(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】オイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造
(51)【国際特許分類】
F04C 27/00 20060101AFI20240614BHJP
F04C 29/00 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
F04C27/00 331
F04C29/00 G
(21)【出願番号】P 2020202211
(22)【出願日】2020-12-04
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000241795
【氏名又は名称】北越工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】弁理士法人小倉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】棚橋 功佑
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-210282(JP,A)
【文献】特開昭62-186073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 27/00
F04C 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オス,メス一対のスクリュロータにそれぞれ設けられたロータ軸を支承する軸受と,前記スクリュロータを収容するロータ室間に設けられ,前記ロータ室側に配置されるエアシールと,前記軸受側に配置されるオイルシールから成る非接触式の軸封装置によって,前記ロータ軸の外周面と該ロータ軸が挿入された軸孔の内周面間の間隔を封止したオイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造において,
前記軸受と前記オイルシール間の前記ロータ軸に,ロータ軸と共に回転する無端環状の防油隔壁を外嵌し,
前記防油隔壁の外径を,前記オイルシールの内径よりも大きく
,かつ,前記オイルシールの前記軸受側の端面を規制する環状の係止具の内径よりも大きく形成すると共に,
前記防油隔壁の前記軸封装置側の側面と,前記係止具の前記軸受側の側面間に回転許容間隔を確保し得る範囲で,前記防油隔壁の前記軸封装置側の側面と前記係止具の前記軸受側の側面間の隙間を可及的に狭めたことを特徴とするオイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造。
【請求項2】
前記防油隔壁の外周縁が,前記軸受の外輪の軸封装置側の内周縁と,前記オイルシールの軸受側端面の内周縁を結ぶ線よりも外周側に配置されるように,前記防油隔壁の外径を設定したことを特徴とする請求項1記載のオイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造。
【請求項3】
前記防油隔壁の外周縁と,該防油隔壁の取り付け位置における前記軸孔の内周面間に回転許容間隔を確保し得る範囲で,前記防油隔壁の外径を,前記軸孔の内径に可及的に近づけたことを特徴とする請求項1又は2記載のオイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造。
【請求項4】
前記軸孔の底部において開口する排油流路を,前記防油隔壁の下方位置に設けたことを特徴とする請求項1~
3いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造。
【請求項5】
前記防油隔壁の軸受側の側面を,内周側に対し外周側が前記軸受より遠ざかるように傾斜させた傾斜面としたことを特徴とする請求項1~
4いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造。
【請求項6】
前記防油隔壁の軸受側の側面を,内周側に対し外周側が前記軸受に近付くように傾斜させた傾斜面としたことを特徴とする請求項1~
4いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造。
【請求項7】
前記防油隔壁の軸受側の側面に,周方向に所定間隔で,該防油側壁の半径方向に延びるリブを設けたことを特徴とする請求項1~
6いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造。
【請求項8】
前記防油隔壁の軸受側の側面の外周方向延長上における前記軸孔の内周面に,前記軸封装置側から前記軸受側に向かって内径を徐々に広げる傾斜部を設けたことを特徴とする請求項1~
7いずれか1項記載のオイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造に関し,より詳細にはスクリュロータのロータ軸を支承する軸受と,スクリュロータを収容するロータ室間のロータ軸に設けた軸封装置のオイルシールのシール性を補完し得る,オイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図7に示すように,オイルフリースクリュ圧縮機100は,ケーシング102内に形成されたロータ室103内でオス・メス一対のスクリュロータ104,105を非接触の状態で回転させることにより被圧縮気体を圧縮するもので,ロータ室103の内壁とスクリュロータ104,105とで画成される圧縮作用空間内に冷却,潤滑及び密封のための潤滑油を導入することなく被圧縮気体の圧縮を行うことができるように構成されている。
【0003】
そのため,オイルフリースクリュ圧縮機100では油分を含まない圧縮気体が得られることから,清浄な圧縮気体を必要とする医療分野や製紙,化学,食品製造等の分野において広く使用されている。
【0004】
このオイルフリースクリュ圧縮機100のスクリュロータ104,105には,その吸入側と吐出側にそれぞれロータ軸106,106;107,107が突出形成されており、これらのロータ軸106,106;107,107をそれぞれ軸受108,108;108,108によって支承することにより,スクリュロータ104,105を回転可能にロータ室103内に収容している。
【0005】
そして,この軸受108とロータ室103間のロータ軸106,107にはそれぞれ軸封装置110が設けられ,この軸封装置110によってロータ軸106(107)の外周面と軸孔109の内周面間の隙間が封止されている。
【0006】
この軸封装置110は,
図8に示すように,いずれも非接触式のシールであるロータ室103側に配置されたエアシール111と,軸受108側に配置されたオイルシール112の組合せによって形成されており,エアシール111によって軸孔109を介した気体の通過を防止すると共に,オイルシール112によって軸受108からの潤滑油がロータ室103側に浸入することを防止して圧縮気体に油分が混入することを防止している。
【0007】
なお,
図8中,符号114はスナップリング(C字型止め輪)であり,このスナップリング114を軸孔109の内壁面に設けた環状溝121に取り付けることで,オイルシール112の軸受側の端面112aの位置を規制して,軸封装置110を軸孔109内に固定可能している。
【0008】
このような軸封装置110に設けられるオイルシール112としては,ロータ軸106(107)の回転に伴い発生する流体動圧を利用して潤滑油の浸入を防止するものが使用され,後掲の特許文献1では,所謂「ネジシール」として知られるオイルシールが使用されている。
【0009】
このネジシールは,円筒状部材として構成されたオイルシール112の内周面に,ロータ軸106(107)の回転に伴ってポンプ作用を発揮する螺旋溝112bを形成したもので,この螺旋溝112bの形成によってロータ軸106(107)の回転時,ロータ軸106(107)の外周とオイルシール112の内周間の隙間Δに到達した潤滑油を軸受108側へ押し戻すことで,軸受108を潤滑した潤滑油がロータ室103側に浸入しないようにしている。
【0010】
なお,このようなネジシールとして構成されたオイルシール112のシール性を向上させるために,後掲の特許文献2には,
図9に示すようにオイルシール112の軸受側の端面112aに環状の遮蔽板118を取り付けることにより,オイルシール112の内周面に形成した螺旋溝112bの軸受側端部の開口面積を狭めることで,螺旋溝112bに対し潤滑油が導入され難くすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2002-276574号公報
【文献】実願昭60-61859号(実開昭61-179460号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
オイルフリースクリュ圧縮機100では,前述したように圧縮作用空間に潤滑,冷却,密封のための潤滑油を導入することなく被圧縮気体の圧縮を行うことから,オスとメスのスクリュロータ104,105同士,及びオス,メスの各スクリュロータ104,105とロータ室103の内壁間をいずれも非接触の状態に維持しつつスクリュロータ104,105を回転させる構成を採用する。
【0013】
このようなオイルフリースクリュ圧縮機100の構造により,オイルフリースクリュ圧縮機100では,圧縮作用空間内に潤滑油を導入して圧縮を行う油冷式のスクリュ圧縮機に比較して,圧縮時に高圧側の圧縮作用空間から低圧側の圧縮作用空間に漏出する圧縮気体の量が多くなる。
【0014】
そのため,オイルフリースクリュ圧縮機100では,これを補うためにエンジンやモータなどの駆動源(図示せず)の回転駆動力を,例えば増速ギヤ(図示せず)によって増速した後に駆動軸に伝達して運転する等,油冷式のスクリュ圧縮機に比較してスクリュロータ104,105を高速で回転させている。
【0015】
このようにスクリュロータ104,105を高速で回転させるオイルフリースクリュ圧縮機100では,ロータ軸104,105を支承する軸受108が熱を持ち焼き付くおそれがあることから,軸受108として内輪108aの両端部と外輪108bの両端部間の間隔を塞ぐシールドを備えてない,オープン型のベアリングを採用し,この軸受108の内輪108aと外輪108b間に給油ノズル120より噴射した潤滑油を給油する,「ジェット給油」と呼ばれる給油方式で給油を行うことで,軸受108の潤滑と冷却を同時に行っている。
【0016】
このジェット給油では,比較的多量の潤滑油を,比較的高い圧力で軸受108に向かって噴射することから,比較的多量の潤滑油が,軸受108を通過した後もある程度の勢いを保ったまま,軸封装置110のオイルシール112に向かって流れ込む。
【0017】
そして,オイルシール112は前述したように非接触式のシールであることから,オイルシール112の内周面とロータ軸106(107)の外周面間には隙間Δが存在すると共に,ロータ室103側に対する潤滑油の浸入の起点となるこの隙間Δの軸受側端部Δaは,
図8中に拡大図で示すように軸受108に向かって開口しているため,オイルシール112の処理能力を超えて軸受108側より多量の潤滑油が勢い良く流れ込むと,オイルシール112内周面とロータ軸106(107)の外周面間の隙間Δに潤滑油が浸入するおそれがある。
【0018】
このような潤滑油の浸入に対し,オイルシール112は潤滑油を軸受108側に押し戻す流体動圧を発生させてこれを防止するように構成されているものの,このような流体動圧はロータ軸106(107)の回転に伴い発生するものであることから,容量制御等に伴いスクリュロータ104,105の回転速度を変化させている場合,スクリュロータ104,105の回転速度の低下時にはオイルシール112の潤滑油を軸受108側に押し戻す能力は低下している。
【0019】
そのため,オイルシール112のシール能力が低下した,スクリュロータ104,105の低速回転時に,軸受108を通過した多量の潤滑油がオイルシール112側へ向かって勢いよく流れ込むと,潤滑油がロータ室103側へ浸入するリスクはより一層高まることとなる。
【0020】
なお,前掲の特許文献2に記載のように,オイルシール112の軸受側の端面112aに環状の遮蔽板118を取り付けて螺旋溝112bの軸受側端部の開口面積を狭めた構成では,軸受108側よりオイルシール112側に流れ込んだ潤滑油は螺旋溝112bに入り込み難くなっている。
【0021】
しかし,螺旋溝112bの開口面積が狭まっているとは言え,遮蔽板118の内周面とロータ軸106(107)の外周面間には,オイルシール112の内周面とロータ軸106(107)外周面間の隙間Δに対応する隙間Δ’が形成されていると共に,この隙間Δ’は,軸受108に向かって開口しているために,軸受108側より流入した潤滑油は何ら遮られることなくこの隙間Δ’に到達し得るものとなっている。
【0022】
そして,螺旋溝112bの軸受側端部の開口面積が狭められていると言え,特許文献2に記載のオイルシール112も,ロータ軸106(107)の回転に伴い発生する流体動圧を利用して潤滑油の浸入を防止するものである以上,スクリュロータ104,105の回転速度が低下した状態では軸受108側に潤滑油を押し戻す機能が低下することに変わりなく,スクリュロータ104,105の低速回転時に比較的多量の潤滑油が勢いを保ったままオイルシール112側に流れ込めれば,ロータ室103側に潤滑油が浸入するリスクは高まることになる。
【0023】
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するためになされたものであり,前述したジェット給油によって軸受に対し加圧された潤滑油を比較的多量に噴射して給油するオイルフリースクリュ圧縮機において,スクリュロータの回転速度の低下,従って,オイルシールのシール能力の低下時においても,軸受からの潤滑油がロータ室側に浸入することを防止し得る,オイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と,発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
【0025】
上記目的を達成するために,本発明のオイルフリースクリュ圧縮機1の軸封部構造は,
オス,メス一対のスクリュロータ4(5)にそれぞれ設けられたロータ軸6(7)を支承する軸受8と,前記スクリュロータ4(5)を収容するロータ室3間に設けられ,前記ロータ室3側に配置されるエアシール11と,前記軸受8側に配置されるオイルシール12から成る非接触式の軸封装置10によって,前記ロータ軸6の外周面と該ロータ軸6が挿入された軸孔9の内周面間の間隔を封止したオイルフリースクリュ圧縮機1の軸封部構造において,
前記軸受8と前記オイルシール12間の前記ロータ軸6に,ロータ軸6と共に回転する無端環状の防油隔壁30を外嵌し,
前記防油隔壁30の外径を,前記オイルシール12の内径よりも大きく
,かつ,前記軸封装置10の前記オイルシール12の前記軸受側の端面12aを規制する環状の係止具(図示の例ではスナップリング)14の内径よりも大きく形成すると共に,
前記防油隔壁30の前記軸封装置側の側面32と,前記係止具14の前記軸受側の側面14a間に回転許容間隔を確保し得る範囲で,前記防油隔壁30の前記軸封装置側の側面32と前記係止具14の前記軸受側の側面14a間の隙間を可及的に狭めたことを特徴とする(請求項1,
図2参照)。
【0026】
好ましくは,前記防油隔壁30の外周縁が,前記軸受8の外輪8bの軸封装置側の内周縁E1と,前記オイルシール12の軸受側端面12aの内周縁E2を結ぶ線Lよりも外周側に配置されるよう,前記防油隔壁30の外径を設定する(請求項2)。
【0027】
より好ましくは,前記防油隔壁30の外周縁と,該防油隔壁30の取り付け位置における前記軸孔9の内周面間に回転許容間隔を確保し得る範囲で,前記防油隔壁30の外径を,前記軸孔9の内径に可及的に近づける(請求項3)。
【0029】
上記構成の軸封部構造において,更に,前記軸孔9の底部において開口する排油流路40を,前記防油隔壁30の下方位置に設けるものとしても良い(請求項4)。
【0030】
前記防油隔壁30の軸受側の側面31は,これを,内周側に対し外周側が前記軸受8より遠ざかるように傾斜させた傾斜面とするものとしても良い(請求項
5,
図3参照)。
【0031】
または,上記構成に代えて,前記防油隔壁30の軸受側の側面31は,内周側に対し外周側が前記軸受8に近付くように傾斜させた傾斜面とするものとしても良い(請求項
6,
図4参照)。
【0032】
更に,前記防油隔壁30の軸受側の側面31には,周方向に所定間隔で,該防油隔壁30の半径方向に延びるリブ34を設けるものとしても良い(請求項
7,
図5参照)。
【0033】
前記防油隔壁30の軸受側の側面31の外周方向延長上における前記軸孔9の内周面に,前記軸封装置10側から前記軸受8側に向かって内径を徐々に広げる傾斜部97を設けるものとしても良い(請求項
8,
図6参照)。
【発明の効果】
【0034】
以上で説明した本発明の構成により,本発明の軸封部構造を備えたオイルフリースクリュ圧縮機1では,以下の顕著な効果を得ることができた。
【0035】
軸受8とオイルシール12間のロータ軸6に,ロータ軸6と共に回転する無端環状の防油隔壁30を外嵌すると共に,前記防油隔壁30の外径を,前記オイルシール12の内径よりも大きくしたことで,軸受8とオイルシール12間において軸孔9内の空間がこの防油隔壁30によって仕切られると共に,ロータ室3側に対する潤滑油の浸入起点となるオイルシール12の内周面とロータ軸6の外周面間の隙間Δの軸受側端部Δaを,軸受8側から見て防油隔壁30によって遮蔽することができ,この部分に向かう潤滑油の流れを防油隔壁30によって確実に遮蔽することができた。
【0036】
特に前記防油隔壁30の外周縁を,前記軸受8の外輪8bの軸封装置側の内周縁E1と,前記オイルシール12の軸受側端面12aの内周縁E2を結ぶ線Lよりも外周側に配置されるように,前記防油隔壁30の外径を設定した構成では,軸受8を通過してオイルシール12に向かって飛翔する潤滑油が,オイルシール12の内周面とロータ軸6の外周面間の隙間Δの軸受側端部Δaに直接到達することを確実に防止することができた。
【0037】
従来の軸封部構造では,
図8中に拡大図で示したように潤滑油の浸入起点となる,オイルシール112の内周面とロータ軸106の外周面間の隙間Δの軸受側端部Δaは,何ら遮られることなく軸受108に向かって開口しており,ジェット給油により軸受に供給された多量の潤滑油が勢いを保ったまま,この部分に到達し得るものとなっており,オイルシール112の内周面とロータ軸106の外周面間の隙間Δに対する潤滑油の浸入防止は,オイルシール112が発生する流体動圧のみに依存する構造となっていた。
【0038】
これに対し,本発明の構成では,オイルシール12側に向かう潤滑油の流れは,防油隔壁30に衝突してその勢いが減殺されるだけでなく,防油隔壁30は潤滑油の流れを外周方向に向けて誘導することで,オイルシール12に到達する潤滑油の量を大幅に減少させることができる。
【0039】
そして,仮に防油隔壁30を越えて潤滑油がオイルシール12側に到達したとしても,この潤滑油は防油隔壁30との衝突によって当初の勢いが減殺されていることから,ロータ軸6が低速回転している状態においても,潤滑油はオイルシール12が発生する流体動圧に打ち勝って,オイルシール12の内周面とロータ軸6の外周面間の隙間Δ内に浸入することができず,ロータ軸6が低速で回転している状態であってもオイルシール12によってロータ室3側に対する潤滑油の浸入を防止することができた。
【0040】
しかも,この防油隔壁30は,ロータ軸6に外嵌されてロータ軸6と共に回転することで,回転する防油隔壁30に衝突した潤滑油は,遠心力によって外周方向に飛ばされることにより,ロータ室3側に対する潤滑油の浸入起点となる,オイルシール12の内周面とロータ軸6の外周面間の隙間Δの軸受側端部Δaより遠ざける方向に誘導されることで,潤滑油は極めて隙間Δに到達し難い構造となっている。
【0041】
前記防油隔壁30の外周縁と,該防油隔壁30の取り付け位置における前記軸孔9の内周面間に回転許容間隔を確保し得る範囲で,前記防油隔壁30の外径を,前記軸孔9の内径に可及的に近づけた構成では,軸孔9の内壁と防油隔壁30の外周縁間の隙間が微小となることで,軸受8側から流入してきた潤滑油はこの隙間を通過し難く,より一層,潤滑油が防油隔壁30を越えてオイルシール12側に到達し難い構造とすることができた。
【0042】
特に,防油隔壁30の外径を,オイルシール12の軸受側の端面12aを係止するスナップリング等の環状の係止具14の内径よりも大きく形成する共に,前記防油隔壁30の軸封装置側の側面32と,前記係止具14の軸受側の側面14a間の隙間を,回転許容間隔を確保し得る範囲で可及的に狭めた構成では,軸受8からの潤滑油は,この狭い隙間を通過しなければオイルシール12側に到達することができず,更にオイルシール12に対して潤滑油が到達し難い構造とすることができた。
【0043】
更に,前記軸孔9の底部において開口する排油流路40を,前記防油隔壁30の下方位置に設けた構成では,防油隔壁30によって案内された潤滑油のうち下方に案内されたものはそのまま排油流路40内に導入され,また,回転する防油隔壁30の遠心力によって外周方向に飛散された潤滑油は,軸孔9の内壁を伝って下方に落下することで排油流路40内に導入され,軸受8を通過した潤滑油の殆どはオイルシール12に到達する前に排油流路40を介して軸孔9内に留まることなく円滑に排出されることで,潤滑油は更にオイルシール12側へ流入し難くなっている。
【0044】
更に,防油隔壁30の軸受側の側面31を,内周側に対し外周側が軸受8より遠ざかるように傾斜させた傾斜面とした構成(
図2,
図3参照)では,軸受8側より流入してきた潤滑油をこの傾斜面に沿って円滑に防油隔壁30の外周方向に誘導して,オイルシール12の内周面とロータ軸6の外周面間の隙間Δの軸受側端部Δaより離間する方向に誘導させることができる。
【0045】
これとは逆に,防油隔壁30の軸受側の側面31を,内周側に対し外周側が前記軸受8に近付くように傾斜させた傾斜面とした構成(
図4参照)では,防油隔壁30の軸受側の側面31に衝突して外周方向に誘導された潤滑油は,この傾斜面に案内されて軸受8側に戻されるように誘導されることで,オイルシール12側に対する潤滑油の浸入を更に生じさせ難いものとすることができた。
【0046】
更に,前記防油隔壁30の軸受側の側面31に,周方向に所定間隔で,該防油隔壁30の半径方向に延びるリブ34を設けた構成では,防油隔壁30の軸受側の側面31に衝突した潤滑油を,このリブ34によって外周側に向けて案内することで,防油隔壁30の外周方向に潤滑油を更に効率的に誘導することができた。
【0047】
前記防油隔壁30の軸受側の側面31の延長上における前記軸孔9の内周面に,前記軸封装置10側から前記軸受8側に向かって内径を徐々に広げる傾斜部97を設けた構成では,防油隔壁30の回転に伴う遠心力によって外周方向に飛散された潤滑油は,この傾斜部97と衝突することで,この傾斜部97の傾斜に案内されて軸受8側に戻されるように誘導されることで,オイルシール12側に対する潤滑油の浸入をより効果的に防止することができた。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本発明の軸封部構造を備えたオイルフリースクリュ圧縮機の側面断面説明図。
【
図2】
図1の矢示II部分(破線で囲った部分)の拡大図。
【
図3】
図1の防油隔壁の(A)は正面図,(B)は側面断面図。
【
図5】更に別の変形例における防油隔壁の(A)は正面図,(B)は側面断面図。
【
図6】
図1の矢示II部分(破線で囲った部分)の変形例を示す拡大図。
【
図7】従来の軸封部構造を備えたオイルフリースクリュ圧縮機の平面断面図。
【
図8】従来のオイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造の拡大説明図(特許文献1)。
【
図9】従来のオイルフリースクリュ圧縮機の軸封部構造の拡大説明図(特許文献2)。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下に,添付図面を参照しながら本発明の構成につき説明する。
【0050】
図1において,符号1は,本発明の軸封部構造を備えたオイルフリースクリュ圧縮機であり,このオイルフリースクリュ圧縮機1のケーシング2には,オス,メス一対のスクリュロータ4,5(
図1においてメスのスクリュロータ5は,オスのスクリュロータ4の背面に隠れている)を収容するロータ室3が形成されており,このロータ室3内でオスのスクリュロータ4とメスのスクリュロータ5が非接触の状態で噛み合い回転することにより被圧縮気体を圧縮することができるように構成されている。
【0051】
オス及びメスのスクリュロータ4,5の両端には,それぞれスクリュロータ4,5の回転軸であるロータ軸6,7(
図1においてメスのスクリュロータ5のロータ軸7は,オスのスクリュロータ4のロータ軸6の背面に隠れている)がそれぞれ突出形成されていると共に,前述のロータ室3の長手方向両端には,オスのスクリュロータ4とメスのスクリュロータ5のロータ軸6,7がそれぞれ挿入される軸孔9が形成されていると共に,この軸孔9内に設けた軸受8によって,各ロータ軸6,7が回転可能に支承されている。
【0052】
この軸受8は,内輪8aの両端縁と外輪8bの両端縁間の間隔を塞ぐシールドを備えないオープン型のベアリングにより構成されたもので,この軸受8に対し機外側に設けられた給油ノズル20より軸受8の内輪8aと外輪8b間の間隔に向かって潤滑油を噴射することで,軸受8の潤滑と冷却を行うことができるように構成されている。
【0053】
この軸受8とロータ室3間におけるロータ軸6の外周面と軸孔9の内周面間の間隔には,該間隔を封止するための軸封装置10が取り付けられている。
【0054】
この軸封装置10は,いずれも非接触式のシールである,ロータ室3側に配置されたエアシール11と,軸受8側に配置されたオイルシール12の組合せによって構成されており,本実施形態ではこのオイルシール12として,従来技術として説明した前掲の特許文献1及び2に記載のオイルシールと同様,円筒状部材の内周面に螺旋溝を備えたネジシールを使用している。
【0055】
前述の軸孔9には,ロータ室3側の端部においてロータ軸の外径に対応した内径に形成された小径部91が設けられていると共に,この小径部91に対し軸受8側の軸孔9には,前述の小径部91に対し内径が拡大された軸封装置収容部92が形成されており,この軸封装置収容部92内に軸封装置10を収容することができるように構成されている。
【0056】
軸封装置収容部92に対する軸封装置10の収容は,ロータ室3側から軸孔9内にロータ軸6を挿入した状態で,機外側からロータ室3側に向けてロータ軸6に外嵌させた軸封装置10を軸封装置収容部92内に挿入すると共に,軸封装置10のエアシール11のロータ室側の端面を,軸封装置収容部92と小径部91の境界部分に形成された段差部の側面93に突合させると共に,軸封装置収容部92の軸受側の端部に設けられた環状溝21にスナップリング等の環状の係止具14を取り付けることで,係止具(スナップリング)14によって軸封装置10のオイルシール12の軸受側端面12aの位置を規制して,軸封装置収容部92内に軸封装置10が固定されている。
【0057】
なお,この係止具14は前述のスナップリングに限定されず,オイルシール12の軸受側端面12aの位置を規制し得る環状部分を有するものであれば,既知の各種の係止具14を採用可能である。
【0058】
この軸封装置10と軸受8間のロータ軸6には,ロータ軸6の外径に対応する開口35が中央に形成された,無端環状の円盤型を成す防油隔壁30が取り付けられており,この防油隔壁30をロータ軸6に外嵌することによって軸受8とオイルシール12間で軸孔9の内部が仕切られている。
【0059】
この防油隔壁30は,その外径がオイルシール12の内径よりも大きく形成されており,
図2中に拡大図で示すように,防油隔壁30の外周縁が,前記軸受8の外輪8bの軸封装置側の内周縁E1とオイルシール12の軸受側の内周縁E2を結ぶ線Lよりも外周側に配置される大きさに形成することが好ましい。
【0060】
好ましくは,前記防油隔壁30の外周縁と,該防油隔壁の取り付け位置における前記軸孔9の内周面間の隙間に回転許容間隔を確保し得る範囲で,前記防油隔壁30の外径を,前記軸孔9の内径に可及的に近づけた構成とする。
【0061】
より好ましくは,防油隔壁30の外径を,オイルシール12の軸受側端面12aを固定するスナップリング等の環状の係止具14の内径よりも大径に形成して防油隔壁30の軸封装置側の側面32の一部と,係止具14の軸受側の側面14aの一部が対向するように構成し,防油隔壁30の軸封装置側の側面32と,係止具14の軸受側の側面14a間の隙間を,回転許容間隔を確保し得る範囲で可及的に狭めて配置する。
【0062】
このような防油隔壁30の配置を実現するために,
図2に示す実施形態では,防油隔壁30の軸受側の側面31において中央の開口35の周縁より軸受側に突出するボス33を備えた形状に形成すると共に,ロータ軸6に設けた段部6aと,軸受8の内輪8a間でロータ軸6に外嵌した防油隔壁30の前記ボス33の部分を挟持することで,ボス33の突出長さ分,軸受8より離間した位置で,かつ,軸封装置側の側面32が係止具14の軸受側の側面14aと近接した位置に配置されるよう構成されている。
【0063】
この防油隔壁30の軸受側の側面31は,ロータ軸6の軸線に対し直交する方向の平面として形成するものとしても良いが,
図2に示す実施形態では,防油隔壁30の軸受側の側面31を,内周側から外周側に向かうに従い徐々に軸受8から離間するように傾斜させている。
【0064】
なお,
図2中の符号40は排油流路であり,この排油流路40は,防油隔壁30の取り付け位置の下方において,軸孔9の底部に開口するようにこのケーシング2内に形成されている。
【0065】
以上のように構成された軸封部構造を備えたオイルフリースクリュ圧縮機1を作動させて,スクリュロータ4,5の回転を開始すると,ロータ軸6,7が回転を開始すると共に,給油ノズル20が軸受8の内輪8aと外輪8b間の間隔に向けて軸受8に対し潤滑油の噴射を行う,「ジェット給油」を開始する。
【0066】
給油ノズル20は,比較的多量の潤滑油を比較的高い圧力で噴射して軸受8に対し給油することから,軸受8の潤滑と冷却を行った潤滑油は,軸受8を通過した後も噴射時の勢いをある程度保ったまま,大量にオイルシール12側に向かって流出する。
【0067】
しかし,軸受8とオイルシール12間のロータ軸6には,前述したように防油隔壁30が外嵌されおり,軸受8とオイルシール12間の軸孔9内の空間がこの防油隔壁30によって仕切られている。
【0068】
そして,この防油隔壁30は,その外径がオイルシール12の内径よりも大きく形成されており,好ましくは,その外周縁が,軸受8の外輪8bの軸封装置側の内周縁E1と,オイルシール12の軸受側端部の内周縁E2を結ぶ線Lよりも外周側に配置されるように,その外径が設定されていることで,軸受8側よりオイルシール12を見た際に,ロータ室3側へ潤滑油が浸入する際の起点となる,オイルシール12の内周面とロータ軸6の外周面間の隙間Δの軸受側端部Δaが,この防油隔壁30によって完全に遮蔽された位置に配置されることになる。
【0069】
その結果,軸受8を通過してオイルシール12の内周面とロータ軸6の外周面間の隙間Δの軸受側端部Δaに向かおうとする潤滑油の流れは,確実にこの防油隔壁30と衝突することとなり,軸受8を通過した潤滑油が,直接,オイルシール12の内周面とロータ軸6の外周面間の隙間Δの軸受側端部Δaに到達することが防止されている。
【0070】
このようにして,軸受8を通過し,防油隔壁30に衝突した潤滑油は,防油隔壁30がロータ軸と共に回転することにより生じる遠心力と,防油隔壁30の軸受側の側面31に形成された傾斜面による案内によって,外周方向にその流れが変更される。
【0071】
その結果,軸受8を通過した潤滑油は,ロータ室3側に対する潤滑油の浸入起点となるオイルシール12の内周面とロータ軸6の外周面間の隙間Δの軸受側端部Δaから遠ざかる方向に誘導され,軸受8を通過した多量の潤滑油が勢いを保ったまま,前述の隙間Δの軸受側端部Δaに到達することができないようになっている。
【0072】
そして,このように防油隔壁30と衝突して向きを変えた潤滑油のうち,外周方向下方に誘導されたものは,直接,軸孔9の底部において開口する排油流路40に導入され,また,他の一部は遠心力によって外周方向に飛ばされた後,軸孔9の内壁を伝って落下して排油流路40に導入されることで,軸孔9より円滑に排出されることで,オイルシール12に到達する潤滑油量を大幅に減少させている。
【0073】
また,このように構成された本発明の軸封部構造では,たとえ防油隔壁30を越えてオイルシール12の内周面とロータ軸6の外周面間の隙間Δの軸受側端部Δaに到達した潤滑油が存在したとしても,防油隔壁30が設けられていない場合に比較して到達し得る潤滑油量は僅かであるだけでなく,到達する潤滑油は,防油隔壁との衝突によってその勢いが大幅に減殺されている。
【0074】
その結果,ロータ軸6の回転速度の低下によってオイルシール12が発生する流体動圧が低下し,潤滑油を軸受8側に押し戻す機能が低下した状態にあったとしても,到達する潤滑油量は,オイルシール12の処理能力以下に減少されていると共に,到達した潤滑油は勢いを失っているため,オイルシール12が発生する流体動圧に抗してオイルシール12の内周面とロータ軸6の外周面間の隙間Δに浸入することができない。
【0075】
特に,防油隔壁30の外周縁と軸孔9の内周面間の隙間を,回転許容間隔を確保し得る範囲で可及的に狭めた構成,更には,防油隔壁30の外径を,オイルシール12の軸受側の端面12aを係止する環状の係止具14の内径よりも大径に形成して防油隔壁30の軸封装置側の側面32と係止具14の軸受側側面14a間の隙間を,回転許容間隔を確保し得る範囲で可及的に狭く形成した構成では,オイルシール12に到達するために潤滑油が通過しなければならない隙間が狭くなることで,オイルシール12の内周面とロータ軸6の外周面間の隙間Δの軸受側端部Δaに到達し得る潤滑油量を更に減少させることができると共に,潤滑油の勢いを低下させることができ,ロータ室3側に対する潤滑油の浸入をより生じさせ難くすることができる。
【0076】
以上,
図2及び
図3を参照して説明したオイルフリースクリュ圧縮機1の軸封部構造に設けた防油隔壁30は,軸受側の側面31を,内周側から外周側に向かって軸受より離間する方向に傾斜させる傾斜面として形成したものであった。
【0077】
これに対し,
図4に示す防油隔壁30は,軸受側の側面31を,内周側から外周側に向かって軸受8に近付くように傾斜する傾斜面として形成した。
【0078】
このように形成することで,防油隔壁30の軸受側の側面31に衝突した潤滑油は,この側面31に与えられた傾斜方向に誘導されて防油隔壁30の内周側から外周側に向かって移動することにより,潤滑油を,軸受8側へ戻すように誘導することができ,その結果,オイルシール12側に向かう潤滑油の量を更に減少させることができた。
【0079】
更に,
図2~
図4を参照して説明した防油隔壁30では,防油隔壁30の軸受側の側面31は,傾斜させているものの,その表面は平坦に形成されている。
【0080】
これに対し,
図5に示す実施形態では,防油隔壁30の軸受側の側面31に,周方向に所定間隔で,該防油隔壁30の半径方向を長さ方向とするリブ34(凸条)を設けている。
【0081】
このように防油隔壁30の軸受側の側面31にリブ34を設けたことで,防油隔壁30の軸受側の側面31に衝突した潤滑油を,このリブ34により案内して効率的に外周方向へ移動させることができ,オイルシール12側に潤滑油が流入することをより効果的に防止している。
【0082】
更に,
図2に示した実施形態では,軸孔9を,軸封装置収容部92から軸受8に至るまで,その内径を同一径とした構成例を示したが,オイルシール12と軸受8間の軸孔9の内径には,
図6に示すように,少なくとも防油隔壁30の軸受側側面31の延長上における前記軸孔9の内周面に,軸封装置10側から軸受8側に向かって内径を徐々に広げる傾斜部97を設けるものとしても良い。
【0083】
このような傾斜部97を設けた構成では,
図6中に矢印で示すように,防油隔壁30の回転に伴う遠心力によって防油隔壁30の軸受側の側面31を伝って外周方向に飛散した潤滑油は,軸孔9の内周面に形成された傾斜部97に衝突し,この傾斜部97の傾斜に案内されて軸受8側に戻されるように誘導されることで,オイルシール12側に対する潤滑油の浸入をより確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 オイルフリースクリュ圧縮機
2 ケーシング
3 ロータ室
4 オスのスクリュロータ
5 メスのスクリュロータ
6 ロータ軸(オスのスクリュロータの)
7 ロータ軸(メスのスクリュロータの)
8 軸受
8a 内輪
8b 外輪
9 軸孔
91 小径部
92 軸封装置収容部
93 段差部の側面
97 傾斜部
10 軸封装置
11 エアシール
12 オイルシール
12a 軸受側端面(オイルシールの)
12b 螺旋溝
14 係止具(スナップリング)
14a 軸受側の側面(係止具の)
20 給油ノズル
21 環状溝
30 防油隔壁
31 軸受側の側面(防油隔壁の)
32 軸封装置側の側面(防油隔壁の)
33 ボス
34 リブ
35 開口
40 排油流路
100 オイルフリースクリュ圧縮機
102 ケーシング
103 ロータ室
104 オスのスクリュロータ
105 メスのスクリュロータ
106 ロータ軸(オスのスクリュロータの)
107 ロータ軸(メスのスクリュロータの)
108 軸受
108a 内輪
108b 外輪
109 軸孔
110 軸封装置
111 エアシール
112 オイルシール
112a 軸受側端面(オイルシールの)
112b 螺旋溝
114 スナップリング
118 遮蔽板
120 給油ノズル
121 環状溝
140 排油流路
Δ オイルシールの内周面とロータ軸の外周面間の隙間
Δa オイルシールの内周面とロータ軸の外周面間の隙間の軸受側端部
Δ’ 遮蔽板の内周面とロータ軸の外周面間の隙間
E1 軸受外輪の軸封装置側の内周縁
E2 オイルシールの軸受側の内周縁