(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】3Dイメージングのための合成開口アンテナアレイ
(51)【国際特許分類】
H04B 7/0413 20170101AFI20240614BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20240614BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20240614BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
H04B7/0413 310
H04B7/06 150
H04B7/08 800
H01Q21/06
(21)【出願番号】P 2021532288
(86)(22)【出願日】2019-08-19
(86)【国際出願番号】 US2019047100
(87)【国際公開番号】W WO2020037321
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-08-18
(32)【優先日】2018-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520489868
【氏名又は名称】オーラ・インテリジェント・システムズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AURA INTELLIGENT SYSTEMS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジョンア
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0125511(US,A1)
【文献】特表2015-514970(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0142400(US,A1)
【文献】佐藤 潤二 他,3次元測位を実現する不等間隔MIMOレーダーモジュールの検討,電子情報通信学会2017年エレクトロニクスソサイエティ大会講演論文集1,2017年08月29日,pp.s-11~s-12
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/0413
H04B 7/06
H04B 7/08
H01Q 21/06
IEEE Xplore
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信システムにおける高度通信装置であって、前記高度通信装置は、
プロセッサと、
前記プロセッサに作動的に接続された3次元(3D)イメージングセンサとを備え、前記3Dイメージングセンサはデジタル回路を含み、前記デジタル回路は、
多位相符号化を用い、多入力・多出力(MIMO)直交周波数分割多重(OFDM)処理に基づいて、デジタル波形を生成し、
前記デジタル波形を方位角面におけるビームフォーミングを用いて処理し、
前記処理したデジタル波形をアナログ波形へと予め定められた変調関数を用いて変調するように構成され、前記高度通信装置はさらに、
前記デジタル回路と前記プロセッサとに作動的に接続されたトランシーバを備え、前記トランシーバは、
前記予め定められた変調関数によって変調した第1の信号を、方位角面における少なくとも1つの1次元(1D)線形アレイを含む送信アンテナを介して目標物に送信し、
仰角面における1つ以上の1Dアレイで構成された受信アンテナを介して第2の信号を受信するように構成され、前記第2の信号は前記目標物から反射または後方散乱され、
前記送信アンテナは、第1のアンテナ開口を含み、
前記第1の信号の送信中は、前記第1のアンテナ開口内の少なくとも1つのアンテナ素子がx軸に沿って移動する、高度通信装置。
【請求項2】
前記受信アンテナは、受信アンテナアレイ列の数(N)に基づく数の受信経路をさらに含み、前記列の各々は、仰角面におけるサイズがMである1次元(1D)線形アレイを含む、請求項1に記載の高度通信装置。
【請求項3】
前記送信アンテナは、少なくとも2つのアンテナアレイ間の送信ビームフォーミングによりある角度および視野を指向する少なくとも1つの調整可能な垂直アンテナをさらに含む、請求項1に記載の高度通信装置。
【請求項4】
仮想アレイが、方位角面における少なくとも1つの素子と仰角面における少なくとも1つのアレイとを含む前記送信アンテナのためのアンテナパネルと、前記受信アンテナのための少なくとも1つの垂直アレイとに基づいて決定される、請求項1に記載の高度通信装置。
【請求項5】
前記仮想アレイは、少なくとも2つのアンテナアレイ間の送信ビームフォーミングによりある角度および視野を指向する少なくとも1つの調整可能な垂直アンテナのための2つ以上の送信アンテナアレイを含むように拡張され、前記仮想アレイは360度のカバレッジを提供する、請求項4に記載の高度通信装置。
【請求項6】
前記トランシーバはさらに、
前記第1のアンテナ開口を含む前記送信アンテナを用いて前記第1の信号を前記目標物に送信し、第2のアンテナ開口を含む前記受信アンテナを用いて前記第2の信号を受信するように構成され、または、
前記第2のアンテナ開口を含む前記送信アンテナを用いて前記第1の信号を前記目標物に送信し、前記第1のアンテナ開口を含む前記受信アンテナを用いて前記第2の信号を受信するように構成され、
前記第1の信号の送信中は、前記第1のアンテナ開口内の少なくとも1つのアンテナ素子がx軸に沿って移動し、前記第2の信号の受信中は、前記第2のアンテナ開口内の少なくとも1つのアンテナ素子がy軸に沿って移動する、請求項1に記載の高度通信装置。
【請求項7】
前記目標物はシングルビーム送信マルチビーム受信モードで照射され、少なくとも1つの送信ビームがシーケンシャルスキャン方式で照射され、少なくとも1つの受信ビームが同時に照射される、請求項1に記載の高度通信装置。
【請求項8】
前記デジタル回路はさらに、デジタルドメインと無線周波数(RF)ドメインとの間で信号の重み付けを実行するように構成される、請求項1に記載の高度通信装置。
【請求項9】
前記3Dイメージングセンサは、デジタルビームフォーミングを実行する前記デジタル回路と、アナログ処理回路とをさらに含み、前記デジタル回路およびアナログ処理回路は、前記3Dイメージングセンサに含まれるその他の処理回路を含むベースバンド処理回路から独立したフロントエンド回路に位置する、請求項1に記載の高度通信装置。
【請求項10】
前記3Dイメージングセンサは、デジタルビームフォーミングを実行する前記デジタル回路、アナログ処理回路、高速フーリエ変換/逆高速フーリエ変換(FFT/IFFT)回路、およびサイクリックプレフィックス(CP)除去回路をさらに含み、前記デジタ
ル回路、前記アナログ処理回路、前記FFT/IFFT回路、および前記CP除去回路は、前記3Dイメージングセンサに含まれるその他の処理回路を含むベースバンド処理回路から独立したフロントエンド回路に位置する、請求項1に記載の高度通信装置。
【請求項11】
ワイヤレス通信システムにおける高度通信装置のための方法であって、前記方法は、
多位相符号化を用い、多入力・多出力(MIMO)直交周波数分割多重(OFDM)処理に基づいて、デジタル波形を生成するステップと、
前記デジタル波形を方位角面におけるビームフォーミングを用いて処理するステップと、
前記処理したデジタル波形をアナログ波形へと予め定められた変調関数を用いて変調するステップと、
前記予め定められた変調関数によって変調した第1の信号を、方位角面における少なくとも1つの1次元(1D)線形アレイを含む送信アンテナを介して目標物に送信するステップと、
仰角面における1つ以上の1Dアレイで構成された受信アンテナを介して第2の信号を受信するステップとを含み、前記第2の信号は前記目標物から反射または後方散乱され、
前記送信アンテナは、第1のアンテナ開口を含み、
前記第1の信号の送信中に、前記第1のアンテナ開口内の少なくとも1つのアンテナ素子がx軸に沿って移動する、方法。
【請求項12】
前記受信アンテナは、受信アンテナアレイ列の数(N)に基づく数の受信経路をさらに含み、前記列の各々は、仰角面におけるサイズがMである1次元(1D)線形アレイを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記送信アンテナは、少なくとも2つのアンテナアレイ間の送信ビームフォーミングによりある角度および視野を指向する少なくとも1つの調整可能な垂直アンテナをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
仮想アレイが、方位角面における少なくとも1つの素子と仰角面における少なくとも1つのアレイとを含む前記送信アンテナのためのアンテナパネルと、前記受信アンテナのための少なくとも1つの垂直アレイとに基づいて、決定される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記仮想アレイは、少なくとも2つのアンテナアレイ間の送信ビームフォーミングによりある角度および視野を指向する少なくとも1つの調整可能な垂直アンテナのための2つ以上の送信アンテナアレイを含むように拡張され、前記仮想アレイは360度のカバレッジを提供する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1のアンテナ開口を含む前記送信アンテナを用いて前記第1の信号を前記目標物に送信し、第2のアンテナ開口を含む前記受信アンテナを用いて前記第2の信号を受信するステップ、または、
前記第2のアンテナ開口を含む前記送信アンテナを用いて前記第1の信号を前記目標物に送信し、前記第1のアンテナ開口を含む前記受信アンテナを用いて前記第2の信号を受信するステップをさらに含み、
前記第1の信号の送信中は、前記第1のアンテナ開口内の少なくとも1つのアンテナ素子がx軸に沿って移動し、前記第2の信号の受信中は、前記第2のアンテナ開口内の少なくとも1つのアンテナ素子がy軸に沿って移動する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記目標物はシングルビーム送信マルチビーム受信モードで照射され、少なくとも1つの送信ビームがシーケンシャルスキャン方式で照射され、少なくとも1つの受信ビームが同時に照射される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
デジタルドメインと無線周波数(RF)ドメインとの間における信号の重み付けを実行するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照および優先権の主張
本願は、2018年8月17日に出願された米国仮特許出願第62/719,440号に基づく優先権を主張する。上記特許文献の内容を本明細書に引用により援用する。
【0002】
技術分野
本開示は、概してアンテナアレイ設計およびビームフォーミングに関する。より具体的には、本開示は、3Dイメージング、ローカライゼーション、および測位のための合成開口アンテナアレイ設計およびビームフォーミングに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ワイヤレス通信システムにおけるアンテナアレイの設計は、たとえば3次元(3D)イメージング、ローカライゼーション、および測位においてより高い性能をもたらす最も重要な要素のうちの1つである。多入力・多出力(multiple-input multiple-output)(MIMO)に基づいた合成開口アンテナアレイは、複数のアンテナを用いて直交波形を送受信する。このような合成開口アンテナアレイおよびビームフォーミングは、レーダーおよびLidarの画像処理、産業用オートメーションのためのイメージング/測位/ローカライゼーション、ロボットビジョン、通信システムのためのローカライゼーションおよび測位、ならびに、モバイルデバイスおよび通信システムのためのアンテナアレイ設計に、適用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示は、3Dイメージング、ローカライゼーションおよび測位のための、合成開口アンテナアレイ設計およびビームフォーミングを提供する。
【0005】
ある実施形態において、ワイヤレス通信システムにおける高度通信装置が提供される。この高度通信装置は、プロセッサと、プロセッサに作動的に接続された3次元(3D)イメージングセンサとを備え、3Dイメージングセンサはデジタル回路を含み、デジタル回路は、多位相符号化を用い、多入力・多出力(MIMO)直交周波数分割多重(OFDM)処理に基づいて、デジタル波形を生成し、デジタル波形を方位角面におけるビームフォーミングを用いて処理し、処理したデジタル波形を予め定められた変調関数を用いて変調するように、構成される。ワイヤレス通信システムにおける高度通信装置はさらに、デジタル回路とプロセッサとに作動的に接続されたトランシーバを備え、トランシーバは、予め定められた変調関数によって変調した第1の信号を、方位角面における少なくとも1つの1次元(1D)線形アレイを含む送信アンテナを介して目標物に送信し、仰角面における1つ以上の1Dアレイで構成された受信アンテナを介して第2の信号を受信するように、構成され、第2の信号は目標物から反射または後方散乱される。
【0006】
もう1つの実施形態において、ワイヤレス通信システムにおける高度通信装置のための方法が提供される。この方法は、多位相符号化を用い、多入力・多出力(MIMO)直交周波数分割多重(OFDM)処理に基づいて、デジタル波形を生成するステップと、デジタル波形を方位角面におけるビームフォーミングを用いて処理するステップと、処理したデジタル波形を予め定められた変調関数を用いて変調するステップと、予め定められた変調関数によって変調した第1の信号を、方位角面における少なくとも1つの1次元(1D)線形アレイを含む送信アンテナを介して目標物に送信するステップと、仰角面における1つ以上の1Dアレイで構成された受信アンテナを介して第2の信号を受信するステップとを含み、第2の信号は目標物から反射または後方散乱される。
【0007】
当業者にとって、その他の技術的特徴は、以下の図面、説明、および請求項から直ちに明らかになるであろう。
【0008】
以下の詳細な説明を始める前に、この特許文書全体にわたって使用される特定の単語および表現の定義を述べることが好都合であろう。「結合」という用語およびその派生語は、2つ以上の要素間の何らかの直接または間接通信を意味するが、この場合、これらの要素が互いに物理的に接触しているか否かは問わない。「送信」、「受信」および「通信」という用語ならびにこれらの派生語は、直接通信および間接通信の両方を包含する。「含む」および「備える」ならびにこれらの派生語は、制限を伴うことなく、含むこと、を意味する。「または」という用語は、および/またはを意味する包括的な用語である。「~に対応付けられた」という表現およびその派生表現は、含むこと、~の中に含まれること、~と相互接続されること、含有すること、~の中に含有されること、~にまたは~と接続すること、~にまたは~と結合すること、~と通信可能であること、~と協力すること、交互に配置すること、並置すること、~に近接していること、~にまたは~と結び付けられること、有すること、~という特性を有すること、~にまたは~と関係があることなどを、意味する。「コントローラ」という用語は、少なくとも1つのオペレーションを制御する何らかのデバイス、システムまたは部分を意味する。このようなコントローラは、ハードウェアで実現されてもよく、ハードウェアおよびソフトウェアおよび/またはファームウェアの組み合わせで実現されてもよい。何らかの特定のコントローラと対応付けられる機能は、中央集中型であっても分散型であってもよく、ローカルまたはリモートを問わない。「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、アイテムのリストとともに用いられる場合、リストに含まれるアイテムのうちの1つ以上のさまざまな組み合わせを使用できることを意味し、このリストのたった1つのアイテムが必要な場合もある。たとえば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、AとB、AとC、BとC,および、AとBとC、という組み合わせのうちのいずれかを含む。
【0009】
加えて、後述のさまざまな機能は、1つ以上のコンピュータプログラムによって実現またはサポートすることが可能であり、1つ以上のコンピュータプログラムの各々は、コンピュータ読取可能プログラムコードから形成され、コンピュータ読取可能媒体において実施される。「アプリケーション」および「プログラム」という用語は、1つ以上のコンピュータプログラム、ソフトウェアコンポーネント、命令セット、手順、機能、オブジェクト、クラス、インスタンス、関連データ、または、適切なコンピュータ読取可能プログラムコードで実現するようにされたその一部を意味する。「コンピュータ読取可能プログラムコード」という表現は、ソースコード、オブジェクトコード、および実行可能コードを含む、何らかのタイプのコンピュータコードを含む。「コンピュータ読取可能媒体」という表現は、コンピュータがアクセス可能ないずれかの種類の媒体を含み、たとえば、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、またはその他いずれかのタイプのメモリなどである。「非一時的な」コンピュータ読取可能媒体は、一時的な電気信号またはその他の信号を搬送する有線、無線、光、またはその他の通信リンクを除外する。非一時的なコンピュータ読取可能媒体は、データを恒久的に保存することができる媒体およびデータを保存しその後上書きすることができる媒体、たとえば書換可能な光ディスクまたは消去可能なメモリデバイスなどを含む。
【0010】
その他の特定の単語および表現の定義は、この特許文書全体にわたって提供される。大半でなくとも多くの場合において、このような定義は、定義されたこのような単語および表現の過去の使用にも将来の使用にも適用されることを、当業者は理解するはずである。
【0011】
次に、本開示およびその利点がより完璧に理解されるよう、同様の参照番号が同様の部分を表す添付の図面とともに、以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態に係るワイヤレスネットワークの一例を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係るgNBの一例を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係るUEの一例を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る、イメージングのための2D MIMOアンテナアレイの一例を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る、2D MIMO仮想アンテナアレイを用いて方位角面により大きな開口を合成する一例を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る、2D MIMO仮想アンテナアレイを用いて方位角面により大きな開口を合成する別の例を示す図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る自動車アンテナ設計の一例を示す図である。
【
図8】本開示の実施形態に係る自動車アンテナ設計の別の例を示す図である。
【
図9】本開示の実施形態に係る仮想2D円形アンテナアレイの一例を示す図である。
【
図10】本開示の実施形態に係る自動車のイメージングレーダーの設置の一例を示す図である。
【
図11】本開示の実施形態に係る屋内設置の一例を示す図である。
【
図12】本開示の実施形態に係るファクトリーオートメーションの一例を示す図である。
【
図13】本開示の実施形態に係るビームフォーマ照射原理の一例を示す図である。
【
図14】本開示の実施形態に係るハイブリッドビームフォーミング全体の一例を示す図である。
【
図15】本開示の実施形態に係る、MIMO OFDM波形によるハイブリッドビームフォーミングの一例を示す図である。
【
図16】本開示の実施形態に係る、MIMO OFDM波形によるハイブリッドビームフォーミング実現アーキテクチャの一例を示す図である。
【
図17】本開示の実施形態に係る、2D仮想アンテナアレイによるビームフォーミング形態の一例を示す図である。
【
図18】本開示の実施形態に係る、送信ビームフォーミングの一例を示す図である。
【
図19】本開示の実施形態に係る、受信ビームフォーミングの一例を示す図である。
【
図20】本開示の実施形態に係る、M個のアンテナアレイによる受信ビームフォーミングの一例を示す図である。
【
図21】本開示の実施形態に係るマルチビーム照射およびスケジューリングの一例を示す図である。
【
図22】本開示の実施形態に係る装置の一例を示す図である。
【
図23】本開示の実施形態に係るセンサおよびアプリケーションソフトウェアの一例を示す図である。
【
図24】本開示の実施形態に係る、3Dイメージング、ローカライゼーション、および測位のための合成開口アンテナアレイ設計およびビームフォーミングの方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
以下で説明する
図1~
図24および本特許文書において本開示の原理を説明するために使用されるさまざまな実施形態は、専ら例示を目的としているのであって、決して本開示の範囲を制限すると解釈されてはならない。当業者は、本開示の原理は適切に構成された任意のシステムまたはデバイスにおいて実現し得ることを理解するであろう。
【0014】
以下の
図1~
図3は、ワイヤレス通信システムにおいて、直交周波数分割多重(OFDM)または直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信技術を用いて実現される、さまざまな実施形態を説明している。
図1~
図3の説明は、さまざまな実施形態を実現できる方法に対する物理的なまたはアーキテクチャ上の限定を暗に示すことを意図していない。本開示のさまざまな実施形態は、適切に構成された任意の通信システムにおいて実現することができる。
【0015】
図1は、本開示の実施形態に係るワイヤレスネットワークの一例を示す。
図1に示されるワイヤレスネットワークの実施形態は例示にすぎない。本開示の範囲から逸脱することなく、ワイヤレスネットワーク100の他の実施形態を使用することができる。
【0016】
図1に示されるように、ワイヤレスネットワークは、gNB101、gNB102、およびgNB103を含む。gNB101は、gNB102およびgNB103と通信する。gNB101は、インターネット、専用インターネットプロトコル(IP)ネットワーク、または他のデータネットワーク等の少なくとも1つのネットワーク130とも通信する。
【0017】
gNB102は、gNB102のカバレッジエリア120内の第1の複数のユーザ機器(UE)のために、ネットワーク130へのワイヤレスブロードバンドアクセスを提供する。第1の複数のUEは、スモールビジネス(SB)に位置し得るUE111、企業(E)に位置し得るUE112、WiFi(登録商標)ホットスポット(HS)に位置し得るUE113、第1の住宅(R)に位置し得るUE114、第2の住宅(R)に位置し得るUE115、および、携帯電話、ワイヤレスラップトップ、ワイヤレスPDAなどのようなモバイルデバイス(M)であってもよいUE116を、含む。gNB103は、gNB103のカバレッジエリア125内の第2の複数のUEのために、ネットワーク130へのワイヤレスブロードバンドアクセスを提供する。第2の複数のUEは、UE115およびUE116を含む。いくつかの実施形態において、gNB101~103のうちの1つ以上が、5G、LTE、LTE-A、WiMAX(登録商標)、WiFi、またはその他のワイヤレス通信技術を用いて、相互におよびUE111~116と通信することができる。
【0018】
ネットワークの種類に応じて、「基地局」または「BS」という用語は、送信ポイント(TP)、送受信ポイント(TRP)、拡張基地局(eNodeBもしくはeNB)、5G基地局(gNB)、マクロセル、フェムトセル、WiFiアクセスポイント(AP)、またはその他のワイヤレス対応デバイス等の、ネットワークへのワイヤレスアクセスを提供するように構成された任意の構成要素(または構成要素の集合)を意味する場合がある。基地局は、1つ以上のワイヤレス通信プロトコル、たとえば、5G 3GPP新無線インターフェイス/アクセス(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト(LTE-A)、高速パケットアクセス(HSPA)、Wi-Fi 802.11A/b/g/n/acなどに従ってワイヤレスアクセスを提供することができる。便宜上、本特許文書において、「BS」および「TRP」という用語は、遠隔端末にワイヤレスアクセスを提供するネットワークインフラストラクチャコンポーネントを意味するものとして区別なく使用される。また、ネットワークの種類に応じて、「ユーザ機器」または「UE」という用語は、「移動局」、「加入者局」、「遠隔端末」、「無線端末」、「受信ポイント」、または「ユーザデバイス」等の任意の構成要素を意味し得る。便宜上、本特許文書において、「ユーザ機器」および「UE」という用語は、UEがモバイルデバイス(携帯電話またはスマートフォン等)であるか、または通常は静止デバイス(デスクトップコンピュータまたは自動販売機等)であるかに関係なく、BSにワイヤレスアクセスする遠隔ワイヤレス機器を意味するものとして使用される。
【0019】
点線は、例示および説明の目的のためだけにほぼ円形のものとして示されているカバレッジエリア120および125のおおよその範囲を示す。カバレッジエリア120および125等のgNBに関連するカバレッジエリアは、gNBの構成ならびに自然および人工の障害物に関連する無線環境の違いに応じて、不規則な形状を含むその他の形状を有し得ることが、明確に理解されるはずである。
【0020】
以下でより詳細に説明するように、UE111~116のうちの1つ以上は、先端ワイヤレス通信システムにおけるデータおよび制御情報の受信信頼性のための回路、プログラミング、またはそれらの組み合わせを含む。ある実施形態において、gNB101~103のうちの1つ以上は、先端ワイヤレス通信システムにおける3Dイメージング、ローカライゼーション、および測位のための効率的な合成開口ンテナアレイ設計およびビームフォーミングのための回路、プログラミング、またはそれらの組み合わせを含む。
【0021】
図1はワイヤレスネットワークの一例を示すが、
図1に対してさまざまな変更を行うことができる。たとえば、ワイヤレスネットワークは、任意の数のgNBおよび任意の数のUEを任意の適切な構成で含み得る。また、gNB101は、任意の数のUEと直接通信しそれらのUEにネットワーク130へのワイヤレスブロードバンドアクセスを提供することができる。同様に、各gNB102~103は、ネットワーク130と直接通信しUEにネットワーク130への直接ワイヤレスブロードバンドアクセスを提供することができる。さらに、gNB101、102、および/または103は、外部電話網またはその他の種類のデータネットワーク等のその他のまたは追加の外部ネットワークへのアクセスを提供することができる。
【0022】
図2は、本開示の実施形態に係るgNB102の一例を示す。
図2に示されるgNB102の実施形態は、専ら例示を目的としており、
図1のgNB101および103は同一または同様の構成を有することができる。しかしながら、gNBは多種多様な構成であり、
図2は本開示の範囲をgNBの任意の特定の実装形態に限定するものではない。
【0023】
図2に示されるように、gNB102は、複数のアンテナ205a~205nと、複数のRFトランシーバ210a~210nと、送信(TX)処理回路215と、受信(RX)処理回路220とを含む。gNB102はまた、コントローラ/プロセッサ225と、メモリ230と、バックホールまたはネットワークインターフェイス235とを含む。
【0024】
RFトランシーバ210a~210nは、アンテナ205a~205nから、ネットワーク100内のUEが送信する信号等の入力RF信号を受信する。RFトランシーバ210a~210nは、入ってくるRF信号をダウンコンバートしてIFまたはベースバンド信号を生成する。IFまたはベースバンド信号はRX処理回路220に送られ、RX処理回路220は、ベースバンドまたはIF信号をフィルタリング、復号、および/またはデジタル化することにより、処理されたベースバンド信号を生成する。RX処理回路220は、さらなる処理のために、処理されたベースバンド信号をコントローラ/プロセッサ225に送信する。
【0025】
TX処理回路215は、コントローラ/プロセッサ225からアナログまたはデジタルデータ(たとえば、ボイスデータ、ウェブデータ、電子メール、または対話型ビデオゲームデータ)を受信する。TX処理回路215は、出力ベースバンドデータを符号化、多重化、および/またはデジタル化することにより、処理されたベースバンドまたはIF信号を生成する。RFトランシーバ210a~210nは、TX処理回路215から、出力する、処理されたベースバンドまたはIF信号を受信し、このベースバンドまたはIF信号を、アンテナ205a~205nを介して送信されるRF信号にアップコンバートする。
【0026】
コントローラ/プロセッサ225は、gNB102の全体的な動作を制御する1つ以上のプロセッサまたはその他の処理装置を含むことができる。たとえば、コントローラ/プロセッサ225は、周知の原理に従い、RFトランシーバ210a~210n、RX処理回路220、およびTX処理回路215による、順方向チャネル信号の受信と、逆方向チャネル信号の送信とを、制御することができる。コントローラ/プロセッサ225は、さらに高度なワイヤレス通信機能等のさらに他の機能をサポートすることも可能である。たとえば、コントローラ/プロセッサ225は、複数のアンテナ205a~205nからの出力信号に対し、これらの出力信号を所望の方向に効果的に向けるために、異なる重み付けを行う、ビームフォーミングまたは指向性ルーティング動作を、サポートすることが可能である。gNB102では、コントローラ/プロセッサ225が、多種多様なその他の機能のうちの任意の機能をサポートすることができる。
【0027】
コントローラ/プロセッサ225は、OS等の、メモリ230に常駐するプログラムおよびその他のプロセスを実行することもできる。コントローラ/プロセッサ225は、実行しているプロセスの要求に応じて、データをメモリ230に移動させるまたはデータをメモリ230から移動させることができる。
【0028】
コントローラ/プロセッサ225は、バックホールまたはネットワークインターフェイス235にも結合される。バックホールまたはネットワークインターフェイス235は、gNB102がバックホール接続またはネットワークを介してその他のデバイスまたはシステムと通信することを可能にする。インターフェイス235は、任意の適切な有線または無線接続を介する通信をサポートすることが可能である。たとえば、gNB102がセルラー通信システム(たとえば5G、LTE、またはLTE-Aをサポートするもの)の一部として実現される場合、インターフェイス235は、gNB102が、有線または無線バックホール接続を介してその他のgNBと通信できるようにすることが可能である。gNB102がアクセスポイントとして実現される場合、インターフェイス235は、gNB102が、有線もしくは無線ローカルエリアネットワークを介して、または、有線もしくはワイヤレス接続を介して、より大きなネットワーク(インターネット等)と通信できるようにすることが可能である。インターフェイス235は、イーサネット(登録商標)またはRFトランシーバ等の有線または無線接続を介した通信をサポートする任意の適切な構造を含む。
【0029】
メモリ230は、コントローラ/プロセッサ225に結合される。メモリ230の一部はRAMを含むことができ、メモリ230の別の部分はフラッシュメモリまたは他のROMを含むことができる。
【0030】
図2はgNB102の一例を示すが、
図2に対してさまざまな変更を行うことができる。たとえば、gNB102は、
図2に示される各構成要素について、任意の数の当該構成要素を含むことができる。特定の例として、アクセスポイントは、いくつかのインターフェイス235を含むことができ、コントローラ/プロセッサ225は、異なるネットワークアドレス間でデータをルーティングするためのルーティング機能をサポートすることができる。別の特定の例として、gNB102は、TX処理回路215の単一のインスタンスおよびRX処理回路220の単一のインスタンスを含むものとして示されているが、それぞれについて(RFトランシーバごとに)複数のインスタンスを含むことができる。また、
図2の各種構成要素は、組み合わせる、さらに細分化する、または省略することもでき、特定の必要性に応じてその他の構成要素を追加することもできる。
【0031】
図3は、本開示の実装形態に係るUE116の一例を示す。
図3に示されるUE116の実施形態は、専ら例示を目的としており、
図1のUE111~115は同一または同様の構成を有することができる。しかしながら、UEは多種多様な構成であり、
図3は本開示の範囲をUEの任意の特定の実装形態に限定するものではない。
【0032】
高度通信装置は、すべての機能ブロックに基づいてハイブリッドビームフォーミング動作を提供する、
図14、
図15、および
図16の送信機または受信機アレイを意味し得るものであり、
図2における基地局(BS、gNB)の一部として、または
図3におけるUEとして、実現されてもよい。
【0033】
図3に示されるように、UE116は、アンテナ305と、無線周波数(RF)トランシーバ310と、TX処理回路315と、マイク320と、受信(RX)処理回路325とを含む。UE116はまた、スピーカ330と、プロセッサ340と、入/出力(I/O)インターフェイス(IF)345と、タッチスクリーン350と、ディスプレイ355と、メモリ360とを含む。メモリ360は、オペレーティングシステム(OS)361および1つ以上のアプリケーション362を含む。
【0034】
RFトランシーバ310は、アンテナ305から、ネットワーク100のgNBにから送信される入力RF信号を受信する。RFトランシーバ310は、入力RF信号をダウンコンバートして中間周波数(IF)またはベースバンド信号を生成する。IFまたはベースバンド信号は、RX処理回路325に送られ、RX処理回路325は、ベースバンドまたはIF信号をフィルタリング、復号、および/またはデジタル化することにより、処理されたベースバンド信号を生成する。RX処理回路325は、処理されたベースバンド信号をスピーカ330(音声データ用など)に、またはさらなる処理(ウェブブラウジングデータ用など)のためにプロセッサ340に送信する。
【0035】
TX処理回路315は、マイク320からアナログまたはデジタルボイスデータを、または、プロセッサ340から他の出力ベースバンドデータ(ウェブデータ、電子メール、または対話型ビデオゲームデータ等)を受信する。TX処理回路315は、出力ベースバンドデータを符号化、多重化、および/またはデジタル化することにより、処理されたベースバンドまたはIF信号を生成する。RFトランシーバ310は、TX処理回路315から出力する、処理されたベースバンドまたはIF信号を受信し、このベースバンドまたはIF信号を、アンテナ305を介して送信されるRF信号にアップコンバートする。
【0036】
プロセッサ340は、UE116の全体的な動作を制御するために、1つ以上のプロセッサまたは他の処理装置を含みメモリ360に格納されたOS361を実行することができる。たとえば、プロセッサ340は、周知の原理に従い、RFトランシーバ310、RX処理回路325、およびTX処理回路315による、順方向チャネル信号の受信と、逆方向チャネル信号の送信とを制御することができる。いくつかの実施形態において、プロセッサ340は、少なくとも1つのマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含む。
【0037】
プロセッサ340は、ビーム管理のためのプロセス等の、メモリ360に常駐する他のプロセスおよびプログラムを実行することもできる。プロセッサ340は、実行しているプロセスの要求に応じて、データをメモリ360に移動させるまたはデータをメモリ360から移動させることができる。いくつかの実施形態において、プロセッサ340は、OS361に基づいて、またはgNBもしくはオペレータから受信した信号に応答して、アプリケーション362を実行するように構成される。プロセッサ340は、I/Oインターフェイス345にも結合され、I/Oインターフェイス345は、UE116に、ラップトップコンピュータおよびハンドヘルドコンピュータ等の他のデバイスに接続する機能を提供する。I/Oインターフェイス345は、これらのアクセサリとプロセッサ340との間の通信経路である。
【0038】
プロセッサ340は、タッチスクリーン350およびディスプレイ355にも結合される。UE116のオペレータは、タッチスクリーン350を使用してUE116にデータを入力することができる。ディスプレイ355は、液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、またはウェブサイトなどからのテキストおよび/または少なくとも限定されたグラフィックをレンダリングすることができる他のディスプレイであってもよい。
【0039】
メモリ360はプロセッサ340に結合される。メモリ360の一部は、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができ、メモリ360の別の部分は、フラッシュメモリまたは他の読出専用メモリ(ROM)を含むことができる。
【0040】
図3はUE116の一例を示すが、
図3に対してさまざまな変更を行うことができる。たとえば、
図3の各種構成要素は、組み合わせる、さらに細分化する、または省略することもでき、特定の必要性に応じてその他の構成要素を追加することもできる。特定の例として、プロセッサ340は、1つ以上の中央処理装置(CPU)および1つ以上のグラフィック処理装置(GPU)のような、複数のプロセッサに分割することが可能である。また、
図3は、携帯電話またはスマートフォンとして構成されたUE116を示すが、UEは、他のタイプのモバイルデバイスまたは静止デバイスとして動作するように構成されてもよい。
【0041】
レーダーは、防衛および自動車の用途において使用される。これらのシステムは、依然としてアナログ波形および回路に依存して反射信号を得て処理することにより、空間情報およびドップラー情報を得る。
【0042】
本開示の実施形態は、高分解能デジタルレーダーにおける、アナログデジタル変換/デジタルアナログ変換(ADC/DAC)、アナログ処理の複雑さ、および消費電力を、大帯域幅という要件のために、検討しなければならないことを、認識し考慮する。具体的には、ADCは受信機において最も消費電力が大きいブロックであるので、省電力対策が必要である。さらに、システムの実装のための複雑さも要求される。従来のレーダーシステム、たとえば高分解能イメージングレーダーでは、高分解能を得るために多数のアンテナ素子が必要であり、そのため、ハードウェアコストおよび消費電力が要求される。
【0043】
本開示のさまざまな実施形態は、必要とされる物理チャネルの数を低減することにより、特に自動車用途において必要とされる複雑さおよび消費電力を著しく低減することができる、フロントエンドにおける広帯域アナログビームフォーミングを用いたハイブリッドビームフォーミングの手法を提供する。
【0044】
本開示のさまざまな実施形態は、(たとえばOFDMに基づく)デジタル波形を使用して3D(x,y,z)のポイントクラウドおよびドップラー情報を示すことができる、4Dイメージングレーダーを提供する。本開示のさまざまな実施形態は、全デジタル処理を提供することにより、アーティファクトのない、高解像度で干渉に強い画像を提供する。
【0045】
本開示のさまざまな実施形態は、従来の自動車用レーダーとは異なり、近接場および遠方場を同時にイメージングすることを可能にする技術を提供する。
【0046】
本開示のさまざまな実施形態は、分解能を保ちつつ物理チャネルの数を大幅に低減し得る、仮想化された受信機アンテナ設計および処理を用いる2D MIMOアンテナ(たとえばMIMO、2D仮想MIMO)を提供する。
【0047】
本開示のさまざまな実施形態は、物体の速度が制限される屋内用途のために、送信機/受信機を物理的に移動させつつ大きな開口を合成する単一の(または少数の)送受信アンテナペアを提供するが、本開示のさまざまな実施形態は、イメージングシステムのハードウェア要件を低く保つことができる。
【0048】
本開示のさまざまな実施形態は、大きなアンテナ開口サイズを必要とするLidar等の光学システムと同様の分解能を有する高分解能レーダーを提供する。
【0049】
本開示のさまざまな実施形態は、大きなアレイサイズに対して機能することができる、フロントエンドモジュール(たとえば回路)とベースバンド処理モジュール(たとえば回路)との間のデジタルインターフェイスを可能にする、処理アーキテクチャ、ハイブリッドビームフォーミング、および、2D仮想MIMOを提供する。一例において、アンテナアレイはバンパーの幅または窓の幅に及ぶ。
【0050】
図4は、本開示の実施形態に係る、イメージングのための2D仮想MIMOアンテナアレイ400の一例を示す。
図4に示されるイメージングのための2D仮想アンテナアレイ400の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図4は、本開示の範囲を任意の特定の実装形態に限定するものではない。
【0051】
図4に示されるように、イメージングのための2D仮想MIMOアンテナアレイは、送信(Tx)アンテナ402と、受信(Rx)アンテナ404と、2D MIMOアンテナ406とを含む。送信機では、1次元(1D)線形アレイを用いた方位角面(Azimuth)ビームフォーミングが実行され、方位角面においてシーケンシャルスキャンが実行される。受信機では、垂直分解能のための垂直ビームフォーミングが実行される。
図4に示されるように、64個のチャネル到来角(AoA)アンテナが設けられる。
【0052】
一実施形態において、2D仮想アンテナアレイは、MIMOアンテナアレイ(たとえば2/4/8直交チャネル)を使用することができる。先に述べたように、2D仮想アンテナアレイは、たとえば、N2個の経路から2N個の経路への削減(たとえばトランシーバにおけるADC/DACの数が少なく消費電力が小さい)、アンテナサイズ削減およびアンテナ設計、ならびにDAC/ADC、IFおよび消費電力のための回路の関連する削減という、利点を有することができる。
【0053】
図5は、本開示の実施形態に係る、2D MIMO仮想アンテナアレイ500を用いて方位角面においてより大きな開口を合成する例を示す。
図5に示されるように、送信アンテナ502は方位角方向の1Dアレイであり、受信アンテナアレイ504は、複数のN個のアンテナ列アレイを備え、これは、M個のアンテナ素子を有する1Dアンテナアレイを含む(たとえば合成アンテナアレイ506)。
図5に示される方位角面においてより大きな開口を合成する実施形態500は、専ら例示を目的としている。
図5は、本開示の範囲を任意の特定の実装形態に限定するものではない。送信アンテナアレイおよび受信アンテナアレイは、
図5に示されるようにモノスタティックレーダーにおいて同一場所にあってもよく、またはバイスタティックレーダーにおいて同じターゲットエリアを照射するが異なる場所にあってもよい。一例では、Rxアンテナ504間の距離は4λであるが、他の距離が使用されてもよい。一例では、Txアンテナアレイ502間の距離は0.5λであるが、他の距離が使用されてもよい。
【0054】
図6は、本開示の実施形態に係る、2D MIMO仮想アンテナアレイ600を用いて方位角面に大きな開口を合成する別の例を示す。
図6に示される方位角面に大きな開口を合成する実施形態600は、例示にすぎない。
図6は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。送信アンテナアレイおよび受信アンテナアレイは、
図6に示されるようにモノスタティックレーダーにおいて同一場所にあってもよく、またはバイスタティックレーダーにおいて同じターゲットエリアを照射するが異なる場所にあってもよい。
【0055】
図5および
図6は、本開示に係る、方位角面においてより大きな開口を合成する例を示す。
図5に示されるように、送信経路の数は、M
2NからM+MNに削減される。Mはアンテナアレイサイズであり、NはRxアンテナ列の数である。たとえば、M=8およびN=4の場合、320個の経路が40個の経路に削減され(たとえば88%の節約)、M=8およびN=8の場合、512個の経路が72個の経路に削減される(たとえば86%の節約)。
図6に示されるように、方位角面におけるより大きな開口の合成は、Txアンテナ602と、Rxアンテナ604と、合成アンテナアレイ606とを含む。一例では、Rxアンテナ604間の距離は4λであるが、他の距離が使用されてもよい。一例では、Txアンテナアレイ602間の距離は0.5λであるが、他の距離が使用されてもよい。
【0056】
図6に示されるように、方位角面におけるより大きな開口の合成は、2つのアンテナアレイ間の送信ビームフォーミングにより、調整可能な垂直アンテナポインティング角および視野を提供することができる。たとえば、参照番号608で示される2つのTxアンテナアレイがある。
【0057】
図7は、本開示の実施形態に係る自動車アンテナ設計の一例700を示す。
図7に示される自動車アンテナ設計700の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図7は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
図7に示されるように、自動車アンテナ設計700は、Txアンテナ702と、Rxアンテナ704と、バックミラー706とを備える。一例では、Txアンテナは、垂直アレイにおいて32個の素子を有し、水平アレイにおいて64個の素子を有することができる。このような例では、水平アレイ幅は124.8mmとすることができ、他の例では他の幅とすることができる。このような例では、垂直アレイ幅は62.4mmとすることができ、他の例では他の幅とすることができる。
【0058】
図8は、本開示の実施形態に係る自動車アンテナ設計の別の例800を示す。
図8に示される自動車アンテナ設計800の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図8は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。一例では、Txアンテナは、2組のアレイ素子を有していてもよい。一例では、水平の各組は128個の素子を含んでいてもよく、垂直の各組は64個の素子を含んでいてもよい。他の実施形態において、他の数の素子が使用されてもよい。このような例では、水平アレイ幅は、両方の組について合計249.6mmとすることができ、他の例では他の幅とすることができる。このような例では、垂直アレイ幅は124.8mmとすることができ、他の例では他の幅とすることができる。
【0059】
図7には、たとえば77GHzの自動車アンテナ設計に対する、64×32仮想アレイが示されている。
図7に示されるように、64×32仮想アレイは、方位角面の64個の素子および仰角面(elevation)の64個の素子を含むTxアンテナパネルと、2つの垂直Rxアレイとを含む。
図8に示されるように、自動車アンテナ設計800は、Txアンテナ802と、Rxアンテナ804と、バンパー806と、バンパーカバー808とを備える。
【0060】
図8には、たとえば77GHzの自動車アンテナ設計に対する、1024×64仮想アレイが示されている。
図8に示されるように、1024×64仮想アレイは、方位角面の128個の素子を含むTxアンテナパネルと、仰角面の64個の素子を含む8個の垂直Rxアレイとを含む。高さのRx用の8個の垂直アレイとを含む。
図8に示される1024×64仮想アレイは、調整可能な垂直アンテナポインティング角および視野のために2つ以上のTxアンテナアレイ(行)を含むように拡張することができる。本明細書で使用される、M個の素子は水平要素とすることができ、Nは垂直要素である。
【0061】
図9は、本開示の実施形態に係る仮想2D円形アンテナアレイの一例900を示す。
図9に示される仮想2D円形アンテナアレイ900の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図9は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
図9に示されるように、仮想2D円形アンテナアレイ900は、M個のTx素子902とN個のRx素子904とを含む。
【0062】
図9に示されるように、ポール、ランプポスト、およびルーフトップ設備を含む一組の構成906は、360度のカバレッジを実現できる。
【0063】
図10は、本開示の実施形態に係るイメージングレーダー1000の自動車設置の一例を示す。
図10に示されるイメージングレーダー1000の自動車設置の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図10は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0064】
図10に示されるように、自動車という目的に対し、ルーフトップへのイメージングレーダー1002の設置について、複数のオプションを提供することができる。
【0065】
図11は、本開示の実施形態に係る屋内設置の一例1100を示す。
図11に示される屋内設置1100の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図11は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0066】
図12は、本開示の実施形態に係るファクトリーオートメーションの一例1200を示す。
図12に示されるファクトリーオートメーション1200の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図12は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
図12では、Txアンテナ1202が送信中に移動しRxアンテナ1204が受信中に移動するのに伴い、システムは、Txアンテナ素子の位置ごとに、形状全体を掃引する。
【0067】
図11に示されるように、アンテナは、屋内設置、ファクトリーオートメーション、およびマッピングアプリケーションのために、たとえば2つの角に沿って矩形の配置で設置することができる。
図11に示されるように、送信は、アンテナアレイ1 1106を備える送信(Tx)アンテナ1102を使用して実行され、受信は、ターゲットエリアを照射しながら、アンテナアレイ2 1108を備える受信(Rx)アンテナ1104を使用して実行される。
【0068】
一実施形態において、送信は、アンテナ開口2を備える送信(Tx)アンテナを使用して実行され、受信は、アンテナ開口1を備える受信(Rx)アンテナを使用して実行される。
【0069】
別の実施形態において、送信は、アンテナ開口1を備える送信(Tx)アンテナを使用して実行され、受信は、アンテナ開口2を備える受信(Rx)アンテナを使用して実行される。
【0070】
図12に示されるように、1開口当たり少なくとも1つのアンテナ素子を実現することができる。一実施形態において、開口1のアンテナ素子は、室内で物体を照射する信号を送信しながらx軸に沿って移動する。そのような実施形態において、各アンテナ素子の信号は、
図18、
図19および
図20に示されるビームフォーミングの式に従って重み付けされ、本開示によって与えられる大きな2Dアンテナ開口を合成する。
図12に示されるように、送信は、アンテナアレイ1 1206を備える送信(Tx)アンテナ1202を使用して実行され、受信は、ターゲットエリアを照射しながらアンテナアレイ2 1208を備える受信(Rx)アンテナ1204を使用して実行される。
【0071】
一実施形態において、開口1の各アンテナ素子位置について、開口2のアンテナ素子は、目標物から反射された信号を受信する間にy軸に沿って移動する。そのような実施形態において、各アンテナ素子の信号は、本開示によって与えられる、
図18、
図19および
図20に示されるビームフォーミングの式に従って重み付けされる。そのような実施形態において、開口1の各アンテナ位置からの送信ごとに、開口2の各アンテナ素子位置の各々からの受信は、アンテナ素子をy軸に沿って順次移動させることによって実行される。このプロセスは、開口1の各アンテナ位置について繰り返される。
【0072】
図13は、本開示の実施形態に係るビームフォーマ照射原理の一例1300を示す。
図13に示されるビームフォーマ照射原理1300の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図13は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0073】
図13に示されるように、ターゲットシーンは、シングルビーム送信マルチビーム受信モードで照射される。シングルビームマルチビーム受信モードでは、送信ビーム1302は、送信機においてシーケンシャルスキャン方式で照射され、受信ビーム1304は、受信機において同時に照射される。受信機は、送信スキャンごとに、複数のビームから同時に反射および散乱信号を受信する。このモードでは、ターゲットエリアの複数のポイントからの反射が収集される。送信機は、複数の照射のための複数のビームを同時に形成することができ、複数のビームの各ビームは、多位相符号化を提供する直交多位相符号で生成された波形のうちの1つを送信する。
【0074】
以下において、高度通信装置は、
図14、
図15、および
図16を参照して、
図14、
図15、および
図16に記載されるすべての機能ブロックに基づいてハイブリッドビームフォーミング動作を提供することができる。加えて、
図14、
図15、および
図16は、
図2および
図3において、ユーザ機器(UE)または基地局(BS、gNB)の例のうちの1つとして実現することができる。
図14、
図15および
図16に記載されるような送信アンテナアレイおよび受信アンテナアレイ(
図2の210a、210b、210nおよび
図3の310にも示されている)を含む高度通信装置は、
図23に図示されるような3Dイメージングセンサをさらに含む。
【0075】
図14は、本開示の実施形態に係る、ハイブリッドビームフォーミング全体1400を有する3Dイメージングセンサの一例を示す。
図14に示されるハイブリッドビームフォーミング装置1400の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図14は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0076】
ブロック1402において、バイナリPNシーケンスまたは多位相シーケンスが生成される。ブロック1404において、このシーケンスはデジタル変調される。変調器は、ブロック1402において実行され、変調は、BPSK、QPSK、OOK、ASK、FSK、PPM、PSK、OFDM、およびDPSK変調器のうちの1つである。ブロック1406において、変調信号は、
図18に示される式に従ってデジタルビームフォーミングされる。ブロック1408において、信号は、IFおよびADCによってアナログ信号に変換される。アナログ信号は、ブロック1410においてアナログシフタによってビームフォーミングされ、ブロック1412において、搬送波周波数にアップコンバートされ、放射アンテナによって送信される。
【0077】
反射され後方散乱された信号は、ブロック1414において、受信アンテナにおいて物体1413から受信される。ブロック1416において、アナログ信号が受信機アナログ位相シフタによってビームフォーミングされる。ブロック1418において、信号はIFおよびDACによってダウンコンバートされ、デジタル信号に変換される。ブロック1420において、デジタル信号は、
図19および
図20に示される式に従ってデジタルビームフォーミングされる。ブロック1422において、デジタル画像形成アルゴリズムによって4D画像が生成される。1424において、生成された画像は、検出および追跡のために後処理される。
【0078】
図14に示されるように、3D画像センサのハイブリッドビームフォーマ回路は、シーケンス生成ブロックと、変調ブロックと、デジタルビームフォーミング(BF)ブロックと、中間周波数(IF)/デジタルアナログ変換(DAC)ブロックと、アナログBFブロックとを備える。
図14に示されるように、組み合わされたデジタルおよびアナログビームフォーマは、式1によって与えられる2つの部分に分割される広帯域プリコーディング(Wi)として説明される。
【0079】
W1=WDTWA 式(1)
式中、WAは、アンテナサブアレイ内のアナログビームフォーミングであり、WDは、デジタルビームフォーミングマトリックスアナログサブアレイであり、T:D/A、IF/RFである。
【0080】
図15は、本開示の実装形態に係る、MIMO OFDM波形1500(たとえば3Dイメージングセンサ)を用いたハイブリッドビームフォーミングの一例を示す。
図15に示されるMIMO OFDM波形を用いるハイブリッドビームフォーミング1500の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図15は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0081】
ブロック1502において、1つ以上のバイナリPNシーケンスまたは多位相シーケンスが生成される。ブロック1504において、このシーケンスはMIMO処理される。ブロック1506において、MIMO処理された信号がIFFTによって処理され、CPが追加される。ブロック1508において、信号は、
図18に示される式に従ってデジタルビームフォーミングされる。ブロック1510において、信号は、IFおよびADCによってアナログ信号に変換される。アナログ信号はブロック1512においてアナログ位相シフタによってビームフォーミングされ、これは搬送波周波数にアップコンバートされ、放射アンテナ1513によって送信される。
【0082】
反射され後方散乱された信号は、受信アンテナ1515において物体1514から受信される。ブロック1516において、アナログ信号は、受信機アナログ位相シフタによってビームフォーミングされる。ブロック1518において、信号はIFおよびDACによってダウンコンバートされ、デジタル信号に変換される。ブロック1520において、デジタル信号は、
図19および
図20に示される式に従ってデジタルビームフォーミングされる。ブロック1522において、CPが除去され、信号はIFFTによって処理される。ブロック1524において、デジタル画像形成アルゴリズムによって4D画像が生成される。1526において、生成された画像は、検出および追跡のために後処理される。
【0083】
図15に示されるように、OFDM波形を用いるハイブリッドビームフォーマ回路(たとえば3Dイメージングセンサ)は、シーケンス生成ブロックと、変調ブロックと、リソース素子(RE)マッピングブロックと、逆高速フーリエ変換/サイクリックプレフィックス(IFFT/CP)ブロックと、デジタルBFブロックと、IF/DACブロックと、アナログBFブロックとを備える。
図15に示されるように、広帯域プリコーディング(W
1)が決定されるときの、組み合わされたデジタルおよびアナログの結合ビームフォーマについて説明する。そのような場合、広帯域プリコーディング(W
1)は、式(2)によって与えられる2つの部分に分割される。
【0084】
W1=WDTWA 式(2)
式中、WAはアンテナサブアレイ内のアナログビームフォーミングであり、WDは、デジタルビームフォーミングマトリックスアナログサブアレイであり、T:D/A,IF/RFである。
【0085】
図16は、本開示の実施形態に係る、MIMO OFDM波形を用いるハイブリッドビームフォーミング実装形態のアーキテクチャ1600(たとえば3Dイメージングセンサ)を示す。
図16に示されるMIMO OFDM波形を用いるハイブリッドビームフォーミング1600の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図16は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0086】
ブロック1602において、1つ以上のバイナリPNシーケンスまたは多位相シーケンスが生成される。ブロック1604において、シーケンスはMIMO処理される。ブロック1606において、MEMO処理された信号がIFFTによって処理され、CPが追加される。ブロック1608において、信号は、
図18に示される式に従ってデジタルビームフォーミングされる。ブロック1610において、信号は、IFおよびADCによってアナログ信号に変換される。アナログ信号は、ブロック1612においてアナログ移相シフタによってビームフォーミングされ、これは、搬送波周波数にアップコンバートされ、放射アンテナ1613によって送信される。
【0087】
反射され後方散乱された信号は、受信アンテナ1615において物体1614から受信される。ブロック1616において、アナログ信号は、受信機アナログ移相シフタによってビームフォーミングされる。ブロック1618において、信号はIFおよびDACによってダウンコンバートされ、デジタル信号に変換される。ブロック1620において、デジタル信号は、
図19および
図20に示される式に従ってデジタルビームフォーミングされる。ブロック1622において、CPが除去され、信号がIFFTによって処理される。ブロック1624において、デジタル画像形成アルゴリズムによって4D画像が生成される。1526において、生成された画像は、検出および追跡のために後処理される。
【0088】
図16に示されるように、フロントエンド処理およびベースバンド処理のための分割実装形態のアーキテクチャが、たとえば3Dイメージングセンサのために提供される。フロントエンドトランシーバおよびベースバンド処理は、2つのチップに分割されてもよい。フロントエンドブロックは、アナログビームフォーマ、IF/ADC、およびDACを含む。ベースバンドプロセッサは、信号処理を含む。複数のオプションが、フロントエンドモジュール(たとえば回路)とベースバンドプロセッサとの間の分割実装形態のアーキテクチャについて、定められる。
【0089】
オプションAの一実施形態において、アナログビームフォーミングおよびIF/ADC&DAC機能がフロントエンドブロックに存在する一方で、すべてのデジタル処理はベースバンド処理ブロックに存在する。
【0090】
オプションBの別の実施形態において、アナログ処理およびデジタルビームフォーミングはフロントエンドブロックに存在し、残りの処理はベースバンド処理ブロックに存在する。
【0091】
オプションCのさらに別の実施形態において、アナログ処理、デジタルビームフォーミング、FFT/IFFT、およびCP除去は、フロントエンドブロックに存在する。さらに、レンジ処理等のレーダー信号処理をフロントエンドブロックに含めたものを提供することもできる。フロントエンドモジュールに統合される処理が多くなると、インターフェイスに対するリアルタイムデータ転送要件は減少する。
【0092】
図17は、本開示の実施形態に係る、2D仮想アンテナアレイ1700を用いるビームフォーミングのある形態を示す。
図17に示される仮想アンテナアレイ1700を用いるビームフォーミングの実施形態は、専ら例示を目的としている。
図17は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0093】
図17に示されるように、2D仮想アンテナアレイを用いるビームフォーミングの一例の形態が提供される。送信アンテナアレイは、アンテナアレイを形成する、方位角方向に距離d
xだけ隔てられているM個の送信アンテナ素子からなる2つの行を含む。2つの行アレイは互いに平行であり、2つの行アレイ間の距離はL
xである。受信アンテナアレイは、アンテナアレイを形成する、高さ方向において距離d
xだけ隔てられているN個の受信アンテナ素子からなる2つの行を含む。
【0094】
2つの列アレイは互いに平行であり、2つの列アレイ間の距離はLzである。ビームフォーマはターゲットaを(r,φ,θ)で照射し、rはターゲットまでの距離であり、φおよびθは方位角面および仰角面におけるビームフォーミング角である。送信アンテナアレイおよび受信アンテナは、同じターゲットシーンを照射する限り、同一場所に置く必要はない。
【0095】
図17に示されるように、2D仮想アンテナアレイを用いるビームフォーミングは、M個のTx素子アレイ1704を有する1つ以上のアンテナアレイおよびN個のRx素子1706を有する1つ以上のアンテナアレイを使用して実行される。
【0096】
図18は、本開示の実施形態に係る送信ビームフォーミングの一例1800を示す。
図18に示される送信ビームフォーミング1800の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図18は、本開示のタイヤ範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0097】
図18に示されるように、Txビームフォーミング回路1800は、複数のベースバンド信号入力1801と、複数のTxアンテナアレイに接続されたIF/DACブロックとを含み、Txアンテナアレイは、2行のM素子アンテナアレイから構成される(M,2)素子を有する。
図18では、デジタルビームフォーマを有する単純なアンテナアレイを考慮すると仮定されている。
図1800は、2組のM個素子アンテナアレイを用いる送信ビームフォーミングを示す。ブロック1810は、ベースバンドにおけるM素子アンテナアレイの第1行に対する送信ビームフォーミングのための信号処理を示す。ブロック1820は、ベースバンドにおけるM素子アンテナアレイの第2行に対する送信ビームフォーミングのための信号処理を示す。アンテナアレイのm番目の素子およびn番目の行のベースバンド信号は、アポダイゼーションファクタa
mnおよび位相e
-jψmnで乗算される。DAC1830の後、2M信号経路は、アップコンバートおよび送信のために2Mアンテナポート1840にマッピングされる。
【0098】
【0099】
図19は、本開示の実施形態に係る、受信ビームフォーミングの一例1900を示す。
図19に示される受信ビームフォーミング1900の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図19は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0100】
図19に示されるように、Rxビームフォーミング回路1900は、N素子アンテナアレイの2列から構成される複数のRxアンテナアレイ(N,2)と、ベースバンド信号1950を生成するために加算される複数の出力信号を含むIF/ADCブロックとを含む。
【0101】
図19に示されるように、デジタルビームフォーマを有する単純なアンテナアレイを提供すると仮定する。
図19は、2組のN素子アンテナアレイを用いる受信機ビームフォーミングを示す。受信機アンテナ素子1910およびADC1920からの受信後、2Nの信号はベースバンド回路で処理される。ブロック1930は、ベースバンド回路内のN素子アンテナアレイの第1列のための受信機ビームフォーミング処理を示す。ブロック1940は、ベースバンド回路内のN素子アンテナアレイの第1列のための受信機ビームフォーミング処理を示す。アンテナアレイのn番目の素子およびm番目の列のベースバンド信号は、アポダイゼーションファクタa
mnおよび位相e
-jψmnで乗算される。
【0102】
【0103】
図20は、本開示の実施形態に係る、Mアンテナアレイ2000を用いる受信ビームフォーミングの一例を示す。
図20に示されるMアンテナアレイ2000を用いる受信ビームフォーミングの実施形態は、専ら例示を目的としている。
図20は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0104】
図20は、本開示に係る、N素子アンテナアレイのM個の列から構成される、M個のアンテナアレイ2000を用いる例示的な受信ビームフォーミングを示す。
【0105】
図20に示されるように、M個のアンテナアレイ回路を用いるRxビームフォーミングは、複数のRxアンテナアレイ(N,M)と、ベースバンド信号2050を生成するために加算される複数の出力信号を含むIF/ADCブロックとを含む。
図20では、デジタルビームフォーマを有する単純なアンテナアレイが提供されると仮定する。
図20は、M組のN素子アンテナアレイを用いる受信機ビームフォーミングを示す。受信機アンテナ素子2010およびADC2020からの受信後、MN信号はベースバンド回路で処理される。ブロック2030は、ベースバンド回路におけるN素子アンテナアレイの第2列に対する受信機ビームフォーミング処理を示す。ブロック2040は、N素子アンテナアレイの(M-1)番目の列のための受信機ビームフォーミング処理を示す。アンテナアレイのn番目の素子およびm番目の列に対するベースバンド信号は、アポダイゼーションファクタa
mnおよび位相e
-jψmnで乗算される。
【0106】
【0107】
図21は、本開示の実施形態に係る、マルチビーム照射およびスケジューリングの一例2100を示す。
図21に示されるマルチビーム照射およびスケジューリング2100の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図21は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0108】
図21は、本開示に係る、MIMO/ビームフォーミングレーダーにおけるマルチビーム照射のビームフットプリントの一例を示す。
【0109】
図21に示されるように、マルチビーム照射およびスケジューリングは、仰角面および方位角面において決定される。
図21に示されるように、Txにおける方位角面のマルチビーム照射は、デジタルビームフォーマまたはバトラーマトリクスで実現される。
図20に示されるように、実際には、2、4、またはそれ以上の同時ビームが照射される。
図21に示されるように、マルチビーム照射およびスケジューリングは、ターゲットシーン2102およびアンテナ2104を含む。
【0110】
受信器プロセスは、複数の方位角および仰角に対して同時に実行される。そのような場合、受信機は、仰角面における視野(FoV)全体を処理することができる。
図21に示されるように、ビームスケジューリングは、構成パラメータに基づいて、方位角および/または仰角を決定する。そのような場合、ビームスケジューリングは、たとえば、ある領域内のオブジェクトの追跡に基づいて動的に調整することができる。
【0111】
図20に示されるように、送信機では、同じルートシーケンスから生成された直交シーケンスが各送信ビームにマッピングされる。送信ビームは、方位角方向のビームフォーミングによって生成され、そのアンテナフットプリントにおいてターゲットシーン全体を照射しながら方位角方向に狭いビームをもたらす。受信機ビームは、仰角方向にアンテナアレイによって生成され、仰角面においてに狭いビームをもたらす。仮想受信アレイのためのデジタルビームフォーミングは、方位角面において狭いビームを生成し、方位角分解能を改善する。
【0112】
図22は、本開示の実施形態に係る装置の一例2200を示す。
図22に示される装置2200の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図22は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0113】
図22に示されるように、装置は、モデム、ミリメートル(mm)波イメージングセンサ2202と、先端ドライバ支援システム/自動車両(ADAS/AV)中央プロセッサ2204とを備える。ADAS/AV中央プロセッサは、イーサネット2226等のネットワークを介してmm波イメージングセンサに接続されてもよい。
【0114】
ADAS/AV中央プロセッサ2204はさらに、mm波イメージングセンサ2202に接続されたモデム2248(たとえば5GモデムUu/C-V2X)に接続される。ADAS/AV中央プロセッサ2204は、ディスプレイ2250および/または少なくとも1つの周辺デバイスを含むコンピュータ2254(たとえば端末、デバイスなど)に接続されてもよい。ADAS/AVはさらに、外部のデバイスおよび/または物体(たとえば車両)において実現し得る別のプロセッサ2252(たとえばコントローラ)に接続されてもよい。
【0115】
この装置のmm波イメージングセンサは、アンテナアレイ2207を含むアンテナブロック2206と、フィルタ2210、電力増幅器(PA)2212、低雑音増幅器(LNA)2214、アナログデジタル変換器/デジタルアナログ変換器(ADC/DAV)2216、およびデジタルビームフォーミング(BF)2218を含むトランシーバブロック2209と、3Dイメージングモデム2220、コア後処理センサ融合2222、およびカメラ2224を含むシステムオンチップ(SoC)ブロック2208とを備える。
【0116】
この装置のADAS/AV中央プロセッサ2204は、画像処理ブロック2228、中央処理ユニット(CPU)2230、グラフィック処理ユニット(GPU)コンピュータビジョン/機械学習(ML)2232、内部メモリ2234、ファブリック2236、ビデオコーデックH.264 2242、接続性コントローラエリアネットワーク(CAN)/SARイーサネット2238、セキュリティブロック2240、外部メモリインターフェイス2244、およびシステム制御ブロック2246を、含む。
【0117】
図23は、本開示の実施形態に係るセンサおよびアプリケーションソフトウェアの一例2300を示す。
図23に示されるセンサおよびアプリケーションソフトウェア2300の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図23は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0118】
図23に示されるように、3Dイメージングセンサ2302、3Dイメージングモデム2304、トランシーバ2306、およびアンテナアレイ2308を含む装置、ならびに、COTSハードウェア2310上に実装されるアプリケーションソフトウェアは、センサ融合、スティッチング、コンピュータビジョン、機械学習、3Dマップ生成、データ集約、およびシステム制御のために構成される。
【0119】
図24は、本開示の実施形態に係る、3Dイメージング、ローカライゼーション、および測位のための、合成開口アンテナアレイ設計およびビームフォーミングのための方法2400のフローチャートを示す。
図24に示される方法2400の実施形態は、専ら例示を目的としている。
図24は、本開示の範囲を何らかの特定の実装形態に限定するものではない。
【0120】
図24に示されるように、方法2400は、ステップ2402から始まる。方法2400は、3Dイメージングのための合成開口アンテナアレイを採用する送信機および受信機を備えるトランシーバによって実行されてもよい。
【0121】
ステップ2402において、方法は、多位相符号化、ならびにMIMOおよびOFDM処理を用いてデジタル波形を生成する。一実施形態において、3次元(3D)イメージングセンサは、多入力・多出力(MIMO)および直交周波数分割多重(OFDM)処理に基づく多位相符号化でデジタル波形を生成するように構成されたデジタル回路を備える。
【0122】
ステップ2404において、この方法は、方位角面におけるビームフォーミングを用いて波形をデジタル処理する。ビームフォーマは、デジタル、アナログ位相シフタまたはデジタルおよびアナログビームフォーミングのハイブリッドであってもよい。一実施形態において、3Dイメージングセンサは、方位角面におけるビームフォーミングを用いてデジタル波形を処理するように構成されたデジタル回路を備える。
【0123】
次に、この方法は、ステップ2406において信号を変調する。一実施形態において、3Dイメージングセンサは、予め定められた変調関数(たとえば変調技術、アナログ変調およびデジタル変調、またはそれらの組み合わせ)を使用して、処理されたデジタル波形を変調するように構成されたデジタル回路を備える。
【0124】
続いて、ステップ2408において、方法2400は、方位角面においてIDアレイを介して信号を送信する。一実施形態において、デジタル回路およびプロセッサに作動的に接続されたトランシーバは、方位角面における少なくとも1つの1次元(ID)線形アレイを備える送信アンテナを介して、予め定められた変調関数によって変調された第1の信号をターゲットオブジェクトに送信するように構成される。
【0125】
そのような実施形態において、送信アンテナはさらに、少なくとも2つのアンテナアレイ間の送信ビームフォーミングによって角度および視野を指し示す少なくとも1つの調整可能な垂直アンテナを含む。
【0126】
そのような実施形態において、仮想アレイは、方位角面における少なくとも1つの素子と、仰角面における少なくとも1つのアレイと、受信アンテナにおける少なくとも1つの垂直アレイとを含む、送信アンテナのアンテナパネルに基づいて決定される。
【0127】
そのような実施形態において、仮想アレイは、少なくとも2つのアンテナアレイ間の送信ビームフォーミングによって角度および視野を指し示す少なくとも1つの調整可能な垂直アンテナのための、2つ以上の送信アンテナアレイを含むように拡張され、仮想アレイは360度のカバレッジを提供する。
【0128】
一実施形態において、方法2400(たとえば、先端通信システムにおける3Dイメージングセンサに接続されるトランシーバ)は、第1のアンテナ開口を備える送信アンテナを使用して第1の信号を目標物に送信し、第2のアンテナ開口を備える受信アンテナを使用して第2の信号を受信する。
【0129】
別の実施形態において、方法2400(たとえば先端通信システムにおける3Dイメージングセンサに接続されるトランシーバ)は、第2のアンテナ開口を備える送信アンテナを使用して第1の信号を目標物に送信し、第1のアンテナ開口を備える受信アンテナを使用して第2の信号を受信する。
【0130】
そのような実施形態において、目標物は、シングルビーム送信マルチビーム受信モードで照射され、少なくとも1つの送信ビームはシーケンシャルスキャン方式で照射され、少なくとも1つの受信ビームは同時に照射される。
【0131】
そのような実施形態において、第1のアンテナ開口の少なくとも1つのアンテナ素子は、第1の信号を送信する間にx軸に沿って移動し、第2のアンテナ開口の少なくとも1つのアンテナ素子は、第2の信号を受信する間にy軸に沿って移動する。
【0132】
続いて、この方法は、ステップ2410において、仰角面における複数の1Dアレイから構成された受信アンテナアレイを用いて、反射または後方散乱された信号を受信する。一実施形態において、方法2400(たとえばデジタル回路およびプロセッサに作動的に接続されたトランシーバ)は、仰角面における1つ以上のIDアレイから構成された受信アンテナを介して第2の信号を受信し、第2の信号は、目標物から反射または後方散乱される。
【0133】
そのような実施形態において、受信アンテナは、複数の受信アンテナアレイ列(N)に基づくいくつかの受信経路をさらに含み、受信アンテナアレイ列の各々は、仰角面におけるサイズがMである1次元(ID)線形アレイを備える。
【0134】
一実施形態において、デジタル回路(たとえば3Dイメージング回路)はさらに、デジタルドメインと無線周波数(RF)ドメインとの間におけるハイブリッドビームフォーミング分割を実行するように構成される(たとえば
図14、
図15、および
図16に示されるデジタルビームフォーミングおよびアナログビームフォーミング)。
【0135】
一実施形態において、3Dイメージングセンサは、デジタルビームフォーミングを実行するデジタル回路と、アナログ処理回路とをさらに含み、デジタルおよびアナログ処理回路は、3Dイメージングセンサに含まれる他の処理回路を備えるベースバンド処理回路から独立したフロントエンド回路に位置する。
【0136】
別の実施形態において、3Dイメージングセンサは、デジタルビームフォーミングを実行するデジタル回路、アナログ処理回路、高速フーリエ変換/逆高速フーリエ変換(FFT/IFFT)、およびサイクリックプレフィックス(CP)除去をさらに含み、デジタルビームフォーミング、アナログ処理回路、FFT/IFFTおよび、CP除去は、3Dイメージングセンサに含まれるその他の処理回路を含むベースバンド処理回路から独立したフロントエンド回路に位置する。
【0137】
ステップ2412において、受信機は、受信機ビームフォーミングおよびOFDM/MIMO処理によって信号を処理する。最後に、この方法は、ステップ2414において、ターゲットシーンの4D画像を生成する。
【0138】
本開示を具体例としての実施形態とともに説明したが、さまざまな変更および修正が当業者に対して示唆されるであろう。本開示は、以下の特許請求の範囲に含まれるそのような変更および修正を包含することを意図している。
【0139】
本願における説明のいずれも、任意の特定の要素、ステップ、または機能が特許請求の範囲に含まれなければならない必須の要素であることを示唆するものとして読まれてはならない。特許主題の範囲は、請求項によってのみ定められる。さらに、請求項はいずれも、「~ための手段」という表現の後に分詞が続かない限り、米国特許法第112条(f)の適用を引き起こすことを意図していない。