(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】数値制御式歯車切削装置
(51)【国際特許分類】
B23F 5/00 20060101AFI20240614BHJP
B23F 23/12 20060101ALI20240614BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20240614BHJP
B23Q 1/48 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B23F5/00
B23F23/12
B23Q11/00 Q
B23Q1/48 Z
(21)【出願番号】P 2021577917
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2020095826
(87)【国際公開番号】W WO2021000715
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】201910585449.1
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521567365
【氏名又は名称】湖南中大創遠数控装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hunan ZDCY CNC Equipment Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Panpan Road, Xingsha Hi-tech Park, Changsha Economic & Technological Development Zone, Changsha, Hunan 410100(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】李国勝
(72)【発明者】
【氏名】▲ゾウ▼文毅
(72)【発明者】
【氏名】張春暉
(72)【発明者】
【氏名】李錫▲ハン▼
(72)【発明者】
【氏名】陳鬧
(72)【発明者】
【氏名】史偉
(72)【発明者】
【氏名】尚吉順
(72)【発明者】
【氏名】蒋▲カイ▼
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104816049(CN,A)
【文献】特開2003-136352(JP,A)
【文献】特開2001-269816(JP,A)
【文献】特開2018-047548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23F 5/00
B23F 9/00
B23F 23/12
B23Q 11/00
B23Q 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドと、回転軸筐体と、切屑排出機と、を含み、
前記ベッドにはスライドテーブルが水平軸方向X軸に移動可能に設けられ、前記スライドテーブルにはコラムが水平軸方向Z軸に移動可能に設けられ、前記コラムの側壁には切削工具筐体が垂直軸方向Y軸に移動可能に設けられ、前記切削工具筐体内に切削工具主軸C軸が回転可能に設けられ、前記切削工具主軸C軸がZ軸方向と平行になり、前記切削工具主軸C軸の一端にはワークを加工するための切削工具が装着され、
前記回転軸筐体は、前記ベッドに
固定的に設けられ、前記スライドテーブルのZ軸方向における側に位置し、前記回転軸筐体内には回転軸B軸が回転可能に設けられ、前記回転軸B軸がX軸方向と平行になり、前記回転軸B軸の前記回転軸筐体の外にある端部にはワーク筐体が設けられ、前記ワーク筐体が前記回転軸B軸と共に回転し、前記ワーク筐体内にはワーク主軸A軸が回転可能に設けられ、前記ワーク主軸A軸が前記回転軸B軸と垂直になり、
前記ワーク主軸A軸の前記切削工具主軸C軸に近い端部がワークを装着するために用いられ、
前記切屑排出機は、前記切削工具とワークの下方に設けられ、
前記切削工具とワークの両方とも前記ベッドの一方側外に位置され
、
前記コラムの側壁には第1のガイドレールがY軸方向に設けられ、前記切削工具筐体が前記第1のガイドレールに摺動可能に設けられ、前記ベッドには第2のガイドレールがX軸方向に設けられ、前記スライドテーブルが前記第2のガイドレールに摺動可能に設けられ、前記スライドテーブルには第3のガイドレールがZ軸方向に設けられ、前記コラムが前記第3のガイドレールに摺動可能に設けられ、
前記第3のガイドレールは、少なくとも2本であり、前記スライドテーブルの上面及び切削工具筐体に近い側面にそれぞれ設けられ、前記コラムの下端及び前記切削工具筐体から離れる側壁には第1の開口部がZ軸方向に設けられ、前記スライドテーブルの上端及び前記切削工具筐体に近い側壁には第2の開口部がZ軸方向に設けられることを特徴とする数値制御式歯車切削装置。
【請求項2】
前記コラムに設けられ、前記切削工具筐体と動力伝達可能に接続されて、前記切削工具筐体を前記第1のガイドレールに沿って摺動させるように駆動するための第1の駆動装置をさらに含むことを特徴とする請求項
1に記載の数値制御式歯車切削装置。
【請求項3】
前記ベッドに設けられ、前記スライドテーブルと動力伝達可能に接続されて、前記スライドテーブルを前記第2のガイドレールに沿って摺動させるように駆動するための第2の駆動装置をさらに含むことを特徴とする請求項
1に記載の数値制御式歯車切削装置。
【請求項4】
前記スライドテーブルに設けられ、前記コラムと動力伝達可能に接続されて、前記コラムを前記第3のガイドレールに沿って摺動させるように駆動するための第3の駆動装置をさらに含むことを特徴とする請求項
1に記載の数値制御式歯車切削装置。
【請求項5】
前記切削工具筐体には前記切削工具主軸C軸を回転させるように駆動する第1の駆動モータが設けられ、前記回転軸筐体には前記回転軸B軸を回転させるように駆動する第2の駆動モータが設けられ、前記ワーク筐体には前記ワーク主軸A軸を回転させるように駆動する第3の駆動モータが設けられることを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の数値制御式歯車切削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歯車加工設備の分野に属し、具体的には数値制御式歯車切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、歯車切削装置には機械式歯車切削装置と数値制御式歯車切削装置があり、機械式歯車切削装置は、その構造と調整の手順が複雑であるため、次第に淘汰されている。従来の数値制御式歯車切削装置は、コンピュータにより3本の直線軸(即ちX、Y、Z軸)と3本の回転軸(即ちA、B、C軸)を直接制御し、機械式歯車切削装置の加工運動をシミュレートして歯車を加工する。一般的な数値制御式歯車切削装置は、
図1に示すように、ベッド1を含み、ベッド1にはB軸2が水平方向に回転可能に設けられ、B軸2にはそれと共に回転するA軸ターンテーブル3が設けられ、A軸ターンテーブル3にはB軸2に垂直なA軸4(即ちワーク主軸)が回転可能に設けられ、A軸4の一端にはワークが装着され、ベッド1には支持コラム5が設けられ、支持コラム5にはX軸スライドテーブル6がX軸方向に移動可能に設けられ、X軸スライドテーブル6にはY軸スライドテーブル7がY軸方向に移動可能に設けられ、Y軸スライドテーブル7の側壁にはZ軸スライドテーブル8がZ軸方向に移動可能に設けられ、Z軸スライドテーブル8には鉛直方向に回転可能なC軸9(即ち切削工具主軸)が設けられ、C軸9の底部に切削工具が設けられ、切削工具がA軸4の上方に位置する。上記構造の数値制御式歯車切削装置は歯車の加工を実現することができるが、以下の主な欠点がある。
【0003】
a、各運動軸が互いに干渉することなく、切削工具がワークの加工点位置に達し得ることを確保するために、切削工具の張り出しは長くなければならないが、切削工具主軸の張り出しが長くなると、剛性が低下するため、加工量がやや多い場合には切削工具は振動しやすく、加工精度を確保しにくい。
【0004】
b、B軸はゆりかご構造であるが、ワークの加工点はA軸ターンテーブルの真上に位置し、加工過程では、鉄くずがたまりやすく、特に乾式切削に不利であり、鉄くずの高い温度は局部的な変形を引き起こし、工作機械の精度に影響を与える。
【0005】
c、ワークを加工する位置はB軸の2つの回転支持材の間にあり、ワークの供給・排出と加工中の観察に影響を与える。
【0006】
d、ベッドに支持コラムが設けられ、支持コラムにX軸スライドテーブルが設けられ、X軸スライドテーブルにZ軸スライドテーブルが設けられ、軸スライドテーブルにY軸スライドテーブルが設けられ、最後にY軸スライドテーブルにC軸が設けられ、ワーク主軸の上方に4つの運動軸が配置されており、このようにして上が重くて下が軽い状況が発生しやすく、安定性が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、構造がコンパクトであり、設置面積が小さく、安定性に優れ、簡単に操作でき、加工精度が高く、切屑を排出しやすい数値制御式歯車切削装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の技術的解決手段によって実現される。
【0009】
数値制御式歯車切削装置は、ベッドと、回転軸筐体と、切屑排出機と、を含み、
ベッドにはスライドテーブルが水平軸方向X軸に移動可能に設けられ、スライドテーブルにはコラムが水平軸方向Z軸に移動可能に設けられ、コラムの側壁には切削工具筐体が垂直軸方向Y軸に移動可能に設けられ、切削工具筐体内に切削工具主軸C軸が回転可能に設けられ、切削工具主軸C軸がZ軸方向と平行になり、切削工具主軸C軸の一端にはワークを加工するための切削工具が装着され、
回転軸筐体は、ベッドに設けられ、スライドテーブルのZ軸方向における側に位置し、回転軸筐体内には回転軸B軸が回転可能に設けられ、回転軸B軸がX軸方向と平行になり、回転軸B軸の回転軸筐体の外にある端部にはワーク筐体が設けられ、ワーク筐体が回転軸B軸と共に回転し、ワーク筐体内にはワーク主軸A軸が回転可能に設けられ、ワーク主軸A軸が回転軸B軸と垂直になり、ワーク主軸A軸の切削工具主軸C軸に近い端部がワークを装着するために用いられ、
切屑排出機は、切削工具とワークの下方に設けられる。
【0010】
選択的に、コラムの側壁には第1のガイドレールがY軸方向に設けられ、切削工具筐体が第1のガイドレールに摺動可能に設けられ、ベッドには第2のガイドレールがX軸方向に設けられ、スライドテーブルが第2のガイドレールに摺動可能に設けられ、スライドテーブルには第3のガイドレールがZ軸方向に設けられ、コラムが第3のガイドレールに摺動可能に設けられる。
【0011】
選択的に、コラムに設けられ、切削工具筐体と動力伝達可能に接続されて、切削工具筐体を第1のガイドレールに沿って摺動させるように駆動するための第1の駆動装置をさらに含む。
【0012】
選択的に、ベッドに設けられ、スライドテーブルと動力伝達可能に接続されて、スライドテーブルを第2のガイドレールに沿って摺動させるように駆動するための第2の駆動装置をさらに含む。
【0013】
選択的に、スライドテーブルに設けられ、コラムと動力伝達可能に接続されて、コラムを第3のガイドレールに沿って摺動させるように駆動するための第3の駆動装置をさらに含む。
【0014】
選択的に、切削工具筐体には切削工具主軸C軸を回転させるように駆動する第1の駆動モータが設けられ、回転軸筐体には回転軸B軸を回転させるように駆動する第2の駆動モータが設けられ、ワーク筐体にはワーク主軸A軸を回転させるように駆動する第3の駆動モータが設けられる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0016】
本発明の技術的解決手段では、歯車の歯面の形成は、切削工具とワークとの相対的な運動に依存するが、切削工具とワークとの相対位置は、ベッドとスライドテーブルとの相対位置、スライドテーブルとコラムとの相対位置、コラムと切削工具筐体との相対位置、及び回転軸B軸、切削工具主軸C軸、ワーク主軸A軸により決定することができ、即ち、切削工具とワークとの相対位置は、3つの直線軸及び3つの回転軸により決定することができ、6つの軸を設置することにより、切削工具とワークとが任意の必要な相対位置にあるようにすることができる。まず、本発明の歯車切削装置は、機械全体の部品点数が少なく、構造がコンパクトであり、設置面積が小さく、そして、切削工具主軸C軸が水平Z軸方向に設けられることで、切削工具筐体の位置を低くし、さらに、歯車切削装置全体の重心を低くし、安定性をより高くすることができ、また、ワークを加工する時、切削工具主軸C軸は切削工具筐体から長く張り出す必要がなく、このようにして切削工具の揺れが小さく、加工精度がより高くなり、それと同時に、切削工具とワークの両方ともベッドの一方側外に位置し、観察や操作が容易であるだけでなく、鉄くずがベッドに落下せず、切屑を排出しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、本発明の具体的な実施形態を図面と組み合わせてさらに詳細に説明する。
【
図3】本発明の実施例1の別の視点を表す図である。
【
図4】本発明の実施例1の第3の視点を表す図である。
【
図6】本発明の実施例2の別の視点を表す図である。
【
図7】本発明の実施例2の第3の視点を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施例1
【0019】
図2から
図4に示すように、本発明の数値制御式歯車切削装置は、ベッド100を含み、ベッド100にはスライドテーブル200が水平軸方向X軸に移動可能に設けられ、スライドテーブル200にはコラム201が水平軸方向Z軸に移動可能に設けられ、コラム201の側壁には切削工具筐体202が垂直軸方向Y軸に移動可能に設けられ、切削工具筐体202内には切削工具主軸C軸が回転可能に設けられ、切削工具主軸C軸がZ軸方向と平行になり、切削工具主軸C軸の一端にはワークを加工するための切削工具203が装着され、ベッド100にはさらに回転軸筐体204が設けられ、回転軸筐体204がスライドテーブル200のZ軸方向に沿った側に位置し、回転軸筐体204内には回転軸B軸が回転可能に設けられ、回転軸B軸がX軸方向と平行になり、回転軸B軸の回転軸筐体204の外にある端部にはワーク筐体205が設けられ、ワーク筐体205が回転軸B軸と共に回転し、ワーク筐体205内にはワーク主軸A軸が回転可能に設けられ、ワーク主軸A軸が回転軸B軸と垂直になり、ワーク主軸A軸の切削工具主軸C軸に近い端部がワークを装着するために用いられ、切削工具203とワークの下方には切屑排出機300が設けられる。
【0020】
本実施例では、歯車の歯面の形成は、切削工具203とワークとの相対的な運動に依存するが、切削工具203とワークとの相対位置は、ベッド100とスライドテーブル200との相対位置、スライドテーブル200とコラム201との相対位置、コラム201と切削工具筐体202との相対位置、及び回転軸B軸、切削工具主軸C軸、ワーク主軸A軸により決定することができ、即ち、切削工具203とワークとの相対位置は、3つの直線軸及び3つの回転軸により決定することができ、6軸を設置することにより、切削工具203とワークとが任意の必要な相対位置に位置するようにすることができる。具体的には、作動過程では、ワークをワーク主軸A軸に組み付け、且つ切削工具203を切削工具主軸C軸に組み付けた後、スライドテーブル13を水平軸方向X軸に沿って適切な位置に移動させ、コラム201を水平軸方向Z軸に沿って適切な位置に移動させ、切削工具筐体202を垂直軸方向Y軸に沿って適切な位置に移動させるように制御して、切削工具203とワークとを接触させて歯割り加工を行い、加工過程では、必要に応じて、回転軸B軸を適切に回転させることによりワークの加工角度を調整することができ、ワーク主軸A軸及び切削工具主軸C軸を回転させることによりワークの加工位置を調整することができる。本発明の歯車切削装置は機械全体の部品点数が少なく、構造がコンパクトであり、設置面積が小さい。それに、切削工具主軸C軸が水平Z軸方向に設けられることで、切削工具筐体202の位置を低くし、さらに、歯車切削装置全体の重心を低くし、安定性をより高くすることができる。また、ワークを加工する時、切削工具主軸C軸は切削工具筐体202から長く張り出す必要がなく、このようにして切削工具203の揺れが小さく、加工精度がより高くなる。それと同時に、切削工具203とワークの両方ともベッド100の一方側外に位置し、観察や操作が容易であるだけでなく、鉄くずがベッド100に落下せず、切屑を排出しやすい。そして、回転軸筐体204の位置は一定であり、切削工具203の位置を調整するだけでよく、このように、操作がより容易であり、加工精度がより高い。なお、ここに記載されたX軸、Y軸及びZ軸は、空間デカルト座標系の3つの軸であり、X軸及びZ軸は水平方向に、Y軸は鉛直方向に設けられる。
【0021】
さらに、
図2から
図4に示すように、コラム201の側壁には第1のガイドレール400がY軸方向に設けられ、切削工具筐体202が第1のガイドレール400に摺動可能に設けられ、ベッド100には第2のガイドレール401がX軸方向に設けられ、スライドテーブル200が第2のガイドレール401に摺動可能に設けられ、スライドテーブル200には第3のガイドレール402がZ軸方向に設けられ、コラム201が第3のガイドレール402に摺動可能に設けられる。第1のガイドレール400、第2のガイドレール401及び第3のガイドレール402が設けられることで、切削工具筐体202、スライドテーブル200及びコラム201を対応する方向に沿って確実に移動させることができ、さらに加工誤差を低減することができる。
【0022】
さらに、
図2から
図4に示すように、コラム201に設けられ、切削工具筐体202と動力伝達可能に接続されて、切削工具筐体202を第1のガイドレール400に沿って摺動させるように駆動するための第1の駆動装置403をさらに含む。
【0023】
さらに、
図2から
図4に示すように、ベッド100に設けられ、スライドテーブル200と動力伝達可能に接続されて、スライドテーブル200を第2のガイドレール401に沿って摺動させるように駆動するための第2の駆動装置404をさらに含む。
【0024】
さらに、
図2から
図4に示すように、スライドテーブル200に設けられ、コラム201と動力伝達可能に接続されて、コラム201を第3のガイドレール402に沿って摺動させるように駆動するための第3の駆動装置405をさらに含む。
【0025】
第1の駆動装置403、第2の駆動装置404及び第3の駆動装置405が設けられることで、切削工具筐体202の空間位置上の調整を実現することができ、さらに切削工具203とワークとの相対位置の調整を実現することができる。
【0026】
さらに、
図2から
図4に示すように、第1の駆動装置403は、コラム201に回転可能に設けられ、Y軸方向と平行になる第1の親ネジ406と、第1の親ネジ406に対応して切削工具筐体202に設けられ、第1の親ネジ406に螺合される第1の親ネジナットとを含む。第1の親ネジ406をモータにより駆動して回転させることにより、第1の親ネジナットを第1の親ネジ406の軸方向に沿って移動させ、切削工具筐体202を第1の親ネジナットと連動させてY軸方向に沿って移動させる。
【0027】
さらに、
図2から
図4に示すように、第2の駆動装置404は、ベッド100に回転可能に設けられ、X軸方向と平行になる第2の親ネジ407と、第2の親ネジ407に対応してスライドテーブル200に設けられ、第2の親ネジ407と螺合される第2の親ネジナットとを含む。第2の親ネジ407をモータにより駆動して回転させることにより、第2の親ネジナットを第2の親ネジ407の軸方向に沿って移動させ、スライドテーブル200を第2の親ネジナットと連動させてX軸方向に沿って移動させる。
【0028】
さらに、
図2から
図4に示すように、第3の駆動装置405は、スライドテーブル200に回転可能に設けられ、Z軸方向と平行になる第3の親ネジ408と、第3の親ネジ408に対応してコラム201に設けられ、第3の親ネジ408と螺合される第3の親ネジナットとを含む。第3の親ネジ408をモータにより駆動して回転させることにより、第3の親ネジナットを第3の親ネジ408の軸方向に沿って移動させ、コラム201を第3の親ネジナットと連動してZ軸方向に沿って移動させる。
【0029】
なお、モータは、第1の親ネジ406、第2の親ネジ407及び第3の親ネジ408を直接駆動して回転させてもよいし、ベルトコンベア又は歯車などの搬送機構を介して第1の親ネジ406、第2の親ネジ407及び第3の親ネジ408を間接的に駆動して回転させてもよい。なお、切削工具筐体202、スライドテーブル200及びコラム201において第1の親ネジ406、第2の親ネジ407及び第3の親ネジ408に適合するネジ穴を直接加工してもよい。
【0030】
さらに、第1の駆動装置403、第2の駆動装置404及び第3の駆動装置405のうちの1つ又は複数は、リニアモータ、エアシリンダー又は油圧シリンダーのうちの1つであってもよい。第1の駆動装置403、第2の駆動装置404及び第3の駆動装置405がリニアモータである場合、3つのリニアモータの本体は、それぞれコラム201、ベッド100及びスライドテーブル200に設けられ、3つのリニアモータの直線駆動軸は、それぞれ切削工具筐体202、スライドテーブル200及びコラム201と動力伝達可能に接続される。同時に、第1の駆動装置403、第2の駆動装置404及び第3の駆動装置405がエアシリンダー又は油圧シリンダーである場合、3つのエアシリンダー又は油圧シリンダーの本体は、それぞれコラム201、ベッド100及びスライドテーブル200に設けられ、3つのエアシリンダー又は油圧シリンダーのピストンロッドは、それぞれ切削工具筐体202、スライドテーブル200及びコラム201と動力伝達可能に接続される。
【0031】
さらに、
図2から
図4に示すように、第1のガイドレール400は2本であり、2本の第1のガイドレール400はそれぞれ第1の駆動装置403の両側に設けられ、第2のガイドレール401は2本であり、2本の第2のガイドレール401はそれぞれ第2の駆動装置404の両側に設けられ、第3のガイドレール402は2本であり、2本の第3のガイドレール402はそれぞれ第3の駆動装置405の両側に設けられる。このように設けることにより、切削工具筐体202、スライドテーブル200及びコラム201を移動中においてより安定的かつ円滑にすることができ、また、駆動装置が対応する2本のガイドレールの間に設けられることで、機械全体をよりコンパクトにすることができる。なお、実際のニーズに応じて、第1のガイドレール400、第2のガイドレール401及び第3のガイドレール402の数は、複数本であって、第1の駆動装置403、第2の駆動装置404及び第3の駆動装置405の両側にそれぞれ設けられてもよい。
【0032】
さらに、
図2から
図4に示すように、第1のガイドレール400、第2のガイドレール401及び第3のガイドレール402の側壁にはいずれも溝409が軸方向に設けられ、切削工具筐体202、スライドテーブル200及びコラム201には対応する突起が設けられ、溝409と突起との嵌合により、切削工具筐体202、スライドテーブル200及びコラム201を第1のガイドレール400、第2のガイドレール401及び第3のガイドレール402に係着させることができ、切削工具筐体202、スライドテーブル200及びコラム201の運動中の脱落を防止する。なお、突起を第1のガイドレール400、第2のガイドレール401及び第3のガイドレール402の側壁に設置し、切削工具筐体202、スライドテーブル200及びコラム201に対応する溝409を設置してもよい。
【0033】
さらに、
図2から
図4に示すように、切削工具筐体202には切削工具主軸C軸を回転させるように駆動する第1の駆動モータが設けられ、回転軸筐体204には回転軸B軸を回転させるように駆動する第2の駆動モータが設けられ、ワーク筐体205にはワーク主軸A軸を回転させるように駆動する第3の駆動モータが設けられる。第1の駆動モータ、第2の駆動モータ及び第3の駆動モータは外に露出する必要がなく、それにより耐用年数を向上させることができる。なお、第1の駆動モータ、第2の駆動モータ及び第3の駆動モータは、それぞれ切削工具主軸C軸、回転軸B軸及びワーク主軸A軸を直接駆動して回転させてもよいし、ベルトコンベア又は歯車などの搬送機構を駆動して作動させてから、ベルトコンベア又は歯車などの搬送機構により切削工具主軸C軸、回転軸B軸及びワーク主軸A軸を間接的に駆動して回転させてもよい。
【0034】
実施例2
【0035】
図5から
図7に示すように、本実施例が提供する数値制御式歯車切削装置は、実施例1と基本的に同じであり、本実施例におけるコラム201とスライドテーブル200との接続方式が実施例1と異なる点は主な相違点である。実施例1では、スライドテーブル200の上面に2本の第3のガイドレール402が水平に設けられ、コラム201が第3のガイドレール402に摺動可能に設けられ、これに対して、本実施例では、第3のガイドレール402は、少なくとも2本であり、スライドテーブル200の上面及び切削工具筐体202に近い側面にそれぞれ設けられ、コラム201の下端及び切削工具筐体202から離れる側壁には第1の開口部がZ軸方向に設けられ、これにより、コラム201はスライドテーブル200の上面及び側面上の第3のガイドレール402に摺動可能に設けられ得るために、コラム201のZ軸方向に沿った断面が倒立した略階段状構造となるようにし、スライドテーブル200の上端及び切削工具筐体202に近い側壁には第2の開口部がZ軸方向に設けられ、これにより、第3の駆動装置405の配置スペースを確保するためにスライドテーブル200のZ軸方向に沿った断面が略階段状構造となるようにする。このように配置することにより、構造がさらにコンパクトになるだけでなく、コラム201上の第1のガイドレール400が設けられた側壁を下方に延伸させることができ、それにより、切削工具筐体202の位置をより低くすることができ、結果としては、歯車切削装置全体の重心をより低くし、安定性をより高くする。また、スライドテーブル200に第2の開口部が設けられることでスライドテーブル200全体の重量を低減し、さらにスライドテーブル200の駆動に必要な動力を低減することができる。同時に、第3の駆動装置405がスライドテーブル200の上面上及び側面上の第3のガイドレール402の間に設けられることで、コラム201を移動中においてより安定的かつ円滑にするだけでなく、機械全体をよりコンパクトにすることができる。
【0036】
前述した実施例は、単に本発明の技術的解決手段を説明するためのものであり、それを限定するものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱していない如何なる修正又は同等の代替は、すべて本発明の技術的解決手段の範囲内に含まれるべきである。