(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】シグナリング交換方法、基地局および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 36/22 20090101AFI20240614BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20240614BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240614BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20240614BHJP
H04W 36/28 20090101ALI20240614BHJP
【FI】
H04W36/22
H04W92/20
H04W72/0457 110
H04W16/32
H04W36/28
(21)【出願番号】P 2021544629
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 CN2019127215
(87)【国際公開番号】W WO2020155922
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】201910095596.0
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲愛▼娟
(72)【発明者】
【氏名】彦 楠
(72)【発明者】
【氏名】梁 靖
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/030274(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/192578(WO,A1)
【文献】3GPP TS 36.423 V15.4.0,2019年01月14日,pages 13,39-42,112
【文献】3GPP TR 36.875 V13.1.0,2015年09月22日,pages 11-16
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シグナリング交換方法であって、
第2の基地局は、第1の基地局に情報を送信するステップを含み、
前記情報は、前記第2の基地局とインターフェースする第3の基地局のリストおよ
び前記第2の基地局とインターフェースする
前記第3の基地局の下のセルの負荷(load)情報を含
むか、前記情報は前記第2の基地局とインターフェースする前記第3の基地局の下のセルの負荷(load)情報を含み、
または、
前記情報は、負荷(load)情報を含み、前記負荷(load)情報は、前記第2の基地局の下のセルの負荷(load)関連情報および端末のデュアル接続を確立し、前記第2の基地局とのインターフェースを有することができる
前記第3の基地局の下のセル負荷(load)情報に従って決定され、
前記第2の基地局および前記第1の基地局は、2つのLTE基地局または2つのNR基地局であり、前記第2の基地局とインターフェースする第3の基地局は、
前記2つのLTE基地局または
前記2つのNR基地局のoverlapping(オーバーラップ)領域に位置することを特徴とするシグナリング交換方法。
【請求項2】
前記インターフェースはX2インターフェースまたはXnインターフェースであり、前記インターフェースが確立された後、前記情報は、インターフェースシグナリングを介して通知されることを特徴とする請求項1に記載のシグナリング交換方法。
【請求項3】
X2インターフェースシグナリングを介して前記第1の基地局に
前記情報を送信するとき、リソース状態アップデート(RESOURCE STATUS UPDATE)シグナリングを介して前記情報を通知し、または、
Xnインターフェースシグナリングを介して前記第1の基地局に
前記情報を送信するとき、負荷状態レポート
(Load Status Report
)シグナリングを介して前記情報を通知することを特徴とする請求項2に記載のシグナリング交換方法。
【請求項4】
前記RESOURCE STATUS UPDATEシグナリングは、情報要素IEをさらに含み、前記IEは、前記第2の基地局とのX2接続を有し、且つ、デュアル接続を実行することができる次世代基地局gNBの下のセルのリストを運ぶために利用されることを特徴とする請求項3に記載のシグナリング交換方法。
【請求項5】
前記IEは、隣接セル負荷情報リスト(Neighbor Cell Load Information list)であることを特徴とする請求項4に記載のシグナリング交換方法。
【請求項6】
切り替えされた端末のためのデュアル接続を確立することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシグナリング交換方法。
【請求項7】
第2の基地局であって、
メモリ内のプログラムを読み取り、第1の基地局
に情報を送信するように構成されたプロセッサと、
プロセッサの制御下でデータを送受信するように構成された送受信機とを含み、
前記情報は、前記第2の基地局とインターフェースする第3の基地局のリストおよ
び前記第2の基地局とインターフェースする
前記第3の基地局の下のセルの負荷(load)情報を含
むか、前記情報は、前記第2の基地局とインターフェースする前記第3の基地局の下のセルの負荷(load)情報を含み、
または、前記情報は、負荷(load)情報を含み、前記負荷(load)情報は、前記第2の基地局の下のセルの負荷(load)関連情報および端末のデュアル接続を確立し、前記第2の基地局とのインターフェースを有することができる
前記第3の基地局の下のセル負荷(load)情報に従って決定され、
前記第2の基地局および前記第1の基地局は、2つのLTE基地局または2つのNR基地局であり、前記第2の基地局とインターフェースする
前記第3の基地局は、
前記2つのLTE基地局または
前記2つのNR基地局のoverlapping(オーバーラップ)領域に位置することを特徴とする基地局。
【請求項8】
前記インターフェースはX2インターフェースまたはXnインターフェースであり、前記インターフェースが確立された後、前記情報は、インターフェースシグナリングを介して通知されることを特徴とする請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
X2インターフェースシグナリングを介して前記第1の基地局に
前記情報を送信するとき、
前記情報は、RESOURCE STATUS UPDATEシグナリングを介して通知され、または、
Xnインターフェースシグナリングを介して前記第1の基地局に
前記情報を送信するとき、前記情報は、Load Status レポートシグナリングを介して通知されることを特徴とする請求項8に記載の基地局。
【請求項10】
前記RESOURCE STATUS UPDATEシグナリングはIEをさらに含み、前記IEは、前記第2の基地局とのX2接続を有し、且つ、デュアル接続を実行することができるgNBの下のセルのリストを運ぶために使用されることを特徴とする請求項9に記載の基地局。
【請求項11】
前記IEは、隣接セル負荷情報リスト(Neighbor Cell Load Information list)であることを特徴とする請求項10に記載の基地局。
【請求項12】
切り替えされた端末のためのデュアル接続を確立することを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項13】
シグナリング交換装置であって、
第1の基地局に情報を送信するように構成された送受信モジュールを含み、
前記情報は、ソース基地局とインターフェースする第3の基地局のリストおよび
前記ソース基地局とインターフェースする
前記第3の基地局の下のセルの負荷(load)情報を含
むか、前記情報は前記ソース基地局とインターフェースする前記第3の基地局の下のセルの負荷(load)情報を含み、
または、前記情報は、負荷(load)情報を含み、前記負荷(load)情報は、前記ソース基地局の下のセルの負荷(load)関連情報および端末のデュアル接続を確立し、前記ソース基地局とのインターフェースを有することができる
前記第3の基地局の下のセル負荷(load)情報に従って決定され、
前記ソース基地局および前記第1の基地局は、2つのLTE基地局または2つのNR基地局であり、前記ソース基地局とインターフェースする
前記第3の基地局は、
前記2つのLTE基地局または
前記2つのNR基地局のoverlapping(オーバーラップ)領域に位置することを特徴とするシグナリング交換装置。
【請求項14】
コンピュータ可読記憶媒体であって、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラムを格納する、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年01月31日に中国特許局に提出し、出願番号が201910095596.0であり、発明名称が「シグナリング交換方法、基地局および装置」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
【0002】
本発明は、通信技術分野に関し、特にシグナリング交換方法、基地局および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
無線アクセスネットワーク(Radio Access Network,RAN)側のアーキテクチャは、以下のように簡単に説明される。
【0004】
eノードB(Evolution NodeB,進化ノードB)とgNB(next generation NodeB,次世代ノードB)の緊密な相互作用(tight interworking)シーンでは、マスターに以下の2つの場合がある。2番目のシーンには、NR(next generation Radio,次世代ラジオ)-NR DC(Next generation Radio Dual Connectivity,次世代ラジオデュアルコネクティビティ)も含まれる。
【0005】
A)LTE(Long Term Evolution,ロングタームエボリューション)がマスター基地局であり、5Gノードがセカンダリー基地局であり、これらがLTE基地局を介してコアネットワークに接続されているシーン。
図1は、EPC(Evolved Packet Core)に接続されたeNodeBとgNBの緊密なインターワーキング(gNB tight interworking)アーキテクチャの概略図です。詳細を
図1に示す。
【0006】
B)5GノードおよびLTE基地局の両方が5G CN(Core Network,コアネットワーク)に接続されているシーン。
図2は、5GCに接続されたeNodeBとgNBの緊密なインターワーキング(gNB tight interworking)とNR-RNDCアーキテクチャの概略図です。詳細を
図2に示す。
【0007】
図3は、切り替えプロセス中にデュアル接続を追加するプロセスの概略図である。図中の本発明に関連するステップは次のとおりである。13.データフォワーディング(Data Forwarding)、16a.新しいパス(New Path (split/MCG bearer)スプリット/MCG(マスターセルグループ)ベアラ)、MCG:Master セルGroup(マスターセルグループ)および16b.新しいパス(分割/ SCGベアラ)(New Path (split/SCG bearer))。図に示すように、ターゲット基地局がソース基地局から切り替え要求メッセージを受信した後、ターゲット基地局は、切り替え要求メッセージに含まれるベアラ情報に従って、デュアル接続を確立する必要があるかどうかを決定する。デュアル接続を確立する必要があり、適切なSCG(Secondary セルGroup)セルがある場合、ターゲットMN(Master node,マスターノード)はターゲットSN(Secondary node,セカンダリノード)へのSN追加(SN addition)プロセスを開始する。SNからの応答を受信した後、ターゲットMNは切り替え応答メッセージをソース基地局に送信する。ターゲットMNは、UE(User Equipment,ユーザー機器)へのデュアル接続を確立することにより、UEのスループット要件を満たす。
【0008】
従来技術は、既存の仕様が2つの基地局間の負荷(load)の交換のみをサポートするという欠点を有する。すなわち、ソース基地局は、ターゲット基地局の負荷に基づいて切り替えのためのターゲットセルのみを決定でき、ターゲット基地局が切り替えプロセスでデュアル接続を実行する可能性がある場合を考慮することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、シグナリング交換方法、基地局および装置を提供し、シグナリング交換の問題を解決し、さらに、デュアル接続をサポートするシーンにおける切り替え判断を行う問題を解決するために使用される。
【0010】
本発明の実施形態によって提供されるシグナリング交換方法は、
他の基地局と情報を交換し、前記情報は、基地局とインターフェースする基地局のリストおよび/または基地局とインターフェースする基地局の下のセルの負荷(load)情報を含み、または、
前記情報は、負荷(load)情報を含み、前記負荷(load)情報は、本基地局の下のセルの負荷(load)関連情報および/または端末のデュアル接続を確立し、本基地局とのインターフェースを有することができる基地局の下のセル負荷(load)情報に従って部分的に決定される。
【0011】
任意選択で、他の基地局と交換される情報は、X2インターフェースまたはXnインターフェースが確立された後、インターフェースシグナリングを介して通知される。
【0012】
任意選択で、X2インターフェースシグナリングを介して他の基地局と情報が交換されるとき、情報は、RESOURCE STATUS UPDATEシグナリングを介して通知され、または、
Xnインターフェースシグナリングを介して他の基地局と情報が交換されるとき、前記情報は、Load Status レポートシグナリングを介して通知される。
【0013】
任意選択で、前記RESOURCE STATUS UPDATEシグナリングはIEをさらに含み、前記IEは、本基地局とのX2接続を有し、且つ、デュアル接続を実行することができるgNBの下のセルのリストを運ぶために使用される。
【0014】
任意選択で、前記IEは、隣接セル負荷情報リスト(Neighbor Cell Load Information list)である。
【0015】
任意選択で、さらに、
切り替えされた(switched in)された端末のためのデュアル接続を確立する。
【0016】
本発明の実施形態によって提供される基地局は、
メモリ内のプログラムを読み取り、他の基地局と情報を交換するように構成されたプロセッサと、
プロセッサの制御下でデータを送受信するように構成された送受信機とを含み、
前記情報は、基地局とインターフェースする基地局のリストおよび/または基地局とインターフェースする基地局の下のセルの負荷(load)情報を含み、または、前記情報は、負荷(load)情報を含み、前記負荷(load)情報は、本基地局の下のセルの負荷(load)関連情報および/または端末のデュアル接続を確立し、本基地局とのインターフェースを有することができる基地局の下のセル負荷(load)情報に従って部分的に決定される。
【0017】
任意選択で、他の基地局と交換される情報は、X2インターフェースまたはXnインターフェースが確立された後、インターフェースシグナリングを介して通知される。
【0018】
任意選択で、X2インターフェースシグナリングを介して他の基地局と情報が交換されるとき、情報は、RESOURCE STATUS UPDATEシグナリングを介して通知され、または、
Xnインターフェースシグナリングを介して他の基地局と情報が交換されるとき、前記情報は、Load Status レポートシグナリングを介して通知される。
【0019】
任意選択で、前記RESOURCE STATUS UPDATEシグナリングはIEをさらに含み、前記IEは、本基地局とのX2接続を有し、且つ、デュアル接続を実行することができるgNBの下のセルのリストを運ぶために使用される。
【0020】
任意選択で、前記IEは、隣接セル負荷情報リスト(Neighbor Cell Load Information list)である。
【0021】
任意選択で、さらに切り替えされた端末のためのデュアル接続を確立する。
【0022】
本発明の実施形態によって提供されるシグナリング交換装置は、
他の基地局と情報を交換するように構成された送受信モジュールを含み、
前記情報は、基地局とインターフェースする基地局のリストおよび/または基地局とインターフェースする基地局の下のセルの負荷(load)情報を含み、または、前記情報は、負荷(load)情報を含み、前記負荷(load)情報は、本基地局の下のセルの負荷(load)関連情報および/または端末のデュアル接続を確立し、本基地局とのインターフェースを有することができる基地局の下のセル負荷(load)情報に従って部分的に決定される。
【0023】
本発明の実施形態によって提供されるコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、前述のシグナリング交換方法を実行するコンピュータプログラムを格納する。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、以下のような有益な効果を有する。
【0025】
本発明の実施形態によって提供される技術的解決策では、それらとのインターフェースを有するセルおよびこれらのセルの負荷情報が情報交換の過程で明示的に示され得るという事実のために、複数の異なる情報が送信される。または、情報交換の過程で、それとのインターフェースを有するセルの情報を包括的に考慮し、1つの情報のみを送信し、他のセルの情報を包括的に考慮することで、シグナリング交換の問題を解決する。
【0026】
さらに、2つの基地局は、その負荷情報を交換するだけでなく、端末のデュアル接続の確立に関連する情報も確立するので、ソース基地局が切り替えのためのターゲットセルを選択するとき、ソース基地局は、隣接基地局の負荷だけでなく、隣接基地局がUEのためにデュアル接続を確立することができるかどうかも考慮し、そのため、より高いレートのサービスがUEに提供され得る。または、2つの基地局間で交換される負荷情報については、その負荷情報と、それとのデュアル接続を確立することができるgNB下のセルの負荷情報が考慮され、その結果、切り替えプロセスにおいて、当該情報に基づいてより合理的に選択され得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明に係る実施例や従来の技術ソリューションをより明確に説明するために、以下に実施例を説明するために必要な図面をについて簡単に紹介する。無論、以下の説明における図面は本発明に係る実施例の一部であり、当業者は、創造性作業を行わないことを前提として、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0028】
【
図1】背景技術においてEPCに接続されたeNodeBおよびgNB tight interworkingアーキテクチャの概略図である。
【
図2】背景技術において5GCに接続されたeNodeBおよびgNB tight interworkingおよびNR-RN DCアーキテクチャの概略図である。
【
図3】背景技術において切り替えプロセス中にデュアル接続を追加するプロセスの概略図である。
【
図4】本発明の実施形態における切り替え方法の実施プロセスの概略図である。
【
図5】本発明の実施形態における基地局の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
発明の過程において、発明者は以下に気づいた。
【0030】
LTEシステムでは、E-UTRANは複数のeNodeBで構成され、eNodeBはS1インターフェースを介してEPCに接続され、eNodeBの間はX2インターフェースを介して接続される。より高いデータスループットをサポートするために、UEは2つのeNodeBを介してデュアル接続を実現できる。5Gシステムでは、LTEシステムのデュアル接続と同様に、eNodeBとgNBの緊密なインターワーキング(tight interworking)、およびgNBと別のgNBのデュアル接続がサポートされる。
【0031】
切り替えプロセスにおいて、デュアル接続は、別のデュアル接続に切り替えることができ、単一接続は、デュアル接続に切り替えることができる。ソース基地局が切り替え準備を開始する前に、ソース基地局は、切り替えが拒否されないことを保証するために、周辺隣接セルの負荷についての知識を有する必要がある。ただし、既存の仕様では、2つのLTE基地局間の負荷交換のみがサポートされている。つまり、ソースLTE基地局は、ターゲットLTE基地局の負荷に基づいて切り替えのターゲットセルを決定することしかできず、ターゲット基地局が切り替えプロセスでデュアル接続を実行する場合を考慮することはできない。したがって、本発明は、シグナリング交換ソリューションを提供する。本発明の実施については、図面を参照して説明する。
【0032】
シグナリング交換方法は、他の基地局と情報を交換するステップを含む。前記情報は、基地局とインターフェースする基地局のリストおよび/または基地局とインターフェースする基地局の下のセルの負荷(load)情報を含む。
【0033】
または、前記情報は、負荷(load)情報を含み、前記負荷(load)情報は、本基地局の下のセルの負荷(load)関連情報および/または端末のデュアル接続を確立し、本基地局とのインターフェースを有することができる基地局の下のセル負荷(load)情報に従って部分的に決定される。
【0034】
任意選択で、他の基地局と情報を交換し、前記情報は、基地局とインターフェースする基地局のリストおよび/またはそれらとのインターフェースを有する基地局の負荷(load)情報を含む。または、交換の負荷(load)情報は、本基地局とインターフェースし、端末のデュアル接続を確立することができる基地局の下のセル負荷(load)情報である。
【0035】
具体的に、第1のモードでは、それとのインターフェースを有するセルおよびこれらのセルの負荷情報は、情報交換の過程で明示的に示され得、複数の異なる情報が送信される。第2のモードでは、負荷(load)情報交換の過程で、それとのインターフェースを有するセルの情報が包括的に考慮され、1つの情報のみが送信されるが、他のセルの情報は包括的に考慮される。
【0036】
検討の過程において、例えば、ソース基地局の負荷は比較的重いが、ソース基地とのインターフェースを有する基地局の負荷は比較的軽いので、切り替えされたUEのためにデュアル接続を確立することができる。相手側と負荷情報を交換する場合、相手側に総合評価後の負荷値を提供する場合がある。
【0037】
切り替えプロセスにおいて、実施は、以下の方法で達成され得る。
【0038】
図4は、切り替え方法の実施プロセスの概略図である。図に示すように、プロセスには次のステップが含まれる。
【0039】
ステップ401:他の基地局と情報を交換し、前記情報に端末のデュアル接続の確立に関連する情報が含まれる。
【0040】
ステップ402:端末のために切り替えのターゲットセルを選択する場合、前記情報に基づいて、切り替えのターゲットセルを決定する。
【0041】
任意選択で、前記端末のデュアル接続の確立に関連する情報は、基地局の負荷(load)情報と、それとX2またはXn接続を有する基地局のリストと、それとX2またはXn接続を有する基地局の負荷(load)情報とのうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、任意選択で、2つの基地局は、その負荷情報を交換するだけでなく、それとのX2またはXn接続を有する基地局のリストおよびそれとのX2/Xn接続を有する基地局の負荷情報も交換する。このように、ソース基地局が切り替えのためのターゲットセルを選択するとき、ソース基地局は、隣接基地局の負荷だけでなく、隣接基地局がUEのためにデュアル接続を確立することができるかどうかも考慮し、より高いスループットがUEに提供され得る。
【0043】
または、2つの基地局間で交換される負荷情報については、その負荷情報と、それとのデュアル接続を確立することができるgNB下のセルの負荷情報が考慮される。したがって、ターゲット基地局は、切り替えプロセスにおいて、前記情報に基づいて、より合理的に選択され得る。
【0044】
任意選択で、他の基地局と交換される情報は、X2インターフェースまたはXnインターフェースが確立された後、インターフェースシグナリングを介して通知される。
【0045】
任意選択で、X2インターフェースシグナリングを介して他の基地局と情報が交換されるとき、RESOURCE STATUS UPDATE(リソース状態アップデート)シグナリングを介して前記情報を通知し、または、
Xnインターフェースシグナリングを介して他の基地局と情報が交換されるとき、Load Status レポート(負荷状態報告)シグナリングを介して前記情報を通知する。
【0046】
任意選択で、前記RESOURCE STATUS UPDATEシグナリングはIE(Information Element,情報要素)をさらに含み、前記IEは、本基地局とのX2接続を有し、且つ、デュアル接続を実行することができるgNBの下のセルのリストを運ぶために使用される。
【0047】
任意選択で、IEは、隣接セル負荷情報リスト(Neighbor Cell Load Information list)である。
【0048】
具体的に、負荷情報を隣接セルとさらに交換するために、新しいIEをメッセージ、すなわちNeighbor Cell Load Information listに追加することができ、当該リストは、本セルセルとのX2接続があり、デュアル接続操作を実行できるgNBの下のセルを含む。
【0049】
任意選択で、さらに、切り替えされた端末のためのデュアル接続を確立する。
【0050】
いくつかの実施形態では、切り替えプロセスにおいて、デュアル接続は、ターゲット側で直接確立することができ、RESOURCE STATUS UPDATEメッセージによって提供されるRadio Resource Statusは、デュアル接続が可能であるgNBの下のセルの負荷である。
【0051】
例えば、eNB1下のセルの負荷は比較的重い状態にあり、セル自体の負荷のみを考慮した場合、セルは切り替えのターゲットセルとして機能することができない。ただし、eNB1に接続されたgNBの下のセルの負荷は比較的軽く、eNB1は、切り替えされたUEにデュアル接続を確立することを検討できる。当該目的を達成するために、eNB1の下のセルの負荷が比較的重い場合でも、セルが反対側の端末にセル自身の負荷状態を通知するとき、セルは反対側の端末に、より多くのリソースが利用可能であることを通知する必要がある(セル自身が接続されているgNBの下のセルの利用可能なリソースを考慮)。
【0052】
説明は、例を通してなされる。
【0053】
実施形態1:
【0054】
この実施形態では、2つのLTE基地局がX2インターフェースを確立した後、インターフェースシグナリングを介してそれら自身の負荷状態を互いに通知し、同時に、どのgNB(2つの基地局のoverlapping(オーバーラップ)に位置する)とX2接続を有し、およびこれらのgNBの負荷状態を互いに通知する。
【0055】
現在、2つの基地局間の負荷情報交換のプロセスは以下の通りである。3GPP(Third generation partnership project,第3世代パートナーシッププロジェクト)プロトコルのセクション9.1.2.14、RESOURCE STATUS UPDATE(リソース状態アップデート)を参照できる。
【0056】
This message is sent by eNB2 to neighbouring eNB1 to レポート the results of the requested measurements.(要求された測定の結果を報告するために、メッセージがeNB2によって隣接するeNB1に送信される)
Direction(方向): eNB2 → eNB1.
【0057】
【0058】
【0059】
負荷情報を隣接セルとさらに交換するために、新しいIEをメッセージ、すなわちNeighbor Cell Load Information listに追加することができ、当該リストは、本セルセルとのX2接続があり、デュアル接続操作を実行できるgNBの下のセルを含む。
【0060】
訂正後のメッセージは、以下のように定義され得る。
【0061】
【0062】
【0063】
実施形態2:
【0064】
この実施形態では、2つのLTE基地局がX2インターフェースを確立した後、インターフェースシグナリングを介してそれら自身の負荷状態を互いに通知し、互いに自身の負荷状態を通知する場合、X2を介して接続されているgNBの負荷状態を包括的に考慮する。
【0065】
実施形態1では、2つの基地局間で負荷情報を交換するプロセスが説明されている。切り替えプロセスでは、デュアル接続がターゲット側で直接確立される場合があり、RESOURCE STATUS UPDATEメッセージによって提供される無線Radio Resource Statusは、包括的な考慮に基づいてデュアル接続が確立される可能性があるgNBの下のセルの負荷である。
【0066】
例えば、eNB1下のセルの負荷は比較的重い状態にあり、セル自体の負荷のみを考慮した場合、セルは切り替えのターゲットセルとして機能することができない。ただし、eNB1に接続されたgNBの下のセルの負荷は比較的軽く、eNB1は、切り替えされたUEにデュアル接続を確立することを検討できる。当該目的を達成するために、eNB1の下のセルの負荷が比較的重い場合でも、セルが反対側の端末にセル自身の負荷状態を通知するとき、セルは反対側の端末に、より多くのリソースが利用可能であることを通知する必要がある。つまり、eNB1の下のセルは、セルが接続されているgNBの下のセルの利用可能なリソースを考慮する。
【0067】
実施形態3:
【0068】
この実施形態では、5GCに接続された2つの基地局がXnインターフェースを確立した後、2つの基地局は、インターフェースシグナリングを介してそれら自身の負荷状態を互いに通知し、同時に、どのgNB(2つの基地局のオーバーラップエリア(overlapping)に位置する)がXn接続を持っているかとこれらのおよびこれらのgNBの負荷状態を互いに通知する。
【0069】
既存の仕様は、Xnインターフェースを介した負荷情報の交換をサポートせず、実施形態では、メッセージは、Xnインターフェースを介して導かれ得る。たとえば、負荷ステータスレポート(Load Status Report)は、負荷情報の交換をサポートする。
【0070】
メッセージは、以下のように定義され得る。
【0071】
【0072】
実施形態4:
【0073】
実施形態では、5GCに接続された2つの基地局がXnインターフェースを確立した後、2つの基地局は、インターフェースシグナリングを介してそれら自身の負荷状態を互いに通知し、互いに自身の負荷状態を通知する場合、2つの基地局は、Xnを介して接続されているgNBの負荷状態を包括的に考慮する。
【0074】
実施形態3では、5GCに接続された2つの基地局間で負荷情報を交換するプロセスが説明されている。切り替えプロセスでは、デュアル接続がターゲット側で直接確立される場合があり、推奨によって導入される負荷ステータスレポート(Load Status Report)メッセージによって提供される無線リソースステータス(Radio Resource Status)は、総合的な検討に基づいてデュアル接続の確立が可能なgNBの下のセルの負荷である。
【0075】
例えば、gNB1下のセルの負荷は比較的重い状態にあり、セル自体の負荷のみを考慮した場合、セルは切り替えのターゲットセルとして機能することができない。ただし、gNB1に接続されたgNBの下のセルの負荷は比較的軽く、gNB1は、切り替えされたUEにデュアル接続を確立することを検討できる。当該目的を達成するために、gNB1の下のセルの負荷が比較的重い場合でも、セルが反対側の端末にセル自身の負荷状態を通知するとき、セルは反対側の端末に、より多くのリソースが利用可能であることを通知する必要がある。つまり、gNB1の下のセルは、セル自身が接続されているgNBの下のセルの利用可能なリソースを考慮する。
【0076】
同じ本発明の思想に基づいて、本発明の実施形態は、基地局、シグナリング交換装置、および記憶媒体をさらに提供する。これらの装置による問題解決の原理はシグナリング交換方法に類似しているため、装置の実施については、方法の実施を参照することができ、ここでは繰り返しは行わない。
【0077】
本発明の実施形態によって提供される技術的ソリューションが実施される場合、実施は、以下の方式で達成され得る。
【0078】
図5は基地局の概略構造図である。図に示すように、基地局は、
メモリ520内のプログラムを読み取り、他の基地局と情報を交換するように構成されたプロセッサ500と、
プロセッサ500の制御下でデータを送受信するように構成された送受信機510とを含む。
【0079】
前記情報は、基地局とインターフェースする基地局のリストおよび/または基地局とインターフェースする基地局の下のセルの負荷(load)情報を含み、または、前記情報は、負荷(load)情報を含み、前記負荷(load)情報は、本基地局の下のセルの負荷(load)関連情報および/または端末のデュアル接続を確立し、本基地局とのインターフェースを有することができる基地局の下のセル負荷(load)情報に従って部分的に決定される。
【0080】
任意選択で、他の基地局と交換される情報は、X2インターフェースまたはXnインターフェースが確立された後、インターフェースシグナリングを介して通知される。
【0081】
任意選択で、X2インターフェースシグナリングを介して他の基地局と情報が交換されるとき、情報は、RESOURCE STATUS UPDATEシグナリングを介して通知され、または、
Xnインターフェースシグナリングを介して他の基地局と情報が交換されるとき、前記情報は、Load Status レポートシグナリングを介して通知される。
【0082】
任意選択で、前記RESOURCE STATUS UPDATEシグナリングはIEをさらに含み、前記IEは、本基地局とのX2接続を有し、且つ、デュアル接続を実行することができるgNBの下のセルのリストを運ぶために使用される。
【0083】
任意選択で、前記IEは、隣接セル負荷情報リスト(Neighbor Cell Load Information list)である。
【0084】
任意選択で、さらに、切り替えされた端末のためのデュアル接続を確立する。
【0085】
特に、
図5では、バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されたバスおよびブリッジを含み得る。具体的には、プロセッサ500によって表される1つまたは複数のプロセッサと、メモリ520によって表されるメモリの様々な回路とが一緒にリンクされている。バスアーキテクチャはまた、周辺機器、電圧調整器、電力管理回路などのような様々な他の回路をリンクすることができる。回路はすべて当技術分野で知られているので、本明細書ではこれ以上説明しない。バスインターフェースはインターフェースを提供する。送受信機510は、送信機および送受信機を含む複数の構成要素であり得、伝送媒体上の様々な他の装置と通信するためのユニットを提供する。プロセッサ500は、バスアーキテクチャおよび一般的な処理を管理する責任があり、メモリ520は、操作を実行するときにプロセッサ500によって使用されるデータを格納することができる。
【0086】
本発明の実施形態は、シグナリング交換装置をさらに提供する。当該シグナリング交換装置は、他の基地局と情報を交換するように構成された送受信モジュールを含む。
【0087】
前記情報は、基地局とインターフェースする基地局のリストおよび/または基地局とインターフェースする基地局の下のセルの負荷(load)情報を含み、または、前記情報は、負荷(load)情報を含み、前記負荷(load)情報は、本基地局の下のセルの負荷(load)関連情報および/または端末のデュアル接続を確立し、本基地局とのインターフェースを有することができる基地局の下のセル負荷(load)情報に従って部分的に決定される。
【0088】
特定の実施については、前述のシグナリング交換方法の実施を参照することができる。
【0089】
本発明の実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体は、前述のシグナリング交換方法を実行するコンピュータプログラムを格納する。
【0090】
説明の便宜のために、装置のすべての部分は、別々に説明される機能によって、異なるモジュールまたはユニットに分割される。本発明の実施において、モジュールまたはユニットの機能は、1つまたは複数のソフトウェアまたはハードウェアで実現され得る。
【0091】
要約すると、本発明の実施形態によって提供される技術的ソリューションでは、デュアル接続をサポートするシーンにおいて切り替え判断をより合理的に行う方法が説明される。すなわち、反対側の基地局の負荷を考慮するだけでなく、反対側の基地局とのデュアル接続操作を実行する可能性のある基地局の負荷状態も考慮される。2つの基地局は、その負荷情報を交換するだけでなく、どの基地局とX2/Xn接続しているかおよび基地局とX2/Xn接続している基地局の負荷情報も交換する。したがって、ソース基地局が切り替えのためのターゲットセルを選択するとき、ソース基地局は、隣接基地局の負荷だけでなく、隣接基地局がUEのためにデュアル接続を確立することができるかどうかも考慮するので、より高いレートUEにサービスが提供され得る。さらに、2つの基地局間で交換される負荷情報については、その負荷情報と、それとのデュアル接続を確立することができるgNB下のセルの負荷情報が考慮され、その結果、切り替えプロセスにおいて、当該情報に基づいてより合理的に選択され得る。
【0092】
本分野の技術者として、本発明の実施形態が、方法、システムまたはコンピュータプログラム製品を提供できるため、本発明は完全なハードウェア実施形態、完全なソフトウェア実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの両方を結合した実施形態を採用できることがわかるはずである。さらに、本発明は、一つまたは複数のコンピュータプログラム製品の形式を採用できる。また、当該製品はコンピュータ使用可能なプログラムコードを含むコンピュータ使用可能な記憶媒体(ディスク記憶装置と光学記憶装置等を含むがそれとは限らない)において実施する。
【0093】
以上は本発明の実施形態の方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフロー図および/またはブロック図によって、本発明を記述した。理解すべきことは、コンピュータプログラム指令によって、フロー図および/またはブロック図における各フローおよび/またはブロックと、フロー図および/またはブロック図におけるフローおよび/またはブロックの結合を実現できる。プロセッサはこれらのコンピュータプログラム指令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込み式処理装置、または他のプログラム可能なデータ処理装置設備の処理装置器に提供でき、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサは、これらのコンピュータプログラム指令を実行し、フロー図における一つまたは複数のフローおよび/またはブロック図における一つまたは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0094】
これらのコンピュータプログラム指令は、又、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置を特定方式で動作させるコンピュータ読取記憶装置に記憶できる。これによって、指令を含む装置は当該コンピュータ読取記憶装置内の指令を実行でき、フロー図における一つまたは複数のフローおよび/またはブロック図における一つまたは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0095】
これらコンピュータプログラム指令はさらに、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置設備に実装もできる。コンピュータプログラム指令が実装されたコンピュータまたは他のプログラム可能設備は、一連の操作ステップを実行することによって、関連の処理を実現し、コンピュータまたは他のプログラム可能な設備において実行される指令によって、フロー図における一つまたは複数のフローおよび/またはブロック図における一つまたは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0096】
無論、当業者によって、前述のした実施形態に記述された技術的な解決手段を改造し、またはその中の一部の技術要素を置換することもできる。そのような、改造と置換は本発明の各実施形態の技術の範囲から逸脱するとは見なされない。そのような改造と置換は、すべて本発明の請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0097】
500 プロセッサ
510 送受信機
520 メモリ