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特許7504043情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240614BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240614BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240614BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240614BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021025320
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127266
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】太田 洋介
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-242588(JP,A)
【文献】特開2001-066146(JP,A)
【文献】特開2012-027552(JP,A)
【文献】特開2016-051344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動経路における複数の地点それぞれの位置情報を含む第1情報を取得する第1取得部と、
前記第1取得部で取得する第1情報に基づく複数の位置情報のうち、移動過程を示す位置情報データ列の中央の第1地点となる第1位置情報を特定すると共に、前記位置情報データ列の端部の第2地点となる第2位置情報に基づく当該第2地点と、第1位置情報に基づく前記第1地点との間の位置情報データ列の中央の第3地点となる第3位置情報を特定する処理であって、第1位置情報に基づく前記第1地点と、第3位置情報に基づく前記第3地点との間の距離が予め設定される第1距離になるまで位置情報を特定する処理を繰り返す特定部と、
前記特定部によって特定される複数の第1位置情報及び複数の第3位置情報のうち、隣接する第1位置情報に基づく第1地点と第3位置情報に基づく第3地点との間の第1区間の距離が第2距離以下の場合、当該第1区間内の第4位置情報の利用を保留して所定の処理を行う処理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記特定部は、移動経路における区間内の複数の位置情報のうち、位置に関して中央の第1地点となる第1位置情報を特定すると共に、位置に関して端部の第2地点となる第2位置情報と第1位置情報との間の位置に関して中央の第3地点となる第3位置情報を特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1取得部は、移動経路を移動する場合の移動速度に関する速度情報を含む第1情報を取得し、
前記特定部は、移動経路における複数の位置情報のうち、単位時間あたりの移動距離を累積したときの中央の第1地点となる第1位置情報を特定すると共に、単位時間あたりの移動距離を累積したときの端部の第2地点となる第2位置情報と第1位置情報との間の単位時間あたりの移動距離を累積したときの中央となる第3位置情報を特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
道路地図に関する地図情報を取得する第2取得部を備え、
前記処理部は、所定の処理として、前記第2取得部によって取得する地図情報に基づく道路地図に、前記特定部によって特定される第1位置情報及び第3位置情報をマッチングする
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、第1位置情報と第3位置情報との間にある第4位置情報を、道路地図にマッチングさせた第1位置情報と第3位置情報との間にマッチングする
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、第1位置情報と第3位置情報との間にある第4位置情報を利用せずに、第4位置情報を道路地図にマッチングしない
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、所定の処理として、前記特定部によって特定される第1位置情報及び第3位置情報で囲まれる区間において渋滞が発生していると推定する
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、第1位置情報及び第3位置情報で囲まれる区間の移動速度に応じて渋滞のレベルを決定する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
移動経路における複数の地点それぞれの位置情報を含む第1情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得する第1情報に基づく複数の位置情報のうち、移動過程を示す位置情報データ列の中央の第1地点となる第1位置情報を特定すると共に、前記位置情報データ列の端部の第2地点となる第2位置情報に基づく当該第2地点と、第1位置情報に基づく前記第1地点との間の位置情報データ列の中央の第3地点となる第3位置情報を特定する処理であって、第1位置情報に基づく前記第1地点と、第3位置情報に基づく前記第3地点との間の距離が予め設定される第1距離になるまで位置情報を特定する処理を繰り返す特定ステップと、
前記特定ステップによって特定される複数の第1位置情報及び複数の第3位置情報のうち、隣接する第1位置情報に基づく第1地点と第3位置情報に基づく第3地点との間の第1区間の距離が第2距離以下の場合、当該第1区間内の第4位置情報の利用を保留して所定の処理を行う処理ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
移動経路における複数の地点それぞれの位置情報を含む第1情報を取得する取得機能と、
前記取得機能で取得する第1情報に基づく複数の位置情報のうち、移動過程を示す位置情報データ列の中央の第1地点となる第1位置情報を特定すると共に、前記位置情報データ列の端部の第2地点となる第2位置情報に基づく当該第2地点と、第1位置情報に基づく前記第1地点との間の位置情報データ列の中央の第3地点となる第3位置情報を特定する処理であって、第1位置情報に基づく前記第1地点と、第3位置情報に基づく前記第3地点との間の距離が予め設定される第1距離になるまで位置情報を特定する処理を繰り返す特定機能と、
前記特定機能によって特定される複数の第1位置情報及び複数の第3位置情報のうち、隣接する第1位置情報に基づく第1地点と第3位置情報に基づく第3地点との間の第1区間の距離が第2距離以下の場合、当該第1区間内の第4位置情報の利用を保留して所定の処理を行う処理機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等においては、従来から通信量を削減することが求められている。特許文献1に記載された技術では、携帯電話機は、位置情報測位衛星から送信される信号を利用して位置情報を取得する場合、自機の移動速度に応じて信号を受信する間隔(測位間隔)を変更し、信号を受信するときの通信量を削減する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-172109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯電話機においては通信量を削減することが望まれている。しかしながら、情報処理装置の技術分野によっては、通信量の削減ではなく、例えば、計算等の処理にかかる負担の軽減が求められることがある。
【0005】
本発明は、所定の処理に関する効率化を図ることができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、移動経路における複数の地点それぞれの位置情報を含む第1情報を取得する第1取得部と、第1取得部で取得する第1情報に基づく複数の位置情報のうち、移動過程を示す位置情報データ列の中央となる第1位置情報を特定すると共に、位置情報データ列の端部となる第2位置情報に基づく地点と、第1位置情報に基づく地点との間の位置情報データ列の中央となる第3位置情報を特定する処理であって、第1位置情報に基づく地点と、第3位置情報に基づく地点との間の距離が予め設定される第1距離になるまで位置情報を特定する処理を繰り返す特定部と、特定部によって特定される複数の第1位置情報及び複数の第3位置情報のうち、隣接する第1位置情報に基づく地点と第3位置情報に基づく地点との間の第1区間の距離が第2距離以下の場合、その第1区間内の第4位置情報の利用を保留して所定の処理を行う処理部と、を備える。
【0007】
一態様の情報処理装置では、特定部は、移動経路における区間内の複数の位置情報のうち、位置に関して中央となる第1位置情報を特定すると共に、位置に関して端部となる第2位置情報と第1位置情報との間の位置に関して中央となる第3位置情報を特定することとしてもよい。
【0008】
一態様の情報処理装置では、第1取得部は、移動経路を移動する場合の移動速度に関する速度情報を含む第1情報を取得し、特定部は、移動経路における複数の位置情報のうち、単位時間あたりの移動距離を累積したときの中央となる第1位置情報を特定すると共に、単位時間あたりの移動距離を累積したときの端部となる第2位置情報と第1位置情報との間の単位時間あたりの移動距離を累積したときの中央となる第3位置情報を特定することとしてもよい。
【0009】
一態様の情報処理装置は、道路地図に関する地図情報を取得する第2取得部を備え、処理部は、所定の処理として、第2取得部によって取得する地図情報に基づく道路地図に、特定部によって特定される第1位置情報及び第3位置情報をマッチングすることとしてもよい。
【0010】
一態様の情報処理装置では、処理部は、第1位置情報と第3位置情報との間にある第4位置情報を、道路地図にマッチングさせた第1位置情報と第3位置情報との間にマッチングすることとしてもよい。
【0011】
一態様の情報処理装置では、処理部は、第1位置情報と第3位置情報との間にある第4位置情報を利用せずに、第4位置情報を道路地図にマッチングしないこととしてもよい。
【0012】
一態様の情報処理装置では、処理部は、所定の処理として、特定部によって特定される第1位置情報及び第3位置情報で囲まれる区間において渋滞が発生していると推定することとしてもよい。
【0013】
一態様の情報処理装置では、処理部は、第1位置情報及び第3位置情報で囲まれる区間の移動速度に応じて渋滞のレベルを決定することとしてもよい。
【0014】
一態様の情報処理方法では、コンピュータが、移動経路における複数の地点それぞれの位置情報を含む第1情報を取得する取得ステップと、取得ステップで取得する第1情報に基づく複数の位置情報のうち、移動過程を示す位置情報データ列の中央となる第1位置情報を特定すると共に、位置情報データ列の端部となる第2位置情報に基づく地点と、第1位置情報に基づく地点との間の位置情報データ列の中央となる第3位置情報を特定する処理であって、第1位置情報に基づく地点と、第3位置情報に基づく地点との間の距離が予め設定される第1距離になるまで位置情報を特定する処理を繰り返す特定ステップと、特定ステップによって特定される複数の第1位置情報及び複数の第3位置情報のうち、隣接する第1位置情報に基づく地点と第3位置情報に基づく地点との間の第1区間の距離が第2距離以下の場合、その第1区間内の第4位置情報の利用を保留して所定の処理を行う処理ステップと、を実行する。
【0015】
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、移動経路における複数の地点それぞれの位置情報を含む第1情報を取得する取得機能と、取得機能で取得する第1情報に基づく複数の位置情報のうち、移動過程を示す位置情報データ列の中央となる第1位置情報を特定すると共に、位置情報データ列の端部となる第2位置情報に基づく地点と、第1位置情報に基づく地点との間の位置情報データ列の中央となる第3位置情報を特定する処理であって、第1位置情報に基づく地点と、第3位置情報に基づく地点との間の距離が予め設定される第1距離になるまで位置情報を特定する処理を繰り返す特定機能と、特定機能によって特定される複数の第1位置情報及び複数の第3位置情報のうち、隣接する第1位置情報に基づく地点と第3位置情報に基づく地点との間の第1区間の距離が第2距離以下の場合、その第1区間内の第4位置情報の利用を保留して所定の処理を行う処理機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0016】
一態様の情報処理装置は、移動経路における複数の地点それぞれの位置情報のうち、移動過程を示す位置情報データ列の中央となる第1位置情報を特定すると共に、その位置情報データ列の端部となる第2位置情報に基づく地点と第1位置情報に基づく地点との間の位置情報データ列の中央となる第3位置情報を特定する処理であって、第1位置情報に基づく地点と、第3位置情報に基づく地点との間の距離が予め設定される第1距離になるまで位置情報を特定する処理を繰り返す処理を行い、特定される複数の第1位置情報及び複数の第3位置情報のうち、隣接する第1位置情報に基づく地点と第3位置情報に基づく地点との間の第1区間の距離が第2距離以下の場合、その第1区間内の第4位置情報の利用を保留して所定の処理を行うので、所定の処理に関する効率化を図ることができる
一態様の情報処理方法及び情報処理プログラムは、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態に係る情報処理システムについて説明するための図である。
図2】一実施形態に係る情報処理装置について説明するためのブロック図である。
図3】特定部による特定方法の一例について説明するための第1の図である。
図4】特定部による特定方法の一例について説明するための第2の図である。
図5】特定部による特定方法の一例について説明するための第3の図である。
図6】一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本明細書では、「情報」の文言を使用しているが、「情報」の文言は「データ」と言い換えることができ、「データ」の文言は「情報」と言い換えることができる。
【0019】
まず、情報処理装置30の概要について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理システム1について説明するための図である。
【0020】
情報処理システム1は、車両10(移動体)、サーバ20及び情報処理装置30について説明する。
【0021】
車両10は、GNSS(Global Navigation Satellite System)等を利用して位置情報を取得する。また、車両10は、例えば、自車に搭載されるセンサ等を利用して、車両10の移動速度等を始めとする種々の車両10の状況を測定し、その測定の結果となる測定情報を生成する。この場合、測定情報には、上述したように車両の移動速度に関する速度情報が含まれてもよい。車両10は、例えば、位置情報及び測定情報を取得する場合、それらの情報を取得するとき(測位及び測定するとき)の時刻を取得し、その時刻に関する時刻情報を位置情報及び測定情報に含ませてもよい。車両10は、測定情報及び位置情報等を始めとする車両10で取得される情報を車両情報(第1情報)として外部に送信する。車両10(車載制御部(図示せず))は、例えば、車両情報をサーバ20に送信してもよく、又は、車両情報を情報処理装置30に送信してもよい。
なお、情報処理システム1では、第1情報が取得されるのは車両10に限定されることはなく、種々の移動体等によって又は所定の区間内において第1情報が取得されてもよい。
【0022】
サーバ20は、車両情報を蓄積し、情報処理装置30に送信することが可能である。サーバ20は、複数の車両10の車両情報を蓄積してもよい。
【0023】
情報処理装置30は、例えば、サーバ20等から車両情報(第1情報)を取得する。情報処理装置30は、例えば、車両情報に記録される位置情報を道路地図に対応付ける場合、すなわち車両10の位置(地点)を道路地図にマッチングする場合、車両情報に基づく車両10の走行状況が所定の状況であると、道路地図に対応付ける車両10の位置(位置情報)の一部の利用を保留し、残りの車両10の位置(地点)を道路地図に対応付ける。ここで、所定の状況は、例えば、車両10が渋滞の中を走行する場合、所定時間以上(相対的に長時間)停止しており車両10が移動していない場合などの車両10の走行状況である。
【0024】
この場合、情報処理装置30は、位置情報データ列の中央(略中央)となる第1位置情報(第1地点)を特定する処理、及び、位置情報データ列の端部となる第2位置情報(第2地点)と第1地点との間の中央(略中央)となる第3位置情報(第3地点)を特定する処理を繰り返す。情報処理装置30は、車両10の走行状況として渋滞等により車両10の移動が相対的に少ないときに、その移動が少ない区間における、1又は複数の第1位置情報(第1地点)、及び、1又は複数の第3位置情報(第3地点)を道路地図に対応付ける。
一方、情報処理装置30は、上述した車両10の移動が相対的に少ない区間を除く他の区間については、全ての位置情報(地点)を道路地図に対応付ける。
上述した情報処理装置30は、例えば、サーバ、デスクトップ及びラップトップ等のコンピュータであってもよい。
【0025】
次に、情報処理装置30について詳細に説明する。
図2は、一実施形態に係る情報処理装置30について説明するためのブロック図である。
【0026】
情報処理装置30は、通信部36、表示部37、記憶部38、第1取得部32、第2取得部33、特定部34及び処理部35を備える。第1取得部32、第2取得部33、特定部34及び処理部35は、情報処理装置30の制御部31(例えば、演算処理装置等)の一機能として実現されてもよい。
【0027】
通信部36は、外部の装置との間で通信を行う。通信部36は、例えば、サーバ20との間で情報の送受信を行う。また、通信部36は、車両10との間で情報の送受信を行うこととしてもよい。一例として、通信部36は、サーバ20又は車両10から車両情報を取得する。
【0028】
表示部37は、例えば、文字、記号及び画像等を表示する。
【0029】
記憶部38は、例えば、種々の情報及びプログラムを記憶する。記憶部38は、例えば、道路地図に関する地図情報を記憶してもよい。
【0030】
第1取得部32は、移動経路における複数の地点それぞれの位置情報を含む車両情報(第1情報)を取得する。第1取得部32は、移動経路を移動する場合の移動速度に関する速度情報を含む車両情報(第1情報)を取得することとしてもよい。すなわち、第1取得部32は、例えば、通信部36を介して、サーバ20から車両情報を取得する。又は、第1取得部32は、例えば、通信部36を介して、車両10から送信される車両情報を取得してもよい。
【0031】
第2取得部33は、道路地図に関する地図情報を取得する。すなわち、第2取得部33は、地図情報を記憶部38から取得してもよい。又は、第2取得部33は、例えば、外部のサーバ20等に記憶される地図情報を、通信部36を介して取得してもよい。
【0032】
特定部34は、第1取得部32によって取得される車両情報(例えば、位置情報及び速度情報)に基づいて、複数の位置情報の中から少なくとも一部の位置情報を特定する。
すなわち、特定部34は、第1取得部32で取得する第1情報に基づく複数の位置情報のうち、移動過程を示す位置情報データ列の中央となる第1位置情報を特定する。さらに、特定部34は、位置情報データ列の端部となる第2位置情報に基づく地点と、第1位置情報に基づく地点との間の位置情報データ列の中央となる第3位置情報を特定する。特定部34は、上述した、第1位置情報に基づく地点と、第3位置情報に基づく地点との間の距離が予め設定される第1距離になるまで位置情報を特定する処理を繰り返す。
【0033】
ここで、位置情報データ列は、例えば、複数の位置情報(速度情報)を、位置情報(速度情報)が測位された時刻の順に並べられたデータであってもよい。位置情報データ列の中央は、時系列データ列の略中央であってもよい。同様に位置情報データ列の端部は、時系列データ列の略端部であってもよい。略中央(略端部)の位置情報(速度情報)とは、例えば、中央(端部)となる位置情報(速度情報)が測位された時刻から所定時間以内に測定された位置情報(速度情報)であってもよい。
第1距離は、例えば、車両10が渋滞の中を走行する際に、車両10が移動していること(第1時点における車両10の位置と、時系列で第1時点よりも後となる第2時点における車両10の位置とに明確に差が有ること、すなわち、第1時点の位置と第2時点の位置との間の距離が所定距離以上であること)を把握できる距離等であってもよい。第1距離は、例えば、車両10が渋滞の中を走行する時の走行速度等に基づいて設定されてもよい。第1距離は、例えば、情報処理装置30のユーザ等によって適宜設定されてもよい。
【0034】
なお、特定部34は、所定時間毎に取得される位置情報及び速度情報が車両情報に記録される場合、移動過程を示す位置情報データ列の中央の情報として、時系列で中央にある時刻に対応する位置情報を第1位置情報として特定してもよい。同様に、特定部34は、移動過程を示す位置情報データ列の端部の情報として、時系列で端部にある時刻に対応する位置情報を第2位置情報として特定してもよい。同様に、特定部34は、第1位置情報と第2位置情報の間のデータ列の中央の情報として、上述した中央の時刻と、上述した端部の時刻との間のデータ列で中央となる時刻に対応する位置情報を第3位置情報として特定してもよい。
【0035】
図3は、特定部34による特定方法の一例について説明するための第1の図である。
【0036】
図3に一例を示すように、特定部34は、時系列の位置情報データ列に位置情報A~Iが順にある場合には、まず、位置情報データ列の端部となる第2位置情報としての位置情報A,Iに基づいて、位置情報データ列の中央となる第1位置情報として位置情報Eを特定する。次に、特定部34は、第1位置情報としての位置情報Eと、第2位置情報としての位置情報A,Iとの間の、位置情報データ列の中央となる第3位置情報としての位置情報C,Gを特定する。
【0037】
次に上述した処理を繰り返す場合、一例として、特定部34は、上述した第3位置情報(位置情報C,G)を第2位置情報として、上述した第1位置情報(位置情報E)と第2位置情報(位置情報C,G)との間の中央の第3位置情報(位置情報D,F)を特定する。同様に、一例として、特定部34は、上述した第2位置情報(位置情報A,I)を第1位置情報とすると共に、上述した第3位置情報(位置情報C,G)を第2位置情報として、隣接する第1位置情報(位置情報A,I)と第2位置情報(位置情報C,G)との間の中央の第3位置情報(位置情報B,H)を特定する。
すなわち、特定部34は、位置情報データ列の中央の位置情報を第1位置情報とし、位置情報データ列の端部の位置情報を第2位置情報とし、第1位置情報と第2位置情報との間における、位置情報データ列の中央の位置情報を第3位置情報とすることを繰り返すことにより、それぞれの位置情報を特定することが可能になる。
【0038】
上述したように、特定部34は、位置情報及び速度情報を利用して、複数の位置情報のうち少なくとも一部の位置情報を特定してもよい。
一例として、特定部34は、位置情報を利用する場合には、以下のようにして特定する。
特定部34は、移動経路における区間内の複数の位置情報のうち、位置に関して中央となる第1位置情報を特定すると共に、位置に関して端部となる第2位置情報と第1位置情報との間の位置に関して中央となる第3位置情報を特定することとしてもよい。
【0039】
図4は、特定部34による特定方法の一例について説明するための第2の図である。
ここで図4に一例を示す場合には、道路を符号Rで示し、記号「△」はその道路Rを走行した車両10で取得される位置情報を示す。
【0040】
特定部34は、車両情報に記録される時系列の情報のうち少なくとも一部の情報を利用して位置情報の特定を行う。図4に一例を示すように、特定部34は、時系列で時刻(10:00:01)から時刻(10:00:13)までの位置情報がある場合、その時刻の区間内の位置情報のうち、データ列で中央となる時刻(10:00:07)に対応する位置情報を第1位置情報として特定してもよい。同様に、特定部34は、上述した時刻の区間内の位置情報のうち、データ列で端部となる時刻(10:00:01,10:00:13)に対応する位置情報を第2位置情報として特定してもよい。同様に、特定部34は、第1位置情報と第2位置情報との間の中央となる第3位置情報として、上述した時刻の区間内の位置情報のうち、時刻(10:00:07)と時刻(10:00:01,10:00:13)との間の中央の時刻(10:00:04,10:00:10)に対応する位置情報を特定してもよい。
【0041】
また一例として、特定部34は、位置情報及び速度情報を利用する場合には、分位数を利用して以下のようにして特定してもよい。
特定部34は、移動経路における複数の位置情報のうち、単位時間あたりの移動距離を累積したときの中央となる第1位置情報を特定する。さらに、特定部34は、単位時間あたりの移動距離を累積したときの端部となる第2位置情報と第1位置情報との間の単位時間あたりの移動距離を累積したときの中央となる第3位置情報を特定することとしてもよい。
【0042】
すなわち、特定部34は、車両10が移動経路を移動する場合の速度情報データ列において、速度情報を累積したとき(速度を累積(加算)した全体のなかの)の中央に対応する第1位置情報を特定する。同様に、特定部34は、速度情報データ列において、速度情報を累積したとき(速度を累積(加算)した全体のなかの)の端部に対応する第2位置情報を特定する。同様に、特定部34は、速度情報データ列において、速度情報を累積したときの中央と端部との間における、速度情報を累積したときの中央に対応する第3位置情報を特定する。
より具体的には、特定部34は、時系列となる速度情報データ列に基づいて、速度に関する分位数を取得する。特定部34は、その分位数に基づいて、第1~3位置情報を特定する。特定部34は、全ての移動速度を加算し、時系列順に累積した移動速度それぞれを加算合計値で除算して得られる値を分位数として取得する。
【0043】
図5は、特定部34による特定方法の一例について説明するための第3の図である。
ここで図5に一例を示す場合には、道路を符号Rで示し、記号「△」はその道路Rを走行した車両10で取得される位置情報を示す。
【0044】
特定部34は、車両情報に記録される時系列の情報のうち少なくとも一部の情報を利用して位置情報の特定を行う。すなわち、図5に一例を示すように、特定部34は、時系列(1~13)で速度情報がある場合、その速度情報に基づいて時系列順に分位数を取得する。特定部34は、取得した分位数に基づいて、その分位数で中央となる時系列(11)に対応する位置情報を第1位置情報として特定する。同様に、特定部34は、取得した分位数に基づいて、その分位数で端部となる時系列(1,13)に対応する位置情報を第2位置情報として特定する。同様に、特定部34は、上述した時系列(11)と、上述した時系列(1,13)との間における、分位数で中央となる時系列(2)に対応する位置情報を第3位置情報として特定する。上述した処理を繰り返す場合、特定部34は、時系列(2)に対応する第3位置情報を第2位置情報として、時系列(11)と時系列(2)との間における、分位数で中央となる時系列(3)に対応する位置情報を第3位置情報として特定する。
【0045】
特定部34は、上述したよう特定される第1位置情報及び第3位置情報(第2位置情報)のうち、隣接する第1位置情報と第3位置情報(第2位置情報)との間の第1区間の距離が第2距離以下となる場合、その第1区間の位置情報を第4位置情報として特定する。
第2距離は、例えば、車両10が渋滞の中を走行する際に、車両10が移動していることを把握できる距離等であってもよい。第2距離は、例えば、車両10が渋滞の中を走行する時の走行速度等に基づいて設定されてもよい。第2距離は、例えば、情報処理装置30のユーザ等によって適宜設定されてもよい。第2距離は、上述した第1距離と同じであってもよく、異なっていてもよい。
実施形態によっては、第1区間には、1又は複数の第4位置情報が記録されていてもよい。又は、実施形態によっては、第1区間には、第4位置情報が記録されてくともよい。
【0046】
処理部35は、特定部34によって特定される複数の第1位置情報及び複数の第3位置情報のうち、隣接する第1位置情報に基づく地点と第3位置情報に基づく地点との間の第1区間の距離が第2距離以下の場合、第1区間内の第4位置情報の利用を保留して所定の処理を行う。
処理部35は、例えば、車両情報に基づいて車両10が渋滞の中を走行していると推定される場合には、第4位置情報の利用を保留して所定の処理を行う。所定の処理は、例えば、位置情報を道路地図に対応付ける処理であってもよい。すなわち、処理部35は、所定の処理として、第2取得部33によって取得する地図情報に基づく道路地図に、特定部34によって特定される第1位置情報及び第3位置情報(第2位置情報)を対応付ける(マッチングを行う)こととしてもよい。
【0047】
図4に一例を示す場合では、処理部35は、時刻(10:00:07)に対応する第1位置情報と、時刻(10:00:04,10:00:10)に対応する第3位置情報との間の距離が第2距離以下であるとして、時刻(10:00:05,10:00:06,10:00:08,10:00:09)に対応する第4位置情報の利用を保留してもよい。
この場合、処理部35は、図4において破線で示す領域Xにある位置情報のうち、上述した第4位置情報の利用を保留して、第1位置情報及び第3位置情報(第2位置情報)を道路地図に対応付ける。
【0048】
図5に一例を示す場合では、処理部35は、時系列番号(11)に対応する第1位置情報と、時系列番号(3)に対応する第3位置情報との間の距離が第2距離以下であるとして、時系列番号(4~10)に対応する第4位置情報の利用を保留してもよい。
この場合、処理部35は、図5において破線で示す領域Xにある位置情報のうち、上述した第4位置情報の利用を保留して、第1位置情報及び第3位置情報(第2位置情報)を道路地図に対応付ける。
【0049】
処理部35は、第1位置情報と第3位置情報(第2位置情報)との間にある第4位置情報を、道路地図に対応付けた(マッチングさせた)第1位置情報と第3位置情報との間に対応付ける(マッチングする)こととしてもよい。処理部35は、第1位置情報及び第3位置情報(第2位置情報)を道路地図に対応付けた後、時系列の位置情報データ列に従って、第1位置情報と第3位置情報(第2位置情報)との間に第4位置情報を対応付ける。この場合、処理部35は、例えば、第1位置情報と第3位置情報(第2位置情報)との間の区間内にある第4位置情報の数に応じて、データ列が等間隔(略等間隔)となるように第4位置情報を道路地図に対応付けてもよい。
【0050】
又は、処理部35は、第1位置情報と第3位置情報との間にある第4位置情報を利用せずに、第4位置情報を道路地図にマッチングしないこととしてもよい。すなわち、処理部35は、第1位置情報及び第3位置情報(第2位置情報)のみを道路地図に対応付けてもよい。
【0051】
処理部35は、所定の処理として、特定部34によって特定される第1位置情報及び第3位置情報で囲まれる区間において渋滞が発生していると推定することとしてもよい。すなわち、処理部35は、第4位置情報に対応する地点が存在する道路地図の区間において渋滞が発生していると推定してもよい。この場合、処理部35は、複数の車両で生成される車両情報(予め設定される閾値以上の数の車両情報)に基づいて、同じ(略同じ)区間で渋滞していると推定される場合には、その区間を渋滞区間として特定してもよい。
【0052】
処理部35は、第1位置情報及び第3位置情報で囲まれる区間の移動速度に応じて渋滞のレベルを決定することとしてもよい。すなわち、処理部35は、第4位置情報に対応する地点が存在する道路地図の区間において渋滞が発生していると推定する場合、その区間における移動速度に応じて渋滞のレベルを決定することとしてもよい。処理部35は、例えば、車両情報に位置情報が記録されている場合には、位置情報、及び、車両10においてその位置情報を取得したときの時刻に基づいて、渋滞区間の移動速度を取得してもよい。また、処理部35は、例えば、車両情報に速度情報が記録されている場合には、その速度情報に基づいて、渋滞区間の移動速度を取得してもよい。処理部35は、移動速度に応じて複数の渋滞レベルを予め設定する。具体的な一例として、処理部35は、移動速度が0~10km/hの場合には重度の渋滞レベルとして設定し、移動速度が10~20km/hの場合には中度の渋滞レベルとして設定し、移動速度が20~30km/hの場合には軽度の渋滞レベルとして設定してもよい。なお、渋滞レベルは、上述した一例に限定されることはなく、種々の移動速度に応じて設定されてもよい。また、渋滞レベルは、上述したように3段階に設定される場合に限定されることはなく、2段階又は4段階以上で設定されてもよい。
【0053】
処理部35は、例えば、上述したように推定される渋滞区間及び渋滞のレベルを道路地図に記録してもよい。
【0054】
制御部31は、例えば、上述したように位置情報、渋滞区間及び渋滞レベルを対応付けた道路地図(地図情報)、並びに、上述したように推定される渋滞区間及び渋滞レベルを出力するよう出力部を制御してもよい。出力部は、例えば、通信部36、表示部37及び記憶部38等であってもよい。以下では、上述したように位置情報、渋滞区間及び渋滞レベルを対応付けた道路地図(地図情報)、並びに、上述したように推定される渋滞区間及び渋滞レベルの情報を出力情報と言う場合がある。
【0055】
すなわち、制御部31は、例えば、出力情報を外部に出力するよう通信部36を制御してもよい。制御部31は、例えば、出力情報をサーバ20に送信する。そのサーバ20は、例えば、車両10(一例として、車載ナビゲーション装置)等がサーバ20にアクセスすると、出力情報を車両10に送信してもよい。また、制御部31は、例えば、出力情報を車両10に送信してもよい。
制御部31は、例えば、出力情報に基づく文字、記号及び画像等を表示するよう表示部37を制御してもよい。
制御部31は、例えば、出力情報を記憶するよう記憶部38を制御してもよい。
【0056】
次に、一実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図6は、一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【0057】
ステップST101において、第1取得部32は、車両情報(第1情報)を取得する。例えば、第1取得部32は、通信部36を介して、サーバ20に蓄積される車両情報、又は、車両10から送信される車両情報を取得する。車両情報には、例えば、位置情報及び速度情報が記録されていてもよい。
【0058】
ステップST102において、特定部34は、ステップST101で取得される第1情報に基づく複数の位置情報のうち、移動過程を示す位置情報データ列の中央となる第1位置情報を特定する。さらに、特定部34は、位置情報データ列の端部となる第2位置情報に基づく地点と、第1位置情報に基づく地点との間の位置情報データ列の中央となる第3位置情報を特定する。特定部34は、上述した、第1位置情報に基づく地点と、第3位置情報に基づく地点との間の距離が予め設定される第1距離になるまで位置情報を特定する処理を繰り返す。
【0059】
この場合、特定部34は、位置情報データ列の位置に関して中央となる第1位置情報を特定し、さらに、位置情報データ列の位置に関して端部となる第2位置情報とその第1位置情報との間の位置に関して中央となる第3位置情報を特定してもよい。
【0060】
又は、特定部34は、車両10が移動経路を移動する場合の速度情報データ列において、速度情報を累積したときの中央に対応する第1位置情報を特定してもよい。また、特定部34は、速度情報データ列において、速度情報を累積したときの端部に対応する第2位置情報を特定してもよい。さらに、特定部34は、速度情報データ列において、速度情報を累積したときの中央と端部との間における、速度情報を累積したときの中央に対応する第3位置情報を特定してもよい。
すなわち、特定部34は、時系列となる速度情報データ列に基づいて速度に関する分位数を取得し、その分位数に基づいて第1~3位置情報を特定してもよい。
【0061】
ステップST103において、特定部34は、ステップST102で特定される第1位置情報及び第3位置情報(第2位置情報)のうち、隣接する第1位置情報と第3位置情報(第2位置情報)との間の第1区間の距離が第2距離以下となる場合、その第1区間の位置情報を第4位置情報として特定する。
【0062】
ステップST104において、処理部35は、ステップST103で特定される第4位置情報の利用を保留して、所定の処理を行う。すなわち、処理部35は、ステップST102で特定される第1位置情報に基づく地点及び第3位置情報(第2位置情報)に基づく地点それぞれを、第2取得部33によって取得される地図情報に基づく道路地図に対応付ける。すなわち、処理部35は、例えば、マップマッチング処理を行う。
【0063】
この場合、処理部35は、ステップST103で特定される第4位置情報を、上述したように地点を対応付けた道路地図における、第1位置情報に基づく地点と第3位置情報(第2位置情報)に基づく地点との間にさらに対応付けてもよい。
又は、処理部35は、ステップST103で特定される第4位置情報を道路地図に対応付けなくともよい。
【0064】
処理部35は、ステップST103で特定される第4位置情報が有る区間を渋滞区間として推定してもよい。この場合、処理部35は、ステップST101で取得する車両情報(第1位置情報)に基づいて、その渋滞区間の車両10の移動速度を取得し、その移動速度に応じて渋滞のレベルを決定してもよい。処理部35は、渋滞の区間及び渋滞レベルを、上述した道路地図に記録してもよい。
【0065】
次に、本実施形態の効果について説明する。
情報処理装置30は、車両情報(第1情報)を取得する第1取得部32と、第1取得部32で取得する第1情報に基づく複数の位置情報のうち、第1位置情報及び第3位置情報を特定し、第1位置情報に基づく地点と第3位置情報に基づく地点との間の距離が第1距離になるまで位置情報を特定する処理を繰り返す特定部34と、特定部34によって特定される複数の第1位置情報及び複数の第3位置情報のうち、隣接する第1位置情報に基づく地点と第3位置情報に基づく地点との間の第1区間の距離が第2距離以下の場合、その第1区間内の第4位置情報の利用を保留して所定の処理を行う処理部35と、を備える。
これにより、情報処理装置30は、所定の処理を行う場合に第4位置情報の利用を保留する、すなわち第1位置情報及び第3位置情報(第2位置情報)を利用して所定の処理を行うので、所定の処理を行うときの処理負担を軽減することができる。すなわち、情報処理装置30は、所定の処理に関する処理の効率化を図ることができる。
ここで、例えば、所定の処理として、後述するようにマップマッチング処理を行う場合には、渋滞の発生する区間では位置情報が相対的に狭い範囲に集中することが想定される。この場合、情報処理装置30は、二分木アルゴリズムを利用して、車両情報の時系列の中央に位置するポイントデータの紐づけ処理を行うことで、他のポイントデータのリンク中の中で相対位置を効率よく決定することができる。すなわち、情報処理装置30は、第4位置情報の利用を保留するので、マップマッチング処理を行う場合の演算負荷を軽減することができ、計算コストを軽減することができる。
【0066】
情報処理装置30では、特定部34は、移動経路における区間内の複数の位置情報のうち、位置に関して中央となる第1位置情報を特定すると共に、位置に関して端部となる第2位置情報と第1位置情報との間の位置に関して中央となる第3位置情報を特定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置30は、車両情報に位置情報が記録されている場合には、その位置情報に基づく位置を基準にして、第1位置情報及び第3位置情報(第2位置情報)を特定することができる。
【0067】
情報処理装置30では、第1取得部32は、移動経路を移動する場合の移動速度に関する速度情報を含む第1情報を取得することとしてもよい。この場合、特定部34は、移動経路における複数の位置情報のうち、単位時間あたりの移動距離を累積したときの中央となる第1位置情報を特定することとしてもよい。さらに、特定部34は、単位時間あたりの移動距離を累積したときの端部となる第2位置情報と第1位置情報との間の単位時間あたりの移動距離を累積したときの中央となる第3位置情報を特定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置30は、車両情報に速度情報が記録されている場合には、その速度情報に基づく移動速度を基準にして、第1位置情報及び第3位置情報(第2位置情報)を特定することができる。
【0068】
情報処理装置30は、道路地図に関する地図情報を取得する第2取得部33を備えることとしてもよい。この場合、処理部35は、所定の処理として、第2取得部33によって取得する地図情報に基づく道路地図に、特定部34によって特定される第1位置情報及び第3位置情報を対応付けることとしてもよい。
すなわち、情報処理装置30は、所定の処理として、マップマッチング処理を行うことができる。この場合、情報処理装置30は、マップマッチングを行う位置情報を削減可能であり、マップマッチングにかかる処理負担(計算量)を軽減可能とすることができる。
【0069】
情報処理装置30では、処理部35は、第1位置情報と第3位置情報との間にある第4位置情報を、道路地図にマッチングさせた第1位置情報と第3位置情報との間にマッチングすることとしてもよい。
これにより、情報処理装置30は、第4位置情報についてもマップマッチングを行うので、情報を有効に利用することができる。
【0070】
情報処理装置30では、処理部35は、第1位置情報と第3位置情報との間にある第4位置情報を利用せずに、第4位置情報を道路地図にマッチングしないこととしてもよい。
これにより、情報処理装置30は、第4位置情報を利用しないので、情報を間引くことができ、マップマッチングにかかる処理負担(計算量)を軽減することができる。
【0071】
情報処理装置30では、処理部35は、所定の処理として、特定部34によって特定される第1位置情報及び第3位置情報で囲まれる区間において渋滞が発生していると推定することとしてもよい。
すなわち、情報処理装置30は、第4位置情報を有する区間を渋滞区間と推定することができる。これにより、情報処理装置30は、渋滞区間を出力することにより、ユーザに渋滞区間を把握させることができる。情報処理装置30は、例えば、渋滞区間を道路地図に記録することにより、ドライバに渋滞区間を回避する運転を行わせることができる。
【0072】
情報処理装置30では、処理部35は、第1位置情報及び第3位置情報で囲まれる区間の移動速度に応じて渋滞のレベルを決定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置30は、渋滞区間における渋滞の程度を出力することにより、ユーザに渋滞の程度を把握させることができる。情報処理装置30は、例えば、渋滞レベルを道路地図に記録することにより、ドライバに渋滞の程度を予測させることができ、渋滞レベルが相対的に酷い場合には渋滞区間の回避する運転を行わせることができる。
【0073】
情報処理方法では、コンピュータが、車両情報(第1情報)を取得する取得ステップと、取得ステップで取得する第1情報に基づく複数の位置情報のうち、第1位置情報及び第3位置情報を特定し、第1位置情報に基づく地点と第3位置情報に基づく地点との間の距離が第1距離になるまで位置情報を特定する処理を繰り返す特定ステップと、特定ステップによって特定される複数の第1位置情報及び複数の第3位置情報のうち、隣接する第1位置情報に基づく地点と第3位置情報に基づく地点との間の第1区間の距離が第2距離以下の場合、その第1区間内の第4位置情報の利用を保留して所定の処理を行う処理ステップと、を実行する。
これにより、情報処理方法は、所定の処理を行う場合に第4位置情報の利用を保留する、すなわち第1位置情報及び第3位置情報(第2位置情報)を利用して所定の処理を行うので、所定の処理を行うときの処理負担を軽減することができる。すなわち、情報処理方法は、所定の処理に関する処理の効率化を図ることができる。
【0074】
情報処理プログラムは、コンピュータに、車両情報(第1情報)を取得する取得機能と、取得機能で取得する第1情報に基づく複数の位置情報のうち、第1位置情報及び第3位置情報を特定し、第1位置情報に基づく地点と第3位置情報に基づく地点との間の距離が第1距離になるまで位置情報を特定する処理を繰り返す特定機能と、特定機能によって特定される複数の第1位置情報及び複数の第3位置情報のうち、隣接する第1位置情報に基づく地点と第3位置情報に基づく地点との間の第1区間の距離が第2距離以下の場合、その第1区間内の第4位置情報の利用を保留して所定の処理を行う処理機能と、を実現させる。
これにより、情報処理プログラムは、所定の処理を行う場合に第4位置情報の利用を保留する、すなわち第1位置情報及び第3位置情報(第2位置情報)を利用して所定の処理を行うので、所定の処理を行うときの処理負担を軽減することができる。すなわち、情報処理プログラムは、所定の処理に関する処理の効率化を図ることができる。
【0075】
上述した情報処理装置の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置の第1取得部32、第2取得部33、特定部34及び処理部35(制御部31)は、コンピュータの演算処理装置等による第1取得機能、第2取得機能、特定機能及び処理機能(制御機能)としてそれぞれ実現されてもよい。
情報処理プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。情報処理プログラムは、外部メモリ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されていてもよい。
また、上述したように、情報処理装置の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、情報処理装置の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置の第1取得部32、第2取得部33、特定部34及び処理部35(制御部31)は、コンピュータの演算処理装置等を構成する第1取得回路、第2取得回路、特定回路及び処理回路(制御回路)として実現されてもよい。
また、情報処理装置30の通信部36、表示部37及び記憶部38(出力部)は、例えば、演算処理装置等の機能を含む通信機能、表示機能及び記憶機能(出力機能)として実現されもよい。また、情報処理装置30の通信部36、表示部37及び記憶部38(出力部)は、例えば、集積回路等によって構成されることにより通信回路、表示回路及び記憶回路(出力回路)として実現されてもよい。また、情報処理装置30の通信部36、表示部37及び記憶部38(出力部)は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより通信装置、表示装置及び記憶装置(出力装置)として構成されてもよい。
【0076】
なお、上述した情報処理装置30は、車両10において取得される位置情報を道路地図に対応付ける処理を行う例に限定されず、例えば、種々の移動体(例えば、ドローン、航空機、船舶、潜水艦、ロケット等の飛翔体、GNSS等を利用して位置情報を取得可能な携帯端末、及び、IoT(Internet of Things)機器等)で取得される位置を地図等に対応付ける処理等に利用されてもよい。また、上述した情報処理装置30は、例えば、ゲーム及びVR(Virtual Reality)等で表現される空間内における移動体(例えば、キャラクタ等)の位置をその空間に対応付ける場合に利用されてもよい。これらの場合、情報処理装置30は、例えば、移動体に配されるエンジン出力、移動体に加わる加速度、及び、重力等を利用して、移動体の位置を対応付ける(移動体の位置を推定する)処理等を行ってもよい。
また、情報処理装置30は、例えば、移動体等から絶え間なく送信される位置情報に対し、形状マッチング等の処理で形状データとの相対的な位置を把握する場合、時速等の他のセンサ情報等との組み合わせ及び位置精度を設定することにより、形状マッチング処理の回数を削減することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 情報処理システム
10 車両
20 サーバ
30 情報処理装置
31 制御部
32 第1取得部
33 第2取得部
34 特定部
35 処理部
36 通信部
37 表示部
38 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6