(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池を備えた電気自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/531 20210101AFI20240614BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20240614BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240614BHJP
H01M 50/176 20210101ALI20240614BHJP
H01M 50/188 20210101ALI20240614BHJP
H01M 50/193 20210101ALI20240614BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20240614BHJP
H01M 50/474 20210101ALI20240614BHJP
H01M 50/477 20210101ALI20240614BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20240614BHJP
H01M 50/564 20210101ALI20240614BHJP
H01M 50/645 20210101ALI20240614BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240614BHJP
【FI】
H01M50/531
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/176
H01M50/188
H01M50/193
H01M50/342 101
H01M50/474
H01M50/477
H01M50/55 101
H01M50/564
H01M50/645
H01M50/533
(21)【出願番号】P 2022102168
(22)【出願日】2022-06-24
【審査請求日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】202110714367.X
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522218301
【氏名又は名称】格力▲たい▼新能源股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジアン,シーヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シーイン
(72)【発明者】
【氏名】シュー,デーレイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ハイジュン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,アーホン
(72)【発明者】
【氏名】デン,サイジュン
【審査官】山下 裕久
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/120081(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/093747(WO,A1)
【文献】特開2013-073936(JP,A)
【文献】国際公開第2019/151357(WO,A1)
【文献】特開2012-227110(JP,A)
【文献】国際公開第2015/093288(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-598
H01M 50/10-198
H01M 50/474
H01M 50/477
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極端子(10)及び極性接続部材(19)を含み、前記極端子(10)は前記極性接続部材(19)に接続されるカバープレートアセンブリ(1)と、
セルタブアセンブリ(200)を有し、前記極端子(10)は前記極性接続部材(19)を介して前記セルタブアセンブリ(200)に接続され且つ導通するセルアセンブリ(2)と、を含み、
前記セルアセンブリ(2)及び前記極性接続部材(19)が内設されるケース(3)と、
前記ケース(3)に内設され、前記セルアセンブリ(2)を支持するために用いられる支持部であって、前記カバープレートアセンブリ(1)は前記ケース(3)の開口部に設置され且つ前記支持部に接続される前記支持部と、をさらに含み、
前記極性接続部材(19)は、極性プレートを含み、
前記極性プレートに第1貫通孔(190)が開設され、前記極性プレートの前記セルアセンブリ(2)の側に第1突起(192)及び第1フランジ(193)が設置され、前記第1フランジ(193)のエッジに第1凹溝(191)が開設され、前記第1突起(192)は、前記支持部に接続され、前記極端子(10)の一部は、前記カバープレートアセンブリ(1)を貫通して前記ケース(3)内に延伸し、前記第1貫通孔(190)を介して前記極性プレートと締まり嵌めされ、前記第1凹溝(191)の溝壁は、前記セルタブアセンブリ(200)に接続され、
前記セルアセンブリ(2)は、セル(24)を含み、前記セル(24)の表面に前記セルタブアセンブリ(200)が設置され、
前記セルタブアセンブリ(200)は、極性ラグ(201)と、接続プレート(23)と、ベースプレート(22)、を含み、
前記極性ラグ(201)は、2つあり、2つの前記極性ラグ(201)を対向して設置することで位置決め空間を形成し、
前記接続プレート(23)は、一部が前記位置決め空間内に位置し、一端が前記第1凹溝(191)内に延伸し且つ前記第1凹溝(191)の側壁に接続され、
前記ベースプレート(22)は、前記極性ラグ(201)の外表面に接続され、
前記支持部は、固定フレーム(25)と、保護プレート(21)と、を含み、
前記固定フレーム(25)は、2つあり、2つの前記固定フレーム(25)は、第1方向に沿って対向して設置され且つ互いに接続され、
前記保護プレート(21)は、2つあり、2つの前記保護プレート(21)は、第2方向に沿って対向して設置され、且つそれぞれ前記固定フレーム(25)の両側に位置し、2つの前記固定フレーム(25)と取り付け空間を形成し、
前記セルアセンブリ(2)は、前記取り付け空間内に位置し、前記セルアセンブリ(2)は、2つの前記セルタブアセンブリ(200)を有し、2つの前記セルタブアセンブリ(200)は、いずれも前記保護プレート(21)の片側に向いて設置されることを特徴とする、リチウムイオン電池。
【請求項2】
前記セルタブアセンブリ(200)は2つであり、前記極端子(10)は2つであり、前記極性接続部材(19)は2つであり、2つの前記セルタブアセンブリ(200)は2つの前記極性接続部材(19)と一対一で対応して設置され、2つの前記極性接続部材(19)は2つの前記極端子(10)と一対一で対応して設置され、2つの前記セルタブアセンブリ(200)のうちの1つは正極であり、もう1つは負極であることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項3】
前記カバープレートアセンブリ(1)は、カバープレート(17)と、絶縁ホルダ(18)とを含み、
前記カバープレート(17)に少なくとも1つの第2貫通孔(170)が設置され、前記極端子(10)は前記カバープレート(17)の外表面の片側に位置し、前記極端子(10)の一部は前記第2貫通孔(170)を貫通して前記極性接続部材(19)に接続され、
前記絶縁ホルダ(18)は前記カバープレート(17)に接続され、
前記絶縁ホルダ(18)に前記第2貫通孔(170)と一対一で対応する第3貫通孔(182)が設置され、
前記絶縁ホルダ(18)の端部は前記支持部に係止されることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項4】
前記カバープレート(17)及び前記絶縁ホルダ(18)に第4貫通孔(180)が設置され、前記第4貫通孔(180)に防爆弁(14)及び保護ステッカー(13)が設置され、前記保護ステッカー(13)は前記防爆弁(14)の外表面の側に設置されることを特徴とする、請求項3に記載のリチウムイオン電池。
【請求項5】
前記カバープレート(17)及び前記絶縁ホルダ(18)に第5貫通孔(183)が設けられ、前記第5貫通孔(183)にシールプラグ(16)及びシールステッカー(15)が設けられ、前記シールステッカー(15)は前記シールプラグ(16)の外表面の側に設置されることを特徴とする、請求項3に記載のリチウムイオン電池。
【請求項6】
前記カバープレートアセンブリ(1)は、
前記極端子(10)に配置され、前記カバープレート(17)の外表面の側に位置し、前記カバープレート(17)との間にシールリング(12)が設置される保護スリーブ(11)をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載のリチウムイオン電池。
【請求項7】
2つの前記固定フレーム(25)のうちの1つにロックコラム(251)が設置され、もう1つに前記ロックコラム(251)と嵌合する接続孔(252)が設置され、
及び/又は、
前記固定フレーム(25)は、第1端に前記ロックコラム(251)が設置され、第2端に前記接続孔(252)が設置されることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項8】
前記固定フレーム(25)は、プレート構造(256)を含み、
前記プレート構造(256)の第1端の前記保護プレート(21)を向いた側に第1U字型プレート(257)が設置され、前記プレート構造(256)の第2端の保護プレート(21)を向いた側に第2U字型プレート(258)が設置され、前記第1U字型プレート(257)の開口側は前記第2U字型プレート(258)の開口側に対向して設置され、前記第1U字型プレート(257)及び前記第2U字型プレート(258)のうちの少なくとも1つの外表面に少なくとも1つの第2突起(259)が設置され、前記第2突起(259)は前記セルタブアセンブリ(200)の接続プレート(23)に当接することを特徴とする、請求項7に記載のリチウムイオン電池。
【請求項9】
前記プレート構造(256)の第1端の端部に少なくとも1つの第1位置決め溝(254)が設置され、前記極性接続部材(19)の第1突起(192)は前記第1位置決め溝(254)内に延伸することを特徴とする、請求項8に記載のリチウムイオン電池。
【請求項10】
前記第1U字型プレート(257)及び前記第2U字型プレート(258)のうちの少なくとも1つは中空構造を呈することを特徴とする、請求項8に記載のリチウムイオン電池。
【請求項11】
前記第2U字型プレート(258)の対向して設置される2枚の側板の外表面にいずれも第2位置決め溝(2581)が設置され、前記保護プレート(21)の一部は前記第2位置決め溝(2581)内に延伸することを特徴とする、請求項8に記載のリチウムイオン電池。
【請求項12】
前記保護プレート(21)は、保護プレート本体(210)を含み、
前記保護プレート本体(210)の第1端の内表面は円弧状の面取り構造を呈し、前記保護プレート本体(210)の第2端に第2フランジ(214)が設置され、前記第2フランジ(214)の長さ方向は前記保護プレート本体(210)の幅方向に沿って設置され、前記第2フランジ(214)の前記固定フレーム(25)を向いた側の表面に第3突起(215)が設置され、前記第3突起(215)は前記第2位置決め溝(2581)と嵌合して設置されることを特徴とする、請求項11に記載のリチウムイオン電池。
【請求項13】
前記保護プレート(21)は中空構造を呈し、前記保護プレート(21)の前記固定フレーム(25)を向いた側の表面に第1位置決めコラム(211)及び第2位置決めコラム(212)が設置され、前記第1位置決めコラム(211)及び前記第2位置決めコラム(212)は対向して設置され、前記第1位置決めコラム(211)及び前記第2位置決めコラム(212)は前記固定フレーム(25)に当接することを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項14】
前記シールリング(12)と前記絶縁ホルダ(18)のうちの少なくとも1つはPFA材で製造されることを特徴とする、請求項6に記載のリチウムイオン電池。
【請求項15】
リチウムイオン電池を含む電気自動車であって、前記リチウムイオン電池は請求項1から14のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池であることを特徴とする、電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池設計技術分野に関し、具体的には、リチウムイオン電池及びリチウムイオン電池を備えた電気自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー産業の発展に伴い、電気自動車産業とエネルギー貯蔵システムにおいてリチウムイオン電池に対する需要量が絶えず増大し、リチウムイオン電池は新エネルギー産業全体で主導的な役割を占めている。現在市販のリチウムイオン電池にはソフトパックポリマー電池、円筒形電池及び角形電池がある。
【0003】
ソフトパックポリマー電池はエネルギー密度が高く、安全性が高く、外形寸法の設計に融通性があるものの、その構造と外形の影響を受けて、モジュールに組み合わせることが容易ではなく、モジュールPACKに一定の制限があるため、動力電池市場において応用される種類及び型番が少ない。
【0004】
円筒形電池の多くは鋼製ケース又はアルミニウムケースを主とし、動力市場において幅広く応用されているが、PACKに組み立てた後のエネルギー密度が低く、市場における航続距離に対するニーズを満たすことができない。現在市場の角形電池の多くはアルミニウムケースを主とし、製品の型番が多様化しており、モジュールに組み合わせることが容易であり、エネルギー密度が高く、航続距離が長く、新エネルギー動力産業において幅広く応用されている。
【0005】
現在市販の角形電池は一般的にカバープレートアセンブリ、ケース、セル及び他の補助接続部材及び補助支持部材で構成される。補助接続部材はセルとカバープレートアセンブリを接続するストラップであり、電池内部に閉じた導電通路を形成させ、補助支持部材はセルに対して固定支持作用を発揮し、セルとケースを絶縁し、セルとケースの衝突を防ぐ。
【0006】
従来技術において、電池内部の補助接続部材の多くはソフト接続構造であり、セルタブとカバープレートアセンブリの極性端子部材(正、負極極端子)を接続する。ソフト接続は放熱能力が高いが、その負荷電流特性は弱く、電池のレート特性の向上に不利である。
【0007】
さらに、ソフト接続溶接の信頼性が低く、溶接強度を強化するために、溶接時に超音波溶接とレーザ溶接を組み合わせる必要があるが、作業工程が複雑であり、作業時間が長く、生産効率が低く、電池の量産に影響を与える。現在、電池内部の補助支持部材には、固定する位置決め能力が低く、組み合わせのしやすさに劣り、作業工程が煩雑である等の問題が存在し、セルの固定に不利であり、電池の量産にも適さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、主に、電池の負荷電流特性が弱い従来技術の課題を解決するために、リチウムイオン電池及びそれを備えた電気自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一側面によれば、リチウムイオン電池を提供する。
【0010】
リチウムイオン電池は、
極端子及び極性接続部材を含み、極端子は極性接続部材に接続されるカバープレートアセンブリと、
セルタブアセンブリを有し、極端子は極性接続部材を介してセルタブアセンブリに接続され且つ導通するセルアセンブリと、を含む。
【0011】
さらに、リチウムイオン電池は、
セルアセンブリ及び極性接続部材が内設されるケースと、
ケースに内設され、セルアセンブリを支持するために用いられる支持部であって、カバープレートアセンブリはケースの開口部に設置され且つ支持部に接続される支持部と、をさらに含む。
【0012】
さらに、極性接続部材は、極性プレートを含み、
極性プレートに第1貫通孔が開設され、極性プレートのセルアセンブリの側に第1突起及び第1フランジが設置され、第1フランジのエッジに第1凹溝が開設され、第1突起は支持部に接続され、極端子の一部はカバープレートアセンブリを貫通してケース内に延伸し、第1貫通孔を介して極性プレートと締まり嵌めされ、第1凹溝の溝壁はセルタブアセンブリに接続される。
【0013】
さらに、セルアセンブリはセルを含み、セルの表面にセルタブアセンブリが設置される。セルタブアセンブリは、極性ラグと、接続プレートと、ベースプレートを含み、極性ラグは、2つあり、2つの極性ラグを対向して設置することで位置決め空間を形成し、接続プレートは、一部が位置決め空間内に位置し、一端が第1凹溝内に延伸し且つ第1凹溝の側壁に接続され、ベースプレートは、極性ラグの外表面に接続される。
【0014】
さらに、セルタブアセンブリは2つであり、極端子は2つであり、極性接続部材は2つであり、2つのセルタブアセンブリは2つの極性接続部材と一対一で対応して設置され、2つの極性接続部材は2つの極端子と一対一で対応して設置され、2つのセルタブアセンブリのうちの1つは正極であり、もう1つは負極である。
【0015】
さらに、カバープレートアセンブリは、カバープレートと、絶縁ホルダとを含み、カバープレートに少なくとも1つの第2貫通孔が設置され、極端子はカバープレートの外表面の片側に位置し、極端子の一部は第2貫通孔を貫通して極性接続部材に接続され、絶縁ホルダはカバープレートに接続され、絶縁ホルダに第2貫通孔と一対一で対応する第3貫通孔が設置され、絶縁ホルダの端部は支持部に係止される。
【0016】
さらに、カバープレート及び絶縁ホルダに第4貫通孔が設置され、第4貫通孔に防爆弁及び保護ステッカーが設置され、保護ステッカーは防爆弁の外表面の側に設置される。
【0017】
さらに、カバープレート及び絶縁ホルダに第5貫通孔が設けられ、第5貫通孔にシールプラグ及びシールステッカーが設けられ、シールステッカーはシールプラグの外表面の側に設置される。
【0018】
さらに、カバープレートアセンブリは、極端子に配置され、カバープレートの外表面の側に位置し、カバープレートとの間にシールリングが設置される保護スリーブをさらに含む。
【0019】
さらに、支持部は、固定フレームと、保護プレートと、を含み、固定フレームは2つあり、2つの固定フレームは、第1方向に沿って対向して設置され且つ互いに接続され、保護プレートは、2つあり、2つの保護プレートは、第2方向に沿って対向して設置され、且つそれぞれ固定フレームの両側に位置し、2つの固定フレームと取り付け空間を形成し、セルアセンブリは取り付け空間内に位置し、セルアセンブリは2つのセルタブアセンブリを有し、2つのセルタブアセンブリはいずれも保護プレートの片側に向いて設置される。
【0020】
さらに、2つの固定フレームのうちの1つにロックコラムが設置され、もう1つにロックコラムと嵌合する接続孔が設置され、及び/又は、固定フレームは、第1端にロックコラムが設置され、第2端に接続孔が設置される。
【0021】
さらに、固定フレームは、プレート構造を含み、プレート構造の第1端の保護プレートを向いた側に第1U字型プレートが設置され、プレート構造の第2端の保護プレートを向いた側に第2U字型プレートが設置され、第1U字型プレートの開口側は第2U字型プレートの開口側に対向して設置され、第1U字型プレート及び第2U字型プレートのうちの少なくとも1つの外表面に少なくとも1つの第2突起が設置され、第2突起はセルタブアセンブリの接続プレートに当接する。
【0022】
さらに、プレート構造の第1端の端部に少なくとも1つの第1位置決め溝が設置され、極性接続部材の第1突起は第1位置決め溝内に延伸する。
【0023】
さらに、第1U字型プレート及び第2U字型プレートのうちの少なくとも1つは中空構造を呈する。
【0024】
さらに、第2U字型プレートの対向して設置される2枚の側板の外表面にいずれも第2位置決め溝が設置され、保護プレートの一部は第2位置決め溝内に延伸する。
【0025】
さらに、保護プレートは、保護プレート本体を含み、保護プレート本体の第1端の内表面は円弧状の面取り構造を呈し、保護プレート本体の第2端に第2フランジが設置され、第2フランジの長さ方向は保護プレート本体の幅方向に沿って設置され、第2フランジの固定フレームを向いた側の表面に第3突起が設置され、第3突起は第2位置決め溝と嵌合して設置される。
【0026】
さらに、保護プレートは中空構造を呈し、保護プレートの固定フレームを向いた側の表面に第1位置決めコラム及び第2位置決めコラムが設置され、第1位置決めコラム及び第2位置決めコラムは対向して設置され、第1位置決めコラム及び第2位置決めコラムは固定フレームに当接する。
【0027】
さらに、シールリングと絶縁ホルダのうちの少なくとも1つはPFA材で製造される。
【0028】
本発明の一側面によれば、リチウムイオン電池を含む電気自動車であって、リチウムイオン電池は上記リチウムイオン電池である電気自動車を提供する。
【発明の効果】
【0029】
本発明の技術的解決手段を応用し、極端子及び極性接続部材を設置し、且つ極端子は極性接続部材を介してセルタブアセンブリに接続し且つ導通する。このように設置することで極端子とセルタブアセンブリとの間のハード接続を実現し、リチウムイオン電池の負荷電流特性を効果的に向上させるとともに、電池構造の放熱能力を最適化し、リチウムイオン電池の接続信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本願の一部分を構成する明細書の図面は本発明に対するさらなる理解を提供するために用いられるが、本願の例示的な実施例及びその説明は本願を説明するために用いられ、本願に対する不当な制限を構成するものではない。図面は以下のとおりである。
【
図1】
図1は本発明に係るリチウムイオン電池の第1実施例の分解構造概略図である。
【
図2】
図2は本発明に係るリチウムイオン電池の第2実施例の分解構造概略図である。
【
図3】
図3は本発明に係るリチウムイオン電池の実施例の構造概略図である。
【
図4】
図4は本発明に係るカバープレートアセンブリの実施例の構造概略図である。
【
図5】
図5は本発明に係る保護プレートの第1実施例の構造概略図である。
【
図6】
図6は本発明に係る保護プレートの第2実施例の構造概略図である。
【
図7】
図7は本発明に係るカバープレートアセンブリの第1実施例の分解構造概略図である。
【
図8】
図8は本発明に係るカバープレートアセンブリの第2実施例の分解構造概略図である。
【
図9】
図9は本発明に係る固定フレームの第1実施例の構造概略図である。
【
図10】
図10は本発明に係る固定フレームの第2実施例の構造概略図である。
【
図11】
図11は本発明に係るセルアセンブリの実施例の分解構造概略図である。
【
図12】
図12は本発明に係るリチウムイオン電池の第3実施例の分解構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
なお、本願における実施例及び実施例における特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。以下で、本発明については、図面を参照しながら実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0032】
なお、ここで使用された用語は、ただ具体的な実施の形態を説明するためのものであり、本願に係る例示的な実施形態を意図的に限定するものではない。ここで使用されている単数形は、文脈に特記しない限り、複数形をも含むことが意図されており、さらに、本明細書において「含有」及び/又は「含む」という用語が使用された場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、アセンブリ及び/又はそれらの組み合わせの存在を示す。
【0033】
なお、本願の明細書と特許請求の範囲、及び上記図面における「第1」、「第2」等の用語は類似の対象を区別するために用いられるものであり、特定の順序又は前後を説明するために用いられる必要はない。このように使用される用語は、本明細書で説明される本願の実施形態を本明細書で図示又は説明された以外の順序で実施するために、適切な状況で入れ替えられることを理解されたい。
【0034】
また、「含む」及び「有する」という用語及びそれらの任意の同義語は、排他的でない包含を網羅することを意図しており、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は装置が明示的に列挙されたそれらのステップ又はユニットに限定される必要はなく、明示的に列挙されないもの、或いはこれらのプロセス、方法、製品又は装置に固有の他のステップ又はユニットを含むことができる。
【0035】
説明しやすくするために、明細書に、図示するデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴の空間的位置関係を説明するために、例えば、「・・・上にある」「・・・上方にある」「・・・上面にある」「上方の」等の、空間的な相対位置関係を示す用語を使用することができる。
【0036】
空間的な相対位置関係を示す用語は、図示する方位以外の使用中又は操作中においける異なる方位を含むのを意図することを理解されたい。例えば、図中のデバイスが反転される場合、デバイスを「その他のデバイス又は構造の上方にある」又は「その他のデバイス又は構造の上にある」ように説明するのに対して、その他のデバイス又は構造の下方にある」又は「その他のデバイス又は構造の下にある」位置決めのように説明する。従って、例示的用語である「・・・上方にある」は、「・・・上方にある」と「・・・下方にある」の2種類の方位を含んでもよい。該デバイスは、異なる他の方法で位置決めを行い(90°回転するか、又は他の方位にある)、且つここで使用される空間的相対関係については、該当する説明がなされる。
【0037】
以下、図面を参照しながら、本願に係る例示的な実施形態をより詳細に説明する。しかしながら、これらの例示的な実施形態は、多くの異なる形態で実施可能であり、且つ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。これらの実施形態は、本願の開示が十分かつ完全であり、且つこれらの例示的な実施形態の構想を当業者に十分に説明するように提供されること、図面において、層及び領域の厚さは明瞭にするために誇張されている場合があり、同一の符号で同デバイスを示すため、それらの説明は省略されることを理解されたい。
【0038】
図1から
図12に示すように、本願の具体的な実施例に基づき、リチウムイオン電池を提供する。
【0039】
図12に示すように、リチウムイオン電池はカバープレートアセンブリ1及びセルアセンブリ2を含む。
図4に示すように、カバープレートアセンブリ1は極端子10及び極性接続部材19を含み、極端子10は極性接続部材19に接続され、
図11に示すように、セルアセンブリ2はセルタブアセンブリ200を有し、極端子10は極性接続部材19を介してセルタブアセンブリ200に接続され且つ導通する。極性接続部材19は極端子10と締まり嵌めされ、レーザ溶接を行い、接続の信頼性が高く、過電流特性が高く、電子の導通が容易である。
【0040】
一般的に、極性接続部材19の材質は導電性の金属材質であり、好ましくはアルミニウム又は銅である。極端子10及び極性接続部材19を設置し、且つ極端子10を、極性接続部材19を介してセルタブアセンブリ200に接続することにより導通させる。このように設置することにより極端子10とセルタブアセンブリ200との間のハード接続を実現し、リチウムイオン電池の負荷電流特性を効果的に向上させることができ、同時に電池構造の放熱能力を最適化し、リチウムイオン電池の接続信頼性を向上させる。
【0041】
図2及び
図3に示すように、リチウムイオン電池はさらにケース3及び支持部を含み、セルアセンブリ2及び極性接続部材19はケース3内に設置され、支持部はケース3内に設置され、支持部はセルアセンブリ2を支持するために用いられ、カバープレートアセンブリ1はケース3の開口部に設置され且つ支持部に接続される。支持部はセルアセンブリ2を固定して支持するために用いられ、セルアセンブリを位置決めし、同時にセルへの衝突を防止することができる。ケース3はセルアセンブリ2を保護するために用いられ、セルアセンブリ2が外部から押圧されることを防ぎ、セルアセンブリ2が水、油等に侵食されて安全上のリスクが生じるという問題を防ぐ。
【0042】
具体的には、
図7及び
図8を参照すると、極性接続部材19は極性プレートを含み、極性プレートに第1貫通孔190が開設され、極性プレートのセルアセンブリ2の側に第1突起192及び第1フランジ193が設置され、第1フランジ193のエッジに第1凹溝191が開設され、第1突起192は支持部に接続され、極端子10の一部はカバープレートアセンブリ1を貫通してケース3内に延伸し、第1貫通孔190を介して極性プレートと締まり嵌めされ、第1凹溝191の溝壁はセルタブアセンブリ200に接続される。第1凹溝191は2つ設置してもよく(
図7参照)、1つ設置してもよく(
図8参照)、第1凹溝191の溝壁はセルタブアセンブリ200に接続され、電池の充放電の正常な動作を保証することができる。
【0043】
図11に示すように、セルアセンブリ2はセル24を含み、セル24の表面にセルタブアセンブリ200が設置され、セルタブアセンブリ200は極性ラグ201と、接続プレート23と、ベースプレート22と、を含み、極性ラグ201は2つであり、2つの極性ラグ201を対向して設置することで位置決め空間を形成し、接続プレート23の一部は位置決め空間内に位置し、接続プレート23の一端は第1凹溝191内に延伸し且つ第1凹溝191の側壁に接続され、ベースプレート22は極性ラグ201の外表面に接続される。
【0044】
図11に示すセルの具体的な実施例において、セル24は2つであり、2つの単体セル24は並列に設置され、セルを並列に設置することにより電池容量を増大させ、内部抵抗を減少させ、給電時間を延長し、電池性能を向上させることができる。2つの極性ラグ201は共同で位置決め空間を形成し、接続プレート23を固定するために用いられ、それにより接続プレート23に位置ずれが発生せず、ベースプレート22は極性ラグ201の表面を覆い、保護作用を有し、レーザ溶接時にスラグの飛散を効果的に防止することができ、溶接の信頼性を向上させることに役立つ。接続プレート23の一端と第1凹溝191はレーザ溶接によって緊密に接続することができる。接続プレートは厚さ1-10mmの金属アルミニウム板又は銅板であり、セルのタブに接続され、ベースプレートは厚さ10~40umの薄板であり、好ましくはアルミニウム箔又は銅箔である。
【0045】
さらに、セルタブアセンブリ200は2つであり、極端子10は2つであり、極性接続部材19は2つであり、2つのセルタブアセンブリ200は2つの極性接続部材19と一対一で対応して設置され、2つの極性接続部材19は2つの極端子10と一対一で対応して設置され、ここで、2つのセルタブアセンブリ200のうちの1つは正極であり、もう1つは負極である。極端子10、極性接続部材19、セルタブアセンブリ200はいずれも2つであり、且つ一対一で対応して設置され、セルタブアセンブリ200のうちの1つは正極で1つは負極であり、電池の充放電の正常な動作を保証する。
【0046】
好ましくは、
図7及び
図8に示すように、カバープレートアセンブリ1はカバープレート17及び絶縁ホルダ18を含み、カバープレート17に少なくとも1つの第2貫通孔170が設置され、極端子10はカバープレート17の外表面の片側に位置し、極端子10の一部は第2貫通孔170を貫通して極性接続部材19に接続され、絶縁ホルダ18はカバープレート17に接続され、絶縁ホルダ18に第2貫通孔170と一対一で対応する第3貫通孔182が設置され、絶縁ホルダ18の端部は支持部に係止される。第2貫通孔170と第3貫通孔182は対応して設置され、極端子の一部を第2貫通孔170と第3貫通孔182にスムーズに貫通させることができる。カバープレート17は構造支持部材として用いられ、絶縁ホルダ18は絶縁、支持、密封の作用を有する。
【0047】
さらに、カバープレート17及び絶縁ホルダ18に第4貫通孔180が設置され、第4貫通孔180に防爆弁14及び保護ステッカー13が設置され、保護ステッカー13は防爆弁14の外表面の側に設置される。防爆弁14と保護ステッカー13を設置することにより、高温で内部ガスが膨張し、圧力が増大するなどの状況で電池が爆発するのを防止することができ、気圧の安全保護作用を有する。
【0048】
カバープレート17及び絶縁ホルダ18に第5貫通孔183が設置され、第5貫通孔183にシールプラグ16及びシールステッカー15が設置され、シールステッカー15はシールプラグ16の外表面の側に設置される。好ましくは、
図7及び
図8の実施例において、シールプラグ16と絶縁ホルダ18はナノ射出成形プロセスによって一体成形され、結合強度が高く、密封性が高い。シールプラグ16とシールステッカー15は注液孔を封止するために用いられ、電池の液もれを防止することができる。
【0049】
カバープレートアセンブリ1はさらに保護スリーブ11を含み、保護スリーブ11は極端子10に配置され、保護スリーブ11はカバープレート17の外表面の側に位置し、保護スリーブ11とカバープレート17との間にシールリング12が設置される。保護スリーブ11は極端子10に配置され、極端子が外部からの衝撃及び摩擦を受けることを防止し、シールリング12は保護スリーブ11とカバープレート17との間に設置され、隔離、位置決め、絶縁、支持の役割を有する。
【0050】
図1、
図2及び
図12を参照すると、支持部は固定フレーム25及び保護プレート21を含み、固定フレーム25は2つであり、2つの固定フレーム25は第1方向に沿って対向して設置且つ接続され、保護プレート21は2つであり、2つの保護プレート21は第2方向に沿って対向して設置され、且つ2つの保護プレート21はそれぞれ固定フレーム25の両側に位置し、2つの固定フレーム25及び2つの保護プレート21は、取り付け空間を囲んで形成し、セルアセンブリ2は取り付け空間内に位置し、セルアセンブリ2は2つのセルタブアセンブリ200を有し、2つのセルタブアセンブリ200はいずれも保護プレート21の側に向けて設置される。
【0051】
固定フレーム25と保護プレート21で形成された取り付け空間はセルアセンブリ2全体を取り囲み、セルアセンブリ2の移動を制限する。本実施例において、支持部はPPSという絶縁性材を選択し、誘電特性に優れ、耐熱性、耐電解液腐食性、難燃性に優れ、且つ一定の強度を有する。
図2に示すように、該リチウム電池は角形リチウムイオン電池であり、第1方向は角形リチウムイオン電池の厚み方向であってもよく、第2方向は角形リチウムイオン電池の幅方向であってもよい。
【0052】
2つの固定フレーム25のうちの1つにロックコラム251が設置され、もう1つの固定フレーム25にロックコラム251と嵌合する接続孔252が設置され、固定フレーム25の第1端にロックコラム251が設置され、固定フレーム25の第2端に接続孔252が設置される。好ましくは、
図9に示すように、固定フレーム25の上下に計2組のロックコラム251と接続孔252を有し、ロックコラム251と接続孔252は共同でロック構造を構成し、組み立て時にセルを固定してロックすることができる。
【0053】
具体的には、
図9及び
図10に示すように、固定フレーム25はプレート構造256を含み、プレート構造256の第1端の保護プレート21を向いた片側に第1U字型プレート257が設置され、プレート構造256の第2端の保護プレート21を向いた片側に第2U字型プレート258が設置され、第1U字型プレート257の開口側は第2U字型プレート258の開口側に対向して設置され、第1U字型プレート257及び第2U字型プレート258のうちの少なくとも1つの外表面に少なくとも1つの第2突起259が設置され、第2突起259はセルタブアセンブリ200の接続プレート23に当接する。第2突起259は位置決め構造として使用され、接続プレート23を位置決めし固定するために用いられる。
【0054】
ここで、プレート構造256の第1端の端部に少なくとも1つの第1位置決め溝254が設置され、極性接続部材19の第1突起192は第1位置決め溝254内に延伸する。
図9に示す実施例において、第1位置決め溝254は円弧状構造である。電池を組み立てる時、第1突起192は第1位置決め溝254内に延伸して、第1位置決め溝254の底部に接触し、極性接続部材19を位置決めし固定するために用いられる。
【0055】
好ましくは、第1U字型プレート257及び第2U字型プレート258のうちの少なくとも1つは中空構造を呈する。中空構造は電池の重量を軽減し、電池のエネルギー密度を向上させることができる。
【0056】
さらに、第2U字型プレート258の対向して設置される2枚の側板の外表面にいずれも第2位置決め溝2581が設置され、保護プレート21の一部は第2位置決め溝2581内に延伸する。第2位置決め溝2581を設置することにより、保護プレートと固定フレームを嵌合してセルアセンブリを位置決めし固定することができる。
【0057】
図5及び
図6に示すように、保護プレート21は保護プレート本体210を含み、保護プレート本体210の第1端の内表面は円弧状の面取り構造を呈し(
図6参照)、保護プレート本体210の第2端に第2フランジ214が設置され、第2フランジ214の長さ方向は保護プレート本体210の幅方向に沿って設置され、第2フランジ214の固定フレーム25を向いた側の表面に第3突起215が設置され、第3突起215は第2位置決め溝2581と嵌合して設置される。
【0058】
図6に示す保護プレートの実施例において、保護プレート本体210の第1端の内表面に円弧形の面取り構造が設置され、
図8に示すカバープレートアセンブリ1における絶縁ホルダ18のエッジに位置する突起構造と嵌合させ、係止して固定することができ、カバープレートアセンブリ1の左右位置決めを行い、且つ保護プレート21の上下移動を制限する。第2フランジ214は固定フレーム25の表面と固定接触し、第2フランジに設置された第3突起215を固定フレーム25の第2位置決め溝2581内で固定して、セルアセンブリを制限し、且つ保護プレート21を固定フレーム25と嵌合させ、係止して固定する。
【0059】
好ましくは、保護プレート21は中空構造を呈し、保護プレート21の固定フレーム25を向いた側の表面に第1位置決めコラム211及び第2位置決めコラム212が設置され、第1位置決めコラム211及び第2位置決めコラム212は対向して設置され、第1位置決めコラム211及び第2位置決めコラム212は固定フレーム25に当接する。
図5及び
図6に示すように、第1位置決めコラム211及び第2位置決めコラム212はそれぞれ保護プレート21の左右両端に位置し、固定フレーム25の内表面と固定され位置決めを行う。
【0060】
シールリングと絶縁ホルダの材質は絶縁材料を選択し、絶縁作用を果たす。本実施例において、シールリング12及び絶縁ホルダ18のうちの少なくとも1つはPFA材で製造され、実際の応用においては、実際の状況に応じてPP、PPS、PFA、PET等の絶縁材を選択してもよい。
【0061】
上記実施例におけるリチウムイオン電池はさらに車両装置の技術分野に用いることができ、すなわち本発明に係る別の実施例は、リチウムイオン電池を含む電気自動車を提供し、リチウムイオン電池は上記実施例におけるリチウムイオン電池である。
【0062】
上記実施例において、リチウムイオン電池はカバープレートアセンブリ、セルアセンブリ、支持部及びケースを含む。カバープレートアセンブリはハード接続構造を導入し、セルタブアセンブリを接続するために用いられ、支持部は固定フレーム及び保護プレートを含み、カバープレートアセンブリとの嵌合固定により、セルアセンブリに対して位置決め、固定、支持、衝突防止を行い、同時に電解液の浸潤及び浸透に役立ち、セルアセンブリはセル、接続プレート、ベースプレートから構成され、電池の内部空間を増大させ、有効空間の利用率を向上させて、電池の放熱能力を効果的に改善する。カバープレートアセンブリ、セルアセンブリ及び支持部の構造を改善することにより、電池の構造部材の放熱能力及び過電流特性を強化し、溶接の信頼性を向上させ、電池のレート特性の向上に有利であり、電池の生産効率を向上させ、量産に適する。
【0063】
本願の1つの実施例において、該リチウムイオン電池はチタン酸リチウム角形電池であり、リチウムイオン電池はカバープレートアセンブリ1、ケース3、セルアセンブリ2、支持部を含む。カバープレートアセンブリ1とケース3はレーザ溶接によって密閉されたキャビティを形成し、セルアセンブリ2はキャビティの内部に位置する。セルアセンブリ2は2つの単体セル24と、セルタブアセンブリ200と、を含み、2つの単体セル24は並列接続される。セルタブアセンブリは接続プレート23と、ベースプレート22と、極性ラグ201と、を含み、接続プレート23はカバープレートアセンブリ1における極性接続部材19にレーザ溶接で接続され、支持部はセル24を固定して支持するために用いられ、セル24を位置決めし、同時にセル24への衝突を防止することができる。
【0064】
本実施例において、カバープレートアセンブリ1は極性端子部材、シールリング12、絶縁ホルダ18、防爆弁14、保護ステッカー13、シールプラグ16及びシールステッカー15で構成される。ここで、極性端子部材は正負極端子10、極端子保護スリーブ11、正負極性接続部材19を含み、極性接続部材19はハード接続部材であり、極性ラグ201と直接又は間接的に接続される。極性接続部材19は正負極端子10と締まり嵌めされ、レーザ溶接を行い、接続の信頼性が高く、過電流特性が高く、電子の導通が容易であり、材質は導電性の金属アルミニウムである。絶縁ホルダ18の両側にエッジ突起構造を有し、極性接続部材19は第1凹溝191と第1突起192を有し、エッジ突起構造、第1凹溝191及び第1突起192は固定し位置決めする役割を有する。カバープレートアセンブリ1を組み立てる時、シールリング12と絶縁ホルダ18はナノ射出成形プロセスによって一体成形され、結合強度が高く、密封性が高く、シールリング12と絶縁ホルダ18の材質はPFA材である。
【0065】
セルタブアセンブリ200は極性ラグ201、接続プレート23及びベースプレート22を含み、接続プレート23及びベースプレート22は共同でハード接続を構成する。接続プレート23は厚さ0.35mmの金属アルミニウム板であり、極性ラグ201に接続され、ベースプレート22は厚さ20umのアルミニウム箔であり、レーザ溶接時にスラグが飛散することを防止して、レーザ溶接の信頼性を向上させることに役立つ。セルアセンブリを取り付ける時、機器を利用するか又は手作業でセルの同じ極性の極性ラグ201を均等に2つの部分に分けて90度折り曲げ、それを接続プレート23の表面と接触させ、電池内部の空間を増大させ、有効空間の利用率を向上させ、無駄な空間をなくして、同時に電池の放熱能力を改善し、電池性能を向上させることができる。
【0066】
ベースプレート22を極性ラグ201の上面に覆い、治具機器を利用して接続プレート23、極性ラグ201、ベースプレート22を締め付ける。レーザ溶接を行い、接続プレート23、極性ラグ201、ベースプレート22を締め付ける。ここで、接続プレート23はカバープレートアセンブリ1における極性接続部材19の第1凹溝191にレーザ溶接されてそれと緊密に接続される。
【0067】
支持部は1組の固定フレーム25と1対の左右保護プレート21で構成される。固定フレーム25と保護プレート21はセルアセンブリ2を囲む。固定フレーム25はロック構造及び位置決め構造を有する。ロック構造はロックコラム251及び対応する接続孔252で構成される。上下計2対のロック構造によって固定及びロックを行う。電池を組み立てる時、セルアセンブリ2は中間に位置し、1組の固定フレーム25はセルアセンブリ2を固定してロックし且つ完全に包み込み、上下2対のロックコラム251及び接続孔252をロックして固定する。
【0068】
位置決め構造は第2突起259であり、接続プレート23を位置決めするために用いられる。固定フレーム25の下端面は複数本のストライプ状の補強リブ構造を有し、強度を増加させる。固定フレーム25の上端面に、円弧状溝として設置される第1位置決め溝254を有する。電池を組み立てる時、カバープレートアセンブリ1における極性接続部材19の第2突起259は、固定フレーム25の第1位置決め溝254の底部に接触し、極性接続部材19を位置決めして固定するために用いられ、上端面はカバープレートアセンブリ1と嵌合し、カバープレートアセンブリ1における絶縁ホルダ18に対しても固定支持の役割を有する。
【0069】
保護プレート21の左右両側は第1位置決めコラム211と第2位置決めコラム212を有し、上端部は円弧状の面取り形状を呈し、下端面は第2フランジ214及び第3突起215を有し、その本体表面は中空構造を呈し、重量を軽減し、電池のエネルギー密度を向上させることができる。保護プレート21の左右両側の第1位置決めコラム211、第2位置決めコラム212は固定フレーム25の内表面と固定されて位置決めを行い、保護プレート21の上端部の円弧状の面取り形状はカバープレートアセンブリ1における絶縁ホルダ18のエッジ突起構造と係止して固定することができ、保護プレート21の下端面の第2フランジ214は固定フレーム25の表面に接触して固定され、保護プレート21の下端面の第3突起215を固定フレーム25の第2位置決め溝2581内に固定させる。ここで、支持部はPPSという絶縁材であり、誘電特性に優れ、耐熱性、耐電解液腐食性、難燃性に優れ、且つ一定の強度を有する。
【0070】
さらに、カバープレートアセンブリの極性接続部材19はセルアセンブリ2における固定フレーム25の上端部の第1位置決め溝254に係止して固定され、カバープレートアセンブリ1における絶縁ホルダ18のエッジ突起構造はセルアセンブリ2における保護プレート21の上端部の円弧状面取り形状構造と接触し係止して固定され、保護プレート21の上下移動を制限する。
【0071】
本実施例は、技術的解決手段に極性ハード接続の構造設計を導入して、カバープレートアセンブリの構造を最適化し、電池の支持部の構造を改善することにより、従来技術における溶接の信頼性が低く、生産効率が低く、電池のレート特性が低い等の好ましくない現象を防ぎ、構造部材の放熱能力及び過電流特性を改善し、溶接の信頼性を向上させ、レート特性の向上に役立つ。同時に、該角形電池は生産効率が高く、量産に適する。
【0072】
なお、上記に加えて、本明細書で言及される「一実施形態」、「別の実施形態」、「実施形態」などは、この実施形態に説明される具体的な特徴、構造又は特徴を参照しながら、本出願で一般的に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれることである。本明細書には同じ表現が複数個所あるが、同実施例に限定されていない。さらに、任意の一実施形態を参照しながら具体的な特徴、構造又は特徴を説明する場合、他の実施形態を加味してその特徴、構造又は特徴を実現することは、本発明の範囲内であることを主張する。
【0073】
上記実施例において、各実施例に対する説明はいずれもある方面に重点が置かれており、ある実施例において詳述されていない部分は、他の実施例の関連説明を参照することができる。
【0074】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、当業者にとって、本発明は様々な修正及び変更が可能である。本発明の主旨及び原則の範囲内でなされる任意の修正、等価置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0075】
1、カバープレートアセンブリ;2、セルアセンブリ;3、ケース;10、極端子;11、保護スリーブ;12、シールリング;
13、保護ステッカー;14、防爆弁;15、シールステッカー;16、シールプラグ;17、カバープレート;18、絶縁ホルダ;19、極性接続部材;
21、保護プレート;22、ベースプレート;23、接続プレート;24、セル;25、固定フレーム;
170、第2貫通孔;182、第3貫通孔;180、第4貫通孔;183、第5貫通孔;190、第1貫通孔;191、第1凹溝;192、第1突起;193、第1フランジ;
200、セルタブアセンブリ;201、極性ラグ;
210、保護プレート本体;211、第1位置決めコラム;212、第2位置決めコラム;214、第2フランジ;215、第3突起;
251、ロックコラム;252、接続孔;254、第1位置決め溝;256、プレート構造;257、第1U字型プレート;258、第2U字型プレート;259、第2突起;2581、第2位置決め溝。