(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】ラミネートを形成するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
C09J 175/02 20060101AFI20240614BHJP
C09J 175/04 20060101ALI20240614BHJP
C09J 175/08 20060101ALI20240614BHJP
C09J 5/04 20060101ALI20240614BHJP
B29C 63/02 20060101ALI20240614BHJP
B29C 65/54 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
C09J175/02
C09J175/04
C09J175/08
C09J5/04
B29C63/02
B29C65/54
(21)【出願番号】P 2021529390
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(86)【国際出願番号】 US2019063617
(87)【国際公開番号】W WO2020113008
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-14
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】シィエ、ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ウー、チエ
【審査官】仁科 努
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/140116(WO,A1)
【文献】特表2020-505493(JP,A)
【文献】特開昭52-057269(JP,A)
【文献】特開2003-171642(JP,A)
【文献】国際公開第2017/196528(WO,A1)
【文献】特表2017-518400(JP,A)
【文献】特表2005-535922(JP,A)
【文献】特表2019-522063(JP,A)
【文献】国際公開第2017/196531(WO,A1)
【文献】特表2019-520442(JP,A)
【文献】特表2018-529794(JP,A)
【文献】特開昭59-012984(JP,A)
【文献】特開2015-229296(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02284381(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 175/02
C09J 175/04
C09J 175/08
B29C 63/02
C09J 5/04
B29C 65/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラミネートを形成するためのプロセスであって、
(A)イソシアネート成分を第1の基材に均一に塗布することであって、前記イソシアネート成分が、イソシアネート化合物を含む、塗布することと、
(B)イソシアネート反応性成分を第2の基材に均一に塗布することであって、前記イソシアネート反応性成分が、(i)前記イソシアネート反応性成分の総重量に基づいて50重量%~99重量%の
アミン末端ポリエーテル、(ii)前記イソシアネート反応性成分の総重量に基づいて1重量%~35重量%のリン酸エステルポリオール、および(iii)任意のポリエーテルポリオールを含み、(i)、(ii)、および(iii)の量が前記イソシアネート反応性成分の100重量%に相当する、塗布することと、
(C)前記第1の基材と前記第2の基材とを一緒にすることにより、前記イソシアネート成分と前記イソシアネート反応性成分とを混合し反応させて、前記第1の基材と前記第2の基材との間に接着剤組成物を形成することであって、前記イソシアネート成分および前記イソシアネート反応性成分の量が前記接着剤組成物の100重量%に相当する、形成することと、
(D)前記接着剤組成物を硬化させて、前記第1の基材と前記第2の基材とを結合させることと、
(E)前記ラミネートを形成することと、を含む、プロセス。
【請求項2】
前記アミン末端ポリエーテルが下記構造(A)を有する、請求項1に記載のプロセス。
【化1】
【請求項3】
前記イソシアネート反応性成分の総重量に基づいて、60重量%~90重量%の前記
アミン末端ポリエーテルを含む前記イソシアネート反応性成分を提供することを含む、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記
アミン末端ポリエーテルおよびポリオール化合物を含む前記イソシアネート反応性成分を提供することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記
アミン末端ポリエーテル、前記リン酸エステルポリオール、および前記ポリエーテルポリオールを含む、前記イソシアネート反応性成分を提供することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
3重量%~25重量%のイソシアネート含有量を有するイソシアネートプレポリマーを含む、前記イソシアネート成分を提供することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記イソシアネート成分を、イソシアネートコート重量で前記第1の基材に塗布することと、
前記イソシアネート反応性成分をイソシアネート反応性コート重量で前記第2の基材に塗布することと、
前記イソシアネート反応性成分中のアミン基とヒドロキシル基との合計量に対する前記イソシアネート成分中のイソシアネート基のモル比を計算することにより、イソシアネート:イソシアネート反応性の化学量論比を判定することと、
イソシアネートコート重量およびアミン末端コート重量を調整して、1.0~5.0のイソシアネート:イソシアネート反応性の化学量論比を得ることと、を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
25℃で5,000cP~20,000cPの粘度の前記イソシアネート成分を塗布することと、
前記第1の基材上に、0.1g/m
2~20g/m
2のコート重量を有するイソシアネート成分層を形成することと、
25℃で1,000cP~20,000cPの粘度の前記イソシアネート反応性成分を塗布することと、
前記第2の基材上に、0.1g/m
2~20g/m
2の重量を有するイソシアネート反応性成分層を形成することと、を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記接着剤組成物を、20℃~25℃の温度で60分間~10日間硬化させることを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
20℃~30℃の温度で、前記第1の基材と前記第2の基材とを一緒にすることと、
前記イソシアネート成分を前記イソシアネート反応性成分と接触させることと、
前記第1の基材および前記第2の基材に5psi~100psiの圧力を加えることと、を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
(A)前記イソシアネート成分を前記第1の基材に均一に塗布することであって、前記第1の基材が、金属箔層を含む第1のフィルムを含む、塗布することと、
(B)前記イソシアネート反応性成分を前記第2の基材に均一に塗布することであって、前記第2の基材が、エチレン系ポリマー層を含む第2のフィルムを含む、塗布することと、
(D)前記接着剤組成物を15℃~50℃の温度で90分間硬化させることと、
(E)前記ラミネートを形成することであって、前記ラミネートが、0.05N/15mm超の結合強度を有する、形成することと、を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
(A)前記イソシアネート成分を前記第1の基材に均一に塗布することであって、前記第1の基材が、ポリエチレンテレフタレート層を含む第1のフィルムを含む、塗布することと、
(B)前記イソシアネート反応性成分を前記第2の基材に均一に塗布することであって、前記第2の基材が、エチレン系ポリマー層を含む第2のフィルムを含む、塗布することと、
(D)前記接着剤組成物を20℃~25℃の温度で90分間硬化させることと、
(E)前記ラミネートを形成することであって、前記ラミネートが、0.05N/15mm超の結合強度を有する、形成することと、を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
二成分無溶剤接着剤組成物であって、
(A)第1の基材への塗布に対して適合したイソシアネート成分であって、イソシアネートプレポリマーを含む、イソシアネート成分と、
(B)第2の基材への塗布に対して適合したイソシアネート反応性成分であって、(i)前記イソシアネート反応性成分の総重量に基づいて50重量%~99重量%の
アミン末端ポリエーテル、(ii)前記イソシアネート反応性成分の総重量に基づいて1重量%~35重量%のリン酸エステルポリオール、および(iii)任意のポリエーテルポリオールを含み、(i)、(ii)、および(iii)の量が前記イソシアネート反応性成分の100重量%に相当する、イソシアネート反応性成分と、を含み、
1.0~5.0のイソシアネート:イソシアネート反応性の化学量論比を有し、そして、
前記イソシアネート成分および前記イソシアネート反応性成分の量が前記接着剤組成物の100重量%に相当する、二成分無溶剤接着剤組成物。
【請求項14】
ラミネートであって、
第1の基材と、
第2の基材と、
前記第1の基材と前記第2の基材との間の無溶剤接着剤層と、を含み、前記無溶剤接着剤層が、
(A)イソシアネートプレポリマーを含むイソシアネート成分と、
(B)
イソシアネート反応性成分であって、(i)前記イソシアネート反応性成分の総重量に基づいて50重量%~99重量%の
アミン末端ポリエーテル、(ii)前記イソシアネート反応性成分の総重量に基づいて1重量%~35重量%のリン酸エステルポリオール、および(iii)任意のポリエーテルポリオールを含み、(i)、(ii)、および(iii)の量が前記イソシアネート反応性成分の100重量%に相当する、イソシアネート反応性成分と、を含み、
前記イソシアネート成分および前記イソシアネート反応性成分の量が前記接着剤組成物の100重量%に相当する、ラミネート。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ラミネートは、伝統的に、溶剤系接着剤で形成されており、溶剤を除去し、接着剤層を形成するために追加の乾燥ステップが必要である。乾燥ステップは、伝統的に、基材および溶剤系接着剤を高温のオーブンに通すことによって達成され、これには、追加の機器および処理コストが必要である。
【0002】
イソシアネート成分およびイソシアネート反応性成分を含有する無溶剤接着剤を用いてラミネートを製造する試みがなされており、これら成分は事前に混合されており、次いで基材に塗布される。ただし、基材間に十分な接着性を提供する事前混合無溶剤接着剤は、短いポットライフを呈する。
【0003】
当技術分野では、無溶剤接着剤を用いてラミネートを製造するための改善されたプロセスの必要性が認識されている。当技術分野ではまた、現在市場で入手可能なものよりも長いポットライフ、より速い結合、およびより速い硬化特性を呈する無溶剤接着剤を用いたラミネートの改良された製造プロセスの必要性が認識されている。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、ラミネートを形成するためのプロセスを提供する。プロセスは、(A)イソシアネート成分を第1の基材に均一に塗布することであって、イソシアネート成分が、イソシアネート化合物を含有する、塗布することと、(B)イソシアネート反応性成分を第2の基材に均一に塗布することであって、イソシアネート反応性成分が、アミン末端化合物を含有する、塗布することと、(C)第1の基材と第2の基材とを一緒にすることにより、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを混合し、反応させて、第1の基材と第2の基材との間に接着剤組成物を形成することと、(D)接着剤組成物を硬化させて、第1の基材と第2の基材とを結合させることと、(E)ラミネートを形成することと、を含む。
【0005】
本開示はまた、プロセスによって形成されたラミネートも提供する。
【0006】
本開示は、二成分無溶剤接着剤組成物を提供する。二成分無溶剤接着剤組成物は、(A)第1の基材への塗布に適したイソシアネート成分であって、イソシアネートプレポリマーを含有する、イソシアネート成分と、(B)第2の基材への塗布に適したイソシアネート反応性成分であって、アミン末端化合物を含有する、イソシアネート反応性成分と、含み、1.0~5.0のイソシアネート:イソシアネート反応性の化学量論比を有する。
【0007】
本開示は、ラミネートを提供する。ラミネートは、第1の基材と、第2の基材と、第1の基材と第2の基材との間の無溶剤接着剤層と、を含む。無溶剤接着剤層は、(A)イソシアネートプレポリマーを含むイソシアネート成分と、(B)アミン末端化合物を含むイソシアネート反応性成分と、を含む。
【0008】
定義
元素周期表へのいかなる参照も、CRC Press,Inc.によって1990-1991に発行されたときのものである。この表での元素群への参照は、群に番号を付けるための新しい表記法によるものである。
【0009】
米国特許実務の目的で、特に、定義の開示(本開示において具体的に示されるいかなる定義とも矛盾しない程度に)および当技術分野における一般知識に関して、参照されるあらゆる特許、特許出願または刊行物の内容は、それらの全体が参照により組み込まれる(または、その相当する米国版が、同じように参照により組み込まれる)。
【0010】
本明細書に開示されている数値範囲は、下限値および上限値を含む、下限値から上限値の全ての値を含む。明示的な値を含有する範囲(例えば、1、2、または3~5、または6、または7の範囲)の場合、2つの明示的な値の間の部分範囲が含まれる(例えば、上記の範囲1~7には、部分範囲1~2、2~6、5~7、3~7、5~6等)。
【0011】
相反する記載がない限り、文脈から黙示的でない限り、または当該技術分野で慣習的でない限り、すべての部およびパーセントは、重量に基づき、すべての試験方法は、本開示の出願日時点で最新のものである。
【0012】
「組成物」という用語は、組成物を含む材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を指す。
【0013】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、任意の追加の成分、ステップ、または手順が、本明細書で具体的に開示されているかに関わらず、それらの存在を除外するよう意図されない。疑義を回避するために、「含む(comprising)」という用語の使用を通じて特許請求されるすべての組成物は、反対の記載がない限り、ポリマーであろうとなかろうと、任意の追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、あらゆる続く記述の範囲からあらゆる他の成分、ステップ、または手順を除く。「からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていないあらゆる成分、ステップ、または手順も除く。「または」という用語は、特に明記しない限り、列挙されたメンバーを個別に、ならびに任意の組み合わせで指す。単数形の使用は、複数形の使用を含み、その逆も同じである。
【0014】
「エチレン系ポリマー」、「エチレンポリマー」、または「ポリエチレン」は、ポリマーの重量に基づいて、50重量%以上または過半量の重合エチレンを含有するポリマーであり、任意選択で、1つ以上のコモノマーを含んでもよい。したがって、「エチレン系ポリマー」という一般用語は、エチレンホモポリマーおよびエチレンインターポリマーを含む。好適なコモノマーは、アルファオレフィンである。「エチレン系ポリマー」および「ポリエチレン」という用語は、互換可能に使用される。好適なエチレン系ポリマー(ポリエチレン)の非限定的な例には、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0015】
「イソシアネート」は、その構造に少なくとも1つのイソシアネート基を含有する化学物質である。イソシアネート基は、式:-N=C=Oで表される。2つ以上または少なくとも2つのイソシアネート基を含有するイソシアネートは、「ポリイソシアネート」である。2つのイソシアネート基を有するイソシアネートはジイソシアネートであり、3つのイソシアネート基を有するイソシアネートはトリイソシアネートなどである。イソシアネートは、芳香族または脂肪族であり得る。
【0016】
「低密度ポリエチレン」(または「LDPE」)は、0.915g/cc~0.925g/ccの密度を有し、かつ広いMWDの長鎖分岐を含有する、エチレンホモポリマー、または少なくとも1つのC3~C10α-オレフィン、もしくはC3~C4α-オレフィンを含むエチレン/α-オレフィンコポリマーである。LDPEは、典型的には、高圧フリーラジカル重合(フリーラジカル開始剤を用いる管状反応器またはオートクレーブ)の方式で生成される。
【0017】
「ポリエーテル」は、同じ原子の直鎖中に2つ以上のエーテル結合を含有する化合物である。
【0018】
「ポリエステル」は、同じ原子の直鎖中に2つ以上のエステル結合を含有する化合物である。
【0019】
「ポリマー」は、同じ種類であるか異なる種類であるかにかかわらず、モノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物である。したがって、ポリマーという総称は、「ホモポリマー」(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得るという理解の下で、1種類のモノマーのみから調製されたポリマーを指すために用いられる)、および「インターポリマー」という用語を包含し、これはコポリマー(2つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを指すのに用いられる)、ターポリマー(3つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを指すのに用いられる)、および3つより多くの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを含む。微量の不純物、例えば、触媒残渣が、ポリマー中および/またはポリマー内に組み込まれ得る。それはまた、すべての形態のコポリマー、例えば、ランダム、ブロックなども包含する。ポリマーは多くの場合、1つ以上の特定のモノマー「から作製されて」いること、特定のモノマーまたはモノマーの種類「に基づいて」いること、特定のモノマー含有量「を含有して」いるなどと称されるが、この文脈において、「モノマー」という用語は、非重合種ではなく、特定のモノマーの重合残余物を指していることが理解される。一般に、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づくものを指す。
【0020】
「ポリオール」は、複数のヒドロキシル(-OH)基を含有する有機化合物である。言い換えれば、ポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシル基を含有する。好適なポリオールの非限定的な例には、ジオール(2つのヒドロキシル基を含有する)およびトリオール(3つのヒドロキシル基を含有する)が含まれる。
【0021】
試験方法
アミン基の官能基は、化合物に存在するアミノ基(-NH2基)の数である。アミン基の官能基は、ASTM D2074に従って測定される。
【0022】
ヒドロキシル基の官能基は、化合物に存在するヒドロキシル基(-OH基)の数である。ヒドロキシル基の官能基は、ASTM D4274-16に従って測定される。
【0023】
ヒドロキシル価(OH価)は、反応に利用可能な反応性ヒドロキシル基の量の尺度である。OH価は、ASTM D4274-Dに従って測定される。
【0024】
重量によるイソシアネート基(NCO)含有量は、ASTM D2572-97に従って測定される。
【0025】
重量平均分子量(Mw)は、高温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システムを使用して測定される。
【0026】
イソシアネートプレポリマーの粘度は、ASTM D2196に従って25℃で測定され、センチポアズ(cP)で報告される。
【0027】
結合強度(90°T型剥離試験)
結合強度は、90°T型剥離試験に従って測定される。ラミネートは、T型剥離結合強度試験のために、23℃、相対湿度50%で90分、24時間(1日)、または7日間硬化させた後、幅15mmのストリップにカットされる。50Nの負荷セルを備えたThwing Albert(商標)QC-3A剥離テスターを使用して、室温(23℃)で4インチ/分の速度で第1の基材と第2の基材を剥離する。第1の基材と第2の基材が分離(剥離)するとき、引っ張っている間の力の平均を記録する。第1の基材または第2の基材が伸張または破壊した際に、最大の力または破壊時の力を記録する。3つのサンプルを試験し、平均的な「結合強度」を報告する。平均結合強度は、15ミリメートル(N/15mm)あたりのニュートンで報告される。
【0028】
破損モード(FM)は、結合強度試験中に各サンプルについて視覚的に判定される。フィルム伸張(FS)の破損モード;フィルムの引き裂き/破断(FT)は、接着剤層の結合強度がラミネート用途にとって十分に高いことを示す。層間剥離(DL)の破損モードでは、第1の基材が第2の基材から分離し、接着剤転写(AT)では、接着剤層が第1の基材に接着せず、第2の基材に転写され、接着剤の裂け目/凝集破損(AS)では、接着剤層が破壊されて第1基材と第2基材の両方に現れ、ラミネート用途にとって接着剤層の結合強度が不十分であることを示す。
【0029】
ボイルインバッグ
23cm×30.5cmのラミネートを折り重ねて、23cm×15.25cmの構造を提供し、この構造は第1の側面と第2の側面を有する。したがって、第1の側面および第2の側面はそれぞれ、同じラミネートから形成される。第1の側面の第2の基材(LDPEフィルム)は、第2の側面の第2の基材(LDPEフィルム)に接している。構造をペーパーカッターで12.7cmx17.8cmのサイズにカットする(第1の側面と第2の側面を分離する折り目を維持する)。この構造には、折り端と3つの開いた端を含む4つの端がある。開いた端のうちの2つはヒートシールされてパウチを形成する。ヒートシールは、177℃、1秒間、油圧276kPa(40Psi)で行われる。各例から2~3個のパウチが作成される。
【0030】
各パウチの残りの開いた端から、ソース(ケチャップ、酢、植物油の等量混合物)100±5mLを充填する。ヒートシールの破損を防ぐために、ソースがヒートシール領域に飛び散らないようにする。充填後、閉じたパウチ内の空気の閉じ込めを最小限に抑える方法で、開いた端をヒートシールする。それぞれの閉じたパウチは、4つの閉じた端と、10.2cmx15.2cm(ソースで充填されている)の内部空間を有する。
【0031】
各ヒートシールの完全性は、試験中にパウチが漏れる原因となるシーリングの欠陥がないことを確認するために視覚的に検査される。パウチは、疑わしい欠陥が破棄され、交換されることが望ましい。
【0032】
ポットに2/3まで水を入れ、沸騰させる。沸騰しているポットに蓋をして、水および蒸気の損失を最小限にする。試験中、ポットを観察して沸騰を維持するのに十分な水が存在することを確認する。パウチを1個ずつ熱湯に入れ、30分ほど熱湯に浸す。次に、パウチを熱湯から取り出し、トンネリング、膨れ、層間剥離、および/または漏れについて視覚的に検査する。
【0033】
パウチを切り開き、ソースを空にし、石鹸と水ですすぐ。パウチ(ヒートシール領域を除く)から、ラミネートの1つ以上のストリップ(幅2.54cm)を切り取る。ラミネートの結合強度は、上記の90°T型剥離試験に従って測定される(ただし、10インチ/分の速度で)。パウチからソースを空にした後、できるだけ早く結合強度を測定する。パウチの内部に欠陥がないか視覚的に検査する。
【0034】
イソシアネート:イソシアネート反応性の化学量論比
イソシアネート:イソシアネート反応性の化学量論比(I:IR比)は、イソシアネート反応性成分中のアミン基とヒドロキシル基の合計量に対するイソシアネート成分中のイソシアネート基のモル比である。イソシアネート:イソシアネート反応性の化学量論比(I:IR比)は、次の式(1)に従って計算される。
【数1】
ここで、「EW」は当量を指す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示は、二成分無溶剤接着組成物およびそれを含むラミネートを形成するためのプロセスを提供する。プロセスは、(A)イソシアネート成分を第1の基材に均一に塗布することであって、イソシアネート成分が、イソシアネート化合物を含む、塗布することと、(B)イソシアネート反応性成分を第2の基材に均一に塗布することであって、イソシアネート反応性成分が、アミン末端化合物を含む、塗布することと、(C)第1の基材と第2の基材とを一緒にすることにより、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを混合し、反応させて、第1の基材と第2の基材との間に接着剤組成物を形成することと、(D)接着剤組成物を硬化させて、第1の基材と第2の基材とを結合させることと、(E)ラミネートを形成することと、を含む。
【0036】
A.第1の基材に、イソシアネート成分を均一に塗布すること
プロセスは、イソシアネート成分を第1の基材に均一に塗布するステップを含む。
【0037】
「均一な塗布」は、イソシアネート成分などの成分の層であり、基材の表面全体にわたって連続的(断続的ではない)であり、基材の表面全体にわたって同じまたは実質的に同じ厚さである。言い換えれば、基材に均一に塗布された成分は基材表面に直接接触し、その成分は基材表面と同一の広がりを持つ。
【0038】
均一な塗布は、個別および不連続な塗布を除外する。
【0039】
i.イソシアネート成分
プロセスは、イソシアネート成分を第1の基材に均一に塗布するステップを含み、イソシアネート成分は、イソシアネート化合物を含む。
【0040】
好適なイソシアネート化合物の非限定的な例には、イソシアネートモノマー、イソシアネートプレポリマー、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0041】
「イソシアネートプレポリマー」は、イソシアネートモノマーと、少なくとも1つのヒドロキシル基、少なくとも1つのアミノ基、少なくとも1つのチオ基、またはそれらの組み合わせを含有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物との反応生成物である。イソシアネートプレポリマーは、モノマーと最終ポリマーとの間の液体中間体である。
【0042】
イソシアネートモノマー
一実施形態では、イソシアネート化合物は、イソシアネートモノマーである。
【0043】
一実施形態では、イソシアネート化合物は、イソシアネートプレポリマーであり、これは、イソシアネートモノマーと少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物との反応生成物である。
【0044】
「イソシアネートモノマー」は、少なくとも2つのイソシアネート基を含有する分子である。イソシアネートモノマーは、ポリオールに化学的に結合して、プレポリマーを形成し得る。好適なイソシアネートモノマーの非限定的な例には、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、カルボジイミド修飾イソシアネートモノマー、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0045】
「芳香族イソシアネートモノマー」は、1つ以上の芳香環を含有するイソシアネートモノマーである。好適な芳香族イソシアネートモノマーの非限定的な例には、4,4-MDI、4,4’-MDI、2,4-MDI、および2,2’-MDIなどのメチレンジフェニルジポリイソシアネート(MDI)の異性体;カルボジイミド修飾MDIまたはアロファネート修飾MDIなどの修飾MDI;2,4-TDI、2,4’-TDI、および2,6-TDIなどのトルエン-ジポリイソシアネート(TDI)の異性体;1,5-NDIなどのナフタレンジポリイソシアネート(NDI)の異性体;1,3-PDIおよび1,4-PDIなどのフェニレン-ジポリイソシアネート(PDI)の異性体;ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
【0046】
「脂肪族イソシアネートモノマー」は、芳香環を欠いているか、または含有しないイソシアネートモノマーである。脂肪族イソシアネートモノマーには、化学鎖が環構造である脂環式イソシアネートモノマーが含まれる。一実施形態では、脂肪族イソシアネートモノマーは、直鎖、分岐鎖、または環状アルキレン残基内の3または4または5または6から7または8または10または12または13または14または15または16の炭素原子を含有する。好適な脂肪族イソシアネートモノマーの非限定的な例には、シクロヘキサンジイソシアネート;メチルシクロヘキサンジイソシアネート;エチルシクロヘキサンジイソシアネート;プロピルシクロヘキサンジイソシアネート;メチルジエチルシクロヘキサンジイソシアネート;プロパンジイソシアネート;ブタンジイソシアネート;ペンタンジイソシアネート;ヘキサンジイソシアネート;ヘプタンジイソシアネート;オクタンジイソシアネート;ノナンジイソシアネート;4-イソシアナトメチル-1,8-オクタンジイソシアネート(TIN)などのノナントリイソシアネート;デカンジおよびトリイソシアネート;ウンデカンジおよびトリイソシアネート;ドデカンジおよびトリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI);ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12MDI);2-メチルペンタンジイソシアネート(MPDI);2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ノルボルナンジイソシアネート(NBDI);キシリレンジイソシアネート(XDI);テトラメチルキシリレンジイソシアネート;それらの異性体、二量体、および/または三量体、ならびに組み合わせが含まれる。
【0047】
追加の好適なイソシアネートモノマーの非限定的な例には、4-メチル-シクロヘキサン1,3-ジイソシアネート;2-ブチル-2-エチルペンタメチレンジイソシアネート;3(4)-イソシアナトメチル-1-メチルシクロヘキシルイソシアネート;2-イソシアナトプロピルシクロヘキシルイソシアネート;2,4’-メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート;1,4-ジイソシアナト-4-メチルペンタン;およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0048】
一実施形態では、イソシアネートモノマーは、ジイソシアネートモノマー、トリイソシアネートモノマー、およびそれらの組み合わせから選択される。さらなる実施形態では、イソシアネートモノマーは、ジイソシアネートモノマーである。
【0049】
一実施形態では、イソシアネートモノマーは、少なくとも2つのイソシアネート基、または少なくとも3つのイソシアネート基を有する多機能イソシアネートモノマーである。
【0050】
イソシアネートモノマーは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0051】
イソシアネート反応性化合物
イソシアネートプレポリマーは、イソシアネートモノマーと、少なくとも1つのヒドロキシル基、少なくとも1つのアミノ基、少なくとも1つのチオ基、またはそれらの組み合わせを含む少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物との反応生成物である。
【0052】
好適なイソシアネート反応性化合物の非限定的な例には、ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリオール、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0053】
一実施形態では、イソシアネート反応性化合物は、ポリオールである。好適なポリオールの非限定的な例には、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、天然油系ポリオール、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせが含まれる。一実施形態では、イソシアネート反応性化合物は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0054】
一実施形態では、ポリオールは、ポリエステルポリオールを含む。「ポリエステルポリオール」は、ポリエステルおよびポリオールを含有する化合物である。好適なポリエステルポリオールの非限定的な例には、ジオール、ポリオール(例えば、トリオール、テトラオール)、ジカルボン酸、ポリカルボン酸(例えば、トリカルボン酸、テトラカルボン酸)、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン、およびそれらの組み合わせの重縮合物が含まれる。ポリエステルポリオールはまた、遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物、または低級アルコールの対応するポリカルボン酸エステルから誘導され得る。
【0055】
好適なジオールの非限定的な例には、エチレングリコール;ブチレングリコール;ジエチレングリコール(DEG);トリエチレングリコール;ポリアルキレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール;1,2-プロパンジオール;1,3-プロパンジオール;1,3-ブタンジオール;1,4-ブタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;およびネオペンチルグリコール(NPG)が含まれる。
【0056】
好適なジカルボン酸の非限定的な例には、脂肪酸、芳香族酸、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適な芳香族酸の非限定的な例には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびテトラヒドロフタル酸が含まれる。好適な脂肪族酸の好適の非限定的な例には、ヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタル酸、テトラクロロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マロン酸、スベリン酸、2-メチルコハク酸、3,3-ジエチルグルタル酸、2,2-ジメチルコハク酸、およびトリメリット酸が含まれる。本明細書で使用される場合、「酸」という用語はまた、該酸の任意の無水物も含む。アジピン酸またはイソフタル酸などの飽和脂肪族および/または芳香族酸も好適である。
【0057】
ポリエステルポリオールは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0058】
一実施形態では、安息香酸およびヘキサンカルボン酸などのモノカルボン酸は、イソシアネート成分から除外される。
【0059】
一実施形態では、ポリオールは、ポリエーテルポリオールを含む。「ポリエーテルポリオール」は、ポリエーテルおよびポリオールを含有する化合物である。好適なポリエーテルポリオールの非限定的な例には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブチレンオキシドの重付加生成物、ならびにそれらの共付加およびグラフト化生成物;多価アルコールの縮合によって得られるポリエーテルポリオール、またはそれらの混合物;さらにはそれらの組み合わせが含まれる。
【0060】
好適なポリエーテルポリオールの非限定的な例には、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0061】
ポリエーテルポリオールは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0062】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、5mgKOH/g、または10mgKOH/g、または14mgKOH/g、または50mgKOH/g、または56mgKOH/g、または100mgKOH/g、または110mgKOH/gから450mgKOH/g、または500mgKOH/g、または850mgKOH/g、または1000mgKOH/g、または1500mgKOH/g、または2000mgKOH/gのヒドロキシル価(OH価)を有するポリオールである。一実施形態では、ポリオールは、5mgKOH/gから2,000mgKOH/g、または14mgKOH/gから850mgKOH/g、または56mgKOH/gから500mgKOH/g、または110mgKOH/g から450mgKOH/gのOH価を有する。
【0063】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、25g/mol、または62g/mol、または75g/mol、または100g/mol、または250g/mol、または350g/mol、または500g/mol、または1000g/molから3000g/mol、または5000g/mol、または6000g/mol、または10000g/mol、または12000g/mol、または15000g/mol、または20000g/molのMwを有するポリオールである。
【0064】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、1.0、または1.5、または2.0から3.0、または5.0、または8.0、または10.0、または12.0のヒドロキシル基官能基を有するポリオールである。別の実施形態では、イソシアネート反応性成分は、1.0~12.0、または1.0~10.0、または1.0~5.0、または1.0~3.0、または1.5~3.0のヒドロキシル基官能基を有するポリオールである。
【0065】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、次の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有するポリオールである:(i)5mgKOH/g~2,000mgKOH/g、または14mgKOH/g~850mgKOH/g、または56mgKOH/g~500mgKOH/g、または110mgKOH/g~450mgKOH/gのOH価;および/または(ii)25g/mol、または62g/mol、または75g/mol、または100g/mol、または350g/mol、または500g/mol、または1000g/molから3000g/mol、または5000g/mol、または10000g/mol、または15000g/mol、または20000g/molのMw;および/または(iii)1.0、または1.5、または2.0から3.0、または5.0、または10.0、または12.0のヒドロキシル基官能基。
【0066】
イソシアネート反応性成分は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0067】
一実施形態では、イソシアネートプレポリマーは、イソシアネートモノマー、少なくともイソシアネート反応性成分、および任意選択の触媒の反応生成物である。好適な触媒の非限定的な例には、ジラウリン酸ジブチルスズ、酢酸亜鉛、2,2-ジモルホリノジエチルエーテル、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0068】
一実施形態では、イソシアネート成分、またはさらにイソシアネートプレポリマーは、3重量%、または8重量%、または9重量%、10重量%、または11重量%、または12重量%、または13重量%、又は14重量%、または15重量%、または16重量%、または17重量%、または18重量%、20重量%、または25重量%のイソシアネート(NCO)含有量を有する。さらなる実施形態では、イソシアネート成分、またはさらにイソシアネートプレポリマーは、3重量%~25重量%、または8重量%~18重量%、または12重量%~15重量%、または13重量%~14重量%のNCO含有量を有する。
【0069】
一実施形態では、イソシアネート成分、またはさらにイソシアネートプレポリマーは、25℃で、5000cP、または6000cP、または7000cP、または8,000cPから9000cP、または10,000cP、または15,000cP、または20,000cPの粘度を有する。さらなる実施形態では、イソシアネート成分、またはさらにイソシアネートプレポリマーは、25℃で、5,000cP~20,000cP、または5,000cP~15,000cP、または5,000cP~12,000cP、または8,000cP~10,000cPの粘度を有する。
【0070】
一実施形態では、イソシアネート成分、またはさらにイソシアネートプレポリマーは、次の特性のうちの一方または両方を有する:(i)3重量%、または8重量%、または9重量%、または10重量%、または11重量%、または12重量%、または13重量%、または14重量%、または15重量%、または16重量%、または17重量%、または18重量%、20重量%、または25重量%のNCO含有量、および/または(ii)25℃で、5000cP、または6000cP、または7000cP、または8,000cPから9000cP、または10,000cP、または15,000cP、または20,000cPの粘度。
【0071】
イソシアネートプレポリマーは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0072】
イソシアネート化合物は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0073】
一実施形態では、イソシアネート成分は、無溶剤である。言い換えれば、イソシアネート成分は、溶媒を含まないか、または実質的に溶媒を含まない。
【0074】
一実施形態では、イソシアネート成分は、遊離のイソシアネート反応性成分を含まないか、または実質的に含まない。言い換えれば、イソシアネートプレポリマーが完全に形成され、イソシアネート反応性成分のすべてが、イソシアネート成分が第1の基材に塗布される前に、イソシアネートモノマーと反応する。イソシアネート成分には、過剰なイソシアネート反応性成分は存在しない。
【0075】
イソシアネート成分は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0076】
ii.第1の基材
プロセスは、イソシアネート成分を第1の基材に均一に塗布するステップを含む。
【0077】
好適な第1の基材の非限定的な例には、紙、織布および不織布、ポリマーフィルム、金属箔、ならびに金属被覆(金属化)ポリマーフィルムなどのフィルムが含まれる。一実施形態では、フィルムは、その上に画像がインクで印刷される表面を有し、そのインクは接着剤組成物と接触してもよい。
【0078】
一実施形態では、第1の基材はフィルムである。フィルムは、単層フィルムまたは多層フィルムであってもよい。多層フィルムは、2つの層、または3つ以上の層を含む。例えば、多層フィルムは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、またはそれ以上の層を有し得る。一実施形態では、多層フィルムは、2層のみ、または3層のみ含む。
【0079】
一実施形態では、フィルムは、1層、および1層のみを備えた単層フィルムである。
【0080】
一実施形態では、フィルムは、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、ポリアミド(ナイロンなど)、ポリエステル、エチレンビニルアルコール(EVOH)コポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンビニルアクリレート(EVA)コポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマー、エチレンエチルアクリレートコポリマー、エチレンブチルアクリレートコポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンメタクリル酸コポリマー、エチレンアクリル酸のイオノマー、メタクリル酸のイオノマー、無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマー、ポリスチレン、金属箔、セルロース、セロハン、不織布、およびそれらの組み合わせから選択される成分を含有する層を含む。好適な金属箔の非限定的な例は、アルミニウム箔である。多層フィルムの各層は、同じ成分から形成されてもよいし、異なる成分から形成されてもよい。
【0081】
一実施形態では、フィルムは、PET、エチレン系ポリマー、アルミニウム箔、およびそれらの組み合わせから選択される成分を含有する層を含む。別の実施形態では、フィルムは、PETを含有する層を含む。
【0082】
一実施形態では、フィルムは、PET層である単一層を有する単層フィルムである。
【0083】
一実施形態では、フィルムは、3~5層、または3層および3層のみを有する多層フィルムである。多層フィルムは、PET層およびアルミニウム箔層を含む。
【0084】
一実施形態では、フィルムは、スリップ剤などの任意選択の添加剤を含む。スリップ剤を含有する好適なフィルムの非限定的な例は、ベリープラスチックス(Berry Plastics)から入手可能なGF-19である。
【0085】
第1の基材、さらにはフィルムは、2つの対向する表面を持つ連続構造である。
【0086】
一実施形態では、第1の基材は、5μm、または10μm、または12μm、または15μm、または20μm、または21μm、または23μm、または24μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μm、または100μm、または150μm、または200μm、または250μm、または300μm、または350μm、または400μm、または450μm、または500μmの厚さを有する。
【0087】
一実施形態では、第1の基材は、PET層である単一の層を有する単層フィルムである。
【0088】
一実施形態では、第1の基材は、3~5層、または3層および3層のみを有する多層フィルムである。多層フィルムは、PET層およびアルミニウム箔層を含む。
【0089】
フィルムは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含んでもよい。
【0090】
第1の基材は、本明細書で開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0091】
プロセスは、イソシアネート成分を第1の基材に均一に塗布することを含み、イソシアネート成分は、イソシアネートを含有する。イソシアネート成分は、第1の基材の表面に塗布される。イソシアネート成分と第1の基材は互いに直接接触している。本明細書で使用される場合、「直接接触している」という用語は、基材が成分、成分層、または接着剤層にすぐ隣に位置しており、基材と、成分、成分層、または接着剤層との間に介在層または介在構造体が存在しない層構成である。イソシアネート成分は、第1の基材の表面に直接接触している。
【0092】
一実施形態では、イソシアネート成分は、0.1g/m2、または0.5g/m2、または1.0g/m2から1.5g/m2、または2.0g/m2、または3.0g/m2、または5.0g/m2、または10g/m2、または15g/m2、または20g/m2のコート重量で第1の基材に塗布される。別の実施形態では、イソシアネート成分は、0.1g/m2~20g/m2、または0.1g/m2~10g/m2、または0.1g/m2~5.0g/m2、または0.1g/m2~2.0g/m2、または0.5g/m2~1.5g/m2のコート重量で第1の基材に塗布される。第1の基材に塗布されるイソシアネート成分は、第1の基材上にイソシアネート成分層を形成する。イソシアネート成分層と第1の基材は互いに直接接触している。一実施形態では、イソシアネート成分層は、0.1g/m2~20g/m2、または0.1g/m2~10g/m2、または0.1g/m2~5.0g/m2、または0.1g/m2~2.0g/m2、または0.5g/m2~1.5g/m2のコート重量を有する。
【0093】
一実施形態では、イソシアネート成分は、20℃または23℃から25℃または30℃の温度で第1の基材に塗布される。
【0094】
一実施形態では、プロセスは、次のステップのうちの1つ、いくつか、またはすべてを含む:(i)3重量%、または5重量%、または8重量%、または9重量%、または10重量%、または11重量%、または12重量%、または13重量%から14重量%、または15重量%、または16重量%、または17重量%、または18重量%、または20重量%、または25重量%のNCO含有量を有するイソシアネートプレポリマーを含むイソシアネート成分を提供すること;および/または(ii)25℃で5000cP、または6000cP、または7000cP、または8,000cPから9000cP、または10,000cP、または15,000cP、または20,000cPの粘度を有するイソシアネートプレポリマーを含むイソシアネート成分を提供すること;および/または(iii)イソシアネート成分を提供することであって、イソシアネート成分が、溶媒を含まない、または実質的に含まない、提供することと;および/または(iv)イソシアネート成分を提供することであって、イソシアネート成分が、遊離のイソシアネート反応性成分を含まない、または実質的に含まない、提供すること;および/または(v)PETを含有する、本質的にPETからなる、またはPETからなる単層フィルムである第1の基材を提供すること;および/または(vi)PET層およびアルミニウム箔層を含む3つの層を含有する、本質的にその3つの層からなる、またはその3つの層からなる多層フィルムである第1の基材を提供すること;および/または(vii)5μm、または9μm、または10μm、または12μm、または15μm、または20μm、または21μmから23μm、または24μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μm、または100μm、または150μm、または200μm、または250μm、または300μm、または350μm、または400μm、または450μm、または500μmの厚さを有する第1の基材を提供すること;および/または(viii)20℃または23℃から25℃または30℃の温度でイソシアネート成分を塗布すること;および/または(ix)25℃で5000cP、または6000cP、または7000cP、または8,000cPから9000cP、または10,000cP、または15,000cP、または20,000cPの粘度でイソシアネート成分を塗布すること;および/または(x)0.1g/m2~20g/m2、または0.1g/m2~10g/m2、または0.1g/m2~5.0g/m2、または0.1g/m2~2.0g/m2、または0.5g/m2~1.5g/m2のコート重量を有する第1の基材上にイソシアネート成分層を形成すること。
【0095】
一実施形態では、イソシアネート成分は、任意選択の添加剤を含む。好適な任意選択の添加剤の非限定的な例には、粘着付与剤、可塑剤、レオロジー調整剤、接着促進剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、界面活性剤、溶剤、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0096】
好適な適用方法の非限定的な例には、ブラッシング、注入、噴霧、コーティング、圧延、散布、および注入が含まれる。
【0097】
イソシアネート成分を第1の基材に均一に塗布するステップは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0098】
B.イソシアネート反応性成分を第2の基材の表面に均一に塗布すること
【0099】
プロセスは、イソシアネート反応性成分を第2の基材に均一に塗布するステップを含む。
【0100】
i.イソシアネート反応性成分
プロセスは、イソシアネート成分を第2の基材に均一に塗布するステップを含む。「イソシアネート反応性成分」は、アミン末端化合物を含む組成物である。
【0101】
「アミン末端化合物」は、末端(端)アミノ(-NH2)基を含有するポリマーである。イソシアネート反応性成分は、イソシアネート反応性成分が2、3、4、5、6、またはそれ以上の末端アミノ基を有する分岐ポリマー構造であってもよい。
【0102】
一実施形態では、アミン末端化合物は、2つの末端アミノ基および2つの末端アミノ基のみを含有するジアミン末端化合物である。
【0103】
一実施形態では、アミン末端化合物は、3つの末端アミノ基および3つの末端アミノ基のみを含有するトリアミン末端化合物である。
【0104】
好適なアミン末端化合物の非限定的な例には、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ炭化水素ポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせなどの炭化水素原料系のポリオールに由来するもの;ならびに大豆油、ひまわり油、ヒマシ油、その他の天然脂肪酸、およびそれらの組み合わせなどの天然種子油が含まれる。
【0105】
好適なアミン末端化合物の非限定的な例には、ポリアミンポリジエンおよびポリアミンポリアルキレンなどのポリアミンポリ炭化水素;ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミンなどのポリアミンポリエーテル;JEFFAMINEおよびVERSALINKオリゴメリックジアミンの商品名で入手できるようなポリオキシテトラメチレンジアミン;ポリアミンポリエステル;ポリアミンポリアミド;ポリアミンポリカーボネート;ポリアミンポリイミン;ポリアミンポリアクリレート;ポリアミンポリシロキサン;ポリアミンポリエーテルカプロラクトン;ポリアミンポリエーテルカーボネート;ポリアミンポリエーテルエステル;ポリアミン脂肪酸ポリオール;ポリアミン二量体脂肪酸ポリオール;およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0106】
一実施形態では、アミン末端化合物は、次の構造(A)を有するジアミン末端化合物である:
【化1】
式中、n=1~30である。
【0107】
構造(A)を有するジアミン末端化合物は、ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエートである。構造(A)を有する好適なジアミン末端化合物の非限定的な例には、それぞれAir Products Companyから入手可能なVERSALINK(商標)P650、VERSALINK(商標)P1000、およびVERSALINK(商標)P250が含まれる。
【0108】
一実施形態では、アミン末端化合物は、次の構造(B)を有するジアミン末端化合物である:
【化2】
式中、m=1~100である。
【0109】
構造(B)を有するジアミン末端化合物は、ポリエーテルジアミンである。構造(B)を有する好適なポリエーテルジアミンの非限定的な例には、Huntsman Corporationから入手可能なJEFFAMINE DSeriesジアミンが含まれる。
【0110】
一実施形態では、アミン末端化合物は、次の構造(C)を有するジアミン末端化合物である:
【化3】
式中、x=1~20;y=1~50;およびz=1~20である。
【0111】
構造(C)を有するジアミン末端化合物は、ポリエーテルジアミンである。構造(C)を有する好適なポリエーテルジアミンの非限定的な例には、Huntsman Corporationから入手可能なJEFFAMINE EDSeriesジアミンが含まれる。
【0112】
一実施形態では、アミン末端化合物は、次の構造(D)を有するジアミン末端化合物である:
【化4】
【0113】
構造(D)を有するジアミン末端化合物は、ポリエーテルジアミンである。構造(D)を有する好適なポリエーテルジアミンの非限定的な例には、Huntsman Corporationから入手可能なJEFFAMINE EDRSeriesジアミンが含まれる。
【0114】
一実施形態では、アミン末端化合物は、次の構造(E)を有するトリアミン末端化合物である:
【化5】
式中、n=1~5;x=1~100;y=1~100;およびz=1~100である。
【0115】
構造(E)を有するトリアミン末端化合物は、ポリエーテルトリアミンである。構造(E)を有する好適なポリエーテルトリアミンの非限定的な例には、それぞれHuntsman Corporationから入手可能なJEFFAMINE SD-2001、JEFFAMINE D-205、およびJEFFAMINE RFD-270が含まれる。
【0116】
一実施形態では、アミン末端化合物は、構造(A)を有するジアミン末端化合物、構造(B)を有するジアミン末端化合物、構造(C)を有するジアミン末端化合物、構造(D)を有するジアミン末端化合物、構造(E)を有するトリアミン末端化合物、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0117】
一実施形態では、アミン末端化合物は、2から3、または4、または5、または6のアミン基官能基を有する。
【0118】
一実施形態では、アミン末端化合物は、200g/mol、または400g/mol、または500g/mol、または700g/mol、または710g/molから950g/mol、または1000g/mol、または1500g/mol、または2000g/mol、または3000g/mol、または4000g/mol、または12000g/molのMwを有する。
【0119】
一実施形態では、アミン末端化合物は、25℃で1000cP、または1500cP、または2000cP、または2500cPから3000cP、または3500cP、または4000cP、または5000cP、または10000cP、または15000cP、または20000cP、または25000cP、または30000cPの粘度を有する。別の実施形態では、アミン末端化合物は、25℃で1000cP~30000cP、または1,000cP~5,000cP、または2,000cP~5,000cP、または2,500cP~5,000cP、または2,500cP~3,000cPの粘度を有する。
【0120】
一実施形態では、アミン末端化合物は、構造(A)を有するジアミン末端化合物である。ジアミン末端化合物は、次の特性の一方または両方を有する:(i)400g/mol、または500g/mol、または700g/mol、または710g/molから950g/mol、または1000g/mol、または1500g/mol、または2000g/mol、または3000g/mol、または4000g/mol、または12000g/molのMw;および/または(ii)25℃で2000cP、または2500cPから3000cP、または3500cP、または4000cP、または5000cPの粘度。
【0121】
アミン末端化合物は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0122】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、アミン末端化合物およびポリオール化合物を含有する。ポリオール化合物は、ポリオールを含有する。
【0123】
ポリオール化合物のポリオールは、本明細書に開示される任意のポリオールであり得る。一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ炭化水素ポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせを含むポリオール化合物;ならびに大豆油、ひまわり油、ヒマシ油、その他の天然脂肪酸、およびそれらの組み合わせなどの天然種子油が含まれる。
【0124】
別の実施形態では、イソシアネート反応性成分は、ポリエーテルポリオールであるポリオール化合物を含有する。
【0125】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、ジアミン末端ポリエーテルおよびリン酸エステルポリオールを含有するか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。別の実施形態では、イソシアネート反応性成分は、ジアミン末端ポリエーテル、リン酸エステルポリオール、およびポリエーテルポリオール(PTMEGなど)を含有するか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。
【0126】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、イソシアネート反応性成分の総重量に基づいて、10重量%、または20重量%、または25重量%、または30重量%、または35重量%、40重量%、または45重量%、または50重量%、または55重量%、または60重量%、または65重量%から90重量%、または95重量%、または99重量%、または100重量%のアミン末端化合物を含有する。別の実施形態では、イソシアネート反応性成分は、イソシアネート反応性成分の総重量に基づいて、10重量%~100重量%、50重量%~100重量%、または55重量%~100重量%、または50重量%~99重量%、または55重量%~99重量%、約55重量%~約95重量%、約60重量%~約90重量%のアミン末端化合物を含有する。
【0127】
実施形態では、イソシアネート反応性成分は、イソシアネート反応性成分の総重量に基づいて、10重量%、または20重量%、または25重量%、または30重量%、または35重量%、または40重量%、または45重量%、または50重量%、または55重量%、または60重量%、または65重量%から90重量%、または95重量%、または99重量%、または100重量%のアミン末端化合物;および0重量%、または1重量%、または5重量%、または10重量%から35重量%、または40重量%、または45重量%、または50重量%、または55重量%、または60重量%、または65重量%、または70重量%、または75重量%、または80重量%、または90重量%のポリオール化合物の相互量を含有する。
【0128】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、25℃で1000cP、または1500cP、または2000cP、または2500cPから3000cP、または3500cP、または4000cP、または5000cPの粘度を有する。別の実施形態では、イソシアネート反応性成分は、25℃で1,000cP~5,000cP、または2,000cP~5,000cP、または2,500cP~5,000cP、または2,500cP~3,000cPの粘度を有する。
【0129】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、任意選択の添加剤を含む。任意選択の添加剤は、本明細書で示されるいずれの添加剤であってもよい。
【0130】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、無溶剤である。言い換えれば、イソシアネート反応性成分は、溶剤を含まないか、または実質的に含まない。
【0131】
イソシアネート反応性成分は、イソシアネート成分を含まないか、または実質的に含まない。言い換えれば、イソシアネート反応性成分は、イソシアネート基を含有する化学薬品を除外する。
【0132】
イソシアネート成分は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0133】
ii.第2の基材
プロセスは、イソシアネート反応性成分を第2の基材に均一に塗布するステップを含む。
【0134】
第2の基材は、本明細書に開示される任意の基材であり得る。
【0135】
第1の基材と第2の基材は同じでも異なっていてもよい。一実施形態では、第1の基材と第2の基材は同じである。同一の第1の基材および第2の基材は、同一の構造および同一の組成を有する。
【0136】
好適な第2の基材の非限定的な例は、フィルムである。フィルムは、本明細書に開示される任意のフィルムであり得る。
【0137】
一実施形態では、フィルムは、PET、エチレン系ポリマー、金属箔、およびそれらの組み合わせから選択される成分を含有する層を含む。一実施形態では、フィルムは、LDPEを含有する層を含む。
【0138】
一実施形態では、フィルムは、LDPE層である単一層を有する単層フィルムである。
【0139】
一実施形態では、フィルムは、3~5層、または3層および3層のみを有する多層フィルムである。多層フィルムは、PET層およびアルミニウム箔層を含む。
【0140】
第2の基材、さらにフィルムは、2つの対向する表面を持つ連続構造である。
【0141】
一実施形態では、第2の基材は、LDPE層である単一の層を有する単層フィルムである。単層は、10μm、または12μm、または15μm、または20μm、または21μmから23μm、または24μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μmの厚さを有する。
【0142】
フィルムは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含んでもよい。
【0143】
第2の基材層は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0144】
プロセスは、イソシアネート反応性成分を第2の基材に均一に塗布することを含み、イソシアネート反応性成分は、アミン末端化合物を含有する。イソシアネート反応性成分は、第2の基材の表面に塗布される。イソシアネート反応性成分と第2の基質は、互いに直接接触している。イソシアネート反応性成分は、第2の基材の表面に直接接触している。
【0145】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、0.1g/m2、または0.5g/m2、または1.0g/m2から1.5g/m2、または2.0g/m2、または3.0g/m2、または5.0g/m2、または10g/m2、または15g/m2、または20g/m2のコート重量で第2の基材に塗布される。別の実施形態では、イソシアネート反応性成分は、0.1g/m2~20g/m2、または0.1g/m2~10g/m2、または0.1g/m2~5.0g/m2、または0.1g/m2~2.0g/m2、または0.5g/m2~1.5g/m2のコート重量で第2の基材に塗布される。第2の基材に塗布されるイソシアネート反応性成分は、第2の基材上にイソシアネート反応性成分層を形成する。イソシアネート反応性成分層および第2の基材は、互いに直接接触している。一実施形態では、イソシアネート反応性成分層は、0.1g/m2~20g/m2、または0.1g/m2~2.0g/m2、または0.5g/m2~1.5g/m2のコート重量を有する。
【0146】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、20℃または23℃から25℃、または30℃、または40℃、または50℃、または60℃、または70℃、または80℃の温度で第2の基材に塗布される。別の実施形態では、イソシアネート反応性成分は、20℃~80℃、または20℃~30℃、または20℃~25℃の温度で第2の基材に塗布される。
【0147】
一実施形態では、プロセスは、次のステップのうちの1つ、いくつか、またはすべてを含む:(i)構造(A)を有するジアミン末端化合物、構造(B)を有するジアミン末端化合物、構造(C)を有するジアミン末端化合物、構造(D)を有するジアミン末端化合物、構造(E)を有するトリアミン末端化合物、およびそれらの組み合わせから選択されるアミン末端化合物を含有するイソシアネート反応性成分を提供すること;および/または(ii)構造(A)を有するジアミン末端化合物であるアミン末端化合物を含有するイソシアネート反応性成分を提供すること;および/または(iii)ジアミン末端ポリエーテルであるアミン末端化合物を含有するイソシアネート反応性成分を提供すること;および/または(iv)25℃で1000cP、または1500cP、または2000cP、または2500cPから3000cP、または3500cP、または4000cP、または5000cPの粘度を有するアミン末端化合物を含有するイソシアネート反応性成分を提供すること;および/または(v)イソシアネート反応性成分の総重量に基づいて、20重量%、または25重量%、または30重量%、または35重量%、または40重量%、または45重量%、または50重量%、または55重量%、または60重量%、または65重量%から90重量%、または95重量%、または99重量%、または100重量%のアミン末端化合物を含有するイソシアネート反応性成分を提供すること;および/または(vi)アミン末端化合物およびポリオール化合物を含有するイソシアネート反応性成分を提供すること;および/または(vii)アミン末端化合物と、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、およびそれらの組み合わせから選択されるポリオール化合物とを含有するイソシアネート反応性成分を提供すること;および/または(viii)25℃で1000cP、または1500cP、または2000cP、または2500cPから3000cP、または3500cP、または4000cP、または5000cPの粘度を有するイソシアネート反応性成分を提供すること;および/または(ix)イソシアネート反応性成分を提供することであって、イソシアネート反応性成分は、溶媒を含まないか、または実質的に含まない、提供すること;および/または(x)イソシアネート反応性成分を提供することであって、イソシアネート反応性成分は、イソシアネート成分を含まない、または実質的に含まない、提供すること;および/または(xi)PETを含有する、本質的にPETからなる、またはPETからなる単層フィルムである第2の基材を提供すること;および/または(xii)PET層およびアルミニウム箔層を含む3つの層を含有する、本質的にそれらからなる、またはそれらからなる多層フィルムである第2の基材を提供すること;および/または(xiii)5μm、または9μm、または10μm、または12μm、または15μm、または20μm、または21μmから23μm、または24μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μm、または100μm、または150μm、または200μm、または250μm、または300μm、または400μm、または500μmの厚さを有する第2の基材を提供すること;および/または(xiv)20℃または23℃から25℃または30℃の温度でイソシアネート反応性成分を塗布すること;および/または(xv)25℃で1000cP、または1500cP、または2000cP、または2500cPから3000cP、または3500cP、または4000cP、または5000cPの粘度でイソシアネート反応性成分を塗布すること;および/または(xvi)0.1g/m2~20g/m2、または0.1g/m2~10g/m2、または0.1g/m2~5.0g/m2、または0.1g/m2~2.0g/m2、または0.5g/m2~1.5g/m2のコート重量を有する第2の基材上にイソシアネート反応性成分層を形成すること。
【0148】
好適な適用方法の非限定的な例には、ブラッシング、注入、噴霧、コーティング、圧延、散布、および注入が含まれる。
【0149】
一実施形態では、プロセスは、イソシアネート反応性成分中のアミン基と存在する場合はヒドロキシル基との合計量に対するイソシアネート成分中のイソシアネート基のモル比を計算することにより、イソシアネート:イソシアネート反応性の化学量論比(I:IR比)を判定することと、イソシアネートコート重量およびアミン末端コート重量を調整して、1.00、または1.10、または1.20、または1.25から1.30、または1.35、または1.40、または1.50、または2.00、または2.50、または3.00、または3.50、または4.00、または4.50、または5.00のI:IR比を得ることと、を含む。
【0150】
一実施形態では、イソシアネート成分およびイソシアネート反応性成分は各々、25℃で液体である。
【0151】
イソシアネート成分を第2の基材に均一に塗布するステップは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0152】
C.第1の基材と第2の基材とを一緒にすること
プロセスは、第1の基材と第2の基材とを一緒にすることにより、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを混合し、反応させて、第1の基材と第2の基材との間に接着剤組成物を形成するステップを含む。
【0153】
イソシアネート成分およびイソシアネート反応性成分が互いに直接接触するように、第1の基材と第2の基材とを一緒にする。言い換えれば、イソシアネート成分層とイソシアネート末端成分層は、互いに直接接触している。
【0154】
一実施形態では、20℃または23℃から25℃、または30℃、または40℃、または50℃、または60℃、または70℃、または80℃の温度で、第1の基材と第2の基材とを一緒にする。別の実施形態では、20℃~80℃、または20℃~30℃、または20℃~25℃の温度で、第1の基材と第2の基材とを一緒にする。
【0155】
一実施形態では、20℃または23℃から25℃または30℃の温度で、第1の基材と第2の基材とを一緒にする。イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分は、互いに直接接触している。第1の基材および第2の基材は、ニップローラーなど、第1の基材および第2の基材に圧力を加えるためのデバイスに通される。5psi~100psiの圧力が、第1の基材と第2の基材にかけられる。接触および圧力により、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを混合し、反応させることが可能になり、接着剤組成物が形成される。
【0156】
第1の基材および第2の基材は、任意選択で、様々な他のローラーを通り、最終的に巻き戻しローラーに通されてもよい。第1の基材および第2の基材は、各基材が各ローラーを横切って他の基材よりも長いまたは短い経路をとるため、ローラーを通過するときに、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とをさらに混合し反応させることが起こる。このようにして、第1の基材および第2の基材は、互いに対して移動し、それぞれの基材上の成分を混合する。
【0157】
イソシアネート成分およびイソシアネート反応性成分は、別々に形成され、必要に応じて、ラミネートを形成することが望まれるまで別々に保管される。イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分は、それぞれの第1の基材と第2の基材に塗布される前に、互いに事前混合されない。言い換えれば、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分は、第1の基材が第2の基材と接触するまで、互いに接触しない。イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分は、これら2つの成分は非常に迅速に反応し、接着剤組成物がゲル化し、基材への塗布に適合されることになるため、事前混合されない。イソシアネート成分およびイソシアネート反応性成分は、第1の基材および第2の基材のそれぞれに塗布されるときに事前混合されていないため、本接着剤組成物は、塗布後に基材が互いに接触するまで反応しない。第1の基材が第2の基材と接触すると、イソシアネート成分およびイソシアネート反応性成分が混合されて反応して、「硬化性組成物」と呼ぶことができる接着剤組成物を形成する。
【0158】
一実施形態では、第1の基材と第2の基材とは、ラミネータ内で一緒にされる。ラミネータ(A)は、イソシアネート成分を第1の基材の表面に塗布し、(B)イソシアネート反応性成分を第2の基材の表面に塗布し、(C)次に、第1の基材と第2の基材とを一緒にすることにより、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを混合し、反応させて、第1の基材と第2の基材との間に接着剤組成物を形成する。好適なラミネータの非限定的な例は、ワンショットの非機械的ラミネータである。
【0159】
接着剤組成物は、第1の基材および第2の基材と直接接触している。
【0160】
一実施形態では、接着剤組成物は、1.00、または1.10、または1.20、または1.25から1.30、または1.35、または1.40、または1.50、または2.00、または2.50、または3.00、または3.50、または4.00、または4.50、または5.00のI:IR比を有する。別の実施形態では、接着剤組成物は、1.00~5.00、または1.00~3.00、または1.00~2.00、または1.10~1.50、または1.20~1.30のI:IR比を有する。
【0161】
第1の基材と第2の基材とを一緒にするステップは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0162】
D.接着剤組成物を硬化させること
プロセスは、接着剤組成物を硬化させて第1の基材と第2の基材とを接着させるステップを含む。
【0163】
接着剤組成物は硬化して、第1の基材と第2の基材との間に接着剤層を形成する。
【0164】
一実施形態では、接着剤組成物は、15℃、または20℃、または23℃から25℃、または30℃、または40℃、または50℃、または60℃の温度で、60分(分)、または90分から24時間、または48時間、または7日間、または10日間、または14日間硬化される。
【0165】
接着剤組成物の硬化により、第1の基材と第2の基材との間に接着剤層が形成される。接着剤層は、第1の基材および第2の基材に直接接触している。
【0166】
一実施形態では、接着剤層は、0.2μm、または0.5μm、または1μmから5μm、または10μm、または20μm、または30μm、または40μmの厚さを有する。
【0167】
一実施形態では、プロセスは、次のステップの一方または両方を含む:(i)接着剤組成物を、20℃または23℃から25℃の温度で、60分(分)、または90分から24時間、または48時間、または7日間、または10日硬化させること;および/または(ii)0.2μm、または0.5μm、または1μmから5μm、または10μm、または20μm、または30μm、または40μmの厚さを有する接着剤層を形成すること。
【0168】
一実施形態では、ラミネートは、20℃~25℃の温度で乾燥される。ラミネートを硬化させることは、第1の基材と第2の基材とを一緒にした後、第1の基材、第2の基材、および接着剤組成物をオーブンに通すことを除外する。
【0169】
接着剤組成物を硬化させるステップは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0170】
E.ラミネートを形成すること
プロセスは、ラミネートを形成するステップを含む。
【0171】
ラミネートは、次の構造(F)を有する。
第1の基材/接着剤層/第2の基材 構造(F)
【0172】
構造(F)の接着剤層は、接着剤組成物を硬化させることにより形成される。接着剤組成物は、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを混合し、反応させることにより形成される。
【0173】
ラミネートは、接着剤層と直接接触する第1の基材と、接着剤層と直接接触する第2の基材とを含む。
【0174】
ラミネートは、交互の基材層および接着剤層を含む。ラミネートは、少なくとも合計3層を含み、すべての層は、基材層および接着剤層を含む。一実施形態では、ラミネートは、合計3から4、または5、または6、または7、または8、または9、または10の層を含む。
【0175】
一実施形態では、接着剤組成物を20℃~25℃の温度で90分間硬化させた後、ラミネートは、0.05N/15mm超の結合強度を有する。別の実施形態では、接着剤組成物を20℃~25℃の温度で90分間硬化させた後、ラミネートは、0.05N/15mm超、または0.10N/15mm超、または0.15N/15mm超、または0.20N/15mm超、または0.25N/15mm超、または0.30N/15mm超の結合強度を有する。さらなる実施形態では、接着剤組成物を20℃~25℃の温度で90分間硬化させた後、ラミネートは、0.05N/15mm、または0.10N/15mm、または0.15N/15mm、または0.20N/15mm、または0.25N/15mm、0.30N/15mmから3.5N/15mm、または9.5N/10mm、または10N/15mm、または15N/15mmの結合強度を有する。
【0176】
一実施形態では、結合強度試験中に、ラミネートは、フィルムの裂け目を呈する。換い言えれば、結合強度試験中の不合格は、接着剤層ではなく、第1の基材および/または第2の基材のフィルム層にある。
【0177】
一実施形態では、ラミネートは、10μm、または12μm、または15μm、または20μm、または21μmから23μm、または24μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μm、または100μm、または150μm、または200μm、または250μm、または300μm、または350μm、または400μm、または500μm、または750μm、または1000μmの厚さを有する。
【0178】
ラミネートは、2つの対向する最外表面を有する。一実施形態では、ラミネートの最外面のうちの少なくとも1つは、エチレン系ポリマー層(LDPE層など)から形成される。別の実施形態では、ラミネートの最外面のうちの少なくとも1つは、PET層から形成される。
【0179】
一実施形態では、ラミネートは、次のものを含有するか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる:(i)金属箔層(アルミニウム箔層など)を含有するフィルムである第1の基材;(ii)接着剤組成物を硬化させて形成された接着剤層であって、アルミニウム箔層の表面と接触している、接着剤層;(iii)エチレン系ポリマー層(LDPEなど)を含有するフィルムである第2の基材であって、接着剤層がエチレン系ポリマー層の表面と接触している、第2の基材。ラミネートは、次の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:(a)接着剤組成物を20℃~25℃の温度で90分間硬化させた後、0.05N/15mm超、または0.06N/15mm、または0.10N/15mm、または0.15N/15mm、または0.18N/15mm、または0.40N/15mm、または0.44N/15mmから3.48N/15mm、または3.50N/15mm、または3.80N/15mm、または4.00N/15mm、または5.00N/15mmの結合強度;および/または(b)接着剤組成物を20℃~25℃の温度で1日間硬化させた後、4.0N/15mmを超、または5.0N/15mm超、または6.0N/15mm、または7.0N/15mm、8.0N/15mmから12.0N/15mm、または15.0N/15mm、または20.0N/15mm、または25.0N/15mmの結合強度;および/または(c)接着剤組成物を20℃~25℃の温度で7日間硬化させた後、4.0N/15mm超、または5.0N/15mm超、または5.0N/15mm、または6.0N/15mm、または7.0N/15mm、または8.0N/15mmから13.0N/15mm、または15.0N/15mm、または20.0N/15mm、または25.0N/15mmの結合強度;および/または(d)430g/インチ、または431g/インチ、または1000g/インチから1250g/インチ、または1300g/インチ、または1400g/インチ、または1500g/インチ、または2000g/インチのボイルインバッグ結合強度;および/または(e)結合強度試験中にフィルムの裂け目を呈する;および/または(f)10μm、または15μm、または20μmから25μm、または30μm、または40μm、または50μm、または100μm、または200μm、または300μm、または400μm、または500μm、または750μm、または1000μmの厚さ。
【0180】
一実施形態では、ラミネートは、次のものを含有するか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる:(i)PET層を含有するフィルムである第1の基材;(ii)接着剤組成物を硬化させて形成された接着剤層であって、PET層の表面と接触している、接着剤層;(iii)エチレン系ポリマー層(LDPEなど)を含有するフィルムである第2の基材であって、接着剤層がエチレン系ポリマー層の表面と接触している、第2の基材。ラミネートは、次の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを有する:(a)接着剤組成物を20℃~25℃の温度で90分間硬化させた後、0.05N/15mm超、または0.06N/15mm、または0.10N/15mm、または0.15N/15mm、または0.16N/15mm、または0.30N/15mm、または0.40N/15mmから4.00N/15mm、または5.00N/15mm、または6.00N/15mm、または7.00N/15mm、または8.00N/15mm、または9.00N/15mm、または10.00N/15mm、または12.00N/15mm、または15.00N/15mmの結合強度;および/または(b)接着剤組成物を20℃~25℃の温度で1日間硬化させた後、10.15N/15mmを超、または10.20N/15mm超、または10.15N/15mm、または10.20N/15mm、または10.50N/15mm、10.90N/15mmから11.50N/15mm、または12.00N/15mm、または15.00N/15mm、または20.0N/15mmの結合強度;および/または(c)接着剤組成物を20℃~25℃の温度で7日間硬化させた後、8.0N/15mm超、8.5N/15mm超、または8.5N/15mm、または9.0N/15mm超、または10.0N/15mm、または11.0N/15mm、または12.0N/15mmから13.5N/15mm、または14.0N/15mm、または15.0N/15mm、または20.0N/15mmの結合強度;および/または(d)230g/インチ、または250g/インチ、または300g/インチ、または350g/インチ、または400g/インチ、または420g/インチ、または425g/インチから550g/インチ、または600g/インチ、または650g/インチ、または700g/インチ、または750g/インチ、または800g/インチ、または900g/インチ、または1000g/インチのボイルインバッグ結合強度;および/または(e)結合強度試験中にフィルムの裂け目を呈する;および/または(f)10μm、または15μm、または20μmから25μm、または30μm、または40μm、または50μm、または100μm、または200μm、または300μm、または400μm、または500μm、または750μm、または1000μmの厚さ。
【0181】
一実施形態では、ラミネートを形成することは、第1の基材と第2の基材とを一緒にした後に、第1の基材、第2の基材、および接着剤組成物をオーブンに通すことを除外する。
【0182】
ラミネートを形成するステップは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0183】
一実施形態では、プロセスは、次を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる:(i)イソシアネート成分をコート重量で第1の基材に均一に塗布することであって、イソシアネート成分が、イソシアネート化合物を含む、塗布することと;(ii)イソシアネート反応性成分をコート重量で第2の基材に均一に塗布することであって、イソシアネート反応性成分が、アミン末端化合物を含む、塗布することと;(iii)イソシアネート反応性成分中のアミン基とヒドロキシル基との合計量に対するイソシアネート成分中のイソシアネート基のモル比を計算することにより、I:IR比を判定することと;(iv)イソシアネートコート重量およびアミン末端コート重量を調整して、1.0~5.0のI:IR比を得ることと;(v)第1の基材と第2の基材とを一緒にすることにより、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを混合し、反応させて、第1の基材と第2の基材との間に接着剤組成物を形成することと;(vi)接着剤組成物を硬化させて、第1の基材と第2の基材とを結合させることと;(vii)ラミネートを形成すること。
【0184】
一実施形態では、プロセスは、25℃で5,000cP~20,000cPの粘度でイソシアネート成分を塗布することと、0.1g/m2~20g/m2、または0.1g/m2~10g/m2、または0.1g/m2~5.0g/m2、または0.1g/m2~2.0g/m2、または0.5g/m2~1.5g/m2のコート重量を有する第1の基材上にイソシアネート成分層を形成することと、25℃で1,000cP~5,000cPの粘度でイソシアネート反応性成分を塗布することと、0.1g/m2~20g/m2、または0.1g/m2~10g/m2、または0.1g/m2~5.0g/m2、または0.1g/m2~2.0g/m2、または0.5g/m2~1.5g/m2のコート重量を有する第2の基材にイソシアネート反応性成分層を形成することと、を含む。
【0185】
一実施形態では、プロセスは、(A)イソシアネート成分を第1の基材に均一に塗布することを含み、第1の基材が、金属箔層を有する第1のフィルムを含む、塗布することと、(B)イソシアネート反応性成分を第2の基材に均一に塗布することであって、第2の基材が、エチレン系ポリマー層(LDPE層など)を含む第2のフィルムを含有する、塗布することと、(D)接着剤組成物を20℃~25℃の温度で90分間硬化させることと、ラミネートを形成することであって、ラミネートが、0.05N/15mm超の結合強度を有する、形成することと、を含む。
【0186】
一実施形態では、プロセスは、(A)イソシアネート成分を第1の基材に均一に塗布することを含み、第1の基材が、PET層を含む第1のフィルムを含有する、塗布することと、(B)イソシアネート反応性成分を第2の基材に均一に塗布することであって、第2の基材が、エチレン系ポリマー層(LDPE層など)を有する第2のフィルムを含有する、塗布することと、(D)接着剤組成物を20℃~25℃の温度で90分間硬化させることと、(E)ラミネートを形成することであって、ラミネートが、0.05N/15mm超の結合強度を有する、形成することと、を含む。
【0187】
本プロセスは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0188】
本開示はまた、本明細書に開示されるプロセスによって形成されたラミネートも提供する。
【0189】
ラミネートは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0190】
本開示はまた、ラミネートを含む物品も提供する。好適な物品の非限定的な例には、パッケージ、バッグ、およびパウチが含まれる。
【0191】
一実施形態では、プロセスは、ラミネートを食べ物(comestible)と接触させることを含む。「食べ物(comestible)」とは、食べられる食品のことである。
【0192】
F.接着剤組成物
本開示は、二成分無溶剤接着剤組成物を提供する。二成分無溶剤接着剤組成物は、(A)第1の基材への塗布に適したイソシアネート成分であって、イソシアネートプレポリマーを含有する、イソシアネート成分と、(B)第2の基材への塗布に適したイソシアネート反応性成分であって、アミン末端化合物を含有する、イソシアネート反応性成分と、含み、1.0~5.0のI:IR比を有する。
【0193】
二成分無溶剤接着剤組成物は、第1の基材と第2の基材とを一緒にして、本明細書に開示される第1の基材と第2の基材との間でイソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを混合し反応させることにより形成される任意の接着剤組成物であり得る。
【0194】
G.ラミネート
本開示は、ラミネートを提供する。ラミネートは、第1の基材と、第2の基材と、第1の基材と第2の基材との間の無溶剤接着剤層と、を含む。無溶剤接着剤層は、(A)イソシアネートプレポリマーを含むイソシアネート成分と、(B)アミン末端化合物を含むイソシアネート反応性成分と、を含む。
【0195】
無溶剤接着剤層は、本明細書に開示される任意の接着剤組成物によって形成され得る。
【0196】
ラミネート、第1の基材、および第2の基材は、本明細書に開示される任意のそれぞれのラミネート、第1の基材、および第2の基材であり得る。
【0197】
ここで、限定ではなく例には、本開示のいくつかの実施形態を、次の実施例で詳細に説明する。
【実施例】
【0198】
実施例で使用される材料を、以下の表1に提供する。
【表1】
【0199】
A.イソシアネート反応性成分の調製
イソシアネート反応性成分の実施例A~Cおよびポリオール比較サンプルDはそれぞれ、表2の成分を窒素保護下で60℃の温度で60分間機械的ミキサー中で混合することにより調製される。表2に示されている量は、それぞれの成分の総重量に基づいた重量パーセントである。
【表2】
【0200】
B.ラミネートの形成:Prelam AL/接着剤/LDPEフィルム
イソシアネート成分が提供され、これは、イソシアネートプレポリマー(13.5重量%のNCO含有量および25℃で13,000cPの粘度を有するMDIプレポリマー)である。Prelam AL構造の箔表面に23℃の温度でイソシアネート成分を均一に塗布する。各サンプルのイソシアネートコート重量は1.0g/m2である。
【0201】
イソシアネート反応性成分例A~Cおよびポリオール比較例DをLDPEフィルム(GF-10フィルム)の表面に均一に塗布する。各サンプルのコート重量は、1.0g/m2である。
【0202】
各基材に塗布したイソシアネート成分、イソシアネート反応性成分例A~C、およびポリオール比較サンプルDの量を表4に示す(重量部)。
【0203】
Prelam ALとLDPEフィルムとを50℃の温度と40psiの圧力下で一緒にすることにより、(i)それぞれのイソシアネート反応性成分例A~Cまたはポリオール比較サンプルDと、(ii)イソシアネート成分とを混合し反応させて、Prelam ALとLDPEフィルムとの間に接着剤組成物を形成する。接着剤組成物を室温(23℃)、相対湿度50%で90分間、1日間、および7日間硬化させて、ラミネートを形成する。7日間硬化させた後、ラミネートをバッグインボイル試験にかける。結果を表4に示す。
【0204】
C.ラミネートの形成:PETフィルム/接着剤/LDPEフィルム
イソシアネート成分が提供され、これは、イソシアネートプレポリマー(13.5重量%のNCO含有量および25℃で1,300cPの粘度を有するMDIプレポリマー)である。23℃のPETフィルム(92LBT PETフィルム)の表面にイソシアネート成分を均一に塗布する。各サンプルのコート重量は、1.0g/m2である。
【0205】
イソシアネート反応性成分例A~Cおよびポリオール比較例DをLDPEフィルム(GF-10フィルム)の表面に均一に塗布する。各サンプルのコート重量は、1.0g/m2である。
【0206】
各基材に塗布したイソシアネート成分、イソシアネート反応性成分例A~C、およびポリオール比較サンプルDの量を表4に示す(グラム)。
【0207】
PETフィルムとLDPEフィルムとを50℃の温度と40psiの圧力下で一緒にすることにより、(i)それぞれのイソシアネート反応性成分例A~Cまたはポリオール比較サンプルDと、(ii)イソシアネート成分とを混合し反応させて、PETフィルムとLDPEフィルムとの間に接着剤組成物を形成する。
【表3】
【0208】
接着剤組成物を室温(23℃)、相対湿度50%で90分間、1日間、および7日間硬化させて、ラミネートを形成する。7日間硬化させた後、ラミネートをバッグインボイル試験にかける。結果を表4に示す。
【0209】
D.結果
比較サンプル4は、イソシアネート成分と、アミン末端化合物を含まないイソシアネート反応性成分(ポリオール比較サンプルD)とから形成された接着剤層を含む。Prelam AL/接着剤/LDPEフィルムのラミネートおよびPETフィルム/接着剤/LDPEフィルムのラミネートのそれぞれにおいて、比較サンプル4は、90分間の硬化後の0.05N/15mm未満の結合強度を呈する。その結果、比較サンプル4のPrelam AL/接着剤/LDPEフィルムのラミネートおよびPETフィルム/接着剤/LDPEフィルムのラミネートはそれぞれ、最初の90分間の硬化内で不十分な接着蓄積を呈する。
【0210】
実施例1~3はそれぞれ、イソシアネート成分と、アミン末端化合物およびポリオールを含むイソシアネート反応性成分(イソシアネート反応性成分の例A~C)とから形成された接着剤層を含む。出願人は、Prelam AL/接着剤/LDPEフィルムのラミネートおよびPETフィルム/接着剤/LDPEフィルムのラミネートのそれぞれにおいて、実施例1~3は、90分間の硬化後の0.05N/15mmの結合強度を呈する。その結果、実施例1~3のPrelam AL/接着剤/LDPEフィルムのラミネートおよびPETフィルム/接着剤/LDPEフィルムのラミネートはそれぞれ、迅速な再処理を可能にする硬化の最初の90分間以内に十分な接着蓄積を呈する。
【0211】
実施例1~2はそれぞれ、イソシアネート成分と、アミン末端化合物、リン酸エステルポリオール、およびポリエーテルポリオール(PTMEG)を含むイソシアネート反応性成分(イソシアネート反応性成分の例A~B)とから形成された接着剤層を含む。出願人は、Prelam AL/接着剤/LDPEフィルムのラミネートおよびPETフィルム/接着剤/LDPEフィルムのラミネートのそれぞれにおいて、実施例1は、予想外に1,000g/インチ超のボイルインバッグ結合強度を呈し、実施例2は、400g/インチ超のボイルインバッグ結合強度を呈するということを見出した。その結果、実施例1、2は、向上した耐熱性を呈する。
【0212】
本開示は、本明細書に含まれる実施形態および例示に限定されず、実施形態の一部、および異なる実施形態の要素の組み合わせを含むこれらの実施形態の変更された形態を、以下の特許請求の範囲の範囲に該当するものとして含むことが、特に意図されている。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
ラミネートを形成するためのプロセスであって、
(A)イソシアネート成分を第1の基材に均一に塗布することであって、前記イソシアネート成分が、イソシアネート化合物を含む、塗布することと、
(B)イソシアネート反応性成分を第2の基材に均一に塗布することであって、前記イソシアネート反応性成分が、アミン末端化合物を含む、塗布することと、
(C)前記第1の基材と前記第2の基材とを一緒にすることにより、前記イソシアネート成分と前記イソシアネート反応性成分とを混合し反応させて、前記第1の基材と前記第2の基材との間に接着剤組成物を形成することと、
(D)前記接着剤組成物を硬化させて、前記第1の基材と前記第2の基材とを結合させることと、
(E)前記ラミネートを形成することと、を含む、プロセス。
項2.
ジアミン末端ポリエーテルを含む前記イソシアネート反応性成分を提供することを含む、項1に記載のプロセス。
項3.
前記イソシアネート反応性成分の総重量に基づいて、20重量%~100重量%の前記アミン末端化合物を含む前記イソシアネート反応性成分を提供することを含む、項1または2に記載のプロセス。
項4.
前記アミン末端化合物およびポリオール化合物を含む前記イソシアネート反応性成分を提供することを含む、項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
項5.
前記アミン末端化合物、リン酸エステルポリオール、およびポリエーテルポリオールを含む、前記イソシアネート反応性成分を提供することを含む、項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
項6.
3重量%~25重量%のイソシアネート含有量を有するイソシアネートプレポリマーを含む、前記イソシアネート成分を提供することを含む、項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
項7.
前記イソシアネート成分を、イソシアネートコート重量で前記第1の基材に塗布することと、
前記イソシアネート反応性成分をイソシアネート反応性コート重量で前記第2の基材に塗布することと、
前記イソシアネート反応性成分中のアミン基とヒドロキシル基との合計量に対する前記イソシアネート成分中のイソシアネート基のモル比を計算することにより、イソシアネート:イソシアネート反応性の化学量論比を判定することと、
イソシアネートコート重量およびアミン末端コート重量を調整して、1.0~5.0のイソシアネート:イソシアネート反応性の化学量論比を得ることと、を含む、項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
項8.
25℃で5,000cP~20,000cPの粘度の前記イソシアネート成分を塗布することと、
前記第1の基材上に、0.1g/m2~20g/m2のコート重量を有するイソシアネート成分層を形成することと、
25℃で1,000cP~20,000cPの粘度の前記イソシアネート反応性成分を塗布することと、
前記第2の基材上に、0.1g/m2~20g/m2の重量を有するイソシアネート反応性成分層を形成することと、を含む、項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
項9.
前記接着剤組成物を、20℃~25℃の温度で60分間~10日間硬化させることを含む、項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
項10.
20℃~30℃の温度で、前記第1の基材と前記第2の基材とを一緒にすることと、
前記イソシアネート成分を前記イソシアネート反応性成分と接触させることと、
前記第1の基材および前記第2の基材に5psi~100psiの圧力を加えることと、を含む、項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
項11.
(A)前記イソシアネート成分を前記第1の基材に均一に塗布することであって、前記第1の基材が、金属箔層を含む第1のフィルムを含む、塗布することと、
(B)前記イソシアネート反応性成分を前記第2の基材に均一に塗布することであって、前記第2の基材が、エチレン系ポリマー層を含む第2のフィルムを含む、塗布することと、
(D)前記接着剤組成物を15℃~50℃の温度で90分間硬化させることと、
(E)前記ラミネートを形成することであって、前記ラミネートが、0.05N/15mm超の結合強度を有する、形成することと、を含む、項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
項12.
(A)前記イソシアネート成分を前記第1の基材に均一に塗布することであって、前記第1の基材が、ポリエチレンテレフタレート層を含む第1のフィルムを含む、塗布することと、
(B)前記イソシアネート反応性成分を前記第2の基材に均一に塗布することであって、前記第2の基材が、エチレン系ポリマー層を含む第2のフィルムを含む、塗布することと、
(D)前記接着剤組成物を20℃~25℃の温度で90分間硬化させることと、
(E)前記ラミネートを形成することであって、前記ラミネートが、0.05N/15mm超の結合強度を有する、形成することと、を含む、項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
項13.
項1~12のいずれか一項に記載のプロセスによって形成された、ラミネート。
項14.
二成分無溶剤接着剤組成物であって、
(A)第1の基材への塗布に対して適合したイソシアネート成分であって、イソシアネートプレポリマーを含む、イソシアネート成分と、
(B)第2の基材への塗布に対して適合したイソシアネート反応性成分であって、アミン末端化合物を含む、イソシアネート反応性成分と、を含み、
1.0~5.0のイソシアネート:イソシアネート反応性の化学量論比を有する、二成分無溶剤接着剤組成物。
項15.
ラミネートであって、
第1の基材と、
第2の基材と、
前記第1の基材と前記第2の基材との間の無溶剤接着剤層と、を含み、前記無溶剤接着剤層が、
(A)イソシアネートプレポリマーを含むイソシアネート成分と、
(B)アミン末端化合物を含むイソシアネート反応性成分と、を含む、ラミネート。