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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】マルチセンサカテーテルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
A61B8/12
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022509133
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 US2020045981
(87)【国際公開番号】W WO2021030470
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-08-07
(31)【優先権主張番号】62/886,284
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519425981
【氏名又は名称】ゼッド メディカル,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シー.ムーア
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド マスター
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エイチ.フェントン
【審査官】後藤 昌夫
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-526143(JP,A)
【文献】特表2012-502692(JP,A)
【文献】特表2017-518151(JP,A)
【文献】特表2017-513643(JP,A)
【文献】特開2011-087948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波撮像装置(1100)であって、
患者の体内に低侵襲で挿入するための撮像アセンブリ(1300)であって、前記撮像アセンブリは、
複数のトランスデューサアレイ素子を有する超音波トランスデューサアレイ(1320)と、
前記撮像アセンブリ(1300)内で前記超音波トランスデューサアレイに動作可能に接続された集積回路(1340、1342、1344、1346)であって、前記集積回路は、
前記複数のトランスデューサアレイ素子のうちの1つのトランスデューサアレイ素子で超音波信号を送信し、前記複数のトランスデューサアレイ素子のうちの複数のトランスデューサアレイ素子で超音波信号を受信することを含む送受信シーケンス、及び、
超音波撮像を実施する際に前記超音波撮像装置のために選択された超音波走査モダリティを支持するために前記超音波トランスデューサアレイの副開口部を最適化するための動作コード、
を保存するようにプログラム可能なメモリを備え、前記副開口部は、前記複数のトランスデューサアレイ素子よりも少ないトランスデューサアレイ素子のサブセットを有する、
集積回路と、
を具備する、超音波撮像装置。
【請求項2】
前記超音波トランスデューサアレイは、64個のトランスデューサアレイ素子を有し、前記超音波撮像装置は、前記64個のトランスデューサアレイ素子のいずれか1つのトランスデューサアレイ素子で送信し、前記64個のトランスデューサアレイ素子のいずれか1つのトランスデューサアレイ素子で受信するように、それぞれが前記メモリによって構成可能な第1、第2、第3及び第4の集積回路を具備する、請求項1に記載の超音波撮像装置。
【請求項3】
前記超音波撮像装置は、超音波トランスデューサに動作可能に接続された4つ以上の集積回路を備え、
複数の集積回路が、第1の受信ライン上で、第1の組のトランスデューサアレイ素子に動作可能に接続され、複数の他の集積回路が、第2の受信ライン上で、第2の組のトランスデューサアレイ素子に動作可能に接続され、前記第1及び第2の組のトランスデューサアレイ素子は、撮像アセンブリの中心軸周りに交互に配置される、
請求項1又は2に記載の超音波撮像装置。
【請求項4】
第1の集積回路に動作可能に接続された第1の生理学的センサであって、前記第1の集積回路は、前記第1の生理学的センサからの信号を第1の受信チャネルに多重化する、第1の生理学的センサと、第2の集積回路に動作可能に接続された第2の生理学的センサであって、前記第2の集積回路は、前記第2の生理学的センサからの信号を第2の受信チャネルに多重化する、第2の生理学的センサと、をさらに具備する、請求項1、2又は3に記載の超音波撮像装置。
【請求項5】
前記第1の組のトランスデューサアレイ素子に接続された前記集積回路は、第1の差動送信機信号及びクロック信号によって駆動され、前記第2の組のトランスデューサアレイ素子に接続された前記集積回路は、第2の差動送信機信号及び前記クロック信号によって駆動され、前記第1及び第2の差動送信信号は異なる、請求項に記載の超音波撮像装置。
【請求項6】
前記超音波トランスデューサアレイは、8つの集積回路であって、各集積回路は専用の受信チャネルに動作可能に接続される、8つの集積回路を備え、前記超音波撮像装置は、前記超音波トランスデューサアレイの1つの素子での超音波信号の送信と、前記超音波トランスデューサアレイの8つの素子での超音波信号の受信と、を含む超音波走査モダリティを実行するように構成可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の超音波撮像装置。
【請求項7】
前記超音波走査モダリティは、円筒形超音波走査モダリティ、側面超音波走査モダリティ又は前向き3D超音波走査モダリティである、請求項1~6のいずれか一項に記載の超音波撮像装置。
【請求項8】
前記集積回路上に低雑音増幅器をさらに具備する、請求項1~7のいずれか一項に記載の超音波撮像装置であって、前記低雑音増幅器は、前記超音波トランスデューサアレイから受信された超音波信号に利得を提供するように構成可能であり、前記低雑音増幅器によって提供された前記利得は、前記集積回路の電力消費を低減するために可変である、超音波撮像装置。
【請求項9】
前記低雑音増幅器は、前記集積回路の電力消費を低減するために、受信ウィンドウが機能してないときに、スイッチが切られるように動作可能である、請求項8に記載の超音波撮像装置。
【請求項10】
前記集積回路上のエラー検査回路であって、前記エラー検査回路は、4ビットのデジタルエラー出力を可能にする2本の差動信号線のそれぞれのDCバイアス電圧を引き上げるか引き下げることによって、前記集積回路が前記送受信シーケンス又は動作コードのエラーを報告することを可能にする巡回冗長検査信号を生成するために差動信号を使用する、エラー検査回路をさらに具備する、請求項1~9のいずれか一項に記載の超音波撮像装置。
【請求項11】
前記集積回路は、円筒形アレイ副開口部のサイズを増大させるか減少させて、撮像パラメータを最適化するために、異なる送受信シーケンスを用いてプログラム可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載の超音波撮像装置。
【請求項12】
前記集積回路は、前記超音波トランスデューサアレイに向けられた異なる伝達電圧によって駆動されるようにプログラム可能である、請求項1~11のいずれか一項に記載の超音波撮像装置。
【請求項13】
超音波撮像装置用の撮像アセンブリであって、前記撮像アセンブリは、
超音波トランスデューサアレイと、
前記超音波トランスデューサアレイに動作可能に接続されたコントローラであって、前記コントローラは、命令を保存するようにプログラム可能なメモリを有し、前記命令は、前記コントローラによって実行されると、前記コントローラが、
送受信シーケンス及び動作コードの受信と前記メモリへの保存を含む初期化モードで動作することであって、前記動作コードは、円筒形超音波走査モダリティ、側面超音波走査モダリティ及び前向き3D超音波走査モダリティから構成されるグループから選択された超音波走査モダリティを実行するように前記撮像アセンブリを構成することと、
超音波撮像を実施する際に前記超音波トランスデューサアレイによって選択された前記超音波走査モダリティの性能を最適化するための前記送受信シーケンスの実行を含むミッションモードで動作することと、を実施するようにする、コントローラと、
を具備する、撮像アセンブリ。
【請求項14】
前記撮像アセンブリは、IVUS撮像及び圧力感知カテーテル又は気管支内超音波気管支鏡での組み立てのために構成され、単回使用後に使い捨て可能である、請求項13に記載の撮像アセンブリ。
【請求項15】
前記ミッションモードは、前記超音波トランスデューサアレイの1つのトランスデューサアレイ素子での送信と、前記超音波トランスデューサアレイの4つのトランスデューサアレイ素子での受信と、を含む、請求項13又は14に記載の撮像アセンブリ。
【請求項16】
前記ミッションモードは、前記超音波トランスデューサアレイの1つのトランスデューサアレイ素子での送信と、前記超音波トランスデューサアレイの8つのトランスデューサアレイ素子での受信とを含む、請求項13、14又は15に記載の撮像アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年8月12日にPCT国際出願として出願されており、2019年8月13日出願の米国仮特許出願第62/886,284号「マルチセンサカテーテルアセンブリ」に対して優先権の利益を主張する。この米国仮特許出願の開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
カテーテル及び内視鏡は、経皮的冠動脈インタベンション及び肺リンパ節生検等の医学的インタベンションを導くために使用される診断装置である。カテーテル及び内視鏡に対する一般的な設計上の制約には、解剖学的アクセスのための装置サイズ、及び患者の安全のための熱性能が含まれる。さらに、複数のセンサを好むこと等、これらの装置に一般的に複雑さを追加し、矛盾する臨床ユーザの要求がある。例えば、複数のセンサを使用すると、装置交換の量を低減することによってワークフローと性能を向上させることができる。
【0003】
診断用カテーテル及び内視鏡装置が、超音波撮像アレイ及び生理学的センサをはじめとする、より複雑なセンサを統合することは有利なことであろう。これらの装置にとって、患者の安全のために発熱を低減し、サイズの制約のためにワイヤの数を低減することは、さらに有利なことであろう。柔軟な解決策が複数の臨床応用での使用を可能にするのは、さらに有利なことであろう。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、管腔内又は空洞内の撮像及び感知に使用される医療装置に概ね関する。1つの可能性のある構成では、カテーテル及び内視鏡を、超音波撮像及び生理学的感知について、説明する。本開示では、以下の態様を含むが、これらに限定されないさまざまな態様が記載されている。
【0005】
一態様では、超音波撮像装置が、複数のトランスデューサアレイ素子を有する超音波トランスデューサアレイと、超音波トランスデューサアレイに動作可能に接続された集積回路と、を備える。集積回路は、超音波撮像装置のために選択された超音波走査モダリティを支持するために超音波トランスデューサアレイの副開口部を最適化するための送受信シーケンス及び動作コードを保存するようにプログラム可能なメモリを備え、副開口部は、複数のトランスデューサアレイ素子よりも少ないトランスデューサアレイ素子のサブセットを有する。
【0006】
別の態様は、超音波撮像装置用の撮像アセンブリに関する。撮像アセンブリは、超音波トランスデューサアレイと、超音波トランスデューサアレイに動作可能に接続されたコントローラと、を備える。コントローラは、命令を保存するようにプログラム可能なメモリを有する。命令は、コントローラによって実行されると、コントローラが、送受信シーケンス及び動作コードの受信とメモリへの保存を含む初期化モードで動作することであって、動作コードは、円筒形超音波走査モダリティ、側面超音波走査モダリティ及び前向き3D超音波走査モダリティから構成されるグループから選択された超音波走査モダリティを実行するように撮像アセンブリを構成し、超音波トランスデューサアレイによって選択された超音波走査モダリティの性能を最適化するための送受信シーケンスの実行を含むミッションモードで動作すること、を実施するようにする。
【0007】
別の態様は、プログラム可能な撮像アセンブリを使用して超音波撮像を実行する方法に関する。この方法は、超音波走査モダリティを選択し、選択した超音波走査モダリティのための撮像アセンブリを組み立て、送受信シーケンス及びオペコードを撮像アセンブリのメモリにアップロードすることであって、送受信シーケンス及びオペコードは、選択された超音波走査モダリティを実行するように撮像アセンブリを構成し、撮像アセンブリから超音波信号データを取得し、ディスプレイ装置上で選択された超音波走査モダリティに従って超音波撮像を表示するために、取得された超音波信号データを処理する、ことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の図面は、本開示の特定の実施形態を例示するものであるため、本開示の範囲を限定するものではない。図面は原寸に比例しておらず、以下の詳細な説明の説明と併せて使用することを目的としている。以下では、本開示の実施形態を、添付の図面と併せて説明し、類似の数字は類似の要素を示す。
図1】カテーテル検査室の一例を示す図である。
図2図1のカテーテル検査室で使用することができる超音波撮像システムの一例を示す図である。
図3図2の超音波撮像システムが実行するように構成し、プログラムすることができる超音波走査モダリティの一例を示す図である。
図4図2の超音波撮像システムによって使用することができる例示的なIVUS撮像及び圧力感知カテーテルの部分断面側面図である。
図5図4のカテーテルの例示的な撮像アセンブリの上面図であって、撮像アセンブリは、形成前の状態で示される図である。
図6図5に示す撮像アセンブリのための例示的な集積回路の概略図である。
図7図5の撮像アセンブリの複数の接続された集積回路の一例の概略図である。
図8】形成後の図5の撮像アセンブリの側面図である。
図9】形成後の図5の撮像アセンブリの端面図である。
図10】気管支内超音波気管支鏡の一例の部分断面図である。
図11図10の気管支内超音波気管支鏡の例示的な撮像アセンブリの上面図であって、撮像アセンブリは、形成前の状態で示される図である。
図12図11の撮像アセンブリの底面図である。
図13図11の例示的な撮像アセンブリの複数の接続された集積回路の一例の概略図である。
図14】形成後の図11の撮像アセンブリの端面図である。
図15】プログラム可能な撮像アセンブリを使用して超音波撮像を実施する方法を示す図である。
図16】本開示の態様を実施するために使用することができる計算装置の例示的なアーキテクチャを概略的に示す図である。
図17】第1のサイズを有する副開口部を示す図である。
図18】第2のサイズを有する副開口部を示す図である。
図19】第3のサイズを有する副開口部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して、さまざまな実施形態について詳細に説明する。ここで、類似の参照番号は、いくつかの図を通して類似の部品及びアセンブリを表す。さまざまな実施形態への言及は、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。さらに、本明細書に記載のあらゆる例は、限定することを意図するものではなく、特許請求の範囲の多くの可能性のある実施形態のいくつかを単に示すにすぎない。
【0010】
本明細書に記載の実施形態は、患者の治療をガイドするための複数のセンサを備えたカテーテル、針、カニューレ、内視鏡等に関する。いくつかの用途では、カテーテルは冠動脈で使用するように設計されている。追加の用途では、内視鏡は、肺の気管支又は気道で使用するように設計されている。さらに、本明細書に記載の実施形態は、上記で参照した用途に限定されない。
【0011】
図1は、患者支持台20と、患者40の診断的及び治療的な心血管インタベンションをガイドするためのX線Cアーム30と、を備えるカテーテル検査室10の説明のための例である。カテーテル検査室10は、また、血管内超音波(IVUS)撮像及び圧力感知コンソール90と、カテーテル100と、を備えてもよい。
【0012】
IVUS撮像及び圧力感知コンソール90は、カテーテル100の動作を制御し、カテーテル100との間で信号を送受信し、カテーテル100によって生成または使用されるデータを保存するさまざまな動作素子を収容してよい。いくつかの例では、IVUS撮像及び圧力感知コンソール90は、また、医師がカテーテル100と相互作用したり、及び/又はカテーテルによって生成された情報を表示したりすることを可能にするユーザインタフェースを備える。図1の破線は、カテーテル100の患者40内にある部分を表す。
【0013】
図2は、超音波撮像システム200を示す。図2に示すように、超音波撮像システム200は、撮像アセンブリ202と、1つ又は複数のワイヤ204と、患者インタフェースモジュール206と、撮像エンジン208と、ディスプレイコンピュータ又はタブレット210と、を備える。特定の実施形態では、撮像アセンブリ202は、図5図9を参照して以下でさらに詳細に説明する撮像アセンブリ300である。代替の実施形態では、撮像アセンブリ202は、図11図14を参照して以下でさらに詳細に説明する撮像アセンブリ1300である。
【0014】
以下でさらに詳細に説明するように、撮像アセンブリ202は、少なくとも超音波トランスデューサアレイを備える(例えば、図5の超音波トランスデューサアレイ320及び図11の超音波トランスデューサアレイ1320を参照)。超音波トランスデューサアレイは、電気信号を超音波信号に変換し、反射された超音波信号を、標的の撮像に使用することができる電気信号に変換する。例えば、超音波信号を送信してからエコーを受信するまでの時間を測定することによって、物体の距離を計算することができる。特定の実施形態では、超音波トランスデューサアレイは、微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサである。特定の実施形態では、撮像アセンブリ202は、また、図5に示す圧力センサ330等の生理学的データを検出し、受信することができる追加のセンサを備えることができる。
【0015】
図2の例では、撮像アセンブリ202は、カテーテル又は針を通して挿入することができる1つ又は複数のワイヤ204によって、患者インタフェースモジュール206に動作可能に接続される。さらに詳細に説明するように、患者インタフェースモジュール206は、撮像アセンブリ202がさまざまな異なるタイプの超音波走査モダリティを操作するようにプログラム可能であるように、送受信シーケンス及び動作コード(オペコード)を撮像アセンブリ202のメモリにアップロードする。
【0016】
患者インタフェースモジュール206は、撮像エンジン208に動作可能に接続される。患者インタフェースモジュール206は、超音波信号データを撮像アセンブリ202から撮像エンジン208に中継することができ、撮像エンジン208は、超音波信号データを処理して、リアルタイム超音波撮像を生成することができる。患者インタフェースモジュール206は、リアルタイム超音波撮像と共に表示するために撮像エンジン208によって処理することができる生理学的データ及び追跡データ等の追加のデータを撮像アセンブリ202から撮像エンジン208に中継することができる。
【0017】
患者インタフェースモジュール206は、リアルタイムでの画像取り込みシーケンスの実行中に、撮像エンジン208から撮像アセンブリ202に命令を中継することができる。例えば、撮像エンジン208は、撮像アセンブリ202に含まれる低雑音増幅器(LNA)によって提供される利得を変化させて、撮像アセンブリ202の電力消費を低減し、それによって、画像取り込みシーケンス中に撮像アセンブリ202によって生成される熱を低減することができる。
【0018】
さらに、撮像エンジン208は、画像取り込みシーケンス中に撮像アセンブリ202によって実行される送信-受信シーケンスの送信繰り返し率又は周期をリアルタイムで変化させて、視野を拡大するか縮小し、あるいはフレームレートを増大させるか低下させることができる。有利なことに、撮像アセンブリ202によって実行される送受信シーケンスをリアルタイムで変化させると、臨床応用に望ましい場合に超音波撮像のフレームレートを増大させるのに役立つか、あるいは、これとは別に、望ましい場合に超音波撮像の画質及び奥行きを増大させるのに役立つことがある。
【0019】
また、撮像エンジン208は、画像取り込みシーケンス中に撮像アセンブリ202の超音波トランスデューサアレイに向けられる送信電圧及び周波数をリアルタイムで変化させることができる。さらに、撮像エンジン208は、受信ウィンドウの長さを変化させることができる。これは、低雑音増幅器(LNA)の電源を投入する時間及び撮像アセンブリ202によって生成される熱の量を変化させる。撮像エンジン208は、撮像アセンブリ202上の送信/受信スイッチ406(図6を参照)のタイミング及び動作をさらに調整して、近距離アーチファクトを低減するか、近距離応答を増大させることができる。
【0020】
さらに、撮像エンジン208は、撮像アセンブリ202からの巡回冗長検査信号を受信することができる。この信号は、撮像アセンブリ202のプログラム可能なメモリへの送受信シーケンス及びオペコードのアップロードにエラーがあったかどうかを識別することができる。このような概念については、以下でさらに詳細に説明する。
【0021】
図2にさらに示すように、ディスプレイコンピュータ又はタブレット210は、1つ又は複数の有線接続、光ファイバ接続又は無線接続、あるいはその組み合わせによって、撮像エンジン208に動作可能に接続される。撮像エンジン208は、リアルタイム超音波撮像と、ディスプレイコンピュータ又はタブレット210上での表示及び分析のための生理学的データ及び追跡データを提供する。特定の実施形態では、ディスプレイコンピュータ又はタブレット210は、タブレットコンピュータ又はスマートフォン装置等の携帯装置である。
【0022】
図3は、撮像アセンブリ202を組み立てて、実行するようにプログラムすることができる超音波走査モダリティ250を示す。超音波走査モダリティ250は、円筒形超音波走査モダリティ252、側面超音波走査モダリティ254又は前向き3D超音波走査モダリティ256を含むことができる。
【0023】
撮像アセンブリ202は、所望の臨床応用に基づいて超音波走査モダリティ250を実行するように組み立てられ、プログラムされる。例えば、撮像アセンブリ202は、動脈等の管腔内を走査することが望ましい場合に、円筒形超音波走査モダリティ252を実行するように組み立て、プログラムすることができる。撮像アセンブリ202は、心臓腔の壁等の表面を走査することが望ましい場合に、側面超音波走査モダリティ254を実行するように組み立て、プログラムすることができる。撮像アセンブリ202は、撮像アセンブリ202が通過することができない閉鎖された領域を走査することが望ましい場合に、前向き3D超音波走査モダリティ256を実行するように組み立て、プログラムすることができる。
【0024】
最初に、撮像アセンブリ202は、例示的な超音波走査モダリティ250のうちの1つを実行するように組み立てることができ、その後、患者インタフェースモジュール206は、送受信シーケンス及びオペコードを撮像アセンブリ202のメモリにアップロードして、臨床応用に基づいて超音波走査モダリティを実行するための撮像アセンブリ202をプログラムするために、使用することができる。
【0025】
説明に役立つ例として、撮像アセンブリ202は、円筒形超音波走査モダリティ252を実行するように組み立てることができ、送受信シーケンス及びオペコードは、撮像アセンブリ202によって円筒形超音波走査モダリティ252の性能を最適化することができる。例えば、送受信シーケンス及びオペコードは、臨床応用に基づいて、撮像アセンブリ202上の超音波トランスデューサアレイの副開口部のサイズを最適化することができる。超音波トランスデューサアレイの副開口部サイズを調整することができる合成開口超音波撮像システムが、2020年3月13日出願の米国特許出願第62/989,268号に記載されている。この米国特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0026】
追加の例として、円筒形超音波走査モダリティ252を実行するための副開口部を最適化して、副開口部内の受信素子の数を増やし、望ましい場合には超音波画像の品質を改善することができる。これとは別に、円筒形超音波走査モダリティ252を実行するための副開口部を最適化して、副開口部内の受信素子の数を減らし、望ましい場合には超音波撮像のフレームレートを上げることができる。
【0027】
別の説明に役立つ例として、副開口部は、心臓弁内の弁尖の動きを撮像する場合等、フレームレートを上げることが望ましい場合、円筒形超音波走査モダリティ252を実行するために減少させることができる。これとは別に、副開口部は、画質の向上が望まれる場合は、増大させることができる。円筒形超音波走査モダリティ252を実行するためのプログラム可能な副開口部を、図17図20を参照して以下でさらに詳細に説明する。
【0028】
図4は、例示的なIVUS撮像及びカテーテル100の遠位端の部分断面図である。例示のみを目的として、カテーテル100のいくつかの実施形態が、冠動脈内カテーテルに適している。しかし、カテーテル100の記載された実施形態は、冠動脈内カテーテルに限定されず、このため、他のタイプのカテーテル、内視鏡及び類似の装置にて使用されてもよい。
【0029】
図示の例示的な実施形態では、カテーテル100は、遠位先端110、遠位シャフト120、センサアセンブリ区分130及びケーブルハーネス132を備える。遠位先端110は、少なくとも1つの層を有する先細の細長い管112を備えてもよい。遠位先端110は、案内ワイヤ管腔114及び側面ポート116をさらに備える。特定の実施形態では、カテーテル100及びセンサアセンブリ区分130は、単回使用後に使い捨て可能である。
【0030】
特定の実施形態では、遠位先端110は、0.014インチの案内ワイヤに適した内径を有する。例えば、遠位先端110は、約0.0165インチの内径を有してよい。遠位先端壁は、約0.003インチから約0.009インチの間の近位外径から、約0.001インチから約0.003インチの間の遠位外径まで先細になってもよい。遠位先端110は、ガイドワイヤに沿って追跡するのに適した長さを有してよい。例えば、いくつかの実施形態では、遠位先端110は、約5mmから約30mmの間の長さを有してよい。
【0031】
特定の実施形態では、遠位先端110は、ペバックス材料から作成される。遠位先端110は、また、遠位先端と(図示せず)ガイドワイヤとの間の摩擦を低減するために、高密度ポリエチレン(HDPE)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から作成されたインナーライナを備えてもよい。側面ポート116は、血液で満たされた冠動脈とセンサアセンブリ区分130の少なくとも一部との間の流体連結を可能にする。X線血管造影画像でのカテーテルの視覚化を支援するために、構成された放射線不透過性マーカーバンド(図示せず)、あるいは白金又はイリジウムを遠位先端110に含めてもよい。
【0032】
遠位先端110は、遠位シャフト120に結合される。遠位シャフト120は、近位端、遠位端、及び近位端と遠位端との間に延びる長さを備えてよい。遠位シャフト120は、シャフトの長さに沿って異なる曲げ弾性率を有することができる任意の適切な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、遠位シャフト120はハイポチューブを備える。ハイポチューブは、らせん状の切れ目のあるステンレス鋼のハイポチューブであってもよい。
【0033】
遠位シャフト120は管腔122をさらに備える。遠位シャフト120は、血液で満たされた外部の冠動脈から管腔122を密封するためのポリマージャケット及びライナをさらに備えてもよい。遠位シャフト120は、カテーテル100が冠動脈内にあるときの冠動脈血流への影響を最小限にするのに充分な小さい外径を有する。遠位シャフト120の外径は、好ましくは、0.018インチ以下である。遠位シャフトの内径は、0.016インチ以下であってもよい。
【0034】
図5は、形成前の例示的な撮像アセンブリ300の上面図である。以下でさらに詳細に説明する図8及び図9は、形成後の撮像アセンブリ300を示す。特定の実施形態では、撮像アセンブリ300は、図4に示すカテーテル100のセンサアセンブリ区分130の一部として含まれることがある。特定の実施形態では、撮像アセンブリ300は、図3に示す円筒形超音波走査モダリティ252を実行するように組み立てられ、構成される。
【0035】
予め形成された撮像アセンブリ300は、可撓性基板310と、超音波トランスデューサアレイ320と、圧力センサ330と、混合信号集積回路(IC)340、342、344、346と、を備える。予め形成された撮像アセンブリ300は、回路配線350と、コンデンサ360、362、364、366、368、370、372等の複数のコンデンサと、をさらに備える。このチップオンフレックス設計は、カテーテル用途に重要な幾何学的及び機械的な可撓性を含む技術的利点を提供する。
【0036】
可撓性基板310は、カバーレイと、少なくとも1つの電気絶縁層と、導電性機構と、接着剤とを含む積層構造である。カバーレイ及び少なくとも1つの絶縁層は、ポリイミドから作成することができる。ポリイミド層が12μmほどの薄さでもよい。回路配線350等の導電性機構は、10μmほどの厚さの銅箔からエッチングするか、あるいは約2~4μmの厚さの蒸着銅、約2~4μmの厚さの蒸着ニッケル又は約0.5μmの厚さの蒸着金であってよい。可撓性基板310は、混合信号IC340、342、344、346の素子のダイ(チップ)取り付け用のパッド等の電気接点を備える。
【0037】
超音波トランスデューサアレイ320は、64個の素子のアレイを含む。ここで、各素子は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電層を含む。超音波トランスデューサアレイ320は、圧電層を可撓性基板310に結合することによって形成することができる。いくつかの実施形態では、圧電層は、約10MHzから約30MHzの間の共振周波数を有してもよい。特定の実施形態では、圧電層は、約20MHzの共振周波数を有してもよい。圧電層の寸法は約3.2mm×1mm×0.09mmである。圧電層をさいの目に切って、幅が約50μmの64個の素子を形成することができる。切り口の幅(又は素子間の距離)は約12μmにすることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサアレイ320は、1つ又は複数のタイプの半導体プロセスを使用して製造される微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサであり、撮像アセンブリ300が可撓性基板310を含まないように配線を相互接続する。代わりに、混合信号IC340、342、344、346のうちの1つ又は複数がMEMSトランスデューサに結合され、それによって積層ダイ組み立て方法を使用してマルチチップモジュールを形成する。
【0039】
いくつかの実施形態では、圧力センサ330は、約0.9mm(長さ)×0.33mm(幅)×0.18mm(高さ)の寸法を有するピエゾ抵抗圧力ダイである。ピエゾ抵抗圧力ダイには、2つのピエゾ抵抗、あるいはホイートストンブリッジのハーフブリッジが含まれる。いくつかの実施形態では、ブリッジ抵抗は、約2000Ωから約3500Ωの間である。特定の実施形態では、ブリッジ抵抗は約3200Ωである。混合信号IC340、342、344、346の内部素子である追加の2つの3000Ωの整合ブリッジ抵抗器をピエゾ抵抗圧力ダイに接続して、フルブリッジ構成を完成させる。いくつかの実施形態では、圧力センサ330は、約1Vから約6Vの範囲の電圧によって電力が供給される。特定の実施形態では、圧力センサ330は、約3Vの電圧によって電力が供給される。
【0040】
図6は、混合信号IC340をさらに詳細に示す。混合信号IC340は、円筒形超音波走査モダリティ252を実施するように組み立てられ、構成された撮像アセンブリ300で使用されるものとして示され、説明されるが、混合信号IC340は、側面超音波走査モダリティ254又は前向き3D超音波走査モダリティ256を実施するように組み立てられ、構成されたものなどの追加のタイプの撮像アセンブリにて使用することができる。
【0041】
図6に示すように、混合信号IC340は、一組の送信機402と、マルチプレクサ404と、送信/受信スイッチ406と、アナログ回路408と、コントローラ410と、入力/出力バッファ412と、を備える。いくつかの実施形態では、マルチプレクサ404は、16個のトランスデューサアレイ素子を多重化する16:1受信機マルチプレクサである。
【0042】
混合信号IC340は、撮像エンジン208によってプログラムされ、電力が供給される患者インタフェースモジュール206への電力ピン及びデータピン420のためのインタフェースを備える(図2を参照)。混合信号IC340は、また、ボードレベルのストラップピン422と、他の混合信号IC342、344、346への接続ピン424と、他の混合信号IC342、344、346への通信ピン426と、コンデンサピン428と、低電圧電源ピン430と、超音波トランスデューサアレイ320への一組のトランスデューサ素子ピン432と、圧力センサ330へのピエゾ抵抗ブリッジピン434と、を備える。
【0043】
送信/受信スイッチ406は、アナログ回路408に容量結合される。アナログ回路408は、低雑音増幅器(LNA)409を備える。LNA409は、トランスデューサ素子ピン432を介して超音波トランスデューサアレイ320から受信された超音波信号に利得を提供するように構成可能である。特定の例では、LNA409は、混合信号IC340上に実装された受信機増幅器である。
【0044】
アナログ回路408は、LNA409上の電圧及び電流を変化させて、撮像アセンブリ300の特定の用途のための混合信号IC340の電力消費を低減するように構成される。例えば、LNA409の利得と圧縮ポイントを変更して、LNA409の電力消費を管理することができる。特定の実施形態では、LNA409の利得を変化させて、混合信号IC340の電力消費を約3Vから約2.7Vに低減することができる。有利なことに、LNA409の電力消費を低減すると、混合信号IC340によって生成される熱の量を低減することができる。これとは別に、追加の増幅が有益であり、発熱が問題にならない用途では、LNA409の利得を増大させる(それによってLNA409の電力消費を増大させる)と、有利なことがある。特定の実施形態では、LNA409の利得(及び電力消費)は、患者インタフェースモジュール206を介して撮像エンジン208等の外部ホストシステムによってプログラムされるコントローラ410によって管理される。
【0045】
コントローラ410は、カウンタ411と、プログラム可能なメモリ415と、を備える。メモリ415は、画像データの走査(フレーム)全体を完了するためのコントローラ410による実行のための送受信シーケンス及び動作コード(オペコード)を保存するようにプログラム可能である。撮像アセンブリ300が組み立てられて、円筒形超音波走査モダリティ252、側面超音波走査モダリティ254又は前向き3D超音波走査モダリティ256(図3を参照)等の選択された超音波走査モダリティ250を実行した時点で、メモリ415は、混合信号IC340が、選択された超音波走査モダリティ250をサポートするように構成可能とすることができる。
【0046】
特定の実施形態では、メモリ415は、送受信シーケンス及びオペコードを動的に保存して、円筒形超音波走査モダリティ252、側面超音波走査モダリティ254又は前向き3D超音波走査モダリティ256等、組み立てられた撮像アセンブリ300のために選択された超音波走査モダリティ250をサポートするように混合信号IC340を構成することができる静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)である。
【0047】
送受信シーケンス及びオペコードは、図2の患者インタフェースモジュール206に接続可能な電力ピン及びデータピン420を介してメモリ415にアップロードされる。送受信シーケンス及びオペコードは、混合信号IC340、342、344及び346を構成し、SRAMをプログラミングすることにより、円筒形アレイシーケンス又は線形アレイシーケンスをサポートするように構成することができる。いくつかの実施形態では、混合信号IC340、342、344、346はそれぞれ、64素子超音波トランスデューサアレイのうちの16個の素子を所定の順序で電気的に励起するように別々に構成される。
【0048】
送受信シーケンスには、また、「無演算」イベントが含まれる場合がある。カウンタ411と組み合わされた無演算(ノーオペ)オペコードは、メモリ415のサイズを低減することができる。SRAMは、送受信シーケンス及びオペコードを保存するために約1024×10ビットの記憶装置を有してよい。無演算イベントは、また、カウンタ411によって追跡される一連のクロックサイクルの間、各混合信号IC340、342、344、346を無効にする(即ち、待機する)ことができる。これにより、撮像アセンブリ300によって生成される熱をさらに低減することができる。
【0049】
電力ピン及びデータピン420は、高電圧供給、低電圧供給及び接地のための電力信号を提供する。電力ピン及びデータピン420は、信号を送信するための高速低電圧差動信号伝達(LVDS)用のアナログ信号をさらに提供して、信号と、超音波及び圧力出力信号用の差動又はシングルエンド受信信号とを送信する。
【0050】
電力ピン及びデータピン420は、さらにまた、入力クロック信号用のデジタル信号を提供する。ボードレベルのストラップピン422は、どのチップが「マスター」であり、どのチップが「スレーブ」であるかを識別するためのデジタル信号を提供する。接続ピン424は、高電圧供給、低電圧供給、接地のための電力信号のためのパススルーと、超音波出力信号等の受信信号のためのパススルーとを提供する。
【0051】
通信ピン426は、デジタルクロック信号のパススルー、デジタル送信信号のパススルー及び巡回冗長検査(CRC)信号419を提供する。CRC信号419は、各混合信号ICが、SRAM内の送受信シーケンス及び動作コードが正しくないイベントを報告することを可能にする。
【0052】
CRC信号419は、差動信号伝達のDCバイアスを使用してエラー検査を実施するエラー検査回路417によって生成される。例えば、一対の差動送信信号を、所定量の電圧によって付勢することができ、エラー検査回路417は、1つの差動信号をゼロに引き寄せて、エラーが発生したかどうかを判定することができる。有利には、CRC信号419は、図2の患者インタフェースモジュール206等の外部ホストシステムに、混合信号IC340上の専用伝送線又は混合信号IC340、342、344及び346内の追加の回路を使用する必要なしにエラーがあることを報告して、単一の伝送線又はワイヤを介した双方向通信を可能にすることができる。
【0053】
電力ピン及びデータピン420から提供された高電圧供給は、送信機XMTR1~XMTR16の送信電圧を調整するために変更することができる。例えば、混合信号IC340、342、344及び346上の高電圧供給は、送信機XMTR1~XMTR16から提供する送信をさらに強力にするために増大させることができ、送信機XMTR1~XMTR16から提供する送信を弱めるために減少させることができる。いくつかの実施形態では、高電圧供給は、約8Vから約20Vの間で変化させることができる。特定の例では、高電圧供給は約15Vに設定することができる。
【0054】
電力ピン及びデータピン420から提供された低電圧供給は、また、撮像アセンブリ300の動作中に変化させることができる。例えば、低電圧供給は、LNA409の電力消費を低減することができる。いくつかの実施形態では、低電圧供給は、約2.7Vから約3Vの間で変化させることができる。特定の実施形態では、低電圧供給は約3Vに設定することができる。
【0055】
電力ピン及びデータピン420から提供されるクロック信号は、また、撮像アセンブリ300の動作中に変化させることができる。例えば、クロック信号は、送受信シーケンスの周波数を増減させるために、変化させることができる。いくつかの実施形態では、クロック信号は、約10kHzから約120kHzの間で変化させることができる。特定の実施形態では、クロック信号動作は、約54kHzに設定することができる。
【0056】
図示の例示的な実施形態では、一組の送信機402は、それぞれがトランスデューサ素子ピン432のうちの1つと、超音波トランスデューサアレイ320の超音波トランスデューサ素子とに接続される16個の送信機を含む。患者インタフェースモジュール206による混合信号IC340、342、344及び346のプログラミングは、マルチプレクサ404、送信/受信スイッチ406、アナログ回路408及びコントローラ410を、超音波トランスデューサアレイ320のトランスデューサアレイ素子の送信及び受信イベントの所定のシーケンスに従わせる。
【0057】
送信/受信スイッチ406は、3つの状態を切り替えるようにプログラムされて、送信イベントに関連して、受信機が近距離アーチファクト等の近距離撮像アーチファクトを最小化することができるときを正確に制御することができる。第1の状態は、マルチプレクサ404出力を可能にし、第2の状態は、送信機402を高インピーダンス状態にし、第3の状態は、受信ウィンドウの開始を起動する受信機出力の弱いプルダウンを解放する。撮像アセンブリ300が合成開口撮像を実施する例示的な実施形態では、混合信号IC340は、第1の送信機XMTR1で送信され、16個のトランスデューサ素子の全部で順次受信するように構成される。いくつかの実施形態では、送信機出力は、約8Vから約20Vの間である。特定の実施形態では、送信機出力は約15Vである。
【0058】
送信機(例えば、XMTR1)は、単一パルス又は二重パルス等の一連の単極パルスを生成してもよい。いくつかの実施形態では、パルス幅は、約10nsから約100nsの間である。特定の実施形態では、パルス幅は約20nsである。いくつかの実施形態では、二重パルス間の遅延は、約15nsから約100nsの間である。特定の実施形態では、二重パルス間の遅延は約20nsである。次に、シーケンスは、残りの送信機(例えば、XMTR2~XMTR16)に対して繰り返される。
【0059】
シーケンスは、別の混合信号ICに接続されたトランスデューサ素子からの信号の受信をさらに含んでもよい。混合信号IC340のサイズは、約2.0mm×0.5mm×0.1mmであり、サイズが約3F(直径1mm)の小型の撮像及び感知カテーテルでの使用を可能にする。
【0060】
カテーテル又は内視鏡等の低侵襲画像誘導装置にとって、伝送線の数を減らし、それによって人体に挿入するための装置のサイズを低減することが有利となり得る。しかし、不利な点は、心臓及び呼吸の動き等の通常の臓器の動きが、合成撮像シーケンスの持続時間が動きを一時的に解消するのには充分に短いものではない可能性がある場合に、望ましくない動きのアーチファクトをもたらすことがある点である。
【0061】
混合信号IC340は、必要に応じて超音波トランスデューサアレイ320の副開口部サイズを増大させるか減少させるようにプログラム可能であることによって、このような課題を克服することができる。混合信号IC340が副開口部サイズを増大させるか減少させるようにプログラム可能であることを可能にすることにより、カテーテル又は内視鏡装置のサイズも最小化しながら、取得時間及び動きアーチファクトを最小化することができる。
【0062】
さらに、混合信号IC340は、他の混合信号ICと共にグループ化されて、円筒形撮像及び小さな副開口部(超音波トランスデューサアレイ320のトランスデューサアレイ素子の総数の1/4未満)等の単一の受信チャネルを共有することによって、あるいは超音波トランスデューサアレイ320の全トランスデューサアレイ素子が画像を形成するために使用され、その結果、副開口部が存在しない側面超音波走査モダリティ254のために各混合信号ICをそれ自身の受信チャネルに別々に結びつけることによって、あるいはグループ化された混合信号ICと独立した受信チャネルの組み合わせによって、上記の課題を克服することができる。
【0063】
ここで図7を参照すると、複数の混合信号IC340、342、344、346間の接続の概略図が示される。いくつかの実施形態によれば、混合信号IC340は、ボードレベルのストラップピン422を低電圧(又は「000」)に設定することによって「マスター」ICであると定義され、他の混合信号ICは、ボードレベルのストラップピン522を混合信号IC342に対して「001」に設定し、ボードレベルのストラップピン622を混合信号IC 344に対して「010」に設定し、ボードレベルのストラップピン722を混合信号IC346に対して「011」に設定することによりボードレベルのストラップピンを「スレーブ」ICに設定することによって定義される。
【0064】
各混合信号IC340、342、344、346のハードウェアは同一のものである。混合信号IC340と同じように、混合信号IC342は、一組の送信機502と、16:1受信機マルチプレクサ504と、送信/受信スイッチ506と、アナログ回路508と、コントローラ510と、入力/出力バッファ512と、を備える。混合信号IC342は、ボードレベルのストラップピン522と、他の混合信号IC340、344、346への接続ピン524と、他の混合信号IC340、344、346への通信ピン526と、コンデンサピン528と、低電圧電源ピン530と、をさらに備える。
【0065】
混合信号IC344は、一組の送信機602と、16:1受信機マルチプレクサ604と、送信/受信スイッチ606と、アナログ回路608と、コントローラ610と、入力/出力バッファ612と、を備える。混合信号IC344は、ボードレベルのストラップピン622と、他の混合信号IC340、342、346への接続ピン624と、他の混合信号IC340、342、346への通信ピン626と、コンデンサピン628と、低電圧電源ピン630と、をさらに備える。
【0066】
混合信号IC346は、一組の送信機702と、16:1受信機マルチプレクサ704と、送信/受信スイッチ706と、アナログ回路708と、コントローラ710と、入力/出力バッファ712と、を備える。混合信号IC346は、ボードレベルのストラップピン722と、他の混合信号IC340、342、344への接続ピン724と、他の混合信号IC340、342、344への通信ピン726と、コンデンサピン728と、低電圧電源ピン730と、をさらに備える。
【0067】
混合信号IC340、342、344、346の接続ピン424、524、624、724は、高電圧供給、低電圧供給及び接地のための電力信号を提供する。接続ピン424、524、624、724は、共通の差動伝送線が撮像アセンブリ300に接続される場合、マスター混合信号IC340及びスレーブ混合信号IC342、344、346からの超音波信号のための受信信号をさらに提供する。撮像アセンブリ300は、共通の差動伝送線を介して、IVUS撮像及び圧力感知コンソール90に接続することができる。
【0068】
アナログ回路408、508、608、708は、図2の患者インタフェースモジュール206を介して、撮像エンジン208への共通の差動伝送線に接続される。アナログ回路408、508、608、708は、共通の差動伝送線を交互に駆動する。アナログ回路408、508、608、708はそれぞれ、超音波トランスデューサアレイ320のトランスデューサアレイ素子から受信される超音波信号に可変利得を提供するように構成可能な低雑音増幅器(LNA)409を備える。これは、信号損失が、送信/受信スイッチ406と、共通差動伝送線での外部ホストへの転送とから生じる可能性があるため、有利である。LNA409は、各混合信号IC340、342、344、346で受信された超音波信号を強化し、それによって、撮像アセンブリ300から受信された超音波信号の信号対雑音比を改善する。
【0069】
マスター混合信号IC340は、超音波トランスデューサアレイ信号に使用されるのと同一の差動伝送線上で圧力センサ330の出力信号を多重化するようにさらに構成される。混合信号IC340、342、344、346の通信ピン426、526、626、726は、デジタルクロック信号、デジタル送信信号及び巡回冗長検査(CRC)信号を提供する。
【0070】
図8は、形成後の撮像アセンブリ300の一例の側面図である。図9は、形成後の撮像アセンブリ300の端面図を示す。ここで図8及び図9を参照すると、可撓性基板310は、丸められて、特定の例では直径が約1mmである管状構造になる。このため、超音波トランスデューサアレイ320は、図9に示すような円形を有することができる。形成後の撮像アセンブリ300の中心軸には、実質的に干渉がない。形成後の撮像アセンブリ300は、カテーテル100のセンサアセンブリ区分130に統合することができる(図4を参照)。特定の実施形態では、撮像アセンブリ300は、毎秒約30フレームのフレームレートで約3~4cmの奥行きにて走査することができる。特定の実施形態では、撮像アセンブリ300を備えるカテーテル100は、単回使用後に使い捨て可能である。
【0071】
好適には、形成後の撮像アセンブリ300は、超音波トランスデューサアレイ320のトランスデューサアレイ素子のいずれか1つで送信することができ、超音波トランスデューサアレイ320の他のトランスデューサアレイ素子で受信することができる。例えば、超音波トランスデューサアレイ320が64個のトランスデューサアレイ素子を含み、撮像アセンブリ300が混合信号IC340、342、344、346を備える実施形態では、各混合信号ICは、64個のトランスデューサアレイ素子のうちのいずれか1つのトランスデューサアレイ素子で送信し、64個のトランスデューサアレイ素子のうちのいずれか1つのトランスデューサアレイ素子で受信するように、メモリ415によって構成可能である。
【0072】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサアレイ320のトランスデューサアレイ素子から受信される超音波信号は、単一の受信機チャネルに多重化することができる。撮像アセンブリ300が基板310に取り付けられた4つ以上の集積回路を備える代替の実施形態では、2つ以上の集積回路が、第1の受信ライン上で、超音波トランスデューサアレイ320の第1の組のトランスデューサアレイ素子に動作可能に接続され、2つ以上の他の集積回路が、第2の受信ライン上で、第2の組のトランスデューサアレイ素子に動作可能に接続される。特定の実施形態では、第1及び第2の組のトランスデューサアレイ素子は、図9に示す撮像アセンブリ300の端面図の中心周り等、撮像アセンブリ300の中心軸周りに交互に配置される。
【0073】
説明したように、特定の実施形態では、各混合信号IC340、342、344、346のハードウェアは同一のものである。このため、特定の実施形態では、撮像アセンブリ300は、基板310に取り付けられた少なくとも2つの圧力センサを備えることができ、第1の圧力センサが、第1の圧力センサから第1の受信チャネルへの圧力信号を多重化する第1の集積回路(例えば、混合信号IC340)に動作可能に接続され、第2の圧力センサが、第2の圧力センサから第2の受信チャネルへの圧力信号を多重化する第2の集積回路(例えば、混合信号IC344)に動作可能に接続される。
【0074】
特定の実施形態では、第1の組のトランスデューサアレイ素子に接続された混合信号IC340、342、344、346は、第1の差動送信機信号及びクロック信号によって駆動され、第2の組のトランスデューサアレイ素子に接続された混合信号IC340、342、344、346は、第2の差動送信機信号及びクロック信号によって駆動され、第1及び第2の差動送信信号は異なる。
【0075】
上記のように、混合信号IC340、342、344、346をプログラムして、超音波トランスデューサアレイ320の副開口部内の送受信素子の数を増減することによって、撮像アセンブリ300によって円筒形超音波走査モダリティ252を実行するための副開口部を最適化することができる。図17は、第1のサイズ800を有する副開口部を使用して構築された、関心のある標的812及び周囲の組織814の第1の超音波撮像810を示す。特定の実施形態では、第1のサイズ800を有する副開口部は、16個の素子を含む。図18は、第2のサイズ802を有する副開口部を使用して構築された、関心のある標的822及び周囲の組織824の第2の超音波撮像820を示す。特定の実施形態では、第2のサイズ802を有する副開口部は、20個の素子を含む。図19は、第3のサイズ804を有する副開口部を使用して構築された、関心のある標的832及び周囲の組織834の第3の超音波撮像830を示す。特定の実施形態では、第3のサイズ804を有する副開口部は、24個の素子を含む。
【0076】
超音波撮像の横方向の解像度及び浸透深さは、超音波トランスデューサアレイ320の副開口部サイズの増大とともに概ね増大する。このため、第3のサイズ804を有する副開口部を使用して構築される第3の超音波撮像830は、第1及び第2の超音波撮像810、820よりも深い浸透深さを有する。しかし、第3のサイズ804を有する副開口部を使用して構築される第3の超音波撮像830は、超音波撮像を再生するためのフレームレートより遅いフレームレートを有する。
【0077】
コントローラ410による実行のために混合信号IC340のメモリ415にアップロードされる送受信シーケンス及び動作コード(オペコード)は、所望の臨床応用のための円筒形超音波走査モダリティ252を実行するための最適な副開口部サイズを有するように撮像アセンブリ300をプログラムすることができる。
【0078】
図10は、例示的な気管支内超音波(EBUS)気管支鏡1100の遠位端の部分断面図である。特定の実施形態では、EBUS気管支鏡1100は、図3に示す側面超音波走査モダリティ254を実行するように組み立てられ、構成される。さらに、図10のEBUS気管支鏡1100を参照して本明細書に記載するいくつかの実施形態は、EBUS気管支鏡に適切であるが、他の実施形態は、EBUS気管支鏡以外の用途で使用することができる。EBUS気管支鏡1100は、診断又は治療用気管支鏡の作業チャネルを介して気管支通路又は気道に送達することができる。
【0079】
図示の実施形態では、EBUS気管支鏡1100は、遠位先端1110と、遠位シャフト1120と、センサアセンブリ区分1200と、ケーブルハーネス1250と、を備える。いくつかの実施形態では、遠位先端1110は、約1mmから約3mmの間の外径を有する。特定の実施形態では、遠位先端1110は、約2mmの外径を有する。EBUS気管支鏡の外径は、診断用又は治療用の気管支鏡の作業チャネルを介して送達するのに充分なほど小さなものである。いくつかの実施形態では、遠位先端1110は、約5mmから約20mmの間の長さを有する。特定の実施形態では、遠位先端1110は、約10mmの長さを有する。遠位先端1110は、気管支への外傷を最小限にするための非外傷性先端をさらに含む。
【0080】
遠位先端1110は、遠位シャフト1120に結合される。遠位シャフト1120は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延びる長さ部と、を有する。遠位シャフト1120は、第1の管腔1122と、第2の管腔1124と、出口ポート1126と、をさらに含む。遠位先端1110は、センサアセンブリ区分1200を備える。
【0081】
センサアセンブリ区分1200は、第1の管腔1122を通るケーブルハーネス1250の遠位端に結合される。ケーブルハーネス1250の近位端は、図2に示す患者インタフェースモジュール206を介して、撮像エンジン208等の外部ホストシステムに接続することができる。第2の管腔1124は、生検針の送達等のために、作業管腔として使用されてもよい。EBUS気管支鏡1100は、肺癌の病期を判定するために実施される医療処置である、気管支リンパ節の針生検中に超音波撮像ガイダンスを提供することができる。
【0082】
図11及び図12は、形成前の撮像アセンブリ1300の一例の上面図及び底面図を示す。撮像アセンブリ1300は、図10に示すセンサアセンブリ区分1200に含まれてよい。図11及び図12に示すように、予め形成された撮像アセンブリ1300は、可撓性基板1310と、超音波トランスデューサアレイ1320と、混合信号IC1340、1342、1344、1346と、を備える。
【0083】
事前に形成された撮像アセンブリ1300は、形成工程中の位置決め及びトリミングを支援することができる位置機構1380、1382を有する。予め形成された撮像アセンブリ1300は、コンデンサ1360、1362、1364、1366、1368、1370、1372、1374等の複数のコンデンサを備えてよい。このチップオンフレックス設計は、大量生産(5平方インチの基板内で最大約120個のアセンブリ)による装置コストの低さと、気管支鏡検査の用途に役立つ幾何学的及び機械的な可撓性を始めとする技術的利点を提供する。
【0084】
可撓性基板1310は、カバーレイと、少なくとも1つの電気絶縁層と、導電性機構と、接着剤とを含むことができる積層構造である。少なくとも1つの絶縁層を、ポリイミドから形成することができる。ポリイミド層は約12μmの薄さであってよい。導電性機構は、約5μmの厚さの銅箔、あるいは約2~4μmの厚さの蒸着銅、約2~4μmの厚さの蒸着ニッケル又は約0.5μmの厚さの蒸着金からエッチングすることができる。可撓性基板1310は、混合信号IC1340、1342、1344、1346及びコンデンサ1360、1362、1364、1366、1368、1370、1372、1374のための構成素子のダイ(チップ)取り付け用のパッド等の電気接点を備えることができる。
【0085】
超音波トランスデューサアレイ1320は、64個の素子のアレイを含み、各素子は、少なくとも1つの圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)を含む。いくつかの実施形態では、pMUTは、約5MHzから約40MHzの間の共振周波数を有する。特定の実施形態では、pMUTは、約9.0MHzの共振周波数を有してよい。超音波トランスデューサアレイ1320の寸法は、約8mm×1.5mm×0.1mmである。いくつかの実施形態では、配列ピッチは約30μmから約150μmの間である。特定の実施形態では、配列ピッチは、9.0MHz超音波トランスデューサアレイの場合、約125μmである。
【0086】
図13は、複数の混合信号IC1340、1342、1344、1346間の接続を概略的に示す。混合信号IC1340、1342、1344、1346は、図5図9を参照して上記で説明した撮像アセンブリ300の混合信号集積回路(IC)340、342、344、346に類似しており、混合信号IC1340は、図6に示す混合信号IC340と同じ構成素子を有してよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、混合信号IC1340は、ボードレベルのストラップピン1422を低電圧(又は「000」)に設定することによって「マスター」ICであると定義され、他の混合信号ICは、ボードレベルのストラップピン1522を混合信号IC1342に対して「001」に設定し、ボードレベルのストラップピン1622を混合信号IC1344に対して「010」に設定し、ボードレベルのストラップピン1722を混合信号IC1346に対して「011」に設定することによりボードレベルのストラップピンを「スレーブ」ICに設定することによって定義される。
【0088】
混合信号IC1340は、一組の送信機1402と、16:1受信機マルチプレクサ1404と、送信/受信スイッチ1406と、アナログ回路1408と、コントローラ1410と、入力/出力バッファ1412と、を備える。混合信号IC1340は、ボードレベルのストラップピン1422と、他の混合信号IC1342、1344、1346への接続ピン1424と、他の混合信号IC1342、1344、1346への通信ピン1426と、受信出力ピン1428と、低電圧電源ピン1430と、をさらに備える。
【0089】
混合信号IC1342は、一組の送信機1502と、16:1受信機マルチプレクサ1504と、送信/受信スイッチ1506と、アナログ回路1508と、コントローラ1510と、入力/出力バッファ1512と、を備える。混合信号IC1342は、ボードレベルのストラップピン1522と、他の混合信号IC1340、1344、1346への接続ピン1524と、他の混合信号IC1340、1344、1346への通信ピン1526と、受信出力ピン1528と、低電圧電源ピン1530と、をさらに備える。
【0090】
混合信号IC1344は、一組の送信機1602と、16:1受信機マルチプレクサ1604と、送信/受信スイッチ1606と、アナログ回路1608と、コントローラ1610と、入力/出力バッファ1612と、を備える。混合信号IC1344は、ボードレベルのストラップピン1622と、他の混合信号IC1340、1342、1346への接続ピン1624と、他の混合信号IC1340、1342、1346への通信ピン1626と、受信出力ピン1628と、低電圧電源ピン1630と、をさらに備える。
【0091】
混合信号IC1346は、一組の送信機1702と、16:1受信機マルチプレクサ1704と、送信/受信スイッチ1706と、アナログ回路1708と、コントローラ1710と、入力/出力バッファ1712と、を備える。混合信号IC1346は、ボードレベルのストラップピン1722と、他の混合信号IC1340、1342、1344への接続ピン1724と、他の混合信号IC1340、1342、1344への通信ピン1726と、受信出力ピン1728と、低電圧電源ピン1730と、をさらに備える。
【0092】
混合信号IC1340は、図2に示す患者インタフェースモジュール206を介して、撮像エンジン208等の外部ホストシステムへの電力ピン及びデータピン1420のためのインタフェースをさらに備える。電力ピン及びデータピン1420は、高電圧供給、低電圧供給及び接地のための電力信号を提供する。電力ピン及びデータピン1420は、送信信号用の高速LVDS用のアナログ信号をさらに提供する。電力ピン及びデータピン1420は、入力クロック信号用のデジタル信号をさらに提供する。
【0093】
混合信号IC1340、1342、1344、1346の受信出力ピン1428、1528、1628、1728はそれぞれ、シングルエンド伝送線に結合される。混合信号IC1340、1342、1344、1346の受信出力ピン1428、1528、1628、1728を使用することにより、複数の超音波トランスデューサ素子から受信した超音波信号の同時測定が可能になる。これにより、超音波撮像を取得する時間を短縮することができる。
【0094】
さらに、超音波信号を、混合信号IC1340、1342、1344、1346のいずれか1つから、あるいは複数の混合信号ICから、あるいは全部の混合信号ICから受信することができ、その結果、超音波信号を、混合信号ICごとに1つの接続された超音波トランスデューサ素子のうちのいずれかから受信することができる。撮像アセンブリ1300の帯域幅を増大させ、それによって超音波撮像を取得する時間を短縮するために、複数の受信チャネルを、各混合信号ICに対して1つずつ、含めることができる。
【0095】
混合信号IC1340、1342、1344、1346の接続ピン1424、1524、1624、1724は、高電圧供給、低電圧供給及び接地のための電力信号を提供する。混合信号IC1340、1342、1344、1346の通信ピン1426、1526、1626、1726は、デジタルクロック信号、デジタル送信信号及びCRC信号を提供する。
【0096】
図14は、形成後の撮像アセンブリ1300の端面図を示す。可撓性基板1310は、撮像アセンブリ1300が長方形の断面形状を有するように折り畳まれ、混合信号IC1346及びコンデンサ1374は、超音波トランスデューサアレイ1320の下に位置決めされる。超音波トランスデューサアレイ1320は、超音波トランスデューサアレイ1320を、使用中の潜在的な損傷から保護し、画像性能を改善するために超音波エネルギーの集束を提供するレンズ1390によって包含される。形成後の撮像アセンブリ1300は、図10のEBUS気管支鏡1100のセンサアセンブリ区分1200に統合することができる。
【0097】
EBUS気管支鏡1100は、図1に示すIVUS撮像及び圧力感知コンソール90等の外部ホストシステムと共に使用して、肺癌の病期分類のために気管支リンパ節の針生検をガイドすることができる。撮像アセンブリ1300は、64素子アレイの送受信対のあらゆる組み合わせが処理される完全なデータセットを取得することによって超音波撮像を実施するために使用することができる。説明に役立つ例として、混合信号IC1340は、第1の送信チャネルで送信し、超音波信号が、混合信号IC1340、1342、1344、1346のそれぞれの第1の受信チャネルから同時に受信される。この送受信シーケンスは、混合信号IC1340、1342、1344、1346の残りの受信チャネルに対して繰り返すことができる。このシーケンスは、各混合信号ICの各送信チャネルに対してさらに繰り返すことができる。
【0098】
有利には、撮像アセンブリ1300は、超音波トランスデューサアレイ1320の1つのトランスデューサアレイ素子で送信し、同時に、超音波トランスデューサアレイ1320の4つのトランスデューサアレイ素子(即ち、混合信号IC1340、1342、 1344、1346ごとに1つのトランスデューサアレイ素子)で受信することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、撮像アセンブリ1300は、8つの混合信号ICを備えるように拡張することができる。そのような実施形態では、撮像アセンブリ1300は、超音波トランスデューサアレイ1320の1つのトランスデューサアレイ素子で送信し、同時に、超音波トランスデューサアレイ1320の8つのトランスデューサアレイ素子(即ち、混合信号ICごとに1つのトランスデューサアレイ素子)で受信することができる。
【0100】
EBUS気管支鏡1100は、合成開口撮像技術を利用して、伝送線の数を減らしたアレイ撮像を可能にしてもよい。これにより、サイズの縮小、電力消費と発熱の低減及びコストの削減が可能になる。
【0101】
さらに、図17図19に関して上記で提供した説明と同じように、撮像アセンブリ1300によって側面超音波走査モダリティ254を実行するための副開口部を、超音波トランスデューサアレイ1320の副開口部内の送受信素子の数を増減するように混合信号IC1340、1342、1344、1346をプログラムすることによって最適化することができる。
【0102】
撮像アセンブリ1300が8つの集積回路を備える実施形態では、各集積回路は、専用の受信チャネルに動作可能に接続することができ、撮像アセンブリ1300は、超音波トランスデューサアレイの1つの素子での超音波信号の送信と、超音波トランスデューサアレイの8つの素子での超音波信号の受信とを含む超音波走査モダリティを実行するように構成可能である。いくつかの実施形態では、サイズ1024×10ビットのSRAMが、1つの送信チャネル及び8つの受信チャネルのためのシステムオペコードを支持することができ、外部ホストシステムが、8つの受信チャネルを備えることができる。SRAMのサイズを大きくすることにより、外部ホストシステムは追加の混合信号ICに対処することができる。
【0103】
別の例示的な実施形態では、64素子超音波トランスデューサアレイ及び8つの混合信号ICを有する撮像アセンブリを設けることができる。各混合信号ICの16個の送信機のうちの8個だけがトランスデューサ素子に接続される。外部ホストシステムには8つのチャネルが含まれる。無演算イベントでは、外部ホストシステムと撮像アセンブリを使用して、取得時間を短縮することができる。
【0104】
別の例示的な実施形態には、16個とは異なる数の超音波トランスデューサ素子に多重化する混合信号ICを有する撮像アセンブリを設けることができる。別の例示的な実施形態には、2D超音波トランスデューサアレイを有する撮像アセンブリを設けることができ、このアレイは、前向き3D超音波走査モダリティを提供するためのスパースアレイである。
【0105】
図15は、プログラム可能な撮像アセンブリを使用して超音波撮像を実施する方法1800を示す。方法1800は、撮像アセンブリのための所望の超音波走査モダリティを選択する動作1802を含む。例えば、動作1802は、図3に示す円筒形超音波走査モダリティ252と、側面超音波走査モダリティ254と、前向き3D超音波走査モダリティ256との間で選択することを含むことができる。
【0106】
次に、方法1800は、選択された超音波走査モダリティに基づいて撮像アセンブリを形成し、組み立てる動作1804を含む。特定の実施形態では、撮像アセンブリは、カテーテル又は内視鏡のセンサアセンブリ区分周りに撮像アセンブリの可撓性基板を丸めることによって形成され、その結果、撮像アセンブリは、図9の実施形態に示すような管状構造及び円形断面形状を有する。追加の実施形態では、撮像アセンブリは、カテーテル又は内視鏡のセンサアセンブリ区分周りに撮像アセンブリの可撓性基板を折り畳むことによって形成され、その結果、撮像アセンブリは、図14の実施形態に示すような管状構造及び長方形断面形状を有する。さらに追加の実施形態では、撮像アセンブリは、撮像アセンブリが実質的に平坦になるように、可撓性基板を丸めることも折り畳むこともなく、撮像アセンブリの可撓性基板をカテーテル又は内視鏡の表面に張り付けることによって形成される。
【0107】
次に、方法1800は、撮像アセンブリを患者インタフェースモジュールに接続し(図2を参照)、撮像アセンブリの電源を投入して、送受信シーケンス及びオペコードの撮像アセンブリのメモリへのアップロードを含む初期化モードを実行する動作1806を含む。撮像アセンブリのメモリにアップロードされる送受信シーケンスとオペコードは、選択された超音波走査モダリティを実行するように撮像アセンブリを構成する。
【0108】
次に、方法1800は、選択された超音波走査モダリティを実行するための撮像アセンブリの使用を含むミッションモードを実行する動作1808を含む。ミッションモードの間、図2のディスプレイコンピュータ又はタブレット210等のディスプレイ装置上で選択された超音波走査モダリティに従って超音波撮像を表示するために、撮像アセンブリからの超音波信号データを、撮像エンジンによって取得し、処理する。
【0109】
特定の実施形態では、ディスプレイコンピュータ又はタブレット210等の入力装置をユーザが使用して、選択された超音波走査モダリティ内の撮像パラメータを選択/変更することができる。例えば、ミッションモードの集積回路クロック周波数を変更して、送受信の繰り返し率を調整することができる。また、ミッションモードの差動送信信号を変更して、撮像アセンブリの中心周波数を変更することができる。さらに、ミッションモードの差動送信信号を変更して、送信/受信スイッチの動作を調整し、近距離撮像の性能を最適化することができる。
【0110】
図16は、上記のIVUS撮像及び圧力感知コンソール90、患者インタフェースモジュール206、撮像エンジン208又はディスプレイコンピュータ又はタブレット210の機能等、本開示の態様を実施するために使用することができる計算装置1900の例示的なアーキテクチャを示す。計算装置1900は、処理ユニット1902と、システムメモリ1908と、システムメモリ1908を処理ユニット1902に結合するシステムバス1920と、を備える。
【0111】
処理ユニット1902は、中央処理ユニット(CPU)等の処理装置の一例である。システムメモリ1908は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)1910と、読み取り専用メモリ(「ROM」)1912と、を含む。起動中等、計算装置1900内の素子間で情報を転送するのを支援する基本ルーチンを含む基本入力/出力ロジックを、ROM1912に保存する。
【0112】
計算装置1900は、また、ソフトウェア命令及びデータを保存する大容量記憶装置1914を備えてよい。大容量記憶装置1914は、システムバス1920に接続された大容量記憶コントローラを介して処理ユニット1902に接続される。大容量記憶装置1914と、その関連するコンピュータ可読データ記憶媒体は、計算装置1900に不揮発性、非一時的記憶装置を提供する。
【0113】
本明細書のコンピュータ可読データ記憶媒体の説明は大容量記憶装置に言及しているが、コンピュータ可読データ記憶媒体は、装置がデータ及び/又は命令を読み取ることができる任意の利用可能な非一時的、物理的装置又は製造品であり得ることを当業者は理解すべきである。大容量記憶装置1914は、コンピュータ可読記憶装置の一例である。
【0114】
コンピュータ可読データ記憶媒体には、コンピュータ可読ソフトウェア命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータ等の情報を記憶するための任意の方法又は技術にて実装された揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能媒体が含まれる。例示的なタイプのコンピュータ読み取り可能データ記憶媒体には、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他の半導体メモリ技術、あるいは情報を保存するために使用することができ、装置からアクセスすることができる任意の他の媒体が含まれるが、ここに挙げたものに限定されない。
【0115】
計算装置1900は、ローカルネットワーク、インタネット又は別のタイプのネットワーク等のネットワーク1922を介したリモートネットワーク装置への論理接続を使用して、ネットワーク化された環境で動作してもよい。装置は、システムバス1920に接続されたネットワークインタフェースユニット1904を介してネットワーク1922に接続される。ネットワークインタフェースユニット1904は、また、他のタイプのネットワーク及びリモート計算システムに接続するために利用されてもよい。
【0116】
計算装置1900は、また、いくつかの入力装置からの入力を受信し、処理するための入力/出力コントローラ1906を備えることができる。同じように、入力/出力コントローラ1906は、いくつかの出力装置に出力を提供してもよい。
【0117】
大容量記憶装置1914及びRAM1910は、ソフトウェア命令及びデータを保存することができる。ソフトウェア命令は、装置の動作を制御するのに適したオペレーティングシステム1918を含むことができる。大容量記憶装置1914及び/又はRAM1910は、また、処理ユニット1902によって実行されると、装置に、本明細書で考察された装置の機能を提供させるソフトウェア命令1916を保存する。例えば、大容量記憶装置1914及び/又はRAM1910は、処理ユニット1902によって実行されると、図2に示すように、撮像エンジン208に、患者インタフェースモジュール206を介して撮像アセンブリ202をプログラムし、動作させるソフトウェア命令を保存することができる。
【0118】
本発明の一態様によれば、管腔内医療装置が、超音波圧力を伝達し、受けるように構成された第1のセンサと、生理学的パラメータを測定するように構成された第2のセンサと、第1のセンサと第2のセンサに接続された第1の集積回路と、を有する第1の区分を備える細長い本体を備える。第1の区分は、案内ワイヤを受容するように構成された管腔をさらに備える。細長い本体は、第1の区分に結合され、通信アセンブリを収容するように構成された管腔を有する第2の区分をさらに備える。第1のセンサは、超音波トランスデューサアレイを備えてもよい。第1の集積回路は、第1のセンサを制御するための送受信電子機器を備える。第2のセンサは、血圧を測定するためのホイートストンブリッジ等のピエゾ抵抗センサを含んでもよい。第1の区分は、第1の集積回路に接続された少なくとも1つの追加の集積回路をさらに備えてもよい。少なくとも1つの追加の集積回路は第1のセンサにさらに接続される。通信アセンブリは、第1のセンサ及び第2のセンサの両方からの信号を受信するための単一の伝送線を備えてもよい。
【0119】
本発明の別の態様によれば、管腔内医療装置が、超音波圧力を伝達し、受けるように構成されたセンサを有する第1の区分と、センサに接続された第1の集積回路とを備える細長い本体を備える。細長い本体は、第1の区分に結合された第2の区分と、通信アセンブリを収容するように構成された第1の管腔と、針を送達するように構成された第2の管腔と、をさらに備える。センサは、超音波トランスデューサアレイを備えてもよい。第1の集積回路は、第1のセンサを制御するための送受信電子機器を備える。第1の区分は、第1の集積回路に接続された少なくとも1つの追加の集積回路をさらに備えてもよい。少なくとも1つの追加の集積回路はセンサにさらに接続される。通信アセンブリは、第1の集積回路から信号を受信するための伝送線を備える。通信アセンブリは、少なくとも1つの追加の集積回路から信号を受信するための少なくとも1つの伝送線をさらに備えてもよい。
【0120】
上記のさまざまな実施形態は、例示としてのみ提供されており、本明細書に添付された特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業者は、本明細書に例示され記載された例示的な実施形態及び用途に従わずに、以下の特許請求の範囲の真の精神及び範囲から逸脱することなく実施され得るさまざまな修正及び変更を容易に認識するであろう。
[実施例1]
超音波撮像装置であって、
複数のトランスデューサアレイ素子を有する超音波トランスデューサアレイと、
前記超音波トランスデューサアレイに動作可能に接続された集積回路であって、前記集積回路は、前記超音波撮像装置のために選択された超音波走査モダリティを支持するために前記超音波トランスデューサアレイの副開口部を最適化するための送受信シーケンス及び動作コードを保存するようにプログラム可能なメモリを備え、前記副開口部は、前記複数のトランスデューサアレイ素子よりも少ないトランスデューサアレイ素子のサブセットを有する、集積回路と、
を具備する、超音波撮像装置。
[実施例2]
前記超音波トランスデューサアレイは、64個のトランスデューサアレイ素子を有し、前記超音波撮像装置は、前記64個のトランスデューサアレイ素子のいずれか1つのトランスデューサアレイ素子で送信し、前記64個のトランスデューサアレイ素子のいずれか1つのトランスデューサアレイ素子で受信するように、それぞれが前記メモリによって構成可能な第1、第2、第3及び第4の集積回路を具備する、実施例1に記載の超音波撮像装置。
[実施例3]
前記超音波撮像装置は、前記超音波トランスデューサに動作可能に接続された4つ以上の集積回路を備え、
複数の集積回路が、第1の受信ライン上で、第1の組のトランスデューサアレイ素子に動作可能に接続され、複数の他の集積回路が、第2の受信ライン上で、第2の組のトランスデューサアレイ素子に動作可能に接続され、前記第1及び第2の組のトランスデューサアレイ素子は、前記超音波撮像装置の中央トランスデューサアレイ周りに交互に配置される、
実施例1又は2に記載の超音波撮像装置。
[実施例4]
第1の集積回路に動作可能に接続された第1の生理学的センサであって、前記第1の集積回路は、前記第1の生理学的センサからの信号を第1の受信チャネルに多重化する、第1の生理学的センサと、第2の集積回路に動作可能に接続された第2の生理学的センサであって、前記第2の集積回路は、前記第2の生理学的センサからの信号を第2の受信チャネルに多重化する、第2の生理学的センサと、をさらに具備する、実施例1、2又は3に記載の超音波撮像装置。
[実施例5]
前記第1の組のトランスデューサアレイ素子又は第1のトランスデューサアレイに接続された前記集積回路は、第1の差動送信機信号及びクロック信号によって駆動され、前記第2の組のトランスデューサアレイ素子又は第2のトランスデューサアレイに接続された前記集積回路は、第2の差動送信機信号及び前記クロック信号によって駆動され、前記第1及び第2の差動送信信号は異なる、実施例1~4のいずれか一項に記載の超音波撮像装置。
[実施例6]
前記超音波トランスデューサアレイは、8つの集積回路であって、各集積回路は専用の受信チャネルに動作可能に接続される、8つの集積回路を備え、前記超音波撮像装置は、前記超音波トランスデューサアレイの1つの素子での超音波信号の送信と、前記超音波トランスデューサアレイの8つの素子での超音波信号の受信と、を含む超音波走査モダリティを実行するように構成可能である、実施例1~5のいずれか一項に記載の超音波撮像装置。
[実施例7]
前記超音波走査モダリティは、円筒形超音波走査モダリティ、側面超音波走査モダリティ又は前向き3D超音波走査モダリティである、実施例1~6のいずれか一項に記載の超音波撮像装置。
[実施例8]
前記集積回路上に低雑音増幅器をさらに具備する、実施例1~7のいずれか一項に記載の超音波撮像装置であって、前記低雑音増幅器は、前記超音波トランスデューサアレイから受信された超音波信号に利得を提供するように構成可能であり、前記低雑音増幅器によって提供された前記利得は、前記集積回路の電力消費を低減するために可変である、超音波撮像装置。
[実施例9]
前記低雑音増幅器は、前記集積回路の電力消費を低減するために、受信ウィンドウが機能してないときに、スイッチが切られるように動作可能である、実施例8に記載の超音波撮像装置。
[実施例10]
前記集積回路上のエラー検査回路であって、前記エラー検査回路は、4ビットのデジタルエラー出力を可能にする2本の差動信号線のそれぞれのDCバイアス電圧を引き上げるか引き下げることによって、前記集積回路が前記送受信シーケンス又は動作コードのエラーを報告することを可能にする巡回冗長検査信号を生成するために差動信号を使用する、エラー検査回路をさらに具備する、実施例1~9のいずれか一項に記載の超音波撮像装置。
[実施例11]
前記集積回路は、円筒形アレイ副開口部のサイズを増大させるか減少させて、撮像パラメータを最適化するために、異なる送受信シーケンスを用いてプログラム可能である、実施例1~10のいずれか一項に記載の超音波撮像装置。
[実施例12]
前記集積回路は、前記超音波トランスデューサアレイに向けられた異なる伝達電圧によって駆動されるようにプログラム可能である、実施例1~11のいずれか一項に記載の超音波撮像装置。
[実施例13]
超音波撮像装置用の撮像アセンブリであって、前記撮像アセンブリは、
超音波トランスデューサアレイと、
前記超音波トランスデューサアレイに動作可能に接続されたコントローラであって、前記コントローラは、命令を保存するようにプログラム可能なメモリを有し、前記命令は、前記命令コントローラによって実行されると、前記コントローラが、
送受信シーケンス及び動作コードの受信と前記メモリへの保存を含む初期化モードで動作することであって、前記動作コードは、円筒形超音波走査モダリティ、側面超音波走査モダリティ及び前向き3D超音波走査モダリティから構成されるグループから選択された超音波走査モダリティを実行するように前記撮像アセンブリを構成することと、
前記超音波トランスデューサアレイによって選択された前記超音波走査モダリティの性能を最適化するための前記送受信シーケンスの実行を含むミッションモードで動作することと、を実施するようにする、コントローラと、
を具備する、撮像アセンブリ。
[実施例14]
前記撮像アセンブリは、IVUS撮像及び圧力感知カテーテル又は気管支内超音波気管支鏡での組み立てのために構成され、単回使用後に使い捨て可能である、実施例13に記載の撮像アセンブリ。
[実施例15]
前記ミッションモードは、前記超音波トランスデューサアレイの1つのトランスデューサアレイ素子での送信と、前記超音波トランスデューサアレイの4つのトランスデューサアレイ素子での受信と、を含む、実施例13又は14に記載の撮像アセンブリ。
[実施例16]
前記ミッションモードは、前記超音波トランスデューサアレイの1つのトランスデューサアレイ素子での送信と、前記超音波トランスデューサアレイの8つのトランスデューサアレイ素子での受信とを含む、実施例13、14又は15に記載の撮像アセンブリ。
[実施例17]
プログラム可能な撮像アセンブリを使用して超音波撮像を実施する方法であって、前記方法は、
超音波走査モダリティを選択することと、
前記選択した超音波走査モダリティのための前記撮像アセンブリを組み立てることと、
送受信シーケンスとオペコードを前記撮像アセンブリのメモリにアップロードすることであって、前記送受信シーケンスとオペコードは、前記選択された超音波走査モダリティを実行するように前記撮像アセンブリを構成することと、
前記撮像アセンブリから超音波信号データを取得することと、
ディスプレイ装置上で前記選択された超音波走査モダリティに従って超音波撮像を表示するために、前記取得された超音波信号データを処理することと、
を含む、方法。
[実施例18]
前記撮像アセンブリが管状構造及び円形断面形状を有し、それによって円筒形超音波走査モダリティ用の円筒形アレイを構成するように、装置のセンサアセンブリ区分周りに前記撮像アセンブリの可撓性基板を丸めることによって前記撮像アセンブリを形成することをさらに含む、実施例17に記載の方法。
[実施例19]
撮像アセンブリが管状構造及び長方形断面形状を有し、それによって側面超音波走査モダリティのための平坦な線形アレイを構成するように、装置のセンサアセンブリ区分周りに前記撮像アセンブリの可撓性基板を折り畳むことによって前記撮像アセンブリを形成することをさらに含む、実施例17に記載の方法。
[実施例20]
装置のセンサアセンブリ区分の先端周りに前記撮像アセンブリの可撓性基板を折り畳むことによって前記撮像アセンブリを形成し、その結果、前記撮像アセンブリが先端に平坦面を有し、前記センサアセンブリ区分の形状に一致し、それによって前向き3D超音波走査モダリティのためのスパース2Dマトリックスアレイを構成するようになることをさらに含む、実施例17に記載の方法。
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【図 】