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特許7504142抗CD19免疫療法によりがんを処置するための組成物および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】抗CD19免疫療法によりがんを処置するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20240614BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240614BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240614BHJP
   C12N 15/85 20060101ALI20240614BHJP
   C12N 15/86 20060101ALI20240614BHJP
   C12N 15/869 20060101ALI20240614BHJP
   C12N 15/861 20060101ALI20240614BHJP
   C12N 15/867 20060101ALI20240614BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240614BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240614BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240614BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20240614BHJP
【FI】
C12N15/62 Z ZNA
C12N15/12
C12N15/13
C12N15/85 Z
C12N15/86 Z
C12N15/869 Z
C12N15/861 Z
C12N15/867 Z
C12N5/10
A61P35/00
A61P35/02
A61K35/17
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022031887
(22)【出願日】2022-03-02
(62)【分割の表示】P 2020515262の分割
【原出願日】2018-09-14
(65)【公開番号】P2022078183
(43)【公開日】2022-05-24
【審査請求日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】62/559,297
(32)【優先日】2017-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517435353
【氏名又は名称】レンティジェン・テクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LENTIGEN TECHNOLOGY, INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】514124403
【氏名又は名称】ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ, アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー, デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ディナ
(72)【発明者】
【氏名】オレンタス,リマス・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ドロプリク,ボロ
(72)【発明者】
【氏名】ディミトロフ,ディミタ・エス
(72)【発明者】
【氏名】チュー,ゾンユイ
【審査官】市島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-526370(JP,A)
【文献】J. Immunother. Cancer,2017年,5:42
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C07K 1/00-19/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号20、22、24、26、28、30、32、または34のアミノ酸配列を含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードする、単離された核酸分子。
【請求項2】
請求項1に記載の単離された核酸分子によりコードされるキメラ抗原受容体(CAR)。
【請求項3】
請求項1に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項4】
DNAベクター、RNAベクター、プラスミドベクター、コスミドベクター、ヘルペスウイルスベクター、麻疹ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、またはレトロウイルスベクター、またはそれらの組合せからなる群から選択される、請求項3に記載のベクター。
【請求項5】
プロモーターをさらに含む、請求項3に記載のベクター。
【請求項6】
前記プロモーターが、誘導性プロモーター、構成的プロモーター、組織特異的プロモーター、またはそれらの任意の組合せである、請求項5に記載のベクター。
【請求項7】
請求項3に記載のベクターを含む細胞。
【請求項8】
T細胞である、請求項7に記載の細胞。
【請求項9】
前記T細胞がCD8+T細胞である、請求項に記載の細胞。
【請求項10】
ヒト細胞である、請求項7に記載の細胞。
【請求項11】
哺乳動物における抗腫瘍免疫をもたらす医薬を製造するための請求項7に記載の細胞の使用。
【請求項12】
抗腫瘍有効量のヒトT細胞集団を含む医薬組成物であって、ヒトT細胞が請求項2に記載のキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含み、ヒトT細胞ががんを有するヒトのT細胞である、医薬組成物。
【請求項13】
前記T細胞が、血液学的がんを有するヒトのT細胞である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記血液学的がんが、白血病またはリンパ腫である、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記白血病が、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)または慢性骨髄性白血病(CML)である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記リンパ腫が、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記血液学的がんが多発性骨髄腫である、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項18】
ヒトがんが、
-口腔および咽頭がん、
-消化器系がん、
-呼吸器系がん、
-骨および関節のがん、
-軟組織がん、
-皮膚がん、
-小児腫瘍、
-中枢神経系の腫瘍、ならびに
-乳房、生殖系、泌尿器系、眼および眼窩、内分泌系ならびに脳および他の神経系のがん、それらの任意の組合せからなる群から選択される成人癌である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項19】
CD19を発現する腫瘍細胞の上昇した発現と関連する疾患、障害または状態を有する哺乳動物を処置するための医薬組成物を製造するためのT細胞集団の使用であって、前記T細胞が請求項2に記載のキメラ抗原受容体(CAR)を含み、前記T細胞ががんを有する対象のT細胞である、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月15日出願の米国仮特許出願第62/559,297号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された、その全体にわたって参照により本明細書に組み込まれる配列表を含む。2018年9月13日に作成されたASCIIコピーはSequenceListing.txtと名付けられ、93.7キロバイトのサイズである。
【0003】
連邦政府による資金提供を受けた研究または開発に関する記載
本発明は、アメリカ合衆国保健福祉省の機関であるアメリカ国立衛生研究所とのCooperative Research and Development Agreementの実施において創出された。米国政府は本発明に対し一定の権利を有する。
【0004】
本開示の分野
本出願は、がんの分野、特に、CD19抗原結合性ドメイン、およびこのようなCD19抗原結合性ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)、およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0005】
背景
がんは、ヒトの健康に対する最も致命的な脅威の1つである。米国だけで、がんは毎年ほぼ130万人の新たな患者が罹患し、心血管疾患に次いで2番目に多い死因であり、死亡数の約4分の1を占めている。固形腫瘍が、これらの死亡のほとんどの原因である。ある特定のがんの医学的処置においては顕著な進歩があったものの、全てのがんについての5年全生存率は過去20年間で約10%しか改善しなかった。がんまたは悪性腫瘍は、制御されずに迅速に転移および成長し、処置を非常に困難にする。
【0006】
CD19は、85~95kDaの膜貫通細胞表面糖タンパク質受容体である。CD19は、タンパク質の免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーのメンバーであり、2つの細胞外Ig様ドメイン、膜貫通、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む(Tedder TF、Isaacs、CM、1989年、J Immunol 143巻:712~171頁)。CD19はB細胞受容体シグナル伝達を改変し、抗原のB細胞受容体のトリガー閾値を低下させ(Carter,RH、およびFearon,DT、1992年、Science、256巻:105~107頁)、CD81およびCD21と連携して機能しこの必須B細胞シグナル伝達複合体を制御する(Bradbury, LE、Kansas GS、Levy S、Evans RL、Tedder TF、1992年、J Immunol、149巻:2841~50頁)。B細胞個体発生中に、CD19は、抗原受容体とは無関係にpro-B、pre-pre-B細胞、pre-B、初期B細胞の段階でシグナルを送ることができ、またSrcファミリーのタンパク質チロシンキナーゼと関連しており、チロシンリン酸化され、細胞内カルシウム動員およびイノシトールリン脂質シグナル伝達の両方を誘発する(Uckun FM、Burkhardt AL、Jarvis L、Jun X、Stealy B、Dibirdik I、Myers DE、Tuel-Ahlgren L、Bolen JB、1983年、J Biol
Chem 268巻:21172~84頁)。B細胞性悪性腫瘍の処置との関連における重要な点は、CD19が、IgH遺伝子再配列の段階での初期B細胞前駆体、成熟B細胞に限定される正常B細胞で厳密に制御される方式により発現されるが、造血幹細胞または成熟プラズマ細胞では発現されないことである(Anderson, KC、Bates, MP、Slaughenhout BL、Pinkus GS、Schlossman SF、Nadler LM、1984年、Blood 63巻:1424~1433頁)。
【0007】
B系列白血病に対する治療の現在の標準は、高線量の化学療法または放射線による緩解誘導処置と、その後の固定療法によって構成されており、必要な場合には、幹細胞移植および追加の化学療法コースを特徴とする場合がある(cancer.govのワールドワイドウェブを参照)。これらの処置に関連する高毒性、ならびに合併症、例えば再発、二次性悪性腫瘍、またはGVHDのリスクは、より良好な代替治療法を探索する動機となる。成人および小児(pre-B-ALL)B細胞両方の悪性腫瘍でのCD19の発現により、抗体およびキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞ベース治療の両方でこの標的が開発された(Kochenderfer JN、Wilson WH、Janik JE、Dudley ME、Stetler-Stevenson M、Feldman SA、Maric I、Raffeld M、Nathan DA、Lanier BJ、Morgan RA、Rosenberg SA、2010年、Blood 116巻:4099~102頁;Lee DW、Kochenderfer JN、Stetler-Stevenson M、Cui YK、Delbrook C、Feldman SA、Orentas R、Sabatino M、Shah NN、Steinberg SM、Stroncek D、Tschernia N、Yuan C、Zhang H、Zhang L、Rosenberg SA、Wayne AS、Mackall CL、2015年、Lancet 385巻:517~28頁)。
【0008】
抗CD19結合モチーフをT細胞結合モチーフに結合する二重特異性抗体を含めた、B細胞白血病およびリンパ腫を処置するいくつかの新しいアプローチが開発されている(即ち、ブリナツモマブ、Blincyto(登録商標)は、フィラデルフィア染色体陰性の再発性または難治性B細胞前駆体急性リンパ芽球性白血病(ALL)の処置に適応される)。今日まで、CAR構築物において使用されるCD19の結合部分の多くは、マウス抗体に由来するドメインを利用している。これらの製品の多くは、Novartis and Kite Pharmaceuticalsによって開発されたものを含めて、現在、承認が検討されている。2017年4月に、Novartisは、CTL019(tisagenlecleucel)が、2つ以上の以前治療に失敗した難治性または再発性(r/r)DLBCL(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)に罹患している成人患者の処置に対してFDAから画期的治療薬指定を受けたと発表し、B細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)に対してもこの指定が追加された。これらの適応は、それぞれ、フェーズII JULIET試験(NCT02445248)およびELIANA試験(NCT02435849)に基づいた。JULIET試験では、3カ月で45%の全奏効率(ORR)が示され、37%の全奏効(CR)および8%の部分奏効(PR)であった。ELIANA試験では、製品が注入された患者の82%がCRに、または不完全なカウント回復のあるCRに達し、6カ月の無再発生存率は60%であった。Kite PharmaceuticalsのCAR-T製品(KTE-C19、axicabtagene ciloleucel)には、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBLC)、形質転換型濾胞性リンパ腫(TFL)、および原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)に対する画期的治療薬指定が付与された。r/r ALLにおけるKTE-C19のKite ZUMA-3フェーズII試験では、73%のCRが報告された(2カ月以上)。すべての情報は、会社のプレスリリースからである。CAR-T療法の抗体が利用されているか否かにかかわらず、これらの療法によっては助けられないかなり多くの数の患者が依然として存
在し、治療アプローチの改善の余地がかなりある。
【0009】
キメラ抗原受容体(CAR)は、3つの本質的な単位を含むハイブリッド分子である:(1)細胞外抗原結合性モチーフ、(2)連結/膜貫通モチーフ、および(3)細胞内T細胞シグナル伝達モチーフ(Long AH、Haso WM、Orentas RJ.Lessons learned from a highly-active CD2-specific chimeric antigen receptor.Oncoimmunology.2013年;2巻(4号):e23621頁)。CARの抗原結合性モチーフは一般に、免疫グロブリン(Ig)分子の最小の結合性ドメインである単鎖断片可変(ScFv)を基にして作られる。代替の抗原結合性モチーフとして、例えば、受容体リガンド(即ち、IL-13は、腫瘍が発現するIL-13受容体に結合するように操作されている)、インタクトな免疫受容体、ライブラリー由来ペプチド、および自然免疫系エフェクター分子(例えば、NKG2D)も操作されている。CAR発現のための代替の細胞標的(例えば、NKまたはガンマ-デルタT細胞)も開発中である(Brown CEら Clin Cancer Res.2012年;18巻(8号):2199~209頁;Lehner Mら PLoS One.2012年;7巻(2号):e31210頁)。CARベクターを形質導入するための最も活性なT細胞集団を定義すること、最適な培養および増殖の技術を決定すること、ならびにCARタンパク質構造自体の分子的詳細を定義することに関して、いまだにかなりの作業を行う必要がある。
【0010】
CARの連結モチーフは、IgGの定常ドメインなどの比較的安定な構造ドメインとするか、または伸長された可撓性リンカーとなるように設計することができる。IgGの定常ドメインに由来するものなどの構造モチーフを使用して、ScFv結合性ドメインをT細胞の細胞膜表面から離れて延在させることができる。これは、結合性ドメインが腫瘍細胞表面膜に特に近い一部の腫瘍標的にとって重要であり得る(例えば、ジシアロガングリオシドGD2にとって;Orentasら、未公開の観察)。今日まで、CARにおいて使用されるシグナル伝達モチーフは常にCD3-ζ鎖を含んでいるが、それは、このコアモチーフが、T細胞活性化のための重要なシグナルであるからである。最初に報告された第2世代CARは、CD28シグナル伝達ドメインおよびCD28膜貫通配列を特徴としていた。このモチーフは、CD137(4-1BB)シグナル伝達モチーフを含有する第3世代CARでも同様に使用された(Zhao Yら J Immunol.2009年;183巻(9号):5563~74頁)。新たなテクノロジーの進歩に伴い、抗CD3および抗CD28抗体に連結されたビーズによるT細胞の活性化、ならびにCD28由来のカノニカルな「シグナル2」の存在がCAR自体によってコードされる必要はもはやなくなった。ビーズ活性化を使用して、第3世代ベクターは、in vitroアッセイにおいて第2世代ベクターよりも優れているわけではないことが見出され、また、白血病のマウスモデルにおいては第2世代ベクターを超える明らかな利益は得られなかった(Haso W、Lee DW、Shah NN、Stetler-Stevenson M、Yuan CM、Pastan IH、Dimitrov DS、Morgan RA、FitzGerald DJ、Barrett DM、Wayne AS、Mackall CL、Orentas RJ.Anti-CD22-chimeric antigen receptors targeting B cell precursor acute lymphoblastic leukemia,Blood.2013年;121巻(7号):1165~74頁;Kochenderfer JNら Blood.2012年;119巻(12号):2709~20頁)。これは、第2世代CD28/CD3-ζ(Lee DWら American Society of Hematology Annual Meeting.New Orleans、LA;12月7~10日、2013年)およびCD137/CD3-ζシグナル伝達形式(Porter
DLら N Engl J Med.2011年;365巻(8号):725~33頁)のCD19特異的CARの臨床的成功によって裏付けられている。CD137に加えて
、OX40などの他の腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバーも、CARが形質導入されたT細胞において重要な持続シグナルを提供することができる(Yvon Eら
Clin Cancer Res.2009年;15巻(18号):5852~60頁)。同様に重要であるのは、CAR T細胞集団が培養された培養条件、例えばサイトカインIL-2、IL-7、および/またはIL-15の包含である(Kaiser ADら、Cancer Gene Ther. 2015年;22巻(2号):72~78頁)。
【0011】
がんに対するCAR療法のより広範で有効な適応における現在の課題は、説得力のある標的の不足に関する。細胞表面抗原への結合因子を創出することは、現在容易に達成可能であるが、正常組織を見逃しながら腫瘍に対して特異的な細胞表面抗原を発見することは、依然として厄介な課題である。CAR発現T細胞により高い標的細胞特異性を与えるための1つの潜在的な方法は、コンビナトリアルCARアプローチを使用することである。1つのシステムでは、CD3-ζとCD28シグナル単位が、同じ細胞において発現される2つの異なるCAR構築物間で分割される;別のシステムでは、2つのCARが、同じT細胞において発現されるが、一方はより低い親和性を有し、したがって第2のCARの完全な活性のために代替的CARが最初に結合されることを必要とする(Lanitis
Eら Cancer Immunol Res.2013年;1巻(1号):43~53頁;Kloss CCら Nat Biotechnol.2013年;31巻(1号):71~5頁)。免疫療法剤としての単一のScFvベースのCARの生成のための第2の課題は、腫瘍細胞の不均一性である。少なくとも1つのグループは、標的抗原陰性集団の成長を回避することを期待して、エフェクター細胞集団が複数の抗原(HER2、IL-13Ra、EphA2)を同時に標的化する、神経膠芽腫のためのCAR戦略を開発している(Hegde Mら Mol Ther.2013年;21巻(11号):2087~101頁)。
【0012】
T細胞ベースの免疫療法は、合成生物学における新たな領域になっている;複数のプロモーターおよび遺伝子産物は、これらの高度に強力な細胞を腫瘍微小環境に導くことが想定され、ここで、T細胞は、負の調節シグナルを免れることができ、かつ有効な腫瘍死滅を媒介できる。誘導性カスパーゼ9構築物のAP1903などの化学物質ベースの二量体化剤との薬物誘導性二量体化を介した望ましくないT細胞の排除は、T細胞集団を制御できる強力なスイッチが薬理学的に開始され得る1つの方法を実証している(Di Stasi Aら、N Engl J Med. 2011年;365巻(18号):1673~83頁)。デコイ受容体の発現によるトランスフォーミング成長因子-βの負の調節効果に対して免疫性であるエフェクターT細胞集団の創出は、エフェクターT細胞が最適な抗腫瘍活性のために操作され得る程度をさらに実証している(Foster AEら J
Immunother.2008年;31巻(5号):500~5頁)。したがって、CARは、内因性T細胞受容体と類似した様式でT細胞活性化を誘発できるようであるが、今日までのこのテクノロジーの臨床適用に対する主要な障害は、CAR+T細胞の限定的なin vivo増殖、注入後の細胞の迅速な消失、および期待外れの臨床活性である。これは、一部には、使用されたマウス起源のいくつかのCAR配列が原因である可能性がある。
【0013】
ブリノツモマブ(Blinotumomab)(二重特異性抗CD19および抗CD3抗体)の使用は、この治療を受けた重症患者に対して優れた結果を示す。それにもかかわらず、長期寛解率は40%未満であり、応答者のせいぜい50%だけしか造血幹細胞移植(HSCT)で救い出すことができない(Goreら、2014年、NCT01471782、およびVon Stackelbergら、2014年、NCT01471782、要約はBenjamin, JE、Stein AS、2016年、Therapeutic Advances in Hematology 7巻:142~156を参照
)。持続性のある応答を維持するために、二重特異性抗体またはCAR-T療法を受けた後にHSCTが施される患者の要件は、議論が活発な領域のままである。一部では90%を超える場合もある高い応答がCD19 CAR-T試験では報告されているが、その試験が「処置目的」試験として再実施された場合には、その数は70%近くになり得る(Davis KL、Mackall CL、2016年、Blood Advances 1巻:265~268頁)。報告されたCAR19処置後12カ月の最良の結果では、ペンシルベニア大学でT細胞産物を投与することができた患者のうちRFSが55%であり、OSが79%であることが示されている(Maude SL、Teachey DT、Rheingold SR、Shaw PA、Aplenc R、Barrett DM、Barker CS、Callahan C、Frey NV、Farzana N、Lacey SF、Zheng A、Levine B、Melenhorst JJ、Motley L、Prter DL、June CH、Grupp SA、2016年、J Clin Oncol 34巻、15号、補遺2016年、5月、3011~3011頁)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、前述の欠点なしに、特異的で有効な抗腫瘍効果を示し得るアプローチを使用して、B-ALLおよび他のCD19発現B細胞悪性腫瘍を処置するための新規組成物および方法を発見することについて緊急かつ長年にわたる要求が当技術分野で存在する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、CAR組成物、ならびにがんならびに他の疾患および/または状態を処置するために使用され得る治療的方法を提供することによって、これらの要求に対処する。特に、本明細書に開示および記載されている本発明は、CD19の発現の調節不全と関連する疾患、障害または状態の処置に使用可能なCARを提供し、ここでCARは、形質導入T細胞において高い表面発現を示し、CD19発現細胞の高度の細胞溶解を示し、形質導入T細胞のin vivoでの増殖および持続を示す、CD19抗原結合性ドメインを含む。
【0016】
概要
新規の抗CD19抗体またはその抗原結合性ドメイン、およびこのようなCD19抗原結合性ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)、および受容体を発現する宿主細胞(例えばT細胞)、および受容体をコードする核酸分子が本明細書で提供される。CARは、形質導入T細胞での高い表面発現、高度の細胞溶解ならびに形質導入T細胞のin vivoでの増殖および持続を示す。例えば対象におけるがんを処置するための、開示されるCAR、宿主細胞、および核酸分子を使用する方法も提供される。
【0017】
したがって、一態様において、配列番号1、3、5、7、9、11、13および15からなる群から選択される核酸配列を含む、ヒト抗CD19抗体またはその断片をコードする単離されたポリヌクレオチドが提供される。
【0018】
一実施形態において、完全ヒト抗CD19抗体またはその断片をコードする単離されたポリヌクレオチドが提供され、抗体またはその断片は、Fab断片、F(ab’)断片、Fv断片、および単鎖Fv(ScFv)からなる群から選択される断片を含む。
【0019】
一実施形態において、完全ヒト抗CD19抗体またはその断片をコードする単離されたポリヌクレオチドが提供され、抗体またはその断片は、配列番号2、4、6、8、10、12、14および16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0020】
一態様において、N末端からC末端へ、配列番号1、3、5、7、9、11、13および15からなる群から選択される核酸配列を含むヌクレオチド配列によりコードされる少なくとも1つのCD19抗原結合性ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードする、単離された核酸分子が提供される。
【0021】
一実施形態では、コードされる細胞外CD19抗原結合性ドメインが、CD19に結合する抗体の少なくとも1つの単鎖可変断片を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0022】
別の実施形態では、コードされる細胞外CD19抗原結合性ドメインが、CD19に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変領域を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0023】
さらに別の実施形態では、コードされるCAR細胞外CD19抗原結合性ドメインが、CD19に結合する少なくとも1つのリポカリンベースの抗原結合性抗原(アンチカリン)をさらに含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0024】
一実施形態では、コードされる細胞外CD19抗原結合性ドメインが、リンカードメインによって膜貫通ドメインに接続される、単離された核酸分子が提供される。
【0025】
別の実施形態では、コードされるCD19細胞外抗原結合性ドメインに、リーダーまたはシグナルペプチドをコードする配列が先行する、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0026】
さらに別の実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13および15からなる群から選択される核酸配列を含むヌクレオチド配列によりコードされる少なくとも1つのCD19抗原結合性ドメインを含むCARをコードする、単離された核酸分子が提供され、CARは、CD20、CD22、ROR1、メソセリン、CD33、CD38、CD123(IL3RA)、CD138、BCMA(CD269)、GPC2、GPC3、FGFR4、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、TSLPR、NY-ESO-1 TCR、MAGE A3 TCR、またはそれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない抗原を標的化する細胞外抗原結合性ドメインをさらにコードする。
【0027】
ある特定の実施形態では、さらにコードされる細胞外抗原結合性ドメインが、抗CD20 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD22 ScFv抗原結合性ドメイン、抗ROR1 ScFv抗原結合性ドメイン、抗メソセリンScFv抗原結合性ドメイン、抗CD33 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD38 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD123(IL3RA)ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD138 ScFv抗原結合性ドメイン、抗BCMA(CD269)ScFv抗原結合性ドメイン、抗GPC2 ScFv抗原結合性ドメイン、抗GPC3 ScFv抗原結合性ドメイン、抗FGFR4 ScFv抗原結合性ドメイン、抗TSLPR ScFv抗原結合性ドメイン、抗c-Met ScFv抗原結合性ドメイン、抗PMSA ScFv抗原結合性ドメイン、抗糖脂質F77
ScFv抗原結合性ドメイン、抗EGFRvIII ScFv抗原結合性ドメイン、抗GD-2 ScFv抗原結合性ドメイン、抗NY-ESO-1 TCR ScFv抗原結合性ドメイン、抗MAGE A3 TCR ScFv抗原結合性ドメイン、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するそのアミノ酸配列、あるいはそれらの任意の組合せを含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0028】
一態様では、本明細書で提供されるCARはリンカーまたはスペーサードメインをさらに含む。
【0029】
一実施形態では、細胞外CD19抗原結合性ドメイン、細胞内シグナル伝達ドメイン、またはその両方が、リンカーまたはスペーサードメインによって膜貫通ドメインに接続される、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0030】
一実施形態では、コードされるリンカードメインが、CD8またはCD28の細胞外ドメインに由来し、膜貫通ドメインに連結される、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0031】
別の実施形態では、コードされるCARが、T細胞受容体のアルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD83、CD86、CD134、CD137、およびCD154、またはそれらの組合せからなる群から選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む膜貫通ドメインをさらに含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0032】
さらに別の実施形態では、コードされる細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ゼータ細胞内ドメインをさらに含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0033】
一実施形態では、コードされる細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ゼータ細胞内ドメインに対してN末端側に配置される、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0034】
別の実施形態では、コードされる少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、共刺激ドメイン、一次シグナル伝達ドメイン、またはそれらの組合せを含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0035】
さらなる実施形態では、コードされる少なくとも1つの共刺激ドメインが、OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12および4-1BB(CD137)の機能的シグナル伝達ドメイン、またはそれらの組合せを含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0036】
一実施形態では、リーダー配列またはシグナルペプチドをさらに含み、リーダーまたはシグナルペプチドのヌクレオチド配列が配列番号17のヌクレオチド配列を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0037】
さらに別の実施形態では、コードされるリーダー配列が配列番号18のアミノ酸配列を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0038】
一態様では、N末端からC末端へ、少なくとも1つの細胞外CD19抗原結合性ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)が本明細書で提供される。
【0039】
一実施形態では、細胞外CD19抗原結合性ドメインが、抗原に結合する抗体の少なくとも1つの単鎖可変断片、または抗原に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変領域、またはそれらの組合せを含む、CARが提供される。
【0040】
別の実施形態において、少なくとも1つの膜貫通ドメインが、T細胞受容体のアルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、TNFRSF19またはそれらの組合せからなる群から選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む、CARが提供される。
【0041】
一部の実施形態において、CARが、CD20、CD22、ROR1、メソセリン、CD33、CD38、CD123(IL3RA)、CD138、BCMA(CD269)、GPC2、GPC3、FGFR4、TSLPR、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、TSLPR、NY-ESO-1 TCR、MAGE A3
TCR、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するそのアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを含む細胞外抗原結合性ドメインをさらにコードする、CARが提供される。
【0042】
一実施形態では、細胞外抗原結合性ドメインが、抗CD20 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD22 ScFv抗原結合性ドメイン、抗ROR1 ScFv抗原結合性ドメイン、抗メソセリン ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD33 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD38 ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD123(IL3RA)ScFv抗原結合性ドメイン、抗CD138 ScFv抗原結合性ドメイン、抗BCMA(CD269)ScFv抗原結合性ドメイン、抗GPC2 ScFv抗原結合性ドメイン、抗GPC3 ScFv抗原結合性ドメイン、抗FGFR4 ScFv抗原結合性ドメイン、抗TSLPR ScFv抗原結合性ドメイン、抗c-Met ScFv抗原結合性ドメイン、抗PMSA ScFv抗原結合性ドメイン、抗糖脂質F77 ScFv抗原結合性ドメイン、抗EGFRvIII ScFv抗原結合性ドメイン、抗GD-2 ScFv抗原結合性ドメイン、抗NY-ESO-1 TCR ScFv抗原結合性ドメイン、抗MAGE
A3 TCR ScFv抗原結合性ドメイン、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するそのアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを含む、CARが提供される。
【0043】
別の実施形態では、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが共刺激ドメインおよび一次シグナル伝達ドメインを含む、CARが提供される。
【0044】
さらに別の実施形態では、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12、および4-1BB(CD137)、またはそれらの組合せからなる群から選択されるタンパク質の機能的シグナル伝達ドメインを含む共刺激ドメインを含む、CARが提供される。
【0045】
一実施形態では、CARをコードする核酸配列は配列番号19(LTG 2050 LP-M19217-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCAR核酸配列(図2A))の核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は配列番号20(LTG 2050 LP-M19217-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2A))のアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0046】
別の実施形態では、CARをコードする核酸配列は配列番号21(LTG 2065 LP-M19217-1-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCAR核酸配列(図2B))の核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は配列番号22(LTG 2065
LP-M19217-1-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2B))のアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0047】
別の実施形態では、CARをコードする核酸配列は配列番号23(LTG2066 LP-M19217-2-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARヌクレオチド配列(図2C))の核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は配列番号24(LTG 2066 LP-M19217-2-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2C))のアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0048】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号25の核酸配列(LTG 2067 LP-M19217-7-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCAR核酸配列(図2D))を含む。一実施形態において、核酸配列は、配列番号26のアミノ酸配列(LTG 2067 LP-M19217-7-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2D))を含むCARをコードする。
【0049】
別の実施形態では、CARをコードする核酸配列は、配列番号27の核酸配列(LTG
2068 LP-M19217-23-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCAR核酸配列(図2E))を含む。一実施形態では、核酸配列は、配列番号28のアミノ酸配列(LTG2068 LP-M19217-23-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2E))を含むCARをコードする。
【0050】
別の実施形態では、CARをコードする核酸配列は、配列番号29の核酸配列(LTG
2069 LP-M19217-29-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCAR核酸配列(図2F))を含む。一実施形態では、核酸配列は、配列番号30のアミノ酸配列(LTG 2069 LP-M19217-29-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2F))を含むCARをコードする。
【0051】
別の実施形態では、CARをコードする核酸配列は、配列番号31の核酸配列(LTG
2070 LP-M19217-38-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCAR核酸配列(図2G))を含む。一実施形態では、核酸配列は、配列番号32のアミノ酸配列(LTG 2070 LP-M19217-38-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2G))を含むCARをコードする。
【0052】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号33の核酸配列(LTG 2071 LP-M19217-40-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCAR核酸配列(図2H))を含む。一実施形態では、核酸配列は、配列番号34のアミノ酸配列(LTG 2071 LP-M19217-40-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2H))を含むCARをコードする。
【0053】
一態様では、本明細書で開示されるCARは、診断、がん患者の無増悪生存期間などの処置転帰のモニタリングおよび/もしくは予測における使用のため、またはかかる処置の進行をモニタリングするために、検出可能なマーカーを発現または含有するように改変される。
【0054】
一実施形態では、開示されたCARをコードする核酸分子は、ウイルスベクターなどのベクター中に含有され得る。ベクターは、DNAベクター、RNAベクター、プラスミドベクター、コスミドベクター、ヘルペスウイルスベクター、麻疹ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、もしくはレトロウイルスベクター、またはそれらの組合せである。
【0055】
ある特定の実施形態では、ベクターは、誘導性プロモーター、組織特異的プロモーター、構成的プロモーター、自殺プロモーターまたはそれらの任意の組合せであるプロモータ
ーをさらに含む。
【0056】
さらに別の実施形態では、CARを発現するベクターは、自殺スイッチによって、CAR T細胞の発現を制御するため、またはCAR-T細胞を排除するために、1または複数の作動可能なエレメントを含むようにさらに改変され得る。自殺スイッチには、例えば、アポトーシス誘導性シグナル伝達カスケード、または細胞死を誘導する薬物が含まれ得る。好ましい実施形態では、CARを発現するベクターは、チミジンキナーゼ(TK)またはシトシンデアミナーゼ(CD)などの酵素を発現するようにさらに改変され得る。
【0057】
別の態様では、CARをコードする核酸分子を含む宿主細胞もまた提供される。一部の実施形態では、宿主細胞は、T細胞、例えば、対象から得られた初代T細胞である。一実施形態では、宿主細胞はCD8+T細胞である。
【0058】
さらに別の態様では、抗腫瘍有効量のヒトT細胞集団を含む医薬組成物であって、T細胞がキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含み、CARが、配列番号2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列を含むヒトCD19抗原結合性ドメインを含む少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、少なくとも1つのリンカードメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含み、T細胞ががんを有するヒトのT細胞である、医薬組成物が提供される。がんは、とりわけ血液学的がん、例えば、白血病(例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)もしくは慢性骨髄性白血病(CML))、リンパ腫(例えば、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫)または多発性骨髄腫、あるいはそれらの組合せを含む。
【0059】
一実施形態において、CARの少なくとも1つの膜貫通ドメインが、T細胞受容体のアルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、メソセリン、CD33、CD37、CD64、CD80、CD83、CD86、CD134、CD137、CD154、TNFRSF19またはそれらの組合せからなる群から選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む、医薬組成物が提供される。
【0060】
別の実施形態では、ヒトのがんは、口腔および咽頭がん(舌、口、咽頭、頭頸部)、消化器系がん(食道、胃、小腸、結腸、直腸、肛門、肝臓、肝内胆管、胆嚢、膵臓)、呼吸器系がん(喉頭、肺および気管支)、骨および関節のがん、軟組織がん、皮膚がん(黒色腫、基底細胞癌および扁平上皮癌)、小児腫瘍(神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫)、中枢神経系の腫瘍(脳腫瘍、星状細胞腫、神経膠芽腫、神経膠腫)、ならびに乳房、生殖系(子宮頸部、子宮体、卵巣、外陰部、腟、前立腺、精巣、陰茎、子宮内膜)、泌尿器系(膀胱、腎臓および腎盂、尿管)、眼および眼窩、内分泌系(甲状腺)ならびに脳および他の神経系のがん、またはそれらの任意の組合せを含む成人癌を含む、医薬組成物が提供される。
【0061】
さらに別の実施形態では、がんを有するヒトのヒトT細胞の集団の抗腫瘍有効量を含む医薬組成物であって、がんが、1または複数の化学療法剤に対して非応答性の難治性がんである、医薬組成物が提供される。がんは、造血がん、骨髄異形成症候群、膵がん、頭頸部がん、皮膚腫瘍、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)における微小残存病変(MRD)、CLL(慢性リンパ性白血病)、CML(慢性骨髄性白血病)、非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む成人B細胞悪性疾患、小児B細胞悪性疾患(B細胞系譜ALL(急性リンパ性白血病)を含む)、多発性骨髄腫、肺がん、乳房がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸がん、黒色腫もしくは他の血液学的がんおよび固形腫瘍、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0062】
別の態様では、CAR含有T細胞(以下「CAR T細胞」)を作製する方法が提供される。この方法は、CD19に特異的に結合する開示されるCARをコードするベクターまたは核酸分子をT細胞に形質導入し、それによって、CAR T細胞を作製することを含む。
【0063】
さらに別の態様では、RNA操作された細胞の集団を生成する方法であって、開示されるCARをコードする核酸分子のin vitro転写されたRNAまたは合成RNAを対象の細胞中に導入し、CAR発現細胞を生成することを含む方法が提供される。
【0064】
さらに別の態様において、細胞でのCD19発現と関連する疾患、障害または状態を診断する方法であって、(a)細胞をヒト抗CD19抗体またはその断片と接触させるステップであって、抗体またはその断片が配列番号2、4、6、8、10、12、14、16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ステップ、ならびに(b)CD19の存在を検出するステップであって、CD19の存在が、CD19発現と関連する疾患、障害または状態を診断する、ステップを含む方法が提供される。
【0065】
一実施形態において、CD19発現と関連する疾患、障害または状態は、造血がん、骨髄異形成症候群、膵がん、頭頸部がん、皮膚腫瘍、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)における微小残存病変(MRD)、CLL(慢性リンパ性白血病)、CML(慢性骨髄性白血病)、非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む成人B細胞悪性疾患、小児B細胞悪性疾患(B細胞系譜ALL(急性リンパ性白血病)を含む)、多発性骨髄腫、肺がん、乳房がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸がん、黒色腫もしくはその他の血液学的がんおよび固形腫瘍、またはそれらの任意の組合せを含むがんである。
【0066】
別の実施形態において、哺乳動物におけるCD19と関連する疾患のリスクを診断、予後診断、または決定する方法であって、a)試料をヒト抗CD19抗体またはその断片と接触させるステップであって、抗体またはその断片が配列番号2、4、6、8、10、12、14または16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ステップ、ならびにb)CD19の存在を検出するステップであって、CD19の存在が、哺乳動物におけるCD19と関連する疾患を診断する、ステップを含む、哺乳動物由来の試料におけるCD19発現を検出するステップを含む方法が提供される。
【0067】
別の実施形態において、CD19依存性のT細胞阻害を阻害する方法であって、細胞をヒト抗CD19抗体またはその断片と接触させるステップであって、抗体またはその断片が配列番号2、4、6、8、10、12、14または16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ステップを含む方法が提供される。一実施形態において、細胞は、CD19を発現する腫瘍細胞、腫瘍関連マクロファージ、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0068】
別の実施形態において、CD19を発現する細胞により媒介されるT細胞阻害を遮断し、哺乳動物における腫瘍増殖を阻害するように腫瘍微小環境を変化させる方法であって、単離された抗CD19抗体またはその断片を含む有効量の組成物を哺乳動物に投与するステップであって、抗体またはその断片が、配列番号2、4、6、8、10、12、14および16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ステップを含む方法が提供される。一実施形態において、細胞は、CD19を発現する腫瘍細胞、腫瘍関連マクロファージ、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0069】
別の実施形態において、哺乳動物における抗腫瘍または抗がん免疫応答の免疫抑制を阻害、抑制または防止する方法であって、単離された抗CD19抗体またはその断片を含む
有効量の組成物を哺乳動物に投与するステップであって、抗体またはその断片が、配列番号2、4、6、8、10、12、14および16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、ステップを含む方法が提供される。一実施形態において、抗体またはその断片は、第1の細胞とT細胞の間の相互作用を阻害し、第1の細胞は、CD19を発現する腫瘍細胞、腫瘍関連マクロファージ、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0070】
別の態様では、哺乳動物において抗腫瘍免疫を誘導する方法であって、開示されるCARをコードするベクターまたは核酸分子が形質導入された治療有効量のT細胞を哺乳動物に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0071】
別の実施形態では、哺乳動物においてがんを処置または予防する方法であって、1つまたは複数の開示されるCARを、哺乳動物におけるがんを処置または予防するのに有効な量で哺乳動物に投与するステップを含む、方法が提供される。方法は、対象において、CARの抗原結合性ドメインと、CD19および/または1つまたは複数の上述の抗原の細胞外ドメインとの免疫複合体を形成するのに十分な条件下で、CD19および/または1つまたは複数の上述の抗原に特異的に結合する開示されるCARを発現する治療有効量の宿主細胞を対象に投与するステップを含む。
【0072】
さらに別の実施形態では、腫瘍抗原の上昇した発現と関連する疾患、障害または状態を有する哺乳動物を処置する方法であって、抗腫瘍有効量のT細胞集団を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含み、T細胞がキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含み、CARが、配列番号2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを含む少なくとも1つの細胞外CD19抗原結合性ドメイン、少なくとも1つのリンカーまたはスペーサードメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含み、T細胞ががんを有する対象のT細胞である、方法が提供される。
【0073】
さらに別の実施形態では、それを必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、抗腫瘍有効量のT細胞集団を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含み、T細胞がキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列を含み、CARが配列番号2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを含む少なくとも1つのCD19抗原結合性ドメイン、少なくとも1つのリンカーまたはスペーサードメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含み、T細胞ががんを有する対象のT細胞である、方法が提供される。上述の方法の一部の実施形態では、少なくとも1つの膜貫通ドメインが、T細胞受容体の膜貫通アルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD19、CD22、メソセリン、CD33、CD37、CD64、CD80、CD83、CD86、CD134、CD137、CD154、TNFRSF16、TNFRSF19またはそれらの組合せを含む。
【0074】
さらに別の実施形態では、がんと診断されたヒトにおいて、遺伝子操作されたT細胞の持続性の集団を生成するための方法が提供される。一実施形態では、方法は、CARを発現するように遺伝子操作されたT細胞をヒトに投与するステップであって、CARが配列番号2、4、6、8、10、12、14または16のアミノ酸配列、またはそれらの任意の組合せを含む少なくとも1つのCD19抗原結合性ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含み、遺伝子操作されたT細胞の持続性の集団、またはT細胞の子孫の集団が、投与の後少なくとも1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、12カ月、2年または3年にわたって、ヒトにおいて持続する、ステップを含む。
【0075】
一実施形態では、ヒト中の子孫T細胞は、メモリーT細胞を含む。別の実施形態では、T細胞は自家T細胞である。
【0076】
本明細書に記載される方法の態様および実施形態の全てにおいて、腫瘍抗原の上昇した発現と関連する上述のがん、疾患、障害または状態のいずれかは、本明細書に開示されるCARのうち1または複数を使用して、処置または予防または寛解され得る。
【0077】
さらに別の態様では、上記キメラ抗原受容体T細胞を作製するためのキット、または上記対象において、腫瘍抗原の上昇した発現と関連するがん、疾患、障害もしくは状態のいずれかを予防、処置もしくは寛解するためのキットであって、上に開示された核酸分子、ベクター、宿主細胞もしくは組成物のいずれか1つまたはそれらの任意の組合せを含むコンテナ、およびキットを使用するための指示書を含むキットが提供される。
【0078】
CAR、宿主細胞、核酸ならびに方法は、本明細書に詳細に記載される具体的な態様および実施形態を超えて有用であることが理解される。本開示の前述の特色および利点は、添付の図面を参照して進む以下の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1】新規の細胞外CD19抗原結合性ドメイン配列を有するCARの一般的なドメイン構造を示す概略図である。キメラ抗原受容体は、細胞外CD19結合性ScFvドメイン、CD8スペーサーおよび膜貫通ドメイン、細胞内シグナル伝達CD137共刺激ドメインならびにCD3 zシグナル伝達ドメインから構成される。
図2A】新規のヒト細胞外CD19抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)の核酸配列およびアミノ酸配列を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、ヒト抗CD19バインダー単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、4-1BB(CD137)シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。図2Aは、CAR LTG2050(19217 ScFv-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)核酸配列(配列番号19)を発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列(配列番号20)を示す。
図2B】新規のヒト細胞外CD19抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)の核酸配列およびアミノ酸配列を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、ヒト抗CD19バインダー単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、4-1BB(CD137)シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。図2Bは、CAR LTG2065(M19217-1 ScFv-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)核酸配列(配列番号21)を発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列(配列番号22)を示す。
図2C】新規のヒト細胞外CD19抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)の核酸配列およびアミノ酸配列を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、ヒト抗CD19バインダー単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、4-1BB(CD137)シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。図2Cは、CAR LTG2066(M19217-2 ScFv CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)核酸配列(配列番号23)を発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列(配列番号24)を示す。
図2D】新規のヒト細胞外CD19抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)の核酸配列およびアミノ酸配列を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、ヒト抗CD19バインダー単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、4-1BB(CD137)シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。図2Dは、CAR LTG2067(M19217-7 ScFv CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)核酸配列(配列番号25)を発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列(配列番号26)を示す。
図2E】新規のヒト細胞外CD19抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)の核酸配列およびアミノ酸配列を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、ヒト抗CD19バインダー単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、4-1BB(CD137)シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。図2Eは、CAR LTG2068(M19217-23 ScFv CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)核酸配列(配列番号27)を発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列(配列番号28)を示す。
図2F】新規のヒト細胞外CD19抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)の核酸配列およびアミノ酸配列を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、ヒト抗CD19バインダー単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、4-1BB(CD137)シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。図2Fは、CAR LTG2069(M19217-29 ScFv CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)核酸配列(配列番号29)を発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列(配列番号30)を示す。
図2G】新規のヒト細胞外CD19抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)の核酸配列およびアミノ酸配列を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、ヒト抗CD19バインダー単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、4-1BB(CD137)シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。図2Gは、CAR LTG2070(M19217-38 ScFv CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)核酸配列(配列番号31)を発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列(配列番号32)を示す。
図2H】新規のヒト細胞外CD19抗原結合性ドメイン配列を含むいくつかのキメラ抗原受容体(CAR)の核酸配列およびアミノ酸配列を示す図である。CARについての一般的な図式は、N末端からC末端まで、シグナルペプチド、ヒト抗CD19バインダー単鎖断片可変(ScFv)、細胞外リンカー、膜貫通ドメイン、4-1BB(CD137)シグナル伝達ドメイン、およびCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。図2Hは、CAR LTG2071(M19217-40 ScFv CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)核酸配列(配列番号33)を発現するレンチウイルスベクター、およびコードされるアミノ酸配列(配列番号34)を示す。
図3-1】図3は、初代ヒトT細胞における抗CD19 CAR表面発現を示す図である。ScFvドメインを使用してCD19腫瘍抗原に再指向されたCAR T細胞(各パネルに示されている通り)は、CAR発現構築物を用いたレンチウイルス形質導入により生成された。CART検出は、フローサイトメトリーにより実施した。T細胞を冷却PBS-EDTA緩衝液で2回洗浄し、CD19-Fcペプチドで染色し、続いて抗Fc-AF647試薬で染色した。少なくとも20,000個の細胞が各分析において得られた。細胞は、生存細胞のみが分析されるように、前方散乱および側方散乱、一重項弁別、ならびに7AAD陰性に基づいてゲートをかけた。データは、APCチャネルのMACSQuant 10フローサイトメーターで得た。UTDは、非形質導入陰性対照細胞である。各パネルのマーカーはCAR発現集団を同定し、分析した全形質導入T細胞のパーセントとして表示している。
図3-2】図3は、初代ヒトT細胞における抗CD19 CAR表面発現を示す図である。ScFvドメインを使用してCD19腫瘍抗原に再指向されたCAR T細胞(各パネルに示されている通り)は、CAR発現構築物を用いたレンチウイルス形質導入により生成された。CART検出は、フローサイトメトリーにより実施した。T細胞を冷却PBS-EDTA緩衝液で2回洗浄し、CD19-Fcペプチドで染色し、続いて抗Fc-AF647試薬で染色した。少なくとも20,000個の細胞が各分析において得られた。細胞は、生存細胞のみが分析されるように、前方散乱および側方散乱、一重項弁別、ならびに7AAD陰性に基づいてゲートをかけた。データは、APCチャネルのMACSQuant 10フローサイトメーターで得た。UTDは、非形質導入陰性対照細胞である。各パネルのマーカーはCAR発現集団を同定し、分析した全形質導入T細胞のパーセントとして表示している。
図4-1】図4は、in vitroでCD19陽性腫瘍の細胞溶解を媒介するScFvバインダー(LTG2050、2065~2071)を組み入れた抗CD19 CAR T細胞を示す図である。抗CD19構築物を発現するCAR T細胞を、一晩、CD19陽性細胞株(RajiおよびReh)またはエフェクター対標的比5、10、20、および40(x軸)で、安定的にホタルルシフェラーゼを形質導入したCD19陰性株(K562および293T)とインキュベートした。次いで、CART細胞毒性活性を、材料および方法で説明しているように、ルシフェラーゼ活性測定により評価した。各バーは3つの技術上の複製の平均であり、エラーバーはSDを示す。UTDは非形質導入T細胞陰性対照、1538はLTG1538 FMC63マウス抗CD19 CAR陽性対照。
図4-2】図4は、in vitroでCD19陽性腫瘍の細胞溶解を媒介するScFvバインダー(LTG2050、2065~2071)を組み入れた抗CD19 CAR T細胞を示す図である。抗CD19構築物を発現するCAR T細胞を、一晩、CD19陽性細胞株(RajiおよびReh)またはエフェクター対標的比5、10、20、および40(x軸)で、安定的にホタルルシフェラーゼを形質導入したCD19陰性株(K562および293T)とインキュベートした。次いで、CART細胞毒性活性を、材料および方法で説明しているように、ルシフェラーゼ活性測定により評価した。各バーは3つの技術上の複製の平均であり、エラーバーはSDを示す。UTDは非形質導入T細胞陰性対照、1538はLTG1538 FMC63マウス抗CD19 CAR陽性対照。
図5】CD19陽性白血病株(濃い灰色)と共培養した場合、またはT細胞を単独培養した場合(灰色)における高レベルのサイトカインのCD19特異的CART細胞産生を示す図である。アッセイは、一晩、E:T比10:1で実施し、その後、上清をサイトカイン濃度についてELISAにより分析した。N=2技術上の複製 +/-SD。陰性対照:UTは非形質導入T細胞、1538はFMC63マウスCD19陽性対照が形質導入されたT細胞。ヒトT細胞の形質導入に使用された各LVのLTG番号は、x軸に示している。
【発明を実施するための形態】
【0080】
詳細な説明
定義
本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「この(the)」とは、文脈が明らかに他を示さない限り、単数形および複数形の両方を指す。例えば、用語「1つの抗原」は、単数または複数の抗原を含み、語句「少なくとも1つの抗原」と等価とみなされ得る。本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises)」とは、「含む(includes)」を意味する。したがって、「1つの抗原を含む(comprising)」とは、他の要素を排除することなく、「1つの抗原を含む(including)」を意味する。語句「および/または」とは、「および」または「または」を意味する。核酸またはポリペプチドについて与えられた任意のおよび全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、ならびに全ての分子量または分子質量値は、特記しない限り、おおよそであり、便宜的に提供されていることをさらに理解すべきである。本
明細書に記載されるものと類似または等価な多くの方法および材料が使用され得るが、特に適切な方法および材料が以下に記載される。矛盾する場合、用語の説明を含む本明細書が支配する。さらに、材料、方法および実施例は、例示にすぎず、限定を意図しない。種々の実施形態の再検討を容易にするために、以下の用語の説明が提供される。
【0081】
用語「約」とは、測定可能な値、例えば、量、時間的持続期間などに言及する場合、特定された値から±20%、または一部の例では±10%、または一部の例では±5%、または一部の例では±1%、または一部の例では±0.1%の変動を包含することを意味し、かかる変動は、開示される方法を実施するために適切である。
【0082】
特記しない限り、本明細書の技術用語は、従来の用法に従って使用される。分子生物学における一般的用語の定義は、Oxford University Pressによって刊行されたBenjamin Lewin、Genes VII、1999年;Blackwell Science Ltd.によって刊行されたKendrewら(編)The Encyclopedia of Molecular Biology、1994年;およびVCH Publishers,Inc.によって刊行されたRobert
A.Meyers(編)、Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference、1995年;および他の類似の参考文献中に見出すことができる。
【0083】
本開示は、CD19抗体またはその断片、およびこのようなCD19抗原結合性ドメインを有するキメラ抗原受容体(CAR)を提供する。CARの機能的活性の増強は、CARを発現するT細胞の機能的活性の増強に直接関連する。これらの1つまたは複数の改変の結果として、CARは、形質導入されたCAR発現T細胞のin vivoでのT細胞増殖および持続レベルの増大と共に、高度のサイトカイン誘導性細胞溶解および形質導入T細胞での細胞表面発現の両方を示す。
【0084】
様々なタンパク質ドメインに由来する機能性部分を組み合わせる独自の能力が、キメラ抗原受容体(CAR)の重要かつ革新的な特色である。これらのタンパク質ドメイン各々の選択は、これらの具体的な組合せ方と同様に、重要な設計特色である。各設計ドメインは、様々なCARプラットフォームでリンパ球の機能を操作するのに使用可能な必須の構成要素である。例えば、細胞外結合性ドメインの選択によって、それ以外の場合では無効のCARを有効にすることができる。
【0085】
CARの細胞外抗原結合性ドメインを作り出すのに使用される、免疫グロブリン由来のタンパク質配列の非可変フレームワーク構成要素は、完全に中立であるか、自己会合してT細胞を代謝疲弊の状態にすることがあり、そのためこのCARを発現する治療的T細胞が極度に無効となる。このことは、このCARドメインの抗原結合機能とは無関係に起こる。さらに、細胞内シグナル伝達ドメイン(複数可)の選択によっても、免疫療法に使用される治療的リンパ球集団の活性および耐久性が決定され得る。これらの細胞外および細胞内ドメインによって、標的抗原と結合する能力および活性化シグナルをT細胞に伝達する能力がそれぞれ、CAR設計の重要な側面である一方で、細胞外抗原結合性断片の供給源の選択が、CARの有効性に対して顕著な効果を有し、それゆえにCARの機能および臨床的有用性において決定的な役割を有し得ることも明らかとなっている。
【0086】
驚くべきことにかつ予想外に、ここで、宿主において抗マウス免疫応答およびCAR T排除を誘導する傾向がある、マウス由来の抗原結合性断片を使用するのではなく(マウス由来のSS1 ScFv配列を使用する、UPennの資金提供を受けた臨床試験、NCT02159716を参照)、CARに完全ヒト抗原結合性ドメインを使用することでも、CARを発現するT細胞の機能的活性が決定され得ることが発見された。
【0087】
この発見に照らして、ヒトscFv発現ライブラリーからの一連のCD19バインダーを開発した。これらの完全ヒトCD19 CARはもはやマウス起源ではないので、患者によるアレルギー反応または拒絶反応を誘発する可能性が低い(Maus MV、Haas AR、Beatty GL、Albeda SM、Levine BL、Liu X、Zhao Y、Kalos M、June CH、2013年、Cancer Immunology Research、1巻:26~31頁を参照)。したがって、これらの「完全ヒト」CARがT細胞で発現され、次いで患者に注入された場合、治療効果がより高まると思われる。これらのヒト配列由来CARバインダーは、B-ALL、DLBCL、FLを含むがこれらに限定されないCD19抗原を発現するヒトのがん、白血病、およびリンパ腫の処置に使用することができる。
【0088】
本明細書で開示されるCARは、細胞において高レベルで発現される。CARを発現する細胞は、in vivoで高い増殖速度を有し、多量のサイトカインを産生し、CARが結合するCD19抗原を表面に有する細胞に対し高い細胞傷害活性を有する。ヒト細胞外CD19抗原結合性ドメインの使用により、in vivoでより良好に機能するCARの生成がもたらされ、一方で宿主免疫応答での抗CAR免疫の誘導およびCAR T細胞集団の死滅が回避される。完全ヒト細胞外CD19ScFv抗原結合性ドメインを発現するCARは、i)マウス由来の結合性配列で見られる、CAR Tの持続および機能不足の防止;ii)有効となるべきCARの局所(即ち、胸膜内)送達がないこと;ならびにiii)CD19に対し高親和性および低親和性を有するバインダー両方に基づいてCAR T細胞設計を生成する能力、を含む優れた活性/特性を示す。この最後の特性により、腫瘍には正常な組織よりもCD19が多く発現していることで、親和性がより小さいバインダーは正常な組織よりも腫瘍に対しより大きい特異性を有することができ、それによりオンターゲットな腫瘍以外への毒性およびバイスタンダー細胞の死滅が防止され得るため、研究者は、CAR T産物の毒性に対する有効性、および/または組織特異性をよりよく調整することができる。
【0089】
CAR、抗体およびその抗原結合性断片、コンジュゲート、ヌクレオチド、発現、ベクターおよび宿主細胞、開示されたCARを使用する処置の方法、組成物およびキットのさらなる記載と共に、それらの細胞外CD19抗原結合性ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインの記載を含む本発明のCARの詳細な記載は以下である。
【0090】
A.キメラ抗原受容体(CAR)
本明細書で開示されるCARは、CD19に結合することが可能な少なくとも1つのCD19抗原結合性ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、および少なくとも1つの細胞内ドメインを含む。
【0091】
キメラ抗原受容体(CAR)は、膜貫通ドメインを介してT細胞シグナル伝達ドメインに連結された、抗体の抗原結合性ドメイン(例えば、単鎖可変断片(ScFv))を含有する、人工的に構築されたハイブリッドタンパク質またはポリペプチドである。CARの特徴には、非MHC拘束様式で、モノクローナル抗体の抗原結合特性を活用して、選択された標的に向かってT細胞の特異性および反応性を再指向させるそれらの能力が含まれる。非MHC拘束的な抗原認識は、CARを発現するT細胞に、抗原プロセシングと無関係に抗原を認識する能力を与え、そうして、腫瘍エスケープの主要な機構を迂回する。さらに、T細胞中で発現される場合、CARは、有利なことに、内因性T細胞受容体(TCR)のアルファ鎖およびベータ鎖と二量体化しない。
【0092】
本明細書に開示するように、CARの細胞内T細胞シグナル伝達ドメインには、例えば、T細胞受容体シグナル伝達ドメイン、T細胞共刺激シグナル伝達ドメイン、またはその
両方が含まれ得る。T細胞受容体シグナル伝達ドメインとは、T細胞受容体の細胞内ドメイン、例えば、限定としてではなく、CD3ゼータタンパク質の細胞内部分などを含む、CARの一部分を指す。共刺激シグナル伝達ドメインとは、抗原に対するリンパ球の効率的な応答に必要とされる、抗原受容体またはそれらのリガンド以外の細胞表面分子である共刺激分子の細胞内ドメインを含む、CARの一部分を指す。
【0093】
1.細胞外ドメイン
一実施形態では、CARは、さもなければ抗原結合性ドメインまたは部分と呼ばれる標的特異的結合エレメントを含む。ドメインの選択は、標的細胞の表面を規定するリガンドの型および数に依存する。例えば、抗原結合性ドメインは、特定の疾患状態と関連する標的細胞上の細胞表面マーカーとして作用するリガンドを認識するように選択され得る。したがって、CAR中の抗原結合性ドメインに対するリガンドとして作用し得る細胞表面マーカーの例には、ウイルス、細菌および寄生生物感染、自己免疫疾患ならびにがん細胞と関連するものが含まれる。
【0094】
一実施形態では、CARは、腫瘍細胞上の抗原に特異的に結合する所望の抗原結合性ドメインを操作することによって、目的の腫瘍抗原を標的化するように操作され得る。腫瘍抗原は、免疫応答、特にT細胞媒介性免疫応答を惹起する、腫瘍細胞によって産生されるタンパク質である。抗原結合性ドメインの選択は、処置される特定の型のがんに依存する。腫瘍抗原は、例えば、神経膠腫関連抗原、癌胎児性抗原(CEA)、ベータ-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、アルファフェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ(prostase)、前立腺特異的抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGE-1a、p53、プロステイン(prostein)、PSMA、Her2/neu、サバイビンおよびテロメラーゼ、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン様成長因子(insulin growth factor)(IGF)-I、IGF-II、IGF-I受容体ならびにCD19が含まれる。本明細書に開示される腫瘍抗原は、例として含まれるにすぎない。このリストは、排他的である意図はなく、さらなる例が、当業者に容易に明らかである。
【0095】
一実施形態では、腫瘍抗原は、悪性腫瘍と関連する1または複数の抗原性がんエピトープを含む。悪性腫瘍は、免疫攻撃のための標的抗原として機能し得るいくつかのタンパク質を発現する。これらの分子には、組織特異的抗原、例えば、黒色腫におけるMART-1、チロシナーゼおよびGP 100、ならびに前立腺がんにおける前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)および前立腺特異的抗原(PSA)が含まれるがこれらに限定されない。他の標的分子は、癌遺伝子HER-2/Neu/ErbB-2などの形質転換関連分子の群に属する。標的抗原のさらに別の群は、癌胎児性抗原(CEA)などのがん胎児性抗原である。B細胞リンパ腫では、腫瘍特異的イディオタイプ免疫グロブリンが、個々の腫瘍に独自の真に腫瘍特異的な免疫グロブリン抗原を構成する。B細胞分化抗原、例えば、CD19、CD20、CD22、BCMA、ROR1およびCD37は、B細胞リンパ腫における標的抗原の他の候補である。これらの抗原の一部(CEA、HER-2、CD19、CD20、イディオタイプ)は、限定的な成功で、モノクローナル抗体による受動免疫療法の標的として使用されている。
【0096】
好ましい一実施形態において、腫瘍抗原はCD19であり、CD19発現と関連する腫瘍は、高レベルの細胞外タンパク質CD19を発現する肺中皮腫、卵巣および膵がん、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0097】
腫瘍抗原の型は、腫瘍特異的抗原(TSA)または腫瘍関連抗原(TAA)でもあり得る。TSAは、腫瘍細胞に独自であり、身体中の他の細胞上には存在しない。TAAは、腫瘍細胞に独自ではなく、その代わり、抗原に対する免疫学的寛容の状態を誘導できない条件下で正常細胞上でも発現される。腫瘍上での抗原の発現は、免疫系が抗原に応答できるようにする条件下で生じ得る。TAAは、免疫系が未熟であり応答できない胎児発生の間に正常細胞上で発現される抗原であり得、または正常細胞上では非常に低いレベルで通常存在するが、腫瘍細胞上ではかなり高いレベルで発現される抗原であり得る。
【0098】
TSAまたはTAAの非限定的な例には、以下が含まれる:分化抗原、例えば、MART-1/MelanA(MART-I)、gp100(Pmel 17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2および腫瘍特異的多系列抗原、例えば、MAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、p15;過剰発現された胚抗原、例えば、CEA;過剰発現された癌遺伝子および変異した腫瘍サプレッサー遺伝子、例えば、p53、Ras、HER-2/neu;染色体転座から生じる独自の腫瘍抗原;例えば、BCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR;ならびにウイルス抗原、例えば、エプスタイン・バーウイルス抗原EBVAおよびヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6およびE7。他の大きいタンパク質ベースの抗原には、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、RAGE、NY-ESO、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、PSA、TAG-72、CA 19-9、CA 72-4、CAM 17.1、NuMa、K-ras、ベータ-カテニン、CDK4、Mum-1、p 15、p 16、43-9F、5T4、791Tgp72、アルファ-フェトプロテイン、ベータ-HCG、BCA225、BTAA、CA 125、CA 15-3/CA 27.29/BCAA、CA 195、CA 242、CA-50、CAM43、CD68/P1、CO-029、FGF-5、G250、Ga733/EpCAM、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90/Mac-2結合タンパク質/シクロフィリンC関連タンパク質、TAAL6、TAG72、TLPおよびTPSが含まれる。
【0099】
一実施形態では、CARの抗原結合性ドメイン部分は、CD19、CD20、CD22、ROR1、CD33、CD38、CD123、CD138、BCMA、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、FGFR4、TSLPR、NY-ESO-1 TCR、MAGE A3 TCRなどを含むがこれらに限定されない抗原を標的化する。
【0100】
好ましい実施形態において、CARの抗原結合性ドメイン部分は、細胞外CD19抗原を標的化する。
【0101】
好ましい一実施形態において、細胞外CD19 VH-2抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号1のヌクレオチド配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD19 VH-2抗原結合性ドメインが配列番号2のアミノ酸配列、または配列番号2のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0102】
好ましい一実施形態において、細胞外CD19 VH-4抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号3のヌクレオチド配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD19 VH-4抗原結合性ドメインが配列番号4
のアミノ酸配列、または配列番号4のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0103】
好ましい一実施形態において、細胞外CD19 ScFv 9抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号5のヌクレオチド配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD19 ScFv 9抗原結合性ドメインが配列番号6のアミノ酸配列、または配列番号6のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0104】
好ましい一実施形態において、細胞外CD19 ScFv 10抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号7のヌクレオチド配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD19 ScFv 10抗原結合性ドメインが配列番号8のアミノ酸配列、または配列番号8のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0105】
好ましい一実施形態において、細胞外CD19 ScFv 12抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号9のヌクレオチド配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD19 ScFv 12抗原結合性ドメインが配列番号10のアミノ酸配列、または配列番号10のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0106】
好ましい一実施形態において、細胞外CD19 ScFv 15抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号11のヌクレオチド配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD19 ScFv 15抗原結合性ドメインが配列番号12のアミノ酸配列、または配列番号12のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0107】
好ましい一実施形態において、細胞外CD19 ScFv 15抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号13のヌクレオチド配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD19 ScFv 15抗原結合性ドメインが配列番号14のアミノ酸配列、または配列番号14のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
【0108】
好ましい一実施形態において、細胞外CD19 ScFv 15抗原結合性ドメインをコードする単離された核酸分子は、配列番号15のヌクレオチド配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含む。一実施形態において、コードされる細胞外CD19 ScFv 15抗原結合性ドメインが配列番号16のアミノ酸配列、または配列番号16のアミノ酸配列に対し85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を
含む、単離された核酸分子が提供される。
【0109】
本明細書で開示されるCD19特異的CARについての種々の実施形態では、一般的図式が図1に示され、N末端からC末端へ、シグナルまたはリーダーペプチド、抗CD19
ScFv、細胞外リンカー、CD8膜貫通部、4-1BB、CD3ゼータを含み、太字テキストは連結ドメインのクローニング部位を表す。
【0110】
一実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号19の核酸配列を含み、配列番号20[LTG2050 LP-M19217-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Aに示す)]に示すアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0111】
一実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号19の核酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含み、配列番号20に示すアミノ酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列[LTG2050 LP-M19217-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Aに示す)]を含むCARをコードする。
【0112】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号21の核酸配列を含み、配列番号22[LTG2065 LP-M19217-1-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Bに示す)]に示すアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0113】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号21の核酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含み、配列番号22に示すアミノ酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列[LTG2065 LP-M19217-1-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Bに示す)]を含むCARをコードする。
【0114】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号23の核酸配列を含み、配列番号24[LTG2066 LP-M19217-2-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2Cに示す)]に示すアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0115】
別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号23の核酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含み、配列番号24に示すアミノ酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列[LTG2066 LP-M19217-2-CD8 TM-41BB-CD3ゼータCARアミノ酸配列(図2Cに示す)]を含むCARをコードする。
【0116】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号25の核酸配列を含み、配列番号26[LTG2067 LP-M19217-7-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Dに示す)]に示すアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0117】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号25の核酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を
有するその配列を含み、配列番号26に示すアミノ酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列[LTG2067
LP-M19217-7-CD8 TM-41BB-CD3アミノ酸配列(図2Dに示す)]を含むCARをコードする。
【0118】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号27の核酸配列を含み、配列番号28に示すアミノ酸配列[LTG2068 LP-M19217- 23-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Eに示す)]を含むCARをコードする。
【0119】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号27の核酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含み、配列番号28に示すアミノ酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列[LTG2068
LP-M19217- 23-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Eに示す)]を含むCARをコードする。
【0120】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号29の核酸配列を含み、配列番号30[(LTG2069 LP-M19217-29 -CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Fに示す)]に示すアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0121】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号29の核酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含み、配列番号30に示すアミノ酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列[LTG2069
LP-M19217-29-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Fに示す)]を含むCARをコードする。
【0122】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号31の核酸配列を含み、配列番号32[(LTG2070 LP-M19217-38-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Gに示す)]に示すアミノ酸配列を含むCARをコードする。
【0123】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号31の核酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含み、配列番号32に示すアミノ酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列[(LTG2070 LP-M19217-38-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Gに示す)]を含むCARをコードする。
【0124】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号33の核酸配列を含み、配列番号34に示すアミノ酸配列[(LTG2071 LP-M19217-40-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Hに示す)]を含むCARをコードする。
【0125】
さらに別の実施形態において、CARをコードする核酸配列は、配列番号33の核酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含み、配列番号34に示すアミノ酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列[(LTG207
1 LP-M19217-40-CD8 TM-41BB-CD3ゼータアミノ酸配列(図2Hに示す)]を含むCARをコードする。
【0126】
CD19抗原と反応する単鎖断片可変(ScFv)配列を組み込んでいる抗CD19 CARの表面発現について、以下の実施例2に示し、表2に要約する。ScFvまたはVHを含む各CARについての発現レベルは、組換えCD19-Fcペプチド、続いてAF647にコンジュゲートされる抗ヒトFc F(ab’)2断片を使用して、2名の健康なドナー由来のLV形質導入T細胞をフローサイトメトリー分析により決定し、APCチャネルで検出した(図3参照)。ScFvベースの抗CD19 CAR構築物LTG2050、LTG2065~LTG2071は、ヒト初代T細胞(ゲート集団によって示す)において、非形質導入T細胞対照(非ゲート細胞集団)と比較して高度に発現された。ドナー1名からの代表的な結果を示す。
【0127】
実施例2および図4に示すように、以下のCARを発現するレンチウイルスベクター(LV)を作り出し、抗白血病活性について試験すると、CD19 CARの高い細胞溶解活性が実証された。各実験的CARは、4-1BB/CD3-ゼータ鎖シグナル伝達モチーフ、およびそこに特記される特異的な抗CD19結合性モチーフ/ドメインを含む。様々なCD19表面発現を有する白血病標的株を使用した:RajiおよびReh;ならびにCD19陰性K562および293T。ScFvベースの抗CD19 CAR構築物LTG2050およびLTG2065-2071は、CD19-高腫瘍株RajiおよびRehを効率的に溶解することができたが、一方、K562または293Tに対する特異的溶解活性はなかった(図4を参照)。これらの結果は、生成されたCAR構築物の効率および特異性を示している。
【0128】
次いで、サイトカイン分泌に対する抗CD19 CAR T細胞の能力を評価した。腫瘍細胞を、エフェクター対標的比10:1で一晩CAR T細胞または対照T細胞と共インキュベートし、培養上清をIFNガンマ、TNFアルファおよびIL-2についてELISAにより分析した(図5を参照)。注目に値するのは、CAR T発現細胞のLTG2065、LTG2066、LTG2067、LTG2068、LTG2069、LTG2070、およびLTG2071が高レベルのIFNガンマ、TNFアルファ、IL-2を生成したのに対し、陰性対照(非形質導入、UN)は明らかなサイトカイン誘導を生じなかったことである。驚いたことに、CD19 CAR LTG2050は、試験した腫瘍株に対して有意に低いレベルの誘導サイトカインを生じた。マウスFMC63 CD19バインダー(配列番号47)を発現した、陽性対照として試験したCAR、LTG1538は、LTG2050を除き試験したすべてのバインダーよりも活性は低かった。低サイトカイン産生能力を有していたLTG2050の高in vitro細胞溶解機能は、複数のCAR T機能性エンドポイントを構築物で、構築物ベースにより試験する必要があることを示唆している。さらに、LTG2065-2071ヒトCD19バインダーのマウスFMC63 scFvに対する優位性がサイトカイン産生アッセイにおいて明らかに証明された。
【0129】
任意の特定の作用機構に限定する意図はないが、本発明の例示的なCARと関連する増強された治療機能の可能な理由には、例えば、限定としてではなく、a)より効率的なシグナル伝達を可能にする、原形質膜内での改善された側方の動き、b)脂質ラフトなどの原形質膜マイクロドメイン内の優れた位置、およびT細胞活性化と関連する膜貫通シグナル伝達カスケードと相互作用するより高い能力、c)抑制的もしくは下方調節性の相互作用から離れる優先的な動きによる、原形質膜内の優れた位置、例えば、CD45などのホスファターゼとあまり近接していないこと、もしくはそれとのより少ない相互作用、ならびにd)T細胞受容体シグナル伝達複合体(即ち、免疫シナプス)への優れたアセンブリ、またはそれらの任意の組合せが含まれると考えられる。
【0130】
本開示は、例示的な細胞外ヒトCD19 ScFv抗原結合性ドメインを用いて例示しているが、重鎖単独結合ドメインまたはそのサブセットを得るために、CD19可変ScFv抗原結合性ドメイン内の他のヌクレオチドおよび/またはアミノ酸バリアントを使用してもよく、したがって、本明細書に記載のCARで使用するためのCD19抗原結合性ドメインを含む。一実施形態では、CD19可変ScFv抗原結合性ドメイン内の他のヌクレオチドおよび/またはアミノ酸バリアントには、例えば、FMC63(配列番号46および配列番号47(それぞれ、ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列(実施例1を参照))として標識されたCD19可変ScFv抗原結合性ドメイン含有バリアントが含まれる。
【0131】
標的化される所望の抗原に依存して、CARは、所望の抗原標的に対して特異的な適切な抗原結合ドメインを含むようにさらに操作され得る。例えば、CD19が標的化される所望の抗原である場合、CD19に対する抗体が、CAR中への抗原結合ドメイン取込みとして使用され得る。
【0132】
例示的な一実施形態では、CARの抗原結合性ドメイン部分は、CD33をさらに標的化する。好ましくは、CAR中の抗原結合性ドメインは、抗CD33 ScFvであり、ここで、抗CD33 ScFvの核酸配列は、配列番号48に示される配列を含む。一実施形態では、抗CD33 ScFvは、配列番号49のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態では、CARの抗CD33 ScFv部分は、配列番号49に示されるアミノ酸配列を含む。
【0133】
例示的な一実施形態では、CARの抗原結合性ドメイン部分は、メソセリンをさらに標的化する。好ましくは、CAR中の抗原結合性ドメインは、抗メソセリンScFvであり、ここで、抗メソセリンScFvの核酸配列は、配列番号50に示されるヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、抗メソセリンScFvは、配列番号51のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態では、CARの抗メソセリンScFv部分は、配列番号51に示されるアミノ酸配列を含む。
【0134】
本発明の一態様では、例えば、限定としてではなく、レトロウイルス科(例えば、ヒト免疫不全ウイルス、例えば、HIV-1およびHIV-LP)、ピコルナウイルス科(例えば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルスおよびエコーウイルス)、風疹ウイルス、コロナウイルス、水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス、エボラウイルス、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、パルボウイルス、アデノウイルス科、ヘルペスウイルス科[例えば、1型および2型単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)ならびにヘルペスウイルス]、ポックスウイルス科(例えば、天然痘ウイルス、ワクシニアウイルスおよびポックスウイルス)もしくはC型肝炎ウイルスに由来する抗原、またはそれらの任意の組合せを含む非TSAまたは非TAAに結合することが可能なCARが提供される。
【0135】
本発明の別の態様では、Staphylococci、Streptococcus、Escherichia coli、PseudomonasまたはSalmonellaの細菌株に由来する抗原に結合することが可能なCARが提供される。特に、感染性細菌、例えば、Helicobacter pyloris、Legionella pneumophilia、Mycobacteria sps.の細菌株(例えば、M.tuberculosis、M.avium、M.intracellulare、M.kansaiiまたはM.gordonea)、Staphylococcus aure
us、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitides、Listeria monocytogenes、Streptococcus pyogenes、A群Streptococcus、B群Streptococcus(Streptococcus agalactiae)、Streptococcus pneumoniaeもしくはClostridium tetaniに由来する抗原、またはそれらの組合せに結合することが可能なCARが提供される。
【0136】
2.膜貫通ドメイン
膜貫通ドメインに関して、CARは、CARの細胞外CD19抗原結合性ドメインに融合された1つまたは複数の膜貫通ドメインを含む。
【0137】
膜貫通ドメインは、天然供給源または合成供給源のいずれかに由来し得る。供給源が天然である場合、ドメインは、任意の膜結合型または膜貫通タンパク質に由来し得る。
【0138】
本明細書に記載されるCARにおいて特に使用される膜貫通領域は、T細胞受容体のアルファ、ベータまたはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、メソセリン、CD33、CD37、CD64、CD80、CD83、CD86、CD134、CD137、CD154、TNFRSF16またはTNFRSF19に由来し得る(即ち、それらの膜貫通領域(複数可)を少なくとも含み得る)。あるいは、膜貫通ドメインは、合成であり得、その場合、ロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を優勢に含む。好ましくは、フェニルアラニン、トリプトファンおよびバリンの三つ組が、合成膜貫通ドメインの各末端において見出される。任意選択で、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、好ましくは2アミノ酸長と10アミノ酸長との間が、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインとの間での連結を形成し得る。グリシン-セリンダブレットは、特に適切なリンカーを提供する。
【0139】
一実施形態では、CAR中のドメインの1つと天然に関連する膜貫通ドメインが、上記膜貫通ドメインに加えて使用される。
【0140】
一部の場合には、膜貫通ドメインは、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小化するために、かかるドメインの、同じまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへの結合を回避するために、選択され得るまたはアミノ酸置換により得る。
【0141】
一実施形態では、本発明のCAR中の膜貫通ドメインは、CD8膜貫通ドメインである。一実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号35の核酸配列を含む。一実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号20のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号36のアミノ酸配列を含む。
【0142】
一実施形態において、コードされる膜貫通ドメインは、配列番号36のアミノ酸配列の少なくとも1つ、2つもしくは3つの改変(例えば、置換)であるが20、10もしくは5以下の改変(例えば、置換)を有するアミノ酸配列、または配列番号36のアミノ酸配列に対し95~99%の同一性を有する配列を含む。
【0143】
一部の場合には、CARの膜貫通ドメインは、CD8アルファヒンジドメインを含む。一実施形態では、CD8ヒンジドメインは、配列番号37の核酸配列を含む。一実施形態では、CD8ヒンジドメインは、配列番号38アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態において、CD8ヒンジドメインは、配列番号38のアミノ酸配列、または95~99%の同一性を有するその配列を含む。
【0144】
一実施形態では、コードされるリンカードメインが、CD8の細胞外ドメインに由来し、膜貫通CD8ドメイン、膜貫通CD28ドメイン、またはそれらの組合せに連結される、単離された核酸分子が提供される。
【0145】
3.スペーサードメイン
CARでは、スペーサードメインは、細胞外ドメインと膜貫通ドメインとの間、または細胞内ドメインと膜貫通ドメインとの間に配置され得る。スペーサードメインは、膜貫通ドメインを細胞外ドメインと連結させるように、および/または膜貫通ドメインを細胞内ドメインと連結させるように機能する、任意のオリゴペプチドまたはポリペプチドを意味する。スペーサードメインは、最大で300アミノ酸、好ましくは10~100アミノ酸、最も好ましくは25~50アミノ酸を含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、リンカーは、存在する場合には、リンカーのサイズを増加させ、その結果、エフェクター分子または検出可能なマーカーと抗体または抗原結合性断片との間の距離が増加される、スペーサーエレメントを含み得る。例示的なスペーサーは、当業者に公知であり、これには、米国特許第7,964,566号、米国特許第7,498,298号、米国特許第6,884,869号、米国特許第6,323,315号、米国特許第6,239,104号、米国特許第6,034,065号、米国特許第5,780,588号、米国特許第5,665,860号、米国特許第5,663,149号、米国特許第5,635,483号、米国特許第5,599,902号、米国特許第5,554,725号、米国特許第5,530,097号、米国特許第5,521,284号、米国特許第5,504,191号、米国特許第5,410,024号、米国特許第5,138,036号、米国特許第5,076,973号、米国特許第4,986,988号、米国特許第4,978,744号、米国特許第4,879,278号、米国特許第4,816,444号および米国特許第4,486,414号、ならびに米国特許出願公開第20110212088号および米国特許出願公開第20110070248号中に列挙されるものが含まれ、その各々は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0147】
スペーサードメインは、好ましくは、抗原とのCARの結合を促進し、細胞中へのシグナル伝達を増強する配列を有する。結合を促進すると予測されるアミノ酸の例には、システイン、荷電アミノ酸、ならびに潜在的グリコシル化部位中のセリンおよびスレオニンが含まれ、これらのアミノ酸は、スペーサードメインを構成するアミノ酸として使用され得る。
【0148】
スペーサードメインとして、CD8アルファ(NCBI RefSeq:NP_001759.3)のヒンジ領域であるアミノ酸番号137~206(配列番号39)、CD8ベータ(GenBank:AAA35664.1)のアミノ酸番号135~195、CD4(NCBI RefSeq:NP_000607.1)のアミノ酸番号315~396、またはCD28(NCBI RefSeq:NP_006130.1)のアミノ酸番号137~152の全体または一部が使用され得る。また、スペーサードメインとして、抗体H鎖またはL鎖の定常領域の一部が使用され得る。さらに、スペーサードメインは、人工的に合成された配列であり得る。
【0149】
さらに、CARでは、シグナルペプチド配列が、N末端に連結され得る。シグナルペプチド配列は、多くの分泌タンパク質および膜タンパク質のN末端に存在し、15~30アミノ酸の長さを有する。細胞内ドメインとして上で言及されるタンパク質分子の多くは、シグナルペプチド配列を有するので、これらのシグナルペプチドがCARのためのシグナルペプチドとして使用され得る。一実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号18に示されるアミノ酸配列を含む。
【0150】
4.細胞内ドメイン
CARの細胞質ドメインまたはさもなければ細胞内シグナル伝達ドメインは、CARが中に置かれた免疫細胞の正常なエフェクター機能のうち少なくとも1つの活性化を担う。用語「エフェクター機能」とは、細胞の特殊化した機能を指す。例えば、T細胞のエフェクター機能は、サイトカインの分泌を含む細胞溶解活性またはヘルパー活性であり得る。したがって、用語「細胞内シグナル伝達ドメイン」とは、エフェクター機能シグナルを伝達し、特殊化した機能を実行するように細胞を指示する、タンパク質の部分を指す。通常は細胞内シグナル伝達ドメイン全体が使用され得るが、多くの場合、鎖全体を使用する必要はない。細胞内シグナル伝達ドメインの短縮された部分が使用される限りにおいて、かかる短縮された部分は、それがエフェクター機能シグナルを伝達する限り、インタクトな鎖の代わりに使用され得る。したがって、用語、細胞内シグナル伝達ドメインとは、エフェクター機能シグナルを伝達するのに十分な、細胞内シグナル伝達ドメインの任意の短縮された部分を含むことを意味する。
【0151】
CARでの使用のための細胞内シグナル伝達ドメインの好ましい例には、抗原受容体係合後にシグナル伝達を開始させるように協力して作用するT細胞受容体(TCR)および共受容体の細胞質配列、ならびにこれらの配列の任意の誘導体もしくはバリアント、および同じ機能的能力を有する任意の合成配列が含まれる。
【0152】
TCR単独を通じて生成されるシグナルが、T細胞の完全な活性化には不十分であること、および二次または共刺激シグナルもまた必要とされることは公知である。したがって、T細胞活性化は、2つの別個のクラスの細胞質シグナル伝達配列によって媒介されると言われ得る:TCRを介した抗原依存的な一次活性化を開始させるもの(一次細胞質シグナル伝達配列)および二次または共刺激シグナルを提供するように抗原依存的に作用するもの(二次細胞質シグナル伝達配列)。
【0153】
一次細胞質シグナル伝達配列は、刺激性の方法または阻害性の方法のいずれかで、TCR複合体の一次活性化を調節する。刺激性の様式で作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容活性化チロシンモチーフまたはITAMとして公知のシグナル伝達モチーフを含有し得る。
【0154】
本明細書に開示されるCARにおいて特に使用される一次細胞質シグナル伝達配列を含有するITAMの例には、TCRゼータ(CD3ゼータ)、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD5、CD22、CD79a、CD79bおよびCD66dに由来するものが含まれる。ITAMの具体的な非限定的な例には、CD3ゼータ(NCBI RefSeq:NP_932170.1)のアミノ酸番号51~164、FcイプシロンRIガンマ(NCBI RefSeq:NP_004097.1)のアミノ酸番号45~86、FcイプシロンRIベータ(NCBI RefSeq:NP_000130.1)のアミノ酸番号201~244、CD3ガンマ(NCBI RefSeq:NP_000064.1)のアミノ酸番号139~182、CD3デルタ(NCBI RefSeq:NP_000723.1)のアミノ酸番号128~171、CD3イプシロン(NCBI RefSeq:NP_000724.1)のアミノ酸番号153~207、CD5(NCBI RefSeq:NP_055022.2)のアミノ酸番号402~495、0022(NCBI RefSeq:NP_001762.2)のアミノ酸番号707~847、CD79a(NCBI RefSeq:NP_001774.1)のアミノ酸番号166~226、CD79b(NCBI RefSeq:NP_000617.1)のアミノ酸番号182~229、およびCD66d(NCBI
RefSeq:NP_001806.2)のアミノ酸番号177~252の配列を有するペプチド、ならびにこれらのペプチドが有するのと同じ機能を有するそれらのバリアン
トが含まれる。本明細書に記載されるNCBI RefSeq IDまたはGenBankのアミノ酸配列情報に基づくアミノ酸番号は、各タンパク質の前駆体(シグナルペプチド配列などを含む)の全長に基づいて番号付けされる。一実施形態では、CAR中の細胞質シグナル伝達分子は、CD3ゼータに由来する細胞質シグナル伝達配列を含む。
【0155】
好ましい実施形態では、CARの細胞内ドメインは、それ自体で、またはCARの状況で有用な任意の他の所望の細胞質ドメイン(複数可)と組み合わせて、CD3-ゼータシグナル伝達ドメインを含むように設計され得る。例えば、CARの細胞内ドメインは、CD3ゼータ鎖部分および共刺激シグナル伝達領域を含み得る。共刺激シグナル伝達領域とは、共刺激分子の細胞内ドメインを含むCARの一部分を指す。共刺激分子は、抗原に対するリンパ球の効率的な応答のために必要とされる、抗原受容体またはそれらのリガンド以外の細胞表面分子である。かかる共刺激分子の例には、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、およびCD83と特異的に結合するリガンドなどが含まれる。かかる共刺激分子の具体的な非限定的な例には、CD2(NCBI RefSeq:NP_001758.2)のアミノ酸番号236~351、CD4(NCBI RefSeq:NP_000607.1)のアミノ酸番号421~458、CD5(NCBI RefSeq:NP_055022.2)のアミノ酸番号402~495、CD8アルファ(NCBI RefSeq:NP_001759.3)のアミノ酸番号207~235、CD83(GenBank:AAA35664.1)のアミノ酸番号196~210、CD28(NCBI RefSeq:NP_006130.1)のアミノ酸番号181~220、CD137(4-1BB、NCBI RefSeq:NP_001552.2)のアミノ酸番号214~255、CD134(OX40、NCBI RefSeq:NP_003318.1)のアミノ酸番号241~277およびICOS(NCBI RefSeq:NP_036224.1)のアミノ酸番号166~199の配列を有するペプチド、ならびにこれらのペプチドが有するのと同じ機能を有するそれらのバリアントが含まれる。したがって、本明細書の開示は、4-1BBを共刺激シグナル伝達エレメントとして主に例示するが、他の共刺激エレメントが本開示の範囲内である。
【0156】
CARの細胞質シグナル伝達部分内の細胞質シグナル伝達配列は、ランダムにまたは特定された順序で、互いに連結され得る。任意選択で、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、好ましくは2アミノ酸長と10アミノ酸長との間が、連結を形成し得る。グリシン-セリンダブレットは、特に適切なリンカーを提供する。
【0157】
一実施形態では、細胞内ドメインは、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインおよびCD28のシグナル伝達ドメインを含むように設計される。別の実施形態では、細胞内ドメインは、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインおよび4-1BBのシグナル伝達ドメインを含むように設計される。さらに別の実施形態では、細胞内ドメインは、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインならびにCD28および4-1BBのシグナル伝達ドメインを含むように設計される。
【0158】
一実施形態では、CAR中の細胞内ドメインは、4-1BBのシグナル伝達ドメインおよびCD3-ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、ここで、4-1BBのシグナル伝達ドメインは、配列番号40に示される核酸配列を含み、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号42に示される核酸配列および配列番号44に示されるバリアント核酸配列を含む。一実施形態では、CAR中の細胞内ドメインは、4-1BBのシグナル伝達ドメインおよびCD3-ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、ここで、4-1BBのシグナル伝達ドメインは、配列番号40に示される核酸配列を含み、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号42に示される核酸配列
、または別の実施形態では、配列番号44に示されるCD3-ゼータバリアント核酸配列を含む。
【0159】
一実施形態では、CAR中の細胞内ドメインは、4-1BBのシグナル伝達ドメインおよびCD3-ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、ここで、4-1BBのシグナル伝達ドメインは、配列番号41のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含み、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号43のアミノ酸配列をコードする核酸配列、または別の実施形態では、配列番号45のアミノ酸配列をコードするCD3-ゼータバリアント核酸を含む。
【0160】
一実施形態では、CAR中の細胞内ドメインは、4-1BBのシグナル伝達ドメインおよびCD3-ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、ここで、4-1BBのシグナル伝達ドメインは、配列番号41に示されるアミノ酸配列を含み、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号43に示されるアミノ酸配列および配列番号45に示されるバリアントアミノ酸配列を含む。
【0161】
5.CARのさらなる記載
本明細書で開示されるCARの機能的部分もまた、本発明の範囲内に明示的に含まれる。用語「機能的部分」とは、CARに関して使用する場合、本明細書に開示されるCARの1または複数の任意の一部または断片を指し、この一部または断片は、それがその一部であるCAR(親CAR)の生物学的活性を保持する。機能的部分は、例えば、親CARと類似の程度、同じ程度、またはより高い程度まで、標的細胞を認識する能力、または疾患を検出、処置もしくは予防する能力を保持する、CARの一部を包含する。親CARに関して、機能的部分は、例えば、親CARの約10%、25%、30%、50%、68%、80%、90%、95%またはそれ超を構成し得る。
【0162】
機能的部分は、その部分のアミノ末端もしくはカルボキシ末端において、または両方の末端において、さらなるアミノ酸を含み得、このさらなるアミノ酸は、親CARのアミノ酸配列中には見出されない。望ましくは、さらなるアミノ酸は、例えば、標的細胞を認識し、がんを検出し、がんを処置または予防するなどの、機能的部分の生物学的機能を妨害しない。より望ましくは、さらなるアミノ酸は、親CARの生物学的活性と比較して、その生物学的活性を増強する。
【0163】
本明細書に開示されるCARの機能的バリアントが、本開示の範囲内に含まれる。用語「機能的バリアント」とは、本明細書で使用する場合、親CARに対する実質的なまたは著しい配列同一性または類似性を有するCAR、ポリペプチドまたはタンパク質を指し、この機能的バリアントは、それがそのバリアントであるCARの生物学的活性を保持する。機能的バリアントは、例えば、親CARと類似の程度、同じ程度、またはより高い程度まで、標的細胞を認識する能力を保持する、本明細書に記載されるCAR(親CAR)のバリアントを包含する。親CARに関して、機能的バリアントは、例えば、親CARに対して、少なくとも約30%、50%、75%、80%、90%、98%またはそれ超、アミノ酸配列が同一であり得る。
【0164】
機能的バリアントは、例えば、少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する親CARのアミノ酸配列を含み得る。あるいは、またはさらに、機能的バリアントは、少なくとも1つの非保存的アミノ酸置換を有する親CARのアミノ酸配列を含み得る。この場合、非保存的アミノ酸置換は、機能的バリアントの生物学的活性を妨害も阻害もしないことが好ましい。非保存的アミノ酸置換は、機能的バリアントの生物学的活性を増強し得、その結果、機能的バリアントの生物学的活性は、親CARと比較して増加される。
【0165】
CARのアミノ酸置換は、好ましくは、保存的アミノ酸置換である。保存的アミノ酸置換は、当該分野で公知であり、これには、ある特定の物理的および/または化学的特性を有する1つのアミノ酸が、同じまたは類似の化学的または物理的特性を有する別のアミノ酸に交換されるアミノ酸置換が含まれる。例えば、保存的アミノ酸置換は、酸性/負に荷電した別の極性アミノ酸(例えば、AspまたはGlu)を置換する酸性/負に荷電した極性アミノ酸、非極性側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、Ala、Gly、Val、He、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Cys、Valなど)を置換する非極性側鎖を有するアミノ酸、塩基性/正に荷電した別の極性アミノ酸(例えば、Lys、His、Argなど)を置換する塩基性/正に荷電した極性アミノ酸、極性側鎖を有する別の非荷電アミノ酸(例えば、Asn、Gin、Ser、Thr、Tyrなど)を置換する極性側鎖を有する非荷電アミノ酸、ベータ分岐側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、He、ThrおよびVal)を置換するベータ分岐側鎖を有するアミノ酸、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、His、Phe、TrpおよびTyr)を置換する芳香族側鎖を有するアミノ酸などであり得る。
【0166】
CARは、本明細書に記載される特定されたアミノ酸配列(単数または複数)から本質的になり得、その結果、他の構成要素、例えば、他のアミノ酸は、機能的バリアントの生物学的活性を著しくは変化させない。
【0167】
CAR(機能的部分および機能的バリアントを含む)は、任意の長さであり得る、即ち、任意の数のアミノ酸を含み、但し、CAR(またはその機能的部分もしくは機能的バリアント)は、それらの生物学的活性、例えば、抗原に特異的に結合する能力、哺乳動物において罹患細胞を検出する能力、または哺乳動物において疾患を処置もしくは予防する能力などを保持する。例えば、CARは、約50~約5000アミノ酸長、例えば、50、70、75、100、125、150、175、200、300、400、500、600、700、800、900、1000またはそれ超アミノ酸長であり得る。
【0168】
CAR(本発明の機能的部分および機能的バリアントを含む)は、1または複数の天然に存在するアミノ酸の代わりに合成アミノ酸を含み得る。かかる合成アミノ酸は、当該分野で公知であり、これには、例えば、アミノシクロヘキサンカルボン酸、ノルロイシン、-アミノ n-デカン酸、ホモセリン、S-アセチルアミノメチル-システイン、トランス-3-ヒドロキシプロリンおよびトランス-4-ヒドロキシプロリン、4-アミノフェニルアラニン、4-ニトロフェニルアラニン、4-クロロフェニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、β-フェニルセリン、β-ヒドロキシフェニルアラニン、フェニルグリシン、a-ナフチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、シクロヘキシルグリシン、インドリン-2-カルボン酸、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、アミノマロン酸、アミノマロン酸モノアミド、N’-ベンジル-N’-メチル-リシン、Ν’,Ν’-ジベンジル-リシン、6-ヒドロキシリシン、オルニチン、-アミノシクロペンタンカルボン酸、a-アミノシクロヘキサンカルボン酸、a-アミノシクロヘプタンカルボン酸、a-(2-アミノ-2-ノルボルナン)-カルボン酸、γ-ジアミノ酪酸、β-ジアミノプロピオン酸、ホモフェニルアラニンおよびa-tert-ブチルグリシンが含まれる。
【0169】
CAR(機能的部分および機能的バリアントを含む)は、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、エステル化、N-アシル化、例えばジスルフィド架橋を介した環化、もしくは酸付加塩へ変換および/または任意選択で二量体化もしくは重合、あるいはコンジュゲートされ得る。
【0170】
CAR(その機能的部分および機能的バリアントを含む)は、当該分野で公知の方法によって得られ得る。CARは、ポリペプチドまたはタンパク質を作製する任意の適切な方
法によって作製され得る。ポリペプチドおよびタンパク質をデノボ合成する適切な方法は、Chanら、Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis、Oxford University Press、Oxford、United Kingdom、2000年;Peptide and Protein Drug Analysis、Reid,R.編、Marcel Dekker,Inc.、2000年;Epitope Mapping、Westwoodら編、Oxford University Press、Oxford、United Kingdom、2001年;および米国特許第5,449,752号などの参考文献に記載されている。また、ポリペプチドおよびタンパク質は、標準的な組換え法を使用し、本明細書に記載される核酸を用いて組換え産生可能である。例えば、Sambrook et al.、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、3rd ed.、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、NY 2001;およびAusubel et al.、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons、NY、1994を参照のこと。さらに、一部のCAR(機能性部分およびその機能性バリアントを含む)は、植物、細菌、昆虫、哺乳動物、例えばラット、ヒトなどの供給源から単離および/または精製することができる。単離および精製方法は当技術分野で周知である。あるいは、本明細書に記載されるCAR(機能性部分およびその機能性バリアントを含む)を、企業が商業的に合成することもできる。この点で、CARは合成であっても、組換えであっても、単離されていても、かつ/または精製されていてもよい。
【0171】
B.抗体および抗原結合性断片
一実施形態は、CAR、CARを発現するT細胞、本明細書で開示された抗原のうち1または複数に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性ドメインもしくは部分をさらに提供する。本明細書で使用する場合、「CARを発現するT細胞」または「CAR T細胞」とは、CARを発現するT細胞を意味し、例えば、CARの抗体由来の標的化ドメインによって決定される抗原特異性を有する。
【0172】
本明細書で使用する場合、「抗原結合性ドメイン」は、抗体およびその抗原結合性断片を含み得る。用語「抗体」は、最も広い意味で本明細書において使用され、それらが所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)、およびそれらの抗原結合性断片を含むがこれらに限定されない種々の抗体構造を包含する。抗体の非限定的な例には、例えば、当該分野で公知のインタクトな免疫グロブリン、ならびに抗原に対する結合親和性を保持するそのバリアントおよび断片が含まれる。
【0173】
「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体である、即ち、集団を構成する個々の抗体は、微量で存在し得る可能な天然に存在する変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原性エピトープに対するものである。修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均質な集団から得られるという抗体の特徴を示すのであって、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈すべきではない。一部の例では、モノクローナル抗体は、単一クローンのBリンパ球によって産生された抗体、または単一の抗体(またはその抗原結合性断片)の抗体の軽鎖および重鎖可変領域をコードする核酸がトランスフェクトされた細胞、もしくはその子孫によって産生された抗体である。一部の例では、モノクローナル抗体は、対象から単離される。モノクローナル抗体は、抗原結合または他の免疫グロブリン機能に対する影響を実質的に有さない保存的アミノ酸置換を有し得る。モノクローナル抗体の産生の例示的な方法は公知であり、例えば、Harlow & Lane、Antibodies,A Laboratory Manual、第2版 Cold Spring Harbor P
ublications、New York(2013年)を参照のこと。
【0174】
典型的には、免疫グロブリンは、ジスルフィド結合によって相互接続された重(H)鎖および軽(L)鎖を有する。免疫グロブリン遺伝子は、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロンおよびミュー定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変ドメイン遺伝子を含む。2つの型の軽鎖、ラムダ(λ)およびカッパ(κ)が存在する。抗体分子の機能的活性を決定する5つの主要な重鎖クラス(またはアイソタイプ):IgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEが存在する。
【0175】
各重鎖および軽鎖は、定常領域(または定常ドメイン)および可変領域(または可変ドメインを含有する;例えば、Kindtら Kuby Immunology、第6版、W.H.Freeman and Co.、91頁(2007年)を参照のこと)。いくつかの実施形態では、重鎖および軽鎖の可変領域は、組み合わさって、抗原に特異的に結合する。さらなる実施形態では、重鎖可変領域のみが必要とされる。例えば、重鎖のみからなる天然に存在するラクダ科動物(camelid)抗体は、軽鎖の非存在下で機能的かつ安
定である(例えば、Hamers-Castermanら、Nature、363巻:446~448頁、1993年;Sheriffら、Nat.Struct.Biol.、3巻:733~736頁、1996年を参照のこと)。「VH」または「VH」への言及は、抗原結合性断片、例えば、Fv、ScFv、dsFvまたはFabのものを含む、抗体重鎖の可変領域を指す。「VL」または「VL」への言及は、Fv、ScFv、dsFvまたはFabのものを含む、抗体軽鎖の可変ドメインを指す。
【0176】
軽鎖および重鎖の可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」とも呼ばれる3つの超可変領域によって中断された「フレームワーク」領域を含有する(例えば、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、U.S.Department of Health and Human Services、1991年を参照のこと)。異なる軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は、種内で比較的保存されている。構成成分である軽鎖および重鎖の組み合わされたフレームワーク領域である抗体のフレームワーク領域は、3次元空間にCDRを位置付けアラインさせるように機能する。
【0177】
CDRは主に、抗原のエピトープへの結合を担う。所与のCDRのアミノ酸配列境界は、Kabatら(「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、第5版 Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD、1991年;「Kabat」番号付けスキーム)、Al-Lazikaniら、(JMB 273巻、927~948頁、1997年;「Chothia」番号付けスキーム)、およびLefrancら(「 IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor
variable domains and Ig superfamily V-like domains」、Dev.Comp.Immunol.、27巻:55~77頁、2003年;「IMGT」番号付けスキーム)に記載されるものを含む、いくつかの周知のスキームのいずれかを使用して容易に決定され得る。各鎖のCDRは、典型的には、CDR1、CDR2およびCDR3(N末端からC末端へ)と呼ばれ、典型的には、特定のCDRが位置する鎖によっても同定される。したがって、VH CDR3は、それが見出される抗体の重鎖の可変ドメイン由来のCDR3であるが、VL CDR1は、それが見出される抗体の軽鎖の可変ドメイン由来のCDR1である。軽鎖CDRは、LCDR1、LCDR2およびLCDR3と呼ばれる場合もある。重鎖CDRは、LCDR1、LCDR2およびLCDR3と呼ばれる場合もある。
【0178】
「抗原結合性断片」は、同族抗原を特異的に認識する能力を保持する全長抗体の部分、ならびにかかる部分の種々の組合せである。抗原結合性断片の非限定的な例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ディアボディ(diabody);直鎖状抗体;単鎖抗体分子(例えば、ScFv);および抗体断片から形成された多特異的抗体が含まれる。抗体断片には、抗体全体の改変によって産生された抗原結合性断片、または組換えDNA方法論を使用してde novoで合成された抗原結合性断片が含まれる(例えば、KontermannおよびDubel(編)、Antibody Engineering、1~2巻、第2版、Springer Press、2010年を参照のこと)。
【0179】
単鎖抗体(ScFv)は、適切なポリペプチドリンカーによって連結された1または複数の抗体(複数可)のVHおよびVLドメインを遺伝学的に融合された単鎖分子として含有する遺伝子操作された分子である(例えば、Birdら、Science、242巻:423~426頁、1988年;Hustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.、85巻:5879~5883頁、1988年;Ahmadら、Clin.Dev.Immunol.、2012年、doi:10.1155/2012/980250;Marbry、IDrugs、13巻:543~549頁、2010年を参照のこと)。ScFv中のVHドメインおよびVLドメインの分子内配向は、典型的には、ScFvにとって決定的ではない。したがって、両方の可能な配置(VHドメイン-リンカードメイン-VLドメイン;VLドメイン-リンカードメイン-VHドメイン)を有するScFvが使用され得る。
【0180】
dsFvでは、重鎖および軽鎖の可変鎖は、鎖の会合を安定化させるために、ジスルフィド結合を導入するように変異されている。VHおよびVLドメインが、単一のポリペプチド鎖上で発現されるが、同じ鎖上の2つのドメイン間のペアリングを可能にするには短すぎるリンカーを使用し、それによって、そのドメインを別の鎖の相補的ドメインとペアリングさせ、2つの抗原結合部位を創出する、二価の二重特異的抗体であるディアボディもまた含まれる(例えば、Holligerら、Proc.Natl.Acad.Sci.、90巻:6444~6448頁、1993年;Poljakら、Structure、2巻:1121~1123頁、1994年を参照のこと)。
【0181】
抗体は、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)およびヘテロコンジュゲート抗体(例えば、二重特異的抗体)などの、遺伝子操作された形態もまた含む。Pierce Catalog and Handbook、1994~1995年(Pierce Chemical Co.、Rockford、IL);Kuby,J.、Immunology、第3版、W.H.Freeman & Co.、New York、1997年もまた参照のこと。
【0182】
天然に存在しない抗体は、固相ペプチド合成を使用して構築され得、組換え産生され得、または、例えば、参照により本明細書に組み込まれるHuseら、Science 246巻:1275~1281頁(1989年)に記載されるように、可変重鎖および可変軽鎖からなるコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって得られ得る。例えば、キメラ、ヒト化、CDR移植、単鎖および二機能性抗体を作製するこれらおよび他の方法は、当業者に周知である(WinterおよびHarris、Immunol.Today 14巻:243~246頁(1993年);Wardら、Nature
341巻:544~546頁(1989年);HarlowおよびLane、上記、1988年;Hilyardら、Protein Engineering:A practical approach(IRL Press 1992年);Borrabeck、Antibody Engineering、第2版(Oxford University Press 1995年);その各々は、参照により本明細書に組み込まれる
)。
【0183】
参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」とは、競合アッセイにおいてその抗原への参照抗体の結合を50%以上遮断する抗体を指し、逆に、参照抗体は、競合アッセイにおいてその抗原への抗体の結合を50%以上遮断する。抗体競合アッセイは公知であり、例示的な競合アッセイが本明細書で提供される。
【0184】
「ヒト化」抗体または抗原結合性断片は、ヒトフレームワーク領域および非ヒト(例えば、マウス、ラットまたは合成)抗体または抗原結合性断片由来の1または複数のCDRを含む。CDRを提供する非ヒト抗体または抗原結合性断片は、「ドナー」と呼ばれ、フレームワークを提供するヒト抗体または抗原結合性断片は、「アクセプター」と呼ばれる。一実施形態では、全てのCDRが、ヒト化免疫グロブリン中のドナー免疫グロブリン由来である。定常領域は、存在する必要はないが、存在する場合には、ヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に同一、例えば、少なくとも約85~90%、例えば、約95%以上同一であり得る。したがって、ヒト化抗体または抗原結合性断片の全ての部分は、おそらくはCDRを除いて、天然ヒト抗体配列の対応する部分と実質的に同一である。
【0185】
「キメラ抗体」は、典型的には異なる種のものである2つの異なる抗体に由来する配列を含む抗体である。一部の例では、キメラ抗体は、1つのヒト抗体由来の1または複数のCDRおよび/またはフレームワーク領域ならびに別のヒト抗体由来のCDRおよび/またはフレームワーク領域を含む。
【0186】
「完全ヒト抗体」または「ヒト抗体」は、ヒトゲノム由来の(またはヒトゲノムに由来する)配列を含むが、別の種由来の配列を含まない抗体である。一部の実施形態では、ヒト抗体は、ヒトゲノム由来の(またはヒトゲノムに由来する)CDR、フレームワーク領域および(存在する場合には)Fc領域を含む。ヒト抗体は、例えば、ファージディスプレイによって、ヒトゲノムに由来する配列に基づいて配列を創出するためのテクノロジーを使用して、またはトランスジェニック動物を使用して、同定および単離され得る(例えば、Barbasら Phage display:A Laboratory Manuel.第1版 New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press、2004年 Print.;Lonberg、Nat.Biotech.、23巻:1117~1125頁、2005年;Lonenberg、Curr.Opin.Immunol.、20巻:450~459頁、2008年を参照のこと)。
【0187】
抗体は、1または複数の結合部位を有し得る。1よりも多い結合部位が存在する場合、これらの結合部位は、互いに同一であってもよく、異なってもよい。例えば、天然に存在する免疫グロブリンは、2つの同一の結合部位を有し、単鎖抗体またはFab断片は、1つの結合部位を有するが、二重特異的または二機能性抗体は、2つの異なる結合部位を有する。
【0188】
CARの任意の機能的部分に結合する能力について抗体を試験する方法は、当該分野で公知であり、これには、任意の抗体-抗原結合アッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、ELISA、ウェスタンブロット、免疫沈降および競合阻害アッセイなどが含まれる(例えば、Janewayら、以下、米国特許出願公開第2002/0197266号Al、および米国特許第7,338,929号を参照のこと)。
【0189】
また、CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分は、検出可能な標識、例えば、放射性同位体、フルオロフォア(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリトリン(PE))、酵素(例えば、アルカリホスファタ
ーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ)および元素粒子(例えば、金粒子)などを含むように改変され得る。
【0190】
C.コンジュゲート
CAR、CARを発現するT細胞、または本明細書に開示された抗原のうち1もしくは複数に対して特異的なモノクローナル抗体もしくはその抗原結合性断片は、当業者に公知のいくつもの手段を使用して、エフェクター分子または検出可能なマーカーなどの薬剤にコンジュゲートされ得る。共有結合および非共有結合の両方の手段が使用され得る。コンジュゲートには、本明細書に開示された抗原のうち1または複数に特異的に結合する抗体または抗原結合性断片へのエフェクター分子または検出可能なマーカーの共有結合的連結が存在する分子を含むがこれらに限定されない。当業者は、化学療法剤、抗血管新生剤、毒素、放射活性剤、例えば、125I、32P、14C、Hおよび35S、ならびに他の標識、標的部分およびリガンドなどを含む(がこれらに限定されない)種々のエフェクター分子および検出可能なマーカーが使用され得ることを理解する。
【0191】
特定のエフェクター分子または検出可能なマーカーの選択は、特定の標的分子または細胞、および所望の生物学的効果に依存する。したがって、例えば、エフェクター分子は、特定の標的細胞(例えば、腫瘍細胞)の死をもたらすために使用される細胞毒であり得る。
【0192】
エフェクター分子または検出可能なマーカーを抗体または抗原結合性断片に結合させるための手順は、エフェクターの化学構造に従って変動する。ポリペプチドは、典型的には、種々の官能基;例えば、カルボン酸(COOH)、遊離アミン(-NH)またはスルフヒドリル(-SH)基を含有し、これらは、エフェクター分子または検出可能なマーカーの結合を生じるための、抗体上の適切な官能基との反応のために利用可能である。あるいは、抗体または抗原結合性断片は、さらなる反応性官能基を曝露または結合するために誘導体化される。誘導体化は、Pierce Chemical Company、Rockford、ILから入手可能なものなどの、いくつかの公知のリンカー分子のいずれかの結合を含み得る。リンカーは、抗体または抗原結合性断片をエフェクター分子または検出可能なマーカーに結合させるために使用される任意の分子であり得る。リンカーは、抗体または抗原結合性断片およびエフェクター分子または検出可能なマーカーの両方への共有結合を形成することが可能である。適切なリンカーは、当業者に周知であり、これには、直鎖もしくは分岐鎖炭素リンカー、複素環式炭素リンカーまたはペプチドリンカーが含まれるがこれらに限定されない。抗体または抗原結合性断片およびエフェクター分子または検出可能なマーカーがポリペプチドである場合、リンカーは、それらの側基を介して(例えば、システインへのジスルフィド連結を介して)構成成分アミノ酸に、または末端アミノ酸のアルファ炭素のアミノおよびカルボキシル基に結合され得る。
【0193】
いくつかの実施形態では、リンカーは、存在する場合には、リンカーのサイズを増加させ、その結果、エフェクター分子または検出可能なマーカーと抗体または抗原結合性断片との間の距離が増加される、スペーサーエレメントを含み得る。例示的なスペーサーは、当業者に公知であり、これには、米国特許第7,964,566号、米国特許第7,498,298号、米国特許第6,884,869号、米国特許第6,323,315号、米国特許第6,239,104号、米国特許第6,034,065号、米国特許第5,780,588号、米国特許第5,665,860号、米国特許第5,663,149号、米国特許第5,635,483号、米国特許第5,599,902号、米国特許第5,554,725号、米国特許第5,530,097号、米国特許第5,521,284号、米国特許第5,504,191号、米国特許第5,410,024号、米国特許第5,138,036号、米国特許第5,076,973号、米国特許第4,986,988号、米国特許第4,978,744号、米国特許第4,879,278号、米国特許第4,81
6,444号および米国特許第4,486,414号、ならびに米国特許出願公開第20110212088号および米国特許出願公開第20110070248号中に列挙されるものが含まれ、その各々は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0194】
一部の実施形態では、リンカーは、細胞内条件下で切断可能であり、その結果、リンカーの切断は、細胞内環境中で、抗体または抗原結合性断片からエフェクター分子または検出可能なマーカーを放出させる。さらに他の実施形態では、リンカーは切断不能であり、エフェクター分子または検出可能なマーカーは、例えば、抗体分解によって放出される。一部の実施形態では、リンカーは、細胞内環境中(例えば、リソソームまたはエンドソームまたはカベオラ内)に存在する切断剤によって切断可能である。リンカーは、例えば、リソソームまたはエンドソームプロテアーゼを含むがこれらに限定されない細胞内ペプチダーゼまたはプロテアーゼ酵素によって切断されるペプチドリンカーであり得る。一部の実施形態では、ペプチドリンカーは、少なくとも2アミノ酸長または少なくとも3アミノ酸長である。しかし、リンカーは、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸長、例えば、1~2、1~3、2~5、3~10、3~15、1~5、1~10、1~15アミノ酸長であり得る。プロテアーゼには、カテプシンBおよびDならびにプラスミンが含まれ得、その全ては、ジペプチド薬物誘導体を加水分解して、標的細胞の内側での活性薬物の放出を生じることが公知である(例えば、DubowchikおよびWalker、1999年、Pharm.Therapeutics 83巻:67~123頁を参照のこと)。例えば、チオール依存的プロテアーゼであるカテプシンBによって切断可能なペプチドリンカーが使用され得る(例えば、フェニルアラニン-ロイシンまたはグリシン-フェニルアラニン-ロイシン-グリシンリンカー)。かかるリンカーの他の例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,214,345号に記載されている。具体的な実施形態では、細胞内プロテアーゼによって切断可能なペプチドリンカーは、バリン-シトルリン(Citruline)リンカーまたはフェニルアラニン-リシンリンカーである(例えば、バリン-シトルリンリンカーを用いたドキソルビシンの合成を記載する米国特許第6,214,345号を参照のこと)。
【0195】
他の実施形態では、切断可能なリンカーは、pH感受性、即ち、ある特定のpH値において加水分解に対して感受性である。典型的には、pH感受性リンカーは、酸性条件下で加水分解可能である。例えば、リソソームにおいて加水分解可能な酸不安定性リンカー(例えば、ヒドラゾン、セミカルバゾン、チオセミカルバゾン、シス-アコニットアミド(cis-aconitic amide)、オルトエステル、アセタール、ケタールなど)が使用され得る(例えば、米国特許第5,122,368号;米国特許第5,824,805号;米国特許第5,622,929号;DubowchikおよびWalker、1999年、Pharm.Therapeutics 83巻:67~123頁;Nevilleら、1989年、Biol.Chem.264巻:14653~14661頁を参照のこと)。かかるリンカーは、血液中などの中性のpH条件下で比較的安定であるが、リソソームのおよそのpHであるpH5.5または5.0を下回るpHでは不安定である。ある特定の実施形態では、加水分解可能なリンカーは、チオエーテルリンカー(例えば、アシルヒドラゾン結合を介して治療剤に結合されたチオエーテルなど)である(例えば、米国特許第5,622,929号を参照のこと)。
【0196】
他の実施形態では、リンカーは、還元条件下で切断可能である(例えば、ジスルフィドリンカー)。種々のジスルフィドリンカーが当該分野で公知であり、これには、例えば、SATA(N-スクシンイミジル-S-アセチルチオアセテート)、SPDP(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート)、SPDB(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチレート)およびSMPT(N-スクシンイミジル-オキシカルボニル-アルファ-メチル-アルファ-(2-ピリジル-ジチオ)トルエン)-、SPDBおよびSMPTを使用して形成され得るものが含まれる(例えば、T
horpeら、1987年、Cancer Res.47巻:5924~5931頁;Wawrzynczakら、 Immunoconjugates:Antibody C
onjugates in Radioimagery and Therapy of
Cancer(C.W.Vogel編、Oxford U.Press、1987年);Phillipsら、Cancer Res.68巻:9280~9290頁、2008年を参照のこと)。米国特許第4,880,935号もまた参照のこと。
【0197】
さらに他の具体的な実施形態では、リンカーは、マロネートリンカー(Johnsonら、1995年、Anticancer Res.15巻:1387~93頁)、マレイミドベンゾイルリンカー(Lauら、1995年、Bioorg-Med-Chem.3巻(10号):1299~1304頁)または3’-N-アミドアナログ(Lauら、1995年、Bioorg-Med-Chem.3巻(10号):1305~12頁)である。
【0198】
さらに他の実施形態では、リンカーは切断不能であり、エフェクター分子または検出可能なマーカーは、抗体分解によって放出される(その全内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0238649号を参照のこと)。
【0199】
いくつかの実施形態では、リンカーは、細胞外環境中での切断に対して抵抗性である。例えば、コンジュゲートが細胞外環境中(例えば、血漿中)に存在する場合、コンジュゲートのサンプル中のリンカーの約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約3%以下、または約1%以下が切断される。リンカーが細胞外環境中での切断に対して抵抗性であるか否かは、例えば、目的のリンカーを含有するコンジュゲートを、所定の期間(例えば、2、4、8、16または24時間)にわたって血漿と共にインキュベートし、次いで、血漿中に存在する遊離のエフェクター分子または検出可能なマーカーの量を定量することによって決定され得る。コンジュゲート中で使用され得る種々の例示的なリンカーは、WO2004-010957、米国特許出願公開第2006/0074008号、米国特許出願公開第20050238649号および米国特許出願公開第2006/0024317号に記載されており、その各々は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0200】
いくつかの実施形態では、CARのコンジュゲート、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分、および1または複数の小分子毒素、例えば、カリチアマイシン、マイタンシノイド(maytansinoid)、ドラスタチン、アウリスタチン(auristatin)、トリコテシンおよびCC1065ならびに毒素活性を有するこれらの毒素の誘導体が提供される。
【0201】
マイタンシノイド毒素部分としての使用に適切なマイタンシン(maytansine)化合物は、当該分野で周知であり、公知の方法に従って天然供給源から単離され得、遺伝子操作技術(Yuら(2002年)PNAS 99巻:7968~7973頁を参照のこと)、または公知の方法に従って合成により調製されたマイタンシノール(maytansinol)およびマイタンシノールアナログを使用して産生され得る。マイタンシノイドは、チューブリン重合を阻害することによって作用する有糸分裂阻害剤である。マイタンシンは、東アフリカの低木Maytenus serrataから最初に単離された(米国特許第3,896,111号)。引き続いて、ある特定の微生物もまた、マイタンシノールおよびC-3マイタンシノールエステルなどのマイタンシノイドを産生することが発見された(米国特許第4,151,042号)。合成マイタンシノールならびにその誘導体およびアナログは、例えば、米国特許第4,137,230号;米国特許第4,248,870号;米国特許第4,256,746号;米国特許第4,260,608号;米国特許第4,265,814号;米国特許第4,294,757号;米国特許第4,3
07,016号;米国特許第4,308,268号;米国特許第4,308,269号;米国特許第4,309,428号;米国特許第4,313,946号;米国特許第4,315,929号;米国特許第4,317,821号;米国特許第4,322,348号;米国特許第4,331,598号;米国特許第4,361,650号;米国特許第4,364,866号;米国特許第4,424,219号;米国特許第4,450,254号;米国特許第4,362,663号;および米国特許第4,371,533号に開示されており,その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。マイタンシノイドを含有するコンジュゲート、それを作製する方法、およびそれらの治療的使用は、例えば、米国特許第5,208,020号;米国特許第5,416,064号;米国特許第6,441,163号および欧州特許EP0 425 235 B1に開示されており、それらの開示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0202】
さらなる毒素が、CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分と共に使用され得る。例示的な毒素には、Pseudomonas外毒素(PE)、ヒマ毒、アブリン、ジフテリア毒素およびそのサブユニット、リボトキシン(ribotoxin)、リボヌクレアーゼ、サポリンおよびカリチアマイシン、ならびにボツリヌス毒素A~Fが含まれる。これらの毒素は、当該分野で周知であり、多くは、商業的供給源(例えば、Sigma Chemical Company、St.Louis、MO)から容易に入手可能である。企図される毒素には、これらの毒素のバリアントも含まれる(例えば、米国特許第5,079,163号および米国特許第4,689,401号を参照のこと)。
【0203】
サポリンは、リボソーム複合体の60S部分を不活性化することによってタンパク質合成を破壊する、Saponaria officinalisに由来する毒素である(Stirpeら、Bio/Technology、10巻:405~412頁、1992年)。しかし、この毒素は、細胞中への特異的進入のための機構を有さず、したがって、細胞によって効率的に取り込まれるために、内在化される細胞表面タンパク質を認識する抗体または抗原結合性断片へのコンジュゲートを必要とする。
【0204】
ジフテリア毒素は、Corynebacterium diphtheriaeから単離される。典型的には、免疫毒素における使用のためのジフテリア毒素は、非特異的毒性を低減または排除するために変異される。完全な酵素活性を有するが非特異的毒性が顕著に低減された、CRM107として公知の変異体は、1970年代以降公知であり(LairdおよびGroman、J.Virol.19巻:220頁、1976年)、ヒト臨床試験において使用されてきた。米国特許第5,792,458号および米国特許第5,208,021号を参照のこと。
【0205】
ヒマ毒は、Ricinus communis(トウゴマ)由来のレクチンRCA60である。ヒマ毒の例については、米国特許第5,079,163号および米国特許第4,689,401号を参照のこと。Ricinus communisアグルチニン(RCA)は、それぞれ、およそ65kDおよび120kDの分子量に従って、RCA60およびRCA120と称される2つの形態で存在する(NicholsonおよびBlaustein、J.Biochim.Biophys.Acta 266巻:543頁、1972年)。A鎖は、タンパク質合成の不活性化および細胞の死滅を担う。B鎖は、ヒマ毒を細胞表面ガラクトース残基に結合させ、細胞質ゾル中へのA鎖の輸送を促進する(Olsnesら、Nature 249巻:627~631頁、1974年および米国特許第3,060,165号)。
【0206】
リボヌクレアーゼもまた、免疫毒素としての使用のために標的化分子にコンジュゲートされてきた(Suzukiら、Nat.Biotech.17巻:265~70頁、19
99年を参照のこと)。例示的なリボトキシン、例えば、α-サルシン(α-sarcin)およびレストリクトシン(restrictocin)は、例えば、Rathoreら、Gene 190巻:31~5頁、1997年;ならびにGoyalおよびBatra、Biochem.345巻2部:247~54頁、2000年で議論されている。カリチアマイシンは、Micromonospora echinosporaから最初に単離されたものであり、DNA中にアポトーシスをもたらす二本鎖切断を生じさせて、エンジイン抗腫瘍抗生物質ファミリーのメンバーである(例えば、Leeら、J.Antibiot.42巻:1070~87頁、1989年を参照のこと)。この薬物は、臨床試験中の免疫毒素の毒性部分である(例えば、Gillespieら、Ann.Oncol.11巻:735~41頁、2000年を参照のこと)。
【0207】
アブリンは、Abrus precatorius由来の毒性レクチンを含む。毒性素であるアブリンa、b、cおよびdは、約63kDおよび67kDの分子量を有し、2つのジスルフィド連結されたポリペプチド鎖AおよびBから構成される。A鎖はタンパク質合成を阻害する;B鎖(アブリン-b)は、D-ガラクトース残基に結合する(Funatsuら、Agr.Biol.Chem.52巻:1095頁、1988年;およびOlsnes、Methods Enzymol.50巻:330~335頁、1978年を参照のこと)。
【0208】
CAR、CARを発現するT細胞、本明細書に開示された抗原のうち1または複数に対して特異的なモノクローナル抗体、その抗原結合性断片はまた、検出可能なマーカー;例えば、ELISA、分光光度法、フローサイトメトリー、顕微鏡法または画像診断技術(例えば、コンピューター断層撮影(CT)、コンピューター体軸断層撮影(computed axial tomography)(CAT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)、核磁気共鳴画像法(NMRI)、磁気共鳴断層撮影(MTR)、超音波、光ファイバー試験および腹腔鏡下試験)による検出が可能な検出可能なマーカーとコンジュゲートされ得る。検出可能なマーカーの具体的な非限定的な例には、フルオロフォア、化学発光剤、酵素的連結、放射活性同位体および重金属または化合物(例えば、MRIによる検出のための超常磁性酸化鉄ナノ結晶)が含まれる。例えば、有用な検出可能なマーカーには、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5-ジメチルアミン-1-ナフタレンスルホニル(napthalenesulfonyl)塩化物、フィコエリトリン、ランタニドリン光体などを含む蛍光化合物が含まれる。ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)などの生物発光マーカーもまた使用される。CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分は、検出のために有用な酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼなどにもコンジュゲートされ得る。CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分が、検出可能な酵素とコンジュゲートされる場合、それは、識別できる反応産物を産生するために酵素が使用するさらなる試薬を添加することによって検出され得る。例えば、薬剤西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加が、視覚的に検出可能な着色反応産物をもたらす。CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分はまた、ビオチンとコンジュゲートされ得、アビジンまたはストレプトアビジンの結合の間接的な測定を介して検出され得る。アビジン自体が酵素または蛍光標識とコンジュゲートされ得ることに留意すべきである。
【0209】
CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分は、ガドリニウムなどの常磁性薬剤とコンジュゲートされ得る。超常磁性酸化鉄などの常磁性薬剤もまた、標識として使用される。抗体は、ランタニド(例えば、ユーロピウムおよびジスプロシウム)およびマンガンともコンジュゲートされ得る。抗体または抗原結合性断片はまた、二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパ
ー対配列、二次抗体への結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)で標識され得る。
【0210】
CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分はまた、放射標識されたアミノ酸とコンジュゲートされ得る。放射標識は、診断目的および治療目的の両方のために使用され得る。例えば、放射標識は、x線、発光スペクトルまたは他の診断技術によって本明細書に開示された抗原および抗原発現細胞のうち1または複数を検出するために使用され得る。さらに、放射標識は、対象における腫瘍の処置のため、例えば、神経芽細胞腫の処置のために、毒素として治療的に使用され得る。ポリペプチドのための標識の例には、以下の放射性同位体または放射性ヌクレオチド(radionucleotide)が含まれるがこれらに限定されない:H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I。
【0211】
かかる検出可能なマーカーを検出する手段は、当業者に周知である。したがって、例えば、放射標識は、写真フィルムまたはシンチレーションカウンターを使用して検出され得、蛍光マーカーは、発せられた照明を検出するために光検出器を使用して検出され得る。酵素標識は、典型的には、酵素に基質を提供し、基質に対する酵素の作用によって産生された反応産物を検出することによって検出され、発色標識は、着色標識を単純に可視化することによって検出される。
【0212】
D.ヌクレオチド、発現、ベクターおよび宿主細胞
本明細書に記載されるCAR、抗体またはその抗原結合性部分(その機能的部分および機能的バリアントを含む)のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含む核酸が、本発明の一実施形態によってさらに提供される。本発明の核酸は、本明細書に記載されるリーダー配列、抗原結合性ドメイン、膜貫通ドメインおよび/または細胞内T細胞シグナル伝達ドメインのいずれかをコードするヌクレオチド配列を含み得る。
【0213】
一部の実施形態では、ヌクレオチド配列は、コドン改変され得る。特定の理論に束縛されないが、ヌクレオチド配列のコドン最適化は、mRNA転写物の翻訳効率を増加させると考えられる。ヌクレオチド配列のコドン最適化は、ネイティブコドンを、同じアミノ酸をコードするが、細胞内でより容易に利用可能なtRNAによって翻訳され得る別のコドンに置換し、そうして翻訳効率を増加させることを含み得る。ヌクレオチド配列の最適化はまた、翻訳を妨害する二次mRNA構造を低減させ得、そうして翻訳効率を増加させる。
【0214】
本発明の実施形態では、核酸は、本発明のCARの抗原結合性ドメインをコードするコドン改変されたヌクレオチド配列を含み得る。本発明の別の実施形態では、核酸は、本明細書に記載されるCAR(その機能的部分および機能的バリアントを含む)のいずれかをコードするコドン改変されたヌクレオチド配列を含み得る。
【0215】
「核酸」は、本明細書で使用する場合、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「核酸分子」を含み、一般に、一本鎖または二本鎖の、合成のまたは天然供給源から得られた(例えば、単離および/または精製された)ものであり得、天然、非天然または変更されたヌクレオチドを含有し得、未改変のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間に見出されるホスホジエステルの代わりに、天然、非天然または変更されたヌクレオチド間連結、例えば、ホスホロアミデート(phosphoroamidate)連結またはホスホロチオエート連結を含有し得る、DNAまたはRNAのポリマーを意味する。一部の実施形態では、核酸は、いずれの挿入、欠失、逆位および/または置換も含まない。しかし、一部の場合には、本明細書で議論されるように、核酸は、1または複数の挿入、欠失、逆位および/または置換を含むことが適切であり得る。
【0216】
組換え核酸は、天然に存在しない配列を有するもの、または配列の2つのさもなければ分離されたセグメントの人工的な組合せによって作製される配列を有するものであり得る。この人工的な組合せは、化学的合成によって、またはより一般的には、例えばSambrookら、上記に記載されるものなどの遺伝子操作技術による、核酸の単離されたセグメントの人工的操作によって達成される場合が多い。核酸は、当該分野で公知の手順を使用する化学的合成および/または酵素的ライゲーション反応に基づいて構築され得る。例えば、Sambrookら、上記およびAusubelら、上記を参照のこと。例えば、核酸は、天然に存在するヌクレオチド、または分子の生物学的安定性を増加させるように、もしくはハイブリダイゼーションの際に形成される二重鎖の物理的安定性を増加させるように設計された種々に改変されたヌクレオチド(例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチド)を使用して化学合成され得る。核酸を生成するために使用され得る改変型ヌクレオチドの例には、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ-D-ガラクトシルキューオシン(galactosylqueosine)、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-置換されたアデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルキューオシン(mannosylqueosine)、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ウブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル、キューオシン(queosine)、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシルおよび2,6-ジアミノプリンが含まれるがこれらに限定されない。あるいは、本発明の核酸のうち1または複数は、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA、USA)などの会社から購入できる。
【0217】
核酸は、CARまたはその機能的部分もしくは機能的バリアントのいずれかをコードする任意の単離または精製されたヌクレオチド配列を含み得る。あるいは、ヌクレオチド配列は、配列のいずれかと縮重するヌクレオチド配列、または縮重配列の組合せを含み得る。
【0218】
一実施形態は、本明細書に記載される核酸のいずれかのヌクレオチド配列と相補的であるヌクレオチド配列、または本明細書に記載される核酸のいずれかのヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、単離または精製された核酸もまた提供する。
【0219】
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列は、高いストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズし得る。「高いストリンジェンシーの条件」とは、ヌクレオチド配列が、非特異的ハイブリダイゼーションよりも検出可能に強い量で、標的配列(本明細書に記載される核酸のいずれかのヌクレオチド配列)に特異的にハイブリダイズすることを意味する。高いストリンジェンシーの条件には、ヌクレオチド配列と一致したいくつかの小領域(例えば、3~10塩基)を偶然に有するランダム配列から、正確に相補的な配列を有するポリヌクレオチド、またはいくつかの散在するミスマッチしか含有しないポリヌクレオチドを識別する条件が含まれる。相補性のかかる小領域は、14~1
7またはそれよりも多い塩基の全長相補体よりも容易に融解され、高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションは、それらを容易に識別可能にする。比較的高いストリンジェンシーの条件には、例えば、約0.02~0.1MのNaClまたは等価物によって、約50~70℃の温度で提供されるような、低塩および/または高温条件が含まれる。かかる高いストリンジェンシーの条件は、存在するとしても、ヌクレオチド配列と鋳型または標的鎖との間のミスマッチをほとんど忍容せず、本発明のCARのいずれかの発現を検出するのに特に適切である。一般に、条件は、漸増量のホルムアミドの添加によって、よりストリンジェントにされ得ることが理解される。
【0220】
本明細書に記載される核酸のいずれかに対して、少なくとも約70%またはそれ超、例えば、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸もまた提供される。
【0221】
一実施形態では、核酸は、組換え発現ベクター中に取り込まれ得る。これに関して、一実施形態は、核酸のいずれかを含む組換え発現ベクターを提供する。本明細書の目的のために、用語「組換え発現ベクター」とは、構築物が、mRNA、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む場合、およびベクターが、mRNA、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドが細胞内で発現されるのに十分な条件下で細胞と接触させられる場合に、宿主細胞によるmRNA、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの発現を可能にする、遺伝子改変されたオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド構築物を意味する。ベクターは、全体としては天然に存在しない。
【0222】
しかし、ベクターの一部は、天然に存在し得る。組換え発現ベクターは、一本鎖または二本鎖の、合成または一部天然供給源から得られたものであり得、天然、非天然または変更されたヌクレオチドを含有し得る、DNAおよびRNAを含むがこれらに限定されない任意の型のヌクレオチドを含み得る。組換え発現ベクターは、天然に存在するもしくは天然に存在しないヌクレオチド間連結、またはその両方の型の連結を含み得る。好ましくは、天然に存在しないまたは変更されたヌクレオチドまたはヌクレオチド間連結は、ベクターの転写も複製も邪魔しない。
【0223】
一実施形態では、組換え発現ベクターは、任意の適切な組換え発現ベクターであり得、任意の適切な宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトするために使用され得る。適切なベクターには、プラスミドおよびウイルスなどの、繁殖および増殖のためもしくは発現のため、またはその両方のために設計されたものが含まれる。ベクターは、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences、Glen Burnie、MD)、pBluescriptシリーズ(Stratagene、LaJolla、CA)、pETシリーズ(Novagen、Madison、WI)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech、Uppsala、Sweden)およびpEXシリーズ(Clontech、Palo Alto、CA)からなる群から選択され得る。
【0224】
バクテリオファージベクター、例えば、λυΤΙ Ο、λυΤΙ 1、λZapII(Stratagene)、EMBL4およびλΝΜΙ 149もまた使用され得る。植物発現ベクターの例には、pBIOl、pBI101.2、pBHOl.3、pBI121およびpBIN19(Clontech)が含まれる。動物発現ベクターの例には、pEUK-Cl、pMAMおよびpMAMneo(Clontech)が含まれる。組換え発現ベクターは、ウイルスベクター、例えば、レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターであり得る。レンチウイルスベクターは、特に、Miloneら、Mol.Ther.17巻(8号):1453~1464頁(2009年)に提供されるような自己不活性化レンチウイルスベクターを含む、レンチウイルスゲノムの少なくとも一部分に由
来するベクターである。クリニックにおいて使用され得るレンチウイルスベクターの他の例には、例えば、限定としてではなく、Oxford BioMedica plcのLENTIVECTOR(登録商標)遺伝子送達テクノロジー、LentigenのLENTIMAX(商標)ベクター系などが含まれる。非臨床型のレンチウイルスベクターもまた利用可能であり、当業者に公知である。
【0225】
いくつかのトランスフェクション技術が、当該分野で一般に公知である(例えば、Grahamら、Virology、52巻:456~467頁(1973年);Sambrookら、上記;Davisら、Basic Methods in Molecular Biology、Elsevier(1986年);およびChuら、Gene、13巻:97頁(1981年)を参照のこと)。
【0226】
トランスフェクション方法には、リン酸カルシウム共沈(例えば、Grahamら、上記を参照のこと)、培養細胞中への直接的マイクロインジェクション(例えば、Capecchi、Cell、22巻:479~488頁(1980年)を参照のこと)、エレクトロポレーション(例えば、Shigekawaら、BioTechniques、6巻:742~751頁(1988年)を参照のこと)、リポソーム媒介性遺伝子移入(例えば、Manninoら、BioTechniques、6巻:682~690頁(1988年)を参照のこと)、脂質媒介性形質導入(例えば、Feignerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、84巻:7413~7417頁(1987年)を参照のこと)および高速微小推進剤(high velocity microprojectile)を使用する核酸送達(例えば、Kleinら、Nature、327巻:70~73頁(1987年)を参照のこと)が含まれる。
【0227】
一実施形態では、組換え発現ベクターは、例えば、Sambrookら、上記およびAusubelら、上記に記載される、標準的な組換えDNA技術を使用して調製され得る。環状または直鎖状である発現ベクターの構築物は、原核生物または真核生物宿主細胞において機能的な複製系を含有するように調製され得る。複製系は、例えば、ColEl、2μプラスミド、λ、SV40、ウシパピローマウイルスなどに由来し得る。
【0228】
組換え発現ベクターは、ベクターがDNAベースであるかRNAベースであるかを考慮に入れて、必要に応じて、ベクターが導入される宿主細胞の型(例えば、細菌、真菌、植物または動物)に特異的な調節配列、例えば、転写および翻訳開始および終結コドンを含み得る。組換え発現ベクターは、クローニングを容易にするための制限部位を含み得る。
【0229】
組換え発現ベクターは、形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の選択を可能にする、1または複数のマーカー遺伝子を含み得る。マーカー遺伝子には、殺生物剤耐性、例えば、抗生物質、重金属などに対する耐性、原栄養性を提供するための栄養要求性宿主における補完などが含まれる。本発明の発現ベクターに適切なマーカー遺伝子には、例えば、ネオマイシン/G418耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ヒスチジノール耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子およびアンピシリン耐性遺伝子が含まれる。
【0230】
組換え発現ベクターは、CAR(その機能的部分および機能的バリアントを含む)をコードするヌクレオチド配列に、またはCARをコードするヌクレオチド配列に対して相補的なもしくはかかるヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列に作動可能に連結したネイティブまたは非ネイティブのプロモーターを含み得る。プロモーターの選択、例えば、強い、弱い、誘導性、組織特異的および発生特異的は、当業者の技術範囲内である。同様に、ヌクレオチド配列をプロモーターと組み合わせることもまた、当業者の技術範囲内である。プロモーターは、非ウイルスプロモーターまたはウイルスプロモーター、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター、R
SVプロモーター、またはマウス幹細胞ウイルスの末端反復配列において見出されるプロモーターであり得る。
【0231】
組換え発現ベクターは、一過性の発現のため、安定な発現のため、またはその両方のために設計され得る。また、組換え発現ベクターは、構成的発現または誘導性発現のために作製され得る。
【0232】
さらに、組換え発現ベクターは、自殺遺伝子を含むように作製され得る。本明細書で使用する場合、用語「自殺遺伝子」とは、自殺遺伝子を発現する細胞を死なせる遺伝子を指す。自殺遺伝子は、この遺伝子が発現される細胞に薬物などの薬剤に対する感受性を付与する遺伝子、または細胞が薬剤と接触した場合もしくは薬剤に曝露された場合にその細胞を死なせる遺伝子であり得る。自殺遺伝子は、当該分野で公知であり(例えば、Suicide Gene Therapy: Methods and Reviews、Springer、Caroline J.(Cancer Research UK Centre for Cancer Therapeutics at the Institute of Cancer Research、Sutton、Surrey、UK)、Humana Press、2004年を参照のこと)、これには、例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、シトシンデアミナーゼ(daminase)、プリンヌクレオシドホスホリラーゼおよびニトロレダクターゼが含まれる。
【0233】
一実施形態は、本明細書に記載される組換え発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞をさらに提供する。本明細書で使用する場合、用語「宿主細胞」とは、本発明の組換え発現ベクターを含有し得る任意の型の細胞を指す。宿主細胞は、真核生物細胞、例えば、植物、動物、真菌もしくは藻類であり得る、または原核生物細胞、例えば、細菌もしくは原生生物であり得る。宿主細胞は、培養細胞または初代細胞であり得る、即ち、ヒトなどの生物から直接単離され得る。宿主細胞は、接着細胞または懸濁細胞、即ち、懸濁物中で成長する細胞であり得る。適切な宿主細胞は、当該分野で公知であり、これには、例えば、DH5a E.coli細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、サルVERO細胞、COS細胞、HEK293細胞などが含まれる。組換え発現ベクターを増幅または複製することを目的とすると、宿主細胞は、原核生物細胞、例えば、DH5a細胞であり得る。組換えCARを産生することを目的とすると、宿主細胞は、哺乳動物細胞であり得る。宿主細胞は、ヒト細胞であり得る。宿主細胞は任意の細胞型のものであり得、任意の型の組織に起源し得、任意の発生段階のものであり得るが、宿主細胞は、末梢血リンパ球(PBL)または末梢血単核球(PBMC)であり得る。宿主細胞は、T細胞であり得る。
【0234】
本明細書の目的のために、T細胞は、任意のT細胞、例えば、培養T細胞、例えば、初代T細胞、または培養T細胞株、例えば、Jurkat、SupTlなど由来のT細胞、または哺乳動物から得られたT細胞であり得る。哺乳動物から得られる場合、T細胞は、血液、骨髄、リンパ節、胸腺または他の組織もしくは体液を含むがこれらに限定されない多数の供給源から得られ得る。T細胞はまた、富化または精製され得る。T細胞は、ヒトT細胞であり得る。T細胞は、ヒトから単離されたT細胞であり得る。T細胞は、CD4+/CD8+二重陽性T細胞、CD4+ヘルパーT細胞、例えば、Th1およびTh2細胞、CD8+T細胞(例えば、細胞傷害性T細胞)、腫瘍浸潤性細胞、メモリーT細胞、メモリー幹細胞、即ち、Tscm、ナイーブT細胞などを含むがこれらに限定されない、任意の型のT細胞であり得、任意の発生段階のものであり得る。T細胞は、CD8+T細胞またはCD4+T細胞であり得る。
【0235】
一実施形態では、本明細書に記載されるCARは、適切な非T細胞において使用され得る。かかる細胞は、免疫エフェクター機能を有する細胞、例えば、多能性幹細胞から生成
されたNK細胞およびT様細胞などである。
【0236】
本明細書に記載される少なくとも1つの宿主細胞を含む細胞の集団もまた、一実施形態によって提供される。細胞の集団は、いずれの組換え発現ベクターも含まない少なくとも1つの他の細胞、例えば宿主細胞(例えば、T細胞)、またはT細胞以外の細胞、例えば、B細胞、マクロファージ、好中球、赤血球、肝細胞、内皮細胞、上皮細胞、筋肉細胞、脳細胞などに加えて、記載される組換え発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞を含む不均一な集団であり得る。あるいは、細胞の集団は、実質的に均質な集団であり得、ここで、集団は主に、組換え発現ベクターを含む(例えば、それらから本質的になる)宿主細胞を含む。集団はまた、細胞のクローン性集団であり得、ここで、集団の全ての細胞は、組換え発現ベクターを含む単一の宿主細胞のクローンであり、その結果、集団の全ての細胞は、その組換え発現ベクターを含む。本発明の一実施形態では、細胞の集団は、本明細書に記載される組換え発現ベクターを含む宿主細胞を含むクローン性集団である。
【0237】
CAR(その機能的部分およびバリアントを含む)、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞(その集団を含む)および抗体(その抗原結合性部分を含む)は、単離および/または精製され得る。例えば、精製(または単離)された宿主細胞の調製物は、宿主細胞が身体内のその天然環境中の細胞よりも純粋である調製物である。かかる宿主細胞は、例えば、標準的な精製技術によって産生され得る。一部の実施形態では、宿主細胞の調製物は精製され、その結果、宿主細胞は、調製物の総細胞含量の少なくとも約50%、例えば、少なくとも約70%を示す。例えば、純度は、少なくとも約50%であり得、約60%、約70%もしくは約80%よりも上であり得、または約100%であり得る。
【0238】
E.処置の方法
本明細書で開示されるCARは、哺乳動物において疾患を処置または予防する方法において使用され得ることが企図される。これに関して、一実施形態は、CAR、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、抗体および/もしくはその抗原結合性部分、ならびに/または医薬組成物を、哺乳動物においてがんを処置または予防するのに有効な量で哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物においてがんを処置または予防する方法を提供する。
【0239】
一実施形態は、本明細書に開示されるCARを投与するステップの前に、哺乳動物をリンパ枯渇させる(lymphodepleting)ステップをさらに含む。リンパ枯渇の例には、非骨髄破壊的リンパ枯渇性化学療法、骨髄破壊的リンパ枯渇性化学療法、全身照射などが含まれ得るがこれらに限定されない。
【0240】
宿主細胞、または細胞の集団が投与される方法を目的として、細胞は、哺乳動物にとって同種または自家である細胞であり得る。好ましくは、細胞は、哺乳動物にとって自家である。本明細書で使用する場合、同種とは、材料が導入される個体と同じ種の異なる動物に由来する任意の材料を意味する。1または複数の遺伝子座において遺伝子が同一でない場合、2以上の個体は、互いに同種であると言われる。一部の態様では、同じ種の個体由来の同種材料は、抗原性に相互作用するのに十分に遺伝的に異なり得る。本明細書で使用する場合、「自家」とは、個体に後に再導入される、同じ個体に由来する任意の材料を意味する。
【0241】
本明細書で言及される哺乳動物は、任意の哺乳動物であり得る。本明細書で使用する場合、用語「哺乳動物」とは、齧歯目の哺乳動物、例えば、マウスおよびハムスター、ならびにウサギ(Logomorpha)目の哺乳動物、例えば、ウサギを含むがこれらに限定されない任意の哺乳動物を指す。哺乳動物は、ネコ(Feline)(ネコ(cat))およびイヌ(Canine)(イヌ(dog))を含む食肉目由来であり得る。哺乳動
物は、ウシ(Bovine)(ウシ(cow))およびブタ(Swine)(ブタ(pig))を含む偶蹄目由来、またはウマ(Equine)(ウマ(horse))を含む奇蹄目(Perssodactyla)のものであり得る。哺乳動物は、霊長目、新世界ザル(Ceboid)目もしくはサル(Simoid)目(サル(monkey))または類人猿(Anthropoid)目(ヒトおよび類人猿(ape))のものであり得る。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
【0242】
これらの方法に関して、がんは、急性リンパ性がん、急性骨髄性白血病、胞巣状横紋筋肉腫、膀胱がん(例えば、膀胱癌)、骨がん、脳がん(例えば、髄芽腫)、乳房がん、肛門、肛門管もしくは肛門直腸のがん、眼のがん、肝内胆管のがん、関節のがん、頸部、胆嚢もしくは胸膜のがん、鼻、鼻腔もしくは中耳のがん、口腔のがん、外陰部のがん、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性がん(chronic myeloid cancer)、結腸がん、食道がん、子宮頸がん、線維肉腫、消化管カルチノイド腫瘍、頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌)、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、腎臓がん、喉頭がん、白血病、液性腫瘍、肝臓がん、肺がん(例えば、非小細胞肺癌および肺腺癌)、リンパ腫、中皮腫、肥満細胞腫、黒色腫、多発性骨髄腫、上咽頭がん、非ホジキンリンパ腫、B-慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ性白血病(ALL)およびバーキットリンパ腫、卵巣がん、膵がん、腹膜、網および腸間膜のがん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、腎がん、皮膚がん、小腸がん、軟組織がん、固形腫瘍、滑膜肉腫、胃がん、精巣がん、甲状腺がんならびに尿管がんのいずれかを含む任意のがんであり得る。
【0243】
用語「処置する」および「予防する」ならびにそれらから派生した単語は、本明細書で使用する場合、100%または完全な処置または予防を必ずしも意味しない。むしろ、当業者が潜在的な有益な効果または治療効果を有すると認識する、種々の程度の処置または予防が存在する。これに関して、この方法は、任意の量または任意のレベルの、哺乳動物におけるがんの処置または予防を提供し得る。
【0244】
さらに、この方法によって提供される処置または予防には、処置または予防されているがんなどの疾患の1または複数の状態または症状の処置または予防が含まれ得る。また、本明細書の目的のために、「予防」は、疾患、またはその症状もしくは状態の発病を遅延させることを包含し得る。
【0245】
別の実施形態は、哺乳動物におけるがんの存在を検出する方法であって、(a)哺乳動物由来の1または複数の細胞を含む試料を、CAR、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、抗体および/もしくはその抗原結合性部分、または医薬組成物と接触させ、それによって、複合体を形成するステップ、ならびに(b)複合体を検出するステップであって、複合体の検出が、哺乳動物におけるがんの存在を示す、ステップを含む方法を提供する。
【0246】
試料は、任意の適切な方法、例えば、生検または剖検によって得られ得る。生検は、個体からの組織および/または細胞の取り出しである。かかる取り出しは、取り出された組織および/または細胞に対する実験を実施するために、個体から組織および/または細胞を収集することであり得る。この実験には、個体がある特定の状態もしくは疾患状態を有するかどうか、および/またはある特定の状態もしくは疾患状態に罹患しているかどうかを決定するための実験が含まれ得る。状態または疾患は、例えば、がんであり得る。
【0247】
哺乳動物における増殖障害、例えばがんの存在を検出する方法の実施形態に関して、哺乳動物の細胞を含む試料は、細胞全体、その溶解物、または細胞全体溶解物の画分、例えば、核もしくは細胞質画分、タンパク質全体画分、または核酸画分を含む試料であり得る。試料が細胞全体を含む場合、これらの細胞は、哺乳動物の任意の細胞、例えば、血液細
胞または内皮細胞を含む任意の臓器または組織の細胞であり得る。
【0248】
接触させるステップは、哺乳動物に関してin vitroまたはin vivoで起こり得る。好ましくは、接触させるステップは、in vitroである。
【0249】
また、複合体の検出は、当該分野で公知の多くの方法によって行われ得る。例えば、本明細書に記載される、本明細書に開示されるCAR、ポリペプチド、タンパク質、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、または抗体もしくはその抗原結合性部分は、検出可能な標識、例えば、上に開示される放射性同位体、フルオロフォア(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリトリン(PE))、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ)および元素粒子(例えば、金粒子)などで標識され得る。
【0250】
標的細胞を認識する能力および抗原特異性についてCARを試験する方法は、当該分野で公知である。例えば、Clayら、J.Immunol、163巻:507~513頁(1999年)は、サイトカイン(例えば、インターフェロン-γ、顆粒球/単球コロニー刺激因子(granulocyte/monocyte colony stimulating factor)(GM-CSF)、腫瘍壊死因子a(TNF-a)またはインターロイキン2(IL-2))の放出を測定する方法を教示している。さらに、CAR機能は、Zhaoら、J.Immunol.174巻:4415~4423頁(2005年)に記載されるように、細胞傷害性の測定によって評価され得る。
【0251】
別の実施形態は、本発明のCAR、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、抗体もしくはその抗原結合性部分、および/または医薬組成物の使用、哺乳動物におけるがんなどの増殖障害の処置または予防を提供する。がんは、本明細書に記載されるがんのいずれかであり得る。
【0252】
局所および全身投与を含む任意の投与方法が、開示された治療剤のために使用され得る。例えば、外用、経口、静脈内などの血管内、筋内、腹腔内、鼻腔内、皮内、くも膜下腔内および皮下投与が使用され得る。特定の投与様式および投薬レジメンは、症例の特徴(例えば、対象、疾患、関与する疾患状態、および処置が予防的かどうか)を考慮して、担当の臨床医によって選択される。1よりも多い薬剤または組成物が投与されている場合、1または複数の投与経路が使用され得る;例えば、化学療法剤は、経口投与され得、抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲートまたは組成物は、静脈内投与され得る。投与方法には、CAR、CAR T細胞、コンジュゲート、抗体、抗原結合性断片または組成物が、非毒性の医薬的に許容される担体、例えば、水、食塩水、リンゲル溶液、デキストロース溶液、5%ヒト血清アルブミン、固形油、オレイン酸エチルまたはリポソーム中に提供される注射が含まれる。一部の実施形態では、開示された化合物の局所投与は、例えば、腫瘍が除去された組織の領域、または腫瘍発達の傾向があると疑われる領域に、抗体または抗原結合性断片を適用することによって使用され得る。一部の実施形態では、治療有効量の抗体または抗原結合性断片を含む医薬調製物の持続性の腫瘍内(または腫瘍近傍)放出が有益であり得る。他の例では、コンジュゲートが、角膜に点眼薬として外用で、または目に硝子体内で適用される。
【0253】
開示された治療剤は、正確な投薬量の個々の投与に適切な単位剤形で製剤化され得る。さらに、開示された治療剤は、単一の用量でまたは複数用量のスケジュールで投与され得る。複数用量のスケジュールは、処置の主要な過程が、1よりも多い別々の用量、例えば1~10用量と、その後の、組成物の作用を維持または強化するために必要に応じて引き続く時間間隔で与えられる他の用量とによるものであり得るスケジュールである。処置は、数日~数カ月またはさらには数年の期間にわたる、1日用量または複数の1日用量の化
合物(複数可)を含み得る。したがって、投薬レジームはまた、処置される対象の特定の要求に基づいて少なくとも一部決定され、投与する実務者の判断に依存する。
【0254】
抗体またはコンジュゲートの典型的な投薬量は、約0.01~約30mg/kg、例えば、約0.1~約10mg/kgの範囲であり得る。
【0255】
特定の例では、対象には、複数の1日投薬スケジュールで、例えば、少なくとも2連続日、10連続日など、例えば、数週間、数カ月または数年の期間にわたって、コンジュゲート、抗体、組成物、CAR、CAR T細胞またはさらなる薬剤のうち1または複数を含む治療組成物が投与される。一例では、対象には、少なくとも30日、例えば、少なくとも2カ月、少なくとも4カ月、少なくとも6カ月、少なくとも12カ月、少なくとも24カ月または少なくとも36カ月の期間にわたって、コンジュゲート、抗体、組成物またはさらなる薬剤が投与される。
【0256】
一部の実施形態では、開示された方法は、開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、CARまたはCARを発現するT細胞と組み合わせて、手術、放射線療法および/または化学療法薬を(例えば、連続的に、実質的に同時にまたは同時に)対象に提供することを含む。かかる薬剤および処置の方法および治療的投薬量は、当業者に公知であり、熟練の臨床医によって決定され得る。さらなる薬剤についての調製および投薬スケジュールは、製造業者の指示に従って使用され得る、または当業者によって実験的に決定される通りであり得る。かかる化学療法についての調製および投薬スケジュールは、Chemotherapy Service、(1992年)M.C.Perry編、Williams & Wilkins、Baltimore、Mdにも記載されている。
【0257】
一部の実施形態では、併用治療は、治療有効量のさらなるがん阻害剤の、対象への投与を含み得る。併用治療で使用され得るさらなる治療剤の非限定的な例には、微小管結合剤、DNAインターカレーターまたはクロスリンカー、DNA合成阻害剤、DNAおよびRNA転写阻害剤、抗体、酵素、酵素阻害剤、遺伝子調節因子ならびに血管新生阻害剤が含まれる。これらの薬剤(治療有効量で投与される)および処置は、単独でまたは組み合わせて使用され得る。例えば、任意の適切な抗がん剤または抗血管新生剤は、本明細書に開示されるCAR、CAR-T細胞、抗体、抗原結合性断片またはコンジュゲートと組み合わせて投与され得る。方法およびかかる薬剤の治療的投薬量は、当業者に公知であり、熟練の臨床医によって決定され得る。
【0258】
さらなる化学療法剤には、アルキル化剤、例えば、ナイトロジェンマスタード(例えば、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミドおよびメルファラン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ホテムスチン、ロムスチンおよびストレプトゾシン)、白金化合物(例えば、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチンおよびBBR3464)、ブスルファン、ダカルバジン、メクロレタミン、プロカルバジン、テモゾロミド、チオテパおよびウラムスチン(uramustine);代謝拮抗薬、例えば、葉酸(例えば、メトトレキサート、ペメトレキセドおよびラルチトレキセド)、プリン(例えば、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリンおよびチオグアニン)、ピリミジン(例えば、カペシタビン)、シタラビン、フルオロウラシルおよびゲムシタビン;植物アルカロイド、例えば、ポドフィルム(例えば、エトポシドおよびテニポシド)、タキサン(例えば、ドセタキセルおよびパクリタキセル)、ビンカ(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビン);細胞傷害性/抗腫瘍抗生物質、例えば、アントラサイクリンファミリーのメンバー(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロンおよびバルルビシン)、ブレオマイシン、リファンピシン、ヒドロキシウレアおよびマイトマイシン;トポイソメラーゼ阻害剤、例えば、トポテカンおよびイリノテカン;モノクロ
ーナル抗体、例えば、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ゲムツズマブ、リツキシマブ、パニツムマブ、ペルツズマブおよびトラスツズマブ;腫瘍親和性感光色素、例えば、アミノレブリン酸、アミノレブリン酸メチル、ポルフィマーナトリウムおよびベルテポルフィン;ならびに他の薬剤、例えば、アリトレチノイン、アルトレタミン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アキシチニブ、ベキサロテン、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、セレコキシブ、デニロイキンジフチトクス、エルロチニブ、エストラムスチン、ゲフィチニブ、ヒドロキシカルバミド、イマチニブ、ラパチニブ、パゾパニブ、ペントスタチン、マソプロコール、ミトタン、ペグアスパルガーゼ、タモキシフェン、ソラフェニブ、スニチニブ、ベムラフェニブ(vemurafinib)、バンデタニブおよびトレチノインが含まれるがこれらに限定されない。かかる薬剤の選択および治療的投薬量は、当業者に公知であり、熟練の臨床医によって決定され得る。
【0259】
併用療法は、相乗作用を提供し得、相乗的であることが証明され得る、即ち、活性成分が一緒に使用される場合に達成される効果は、それらの化合物を別々に使用することから生じ得る効果の合計よりも大きい。相乗効果は、活性成分が、(1)共製剤化され、併用される単位投薬製剤と同時に投与もしくは送達される場合;(2)別々の製剤として交互にもしくは並行して送達される場合;または(3)一部の他のレジメンによる場合に、達成され得る。交互に送達される場合、相乗効果は、それらの化合物が、例えば、別々のシリンジ中の異なる注射によって連続的に投与または送達される場合に達成され得る。一般に、交代の間、有効投薬量の各活性成分が、連続的に、即ち、順次に投与されるが、併用療法では、有効投薬量の2以上の活性成分が一緒に投与される。
【0260】
一実施形態では、本明細書に開示された抗原のうち1もしくは複数に特異的に結合する抗体もしくは抗原結合性断片またはそのコンジュゲートの有効量が、抗がん処置後に腫瘍を有する対象に投与される。投与された抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲートがそれぞれのがん細胞上で発現された抗原と免疫複合体を形成するのに十分な量の時間が経過した後で、免疫複合体が検出される。免疫複合体の存在(または非存在)は、処置の有効性を示す。例えば、処置の前に採取された対照と比較した免疫複合体の増加は、その処置が有効でないことを示し、処置の前に採取された対照と比較した免疫複合体の減少は、その処置が有効であることを示す。
【0261】
F.バイオ医薬組成物
担体(例えば、医薬的に許容される担体)中に、開示されたCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、CAR、または本明細書に開示された1もしくは複数の抗原に特異的に結合するCARを発現するT細胞のうち1または複数を含む、遺伝子治療、免疫療法および/または細胞療法における使用のためのバイオ医薬組成物または生物製剤組成物(本明細書で以下「組成物」)が、本明細書で提供される。これらの組成物は、対象への投与のために単位投薬形態で調製され得る。所望の転帰を達成するための投与の量およびタイミングは、処置を行う臨床医の裁量である。これらの組成物は、全身(例えば、静脈内)または局所(例えば、腫瘍内)投与のために製剤化され得る。一例では、開示されたCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合性断片、コンジュゲートは、静脈内投与などの非経口投与のために製剤化される。本明細書に開示されるCAR、またはCARを発現するT細胞、コンジュゲート、抗体もしくは抗原結合性断片を含む組成物は、腫瘍、例えば、限定としてではなく、神経芽細胞腫の、例えば、処置および検出などのために使用される。一部の例では、これらの組成物は、癌の処置または検出に有用である。本明細書に開示されるCAR、またはCARを発現するT細胞、コンジュゲート、抗体もしくは抗原結合性断片を含む組成物は、例えば、病理学的血管新生の検出にも使用される。
【0262】
投与のための組成物には、水性担体などの医薬的に許容される担体中に溶解されたCA
R、またはCARを発現するT細胞、コンジュゲート、抗体もしくは抗原結合性断片の溶液が含まれ得る。例えば緩衝食塩水などの種々の水性担体が使用され得る。これらの溶液は無菌であり、一般に、望ましくない物質を含まない。組成物は、従来の周知の無菌化技術によって無菌化され得る。組成物は、生理学的条件に近付くのに必要な医薬的に許容される補助的物質、例えば、pH調整剤および緩衝剤、毒性調整剤、アジュバント薬剤など、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどを含有し得る。これらの製剤中のCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲートの濃度は、広く変動し得、選択された特定の投与様式および対象の要求に従って、液量、粘度、体重などに主に基づいて選択される。遺伝子治療、免疫療法および/または細胞療法における使用のためのかかる投薬形態を調製する実際の方法は、当業者に公知であり、または明らかとなる。
【0263】
静脈内投与のための典型的な組成物は、1日当たり対象1人当たり約0.01~約30mg/kgの抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲート(あるいは対応する用量のCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合性断片を含むコンジュゲート)を含む。投与可能な組成物を調製するための実際の方法は、当業者に公知または明らかであり、Remington’s Pharmaceutical Science、第19版、Mack Publishing Company、Easton、PA(1995年)などの刊行物中により詳細に記載されている。
【0264】
CAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合性断片、またはコンジュゲートは、凍結乾燥形態で提供され得、投与前に無菌水で再水和され得るが、これらは、既知の濃度の無菌溶液中でも提供される。次いで、CAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲートの溶液が、0.9%塩化ナトリウム、USPを含有する注入バッグに添加され、一部の場合には、0.5~15mg/体重kgの投薬量で投与される。抗体または抗原結合性断片およびコンジュゲート薬物の投与では、当該分野でかなりの経験が利用可能である;例えば、抗体薬物は、1997年のRituxan(登録商標)の承認以降、米国で市販されている。CAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合性断片およびそれらのコンジュゲートは、静注または静脈内ボーラスでではなく、緩徐な注入によって投与され得る。一例では、より高い負荷用量が、より低いレベルで投与される引き続く維持用量と共に投与される。例えば、4mg/kgの初期負荷用量の抗体または抗原結合性断片(または対応する用量の、抗体もしくは抗原結合性断片を含むコンジュゲート)が、およそ90分の期間にわたって注入され得、その後、以前の用量が十分に忍容された場合に30分の期間にわたって注入される4~8週間にわたる2mg/kgの毎週の維持用量が注入され得る。
【0265】
制御放出非経口製剤は、インプラント、油性注射として、または粒状の系として作製され得る。タンパク質送達系の広い概説については、Banga,A.J.、Therapeutic Peptides and Proteins: Formulation,Processing,and Delivery Systems、Technomic Publishing Company,Inc.、Lancaster、PA(1995年)を参照のこと。粒状の系には、ミクロスフェア、マイクロ粒子、マイクロカプセル、ナノカプセル、ナノスフェアおよびナノ粒子が含まれる。マイクロカプセルは、中心コアとして、細胞毒または薬物などの治療的タンパク質を含有する。ミクロスフェアでは、治療薬は、粒子の至る所に分散される。約1μmよりも小さい粒子、ミクロスフェアおよびマイクロカプセルは一般に、それぞれ、ナノ粒子、ナノスフェアおよびナノカプセルと呼ばれる。毛細管は、ナノ粒子だけが静脈内投与されるように、およそ5μmの直径を有する。マイクロ粒子は、典型的には、直径がおよそ100μmであり、皮下または筋内投与される。例えば、Kreuter,J.、Colloidal Drug Delivery Systems、J.Kreuter編、Marcel Dekker,
Inc.、New York、NY、219~342頁(1994年);ならびにTiceおよびTabibi、Treatise on Controlled Drug Delivery、A.Kydonieus編、Marcel Dekker,Inc.New York、NY、315~339頁(1992年)を参照のこと。
【0266】
ポリマーは、本明細書に開示されるCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲート組成物のイオン制御された放出のために使用され得る。制御された薬物送達に使用される種々の分解性および非分解性ポリマーマトリックスは、当該分野で公知である(Langer、Accounts Chem.Res.26巻:537~542頁、1993年)。例えば、ブロックコポリマーであるpoloxamer 407は、低温で粘性であるがなお可動性の液体として存在するが、体温では半流動性ゲルを形成する。これは、組換えインターロイキン-2およびウレアーゼの製剤化および持続性送達のための有効なビヒクルであることが示されている(Johnstonら、Pharm.Res.9巻:425~434頁、1992年;およびPecら、J.Parent.Sci.Tech.44巻(2号):58~65頁、1990年)。あるいは、ヒドロキシアパタイトが、タンパク質の制御された放出のための微小担体として使用されてきた(Ijntemaら、Int.J.Pharm.112巻:215~224頁、1994年)。さらに別の態様では、リポソームが、脂質カプセル化薬物の制御された放出および薬物標的化に使用される(Betageriら、Liposome Drug Delivery Systems、Technomic Publishing Co.,Inc.、Lancaster、PA(1993年))。治療的タンパク質の制御された送達のための多数のさらなる系が公知である(米国特許第5,055,303号;米国特許第5,188,837号;米国特許第4,235,871号;米国特許第4,501,728号;米国特許第4,837,028号;米国特許第4,957,735号;米国特許第5,019,369号;米国特許第5,055,303号;米国特許第5,514,670号;米国特許第5,413,797号;米国特許第5,268,164号;米国特許第5,004,697号;米国特許第4,902,505号;米国特許第5,506,206号;米国特許第5,271,961号;米国特許第5,254,342号および米国特許第5,534,496号を参照のこと)。
【0267】
G.キット
一態様では、本明細書に開示されるCARを使用するキットもまた提供される。例えば、対象における腫瘍を処置するためのキットまたは本明細書に開示されるCARのうち1もしくは複数を発現するCAR T細胞を作製するためのキット。キットは、典型的には、本明細書に開示される、開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、核酸分子、CARまたはCARを発現するT細胞を含む。開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、核酸分子、CARまたはCARを発現するT細胞のうち1よりも多くが、キット中に含まれ得る。
【0268】
キットは、コンテナ、およびコンテナ上のまたはコンテナと関連したラベルまたは添付文書を含み得る。適切なコンテナには、例えば、瓶、バイアル、シリンジなどが含まれる。コンテナは、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成され得る。コンテナは、典型的には、開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、核酸分子、CARまたはCARを発現するT細胞のうち1または複数を含む組成物を保持する。いくつかの実施形態では、コンテナは、無菌アクセスポートを有し得る(例えば、コンテナは、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアルであり得る)。ラベルまたは添付文書は、その組成物が特定の状態を処置するために使用されることを示す。
【0269】
ラベルまたは添付文書は、典型的には、例えば、腫瘍を処置もしくは予防する方法、ま
たはCAR T細胞を作製する方法における、開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、核酸分子、CARまたはCARを発現するT細胞の使用のための指示書をさらに含む。添付文書は、典型的には、治療的製品の使用に関する、適応症、用法、投薬量、投与、禁忌および/またはかかる警告についての情報を含む、治療的製品の市販の包装中に習慣的に含まれる指示書を含む。教材は、電子的形態(例えば、コンピューターディスケットまたはコンパクトディスク)で書かれ得、または視覚的(例えば、動画ファイル)であり得る。キットは、キットが設計される特定の適用を容易にするためのさらなる構成要素もまた含み得る。したがって、例えば、キットは、標識を検出する手段(例えば、酵素標識のための酵素基質、蛍光標識を検出するためのフィルターセット、二次抗体などの適切な二次標識など)をさらに含み得る。キットは、特定の方法の実施のために慣用的に使用される緩衝液および他の試薬をさらに含み得る。かかるキットおよび適切な内容物は、当業者に周知である。
【実施例
【0270】
本発明は以下の実施例によってさらに例証され、これらの実施例は決して本発明の範囲に制約を課すものとして解釈すべきではない。反対に、その様々な他の実施形態、変更形態、および均等物に頼らなければならず、これらは本明細書の記載を読んだ後、本発明の精神および/または添付の特許請求の範囲から逸脱せずに、当業者の念頭に浮かび得ることは容易に理解される。
【0271】
実施例1
ファージディスプレイおよび酵母ディスプレイした完全ヒトScFvライブラリーからのCD19特異的抗体の単離
材料および方法:
a)ヒトScFvおよびCD19特異的抗体の産生
50人の健康なドナーの末梢血B細胞から構築されたナイーブヒトScFv(免疫グロブリンの組換え単鎖断片可変)ファージディスプレイライブラリー(およその多様性、1010種の独自の特異性)(Z.Y.ZhuおよびD.S.Dimitrov、未公開データ)を、組換えヒトCD19タンパク質にScFvの選択に使用した(Miltenyi Biotec、未公開)。ファージディスプレイしたScFv1012種の増幅されたライブラリーを、体積5×100μlのコーティングされたCD19 5、3、および1μgとともにインキュベートし、第1、第2および第3のラウンドそれぞれのバイオパニング中に96ウェルプレートのウェル5つに等しく分配し室温で2時間置いた。各ラウンドのインキュベーション後に、0.05%Tween20を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBST)で、第1のラウンドでは5回、その後のラウンドでは10回ウェルを洗浄して非特異的に結合したファージを除去し、結合したファージをTG1コンピテント細胞と37℃で1時間混合し、感染させた細胞からファージを増幅させて次のラウンドのバイオパニングに使用した。第3のラウンドのバイオパニング後、感染させたTG1細胞から380のクローンをランダムに選び、それぞれを、自動BioRobotics BioPickコロニーピッキングシステム(Genomic Solutions、Ann Arbor、MI)を使用することにより、96ウェルプレート中の、100μg/mlカルベニシリンおよび0.2%グルコースを含む2YT培地150μlに接種した。細菌培養物が600nmでの光学密度(OD600)0.5に到達した後、感染多重度(MOI)10のヘルパーファージM13K07および50μg/ml(最終濃度)のカナマイシンを培地に添加し、プレートを振とう機において250rpmで、30℃で一晩さらにインキュベートした。ファージ上清を体積比4:1で、PBS中3%脱脂乳溶液と混合し、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)に使用して、高CD19結合親和性を有するScFvまたはVHを提示するファージのクローンを同定した。上清を、96ウェルプレート中で1ウェルあたり50ngのコーティングされた組換えヒトCD19とともに室温で2時間インキュベートし、PBSTで5回洗浄し、(4℃で一晩インキュベートした後、
PBS中3%脱脂乳溶液でブロッキングし、0.05%Tween20を含むPBSで3回洗浄した。)CD19に結合したファージを、西洋ワサビペルオキシダーゼとコンジュゲートされたヤギ抗M13抗体を使用して検出した。抗体とともにインキュベートした後、ウェルを洗浄することにより、非特異的に結合した抗体を除去し、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)基質を添加し、450nmでの溶液吸光度(A450)を測定した。A450が1.0を超える、CD19に結合したクローンをさらなる特徴決定のために選択した。
【0272】
b)選択された可溶性ScFvの発現および精製
選択されたクローンのVHおよびVLをDNA配列決定し、独自の配列を有するクローンによりコードされるScFvを下記のように発現させ、精製した。これらのクローンから抽出されたプラスミドを、HB2151細胞の形質転換に使用した。新しく形質転換された細胞を含むプレートから単一コロニーを選び、100μg/mlアンピシリンおよび0.2%グルコースを含む2YT培地200mlに接種し、250rpmで振とうしながら37℃でインキュベートした。600nmでの培養物ODが0.90に到達すると、最終濃度0.5mMでイソプロピル-β-d-チオガラクトピラノシドを添加し、培養物を30℃で一晩さらにインキュベートした。8,000×gで20分間遠心分離した後、細菌ペレットを収集し、0.5mUポリミキシンB(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)を含むPBS緩衝液に再懸濁した。50rpmで回転させながら室温で30分間インキュベートした後、再懸濁したペレットを25,000×gで25分間、4℃で遠心分離し、上清を、Ni-NTA樹脂を使用して供給業者のプロトコール(Qiagen)に従ってScFv精製に使用した。
【0273】
c)ELISA結合アッセイ PBSで2μg/mlに希釈された組換えヒトCD19
50μlを、96ウェルプレートに4℃で一晩コーティングした。HisおよびFlagタグを有する精製されたScFvを段階希釈し、標的タンパク質でコーティングされたウェルに添加した。洗浄後、1:3000に希釈された、HRPとコンジュゲートされた抗Flag抗体をRTで1時間添加した。洗浄後、3、3、5、5’-テトラメチルベンジジン(TMB)基質を添加し、室温で10分間インキュベートした後、1N HSOを添加して反応を停止させ、O.D.を450nmで読み取って、ScFvの、CD19に結合する相対的能力を定量化した。
【0274】
d)scFvライブラリーの酵母ディスプレイ。
ファージディスプレイと同じScFv出発材料もまた酵母ScFvディスプレイシステムに組み込んだ。ファージベースのscFv分析を補うため、ヒトscFvライブラリーを発現する酵母ライブラリーもスクリーニングした。組換えCD19-FcとCHOK1細胞の細胞表面で発現されるCD19の両方に結合するscFvを発現する酵母を濃縮するため、CD19細胞をトランスフェクトしたCHOK1で細胞パニングを実施した。細胞表面でのパニングの最初のラウンドでは、パニングの2日前に、CHOK1-CD19細胞を6ウェルプレートに播種し、50%のコンフルエンシーまでF12K培地で増殖させた。次いで、5×10個の酵母細胞をPBSA緩衝液で2回洗浄し、3mLのF12K培地に再懸濁した後、CHOK1-CD19細胞に穏やかに滴下添加した。氷上で2時間穏やかに振盪した後、CHOK1-CD19細胞を氷冷PBSAで3回洗浄してCHOK1-CD19に結合しなかった酵母細胞を除去し、次いで、0.05%のトリプシン-EDTA(Gibco)を使用して、プレートからCHOK1-CD19細胞と結合した酵母細胞を分離した。次いで、酵母細胞とCHOK1細胞の両方を含有する細胞ミックスを10mLのSDCAA培地に接種し、30℃で一晩増幅した後、SGCAA培地で30℃にて16時間誘導した。細胞パニングの第2のラウンドでは、上記と同様のプロトコルを実施したが、より厳密な洗浄条件を使用した。このパニングの方法によって、ml9217バインダーが得られた。このバインダーおよびファージディスプレイから得た他のバ
インダーのさらなる特性評価からは、このヒットから作成されたCARの生物学的特性がまだ最適ではなかったので、親和性成熟が必要であることが示唆された。
【0275】
ml9217の親和性を高めるため、エラープローンPCRを使用することにより酵母ディスプレイml9217変異体scFvライブラリーを作製し、ランダム点変異をscFv遺伝子配列中に作製した。エレクトロポレーションした後、得られた変異体ライブラリーを30℃で16時間、SDCAA培地で一晩培養し、次いで、30℃でさらに16時間SGCAA培地に切り替えた。次いで、変異体ライブラリーをMACS(免疫磁気カラム、Miltenyi Biotec)を通して捕獲抗原としてのCD19-Fcを用いてソートし、ライブラリーをダウンサイズするとともに、CD19-Fcに結合し得る変異体の集団を増加させた。次いで、Anti-c-Myc-Alexa 488およびCD19-Fc/Anti-Hu-Fcでプールを二重染色し、c-Myc発現レベルと同様に最高の結合親和性を有するバインダーを選択することにより、最強のバインダーを選択した。次いで、蛍光標識した抗原を用いた酵母粒子のフローサイトメトリーが開始構築物よりも増加した変異体プールの平均結合親和性を生じるまで、このプロセスをさらに2回繰り返した。結合親和性は、少量化した標識CD19を使用した酵母プールのフローサイトメトリーにより推定した。このプロセスにより、M19217に対するEC50(ScFvをディスプレイする酵母での標識化CD19の50%結合の有効濃度)の0.5ug/mlから、親和性成熟バインダー(M19217-1、19217-2、M19217-7、M19217-23、M19217-29、M19217-38、M19217-40)に対する親和性<0.01ug/mlまで増加した。
【0276】
結果:
CD19構造の固有の課題により、ファージディスプレイ候補が生物学的に機能性のあるCAR構築物を生じなかったので、生物学的に活性なバインダーを生じるScFv同定を酵母ディスプレイにより生成した。酵母ディスプレイされたScFvのフローサイトメトリー分析に基づき、組換えヒトCD19に特異的な8つのScFvクローンを同定し、それぞれ、ヒト抗CD19 ScFvバインダーM19217(LTG2050、樹立クローン、EC50は0.5ug/ml)、ならびに以下の親和性成熟バインダー(EC50<0.01ug/ml):M19217-1(LTG2065)、M19217-2(LTG2066)、M19217-7(LTG2067)、M19217-23(LTG2068)、M19217-29(LTG2069)、M19217-38(LTG2070)およびM19217-40(LTG2071)として表示した。LTG2050、LTG2065、LTG2066、LTG2067、LTG2068、LTG2069、LTG2070、およびLTG2071ヒト抗CD19バインダーを発現するキメラ抗原受容体の生成については、以下の実施例2で概説する。
【0277】
実施例2
抗CD19完全ヒト結合性配列を発現するCAR
Homo sapiens CD19(B4、CVID3、Leu-12)は、B細胞白血病およびリンパ腫で発現される、十分に研究された細胞表面糖タンパク質である。少なくとも2つの抗体薬物コンジュゲート(SGN-CD19A デニンツズマブ マフォドチン(Seattle Genetics)およびSAR3419 コルツキシマブ ラブタンシンがフェーズII臨床試験で評価されている。SGN-19Aのフェーズ1試験では、最適な処置群において35%のCRcを示した(Fathi AT、Borate U、DeAngelo DJ、O’Brien MM、Trippett T、Shah BD、Hale GA、Foran JM、Silverman LB、Tibes R、Cramer S、Pauly M、Kim S、Kostic A、Huang X、Pan Y、Chen R、2015年、Blood 126巻:1328頁)。しかし、SAR3419の期待外れのフェーズII結果により、開発は保留状態である
(Coiffer B、Thieblemont C、de Guibert S、Dupuis J、Ribrag V、Bouabdallah R、Morschhauser F、Navarro R、Le Gouill S、Haioun C、Houot R、Cassasnovas O、Holte H、Lamy T、Broussais F、Payrard S、Hatteville L、Tilly H、2016年、Bt J Haematolo 173年:722~30頁)。二重特異性抗CD3/抗CD19抗体(ブリノツモマブ)の使用については上記で論じた。CD19 CARを用いたT細胞ベースの治療法の現在の進捗状況を考慮すると、最良のアプローチは確実に細胞ベースの免疫療法であり、本明細書に示したCAR構築物は、ヒトの配列に由来した新しいCD19結合部分を作製および実施するための革新的な新しいアプローチである。
【0278】
本明細書で説明した新規の抗CD19 CAR-T構築物は、初代ヒトT細胞において高レベルの細胞表面発現を有し、CD19陽性腫瘍細胞に対する特異的かつ強力な細胞毒性機能およびサイトカイン機能を有している。CD19 CARは、実施例1のように、ファージディスプレイによって同定されたScFv候補に由来したCD19結合配列を使用して設計され、特徴決定のために、EF1aプロモーターの制御下で選択された構造ドメインおよびシグナルドメインを含んだレンチウイルス発現ベクターにクローニングされ、in vitroで、モデル細胞株および初代ヒトT細胞の両方において、形質導入効率、死滅機能、およびサイトカイン産生が試験された。表1に使用されている用語を概説する。CAR構築物LTG#1538は、このマウス由来の配列が商業開発で使用されている現在のバインダーであるので、関連対象物である(KTE-C19、Kite Pharma、およびCTL019、Novartisを参照)。
【0279】
【表1】
【0280】
材料および方法:
(a)細胞株
バーキットリンパ腫細胞株Rajiおよび慢性骨髄性白血病株K562を、American Tissue Culture Collection(ATCC、Manassass、VA)から購入した。細胞を、10%熱不活化ウシ胎児血清(FBS、Hyclone、Logan、UT)および2mM L-Glutamax(Thermo Fisher Scientific、Grand Island、NY)を補充したRPMI-1640培地で培養した。ヒト胚性腎臓株293TをATCCから購入し、CD FortiCho培地(Gibco/Thermo Fisher Scientifi
c、Grand Island、NY)で増殖させた。ルシフェラーゼ発現細胞株の単一細胞クローンは、ホタルルシフェラーゼ(Lentigen Technology,Inc.、Gaithersburg、MD)をコードするレンチウイルスベクターを野生型腫瘍株に安定的に形質導入し、その後ルシフェラーゼ陽性クローンをクローニングおよび選択することによって生成した。
【0281】
(b)キメラ抗原受容体(CAR)の創出-発現ベクター
CARの抗原結合性ドメイン、ScFv、配列は、ヒト抗CD19 ScFv断片に由来していた。バインダー配列をインフレームで、CD8a連結および膜貫通ドメイン(UniProt配列ID P01732、aa 138-206)、次いで4-1BB(CD137、aa214-255、UniProt配列ID Q07011)シグナル伝達ドメインおよびCD3ゼータシグナル伝達ドメイン(CD247、aa52-163、Ref配列ID:NP_000725.1)に連結することにより、CAR T構築物を生成した。CAR構築物配列を第3世代のレンチウイルスプラスミド骨格(Lentigen Technology Inc.、Gaithersburg、MD)にクローニングした。HEK293T細胞の一過性トランスフェクションによりレンチウイルスベクター(LV)を含む上清を生成し、レンチウイルスベクターを含む上清を遠心処理することによりベクターをペレットにして、-80℃で保存した。
【0282】
(c)初代T細胞精製および形質導入
健康なボランティア由来のヒト初代T細胞を、製造業者のプロトコル(Miltenyi Biotec、Bergisch Gladbach)に従って、CD4およびCD8細胞の免疫磁気ビーズ選択を使用して、全血またはバフィーコート(ドナーの書面による同意を得て商業提供者から購入)から精製した。T細胞を、密度0.3~2×10細胞/mlで、200IU/ml IL-2を添加したTexMACS培地で培養し、CD3/CD28MACS(登録商標)GMP T細胞TransAct試薬(Miltenyi Biotec)で活性化し、2日目に10μg/ml硫酸プロタミン(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)存在下で一晩、CAR構築物をコードするレンチウイルスベクターを形質導入し、3日目に培地を交換した。200IU/ml
IL-2を添加したTexMACS培地で培養物を、8~12日目の採取まで繁殖させた。
【0283】
(d)免疫エフェクターアッセイ(CTLおよびサイトカイン)
細胞媒介性の細胞傷害性を決定するため(CTLアッセイ)、ホタルルシフェラーゼが安定に形質導入された標的細胞5,000個を種々のエフェクター対標的比でCAR T細胞と組み合わせ、一晩インキュベートした。SteadyGlo試薬(Promega、Madison WI)を各ウェルに添加し、生じた発光を秒あたりのカウントとして定量化した(試料CPS)。標的のみのウェル(最大CPS)および1%Tween-20を加えた標的のみのウェル(最小CPS)を使用してアッセイ範囲を決定した。特異的な溶解のパーセントを(1-(試料CPS-最小CPS)/(最大CPS-最小CPS))として算出した。E:T比が10:1の共培養物から上清を取り出し、IFNγ、TNFα、およびIL-2濃度についてELISA(eBioscience、San Diego、CA)により分析した。
【0284】
(e)フローサイトメトリー分析。
細胞染色では、CAR T形質導入細胞50万個を培養物から採取し、0.5%ウシ血清アルブミン(Miltenyi Biotec)を添加した低温のAutoMACS緩衝液で2回洗浄して、CD19-Fcペプチド(R&D、Minneapolis、MN)、続いて抗Fc-AF647コンジュゲート(Jackson ImmunoResearch、West Grove、PA)で染色し、CAR表面発現を検出した。陰性対
照として非形質導入細胞を使用した。全ての研究で、死滅した細胞は7AAD染色(BD
Biosciences、San Jose、CA)により除外した。細胞を2回洗浄し、フローサイトメトリーによる定量分析前に染色緩衝液200μlで再懸濁させた。MACSQuant(登録商標)10 Analyzer(Miltenyi Biotec)でフローサイトメトリー分析を実施し、FlowJoソフトウェア(Ashland、OR)を使用してデータプロットを生成した。
【0285】
結果:
新規の抗CD19完全ヒトScFv結合性配列を評価するため、ScFv配列、表1、ScFv1(M19217)、ScFv2(M19217-1)、ScFv3(M19217-2)、ScFv4(M19217-7)、ScFv5(M19217-23)、ScFv6(M19217-29)、ScFv7(M19217-38)、ScFv8(M19217-40)のうち各1つを腫瘍抗原結合性ドメインとして組み込むCAR構築物を設計した。各CAR設計では、腫瘍標的化ドメインの後に、ヒトCD8タンパク質由来のリンカーおよび膜貫通ドメイン、4-1BB共刺激ドメインならびにCD3ゼータシグナル伝達ドメインが続いた(表2下記)。マウス免疫グロブリン由来のFMC63バインダー配列をコードするCAR構築物を陽性対照として使用した。
【0286】
【表2】
【0287】
抗CD19キメラ抗原受容体が形質導入されたT細胞は、表面発現および細胞溶解活性を実証する。
【0288】
a)抗CD19CARの表面発現
新規の抗CD19CARを評価するため、ヒトEF1aプロモーターの制御下で、CAR構築物をコードするレンチウイルスベクター(LV)を、材料および方法に記載されるように生成した。次いで、健康なドナー由来のヒト初代T細胞に、CARをコードするレンチウイルスベクターを形質導入した。同じドナー由来の非形質導入細胞(NT)または同じドナー由来のGFP形質導入細胞は、陰性対照として機能した。データは、異なるドナー由来の少なくとも3つのアッセイの結果を示している。
【0289】
培養0日目に、材料および方法に記載されているように、IL-2の存在下で、TransAct T細胞試薬(CD3およびCD28抗原の活性のある関与、Miltenyi Biotec、Inc.)でT細胞を活性化した。培養8~10日目に、T細胞表面における抗CD19 CARの発現をCD19-Fcペプチド、続いて抗Fc-AF647により検出し、フローサイトメトリーで分析した。選択された抗CD19 CAR構築物は、それぞれ、表面CAR発現を実証した。非形質導入T細胞を陰性対照(0%)として使用した場合、以下のCAR発現レベルが見られた:LTG1538、60%;LTG
2050、46%;LTG2065、64%;LTG2066、21%;LTG2067、81%;LTG2068、54%;LTG2069、68%;LTG2070、47%;LTG2071、21%。
【0290】
b)抗CD19 CARの細胞溶解アッセイおよびサイトカインアッセイ
生成されたCAR T細胞の細胞溶解機能を実証するため、材料および方法(図4)に記載されているオーバーナイト細胞死滅アッセイにおいて、CAR-TをCD19陽性Raji-luc細胞、CD19陽性Reh-luc細胞、CD19陰性K562-luc、またはCD19陰性293T-luc細胞と40:1、20:1、または10:1のE:T比で組み合わせることにより実施した。選択した構築物(LTG2050、LTG2065~2071)は、用量依存的なCD19特異的腫瘍死滅を示した。次いで、本発明者らは、CD19陽性細胞腫瘍細胞によりチャレンジされた場合に、CAR19構築物を形質導入したCAR T細胞によって分泌される炎症性サイトカインIFN-γ、TNF-α、IL-2の濃度を測定した(図5)。サイトカイン産生の基礎レベルを試験するために、CAR T細胞のみの対照を各構築物に含めた。TNF-α、IFN-γ、およびIL-2のレベルは、CD19Raji細胞に暴露されたT細胞により強く誘導された。さらに、どの構築物も、腫瘍細胞標的の非存在下において、ベースラインを超えるサイトカイン産生を示さなかった。したがって、CAR T構築物のLTG2050、LTG2065~2071は、CD19腫瘍株に特異的である。興味深いことには、構築物LTG2050は、in vitroでCD19陽性細胞株を効率的に死滅させるにもかかわらず、ELISAで検出した場合、低レベルのIL-2を示した。したがって、いくつかのバインダーは可溶性IgGまたはScFv形式で活性であり、CAR T形式のT細胞表面での発現に適しているが、CD19陽性腫瘍と共培養した場合、サイトカインの殺傷または産生において非効率的であるので、CARの設計およびバインダーの選択は簡単ではない。本発明者らのCAR発現ベクターにおいてT細胞の表面に発現しなかったバインダー、またはCD19陽性細胞株に対する強い溶解活性を示さなかったバインダーは、ここには含まれていないが、スクリーニング中に多く確認された。
【0291】
要約すれば、新規の完全ヒト抗CD19 CAR構築物LTG2050、LTG2065、LTG2066、LTG2067、LTG2068、LTG2069、LTG2070、およびLTG2071の高い機能性(表1下記)が実証された。LTG2050を除いたすべてのCAR構築物は、陽性対照であるマウスFMC63(LTG1538)よりも優れており、したがってより強力な治療活性を有することが期待される。
【0292】
本文中に引用したそれぞれの出願と特許、および(訴訟中のそれぞれの交付済特許、「出願引用文書」を含めた)それぞれの出願と特許中で引用されたそれぞれの文書または参照文献、およびこれらの出願と特許のいずれかに対応するおよび/またはその優先権を主張するそれぞれのPCTと外国出願または特許、およびそれぞれの出願引用文書中で引用もしくは参照されたそれぞれの文書は、ここで明確に参照により本明細書に組み込まれ、本発明を実施する際に利用することができる。より一般的には、文書または参照文献は本文中、特許請求の範囲の前の参照文献一覧中、または本文自体中のいずれかに引用され、それぞれのこれらの文書または参照文献(「本明細書中引用参照文献」)、および(任意の製造者の仕様書、説明書などを含めた)それぞれの本明細書中引用参照文献中に引用されたそれぞれの文書または参照文献は、ここで明確に参照により本明細書に組み込まれる。
【0293】
一部の具体的実施形態の前述の記載によって、他者が、本発明の知識を適用することによって、一般的概念から逸脱せずに、具体的実施形態などの様々な適用例に関して容易に変更または適合させることができるのに充分な情報を与え、したがってこのような適合および変更形態は、開示した実施形態の均等物の意味および範囲内と理解すべきであり、理
解することが意図されている。本明細書で利用する語句または述語は、限定の目的ではなく記載の目的であることは理解される。図面および記載中、例示的実施形態を開示しており、特異的用語が利用された可能性はあるが、他に言及しない限り、それらは限定の目的ではなく一般的および叙述的な意味でのみ使用され、したがって特許請求の範囲もそのように限定されない。さらに当業者は、本明細書で論じた方法の、ある特定ステップは別の順序で順に並べることができ、またはステップを組み合わせることができることを理解する。したがって、添付の特許請求の範囲は本明細書で開示した詳細な実施形態に限られないことが意図される。当業者は、ごく普通の実験を使用した、本明細書に記載した本発明の実施形態の多くの均等物を理解し、把握することができる。このような均等物は以下の特許請求の範囲によって包含される。
【0294】
本開示の配列
以下に列挙する核酸およびアミノ酸配列は、37C.F.R.1.822で規定されるように、ヌクレオチド塩基用の標準的な略語、およびアミノ酸用の3文字コードを使用して示される。各核酸配列のうち一方の鎖のみが示されているが、相補鎖は、示される鎖を参照することによって含まれるものと理解される。添付の配列表では:
配列番号1は、CD19反応性ScFv1結合性ドメイン(LTG2050)のヌクレオチド配列である。
GAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCAGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGAATAATCAACCCTAGTGGTGGTAGCACAAGCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGAGGTGGCGGGTCTGGTGGAGGCGGTAGCGGTGGTGGCGGATCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCAGTGGCCCCAGGGCAGACGGCCAAGATTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGTCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTCGTCTATGATGATTACGACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTGTGGGACAGTAGTGGTGATCCTTATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTTTTAGGT
配列番号2は、CD19反応性ScFv1結合性ドメイン(LTG2050)のアミノ酸配列である。
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGIINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGITATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSVAPGQTAKITCGGSDIGNKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYDRPSGIPERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYFCQVWDSSGDPYWVFGGGTQLTVLG
配列番号3は、CD19反応性ScFv2結合性ドメイン(LTG2065)のヌクレオチド配列である。
GAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCAGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATTAATCAACCCTAGTGGTGGTAGCACAAGCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCAGTGGCCCCAGGGCGGATGGCCAAGATTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGTCCACTGGTATCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTTGTCTATGATGATTACGACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTGTGGGACGGTAGTGGTGATCCTTATTGGATGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTTTTAGGT
配列番号4は、CD19反応性ScFv2結合性ドメイン(LTG2065)のアミノ酸配列である。
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGLINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGITATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSVAPGRMAKITCG
GSDIGNKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYDRPSGIPERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYFCQVWDGSGDPYWMFGGGTQLTVLG
配列番号5は、CD19反応性ScFv3結合性ドメイン(LTG2066)のヌクレオチド配列である。
GAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCCGGATACACCTTCACCAGCTACTACATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGTTTGAGTGGATGGGATTAATCAACCCTAGTGGTAGTAGCACAAGCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAACCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGCCAGTGGCCCCAGGGCAGACGGCCAAGATTATCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGTCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTCGTCTATGATGACTACGACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTTGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTGTGGGACGGTAGTGGTGATCCTTATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTCTTAGGT
配列番号6は、CD19反応性ScFv3結合性ドメイン(LTG2066)のアミノ酸配列である。
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGFEWMGLINPSGSSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSNLRSEDTAVYYCARSDRGITATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVPVAPGQTAKIICGGSDIGNKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYDRPSGIPERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYFCQVWDGSGDPYWVFGGGTQLTVLG
配列番号7は、CD19反応性ScFv4結合性ドメイン(LTG2067)のヌクレオチド配列である。
GAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAACAAGCCTGGTGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCAGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGAATGATCAACCCTAGTGGTGGTAGCACAAGCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCTCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCATTGGCCCCAGGGCAGACGGCCAAGATTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGTCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTAGTCGTCTATGATGATTACAACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACTCAGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTGTGGGACGGTAGTGGTGATCCTTATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTTTTAGGT
配列番号8は、CD19反応性ScFv4結合性ドメイン(LTG2067)のアミノ酸配列である。
EVQLVQSGAEVNKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGMINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGITSTDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSLAPGQTAKITCGGSDIGNKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYNRPSGIPERFSGSNSGDSATLTISTVEVGDEADYFCQVWDGSGDPYWVFGGGTQLTVLG
配列番号9は、CD19反応性ScFv5結合性ドメイン(LTG2068)のヌクレオチド配列である。
GAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCATCTGGATACACCTTCACCGGCTACTATATGCACTGGGTGCGGCAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATAGGATTAATCAACCCTAGTGGTGGTAGCACAAGCTACGAACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCGCCATGACCAGGGACACGTCAACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCAGTGGCCCCAGGGCAGACGGCCAAGATTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAGATAAAAATGTCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTCGTCTATGATGATTACGACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTGTGGGACGGTATTGGTGATCCCTATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTTTTAGGT
配列番号10は、CD19反応性ScFv5結合性ドメイン(LTG2068)のアミノ酸配列である。
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWIGLINPSGGSTSYEQKFQGRVAMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGITATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSVAPGQTAKITCGGSDIGDKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYDRPSGIPERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYFCQVWDGIGDPYWVFGGGTQLTVLG
配列番号11は、CD19反応性ScFv6結合性ドメイン(LTG2069)のヌクレオチド配列である。
GAGGTCCAGCTAGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCAGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGAATGATCAACCCTAGTGGTGGTAGCACAAGCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCAGTGGCCCCAGGGCAGACGGCCAAGATTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGCCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTCGTCTATGATGATTACGACCGGCCCTCAGGGATCTCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTGTGGGACGGTAGTGGTGATCCTTTTTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTTTTAGGT
配列番号12は、CD19反応性ScFv6結合性ドメイン(LTG2069)のアミノ酸配列である。
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGMINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGITATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSVAPGQTAKITCGGSDIGNKNAHWYQQKPGQAPVLVVYDDYDRPSGISERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYFCQVWDGSGDPFWVFGGGTQLTVLG
配列番号13は、CD19反応性ScFv7結合性ドメイン(LTG2070)のヌクレオチド配列である。
GAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAGGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCAGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACGAGGGCTTGAGTGGATGGGATTAATCAACCCTAGTGGTGGTAGCACAAGCTACGCACAGGAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACATGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTAGCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCAGTGGCCCCAGGGCAGATGGCCAAGATTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGTCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTCGTCTATGATGATTACAACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTATGGGACGGTAGTGGTGATCCTTATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGATTTAGGT
配列番号14は、CD19反応性ScFv7結合性ドメイン(LTG2070)のアミノ酸配列である。
EVQLVQSGAEVKRPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGRGLEWMGLINPSGGSTSYAQEFQGRVTMTRDMSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGISATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSVAPGQMAKITCGGSDIGNKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYNRPSGIPERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYFCQVWDGSGDPYWVFGGGTQLTDLG
配列番号15は、CD19反応性ScFv8結合性ドメイン(LTG2071)のヌクレオチド配列である。
GAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAGGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCAGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGTGTGGATGGGATTAATCAACCCTAGTGGTGGCAGCACAAGCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTCTCAGTGGCCCCAGGGCAGACGGCCAAGACTACCTGTGGG
GGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGTCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTCGTCTATGATGATTACGACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATGTCTGTCAGGTGTGGGACGGTAGTGGTGATCCTTATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTTTTAGGT
配列番号16は、CD19反応性ScFv8結合性ドメイン(LTC2071)のアミノ酸配列である。
EVQLVQSGAEVKRPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLVWMGLINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGITATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSVAPGQTAKTTCGGSDIGNKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYDRPSGIPERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYVCQVWDGSGDPYWVFGGGTQLTVLG
【0295】
配列番号17は、リーダー/シグナルペプチド配列(LP)のヌクレオチド配列である。
atgctgctgctggtgaccagcctgctgctgtgcgaactgccgcatccggcgtttctgctgattccg
【0296】
配列番号18は、リーダー/シグナルペプチド配列(LP)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIP
配列番号19は、LTG2050_(LP-M19217-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTTCTCCTGGTCACCTCCCTGCTCCTCTGCGAACTGCCTCACCCTGCCTTCCTTCTGATTCCTGAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCAGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGAATAATCAACCCTAGTGGTGGTAGCACAAGCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGAGGTGGCGGGTCTGGTGGAGGCGGTAGCGGTGGTGGCGGATCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCAGTGGCCCCAGGGCAGACGGCCAAGATTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGTCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTCGTCTATGATGATTACGACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTGTGGGACAGTAGTGGTGATCCTTATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTTTTAGGTGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号20は、LTG2050_(LP-M19217-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGIINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGITATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSVAPGQTAKITCGGSDIGNKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYDRPSGIPERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYFCQVWDSSGDPYWVFGGGTQLTVLGAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号21は、LTG2065(LP-M19217-1-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTCCAGCTGGT
ACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCAGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGATTAATCAACCCTAGTGGTGGTAGCACAAGCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCAGTGGCCCCAGGGCGGATGGCCAAGATTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGTCCACTGGTATCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTTGTCTATGATGATTACGACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTGTGGGACGGTAGTGGTGATCCTTATTGGATGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTTTTAGGTGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号22は、LTG2065_(LP-M19217-1-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGLINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGITATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSVAPGRMAKITCGGSDIGNKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYDRPSGIPERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYFCQVWDGSGDPYWMFGGGTQLTVLGAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号23は、LTG2066_(LP-M19217-2-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCCGGATACACCTTCACCAGCTACTACATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGTTTGAGTGGATGGGATTAATCAACCCTAGTGGTAGTAGCACAAGCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAACCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGCCAGTGGCCCCAGGGCAGACGGCCAAGATTATCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGTCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTCGTCTATGATGACTACGACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTTGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTGTGGGACGGTAGTGGTGATCCTTATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTCTTAGGTGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号24は、LTG2066_(LP-M19217-2-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGFEWMGLINPSGSSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSNLRSEDTAVYYCARSDRGITATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVPVAPGQTAKIICGGSDIGNKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYDRPSGIPERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYFCQVWDGSGDPYWVFGGGTQLTVLGAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号25は、LTG2067_(LP-M19217-7-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAACAAGCCTGGTGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCAGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGAATGATCAACCCTAGTGGTGGTAGCACAAGCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCTCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCATTGGCCCCAGGGCAGACGGCCAAGATTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGTCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTAGTCGTCTATGATGATTACAACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACTCAGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTGTGGGACGGTAGTGGTGATCCTTATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTTTTAGGTGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号26は、LTG2067_(LP-M19217-7-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVQSGAEVNKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGMINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGITSTDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSLAPGQTAKITCGGSDIGNKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYNRPSGIPERFSGSNSGDSATLTISTVEVGDEADYFCQVWDGSGDPYWVFGGGTQLTVLGAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号27は、LTG2068_(LP-M19217-23-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCATCTGGATACACCTTCACCGGCTACTATATGCACTGGGTGCGGCAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATAGGATTAATCAACCCTAGTGGTGGTAGCACAAGCTACGAACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCGCCATGACCAGGGACACGTCAACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCAGTGGCCCCAGGGCAGACGGCCAAGATTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAGATAAAAATGTCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTCGTCTATGATGATTACGACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTGTGGGACGGTATTGGTGATCCCTATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTTTTAGGTGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCT
TGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号28は、LTG2068_(LP-M19217-23-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWIGLINPSGGSTSYEQKFQGRVAMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGITATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSVAPGQTAKITCGGSDIGDKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYDRPSGIPERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYFCQVWDGIGDPYWVFGGGTQLTVLGAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号29は、LTG2069_(LP-M19217-29-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTCCAGCTAGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCAGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGAGTGGATGGGAATGATCAACCCTAGTGGTGGTAGCACAAGCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCAGTGGCCCCAGGGCAGACGGCCAAGATTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGCCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTCGTCTATGATGATTACGACCGGCCCTCAGGGATCTCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTGTGGGACGGTAGTGGTGATCCTTTTTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTTTTAGGTGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号30は、LTG2069_(LP-M19217-29-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGMINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGITATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSVAPGQTAKITCGGSDIGNKNAHWYQQKPGQAPVLVVYDDYDRPSGISERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYFCQVWDGSGDPFWVFGGGTQLTVLGAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号31は、LTG2070_(LP-M19217-38-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTCCAGCTGGT
ACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAGGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCAGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACGAGGGCTTGAGTGGATGGGATTAATCAACCCTAGTGGTGGTAGCACAAGCTACGCACAGGAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACATGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTAGCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTGTCAGTGGCCCCAGGGCAGATGGCCAAGATTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGTCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTCGTCTATGATGATTACAACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATTTCTGTCAGGTATGGGACGGTAGTGGTGATCCTTATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGATTTAGGTGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号32は、LTG2070_(LP-M19217-38-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVQSGAEVKRPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGRGLEWMGLINPSGGSTSYAQEFQGRVTMTRDMSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGISATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSVAPGQMAKITCGGSDIGNKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYNRPSGIPERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYFCQVWDGSGDPYWVFGGGTQLTDLGAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号33は、LTG2071_(LP-M19217-40-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAGGCCTGGGGCCTCAGTGAAGGTCTCCTGCAAGGCTTCTGGATACACCTTCACCAGCTACTATATGCACTGGGTGCGACAGGCCCCTGGACAAGGGCTTGTGTGGATGGGATTAATCAACCCTAGTGGTGGCAGCACAAGCTACGCACAGAAGTTCCAGGGCAGAGTCACCATGACCAGGGACACGTCCACGAGCACAGTCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGATCGGATCGGGGAATTACCGCCACGGACGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCCAGTCTGTGCTGACTCAGCCACCCTCGGTCTCAGTGGCCCCAGGGCAGACGGCCAAGACTACCTGTGGGGGAAGTGACATTGGAAATAAAAATGTCCACTGGTACCAGCAGAAGCCAGGCCAGGCCCCTGTCCTGGTCGTCTATGATGATTACGACCGGCCCTCAGGGATCCCTGAGCGATTCTCTGGCTCCAACTCTGGGGACGCGGCCACCCTGACGATCAGCACGGTCGAAGTCGGGGATGAGGCCGACTATGTCTGTCAGGTGTGGGACGGTAGTGGTGATCCTTATTGGGTGTTCGGCGGAGGGACCCAGCTCACCGTTTTAGGTGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号34は、LTG2071_(LP-M19217-40-CD8 TM-41BB-CD3 ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVQSGAEVKRPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLVWMGLINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARSDRGITATDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQSVLTQPPSVSVAPGQTAKTTCGGSDIGNKNVHWYQQKPGQAPVLVVYDDYDRPSGIPERFSGSNSGDAATLTISTVEVGDEADYVCQVWDGSGDPYWVFGGGTQLTVLGAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
【0297】
配列番号35は、DNA CD8膜貫通ドメインのヌクレオチド配列である。
atttgggccccgctggccggcacttgcggcgtgctcctgctgtcgctggtcatcaccctt
tactgc
配列番号36は、CD8膜貫通ドメインのアミノ酸配列である。
IWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC
【0298】
配列番号37は、DNA CD8ヒンジドメインのヌクレオチド配列である。
actaccacccctgcccctcggccgccgactccggccccaaccatcgcaagccaacccctc
tccttgcgccccgaagcttgccgcccggccgcgggtggagccgtgcatacccgggggctg
gactttgcctgcgatatctac
配列番号38は、CD8ヒンジドメインのアミノ酸配列である。
TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIY
配列番号39は、CD8.アルファ(NCBI RefSeq:NP.sub.--001759.3)のアミノ酸番号137~206ヒンジおよび膜貫通領域のアミノ酸配列である。
TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC
【0299】
配列番号40は、4-1BBのDNAシグナル伝達ドメインのヌクレオチド配列である。
aagaggggccggaagaagctgctttacatcttcaagcagccgttcatgcggcccgtgcag
acgactcaggaagaggacggatgctcgtgcagattccctgaggaggaagaggggggatgc
gaactg
配列番号41は、4-1BBのシグナル伝達ドメインのアミノ酸配列である。
KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL
【0300】
配列番号42は、CD3-ゼータの細胞内シグナル伝達ドメインのヌクレオチド配列である。
cgcgtcaagttctcacggtccgccgacgcccccgcatatcaacagggccagaatcagctc
tacaacgagctgaacctgggaaggagagaggagtacgacgtgctggacaagcgacgcgga
cgcgacccggagatgggggggaaaccacggcggaaaaaccctcaggaaggactgtacaac
gaactccagaaagacaagatggcggaagcctactcagaaatcgggatgaagggagagcgg
aggaggggaaagggtcacgacgggctgtaccagggactgagcaccgccactaaggatacc
tacgatgccttgcatatgcaagcactcccaccccgg
配列番号43は、CD3-ゼータのアミノ酸配列である。
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
【0301】
配列番号44は、CD3-ゼータ変異体の細胞内シグナル伝達ドメインのヌクレオチド配列である。
cgcgtcaagttctcacggtccgccgacgcccccgcatataaacagggccagaatcagctc
tacaacgagctgaacctgggaaggagagaggagtacgacgtgctggacaagcgacgcgga
cgcgacccggagatgggggggaaaccacggcggaaaaaccctcaggaaggactgtacaac
gaactccagaaagacaagatggcggaagcctactcagaaatcgggatgaagggagagcgg
aggaggggaaagggtcacgacgggctgtaccagggactgagcaccgccactaaggatacc
tacgatgccttgcatatgcaagcactcccaccccgg
配列番号45は、CD3-ゼータシグナル伝達ドメイン変異体のアミノ酸配列である。RVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
【0302】
配列番号46は、ScFv CD19(FMC63)のヌクレオチド配列である。
gacattcagatgactcagaccacctcttccttgtccgcgtcactgggagacagagtgaccat
ctcgtgtcgcgcaagccaggatatctccaagtacctgaactggtaccaacagaagcccga
cgggactgtgaagctgctgatctaccacacctcacgcctgcacagcggagtgccaagcag
attctccggctccggctcgggaaccgattactcgcttaccattagcaacctcgagcagga
ggacatcgctacctacttctgccagcaaggaaataccctgccctacaccttcggcggagg
aaccaaattggaaatcaccggcggaggaggctccgggggaggaggttccgggggcggggg
ttccgaagtgaagctccaggagtccggccccggcctggtggcgccgtcgcaatcactctc
tgtgacctgtaccgtgtcgggagtgtccctgcctgattacggcgtgagctggattcggca
gccgccgcggaagggcctggaatggctgggtgtcatctggggatccgagactacctacta
caactcggccctgaagtcccgcctgactatcatcaaagacaactcgaagtcccaggtctt
tctgaagatgaactccctgcaaactgacgacaccgccatctattactgtgctaagcacta
ctactacggtggaagctatgctatggactactgggggcaaggcacttcggtgactgtgtc
aagc
配列番号47は、ScFv CD19(FMC63)のアミノ酸配列である。
DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGGGGSGGGGSGGGGSEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS
配列番号48は、抗CD33 ScFv(LTG1936)のヌクレオチド配列である。
CAGGTGCAGCTGGTGCAATCTGGGGCAGAGGTGAAAAAGCCCGGGGAGTCTCTGAGGATCTCCTGTAAGGGTTCTGGATTCAGTTTTCCCACCTACTGGATCGGCTGGGTGCGCCAGATGCCCGGGAAAGGCCTGGAGTGGATGGGGATCATCTATCCTGGTGACTCTGATACCAGATACAGCCCGTCCTTCCAAGGCCAGGTCACCATCTCAGCCGACAAGTCCATCAGCACCGCCTACCTGCAGTGGAGCAGCCTGAAGGCCTCGGACACCGCCATGTATTACTGTGCGAGACTAGTTGGAGATGGCTACAATACGGGGGCTTTTGATATCTGGGGCCAAGGGACAATGGTCACCGTCTCTTCAGGAGGTGGCGGGTCTGGTGGTGGCGGTAGCGGTGGTGGCGGATCCGATATTGTGATGACCCACACTCCACTCTCTCTGTCCGTCACCCCTGGACAGCCGGCCTCCATCTCCTGCAAGTCTAGTCAGAGCCTCCTGCATAGTAATGGAAAGACCTATTTGTATTGGTACCTGCAGAAGCCAGGCCAGCCTCCACAGCTCCTGATCTATGGAGCTTCCAACCGGTTCTCTGGAGTGCCAGACAGGTTCAGTGGCAGCGGGTCAGGGACAGATTTCACACTGAAAATCAGCCGGGTGGAGGCTGAGGATGTTGGGGTTTATTACTGCATGCAAAGTATACAGCTTCCTATCACCTTCGGCCAAGGGACACGACTGGAGATTAAA
配列番号49は、抗CD33 ScFv(LTG1936)のアミノ酸配列である。
QVQLVQSGAEVKKPGESLRISCKGSGFSFPTYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGDSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARLVGDGYNTGAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTHTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLHSNGKTYLYWYLQKPGQPPQLLIYGASNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQSIQLPITFGQGTRLEIK
配列番号50は、抗メソセリンScFv(LTG1904)のヌクレオチド配列である。
GAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGGTATTAGTTGGAATAGTGGTAGCATAGGCTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTATCTGCAAATGAACAGTCTGAGAGCTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGATTTATCGTCAGTGGCTGGACCCTTTAACTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGGAGGTGGCGGGTCTGGTGGAGGCGGTAGCGGCGGTGGCG
GATCCTCTTCTGAGCTGACTCAGGACCCTGCTGTGTCTGTGGCCTTGGGACAGACAGTCAGGATCACATGCCAAGGAGACAGCCTCAGAAGCTATTATGCAAGCTGGTACCAGCAGAAGCCAGGACAGGCCCCTGTACTTGTCATCTATGGTAAAAACAACCGGCCCTCAGGGATCCCAGACCGATTCTCTGGCTCCAGCTCAGGAAACACAGCTTCCTTGACCATCACTGGGGCTCAGGCGGAGGATGAGGCTGACTATTACTGTAACTCCCGGGACAGCAGTGGTAACCATCTGGTATTCGGCGGAGGCACCCAGCTGACCGTCCTCGGT
配列番号51は、抗メソセリンScFv(LTG1904)のアミノ酸配列である。
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGSIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTALYYCAKDLSSVAGPFNYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSSSELTQDPAVSVALGQTVRITCQGDSLRSYYASWYQQKPGQAPVLVIYGKNNRPSGIPDRFSGSSSGNTASLTITGAQAEDEADYYCNSRDSSGNHLVFGGGTQLTVLG
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図5
【配列表】
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