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特許7503995表示制御装置、表示装置及び表示制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示装置及び表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240614BHJP
   G09G 5/08 20060101ALI20240614BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240614BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20240614BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G5/00 530M
G09G5/08 E
G09G5/02 B
G09G5/14 A
H04N7/18 J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020173441
(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公開番号】P2022064677
(43)【公開日】2022-04-26
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】伊井野 将嘉
(72)【発明者】
【氏名】高田 道弘
(72)【発明者】
【氏名】前田 真由子
(72)【発明者】
【氏名】松永 康孝
(72)【発明者】
【氏名】高木 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】中川 拓也
(72)【発明者】
【氏名】水瀬 雄樹
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/098216(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/052496(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/136559(WO,A1)
【文献】特開2018-098567(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0117263(KR,A)
【文献】特開2003-063339(JP,A)
【文献】国際公開第2007/058325(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
B60R 1/00
H04N 7/18
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車支援機能を有する車両(A)において用いられ、前記車両の後方を撮影する後方カメラ(64)の後方画像(RV)と、前記後方画像とは異なる撮影範囲を含む別画像(TV)とを互いに並ぶ配置で表示器(53)に表示させる表示制御装置であって、
前記後方画像を取得する映像取得部(86)と、
前記車両を目標駐車位置(TPP)に駐車させる前記駐車支援機能が作動する場合、前記後方画像の中の前記目標駐車位置に相当する場所に、前記目標駐車位置を示す枠状又は面状の目標画像部(PTr,PAr)を重畳する映像処理部(87)と、を備え、
前記映像処理部は、
前記目標画像部の少なくとも一部を半透過の状態で前記後方画像に重畳し、
前記目標画像部の四隅(Co)を少なくとも強調する強調画像部(PEr)を、前記後方画像にさらに重畳し、
前記別画像の中の前記目標駐車位置に相当する場所にも、前記目標駐車位置を示す枠状又は面状の別視点画像部(PTt)を重畳し、
前記別視点画像部を不透過とするか、又は前記別視点画像部の透過率を前記目標画像部の透過率よりも低くする表示制御装置。
【請求項2】
前記映像処理部は、前記強調画像部を前記目標画像部とは異なる色で描画する請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記映像処理部は、前記強調画像部を白色で描画し、前記目標画像部を白色とは異なる色で描画する請求項に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記映像処理部は、前記後方画像の中の前記目標画像部とは重ならない位置に、前記強調画像部を半透過の状態で重畳する請求項1~3のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記映像処理部は、前記後方画像の中の前記目標画像部と接する位置に前記強調画像部を重畳する請求項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記映像処理部は、前記後方画像の中の前記目標駐車位置に相当する場所に所定幅の描画基準線を規定し、前記描画基準線のうちの内側の部分を前記目標画像部とし、前記描画基準線のうちの外側の部分を前記強調画像部とする請求項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記目標画像部及び前記強調画像部は、共に枠状を呈し、
前記強調画像部の枠線幅は、前記目標画像部の枠線幅よりも狭い請求項1~のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記強調画像部は、前記目標画像部の外周側を全周に亘って囲む形状である請求項1~のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
駐車支援機能を有する車両(A)において用いられ、前記車両の後方を撮影する後方カメラ(64)の後方画像(RV)と、前記後方画像とは異なる撮影範囲を含む別画像(TV)とを互いに並ぶ配置で表示する表示装置であって、
前記後方画像を取得する映像取得部(86)と、
前記車両を目標駐車位置(TPP)に駐車させる前記駐車支援機能が作動する場合、前記後方画像の中の前記目標駐車位置に相当する場所に、前記目標駐車位置を示す枠状又は面状の目標画像部(PTr,PAr)を重畳する映像処理部(87)と、
前記目標画像部が重畳された前記後方画像を表示する表示器(53)と、を備え、
前記映像処理部は、
前記目標画像部の少なくとも一部を半透過の状態で前記後方画像に重畳し、
前記目標画像部の四隅(Co)を少なくとも強調する強調画像部(PEr)を、前記後方画像にさらに重畳し、
前記別画像の中の前記目標駐車位置に相当する場所にも、前記目標駐車位置を示す枠状又は面状の別視点画像部(PTt)を重畳し、
前記別視点画像部を不透過とするか、又は前記別視点画像部の透過率を前記目標画像部の透過率よりも低くする表示装置。
【請求項10】
駐車支援機能を有する車両(A)において用いられ、前記車両の後方を撮影する後方カメラ(64)の後方画像(RV)と、前記後方画像とは異なる撮影範囲を含む別画像(TV)とを互いに並ぶ配置で表示器(53)に表示させる表示制御プログラムであって、
少なくとも1つの処理部(70)に、
前記後方画像を取得し(S102)、
前記車両を目標駐車位置(TPP)に駐車させる前記駐車支援機能が作動する場合に、目標画像部(PTr,PAr)及び強調画像部(PEr)を前記後方画像に重畳し(S105)、
前記別画像の中の前記目標駐車位置に相当する場所にも、前記目標駐車位置を示す枠状又は面状の別視点画像部(PTt)を重畳する、
ことを含む処理を実施させ、
前記目標画像部は、前記目標駐車位置を示す枠状又は面状であり、前記後方画像の中の前記目標駐車位置に相当する場所に、少なくとも一部が半透過の状態で重畳され、
前記強調画像部は、前記目標画像部の四隅(Co)を少なくとも強調し、
前記別視点画像部は、不透過とされるか、又は前記目標画像部よりも低い透過率とされる、表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書による開示は、後方カメラの後方画像を表示させる表示制御装置、表示装置及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、目標駐車位置への誘導案内を行う駐車支援装置が開示されている。この駐車支援装では、タッチディスプレイに映し出されるバックカメラの車両後方画像上に、目標駐車枠が重畳表示される。特許文献1には、目標駐車枠の重畳表示後も車両後方画像が視認できるように、目標駐車枠を半透明に表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-118904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばアメリカのKT(Kids and Transportation Safety Act)法の要件を満たすためには、特許文献1のように、目標駐車枠を半透明に表示し、車両後方画像の視認性を確保することが有効となる。しかし、目標駐車枠を半透明に表示してしまうと、目標駐車枠の視認性は、低下する。その結果、車両後方画像の状態によっては、車両後方画像の中から目標駐車枠を見つけることが難くなり、車両後方画像を視認するユーザの利便性が損なわれる虞があった。
【0005】
本開示は、ユーザの利便性の確保に有効な表示制御装置、表示装置及び表示制御プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、駐車支援機能を有する車両(A)において用いられ、車両の後方を撮影する後方カメラ(64)の後方画像(RV)と、後方画像とは異なる撮影範囲を含む別画像(TV)とを互いに並ぶ配置で表示器(53)に表示させる表示制御装置であって、後方画像を取得する映像取得部(86)と、車両を目標駐車位置(TPP)に駐車させる駐車支援機能が作動する場合、後方画像の中の目標駐車位置に相当する場所に、目標駐車位置を示す枠状又は面状の目標画像部(PTr,PAr)を重畳する映像処理部(87)と、を備え、映像処理部は、目標画像部の少なくとも一部を半透過の状態で後方画像に重畳し、目標画像部の四隅(Co)を少なくとも強調する強調画像部(PEr)を、後方画像にさらに重畳し、別画像の中の目標駐車位置に相当する場所にも、目標駐車位置を示す枠状又は面状の別視点画像部(PTt)を重畳し、別視点画像部を不透過とするか、又は別視点画像部の透過率を目標画像部の透過率よりも低くする表示制御装置とされる。
【0007】
また開示された一つの態様は、駐車支援機能を有する車両(A)において用いられ、車両の後方を撮影する後方カメラ(64)の後方画像(RV)と、後方画像とは異なる撮影範囲を含む別画像(TV)とを互いに並ぶ配置で表示する表示装置であって、後方画像を取得する映像取得部(86)と、車両を目標駐車位置(TPP)に駐車させる駐車支援機能が作動する場合、後方画像の中の目標駐車位置に相当する場所に、目標駐車位置を示す枠状又は面状の目標画像部(PTr,PAr)を重畳する映像処理部(87)と、目標画像部が重畳された後方画像を表示する表示器(53)と、を備え、映像処理部は、目標画像部の少なくとも一部を半透過の状態で後方画像に重畳し、目標画像部の四隅(Co)を少なくとも強調する強調画像部(PEr)を、後方画像にさらに重畳し、別画像の中の目標駐車位置に相当する場所にも、目標駐車位置を示す枠状又は面状の別視点画像部(PTt)を重畳し、別視点画像部を不透過とするか、又は別視点画像部の透過率を目標画像部の透過率よりも低くする表示装置とされる。
【0008】
また開示された一つの態様は、駐車支援機能を有する車両(A)において用いられ、車両の後方を撮影する後方カメラ(64)の後方画像(RV)と、後方画像とは異なる撮影範囲を含む別画像(TV)とを互いに並ぶ配置で表示器(53)に表示させる表示制御プログラムであって、少なくとも1つの処理部(70)に、後方画像を取得し(S102)、車両を目標駐車位置(TPP)に駐車させる駐車支援機能が作動する場合に、目標画像部(PTr,PAr)及び強調画像部(PEr)を後方画像に重畳し(S105)、別画像の中の目標駐車位置に相当する場所にも、目標駐車位置を示す枠状又は面状の別視点画像部(PTt)を重畳する、ことを含む処理を実施させ、目標画像部は、目標駐車位置を示す枠状又は面状であり、後方画像の中の目標駐車位置に相当する場所に、少なくとも一部が半透過の状態で重畳され、強調画像部は、目標画像部の四隅(Co)を少なくとも強調し、別視点画像部は、不透過とされるか、又は目標画像部よりも低い透過率とされる、表示制御プログラムとされる。
【0009】
これらの態様では、目標駐車位置を示す枠状又は面状の目標画像部の四隅が、強調画像部によって強調される。故に、目標画像部が半透過の状態で後方画像に重畳され、目標画像部の視認性が低くても、目標画像部を見つけ易い後方画像が表示され得る。したがって、後方画像を視認するユーザの利便性が確保可能となる。
【0010】
尚、上記及び特許請求の範囲等における括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態による表示制御ECUを含む車載ネットワークの全体像を示す図である。
図2】ディスプレイによって表示される周辺監視映像の一例を示す図である。
図3】後方画像に重畳される目標駐車枠が後方画像中の立体物と重なるシーンの一例を示す図である。
図4図3の領域IVの映像範囲であって、立体物と目標駐車枠とが重なり部分を拡大して示す図である。
図5】表示制御ECUにて実施される表示制御方法の詳細を示すフローチャートである。
図6】変形例1の車載ECUを含む車載ネットワークの全体像を示す図である。
図7】変形例2の表示装置を含む車載ネットワークの全体像を示す図である。
図8】変形例3の後方画像の目標駐車枠及び強調表示枠を示す図である。
図9】変形例4の後方画像の目標駐車枠及び強調表示枠を示す図である。
図10】変形例5の後方画像の目標駐車枠及び強調表示枠を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の一実施形態による表示制御装置の機能は、図1に示す表示制御ECU(Electronic Control Unit)100によって実現されている。表示制御ECU100は、車両Aにおいて用いられ、車両Aに搭載された表示デバイスに映像データを出力する表示制御機能を備えている。表示制御ECU100は、複数のコンテンツの1つとして、図2に示すような周辺監視映像AVMを、車両Aに搭載された表示デバイスに表示させる。
【0013】
図1に示す表示制御ECU100は、車両Aに搭載された車載ネットワークの通信バス99に通信可能に接続されている。車載ネットワークの通信バス99には、駐車支援ECU10、ソナーシステム20、走行制御システム30、ボディECU40、ディスプレイオーディオ50及びカメラシステム60等がさらに接続されている。通信バス99に接続されたこれらのノードは、相互に通信可能である。尚、これら装置及び各ECUのうちの特定ノード同士は、相互に直接的に電気接続され、通信バス99を介することなく通信可能であってもよい。
【0014】
駐車支援ECU10は、車両Aを駐車させるドライバの運転操作(以下、駐車運転操作)を支援する駐車支援機能を実現する。駐車支援ECU10の搭載により、駐車支援ECU10は、駐車支援機能を有する。こうした駐車支援機能を使用する場合、ドライバには、周囲を監視する義務が生じる。駐車支援ECU10は、ドライバの駐車運転操作を代行し、ドライバによる周辺監視が不要な自動駐車機能を実現可能であってもよい。
【0015】
駐車支援ECU10は、処理部11、ストレージ12及び通信インターフェース13等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。処理部11は、CPU(Central Processing Unit)等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。処理部11は、RAMと電気的に結合されており、RAMへのアクセスにより、駐車支援機能を実現するための種々の処理を実行する。ストレージ12は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。ストレージ12には、処理部11によって実行される種々のプログラム(駐車支援プログラム等)が格納されている。通信インターフェース13は、通信バス99と電気的に接続されており、駐車支援機能の実現に必要な情報を通信バス99との間で送受信する。
【0016】
駐車支援ECU10は、ソナーシステム20及びカメラシステム60等の自律センサ群から出力される検出情報を、通信インターフェース13にて受信し、自車周囲の走行環境を認識する。加えて、駐車支援ECU10は、通信バス99に出力された車両情報に基づき、自車の走行状態を把握する。駐車支援ECU10は、検出情報及び車両情報に基づき、自車の走行、停止及び操舵等を指示する制御指令を生成する。駐車支援ECU10は、生成した制御指令を、通信インターフェース13及び通信バス99を通じて、走行制御システム30の各ECUに提供する。以上により、駐車支援ECU10は、走行制御システム30と連携し、ドライバの駐車運転操作を支援する。尚、駐車支援機能の具体的な作動は後述する。
【0017】
ソナーシステム20は、複数のソナーセンサ21及びソナーECU23を備えている。複数のソナーセンサ21は、車両Aの前後のバンパー等に相互に間隔を開けた配置で埋め込まれている。各ソナーセンサ21は、車両Aの周囲へ向けて超音波を発信し、自車周囲の移動物体及び静止物体等で反射された超音波を受信する。ソナーECU23は、各ソナーセンサ21と電気的に接続されており、各ソナーセンサ21による超音波の発信及び受信を制御する。ソナーECU23は、ソナーセンサ21の受信信号に基づき、自車周囲に存在する移動物体及び静止物体等の相対位置を示す検出情報を生成する。ソナーECU23は、生成した検出情報を、通信バス99を通じて駐車支援ECU10に逐次提供する。
【0018】
走行制御システム30は、車両Aの走行を制御する複数の車載ECU及び多数のアクチュエータを含んでいる。走行制御システム30には、ステア制御ECU31、動力制御ECU32及びブレーキ制御ECU33が含まれている。ステア制御ECU31、動力制御ECU32及びブレーキ制御ECU33は、それぞれマイクロコントローラを主体として含む構成である。
【0019】
ステア制御ECU31は、車両Aの操舵制御システムに設けられた車載ECUである。ステア制御ECU31は、駐車支援ECU10によって送信される制御指令に基づき、ステアリングアクチュエータを作動させることで、操舵輪の向き、ひいては車両Aの進行方向を制御する。
【0020】
動力制御ECU32は、車両Aに搭載された走行用のパワーユニットを制御する車載ECUである。パワーユニットには、内燃機関及びモータジェネレータの少なくとも一方が含まれている。動力制御ECU32は、駐車支援ECU10によって送信される制御指令に基づき、パワーユニットを制御することで、低速域での車両Aの走行速度を調整する。
【0021】
ブレーキ制御ECU33は、車両Aのブレーキシステムに設けられた車載ECUである。ブレーキ制御ECU33は、駐車支援ECU10によって送信される制御指令に基づき、ブレーキアクチュエータを作動させることで、車両Aの減速及び停止を制御する。
【0022】
ボディECU40は、マイクロコントローラを主体として含む車載ECUである。ボディECU40は、車両Aに搭載された車載センサ群と接続されている。ボディECU40は、各車載センサの出力を通信バス99に送信する。一例として、ボディECU40には、舵角センサ41及びオートパーキング起動スイッチ(以下、APスイッチ)42が電気的に接続されている。
【0023】
舵角センサ41は、車両Aのステアリングホイールの操舵状態を検出するセンサである。ボディECU40は、舵角センサ41にて検出される舵角(ハンドル角)情報を、通信バス99に出力する。
【0024】
APスイッチ42は、駐車支援ECU10による駐車支援機能を起動させるスイッチである。APスイッチ42は、例えばインスツルメントパネル又はセンターコンソール等に設置されている。ボディECU40は、ドライバによるAPスイッチ42への操作入力を検知すると、駐車支援機能の起動を指示する操作情報を、通信バス99を通じて、駐車支援ECU10に出力する。
【0025】
ディスプレイオーディオ50は、車両Aに搭載された表示デバイスの1つである。ディスプレイオーディオ50は、車両情報を用いて生成した画像を表示する機能と、外部機器から入力される映像を表示する機能とを備えている。ディスプレイオーディオ50は、通信インターフェース51、タッチパネルセンサ52及びディスプレイ53を備えている。
【0026】
通信インターフェース51は、通信バス99と電気的に接続されている。通信インターフェース51は、通信バス99に出力された車両Aの車両情報を受信する。タッチパネルセンサ52は、ディスプレイ53の表示画面に埋め込まれており、ドライバによって表示画面に入力された操作を検知する。例えば周辺監視映像AVM等、一部のコンテンツが表示されている場合、タッチパネルセンサ52の検知に基づくドライバの操作情報は、通信インターフェース51によって通信バス99に出力され、表示中のコンテンツに対応する他のノードに提供される。
【0027】
ディスプレイ53は、例えば液晶ディスプレイ又はOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等を主体とするカラー表示器である。ディスプレイ53は、表示画面を車両後方へ向けた姿勢にて、センタクラスタの上方のインスツルメントパネルの中央部分に配置されている。ディスプレイ53は、上記の周辺監視映像AVMに加えて、多数のメニュー画面、車両Aのステータス画面及び設定画面、テレビ画面、オーディオ画面、並びにマップ画面等を表示可能である。
【0028】
カメラシステム60は、前方カメラ61、右側方カメラ62、左側方カメラ63及び後方カメラ64を備えている。各カメラ61~64は、車両Aに固定されており、予め規定された撮影範囲を繰り返し撮影する。各カメラ61~64は、表示制御ECU100と映像信号線を介して直接的に接続されており、撮影によって生成した撮像データを、予め規定された映像フォーマット(例えば、NTSC方式等)に従う形式で、表示制御ECU100に逐次出力する。
【0029】
前方カメラ61は、例えば車両Aのフロントバンパー中央に固定されており、車両Aの前方範囲を撮影する。右側方カメラ62は、例えば車両Aの右サイドミラーの下面に固定されており、車両Aの右側方範囲を撮影する。左側方カメラ63は、例えば車両Aの左サイドミラー下面に固定されており、車両Aの左側方範囲を撮影する。後方カメラ64は、例えばリヤハッチゲート及びトランクリッド等の中央に固定されており、車両Aの後方範囲を撮影する。以上の各カメラ61~64によって撮影された前方画像、右側方画像、左側方画像及び後方画像RV(図2参照)の各撮像データは、表示制御ECU100に逐次入力される。
【0030】
表示制御ECU100は、カメラシステム60の各カメラ61~64から取得する複数の撮像データを用いて、周辺監視映像AVMの映像データを生成する映像生成装置である。表示制御ECU100は、周辺監視映像AVMの映像データをディスプレイオーディオ50に出力することで、ディスプレイ53の表示を制御する。表示制御ECU100は、処理部70、ストレージ74、通信インターフェース75及び映像出力インターフェース76等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。
【0031】
処理部70は、メインCPU71、GDC(Graphics Display Controller)72及び映像処理ASIC(Application Specific Integrated Circuit)73等によって構成されている。メインCPU71は、例えば1GHz~2GHzの動作周波数で動作する1コア又は2コアタイプの汎用CPUである。メインCPU71は、RAMと電気的に結合されており、RAMへのアクセスにより、映像処理に関連する種々の処理を実行する。GDC72は、CPU及びGPU(Graphics Processing Unit)等の演算コアと、RAM及びビデオRAM等とを含む構成である。GDC72は、映像処理に関連して、例えば視点変換及び座標変換等の処理を実行する。加えてGDC72は、各カメラ61~64の撮像データの解析により、自車周囲に存在する移動物体及び静止物体等の相対位置を示す検出情報を生成する。映像処理ASIC73は、各カメラ61~64から入力される撮像データを処理する専用回路である。映像処理ASIC73は、撮像データのデコード処理、同期処理、映像圧縮処理及び合成処理等を実施する。加えて映像処理ASIC73は、後述する予想進路線GLr,GLt等を、各画像RV,TVに重畳する処理を実施する(図2参照)。
【0032】
ストレージ74は、不揮発性の記憶媒体を含む構成である。ストレージ12には、処理部70によって実行される種々のプログラム(表示制御プログラム110等)が格納されている。通信インターフェース75は、通信バス99と電気的に接続されており、映像データの生成に必要な情報を通信バス99との間で送受信する。加えて通信インターフェース75は、処理部70によって生成されるカメラシステム60の検出情報を、通信バス99を通じて駐車支援ECU10に逐次提供する。映像出力インターフェース76は、処理部70にて生成された映像データをデジタル信号に変換し、映像信号としてディスプレイオーディオ50に転送する。
【0033】
次に、駐車支援ECU10を主体として実現される駐車支援機能の詳細を、図1及び図2に基づき説明する。
【0034】
駐車支援ECU10は、APスイッチ42への操作情報を取得すると、駐車支援機能を起動させる。駐車支援ECU10は、駐車支援機能により、車両Aのステアリング、スロットル及びブレーキを自動制御し、ドライバによって設定された目標駐車位置TPPに車両Aを移動させ、目標駐車位置TPPに車両Aを停車させる。こうした駐車支援を実現するため、駐車支援ECU10は、処理部11による駐車支援プログラムの実行により、環境認識部81、経路設定部82及び走行制御部83等の機能部を備える。
【0035】
環境認識部81は、ソナーシステム20及びカメラシステム60の検出情報に基づき、自車周囲の走行環境を認識する。環境認識部81は、目標駐車位置TPPの相対位置と、自車の移動の妨げとなるような障害物の相対位置とを把握する。環境認識部81によって認識される障害物は、例えば路面から突き出したポール等の立体物OBJ(図3参照)、隣接する駐車車両、及び歩行者等である。
【0036】
経路設定部82は、環境認識部81による認識結果に基づき、自車周囲の障害物を避けつつ、車両Aを現在位置から目標駐車位置TPPまで移動させる走行経路を生成する。加えて、経路設定部82は、環境認識部81によって認識される走行経路上の障害物の有無に応じて、車両Aの停止及び走行開始を制御する。例えば、経路設定部82は、走行経路の近傍に歩行者が接近した場合、車両Aを一時停止させる。
【0037】
走行制御部83は、経路設定部82にて生成された走行経路に基づき、走行制御システム30に出力する制御指令を生成する。走行制御部83は、走行制御システム30の各ECU31~33と連携し、目標駐車位置TPPへ向かう自車の移動を実現する。
【0038】
以上の駐車支援機能が駐車支援ECU10にて起動されると、表示制御ECU100は、周辺監視映像AVMの映像データを生成し、ディスプレイ53による周辺監視映像AVMの表示を開始させる。以下、周辺監視映像AVMの詳細を、図2及び図3に基づき、図1を参照しつつ説明する。
【0039】
周辺監視映像AVMは、左右に並ぶ2つの表示領域を有している。2つの表示領域のうち運転席に近い第1表示領域D1には、俯瞰画像TVが表示される。一方、2つの表示領域のうち運転席から遠い第2表示領域D2には、後方画像RVが表示される。ディスプレイ53の表示画面における第2表示領域D2の表示面積は、第1表示領域D1の表示面積よりも広くされている。こうした俯瞰画像TV及び後方画像RVの左右の配置及び表示サイズは、ユーザ操作によって変更可能であってよい。
【0040】
俯瞰画像TVは、カメラシステム60の各カメラ61~64の撮像データを合成した画像である。俯瞰画像TVは、車両Aの上方に規定された仮想視点から見下ろしたように表示される縦長の画像である。俯瞰画像TVの上下左右は、実際の車両Aの前後左右に対応している。俯瞰画像TVでは、自車を模した自車画像部PsCの周囲に、各カメラ61~64の撮像データを視点変換した映像がリアルタイムに配置される。
【0041】
俯瞰画像TVには、予想進路線GLt、後端ガイド線GRt、目標駐車枠PTt及び強調表示枠PEt等の画像部が重畳される。
【0042】
予想進路線GLtは、黄色の線状に描画され、不透過の状態で俯瞰画像TVに重畳される。車両Aが後退する場合、予想進路線GLtは、自車画像部PsCに対し進行方向(後方)に相当する側(下側)に表示される。予想進路線GLtは、自車画像部PsCの幅方向にて、自車画像部PsCよりも僅かに外側にはみ出している。予想進路線GLtは、通信インターフェース75によって取得される舵角情報、即ち、操舵輪の舵角に応じて逐次変形し、現在の舵角が維持された場合に車両Aが移動する範囲を示す。
【0043】
後端ガイド線GRtは、赤色の線状に描画され、不透過の状態で俯瞰画像TVに重畳される。後端ガイド線GRtは、自車画像部PsCの後縁に沿って延伸し、自車の進行方向に沿って延伸する予想進路線GLtに、両端を接続させている。後端ガイド線GRtは、俯瞰画像TVの中で自車の後端から所定距離(例えば、0.3~0.5m程度)だけ離れた位置を示している。
【0044】
目標駐車枠PTtは、青色の線状に描画され、不透過の状態で俯瞰画像TVに重畳される。目標駐車枠PTtは、自車画像部PsCよりも僅かに大きい矩形の枠状に表示される。目標駐車枠PTtは、駐車支援ECU10にて設定される又は設定された目標駐車位置TPPを示している。目標駐車枠PTtは、ディスプレイ53(タッチパネル)へのユーザ操作によって俯瞰画像TV内を移動可能である。ユーザは、目標駐車枠PTtを移動させる操作により、駐車支援機能によって自車を駐車させる目標駐車位置TPPを設定できる。
【0045】
強調表示枠PEtは、白色の線状に描画され、不透過の状態で俯瞰画像TVに重畳される。強調表示枠PEtは、俯瞰画像TVの中の目標駐車枠PTtとは重ならない位置に重畳される。強調表示枠PEtは、目標駐車枠PTtの外周側を全周に亘って囲む枠状に表示される。強調表示枠PEtの線幅は、目標駐車枠PTtの線幅よりも狭くされており、一例として目標駐車枠PTtの線幅の半分程度とされている。強調表示枠PEtは、目標駐車枠PTtに沿って描画されることで、目標駐車枠PTtを強調する。強調表示枠PEtは、目標駐車枠PTtと接するように、言い替えれば、目標駐車枠PTtとの間に隙間を生じさせないように描画されている。強調表示枠PEtは、目標駐車枠PTtと共に移動及び変形することで、目標駐車枠PTtとの相対的な位置関係を維持する。
【0046】
後方画像RVは、後方カメラ64の撮像データに基づき生成され、自車の後方をリアルタイムに映す映像である。後方画像RVは、後方カメラ64によって撮影された画像の左右を入れ替えた鏡像である。後方画像RVには、後方カメラ64の撮像データの全体が使用されてもよく、又は後方カメラ64の撮像データの一部を切り出したデータが使用されてもよい。さらに、後方画像RVは、後方カメラ64の撮像データに、歪み補正及び色調補正等の処理を施した映像であってもよい。
【0047】
後方画像RVには、予想進路線GLr、後端ガイド線GRr、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PEr等の画像部が重畳される。これらの画像部は、俯瞰画像TVの予想進路線GLt、後端ガイド線GRt、目標駐車枠PTt及び強調表示枠PEtに対応しており、俯瞰画像TVの各画像部と実質同一の機能を有している。
【0048】
予想進路線GLrは、予想進路線GLtと同様に黄色の線状に描画される。予想進路線GLrは、半透過又は不透過の状態で後方画像RVに重畳される。予想進路線GLrは、後方画像RVに写る自車のリヤバンパーから後方(上方)に延伸している。予想進路線GLrは、予想進路線GLtと共に、操舵輪の舵角に応じて逐次変形し、現在の舵角が維持された場合に車両Aが移動する範囲を示す。
【0049】
後端ガイド線GRrは、後端ガイド線GRtと同様に赤色の線状に描画される。後端ガイド線GRrは、半透過又は不透過の状態で後方画像RVに重畳される。後端ガイド線GRrは、後方画像RVに写る自車のリヤバンパーに沿って画面の横方向に延伸し、画面の縦方向に延伸している予想進路線GLrに、両端を接続させている。後端ガイド線GRrは、俯瞰画像TVの後端ガイド線GRtと同様に、後方画像RVの中で自車のリヤバンパーから所定距離(例えば、0.3~0.5m程度)だけ離れた位置を示している。
【0050】
目標駐車枠PTrは、目標駐車枠PTtと同様に青色の線状に描画される。目標駐車枠PTrは、半透過の状態で後方画像RVに重畳される。目標駐車枠PTrは、後方画像RVの中において自車サイズよりも僅かに大きい矩形の枠状に表示される。目標駐車枠PTrは、目標駐車枠PTtと同様に、駐車支援ECU10に設定される又は設定された目標駐車位置TPPを示しており、ディスプレイ53へのユーザ操作によって後方画像RV内を移動する。目標駐車枠PTr及び目標駐車枠PTtは、互いに連動して移動可能である。そのため、ユーザが後方画像RVの中の目標駐車枠PTrを移動させた場合、俯瞰画像TV内では、目標駐車枠PTrに対応した移動が目標駐車枠PTtに生じる。同様に、ユーザが俯瞰画像TVの中の目標駐車枠PTtを移動させた場合、後方画像RVでは、目標駐車枠PTtに対応した移動が目標駐車枠PTrに生じる。
【0051】
強調表示枠PErは、強調表示枠PEtと同様に白色の線状に描画される。強調表示枠PErは、目標駐車枠PTrとは異なる色で描画される。強調表示枠PErは、後方画像RVの中の目標駐車枠PTrとは重ならない位置に、半透過の状態で重畳される。強調表示枠PErは、目標駐車枠PTrの4つの角部Coを少なくとも強調する形状であり、本実施形態では目標駐車枠PTrの外周側を全周に亘って囲む枠状に表示される。尚、目標駐車枠PTrが後方画像RVから見切れた場合、目標駐車枠PTrは、目標駐車枠PTrの全周を囲まない形状となる。
【0052】
後方画像RVでも、強調表示枠PErの線幅は、目標駐車枠PTrの線幅よりも狭くされている。強調表示枠PErの線幅は、目標駐車枠PTrの線幅の半分程度とされている。強調表示枠PErは、目標駐車枠PTrに沿って描画されることで、目標駐車枠PTrを強調する。強調表示枠PErは、目標駐車枠PTrと接するように、言い替えれば、目標駐車枠PTrとの間に隙間を生じさせないように描画されている。強調表示枠PErは、目標駐車枠PTrと共に移動及び変形することで、目標駐車枠PTrとの位置関係を維持する。そのため、強調表示枠PEr及び強調表示枠PEtには、互いに同期した変化が生じる。
【0053】
次に、後方カメラ64の後方画像RVを表示させる場合に要求される表示要件の詳細と、この表示要件を満たすための目標駐車枠PTr等の態様の詳細とを、図3及び図4に基づき、さらに説明する。
【0054】
上述したKT法では、車両後方の視認エリアが規定され、視認エリアに配置された円柱状のポールの全体を、ディスプレイ53に表示された後方画像RVによって視認可能であることが要求される。具体的に、視認エリアは、車両Aの最後部中央から左右に幅1.5メートル(5フィート)、後方に6メートル(20フィート)と規定されている。また、円柱状のポールの高さは80cmとされており、ポールの直径は30cmとされている。
【0055】
さらに、視認エリアに配置された一部の円柱状のポールは、「全体が見えること」を要求される。故に、後方画像RVに重畳される目標駐車枠PTrは、円柱状のポールの「全体が見えること」を妨げないように、半透明の状態で描画される。具体的に、目標駐車枠PTrは、50%以上の透過率で描画され、より望ましくは、70%の透過率で描画される。以上によれば、目標駐車位置TPPの設定中又は目標駐車位置TPPの設定後に、目標駐車枠PTrが後方画像RVに写る円柱状のポール(例えば、立体物OBJ等)に重なっても、「全体が見えること」の要件は、満たされ得る。
【0056】
但し、目標駐車枠PTrを半透過の状態で描画すると、目標駐車枠PTrの視認性は、低下する。そのため、後方画像RVには、目標駐車枠PTrを強調する強調表示枠PErがさらに表示される。強調表示枠PErも目標駐車枠PTrと同様に、50%以上の透過率で描画され、より望ましくは、70%の透過率で描画される。故に、強調表示枠PErが後方画像RVに写る円柱状のポール(例えば、立体物OBJ等)に重なっても、目標駐車枠PTrと同様に、「全体が見えること」の要件は、満たされ得る。
【0057】
また、後方画像RVと並ぶ配置にてディスプレイ53に表示される俯瞰画像TVは、後方画像RVとは異なる撮影範囲を含む別画像である。故に、俯瞰画像TVには上記の要件が適用されなくてもよい。そのため、俯瞰画像TVに重畳される目標駐車枠PTt及び強調表示枠PEtは、視認性を確保するため、不透過の状態で描画される。
【0058】
以上の後方画像RVを含む周辺監視映像AVMを表示させるため、表示制御ECU100は、処理部70による表示制御プログラム110の実行により、映像取得部86、映像処理部87及び映像出力部88等の機能部を備える。これらの機能部の処理により、周辺監視映像AVMをディスプレイ53に表示させる一連の表示制御方法の詳細を、図5に示すフローチャートに基づき、図3及び図1を参照しつつ、以下説明する。図5に示す表示制御処理は、APスイッチ42への操作入力に基づき、駐車支援機能の起動を通知する起動通知を駐車支援ECU10から受信した表示制御ECU100によって開始される。
【0059】
S101では、映像取得部86が、カメラシステム60へ向けて起動信号を出力する起動処理により、各カメラ61~64を起動させる。S101の起動処理により、各カメラ61~64から映像取得部86(映像処理ASIC73)への撮像データの出力が開始される。
【0060】
S102では、映像取得部86及び映像処理部87により、各カメラ61~64から送信される撮像データの取得処理が行われる。映像取得部86は、カメラシステム60の各カメラ61~64によって撮影された前方画像、右側方画像、左側方画像及び後方画像RVの各撮像データを取得する。映像処理部87は、後方カメラ64の撮像データに、鏡像反転処理等を適用し、ベースとなる後方画像RVを準備する。加えて、映像処理部87は、駐車支援ECU10にて駐車支援機能が作動する場合、映像取得部86にて取得される各カメラ61~64の撮像データを合成し、ベースとなる俯瞰画像TVを準備する。
【0061】
S103では、各画像部の描画に必要な描画用情報が取得される。具体的に、映像処理部87は、舵角センサ41の検出に基づく舵角情報と、目標駐車位置TPPを示す制御情報とを、描画用情報として少なくとも取得する。制御情報は、目標駐車位置TPPを示す制御点の位置情報である。映像処理部87は、制御点の位置情報を駐車支援ECU10から取得することで、目標駐車位置TPPの相対位置情報を駐車支援ECU10と共有する。
【0062】
S104では、S103にて取得した描画用情報に基づき、重畳用の各画像部が描画される。具体的に、映像処理部87は、予め設定された操舵パラメータと最新の舵角情報とに基づき、予想進路線GLr,GLt及び後端ガイド線GRr,GRtを描画する。
【0063】
さらに、映像処理部87は、制御点の位置情報に基づき、目標駐車枠PTr,PTt及び強調表示枠PEr,PEtを描画する。このとき、映像処理部87は、複数の制御点の結ぶようにして、後方画像RV及び俯瞰画像TVの中の各目標駐車位置TPPに相当する場所に、所定幅の描画基準線を規定する。映像処理部87は、描画基準線のうちの内側の部分を目標駐車枠PTr,PTtとし、描画基準線のうちの外側の部分を強調表示枠PEr,PEtとする。以上により、互いに異なる色及び線幅の目標駐車枠PTr,PTt及び強調表示枠PEr,PEtが、互いに接した状態で、且つ、重なることなく描画される。
【0064】
S105では、映像取得部86が、S104にて描画した各画像部を、後方画像RV及び俯瞰画像TVにそれぞれ重畳する。具体的に、映像処理部87は、S102にて準備したベースとなる後方画像RVに、予想進路線GLr,後端ガイド線GRr、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErを重畳し、加工された後方画像RVを生成する。加えて、映像処理部87は、S102にて準備したベースとなる俯瞰画像TVに、予想進路線GLt,後端ガイド線GRt、目標駐車枠PTt及び強調表示枠PEtを重畳し、加工された俯瞰画像TVを生成する。
【0065】
S106では、S105にて生成した後方画像RV及び俯瞰画像TVを左右に並べる処理により、映像処理部87が出力用の周辺監視映像AVMの映像データを生成する。そして、映像出力部88が、映像処理部87によって生成された周辺監視映像AVMの映像データを、ディスプレイ53へ向けて逐次出力する。
【0066】
S107では、周辺監視映像AVMのオフ条件が成立したか否かが判定される。例えば、目標駐車位置TPP等への移動及び停車が完了した場合、ドライバによる所定の運転操作が入力された場合、並びにAPスイッチ42にオフ操作が入力された場合等に、オフ条件が成立したと判定される。S107にて、オフ条件が成立していないと判定した場合、S102に戻り、映像データの生成及び出力が継続される。一方、オフ条件が成立していると判定した場合、S108に進む。
【0067】
S108では、周辺監視映像AVMから別の映像コンテンツへの切り替えを指示する通知がディスプレイオーディオ50へ向けて送信される。S108にて送信された通知に基づき、ディスプレイオーディオ50は、ディスプレイ53による周辺監視映像AVMの表示を終了させる。そして、S109では、映像取得部86が、カメラシステム60へ向けて動作終了信号を出力する。こうしたオフ処理により、表示制御ECU100は、各カメラ61~64をシャットダウンさせて、表示制御処理を終了する。
【0068】
ここまで説明した本実施形態では、目標駐車位置TPPを示す枠状の目標駐車枠PTrの4つの角部Coが、強調表示枠PErによって強調される。故に、目標駐車枠PTrが半透過の状態で後方画像RVに重畳され、目標駐車枠PTrの視認性が低くても、目標駐車枠PTrを見つけ易い後方画像RVが表示され得る。したがって、後方画像RVを視認するユーザの利便性が確保可能となる。
【0069】
加えて本実施形態では、強調表示枠PErが目標駐車枠PTrと異なる色で描画される。このように、強調表示枠PErを目標駐車枠PTrとは異なる色で描画すれば、後方画像RVの撮影環境が変化し、自車周囲の外光量が増減しても、強調表示枠PEr及び目標駐車枠PTrの少なくとも一方は、ユーザから見つけられ易い状態を維持し得る。故に、ユーザの利便性は、損なわれ難くなる。
【0070】
また本実施形態では、強調表示枠PErが白色で描画される一方で、目標駐車枠PTrは、白色とは異なる色で描画される。具体的に、目標駐車枠PTrは、青色で描画される。このように、目標駐車枠PTrが白色とは異なる色で描画されれば、ユーザは、目標駐車枠PTrを、後方画像RVに写る実際の白線と区別し易くなる。このとき、強調表示枠PErは、目標駐車枠PTrと共に表示されるため、白色に描画されても、実際の白線と誤認され難い。
【0071】
さらに、例えば夜間等で後方画像RVが暗くなり、目標駐車枠PTrが目立ち難くなると、白色の強調表示枠PErが、目標駐車位置TPPを示す目標駐車枠PTrの機能を補完する。外光量が少ない場合、後方画像RVに写る実際の白線は目立たない状態となるため、強調表示枠PErは、後方画像RVの中の実際の白線と誤認され難い。以上のように、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErは、後方画像RVの撮影環境が変化しても、協働して、目標駐車位置TPPを分かり易く提示し続けることができる。
【0072】
加えて本実施形態では、後方画像RVの中の目標駐車枠PTrとは重ならない位置に、強調表示枠PErが半透過の状態で重畳される。仮に目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErが重なってしまうと、これらの画像部を個別に半透過の状態としていても、これらの画像部の重なり部分は、実質的に不透過の状態となり、後方画像RVを透過させることが難しくなる。一例として、50%程度の透過率が目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErに設定されても、重なり部分の透過率は、25%程度となってしまう。以上のことから、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErの重なりを回避することにより、後方画像RVに重畳される画像部が立体物OBJの視認を妨げる事態は、高い確実性をもって回避され得る。
【0073】
また本実施形態では、後方画像RVの中の目標駐車枠PTrとする位置に、強調表示枠PErが重畳される。仮に、目標駐車枠PTrと強調表示枠PErとの間に隙間(以下、枠間隙間)が存在する場合、目標駐車枠PTrの曲線形状によっては、ディスプレイ53及び映像データの解像度の不足に起因し、枠間隙間の幅を滑らかに変化させることが難しくなる。このような枠間隙間は、後方画像RVの見映えを著しく損ねてしまう。
【0074】
一方で、強調表示枠PErの内側境界を目標駐車枠PTrの外側境界と接する配置とし、枠間隙間を消失させれば、枠間隙間に起因する後方画像RVの見映えの低下は、回避される。したがって、強調表示枠PEr及び目標駐車枠PTrを互いに密着させる表示態様は、周辺監視映像AVMを表示するシステムの商品性向上に寄与できる。
【0075】
さらに本実施形態の映像処理部87は、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErを描画する処理において、後方画像RVの中の目標駐車位置TPPに相当する場所に、所定幅の描画基準線を規定する。そして、映像処理部87は、描画基準線のうちの内側の部分を目標駐車枠PTrとし、描画基準線のうちの外側の部分を強調表示枠PErとする。このような描画手法によれば、映像処理部87は、低い演算負荷で、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErの重なりを回避しつつ、互いに正確に接した目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErを描画できる。即ち、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErの重なり及び離間の発生が、安定的に回避され得る。したがって、KT法の要件を満たしつつ、見映えに優れる後方画像RVの表示が実現される。
【0076】
加えて本実施形態では、共に枠状を呈する目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErにおいて、強調表示枠PErの枠線幅は、目標駐車枠PTrの枠線幅よりも狭くされている。こうした表示態様であれば、描画形状の類似する2つの画像部の主従の関係が明確となる。故に、目標駐車枠PTrによって示される目標駐車位置TPPが、強調表示枠PErの追加表示によりかえって分かり難くなる事態は、回避される。
【0077】
また本実施形態の強調表示枠PErは、目標駐車枠PTrの外周側を全周に亘って囲む形状とされる。こうした描画形状によれば、強調表示枠PErによる目標駐車枠PTrの強調効果は、いっそう発揮され易くなる。その結果、後方画像RVは、目標駐車位置TPPをいっそう分かり易くユーザに提示できる。
【0078】
さらに本実施形態では、後方画像RVとは異なる撮影範囲を含んだ別画像として、俯瞰画像TVが、後方画像RVと並ぶ配置でディスプレイ53に表示される。そして、俯瞰画像TVの中の目標駐車位置TPPに相当する場所にも、目標駐車位置TPPを示す枠状の目標駐車枠PTtが表示される。
【0079】
上述したように、俯瞰画像TVの目標駐車枠PTtは、不透過の状態で重畳されてよい。こうした不透過の目標駐車枠PTtは、高い視認性を有し、目標駐車位置TPPを分かり易くユーザに示し得る。以上によれば、後方画像RVの目標駐車枠PTrを半透過の状態としたことで、後方画像RVから目標駐車位置TPPを把握する容易性が低下したとしても、目標駐車枠PTtを表示する俯瞰画像TVが、後方画像RVの機能を補完し得る。したがって、周辺監視映像AVMは、全体としてユーザによる目標駐車位置TPPの把握を容易にできる。
【0080】
尚、上記実施形態では、ディスプレイ53が「表示器」に相当し、目標駐車枠PTrが「目標画像部」に相当し、目標駐車枠PTrの4つの角部Coが「(目標駐車枠PTrの)四隅」に相当し、強調表示枠PErが「強調画像部」に相当する。また、俯瞰画像TVが「別画像」に相当し、目標駐車枠PTtが「別視点画像部」に相当し、表示制御ECU100が「表示制御装置」に相当する。
【0081】
(他の実施形態)
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0082】
図6に示す上記実施形態の変形例1では、駐車支援ECU10及び表示制御ECU100に相当する構成として、車載統合ECU200が車載ネットワークに設けられている。車載統合ECU200は、処理部70、RAM及びストレージ74を備える高性能な車載コンピュータである。車載統合ECU200は、処理部70による駐車支援プログラムの実行により、駐車支援機能を実現するための機能部である環境認識部81、経路設定部82及び走行制御部83を備える。加えて、車載統合ECU200は、処理部70による表示制御プログラム110の実行により、周辺監視映像AVMを表示させるための機能部である映像取得部86、映像処理部87及び映像出力部88を備える。このような変形例1では、車載統合ECU200が「表示制御装置」に相当する。
【0083】
図7に示す上記実施形態の変形例2では、表示制御ECU100及びディスプレイオーディオ50に相当する構成として、表示装置300が車載ネットワークに設けられている。表示装置300は、処理部70、RAM及びストレージ74に加えて、ディスプレイユニット350を備えている。ディスプレイユニット350は、タッチパネルセンサ52及びディスプレイ53を含む構成である。以上の変形例2のように、周辺監視映像AVMの映像データを生成する機能は、表示装置300の制御回路に実装されていてもよい。このような変形例2では、表示装置300が「表示装置」及び「表示制御装置」に相当する。
【0084】
図8図10に示す変形例3~5の後方画像RVでは、目標駐車枠PTrの表示態様が上記実施形態と異なっている。具体的に、図8に示す変形例3の後方画像RVでは、後方画像RVの中の目標駐車位置TPPに相当する場所に、目標駐車位置TPPを示す面状の目標駐車域PArが重畳される。目標駐車域PArの全体は、上記実施形態の目標駐車枠PTrと同様に、不透過の状態で後方画像RVに重畳される。目標駐車域PArにおいて外縁部分を除く中央部分は、外縁部分よりも透過率が高くされてよい。強調表示枠PErは、目標駐車域PArの外縁部分に外周側から接しており、且つ、目標駐車域PArの外縁部分に重ならないように描画される。
【0085】
また、図9に示す変形例4の後方画像RVでも、目標駐車位置TPPを示す面状の目標駐車域PArが重畳される。加えて変形例4では、強調表示枠PErは、4つに分割されている。各強調表示枠PErは、それぞれL字状を呈し、目標駐車域PArの四隅に位置する各角部Coの外側に重畳されている。各強調表示枠PErは、各角部Coに外周側から接しており、且つ、各角部Coと重ならないように描画される。
【0086】
さらに、図10に示す変形例5の後方画像RVでも、目標駐車位置TPPを示す面状の目標駐車域PArが重畳される。加えて変形例5では、4つに分割された各強調表示枠PErが、不透過の状態で後方画像RVに重畳されている。各強調表示枠PErは、目標駐車域PArの各角部Coから僅かに離れた位置に重畳されている。これにより、各強調表示枠PErと各角部Coとの間には、枠間隙間が形成されている。
【0087】
以上の変形例3~5でも、上記実施形態と同様の効果を奏する。尚、変形例3~5では、目標駐車域PArが「目標画像部」に相当する。また、俯瞰画像TVには、目標駐車域PArに相当する目標駐車域が「別視点画像部」として表示される。加えて、変形例4,5では、強調表示枠PErの形状に応じて、俯瞰画像TVに重畳される強調表示枠PErの形状も変更されてよい。
【0088】
上記実施形態の変形例6及び変形例7では、映像処理部87が、後方画像RVの状態に応じて、強調表示枠PErの表示を中止する。尚、変形例6及び変形例7では、強調表示枠PErの表示が中止される場合には、目標駐車枠PTrが不透過の状態で重畳されてもよい。
【0089】
具体的に、変形例6の映像処理部87は、後方画像RVの明暗を判定する。映像処理部87は、後方画像RVの全体の明度の平均値を閾値と比較することで明暗を判定してもよく、後方カメラ64の制御値(露出値)を閾値と比較することで明暗を判定してもよい。映像処理部87は、後方画像RVが暗いと判定した場合、目標駐車枠PTrに加えて、強調表示枠PErを後方画像RVに重畳する。一方、映像処理部87は、後方画像が明るい(暗くない)と判定した場合、強調表示枠PErの重畳を実施しない。
【0090】
また、変形例7の映像処理部87は、後方画像RVに写る立体物OBJ(図3参照)の有無を判定する。映像処理部87は、後方画像RVの全体又は特定の範囲に立体物OBJが写っている判定した場合、目標駐車枠PTrに加えて、強調表示枠PErを後方画像RVに重畳する。一方、映像処理部87は、後方画像RVに立体物OBJが写っていないと判定した場合、強調表示枠PErの重畳を実施しない。
【0091】
上記実施形態における目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErの各形状は、厳密な四角形状でなくてもよい。例えば、四隅の角部Coに角アール及び面取り等が設けられていてもよい。また、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErの各透過率は、互いに同一又は実質同一でなくてもよい。例えば、強調表示枠PErの透過率は、目標駐車枠PTrの透過率より低くてもよく、又は目標駐車枠PTrの透過率より高くてもよい。また、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErの透過率は、画像部内の各箇所で互いに異なっていてもよい。例えば、後方画像RVにて、円柱状のポールの「全体が見えること」の要件が適用されない画像範囲では、各画像部は、不透過又は透過率の低い状態で重畳されてもよい。
【0092】
さらに、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErの各色は、適宜変更されてよい。例えば、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErは、同一色で描画されてもよい。また、目標駐車枠PTrは、青以外の色であってもよい。但し、青色は、自然界には存在し難い色であるため、半透過(半透明)の状態であっても後方画像RVの中で区別され易い。故に、目標駐車枠PTrは、青色で描画されるのが望ましい。
【0093】
また、立体物OBJの全体が見える状態を維持できるのであれば、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErは、少なくとも一部が重なって描画されてもよい。さらに、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErを描画する手法は、適宜変更されてよい。加えて、強調表示枠PErは、目標駐車枠PTrと同程度の線幅で描画されてもよく、又は目標駐車枠PTrよりも太い線幅で描画されてもよい。さらに、強調表示枠PEr等の「強調画像部」の描画形状は、目標駐車枠PTrの四隅を強調できれば、適宜変更されてよい。
【0094】
上記実施形態の後方画像RVは、俯瞰画像TVと共に表示されていた。しかし、俯瞰画像TVの表示は、省略されてもよい。さらに、周辺監視映像AVMでは、側方画像等が、後方画像RVに替えて俯瞰画像TVと共に表示されてもよい。又は、側方画像等が、別画像として後方画像RVと共に表示されてもよい。こうした側方画像に重畳される目標駐車枠及び強調表示枠は、不透過の状態で重畳されてもよく、半透過の状態で重畳されてもよい。
【0095】
後方画像RVを表示する表示器は、上記実施形態のディスプレイ53に限定されない。例えば、コンビネーションメータ内に設置されたディスプレイ、及びヘッドアップディスプレイ等が、後方画像RVを表示させてもよい。
【0096】
上記実施形態では、目標駐車位置TPPの設定中及び目標駐車位置TPPの設定後の両方において、目標駐車枠PTr及び強調表示枠PErは、半透過の状態とされた。しかし、表示要件が満たされるのであれば、これらの画像部が半透過の状態とれるのは、目標駐車位置TPPの設定中及び目標駐車位置TPPの設定後の一方であってもよい。
【0097】
上記実施形態にて、表示制御ECUによって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。
【0098】
また、上記の表示制御方法を実現可能な表示制御プログラム等を記憶する記憶媒体(ストレージ)の形態も、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、表示制御ECUの制御回路に電気的に接続される構成であってよい。さらに、記憶媒体は、表示制御ECUへのプログラムのコピー基となる光学ディスク及びのハードディスクドライブ等であってもよい。
【0099】
駐車支援ECU及び表示制御ECU等を搭載する車両は、一般的な自家用の乗用車に限定されず、レンタカー用の車両、有人タクシー用の車両、ライドシェア用の車両、貨物車両及びバス等であってもよい。さらに、モビリティサービスに用いられるドライバーレス車両に、上述の表示制御ECUが搭載されてもよい。
【0100】
表示制御ECUを搭載する車両は、右ハンドル車両であってもよく、又は左ハンドル車両であってもよい。さらに、車両が走行する交通環境は、左側通行を前提とした交通環境であってもよく、右側通行を前提とした交通環境であってもよい。本開示による目標駐車枠及び強調表示枠の各表示は、それぞれの国及び地域の道路交通法、さらに車両のハンドル位置等に応じて適宜最適化されてよい。
【0101】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0102】
A 車両、RV 後方画像、PTr 目標駐車枠(目標画像部)、PAr 目標駐車域(目標画像部)、Co 角部(四隅)、PEr 強調表示枠(強調画像部)、TV 俯瞰画像(別画像)、PTt 目標駐車枠(別視点画像部)、TPP 目標駐車位置、53 ディスプレイ(表示器)、64 後方カメラ、70 処理部、86 映像取得部、87 映像処理部、100 表示制御ECU(表示制御装置)、200 車載統合ECU(表示制御装置)、300 表示装置、110 表示制御プログラム
図1
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図10