(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】角膜拡張障害を治療するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 9/01 20060101AFI20240614BHJP
A61F 9/008 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A61F9/01
A61F9/008 120A
(21)【出願番号】P 2021515067
(86)(22)【出願日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 US2019051876
(87)【国際公開番号】W WO2020061278
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-09-14
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510017365
【氏名又は名称】アヴェドロ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】AVEDRO,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ラージパル,ラジェシュ・ケー
(72)【発明者】
【氏名】ライトル,グレース・エリザベス
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-519866(JP,A)
【文献】特表2017-532180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/00-9/013
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼を治療するためのシステムであって、
前記眼の
角膜に施与された架橋剤を光活性化するパルス化された光活性化光を提供するように構成された光源、及び
前記光活性化光を受け取り、且つ前記光活性化光を複数の治療ゾーンによって規定されたパターンに従って前記眼に送達するように構成された1以上の光学要素、
を備え、
前記複数の治療ゾーンは、前記眼の上の異なるそれぞれの領域に配給され、前記複数の治療ゾーンは、前記眼の前記
角膜の全ての表面を全体として包含するような、少なくとも第1治療ゾーン及び第2治療ゾーンを含み、前記第1治療ゾーンは光活性化光の第1の供与線量を提供し、第2治療ゾーンは光活性化光の第2の供与線量を提供し、前記第1の供与線量は前記第2の供与線量よりも大きく、且つ前記第1治療ゾーンは、前記第2治療ゾーンの内側境界内に配置されている、
上記システム。
【請求項2】
前記複数の治療ゾーンは、前記光活性化光の第3の供与線量を提供する第3治療ゾーンを含み、前記第3の供与線量は前記第1の供与線量よりも大きく、且つ前記第3治療ゾーンは前記第1治療ゾーンの内側境界内に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の治療ゾーンは、前記光活性化光のピクセルによって規定されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1以上の光学要素は、前記複数の治療ゾーンによって規定された前記パターンを生成するように構成されたデジタル微小ミラーデバイスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
1以上のコンピュータ可読媒体に記憶されたプログラム命令を実行するように構成された1以上のプロセッサを含むコントローラを更に備え、前記プログラム命令は、前記1以上のプロセッサに前記眼の上の治療領域の位置を決定させ、且つ前記治療領域の位置に従って光活性化光の前記パターンを配給するように、前記光源の少なくとも1つ又は前記1以上の光学要素を制御させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記プログラム命令は、前記1以上のプロセッサに、角膜のトポグラフィー、トモグラフィー、又は厚さ測定の内の少なくとも1つに関連した情報に基づいて、前記角膜上の治療領域の位置を決定させる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記治療領域は、前記角膜における拡張性円錐に対応し、前記1以上のプロセッサは、前記光源又は前記1以上の光学要素の内の少なくとも1つを制御して、前記第1治療ゾーンを前記拡張性円錐に配給し、且つ前記拡張性円錐の外側の前記角膜の領域に前記第2治療ゾーンを配給する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の治療ゾーンは、前記光活性化光の第3の供与線量を提供する第3治療ゾーンを含み、前記第3の供与線量は前記第1の供与線量よりも大きく、前記第3治療ゾーンは前記第1治療ゾーンの内側境界内に配置され、且つ前記1以上のプロセッサは、前記第1治療ゾーン及び前記第3治療ゾーンを前記拡張性円錐へ配給するように、且つ前記光活性化光の前記第2治療ゾーンを前記拡張性円錐の外側の前記角膜の領域へ配給するように、前記光源又は前記1以上の光学要素の内の少なくとも1つを制御する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記光源又は前記1以上の光学要素の内の少なくとも1つは、
前記眼への前記第1治療ゾーン及び前記第2治療ゾーンの配給を同時に開始すること、
前記第2の供与線量が配給され終えた後、前記第2治療ゾーンの配給を停止すること、
前記第1の供与線量が配給され終えた後、前記第1治療ゾーンの配給を停止することであって、前記第2治療ゾーンの配給は、前記第1治療ゾーンの配給が停止される前に停止されること、
によって、
前記光活性化光の前記第1の供与線量、及び前記光活性化光の前記第2の供与線量を配給するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記光源又は前記1以上の光学要素の内の少なくとも1つは、前記複数の治療ゾーンの各々における前記光活性化光の照度を調整することによって、前記眼の表面の下方に延在する軸に沿って前記光活性化光を1以上の深さまで配給させるように構成され、且つ光活性化光の前記パターンは、前記軸を横切る平面に沿って規定されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記パルス化された光の照射は、約0.01Hzから約1000Hzの間のパルスレートを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記パルス化された光の照射は、約1000Hzから約100,000Hzの間のパルスレートを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記光源は、周波数、照度、供与線量、又は、オン/オフのデューティサイクル、の少なくとも1つを含むパラメータに従って、パルス化された光活性化光を照射するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記放射照度は、約1mW/cm
2から約1000mW/cm
2の間であり、前記オン/オフのデューティサイクルは、約1000/1から約1/1000の間である、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本出願は、米国仮特許出願第62/733,617号(2018年9月19日に出願)の利益及び優先権を主張し、その内容は参照により完全に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、眼の治療のためのシステム及び方法、より具体的には、角膜拡張障害を治療するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
角膜拡張障害、即ち角膜拡張症は、角膜の中央部、中心傍部、又は周辺部の両側性の薄化を特徴とする、まれな非炎症性の眼の障害のグループである。
【0004】
例えば、円錐角膜は、角膜内の構造変化によって角膜が弱くなり、異常な円錐形に変形する眼球の変性疾患である。クロスリンキング治療(/架橋治療)は、円錐角膜によって弱められた領域を強化し且つ安定化させ、望ましくない形状変化を防ぐことができる。
【0005】
例えば、レーシック後拡張症として知られる合併症は、レーシック(LASIK:Laser-Assisted in site Keratomileusis(レーザ支援その場円錐角膜矯正))手術によって引き起こされる角膜の薄化と弱化が原因で発生する可能性がある。レーシック後拡張症では、角膜に進行性の急勾配(膨らみ)が生じる。したがって、クロスリンキング治療は、レーシック手術後の角膜の構造を強化且つ安定化し、レーシック後拡張症を防ぐことができる。
【発明の概要】
【0006】
角膜拡張障害(例えば円錐角膜)を治療するために、システム及び方法は、架橋剤で処理された角膜の特定の領域へ光活性化光を正確に照射することができる。
【0007】
眼を治療するための1の例示的なシステムは、眼に施与された架橋剤を光活性化する光活性化光を提供するように構成された光源を含む。本システムは、上記光活性化光を受け取り、且つ上記光活性化光を上記眼に複数の治療ゾーンによって規定されたパターンに従って伝達するように構成された1以上の光学要素を含む。上記治療ゾーンは、眼の上の異なるそれぞれの領域に配給される。上記複数の治療ゾーンは、少なくとも第1治療ゾーン及び第2治療ゾーンを含む。上記第1治療ゾーンは、光活性化光の第1の供与線量を提供する。上記第2治療ゾーンは、光活性化光の第2の供与線量を提供する。上記第1の供与線量は上記第2の供与線量よりも大きい。上記第1治療ゾーンは、上記第2治療ゾーンの内側境界内に配置されている。
【0008】
眼を治療するための1の例示的な方法は、上記眼の治療領域の位置を決定することを包含する。本方法は、上記治療領域の位置に従って光活性化光のパターンを配給するために、光活性化光のための光源又は上記光源に結合された1以上の光学要素の内の少なくとも1つを操作することを包含する。上記光活性化光は、上記眼に施与された架橋剤を光活性化する。光活性化光の上記パターンは、複数の治療ゾーンによって規定される。上記治療ゾーンは、上記眼の上の異なるそれぞれの領域に配給される。上記複数の治療ゾーンは、少なくとも第1治療ゾーン及び第2治療ゾーンを含む。上記第1治療ゾーンは、上記光活性化光の第1の供与線量を提供する。上記第2治療ゾーンは、上記光活性化光の第2の供与線量を提供する。上記第1の供与線量は上記第2の供与線量よりも大きい。上記第1治療ゾーンは、上記第2処治療ゾーンの内側境界内に配置される。場合によっては、上記治療領域は上記角膜の拡張性円錐に対応することがあり、上記光源又は1以上の光学要素の少なくとも1つが、上記第1治療ゾーンを拡張性円錐に配給するように、且つ上記第2治療ゾーンを上記拡張性円錐の外側の角膜の領域へ配給するように操作される。別の場合において、上記複数の治療ゾーンは上記光活性化光の第3の供与線量を提供する第3治療ゾーンを含み得て、上記第3の供与線量は上記第1の供与線量よりも大きく、上記第3治療ゾーンは上記第1治療ゾーンの内側境界内に配置される。そして、上記光源又は上記1以上の光学要素の内の少なくとも1つは、上記第1治療ゾーン及び上記第3治療ゾーンを上記拡張性円錐に配給するように、且つ上記光活性化光の上記第2治療ゾーンを上記拡張性円錐の外側の上記角膜の領域に配給するように操作される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の態様による、角膜コラーゲンの架橋を生成するために、架橋剤と光活性化光とを眼の角膜に
配給する1の例示的システムを示す図である。
【
図2】本開示の態様による、角膜拡張障害を治療するために照射されうる光活性化光の例示的なパターンを示す図である。
【
図3】本開示の態様による、角膜拡張障害を治療するために
図2のパターンを照射するための1の例示的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、様々な修正及び代替の形態が可能であるが、その特定の実施形態が、例として図面に示されており、そして本明細書で詳細に説明されよう。しかし、本開示を、開示された特定の形態に限定することを意図するものではなく、逆に、本開示の趣旨に含まれる全ての修正、均等物、及び代替物を網羅することを意図するものであることを理解されたい。
【0011】
図1は、眼1の角膜2においてコラーゲンの架橋(cross-linking:クロスリンキング)を生成するための1の例示的治療システム100を示す。本治療システム100は、架橋剤130を角膜2に施与するためのアプリケータ132を含んでいる。例示的実施態様において、アプリケータ132は、光増感剤130を液滴として角膜2に施与する点眼器、注射器などでありうる。架橋剤を施与するための例示的システム及び方法は、「Systems and Methods for Delivering Drugs to an Eye(薬剤を眼に施与するためのシステム及び方法)」と題された米国特許第10,342,697号(2017年4月13日出願)に記載されている。その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0012】
架橋剤130は、架橋剤130を角膜上皮2aを通して角膜基質2b内の下部領域へと通過させることを可能にする製剤で提供されうる。代わりに、架橋剤130を下部組織に対してより直接的に施与することを可能にするために、角膜上皮2aは除去されるか、さもなければ切開されてもよい。
【0013】
本治療システム100は、光源110及び光を角膜2に向けるための光学要素112を備えた照射システムを含んでいる。この光は、架橋剤130の光活性化を引き起こして、角膜2において架橋活性を生み出す。例えば、架橋剤はリボフラビンを含むことができ、光活性化用の光(以下、光活性化光と呼ぶ)は紫外A(UVA)(例えば、約365nm)光を含むことができる。代わりに、光活性化光は、別の波長、例えば可視波長(例えば、約452nm)を含んでもよい。以下でさらに説明するように、角膜架橋は、光化学動的反応の機構に従って、角膜組織内に化学結合を生成することによって角膜強度を改善する。例えば、リボフラビン及び光活性化光は、角膜拡張障害(例えば、円錐角膜、又はレーシック後拡張症)に対処するために、角膜組織を安定化、及び/又は、強化するように施与されうる。更に、リボフラビン及び光活性化光の施与は、様々な程度の屈折矯正を可能にする場合があり、これには、例えば、近視、遠視、乱視、不規則な乱視、老眼、及び角膜拡張障害による複雑な角膜屈折面矯正の組み合わせ、並びに角膜の生体力学的変化/変性などの他の状態なども含まれる場合がある。
【0014】
本治療システム100は、本システム100(光源110、及び/又は、光学要素112を含んでいる)の態様を制御する1以上のコントローラ120を含んでいる。1実施形態において、角膜2は、架橋剤130で(例えば、点眼器、注射器などを用いて)より幅広く治療され得、且つ光源110からの光活性化光は、特定のパターンに従って治療される角膜2の領域に選択的に向けられうる。
【0015】
光学要素112は、光源110によって放射された光活性化光を、角膜2上の特定のパターンに向け且つ集束するための、1以上の鏡又はレンズを含みうる。光学要素112は更に、光源110によって放射された光の波長を部分的に遮断するために、且つ架橋剤130を光活性化するために角膜2に向けられた光の特定の波長を選択するために、フィルタを含みうる。更に、光学要素112は、光源110によって放射された光のビームを分割するための1以上のビームスプリッタを含んでもよく、且つ光源110によって放射された光を吸収するための1以上のヒートシンクを含んでもよい。光学要素112はまた、光活性化光を角膜2内の特定の焦点面に(例えば、架橋活性が望まれる下部領域2b内の特定の深さで)正確かつ精密に集束させうる。
【0016】
更に、角膜2の選択された領域において所望の程度の架橋を達成するために、光活性化光の固有の特性が変更されうる。1以上のコントローラ120は、波長、帯域幅、強度、出力、位置、浸透の深さ、及び/又は、治療期間(露光サイクルの期間、暗サイクルの期間、及び露出サイクルと暗サイクルの継続時間の比率)の任意の組み合わせに従って、光活性化光を正確に配給するように、光源110、及び/又は、光学要素112の動作を制御することができる。
【0017】
架橋剤130の光活性化に関するパラメータは、例えば、所望の架橋を達成するために必要とされる時間を短縮するように調整されうる。1実装例において、時間は分から秒に減らすことができる。いくつかの構成は、5mW/cm2の放射照度で光活性化光を照射できるが、必要な架橋を達成するのに必要な時間を短縮するために、光活性化光は、より大きな照度(例えば、5mW/cm2の倍数)で照射されうる。角膜2に吸収されるエネルギーの総供与線量は、実効供与線量として記載され得、それは角膜上皮2aの領域を通過して吸収されたエネルギーの量である。例えば、角膜表面2aの領域に対する実効供与線量は、例えば、約5J/cm2、又は約20J/cm2、又は約30J/cm2の大きさでありうる。記載された実効供与線量は、エネルギーの1回の施与から、又はエネルギーの繰り返しの施与から配給されうる。
【0018】
本治療システム100の光学要素112は、光活性化光の照射を空間的及び時間的に変調するために、微小電気機械システム(MEMS: microelectromechanical system)装置、例えばデジタル微小ミラーデバイス(DMD: digital micro-mirror device)を含みうる。DMD技術を用いて、光源110からの光活性化光は、半導体チップ上のアレイ状に配置された極めて微小なミラー(鏡)によって作成される精確な空間パターンで投射される。各鏡は、投射された光のパターンの1以上のピクセルを表す。DMDを用いると、トポグラフィー(topograph)に導かれた架橋を実行できる。トポグラフィーによるDMDの制御は、いくつかの異なる空間的及び時間的な照度及び供与線量プロファイルを用いうる。これらの空間的及び時間的な供与線量プロファイルは、連続波照射を用いて作成できるが、周波数及びデューティサイクルを変化させる形の下で、照射源をパルス化することによるパルス化照射を介して調整されうる。代わりに、DMDは、連続波照射を用いて究極の柔軟性を提供するように、ピクセル毎にピクセルの周波数とデューティサイクルが異なるように調整しうる。あるいは、パルス化照射と、調整されたDMD周波数及びデューティサイクルの組み合わせとの両方が組み合わされてもよい。この空間的に決定される架橋は、治療前の計画、及び/又は、治療中の角膜架橋の実時間の監視及び調整のために、線量測定法、干渉法、光干渉断層法(OCT)、角膜トポグラフィーなどと組み合わされうる。線量測定システムの態様については、以下でさらに詳しく説明する。さらに、臨床前の患者情報を有限要素生体力学的コンピューターモデリングと組み合わせて、患者固有の治療前計画を作成することもできる。
【0019】
光活性化光の配給の態様を制御するために、実施形態はまた、多光子励起顕微鏡法の態様を採用しうる。具体的には、特定波長の単一光子を角膜2へ配給するというよりも、本治療システム100は、架橋を開始するように結合するところの、より長い波長(即ち、より低いエネルギー)の複数の光子を配給しうる。有利には、より長い波長は、より短い波長よりも角膜2内で散乱される程度が少なく、このことは、より長い波長の光が、より短い波長の光よりもより効率的に角膜2に浸透することを可能にする。角膜内のより深い所での入射照射の遮蔽効果はまた、従来の短波長照射よりも低減される。何故なら、光増感剤による光の吸収は、より長い波長ではるかに少ないからである。このことは、深さに固有の架橋に対する制御を強化可能にする。例えば、いくつかの実施形態において、2つの光子が用いられうる。ここで、各光子は、さらに以下で説明される光化学的反応を生成するように、架橋剤130内の分子を励起するのに必要なエネルギーの約半分を運ぶ。架橋剤分子が同時に両方の光子を吸収する場合、それは角膜組織において反応性ラジカルを放出するのに十分なエネルギーを吸収する。実施形態はまた、架橋剤分子が反応性ラジカルを放出するためには、例えば、3、4、又は5個の光子を同時に吸収しなければならないような、より低いエネルギーの光子を利用してもよい。複数の光子がほぼ同時に吸収される可能性は低く、したがって高フラックスの励起光子が必要になり、高フラックスはフェムト秒レーザを介して配給されうる。
【0020】
多数の条件及びパラメータが、架橋剤130による角膜コラーゲンの架橋に影響を与える。例えば、光活性化光の照度及び供与線量は、架橋の量及び速度に影響を与える。
【0021】
架橋剤130が具体的にはリボフラビンである場合、UVA光は連続的(連続波(CW))に又はパルス光として照射されてもよく、この選択は、架橋の量、速度、及び程度に影響を与える。UVA光がパルス光として照射される場合、露光サイクル、暗サイクルの期間、及び露出サイクルの暗サイクル期間に対する比率は、結果として角膜硬化に影響を与える。パルス光照射は、同じ量又は供与線量のエネルギーを配給する連続波照射で達成できるよりも、角膜組織の硬化をより強めたり弱めたりするために用いられうる。適切な長さと周波数との光パルスは、より最適な化学増幅を達成するために用いられうる。パルス光治療について、オン/オフのデューティサイクルは、約1000/1から約1/1000の間でありうる。照度は平均照度が約1mW/cm2から約1000mW/cm2の間であり得、パルスレートは約0.01Hzから約1000Hzの間、又は約1000Hzから約100,000Hzの間でありうる。
【0022】
本治療システム100は、DMD(光源110を電子的にオン及びオフする)を採用することにより、及び/又は、機械的若しくは光電子的(例えば、ポッケルスセル)シャッター又は機械的チョッパー又は回転開口部を用いることにより、パルス光を生成しうる。DMDのピクセルに固有の変調機能、及び変調された周波数、デューティサイクル、照度、及び角膜に配給される供与線量に基づく後続の剛性付与の故に、複雑な生体力学的剛性パターンが角膜に付与されうる。DMDのシステム及び方法の具体的な利点は、それが、ランダムな非同期パルストポグラフィーパターン化のために、非周期的で均一に見える照明(この照明は2Hz~84Hzの間のパルス周波数に対する感光性てんかん発作又はフリッカーめまいを引き起こす可能性を除去する)を作成することを可能にすることである。
【0023】
例示的な実施形態は階段状のオン/オフパルス光機能を用いうるけれども、同様の効果を得るために、角膜へ光を照射する別の機能が用いられうることが理解される。例えば、正弦波関数、鋸歯状波関数、又は他の複雑な関数又は曲線、あるいは関数又は曲線の任意の組み合わせに従って、光が角膜に照射されうる。実際、関数は、オン/オフ値の間でのより緩やかな遷移でありうる場合にも、実質的に階段状でありうることが理解されよう。さらに、照度は、オフサイクル中にゼロの値まで減少する必要はなく、オフサイクル中にゼロより上でありうる場合があることが理解されよう。所望の効果は、2以上の値の間で照度を変化させる曲線に従って、角膜に光を当てることによって実現されうる。
【0024】
光活性化光を配給するためのシステム及び方法の例は、例えば、「Systems and Methods for Applying and Monitoring Eye Therapy(眼科治療を施し及び監視するためのシステム及び方法)」と題された米国特許出願公開第2011/0237999号(2011年3月18日出願)、「Systems and Methods for Applying and Monitoring Eye Therapy(眼科治療を施し及び監視するためのシステム及び方法)」と題された米国特許出願公開第2012/0215155号(2012年4月3日出願)、及び「Systems and Methods for Corneal Cross-Linking with Pulsed Light(パルス光による角膜架橋のためのシステムと方法)」と題された米国特許出願公開第2013/0245536号(2013年3月15日出願)に記載されている。これらの出願の内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。実施形態は、光活性化光の配給(例えば、上記のDMDを介する)によって規定される円形、及び/又は、環状パターンに従って、角膜内に架橋活性を生成しうる。追加的又は代替的に、実施形態は、光活性化光の配給(例えば、DMDを介する)によって規定された非円形パターン、及び/又は、非環状パターンに従って、角膜内に架橋活性を生成しうる。
【0025】
光活性化光の複数のパターンは、順次又は連続的に照射される異なる供与線量で、別々の治療ゾーン内の眼に対して(例えば、DMDを介して)照射されうる。例えば、1つの治療ゾーンは「オフにされる」(即ち、対応する光活性化光の配給は停止される)ことができる一方で、他方の治療ゾーンは「オンのままにされる」(即ち、対応する光活性化光の配給は継続される)ことができる。治療ゾーンは、例えば、眼の中心点の周りに環状に形成されうる。光活性化光が照射されない不連続ゾーンもありうる(例えば、光の環状治療ゾーンに囲まれた光のない環に囲まれた中央治療ゾーンなど)。環状ゾーンの幅は異なる寸法(例えば、1つの環状ゾーンは1mmの幅を有し、別のゾーンは2mmの幅を有する)でありうる。中央治療ゾーンのない眼の周辺上の環状治療ゾーンに光活性化光を配給することは、例えば、周辺が強化されている間に眼の中央領域の曲率が増加することにより、遠視矯正をもたらしうる。いくつかの場合において、中央及び周囲の治療ゾーンは、例えば、乱視を矯正するために角膜の領域において優先的に架橋活性を生成することによって、乱視に対処するために形状が楕円形でありうる。そのような楕円形の環状治療ゾーンは、乱視の配向に従って位置合わせをされた環状治療ゾーンの軸に優先的に配向される。楕円形の治療ゾーンはまた、不規則に非対称(即ち、互いに垂直ではなく且つ別個の中心点(重心)を有して配置されうる長軸及び短軸を有する)でありうる。
【0026】
架橋治療は、眼の1つ以上の生体力学的特性、例えば、角膜トポグラフィー(即ち、形状)、角膜強度(即ち、剛性)、及び/又は、角膜の厚さ、に従って調整されうる。角膜の光学的矯正及び/又は強化は、架橋剤、及び/又は、光活性化光を1以上の回の反復(各反復に対して調整可能な特性を有する)で施与することによって実現されうる。一般に、開発された治療計画には、架橋剤の多数の用途、各用途に対する架橋剤の配量及び濃度、光活性化光の照射の回数、及びタイミング、持続時間、出力、エネルギー投与量、及び各用途に対する光活性化光のパターンが含まれうる。さらに、架橋治療は、治療中又は治療の中断中に、リアルタイムで収集された生体力学的特性に関するフィードバック情報に基づいて順応させることができる。
【0027】
酸素の添加はまた、角膜の硬化の程度に影響を与える。人の組織において、O
2含有量は大気と比較して極めて低い。しかし、角膜における架橋の速度は、光活性化光が照射されるときのO
2の濃度に関連している。したがって、所望の程度の架橋が達成されるまで、架橋速度を制御するために、照射中に能動的にO
2の濃度を増加又は減少させることが有利でありうる。酸素は、いくつかの異なる方法でクロスリンキング治療中に施与されてもよい。1つのアプローチは、リボフラビンをO
2で過飽和にすることである。このようにして、リボフラビンが眼に施与されるとき、高濃度のO
2がリボフラビンと一緒に角膜内に直接
配給され、リボフラビンが光活性化光に曝されるときにO
2を含む反応に影響を与える。別のアプローチによれば、(選択された濃度での)O
2の定常状態が角膜の表面で維持され、角膜は選択された量のO
2に曝され、O
2を角膜に入らせることができる。
図1に示されたように、例えば、治療システム100はまた、酸素源140と、酸素を任意選択的に選択された濃度で角膜2に随意に
配給される酸素
配給デバイス142とを含む。クロスリンキング治療中に酸素を施与するための例示的なシステム及び方法は、たとえば、「Eye Therapy(眼科治療)」という標題の米国特許第8,574,277号(2010年10月21日出願)、「Systems and Methods for Corneal Cross-Linking with Pulsed Light(パルス光による角膜架橋のためのシステム及び方法)」という標題の米国特許第9,707,126号(2012年10月31日出願)に記載されている。これらの出願の内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。さらに、眼の治療において酸素濃度と光活性化光を
配給するための例示的なマスク器具が、「Systems and Methods for Treating an Eye with a Mask Device(マスク器具を用いる眼を治療するためのシステム及び方法)」と題する米国仮特許出願公開第2017/0156926号(2016年12月3日出願)に記載されている。その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。例えば、マスクは、眼の表面上に一貫した既知の酸素濃度を与えるために眼を覆って配置されうる。
【0028】
リボフラビンは、照射エネルギー(特に光)を吸収すると、光活性化を受ける。リボフラビンの光活性化に関して、タイプI及びタイプIIの2つの光化学的動的経路がある。タイプI及びタイプIIの両方の機構に含まれる反応と、架橋活性を生成する光化学動的反応の別の側面とは、「Systems and Methods for Cross-Linking Treatments of an Eye(眼のクロスリンキング治療のためのシステムと方法)」と題する米国特許第10,350,111号(2016年4月27日出願)に記載されている。その内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0029】
角膜拡張障害(例えば円錐角膜)を治療するために、効果的な架橋手術は、架橋剤で処置された角膜の特定の領域に光活性化光を正確に照射する。例えば、
図2は、眼1の角膜2に関連する角膜拡張障害を治療するために照射されうる光活性化光の例示的なパターン200を示す。上記のように、UV光は、角膜2に施与されている架橋剤(例えばリオフラビン)を光活性化するために、パターン200に従って
配給されうる。図示されたように、パターン200は、高
供与線量治療ゾーン202a、bと低
供与線量治療ゾーン204とを含んでいる。高
供与線量治療ゾーン202a、bは、低
供与線量治療ゾーン204よりも。光活性化光を介してより大きなエネルギーを供給する。
【0030】
高
供与線量治療ゾーン202a、bは、円錐角膜などの障害によって引き起こされる拡張性円錐の範囲を中心とし且つそれを覆う。したがって、高
供与線量治療ゾーン202a、bは、拡張性円錐の曲率を低減する(即ち、平坦にする)ことができる。拡張性円錐の位置は、例えば、角膜2のトポグラフィー、トモグラフィー、及び/又は、厚さ測定を評価することによって決定されうる。
図2に示されるように、高
供与線量治療ゾーン202aは、高
供与線量治療ゾーン202b内に同心円状に配置されている。内側の高
供与線量治療ゾーン202aは、約10.5J/cm
2の
供与線量を提供し、外側の高
供与線量治療ゾーン202bは、約8.5J/cm
2の
供与線量を提供する。
【0031】
一方、低
供与線量治療ゾーン204は、高
供与線量治療ゾーン202a、bの外縁部から延びて角膜の周辺領域を覆っているが、この低
供与線量治療ゾーン204の外縁部は角膜輪部を越えては延在しない。こうして、低
供与線量治療ゾーン204は、周囲を囲む非拡張性角膜を安定化させる。
図2に示されるように、低
供与線量治療ゾーン204はゼロより大きく、且つ約5.4J/cm
2の
供与線量を与える。いくつかの
態様において、他のアプローチは、光活性化光の拡張性円錐の外側の領域への照射が、拡張性円錐に照射された光活性化光の有効性に望ましくない影響(例えば、拡張性円錐の所望の平坦化を妨げる)を与える可能性があると信じられているので、パターン200における低
供与線量治療ゾーン204の使用を遠ざけることを教示する。
【0032】
図2に示されたx-y平面に沿ったパターン200の形状は、上記のように
光学要素112の態様を調整することによって実現されうる。例えば、DMDは、角膜2に照射される異なるそれぞれのピクセル化された形状として、高
供与線量治療ゾーン202a、b及び低
供与線量治療ゾーン204を規定するようにコントローラ120を介してプログラムされうる。光活性化光の
配給のためのz軸に沿った深さは、光活性化光の照射を調整することによって達成されうる。
【0033】
図3は、パターン200に従って光活性化光を照射するための例示的な方法300を示す。時刻t=0で、全ての治療ゾーン202a、b、204への光活性化光の
配給は、動作302において実質的に同時に開始される。時刻t=t
204で、所望のより低い
供与線量(例えば、約5.4J/cm
2)が達成されるので、より低い治療ゾーン204への光活性化光の
配給は動作304において停止する。時刻t=t
202bで、所望のより高い
供与線量(例えば、約8.5J/cm
2)が達成されるので、外側のより高い
供与線量の治療ゾーン202bへの光活性化光の
配給は後続の動作306において停止する。時刻t=t
202aで、所望のより高い
供与線量(例えば、約10.5J/cm
2)が達成されるので、内側のより高い
供与線量の治療ゾーン202aへの光活性化光の
配給は後続の動作308において停止する。
【0034】
図2に示された例示的なパターン200は、2つの高
供与線量治療ゾーン202a、bを含み得、別のパターンは、1つの高
供与線量治療ゾーンのみを含みうる。(例えば、
図2に示されたように、等しい
供与線量が治療ゾーン202a、bで提供されうる。)代わりに、別のパターンは、3つ以上のより高い
供与線量の治療ゾーンを含みうる。
図2に示された例示的なパターン200は、1つの低
供与線量治療ゾーン204を含み得、別のパターンは、拡張性円錐の外側に複数の低
供与線量治療ゾーンを含みうる。
【0035】
治療ゾーンは、
図2に示されたものとは異なって配置、及び/又は、成形されうることも理解される。例えば、治療ゾーンは楕円形でありうる。更に、治療ゾーン202a、b、204は、上述されたような特定の
供与線量を提供しうるが、別のパターンは、それぞれの治療ゾーンにおいて異なる
供与線量を提供しうる。追加すると、異なる治療ゾーン間の
供与線量の関係は、
図2に示されたものとは異なる可能性がある。例えば、拡張性円錐の外側に与えられる
供与線量は、拡張性円錐に対して与えられる
供与線量よりも大きい可能性がある。
【0036】
上述のように、本開示のいくつかの態様によれば、上述及び図示された手順の一部分又は全てのステップは、コントローラ(例えば、コントローラ120)の制御下で自動化又は誘導されうる。一般に、コントローラは、ハードウェア要素とソフトウェア要素の組み合わせとして実装されうる。ハードウェアの態様は、マイクロプロセッサ、論理回路、通信/ネットワークポート、デジタルフィルタ、メモリ、又は論理回路を含んでいる動作可能に結合されたハードウェア構成要素の組み合わせを含みうる。このコントローラは、コンピュータ実行可能コード(これはコンピュータ可読媒体に格納されうる)によって指定された動作を実行するように適合されうる。
【0037】
上述されたように、コントローラは、ソフトウェア又は記憶されたプログラム命令を実行するプログラム可能な処理デバイス(例えば、外部の従来型コンピュータ、又はオンボードのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はデジタル信号プロセッサ(DSP))でありうる。一般に、何らかの処理又は評価のために本開示の実施形態によって用いられる物理プロセッサ、及び/又は、機械は、コンピュータ及びソフトウェア技術の当業者には理解されるように、本開示の例示的な実施形態の教示に従ってプログラムされた1つ以上のネットワーク接続又はネットワーク非接続の汎用コンピュータシステム、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラなどを含みうる。物理的プロセッサ、及び/又は、機械は、画像キャプチャ装置と外部でネットワーク化されてもよく、又は画像キャプチャ装置内に常駐するように統合されてもよい。ソフトウェア技術の当業者には理解されるように、適切なソフトウェアは、例示的な実施形態の教示に基づいて、通常の技能のプログラマによって容易に準備されうる。さらに、例示的な実施形態のデバイス及びサブシステムは、電気技術の当業者によって理解されるように、特定用途向け集積回路の準備によって、又は複数の従来のコンポーネント回路を適切なネットワークで相互接続することによって実装されうる。このようにして、本例示的実施形態は、ハードウェア回路、及び/又は、ソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0038】
本開示の例示的な実施形態は、コンピュータ可読媒体の任意の1つ又は組み合わせに記憶され、例示的な実施形態のデバイス及びサブシステムを制御するための、例示的な実施形態のデバイス及びサブシステムを駆動するための、例示的な実施形態のデバイス及びサブシステムを人間のユーザなどと対話を可能にするための、ソフトウェア又は記憶されたプログラム命令を含みうる。このようなソフトウェアには、デバイスドライバー、ファームウェア、オペレーティングシステム、開発ツール、アプリケーションソフトウェアなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。そのようなコンピュータ可読媒体は、実装で実行される処理のすべて又は一部(処理が分散されている場合)を実行するための、本開示の実施形態のコンピュータプログラム製品をさらに含みうる。本開示の例示的な実施形態のコンピュータコードデバイスは、スクリプト、解釈可能なプログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、Javaクラス及びアプレット、完全な実行可能プログラムなどを含むが、これらに限定はされない任意の適切な解釈可能又は実行可能なコードメカニズムを含みうる。さらに、本開示の例示的な実施形態の処理の一部分は、より良い性能、信頼性、コストなどのために分散させることができる。
【0039】
コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の適切な磁気媒体、CD‐ROM、CDRW、DVD、その他の適切な光学媒体、パンチカード、紙テープ、光学式マークシート、穴のパターン若しくは他の光学的に認識可能な印を備えたその他の適切な物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH‐EPROM、その他の適切なメモリチップ若しくはカートリッジ、コンピュータが読み取りうる搬送波又はその他の適切な媒体を含みうる。
【0040】
本開示は1以上の特定の実施形態を参照して説明されたが、当業者は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの変更がそれに加えられうることを認識するであろう。これらの実施形態及びそれらの自明の変形のそれぞれは、本開示の趣旨及び範囲内に含まれると考えられる。本開示の態様による追加の実施形態は、本明細書で説明された実施形態のいずれかの特徴を任意の数だけ組み合わせることができることも想定されている。