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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】空調器室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/36 20180101AFI20240614BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20240614BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20240614BHJP
【FI】
F24F11/36
F24F1/0007 401C
F24F11/89
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021555553
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2019121002
(87)【国際公開番号】W WO2020220658
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-09-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】201910354030.5
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920613842.2
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920776157.1
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】齊虹杰
(72)【発明者】
【氏名】李廷▲シュン▼
【合議体】
【審判長】鈴木 充
【審判官】村山 美保
【審判官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-20766号公報
【文献】特開2014-224612号公報
【文献】国際公開第2017/168834号
【文献】国際公開第2017/109824号
【文献】特開2008-64390号公報
【文献】特開2004-85003号公報
【文献】特開2016-191495号公報
【文献】特開2016-223640号公報
【文献】特開2008-190779号公報
【文献】国際公開第2017/024637号
【文献】特開2016-11767号公報
【文献】特開2016-125718号公報
【文献】特開2019-15482号公報
【文献】特開平10-318598号公報
【文献】特開2017-15324号公報
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F1/0007-11/89
F25B49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吹き出し口と、
前記吹き出し口に設けられ且つ前記吹き出し口の吹き出し効果を変えるための吹き出し部材と、
熱交換部材及び送風部材と、
検出部材と、を含み、
前記送風部材は、空気を空調器室内機内に取り込んで前記熱交換部材と熱交換させ、熱交換された空気を前記吹き出し部材へ流して前記吹き出し口から吹き出し、
前記検出部材は、第1の検出装置を含み、前記第1の検出装置は、前記吹き出し部材に取り付けられ前記空調器室内機の冷媒漏れ状況を検出し、
前記第1の検出装置は、検出本体及び蓄電部材を含み、前記蓄電部材は前記検出本体に電気的に接続され、前記検出本体と前記空調器室内機の電気制御盤との間は伝送線路で接続されず、
前記第1の検出装置は無線伝送方式で前記電気制御盤と通信可能に接続され、前記電気制御盤が前記第1の検出装置からフィードバックされたデータに基づいて、前記空調器室内機を制御し、
前記吹き出し部材はルーバー部材を含み、前記ルーバー部材は、取付板、ルーバー及びリンクを含み、前記ルーバーは複数であり且つ前記取付板に設けられ、前記リンクは前記ルーバーに接続され、前記取付板、前記ルーバー及び前記リンクの少なくとも1つに前記第1の検出装置が設けられる、
ことを特徴とする空調器室内機。
【請求項2】
前記吹き出し部材は風向板部材を含み、前記第1の検出装置は前記風向板部材に設けられ、前記風向板部材は、
前記吹き出し口に可動に設けられ、前記吹き出し口の開閉及び前記吹き出し口の吹出し方向の調整を行う外側風向板を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の空調器室内機。
【請求項3】
前記外側風向板は、
前記吹き出し口の長手方向に延在する本体部と、
前記本体部の長さの両端に設けられる取付部とを含み、
前記外側風向板は前記取付部を介して取り付けられ、前記本体部及び前記取付部の少なくとも一方に前記第1の検出装置が設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の空調器室内機。
【請求項4】
前記第1の検出装置は、前記本体部の前記取付部と接する側の面である作動面の中心部に設けられる半導体ガスセンサを含み、及び/又は、前記第1の検出装置は、一方の前記取付部の内面に設けられる赤外線発光器と、他方の前記取付部の内面に設けられる赤外線受光器とを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の空調器室内機。
【請求項5】
前記風向板部材は、
前記外側風向板の内側に設けられ前記吹き出し口の吹出し方向を調整する内側風向板をさらに含み、
前記外側風向板及び前記内側風向板の少なくとも一方に前記第1の検出装置が設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の空調器室内機。
【請求項6】
前記吹き出し部材は開閉扉部材を含み、前記開閉扉部材は、開閉扉本体及び前記開閉扉本体に設けられる通気孔を含み、前記開閉扉本体の内面に前記第1の検出装置が設けられる、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の空調器室内機。
【請求項7】
前記検出部材は、第2の検出装置を含み、前記第2の検出装置は、前記熱交換部材に設けられ冷媒漏れを検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空調器室内機。
【請求項8】
前記熱交換部材は冷媒パイプを含み、少なくとも1つの前記第2の検出装置は前記冷媒パイプのエルボセクションに設けられ、及び/又は、少なくとも1つの前記第2の検出装置は前記冷媒パイプの溶接継目に設けられる、
ことを特徴とする請求項に記載の空調器室内機。
【請求項9】
前記熱交換部材はフィンを含み、少なくとも1つの前記第2の検出装置は前記フィンに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項又はに記載の空調器室内機。
【請求項10】
少なくとも1つの前記第2の検出装置は前記熱交換部材の下方に設けられる、
ことを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の空調器室内機。
【請求項11】
前記第2の検出装置は、前記熱交換部材に直接的又は間接的に取り付けられ且つ前記熱交換部材と接触する検出装置を含む、
ことを特徴とする請求項10のいずれか一項に記載の空調器室内機。
【請求項12】
前記第2の検出装置は、前記熱交換部材に直接的又は間接的に取り付けられ且つ前記熱交換部材から離間する検出装置を含む、
ことを特徴とする請求項10のいずれか一項に記載の空調器室内機。
【請求項13】
前記第2の検出装置は、ガスセンサ及び温度センサの少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする請求項12のいずれか一項に記載の空調器室内機。
【請求項14】
前記送風部材は前記熱交換部材の下流に位置し、前記第2の検出装置は前記送風部材の上流に位置し、前記第2の検出装置は前記熱交換部材の下流に位置する、
ことを特徴とする請求項13のいずれか一項に記載の空調器室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、出願番号が201910354030.5、出願日が2019年4月29日の中国特許出願、出願番号が201920613842.2、出願日が2019年4月29日の中国特許出願、及び出願番号が201920776157.1、出願日が2019年5月27日の中国特許出願に基づいて提出され、上記中国特許出願の優先権を主張するものであり、上記中国特許出願のすべての内容は参照として本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、空調技術の分野に関し、特に空調器室内機に関する。
【背景技術】
【0003】
空調技術の応用と発展に伴い、冷媒R290、即ちプロパンを使用する冷却システムが多くなってきており、プロパンは、液化ガスから直接得ることができるが、特定の条件下で熱源や直火にさらされると、燃焼や爆発するおそれがあるため、この種の冷媒を使用する空調器の室内機の使用には安全上の問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、関連技術における技術的課題の少なくとも1つをある程度解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明の1つの目的は空調器室内機を提供することである。
【0006】
本出願の実施例に係る空調器室内機は、吹き出し口と、前記吹き出し口に設けられ前記吹き出し口の吹き出し効果を変える吹き出し部材と、熱交換部材及び送風部材と、検出部材とを含み、前記送風部材は、空気を空調器室内機内に取り込んで前記熱交換部材と熱交換させ、熱交換された空気を前記吹き出し部材へ流して前記吹き出し口から吹き出し、前記検出部材は、第1の検出装置及び第2の検出装置の少なくとも一方を含み、前記第1の検出装置は、前記吹き出し部材に取り付けられ、前記空調器室内機の冷媒漏れ状況を検出し、前記第2の検出装置は、前記熱交換部材に設けられ、冷媒漏れを検出する。
【0007】
本出願の実施例に係る空調器室内機は、検出部材を設けることによって、空調器室内機の動作の安全性を向上させることができる。
【0008】
一部の実施例では、前記第1の検出装置は、検出本体、及び前記検出本体を前記空調器室内機の電気制御盤に電気的に接続する伝送線路を含み、前記吹き出し部材には、前記伝送線路を配線するための配線溝を有する。
【0009】
一部の実施例では、前記第1の検出装置は、検出本体及び蓄電部材を含み、前記蓄電部材は前記検出本体に電気的に接続され、前記検出本体と前記空調器室内機の電気制御盤との間は伝送線路で接続されない。
【0010】
一部の実施例では、前記吹き出し部材は風向板部材を含み、前記第1の検出装置は前記風向板部材に設けられ、前記風向板部材は、前記吹き出し口に可動に設けられ且つ前記吹き出し口の開閉及び前記吹き出し口の吹出し方向の調整を行う外側風向板を含む。
【0011】
一部の実施例では、前記外側風向板は、前記吹き出し口の長手方向に延在する本体部と、前記本体部の長さの両端に設けられる取付部とを含み、前記外側風向板は前記取付部を介して取り付けられ、前記本体部及び前記取付部の少なくとも一方に前記第1の検出装置が設けられる。
【0012】
一部の実施例では、前記第1の検出装置は、前記本体部の中間部の作動面に設けられる半導体ガスセンサを含み、及び/又は、前記第1の検出装置は、一方の前記取付部の内面に設けられる赤外線発光器と、他方の前記取付部の内面に設けられる赤外線受光器とを含む。
【0013】
一部の実施例では、前記風向板部材は、前記外側風向板の内側に設けられ前記吹き出し口の吹き出し方向を調整する内側風向板をさらに含み、前記外側風向板及び前記内側風向板の少なくとも一方に前記第1の検出装置が設けられる。
【0014】
一部の実施例では、前記吹き出し部材はルーバー部材を含み、前記ルーバー部材は、取付板、ルーバー及びリンクを含み、前記ルーバーは複数であり且つ前記取付板に設けられ、前記リンクは前記ルーバーに接続され、前記取付板、前記ルーバー及び前記リンクの少なくとも1つに前記第1の検出装置が設けられる。
【0015】
一部の実施例では、前記吹き出し部材は開閉扉部材を含み、前記開閉扉部材は、開閉扉本体及び前記開閉扉本体に設けられる通気孔を含み、前記開閉扉本体の内面に前記第1の検出装置が設けられる。
【0016】
一部の実施例では、前記熱交換部材は冷媒パイプを含み、少なくとも1つの前記第2の検出装置は前記冷媒パイプのエルボセクションに設けられ、及び/又は、少なくとも1つの前記第2の検出装置は前記冷媒パイプの溶接継目に設けられる。
【0017】
一部の実施例では、前記熱交換部材はフィンを含み、少なくとも1つの前記第2の検出装置は前記フィンに取り付けられる。
【0018】
一部の実施例では、少なくとも1つの前記第2の検出装置は前記熱交換部材の下方に設けられる。
【0019】
一部の実施例では、前記第2の検出装置は第1タイプの検出装置を含み、前記第1タイプの検出装置は、前記熱交換部材に直接的又は間接的に取り付けられ、且つ前記熱交換部材と接触する。
【0020】
一部の実施例では、前記第2の検出装置は第2タイプの検出装置を含み、前記第2タイプの検出装置は、前記熱交換部材に直接的又は間接的に取り付けられ、且つ前記熱交換部材から離間する。
【0021】
一部の実施例では、前記第2の検出装置は、ガスセンサ及び温度センサの少なくとも一方を含む。
【0022】
一部の実施例では、前記送風部材は前記熱交換部材の下流に位置し、前記第2の検出装置は前記送風部材の上流に位置し、前記第2の検出装置は前記熱交換部材の下流に位置する。
【0023】
本発明の追加する態様及び利点は、一部が以下の説明で示され、一部が以下の説明によって明らかになり、又は本発明の実施によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本出願の一実施例に係る空調器室内機の断面図である。
図2】本出願の一実施例に係る空調器室内機の断面図である。
図3】本出願の一実施例に係る風向板部材の斜視図である。
図4図3に示す風向板部材の側面図である。
図5】本出願の一実施例に係る空調器室内機の斜視図である。
図6】本出願の一実施例に係る風向板部材と第1の検出装置との嵌合を示す図である。
図7】本出願の一実施例に係る風向板部材と第1の検出装置との嵌合を示す図である。
図8】本出願の一実施例に係る風向板部材と第1の検出装置との嵌合を示す図である。
図9】本出願の別の実施例に係る空調器室内機の側面断面概略図である。
図10】本出願の別の実施例に係る空調器室内機の内部構造図である。
図11】本出願の別の実施例に係る空調器室内機の内部構造図である。
図12】本出願の別の実施例に係る空調器室内機の内部構造図である。
図13】本出願の別の実施例に係る空調器室内機の内部構造図である。
図14】本出願の一実施例に係る空調器室内機の斜視図である。
図15】本出願の一実施例に係る空調器室内機の制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本出願の実施例を説明し、前記実施例の例は図面に示され、同じ又は類似する番号は、最初から最後まで同じ又は類似する部材、或いは同じ又は類似する機能を有する部材を表す。図面を参照して説明した以下の実施例は例示するものに過ぎず、本出願を説明することを目的としており、本出願を限定するものとして理解すべきではない。
【0026】
以下の開示では本出願の異なる構造を実現するための異なる実施例又は例が数多く提供される。本出願の開示を簡素化するために、以下は特定の例の部材及び配置を説明する。無論、それらは単なる例に過ぎず、本出願を限定することを意図していない。また、本出願は異なる例において数字及び/又はアルファベットを繰り返して参照することができる。こういう繰り返しは簡素化及び簡潔のためであり、それ自体は、検討された様々な実施例及び/又は配置の間の関係を示さない。また、本出願は様々な特定のプロセス及び材料の例を提供しており、当業者であれば、他のプロセスの適用性及び/又は他の材料の使用を意識することができる。
【0027】
関連技術における一部の空調器室内機は、可燃性冷媒(例えば冷媒R29、即ちプロパン)を用いており、空調器室内機の冷媒が漏れて一定の濃度に達すると、爆発する危険がある。そのため、関連技術では、これらの空調器室内機は、危険を防ぐために、一般的に冷媒漏れ検出装置を備えている。しかしながら、関連技術の冷媒漏れ検出装置は取付位置の影響を受け、検出効果が良くない。このため、本出願は、冷媒漏れを適時に検出できる空調器室内機100を提供する。
【0028】
以下、図面を参照しながら、本出願の実施例に係る空調器室内機1000を説明する。
【0029】
図1及び図2に示すように、本出願の実施例に係る空調器室内機1000は、吹き出し口12、吹き出し部材2、送風部材5及び熱交換部材6を含むことができる。送風部材5は、空気を空調器室内機1000内に取り込んで熱交換部材6と熱交換させ、熱交換した空気を吹き出し部材2へ流して吹き出し口12から吹き出す。吹き出し部材2は、吹き出し口12に設けられ、且つ吹き出し方向、吹き出し速度、吹き出し量など、吹き出し口12の吹き出し効果を変える。第1の検出装置3は、吹き出し部材2に取り付けられる。
【0030】
本出願の実施例に係る空調器室内機1000は、第1の検出装置3及び第2の検出装置4の少なくとも一方をさらに含む。以下、まず、第1の検出装置3に関する内容を説明し、次に第2の検出装置4に関する内容を説明する。
【0031】
図1及び図2に示すように、第1の検出装置3は、空調器室内機1000の冷媒漏れ状況を検出する。したがって、第1の検出装置3を吹き出し部材2に取り付けることにより、第1の検出装置3は吹き出し口12の近くに位置することができる。この場合、第1の検出装置3によって検出された冷媒の濃度が空調器室内機1000の内部から環境へ吹き出される冷媒の濃度であり、送風部材5による十分な撹拌により、漏れた冷媒が空気と十分混合されて吹き出し口12に流れることができるため、吹き出し口12における冷媒の濃度は、現在の空調器室内機1000の内部の漏れた冷媒の平均濃度をより正確に反映でき、その結果、第1の検出装置3によって検出された濃度データに基づいて冷媒漏れの危険性を正確に推定することができる。
【0032】
また、第1の検出装置3が吹き出し口12の近くに位置するため、使用者又はメンテナンススタッフによる第1の検出装置3の取り外しや交換が容易になり、且つ第1の検出装置3が常にメイン空気通路に位置するのが確保され、それによって、冷媒漏れの検出装置3は常に冷媒の漏れ状況を検出でき、送風部材5が動作している時に冷媒漏れを検出できるだけではなく、送風部材5が動作を停止している時にも冷媒漏れを検出することができる。
【0033】
なお、本出願の実施例に係る空調器室内機1000の具体的なタイプは異なり、例えば、一体型空調器(例えば窓用空調器、移動式空調器等)又はセパレート型空調器(例えば、セパレート型壁掛け空調器、セパレート型床置き空調器等)であってもよい。本出願の一部の実施例では、空調器室内機1000は、少なくとも室内に設置するのに適する室内機部分(例えば窓用空調器の室内ユニット、セパレート型壁掛け空調器の室内機、セパレート型床置き空調器の室内機等)を含み、室内機部分が室内に位置し、室内環境が比較的閉鎖的であり、爆発する危険性がより高いため、室内機部分に第1の検出装置3を設置することにより、空調器室内機1000の使用上の安全性を向上させることができる。
【0034】
無論、本出願はこれに限定されず、例えば、本出願の他の一部の実施例では、空調器室内機1000は、室外に設置するのに適する室外機部分をさらに含んでもよい。この場合、室外機部分に第1の検出装置3をさらに設置することによって、空調器室内機1000の使用上の安全性をさらに向上させることができる。以下、説明を簡潔にするために、室内機部分が上記の熱交換部材1、吹き出し部材2及び第1の検出装置3を含むことのみを例として説明し、当業者が以下の技術案を読めば、室外機部分が上記の熱交換部材1、吹き出し部材2及び第1の検出装置3を含むという具体的な実施形態を理解し得るのが明らかなことである。
【0035】
なお、本出願の実施例に係る吹き出し部材2が具体的に指し示したものは、その適用される具体的な空調器室内機1000の具体的な位置に応じて決定する必要がある。例えば、図2に示す例では、吹き出し部材2がセパレート型壁掛け空調器の室内機部分に適用される場合、吹き出し部材2は、風向板部材21を含むか、又は風向板及び風向板部材21の内側に位置するルーバー部材22を含んでもよい。別の例として、図1に示す例では、吹き出し部材2がセパレート型床置き空調器の室内機部分に適用される場合、吹き出し部材2は、開閉扉部材23及び開閉扉部材23の内側に位置するルーバー部材22などを含んでもよい。しかしながら、本出願はこれに限らず、適用される場合が具体的に決定された後、当業者は、吹き出し部材2が具体的に指し示すものを知ることができ、吹き出し口12の近くに設けられ且つ吹き出し効果(例えば吹き出し方向、吹き出し速度などを変える)を変えるための部材であれば、すべて本明細書が指し示す吹き出し部材2として理解することができる。
【0036】
また、本出願の実施例に係る第1の検出装置3の数が限定されず、実際の必要に応じて具体的に設定することができる。また、第1の検出装置3が複数である場合、複数の第1の検出装置3の取付位置は同一の吹き出し部材2に設置されてもよいし、複数の第1の検出装置3、異なる吹き出し部材2に設置されてもよい。例えば、そのうちのいくつかの第1の検出装置3をルーバー部材22に設置し、いくつかの第1の検出装置3を風向板部材21に設置するなどができ、ここでは詳しい説明を省略する。以下、本出願の実施例に係る第1の検出装置3のいくつかの具体的な取付方法を説明する。
【0037】
[実施例1]
図2及び図3に示すように、吹き出し部材2は、風向板部材21を含むことができ、風向板部材21は、外側風向板211を含み、外側風向板211は、吹き出し口12に可動に設けられ、吹き出し口12の開閉及び吹き出し口12の吹出し方向の調整を行う。即ち、外側風向板211は、少なくとも2つの機能を備え、1つは吹き出し方向を調整する機能であり、もう1つは吹き出し口12を開閉する機能である。第1の検出装置3は風向板部材21に設けられ、つまり、第1の検出装置3は風向板部材21に取り付けられるが、必ずしも外側風向板211に取り付けられるとは限らない。以上により、第1の検出装置3の取り付け及び固定を簡単且つ効果的に実現でき、メンテナンス及び交換が容易になり、第1の検出装置3の検出精度がより高くなり、吹き出し部材2の運転時にも停止時にも検出することができる。
【0038】
図3及び図4に示すように、外側風向板211は、本体部211a及び取付部211bを含むことができ、本体部211aは吹き出し口12の長手方向に延在する。例えば、図5及び図6に示す例では、風向板部材21がセパレート型壁掛け空調器の室内機に適用される場合、吹き出し口12の長手方向は横方向であってもよく、この場合、本体部211aの長手方向も同様に横方向である。また、例えば、風向板部材21がセパレート型床置き空調器の室内機に適用される場合、吹き出し口12の長手方向は縦方向であってもよく、この場合、本体部211aの長手方向も縦方向である。取付部211bは、本体部211aの長さの両端に設けられ、外側風向板211を取り付けるために使用される。つまり、外側風向板211は取付部211bを介して取り付けられる。
【0039】
本出願の具体的な一例では、第1の検出装置3は外側風向板211に取り付けることができ、この場合、第1の検出装置3は本体部211a及び取付部211bの少なくとも一方に取り付けることができる。これにより、第1の検出装置3の具体的なタイプに応じて、第1の検出装置3を柔軟に取り付けることができる。
【0040】
例えば、一部の具体的な例では、第1の検出装置3を本体部211aに取り付けることができる。例えば、図6に示す例では、第1の検出装置3は半導体ガスセンサ3aを含むことができ、半導体ガスセンサ3aは本体部211aの中間部の作動面に設けられる。これにより、取付スペースが十分になり、取り付けや補修が容易になり、さらに、外側風向板211の中間部の空気混合効果がより均一であるため、検出された冷媒の濃度が平均値により近くなる。無論、本出願はこれに限定されず、第1の検出装置3を本体部211aの長さの一端の端部の作動面に設置してもよく、それによって、第1の検出装置3が熱交換部材6の配管の溶接位置にさらに近くなり、漏れの問題をより早く検出することができる。また、本実施例では、半導体ガスセンサ3aを、「検出本体31及び蓄電部材33を含む」構成としてもよく、それによって本体部211aでの配線溝20の開設を回避することができる。無論、本出願はこれに限定されず、半導体ガスセンサ3aを、「検出本体31及び伝送線路32を含む」構成としてもよい。
【0041】
また、例えば、一部の具体的な例では、第1の検出装置3を取付部211bに取り付けてもよい。例えば、図7に示す例では、第1の検出装置3は、赤外線発光器3b及び赤外線受光器3cを含み、赤外線発光器3bは、一方の取付部211bの内面に設けられ、赤外線受光器3cは、他方の取付部211bの内面に設ける。これにより、赤外線発光器3b及び赤外線受光器3cは、吹き出し口12の長手方向において離間することができ、より広い範囲にわたって冷媒漏れの検出を行うことができ、検出値が平均値にさらに近くなる。また、本実施例では、赤外線発光器3b及び赤外線受光器3cは、両方とも「検出本体31及び伝送線路32を含む」構成であってもよい。この場合、伝送線路32を本体部211aの両側の取付部211bから直接引き出すことができる。例えば、取付部211bが回転軸を含む場合、伝送線路32を回転軸の近傍又は回転軸の内部などの位置に沿って直接引き出すことができ、コストを削減することができる。無論、本出願はこれに限定されず、赤外線発光器3b及び赤外線受光器3cは、両方とも「検出本体31及び蓄電部材33を含む」構成であってもよいため、吹き出し部材2が動作時に伝送線路32と干渉することを回避することができる。
【0042】
無論、本出願はこれに限定されず、第1の検出装置3が赤外線発光器3b及び赤外線受光器3cを含む場合、赤外線発光器3b及び赤外線受光器3cは、吹き出し口12の長手方向において離間するように、外側風向板211の内側のいずれか2つのブラケット構造213に設置されてもよく(図3を参照)、ここで詳細な説明を省略する。また、一部の具体的な例では、図8に示すように、本体部211a及び取付部211bのそれぞれに第1の検出装置3を有してもよく、この場合、第1の検出装置3のタイプの選択及び取り付け方式は、前文の説明を参照することができ、ここでは限定されない。また、第1の検出装置3の固定設置方式は限定されず、取り付け及び取り外しが容易である限り、係合、ネジなどの方式で取り付けることができる。
【0043】
また、第1の検出装置3が風向板部材21に設置される場合、第1の検出装置3が外側風向板211に設置されるのに限定されず、例えば図3に示す例では、風向板部材21が内側風向板212をさらに含む場合、内側風向板212は、外側風向板211の内側に設けられ、吹き出し口12の吹出し方向を変えることができ、外側風向板211及び内側風向板212の少なくとも一方に第1の検出装置3が設けられる。以上により、第1の検出装置3の柔軟な取り付けを実現することができる。なお、外側風向板211及び内側風向板212の接続方式は限定されず、例えば、固定接続(前文に記載のブラケット構造213を介した接続)、又は相対的な可動接続であってもよく、ここでは限定されない。
【0044】
[実施例2]
図2に示すように、吹き出し部材2は、ルーバー部材22を含むことができ、ルーバー部材22は、取付板221、ルーバー222及びリンク223を含み、ルーバー222は複数であり且つ取付板221に設けられ、リンク223はルーバー222に接続され、取付板221、ルーバー222及びリンク223の少なくとも1つに第1の検出装置3が設けられる。以上により、第1の検出装置3をルーバー部材22に設けることにより、第1の検出装置3を空調器室内機1000の内部にさらに近くすることができ、冷媒漏れの問題をより早く検出することができ、冷媒による爆発という問題をより早く解消する。
【0045】
[実施例3]
図1に示すように、吹き出し部材2は開閉扉部材23を含み、開閉扉部材23は、開閉扉本体231及び開閉扉本体231に設けられる通気孔232を含み、それによって、開閉扉本体231が吹き出し口12を閉じた状態にある場合、吹き出し部材2から吹き出される空気流は、開閉扉本体231上の通気孔232を通って吹き出すことができ、これにより、吹き出された空気流の強度を弱め、無風感又は柔らかい風当たりという送風効果を達成する。本実施例では、開閉扉本体231の内面に第1の検出装置3を設けることができる。これにより、第1の検出装置3を開閉扉本体231の内面に設けることで、第1の検出装置3の露出を回避し、第1の検出装置3を保護し、第1の検出装置3の耐用年数及び動作の信頼性を確保することができる。
【0046】
また、互いに矛盾がない場合、当業者は、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合したり、組み合わせたりすることができる。したがって、本出願の上記実施例1、実施例2、実施例3を任意に組み合わせて得られた実施例も、発明によって提供される選択可能な実施例であることは明らかになる。
【0047】
本出願の一部の実施例では、図1に示すように、第1の検出装置3は検出本体31及び伝送線路32を含むことができ、伝送線路32が検出本体31を空調器室内機1000の電気制御盤7に電気的に接続することで、第1の検出装置3は、電気制御盤7から、検出動作を行うための電力を取得することができるとともに、第1の検出装置3は電気制御盤7にデータを伝送することもできる。これによって、電気制御盤7が第1の検出装置3からフィードバックされたデータに基づいて、空調器室内機1000を制御することができ、爆発のリスクを低減させ、空調器室内機1000の安全性を向上させることができる。また、図1を参照し、吹き出し部材2(前文に記載の風向板部材21、ルーバー部材22及び開閉扉部材23を含む)には、伝送線路32を配線するための配線溝20を有してもよく、これにより、配線が容易になり、空調器室内機1000の整然性及び安全性が向上する。
【0048】
本出願の一部の実施例では、図1に示すように、第1の検出装置3は検出本体31及び蓄電部材33(例えば普通の電池、充電式電池等)を含んでもよく、蓄電部材33は検出本体31に電気的に接続される。これにより、第1の検出装置3はそれ自体が有する蓄電部材33を介して検出作業を行うための電力を取得することができるため、第1の検出装置3と電気制御盤7との間に伝送線路32を設置しなくてもよい。これによって、伝送線路32の使用を回避し、コストを削減し、構造のシンプルさ及び組み立ての効率を向上させることができる。また、本実施例では、第1の検出装置3が同時に無線伝送の方式で電気制御盤7と通信可能に接続することができ、これにより、電気制御盤7が第1の検出装置3からフィードバックされたデータに基づいて、空調器室内機1000を制御することができ(具体的な制御方法は後文を参照することができるが、これに限定されない)、爆発のリスクを低減させ、空調器室内機1000の安全性を向上させることができる。
【0049】
また、空調器室内機1000の具体的なタイプが決定された後、本出願の実施例に係る空調器室内機1000の他の構成及び操作は既に当業者に知られているため、ここでは詳しく説明しない。
【0050】
次に、本出願の1つの具体的な実施例に係る空調器室内機1000を説明する。
【0051】
本実施例では、空調器室内機1000は横型のセパレート型壁掛け空調器室内機であり、風向板部材21は横方向に延在し且つ横方向の両側にはそれぞれ赤外線発光器3b及び赤外線受光器3cが一定の構造形式で固定され、赤外線発光器3b及び赤外線受光器3cは、両方とも風向板部材21の吹き出し口12に面する側に設けられる。赤外線発光器3bと赤外線受光器3cとを結ぶ方向と、風向板部材21の長手方向とは、両方とも水平方向であり且つ互いに平行する。赤外線発光器3bから送信された赤外線信号は、赤外線受光器3cによって受信され、伝送線路32を介して電気制御盤7に伝送することができ、電気制御盤7は信号の強度を検出することによって赤外線信号が通過する領域の冷媒濃度を分析する。
【0052】
本実施例における第1の検出装置3は、風向板部材21が閉じた状態にあり、このとき送風部材5が運転を停止している場合にも、風向板部材21が開いた状態にあり、このとき送風部材5が運転している場合にも、冷媒の濃度を正確に検出することができる。また、本実施例では、空気より冷媒の密度が高く、且つ空調器吹き出し口12が室内の熱交換部材1の下方に位置するため、第1の検出装置3は、送風部材5が運転している時に冷媒漏れを検出できるだけでなく、送風部材5が運転を停止している時にも冷媒漏れを検出することができる。
【0053】
本出願の1つの実施例では、本出願に係る空調器室内機100は、図9に示すように、ハウジング1、熱交換部材2、送風部材3及び第2の検出装置4を含むことができ、ハウジング1内には風路11を有し、熱交換部材2はハウジング1内に設けられ且つ風路11内の空気流と熱交換する。送風部材3はハウジング1内に設けられ且つ風路11に空気を通過させる。つまり、空調器室内機100のハウジング1の内部には、風路11、熱交換部材2、送風部材3及び第2の検出装置4を有し、送風部材3は、空気をハウジング1の外部からハウジング1の内部の風路11内に取り込み、且つ風路11内の空気流をハウジング1外部に排出する。熱交換部材2は風路11内の空気流と熱交換することで風路11の空気流の温度を変え、これにより、風路11を流れた空気流がハウジング1の外部へ排出された後に環境の温度を変えることができる。
【0054】
図9に示すように、第2の検出装置4は熱交換部材2に設けられ且つ冷媒漏れを検出する。なお、ここでは、「第2の検出装置4は熱交換部材2に設けられる」というのは、第2の検出装置4が熱交換部材2に隣接して設置されるか、又は熱交換器2と接触して設置されることを指し、これによって、第2の検出装置4が熱交換部材2に位置するか、又はその近くに位置することを確保する。
【0055】
具体的には、発明者は、実際の生活では、空調器室内機100の熱交換部材2内に冷媒が通過するため、熱交換部材2の近くに漏れた冷媒が存在しやすいことを発見したため、本出願の空調器室内機100では、第2の検出装置4を熱交換部材2の近くに設置し、且つ上記の冷媒漏れの位置に近くすることによって、冷媒漏れを適時且つ効果的に検出することができ、空調器室内機100の動作の安全性を向上させることができる。
【0056】
一部の実施例では、図10に示すように、熱交換部材2は冷媒パイプ61を含むことができ、少なくとも1つの第2の検出装置4(例えば図10における第1のセンサ41)は冷媒パイプ61のエルボセクション611に設けられる。具体的には、発明者は、実際の生活では、熱交換部材2の冷媒パイプ61がエルボセクション611を有し、エルボセクション611が曲げプロセスによって直管セクションを曲げたものであるため、エルボセクション611の曲げ部の外側の肉厚が薄く、ひび割れなどが存在する可能性があり、冷媒漏れのリスクが存在し、即ち、冷媒パイプ61のエルボセクション611では冷媒パイプ61の直管セクションよりも冷媒漏れが発生しやすいことを発見した。したがって、エルボセクション611の近くに少なくとも1つの第2の検出装置4を設けることによって、少なくとも、冷媒パイプ61のエルボセクション611に冷媒漏れが発生したか否かを検出し、第2の検出装置4は冷媒漏れを極力早く、即ちより早く発見することができ、空調器室内機100の動作の安全性を向上させる。
【0057】
なお、熱交換部材2は複数の冷媒パイプ61を含むことができ、例えば、図11及び図12に示す示では、熱交換部材2がチューブフィン式熱交換部材である場合、熱交換部材2は、積層して設置されるフィン62、及びフィン62を貫通する冷媒パイプ61を含み、冷媒パイプ61のフィン62内を貫通する部分は、冷媒パイプ61の直管セクションであり、冷媒パイプ61のフィン62の積層方向(図11及び図12に示す左右方向)に位置する両端の部分はほとんどエルボセクション611であり、図11に示すように、第1のセンサ41は、フィン62の左側のエルボセクション611に設置されてもよく、図12に示すように、第1のセンサ41は、フィン62の右側のエルボセクション611に設置されてもよい。
【0058】
一部の実施例では、図10に示すように、熱交換部材2は、冷媒パイプ61を含んでもよく、少なくとも1つの第2の検出装置4(例えば、図10の第2のセンサ42)は冷媒パイプの溶接継目612に設けられる。具体的には、発明者は、実際の生活では、熱交換部材2の冷媒パイプ61が設置される過程で用いられる接続方式は、ほとんど溶接であり、溶接環境などの影響により、冷媒パイプ61を溶接する過程で溶接継目612ではスラグ巻き込み、気泡のような内部欠陥が発生する可能性があり、これらの内部欠陥が搬送中又は作動中に振動又は他の外的要因によって、溶接継目612における冷媒パイプ61が破損する可能性があるため、冷媒漏れのリスクが存在し、即ち、冷媒パイプ61の溶接継目612では冷媒パイプ61の他の箇所よりも冷媒漏れが発生しやすいことを発見した。したがって、溶接継目612の近傍に少なくとも1つの第2の検出装置4を設置することによって、少なくとも、冷媒パイプ61の溶接継目612では冷媒漏れが発生したか否かを検出し、第2の検出装置4は冷媒漏れを極力早く、即ちより早く発見することができ、空調器室内機100の動作の安全性を向上させることができる。
【0059】
なお、熱交換部材2は複数の冷媒パイプ61を含むことができ、熱交換部材2における冷媒パイプ61では、通常、隣接する直管セクションの間に溶接継目612(例えば図11に示す溶接継目612a)が形成され、且つ冷媒パイプ61と熱交換部材2以外の他の冷媒パイプ(例えば室外冷媒接続パイプ)との間にも通常、溶接継目612(例えば図11に示す溶接継目612b)が形成され、少なくとも1つの第2の検出装置4を上記のこれらの溶接継目612のうちの少なくとも1つの近傍に設置することができる。
【0060】
また、図11及び図12に示す例では、熱交換部材2がパイプフィン式熱交換部材である場合、熱交換部材2は、積層して設置されるフィン62及びフィン62を貫通するように設置される冷媒パイプ61を含むことができ、冷媒パイプ61のフィン62内を貫通する部分は冷媒パイプ61の直管セクションであり、フィン62の積層方向(図11及び図12に示す左右方向)に位置する冷媒パイプ61の両端の部分はほとんどエルボセクション611であり、フィン62の積層方向における一方の側(例えば図11及び図12に示す右側)のエルボセクション611と直管セクションとは溶接されて溶接継目612が形成され、フィン62の積層方向における他方の側(例えば図11及び図12に示す左側)のエルボセクション611及び直管セクションは、一本のパイプを折り曲げて形成することができ、図12に示すように、第2の検出装置4における第2のセンサ42は、フィン62の右側の溶接継目612に設置することができる。
【0061】
一部の実施例では、図13に示すように、熱交換部材2はフィン62を含むことができ、少なくとも1つの第2の検出装置4(例えば図面における第3のセンサ43)はフィン62に取り付けられる。したがって、少なくとも1つの第2の検出装置4、例えば第3のセンサ43をフィン62に取り付けることで、熱交換部材2及び第3のセンサ43を一体的に構成することができ、構造を簡素化し、コストを削減し、取り付け効率を向上させることができるとともに、第3のセンサ43と熱交換部材2との相対位置をより信頼できるものにし、搬送中又は使用中に振動などの原因によって第3のセンサ43が熱交換部材2に対して位置ずれたり、シフトしたりするなどの問題を極力回避し、第3のセンサ43の動作の安定性及び信頼性を向上させることができる。
【0062】
一部の実施例では、図13に示すように、少なくとも1つの第2の検出装置4(例えば図13における第4のセンサ44)は熱交換部材2の下方に設けられる。具体的には、発明者は、実際の生活では、冷媒の密度が空気の密度より高いため、漏れた冷媒がそれ自体の重力の作用によって徐々に下へ拡散していくことを発見したため、対応する第2の検出装置4(例えば図13における第4のセンサ44)により冷媒漏れをより信頼的に発見でき、空調器室内機100の動作の安全性を向上させることができる。
【0063】
熱交換部材2に冷媒漏れが発生した場合、冷媒の密度が空気の密度より高いため、漏れた冷媒は徐々に下へ拡散し且つハウジング1の内部空間の下部の領域に集まり、この領域内の冷媒の濃度は徐々に高まり、安全事故を引き起こすおそれがある。したがって、少なくとも1つの第2の検出装置4、例えば図13における第4のセンサ44を熱交換部材2に下方に設けることにより、第4のセンサ44が冷媒の集まり位置にさらに近くなり、第4のセンサ44が冷媒漏れをより信頼的に発見でき、空調器室内機100の動作の安全性を向上させることができる。
【0064】
なお、空調器室内機100のタイプは限定されず、例えば、空調器室内機100は横掛式の壁掛型空調器であってもよく、この場合、熱交換部材2は横方向に延在することができ、第4のセンサ44はフィン62の幅の下側(例えば、この場合第4のセンサ44は熱交換部材2のフィン62に取り付けることができる)に位置することができる。また、例えば、空調器室内機100は縦型の床置き空調器であってもよく、この場合、熱交換部材2は縦方向に延在することができ、第4のセンサ44はフィン62の長さの下側(例えば、この場合第4のセンサ44は熱交換部材2の冷媒パイプ61に取り付けることができる)に配置することができる。ここでは詳しい説明を省略する。
【0065】
一部の実施例では、図9に示すように、第2の検出装置4は第1タイプの検出装置4aを含むことができ、第1タイプの検出装置4aは、熱交換部材2に直接的又は間接的に取り付けられ、且つ熱交換部材2と接触する。第1タイプの検出装置4aを熱交換部材2に直接的又は間接的に取り付け、且つ熱交換部材2と接触させることによって、位置決めの難しさを下げて、組み立て効率を向上させることができるとともに、第1タイプの検出装置4aと熱交換部材2との相対位置をより信頼的なものにし、搬送又は使用中に振動などの原因によって第1タイプの検出装置4aが熱交換部材2に対して位置ずれたり、シフトしたりするなどの問題を極力回避し、第1タイプの検出装置4aの検出の安定性及び信頼性を向上させることができる。なお、上記第1のセンサ41、第2のセンサ42、第3のセンサ43、及び第4のセンサ44のそれぞれは第1タイプの検出装置4aであってもよい。
【0066】
一部の実施例では、図9及び図10に示すように、第2の検出装置4は第2タイプの検出装置4bを含むことができ、第2タイプの検出装置4bは、熱交換部材2に直接的又は間接的に取り付けられ、且つ熱交換部材2から離間している。これにより、熱交換部材2の熱交換効率を確保できるとともに、第2タイプの検出装置4bと熱交換部材2との相対位置をより信頼的なものにし、搬送中又は使用中に振動などの原因によって第2タイプの検出装置4bが熱交換部材2に対して位置ずれたり、シフトしたりするなどの問題を極力回避し、第2タイプの検出装置4bの検出の安定性及び検出の信頼性を向上させることができる。なお、上記第1のセンサ41、第2のセンサ42、第3のセンサ43、及び第4のセンサ44のそれぞれは第2タイプの検出装置4bであってもよい。
【0067】
「第2の検出装置4が熱交換部材2に取り付けられる」というのは、第2の検出装置4が熱交換部材2の任意の位置、例えば、上記エルボセクション211、溶接継目612、フィン62などに取り付けることができることを指す。また、第2の検出装置4と熱交換部材2との接続方式は限定されず、例えば直接的固定であってもよく、例えば、第2の検出装置4及び熱交換部材2自体にはそれぞれ、直接的接続を実現するための接続耳などの構造を有し、これにより、組み立て効率を向上させ、部材の数を減少させることができる。また、例えば間接的固定であってもよく、例えば、第2の検出装置4はブラケット部材8などを介して熱交換部材2に間接的に固定することができ、それによって第2の検出装置4及び熱交換部材2の構造の複雑さを低減させ、生産コストを削減することができる。
【0068】
一部の実施例では、図9に示すように、各第2の検出装置4と熱交換部材2との間の距離Lはいずれも20mmより短く、例えばLは5mm、10mm、15mm、20mmなどであってもよい。それにより、第2の検出装置4は熱交換部材2にさらに近くなり、第2の検出装置4は、冷媒漏れを極力早く、即ちより早く発見することができ、空調器室内機100の動作の安全性を向上させることができる。無論、本出願はこれに限定されず、本出願の他の実施例では、第2の検出装置4と熱交換部材2との間の距離Lは20mm以上であってもよく、例えば25mm、30mm、35mmなどであってもよい。
【0069】
一部の実施例では、第2の検出装置4は、ガスセンサ及び温度センサの少なくとも一方を含むことができる。例えば上記の第1のセンサ41、第2のセンサ42、第3のセンサ43、及び第4のセンサ44のそれぞれは、ガスセンサ又は温度センサであってもよい。これにより、異なる実際の需要を満たすことができる。なお、ガスセンサを用いて冷媒漏れを検出する原理、及び温度センサを用いて冷媒漏れを検出する原理は、両方とも当業者に知られているものであるため、ここでは説明を省略する。
【0070】
一部の実施例では、図9に示すように、送風部材3は熱交換部材2の下流に位置し、第2の検出装置4は送風部材3の上流に位置し、第2の検出装置4は熱交換部材2の下流に位置する。即ち、第2の検出装置4が送風部材3と熱交換部材2との間に設けられ、それによって熱交換部材2を通過する空気流内の冷媒を検出でき、第2の検出装置4が冷媒漏れを極力早く、即ちより早く発見することができ、空調器室内機100の動作の安全性を向上させることができる。なお、上流及び下流は空気流の流れ方向によって決定され、空気流が先に通過する位置方向は上流で、空気流が後に通過する位置方向は下流である。
【0071】
また、本出願の実施例に係る空調器室内機100は、他の特徴をさらに有してもよい。ハウジング1には吹き出し口12及び吸気口13をさらに有してもよく、吹き出し口12はハウジング1の前側の下部に位置してもよく、吸気口13はハウジング1の頂部に位置してもよいが、これに限らない。
【0072】
以下、本出願の実施例に係る空調器室内機100の制御方法を説明する。
【0073】
図15に示すように、本出願の実施例に係る制御方法は以下のステップを含んでもよい。第2の検出装置4により冷媒漏れを検出し(即ち第2の検出装置4が信号を収集する)、第2の検出装置4から出力された信号値の変動率(即ち単位時間あたりの信号の変動量)が所定閾値(例えば後述する漏れ閾値又は危険閾値)より高い場合、冷媒漏れが発生したと判定し、この際に、危険を防ぐために、対応する動作を実行することができる。例えば、空調器室内機100内の第2の検出装置4で検出された冷媒の濃度が漏れ閾値より高い場合、冷媒漏れが発生したと判定し、室内ファンを起動して冷媒の拡散を加速させ(この際に、空調器室内機100がオンの運転状態にあれば、室内ファンの回転速度を向上させることができる)ることにより、強力な排気を実現し、第2の検出装置4で検出された冷媒の濃度が危険閾値より高い場合、空調器室内機100の電源を切断し、引き続き通電することによる安全上の問題を回避する。
【0074】
本出願の説明では、特に明記および限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広い意味で理解すべきであり、例えば、直接的接続であってもよいし、中間媒体による間接的接続であってもよく、2つの部材の内部の連通又は2つの部材の相互作用関係である。当業者であれば、具体的な状況に応じて本出願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。また、本出願では、特に明記や限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあるというのは第1及び第2の特徴が直接接触することであってもよいし、又は第1及び第2の特徴が中間媒体によって間接的に接触することであってもよい。
【0075】
本明細書の説明では、「一実施例」、「一部の実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「一部の例」などの参考用語の説明は、当該実施例又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを指す。本明細書では、上記用語についての概略的な表現は必ずしも同じ実施例又は例を対象にしているとは限らない。且つ、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。
【0076】
本出願の実施例を示し且つ説明したにもかかわらず、当業者であれば、本出願の原理及び趣旨を逸脱しない限り、これらの実施例に対して様々な変更、修正、置き換え及び変形を行うことができ、本出願の範囲が特許請求の範囲及びその均等物によって定義される。
【符号の説明】
【0077】
1000 空調器室内機
1 ハウジング
11 風路
12 吹き出し口
13 吸気口
2 吹き出し部材
20 配線溝
21 風向板部材
211 外側風向板
212 内側風向板
213 ブラケット構造
211a 本体部
211b 取付部
22 ルーバー部材
221 取付板
222 ルーバー
223 リンク
23 開閉扉部材
231 開閉扉本体
232 通気孔
3 第1の検出装置
31 検出本体
32 伝送線路
33 蓄電部材
3a 半導体ガスセンサ
3b 赤外線発光器
3c 赤外線受光器
4 第2の検出装置
4a 第1タイプの検出装置
4b 第2タイプの検出装置
41 第1のセンサ
42 第2のセンサ
43 第3のセンサ
44 第4のセンサ
5 送風部材
6 熱交換部材
61 冷媒パイプ
611 エルボセクション
612 溶接継目
62 フィン
7 電気制御盤
8 ブラケット部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
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