(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】再生式媒体濾過
(51)【国際特許分類】
B01D 29/50 20060101AFI20240614BHJP
B01D 29/62 20060101ALI20240614BHJP
B01D 37/02 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
B01D29/24 E
B01D29/38 580C
B01D37/02 F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022172873
(22)【出願日】2022-10-28
(62)【分割の表示】P 2020551258の分割
【原出願日】2019-03-23
【審査請求日】2022-11-28
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520359815
【氏名又は名称】ブルー・スカイズ・グローバル・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ネーレン,ポール・エフ,ザ・サード
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-148408(JP,U)
【文献】国際公開第2015/072513(WO,A1)
【文献】特表2018-514381(JP,A)
【文献】特開昭51-057070(JP,A)
【文献】米国特許第06537449(US,B2)
【文献】国際公開第2012/132005(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 23/00-35/04,35/08-37/08
B01D 46/00-46/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生式フィルタであって、該再生式フィルタが、
入口ゾーンおよび出口ゾーンを有するフィルタハウジングと、
前記入口ゾーンと前記出口ゾーンとの間に設けられる流体経路と、
複数のフィルタ要素であって、各々が、塗布された外側表面フィルタ媒体を有し、前記流体経路からの粒子または汚染物質を濾過するように機能する、複数のフィルタ要素と
を備え、
それにより前記複数のフィルタ要素は、隣接するフィルタ要素が、比較的近接するようにモノリシックのアレイで構成されるが、それらの間に前記フィルタ要素の幅
の5分の1以下の隙間を画定するように配置され、
前記再生式フィルタは更に、
入口ノズル(N)であって、該入口ノズル(N)が、前記入口ゾーンで前記フィルタハウジング内に配置され、前記フィルタ要素のアレイから離
れる向きに前記流体経路
を向けるように、前記入口ゾーンで制御された乱流を維持することを補助するように構成され配置されている、前記入口ノズル(N)を備え、
前記入口ノズル(N)は、底部円周に沿って配置される離間される一連のスロット(N1)を有する、
再生式フィルタ。
【請求項2】
前記入口ノズルが、近位側のチューブ部分と遠位側のチューブ部分とを有する入口ノズルチューブを有し、
前記近位側のチューブ部分は、流体が前記フィルタハウジングの外側から前記入口ノズルチューブに入り、
前記遠位側のチューブ部分は、前記近位側のチューブ部分に隣接し、前記フィルタハウジングの前記入口ゾーン内に所定の距離だけ延びている、請求項1に記載の再生式フィルタ。
【請求項3】
前記遠位側のチューブ部分はフィルタ要素のアレイ下で延びている、請求項
2に記載の再生式フィルタ。
【請求項4】
前記一連のスロット(N1)は、底壁により分離される前記入口ノズルの前記底部円周で少なくとも一対の弓状のスロットを有し、これにより前記流体の流れが前記入口ノズルの両側からある程度横方向に誘導される、請求項1に記載の再生式フィルタ。
【請求項5】
3つの隣接するフィルタ要素で、閉じた隙間空間を形成する少なくとも3つのブリッジング要素で構成されるブリッジング要素を有する、請求項1に記載の再生式フィルタ。
【請求項6】
各フィルタ要素は断面が円形である、請求項1に記載の再生式フィルタ。
【請求項7】
前記閉じた隙間空間は、前記ブリッジング要素により画定される3つの側部を有する、請求項5に記載の再生式フィルタ。
【請求項8】
前記フィルタ要素は単一の層のフィルタ要素である、請求項1に記載の再生式フィルタ。
【請求項9】
前記フィルタ要素は2層のフィルタ要素である、請求項1に記載の再生式フィルタ。
【請求項10】
前記フィルタ要素内に配置されたコイルばねを更に有する、請求項1に記載の再生式フィルタ。
【請求項11】
前記コイルばねは、張っている状態のシースを維持するため、および濾液によりフィルタ要素が負荷を受けるときに圧力差によりつぶれるのを防止するために予め圧縮されていてよく、適切な間隔を維持するために、ジグザグ状または均等に離間されるより大きなコイルを有する巻き径を有する、圧縮ばね状の巻かれた螺旋構造物を有する、請求項10に記載の再生式フィルタ。
【請求項12】
前記複数のフィルタ要素はハニカムパターンで構成され配置されている、請求項1に記載の再生式フィルタ。
【請求項13】
前記隣接するフィルタ要素は異なる幾何形状を有する、請求項1に記載の再生式フィルタ。
【請求項14】
前記フィルタハウジングを横断して支持されるチューブシートと、押し下げプレートとを更に含み、前記チューブシートは、出口ゾーンのすぐ手前に配置されて複数のフィルタ要素を支持し、前記押し下げプレートは前記チューブシートの上方に配置され、
前記チューブシートは、前記複数のフィルタ要素を平行に且つ隣接して配置されるアレイの状態で保持するようになっている、請求項1に記載の再生式フィルタ。
【請求項15】
フランジ機構と作動機構とを更に含み、
前記フランジ機構は前記フィルタハウジングから支持され、前記フィルタハウジングの出口ゾーンに隣接し、前記フィルタハウジングは前記押し下げプレートと選択的に係合するための接触面を含み、
前記作動機構は、前記押し下げプレートの上方に配置され、前記フィルタハウジングの出口ゾーン内にあり、前記押し下げプレートが前記フランジ機構の接触面と接触する接触位置と、前記押し下げプレートが前記接触
面との接触から解除され、前記フィルタ要素のアレイが、前
記アレイの個々の前記フィルタ要素から前記フィルタ媒体を落とすことができるようになる別の位置との間で、前記押し下げプレートを動かすように作動できる、作動機構を更に含む、請求項14に記載の再生式フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、所有者が共通する同時係属の2018年3月23日に出願された米国仮特許出願第62/647,006号および2018年4月10日に出願された米国仮特許出願第62/655,468号の優先権を主張する2018年7月27日に出願された米国特許出願第16/047,437号の一部継続出願であり、これらの各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、特には再生式媒体フィルタの気体および液体濾過ハウジング内にあるサブコンポーネントである、再生式媒体フィルタ(regenerative media filter)を形成するサブコンポーネントの改善に関する。より詳細には、本発明は、再生式媒体フィルタの相互依存構成要素の構造の改善および最適化に関する。さらにより詳細には、本発明は、一実施形態ではモノリシックのハニカムタイプ濾過構造の提供を含む、個別のフィルタ要素またはフィルタ構成要素の相対的な近接性およびサイジングに関する。本発明の改善される構成はさらに、フィルタ内の様々な構成要素の経済的な使用を可能にする濾過ゾーンの最適化を実現し、また、フィルタ内から実質的にすべての混入空気を除去するための手段を提供する。
【背景技術】
【0003】
気体および液体濾過の分野では、再生式媒体フィルタとして知られているデバイスが存在する。この特定のタイプのフィルタは、通常、加圧濾過のためのハウジングを有し、限定しないが、珪藻土またはパーライト、十分な加熱時に大幅に膨張して大きい濾過表面エリアを提供するという異例の特性を有する非晶質火山ガラス、などの、粒状タイプのまたは粒子状タイプの濾過媒体を採用する。動作中、媒体は、チューブシートから吊り下げられる要素の上に付着する。チューブシート、および濾過媒体で被覆される要素が仕切り部分または境界部分を形成する。フィルタの入口側または流入側では、流体は、媒体で被覆される要素によって作られる境界部分を流体が横切るときに懸濁液から濾過されるような粒子状汚染物質を運んでいる。この流れが要素およびチューブシートを通過して収集プレナムに達してフィルタ出口または流出接続部から外に出る。
【0004】
例えば、濾過またはさらには熱交換に作用することができる境界部分領域を実質的に形成するチューブシートによりフィルタチューブが支持されるような種々のフィルタ構造を説明している、米国特許第3,715,033号、米国特許第4,609,462号、および米国特許第5,128,038号を参照されたい。通常の再生式媒体フィルタでは、フィルタ要素の間隔が、少なくとも、離間しているフィルタ要素の幅である。これに関して、本明細書において後で説明される
図1の従来技術の図を参照されたい。このような幾何形状により、フィルタ流入部からフィルタ流出部まで移送されて媒体/要素の境界部分を越えてそのときに媒体孔サイズより大きい粒子を付着させる破壊的な乱流に対して、フィルタエリアがバランスをとることができる。これらの個別に吊り下げられる伸びた状態のフィルタ要素の乱れを防止するために、入口ゾーンおよびバッファゾーンが使用される。
【0005】
直観に反して、本発明の対象によると、フィルタ要素の一貫した被覆を達成するようにフィルタ要素および容積的な(volumetric)再生式フィルタ媒体を構成することが、流入乱流の影響を有意に排除する統制のとれたブリッジングによって実現される。これが、本発明に従って、本発明の一実施形態において、従来の既知のフィルタ要素の幾何形状より高い性能を有するモノリシックのハニカム構造を提供することにより、達成さ
れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、入口ゾーン、出口ゾーン、およびバッファゾーンのサイズを低減することを含めて、特にはフィルタハウジングの容積および高さを低減しながら、フィルタ構造内の乱流を低減するための既存のフィルタ要素構造に対しての改善である、改善されたフィルタ要素構成を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、そのすべてがより小さいフィルタ構造を構成するのを可能にする多数の異なる実施形態のうちの任意の1つの実施形態で実現され得る、既存のフィルタ要素構造に対して改善である、改善されたフィルタ要素構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記のおよび他の目的、特徴、および利点を達成するために、現在の再生式媒体フィルタ構造に関する上述の問題を解決しながら、改善された再生式媒体フィルタ構造、および関連するそのような再生式媒体フィルタの製造方法が提供される。本発明は、現況技術の再生式媒体濾過に損害を与えている乱流の影響を受けない大流量の流体流れを達成することにより、この問題を解決する。
【0009】
本発明では、同様のエンドユースの再生式媒体フィルタが、容積的なフットプリントを有意に低減しながらより大量の流体を濾過することになる。フィルタサイズの節約によって、以前の高さが制限されたエリアの中での設置を可能とすることになる。この高さの削減が、流入および流出接続部の高さの低減もたらし、これがさらにポンプヘッド圧力の低減をもたらし、これがさらに、従来技術の再生式媒体フィルタの余分な高さのために現在では達成し得ない濾過エネルギーの節約を可能にする。
【0010】
流体濾過が改善されることに並行して、フィルタシェルの機械的構造と、密閉ゾーンのサブコンポーネントと、流体ストリームの中でチューブシートを関節連結するための方法と、が改善される。液体濾過の用途での混入空気の問題が、混入空気を捕捉して混入空気をフィルタの外まで誘導するように設計された好都合な経路(clever path)を備える新規のフランジ構成によって解決される。
【0011】
空気である場合のつまり液圧により動作する場合の、内蔵タイプのシリンダの動力側からのいかなる漏洩も、現況技術の再生式媒体フィルタのリスクとなっているようにプロセス流体の方に放出されるのではなく大気の方に放出されることになるような本質的に安全であるシール構成を通る形で、タンクを貫通するシャフトに取り付けられるピストンを有する内蔵タイプのシリンダによりチューブシート要素組立体を関節連結することにより、さらなる改善が実現される。
【0012】
本明細書で説明される本発明によると、適切な再生式媒体と組み合わされる場合にフィルタの高さプロファイルおよび/またはフィルタの幅プロファイルを最小にしながら高レベルの再生式媒体濾過を維持することになる、多様な要素プロファイル、長さ、および面間隔を有するものとして提示される多数の実施形態がさらに提供される。
【0013】
本発明によると、再生式フィルタが提供され、この再生式フィルタが、入口ゾーンおよび出口ゾーンを有するフィルタハウジングと、入口ゾーンと出口ゾーンとの間に設けられる流体経路と、複数のフィルタ要素であって、各々が、塗布された外側表面フィルタ媒体を有し、流体経路からの粒子または汚染物質を濾過するように機能する、複数のフィルタ要素と、を備える。複数のフィルタ要素が、アレイとして配置され、隣接するフィルタ要
素間を接続して隣接するフィルタ要素間に閉じた間隙空間をフィルタ要素と共に形成するブリッジング部材またはブリッジング要素を有する。
【0014】
本発明の他の態様によると、ブリッジング要素またはブリッジング部材が、3つの隣接するフィルタ要素と共に閉じた間隙空間を形成する少なくとも3つのブリッジング要素を有し、各フィルタ要素の断面が円形であってよく、閉じた間隙空間が、ブリッジング要素またはブリッジング部材によって画定される3つの側面を有し、フィルタ要素が単層のフィルタ要素または二層のフィルタ要素であってよく、フィルタ要素の中に配置されるコイルばねを有し、アレイがハニカムパターンとして形成され、コイルばねが、圧縮ばね状の巻かれた螺旋構造物(compression spring wound helix)であって、張っている状態のシースを維持するため、および濾液によりフィルタ要素が負荷を受けるときに圧力差によりつぶれるのを防止するために予め圧縮されていてよく、ジグザグ状または均等に離間されるより大きなものを有する巻き径を公称として有する。
【0015】
本発明によると、再生式フィルタがやはり提供され、この再生式フィルタが、入口ゾーンおよび出口ゾーンを有するフィルタハウジングと、入口ゾーンと出口ゾーンとの間に設けられる流体経路と、複数のフィルタ要素であって、各々が、塗布された外側表面フィルタ媒体を有し、流体経路からの粒子または汚染物質を濾過するように機能する、複数のフィルタ要素と、出口ゾーンのすぐ手前に配置されて複数のフィルタ要素を支持する、フィルタハウジングを横断する形で支持されるチューブシートと、を備える。複数のフィルタ要素が、アレイとして配置され、隣接するフィルタ要素間を結合して隣接するフィルタ要素間に閉じた間隙空間をフィルタ要素と共に形成するブリッジング要素を有する。
【0016】
本発明の別の態様によると、ブリッジング要素またはブリッジング部材が、隣接するフィルタの間に延在する壁部材を有し、ブリッジング要素が、3つの隣接するフィルタ要素と共に上記閉じた間隙空間を形成する少なくとも3つの壁部材を有し、複数のフィルタ要素がハニカムパターンとして構成および配置され、ブリッジング要素またはブリッジング部材が、隣接するフィルタ要素間の接触箇所によって形成され、隣接するフィルタ要素が異なる幾何形状を有する。
【0017】
本発明によると、再生式フィルタがさらに提供され、この再生式フィルタが、入口ゾーンおよび出口ゾーンを有するフィルタハウジングと、入口ゾーンと出口ゾーンとの間に設けられる流体経路と、複数のフィルタ要素であって、各々が、塗布された外側表面フィルタ媒体を有し、流体経路からの粒子または汚染物質を濾過するように機能する、複数のフィルタ要素と、出口ゾーンのすぐ手前に配置されて複数のフィルタ要素を支持する、フィルタハウジングを横断する形で支持されるチューブシートと、を備える。複数のフィルタ要素が、アレイとして配置され、隣接するフィルタ要素がモノリシックのアレイとして配置され、隣接するフィルタ要素が比較的近接するように配置されるがそれらの間に隙間を画定する。
【0018】
本発明のさらに別の態様によると、隣接するフィルタ要素が異なる幾何形状を有し、フィルタ要素のうちの一部のフィルタ要素が円形であり、フィルタ要素のうちの他の一部のフィルタ要素が方形であり、フィルタ要素のうちの一部のフィルタ要素が円形であり、フィルタ要素のうちの他の一部のフィルタ要素が方形であり、隣接するフィルタ要素間の隙間がフィルタ要素の幅未満であり、単一のフィルタ要素を横断する最小断面距離の1/5以下である接線での幾何学的な最大近接距離(maximum tangential geometric proximity)が存在する。
【0019】
図面が単に例示のために提供されるものであり、本開示の制限を定義することを意図されない、ことを理解されたい。本発明を描いている図面では、すべての寸法がスケーリン
グされる。本明細書で説明される実施形態の上記のおよび他の目的および利点が、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】流体経路を示し、描写された入口ゾーン、バッファゾーン、濾過ゾーン、および出口ゾーンを例示する、再生式媒体フィルタを示す従来技術の概略側面図である。
【
図2】流体経路を示し、描写された入口ゾーン、バッファゾーン、濾過ゾーン、および出口ゾーンを例示する、本発明の再生式媒体フィルタの一実施形態を示す概略側面図である。
【
図3】フィルタシェルまたはフィルタハウジング、フィルタ要素、出口プレナム、および革新的な頂部フランジの上に設置された媒体再生シリンダ(media revival cylinder)、などの構成要素を例示している
図1の再生式媒体フィルタを示す分解図である。
【
図3A】上側タンクフランジの片持ちセクションに接触するように押し下げプレートが付勢されている状態の、定位置にあるバンドルを示す、
図4に描かれる図と同様の断面図である。
【
図3B】矢印Xの方向に下方に移動させられているバンドルの全体を示す断面図である。
【
図3C】作動ロッドと押し下げプレートとの間の接続部を示す詳細図である。
【
図3D】再生式媒体フィルタの内部表面にナノスケールバリアを付加することの概念を示す図である。
【
図4】フィルタの流入側から要素を通りチューブシートを横切ってフィルタ流出プレナムに入ってフィルタ流出接続部を通って外に出る流れを明示している、上側フランジの片持ち式のシーリング表面に接触する形で着座するチューブシート押し下げプレートを示す部分断面図である。
【
図5】フィルタ要素とそれらの間の間隙空間との間を描写する、上側フランジの片持ち式のシーリング表面に接触する形で着座するチューブシート押し下げプレートを示す拡大部分断面図である。
【
図5A】異なるバージョンのチューブシート構造を示している、
図5に示されるものと同様の断面図である。
【
図6】上側タンクフランジ/関節連結されたバンドルシーリング表面を示す上面図である。
【
図7】
図6の線7-7に沿う、
図6の上側タンクフランジのシーリング表面/関節連結されたバンドルシーリング表面を示す拡大断面図である。
【
図8】下側タンクフランジ/関節連結されたバンドルシーリング安定化表面を示す上面図である。
【
図9】
図8の線9-9に沿う、
図8の下側タンクフランジ/関節連結されたバンドルシーリング安定化表面を示す断面図である。
【
図10】チューブシートプレートを示す上面図である。
【
図15】スロットを示すために切り欠かれた、
図14の入口チューブを示す正面図である。
【
図18】シリンダ設置フランジを示す側面図である。
【
図23】多くの考えられる透過性の単層のフィルタ要素のうちの1つのフィルタ要素を示す断面図である。
【
図24】二層のフィルタ要素の考えられる多くの実施形態のうちの1つの実施形態を示す断面図である。
【
図24A】
図24に示される実施形態に対しての代替の実施形態を示す断面図である。
【
図25】
図22の一部分から切り取られたフィルタ要素アレイの一部分をより詳細に示す部分拡大断面図である。
【
図25A】フィルタ要素間のブリッジングを追加的に有する、
図3Aに示されるものと同様の断面図である。
【
図25C】離間されるブリッジング部材を示す、
図3Aに示されるものと同様の断面図である。
【
図26】ハニカム構造を有するフィルタ要素アレイの別の実施形態を示す概略図である。
【
図26B】隣接するフィルタ要素間のハニカム構造のさらなる詳細を示す図である。
【
図27】閉じた間隙空間を一体に形成している、フィルタ要素および一連のブリッジ要素を示している、フィルタ要素アレイのさらに別の実施形態を示す部分拡大断面図である。
【
図27A】
図27の実施形態のフィルタ要素のうちの隣接するフィルタ要素を示す拡大図である。
【
図28】フィルタ要素アレイの別の実施形態を示す部分図である。
【
図29】
図29Aは、隣接するフィルタ要素の代替の構成を示す概略図である。
図29Bは、隣接するフィルタ要素の代替の構成を示す概略図である。
図29Cは、隣接するフィルタ要素の代替の構成を示す概略図である。
図29Dは、隣接するフィルタ要素の代替の構成を示す概略図である。
図29Eは、隣接するフィルタ要素の代替の構成を示す概略図である。
図29Fは、隣接するフィルタ要素の代替の構成を示す概略図である。
【
図30】0.500の直径のフィルタ要素を考察する、複数の要素間の間隔の、流量対フィルタ要素の歪みをプロットするグラフである。
【
図31】0.750の直径のフィルタ要素を考察する、複数の要素間の間隔の、流量対フィルタ要素の歪みをプロットするグラフである。
【
図32】1.000の直径のフィルタ要素を考察する、複数の要素間の間隔の、流量対フィルタ要素の歪みをプロットするグラフである。
【
図34】350GPMの歪みのフィルタ要素を示す図である。
【
図35】ゼロデルタPの基準値の圧力差歪みのフィルタ要素を示す図である。
【
図36】69kPa(10PSI)の最大値の圧力差歪みのフィルタ要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
従来技術の図
ここで
図1を参照すると、一般的な再生式媒体フィルタ10が示されている。この従来技術の構造では、ハウジング13の底部から外側のドレン12の接続部を配管するのを容易にするために脚部11の上に設置されるハウジング13が示されている。この構成が、フロア15から入口ノズル16の中心までで測定されるフィルタの入口ゾーン14を提供する。流体17が入口ノズル16のところで再生式媒体フィルタに入り、これが通常は乱流であり、したがって、再生式媒体フィルタ10の濾過ゾーン20に入る前により層流である流れへと変化するのに深い液溜めエリア(deep sump area)18およびバッファゾーン19を必要とする。
【0022】
粒子状汚染物質をいくらか運んでいる上で言及した流体17が、フィルタ要素23の外側表面22のそれぞれ1つを包囲している再生式媒体21のケークを通過する。この流体はフィルタの高圧の入口側から移行してフィルタ要素シース23の境界部分を通過してフィルタの低圧ゾーン24に達する。この流体は、フィルタ要素23の低圧側から、チューブシート25の方に移行する。
【0023】
清潔な流体が再生式媒体フィルタから出る途中に出口ゾーン26に溜まる。この設計では蓋の幾何形状が平坦であることにより、出口ゾーン26の中の27のところに空気が溜まり易い。また、従来技術の再生式媒体フィルタでは、ハウジングの内部に出口ゾーン26を画定し、出口フランジスタンドオフとして機能するストップリング30から離れて下方へとチューブシート25を移動させるためにハウジングの中まで貫通している作動ロッド29の周りに配置されるパッキングランド構成28の性質を原因として、この出口ゾーン26のところで高圧圧縮空気の漏出が起こりやすい。
【0024】
再生式媒体フィルタの分野は、濾過要素が互いに対して非効率に配置されることから不利となっている。したがって、タンクの幾何形状が過度に大きいサイズとなり、非効率となる。さらに、この非効率な配置によりフィルタが乱流を受け易くなり、それにより濾過効率が悪影響を受ける。
本発明の代替実施形態の詳細説明
本発明によると、再生式媒体フィルタは、濾過される流体の単位当たりのフィルタサイズの全体を最適化するように構成され、複数の変数を同時に最適化することによりこれを達成する。全体的に32で示される本発明による再生式媒体フィルタを示す
図2を特に参照されたい。これらの変数には、考えられる変数の中でもとりわけ、フィルタ要素31の直径、要素31の面間隔、フィルタ要素31の外側表面40の上に付着する再生式媒体33の容積、フィルタ要素31が濾過媒体33によって被覆される場合の得られる間隙自由空間S(例えば、
図25に示される実施形態を参照されたい)、フィルタハウジング34のシェルの直径、入口ゾーン35の高さおよび容積、バッファゾーン36の高さおよび容積、ならびに、再生式媒体フィルタの濾過ゾーン37の高さおよび容積、が含まれる。本発明によると、
図1および2を比較すると、
図2に示される本発明の実施形態の入口ゾーンおよびバッファゾーンが
図1に示される同様のゾーンより有意に小さいことが分かる。
【0025】
さらに
図2を参照すると、流体流れのための経路が47で示されている。流体経路47が入口ノズルNのところで再生式媒体フィルタに入り、幅広であり比較的薄い入口ゾーンエリア35および比較的薄いバッファゾーン36の中まで誘導され、その後、より層流である流れへと変化し、その後、再生式媒体フィルタ34の濾過ゾーン37に入る。
【0026】
上で言及した流体経路47が、収容容器の中に配置される個別の濾過要素31で作られ
る得られた濾過構造を通過する粒子状汚染物質をいくらか運び、その結果、粒子濾過媒体33により濾過要素31が一様に被覆される場合には、流れおよびベルヌーイの原理により、個別のフィルタ要素が、例えば
図22および25で示されるような高効率のハニカムタイプの構造の形態の一体化される濾過構造を形成する。間隙自由空間Sを備えるハニカムタイプのフィルタアレイが上述したような幾何形状の最適化を実現する。この流体経路47が、フィルタの高圧の入口側から各フィルタ要素31の要素シース41の境界部分を通過してフィルタの低圧ゾーン42に達する形で、フィルタ要素の外側表面40の各々を包囲している再生式媒体33のケークを通過し、チューブシート43の方に向かう。
【0027】
洗浄された流体が再生式媒体フィルタから出る途中に出口ゾーン44に溜まる。出口ゾーンのところで、すべての混入空気が捕捉されてドーム51の最も高いポイントのところにあるポートを通して外に排出される。また、従来技術の再生式媒体フィルタでは、この出口ゾーン44のところで高圧圧縮空気の漏出が起こりやすいが、本発明の新規の構造により、流体が効果的に排出される。これに関して、フィルタシェルまたはハウジング、フィルタ要素、出口プレナム、および新規のフランジ機構60の上に設置される媒体再生シリンダ、などの構成要素を示している、
図2の再生式媒体フィルタの分解図を示す
図3を参照されたい。このフランジ機構が圧縮空気作動式シリンダ45からタンクを密閉し、また同時に、仕切り表面として機能するハウジングの内部に出口ゾーンを画定するシーリング表面50から離れて下方へとチューブシート43を関節連結するためにハウジングの中まで作動ロッド46を貫通させるのを容易にする。
【0028】
図3は、フィルタシェルまたはハウジング、フィルタ要素、出口プレナム、および新規の頂部フランジ上に設置される媒体再生シリンダ、などの構成要素を示している、
図1の再生式媒体フィルタの分解図である。
図4は、フィルタの流入側から要素を通りチューブシートを横切ってフィルタ流出プレナムに入ってフィルタ流出接続部を通って外に出る流れを明示している、上側フランジの片持ち式のシーリング表面に接触する形で着座するチューブシート押し下げプレートを示す部分断面図である。
図5は、フィルタ要素とそれらの間の間隙空間との間を描写している、上側フランジの片持ち式のシーリング表面59に接触する形で着座するチューブシート押し下げプレート52を示す拡大部分断面図である。
【0029】
図3の分解図では、ハウジング34、およびNのところの入口流れが示されている。入口ゾーン35のところで、濾過されることになる流体が入り、バッファゾーン36を通過して濾過ゾーン37に達する。
図2および3に描かれるようにハウジング34のところに視認用ガラスまたは視認用ポートRが設けられてよい。
図3では、フィルタ要素バンドルまたはフィルタ要素アレイが、フィルタアレイの個別のフィルタ要素からフィルタ媒体33を落とすための上下の動きを有するシリンダ45および作動ロッド46によって関節連結される。全体の構造の
図4および5に提示されるさらなる細部も参照されたい。これらの構成要素には、すべてのフィルタ要素31のための主平面支持体であるチューブシート43、チューブシートを定位置で保持するための押し下げプレート52、下側タンクフランジ53、および上側タンクフランジ54がさらに含まれる。
【0030】
図3では、フィルタ要素バンドルまたはフィルタ要素アレイが、フィルタ要素の周りに付着したフィルタ媒体を落とすようにシリンダ45により上下方向に関節連結される。
図3はシールおよび押し下げプレートをさらに示しており、ここでは、押し下げプレートと上側タンクフランジとの間にシーリング表面50が設けられる。このシーリング構造が、清潔なプレナムエリアと汚れている入口ゾーン/バッファゾーン/濾過ゾーンとの間に境界を画定する。
図3はさらに、矢印Bによりインフローを示しており、矢印Aによりアウトフローを示している。フランジ構成は、濾過ゾーン37に到達する乱流を排除することを目的として入口ゾーン35およびバッファゾーン36の容積的な寸法を最小にするよう
な形で汚染流入物を誘導するように設計されるチューブのアクセス経路に沿う形で、打ち抜き孔を備えるフィルタシェルフに密閉的に溶接される一方の端部のところで汚染流入物を受け取るために開いている。
図3に関しては、底部から頂部の方向にフィルタに水を充填する場合に、空気を捕らえるような、出口チューブの左壁を超える高さが存在することに留意されたい。しかし、この新規のシリンダ設置フランジはフィルタの先端部のところに着座し、
図20の断面図の左半分に見られる機械加工による出口に繋がる
図21の左下にある機械加工による溝が、捕らえた空気を逃がすのを可能にする。この同じ接続部が、フィルタ媒体(
図3の媒体の表記)を補充するためにフィルタを空にするのを容易にする。
【0031】
次に
図3Aから3Cを参照する。
図3Aは、上側タンクフランジ54の片持ちセクション55に接触するように押し下げプレート52が付勢されている状態の、定位置にあるバンドル72を示す、
図4に描かれる図と同様の断面図である。
図3Aは、シリンダ45から制御される作動ロッド46の接続部も示している。作動ロッド46が、
図18~21で説明されるフランジ機構60によって支持される。
図3Aでは、ロッド46がU形ブラケット67により押し下げプレート52を支持する。ロッド46の端部が、ピン68および関連付けられるコッタピンにより、ブラケット67に接続される。
図3Cに示されるように、ブラケット67を押し下げプレート52に固定するのにボルト69も使用される。ロッド46が押し下げプレートに固定される限りにおいては、他の固定機構または固定具が使用されてもよい。このようにして、ロッド46の作動が、
図3Aに示される位置と
図3Bに示される位置との間でフィルタ要素バンドル72を動かすことができる。
【0032】
フランジ機構60に関して、以下では
図21Aも参照する。このフランジ機構60が作動ロッド46を支持し、さらには、ポート62を経由する逃げ経路を提供し、その結果、ドーム51内の混入空気がハウジングから逃げることができる。
図3Aでは、ロッド46がより近位側の位置で示されており、それにより押し下げプレート52のシーリング表面50が上側タンクフランジ54のカンチレバー55に接触する形で付勢される。フィルタを洗浄することが所望される場合、バンドル全体が
図3Bの矢印Xの方向に下方に移動させられる。したがって、
図3Bが、この時点で押し下げプレート52のシーリング表面50を上側タンクフランジ54の片持ちセクション55の表面59から分離している状態の、より遠位側の位置にあるアクチュエータロッド46を示している。
【0033】
本発明の一態様は
図3Dに示す図に関連する。これは、再生式媒体フィルタおよびハウジングの内部表面にナノスケールバリアPを付加することに関連する。このナノスケールバリアPは、噴射または他のテクニックにより塗布され得る。例示のために、
図3Dにシェル壁の内部を示す。しかし、ナノスケールバリアは、再生式媒体自体の表面を含めたすべての表面に塗布されてもよく、それにより、それ以外の場合ではフィルタの流入側において成長および繁殖してしまうような、極小のウイルスまたは微生物の細胞壁を破壊するための機構を提供する。このナノスケールバリアPは、コストを有意に低減しながら水系内での安全な生物学的制御を達成するときの化学的負荷およびUVパワーレベルを低減する働きをする。
【0034】
図4および5の断面図に関して、ハウジング34が示されている。ハウジング34の頂部縁部が下側タンクフランジ53のところで支持される。Oリング58が好適には上側タンクフランジ53と下側タンクフランジ54との間に設けられる。ボルト57などが、密閉による相対的な手法で上側および下側タンクフランジを一体に固定するのに使用される。
【0035】
図5Aが、チューブシート43および押し下げプレート52の一部分を示す。
図5Aが、チューブシートプレート43および押し下げプレート52を一体に固定するのに使用され得るキャップねじ48をさらに示している。
図10および12が、より小さい直径の円により、プレート43および52を一体に固定するための考えられるキャップねじの配置を示している。
図5Aはまた、
図24でより詳細に説明されるフィルタ要素の一実施形態を示している。フィルタ要素が、外側シース84と、シースの外形全体を支持するばね85と、を有するものとして示されている。シース84の頂部のところにフランジ86が設けられる。フランジ86の例示としてやはり
図24を参照されたい。フランジ86が押し下げプレート52とチューブシートプレート43との間で捕捉される。
図5Aはまた、下側タンクフランジ53に係合されるハウジング34の頂部縁部を示している。
【0036】
図6は、上側タンクフランジ/関節連結されたバンドルシーリング表面の上面図である。
図7は、
図6の上側タンクフランジのシーリング表面/関節連結されたバンドルシーリング表面の拡大断面図である。
図8は、下側タンクフランジ/関節連結されたバンドルシーリング安定化表面の上面図である。
図9は、
図8の下側タンクフランジ/関節連結されたバンドルシーリング安定化表面の上面図である。
図10は、チューブプレートシートの上面図である。
図11が、
図10のチューブプレートシートの断面図である。
図12は、押し下げプレートの上面図である。
図13は、
図12の押し下げプレートの断面図である。押し下げプレートが、固定される相対的位置ですべてのフィルタ要素を維持するように構成される。また、押し下げプレートが逆さのチューブシートとして機能し、ここでは、その孔を通過する流体が、フィルタ媒体を通過することを理由として、清潔である。
【0037】
次に、本発明による入口ノズルの構造を参照する。
図14~17Aは、フィルタ要素バンドルから離すように流れを誘導して、それにより適切な流れを維持して乱流を制御するのを補助するように構成される入口チューブまたはノズルNを示している。この目的のために、ノズルNが、底部円周に沿って配置される離間される一連のスロットN1を備える。これらが、
図15の図、さらには
図16の側面図および
図17の底面図に描かれている。これらのスロットの各々が短径の周りに延在してその底部のところにおいて壁によって分離される。このようにして、内向きの流れが、ノズルの両側からであるが、ある程度横方向に誘導される。
【0038】
次に、フランジ機構60を示す
図18~21を参照する。
図21Aは、ドーム51およびアクチュエータ45に対するフランジ機構60の配置を示している。このシリンダ機構60はフィルタから混入空気の実質的に100%を排除するものであり、シリンダ設置フランジに一体化されている。
図18は、シリンダ設置フランジの側面図である。
図19は、
図18のシリンダ設置フランジの上面図である。
図20は、
図18のシリンダ設置フランジの断面図である。
図21は、
図18のシリンダ設置フランジの底面図である。
図21Aでは、アクチュエータ45がブロックとして示されているが、作動ロッド46を関節連結するのを可能にする任意の種類の作動機構が設けられてよいことを理解されたい(上下方向のモーション)。フランジ機構60はシリンダ設置フランジとも称され、その基本的な機能は、ドーム51の中に提供される混入空気がポート62を通って逃げるのを可能にしながら、作動ロッド46にシールを提供することである。
図21Aに示されるように、この目的のために、箇所63のところにシールが設けられてよく、箇所64のところにシールが設けられてよく、これらの両方が機構60および作動ロッド46の間に密閉作用をもたらす。シール63、64は、各々、Oリングシールによって形成されていてよい。
図21Aの66のところに別のシールが設けられてよく、これが別のOリングの形態または他の同様の形態であってよい。
【0039】
図22および25は、1つの具体的な実施形態において本発明の重要な特徴を示している。この実施形態は、比較的近接して離間されているがブリッジング部材Bを有するフィルタ要素を提供する。このブリッジングは、選択される特定の幾何形状によって形成されるものである。これにより、従来技術で提供されるものとは大幅に異なる新規の表面エリ
アが提供される。この実施形態では、すべてのフィルタ要素がブリッジ構成要素を有し、その結果、全体として、フィルタアレイが、単一のユニットとなるようにすべてのフィルタ要素が実質的に接続された状態のモノリシックの構造として機能することが所望される。従来技術では、フィルタ要素が互いに独立して支持されており、互いに離間されており、通常は少なくとも所定のフィルタ要素の幅の分だけ離間されていることに留意されたい。
【0040】
次に、
図22および限定された数のフィルタ要素72の
図25の詳細図に示される改善されたフィルタ要素バンドルまたはフィルタ要素アレイ70を参照する。従来技術のフィルタ要素とは異なり、本発明によると、このアレイは、隣接するフィルタ要素72の間に閉じた間隙空間Sを設けるように配置される一連のフィルタ要素72である。この間隙空間Sは、
図22の実施形態では、隣接するフィルタ要素72の外側表面と共に閉じた間隙空間Sを提供するブリッジング要素またはブリッジング部材Bによって形成される。
図22の実施形態では、間隙空間Sが概ね三角形であり、実質的に3つの隣接するフィルタ要素72の間に配置され、ここでは、隣接するフィルタ要素がブリッジング部材またはブリッジング要素Bによって相互接続される。
【0041】
次に、フィルタ要素の構造に関連する範囲において、
図23に示される実施形態を参照する。これは単層のフィルタ構造を表しており、ウインドスクリーンから形成されるかまたは追加の製造テクニックを使用して印刷される長いシンブルの形態であるとみなされてよい。これは透過性を有し、また同時に本質的に高い剛性を有する。この構造はまた、垂直方向の剛性または径方向の剛性を維持するための内部支持構造を必要とせず、したがって圧力差によりつぶれることがないように耐えることができる。再生式媒体が構造の外側表面上にケークを形成し、媒体ケークを通してフィルタ要素を上方に進み、さらにチューブシートを通して外に出すような形で流体を通過させるときに、混入粒子を収集する。フィルタ要素またはフィルタシース80は82のところが縫い綴じられておりそれによりシースを閉じており、頂部フランジ81をさらに有する。チューブシートに対してフィルタ要素を固定するのにフランジが如何にして使用されるかを示している
図5Aをさらに参照されたい。
【0042】
次に、フィルタ要素の別の構造に関連する範囲において、
図24に示される実施形態を参照する。したがって、
図24は、外側シース84に付随するばね85の使用を示している。ばね85は円筒形のコイルばね構造であってよい。このばねは、シースの中に嵌め込まれるときにパンケーキ状の巻かれた上側セクション83までチューブシート内の精密な孔を通過することになるように、形成されている。ばね85は予め負荷をかけられていてよく、したがってシースを伸ばしてその全長にわたって正確な直径を維持する働きをする。ばね85はまた、境界部分ゾーンに跨ってフィルタ媒体に対して圧力差が作用するときにつぶれないように耐えることができる。シースは86のところが縫い綴じられていてよく、それにより予め負荷をかけられたばね85の上でシースを閉じることができる。
【0043】
次に、
図24Aに示されるフィルタ要素の別の実施形態を参照する。これはフィルタ要素の代替的実施形態を表している。これは、チューブシートに対してフィルタ要素を適切な位置で固定するための頂部フランジ90を装備することができるシース87を表している。シース88の中に、アスタリスク形状すなわち星形状の断面を有する支持構造89が設けられる。この構造もやはり、ウインドスクリーンで形成されてよいかまたは印刷製品であってよい。この材料は透過性を有し、また同時にいくらかのレベルの剛性を有する。
【0044】
次に、
図22および25に示されるフィルタ要素の実施形態を参照する。
図25が、
図22の一部分から切り取られた、フィルタ要素の一部分をより詳細に示している部分拡大断面図である。したがって、
図22および限定された数のフィルタ要素72の
図25の詳
細図に示される改善されたフィルタ要素バンドルまたはフィルタ要素アレイ70が提供されている。本発明では、このアレイは、隣接するフィルタ要素72の間に閉じた間隙空間Sを設けるように配置される一連のフィルタ要素72である。この間隙空間Sは、
図25の実施形態では、隣接するフィルタ要素72の外側表面と共に閉じた間隙空間Sを提供するブリッジング要素またはブリッジング部材Bによって形成される。
図25の実施形態では、間隙空間Sの各々が概ね三角形であり、実質的に3つの隣接するフィルタ要素72の間に配置され、ここでは、隣接するフィルタ要素がブリッジング部材またはブリッジング要素Bによって相互接続される。
【0045】
次に、この場合では隣接するフィルタ要素31の間で実際に接続された状態でブリッジング部材Bが示されている、さらなる細部を示す
図25A~25Dを参照する。
図25Aおよび25Bに示される実施形態では、単一の細長いブリッジング部材Bが、各フィルタ要素31の全長にわたって延在して示されている。
図25Cおよび25Dに示される実施形態では、分離しているブリッジング部材Bが採用される。
図25Cに示されるように、これらのブリッジング部材は各フィルタ要素の長さに沿って分離されていてよい。
図25Dが、隣接するフィルタ要素31を接続するブリッジング部材Bのうちの1つのブリッジング部材を示す。
【0046】
図26は別のフィルタ要素構成の部分図であり、ここでは、フィルタ要素がハニカム構造で形成される。
図26では、ハニカム構造が、エレメントの壁の厚さを一切示さずに概略的な構造を示す形で、ある程度概略的に示されている。
図26に描かれるフィルタ要素72は各々が六角形形状を有し、ハニカムパターンとして構成される。フィルタ要素の各々がフィルタ媒体で予め被覆されていることを必要とすることから、有効な実施形態では、
図26Aに示されるように、また本明細書において後で説明されるように、六角形の要素の各々の間に間隙空間が設けられることになる。したがって、これらの六角形のうちの
図26に示される一部の六角形が、フィルタ要素を囲む空間を有するフィルタ要素を有する。
図10~13の場合のように孔を平面的に配置することとの組み合わせで要素の大きさを決定する場合、別法として、円形の孔を提供してもよいかまたはフィルタ要素の形状に幾何学的に適合する孔を提供してもよい(すなわち、六角形の場合には六角形を提供し、円形の場合には円形を提供し、方形の場合は方形を提供し、星形状の場合には星形状を提供する、などである)。フランジが
図10の部材を貫通して嵌め込まれることがなくかつ
図12内の孔が流体がフィルタ媒体を通過することになるように要素を密閉するのに対応するサイズを有する限りにおいて、構造が
図10の上に置かれる
図12の「サンドイッチ」の形態であってそれにより
図23に示されるように形成される表面または
図24に描かれる「巻き芯」表面を介して要素のフランジを捕捉する、ことに留意されたい。
【0047】
図26Aは、ハニカム構造の形態である、
図26に関連して示され説明されたフィルタ要素のより実用的な構造を示している。
図26Aが、Mのところに媒体層を塗布することをさらに示すことにより、さらなる追加の細部を提示している。したがって、媒体層が、それぞれのフィルタ要素72の対向する各々の側面の間に配置される。
【0048】
次に、
図26Bのさらなる細部を参照する。この図は、
図26および26Aに示される構成のさらなる細部を提示するものである。もちろん、フィルタ媒体Mは、隣接する各々のフィルタ要素72の間に配置されることになる。
図26Bでは、簡潔さのために、隣接するフィルタ要素72のうちの2つのフィルタ要素72のみが示される。これらのフィルタ要素の各々が、参照符号Tにより
図26Bで示されているようにある程度の壁厚さを有するものとしてみなされてよい。
図26Bはまた、それぞれのフィルタ要素72の対向する表面の間に実質的に配置される間隙空間S1を示している。
図26Bはまた、それぞれのフィルタ要素72の対向する壁の間にフィルタ媒体が実質的に配置されるところの箇所を単純な斜交平行線によって示している。
【0049】
次に、
図27に示される別の実施形態を参照する。これは別のハニカム構成を表しており、ここでは、一連の6個のフィルタ要素73が、中心フィルタ要素によって画定される中央の閉じた間隙空間S1の周りに配置される。これは、実質的に、ハニカム構造の機能を、閉じた間隙空間をさらに提供するという機能に組み合わせるものである。
図27の構造に関して、以下のことが当てはまる限りにおいて、間欠的な方形および円形を提供してもよい。
【0050】
1.点接触を呈する
2.再生式媒体で被覆される表面を提供する
3.間隙性を実質的にゼロにするように要素を密着させている
図26に明示されるものとは実質的に異なり、要素の高さ全体にわたっての完全なアクセスを可能にするように流体を誘導することができる間隙性を提供するような充填密度を呈する。
【0051】
したがって、
図27は、閉じた間隙空間S1を一体に形成する、六角形形状のフィルタ要素73さらには一連のブリッジ要素Bを表している。これに関して、本出願の例えば
図2を参照することもでき、ここでは、流体流れが破線の矢印47によって示されている。この間隙空間S1は閉じているものとして示されているが、この間隙空間およびフィルタ媒体を通って各フィルタ要素の内部まで流体が通過するのを可能にする閉鎖構造を形成するがその底部端部のところが開いている。
図27に描かれるフィルタ要素は六角形であるが、これらのフィルタ要素は、円形、楕円形、および星形状を含めた、種々の別の形状を有してもよい。各空間S1の頂部が好適には閉じられている。
【0052】
図27Aは、限定された数のフィルタ要素72のみを示している、
図27に示される本発明の特定の実施形態の場合のさらなる細部を提示している。フィルタ要素72の各々が、
図27Aに示されるように、壁厚さTをそれぞれ有するように構成され得る。
図27Aはまた、それぞれのフィルタ要素の隣接する対向する壁の間に形成されるブリッジング接続部Bを示している。このブリッジング要素、およびフィルタ要素が、それ自体で、間隙空間S1を画定する。この間隙空間S1の中に、参照符号Mによって示されるように媒体層コーティングが提供される。各ブリッジング部材Bは、各フィルタ要素73を画定する対向する壁の間に延在する物理的な壁構造であってよい。
【0053】
図28は別の種類のハニカム構造のフィルタ要素を描いており、ここでは、
図28に明確に示されるように、フィルタ要素のうちの特定のフィルタ要素が方形または矩形の断面を有し、他のフィルタ要素が円形を有する。方形の要素が円形要素に当接される場合、
図28のBのところに示されるようなブリッジングが存在する。このブリッジングが、フィルタ要素と併せて、閉じた間隙空間S1を形成する。例えば、1つの間隙空間S1が、隣接する方形のフィルタ要素と、円形フィルタ要素のうちの1つの円形フィルタ要素と、によって境界を画定される。このブリッジングは、単純に、フィルタ要素間の接続点の形態であってよいか、または相互接続される小さい壁であってもよい。
図28がさらに、示される1つのエリアのみであるがMのところにケークを形成する媒体を示している。もちろん、ケークを形成するこの媒体は、間隙空間S1によって境界を画定されるすべての内部エリアをカバーすることになる。
【0054】
図28Aは、
図28に示される実施形態の部分拡大図を示す。
図28Bが、
図28の実施形態のさらなる細部を示す。
図28Cが、
図28Bの実施形態の隣接するフィルタ要素間に構成される説明図である。
図28Aから28Cは、
図28に示される本発明のバーションに関連するさらなる細部を描いており、ここでは、異なる形状の隣接するフィルタ要素が提供される。これには、円形のフィルタ要素に対しての接触箇所を有する概略方形のフィルタ要素が含まれる。この箇所のところで円形のフィルタ要素が方形のフィルタ要素に実質的に接しており、ここにブリッジ部材Bが位置することになる。ブリッジ部材Bの箇所の例示のために
図28を参照されたい。
図28Cの図では、実際には小さい物理的なブリッジング部材Bが提供されており、その結果、隣接するフィルタ要素74の間に物理的な接点または物理的な接続部が存在することになる。これらの追加の図はまた、特には
図28Cで、媒体層Mの箇所を示しており、また、それぞれのフィルタ要素の対応する壁厚さTを示している。
図28Cでは、ブリッジ要素Bを画定する隣接するフィルタ要素間に小さい壁が実際に示されている。
【0055】
本発明によると、フィルタ要素バンドルの全体に関して、1つまたは複数の手法で「ブリッジング」が提供され得る。大抵の場合、本明細書で示される実施形態では、ブリッジングBは、隣接するフィルタ要素間の物理的な接続部によって形成される。例えば、
図27Aを参照されたい。本発明の他の実施形態では、ブリッジングは、物理的な接続部を伴う形でまたは物理的な接続部を伴わない形で、隣接するフィルタ要素間の接触エリアまたは接触箇所によって形成され得る。これに関して、例えば
図28を参照されたい。
図28では、ブリッジ部材が物理的な接点によって形成されるものとみなされ、この物理的な接点は、円形のフィルタ要素が方形のフィルタ要素に接するような接点などである。最後に、
図26Bの詳細図を参照されたい。
図26Bでは、物理的なブリッジが使用されず、隣接するフィルタ要素が近接していることにより、フィルタ要素バンドの全体がモノリシックの構造を形成する。
【0056】
次に、
図29Aから29Fに示されるそれぞれの概略図を参照する。
図29Aから29Cに示される図は、実質的に3つの異なるバージョンの、隣接するフィルタ要素72の間のインターフェースに関するさらなる細部を提供している。これは
図25に示される構造に関連し、ここでは、すべてのフィルタ要素の断面が円形である。
図29AがBの接触ポイントのところで接触しているフィルタ要素を示す。
図29Bが、間に間隔Gを有するフィルタ要素を有する。
図29Cが、物理的なブリッジ構造Bによって接続される隣接するフィルタ要素72を有する。ここで、
図28の実施形態に実質的に関連する
図29Dから29Fをさらに参照する。ここでは、フィルタ要素74が円形のフィルタ要素と方形のフィルタ要素とで交互になっている。これらの図は隣接するフィルタ要素間の異なるインターフェースを示す。
図29Dが、フィルタ要素間の箇所Bのところで接触することによる接合部を示す。フィルタ要素のうちの一方のフィルタ要素の断面が円形であることから、この接触は実質的に、円形のフィルタ要素に対して方形のフィルタ要素が実質的に接しているところの実質的に単一の点の箇所のところにおいてのものである。
図29Eが、間隔または隙間Gによって分離されるフィルタ要素を示す。
図29Fが、ブリッジ部材Bにより物理的に相互接続されるフィルタ要素を示す。
図29Aから29Fはさらに、間隙性の間隔のエリア、媒体材料M、およびブリッジ部材Bを示している。
【0057】
図27Aに関しては、隣接するフィルタ要素間の物理的なブリッジBを示しているが、
図28Aは、隣接するフィルタ要素間の箇所Bのところでの接触を示している。
図26BのS1のところに示されるように隣接するフィルタ要素が離間されているような、
図26Bに示されるような例などでは、非常に小さい間隔が存在するが、これは存在する場合、モノリシックの構造を維持することを目的として、またさらには、流体の乱流を実質的に抑制するための構造を提供することを目的として、互いに近接する必要がある。
【0058】
図29Bおよび29Eに示される事例では、近接する形で離間されるフィルタ要素が提供されるが、フィルタ要素はブリッジをかけられたり接触したりしていない。初期実験により、隣接するフィルタ要素間の隙間がフィルタ要素の幅未満であることが判明した。また、隣接するフィルタ要素間に、単一のフィルタ要素を横断する最小断面距離の1/5以下である接線での幾何学的な最大近接距離が存在する、ことが分かった。この構成により、ブリッジング要素または接触要素を使用して提供される構造と同様の形で乱流を阻止する十分にモノリシックである構造が提供される。「接線での幾何学的な近接距離」という用語に関しては、これは、公称の安定した状態における、2つの隣接するフィルタ要素の最も近接する接線の間で測定される距離とみなされる。したがって、例えば、特定のフィルタ要素が例としてXミリメートルの直径を有するとする場合、隣接するフィルタ要素間の間隔がXの1/5以下である必要がある。これにより、隣接するフィルタ要素間に物理的なブリッジング要素が存在しない場合であっても、または隣接するフィルタ要素間に接触箇所が存在しない場合であっても、密なモノリシックの構造が提供される。
【0059】
次に、隣接するフィルタ要素間の重要な間隔に関連して上に記載した提案をサポートする、フィルタ要素の直径に基づく追加のグラフについて
図30~36を参照する。示されるように、内部要素の間隔を、フィルタ要素自体の直径または断面の1/5以下程度であるとする。このパラメータの別の言い方をすると、内部要素の間隔が、フィルタ要素自体の直径または断面の最大で1/5である寸法を有する、ということになる。分析により、驚くべきことに、所望の低乱流を維持するために維持されるべき間隔の非常に狭い範囲が存在することが分かった。これは、
図1に示される実施形態と比較する場合に、本明細書で
図2に示される実施形態を許容するものであり、ここでは、フィルタ構造の底部分の高さが有意に低減される。フィルタサイズの経済性が、上述の高さ制限エリアの中への設置可能性へと転換される。この高さ制限が、流入および流出接続部の高さを低減することに転換され、これがさらにポンプヘッド圧力を低減することに転換され、これがさらに、従来技術の再生式媒体フィルタの余分な高さのせいで現在では達成不可であるような濾過エネルギーの節約に転換される。
【0060】
図30~32では、フィルタ要素の特定の直径の大きさに関係なく、フィルタ要素の直径または断面に対して1/5である上記の関係が適用され得る、ことを示す4つのグラフが記載されている。また、この原理は、フィルタ要素の形状に関係なく、適用される。例えば、
図26、26A、および26Bに示される実施形態では、間隔が、隣接する六角形のフィルタ要素間で測定され得る。
図28、28A、および28Bに示される実施形態では、フィルタ要素間にいくらかの程度の間隔が存在する場合には、間隔が、隣接するフィルタ要素間で測定され得る。
【0061】
図30は、最大350GPMの流量の場合の、1.27cm(0.5インチ)の直径を有するフィルタ要素に関連する乱流の大きさ(フィルタ要素の歪み)を示すグラフである。
図30では、複数の異なる曲線が、フィルタ要素間の間隔に基づく乱流レベルを表していることに留意されたい。また、1/5の間隔の曲線を除いて、
図30のすべての曲線が実質的に平坦であり、これは、これらの間隔においては乱流が最小であることを意味していることに留意されたい。
図30では、1.78cm(0.07インチ)、2.03cm(0.08インチ)、2.29cm(0.09インチ)、および0.254cm(0.10インチ)の小さい間隔の場合に、曲線が基本的に平坦であり、他方、0.305cm(0.12インチ)の間隔の場合には、曲線が極端に上方に曲がっていることによって示されるように乱流が予期せず大幅に増大している、ということに留意されたい。したがって、1.27cm(0.500インチ)の直径を有するフィルタ要素の場合の、0.254cm(0.10インチ)の間隔では、これが、フィルタ要素の直径の1/5(0.10/0.50)の非常に小さい寸法へと転換される。間隔が0.305cm(0.12インチ)である
図30の一番上の曲線まで増大すると、それに伴って乱流が有意に増大するわけであるが、比が1/5ではなく、1/5(.20)を超えて0.12/.5(.24)まで増大する。
【0062】
図31は、最大350GPMの流量の場合の、1.27cm(0.5インチ)の直径を有するフィルタ要素に関連する乱流の大きさ(フィルタ要素の歪み)を示すグラフである。
図31では、複数の異なる曲線が、フィルタ要素間の間隔に基づく乱流レベルを表している、ことに留意されたい。また、1/5である間隔の曲線を除いて、
図31のすべての曲線が実質的に平坦であり、これが、これらの間隔のところの乱流が最小であることを意味している、ということに留意されたい。
図31では、0.254cm(0.10インチ)、0.305cm(0.12インチ)、0.356cm(0.14インチ)、および0.381cm(0.15インチ)の小さい間隔の場合に、曲線が基本的に平坦であり、対して0.406cm(0.16インチ)の間隔の場合では、曲線が極端に上方に曲がっているところによって示されるように乱流が予期せず大幅に増大している、ということに留意されたい。したがって、1.905cm(0.750インチ)の直径を有するフィルタ要素の場合の、0.381cm(0.15インチ)の間隔では、これが、フィルタ要素の直径の1/5(0.15/0.75)の非常に小さい寸法へと転換される。間隔が0.406cm(0.16インチ)である
図31の一番上の曲線まで増大すると、それに伴って乱流が有意に増大するわけであるが、比が1/5ではなく、1/5(.20)を超えて0.16/.75(.21)まで増大する。
【0063】
図32は、最大350GPMの流量の場合の、2.54cm(1.00インチ)の直径を有するフィルタ要素に関連する乱流の大きさ(フィルタ要素の歪み)を示すグラフである。
図32では、複数の異なる曲線が、フィルタ要素間の間隔に基づく乱流レベルを表している、ことに留意されたい。また、1/5である間隔の曲線を除いて、
図32のすべての曲線が実質的に平坦であり、これが、これらの間隔のところの乱流が最小であることを意味している、ということに留意されたい。
図32では、0.356cm(0.14インチ)、0.406cm(0.16インチ)、0.457cm(0.18インチ)、および0.508cm(0.20インチ)の小さい間隔の場合に、曲線が基本的に平坦であり、対して0.589cm(0.22インチ)の間隔の場合では、曲線が極端に上方に曲がっているところによって示されるように乱流が予期せず大幅に増大している、ということに留意されたい。したがって、2.54cm(1.00インチ)の直径を有するフィルタ要素の場合の、0.508cm(0.20インチ)の間隔では、これが、フィルタ要素の直径の1/5(1.00/0.20)の非常に小さい寸法へと転換される。間隔が0.589cm(0.22インチ)である
図32の一番上の曲線まで増大すると、それに伴って乱流が有意に増大するわけであるが、比が1/5ではなく、1/5(.20)を超えて0.22/.1.00(.22)まで増大する。
【0064】
本発明によると、濾過ゾーンが一方の端部において制限されず、要素自体が協働して流体の乱流に耐えるように/流体の乱流に対処するように機能することを理由として、より短いゾーンが提供される。本発明のフィルタは、特には入ってくる未濾過流体によって最初に衝突される端部において、制限を受けない移動範囲を有し、ここではチューブシートが、濾過流体/未濾過流体の境界を画定する反対側の端部のみを拘束する。
【0065】
本発明の一実施形態では、再生式媒体自体ではなく他のものによって一体に保持されない個別の要素で作られる比較的大きい三次元のハニカム表面エリアが提供される。これは本明細の上記の再生式媒体濾過のいずれとも異なる形で乱流に抵抗し、間隙性を有することにより、ハニカムの垂直方向距離の全体にわたって流体を自由に通過させるのを可能にする。これらの要素をこのような幾何学的な状態にすることにより、得られる支持構造が、ハニカムを意図される場合であればモルタルであるフィルタケークを形成し、同時に、流体が通過するところであるおよびそれを介して粒子状物質が捕捉されるところである濾過層として機能する。
【0066】
本発明のフィルタ要素は可撓性を有し、基本的には、独自のクランプ構成によりチューブシートのところでその頂部端部のみが支持される。可撓性を有する各フィルタ要素の材料が、フィルタ要素に跨る圧力差の変化に対応するために伸長することができる。また、使用される押し下げプレートの背面側が片持ち式のカバーフランジの内側表面に接触して
効果的なチューブシートシーリング表面を形成する。
【0067】
図33が、ゼロの歪みのフィルタ要素の図である。
図34が、350GPMの歪みを示すフィルタ要素の図である。
図35が、0デルタPの基準値の圧力差歪みを示すフィルタ要素の図である。
図36が、69kPa(10PSI)の最大値の圧力差歪みのフィルタ要素の図である。
図33~36の各々で、フィルタ要素が示され、
図34ではその歪みが示され、
図35および36ではさらに各フィルタ要素の周りの媒体も示される。
特徴および追加の態様
1.本発明は、a)フィルタ要素の直径、b)要素の面間隔、c)再生式媒体の容積、d)フィルタ要素が濾過媒体によって被覆されるときに得られる間隙自由空間、e)フィルタハウジングのシェルの直径、f)再生式媒体フィルタの高さおよび「ゾーン」、の間の関係を最適化する。
【0068】
2.本発明は、収容容器の中に配置される個別の濾過要素31で作られる得られる濾過構造を有し、その結果、粒子濾過媒体により濾過要素が一様に被覆される場合には、流れおよびベルヌーイの原理により、一体化される濾過構造が高効率のハニカムタイプの構造となる。
図26、26A、および26Bを参照されたい。
【0069】
3.本発明では、現況技術のフィルタとは異なる形で、個別の濾過要素およびそれらの個別の有効表面積が組み合わされる。その理由は、要素の関連箇所の設計が最適化されており、好都合でありかつ意図的であるブリッジングが形成されている、からである。ブリッジ自体が、a)有効表面積を増大させるような、b)濾過ゾーンの安定性を向上させるような、c)既存の現況技術のフィルタによって展開されるものと比較して、フィルタの有効フィルタバッファゾーンのサイズを縮小するのを可能にするような、新しい表面エリアとなる。
【0070】
4.要素の断面プロファイルが固定されず、変数である。
5.互いに対しての要素の相対的距離が固定される、変数である。
6.濾過媒体の粒子サイズが固定されず、変数である。
【0071】
7.上で言及した3つの変数の各々が濾液を考慮してサイズ決定され、その結果、濾過システムの効率を最大にするようなハニカム構造が得られる。
8.本発明の濾過ゾーンを高度に最適化することにより、他のゾーンも同様に最適化され得る。現況技術のフィルタは、乱雑で過剰であるバッファゾーンを採用しなければならない。本発明は、乱雑な要素による乱流を実質的に排除する。
【0072】
9.空気である場合のつまり液圧により動作する場合の、シリンダの動力側からのいかなる漏洩も、現況技術の再生式媒体フィルタのリスクとなっているようにプロセス流体の方に放出されるのではなく大気の方に放出されることになるような本質的に安全であるシール構成を通る形でタンクを貫通するシャフトに取り付けられるピストンを有する内蔵タイプのシリンダによりチューブシート要素組立体を関節連結することにより、さらなる改善が実現される。
図3および3Aを参照されたい。
【0073】
10.混入空気が完全に捕捉されて除去される。
図3Aおよび21Aのエスケープポート62を参照されたい。
11.フィルタ全体が最適化されることで流入および流出接続部の高さが低減され、それによりエネルギーが節約される。
【0074】
12.フィルタのフットプリントが低減され、それにより、フィルタを収容するのに必要な組立体のコストが低減される。
13.フィルタ要素の構造が、二層または単層の2つの種類の層である、という点で、革新的である。
【0075】
14.1つの濾過要素(ワッシャ、グロメット、支持コア、シース、プラグ)を形成するのに5つ以上の部品を利用する現況技術の要素とは異なり、本要素は、革新的なこととして、シース材料(フィルタ要素の材料)を縫い綴じることによりいずれかの端部のところで密閉される中空の透過性シースを利用する。この縫い綴じは、シースをそれ自体に融接させるようにする加熱、超音波溶接、非残留性の活性剤を用いる化学結合(触媒によるプラスチックの分子結合(catalytic molecular bonding of plastics)の場合など)、または追加的なアイテムは残さずにシースおよび支持コアのみを残すようにシースをそれ自体の上に結合させる任意の他の手段により、行われ得る。
図23、24、および24Aを参照されたい。
【0076】
15.別法として、二層要素の場合、一方の層または両方の層が3Dプリンティングなどの追加の製造手法を利用して製造され得る。この場合、選択的な透過性を有するシースが支持コアの外側面に印刷され、ここでは、一方の端部が密閉され、もう一方の端部が、未濾過媒質から濾過媒質への望ましくないバイパスに対してインターフェースによって密閉されるように構成される。
【0077】
16.二層の濾過要素は、支持コアおよびシースのみを有するように構成される。支持コアが、シースに歪み矯正力を作用させるように予め荷重が加えられていてよい。再生式フィルタ媒体の均一な被覆を容易にしながら、フィルタ要素の充填密度を最大にするために、良好な形で配置される一連の「間隔維持具(spacing maintainer)」が要素において設計され得る。張っている状態のシースを維持するため、および濾液によりフィルタ要素が負荷を受けるときに圧力差によりつぶれるのを防止するために予め圧縮されていてよい圧縮ばね状の巻かれた螺旋構造物の事例では、ジグザグ状または均等に離間されるより大きなコイルを有する公称の巻き径が、上で説明したハニカム構造における適切な間隔を維持する。
【0078】
17.二層の濾過要素が、必ず、境界層に対して開いている一方の端部を有し、その結果、濾過される物質が未濾過ゾーンから濾過ゾーンまで通過するようになる。この境界部分は伝統的なチューブシートであってよいか、または生物の毛管系を模倣するものであってよく、それにより、現況技術のチューブシートの境界濾過モデル(boundary filtration model)とは異なり、濾過される座利用が要素を通過して収集ゾーンの中まで通過し、収集ゾーンが、濾過される材料を、ヒトの動脈とは異なる漸進的に大きくなる移送トランクまで移送する。
【0079】
18.a)一部の収容システムにとって有利であり、b)濾過される材料に固有であり、c)濾過される汚染物質の性質に固有であり、d)フィルタゾーンの意図される圧力差にとって有利であり、e)濾過媒質の速度にとって有利であり、f)濾過媒質の粘性にとって有利であり、g)濾過媒質の嵩密度にとって有利である、任意の数の幾何学的な形態となるように、巻かれて結合されるかまたは形成される透過性材料から、二層のフィルタ要素が形成され得る。
【0080】
19.二層のフィルタ要素が、内側層を中空にして気体で満たすように、形成され得る、気体の温度が、濾過される媒体とは別個に制御され得、濾過性能に有利に影響することができる(つまり、濾過境界層に近接するゾーンを作り、そこで、溶解性の汚染物質が沈殿して濾過境界層に溜まる)。
【0081】
20.別法として、単層のフィルタ要素が、多数の手法の中での1つの手法での製造に
おいて、複層のフィルタ要素のすべての特性(剛性、浸透性、動かないストリームまたは移動するストリームの中でのフラッシングまたは逆流の動きによる洗浄/除去のし易さ、表面エリアの比)を満たすように設計される。
【0082】
21.単層のフィルタ要素が半剛体の透過性材料であってよい(形成されて、一方の端部において縫い綴じられて密閉されておりもう一方の端部においてバイパスに対して密閉されるように形成される、ワイヤークロスなど)。
【0083】
22.単層のフィルタ要素が、3Dプリンティングなどの追加の製造テクニック、または必須の要素を担持する、溶液の中に形成されているマンドレルの上での陽極/陰極成長(anode/cathode growth)などの他の方法により、製造され得る。
【0084】
23.単層の濾過要素が、必ず、境界層に対して開いている一方の端部を有し、その結果、濾過される物質が未濾過ゾーンから濾過ゾーンまで通過するようになる。この境界部分は伝統的なチューブシートであってよいか、または生物の毛管系を模倣するものであってよく、それにより、現況技術のチューブシートの境界部分の濾過モデルとは異なり、濾過される座利用が要素を通過して収集ゾーンの中まで通過し、収集ゾーンが、濾過される材料を、ヒトの動脈とは異なる漸進的に大きくなる移送トランクまで移送する。
【0085】
24.a)一部の収容システムにとって有利であり、b)濾過される材料に固有であり、c)濾過される汚染物質の性質に固有であり、d)フィルタゾーンの意図される圧力差にとって有利であり、e)濾過媒質の速度にとって有利であり、f)濾過媒質の粘性にとって有利であり、g)濾過媒質の嵩密度にとって有利である、任意の数の幾何学的な形態となるように、巻かれて結合されるかまたは形成される透過性材料から、単層のフィルタ要素が形成され得る。
【0086】
上記は単に本発明の好適な実施形態であり、本発明、本発明の精神および原理の範囲内で作られる任意の変更形態、等価の代替形態、または改善形態、を限定することを意図しない。
【0087】
上記の説明は本発明の好適な実施形態のみに関連するものであり、本発明を限定しない。本発明の精神および原理に基づいて作られる、すべての変更形態、等価の置換形態、および改善形態が、本発明の保護範囲に含まれる。