(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】ライトガイド
(51)【国際特許分類】
F21S 41/24 20180101AFI20240614BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20240614BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
F21S41/24
F21S43/237
F21V8/00 310
F21V8/00 340
F21V8/00 330
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022191412
(22)【出願日】2022-11-30
【審査請求日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】マーヘル ペトル
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-034862(JP,A)
【文献】特開2015-133649(JP,A)
【文献】特表2019-533290(JP,A)
【文献】国際公開第2013/154127(WO,A1)
【文献】特開2016-207348(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/24
F21S 43/237
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から光を受け取り及び放出するよう構成されたライトガイドであって、
前記ライトガイドは、
・光源(8)からの光を受け取るよう構成された光入射面(2)、但し、当該光は、前記光入射面(2)を介して前記ライトガイド(1)に入射し、長手方向経路(3)に沿って前記ライトガイド(1)の少なくとも一部を通って伝播し、前記長手方向経路(3)は、実質的に前記ライトガイド(1)の長手延伸方向に沿って配向されている、
・前記ライトガイド(1)の前記長手延伸方向に沿って前記光入射面(2)から延在する側面(4)、但し、前記側面(4)は前記ライトガイド(1)の外形を画定し、前記側面(4)の少なくとも一部は前記ライトガイド(1)から光が出射する光出射面(4a)として構成されている、及び、
・第1のライトガイド部(1a)及び第2のライトガイド部(1b)、但し、第1のライトガイド部(1a)は第2のライトガイド部(1b)よりも前記光入射面(2)のより近くにあり、前記第1のライトガイド部(1a)および第2のライトガイド部(1b)は、前記ライトガイド(1)の前記長手延伸方向に沿って連続的に配置されかつ前記光出射面(4a)の反対側に配置される複数の光方向転換要素(5)を含み、前記光方向転換要素(5)は前記ライトガイド(1)を通って前記長手方向経路(3)に沿って伝播する光の少なくとも一部を前記光出射面(4a)に向けて方向転換するように構成され、方向転換された光は前記光出射面(4a)を通って前記ライトガイド(1)から出射され、前記光出射面(4a)は実質的に前記ライトガイド(1)の前記長手延伸方向に沿って配向された第1焦線(F1)を有する曲面である、
を含み、
各光方向転換要素(5)は前記ライトガイド(1)の縦軸(7)に向かって実質的に半径方向に延在する第1の面(5a)と、前記第1の面(5a)に対して所定の角度(α)をなして配向されている第2の面(5b)とを含み、前記第1の面(5a)と前記第2の面(5b)は実質的に楔形の凹部を形成し、前記第2の面(5b)は入射光を前記光出射面(4a)へ向けて方向転換するよう構成されており、前記入射光は前記ライトガイド(1)を通って前記長手方向経路(3)に沿って伝播する光の少なくとも一部であり、
各光方向転換要素(5)は前記ライトガイド(1)の前記縦軸(7)への前記第1の面(5a)の半径方向の延伸長さとして定義される所定の切り込み深さ(d)を有し、前記切り込み深さ(d)は前記ライトガイド(1)の前記長手延伸方向、すなわち前記長手方向経路(3)に沿って増大し、前記切り込み深さ(d)は、前記光出射面(4a)を通して前記ライトガイド(1)から出射する光が前記光出射面(4a)にわたって実質的に等しい光束を有するように、前記長手方向経路(3)に沿った光束の損失が補償される割合で増大し、
前記第2のライトガイド部(1b)の前記光出射面(4a)は実質的に円弧(部分円)状の横断面を有する突出部分(6)を有し、前記突出部分(6)は前記光方向転換要素(5)の実質的に反対側に位置し、前記突出部分(6)は前記ライトガイド(1)の前記縦軸(7)に対し実質的に平行に長手方向に延伸し、前記突出部分(6)は前記第1焦線(F1)よりも前記光出射面(4a)により近い第2焦線(F2)を有し、
前記第1のライトガイド部(1a)の前記光方向転換要素(5)の複数の前記第2の面(5b)は、各第2の面(5b)が前記光出射面(4a)の前記第1焦線(F1)と交差するよう、配置されており、
前記第2のライトガイド部(1b)の前記光方向転換要素(5)の複数の前記第2の面(5b)は、各第2の面(5b)が前記光出射面(4a)の前記第1焦線(F1)および前記突出部分(6)の前記第2焦線(F2)と交差するよう、配置されていること
、
前記突出部分(6)は円筒半径および円筒軸を有する実質的に円筒形状であり、前記円筒半径は前記長手方向経路(3)に沿って一定であり、前記突出部分(6)の前記円筒軸と前記ライトガイドの中心軸との間の垂直距離は前記長手方向経路(3)に沿って増大すること
を特徴とする、ライトガイド。
【請求項2】
請求項1に記載のライトガイドにおいて、
前記第1のライトガイド部(1a)の前記第1の面(5a)の切り込み深さ(d)および前記第1の面(5a)と前記第2の面(5b)との間の角度(α)は前記第1のライトガイド部(1a)の前記第2の面(5b)が前記第1焦線(F1)と交差するよう構成されており、前記第2のライトガイド部(1b)の前記第1の面(5a)の切り込み深さ(d)および前記第1の面(5a)と前記第2の面(5b)との間の角度(α)は前記第2のライトガイド部(1b)の複数の前記第2の面(5b)が前記第1焦線(F1)および前記第2焦線(F2)と交差するよう構成されていること
を特徴とする、ライトガイド。
【請求項3】
請求項1に記載のライトガイドにおいて、
前記第1の面(5a)と前記第2の面(5b)との間の角度(α)は1°~90°、又は15°~75°、又は25°~65°であること
を特徴とするライトガイド。
【請求項4】
請求項1に記載のライトガイドにおいて、
前記角度(α)の対辺は前記側面(4)上に位置し、前記光方向転換要素(5)は反射プリズムであること
を特徴とする、ライトガイド。
【請求項5】
請求項1に記載のライトガイドにおいて、
前記第1焦線(F1)および/または前記第2焦線(F2)は前記ライトガイド(1)の前記縦軸(7)と実質的に平行であること
を特徴とする、ライトガイド。
【請求項6】
請求項1に記載のライトガイドにおいて、
前記ライトガイド(1)は第1の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、前記突出部分(6)は第2の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、前記第1の円筒半径は前記第2の円筒半径よりも大きいこと
を特徴とする、ライトガイド。
【請求項7】
請求項1に記載のライトガイドにおいて、
前記突出部分(6)は所定の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、前記所定の円筒半径は前記長手方向経路(3)に沿って増大すること
を特徴とする、ライトガイド。
【請求項8】
請求項1に記載のライトガイドにおいて、
前記ライトガイド(1)は透明な中実体であり、前記光方向転換要素(5)は前記中実体の前記側面(4)の凹部であること
を特徴とする、ライトガイド。
【請求項9】
請求項1に記載のライトガイドにおいて、
前記突出部分(6)は前記第2のライトガイド部(1b)の前記光出射面(4a)の10~25%にわたって延在すること
を特徴とする、ライトガイド。
【請求項10】
請求項1に記載のライトガイドにおいて、
前記突出部分(6)は前記第2のライトガイド部(1b)の前記光方向転換要素(5)の反対側に配置されていること
を特徴とする、ライトガイド。
【請求項11】
請求項1に記載のライトガイドにおいて、
前記突出部分(6)は前記ライトガイド(1)の前記長手延伸方向と実質的に平行である長手延伸方向を有すること
を特徴とする、ライトガイド。
【請求項12】
請求項1に記載のライトガイドにおいて、
前記突出部分(6)は回転放物面の形状の横断面を有し、前記回転放物面は放物面半径を有し、前記放物面半径は前記長手方向経路(3)に沿って増大すること
を特徴とする、ライトガイド。
【請求項13】
請求項1~
12のいずれかに記載のライトガイド(1)と、前記ライトガイド(1)にその光入射面(2)を介して光を照射するよう構成された光源(8)とを含む、自動車前照灯のための照明装置。
【請求項14】
請求項
13に記載の照明装置を含む、自動車前照灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年12月2日に出願された欧州特許出願第21211908.5号についてのパリ条約上の優先権の利益を主張するものであり、当該出願の全内容は引照を以って本書に繰り込みここに記載されているものとする。
【0002】
本発明は、光源から光を受け取り及び放出するよう構成されたライトガイドであって、
前記ライトガイドは、
・光源からの光を受け取るよう構成された光入射面、但し、当該光は、前記光入射面を介して前記ライトガイドに入射し、長手方向経路に沿って前記ライトガイドの少なくとも一部を通って伝播し、前記長手方向経路は、実質的に前記ライトガイドの長手延伸方向に沿って配向されている、
・前記ライトガイドの前記長手延伸方向に沿って前記光入射面から延在する側面、但し、前記側面は前記ライトガイドの外形を画定し、前記側面の少なくとも一部は前記ライトガイドから光が出射する光出射面として構成されている、及び、
・第1のライトガイド部及び第2のライトガイド部、但し、第1のライトガイド部は第2のライトガイド部よりも前記光入射面のより近くにあり、前記第1のライトガイド部および第2のライトガイド部は、前記ライトガイドの前記長手延伸方向に沿って連続的に配置されかつ前記光出射面の反対側に配置される複数の光方向転換要素を含み、前記光方向転換要素は前記ライトガイドを通って前記長手方向経路に沿って伝播する光の少なくとも一部を前記光出射面に向けて方向転換するように構成され、方向転換された光は前記光出射面を通って前記ライトガイドから出射され、前記光出射面は実質的に前記ライトガイドの前記長手延伸方向に沿って配向された第1焦線を有する曲面である、
を含み、
各光方向転換要素は前記ライトガイドの縦軸に向かって実質的に半径方向に延在する第1の面と、前記第1の面に対して所定の角度をなして配向されている第2の面とを含み、前記第1の面と前記第2の面は実質的に楔形の凹部を形成し、前記第2の面は入射光を前記光出射面へ向けて方向転換するよう構成されており、前記入射光は前記ライトガイドを通って前記長手方向経路に沿って伝播する光の少なくとも一部であり、
各光方向転換要素は前記ライトガイドの前記縦軸への前記第1の面の半径方向の延伸長さとして定義される所定の切り込み深さを有し、前記切り込み深さは前記ライトガイドの前記長手延伸方向、すなわち前記長手方向経路に沿って増大し、前記切り込み深さは、前記光出射面を通して前記ライトガイドから出射する光が前記光出射面にわたって実質的に等しい光束を有するように、前記長手方向経路に沿った光束の損失が補償される割合で増大するものに関する。
【0003】
本発明は、更に、ライトガイドと、前記ライトガイドにその光入射面を介して光を照射するよう構成された光源とを含む、自動車前照灯のための照明装置に関する。
【0004】
本発明は、更に、ライトガイドまたは照明装置を含む、自動車前照灯に関する。
【背景技術】
【0005】
ライトガイドは、先行技術においてよく知られている。通常、光方向転換要素、例えば出力プリズムなどの光出力カプラーは、ライトガイドの長手延伸方向に沿って増大する必要がある一定の切り込み深さを有する。この切り込み深さの増大は、ライトガイドの全長にわたって光の出力を提供するために必要である。切り込み深さが大きいほど、光方向転換面は大きくなり、したがって、ライトガイドの端部における光の減少量は、より大きな光方向転換面によって補償される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-046024号公報
【文献】欧州特許出願公開第2829897号明細書
【文献】国際公開第2016/124770号
【文献】欧州特許出願公開第3135989号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/372296号明細書
【文献】特開2017-041368号公報
【文献】欧州特許出願公開第0544332号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
増大された切り込み深さの欠点は、結果として光出射面にわたる光出力が不均一になることである。特に、ライトガイドの端部/後部におけるより深い切り込み深さに対応する光出射面の部分は、より浅い切り込み深さを有するライトガイドの部分(すなわち、光源に比較的近い光出射面の部分)と比べて明るさがより小さいスポット(複数)またはライン(複数)を示す。
【0008】
したがって、本発明の課題は、ライトガイドの光出射面の光出力を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の視点により、光源から光を受け取り及び放出するよう構成されたライトガイドが提供される。
前記ライトガイドは、
・光源からの光を受け取るよう構成された光入射面、但し、当該光は、前記光入射面を介して前記ライトガイド入射し、長手方向経路に沿って前記ライトガイドの少なくとも一部を通って伝播し、前記長手方向経路は実質的に前記ライトガイドの長手延伸方向に沿って配向されている、
・前記ライトガイドの前記長手延伸方向に沿って前記光入射面から延在する側面、但し、前記側面は前記ライトガイドの外形を画定し、前記側面の少なくとも一部は前記ライトガイドから光が出射する光出射面として構成されている、及び、
・第1のライトガイド部及び第2のライトガイド部、但し、第1のライトガイド部は第2のライトガイド部よりも前記光入射面のより近くにあり、前記第1のライトガイド部および第2のライトガイド部は、前記ライトガイドの前記長手延伸方向に沿って連続的に配置されかつ前記光出射面の反対側に配置される複数の光方向転換要素を含み、前記光方向転換要素は前記ライトガイドを通って前記長手方向経路に沿って伝播する光の少なくとも一部を前記光出射面に向けて方向転換するように構成され、方向転換された光は前記光出射面を通って前記ライトガイドから出射され、前記光出射面は実質的に前記ライトガイドの前記長手延伸方向に沿って配向された第1焦線を有する曲面である、
を含み、
各光方向転換要素は前記ライトガイドの縦軸に向かって実質的に半径方向に延在する第1の面と、前記第1の面に対して所定の角度をなして配向されている第2の面とを含み、前記第1の面と前記第2の面は実質的に楔形の凹部を形成し、前記第2の面は入射光を前記光出射面へ向けて方向転換するよう構成されており、前記入射光は前記ライトガイドを通って前記長手方向経路に沿って伝播する光の少なくとも一部であり、
各光方向転換要素は前記ライトガイドの前記縦軸への前記第1の面の半径方向の延伸長さとして定義される所定の切り込み深さを有し、前記切り込み深さは前記ライトガイドの前記長手延伸方向、すなわち前記長手方向経路に沿って増大し、前記切り込み深さは、前記光出射面を通して前記ライトガイドから出射する光が前記光出射面にわたって実質的に等しい光束を有するように、前記長手方向経路に沿った光束の損失が補償される割合で増大し、
前記第2のライトガイド部の前記光出射面は実質的に円弧(部分円)状の横断面を有する突出部分を有し、前記突出部分は前記光方向転換要素の実質的に反対側に位置し、前記突出部分は前記ライトガイドの前記縦軸に対し実質的に平行に長手方向に延伸し(長手延伸方向を有し)、前記突出部分は前記第1焦線よりも前記光出射面により近い第2焦線を有し、
前記第1のライトガイド部の前記光方向転換要素の複数の前記第2の面は、各第2の面が前記光出射面の前記第1焦線と交差するよう、配置されており、
前記第2のライトガイド部の前記光方向転換要素の複数の前記第2の面は、各第2の面が前記光出射面の前記第1焦線および前記突出部分の前記第2焦線と交差するよう、配置されており、
前記突出部分は円筒半径および円筒軸を有する実質的に円筒形状であり、前記円筒半径は前記長手方向経路に沿って一定であり、前記突出部分の前記円筒軸と前記ライトガイドの中心軸との間の垂直距離は前記長手方向経路に沿って増大する(形態1)。
本発明の第2の視点により、本発明によるライトガイドと、前記ライトガイドにその光入射面を介して光を照射するよう構成された光源とを含む、自動車前照灯のための照明装置が提供される(形態13)。
本発明の第3の視点により、本発明による照明装置を含む、自動車前照灯が提供される(形態14)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(形態1)上記本発明の第1の視点参照。
(形態2)形態1のライトガイドにおいて、前記第1のライトガイド部の前記第1の面の切り込み深さおよび前記第1の面と前記第2の面との間の角度は前記第1のライトガイド部の前記第2の面が前記第1焦線と交差するよう構成されており、前記第2のライトガイド部の前記第1の面の切り込み深さおよび前記第1の面と前記第2の面との間の角度は前記第2のライトガイド部の複数の前記第2の面が前記第1焦線および前記第2焦線と交差するよう構成されていることが好ましい。
(形態3)形態1のライトガイドにおいて、前記第1の面と前記第2の面との間の角度は1°~90°、又は15°~75°、又は25°~65°であることが好ましい。
(形態4)形態1のライトガイドにおいて、前記角度の対辺(反対側)は前記側面上に位置し、前記光方向転換要素は反射プリズムであることが好ましい。
(形態5)形態1のライトガイドにおいて、前記第1焦線および/または前記第2焦線は前記ライトガイドの前記縦軸と実質的に平行であることが好ましい。
(形態6)形態1のライトガイドにおいて、前記ライトガイドは第1の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、前記突出部分は第2の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、前記第1の円筒半径は前記第2の円筒半径よりも大きいことが好ましい。
(形態7)形態1のライトガイドにおいて、前記突出部分は所定の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、前記所定の円筒半径は前記長手方向経路に沿って増大することが好ましい。
(形態8)形態1のライトガイドにおいて、前記ライトガイドは透明な中実体であり、前記光方向転換要素は前記中実体の前記側面の凹部であることが好ましい。
(形態9)形態1のライトガイドにおいて、前記突出部分は前記第2のライトガイド部の前記光出射面の10~25%にわたって延在することが好ましい。
(形態10)形態1のライトガイドにおいて、前記突出部分は前記第2のライトガイド部の前記光方向転換要素の反対側に配置されていることが好ましい。
(形態11)形態1のライトガイドにおいて、前記突出部分は前記ライトガイドの前記長手延伸方向と実質的に平行である長手延伸方向を有することが好ましい。
(形態12)形態1のライトガイドにおいて、前記突出部分は回転放物面の形状の横断面を有し、前記回転放物面は放物面半径を有し、前記放物面半径は前記長手方向経路沿って増大することが好ましい。
(形態13)上記本発明の第2の視点参照。
(形態14)上記本発明の第3の視点参照。
【0011】
上記の課題は、上記第1の視点によるライトガイド、上記第2の視点による自動車前照灯のための照明装置及び上記第3の視点による自動車前照灯によって解決される。
【0012】
本発明の第1の視点によれば、第2のライトガイド部の光出射面は実質的に円弧状の横断面を有する突出部分を有し、突出部分は実質的に光方向転換要素の反対側に位置し、突出部分はライトガイドの縦軸に対し実質的に平行な長手方向に延伸し(長手延伸方向を有し)、突出部分は第1焦線よりも光出射面に近い第2焦線を有し、
第1のライトガイド部の光方向転換要素の複数の第2の面は、各第2の面が光出射面の第1焦線と交差するよう、配置され、
第2のライトガイド部の光方向転換要素の複数の第2の面は、各第2の面が光出射面の第1焦線および突出部分の第2焦線と交差するよう、配置されている。
【0013】
これは、光出射面全体にわたって均一な量の光が出力されるという利点を有する。均一な量とは、光出射面全体にわたる光束が面積当たり実質的に一定であることを意味する。これは、観察者が光出射面またはライトガイドのそれぞれの長手延伸方向に沿ってより明るいまたはより暗いスポット(複数)を観測しないことを意味する。
【0014】
好ましくは、第2のライトガイド部から出射する光は、対応する光方向転換要素の実質的に第2の面全体によって方向転換される。
【0015】
好ましくは、第2のライトガイド部の光方向転換要素の第2の面が突出部分の第2焦線と光出射面の第1焦線とに沿って配置されているため、鮮明で一様な光分布(配光パターン)がライトガイドによって放出されることができる。これにより、ライトガイドの観察者に対しとりわけ一様な光の印象をもたらすことができる。
【0016】
好ましくは、第1焦線および/または第2焦線はライトガイドの形状/曲率に従う。
【0017】
好ましくは、第2焦線は突出部分の表面によって形成されるか、または突出部分の表面に対応する。突出部分は実質的にレンズ、例えばシリンドリカルレンズとなるように構成されることができ、第2焦線はレンズの焦線とすることができる。
【0018】
好ましくは、各第2の面は光出射面の第1焦線および突出部分の第2焦線と交差するため、第2の面に入射する実質的に全部の光(すなわち、第1焦線の領域の光と第2焦線の領域の光)は、それぞれ光出射面および光出射面の突出部分によって投射され、これにより、有利には、ライトガイドによって放出される鮮明で一様な光分布がもたらされる。ライトガイドの縦軸は中心軸と称されることも可能である。本開示の文脈において、横断面とは、ライトガイドの長手延伸方向の延長/経路または縦軸に対して直角に配向された平面に沿った切断面を意味する。
【0019】
有利には、第1のライトガイド部の第1の面の切り込み深さおよび第1の面と第2の面との間の角度は、第1のライトガイド部の第2の面が第1焦線と交差するよう、構成されており、第2のライトガイド部の第1の面の切り込み深さおよび第1の面と第2の面との間の角度は、第2のライトガイド部の第2の面(複数)が第1焦線および第2焦線と交差するよう、構成されている。これは、第1のライトガイド部の光出射面および第2のライトガイド部の光出射面が鮮明で、焦点の合った光分布を放出するという利点を有する。
【0020】
好ましくは、第2のライトガイド部の第2の面(複数)は第1焦線および第2焦線と交差するため、第2の面に入射する実質的に全部の光は光出射面および光出射面の突出部分によって投射される。
【0021】
有利には、第1の面と第2の面との間の角度は1°~90°であり、好ましくは15°~75°、特に25°~65°である。この角度はライトガイドの長手延伸方向に沿って一定とすることができる。代替的に、この角度はライトガイドの長手延伸方向に沿って減少することも可能であり、その結果、入射するべき光のためのより大きな可能な領域が得られる。
【0022】
有利には、上記角度の対辺(反対側)は側面上に位置し、好ましくは、光方向転換要素は反射プリズムである。反射プリズムは、ライトガイドの側面に楔形の凹部を刻むことによって形成されることができるため、生産が安価であるという利点を有する。
【0023】
有利には、第1焦線および/または第2焦線はライトガイドの縦軸に対し実質的に平行である。ライトガイドが湾曲を有する場合、第1焦線および/または第2焦線は好ましくはその湾曲に従うことができる。
【0024】
有利には、ライトガイドは第1の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、突出部分は第2の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、第1の円筒半径は第2の円筒半径よりも大きい。好ましくは、ライトガイドの第1の円筒半径は突出部分の第2の円筒半径の少なくとも1.5倍、好ましくは2倍超、特に3倍超または4倍超である。
【0025】
有利には、突出部分は所定の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、この円筒半径は長手方向経路に沿って増大し、好ましくは連続的に増大する。これは、とりわけ一様な光分布がライトガイドの遠位端においても、すなわち光源から離れたライトガイドの端部においても、ライトガイドの光出射面から放出されるという利点を有する。
【0026】
有利には、突出部分は或る円筒半径および或る円筒軸を有する実質的に円筒形状であり、この円筒半径は長手方向経路に沿って一定であり、突出部分の円筒軸とライトガイドの中心軸との間の垂直距離は、長手方向経路に沿って増大し、好ましくは連続的に増大する。これは、円筒半径の増大の一代替構成であり得るが、とりわけ一様な光分布が長手延伸方向全体に沿ってライトガイドの光出射面から放出されるという同じ利点を有する。
【0027】
有利には、ライトガイドは透明な中実体であり、光方向転換要素は当該中実体の側面の凹部である。これは、ライトガイドの製造コストが特に低くなるという利点を有する。
【0028】
有利には、突出部分は第2のライトガイド部の光出射面の10~25%にわたって延在する。これは、特に一様な光分布がライトガイドの光出射面全体から放出されるという利点を有し、特に、実質的に等しい量の光がライトガイドの近位端部および遠位端から放出されることができると共に、光出射面全体にわたってより暗いまたはより明るい領域は存在しない。
【0029】
有利には、突出部分は第2のライトガイド部の光方向転換要素の反対側に(に対向して)配置される。好ましくは、突出部分は第2のライトガイド部の光方向転換要素に対して(直径方向の)正反対側に配置される。これは、光方向転換要素が、より多くの量の光を光放出(出射)面および光放出(出射)面の突出部分に対しそれぞれ直接的に方向転換するという利点を有する。
【0030】
有利には、突出部分はライトガイドの長手延伸方向に対し実質的に平行な長手延伸方向を有する。
【0031】
有利には、突出部分は回転放物面の形状の横断面を有し、好ましくは、当該回転放物面は放物面半径を有し、当該放物面半径は、長手方向経路に沿って増大し、好ましくは連続的に増大する。
【0032】
本発明の別の一視点では、自動車前照灯のための照明装置が提供され、該照明装置は本発明によるライトガイドを含む。
【0033】
本発明のさらに別の一視点では、自動車前照灯が提供され、該自動車前照灯は本発明によるライトガイドまたは照明装置を含む。
【0034】
以下に、本発明をさらに説明するために、図面に示されるような、例示的かつ非限定的な実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図3】本発明によるライトガイドの第1の実施形態の一例。
【
図4】本発明によるライトガイドの第1のライトガイド部の一例の横断面。
【
図5】本発明によるライトガイドの第2のライトガイド部の一例の横断面。
【
図6】ライトガイドの第1の実施形態の一例の詳細図。
【
図7】ライトガイドの第2の実施形態の一例の詳細図。
【実施形態】
【0036】
以下の図面において、同一の参照符号は、別段の明示的な記載がない限り、同一の特徴を指す。参照符号は情報提供のみを目的としており、保護の範囲を限定するものではない。
【0037】
説明の簡単のため、本発明にとって本質的でない要素は図に示されていない。
【0038】
図1は従来技術によるライトガイド1を示す。ライトガイド1は光源8から光を受け取りかつ光を放出するよう構成されている。ライトガイド1は光源8から光を受け取るよう構成された光入射面2を含む。当該光は光入射面2を介してライトガイド1に入射し、長手方向経路3に沿ってライトガイド1の少なくとも一部を通って伝播する。長手方向経路3は実質的にライトガイド1の長手延伸方向に沿って配向されている。ライトガイド1は、ライトガイド1の長手延伸方向に沿って光入射面2から延在する側面4を有する。側面4はライトガイド1の外形を画定する。側面4の少なくとも一部は、光がライトガイド1から出射する光出射面4aとして構成されている。
【0039】
ライトガイド1は第1のライトガイド部1aと第2のライトガイド部1bとを有し、第1のライトガイド部1aは第2のライトガイド部1bよりも光入射面2のより近くに位置する。第1ライトガイド部1aおよび第2のライトガイド部1bは、ライトガイド1の長手延伸方向に沿って連続的に配置されかつ光出射面4aの反対側に配置される複数の光方向転換要素5を含む。
【0040】
図2はライトガイド1の詳細を示す。光方向転換要素5はライトガイド1を通って長手方向経路3に沿って伝播する光の少なくとも一部を光出射面4aへ向けて方向転換するように構成されている。方向転換された光は光出射面4aを通ってライトガイド1から出射する。
【0041】
各光方向転換要素5はライトガイド1の縦軸7に向かって実質的に半径方向に延在する第1の面5aと、第1の面5aに対して角度αをなして配向されている第2の面5bとを含む。第1の面5aと第2の面5bは実質的に楔形の凹部を形成する。第2の面5bは入射光を光出射面4aへ向けて方向転換するように構成されているが、ここで、入射光とはライトガイド1を通って長手方向経路3に沿って伝播する光の少なくとも一部である。
【0042】
第1の面5aと第2の面5bとの間の角度αは1°~90°、好ましくは15°~75°、特に25°~65°とすることができる。また、角度αの対辺(反対側)は側面4上に位置することが好ましい。好ましくは、光方向転換要素5は反射プリズムである。
【0043】
各光方向転換要素5はライトガイド1の縦軸7への第1の面5aの半径方向の延伸長さとして定義される所定の切り込み深さdを有する(より詳細には、
図4および
図5参照)。切り込み深さdはライトガイド1の長手延伸方向、すなわち長手方向経路3に沿って増大する。切り込み深さdは、光出射面4aを通ってライトガイド1から出射する光が光出射面4aにわたって実質的に等しい光束を有するように、長手方向経路3に沿った光束の損失が補償されるような割合で増大する。
【0044】
図3は本発明によるライトガイドの第1の実施形態の一例を示す。図示の実施形態では、ライトガイド1はライトガイド1の端部のより近くに、即ち第2のライトガイド部1bに、その光出射面4a上に突出部分6を備える。例えば垂直方向に上下に積み重ねられた、2つのライトガイド1を提供することが可能であることも当業者には明らかであろう。本発明はライトガイドが1つの場合のみに限定されない。
【0045】
ライトガイド1の光出射面4aは、実質的にライトガイド1の長手方向に沿って配向された第1焦線F1を有する曲面である。
【0046】
図4はライトガイド1の第1のライトガイド部1aの一例の横断面を示す。第1のライトガイド部1aの光方向転換要素5は所定の切り込み深さdを有することが分かる。
【0047】
図5はライトガイド1の第2のライトガイド部1bの一例の横断面を示す。第2のライトガイド部1bの光方向転換要素5は第1のライトガイド部1aの光方向転換要素5に比べてより大きい切り込み深さdを有することがわかる。
【0048】
第2のライトガイド部1bの光出射面4aは実質的に円弧状の横断面を有する突出部分6を有する。突出部分6は光方向転換要素5の実質的に反対側に位置付けられている。突出部分6はライトガイド1の縦軸7に対し実質的に平行に長手方向に延伸し(長手延伸方向を有し)、突出部分6は第1焦線F1よりも光出射面4aにより近い第2焦線F2を有する(
図4および
図5参照)。第1焦線F1および/または第2焦線F2はライトガイド1の縦軸7と実質的に平行である。突出部分6は第2のライトガイド部1bの光出射面4aの10~25%にわたって延伸することができる。突出部分6はライトガイド1の長手延伸方向に対し実質的に平行な長手延伸方向を有することができる。
【0049】
第1のライトガイド部1aの光方向転換要素5の第2の面(複数)5bは、各第2の面5bが光出射面4aの第1焦線F1と交差するように、配置されている。
【0050】
第2のライトガイド部1bの光方向転換要素5の第2の面(複数)5bは、各第2の面5bが光出射面4aの第1焦線F1および突出部分6の第2焦線F2と交差するように、配置されている。
【0051】
図4に見出すことができるように、第1のライトガイド部1aの第1の面5aの切り込み深さd(および/または第1の面5aと第2の面5bとの間の角度α)は、第1のライトガイド部1aの第2の面5bが第1焦線F1と交差するよう、構成されている。
【0052】
図5に見出すことができるように、第2のライトガイド部1bの第1の面5aの切り込み深さd(および/または第1の面5aと第2の面5bとの間の角度α)は、第2のライトガイド部1bの第2の面5bが第1焦線F1および第2焦線F2と交差するよう、構成されている。その結果、第2のライトガイド部1bの
第2の面5bに入射する全ての光は光出射面4aによって一様に投射されることができる。突出部分6は第2のライトガイド部1bの光方向転換要素5の反対側に(に対向して)配置されることができる。
【0053】
図示の実施形態では、ライトガイド1は第1の円筒半径を有する実質的に円筒形状である。突出部分6は第2の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、第1の円筒半径は第2の円筒半径よりも大きい。
【0054】
図6に示す実施形態では、突出部分6は所定の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、当該円筒半径は長手方向経路3に沿って増大し、好ましくは連続的に増大する。半径のこの増大は、半径r2が半径r1よりも大きいというようにして、
図6に示されている。
【0055】
図7および
図8に示す実施形態では、突出部分6は或る円筒半径および或る円筒軸を有する実質的に円筒形状であり、当該円筒半径は長手方向経路3に沿って一定である。突出部分6の円筒軸とライトガイド1の中心軸との間の垂直距離d3(法線距離)は長手方向経路3に沿って増大し、好ましくは連続的に増大する。
【0056】
好ましくは、ライトガイド1は透明な中実体であり、光方向転換要素5は当該中実体の側面4の凹部である。
【0057】
代替的な一実施形態では、突出部分6は回転放物面の形状の横断面を有することができる。好ましくは、当該回転放物面は放物面半径を有し、この放物面半径は、長手方向経路3に沿って増大し、好ましくは連続的に増大する。
【0058】
勿論、本発明は本書に記載の実施例に限定されるものではなく、本書は本開示の観点から当業者であれば実施可能な本発明の幾つかの実施形態を示しているにすぎない。
【0059】
上記の実施形態の全部又は一部は以下の付記として記載可能であるが、それらに限定されない。
[付記1]光源から光を受け取り及び放出するよう構成されたライトガイド。
前記ライトガイドは、
・光源からの光を受け取るよう構成された光入射面、但し、当該光は、前記光入射面を介して前記ライトガイドに入射し、長手方向経路に沿って前記ライトガイドの少なくとも一部を通って伝播し、前記長手方向経路は、実質的に前記ライトガイドの長手延伸方向に沿って配向されている、
・前記ライトガイドの前記長手延伸方向に沿って前記光入射面から延在する側面、但し、前記側面は前記ライトガイドの外形を画定し、前記側面の少なくとも一部は前記ライトガイドから光が出射する光出射面として構成されている、及び、
・第1のライトガイド部及び第2のライトガイド部、但し、第1のライトガイド部は第2のライトガイド部よりも前記光入射面のより近くにあり、前記第1のライトガイド部および第2のライトガイド部は、前記ライトガイドの前記長手延伸方向に沿って連続的に配置されかつ前記光出射面の反対側に配置される複数の光方向転換要素を含み、前記光方向転換要素は前記ライトガイドを通って前記長手方向経路に沿って伝播する光の少なくとも一部を前記光出射面に向けて方向転換するように構成され、方向転換された光は前記光出射面を通って前記ライトガイドから出射され、前記光出射面は実質的に前記ライトガイドの前記長手延伸方向に沿って配向された第1焦線を有する曲面である、
を含む。
各光方向転換要素は前記ライトガイド縦軸に向かって実質的に半径方向に延在する第1の面と、前記第1の面に対して所定の角度をなして配向されている第2の面とを含み、前記第1の面と前記第2の面は実質的に楔形の凹部を形成し、前記第2の面は入射光を前記光出射面へ向けて方向転換するよう構成されており、前記入射光は前記ライトガイドを通って前記長手方向経路に沿って伝播する光の少なくとも一部である。
各光方向転換要素は前記ライトガイドの前記縦軸への前記第1の面の半径方向の延伸長さとして定義される所定の切り込み深さを有し、前記切り込み深さは前記ライトガイドの前記長手延伸方向、すなわち前記長手方向経路に沿って増大し、前記切り込み深さは、前記光出射面を通して前記ライトガイドから出射する光が前記光出射面にわたって実質的に等しい光束を有するように、前記長手方向経路に沿った光束の損失が補償される割合で増大する。
前記第2のライトガイド部前記光出射面は実質的に円弧(部分円)状の横断面を有する突出部分を有し、前記突出部分は前記光方向転換要素の実質的に反対側に位置し、前記突出部分は前記ライトガイドの前記縦軸に対し実質的に平行に長手方向に延伸し(長手延伸方向を有し)、前記突出部分は前記第1焦線よりも前記光出射面により近い第2焦線を有する。
前記第1のライトガイド部の前記光方向転換要素の複数の前記第2の面は、各第2の面が前記光出射面の前記第1焦線と交差するよう、配置されている。
前記第2のライトガイド部の前記光方向転換要素の複数の前記第2の面は、各第2の面が前記光出射面の前記第1焦線および前記突出部分の前記第2焦線と交差するよう、配置されている。
[付記2]上記のライトガイド、とりわけ付記1のライトガイドにおいて、
前記第1のライトガイド部の前記第1の面の切り込み深さおよび前記第1の面と前記第2の面との間の角度は前記第1のライトガイド部の前記第2の面が前記第1焦線と交差するよう構成されている。前記第2のライトガイド部の前記第1の面の切り込み深さおよび前記第1の面と前記第2の面との間の角度は前記第2のライトガイド部の複数の前記第2の面が前記第1焦線および前記第2焦線と交差するよう構成されている。
[付記3]上記のライトガイド、とりわけ付記1又は2のライトガイドにおいて、前記第1の面と前記第2の面との間の角度は1°~90°、好ましくは15°~75°、特に25°~65°である。
[付記4]上記のライトガイド、とりわけ付記1~3のいずれかのライトガイドにおいて、前記角度の対辺(反対側)は前記側面上に位置し、好ましくは、前記光方向転換要素は反射プリズムである。
[付記5]上記のライトガイド、とりわけ付記1~4のいずれかのライトガイドにおいて、前記第1焦線および/または前記第2焦線は前記ライトガイドの前記縦軸と実質的に平行である。
[付記6]上記のライトガイド、とりわけ付記1~5のいずれかのライトガイドにおいて、前記ライトガイドは第1の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、前記突出部分は第2の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、前記第1の円筒半径は前記第2の円筒半径よりも大きい。
[付記7]上記のライトガイド、とりわけ付記1~6のいずれかのライトガイドにおいて、前記突出部分は所定の円筒半径を有する実質的に円筒形状であり、前記所定の円筒半径は前記長手方向経路(3)に沿って増大し、好ましくは連続的に増大する。
[付記8]上記のライトガイド、とりわけ付記1~7のいずれかのライトガイドにおいて、前記突出部分は円筒半径および円筒軸を有する実質的に円筒形状であり、前記円筒半径は前記長手方向経路に沿って一定であり、前記突出部分の前記円筒軸と前記ライトガイドの中心軸との間の垂直距離は前記長手方向経路に沿って増大し、好ましくは連続的に増大する。
[付記9]上記のライトガイド、とりわけ付記1~8のいずれかのライトガイドにおいて、前記ライトガイドは透明な中実体であり、前記光方向転換要素は前記中実体の前記側面の凹部である。
[付記10]上記のライトガイド、とりわけ付記1~9のいずれかのライトガイドにおいて、前記突出部分は前記第2のライトガイド部の前記光出射面の10~25%にわたって延在する。
[付記11]上記のライトガイド、とりわけ付記1~10のいずれかのライトガイドにおいて、前記突出部分は前記第2のライトガイド部の前記光方向転換要素の反対側に配置されている。
[付記12]上記のライトガイド、とりわけ付記1~11のいずれかのライトガイドにおいて、前記突出部分は前記ライトガイドの前記長手延伸方向と実質的に平行である長手延伸方向を有する。
[付記13]上記のライトガイド、とりわけ付記1~12のいずれかのライトガイドにおいて、前記突出部分は回転放物面の形状の横断面を有し、好ましくは、前記回転放物面は放物面半径を有し、前記放物面半径は前記長手方向経路に沿って増大し、好ましくは連続的に増大する。
[付記14]上記のライトガイド、とりわけ付記1~13のいずれかのライトガイドと、前記ライトガイドにその光入射面を介して光を照射するよう構成された光源とを含む、自動車前照灯のための照明装置。
[付記15]上記のライトガイド、とりわけ付記1~13のいずれかのライトガイド、または上記のライトガイド、とりわけ付記14の照明装置を含む、自動車前照灯。
【0060】
本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(「非選択」を含む。)が可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲及び図面を含む全開示、本発明の技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【0061】
更に、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を実施形態及び図示の実施例に限定することは意図していない。
【0062】
更に、上記の各文献の全内容は引照を以って本書に繰り込みここに記載されているものとする。