特に制限はない。下方凸部の外形は、例えば、断面視で三角形の形状、四角形などの矩形の形状(台形を含む)を有することが好ましい。下方凸部のエッジ部分は丸められていてもよい。あるいは、下方凸部は円弧を描いていてもよい。第3層の下方凸部の頂部は、第1層の下面に設けられ得る下方凸部の頂部よりも相対的に丸められていることが好ましい。
【0134】
第3層に設けられ得る下方凸部は、例えば、シール構造体の断面視において蛇行するように延在していてよい(図8参照)。
【0135】
第3層を構成し得る組成材料(以下、「第3層の組成材料」と称する場合もある)は、第1層の組成材料よりも柔らかいことが好ましい。換言すると、第1層の組成材料は、第3層の組成材料よりも硬いことが好ましい。また、第3層の組成材料は、外力に応じて、第1層の組成材料よりも相対的に変形し易い可撓性を有している。つまり、第1層の組成材料は、第3層の組成材料よりも相対的に変形し難い可撓性を有している。
【0136】
第3層の組成材料は、樹脂を含むことが好ましい。第3層に使用することができる樹脂として特に制限はなく、例えば、ポリブタジエン、シリコーンなどのゴム類を使用することが好ましい。また、第3層に使用することができる樹脂は温度に依存して選択してもよい。
【0137】
本開示において、第3層の組成材料に主として含まれる樹脂を「第3樹脂」と称する。
【0138】
第3層の組成材料の硬度は、第1層の組成材料の硬度よりも低く、その範囲に特に制限はない。
【0139】
第3層の組成材料の硬度として、例えば、ショア硬さ、ロックウェル硬さ、ビッカース硬さ、ブリネル硬さ、デュロメータ硬さ、バーコル硬さ等が挙げられる。
【0140】
第3層の組成材料の硬度は、特に限定されず、上記いずれの硬さにおいても、例えば20以上50以下、好ましくは25以上45以下、より好ましくは30以上40以下の範囲内である。ショア硬さ、デュロメータ硬さが上記の範囲内であることが好ましい。
【0141】
第3層の組成材料の硬度は、第3層の組成材料が樹脂を含む場合、その樹脂製造の際に使用するフィラーや硬化剤などにより変更することができる。
【0142】
第3層は、必要に応じて、例えば、第3層の「第1下方凸部」とは形状が異なる少なくとも1つの「第2下方凸部」、「第3下方凸部」などを含んでいてもよい。
【0143】
本開示のシール構造体では、例えば図8に示すように、第1層が第3層に対向する側にも少なくとも1つの第1下方凸部を有することが好ましい。さらに、第3層も少なくとも1つの第1下方凸部を有することが好ましい。第1層の第1下方凸部の少なくとも一部が第3層の第1下方凸部で覆われていることが好ましい。第1層の組成材料が第3層の組成材料よりも硬いことが好ましい。換言すると、第3層の組成材料が第1層の組成材料よりも柔らかいことが好ましい。
【0144】
このような構成により、第3層と接触する被シール構造体(または第2被シール構造体)との間により適切なシールを形成することができる。
【0145】
第1層の第1下方凸部の表面の全部が第3層の第1下方凸部で覆われていてよい。あるいは、第1層の第1下方凸部の表面の一部だけが第3層の第1下方凸部で覆われてよい。第1層の第1下方凸部の頂部が第3層の第1下方凸部で覆われていることが好ましい。
【0146】
本開示のシール構造体において、第1層の組成材料が樹脂(例えば第1樹脂)を含み、第3層の組成材料も樹脂(例えば第3樹脂)を含むことが好ましい。第3樹脂が第1樹脂よりも柔らかいことが好ましい。換言すると、第1樹脂が第3樹脂よりも硬いことが好ましい。
【0147】
このような構成により、第3層と被シール構造体(または第2被シール構造体)とがより適切に接触することができ、シール性をさらに向上させることができる。
【0148】
本開示において、第3樹脂と第1樹脂との間に硬さの差を設けることができる限り、使用する樹脂に特に制限はない。第3樹脂および第1樹脂において、同一種類で硬さの異なる樹脂を使用してもよい。あるいは、第3層および第1層において、異なる種類で硬さも異なる樹脂を使用してもよい。
【0149】
より具体的には、第3層を構成し得る材料、具体的には第3樹脂の硬さと、第1層を構成し得る材料、具体的には第1樹脂の硬さとの差が、上記のいずれの硬さにおいても、5~25であることが好ましく、より好ましくは10~20である。このように本開示のシール構造体において第3層と第1層との間に硬さの差を設けることによって、シール性をさらに向上させることができる。
【0150】
例えば図8Aに第3層(3)を有するシール構造体130を示す。シール構造体130は、先出の図7Aに例示するシール構造体110の第1層(1)の下側の面(第2層(2)の側とは反対側の面)に第3層(3)を配置することにより形成することができる。
【0151】
図8Aに示すシール構造体130は、第1層(1)に設けられた下方凸部134(具体的には第1下方凸部134a,134b,134c)は、その表面に第3層(3)の下方凸部133(具体的には第1下方凸部133a,133b,133c)が配置されている。図示する形態において、第1層(1)の下方凸部134の頂部の位置と、第3層(3)の下方凸部133の頂部の位置とが垂線Ma、MbおよびMc上でそれぞれ一致しているが、これらは一致していなくてもよい。
【0152】
他のバリエーションとして、例えば図8Bに第3層(3)を有するシール構造体140を示す。シール構造体140は、先出の図7Bに例示するシール構造体120の第1層(1)の下側の面(第2層(2)の側とは反対側の面)に第3層(3)を配置することにより形成することができる。
【0153】
図8Bに示すシール構造体140は、第1層(1)に設けられた下方凸部144(具体的には第1下方凸部144aおよび第2下方凸部144b)の表面に第3層(3)の下方凸部143(具体的には第1下方凸部143aおよび第2下方凸部143b)を有する。図示する形態において、第1層(1)の下方凸部144の頂部の位置と、第3層(3)の下方凸部143の頂部の位置とが垂線MaおよびMb上でそれぞれ一致しているが、これらは一致していなくてもよい。
【0154】
尚、本開示のシール構造体において、第3層(3)の下方凸部は、例えば図2~6に示す第2層(2)の上方凸部と同様の形状を有していてもよい。
【0155】
(全体形状)
例えば図9に本開示のシール構造体の全体形状を示す。例えば(A)リング型のシール構造体200、(B)チューブ型のシール構造体300、(C)多孔型のシール構造体400などが挙げられる。
【0156】
具体的には、図9Aは、リング型のシール構造体200の(a)正面、(b)側面、(c)背面を示す。図9A(b)の側面において、シール構造体200の凸部を確認することができる。
図9Bは、チューブ型のシール構造体300の全体形状を示す斜視図である。
図9Cは、多孔型のシール構造体400の(a)正面、(b)側面、(c)背面を示す。図9C(b)の側面において、シール構造体400の凸部を確認することができる。
【0157】
以下、リング型のシール構造体200、チューブ型のシール構造体300および多孔型のシール構造体400について簡単に説明する。
【0158】
図10は、リング型のシール構造体200を示す((A)正面、(B)側面、(C)背面、(D)底面または上面)。リング型のシール構造体200は、環状の全体構造を有する。シール構造体200は、その外周に凸部として設けられた3つの凸条(201,202,203)および内周に凸部として設けられた3つの凸条(204,205,206)を有する(図10E参照)。
【0159】
シール構造体200は、例えば、コネクターのハウジング(または第1被シール構造体)と、それに嵌合することができるコネクター本体(または第2被シール構造体)との間に配置されてシールを形成することができる。シール構造体200は、まずコネクター本体などに装着されて、次にコネクターハウジングに挿入することが好ましい。
【0160】
図10Eは、図10Aに示すシール構造体200のx-xでの断面を簡略化して模式的に示す。凸部201、202および203は、本開示の「第2層」に設けられ得る凸部を模式的に示す。凸部204、205および206は、本開示の「第1層」または「第3層」に設けられ得る凸部を模式的に示す。尚、図10Eの断面では、説明を簡略化するために、第1層、第2層および/または第3層の境界は示していない。
【0161】
図11は、チューブ型のシール構造体300を模式的に示す斜視図である。チューブ型のシール構造体300は、筒状の全体構造を有し、その外周に凸部として2つの凸条(301,302)を有する。
【0162】
凸部301および302は、本開示の「第2層」に設けられ得る凸部に対応する。図示する形態において、凸部303は、本開示の「第1層」の凸部に対応する。図示する形態では、凸部303の上側に凸部301が形成されている。
【0163】
チューブ型のシール構造体300は、好ましくは、その内部に設けられた貫通孔にコード、電線またはその固定具などの被シール構造体(または第2被シール構造体)を配置して固定することができるように構成されている。貫通孔の内部の形状(すなわち、本開示の「第1層」または「第3層」の「第2層」とは反対側の表面の形状(図7図8参照))は、貫通孔内に配置され得る被シール構造体(または第2被シール構造体)の表面の形状と相補的であることが好ましい。
【0164】
チューブ型のシール構造体300は、その貫通孔にコード、電線またはその固定具などの被シール構造体(または第2被シール構造体)を配置し、さらにコネクターのハウジングなどの被シール構造体(または第1被シール構造体)に挿入することでシールを形成することができる。
【0165】
図12は、多孔型のシール構造体400を示す((A)正面、(B)側面、(C)背面、(D)部分断面)。多孔型のシール構造体400は、例えば板状であり、複数の貫通孔を有し、外周に凸部として設けられた3つの凸条(401,402,403)および貫通孔の内部に凸部として設けられた2つの凸条(404,405)を有する(図12D参照)。
【0166】
多孔型のシール構造体400は、複数の貫通孔にコード、電線またはその固定具などの被シール構造体(または第2被シール構造体)をそれぞれ配置し、さらにコネクターのハウジングなどの被シール構造体(または第1被シール構造体)などに挿入することでシールを形成することができる。
【0167】
図12Dは、図12Bに示すシール構造体400の丸で囲んだ部分の断面を簡略化して模式的に示す。凸部401、402および403は、本開示の「第2層」に設けられ得る凸部を模式的に示す。凸部404および405は、本開示の「第1層」または「第3層」に設けられ得る凸部(ただし本開示の「第2層」の反対側の凸部)を模式的に示す。尚、図12Dの部分断面では、説明を簡略化するために、第1層、第2層および/または第3層の境界は示していない。
【0168】
本開示のシール構造体は、上記の形態に限定されるものではない。本開示では上記の形態を必要に応じて適宜組み合わせて使用してよい。特に凸部の形状を適宜組み合わせて使用してよい。
【0169】
[本開示のシール構造体の製造方法]
本開示のシール構造体は、主に「二色成形」を利用することにより製造することができる。例えば、第1層および第2層、必要に応じて第3層を「二色成形」により形成することができる。また、「二色成形」によって凸部をそれぞれ別々に独立して形成することもできる。
【0170】
本開示のシール構造体は積層体であることが好ましい。本開示のシール構造体は、より好ましくは二色成形により一体的に製造された積層体である。
【産業上の利用可能性】
【0171】
本開示のシール構造体は、例えば、防水性、防塵性および/または気密性などが求められるさまざまな分野において利用することができる。本開示のシール構造体は、特に電気的な接続のために使用され得るコネクター、特にコネクターのハウジングにおいて使用することができる。
【符号の説明】
【0172】
1 第1層
2 第2層
3 第3層
10,20,30,40,50,60,70,80,90 シール構造体
110,120,130,140 シール構造体
11,21,31,41,51,61,71 第1層の第1上方凸部
12,22,32,42,52,62,72 第2層の第1上方凸部
81a,91a,111,121,131,141 第1層の第1上方凸部
81b,91b 第1層の第2上方凸部
81c,91c 第1層の第3上方凸部
82a,92a,112,122,132,142 第2層の第1上方凸部
82b,92b 第2層の第2上方凸部
82c,92c 第2層の第3上方凸部
114、134,124a,144a 第1層の第1下方凸部
124b,144b 第1層の第2下方凸部
133,143a 第3層の第1下方凸部
143b 第3層の第2下方凸部
200 リング型のシール構造体
201,202,203,204,205,206 凸部/凸条(リング型)
300 チューブ型のシール構造体
301,302,303 凸部/凸条(チューブ型)
400 多孔型のシール構造体
401,402,403,404,405 凸部/凸条(多孔型)
X 従来のシール構造体
Y 従来の凸部
S,S,S 被シール構造体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13