(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】医療用液体を導く接続アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61J 1/10 20060101AFI20240614BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20240614BHJP
A61M 39/20 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A61J1/10 335D
A61M39/10 120
A61M39/20
(21)【出願番号】P 2021012200
(22)【出願日】2021-01-28
(62)【分割の表示】P 2017560550の分割
【原出願日】2016-05-23
【審査請求日】2021-01-28
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-02
(32)【優先日】2015-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509063694
【氏名又は名称】フレゼニウス カービ ドイチュラント ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ブランデンブルガー, トルステン
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】井上 哲男
【審判官】村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0089086(US,A1)
【文献】特表2007-508081(JP,A)
【文献】国際公開第2006/103792(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0211996(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用液体を導く接続アセンブリであって、
医療用液体を中に通して送達することができるコネクタ(11)と、
コネクタ(11)に取付け可能な取付け部品(2)であって、医療用液体を前記コネクタ(11)に通して送達するように送達装置(5)に接続することができる、取付け部品(2)と、
医療用液体を導くためのスロット開口(45)を備え、前記コネクタ(11、12)と前記取付け部品(2)との間の遷移部をシールするシール要素(4)であって、
前記取付け部品(2)が前記コネクタ(11)に取り付けられた場合、該シール要素(4)は、前記取付け部品(2)と前記コネクタ(11)との間に保持されるようになっており、
該シール要素(4)は、シール頭部(40)を有し、該シール頭部(40)は、前記取付け部品(2)が前記コネクタ(11)に取り付けられた場合、前記取付け部品(2)の開口(210)を液体が通過しないようシールし、該シール要素(4)は、前記シール頭部(40)につながっている円筒形の胴部(42)を有し、
該胴部(42)は、
実質的に一定の直径を有し、前記取付け部品(2)から径方向の距離を有して前記開口(210)内に配置されて前記取付け部品(2)の開口内のスペースが該胴部(42)の周りにもたらされ、前記送達装置(5)が前記取付け部品(2)に取り付けられた場合、当該スペースにおいて、前記シール要素(4)が変形可能である、
シール要素(4)とを備え、
前記シール要素(4)は、
前記シール頭部(40)と前記胴部(42)との間の遷移部において、挿入方向(E)に対して径方向に前記シール頭部(40)を越えて突出する肩部(410)であって、前記挿入方向(E)に沿って、前記取付け部品(2)の前記開口(210)内の接触表面(212)に接触することができる、肩部(410)と、
前記挿入方向(E)に沿って前記肩部(410)からは離れて、該シール要素(4)の前記胴部(42)に対して径方向外方に突出するフランジ(420)であって、該フランジ(420)は、前記コネクタ(11)に取り付けられた前記取付け部品(2)によって、前記取付け部品(2)と前記コネクタ(11)との間に保持され、該フランジ(420)は、下面(422)が、前記コネクタ(11)の支持表面(114)に当接し、上面(421)が、少なくとも部分的に露出するようになっている、フランジ(420)と、
前記挿入方向(E)に沿って軸方向に見た場合、前記フランジ(420)の下で前記胴部(42)に接合するとともに、前記取付け部品(2)が前記コネクタ(11)に取り付けられた場合、前記コネクタ(11)の対応する凹部(113)に係合する、足部セクション(43)と、を有し、
前記胴部(42)を貫通し前記足部セクション(43)から前記シール頭部(40)に至る内側開口(44)は、実質的に一定の直径を有し、
前記取付け部品(2)は、
前記開口(210)が形成されている第1のセクション(21、22)と、
初期状態において、前記第1のセクション(21、22)につながっており、送達装置(5)を前記取付け部品(2)に接続するために、前記第1のセクション(21、22)から除去することができる、取外し可能な部分(20)と、
を有し、
前記第1のセクション(21、22)は、前記コネクタ(11)に取り付けることができる接続セクション(21)と、少なくとも半ねじ(220)を有する、前記接続セクション(21)に取り付けられたねじ部(22)とを介して、前記送達装置(5)に対するねじ接続を形成するように形成され、前記取外し可能な部分(20)は、初期状態において、前記ねじ部(22)につながっており、前記送達装置(5)を前記取付け部品(2)に接続するために、前記ねじ部(22)から除去することができ、
前記シール要素(4)は、前記ねじ部(22)の係合開口(221)に挿入され、
前記胴部(42)は、前記肩部(410)よりも小さい直径を有することを特徴とし、
前記シール要素(4)の総高さが、6mm~
15mmである、
接続アセンブリ。
【請求項2】
前記シール要素(4)は、前記取付け部品(2)が前記コネクタ(11)に取り付けられた場合、前記コネクタ(11)とは反対に向いた面(400)が、凸状又は平坦であることを特徴とする、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項3】
前記シール頭部(40)は、前記凸面又は平坦面(400)を有することを特徴とする、請求項2に記載の接続アセンブリ。
【請求項4】
前記フランジ(420)は、前記胴部(42)の、前記シール頭部(40)とは反対に向いた端部に位置することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の接続アセンブリ。
【請求項5】
前記フランジ(420)は、前記取付け部品(2)が前記コネクタ(11)に取り付けられた場合、前記コネクタ(11)の接触表面(114)と、前記取付け部品(2)の前記開口(210)内に径方向内方に延在する環状突出部(211)等の突出部(211)との間に部分的にクランプされることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の接続アセンブリ。
【請求項6】
前記挿入方向(E)に沿って軸方向に見た場合、前記肩部(410)へと遷移する円筒形のセクション(41)が、前記シール頭部(40)につながっており、前記肩部(410)は、外側に向かって前記セクション(41)を越えて径方向に突出することを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の接続アセンブリ。
【請求項7】
前記挿入方向(E)に沿って軸方向に見た場合、前記円筒形の胴部(42)は、前記肩部(410)につながっており、該肩部(410)は、外側に向かって前記胴部(42)を越えて径方向に突出することを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の接続アセンブリ。
【請求項8】
前記胴部(42)は、外面に凹部(423)を有し、該凹部(423)は、前記フランジ(420)への遷移部における段部によってもたらされることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の接続アセンブリ。
【請求項9】
前
記スロット開口(45)は、前記コネクタ(11)に取り付けられた前記取付け部品(2)において液体が通過しないよう閉鎖されており、前記取付け部品(2)に対する前記送達装置(5)の接続によって開通することができ、それにより、医療用液体を前記スロット開口(45)に通して送達することができることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の接続アセンブリ。
【請求項10】
前記ねじ部(22)及び前記取外し可能な部分(20)は、単一ピースとして形成され、前記ねじ部(22)と前記取外し可能な部分(20)との間には、前記ねじ部(22)から前記取外し可能な部分(20)を取り外すために、所定の破断点(200)が形成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の接続アセンブリ。
【請求項11】
前記シール要素(4)は、前記取外し可能な部分が前記ねじ部(22)から除去された場合、外側に向かって前記ねじ部(22)の上面(222)を越えて突出するか、又は前記ねじ部(22)の前記上面(222)と同一平面で終端することを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の接続アセンブリ。
【請求項12】
前記コネクタ(11)は、前記取付け部品(2)が前記コネクタ(11)に取り付けられた場合、頭部(110)によって、前記取付け部品(2)の前記開口(210)に係合すること、及び/又は、前記頭部(110)上には、前記挿入方向(E)の周りに延在するポジティブロック要素(115)が配置され、該ポジティブロック要素(115)は、取付け部品(2)が前記コネクタ(11)に取り付けられた場合、前記取付け部品(2)を前記コネクタ(11)に対して軸方向に固定するように、前記取付け部品(2)とポジティブロック係合することを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の接続アセンブリ。
【請求項13】
前記取付け部品(2)を前記コネクタ(11)に対して回転固定するために、前記挿入方向(E)に対して平行に延在する少なくとも1つのウェブ(116)及び/又は前記挿入方向(E)に対して平行に延在する少なくとも1つの溝(117)が、前記頭部(110)上に配置されることを特徴とする、請求項12に記載の接続アセンブリ。
【請求項14】
前記シール要素(4)の側壁が、径方向に撓むことができ、
該側壁の径方向補償動作は、前記フランジの可動な配置によって補助することができる、
請求項1~13のいずれか1項に記載の接続アセンブリ。
【請求項15】
シール頭部(40)と、前記シール頭部(40)に隣接する胴部(42)とを備える、請求項1~14のいずれか1項に記載の接続アセンブリのシール要素(4)であって、該シール要素(4)は、
前記シール頭部(40)と前記胴部(42)との間の遷移部において、挿入方向(E)に対して径方向に前記シール頭部(40)を越えて突出する肩部(410)であって、前記挿入方向(E)に沿って、前記コネクタ(2)の前記開口(210)内の接触表面(212)に接触することができる、肩部(410)と、
前記挿入方向(E)に沿って前記肩部(410)からは離れて、該シール要素(4)の前記胴部(42)に対して径方向外方に突出するフランジ(420)であって、該フランジ(420)は、下面(422)が、前記コネクタ(11)の支持表面(114)に当接し、上面(421)が、少なくとも部分的に露出する、フランジ(420)と、
前記挿入方向(E)において軸方向に見た場合、前記フランジ(420)の下で前記胴部(42)に接合するとともに、前記取付け部品(2)が前記コネクタ(11)に取り付けられた場合、前記コネクタ(11)の対応する凹部(113)に係合する、足部セクション(43)と、
前記足部セクション(43)から始まって前記シール頭部(40)に抜けるように前記胴部(42)を貫通する、内側開口(44)とを、
を有し、
前記シール要素(4)の総高さが、6mm~
15mmである、
シール要素。
【請求項16】
請求項1~14のいずれか1項に記載の接続アセンブリと、前記取付け部品(2)に接続する接続ピース(51)を有する送達装置(5)とを備える構成体であって、
前記シール要素(4)は、スロット開口(45)を有し、該スロット開口(45)は、前記コネクタ(11)に取り付けられた前記取付け部品(2)において液体が通過しないよう閉鎖されており、前記取付け部品(2)に対する前記送達装置(5)の接続によって開通することができ、それにより、医療用液体を前記スロット開口(45)に通して送達することができ、
前記接続ピース(51)は、前記送達装置(5)が前記取付け部品(2)に接続された場合、前記シール要素(4)の前記スロット開口(45)に挿通する、構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の医療用液体を導く接続アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
このような接続アセンブリは、例えば、医療用液体を容器内に導く又は容器から抜くために、例えば、可撓性バッグ、アンプル、又は何らかの他のボトルの形態の医療用液体の容器において用いることができる。このような接続アセンブリは、簡潔にコネクタとも表現することができる。
【0003】
特許文献1から既知の医療用液体入りパッケージのコネクタにおいて、自己シール膜が、接続部品のチャネル状凹部に挿入される。チャネル状凹部は、取外し可能な部分によってシールされ、取外し可能な部分は、接続部品からチャネル状凹部を解放するために破断することができ、接続ピースを有するシリンジを接続部品に取り付けることができるようになっている。シリンジをコネクタに取り付けることにより、膜を開通させることができ、それにより、容器内の液体を容器内外に送達することができる。
【0004】
特許文献2から既知のコネクタの場合、突端部を有する中空体が、膜の、シリンジが取り付けられる側とは反対に向いた側に配置される。この中空体は、膜の開通を補助する。シリンジがコネクタに取り付けられた場合、膜は、シリンジによって中空体の突端部に押し付けられ、それにより、シリンジは、中空体に係合し、したがって、膜及び中空体を通る流れを可能にする。
【0005】
膜の開通を補助する中空体を備える弁ユニットは、特許文献3にも記載されている。この文献は、内部キャビティを画定する筒状体を備える、無針弁ユニットを示している。弁ユニットは、キャビティ内に配置されたチップが封入されている中空スパイクを更に備える。弁ユニットは、弁ユニットを閉鎖するとともに、スパイクの突端部を覆う弾性シリコーンシールを更に備える。このシールは、シール頭部と、円錐形側壁と、下側シールリップとを備える。下側シールリップは、環状スリーブとリングの下面との間にクランプされる。
【0006】
このようなコネクタは、例えば、医療用液体を保持するバッグ又はボトル等の容器に対する、いわゆる無針アクセスをもたらし、このアクセスによって容器に液体を充填する又は容器から液体を抜くのに用いられる。このような無針アクセスは、注射針を有しない送達装置を用いて容器に進入することを可能にする。その代わりに、この方法でスロット開口を開通させ、送達装置と容器との間の流れを可能にするために、例えば、シリンジの形態の送達装置の接続ピースが、シール要素のスロット開口に組み込まれる。
【0007】
無針アクセスを用いることにより、さもなければ注射針を使用する場合に起こり得る傷害のリスクを特に低減することができる。
【0008】
シール要素は、既に滅菌されて提供されるものの、法的要件により、送達装置を取付け部品に取り付ける前に、送達装置の外側を拭き取る又は払い落とすことを必須としている場合がある。これにより、例えば、滅菌条件下での容器に対するアクセスを確実にするものとする。払う又は拭くことができるこのようなコネクタは、例えば、特許文献4及び特許文献5から既知である。
【0009】
特許文献6は、弁ハウジングと、可撓性で圧力作動式の圧力制御弁とを備える血管内弁要素を記載している。このハウジングは、互いに接続されている近位ハウジング部分と遠隔ハウジング部分とを備える。弁は、スロット付きの中央弁壁と、弁壁を囲む環状フランジとを備える。フランジは、径方向に延在するフランジ壁と、フランジ壁から軸方向に延在する突出部とを備える。突出部は、ハウジングに対する弁の径方向の動きを最小限に抑えるために、弁ハウジングの一部と係合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】国際公開第2005/037362号
【文献】国際公開第2010/034470号
【文献】国際公開第1993/011828号
【文献】欧州特許第1470352号
【文献】欧州特許第1217284号
【文献】米国特許出願公開第2010/0298782号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、確実に固定されるが、シール要素の或る程度の可動性も許容する、医療用液体をガイドする接続アセンブリを提供することである。特に、このことによって流れが著しく影響を受けることはないものとする。別の目的は、消毒のためのシール要素の拭き取り又は払い落としが可能になる接続アセンブリを提供することを含む。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、請求項1の特徴を有する主題によって達成される。
【0013】
上記主題は、医療用液体を導く接続アセンブリである。接続アセンブリは、医療用液体が通って送達されるコネクタと、コネクタに取り付けられる取付け部品とを備える。取付け部品は、医療用液体をコネクタに通して送達する送達装置に接続することができる。取付けピースは、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、コネクタと係合する開口を有することが好ましい。接続アセンブリは、コネクタと取付け部品との間の遷移部をシールするシール要素も備える。シール要素は、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、シール要素が取付け部品とコネクタとの間に保持されるように、挿入方向において取付け部品の開口に挿入されることが好ましい。特に、シール要素の内部には、シール要素の開通を補助することを意図された突端部を有する物体(body)が存在しない。
【0014】
シール要素は、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、液体が通過しないよう取付け部品の開口をシールするシール頭部と、開口内で取付け部品から径方向距離を有して配置されている又は配置することができる、シール頭部に隣接する胴部とを備える。
【0015】
シール要素は、
シール頭部と胴部との間の遷移部において、挿入方向に対して径方向にシール頭部を越えて突出するとともに、挿入方向に沿って、取付け部品の開口内の接触表面に接触することができる肩部と、
挿入方向に沿って、シール要素の胴部から離れて外側に向かって径方向に肩部から距離を置いて突出し、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、取付け部品とコネクタとの間に保持、好ましくはクランプされる、フランジと、
を有する。
【0016】
シール要素は、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、取付け部品とコネクタとの間に保持され、フランジの下面がコネクタの接触表面に当接し、上面が少なくとも部分的に露出するようになっている。シール要素は、足部セクションを有し、足部セクションは、挿入方向Eに沿って軸方向に見た場合、フランジの下方で胴部に接合し、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、コネクタの対応する凹部に係合する。
【0017】
したがって、シール要素は、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、取付け部品とコネクタとの間にクランプ式に保持され、それにより、取付け部品とコネクタとの間の遷移部は、液密式にシールされる。シール要素は、ここでは、挿入アセンブリを囲む肩部を有し、肩部は、シール頭部を越えて外側に向かって径方向に突出し、(取付け部品がコネクタに取り付けられた場合)コネクタの対応する支持表面に当接する。したがって、シール要素は、肩部によって、特に、挿入方向に沿って軸方向に取付け部品に対して支持され、それにより、シール要素は、取付け部品に対して軸方向に固定される。シール要素の直径は、肩部の領域において、4mm~10mm、好ましくは6mm~8mmの範囲内にあることが好ましい。シール要素は、一方の側が肩部によって、また他方の側がフランジ及び足部セクションによって支持されるため、取付け部品の開口内におけるシール要素の既定の固定配置を保証することができる。
【0018】
(特に円筒形に形成された)シール要素の胴部は、肩部につながっている。シール要素は、全体として回転対称形状を有することが好ましく、シール要素の異なるセクションは、異なる直径を有することができる。肩部につながっている胴部は、取付け部品の開口に径方向の遊びを有して配置され、それにより、取付け部品の開口内のスペースが胴部の周りにもたらされ、送達装置が取付け部品に取り付けられた場合、このスペースにおいて、シール要素を変形させることができる。したがって、開口内に、取付け部品の壁に対して径方向外側に向いてスペースがもたらされ、シリンジ等の送達装置がコネクタとともにシール要素に接続される場合、このスペース内に、シール要素を押しやることができるため、シール要素のシール頭部上のスロット開口は、確実に開通することができ、開通状態において送達装置とコネクタとの間でシール要素を通る妨げのない流れが可能になる。
【0019】
外側に向かって径方向に突出するフランジが、胴部につながっている。このフランジは、外側に向かって胴部を越えて突出する。取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、フランジは、取付け部品とコネクタとの間にクランプ式に固定又は保持され、フランジ自体はクランプされないようになっている。フランジのこの間接的なクランプ取付けは、シール要素が、一方の側は肩部によって取付け部品に支持され、他方の側はフランジ及び/又は足部セクションによってコネクタに支持されることで達成される。したがって、フランジは、下面のみがコネクタの接触表面に当接し、上面は部分的に又は完全に露出することが好ましい。したがって、シール要素は、フランジを介して取付け部品とコネクタとの間に固定され、フランジは、好ましくは肩部とは反対側の胴部の端部に位置し、したがって、シール要素は、取付け部品及びコネクタに対して、胴部の一方の側が肩部によって支持され、胴部の他方の側がフランジによって支持される。フランジにおけるシール要素の直径は、肩部よりも大きいことが好ましい。フランジの直径は、5mm~11mm、好ましくは7mm~9mmの範囲内にあることが好ましい。フランジ自体はクランプされないため、シール要素は、或る程度の柔軟性を保持する。結果として、シール頭部は、シリンジが接続された場合、まず、シリンジのシリンジコネクタによって、ハウジング内に押し下げることができる。したがって、シール要素の側壁は、径方向に撓むことができる。シール要素は、コネクタがシリンジをシール頭部のスロット開口内に押すと、開通することができる。特に、側壁の径方向補償動作は、フランジの可動な配置によって補助することができる。
【0020】
1つの実施形態において、フランジの径方向外側セクションは、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、コネクタの接触表面と、取付け部品の開口内に径方向内方に突出する取付け部品の突出部との間に、最初は、例えばクランプ式に保持することができる。突出部は、環状突出部であることが好ましい。環状突出部は、シール要素の周縁部にわたって完全に又は部分的にのみ延在することができる。したがって、シール要素は、環状突出部によって、例えば完全に開口の内側に配置することができる。開口内に径方向内側に突出する胴部の環状突出部は、開口を囲む取付け部品の外壁から径方向距離を置いて保持することができる。これにより、環状突出部は、取付け部品とコネクタとの間にシール要素を部分的にクランプ固定することができる。さらに、環状突出部は、シール要素を囲む取付け部品の壁に対して径方向距離を有して、開口内でシール要素を(中央に)配置するのを補助することができる。更なる一実施形態において、コネクタと取付け部品との間の接続も、環状突出部によってもたらすことができる。
【0021】
シール要素は、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、コネクタとは反対に向いた凸状外面を有して形成されることが好ましい。シール要素の外面は、実質的に平坦又は内側に凹状に湾曲していることも想定し得るとともに可能である。
【0022】
外面は、特に、送達装置が取付け部品に接続することができる状態において、取付け部品から外方に突出するか又は取付け部品の表面と同一平面にあることができる。それにより、送達装置の取付け前に、シール要素の外面は、外側から容易にアクセスすることができ、滅菌するために拭き取り及び払い落としすることができる。この例における取付け部品は、初期状態ではコネクタに接続される取付け部品の別のセクションと一体的に連結している取外し可能な部分を有することができ、また、送達装置を取付け部品に接続するために、このセクションから分離、特に破断することができる。取付け部品から取外し可能な部分が除去されると、シール要素の外面は外側に向かって突出することができ、それにより、外面を、外側から拭き取り又は払い落としすることができる。接続アセンブリと、また特にシール要素の外面とは、取外し可能な部分を破断する前の初期状態でも滅菌条件において提供することができる。
【0023】
外面は、シール要素のシール頭部上に形成される。例えば、取外し可能な部分が取付け部品から除去されると、実質的に、シール要素の外面のみが露出し、例えば、外方に凸状に湾曲して突出し、簡単で確実な方法で拭き取り又は払い落としすることができる。シール頭部の上面又は外面は、3mm~7mm、好ましくは4mm~6mmの範囲内の直径を有することが好ましい。
【0024】
肩部は、シール頭部の、外面とは反対に向いた端部に配置されることが好ましい。本発明に係るコネクタの場合、膜の開通を補助することを意図された突端部を有する中空体は設けられない。シール要素の内部に配置され、シール頭部の開通を補助することを意図された突端部を有する物体又は中空体は設けられない。
【0025】
更なる一実施形態によれば、挿入方向Eにおいて軸方向に見た場合、好ましくは円筒形のセクションは、このセクションを越えて径方向外方に突出する肩部に合一するシール頭部と接合する。このセクションは、シール頭部の直径よりも大きい直径を有することが好ましい。好ましくは円筒形に形成された胴部は、再び挿入方向Eに沿って軸方向に見た場合、肩部に更に接合することができる。肩部は、胴部を越えて径方向外方に突出する。さらに、胴部は、フランジへの遷移部における外面に凹部を有することができ、凹部は、段部によって又は段部として設けられることが好ましい。特に、胴部には段部が1つのみ存在する。これにより、シリンジに接続される際のシール要素の径方向補償動作が、例えば或る種の膨らみによって補助される。断面において、凹部は、実質的に平坦な底部を有することができる。凹部は、例えば、四角形の断面を有することができる。凹部の基部及び径方向開口は、この例では、実質的に同じ寸法を有することができる。
【0026】
挿入方向において軸方向に見た場合、挿入方向においてフランジから突出する足部セクションは、フランジに接合することができ、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、コネクタの対応する凹部に係合する。これにより、シール要素とコネクタとの間の有利な接続が、取付け部品の開口内におけるシール要素の規定位置において形成される。したがって、シール要素は、取付け部品及びコネクタに対して、胴部の一方の側を肩部によって支持することができ、胴部の他方の側をフランジ及び/又は足部セクションによって支持することができる。シール要素は、6mm~15mm、好ましくは9mm~12mmの範囲内の総高さを有することが好ましい。
【0027】
シール要素は、シール頭部上にスロット開口を有することが好ましい。スロット開口は、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、液体が通過しないよう閉鎖することができ、送達装置を取付け部品に接合することによって、医療用液体をスロット開口に通して運ぶことができるように開通することができる。このようなスロット開口を用いることで、無針アクセスがもたらされ、これによって、例えば、皮下注射針を有しない送達装置を用いる場合に、コネクタに接続された容器にアクセスすることができる。
【0028】
送達装置は、例えば、このために、コネクタによってシール要素に取り付けることができる。コネクタは、シール要素における圧力によって、まず、シール要素の上面を下方に動かし、次いで、スロット開口内に押し込み、それにより、シール要素が開通して流れがもたらされる。次に、送達装置は、遅くとも完全に取り付けられた(例えば密に螺合した)ときには、シール要素のスロット開口を通ってコネクタに貫通することが好ましい。それにより、送達装置と容器との間でシール要素を通る妨げのない流れが可能である。1つの実施形態において、液体が通って輸送される送達装置の開口断面の少なくとも80%、好ましくは90%が露出し、したがって、シールによって覆われない。液体が通って輸送される送達装置の開口の断面全体が露出することが好ましい。
【0029】
取付け部品は、プラスチック成形部品として、好ましくはプラスチック射出成形部品として単一ピースで形成されることが好ましい。取付け部品は、ここでは、第1のセクション及び取外し可能な部分を有する。取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、コネクタが係合する開口は、第1のセクションに形成されることが好ましい。取外し可能な部分は、初期状態では、第1のセクションに接合しており、送達装置を取付け部品に接続するために、第1のセクションから除去、特に破断することができる。シール要素は、第1のセクションにおいて保持され、取外し可能な部分が破断された場合、外側から第1のセクションの開口をシールする。この例におけるシール要素の外面は、このために外側に面し、第1のセクションを通って外側に向かって突出するか、又は第1のセクションと同一平面であることが好ましい。1つの実施形態において、取付け部品は、雌側ルアー継手を提供することが好ましい。
【0030】
1つの特定の実施形態において、第1のセクションは、コネクタに取り付けることができる接続セクションと、接続セクションにつながっているねじ部とによって形成される。ねじ部は、送達装置に対するねじ接続を形成するために少なくとも半ねじを有する。ねじ接続は、二条ねじによってもたらされることが好ましい。このようにして、いわゆるルアーロック接続がもたらされ、これにより、ユニオンナットの形態の接続要素を、送達装置、例えばルアーロックシリンジに接続し、いわゆるルアーロック接続を形成することができる。初期状態において、取外し可能な部分は、ねじ部に接続され、このようにして、外側から取付け部品をシールする。送達装置を取付け部品に接続するために、取外し可能な部分は、ねじセクションから除去、特に破断することができ、それにより、送達装置は、接続要素を介してねじ部に螺合接続することができる。
【0031】
ねじ部及び取外し可能な部分は、初期状態では一体であり、互いに単一ピースとしてつながっていることが好ましい。所定の破断点によって規定された線に沿って、ねじ部からの取外し可能な部分の規定の除去を可能にするように、ねじ部と取外し可能な部分との間に、例えば、周方向ノッチ付き凹部の形態の所定の破断点を設けることができる。
【0032】
シール要素は、実質的にシール頭部の外面のみが外側からアクセス可能なように、シール頭部がねじ部の係合開口内にある状態で位置することが好ましい。特に、外面が外側に向かってねじ部を越えて突出するか又はねじ部の上面と同一平面で終端する場合、シール要素の外側は、送達装置を取付け部品に取り付け、滅菌条件下でコネクタに接続するために、外側から有利に拭き取り又は払い落としすることができる。
【0033】
コネクタは、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、取付け部品の開口において頭部に係合することが好ましい。この例では、コネクタは、ポジティブロック接続によって取付け部品に接合することができることが好ましい。ここでは、例えば、コネクタの頭部における周方向環状突出部等の周方向ポジティブロック要素が、取付けピース上の対応するポジティブロック要素と係合し、こうして、コネクタに対して取付け部品を軸方向に固定する。さらに、1つ以上のポジティブロック要素を頭部上に設け、頭部に対する取付け部品の回転固定取付けをもたらすことができる。これを行うために、例えば、挿入方向に対して平行に延在する1つ以上のウェブ及び/又は挿入方向に対して平行ないくつかの溝を設けることができ、取付け部品がコネクタに取り付けられた場合、これらのウェブ及び/又は溝に、取付け部品上の相補的なポジティブロック要素が係合する。それにより、取付け部品は、コネクタに対して回転固定されて係合することにより、固定される。
【0034】
接続アセンブリ及び/又はシール要素は、医療用液体の容器の構成要素とすることができる。この例では、コネクタは、容器に接続されて、容器に対するアクセスをもたらす。コネクタに取り付けることができる取付け部品、及び/又はシール要素を含むことができるコネクタに一体化されたコネクタを用いることによって、送達装置は、医療用液体を容器内に入るか又は容器から出るように運ぶために、コネクタに接続することができる。
【0035】
接続アセンブリは、代替的には、医療用ラインを接続することができるコネクタの構成要素とすることができる。例えば、接続アセンブリは、2つのラインと、取付け部品を通して同様に送達装置とを接続することができる、いわゆるY字形コネクタの構成要素とすることができる。
【0036】
上述の接続アセンブリ及び/又は上述のコネクタの一実施形態のためのシール要素も、本発明の範囲内にある。シール要素は、シール頭部及びシール頭部につながっている胴部を有し、シール要素は、挿入方向に対して径方向にシール頭部を越えて突出するとともに、挿入方向において、コネクタの開口内の対応する支持表面に接触することができる、肩部と、挿入方向においてシール要素の胴部とは反対に向いて肩部から距離を置いて径方向外方に突出するとともに、好ましくはコネクタにクランプ式に保持することができるフランジとを有する。フランジは、下面がコネクタの頭部上に置かれ、上面が少なくとも部分的に露出した状態で配置することができる。さらに、挿入方向Eに沿って軸方向に見た場合、フランジの下方で胴部につながっている足部セクションは、取付け部品がコネクタに接続された場合、コネクタの頭部の対応する凹部に係合することができる。シール要素の可能な実施形態に関しては、上述の記載が参照される。
【0037】
取付け部品に取り付けられるコネクタを備え、コネクタの取付け部品に取り付けられた送達装置がシール要素のスロット開口に挿通する、上述の接続アセンブリの一実施形態又は上述のシール要素の一実施形態を含む構成体も本発明の範囲内にある。
【0038】
本発明の根底にある構想は、図面に記載されている例示的な実施形態に基づいて以下に明示される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】取付け部品が取り付けられたコネクタが配置されているバッグの形態の容器の図である。
【
図2】シール要素が間に配置されているコネクタ及び取付け部品の分解図である。
【
図3】取付け部品が取り付けられているコネクタの分離図である。
【
図5】
図4による描画平面に対応する断面における断面図である。
【
図9】取外し可能な部分を破断したコネクタの取付け部品の図である。
【
図10】取外し可能な部分を破断した取付け部品の拡大図である。
【
図11】取外し可能な部分を破断した、
図5による断面図である。
【
図12A】シリンジの形態の送達装置がコネクタの上にある概略図である。
【
図12B】コネクタに接続された送達装置(ここではシリンジの形態である)の断面図である。
【
図13】Y字形コネクタの形態の接続アセンブリの図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、可撓性バッグの形態の容器1を示しており、この可撓性バッグは、例えば、薬剤、生理食塩水、又は栄養液等の医療用液体を収容するバッグ本体10を有する。医療用液体は、容器1内に貯留することができ、液体は、コネクタ11、12を介して、容器1内に充填するか又は容器1から抜くことができる。
【0041】
コネクタ11、12は、容器1に対するアクセスをもたらす。図示の例示的な実施形態では、第1のコネクタ11は、取付け部品2とともに、シリンジの形態の送達装置5(
図12A及び
図12Bを参照)の接続を可能にするように設計され、コネクタ11を介して容器1内に液体成分を送達することができる。一方、第2のコネクタ12は、取付け部品3とともに、容器1からの液体を患者に供給するために、例えば輸液セットを容器1に接続することができるアクセスをもたらす。
【0042】
図2は、コネクタ11、12と、取付け部品2、3と、コネクタ11、12と取付け部品2、3との間の付属のシール要素4、6とによって形成される接続アセンブリを分解図で示している。コネクタ11、12は、容器1を形成するシート間に配置され、シートに溶着される。それにより、コネクタ11、12は、シートに一体的に接合される。取付け部品2、3は、容器1を完成させるためにコネクタ11、12に取り付けられ、シール要素4、6は、取付け部品2、3とコネクタ11、12との間に配置され、それにより、取付け部品2、3とコネクタ11、12との間の遷移部が液密式にシールされるようになっている。
【0043】
各取付け部品2、3は、容器1に対するアクセスをもたらすように破断することができる取外し可能な部分20、30を有する。取外し可能な部分20は、シリンジの形態の送達装置5を取付け部品2に取り付け、送達装置5を通して液体を容器1内に供給するために、取付け部品2から破断することができる。取外し可能な部分30は、例えば、輸液セットをスパイクによってシール要素6に突き通し、それによって容器1から液体を取り出し、その液体を例えば患者に供給するために、取付け部品3から破断することができる。
【0044】
各取付け部品2、3は、接続セクション21、31も有し、接続セクション21、31は、それぞれの取付けピース2、3と、対応するコネクタ2、3との間にポジティブロック接続を形成するように、対応するコネクタ11、12と係合させることができる。
【0045】
第1のコネクタ11及び第1のコネクタ11に取り付けられた取付け部品2によってもたらされるコネクタは、以下に説明される。
【0046】
図3~
図11は、コネクタ11及び取付け部品2を含むコネクタの例示的な一実施形態を示している。コネクタ11は、ここでは、上述したように、容器1のシートに接合され、したがって、シート間に一体的に組み込まれている。取付け部品2は、取付け位置において取付け部品2がポジティブロック様式でコネクタ11に保持されるように、コネクタ11に取り付けることができる。
【0047】
取付け部品2は、接続セクション21と、接続セクション21につながっているねじ部22と、取外し可能な部分20とを備える第1のセクションを有する。取付け部品2は、プラスチック成形部品として単一ピースで形成され、初期状態では、ねじ部22に取り付けられた取外し可能な部分20と連結している。
【0048】
コネクタ11は、流れ開口111を有し、流れ開口111は、取付け部品2がコネクタ11に取り付けられた場合、取付け部品2によって外部に対して閉鎖され、液体が容器1から出る又は容器1内に入ることができないようになっている。
図5による断面図から見て取れるように、取付け部品2が取り付けられている場合、コネクタ11は、頭部110によって、接続セクション21の開口210内に係合し、軸方向には、環状突出部115の形態の周方向ポジティブロック要素を介して、また、軸方向に延在するウェブ及び溝の形態のポジティブロック要素116、117を介して、取付け部品2に対して回転固定されて接続される。したがって、取付け部品2の接続セクション21の開口210内に、相補的なポジティブロック要素が、周方向ポジティブロック要素115と係合するように、例えば環状凹部の形態で形成され、また、ウェブ116及び溝117と係合するように、軸方向に延在するウェブ及び/又は溝の形態で形成される。
【0049】
取付け部品2がコネクタ11に取り付けられている場合、シール要素4は、取付け部品2とコネクタ11との間にあり、取付け部品2とコネクタ11との間にクランプ式に保持される。シール要素4は、挿入方向Eにおいて、取付け部品2内の開口210(
図6を参照)に挿入することができる。シール要素4は、
図7に示されているように、回転対称の胴部として形成されているとともに、シール頭部40を有し、シール頭部40は、ねじ部22の係合開口221内にあり、凸状に湾曲した面又は平坦面400が、取外し可能な部分20の方向にねじ部22を越えて突出している。しかし、面400は、ねじ部22の上面と同一平面にすることもできる。
【0050】
肩部410に合一する円筒形セクション41は、シール頭部40につながっており、シール頭部40は、シール要素4が開口210内にセットされると、取付け部品2の接続セクション21とねじ部22との間の内側遷移部において、周方向の円錐状支持表面212に当接する。ここでは、円筒形セクション41は、シール頭部40よりも大きい直径を有する。
【0051】
接続セクション21の開口210にクリアランスを伴って挿入される円筒形胴部42は、肩部410につながっており、肩部410は、セクション41を越えて径方向外方に突出し、シール要素4を囲んでいる。ここでは、円筒形胴部42は、肩部410よりも小さい直径を有する。胴部42が接続セクション21の周方向壁から径方向距離を有して開口210に挿入されるため、シール要素4は、送達装置5の取付けによって有利な様式で変形し、送達装置5と容器1との間にシール要素4を通る流れをもたらすことができる。
【0052】
胴部42は、シール頭部40とは反対に向いた端部に周方向フランジ420を保持する。フランジ420は、その下面422がコネクタ11の支持表面114に当接する。フランジ420の上面421は、完全に露出させることができる。上面421は、この例では覆われない。上面421は、対応する構成要素と接触又は係合しない。例えば、上面421は、コネクタ2のクランプ表面によって覆われない。フランジ420の上面421は、部分的にのみ露出させることもできる。この実施形態では、フランジ420は、接続セクション21の環状突出部211とコネクタ11の頭部110上の接触表面114との間にあることができ、したがって、取付け部品2がコネクタ11に取り付けられた場合、環状突出部211と接触表面114との間に部分的にクランプ式に保持される。フランジ420の径方向外方セクションは、クランプ式に保持される。
【0053】
フランジ420の上方又はフランジ420への遷移部上において、円筒形胴部42は、その外面に凹部423を有する。これにより、送達装置5が取り付けられるとき、シール要素4の変形を補助することができる。凹部423は、外面の段部によって形成されている。断面において、凹部423は、実質的に平坦な底部を有する。凹部423は、例えば、箱状の断面を有する。凹部423の基部及び径方向開口は、実質的に同じ寸法(挿入方向Eに見た場合)を有することができる。
【0054】
足部セクション43は、コネクタ11の頭部110上の凹部113に係合するフランジ420につながっている。
【0055】
取付け位置において、取付け部品2は、コネクタ11の外側フランジ112の正面に当接する。
【0056】
シール要素4は、一方の側が、肩部410によって取付け部品2上に支持され、他方の側が、フランジ420及び足部セクション113によってコネクタ11上に支持されるため、取付け部品2の開口210内におけるシール要素4の規定の固定配置を保証することができる。円筒状の内側開口44は、足部セクション43から始まってシール頭部40に抜けるようにシール要素4の胴部42及び円筒形セクション41を貫通し、コネクタ111のテーパー付き流れセクション118に接続しており、この円筒状の内側開口44を通して、送達装置5が取付け部品2に取り付けられた場合、送達装置5と容器1との間により高流量を達成することができる。内側開口44は、1mm~5mm、好ましくは2mm~4mmの範囲の直径を有することが好ましい。
【0057】
図5に示されている初期状態において、取付け部品2は、シール要素4とともにコネクタ11に取り付けられ、それにより、コネクタ11は、外側に向かって閉鎖している。この初期状態におけるシール要素4は、ねじ部22の開口221においてシール頭部40の上面400が、取外し可能な部分20によって外側に向かって覆われているため、外側からアクセス可能でない。
【0058】
取外し可能な部分20は、ノッチ状の周方向凹部の形態の所定の破断点200を介してねじ部22につながっている。例えばシリンジの形態の送達装置5を取付け部品2に取り付けるために、またこのようにして、容器1に液体を充填するためのアクセスをもたらすために、使用者は、取外し可能な部分20のつまみ要素201を指でつまみ、取外し可能な部分20をねじセクション22から外すことによって、ねじ部22から取外し可能な部分20を破断することができる。これは、
図9に示されている。したがって、取外し可能な部分20が除去されると、取付け部品2は、取外し可能な部分20のない状態で存在する。これは、
図10に示されている。
【0059】
取外し可能な部分20を破断した後、シール要素4は、例えば、シール頭部40上に露出した外向き面400を有し、この外向き面400には、外側からアクセスすることができるようになっている。面400が凸状に形成され、ねじ部22の上面222を越えて湾曲して突出する1つの実施形態において、シール要素4の面400は、存在し得る法的要件に従ってシール要素4を浄化及び消毒するために、効率的な方法で拭き取り又は払い落としすることができる。平坦面400も、適切に拭き取り又は払い落としすることができる。
【0060】
その後、シリンジの形態の送達装置5は、
図12A及び
図12Bに示されているように、送達装置5のナット又はユニオンナットの形態の接続要素50を、ねじ山220に、ねじ山500を介してねじ部22において螺合状態で接触させることによって、ねじ部22に取り付けることができる。これにより、送達装置5の接続ピース51は、ねじ部22の係合開口221に挿入され、それにより、接続ピース51は、シール要素4のシール頭部40に押し付けられ、まず、シール要素4を下方に押し下げ、次いで、シール要素4をスロット開口45(
図11を参照)において開通させる。したがって、接続ピース51は、スロット開口45においてシール頭部40に挿通し、円筒状の開口44と液体連通状態になる。それにより、送達装置5とコネクタ11の流れ開口111との間に流れがもたらされる。
【0061】
接続ピース51を係合開口221に押し込むことにより、シール頭部40も取付け部品2に押し込まれ、他のセクション41、42とともに、セクション42の径方向外側の空いたスペースに押しやられる。接続ピース51が完全に挿入された場合、接続ピース51は、係合開口221とのポジティブロック接続を形成し、シール頭部40に到達し、これにより、接続ピース51とコネクタ11の頭部110上の流れ開口118との間に有効な流れ接続が形成される。この接続は、シール要素4によって影響を受けない又は僅かにしか影響を受けない。送達装置5は、遅くとも完全な取付け状態、ここでは例えば完全に締め付けられた状態になると、接続ピース51によってシール要素4のスロット開口45を貫通し、それにより、シール要素4を通して送達装置5と容器1との間の流れが妨げなく又は実質的に妨げなく起こるようにすることができる。液体輸送が行われるときに通る送達装置5の開口の断面全体は、図示のように露出していることが好ましい。
【0062】
送達装置5は、シリンジ本体52及びプランジャー53を備える。プランジャー53は、シリンジ本体52から容器1内に液体をこのようにして運ぶために、シリンジ本体52に押し込むことができる。
【0063】
例えば十字形又は直線形のスロット開口45が、シール要素4のシール頭部40に設けられるため、注射針を有しない送達装置5を用いてアクセスすることができる無針アクセスがもたらされる。送達装置5が取り付けられると、接続ピース51は、スロット開口45との係合を達成し、このようにして、シール要素4を開通させて、送達装置5と容器1との間の流れをもたらすようになっている。
【0064】
送達装置5を取付け部品2から取り外した後、シール要素4は、再度自動的に閉鎖して自己シールするため、液体は、容器1から漏出することがない。
【0065】
図13及び
図14は、コネクタ11と、コネクタ11に配置される取付け部品2と、シール要素4とを備える接続アセンブリが用いられる、更なる例示的な一実施形態を示している。
【0066】
この例では、接続アセンブリは、いわゆるY字形コネクタの形態のコネクタ7の構成要素である。コネクタ7は、2つの接続ライン70、71を有し、そのそれぞれに対して、輸液チューブ等の形態の医療用ラインを接続することができる。ライン接続部70、71は、接続点72においてコネクタ11と流れ接続し、それにより、ライン接続部70、71に接続されているラインシステム内の医療用液体を、コネクタ11を介してラインシステムから運び出す又は取り出すことができる。
【0067】
取付け部品2は、この例示的な実施形態ではコネクタ11に配置される。シール要素4は、取付け部品2とコネクタ11との間にクランプされる。
図1~
図12による例示的な実施形態におけるように、取付け部品2のねじ部22は、取外し可能な部分20につながっており、取外し可能な部分20は、送達装置5(
図12を参照)をねじ部22に接続し、送達装置5を更にコネクタ11に接続するために、破断することができる。シール要素4の凸面400は、ねじ部22の上面222を越えて外側に向かって突出することができ、それにより、容易にアクセスされるため、シール要素4の面400は、シール要素4の外向き面400を消毒するために、送達装置5を取り付ける前に容易に拭き取ることができる。平坦面400も、適切に拭き取り又は払い落としすることができる。
【0068】
コネクタ11及び取付け部品2は、
図1~
図12Bによる例示的な実施形態に関して上述したものと形態及び機能が同一であるため、前出の実施形態を参照されたい。
【0069】
本発明の根底にある構想は、例示的な実施形態の上述の例に限定されず、全く異なる方法で達成することもできる。
【符号の説明】
【0070】
1 バッグ
10 バッグ本体
11、12 コネクタ
110、120 頭部
111 流れ開口
112 フランジ
113 凹部
114 支持表面
115 ポジティブロック要素(環状突出部)
116 ウェブ
117 ノッチ
118 流れ開口
2 取付け部品
20 取外し可能な部分
200 所定の破断点
201 つまみ要素
21 接続セクション
210 開口
211 環状突出部
212 接触表面
22 ねじセクション
220 ねじ山
221 係合開口
222 上面
3 取付け部品
30 取外し可能な部分
31 接続セクション
4 シール要素
40 シール頭部
400 凸面又は平坦面
41 セクション
410 肩部
42 胴部
420 フランジ
421 フランジの上面
422 フランジの底部
423 凹部又はシール要素若しくは胴部42の外側の段部
43 足部セクション
44 開口
45 スロット開口
5 送達装置(シリンジ)
50 接続要素
500 ねじ山
51 接続ピース(シリンジコーン)
52 シリンジ本体
53 プランジャー
6 シール要素
7 コネクタ
(70、71) ライン接続部
72 接続点
E 挿入方向