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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】アンテナ装置及び基地局
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/20 20060101AFI20240614BHJP
   H01Q 19/12 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
H01Q3/20
H01Q19/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022183105
(22)【出願日】2022-11-16
(65)【公開番号】P2024072362
(43)【公開日】2024-05-28
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(74)【代理人】
【識別番号】100128691
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 弘通
(72)【発明者】
【氏名】矢吹 歩
(72)【発明者】
【氏名】山口 良
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-030304(JP,A)
【文献】米国特許第02771605(US,A)
【文献】米国特許第03453621(US,A)
【文献】特開平04-230106(JP,A)
【文献】特開2001-194398(JP,A)
【文献】特開昭63-048003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 3/20
H01Q 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波、ミリ波又はテラヘルツ波の電磁波に使用されるアンテナ装置であって、
ビーム状の指向性を有するアンテナと、
前記アンテナの指向性の主ビームの形成領域に配置され、入射してくる電磁波を目標出射方向へ出射させるように偏向する偏向部と、
前記偏向部との間の電磁波の経路とビームフォーミングの対象との間の電磁波の経路とが交差する領域に固定配置され、曲面状又は多面状の反射面を有する固定反射部と、
前記偏向部の前記目標出射方向を制御する制御部と、を有し、
前記偏向部は、1軸又は2軸の周りに回転駆動制御可能なMEMSミラー又はボイスコイルミラーである、
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
マイクロ波、ミリ波又はテラヘルツ波の電磁波に使用されるアンテナ装置であって、
ビーム状の指向性を有するアンテナと、
前記アンテナの指向性の主ビームの形成領域に配置され、入射してくる電磁波を目標出射方向へ出射させるように偏向する偏向部と、
前記偏向部との間の電磁波の経路とビームフォーミングの対象との間の電磁波の経路とが交差する領域に固定配置され、曲面状又は多面状の反射面を有する固定反射部と、
前記偏向部の前記目標出射方向を制御する制御部と、を有し、
前記偏向部は、回転制御可能な回転レンズである、
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
テラヘルツ波の電磁波に使用されるアンテナ装置であって、
前記テラヘルツ波についてビーム状の指向性を有するアンテナと、
前記アンテナの指向性の主ビームの形成領域に配置され、入射してくる前記テラヘルツ波の電磁波を目標出射方向へ出射させるように偏向する偏向部と、
前記偏向部との間の前記テラヘルツ波の電磁波の経路とビームフォーミングの対象との間の前記テラヘルツ波の電磁波の経路とが交差する領域に固定配置され、曲面状又は多面状の反射面を有する固定反射部と、
前記偏向部の前記目標出射方向を制御する制御部と、を有する、
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
請求項のアンテナ装置において、
前記偏向部は、前記アンテナから送信された電磁波を、前記固定反射部の前記反射面に向けて出射するように偏向し、
前記固定反射部の前記反射面は、前記偏向部によって偏向されて入射してくる前記電磁波の入射箇所の違いによって該電磁波の出射方向が異なるように形成され、
前記制御部は、前記アンテナから送信された前記電磁波の前記固定反射部への入射箇所が変化するように、前記偏向部の前記目標出射方向を制御し、
記固定反射部の前記反射面は、電磁波の入射箇所の違いによって前記偏向部に向けて出射される前記電磁波の当該固定反射部への入射方向が異なるように形成され、
前記偏向部は、前記固定反射部から出射された前記電磁波を、前記アンテナに向けて出射するように偏向し、
前記制御部は、前記アンテナで受信される前記電磁波の前記固定反射部への入射箇所が変化するように、前記偏向部の前記目標出射方向を制御し、
記固定反射部の前記反射面は、前記偏向部における前記偏向の角度範囲よりも、前記出射方向又は前記入射方向の変化角度範囲が大きくなるように、且つ、前記出射方向又は前記入射方向が、水平面で異なるように構成されている
ことを特徴とするアンテナ装置
【請求項5】
求項1、2、3又はに記載のアンテナ装置において、
前記固定反射部は、低誘電率材料で形成された支持部材によって、ケーシングに固定されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項6】
請求項1、、3又はに記載のアンテナ装置において、
前記固定反射部には、前記電磁波の出射方向又は前記電磁波の入射方向が水平面上で互いに反対側となる2つの入射箇所が存在し、
前記制御部は、前記2つの入射箇所の両方に電磁波がまたがり、かつ、その一方に電磁波が偏るように、前記偏向部の前記目標出射方向を制御することを特徴とするアンテナ装置
【請求項7】
末装置と無線通信を行う基地局であって、
請求項1、2、3又はに記載のアンテナ装置を有することを特徴とする基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置、基地局及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、マイクロ波、ミリ波、及びテラヘルツ波を用いたアンテナについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-198349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マイクロ波、ミリ波又はテラヘルツ波の電磁波に使用されるアンテナ装置は、高い指向性を有する場合が多く、ビームフォーミング可能な範囲の広域化が困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係るアンテナ装置は、マイクロ波、ミリ波又はテラヘルツ波の電磁波に使用されるアンテナ装置である。このアンテナ装置は、ビーム状の指向性を有するアンテナと、前記アンテナの指向性の主ビームの形成領域に配置され、入射してくる電磁波を目標出射方向へ出射させるように偏向する偏向部と、前記偏向部との間の電磁波の経路とビームフォーミングの対象との間の電磁波の経路とが交差する領域に固定配置され、曲面状又は多面状の反射面を有する固定反射部と、前記偏向部の前記目標出射方向を制御する制御部と、を有する。
【0006】
前記アンテナ装置において、前記偏向部は、前記アンテナから送信された電磁波を、前記固定反射部の前記反射面に向けて出射するように偏向してもよく、前記固定反射部の前記反射面は、前記偏向部によって偏向されて入射してくる前記電磁波の入射箇所の違いによって該電磁波の出射方向が異なるように形成されてもよく、前記制御部は、前記アンテナから送信された前記電磁波の前記固定反射部への入射箇所が変化するように、前記偏向部の前記目標出射方向を制御してもよい。
【0007】
また、前記アンテナ装置において、前記固定反射部の前記反射面は、電磁波の入射箇所の違いによって前記偏向部に向けて出射される前記電磁波の当該固定反射部への入射方向が異なるように形成されてもよく、前記偏向部は、前記固定反射部から出射された前記電磁波を、前記アンテナに向けて出射するように偏向してもよく、前記制御部は、前記アンテナで受信される前記電磁波の前記固定反射部への入射箇所が変化するように、前記偏向部の前記目標出射方向を制御してもよい。
【0008】
また、前記アンテナ装置において、前記固定反射部の前記反射面は、前記偏向部における前記偏向の角度範囲よりも、前記出射方向又は前記入射方向の変化角度範囲が大きくなるように、構成されていてもよい。
【0009】
また、前記アンテナ装置において、前記固定反射部の前記反射面は、前記出射方向又は前記入射方向が、水平面で異なるように若しくは鉛直面で異なるように、又は、水平面及び鉛直面で異なるように、構成されていてもよい。
【0010】
また、前記アンテナ装置において、前記固定反射部の前記反射面は、前記出射方向又は前記入射方向の変化角度範囲が水平面上で360°となるように、構成されていてもよい。
【0011】
また、前記アンテナ装置において、前記固定反射部の前記反射面は、該固定反射部から前記偏向部に向かって延びる仮想軸の回りの回転対称形状を有してもよい。
【0012】
また、前記アンテナ装置において、前記偏向部は、1軸又は2軸の周りに回転駆動制御可能なMEMSミラー又はボイスコイルミラーであってもよい。
【0013】
また、前記アンテナ装置において、前記偏向部は、回転制御可能な回転レンズであってもよい。
【0014】
また、前記アンテナ装置において、前記電磁波は、テラヘルツ帯の電磁波であってもよい。
【0015】
また、前記アンテナ装置において、前記固定反射部は、低誘電率材料で形成された支持部材によって、ケーシングに固定されていてもよい。
【0016】
また、前記アンテナ装置において、前記固定反射部には、前記出射方向又は前記入射方向が水平面上で互いに反対側となる2つの入射箇所が存在してもよく、前記制御部は、前記2つの入射箇所の両方に電磁波がまたがり、かつ、その一方に電磁波が偏るように、前記偏向部の前記目標出射方向を制御してもよい。
【0017】
本発明の更に他の態様に係る通信システムは、端末装置と無線通信を行う基地局を有する通信システムである。この通信システムは、前記基地局のアンテナ装置として、上述のアンテナ装置を用いる。
【0018】
本発明の更に他の態様に係る基地局は、端末装置と無線通信を行う基地局である。この基地局は、上述のアンテナ装置を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、マイクロ波、ミリ波又はテラヘルツ波の電磁波に使用されるアンテナ装置においてビームフォーミング可能な範囲の広域化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る通信システムの概略構成の一例を示す説明図。
図2】同通信システムの基地局に備わっているアンテナ装置の概略構成を示す説明図。
図3】(a)は、同アンテナ装置のMEMSミラーの一例を模式的に示す斜視図。(b)は、同MEMSミラーの平面図。
図4】変形例1のアンテナ装置の概略構成を示す説明図。
図5】変形例2のアンテナ装置の概略構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本書に記載された実施形態に係る通信システムは、マイクロ波、ミリ波又はテラヘルツ波の電磁波を送受信するアンテナ装置を用いた基地局と端末装置との間で無線通信を行う通信システムである。なお、アンテナ装置は、電磁波を送信する機能のみ又は電磁波を受信する機能のみを有するものであってもよい。特に、本実施形態の通信システムにおいて、テラヘルツ帯の電磁波(テラヘルツ波)の送受信に用いる場合、伝搬損失が大きいなどの理由から、アンテナの利得を高めて信号の送信レベルを高くすることが求められる。また、送信側の送信出力を大きくすることが困難である場合が多く、その場合には、アンテナの利得を高めて信号の受信レベルを高くすることが求められる。しかしながら、アンテナの利得を高めると、アンテナの指向性が強くなるため、端末装置に対してビームフォーミング可能な範囲の広域化が困難となり、基地局用途ではデメリットになる。
【0022】
一方、電磁波を偏向する偏向器を利用して電磁波の向き(ビームの指向性の向き)を変化させれば、端末装置に対してビームフォーミング可能な範囲の広域化が可能である。しかしながら、この偏向器には高速な偏向動作が求められるところ、そのような高速動作が可能な偏向器は、偏向可能な角度範囲が狭いものが多い。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーからなる偏向器は、基地局と端末装置との間のビームフォーミングによる通信に必要な高速動作が可能であるが、電磁波のビームの向きを変化させることのできる角度範囲(電磁波を偏向できる角度範囲)が狭い。
【0023】
また、回転ミラーを回転駆動して回転ミラーの反射面の向きを例えば360°の範囲で変化させる偏向器を利用することによっても、端末装置に対してビームフォーミング可能な範囲の広域化が可能である。しかしながら、基地局と端末装置との間の通信に必要なビームフォーミングの高速動作を実現するには、回転ミラーを高速で回転駆動させる必要があるため、回転駆動による大きな振動が問題となる。また、回転ミラーを高速で回転駆動させるための回転駆動機構は大型化するため、アンテナ装置の大型化を招くという問題もある。
【0024】
本実施形態は、回転ミラーからなる偏向器を用いる場合の問題を生じさせることなく、マイクロ波、ミリ波又はテラヘルツ波の電磁波に使用される場合に、ビームフォーミング可能な範囲の広域化を実現できるアンテナ装置を提供するものである。なお、本実施形態のアンテナ装置は、移動通信システムにおける基地局のアンテナ装置に適用した例であるが、無線LANのアクセスポイント装置のアンテナ装置など、各種の無線通信機器のアンテナ装置に広く適用することが可能であり、特にテラヘルツ波の電磁波を用いるアンテナ装置として好適である。
【0025】
図1は、本実施形態に係る通信システムの概略構成の一例を示す説明図である。
本実施形態に係る通信システムは、テラヘルツ帯の電磁波を用いる移動通信網の基地局10を備える。テラヘルツ帯は、100GHz~10THzの周波数範囲であり、無線接続の無線媒体の電磁波の周波数としては、例えば100GHz~400GHzの周波数範囲が好適である。基地局10は、テラヘルツ帯の電磁波を用いて端末装置である通信端末20と無線通信することができる。
【0026】
基地局10は、セル100を形成し、通信端末20(1),20(2),20(3)がセル100に在圏するときに通信端末20(1),20(2),20(3)と無線通信することができる。基地局10は、例えば、第6世代、第7世代等の次世代の移動通信システムの標準規格に準拠する基地局であってもよい。本実施形態の基地局10は、テラヘルツ帯の電磁波を用いた指向性の強いビームをビームフォーミングによりビーム方向を変更することで、セル100内の各通信端末20(1),20(2),20(3)との間で、ビーム10B(1),10B(2),10B(3)ごとに無線通信することができる。
【0027】
通信端末20(1),20(2),20(3)はそれぞれ、ユーザ装置(UE)、移動局、移動機、端末装置、IoT装置などと呼ばれ、基地局10とのテラヘルツ帯の無線通信機能を有する。例えば、通信端末20(1),20(2),20(3)はそれぞれ、内蔵の記憶媒体又は着脱可能な記憶媒体(例えばSIM又はUSIM)に記憶されている加入者情報等に基づいて、基地局10を介して移動通信網のコアネットワーク50に接続してモバイル通信(移動通信)を開始することができる。
【0028】
図2は、本実施形態の基地局10に備わっているアンテナ装置30の概略構成を示す説明図である。
本実施形態のアンテナ装置30は、アンテナ31と、偏向部としてのMEMSミラー32と、固定反射部としての固定反射鏡33と、制御部34とを備える。
【0029】
本実施形態のアンテナ装置30では、図2に示すように、アンテナ31及びMEMSミラー32がケーシング35内に配置されている。送信時には、アンテナ31から放射される電磁波がMEMSミラー32で反射して、ケーシング35の上面に設けられるレンズ36を通じて、略鉛直方向に沿ってケーシング35の上方へ放射される。
【0030】
ケーシング35の上方には、テラヘルツ帯の電磁波を高効率で透過可能な支持部材37によって支持された固定反射鏡33が固定配置されている。支持部材37は、低誘電率材料で形成されたものであるのが好ましい。MEMSミラー32で反射してケーシング35の上方へ放射された電磁波は、固定反射鏡33に入射し、固定反射鏡33で反射することで、水平方向又は水平方向に対して傾斜する方向へ放射され、ビーム10B(1),10B(2),10B(3)を形成する。
【0031】
一方、受信時には、各ビーム10B(1),10B(2),10B(3)の方向から到来する電磁波が固定反射鏡33に入射し、固定反射鏡33でMEMSミラー32に向けて鉛直方向下方へ反射する。MEMSミラー32に入射した電磁波は、MEMSミラー32で反射してアンテナ31に受信される。
【0032】
アンテナ31は、送信時には電磁波を放射する一次放射器としての送信アンテナとして機能し、受信時には到来する電磁波を受信する受信アンテナとして機能する。アンテナ31は、例えばホーンアンテナを用いることができるが、DCA(Dielectric Cuboid Antenna)などの小型アンテナを用いてもよい。このような小型アンテナを用いることで、アンテナ装置30の小型化を図ることができる。
【0033】
偏向部は、電磁波を偏向する電気的制御が可能な偏向器で構成され、本実施形態では偏向器としてMEMSミラー32を用いている。MEMSミラー32は、kHz単位の高速な偏向動作が可能で、かつ、小型であるというメリットがある。MEMSミラー32には、いくつかの方式が存在するが、例えば、図3(a)及び(b)に示すような電磁方式のものを採用することができる。なお、MEMSミラー32の方式は、電磁方式に限らず、圧電方式などの他の方式であってもよい。
【0034】
図3(a)及び(b)に例示するMEMSミラー32は、2本のトーションバー32cによって反射ミラー32aを支持し、反射ミラー32aの下方に永久磁石32dを設置した構成となっている。また、反射ミラー32aの周囲にはコイル32bが配置されている。コイル32bに電流を流すことでコイル32bにローレンツ力が作用し、コイル32bと一体の反射ミラー32aをトーションバー32cの軸回りで回動させ、反射ミラー32aを振って傾きを生じさせることができる。反射ミラー32aの反射面の向きは、反射ミラー32aの回動角度(光学的振れ角)によって制御することができる。
【0035】
本実施形態のMEMSミラー32は、例えばMEMS加工により形成された2つのバネの組み合わせにより、反射ミラー32aを2軸で回動させる構成となっている。ただし、1軸で回動させる構成であってもよい。本実施形態によれば、電磁波を1方向だけでなく2方向に偏向することができるので、電磁波を2次元方向に偏向させることが可能となる。
【0036】
ここで、MEMSミラー32は、反射ミラー32aの光学的振れ角が小さいため(例えば30°程度)、電磁波を偏向できる角度範囲が狭い。そのため、MEMSミラー32だけでは、広範囲にわたって電磁波のビーム10B(1),10B(2),10B(3)を偏向することができず、広範囲をカバーする通信を実現することができない。そこで、本実施形態のアンテナ装置30では、MEMSミラー32に加えて、固定反射鏡33を備えている。
【0037】
固定反射鏡33には、送信時において、アンテナ31から放射され、MEMSミラー32の反射ミラー32aで反射した電磁波が入射する。固定反射鏡33に入射される電磁波は、MEMSミラー32による2次元方向の偏向動作(反射ミラー32aの2軸回動動作)によって、固定反射鏡33への入射箇所が変わる。本実施形態の固定反射鏡33は、MEMSミラー32から入射される電磁波の入射箇所の違いによって、電磁波の反射方向すなわちアンテナ装置30から出射される電磁波のビーム10B(1),10B(2),10B(3)の方向が異なるように構成されている。
【0038】
同様に、受信時において、固定反射鏡33には、互いに異なる方向から到来する電磁波のビーム10B(1),10B(2),10B(3)が入射する。本実施形態の固定反射鏡33によりMEMSミラー32に向けて反射されることになる電磁波の入射方向すなわち電磁波の到来方向は、その電磁波の固定反射鏡33への入射箇所の違いによって異なるように構成されている。すなわち、本実施形態において、各方向から到来する電磁波は、固定反射鏡33のそれぞれ対応する入射箇所に入射することで、MEMSミラー32に向けて反射される。そして、固定反射鏡33の各入射箇所からMEMSミラー32に向けて反射された各電磁波は、MEMSミラー32による2次元方向の偏向動作(反射ミラー32aの2軸回動動作)によりそれぞれ対応する傾きに制御された反射ミラー32aで反射することで、アンテナ31に向けて反射され、アンテナ31で受信される。
【0039】
固定反射鏡33の形状は、MEMSミラー32によって偏向される電磁波の範囲と、ビーム10B(1),10B(2),10B(3)の形成範囲(セル100の範囲)との関係で、適宜設定されるものであり、特に限定されるものではない。
【0040】
本実施形態の固定反射鏡33は、図2に示すように、当該固定反射鏡33からMEMSミラー32に向かって延びる軸(鉛直方向軸)回りの回転対称形状を有する。このような回転対称形状であることで、簡易な構成で、水平方向全域(360°)にわたってビーム10B(1),10B(2),10B(3)を形成することが可能となる。具体的な形状としては、側面を反射面とした多角錐形状あるいは円錐形状であるのが好ましい。
【0041】
本実施形態の固定反射鏡33は、図2に示すように、円錐形状を基本形状とし、その側面が固定反射鏡33の軸に沿った断面において内側に凸となる曲線をなすものとなっている。このような側面形状であれば、ビーム10B(1),10B(2),10B(3)の形状をより狭いものとすることができ、更にアンテナ利得を向上させることができる。また、側面が固定反射鏡33の軸に沿った断面において曲線(内側に凸でも外側に凸でもよい)をなす形状であれば、電磁波の入射位置の変化による鉛直面における出射方向の変化割合が小さくなるので、鉛直面におけるビーム方向の変更範囲を調整することができる。
【0042】
なお、送信時にアンテナ装置30から放射される電磁波の固定反射鏡33からの出射方向を変更できる角度範囲、あるいは、受信時にアンテナ装置30で受信される電磁波の固定反射鏡33への入射方向を変更できる角度範囲は、水平面上での角度のみであってもよいし、鉛直面上での角度のみであってもよい。
【0043】
制御部34は、MEMSミラー32の偏向動作を制御する。具体的には、MEMSミラー32のコイル32bに流す電流を制御することで、MEMSミラー32の反射ミラー32aの2軸方向の傾きを制御する。
【0044】
制御部34は、MEMSミラー32の偏向動作を制御することで、送信時には、アンテナ31から放射された電磁波の固定反射鏡33への入射箇所を変化させることができる。したがって、制御部34は、MEMSミラー32の偏向動作を制御することにより、固定反射鏡33への入射箇所に対応する電磁波の出射方向、すなわち、アンテナ装置30から出射されるビーム10B(1),10B(2),10B(3)の方向を制御することができる。
【0045】
また、受信時においては、制御部34は、MEMSミラー32の偏向動作を制御することで、アンテナ31に受信させる電磁波の固定反射鏡33への入射箇所(すなわち、アンテナ31に受信させる電磁波の固定反射鏡33での反射箇所)を変化させることができる。したがって、制御部34は、MEMSミラー32の偏向動作を制御することにより、どの方向から到来するビーム10B(1),10B(2),10B(3)の電磁波をアンテナ31に受信させるかを制御することができる。
【0046】
制御部34は、例えば、基地局10の送信制御部又は受信制御部からの指示に従い、MEMSミラー32の反射ミラー32aが指示された方向に傾くように、MEMSミラー32の偏向動作を制御してもよい。この場合、基地局10の送信制御部又は受信制御部からの指示に従った方向へ電磁波のビーム10B(1),10B(2),10B(3)を向けることができ、基地局10は各通信端末20(1),20(2),20(3)との間で送信及び受信を行うことができる。
【0047】
また、制御部34は、所定の周期でMEMSミラー32の反射ミラー32aの向きを規定の順路で変化させるように、MEMSミラー32の偏向動作を制御してもよい。この場合、このMEMSミラー32の偏向動作と同期したタイミングで、基地局10の送信制御部が送信動作を行い又は基地局10の受信制御部が受信動作を行うことで、基地局10は各通信端末20(1),20(2),20(3)との間で送信及び受信を行うことができる。
【0048】
以上のように、本実施形態では、基地局10のアンテナ装置30として、MEMSミラー32からなる偏向部と固定反射鏡33からなる固定反射部とを組み合わせた構成を採用している。これにより、電磁波のビーム方向を変更できる角度範囲、すなわち、送信時であればアンテナ装置30から放射される電磁波の固定反射鏡33からの出射方向を変更できる角度範囲、受信時であればアンテナ装置30で受信される電磁波の固定反射鏡33への入射方向を変更できる角度範囲を、当該偏向部の偏向可能な角度範囲よりも拡げることができる。その結果、指向性の強いアンテナ(例えばテラヘルツ帯の電磁波を用いるアンテナ)を用いる通信でも、カバーできる通信範囲を拡げることができるので、偏向角度範囲は狭いが通信に必要な高速動作が可能な偏向器、例えばMEMSミラー32を採用することができる。よって、本実施形態によれば、指向性の強いアンテナを用いる通信においてカバー範囲の広い通信を実現できるアンテナ装置を提供することができる。しかも、本実施形態では、偏向器として回転ミラーを用いる構成で生じ得る振動の問題や大型化の問題が生じない。なお、本実施形態においては、偏向部がMEMSミラーである例で説明したが、偏向部はボイスコイルミラーなどを用いたものであってもよい。
【0049】
〔変形例1〕
次に、本実施形態の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
本変形例1は、アンテナ装置30の偏向部として、MEMSミラー32ではなく、回転レンズを用いた例である。なお、本変形例1では、上述した実施形態と同じ構成部分については、説明を適宜省略する。
【0050】
図4は、本変形例1のアンテナ装置30の概略構成を示す説明図である。
本変形例1のアンテナ装置30は、アンテナ31と、偏向部としての回転レンズ38と、固定反射部としての固定反射鏡33と、制御部34とを備える。
【0051】
本変形例1のアンテナ装置30は、偏向器として、上述した実施形態のMEMSミラー32を回転レンズ38に置き換えたものである。本変形例1のアンテナ装置30は、図4に示すように、アンテナ31及び回転レンズ38がケーシング35内に配置されている。
【0052】
送信時には、アンテナ31から放射される電磁波が回転レンズ38を通過し、ケーシング35の上面に設けられるレンズ36を通じて、略鉛直方向に沿ってケーシング35の上方へ放射される。ケーシング35の上方には、上述した実施形態と同様の固定反射鏡33が固定配置されている。回転レンズ38と通過してケーシング35の上方へ放射された電磁波は、固定反射鏡33に入射し、固定反射鏡33で反射することで、略水平方向へ放射され、ビーム10B(1),10B(2)を形成する。
【0053】
一方、受信時には、各ビーム10B(1),10B(2)の方向から到来する電磁波が固定反射鏡33に入射し、固定反射鏡33で回転レンズ38に向けて鉛直方向下方へ反射する。固定反射鏡33で反射した電波は、回転レンズ38を通過し、回転レンズ38の下方に配置されているアンテナ31に受信される。
【0054】
回転レンズ38は、入射方向に対する出射方向が回転角度によって変化するものであり、レンズ部38aとアクチュータ部38bとから構成される。
【0055】
レンズ部38aは、例えば、図4に示すように、アンテナ31側の下面(送信時の入射面、受信時の出射面)が回転軸に対して直角をなしており、その反対側の上面(送信時の出射面、受信時の入射面)が回転軸に対して傾斜している。このような構成により、送信時にはアンテナ31からの電磁波がレンズ部38aの下面に直角方向(鉛直方向)から入射し、レンズ部38aの上面の傾斜方向に応じた角度(鉛直方向に対する傾斜角度)で、レンズ部38aの上面から斜め上方へ出射する。
【0056】
また、受信時には固定反射鏡33からの電磁波がレンズ部38aの上面に斜め上方から入射する。そして、レンズ部38aの上面の傾斜方向に応じた角度(鉛直方向に対する傾斜角度)からレンズ部38aの上面に入射した電磁波だけが、レンズ部38aの下面から鉛直方向下方へ出射し、アンテナ31に受信される。
【0057】
アクチュータ部38bは、レンズ部38aの光軸中心の軸回りでレンズ部38aを回転駆動させるレンズ駆動部である。上述したように偏向器には高速な偏向動作が求められるため、アクチュータ部38bによりレンズ部38aを高速で回転駆動させる必要がある。ただし、アンテナ31は指向性が強いことから、レンズ部38aとしては小型のレンズを採用することができ、軽量のレンズを採用することができる。よって、このような小型で軽量のレンズ部38aをアクチュータ部38bにより高速で回転駆動させても振動の問題は抑えられる。また、小型で軽量のレンズ部38aを駆動するアクチュータ部38bは小型のものを用いることができる。
【0058】
制御部34は、回転レンズ38による偏向動作を制御する。具体的には、回転レンズ38のアクチュータ部38bの回転動作(回転角度)を制御することで、回転レンズ38のレンズ部38aの上面の向きを制御する。
【0059】
制御部34は、回転レンズ38の回転動作(回転角度)を制御することで、送信時には、アンテナ31から放射された電磁波の固定反射鏡33への入射箇所を変化させることができる。したがって、制御部34は、回転レンズ38の回転動作(回転角度)を制御することにより、固定反射鏡33への入射箇所に対応する電磁波の出射方向、すなわち、アンテナ装置30から出射されるビーム10B(1),10B(2)の方向を制御することができる。
【0060】
また、受信時においては、制御部34は、回転レンズ38の回転動作(回転角度)を制御することで、アンテナ31に受信させる電磁波の固定反射鏡33への入射箇所(すなわち、アンテナ31に受信させる電磁波の固定反射鏡33での反射箇所)を変化させることができる。したがって、制御部34は、回転レンズ38の回転動作(回転角度)を制御することにより、どの方向から到来するビーム10B(1),10B(2)の電磁波をアンテナ31に受信させるかを制御することができる。
【0061】
以上のように、本変形例1では、基地局10のアンテナ装置30として、回転レンズ38からなる偏向部と固定反射鏡33からなる固定反射部とを組み合わせた構成を採用している。これにより、電磁波のビーム方向を変更できる角度範囲、すなわち、送信時であればアンテナ装置30から放射される電磁波の固定反射鏡33からの出射方向を変更できる角度範囲、受信時であればアンテナ装置30で受信される電磁波の固定反射鏡33への入射方向を変更できる角度範囲を、当該偏向部の偏向可能な角度範囲よりも拡げることができる。よって、上述した実施形態と同様、指向性の強いアンテナを用いる通信においてカバー範囲の広い通信を実現できるアンテナ装置を提供することができる。しかも、本変形例1でも、偏向器として回転ミラーを用いる構成で生じ得る振動の問題や大型化の問題が抑制される。
【0062】
〔変形例2〕
次に、本実施形態の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
本変形例2は、アンテナ装置30の構成は、上述した実施形態と同様であるが、送信時にアンテナ31からの電磁波を固定反射鏡33に入射させる入射箇所、及び、受信時にアンテナ31に受信させる電磁波が固定反射鏡33に入射する入射箇所が、上述した実施形態とは異なっている。具体的には、送信時であれば、アンテナ装置30から放射される電磁波の固定反射鏡33からの出射方向が水平面上で互いに反対側となる固定反射鏡33上の2つの入射箇所の両方をまたがるように、かつ、その一方に偏るようにする。受信時であれば、アンテナ装置30で受信される電磁波の固定反射鏡33への入射方向が水平面上で互いに反対側となる固定反射鏡33上の2つの入射箇所の両方をまたがるように、かつ、その一方に偏るようにする。
【0063】
図5は、本変形例2のアンテナ装置30の概略構成を示す説明図である。
本変形例2では、図5に示すように、アンテナ31から放射される電磁波のビーム幅及びアンテナ31に受信される電磁波のビーム幅が、上述した実施形態の場合よりも広くなるように調整されている。送信時であれば、アンテナ31から放射される電磁波をMEMSミラー32により固定反射鏡33の目標入射箇所33Aに入射させたとき、その電磁波の一部が固定反射鏡33の他の入射箇所33B(固定反射鏡33の軸に対して目標入射箇所33Aの反対側)にも入射されるようになっている。また、受信時であれば、アンテナ31に受信される電磁波をMEMSミラー32により固定反射鏡33の目標入射箇所33Aに入射した電磁波とするとき、固定反射鏡33の他の入射箇所33B(固定反射鏡33の軸に対して目標入射箇所33Aの反対側)に入射した電磁波も含まれるようになっている。
【0064】
一般に、基地局10のアンテナ装置30のビーム10B(1)が通信端末20(1)から外れると、通信端末20(1)が基地局10を見失ってしまい、通信端末20(1)が圏外判定になって、基地局10と通信端末20(1)との通信が切れてしまうおそれがある。本変形例2によれば、アンテナ装置30のビームは、主方向のビーム10B(1)-1のほか、その反対側の方向のビーム10B(1)-2にも形成される。特に、本変形例2では、主方向のビーム10B(1)-1とその反対側の方向のビーム10B(1)-2のほか、その主方向とは異なる方向全域(約360°)にわたってビーム10B(1)-2と同様のビームにも形成される。
【0065】
このように、本変形例2では、主方向に向いたビーム10B(1)-1よりも弱いビーム10B(1)-2が水平面上の全方向に形成されるため、通信端末20(1)が基地局10を見失わず、基地局10と通信端末20(1)との通信が切れる事態を抑制することができる。
【0066】
なお、本変形例2では、偏向器としてMEMSミラー32を用いた例で説明したが、上述した変形例1のように偏向器として回転レンズ38を用いた例など、他の例であってよい。
【0067】
また、本発明は、マイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波などの短波長の電磁波に使用されるアンテナ装置において広範囲の通信を実現するため、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献できる。
【0068】
なお、本明細書で説明された処理工程並びに基地局、アンテナ装置、通信端末及び通信システムの構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0069】
ハードウェア実装については、実体(例えば、各種無線通信装置、Node B、端末、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0070】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0071】
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であればよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
【0072】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
【符号の説明】
【0073】
10 :基地局
10B :ビーム
20 :通信端末
30 :アンテナ装置
31 :アンテナ
32 :MEMSミラー
32a :反射ミラー
32b :コイル
32c :トーションバー
32d :永久磁石
33 :固定反射鏡
34 :制御部
35 :ケーシング
36 :レンズ
37 :支持部材
38 :回転レンズ
38a :レンズ部
38b :アクチュータ部
50 :コアネットワーク
100 :セル
図1
図2
図3
図4
図5