(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】実装機
(51)【国際特許分類】
G01R 27/02 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
G01R27/02 Z
(21)【出願番号】P 2021572179
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(86)【国際出願番号】 JP2020002062
(87)【国際公開番号】W WO2021149175
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-06-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000969
【氏名又は名称】弁理士法人中部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 将士
(72)【発明者】
【氏名】青木 猛史
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-025791(JP,A)
【文献】特開2006-105902(JP,A)
【文献】実開昭58-145571(JP,U)
【文献】特開昭60-201266(JP,A)
【文献】国際公開第2012/133756(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/155657(WO,A1)
【文献】特開平06-310583(JP,A)
【文献】特開平05-072276(JP,A)
【文献】特開平04-301775(JP,A)
【文献】米国特許第04064456(US,A)
【文献】中国実用新案第206684232(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を回路基板に装着する実装機であって、
一対の測定子に把持された対象物としての前記電子部品と、前記電子部品の電気的特性に関連する特性関連値を測定する特性関連値測定部と、電気的特性を有する回路要素を
複数有する補助回路とを備えた電気回路を含み、前記特性関連値測定部によって測定された前記特性関連値に基づいて前記電子部品の前記電気的特性を表す値である電気的特性値を取得する電気的特性値取得装置であって、前記電子部品の電気的特性値と取得する前記電気的特性との少なくとも一方に基づいて前記補助回路を切り換える補助回路切換部を含む電気的特性値取得装置と、
制御装置と、
を備え、
前記補助回路切換部が、前記複数の前記回路要素の各々に対応して、それぞれ設けられた複数のスイッチと、前記複数のスイッチのうちの少なくとも1つのON・OFFを切り換えることにより、前記補助回路を切り換えて、前記電子部品に接続される前記回路要素を切り換えるスイッチ制御部とを含み、
前記補助回路が、前記複数の回路要素として、前記電気的特性としてのインダクタンスの値を有する複数のコイルと、前記電気的特性としての抵抗値を有する複数の抵抗と、前記電気的特性としての容量の大きさを有する複数のコンデンサとを含み、
前記複数のコイルの各々と前記複数の抵抗の各々とはそれぞれ前記電子部品と直列に位置し、前記複数のコンデンサの各々はそれぞれ前記電子部品と並列に位置し、
前記複数のコイルの各々のインダクタンスの値、前記複数の抵抗の各々の抵抗値、前記複数のコンデンサの各々の容量の値は互いに異なり、
前記複数のスイッチの各々が、それぞれ、前記複数のコイルの各々および前記複数の抵抗の各々に対応し前記複数のコイルの各々および前記複数の抵抗の各々とそれぞれ並列に位置するとともに、前記複数のコンデンサの各々に対応し前記複数のコンデンサの各々とそれぞれ直列に位置し、
前記制御装置は、
前記スイッチ制御部を含むとともに、次に測定される予定の前記電子部品の前記電気的特性の規格値に基づいて、
前記電子部品に接続する前記回路要素を、コイル、抵抗およびコンデンサのいずれにするかと前記回路要素の電気的特性値とを決定し、前記決定に基づいて、前記特性関連値測定部によって前記電子部品の特性関連値が測定される前に、
前記複数のコイルの各々および前記複数の抵抗の各々に対応する複数のスイッチの各々と、前記複数のコンデンサの各々に対応する複数のスイッチの各々とのうちの少なくとも1つのON・OFFを切り換えることにより、前記補助回路を切り換えるものである実装機。
【請求項2】
前記補助回路切換部が、前記特性関連値測定部によって測定された前記特性関連値に基づいて取得された前記電気的特性値が予め定められた設定範囲内の値となるように、前記補助回路を切り換えるものである請求項1に記載の実装機。
【請求項3】
前記補助回路切換部が、前記1つ以上の回路要素のうちの少なくとも1つの前記電気的特性値を変更可能な少なくとも1つの変更機構を含む請求項
1または2に記載の実装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象物の電気的特性値を取得する電気的特性値取得装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のインピーダンス測定装置は、対象物、インピーダンス検出部、測定補助回路等を備えた電気回路を含む。特許文献1の
図16(a)に示す電気回路における測定補助回路は、対象物と並列に設けられたキャパシタと、対象物を直列に設けられた抵抗、コイルとを含む。また、
図17(a)に示す電気回路における測定補助回路は、対象物と並列に設けられたコイルおよび抵抗と、対象物と直列に設けられたキャパシタおよび抵抗とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【開示の概要】
【0004】
【本開示が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の課題は、対象物の電気的特性を表す値である電気的特性値を安定して取得可能とすることである。
【課題を解決するための手段、作用および効果】
【0006】
例えば、対象物の電気的特性を表す値である電気的特性値が設定値より小さい場合には、バラツキが大きく、電気的特性値を安定して取得することが困難となる。
それに対して、本開示に係る電気的特性値取得装置は、回路要素を1つ以上有する補助回路を備えた電気回路を含み、対象物の電気的特性値と取得する電気的特性との少なくとも一方に基づいて補助回路が切り換えられる。例えば、補助回路が、対象物に、並列に回路要素としてのコンデンサが接続される回路に切り換えられたり、対象物に、直列に回路要素としての抵抗またはコイルが接続される回路に切り換えられたりする。その結果、電気的特性値取得装置において取得される電気的特性値を設定値より大きくすることができ、バラツキを抑制し、対象物の電気的特性値を安定して取得することが可能となる。
なお、特許文献1には、測定補助回路を、部品の電気的特性値に基づいて切り換えることも、取得する電気的特性に基づいて切り換えることも記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の実施例1に係る電気的特性値取得装置を備えた測定装置を含む実装機の斜視図である。
【
図5】上記実装機の制御装置を概念的に示す図である。
【
図6】上記測定装置の電気回路を概念的に示す回路図である。
【
図7】上記制御装置の記憶部に記憶されたLCR取得プログラムを表すフローチャートである。
【
図8】切換後の上記電気回路を概念的に示す回路図である。
【
図9】切換後の別の状態の上記電気回路を概念的に示す回路図である。
【
図11】上記電気回路とは別の電気回路を概念的に示す図である。
【
図12】上記記憶部に記憶されたさらに別のLCR取得プログラムを表すフローチャートである。
【本開示の実施形態】
【0008】
以下、本開示の一実施形態である電気的特性値取得装置を含む実装機について図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示す実装機は、部品を回路基板に装着するものであり、装置本体2,回路基板搬送保持装置4,部品供給装置6,ヘッド移動装置8,測定装置10等を含む。
回路基板搬送保持装置4は、回路基板(以下、基板と略称する)Pを水平な姿勢で搬送して保持するものであり、
図1において、基板Pの搬送方向をx方向、基板Pの幅方向をy方向、基板Pの厚み方向をz方向とする。y方向、z方向は、それぞれ、実装機の前後方向、上下方向である。これらx方向、y方向、z方向は互いに直交する。
【0009】
部品供給装置6は、基板Pに装着される電子部品(以下、部品と略称する)sを供給するものであり、複数のテープフィーダ14等を含む。ヘッド移動装置8は、ヘッド16を保持してx、y方向へ移動させるものであり、ヘッド16は、部品保持具としての吸着ノズル18と、撮像装置としての第1カメラ19と、これらをヘッド本体に対してz方向に移動させる昇降装置とを有する。吸着ノズル18は、部品sを吸着して保持するものであり、第1カメラ19は、基板Pに設けられた基準マークMp等を撮像するものであり、マークカメラと称することができる。
【0010】
測定装置10は、対象物の一例である部品sの電気的特性に関連する特性関連値を測定して、測定した特性関連値に基づいて電気的特性値を取得する電気的特性値取得装置を含むものである。測定装置10は、廃棄箱26を介して回路基板搬送保持装置4の本体に設けられる。廃棄箱26と測定装置10とは廃棄通路28によって接続されるが、電気的特性値が測定された部品sが、廃棄通路28を経て廃棄箱26に収容される。
【0011】
測定装置10は、
図2,3に示すように、本体30、部品sを保持可能な保持台32、固定子34および可動子36から成る一対の測定子37、保持台32を移動させる保持台移動装置40、可動子36を固定子34に対して接近・離間させる可動子移動装置41、電気的特性値を取得するための電気回路42、エア供給装置43等を含む。本実施例において、部品sは、
図6に示すように、両端部に電極p1,p2を有し、一対の測定子37によってクランプ可能なものとすることができる。部品sとしては、例えば、角チップと称するものが該当する。
【0012】
本実施例において、本体30は廃棄箱26に対して相対移動可能に設けられ、
図3に示すように底部には、廃棄通路28と連通する貫通孔30aが設けられる。
【0013】
保持台32は、部品載置部44と、部品載置部44を保持する載置部保持体46とを含む。部品載置部44の上面にはV溝44cが形成され、部品sが載せられる。
部品載置部44は、導電性、耐摩耗性を有し、かつ、酸化が進み難い材料で製造されたものとすることができる。部品載置部44は、複数の導電性を有する部材を介して本体30に電気的に接続されるが、本体30が接地されることにより、部品載置部44も接地される。本実施例においては、部品載置部44が載置部保持体46に当接し、かつ、締結部47によって固定されるとともに、載置部保持体46が本体30にストッパ80(
図3参照)を介して当接する。そして、載置部保持体46、ストッパ80、本体30、締結部47等は導電性を有するものである。したがって、部品載置部44は接地されるのである。
このように、部品載置部44が導電性を有する材料で製造され、かつ、接地されることにより、部品載置部44に載置させられた部品sの除電を行うことができる。例えば、部品載置部44は、アルミニウム合金またはステンレス材料等によって製造されたものとすることができる。保持台32にはカバー50が取り付けられる。
【0014】
固定子34、可動子36は、互いに接近・離間可能に設けられる。固定子34は固定子保持体55を介して本体30に固定される。可動子36は一端部(後退側の端部)において可動子保持体56に保持され、可動子保持体56と一体的に移動可能とされる。
固定子34、可動子36は、それぞれ、互いに対向する対向面34f、36fを有し、これら一対の対向面34f、36fによって部品sがクランプ(把持)される。本実施例において、対向面36fは、断面が概して三角形状を成し、V溝44cに沿って移動可能とされる。換言すれば、可動子36の対向面36fの形状は、ほぼV溝44cに対応する形状とされ、可動子36の対向面36f、固定子34の対向面34fおよび保持台32のV溝44cは、ほぼ同一高さに位置する。そのため、部品sがV溝44c内のいずれにあっても、一対の対向面34f、36fによって部品sがクランプ可能とされる。
【0015】
また、可動子36は、本実施例において、y方向(移動方向)に伸びた長手部材であり、対向面36fを含む先端部36aと、先端部36aより後端側の部分である後部36bとを含む。後部36bは、先端部36aの底部が切り欠かれた形状を成す。そのため、保持台32と可動子36とは互いに相対移動可能とされる。
【0016】
保持台移動装置40は、保持台32を移動させるものであり、駆動源としてのエアシリンダ64を含む。
図4に示すように、エアシリンダ64において、ハウジングの内部がピストンによって2つのエア室64a、64bに仕切られ、ピストンのピストンロッド66に載置部保持体46が連結される。2つのエア室64a、64bと、エア源68、エア供給装置43のエア通路60、フィルタ(大気)との間には電磁弁装置69が設けられる。電磁弁装置69は、複数の電磁弁を含むものであり、電磁弁装置69の制御により、保持台32が前進、後退させられる。具体的には、エア室64aにエア通路60が連通させられ、エア室64bにエア源68が連通させられることにより、保持台32が前進させられ、エア室64bに大気が連通させられ、エア室64aにエア源68が連通させられることにより、保持台32が後退させられる。このように、保持台32の前進時にエア通路60にエアが供給される。
【0017】
可動子移動装置41は、可動子36を移動させるものであり、駆動源としてのエアシリンダ70を含む。エアシリンダ70においても同様に、ハウジングの内部には、ピストンによって仕切られた2つのエア室70a、70bが形成され、ピストンのピストンロッド71に可動子保持体56が連結される。2つのエア室70a、70bには、電磁弁装置72を介して、エア源68、エア通路60、フィルタ(大気)が接続される。電磁弁装置72の制御により、可動子36が前進、後退させられる。なお、エア室70aにエア源68が、エア室70bにエア通路60が、それぞれ、連通させられることにより可動子36が後退させられ、エア室70bにエア源68が、エア室70aに大気が、それぞれ、連通させられることにより可動子36が後退させられる。可動子36の後退に伴ってエア通路60にエアが供給されるのである。
【0018】
電磁弁装置69,72は、
図4に示すように、複数の流量制御弁、方向切換弁等を含むものであるが、それに限らない。例えば、複数の開閉弁を含むものとすること等ができる。
【0019】
エア供給装置43は、可動子36の対向面36fにエアを供給するものであり、上述のエアシリンダ64,70、エア通路60、イオナイザ62等を含む。エア通路60は、固定子側の部材{例えば、固定子34の上部または固定子保持体55の固定子34の上方の部分または本体30}に設けられ、
図3に示すように、エアシリンダ64,70に接続された主通路60h、主通路60hに連通させられ、固定子側の部材の段面に、可動子36の対向面36fに対向して開口する開口60aを有するエア噴出通路60s等を含む。エア噴出通路60sは、
図3に示すように概してy方向に伸び、延長線kが、可動子36が固定子34から離間した位置にある場合に、可動子36の対向面36fの部分Rの上方または部分R内に達する状態で伸びたものである。部分Rは、可動子36の対向面36fの部品sをクランプする頻度が高い部分であり、クランプ部と称することができる。エアは、対向面36fの延長線kが交差する部分に、斜め上方から当たる。また、エア通路60のエアシリンダ64,70の下流側の部分にはイオナイザ62が設けられる。イオナイザ62は、コロナ放電を生起させて空気をイオン化するものであり、対向面36fにイオン化された空気が供給され得る。なお、イオナイザ62は不可欠ではない。
【0020】
図2,3に示すように、本体30または固定子保持体55と可動子保持体56との間には、y方向に伸びた一対のガイドロッド74,75が設けられ、保持台32と可動子保持体56との間には、y方向に伸びた一対のガイドロッド76,77が設けられる。これらガイドロッド74,75、76,77により固定子34と可動子36とがy方向に互いに相対移動(接近・離間)可能とされるとともに、保持台32と可動子36とは互いにy方向に相対移動可能とされる。
また、可動子保持体56の固定子側にはストッパ82が設けられ、本体30の固定子保持体55を保持する部分にはストッパ80が設けられる。ストッパ82は、可動子保持体56と保持台32(載置部保持体46)との接近限度を規定するものであり、ストッパ80は、固定子34(本体30)と保持台32(載置部保持体46)との接近限度を規定するものである。
本実施例において、ガイドロッド74~77は、保持台移動装置40、可動子移動装置41に共有され、ストッパ80,82は保持台移動装置40の構成要素であると考えることができる。
【0021】
なお、符号84は第2カメラを表す。第2カメラ84は、第1カメラ19とは別個に設けられたものであり、吸着ノズル18によって保持された部品sを撮像するものである。第2カメラ84によって撮像された画像に基づいて、部品sが回路基板Pに装着される予定のものであるか否かが判定される。
【0022】
電気回路42は、
図6に示すように、特性関連値測定部90、交流信号発生部92、一対の測定子37によって把持された部品s、複数の回路要素等を有する補助回路94等を含む。特性関連値測定部90は、部品sのL(インダクタンス),C(キャパシタンス、容量),R(レジスタンス、抵抗)、Z(インピーダンス)等の電気的特性を表す値である電気的特性値を取得するための値である特性関連値を測定するものである。特性関連値測定部90は、例えば、電気回路42または部品sに流れる交流電流を測定したり、部品sにおいて生じる電圧差を測定したりするもの等とすることができ、交流信号測定部と称することができる。また、交流信号発生部92は、例えば、調整された周波数の交流電圧を発生するものとすることができる。
【0023】
補助回路94は、本実施例において、回路要素としてのコイルL1,L2、抵抗R1,R2、コンデンサC1,C2等を含むとともに、これらコイルL1,L2、抵抗R1,R2と並列に位置するスイッチSW1,SW2,SW3,SW4、コンデンサC1,C2と直列に位置するスイッチSW5,SW6等を含む。コイルL1,L2、抵抗R1,R2は、部品sと直列に位置し、コンデンサC1,C2は部品sと並列に位置する。
抵抗R1,R2の各々の電気的特性値としての抵抗値R1x,R2xは互いに異なり、コイルL1,L2の各々の電気的特性値としてのインダクタンスの値L1x,L2xは互いに異なり、コンデンサC1,C2の各々の電気的特性値としての容量の大きさC1x,C2xは互いに異なる。スイッチSW1~SW6は無接点スイッチであっても有接点スイッチであってもよい。なお、
図2,3の符号98a,98bは、一対の測定子37の電気回路42への接続部である。
【0024】
当該実装機は制御装置100を含む。制御装置100は、
図5に示すように、コンピュータを主体とするコントローラ102と、複数の駆動回路104とを含む。コントローラ102は、実行部110、記憶部112、入出力部114等を含み、入出力部114には、基板搬送保持装置4、部品供給装置6、ヘッド移動装置8が、それぞれ、駆動回路104を介して接続されるとともに、保持台移動装置40、可動子移動装置41の電磁弁装置69,72等が接続される。また、特性関連値測定部90、交流信号発生部92、補助回路94等が接続されるとともに、可動子位置センサ118、保持台位置センサ120、ノズル高さセンサ122、第1カメラ19,第2カメラ84等が接続される。記憶部112には、
図7のフローチャートで表されるLCR取得プログラム等の複数のプログラム等が記憶されている。また、コントローラ102に設けられたタイマ124によって時間の計測が行われる。可動子位置センサ118は、可動子保持体56が後退端位置にある場合にON信号を出力するものであり、保持台位置センサ120は保持台32が前進端位置にある場合にON信号を出力するものであり、ノズル高さセンサ122は、ノズル18の高さを検出するものである。
【0025】
なお、制御装置100の一部は電気的特性値取得装置を備えた測定装置10の構成要素であるが、電気的特性値取得装置または測定装置10に専用の制御装置を設けることもできる。
【0026】
以上のように構成された測定装置10において、補助回路94のスイッチSW1~SW4がON,スイッチSW5,SW6がOFFの状態で、交流信号発生部92において発生させられた交流信号、特性関連値測定部90によって測定された特性関連値等に基づいて、部品sに補助回路94の回路要素である抵抗R1,R2、コイルL1,L2、コンデンサC1,C2等が接続されていない状態の、部品sの電気的特性値、すなわち、真の電気的特性値が取得される。
しかし、
図10に示すように、例えば、部品sの真の電気的特性値としてのインダクタンスLの値Ltが、設定値P(例えば、0.2μH)より小さい場合には、設定値Pより大きい場合に比較して、特性関連値測定部90によって測定された特性関連値に基づいて取得されたインダクタンスLの値(以下、インダクタンス測定値と称する場合がある)Lsのバラツキが大きくなる。そのため、本測定装置10において、インダクタンスLが小さい部品sについては、インダクタンス測定値Lsを精度よく取得することが困難である。なお、
図10の実線が、それぞれの部品sについて取得されたインダクタンス測定値Ls最大値を示し、破線がインダクタンス測定値Lsの最小値を示す。
【0027】
以上の事情から、例えば、部品sに回路要素であるコイル等を直列に接続させ、インダクタンス測定値Lsが設定値Pより大きくなるようにする(Ls>P)ことが考えられる。しかし、コイル等の回路要素自体の電気的特性値のバラツキは、電気的特性値の10%程度であるのが普通である。そのため、インダクタンスの値が小さい部品sに、インダクタンスの値が大きいコイルを接続した場合には、かえって、部品の真のインダクタンスの値(以下、インダクタンス真値と称する場合がある)Ltの取得精度が低下する。
そこで、インダクタンスが小さい部品sのインダクタンス真値Ltを取得する場合には、部品sに、直列に回路要素としてのコイルを接続させるとともに、そのコイルのインダクタンスLの値を、インダクタンス測定値Lsが、設定値Pよりわずかに大きい領域内に含まれるような大きさとすることが望ましい。この領域は、例えば、下限値(P+α αは非常に小さい値)と、上限値(P+β)とで決まる領域とすることができ、設定範囲Aと称することができる。
また、
図10には、インダクタンス測定値Lsのバラツキについて記載したが、キャパシタンス(容量)の測定値、レジスタンス(抵抗)の測定値、インピーダンスの測定値等についても同様であり、それぞれの設定値より小さい場合に、バラツキが大きくなる。
【0028】
例えば、部品sについて予め定められているインダクタンスLの規格値(以下、インダクタンス規格値と略称する場合がある)が設定値P(0.2μH)より小さい場合には、
図8に示すように、スイッチSW1をOFF,スイッチSW2~4をON,スイッチSW5、6をOFFに切り換えることができる。それにより、
図6の状態から
図8の状態に補助回路94が切り換えられ、電気回路42が切り換えられる。部品sには、コイルL1が直列に接続される。
図8に示す電気回路において、特性関連値測定部90によって測定された特性関連値に基づいて取得されたインダクタンス測定値Lsが設定領域A内の値となった場合には、そのインダクタンス測定値Lsから、予め取得されて記憶されているコイルL1のインダクタンス値L1xを引くことにより、部品sのインダクタンス真値Ltが取得される。
Lt=Ls-L1x
【0029】
それに対して、
図8に示す電気回路において、インダクタンス測定値Lsが設定範囲Aの上限値(P+β)を越えた場合において、コイルL1のインダクタンス値L1xよりコイルL2のインダクタンス値L2xの方が小さい場合には、スイッチSW1をON,スイッチSW2をOFFに切り換える。部品sにはコイルL2が直列に接続される。
なお、部品sには、コイルL1,L2の両方が直列に接続される場合、いずれのコイルL1,L2も接続されない場合等もある。
【0030】
また、部品sの電気的特性としての容量Cが取得される場合において、部品sの容量Cの規格値が設定値より小さい場合には、例えば、
図9に示すように、スイッチSW1~SW4をON,スイッチSW5をON、スイッチSW6をOFFに切り換えることができる。それにより、補助回路94、電気回路42が
図6に示す状態から
図9に示す状態に切り換えられる。部品sにはコンデンサC1が並列に接続される。
なお、部品sには、コンデンサC1,C2が並列に接続される場合、いずれも接続されない場合、コンデンサC2が接続される場合等がある。
【0031】
実装機においては、次に電気的特性の測定対象となる部品sは予め決まっており、部品sの電気的特性の規格値は既知である。そのため、部品sの規格値等に基づけば、取得される部品sの電気的特性値が設定値より小さくなるか否かが分かる。また、規格値と設定値とに基づけば、部品sに接続する回路要素の種類、その回路要素の電気的特性値を取得することができ、部品sに接続する回路要素(コイルL1,L2、抵抗R1,R2、コンデンサC1,C2)を決めることができる。
【0032】
以上のことから、本実施例においては、特性関連値測定部90によって特性関連値が測定される前に、部品sの電気的特性の規格値に基づいてスイッチSW1~6のON・OFFが制御され、電気的特性値が設定値よりわずかに大きい設定範囲内に位置するように、補助回路94、電気回路42が切り換えられるのである。
【0033】
図7のフローチャートで表されるLCR取得プログラムは予め定められた設定時間毎に実行される。本実施例においては、保持台位置センサ120,可動子位置センサ118の出力、タイマ124による計測時間等を利用して、電磁弁装置69,72が制御され、保持台32、可動子36がそれぞれ前進、後退させられる。
【0034】
測定装置10は、常には、初期状態にある。可動子36は後退端位置にあり、保持台32は前進端位置、すなわち、ストッパ80に当接した位置にある。この状態において、部品載置部44は、内部導通等によりアースされた状態にある。保持台32のV溝44cの上方に可動子36が存在せず、部品sを載置可能な状態にある。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、部品sの電気的特性値の取得指令が出されたか否かが判定される。S1の判定がYESである場合には、S2において、その部品sの情報(電気的特性値の規格値等)が取得され、S3において、取得される電気的特性の種類と、その電気的特性値の規格値とに基づいてスイッチSW1~6の各々が制御され、補助回路94が制御される。スイッチSW1~6の各々のON・OFFの制御により、必要に応じて、部品sに回路要素(例えば、コイルL1,L2、抵抗R1、R2、コンデンサC1,C2のうちの少なくとも1つ)が接続される。
【0035】
そして、S4において、ヘッド16が移動させられ、例えば、予め定められたテープフィーダ14によって供給された部品sが吸着ノズル18によってピックアップされて、保持台32のV溝44c上に載せられる。吸着ノズル18が下降させられ、部品sが開放されることにより、部品sがV溝44c上に載置させられたことがわかる。
【0036】
その後、吸着ノズル18が上昇端に達すると、S5において、電磁弁装置72の制御により可動子36が前進させられる。可動子36の先端の対向面36fは、部品載置部44のV溝44cに沿って前進させられる。部品sは、対向面36fと固定子34の対向面34fとによってクランプされる。
【0037】
S6において、電磁弁装置69の制御により保持台32が後退させられ、保持台32は、ストッパ82に当接するまで後退させられる。保持台32が部品sから離間することにより、部品載置部44が部品sの近傍に位置することに起因して生じる電気的特性の測定誤差を小さくすることができる。また、保持台32が可動子36の先端部36aより後方に位置することにより、保持台32を可動子36から良好に離間させることができる。
【0038】
S7において、部品sがV溝44c上に載せられた時から、設定時間である除電時間が経過するのが待たれる。部品sに帯電されている電荷が保持台32を介して除電され、保持台32が後退させられた後は空中に放電される。部品sについて除電に要する時間は、部品sの特性や大きさ等で決まり、予め決められている。除電時間が経過して、判定がYESとなると、S8において、特性関連値が測定され、特性関連値に基づいて部品sの電気的特性値(電気的特性測定値)が取得され、部品sの真の電気的特性値(電気的特性真値)が取得される。
【0039】
その後、S9において、電磁弁装置72の制御により可動子36が後退させられ、S10において、電磁弁装置69の制御により、保持台32がストッパ82に当接するまで後退させられる。保持台32は、可動子36の対向面36fより後方に位置し、一対の対向面34f、36fの間の下方に存在しない。落下した部品sは開口30a、廃棄通路28を経て廃棄箱26に収容される。
また、可動子36の後退時には、噴出通路60sの開口60aからエアが噴出させられ、可動子36の部分Rに当たる。また、カバー50により、一対の対向面34f、36fの間の空間がx方向から覆われる。その結果、対向面36fから部品sを良好に落下させることができ、かつ、部品sの飛散を防止することができる。
【0040】
S11において、電磁弁装置69の制御により保持台32が前進させられ、初期状態に戻される。また、保持台32の前進に伴ってエアが可動子36の対向面36fに供給される。それにより、可動子36の対向面36fの除電を良好に図ることができる。
【0041】
このように、本実施例においては、次に電気的特性値が取得される部品sの電気的特性の種類、規格値に基づいて、特性関連値が測定される前に、補助回路94が制御され、電気回路42が切り換えられる。その結果、部品sの電気的特性値が小さいことに起因する測定バラツキを抑制し、部品sの電気的特性値を安定して測定することができ、電気的特性値の取得精度を向上させることができる。また、電気的特性値が設定値より小さく、測定装置10において電気的特性値を取得不能であるとされていた部品であっても、取得することが可能となるのであり、電気的特性値を取得可能な部品sである対象物の範囲を拡大することができる。
また、特性関連値の測定前に、すなわち、フィードフォワード的に補助回路94が制御されるため、短い時間で、適切に電気的特性値を取得することができる。
【0042】
なお、S8においては特性関連値が測定されればよく、部品sの電気的特性真値が取得されることは不可欠ではない。電気的特性真値は、後から取得されるようにすることもできる。
【0043】
以上、本実施例においては、制御装置100の
図7のフローチャートで表されるLCR取得プログラムのS3を記憶する部分、実行する部分等によりスイッチ制御部または補助回路制御部が構成され、スイッチ制御部または補助回路制御部およびスイッチSW1~6等により補助回路切換部が構成される。また、これら補助回路切換部、電気回路42等により電気的特性値取得装置が構成される。
【0044】
なお、フィードフォワード的に補助回路94を制御することは不可欠ではなく、フィードバック的に補助回路94を制御することができる。例えば、部品sについての電気的特性測定値が設定値Pより小さい場合には、設定範囲内の値となるように、スイッチSW1~SW6のON・OFFが制御されるようにすることができる。本実施例は、部品sの規格値が不明である場合に有効である。
【0045】
また、電気回路42、補助回路94は
図6に示す回路に限らない。例えば、
図11に示す電気回路140とすることもできる。本電気回路140に含まれる補助回路142は、回路要素として部品sと直列に設けられたコイルL3,抵抗R3と、部品sと並列に設けられた複数のコンデンサが連結されたコンデンサC3とを含むとともに、コイルL3,抵抗R3、コンデンサC3の各々に対応して設けられ、これらの各々の電気的特性値を変更可能な変更機構LA,RA,CA等を含む。これら変更機構LA,RA,CAにより、コイルL3、抵抗R3、コンデンサC3の各々の電気的特性値を変えることができる。なお、変更機構LA,RA,CAにより電気的特性値を0とすることもできる。
【0046】
その場合の一例を
図12のフローチャートで表す。
図12のフローチャートにおいて
図7のフローチャートと同じ実行のステップは同じステップ番号を付して説明を省略する。本実施例において、S1,2の実行後、S31において、変更機構LA,RA,CAのうちの少なくとも1つが制御される。それにより、補助回路142が切り換えられ、電気回路140が切り換えられ、部品sに接続される回路要素と回路要素の電気的特性値との少なくとも一方が変更される。その後、S4以降が同様に実行される。
【0047】
なお、スイッチSW1~6のON・OFFの切換え、変更機構LA,RA,CAによる変更等は制御装置100の指令に基づいて行われるのではなく、オペレータによって行われるようにすることもできる。
【0048】
また、補助回路の構造は問わない。例えば、回路要素の各々に対応してスイッチを設けることは不可欠ではなく、部品と並列に複数のコイルまたは抵抗を設け、複数のコイルまたは抵抗のうちの1つが選択的に部品に直列に接続されるようにスイッチを設けることもできる。さらに、補助回路は、少なくとも、コンデンサ、コイル、抵抗のうちの1種類以上の要素を1つ以上含むものであればよく、コンデンサ、コイル、抵抗すべてを含む必要は必ずしもない。
さらに、測定装置の構造は問わない等、その他、本開示は、前記実施形態に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0049】
10:測定装置 34:固定子 36:可動子 34f,36f:対向面 42,140:電気回路 90:特性関連値測定部 92:交流信号発生部 94,142:補助回路 100:制御装置
【特許請求可能な発明】
【0050】
(1)一対の測定子に把持された対象物と、前記対象物の電気的特性に関連する特性関連値を測定する特性関連値測定部と、電気的特性を有する回路要素を1つ以上有する補助回路とを備えた電気回路を含み、前記特性関連値測定部によって測定された前記特性関連値に基づいて前記対象物の前記電気的特性を表す値である電気的特性値を取得する電気的特性値取得装置であって、
当該電気的特性値取得装置が、前記対象物の電気的特性値と前記取得する前記電気的特性との少なくとも一方に基づいて前記補助回路を切り換える補助回路切換部を含む電気的特性値取得装置。
【0051】
取得する電気的特性とは、取得する電気的特性の種類であり、例えば、インダクタンスL,レジスタンスR,キャパシタンスC,インピーダンスZのうちの取得目的の電気的特性である。例えば、電気的特性としてキャパシタンスCを取得する場合には、補助回路を、対象物にコンデンサが接続される回路に切り換えることができる。
補助回路の切換えとは、例えば、補助回路に含まれるスイッチのON・OFFが切り換えられること、補助回路に含まれる変更機構により回路要素の電気的特性値が変更されること等が該当する。この補助回路の切換えにより、対象物に接続される回路要素と回路要素の電気的特性値との少なくとも一方が切り換えられる。
対象物の電気的特性値には、当該電気的特性値取得装置において取得された対象物の電気的特性値、予め定められた対象物の電気的特性の規格値等が該当する。
【0052】
(2)前記補助回路切換部が、前記特性関連値測定部によって測定された特性関連値に基づいて取得された前記電気的特性値が予め定められた設定範囲内の値となるように、前記補助回路を切り換えるものである(1)項に記載の電気的特性値取得装置。
【0053】
(3)前記補助回路切換部が、次に測定される予定の前記対象物の前記電気的特性の規格値に基づいて前記補助回路を切り換えるものである(1)項または(2)項に記載の電気的特性値取得装置。
【0054】
(4)前記補助回路切換部が、前記回路要素を複数含むとともに、前記複数の前記回路要素のうちの1つ以上ずつに対応して、それぞれ設けられた1つ以上のスイッチを含み、
前記1つ以上のスイッチのうちの少なくとも1つが切り換えられることにより、前記補助回路が切り換えられて、前記対象物に接続される前記回路要素が切り換えられる(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の電気的特性値取得装置。
【0055】
(5)前記補助回路切換部が、前記1つ以上のスイッチをそれぞれ前記対象物の電気的特性値と前記取得する電気的特性との少なくとも一方に基づいて制御することにより、前記補助回路を切り換えて、前記対象物に接続される前記回路要素を切り換えるスイッチ制御部を含む(4)項に記載の電気的特性値取得装置。
【0056】
(6)前記回路要素が、前記対象物と並列に設けられた1つ以上のコンデンサを含み、
前記スイッチ制御部が、前記1つ以上のスイッチの各々を制御することにより、前記補助回路を切り換えて、前記対象物に、前記1つ以上のコンデンサのうちの少なくとも1つを選択的に接続させるものである(5)項に記載の電気的特性値取得装置。
【0057】
1つ以上のスイッチは、1つ以上のコンデンサのうちの1つが択一的に部品sに並列に接続され得る状態で設けることができる。
【0058】
(7)前記回路要素が、前記対象物と直列に設けられた1つ以上の抵抗を含み、
前記スイッチ制御部が、前記1つ以上のスイッチの各々を制御することにより、前記対象物に、前記1つ以上の抵抗のうちの少なくとも1つを選択的に接続させるものである(5)項または(6)項に記載の電気的特性値取得装置。
【0059】
(8)前記回路要素が、前記対象物と直列に設けられた1つ以上のコイルを含み、
前記スイッチ制御部が、前記1つ以上のスイッチの各々を制御することにより、前記対象物に、前記1つ以上のコイルのうちの少なくとも1つを選択的に接続させるものである(5)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の電気的特性値取得装置。
【0060】
1つ以上のスイッチは、1つ以上のコイルまたは抵抗のうちの1つが択一的に部品sに直列に接続され得る状態で設けることができる。
【0061】
(9)前記補助回路切換部が、前記1つ以上の回路要素のうちの少なくとも1つの前記電気的特性値を変更可能な少なくとも1つの変更機構を含む(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の電気的特性値取得装置。
【0062】
変更機構は、例えば、回路要素の各々に対応して、それぞれ設けることができる。
【0063】
(10)前記補助回路切換部が、前記少なくとも1つの変更機構を、前記対象物の電気的特性値と前記取得する前記電気的特性との少なくとも一方に基づいて制御して、前記対象物に接続された前記回路要素の電気的特性値を変更する変更機構制御部を含む(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の電気的特性取得装置。
【0064】
(11)一対の測定子に把持された対象物と、前記対象物の電気的特性に関連する特性関連値を測定する特性関連値測定部と、電気的特性を有する回路要素を1つ以上有する補助回路とを備えた電気回路を含み、前記特性関連値測定部によって測定された前記特性関連値に基づいて前記対象物の前記電気的特性の大きさを表す値である電気的特性値を取得する電気的特性値取得装置であって、
当該電気的特性値取得装置が、前記対象物の電気的特性値と前記取得する前記電気的特性との少なくとも一方に基づいて前記補助回路を制御することにより、前記電気回路を切り換える補助回路制御部を含む電気的特性値取得装置。
本項に記載の電気的特性値取得装置には、(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0065】
(12)一対の測定子に把持された対象物と、前記対象物の電気的特性に関連する特性関連値を測定する特性関連値測定部と、電気的特性を有する回路要素を1つ以上有する補助回路とを備えた電気回路を含み、前記特性関連値測定部によって測定された前記特性関連値に基づいて前記対象物の前記電気的特性の大きさを表す値である電気的特性値を取得する電気的特性値取得装置であって、
前記補助回路が、前記対象物の電気的特性値と前記取得する前記電気的特性との少なくとも一方に基づいて切り換わり得るものである電気的特性値取得装置。
本項に記載の電気的特性値取得装置には、(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。