(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】ノルディックウォーキング/ランニング/エクササイズポール
(51)【国際特許分類】
A45B 9/02 20060101AFI20240614BHJP
A63C 11/22 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A45B9/02 C
A63C11/22 C
(21)【出願番号】P 2021540331
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(86)【国際出願番号】 FI2020000001
(87)【国際公開番号】W WO2020144400
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2023-01-05
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】521305055
【氏名又は名称】クレアフォース オサケユキチュア
【氏名又は名称原語表記】CREAFORCE OY
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100221899
【氏名又は名称】高倉 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】フレドリク セルラキウス
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-0991485(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 9/02
A63C 11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノルディックウォーキング/ランニング/エクササイズポールであって、
前記ポール(3)は、ポール軸(3)に対して特定の角度(9)の柔軟性ハンドル(1,1A,1B,1C,1F,1G,1H)を備え、
前記ハンドルのハンドグリップ(1,1A,1B,1C,1D,1G,1H)、すなわち前記ハンドル(1,1A,1B,1C,1D,1G,1H)の部分(12)は、手全体(11)で握る部分を意味し
、直線状の輪郭を有するとともに歩行方向に直立位置にある前記ポール軸(3)に対して後方下向きに約45度から約60度開いた角度を形成し、大きい角度はハンドルの静止段階を表し、小さい角度はハンドルの張力が最もかかる段階を表し、
前記ハンドル(1,1A,1B,1C,1D,1G,1H)の前記部分(12)は、前記ハンドル(12)の前記ポール(3)を握った人の手(11)で腕(24)を体(27)の脇に沿って真っ直ぐに垂らし、前記ポールが後方に直線になり、先端部(4)が路面(22)に寄りかかる位置にあ
るとき、垂直線(23)に対して後方上向きに約70度から90度開いた角度を形成し、
前述の角度の前記ハンドル(1,1A,1B,1C,1F,1G,1H)は、約20~80kgという高い屈曲抵抗を持つ効率的なレバーとして機能し、前記ポール(3)の軸に下向き及び後向きの両方の高い押し出し力を発生させ、これは従来の直線ハンドルよりも大きく、
前記柔軟性ハンドル(1,1A,1B,1C,1D,1F,1G,1H)は、硬い路面を歩くときには、前記ポール(3)のスパイク(16)に対する効率的な緩衝装置としても機能し、前記ポール軸に対する前記ハンドルの角度と前記ポールの長さの両方によって押し出し方向がより鋭くなり、ポール先端部(4)に対するより効率的な路面グリップを可能に
し、
従来のハンドル(1E)を備える前記ポール(3)に、従来のハンドル(1E)の上部(14C)又は基部(14B)のいずれかに前記柔軟性ハンドル(1,1A,1B,1C,1F,1G)が固定され、
前記基部に固定することにより、前記ポール軸(3)を180度回すことなく、前記従来のハンドル(1E)から前記柔軟性ハンドルに変更可能であることを特徴とする、ノルディックウォーキング/ランニング/エクササイズポール。
【請求項2】
前記ハンドル(1,1A,1B,1D,1F,1G)の柔軟性のある曲げが、前記ハンドル自身の一体化部分(2A,29)、又は前記ハンドル(1,1B,1C,1D,1F,1G)と前記ポール軸(3)とを接合する別個の柔軟性部分(2,2B,2C)のいずれかで行われ、
前記ハンドル(1,1A,1B,1C,1B,1D,1F,1G)の前記ポールへの固定が、前記ポール軸(3)の端部(14)又は側面(14D)で、従来のハンドル(1E)の上部(14C)又は従来のハンドル(1E)の基部(14B)で実現され、
前記柔軟性ハンドル(1,1A,1B,1C,1F,1G)の手持ち部分(12)が、従来の比較的直線なハンドル(12)の形態と、前記ハンドルが手から滑り出るのを防止するとともに前記ポール軸(3)に対する屈曲止め具として作用する、後端部における幅広部(7,7A)と、を有し、
前記ポール軸(3)の先端部(16)が、少なくとも1つの鋼製スパイク(4)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のノルディックウォーキング/ランニング/エクササイズポール。
【請求項3】
前記ハンドル(1,1A,1B,1C,1F,1G)が、前記ハンドルの初期位置から前記ポール軸までずっと屈曲可能であり、
前記ハンドルの延長後端部の湾曲端部(7A)が止め具として機能し、通常のウォーキングにおいては前記屈曲(13)能力のうち約2~3cm(17)が使用されるが、前記屈曲が屈曲緩衝材としても機能するクロスカントリーランニングの坂の上り下りにおいては、屈曲長さは3倍にさえすることができるが、筋肉量を増加させるとき及び急な坂道を上るとき、前記屈曲が非常に硬く短くなることを特徴とする、請求項1
又は2に記載のノルディックウォーキング/ランニング/エクササイズポール。
【請求項4】
柔軟性部分が
、ねじりばね(2)からなり、
前記ねじりばね(2)の2つの端部(18)の一方が前記ポール軸の上部(14)、従来のハンドル(1E)の上部(14C)又は従来のハンドル(1E)の基部(14B)に固定され、
他方の端部が前記ハンドル(1D,1F,1G)の基部に固定されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のノルディックウォーキング/ランニング/エクササイズポール。
【請求項5】
ノルディックウォーキング/ランニング/エクササイズポールであって、
前記ポール(3)は、ポール軸(3)に対して特定の角度(9)の柔軟性ハンドル(1,1A,1B,1C,1F,1G,1H)を備え、
前記ハンドルのハンドグリップ(1,1A,1B,1C,1D,1G,1H)、すなわち前記ハンドル(1,1A,1B,1C,1D,1G,1H)の部分(12)は、手全体(11)で握る部分を意味し
、直線状の輪郭を有するとともに歩行方向に直立位置にある前記ポール軸(3)に対して後方下向きに約45度から約60度開いた角度を形成し、大きい角度はハンドルの静止段階を表し、小さい角度はハンドルの張力が最もかかる段階を表し、
前記ハンドル(1,1A,1B,1C,1D,1G,1H)の前記部分(12)は、前記ハンドル(12)の前記ポール(3)を握った人の手(11)で腕(24)を体(27)の脇に沿って真っ直ぐに垂らし、前記ポールが後方に直線になり、先端部(4)が路面(22)に寄りかかる位置にあ
るとき、垂直線(23)に対して後方上向きに約70度から90度開いた角度を形成し、
前述の角度の前記ハンドル(1,1A,1B,1C,1F,1G,1H)は、約20~80kgという高い屈曲抵抗を持つ効率的なレバーとして機能し、前記ポール(3)の軸に下向き及び後向きの両方の高い押し出し力を発生させ、これは従来の直線ハンドルよりも大きく、
前記柔軟性ハンドル(1,1A,1B,1C,1D,1F,1G,1H)は、硬い路面を歩くときには、前記ポール(3)のスパイク(16)に対する効率的な緩衝装置としても機能し、前記ポール軸に対する前記ハンドルの角度と前記ポールの長さの両方によって押し出し方向がより鋭くなり、ポール先端部(4)に対するより効率的な路面グリップを可能に
し、
前記ハンドル(1F,12)の後端部が、前記ハンドルの一体化された(29)柔軟性ばねとして、又は前記ハンドルに固定され、下向きに湾曲し、目的のために設計された軸心(3)部分(28)に固定される別個(51)の柔軟性ばねとして機能する湾曲部分として連続していることを特徴とする、請求項1に記載のノルディックウォーキング/ランニング/エクササイズポール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屈曲ポールを備え、屈曲ポールの屈曲は、ポール軸に対して一定の角度で柔軟に取り付けられるハンドルで実現される。
【背景技術】
【0002】
近年、ノルディックウォーキングはフィンランド国民に最も人気のある運動様式の1つとなっている。当初は従来のスキーストックが使用されていたが、時が経つにつれ、運動する人々がノルディックウォーキングを一運動様式として見出すようになり、その利点と欠点を評価することも可能になった。フィンランド人は何世紀にもわたってスキーをした経験があり、戦時中にも行われた運動様式である。何らかの欠点を見つけようとしても見つけることができない。反対にクロスカントリースキーでは、自分の体だけをカウンターウェイトとして使用し、スキーストック及びスキーが地面に柔らかい感触で触れることで、筋肉への過負荷又は損傷がクロスカントリースキーによるものではないことを保証する。
【0003】
代わりに、ノルディックウォーキングの経験から、ノルディックウォーキングが独自の特徴を持つ独自の運動様式であることを証明している。
【0004】
スキーをするとき、ポールの目的はスキーをしている人を前に押し出すことであるが、ノルディックウォーキングはスキーをするときに時折必要とされるような大きな体力を必要としないので、全体的に滑らかな体の運動様式として考えられている。ノルディックウォーキング中、上半身に異常な張力をかけるスキー時の前傾姿勢ではなく、体を正しい直立姿勢のままにするために、ウォーキング中には、ポールを体の垂直線より後ろに保ち、ポールを短く後方に押し出すように動かし、腕を後方に動かすときに腕を真っ直ぐに伸ばすのが正しいウォーキング技術である。
【0005】
ポールを体の垂直線より後ろで動かすことで、体を自然に直立姿勢に保つ。運動様式として、このポールを使った腕の振り子動作及び押し出し動作は、人間工学的に健康な方法で上半身の活動量を増加させるため、ウォーキングを全く新しいレベルまで引き上げる。
【0006】
しかし、何も悪いことがないほど良いものはないというのは、フィンランド人が愛してやまないノルディックウォーキングについてあまり言われない言葉である。それにもかかわらず、ノルディックウォーキングの先端部が特に硬い路面に当たるたびにわずかな衝撃が発生し、それが長期的には関節及び靭帯に負担をかけ、軽微な組織損傷を引き起こし、慢性炎症をもたらす可能性がある。この事実は、とりわけアレクサンダーテクニークによる科学的研究でも主張されている。
【0007】
市販のポール軸は、炭素繊維、ガラス繊維又はアルミニウムで作られており、これらの軸の中でも特にガラス繊維で作られたものは多少の柔軟性があるが、この柔軟性によって有害な振動がなくなるわけではない。BungyBumpのウォーキングポールの型には、軸が伸縮自在ものが多くあるが、下軸部分がバネを持つ上軸部分に突き出ているため、このように軸を緩衝装置(shock absorber)にしてポールの抵抗をなくす。ポールの使い方を誤ると、つまりポールが体の前の地面に当たると、緩衝装置は抵抗を犠牲にするように働き、このような場合、ポールは所望の支持を提供せず、ポールの押し出し段階で抵抗がないときに体の自然なウォーキングリズムがなくなり、腕の動きは、特に伸縮自在な屈曲を意図的に長く設計したオリジナルBungyBumpウォーキングポールの場合に、腕の連続的なポンピング動作になる。
【0008】
別の悪影響は、ポールの動作を完了するために必要な、手首を支持するポールストラップによって引き起こされる。ポールの押し出しは、体の後ろ、つまり背後で行われ、腕が真っ直ぐになるときの最後の動作が最も重要な動作である。正しく行われるとき、この動作はストラップに支持されて完全に行われ、開いた手でポールがストラップから引き戻されるとき、同時に手首関節から上に曲がる腕周りのストラップを締める。この動作を繰り返すことで少しずつ手首関節に負担をかけ、長期的には炎症反応及び痛みを引き起こすことがある。
【0009】
従来のノルディックウォーキングポールが硬すぎることで振動が発生するために、今日のノルディックウォーキングポールは、硬くて柔軟性のないポールが地面に当たり、親指に損傷を引き起こしさえするような硬い路面でのランニング又はウォーキングに特に使用するようには設計されていない。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、ポールがポール軸に対して一定の角度で柔軟性ハンドルを備えることを特徴とする解決策を提示することによって、特に硬い路面でのノルディックウォーキング及びランニングに関する問題を取り除くことである。ハンドルのハンドグリップ、つまりハンドル部分は手全体で握る部分を意味し、ポール軸に対して後方下向きに約45度から約60度開いた角度を形成し、ポール軸は好ましくは直線状の輪郭を有するとともに歩行方向に対して直立位置にあり、小さい角度はハンドルの張力がかかる位置を表し、大きい角度はハンドルの静止位置を表す。このハンドルは、ハンドルを握った手で腕を体の脇に沿って真っ直ぐに垂らしてポール軸を後方に直線状にし、ポール軸の長さが屈曲ポールに合わせて決められた長さ、すなわち人のつま先から人の最も低い海岸アーチの下まで到達する長さになったときにポール先端部が地面に寄りかかる位置にポールがあるとき、垂直線に対して後方上向きに約70度から90度開いた角度を形成する。また、上述の角度のハンドルは、20~80kgという高い屈曲抵抗を持つ効率的なレバーとして機能し、ポール軸に下向き及び後向きの両方の押し出し力を発生させ、これは従来の直線ハンドルの押し出し力よりも大きく、また、硬い路面を歩くときには、柔軟性ハンドルがポールスパイクに対する効率的な緩衝装置としても機能し、軸に対するハンドルの角度とポールの長さによってポールの路面に対する押し出し方向がより鋭くなり、屈曲ポールに対するより効率的な路面グリップを確保する。
【0011】
屈曲ポールの特異的性質の1つは、ハンドルの押し出し方向が後向き及び下向きの両方にあることによって引き起こされるスパイク及び下部の路面及び地面のグリップである。下向きに押し出す力によって、ポール先端部が効果的に路面を掴むことが確保される。ただし、このための前提条件として、屈曲ポールの長さが従来のノルディックウォーキングポールの長さよりも短くなければならない。これは、従来のノルディックウォーキングポールの適切な長さは、人がポールハンドルを手にして立つときに前腕が腕の残りの部分に対して90度の角度になるように定められるためである。屈曲ポールの長さはより短くなければならない。なぜなら、ポールの地面に対する傾斜角度が緩やかすぎると、ポール軸、すなわちスパイクが路面に対してより急な角度にある場合には、レバーとして働くハンドルを介して実現される下向きの押し出し力がなくなるからである。したがって、屈曲ポールに適していると考えられる長さは、人が直立したときに、ポールが地面から人の最も低い海岸アーチの下まで到達する長さであるように定められる。
【0012】
ポール軸に対するハンドルの角度が大きすぎる場合、例えば90度の場合、ポールは正しいポールウォーキングのための最も重要な技術的特性の1つを欠いている。
【0013】
角度が大きすぎる場合、次のようなことが起こる。押し初めの段階でハンドルを握るときに手首が好ましくない下向きの曲げ角度になり、これは手首の力が伝達しにくく、手首を疲れさせて痛みを生じさせる。
【0014】
ポールウォーキングを機能させるための最も重要な前提条件の1つは、ポールの自然な振り子動作であり、これはポール先端部が後ろの位置から動き始めるときに必要な持ち上げを提供する。ハンドルの角度が正しい場合、動き始めにハンドルがポール先端部を上向きに引っ張り、障害物がなければ、ポール先端部は路面に触れずに前方に動く。角度が大きすぎると、ポール先端部は地面から浮き上がらず、動き始めの段階で後ろに残って地面に沿って不快に引きずられる。この重要な先端部の持ち上げは、ハンドルのポール軸に対する角度に比例しており、角度が大きすぎると完全になくなる。
【0015】
ハンドルの角度が大きすぎると、先端部が持ち上げられなくなるだけでなく、振り子動作の最後に人の脚を越えて前方にポールを投げたり押したりしやすくなり、ポールの位置が斜め前方に向いてしまい、この位置からウォーキングポールで押し出し段階に入ることができない。
【0016】
しかしまた、ハンドルのポール軸に対する角度は小さすぎてはならない。この場合、ハンドルの静止位置が低すぎて手首が下向きにならず、すなわちその位置から下向きに押すことができなくなる。これは、ハンドルのレバーとしての機能がなくなり、ハンドルの機能が単純化されて従来の直線ハンドルとして機能することを意味する。ハンドルとポール軸が並んで動くとき、ハンドルの可動性が完全になくなる。柔軟性ハンドルの効率的な機能セクタは、ポール軸に対する角度が約65°と約45°との間で交互になることで正確に定めることができる。65度はハンドルの静止段階を形成し、45度は最も張力がかかる段階を形成するが、これは手首の生理学的構造に従って定められ、手首の有効な軌道を特定のセクタ内で制限する。
【0017】
ハンドルの押し出し力はハンドルの張力に比例する。ハンドルがポール軸に対して約45度の角度にあるとき、押し出し力は最も高くなる。少ない抵抗でリズミカルなウォーキング動作と良好な体調を求め、高い負荷、すなわち45~80kgで、体調の向上に加えて、特に上半身と腕の筋肉量を増やすことができる。
【0018】
従来のステッキ、すなわち杖は、ノルディックウォーキングポールよりもはるかに短く、杖のハンドルは軸に対して大きな角度をなしている。これはステッキに必要である。なぜなら、スティックが短く、手の重みとハンドルの支持が上から比較的直接的に発生するため、角度が小さすぎると所望の支持が得られないためである。最初は、スティックの動作パターンに後方への押し出しがないため、スティック先端部を後ろに持ち上げる必要はないが、代わりに、柔軟な90度の角度でステッキを体の垂直線の前に蹴り出し、そこから後方に押し出すことは不可能である。しかし、ステッキの一連の動きには後方に押し出す段階が完全ないため、ステッキをどこまでも前方に移動させることができるのである。ステッキは、前方位置まで動いた後、ステッキ先端部が体の垂直線をわずかに越えるところまで人が歩き続けるまでその位置に留まり、その時点でステッキは再び前方に動く。したがって、ステッキを使って歩くときの一連の動きはスティックを前方に動かすことのみを含み、そこから人の前進によって再び自動的に後方に動く。
【0019】
フィンランド特許出願公開第8924号(Hautala Antti)、米国特許第6491323号(Kustritz James)、米国特許第10098424号(Husted Royce)、米国特許第7445016号及び韓国特許第100991485号に5つの事例で既知の技術が提示されている。フィンランド特許出願公開第8924号では、実際の直線ハンドルの側面に指を強化するハンドプレスを固定し、ウォーキング中に指がグリップし、フィンガープレスとポール軸端部の両方に固定されたねじりばねによる抵抗で、ポール軸の方向に押し出すことができる。理論的にはこの解決策において、より小型で細いフィンガープレスをハンドルとして使用可能であるが、その唯一の目的はユーザの指を強化することであるので、特許出願にはその旨の言及はない。しかし、実際には、プレスをハンドルとして使用することはうまく機能しない。なぜなら、まず、プレスは頑丈なハンドルとして機能するにはあまりにも壊れやすく、ポール軸に対する静止角度は、指がプレス周りに快適に到達するためには約10~20度であり、これによりプレスをレバーとして使用することが完全になくなる、すなわち、屈曲ポールの全体的なアイデアであるポール軸に向かって曲げるための十分なスペースがないからである。この結果、プレスハンドルは従来のハンドルに類似の機能しかない。すなわち、ポール軸の長さ方向にしか押し出すことができない。下向きに押し出すことは不可能である。なぜなら、ポール全体が同時に下向きに交差して動き、押し出し力全体がなくなるからである。専門家はこのことを考えたに違いないが、おそらくこれが、プレスを柔軟性ハンドルとして使用するという記載が特許出願に全くない理由だろう。Kustritz Jamesの米国特許第6491323号では、ノルディックウォーキングポールは追加のハンドルを備える。その目的は、ポールに追加の長さを与え、ポールの実際のハンドル端部にヒンジ接続された追加のハンドルで、最後の押し出しを後押しすることである。この追加ハンドルは、最初の押し出し中、実際のハンドルに対して剛性かつ平行のままであるが、後方への押し出し途中で開き、最後の押し出し中、ポール軸又は実際のハンドルに対して160度に到達する開き角度を形成する。この時点で、ポールは追加ハンドルの長さだけ伸長し、スキーヤーにより長いポールプッシュを提供する。追加ハンドルは、ばねの力で自動的に初期位置に戻る。特にHautala及びKustritzによる解決策に焦点を当てたとき、本件発明、すなわち柔軟性ハンドルが、この既知の技術に照らして専門家にとって自明の解決策であり得るかどうかを推測することができる。
【0020】
両方とも追加ハンドルを有するが、いずれも押し出し及び減衰することを目的とした柔軟性ハンドルを目指していない。それぞれの方法において、両方とも機能的な解決策であり、1つは指を強化する追加ハンドルを有し、他方はヒンジの解決策でスキーヤーに対して追加の後押しを提供し、柔軟性ハンドルがその力を和らげるので、これらの機能的な解決策に基づいて、誰かが柔軟性ハンドル又は柔らかいハンドルでポールの押し出し抵抗を減衰させることを目標とした別の解決策を考える理由は理解できない。しかし、衝撃吸収性の観点からこの課題を考察するとき、この既知のBungyPumpのような技術を用いた、長手方向に屈曲する伸縮軸及び他の軸の解決策がいくつか存在する。米国特許第10098424号(Husted Royce)では、応力下で弓のように開く二分割軸の助けを借りて屈曲が行われる解決策を発明したが、この解決策は柔軟性ハンドルとは何の関係もない。
【0021】
しかし、なぜ既知の技術の中に本件の屈曲ポールに似た機能を有する屈曲ウォーキングポールを見出すことができないのかという疑問がある。なぜなら、機能的な解決策には、ポール軸に柔軟性ハンドルを取り付ける以上のものが必要だからである。ポール軸に対するハンドルの正しい固定角度と、柔軟性ポールの正しい長さ及びハンドルの形状又は設計は非常に重要であり、わずかなずれであっても、ポールを正しく機能する柔軟性ポールにする技術を完全に変えてしまう。以下では、ハンドルの特別な設計を特許請求の範囲の前に例示している。
【0022】
本件発明の屈曲ポールを成功させるために、その発明に多大な労力と多くの経験的努力が必要である2つの理由があった。第一に、本発明は新規なものであり、したがって、これまで試験されたことがない。第二に、医療分野は要求が非常に厳しく、したがって、完全に技術的に新しいウォーキングポールを作るという作業は容易ではなかった。
【0023】
例えば、既知の屈曲ノルディックウォーキングポールを作る経験的試験では、ハンドルと軸との間の角度が、ポールウォーキングをする人の手首、手及び腕の健康にとって非常に重要であることがわかった。技術的に仕様が誤ったポールを使用したため、長い距離を歩くことができなくなった。すべての関節と筋肉が痛み始め、直角に集中して最適なポールのための作業が続けられた。最終的に、最適な解決策が達成されたとき、最適な技術的解決策が非常に狭い範囲にあり、機能仕様からのわずかなずれであっても、本発明の機能的挙動に大きな影響を与え、したがってユーザにも大きな影響を与えることを確認することができた。
【0024】
これにより、本件発明が新規性を欠いておらず、先行発明が本件発明とは幾分類似した種類の部品からなっても、技術的に異なる方法で固定されている発明であるならば、当業者でさえ、誰でも本件屈曲ポールを自明の解決策として見るとは考えにくいことを述べたい。正当な理由により、技術的詳細を有するこの新しい屈曲ポールは、いかなる自明の解決策からも程遠いことを述べなければならない。
【0025】
ノルディックウォーキングポールは1970年代にフィンランドで誕生し、以来、ノルディックウォーキングポール独自の新しいアイデンティティと輪郭が熱心に探求されてきた。ノルディックウォーキングは研究され、人々にとって驚くほど包括的で健康的な運動様式であることが証明されている。従来のノルディックウォーキングポールは他のポールと違いがなく、ポール独自のアイデンティティを見つけるための闘いは40年以上にわたって続いている。専門家は、ノルディックウォーキングポールを他のポールの中で目立たせるために、ポールに改良を加えて独自のクラスに引き上げようとしてきた。電子データソースの時代になり、既知の技術を含むすべての既存のデータベースにアクセスできるようになったが、それにもかかわらず、独自の設計及びアイデンティティを持つ新しいウォーキングポールが本件発明の屈曲ポールの形状で誕生するまで40年以上かかった。
【0026】
もしこの解決策が簡単で自明であったならば、屈曲ポールは既に長い間我々のエクササイズ器具の一部であったはずである。
【0027】
米国特許第7445016号における他の解決策では、ノルディックウォーキングポールの代わりに、その角度がノルディックウォーキングポールに適していないステッキを扱っている。
【0028】
韓国特許第100991485号では、ハンドルを手で押すことで張力をかけることができ、ポールを地面から持ち上げてハンドルの張力が解放されるときにポール軸が前方に飛び、このようにしてポールの機能を容易にするという解決策を発明した。屈曲の目的は矯正ではなく、ハンドルは決してレバーとして機能しない。どちらの解決策も、ノルディックウォーキングに必要なポール軸に対するハンドルの正しい角度が不足している。言い換えれば、上記の事実に基づくと、これはノルディックウォーキングポールではなくステッキであり、したがって、その外観はノルディックウォーキングポールと比較してほとんど変わらないが、ノルディックウォーキングポールとステッキとの間の技術的に些細な、決定的な違いにより、両者のエクササイズ器具は全く異なる方法で機能する。ステッキは補助具であり、ノルディックウォーキングポールはエクササイズ及びトレーニング器具である。
【0029】
市販のノルディックウォーキングポールの基本構造は、スキーストックの構造である。ポール軸は直線状又は多少曲がっており、ポールの上端部にハンドルがあり、ハンドルには手首を支持するループ又はストラップが固定されている。地面を掴む鋼鉄製のスパイクが底端部に固定されており、硬い路面ではその上にゴム製キャップを滑らせることができる。ノルディックウォーキングポールには、スキーストックの雪かごがない。
【0030】
理解できる理由から、ノルディックウォーキングポールに見られる緩衝装置の解決策は、スキーストックでは見られない。
【0031】
今日のノルディックウォーキングポールは、ポール先端部が一般的な路面に代表される硬い路面に当たったとき、ポール軸にかかる衝撃及び振動をなくすための適切な屈曲がない。長期的には、ポールウォーキングを長年続けていくと、この振動が組織や関節に損傷を与え、慢性的な痛みに変わる可能性がある。
【0032】
上述の市販のBungyBumpによる解決策は、ポール軸に対して長手方向における吸収を提供する伸縮式緩衝装置を有し、ポールにとって重要な押し出し抵抗が完全にないため、従来のノルディックウォーキングポールとして分類されるとは考えられない。
【0033】
ノルディックウォーキングポールにおける別の欠点は、ハンドルのリストストラップであり、このストラップは、ポールウォーキングにおける力の伝達が正しく行われるよう支持し、特に重要な最後の押し出し中にストラップが締め付けられるとき、腕が背後で真っ直ぐになることが目的のときに、手首を上向きに曲げる。最後の押し出し中、リストストラップは親指の付け根で最も急な角度を形成し、これは長期的には反復運動過多損傷の原因となる可能性がある。腕を完全に真っ直ぐにすることは困難であると考えられており、ポールの重要な最後の押し出しが不完全なままになってしまうことが多い。
【0034】
しかし、冬場にハンドルを強く握りすぎると指が凍ってしまうため、長時間のウォーキング及びランニングの際にハンドルを握る指が疲れてしびれるのを避けるために、ポールのリストストラップは不可欠である。ストラップを使用するとき、押し出し中にハンドルのグリップを緩めて指を動かすことが可能であるが、前述の理由及び単に実用上の理由から、ストラップをいじることは誰にとっても快適ではない。多くの場合、ストラップを手にフィットするように適合させて締め付けるのは子供の遊びであるが、多くの場合、様々な理由から困難である。そのため、多くの人々がポールを購入せず、又はストラップなしでポールを使用する。その場合ハンドルを押し出すことで指に負担がかかり、最後の押し出しが効果的にできなくなる。
【0035】
ここに提示された発明は、ハンドルをポールに備えつけることによって生じるすべての問題を取り除くものである。このハンドルの屈曲方向は、ポールの押し出し方向に対して角度をなし、この屈曲は、伸縮式緩衝装置と同じようにはポールの押し出し抵抗に影響を与えない。ポール軸に向かって下向きに屈曲することで手首における振動及び衝撃感覚を効果的に吸収し、この屈曲によりポールを持ってランニングすることが自然に心地よいものになる。
【0036】
ハンドルは、手が握るハンドル部分が、好ましくは直線輪郭を持ち歩行方向に直立位置にあるポール軸に対して後方下向きに約45度から約65度開いた角度を形成するように実装され、より角度が大きい方がハンドルの静止位置を表している。
【0037】
ハンドルでポール先端部を効果的に持ち上げるためには、体の後ろで振り子動作が始まるときに、ポール軸とハンドルの上端部との間の距離をできるだけ小さくしなければならない。押し上げを達成するために、間隔が大きすぎると手が高く上がってしまい、手が疲れて自然な振り子動作が実現しない。手が上がらず、ポール先端部は地面に沿って引きずられ続ける。これを避けるために、ハンドルをポール軸に間接的にではなく、柔軟性部分を介して直接固定しなければならない。ポール軸の隙間を小さくするためのポールハンドルの形態は、好ましくはハンドルの自由度を制限しない、すなわち後端部の設計が下向きに湾曲している従来の直線ハンドルである。この湾曲は後方にうまく湾曲することができ、柔軟な固定位置の前でハンドルの基部に固定される。支持ループは、手の握りを妨げない程度に下向きに湾曲していなければならない。柔軟性部分の位置は、ポール軸の側面、又は軸の上端部の延長部、又はハンドルの背面のいずれかである。また、この最後の解決策として、ハンドルの基端部が、例えばハンドルと軸との間の軸心を用いてポール軸に移動可能に固定されることも必要である。柔軟性部分の位置に関わらず、ハンドルの柔軟性部分だけでは十分な横方向の支持が得られない場合、軸とハンドル基部との間に軸心が必要となる。サスペンションに加えて軸心を必要とする解決策の場合、サスペンションの位置は軸心から分離することができるが、軸心にねじ込むこともできる。ハンドルの後端部におけるサスペンションは、2つの方法で実現できる。一方の端部がハンドルの後端部又は支持ループの下から始まり、他方の端部が目的のために設計された補強材の位置でポール軸に固着されている別個のばねを使用してもよい。
【0038】
別の解決策は、後端部のサスペンションがハンドルに一体化された後端延長部から形成され、ハンドルの柔軟性材料で作られる後端部が、好ましくはポール軸に向かって斜め前方に湾曲するとともに摺動又は固体留め具のいずれかで軸に固定される板ばねのように機能するサスペンションとして設計されることである。
【0039】
板ばねとねじりばねは、ハンドルの前端部におけるサスペンションの形態の優れた例である。このうち、統合的解決策として、異なる形態の板ばねはハンドル自身のフレームの一部として非常に適しており、ハンドル自身の材料をより軽量にして柔軟な板ばね形成部にすることによって柔軟性部分を実現している。柔軟性部分が実際に分離された板ばねである場合、ハンドルと軸との間の留め具に必要な横方向の支持を確保するために、板ばねが軸心の留め具に接続されていることが好ましい。このようにして、板ばねは軸心の上又は下を回り、ハンドル及びポール軸に固定することができる。
【0040】
ねじりばねは、別個のサスペンションの最も好ましい形態を表すことができる。ねじりばねのコイルは柔軟片として機能し、ねじりばねの一方の端部がポール軸に固定され、他方の端部がハンドルの上端部、すなわち基部に固着される。ねじりばね端部の留め具が耐久性を持つために、例えば鋳造中に型に固定されるとき、ねじりばね端部を小曲線にして端部を平らに鍛造し、留め具がねじりばね端部をしっかりと掴むようにすることが好ましい。
【0041】
ねじりばね自体の安定性は、軸心又は同様の部分の形態による追加の支持を必要としない。代わりに、追加の支持なく、ねじりばね自体がハンドルとポール軸との間の最も好ましい柔軟性部分である。
【0042】
ポール軸がハンドルと軸との間に柔軟で可能な限り直線状の延長部分を有するサスペンションを実現するには、さらに別の方法がある。
【0043】
また、柔軟性ポールは、ポール軸に既に存在する従来のハンドルの上部、側面又は基部のいずれかに柔軟性ハンドルを固定することによって、従来の方法で使用することができる。柔軟性ハンドルでのウォーキングを従来のノルディックウォーキングに変更したいときは、軸を180度回し、反対側の他方のハンドルを使用することができる。従来のハンドルの基部に柔軟性ハンドルを固定するときは、ハンドル間で変更するときにポール軸を180度回す必要はない。すなわち、従来のハンドルから柔軟性ハンドルへのグリップの変更は、単にハンドルのグリップを変更するだけで即座に行うことができる。
【0044】
ポールの地面の掴みを両方向に保持するために、二重ハンドルの解決策では下端部に二重スパイクが必要である。スパイクの形態は、サケ尾のように2つの先端部が対向して斜め下向きに後方を向いているのが好ましい。しかし、従来のハンドルの底部を介してポール軸に柔軟性ハンドルを固定することで、二重先端部が不要となる。
【0045】
ハンドルの形態については、ハンドルの取り付け可能な端部とポール軸との間に大きすぎる隙間ができないように、ハンドルの上端部をできるだけ直線状にすることが重要であることは既に述べた。ハンドルの後端部、すなわち下端部にはより緩やかな規則が適用され、ハンドルの後端部が下向きに湾曲した形態が許容され、このようにしてハンドグリップから手が滑り出ることを防止することが好ましい。上記で既に述べたとおり、ハンドルの下端部は、好ましくはハンドルの前端部まで曲線を描いて実際のハンドグリップより下に続くことができ、ハンドルの前端部が柔軟な固定位置の前でポール軸に固定される。このような閉じた楕円形のハンドグリップは、ハンドグリップをさらに支持するが、その一方でポールの製造価格を上昇させる。
【0046】
ハンドルの端部における下向きの湾曲部分を延在させ、V字形状又はU字形状のハンドル端部を有するポール軸の両側でポール軸を通過させ、V字形状又はU字形状ハンドル端部の側面がハンドルを側面からの押し出しに対して支持することによって、ハンドルの横方向の安定性を改善することができる。U字形状のハンドル端部の端部は、ポール軸を包み込むように閉じることができ、ハンドルの上向き方向も閉じられる。
【0047】
また、ウォーキング/ランニング/エクササイズポールは、体操及びブレイクエクササイズ器具としても非常に好ましく使用され、これらは体の横及び頭の上で様々な方向に振って使われる。また、柔軟性ポールで体に反力を発生させて、体幹、特に深部背筋及び腹筋を効率的かつ総合的に鍛えることができる。エクササイズは、先端部を基部にしっかりと固着してポール先端部を所定の位置にしっかりと保持し、ポールを斜め前方に向けて配置するようにして行われる。次いで、背筋を伸ばしたまま腕を真っ直ぐにして前かがみになり、バネで吊るされたハンドルに寄りかかって体を支える。前に倒れないように、腹筋、背筋、腕の筋肉を緊張させなければならない。エクササイズを始めるときは、筋肉の状態によってポール先端部に近づいたり遠ざかったりして、エクササイズの負荷を調節できる。
【0048】
このエクササイズを考慮するとき、ハンドルを持つときの手の快適さを高めてハンドルを横方向に安定させる、特に好ましいハンドルの解決策は、親指の付け根の関節の後縁部から親指の付け根の筋肉の真ん中まで開いた手のひら全体を覆う、幅広ハンドルで作り出される。ハンドルは、手のひらの縁部まで下方に延在し、ハンドル上に、小指を真っ直ぐに伸ばした状態で小指の付け根から始まり当該小指の真ん中まで並んで延在する突起を有する。ハンドルの外縁部は、突起の基部から手のひらの縁部の側面に沿って手首における手のひらの境界を通って親指の付け根の筋肉まで延在し、手及び手首の両方を前後左右に支持する高さ約1~2cmの幅広縁部を形成する。また、突起は、手を横方向に安定させ、手がハンドルから滑るのを防止する。一方、親指の筋肉の下にあるハンドルの幅広部分は、手が内向きに回るのを防止する。ハンドルはポール軸に対して、親指の筋肉と突起の基部との間のハンドルの部分が線、すなわち傾斜した高さを形成するような位置に固定され、ポール軸に対して約40~70度の下向きの突起方向角度を形成する。親指の筋肉を最適に支持するために、ハンドルの中央部を手のくぼみに合わせてわずかにアーチ状にし、親指の筋肉を支持する幅広部分を凸状にする。上昇外縁領域と、湾曲領域及び凸状領域におけるわずかな起伏とを除いて、ハンドルの横方向の輪郭は直線状で低くなっている。直線ハンドルと比較して、幅広ハンドルによる押し出し力はかなり大きい。なぜなら、幅広ハンドルは手のくぼみ全体を通して大きな押し出し力を提供し、その押し出し力は従来のハンドルの場合のように手首に対して斜めではなく、手首の方向に向いているからである。
【0049】
ポールは柔軟性制御を備えることができる。この制御では、例えばバネが張力ネジを備えるか、又は柔軟片が剛性制御を備える。可動剛性カバーで柔軟性部分の剛性を高めることができる。
【0050】
スキーにも柔軟性ポールを使用可能であることは自明である。しかし、スキーをするときには、柔軟性器具を使用するための細かいルールがある。その結果、屈曲ポールを用いたスキーは、スキーに新しい喜びをもたらすスキーの新しい形態と考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】従来のハンドルにねじりばねで柔軟性ハンドルを固定したポールの解決策を示す図である。
【
図2】一体化した屈曲部を備えるハンドルを軸に固定したポールを示す図である。
【
図3】ハンドルの前のポール軸の上端部に柔軟性部分を配置した解決策を示す図である。
【
図4】ポール先端部が後ろの地面に接触しているときの、人の脇に沿って真っ直ぐに吊るされている腕の手に握られているポール軸の垂直線に対する軸の角度を示す図である。
【
図5】ハンドルとポール軸を板ばねで接合し、ハンドルがポール軸の上部に固定された追加部品に軸心でヒンジ接続されている、別個のばねの解決策を示す図である。
【
図6】従来のハンドルの基部に柔軟性ハンドルを固定する方法を示す図である。
【
図7】柔軟性材料で作られたハンドルの湾曲後端延長部が、その薄い形態のために柔軟性があり、目的のために補強された位置でポール軸に固定される解決策を示す図である。
【
図8】実際のハンドグリップが湾曲形態で後方に続き、実際の手持ちハンドグリップの下を走る支持ループを形成し、支持ループが実際のハンドグリップの基部に固定されるハンドルの解決策を示す図である。
【
図9】手を横方向に支持する高縁領域と、手からハンドルが滑り出るのを防止する突起と、を備える幅広ハンドルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、添付図面を参照して本発明を説明する。
【0053】
図1は、ポール軸(3)上に位置する従来のハンドル(1E)の上部(14C)に、柔軟性(13,17)ハンドル(1)をねじりばね(2)で65度の角度(9)で固定する解決策を示す。従来のハンドル(1E)には、手首用の支持ストラップ(8)がある。柔軟性ハンドル(1)の下端先端部(7A)は、ポール軸(3)の方向に湾曲している。ポール軸(3)の下端部(16)の先端部は、サケ尾のような二重先端部(5)で形成されている。ポール軸(3)の側面には、柔らかい路面のためのゴムキャップ(6)が示されており、ゴムキャップ(6)は先端スパイク(5)を覆うことができる。
【0054】
図2は、柔軟性部分(2A)が一体化された柔軟性ハンドル(1A)を示す。柔軟性部分はポール軸(3)の上部(14)に固定されている。ハンドル(1A)の下端先端部(7A)は、軸(3)に向かって湾曲するように設計されている。
【0055】
図3は、ポール軸(3)の延長線上に柔軟性部分(2B)を固定し、この柔軟性部分(2B)がポール軸(3)とハンドル(1B)とを接続する解決策を示している。
【0056】
図4は、ポール先端部(4)が後ろの地面(22)に接触したときに、人の脇(27)に吊るされている真っ直ぐな腕(24)の手(11)にあるハンドル(1D,12)によって形成される垂直線(23)に対して、後方及び斜め上向きに70~90度開いた角度(10)を示している。
【0057】
図5は、一方の端部がハンドル(1C,35)に、他方の端部がポール軸(3,14D)及びポール軸(3)の追加部分(33)に固定されている板ばね(2C)を有する別個のばねの解決策を示し、この解決策では、ハンドル(1C)は、ポール軸(3)の追加部分(33)に軸心(34)で回転可能に固定されている。
【0058】
図6は、従来のハンドル(1E)の基部(14B,18)を介して、ねじりバネ(2)で柔軟性ハンドル(1)をポール軸(3)に固定する解決策を示している。
【0059】
図7は、柔軟性材料で作られたハンドル(1F)の湾曲後端部(29,51)が、その薄い形態のために柔軟性があり、目的のために補強された部分(28)においてポール軸(3)に固定される解決策を示している。
【0060】
図8は、ハンドル(1G)の基部(32)に固定され、ハンドル(12,1G)の下に位置する支持ループ(30)を備えるポールハンドル(1G)を示している。
【0061】
図9は、手(37)のくぼみ全体を覆い、小指(45)の付け根(50)から親指の付け根の関節(49)まで延びる高縁領域(48)で手と手首を横方向に支持する、幅広ハンドルの解決策(1H,1H1,1H2,1H3)を示している。このハンドル(1H,1H1,1H2,1H3)は、ハンドル(1H)が手から滑り落ちるのを防止する突起(36)を有する。手のひらの形状に適合するアーチ状の中央部(39)と、ハンドル(1H1)の手のひら側の高さに示される親指の筋肉(47)に適合する凹状領域(38)と、がある。ハンドルの傾斜レベル(41)によって形成されるポール軸(3)に対する40~70度の角度(40)は、背面から直接図示される斜視図(1H3)に示されている。手のくぼみ及び親指の筋肉(47)及び上昇縁領域(48)に挟まれるアーチ状(39)領域及び凹状(38)領域を除いて、ハンドルの側面輪郭(1H2)は直線状である。
【0062】
説明及び関連する図面は、本発明による概念を例示することのみを意図している。本発明によるノルディックウォーキング/ランニング/エクササイズポールの詳細は、特許請求の範囲の枠内で変更することができる。