(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】ホワイトバランスを遂行する映像獲得装置、及びそれを含む電子装置、ならびに映像獲得装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/88 20230101AFI20240614BHJP
H04N 25/10 20230101ALI20240614BHJP
【FI】
H04N23/88
H04N25/10
(21)【出願番号】P 2022138966
(22)【出願日】2022-09-01
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】10-2021-0128352
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム ウ-シク
(72)【発明者】
【氏名】リュ インファ
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-303400(JP,A)
【文献】特開2001-311666(JP,A)
【文献】特開2014-116710(JP,A)
【文献】国際公開第2013/099644(WO,A1)
【文献】特開2009-296102(JP,A)
【文献】特開2008-275582(JP,A)
【文献】特開2009-260411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/00-23/959
H04N 25/00-25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の映像を獲得するイメージセンサと、
周辺の環境によって基底を獲得し、前記獲得された基底を利用し、照明情報を推定し、前記推定された照明情報を反映させ、前記映像に係わる色変換を行うプロセッサと、を含む、映像獲得装置。
【請求項2】
周辺の環境情報をセンシングする少なくとも1つのセンサをさらに含み、
前記プロセッサは、
前記少なくとも1つのセンサから獲得された環境情報を基に、事前に保存された複数の基底集合から前記基底を選択する、請求項1に記載の映像獲得装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記イメージセンサから映像を獲得する前、周期的または非周期的に、前記少なくとも1つのセンサを介し、前記環境情報を獲得する、請求項2に記載の映像獲得装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサは、
GPSセンサ、IMUセンサ、バロメータ、磁力計、照度センサ、近接センサ、距離センサまたは3Dスキャナを含む、請求項2に記載の映像獲得装置。
【請求項5】
前記イメージセンサは、
多重波長帯域の映像をセンシングするマルチスペクトルイメージセンサである、請求項1に記載の映像獲得装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記イメージセンサから獲得された映像を分析し、前記分析された映像から、前記環境情報を抽出し、前記抽出された環境情報を基に、前記複数の基底集合から前記基底を選択する、請求項2に記載の映像獲得装置。
【請求項7】
波長による照明及び反射率を定義した複数の基底集合を保存する保存部をさらに含み、
前記
プロセッサは、
前記保存された複数の基底集合のうち、前記獲得された環境情報にマッチングされる基底集合を選択する、請求項2に記載の映像獲得装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記獲得された映像について前記選択された基底集合を利用し、スペクトル分解を行うことにより、前記照明情報を推定する、請求項7に記載の映像獲得装置。
【請求項9】
前記イメージセンサは、
第1波長帯域の
第1映像を獲得する第1イメージセンサと、
第2波長帯域の
第2映像を獲得する第2イメージセンサと、を含む、請求項1に記載の映像獲得装置。
【請求項10】
前記第1イメージセンサは、
複数の第1センシング要素がアレイされた第1センサ層と
前記第1センサ層上に配され、交互に配列された赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタを含むカラーフィルタを具備する第1画素アレイと、を含み、
前記第2イメージセンサは、
複数の第2センシング要素がアレイされた第2センサ層と
前記第2センサ層上に配され、透過波長帯域が他の複数のユニットフィルタによってなるフィルタグループが反復配列された分光フィルタを具備する第2画素アレイと、を含む、請求項9に記載の映像獲得装置。
【請求項11】
前記複数のユニットフィルタそれぞれの透過波長帯域は、
可視光線を含み、該可視光線より広い範囲の波長帯域に含まれ、
前記フィルタグループは、4×4アレイ形態に配列される16個のユニットフィルタを含む、請求項10に記載の映像獲得装置。
【請求項12】
前記第1画素アレイと前記第2画素アレイは、同じ回路基板上に水平に離隔されるように配される、請求項10に記載の映像獲得装置。
【請求項13】
前記第1センサ層からの信号を処理する第1回路要素と、前記第2センサ層からの信号を処理する第2回路要素とが、前記回路基板に具備される、請求項12に記載の映像獲得装置。
【請求項14】
前記第1回路要素、前記第2回路要素の動作を同期させるタイミングコントローラをさらに含む、請求項13に記載の映像獲得装置。
【請求項15】
前記第1映像に係わるデータを保存する第1メモリと、
前記第2映像に係わるデータを保存する第2メモリと、をさらに含む、請求項12に記載の映像獲得装置。
【請求項16】
前記第1メモリ及び前記第2メモリが、前記回路基板内に具備される、請求項15に記載の映像獲得装置。
【請求項17】
被写体の光学像を前記第1イメージセンサに形成するものであり、1以上のレンズを含む第1イメージング光学系と、
前記被写体の光学像を前記第2イメージセンサに形成するものであり、1以上のレンズを含む第2イメージング光学系と、をさらに含む、請求項9に記載の映像獲得装置。
【請求項18】
前記第1イメージング光学系と前記第2イメージング光学系は、同じ焦点距離と、同じ画角とを有するように設定される、請求項17に記載の映像獲得装置。
【請求項19】
請求項1ないし18のうちいずれか1項に記載の映像獲得装置を含む、電子装置。
【請求項20】
映像獲得装置の制御方法であって、
所定の映像を獲得する段階と、
周辺の環境によって基底を獲得する段階と、
前記獲得された基底を利用し、照明情報を推定する段階と、
前記推定された照明情報を反映させ、前記映像に係わる色変換を行う段階と、を含む、映像獲得装置の制御方法。
【請求項21】
前記基底は、
前記照明情報を推定するのに使用されるデータセットである、請求項1に記載の映像獲得装置。
【請求項22】
前記周辺の環境は、
前記
映像獲得装置が提供された環境である、請求項21に記載の映像獲得装置。
【請求項23】
映像獲得装置であって、
映像を獲得するイメージセンサと、
前記映像獲得装置の周辺環境の環境情報を獲得するセンサと、
プロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
前記獲得された環境情報を基に、多数の事前に保存された基底セットから基底を選択し、
前記獲得された基底を基に、照明スペクトル情報を推定し、
前記推定された照明スペクトル情報を基に、前記映像に係わる色変換を行う、映像獲得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホワイトバランスを遂行する映像獲得装置、及びそれを含む電子装置、ならびに映像獲得装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映像センサは、被写体から入射される光を受光し、受光した光を光電変換し、電気的信号を生成する装置である。
【0003】
該映像センサは、カラー表現のために、通常、赤色光、緑色光、青色光を選択的に透過させるフィルタ要素のアレイによってなるカラーフィルタを使用し、各フィルタ要素を透過した光の量をセンシングした後、映像処理を介し、被写体に係わるカラー映像を形成する。
【0004】
該映像センサを介してセンシングされた値は、照明によって影響を受けるために、カメラに撮影された映像のカラーも、照明によって影響を受けることになる。そのような影響をなくし、できる限り物体固有の色を撮影するようにする技術をホワイトバランスと言う。
【0005】
従来のホワイトバランス技術は、RGB映像を撮影した後、その映像内の情報を分析することで、ホワイトバランスを遂行する。そのような方法は、映像のR,G,Bチャンネル別に平均値が同一であると仮定する灰色仮説(gray world assumption)を必要とし、またはその他の制約事項を必要とするために、そのような制約事項を満たさない状況においては、正しく作用しないのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ホワイトバランスを遂行する映像獲得装置、及びそれを含む電子装置、ならびに映像獲得装置の制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態による映像獲得装置は、所定の映像を獲得するイメージセンサと、周辺の環境により、基底(basis)を獲得し、前記獲得された基底を利用して照明情報を推定し、前記推定された照明情報を反映させ、前記映像に係わる色変換を行うプロセッサと、を含む。
【0008】
他の実施形態による映像獲得装置の制御方法は、所定の映像を獲得する段階と、周辺の環境によって基底を獲得する段階と、前記獲得された基底を利用して照明情報を推定する段階と、前記推定された照明情報を反映させ、前記映像に係わる色変換を行う段階と、を含む。
【0009】
さらに他の実施形態による、前記映像獲得装置を含む電子装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
多様な状況においても、正確に照明を推定し、正確なホワイトバランスを遂行し、色恒常性を維持することができ、かつ多様な電子装置に採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態による映像獲得装置の概略的な構造を示すブロック図である。
【
図2】
図1に図示されたプロセッサの詳細ブロック図である。
【
図3】他の実施形態による映像獲得装置の詳細ブロック図である。
【
図4A】基底(basis)集合について説明するための例示図である。
【
図4B】基底(basis)集合について説明するための例示図である。
【
図5】
図3に図示された映像獲得装置の概略的な構造を示す概念図である。
【
図6】
図3に図示された映像獲得装置に具備される第1イメージセンサ、第2イメージセンサの回路構成を図示した図である。
【
図7】一実施形態による映像獲得装置に具備される第1イメージセンサによる波長スペクトルを図示した図である。
【
図8A】一実施形態による映像獲得装置に具備される第1イメージセンサの例示的な画素配列を図示した図である。
【
図8B】一実施形態による映像獲得装置に具備される第1イメージセンサの例示的な画素配列を図示した図である。
【
図8C】一実施形態による映像獲得装置に具備される第1イメージセンサの例示的な画素配列を図示した図である。
【
図9】一実施形態による映像獲得装置に具備される第2イメージセンサによる波長スペクトルを図示した図である。
【
図10A】一実施形態による映像獲得装置に具備される第2イメージセンサの例示的な画素配列を図示した図である。
【
図10B】一実施形態による映像獲得装置に具備される第2イメージセンサの例示的な画素配列を図示した図である。
【
図10C】一実施形態による映像獲得装置に具備される第2イメージセンサの例示的な画素配列を図示した図である。
【
図11】他の実施形態による、映像獲得装置の制御方法について概略的に説明するフローチャートである。
【
図12】一実施形態による電子装置の概略的な構造を示すブロック図である。
【
図13】
図12の電子装置に具備されるカメラモジュールを概略的に図示したブロック図である。
【
図14】一実施形態による映像獲得装置が適用された電子装置の多様な例を示す図である。
【
図15】一実施形態による映像獲得装置が適用された電子装置の多様な例を示す図である。
【
図16】一実施形態による映像獲得装置が適用された電子装置の多様な例を示す図である。
【
図17】一実施形態による映像獲得装置が適用された電子装置の多様な例を示す図である。
【
図18】一実施形態による映像獲得装置が適用された電子装置の多様な例を示す図である。
【
図19】一実施形態による映像獲得装置が適用された電子装置の多様な例を示す図である。
【
図20】一実施形態による映像獲得装置が適用された電子装置の多様な例を示す図である。
【
図21】一実施形態による映像獲得装置が適用された電子装置の多様な例を示す図である。
【
図22】一実施形態による映像獲得装置が適用された電子装置の多様な例を示す図である。
【
図23】一実施形態による映像獲得装置が適用された電子装置の多様な例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照し、本実施例について詳細に説明する。説明される実施例は、単に例示的なものに過ぎず、そのような実施形態から、多様な変形が可能である。以下の図面において、同一参照符号は、同一構成要素を称し、図面上において、各構成要素の大きさは、説明の明瞭さと便宜さとのために、誇張されてもいる。
【0013】
以下において、「上部」や「上」と記載されたところは、接触して真上にあるものだけではなく、非接触で上にあるものも含むものでもある。
【0014】
第1、第2のような用語は、多様な構成要素についての説明に使用されうるが、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。そのような用語は、構成要素の物質または構造がことなるということを限定するものではない。
【0015】
単数の表現は、文脈上、明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むものでもあるということを意味する。
【0016】
また、明細書に記載された「… 部」、「モジュール」のような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それらは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェとアの結合によっても具現される。
【0017】
「前記」の用語、及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数のいずれにも該当しうる。
【0018】
方法を構成する段階は、説明された順に遂行されなければならないという明白な言及がなければ、適切な順序によっても遂行される。また、全ての例示的な用語(例:など)の使用は、単に技術的思想について詳細に説明するためのものであり、請求項によって限定されない以上、そのような用語により、権利範囲が限定されるものではない。
【0019】
一般的に、カメラでセンシングされる値は、下記数式1のように、照明、物体の色相、そしてカメラ反応の積としても示される。
【0020】
【0021】
一般的なホワイトバランスまたはオートホワイトバランス(AWB)は、大きく見て、2つの方法を利用することができる。一つは、照明スペクトルを直接推定することであり、他の一つは、照明と関連があるパラメータを推定することである。前者の場合、Maloneyらが考案した方法を例として挙げることができる。後者の場合、色が等しく分布された場面において、全ての場面の色相の平均は、無彩色という仮定を利用したグレイワールドアルゴリズムを例として挙げることができる。次に、推定された照明情報を利用し、イメージが属した場面全体が、規範的照明下に置かれたように見えるように、各ピクセルの強度(intensity)に乗じるkxn行列Tを計算する。ここで、kは、チャネル数であり、nは、ピクセル数である。Tを、イメージの全てのピクセルに乗じることにより、各ピクセルが、k-tupleによってなるホワイトバランスが適用された補正されたイメージを得ることができる。
【0022】
該ホワイトバランスを遂行するグレイワールド、Max-RGBのような従来方法は、場面に、全ての波長帯域の色が全て等しく分布しない場合、補正結果が、規範的照明下内になく、色を帯びる照明下にあるような結果物を出しうる。一実施形態において、そのような従来方法の短所をマルチスペクトル光センサ(multispectral sensor)が有する高い色相分解能を利用し、照明のスペクトル自体を推定することにより、解決することができる。
【0023】
一実施形態において、実際と近く、照明スペクトルを比較的小さい波長単位ドメイン、例えば、5nm以下において推定し、推定した値から、色相補正のためのベクトルを推定する。照明スペクトルを推定する代表的なアルゴリズムは、Maloneyの1986年論文に開示されている。
【0024】
照明スペクトルを推定して使用するホワイトバランスにも、次のような問題点がある。照明スペクトルを推定するとき、知られた照明のスペクトルから、主成分分析(PCA:Principle Component Analysis)を行い、求められた基底(basis)を使用する。そのような基底の線形組み合わせが、照明の実際スペクトルを構成するという仮定を基にしている。例えば、日中の太陽光スペクトルに最も近い輻射スペクトルを有する黒体の温度である6500Kに近似するD65照明が含まれるD系照明(D illuminant series)の場合、
図4Aに図示されているような3つの基底201ないし203の線形組み合わせにより、雲や霧がかかったりするというような多様な影響によって生じうる太陽光スペクトルの変形に近似するというということが公知である。
【0025】
また、太陽光以外の人工照明などの場合、発光のために塗っておいた蛍光物質の特性により、スペクトルに高いピークを含む場合がある。そのようなF系照明のような人工照明を含んで基底を算出すれば、当該ピークの影響により、太陽光のような、緩慢であり、比較的平坦な照明スペクトルを推定する場合、
図4Bに図示されているように、基底の組み合わせ204ないし206において、存在してはならないピーク値を含む場合がある。
【0026】
本実施形態においては、そのような現象を防止するために、周辺状況により、適切な基底集合を選定し、選定された基底集合においてのみ、照明スペクトルを推定することにより、正確に照明スペクトルを推定することができる。
【0027】
図1を参照すれば、映像獲得装置は、イメージセンサ10、センサ20、プロセッサ500及び保存部600を含む。一実施形態による映像獲得装置は、周辺環境によって基底を獲得し、該基底を利用して照明情報を推定し、推定された照明情報を反映させ、映像に係わる色変換(color conversion)を行う。一実施形態による映像獲得装置は、従来のグレイワールドアルゴリズムを利用せず、照明スペクトルを直接推定する方法を利用し、ホワイトバランスを遂行する。また、周辺状況により、適切な基底集合を選定し、選定された基底集合においてのみ、照明スペクトルを推定することにより、正確に照明推定(illumination estimation)を行うことができる。
【0028】
イメージセンサ10は、所定の映像を獲得する。イメージセンサ10は、多重波長帯域の映像をセンシングするマルチスペクトル(multispectral)センサでもある。イメージセンサ10は、複数個であってもよく、1つのRGBセンサであってもよく、他の1つのマルチスペクトルイメージ(MSI)センサであってもよい。複数個のイメージセンサの構成に関しては、
図3などを参照して後述する。
【0029】
センサ20は、映像獲得装置の周辺の環境情報をセンシングする。ここで、センサ20は、複数個であってもよく、GPS、IMU、バロメータ(barometer)、磁力計(magnetometer)のような位置及び姿勢に関連するセンサを含むものであってもよい。また、センサ20は、照度センサ、近接センサ、距離センサ、3Dスキャナなどであってもよい。
【0030】
センサ20は、イメージセンサ10を介して映像を獲得する前、周辺環境情報をセンシングすることができる。例えば、映像を撮影していないとき、センサ20によるセンシングは周期的または非周期的に遂行され、環境情報または変数、その変化を追跡することもできる。
【0031】
プロセッサ500は、イメージセンサ10及びセンサ20の映像獲得動作、センシング動作を制御する。プロセッサ500は、センサ20から、周辺の環境情報を獲得する。プロセッサ500は、複数の基底集合のうち、獲得された環境情報を基に、適切な基底集合を選択する。プロセッサ500は、選択した基底集合を利用して照明情報を推定し、推定された照明情報を反映させ、イメージセンサ10から獲得された映像に係わる色変換を行う。
【0032】
また、プロセッサ500は、イメージセンサ10から獲得された映像に係わる映像処理を行うことができる。例えば、プロセッサ500は、bad pixel correction、fixed pattern noise correction、crosstalk reduction、remosaicing、demosaicing、false color reduction、denoising、chromatic aberration correctionなどを遂行することができる。ここで、プロセッサ500が映像処理を行うと説明されるが、それに限定されるものではなく、別途のISP(ISP:image signal processor)を介して映像処理を行うことができるということは、言うまでもない。
【0033】
保存部600は、照明及び反射率を示すのに適する特定基底を保存している。該照明と該反射率を示す基底は、それぞれに特化された互いに異なる基底でもある。または、一般的な信号を示すための共通する基底を共に使用することができる。保存部600に保存された基底は、スペクトルに係わる基底関数値をサンプリングして保存されうる。または、算術演算を介し、基底関数を生成することができる。例えば、フーリエ変換(Fourier Transform)、DCT(Discrete Cosine Transform)、ウェーブレット変換(Wavelet Transform)などに使用される基底関数を決定して使用することができる。
【0034】
環境に係わる基底集合の対応関係は、事前に指定されうる。例えば、室内環境及び室外環境、近接撮影及び遠距離撮影、複雑な場面、及び単色を主とする場面のようなさまざまな環境について区分し、それぞれ最適の基底集合を定義して保存した後、それぞれの環境に該当する基底集合を読み取って使用することもできる。
【0035】
一実施形態において、該基底集合は、機械学習を介して指定することもできる。例えば、該機械学習方法は、SNN(shallow neural network)を利用することができる。入力を推定された環境ラベルとして、出力を、主成分分析を利用して算出した各基底集合に係わるラベルとして置くニューラルネットワーク(神経網)を設定し、事前に求めておいた(環境ラベル、基底ラベルリスト)の順序対集合として学習させることができる。このとき、出力は、(0,1,1,0,…,0)のようなタプル(tuple)を使用し、特定番目の基底が使用されるかということを、0、1で区別して表現することにより、一対多の対応関係に係わる考慮をネットワークに含むものでもある。そのようなニューラルネットワーク(神経網)に、映像獲得装置の撮影時点環境ラベルを入力にし、1回フォワーディングを行えば、当該文脈の照明推定に必要な基底の集合を推定することができる。
【0036】
一実施形態において、環境に係わる基底集合を決定するとき、該照明と該反射率との基底集合をそれぞれ決定することができる。または、環境につき、照明に係わる基底集合を決定し、反射率に係わる基底集合は、事前に定義された固定された値を使用することもできる。
【0037】
プロセッサ500は、獲得された映像につき、環境情報を考慮して選択された基底または基底集合を使用し、スペクトル分解(spectral decomposition)を介して照明スペクトルを推定する。推定された照明スペクトルから、ホワイトバランスに必要な変換を作り、該変換を使用し、撮影された映像の各画素値を変換する。このとき、該変換は、照明スペクトルから、照明を示すRGBベクトルを生成した後、各画素のR,G,B値を該値で除し、ホワイトバランスを遂行することもできる。または、照明スペクトルから、RGB変換のためのマトリックスを生成し、線形変換を介し、ホワイトバランスを遂行することもできる。または、照明スペクトルを使用し、RGB値を変換するニューラルネットワークのような非線形変換方法を使用することもできる。
【0038】
図2は、
図1に図示されたプロセッサ500の詳細ブロック図である。
【0039】
図2を参照すれば、プロセッサ500は、映像処理部510、環境決定部520、基底生成部530、照明推定部540及び色相変換部550を含む。
【0040】
映像処理部510は、イメージセンサ10から獲得された映像に係わる映像処理を行う。例えば、該映像処理は、bad pixel correction、fixed pattern noise reduction、demosaicing、denoisingなどを含むものでもある。
【0041】
環境決定部520は、最適の基底集合を決定するために使用する環境パラメータを決定する。そのために、映像獲得装置のイメージセンサ10またはセンサ20を含む多様なセンサは、撮影前、周辺環境データを取得する。ここで、該多様なセンサは、RGBイメージセンサ、マルチスペクトルイメージ(MSI:multispectral image)センサを含むものでもある。該多様なセンサは、GPS、IMU、バロメータ、磁力計などの位置及び姿勢に関連するセンサを含んでもよい。また、照度センサ、近接センサ、距離センサ、3Dスキャナのようなセンサを含んでもよい。また。該センサは、映像を撮影していないとき、事前に、周期的あるいは非周期的に遂行され、環境変数及びその変化を追跡することもできる。
【0042】
環境決定部520は、イメージセンサ10またはセンサ20から提供された環境情報から、現在映像獲得装置がいかなる環境下にあるかということが含まれている環境情報を把握する。把握された環境情報は、事前に定義された環境パラメータ値によっても示される。該環境情報または該環境パラメータは、撮影場所が室内であるか、あるいは室外であるかということを区分して示すことができる。または、該環境情報または該環境パラメータは、室内照明環境において、特定帯域のLED照明を使用するか否かということを分別して示すことができる。また、該環境情報または該環境パラメータは、照度情報を含むものでもある。また、被写体との距離情報を含むものでもある。また、該環境情報または該環境パラメータは、画角内の被写体構成に係わる情報を含むものでもある。また、該環境情報または該環境パラメータは、ユーザの位置及び姿勢の情報を含むものでもある。
【0043】
他の実施形態において、環境決定部520は、撮影された映像を分析し、環境パラメータを算出することができる。撮影された映像は、RGBイメージセンサまたはマルチスペクトルイメージ(MSI)センサで撮影した映像でもあり、または2つの映像をいずれも使用することもできる。
【0044】
基底生成部530は、環境決定部520から提供された環境情報または環境パラメータから、適切な基底を生成する。基底生成部530は、事前に、照明及び反射率を示すのに適する特定基底をそれぞれ生成した後、保存部600に保存しておくことができる。次に、保存部600から、事前に定義された値が読み取られて使用されることができる。このとき、該照明と該反射率とを示す基底は、それぞれに特化された互いに異なる基底でもある。または、一般的な信号を示すための共通する基底を共に使用することができる。保存された基底は、スペクトルに係わる基底関数値をサンプリングして保存されうる。または、算術演算を介し、基底関数が生成されることができる。
【0045】
環境に係わる基底集合の対応関係は、事前に指定されうる。例えば、室内環境及び室外環境、近接撮影及び遠距離撮影、複雑な場面と、単色を主とする場面のようなさまざまな環境について区分し、それぞれ最適の基底集合を定義して保存した後、それぞれの環境に該当する基底集合を読み取って使用することができる。また、機械学習を介しても指定される。使用可能な機械学習方法の一例として、shallow networkを有することができる。入力は、決定された環境ラベルとして設定され、出力は、主成分分析を利用して算出された各基底集合に係わるラベルとして設定され、事前に求めておいた環境ラベル、基底ラベルリストの順序対集合でもって学習させることができる。このとき、該出力は、(0,1,1,0、…,0)のようなタプルを使用し、特定番目の基底が使用されるということを、0、1で区別して表現することにより、一対多の対応関係に係わる考慮をネットワークに含むものでもある。そのようなニューラルネットワーク(神経網)に、映像獲得装置の撮影時点環境ラベルを入力し、1回フォワーディングを行えば、当該状況(context)の照明推定に必要な基底の集合を推定することができる。
【0046】
環境に係わる基底集合を決定するとき、照明と反射率との基底集合をそれぞれ決定することができる。または、該環境につき、照明に係わる基底集合を決定し、該反射率に係わる基底集合は、事前に定義された固定された値を使用することができる。
照明推定部540は、イメージセンサ10を介して入力された映像につき、基底生成部530で生成された基底を利用し、スペクトル分解を介して照明スペクトルを推定する。
【0047】
映像から、複数のチャネルによってなるスペクトル情報を使用し、照明推定を行う。そのために、照明と客体との表面反射は、スペクトル分解を介し、照明Eは、下記数式2で表され、物体の色相Sは、下記数式3で表されうる。
【0048】
【0049】
【0050】
それら二つの積が色相を示し、第2イメージセンサ200(
図3)を介してセンシングされた値は、下記数式4のようにも表される。
【0051】
【0052】
ここで、mとnは、それぞれ照明と物体色相とのスペクトルをスペクトル分解したときに使用された基底または基底ベクトル(basis vector)の数であり、xは、空間位置(spatial position)を示し、kは、センサの各チャネルインデックス(index)を示す。そのような線形方程式を、非線形最適化(non-linear optimization)技法などを使用して解を求め、照明のスペクトルを推定することができる。一実施形態において、基底生成部530で生成された基底、または基底の集合を、前記数式4のmとnとして使用することにより、環境変化を反映させ、正確に照明スペクトルを推定することができる。
【0053】
また、選択的に、照明推定部540は、ニューラルネットワークを使用し、照明推定を行うことができる。事前に定められた照明値に係わる獲得された映像を学習させ、ニューラルネットワークを構築し、照明推定を行う。学習された後には、ニューラルネットワークの入力として、獲得された映像を得て、出力として、照明値を得る。
【0054】
色相変換部550は、照明推定部540で推定された照明スペクトルから、ホワイトバランスに必要な変換を生成し、該変換を使用し、撮影された映像の各画素値を変換する。このとき、該変換は、照明スペクトルから、照明を示すRGBベクトルを生成した後、各画素のR,G,B値を該値で除し、ホワイトバランスを遂行することができる。または、照明スペクトルから、RGB変換のためのマトリックスを生成し、線形変換を介し、ホワイトバランスを遂行することができる。または、照明スペクトルを使用し、RGB値を変換するニューラルネットワークのような非線形変換方法を使用することができる。
【0055】
図3は、一実施形態による映像獲得装置の概略的な構造を示すブロック図である。
図3の実施形態は、
図1及び
図2に図示されたイメージセンサ10を、2つのイメージセンサ100及び200でもって具現し、第1イメージセンサ100は、RGBイメージセンサであり、第2イメージセンサ200は、マルチスペクトルイメージ(MSI)センサである場合である。一実施形態においては、照明スペクトルを推定するのに、マルチスペクトル光イメージセンサから獲得された映像データを利用し、
図2と同一の構成については、説明を省略する。
【0056】
図3を参照すれば、映像獲得装置は、第1イメージセンサ100、第2イメージセンサ200及びプロセッサ500を含む。一実施形態による映像獲得装置は、複数のイメージセンサを利用して撮影される映像ついて、ホワイトバランスを正確に遂行する。第1イメージセンサ100は、第1波長帯域の第1映像を獲得する。第2波長帯域は、第1波長帯域を含み、それよりさらに広くされうる。第2イメージセンサ200は、第2波長帯域の第2映像を獲得する。ここで、第1イメージセンサ100は、RGBイメージセンサであり、第2イメージセンサ200は、マルチスペクトルイメージ(MSI)センサでもある。該RGBイメージセンサは、Rチャネル、Gチャネル及びBチャネルを有する。該マルチスペクトルイメージ(MSI)センサは、RGBセンサよりさらに多数のチャネルを有することにより、さらに多くの波長帯域の光をセンシングする。
【0057】
プロセッサ500は、第1イメージセンサ100及び第2イメージセンサ200からそれぞれ出力された第1映像と第2映像とを整合(match)し、第2映像から推定された照明値を利用して整合された映像について色変換を行う。
【0058】
また、プロセッサ500は、第1映像を少なくとも1つの領域に分割し、第1映像の分割されたそれぞれの領域に対応する第2映像の領域別に、それぞれの照明値を推定し、第2映像の領域別に推定されたそれぞれの照明値を利用し、第1映像の分割されたそれぞれの領域について色変換を行うこともできる。
【0059】
また、プロセッサ500は、第2映像の領域別に推定されたそれぞれの照明値のうち、隣接した領域の照明値の差が、第1臨界値以上である場合、該差が、第1臨界値より小さいように、隣接した領域の照明値のうち、いずれか1つの照明値を調整することができる。その場合、プロセッサ500は、色変換を行ってから、隣接した領域の境界部分につき、後処理(post-processing)を行うこともできる。
【0060】
さらに
図3を参照すれば、該映像獲得装置は、第1波長帯域基盤の第1映像IM1を獲得する第1イメージセンサ100、第2波長帯域基盤の第2映像IM2を獲得する第2イメージセンサ200、及び第1映像IM1と第2映像IM2とを信号処理し、第3映像IM3を生成するプロセッサ500を含む。ここで、第3映像IM3は、第1イメージセンサ100から獲得された第1映像、または第1イメージセンサ100から獲得された第1映像と、第2イメージセンサ200から獲得された第2映像とを整合した映像につき、ホワイトバランスが遂行された映像である。
【0061】
第1イメージセンサ100は、一般的なRGBカメラに採用されるセンサであり、ベイヤーカラーフィルタアレイを使用するCMOS(complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサであってもよい。第1イメージセンサ100が獲得する第1映像IM1は、赤色,緑色,青色基盤のRGB映像であってもよい。
【0062】
第2イメージセンサ200は、第1イメージセンサ100よりさらに多種類の波長の光をセンシングするセンサである。第2イメージセンサ200は、例えば、16個のチャネルを使用することができ、または31個のチャネル、またはそれ以外の個数のチャネルを使用することができる。各チャネルの帯域幅は、R,G,B帯域よりさらに狭く設定され、全てのチャネルの帯域幅を合わせた全体帯域幅は、RGB帯域幅、すなわち、可視光線帯域幅を含み、それよりも広くされうる。例えば、約350nmないし1,000nmの帯域幅を有することができる。第2イメージセンサ200が獲得する第2映像IM2は、マルチスペクトル映像または超分光(hyperspectral)映像でもあり、RGB波長帯域より広い波長帯域、例えば、可視光線帯域を含み、それより広い波長帯域である紫外線ないし赤外線の波長帯域を16個以上のチャネルに分割した波長基盤の映像であってもよい。第2映像IM2は、第2イメージセンサ200の可用な全数チャネルを活用して取得された映像であってもよく、または、特定チャネルを選別して取得された映像であってもよい。第2映像IM2の空間解像度は、第1映像IM1の空間解像度よりも低いが、それに限定されない。
【0063】
一実施形態において、第1イメージセンサ100は、RGBセンサであり、第2イメージセンサ200は、マルチスペクトルイメージ(MSI)センサであってもよい。このとき、該RGBセンサは、CMOSイメージセンサであってもよい。該RGBセンサは、ベイヤーカラーフィルタアレイを使用し、R、G、Bを示すスペクトルをそれぞれセンシングした三種類チャネルの映像を生成することができる。また、他種類のカラーフィルタアレイを使用することができるということは、言うまでもない。該マルチスペクトルイメージ(MSI)センサは、RGBセンサとは異なる波長の光をセンシングして示す。該マルチスペクトルイメージ(MSI)センサは、チャネル数をさらに多く有することにより、さらに多種類の波長の光をセンシングすることを特徴とする。特定の例において、チャネル数は16個のチャネルを使用することができる。他の例として、31個のチャネルを使用することができる。各チャネルは、所望する帯域の光をセンシングするように光が透過する帯域及び透過量、そして帯域幅を調整することができる。全てのチャネルの帯域幅を合わせて構成される全体帯域幅は、既存のRGBセンサの帯域幅を含み、それよりさらに広くされ得る。該RGBセンサと該マルチスペクトルイメージ(MSI)センサのセンシングスペクトルまたは波長帯域は、
図7ないし
図10を参照して後述する。
【0064】
第1イメージセンサ100と第2イメージセンサ200は、それぞれ別個のチップによって構成され、または単一チップによって構成されうる。
【0065】
一実施形態において、異種センサ間において、互いに異なる解像度及び出力速度、そして映像整合に必要な領域の大きさにより、タイミング制御(timing control)を行うことができる。例えば、RGBセンサを基準に動作するとき、1つのRGB映像列を読み取るとき、その領域に該当するマルチスペクトルイメージ(MSI)センサの映像列は、すでにバッファに保存されてもおり、新たに読み取らなければなければならないものでもある。そのようなタイミングを計算してセンシングされた信号をリードアウト(readout)することができる。または、2つのセンサの動作は、同じ同期化(synchronization)信号を使用して同期されてもよい。そして、2つのセンサが、同じ位置の被写体に焦点が合わせられるように、焦点制御を行うことができる。
【0066】
一実施形態において、マルチスペクトルイメージ(MSI)センサで映像を取得するとき、全数のチャネル、例えば、16個チャネルについて映像を取得するか、あるいは特定チャネルだけ選別して取得することができる。センサ画素の区間化(binning)を行うか、あるいは映像取得後、特定チャネルを選択したり合成したりすることを介し、一部所望チャネルだけ使用することもできる。
【0067】
第1メモリ300は、第1イメージセンサ100からリードアウトされた第1映像IM1を保存する。第2メモリ310は、第2イメージセンサ200からリードアウトされた第2映像IM2を保存する。
【0068】
各センサにおいて映像は、ライン単位で読み取られて順次に保存される。第1メモリ300及び第2メモリ310は、映像を各ライン単位で保存するラインメモリであってもよく、映像全体を保存するフレームバッファであってもよい。
【0069】
一実施形態において、映像を出力するとき、RGB映像だけ出力し、RGB映像は、フレームバッファに保存し、マルチスペクトルイメージ(MSI)映像は、ラインバッファに保存し、ライン単位でプロセッシングした後、該フレームバッファにあるRGB映像をアップデートすることもできる。メモリ300及び310は、SRAM(static random access memory)またはDRAM(dynamic random access memory)を使用することができるが、メモリの種類は限定されない。
【0070】
それぞれのメモリ300及び310は、センサ外部に位置することができ、または、センサ内部に集積されてもよい。センサ内部に集積する場合、該メモリは、センサ回路と共に集積することができるが、このとき、画素部と、それ以外の部分である回路部と、メモリとを、それぞれのスタックでもって構成し、2スタックに集積し、1つのチップに構成することができる。または、画素部、回路部、メモリの3層を有する3スタックでもって具現することもできる。
【0071】
一実施形態において、第1イメージセンサと第2イメージセンサとから獲得された第1映像及び第2映像を、それぞれ異なるメモリに保存すると説明されているが、それに限定されるものではなく、1つのメモリに保存することができるということは、言うまでもない。
【0072】
一実施形態において、プロセッサ500は、ホワイトバランスを正確に遂行するために、マルチスペクトルイメージ(MSI)センサを使用し、照明と物体色とを分離し、物体の正確な色相を求めた後、照明値を利用し、RGBセンサから獲得された映像、または整合された映像について色変換を行い、ホワイトバランスを調節する。
【0073】
図5は、一実施形態による映像獲得装置の概略的な構造を示す概念図であり、
図6は、一実施形態による映像獲得装置に具備される第1イメージセンサ、第2イメージセンサの回路構成を示す。
【0074】
映像獲得装置1000は、第1波長帯域基盤の第1映像IM1を獲得する第1イメージセンサ100、第2波長帯域基盤の第2映像IM2を獲得する第2イメージセンサ200、並びに第1映像IM1及び第2映像IM2を信号処理し、第3映像を生成するプロセッサ500を含む。映像獲得装置1000は、また、第1映像IM1に係わるデータが保存される第1メモリ300と、第2映像IM2に係わるデータが保存される第2メモリ310とをさらに含み、映像を出力する映像出力部700をさらに含みうる。
【0075】
映像獲得装置1000は、また、第1イメージセンサ100に、被写体OBJの光学像(optical image)を形成する第1イメージング光学系190、第2イメージセンサ200に被写体OBJの光学像を形成する第2イメージング光学系290を含みうる。第1イメージング光学系190と第2イメージング光学系290は、それぞれ1つのレンズを含むように図示されているが、それは、例示的なものであり、それに限定されるものではない。第1イメージング光学系190と第2イメージング光学系290は、同じ焦点距離と、同じ画角とを有するように構成されることができ、その場合、第3映像IM3を形成するために、第1映像IM1と第2映像IM2とを整合する過程がさらに容易になる。ただし、それに限定されるものではない。
【0076】
第1イメージセンサ100は、第1画素アレイPA1を含み、第1画素アレイPA1は、複数の第1センシング要素がアレイされた第1センサ層110と、第1センサ層110上に配されたカラーフィルタ120と、を含む。カラーフィルタ120は、交互に配列された赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタを含むものでもある。第1画素アレイPA1上には、第1マイクロレンズアレイ130が配されうる。第1画素アレイPA1に適用される画素配列の多様な例示は、
図8を参照して後述する。
【0077】
第2イメージセンサは、第2画素アレイPA2を含み、第2画素アレイPA2は、複数の第2センシング要素がアレイされた第2センサ層210と、第2センサ層210上に配された分光フィルタ220と、を含む。分光フィルタ220は、複数のフィルタグループを含み、該複数のフィルタグループそれぞれは、透過波長帯域が異なる複数のユニットフィルタによってなってもよい。分光フィルタ220は、カラーフィルタ120より広い波長帯域、例えば、紫外線ないし赤外線の波長範囲の波長帯域を、カラーフィルタ120よりも細分してフィルタリングするように構成されてもよい。第2画素アレイPA2上には、第2マイクロレンズアレイ230が配されうる。第2画素アレイPA2に適用される画素配列の例示は、
図10を参照して後述する。
【0078】
第1センサ層110、第2センサ層210は、CCD(charge coupled device)センサまたはCMOSセンサを含むものでもあるが、それに限定されるものではない。
【0079】
第1画素アレイPA1と第2画素アレイPA2は、同じ回路基板SU上に、水平に、例えば、X方向に離隔されて配されてもよい。
【0080】
回路基板SUには、第1センサ層110からの信号を処理する第1回路要素と、第2センサ層210からの信号を処理する第2回路要素とが具備されうる。ただし、それに限定されるものではなく、該第1回路要素と該第2回路要素は、それぞれ別途の基板に具備されることも可能である。
【0081】
第1映像IM1と第2映像IM2に係わるデータが保存されるメモリ300は、回路基板SUと別個に図示されているが、それは、例示的なものであり、回路基板SU内に、回路要素のような層、または別途の層に区分されて配されてもよい。メモリ300は、映像をライン単位で保存するラインメモリであってもよく、映像全体を保存するフレームバッファであってもよい。メモリ300には、SRAMまたはDRAMが使用されうる。
【0082】
回路基板SUに、映像獲得装置1000に必要な多様な回路要素が集積配置されうる。例えば、多様なアナログ回路、デジタル回路を含むロジックレイヤが具備され、データが保存されるメモリレイヤが具備されうる。該ロジックレイヤと該メモリレイヤは、異なる層に構成されてもよく、同じ層に構成されてもよい。
【0083】
図6を参照すれば、第1画素アレイPA1に、ロウデコーダ102、出力回路103、タイミングコントローラ(TC)101が連結される。ロウデコーダ102は、タイミングコントローラ101から出力されたロウアドレス信号に応答し、第1画素アレイPA1のロウ一つを選択する。出力回路103は、選択されたロウに沿って配列された複数の画素から、カラム単位で光感知信号を出力する。そのために、出力回路103は、カラムデコーダとアナログ・デジタル変換器(ADC:analog-to-digital convertor)を含みうる。例えば、出力回路103は、該カラムデコーダと第1画素アレイPA1との間において、カラム別にそれぞれ配された複数のアナログ・デジタル変換器(ADC)、または、カラムデコーダの出力端に配された1つのアナログ・デジタル変換器(ADC)を含むものであってもよい。タイミングコントローラ101、ロウデコーダ102及び出力回路103は、1つのチップ、またはそれぞれ別個のチップによっても具現される。例示された回路要素の少なくとも一部が、
図5の回路基板SUに具備されうる。出力回路103を介して出力された第1映像IM1を処理するためのプロセッサが、タイミングコントローラ101、ロウデコーダ102及び出力回路103と共に、1つのチップによって具現されうる。
【0084】
第2画素アレイPA2にも、ロウデコーダ202、出力回路203、タイミングコントローラ(TC)201が連結され、前述の構成と同様に、第2画素アレイPA2からの信号が処理されうる。また、出力回路203を介して出力された第2映像IM2を処理するためのプロセッサが、タイミングコントローラ201、ロウデコーダ202及び出力回路203と共に、1つのチップによって具現されてもよい。
【0085】
第1画素アレイPA1と第2画素アレイPA2は、画素の大きさ、個数が同じであるように図示されているが、それは、便宜上の例示であり、それに限定されるものではない。
【0086】
互いに異なる種類の2つのセンサを動作させるにあたり、互いに異なる解像度及び出力速度、そして映像整合に必要な領域の大きさにより、タイミング制御が必要となりうる。例えば、第1イメージセンサ100を基準に、1つの映像列を読み取るとき、その領域に該当する第2イメージセンサ200の映像列は、すでにバッファに保存されてもおり、新たに読み取らなければならないものでありうる。または、第1イメージセンサ100、第2イメージセンサ200の動作は、同じ同期信号を使用しても同期化されうる。例えば、タイミングコントローラ400がさらに具備され、第1イメージセンサ100、第2イメージセンサ200に同期信号sync.を伝送することもできる。
【0087】
図7は、一実施形態による映像獲得装置に具備される第1イメージセンサによる波長スペクトルを示し、
図8Aないし
図8Cは、一実施形態による映像獲得装置に具備される第1イメージセンサの例示的な画素配列を示す。
【0088】
図8Aを参照すれば、第1画素アレイPA1に具備されるカラーフィルタ120には、赤色(R),緑色(G),青色(B)波長帯域をフィルタリングするフィルタが、ベイヤーパターンに配列されている。すなわち、1つの単位画素は、2×2アレイに配列されたサブ画素を含み、複数の単位画素が、二次元的に反復配列される。単位画素の1行目に、赤色フィルタ、緑色フィルタが配され、2行目に、緑色フィルタ、青色フィルタが配される。画素配列は、ベイヤーパターン以外に、他の方式によっても可能である。
【0089】
例えば、
図8Bを参照すれば、マゼンタ(magenta)画素(M)、シアン(cyan)画素(C)、イエロー(yellow)画素(Y)及び緑色画素(G)が1つの単位画素を構成するCYGM方式の配列が可能である。また、
図8Cを参照すれば、緑色画素(G)、赤色画素(R)、青色画素(B)及び白色画素(W)が、1つの単位画素を構成するRGBW方式の配列が可能である。また、図示されていないが、単位画素が3×2アレイ形態を有することもできる。それ以外にも、第1画素アレイPA1の画素は、第1イメージセンサ100の色特性により、多様な方式に配列されうる。
【0090】
図9は、一実施形態による映像獲得装置に具備される第2イメージセンサによる波長スペクトルを示し、
図10Aないし
図10Cは、一実施形態に他の映像獲得装置の第2イメージセンサの例示的な画素配列を示す。
【0091】
図10Aを参照すれば、第2画素アレイPA2に具備される分光フィルタ220は、二次元形態に配列される複数のフィルタグループ221を含むものでもある。ここで、各フィルタグループ221は、4×4アレイ形態に配列される16個のユニットフィルタF1~F16を含むものであってもよい。
【0092】
第1ユニットフィルタF1及び第2ユニットフィルタF2は、紫外線領域の中心波長UV1,UV2を有することができ、第3ユニットフィルタF3ないし第5ユニットフィルタF5は、青色光領域の中心波長B1~B3を有することができる。第6ユニットフィルタF6ないし第11ユニットフィルタF11は、緑色光領域の中心波長G1~G6を有することができ、第12ユニットフィルタF12ないし第14ユニットフィルタF14は、赤色光領域の中心波長R1~R3を有することができる。そして第15ユニットフィルタF15及び第16ユニットフィルタF16は、近赤外線領域の中心波長NIR1,NIR2を有することができる。
【0093】
図10Bは、分光フィルタ220に具備される他例のフィルタグループ222一つに係わる平面図を図示している。
図10Bを参照すれば、フィルタグループ222は、3×3アレイ形態に配列される9個のユニットフィルタF1~F9を含むものでもある。ここで、第1ユニットフィルタF1及び第2ユニットフィルタF2は、紫外線領域の中心波長UV1,UV2を有することができ、第4ユニットフィルタF4、第5ユニットフィルタF5及び第7ユニットフィルタF7は、青色光領域の中心波長B1~B3を有することができる。第3ユニットフィルタF3及び第6ユニットフィルタF6は、緑色光領域の中心波長G1,G2を有することができ、第8ユニットフィルタF8及び第9ユニットフィルタF8は、赤色光領域の中心波長R1,R2を有することができる。
【0094】
図10Cは、分光フィルタ220に具備される他例のフィルタグループ223一つに係わる平面図を図示している。
図12を参照すれば、フィルタグループ223は、5×5アレイ形態に配列される25個のユニットフィルタF1~F25を含むものであってもよい。ここで、第1ユニットフィルタF1ないし第3ユニットフィルタF3は、紫外線領域の中心波長UV1~UV3を有することができ、第6ユニットフィルタF6、第7ユニットフィルタF7、第8ユニットフィルタF8、第11ユニットフィルタF11及び第12ユニットフィルタF12は、青色光領域の中心波長B1~B5を有することができる。第4ユニットフィルタF4、第5ユニットフィルタF5及び第9ユニットフィルタF9は、緑色光領域の中心波長G1~G3を有することができ、第10ユニットフィルタF10、第13ユニットフィルタF13、第14ユニットフィルタF14、第15ユニットフィルタF15、第18ユニットフィルタF18及び第19ユニットフィルタF19は、赤色光領域の中心波長R1~R6を有することができる。そして、第20ユニットフィルタF20、第23ユニットフィルタF23、第24ユニットフィルタF24及び第25ユニットフィルタF25は、近赤外線領域の中心波長NIR1~NIR4を有することができる。
【0095】
分光フィルタ220に具備される前述のユニットフィルタは、2つの反射板を有する共振構造を有することができ、該共振構造の特性により、透過される波長帯域が決定されうる。反射板の材質、及びキャビティ内の誘電物質の材質、キャビティ厚により、透過波長帯域が調節されうる。これ以外にも、グレーティング(grating)を活用した構造、DBR(Distributed Bragg Reflector)を活用した構造などが、ユニットフィルタにも適用される。それ以外にも、第2画素アレイPA2の画素は、第2イメージセンサ200の色特性により、多様な方式にも配列される。
【0096】
図11は、他の実施形態による映像獲得装置の制御方法について概略的に説明するフローチャートである。
【0097】
図11を参照すれば、段階1100において、イメージセンサから映像を獲得する。ここで、該イメージセンサは、マルチスペクトルイメージ(MSI)センサであってもよい。
【0098】
段階1102において、周辺の環境によって基底を獲得する。周辺の環境をセンシングするためのセンサは、RGBイメージセンサ、マルチスペクトルイメージ(MSI)センサを含むイメージセンサ;GPS、IMU、バロメータ、磁力計のような位置及び姿勢に関連するセンサ;照度センサ;近接センサ;距離センサ、3Dスキャナなどを含むものであってもよい。周辺の環境をセンシングするためのセンサは、段階1100の映像を獲得する前、事前に環境情報をセンシングする。また、映像を獲得する前、周期的または非周期的にセンシングすることにより、環境情報、環境情報の変化を追跡することもできる。ここで、該環境情報は、事前に定義された環境パラメータ値によって示されてもよい。該環境情報または該環境パラメータは、撮影場所が室内であるか、あるいは室外であるかということを区分して示すことができる。または、該環境情報または該環境パラメータは、室内照明環境において、特定帯域のLED照明を使用するか否かということを分別して示すことができる。また、該環境情報または該環境パラメータは、照度情報を含んでもよい。また、該環境情報または該環境パラメータは、被写体との距離情報を含んでもよい。また、該環境情報または該環境パラメータは、画角内の被写体構成に係わる情報を含んでもよい。また、該環境情報または該環境パラメータは、ユーザの位置情報及び姿勢情報を含んでもよい。
【0099】
段階1104において、獲得された基底を利用し、照明情報を推定する。基底を利用した照明情報を推定する方法は、先に、数式1ないし4を参照して説明した通りである。一実施形態では、数式1ないし4に定義された方法を利用するが、それに限定されるものではなく、照明情報または照明スペクトルを推定する多様な数値的な方法を利用することができるということは、言うまでもない。
【0100】
段階1106において、推定された照明情報を反映させ、映像に係わる色変換を行う。
【0101】
一実施形態による映像獲得装置の制御方法は、所定の映像を獲得し、周辺の環境によって基底を獲得し、獲得された基底を利用し、照明情報を推定し、推定された照明情報を反映させ、映像に係わる色変換を行うことにより、多様な状況においても、正確に照明を推定し、正確なホワイトバランスを遂行し、色恒常性を維持することができる。
【0102】
前述の映像獲得装置1000は、多様な高性能光学装置または高性能電子装置にも採用される。そのような電子装置は、例えば、スマートフォン(smart phone)、モバイルフォン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ラップトップ(laptop)、PC(Personal Computer)、多様な携帯用機器、家電製品、保安カメラ、医療用カメラ、自動車、事物インターネット(IoT:internet of things)機器、その他モバイルまたは非モバイルのコンピューティング装置であってもよいが、それらに制限されるものではない。
【0103】
該電子装置は、映像獲得装置1000以外にも、そこに具備されたイメージセンサを制御するプロセッサ、例えば、アプリケーションプロセッサ(AP:Application Processor)をさらに含むものであってもよく、該プロセッサを介してオペレーティングシステムまたは応用プログラムを駆動し、多数のハードウェアまたはソフトウェアの構成要素を制御することができ、各種のデータ処理及び演算を行うことができる。該プロセッサは、GPU(Graphics Processing Unit)及び/またはイメージ信号プロセッサ(image signal processor)をさらに含むものであってもよい。該プロセッサにイメージ信号プロセッサが含まれる場合、イメージセンサによって獲得されたイメージ(または、映像)を、プロセッサを利用し、保存及び/または出力することができる。
【0104】
図12は、一実施形態による電子装置の概略的な構造を示すブロック図である。
図12を参照すれば、ネットワーク環境ED00において電子装置ED01は、第1ネットワークED98(近距離無線通信ネットワークなど)を介し、他の電子装置ED02と通信するか、あるいは第2ネットワークED99(遠距離無線通信ネットワークなど)を介し、さらに他の電子装置ED04及び/またはサーバED08と通信することができる。電子装置ED01は、サーバED08を介し、電子装置ED04と通信することができる。電子装置ED01は、プロセッサED20、メモリED30、入力装置ED50、音響出力装置ED55、表示装置ED60、オーディオモジュールED70、センサモジュールED76、インターフェースED77、ヘプティックモジュールED79、カメラモジュールED80、電力管理モジュールED88、バッテリED89、通信モジュールED90、加入者識別モジュールED96及び/またはアンテナモジュールED97を含んでもよい。電子装置ED01には、該構成要素のうち一部(表示装置ED60など)が省略されるか、あるいは他の構成要素が追加されうる。該構成要素のうち一部は、1つの統合された回路によっても具現される。例えば、センサモジュールED76(指紋センサ、虹彩センサ、照度センサなど)は、表示装置ED60(ディスプレイなど)に埋め込まれて具現されてもよい。また、イメージセンサ1000に分光機能が含まれる場合、センサモジュールの一部機能(カラーセンサ、照度センサ)が、別途のセンサモジュールではなく、イメージセンサ1000自体に具現されてもよい。
【0105】
プロセッサED20は、ソフトウェア(プログラムED40など)を実行し、プロセッサED20に連結された電子装置ED01のうち一つ、または複数個の他の構成要素(ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素など)を制御することができ、多様なデータ処理または演算を行うことができる。データ処理または演算の一部として、プロセッサED20は、他の構成要素(センサモジュールED76、通信モジュールED90など)から受信された命令及び/またはデータを、揮発性メモリED32にロードし、揮発性メモリED32に保存された命令及び/またはデータを処理し、結果データを、不揮発性メモリED34に保存することができる。プロセッサED20は、メインプロセッサED21(中央処理装置、アプリケーションプロセッサなど)、及びそれと独立しているか、あるいは共に運用可能な補助プロセッサED23)(グラフィック処理装置、イメージシグナルプロセッサ、センサハブプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなど)を含んでもよい。補助プロセッサED23は、メインプロセッサED21より電力を少なく使用し、特化された機能を遂行することができる。
【0106】
補助プロセッサED23は、メインヘプロセッサED21がイナクティブ状態(スリープ状態)にある間、メインプロセッサED21の代わりを行い、または、メインプロセッサED21がアクティブ状態(アプリケーション実行状態)にある間、メインプロセッサED21と共に、電子装置ED01の構成要素のうち一部構成要素(表示装置ED60、センサモジュールED76、通信モジュールED90など)と係わる機能及び/または状態を制御することができる。補助プロセッサED23(イメージシグナルプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなど)は、機能的に関連する他の構成要素(カメラモジュールED80、通信モジュールED90など)の一部として具現されてもよい。
【0107】
メモリED30は、電子装置ED01の構成要素(プロセッサED20、センサモジュールED76など)が必要とする多様なデータを保存することができる。該データは、例えば、ソフトウェア(プログラムED40など)、及びそれと係わる命令に係わる入力データ及び/または出力データを含んでもよい。メモリED30は、揮発性メモリED32及び/または不揮発性メモリED34を含んでもよい。不揮発性メモリED32は、電子装置ED01内に固定装着された内蔵メモリED36、と脱着可能な外装メモリED38とを含んでもよい。
【0108】
プログラムED40は、メモリED30にソフトウェアとして保存され、オペレーティングシステムED42、ミドルウェアED44及び/またはアプリケーションED46を含んでもよい。
【0109】
入力装置ED50は、電子装置ED01の構成要素(プロセッサED20など)に使用される命令及び/またはデータを、電子装置ED01の外部(ユーザなど)から受信することができる。入力装置ED50は、マイク、マウス、キーボード及び/またはデジタルペン(スタイラスペンなど)を含んでもよい。
【0110】
音響出力装置ED55は、音響信号を、電子装置ED01の外部に出力することができる。音響出力装置ED55は、スピーカ及び/またはレシーバを含んでもよい。該スピーカは、マルチメディア再生または録音再生のように、一般的な用途にも使用され、該レシーバは、着信電話を受信するためにも使用される。該レシーバは、スピーカの一部に結合されているか、あるいは独立した別途の装置として具現されてもよい。
【0111】
表示装置ED60は、電子装置ED01の外部に情報を視覚的に提供することができる。表示装置ED60は、ディスプレイ、ホログラム装置またはプロジェクタ、及び当該装置を制御するための制御回路を含んでもよい。表示装置ED60は、タッチを感知するように設定されたタッチ回路(touch circuitry)、及び/またはタッチによって生じる力の強度を測定するように設定されたセンサ回路(圧力センサなど)を含んでもよい。
【0112】
オーディオモジュールED70は、音を電気信号に変換させるか、あるいは反対に、電気信号を音に変換させることができる。オーディオモジュールED70は、入力装置ED50を介して音を獲得するか、あるいは音響出力装置ED55及び/または電子装置ED01と、直接または無線で連結された他の電子装置(電子装置ED02など)のスピーカ及び/またはヘッドホンを介して音を出力することができる。
【0113】
センサモジュールED76は、電子装置ED01の作動状態(電力、温度など)、または外部の環境状態(ユーザ状態など)を感知し、感知された状態に対応する電気信号及び/またはデータ値を生成することができる。センサモジュールED76は、ジェスチャセンサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、マグネチックセンサ、加速度センサ、グリップセンサ、近接センサ、カラーセンサ、IR(infrared)センサ、生体センサ、温度センサ、湿度センサ及び/または照度センサを含んでもよい。
【0114】
インターフェースED77は、電子装置ED01が、他の電子装置(電子装置ED02など)と、直接または無線で連結されるために使用されうる、1または複数の指定されたプロトコルを支援することができる。インターフェースED77は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)、USB(Universal Serial Bus)インターフェース、SDカードインターフェース及び/またはオーディオインターフェースを含んでもよい。
【0115】
連結端子ED78は、電子装置ED01が、他の電子装置(電子装置ED02など)と物理的に連結されうるコネクタを含むものであってもよい。連結端子ED78は、HDMIコネクタ、USBコネクタ、SDカードコネクタ及び/またはオーディオコネクタ(ヘッドホンコネクタなど)を含んでもよい。
【0116】
ヘプティックモジュールED79は、電気的信号を、ユーザが触覚または運動感覚を介して認知することができる機械的な刺激(振動、動きなど)、または電気的な刺激に変換することができる。ヘプティックモジュールED79は、モータ、圧電素子及び/または電気刺激装置を含むものでもあってもよい。
【0117】
カメラモジュールED80は、静止映像及び動画を撮影することができる。カメラモジュールED80は、前述の映像獲得装置1000を含むものでもあってもよく、さらなるレンズアセンブリイメージシグナルプロセッサ及び/またはフラッシュを含んでもよい。カメラモジュールED80に含まれたレンズアセンブリは、イメージ撮影の対象である被写体から放出される光を収集することができる。
【0118】
電力管理モジュールED88は、電子装置ED01に供給される電力を管理することができる。電力管理モジュールED88は、PMIC(Power Management Integrated Circuit)の一部として具現されてもよい。
【0119】
バッテリED89は、電子装置ED01の構成要素に電力を供給することができる。バッテリED89は、再充電不可能な一次電池、再充電可能な二次電池、及び/または燃料電池を含むものであってもよい。
【0120】
通信モジュールED90は、電子装置ED01と他の電子装置(電子装置ED02、電子装置ED04、サーバED08など)との直接(有線)通信チャネル及び/または無線通信チャネルの樹立、及び樹立された通信チャネルを介する通信遂行を支援することができる。通信モジュールED90は、プロセッサED20(アプリケーションプロセッサなど)と独立して運用され、直接通信及び/または無線通信を支援する、1または複数のコミュニケーションプロセッサを含むものであってもよい。通信モジュールED90は、無線通信モジュールED92(セルラ通信モジュール、近距離無線通信モジュール、GNSS(Global Navigation Satellite Systemなど)通信モジュール)及び/または有線通信モジュールED94(LAN(Local Area Network)通信モジュール、電力線通信モジュールなど)を含んでもよい。それら通信モジュールのうち、該当する通信モジュールは、第1ネットワークED98(ブルートゥース、Wi-Fi(Wireless Fidelity) direct またはIrDA(Infrared Data Association)のような近距離通信ネットワーク)、または第2ネットワークED99(セルラネットワーク、インターネットまたはコンピューターネットワーク(LAN、WANなど)のような遠距離通信ネットワーク)を介し、他の電子装置と通信することができる。そのようなさまざまな種類の通信モジュールは、1つの構成要素(単一チップなど)に統合されるか、あるいは互いに別途の複数の構成要素(複数チップ)によっても具現される。無線通信モジュールED92は、加入者識別モジュールED96に保存された加入者情報(国際モバイル加入者識別子(IMSI)など)を利用し、第1ネットワークED98及び/または第2ネットワークED99のような通信ネットワーク内において、電子装置ED01を確認及び認証することができる。
【0121】
アンテナモジュールED97は、信号及び/または電力を、外部(他の電子装置など)に送信するか、あるいは外部から受信することができる。アンテナは、基板(PCB(printed circuit board)など)上に形成された導電性パターンによってなる放射体を含むものであってもよい。アンテナモジュールED97は、1または複数のアンテナを含んでもよい。複数のアンテナが含まれている場合、通信モジュールED90により、複数のアンテナのうち、第1ネットワークED98及び/または第2ネットワークED99のような通信ネットワークにおいて使用される通信方式に適するアンテナが選択されうる。選択されたアンテナを介し、通信モジュールED90と、他の電子装置との間において、信号及び/または電力が送信されるか、あるいは受信されうる。アンテナ以外に、他の部品(RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)など)がアンテナモジュールED97の一部として含まれてもよい。
【0122】
構成要素のうち一部は、周辺機器間の通信方式(バス、GPIO(General Purpose Input and Output)、SPI(Serial Peripheral Interface)、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)など)を介して互いに連結され、信号(命令、データなど)を相互交換することができる。
【0123】
命令またはデータは、第2ネットワークED99に連結されたサーバED08を介し、電子装置ED01と、外部の電子装置ED04との間において、送信または受信されうる。他の電子装置ED02,ED04は、電子装置ED01と同一であるか、あるいは異なる種類の装置であってもよい。電子装置ED01で実行される動作の全部または一部は、他の電子装置ED02,ED04、ED08のうち、1または複数の装置で実行されうる。例えば、電子装置ED01がある機能やサービスを遂行しなければならないとき、該機能または該サービスを自主的に実行させる代わりに、1または複数の他の電子装置に、該機能または該サービスの一部または全体を遂行するように要請することができる。要請を受信した1または複数の他の電子装置は、要請と係わる追加機能またはサービスを実行し、その実行の結果を、電子装置ED01に伝達することができる。そのために、クラウドコンピューティング技術、分散コンピューティング技術及び/またはクライアント・サーバコンピューティング技術が利用されうる。
【0124】
図13は、
図12の電子装置に具備されるカメラモジュールED80を概略的に例示したブロック図である。カメラモジュールED80は、前述の映像獲得装置1000を含むものでもあり、またはそこから変形された構造を有することができる。
図13を参照すれば、カメラモジュールED80は、レンズアセンブリCM10、フラッシュCM20、イメージセンサCM30、イメージスタビライザCM40、メモリCM50(バッファメモリなど)及び/またはイメージシグナルプロセッサCM60を含むものであってもよい。
【0125】
イメージセンサCM30は、前述の映像獲得装置1000に具備される第1イメージセンサ100、第2イメージセンサ200を含むものでもある。第1イメージセンサ100、第2イメージセンサ200は、被写体から放出または反射され、レンズアセンブリCM10を介して伝達された光を電気的な信号に変換することにより、被写体に対応するイメージを獲得することができる。第1イメージセンサ100は、RGB映像を獲得し、第2イメージセンサ200は、紫外線波長範囲ないし赤外線波長範囲の超分光映像を獲得することができる。
【0126】
イメージセンサCM30は、前述の第1イメージセンサ100、第2イメージセンサ200以外にも、他のRGBセンサ、BW(Black and White)センサ、IRセンサまたはUV(ultraviolet)センサのように、属性が異なるイメージセンサのうちから選択された1または複数のセンサをさらに含むものであってもよい。イメージセンサCM30に含まれたそれぞれのセンサは、CCD(Charge Coupled Device)センサ及び/またはCMOSセンサとして具現されてもよい。
【0127】
レンズアセンブリCM10は、イメージ撮影の対象である被写体から放出される光を収集することができる。カメラモジュールED80は、複数のレンズアセンブリCM10を含み、そのような場合、カメラモジュールED80は、デュアルカメラ、360°カメラまたは球形カメラ(Spherical Camera)にもなる。複数のレンズアセンブリCM10のうち一部は、同一レンズ属性(画角、焦点距離、自動焦点、Fナンバー(F Number)、光学ズームなど)を有するか、あるいは異なるレンズ属性を有することができる。レンズアセンブリCM10は、広角レンズまたは望遠レンズを含むものであってもよい。
【0128】
レンズアセンブリCM10は、イメージセンサCM30に具備される2つのイメージセンサが、同位置の被写体の光学像を形成するようにも構成され、かつ/あるいはフォーカス制御されうる。
【0129】
フラッシュCM20は、被写体から放出または反射される光を強化させるために使用される光を放出することができる。フラッシュCM20は、1または複数の発光ダイオード(RGB(Red-Green-Blue)LED、White LED、IR LED、UV LEDなど)及び/またはキセノンランプを含むものであってもよい。
【0130】
イメージスタビライザCM40は、カメラモジュールED80、またはそれを含む電子装置CM01の動きに反応し、レンズアセンブリCM10に含まれた1または複数枚のレンズまたはイメージセンサ1000を特定の方向に動かるか、あるいはイメージセンサ1000の動作特性を制御(リードアウト(read-out)タイミングの調整など)し、動きによる否定的な影響が補償されるようにすることができる。イメージスタビライザCM40は、カメラモジュールED80の内部または外部に配されたジャイロセンサ(図示せず)または加速度センサ(図示せず)を利用し、カメラモジュールED80または電子装置ED01の動きを感知することができる。イメージスタビライザCM40は、光学式によって具現されてもよい。
【0131】
メモリCM50は、イメージセンサ1000を介して獲得されたイメージの一部データまたは全体データが、次のイメージ処理作業のために保存されうる。例えば、複数のイメージが高速に獲得される場合、獲得された原本データ(ベイヤーパターンデータ、高解像度データなど)は、メモリCM50に保存し、低解像度イメージのみをディスプレイした後、選択された(ユーザ選択など)イメージの原本データが、イメージシグナルプロセッサCM60に伝達されるようにするところに使用されてもよい。メモリCM50は、電子装置ED01のメモリED30に統合されているか、あるいは独立して運用される別途のメモリによって構成されてもよい。
【0132】
イメージシグナルプロセッサCM60は、イメージセンサCM30を介して獲得されたイメージ、またはメモリCM50に保存されたイメージデータについてイメージ処理を行うことができる。
図1ないし
図10で説明されたように、イメージセンサCM30に含まれる2つのイメージセンサが獲得した第1映像(例えば、RGB映像)、第2映像(例えば、マルチスペクトルイメージ(MSI)映像)を処理し、ホワイトバランスが遂行された第3映像を生成することができる。そのために、プロセッサ500の構成が、イメージシグナルプロセッサCM60にも含まれる。
【0133】
イメージ処理は、それ以外にも、深さ地図(depth map)生成、三次元モデリング、パノラマ生成、特徴点抽出、イメージ合成及び/またはイメージ補償(ノイズ低減、解像度調整、明るさ調整、ぼやかし(blurring)、シャープニング(sharpening)、ソフトニング(softening)など)を含んでもよい。イメージシグナルプロセッサCM60は、カメラモジュールED80に含まれた構成要素(イメージセンサCM30など)に対する制御(露出時間制御またはリードアウトタイミング制御など)を行うことができる。イメージシグナルプロセッサCM60によって処理されたイメージは、追加処理のために、メモリCM50にさらに保存されるか、あるいはカメラモジュールED80の外部構成要素(メモリED30、表示装置ED60、電子装置ED02、電子装置ED04、サーバED08など)にも提供される。イメージシグナルプロセッサCM60は、プロセッサED20に統合されるか、あるいはプロセッサED20と独立して運用される別途のプロセッサとして構成されてもよい。イメージシグナルプロセッサCM60が、プロセッサED20と別途のプロセッサとして構成された場合、イメージシグナルプロセッサCM60によって処理されたイメージは、プロセッサED20により、さらなるイメージ処理を経た後、表示装置ED60を介しても表示される。
【0134】
電子装置ED01は、それぞれ異なる属性または機能を有する複数のカメラモジュールED80を含むものであってもよい。そのような場合、複数のカメラモジュールED80のうち一つは、広角カメラであり、他の一つは、望遠カメラであってもよい。類似して、複数のカメラモジュールED80のうち一つは、前面カメラであり、他の一つは、背面カメラであってもよい。
【0135】
図14ないし
図23は、一実施形態による映像獲得装置が適用された電子装置の多様な例を示す。
【0136】
一実施形態による映像獲得装置は、
図14に図示されたモバイルフォンまたはスマートフォン5100m、
図15に図示されたタブレットまたはスマートタブレット5200、
図16に図示されたデジタルカメラまたはキャムコーダ5300、
図17に図示されたノート型パソコン5400にも適用され、あるいは
図19に図示されたテレビまたはスマートテレビ5500などにも適用される。例えば、スマートフォン5100mまたはスマートタブレット5200は、高解像度イメージセンサがそれぞれ搭載された複数の高解像度カメラを含むものであってもよい。該高解像度カメラを利用し、映像内の被写体の深さ情報を抽出するか、映像のアウトフォーカシングを調節するか、あるいは映像内の被写体を自動的に識別することができる。
【0137】
また、映像獲得装置1000は、
図19に図示されたスマート冷蔵庫5600、
図20に図示された保安カメラ5700、
図21に図示されたロボット5800、
図22に図示された医療用カメラ5900などにも適用される。例えば、スマート冷蔵庫5600は、映像獲得装置1000を利用し、冷蔵庫内にある飲食物を自動的に認識し、特定飲食物の存在いかん、入庫または出庫された飲食物の種類などを、スマートフォンを介してユーザに知らせることができる。保安カメラ5700は、超高解像度映像を提供することができ、高感度を利用し、暗い環境においても、映像内の事物または人を認識することができる。ロボット5800は、人が直接接近することができない災害現場または産業現場に投入され、高解像度映像を提供することができる。医療用カメラ5900は、診断または手術のための高解像度映像を提供することができ、視野を動的に調節することができる。
【0138】
また、映像獲得装置1000は、
図23に図示されているように、車両6000に適用されうる。車両6000は、多様な位置に配された複数の車両用カメラ6010,6020,6030,6040を含むものであってもよい、それぞれの車両用カメラ6010,6020,6030,6040は、一実施形態による映像獲得装置を含んでもよい。車両6000は、複数の車両用カメラ6010,6020,6030,6040を利用し、車両6000内部または周辺に係わる多様な情報を運転手に提供することができ、映像内の事物または人を自動的に認識し、自律走行に必要な情報を提供することができる。
【0139】
前述の映像獲得装置、及びそれを含む電子装置が、たとえ図面に図示された実施形態を参照して説明されたとしても、それらは、例示的なものに過ぎず、当該分野において当業者であれば、それらから、多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。権利範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、権該利範囲に含まれたものであると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0140】
10 イメージセンサ
20 センサ
100 第1イメージセンサ
200 第2イメージセンサ
300 第1メモリ
310 第2メモリ
500 プロセッサ
510 映像処理部
520 環境決定部
530 基底生成部
540 照明推定部
550 色相変換部
560 センサ部
600 保存部
700 映像出力部