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特許7504203認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能の改善のためのイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物の使用
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  • 特許-認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能の改善のためのイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物の使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能の改善のためのイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20240614BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20240614BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A61K31/519
A61K31/53
A61P25/28
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022523521
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 KR2020014399
(87)【国際公開番号】W WO2021080312
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2019-0130384
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】511206696
【氏名又は名称】エスケー バイオファーマスティカルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】チョン,チャンミ
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ジンヨン
【審査官】田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-506561(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0058350(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0035120(US,A1)
【文献】特表2016-517877(JP,A)
【文献】特表2013-523673(JP,A)
【文献】特開2016-132660(JP,A)
【文献】特表2014-508172(JP,A)
【文献】特表2009-506018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量の下記式(1)
【化1】
(1)
[式中、Xは、CH又はNであり;
Zは、O又はSであり;
1は、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、アミノ、ジ(C1-C5アルキル)アミノ、シアノ、ホルミル、ハロ-C1-C5アルキル、ヒドロキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ-C1-C5アルキル、カルバモイルオキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルキル-C(O)O-C1-C5アルキル、N、O及びSから選ばれる1-3個のヘテロ原子を有する5又は6員ヘテロシクロアルキル-C1-C5アルキル及びジ(C1-C5アルキル)アミノ-C1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換されたC6-C12アリール;又はハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ及びハロ-C1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1-5個のヘテロ原子を有する5~12員不飽和ヘテロシクリルであり;
2は、ハロ、重水素、ヒドロキシ及びC1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換されたC6-C12アリール;又はハロ及びC1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1-3個のヘテロ原子を有する5~12員不飽和ヘテロシクリルである。]
で示されるイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物、および、さらに1つ以上の薬学的に許容される担体を含む、認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能を改善するための医薬組成物。
【請求項2】
前記R1が、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、アミノ、ジ(C1-C5アルキル)アミノ、シアノ、ホルミル、ハロ-C1-C5アルキル、ヒドロキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ-C1-C5アルキル、カルバモイルオキシ-C1-C5アルキル及びC1-C5アルキル-C(O)O-C1-C5アルキルから選ばれる1~3個の置換基で置換又は非置換されたフェニル;又は、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ及びハロ-C1-C5アルキルから選ばれる1~3個の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1-3個のヘテロ原子を有する5~10員不飽和ヘテロシクリルであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記R2が、ハロ、重水素、ヒドロキシ及びC1-C5アルキルから選ばれる1~5個の置換基で置換又は非置換されたフェニル;又は、ハロ及びC1-C5アルキルから選ばれる1~3個の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1-3個のヘテロ原子を有する5又は6員ヘテロアリールであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記Xは、CH又はNであり;
前記Zは、Oであり;
前記R1は、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、アミノ、ジ(C1-C5アルキル)アミノ、シアノ、ホルミル、ハロ-C1-C5アルキル、ヒドロキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ-C1-C5アルキル、カルバモイルオキシ-C1-C5アルキル及びC1-C5アルキル-C(O)O-C1-C5アルキルから選ばれる1~3個の置換基で置換又は非置換されたフェニル;又は、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ及びハロ-C1-C5アルキルから選ばれる1又は2個の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1又は2個のヘテロ原子を有する5~9員不飽和ヘテロシクリルであり;
前記R2は、ハロ、重水素、ヒドロキシ及びC1-C5アルキルから選ばれる1~5個の置換基で置換又は非置換されたフェニル;又はハロ及びC1-C5アルキルから選ばれる1又は2個の置換基で置換又は非置換された1又は2個の窒素原子を有する6員ヘテロアリールであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記R1は、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、アミノ、ジ(C1-C5アルキル)アミノ、シアノ、ホルミル、ハロ-C1-C5アルキル、ヒドロキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ-C1-C5アルキル、カルバモイルオキシ-C1-C5アルキル及びC1-C5アルキル-C(O)O-C1-C5アルキルから選ばれる1~3個の置換基で置換又は非置換されたフェニル;1又は2個のハロで置換又は非置換された1,3-ベンゾジオキソリル;又は、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ及びハロ-C1-C5アルキルから選ばれる1又は2個の置換基で置換又は非置換されたピリジル又はピリミジニルであり;
前記R2は、ハロ、重水素、ヒドロキシ及びC1-C5アルキルから選ばれる1~5個の置換基で置換又は非置換されたフェニル;又はハロ及びC1-C5アルキルから選ばれる1又は2個の置換基で置換又は非置換されたピリジルであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記Xは、CHであり;
前記Zは、Oであり;
前記R1は、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、アミノ、ハロ-C1-C5アルキル、ヒドロキシ-C1-C5アルキル及びC1-C5アルコキシ-C1-C5アルキルから選ばれる1~3個の置換基で置換又は非置換されたフェニルであり;
前記R2は、ハロ及びC1-C5アルキルから選ばれる1又は2個の置換基で置換又は非置換されたピリジルであることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物が、以下の化合物から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物:
6-(4-フルオロフェニル)-2-(ピリジン-2-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチル-フェニル)-2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロフェニル)-2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
[5-フルオロ-2-[2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェニル]メタノール;及び
6-[4-フルオロ-2-(フルオロメチル)フェニル]-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン。
【請求項8】
認知障害の症状を予防、軽減又は治療するために使用される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
認知障害の症状が、注意力の低下、言語能力の低下、時空間能力の低下、推理能力の低下又は判断力の低下である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
認知障害に関連する疾患を軽減又は治療するために使用される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
認知障害に関連する疾患が、軽度認知障害、アルツハイマー病、アルツハイマー型認知症、初老期認知症、初期発症アルツハイマー病、老年性認知症、レビー小体認知症、微小梗塞性認知症、エイズによる認知症、HIV-認知症、レビー小体に関連する認知症、ダウン症候群に関連する認知症、ピック病、近時短期記憶障害(recent short-term memory impairment)、加齢による認知障害、加齢による記憶障害、薬物性認知障害、免疫不全症候群に関連する認知障害、血管疾患に関連する認知障害、統合失調症に関連する認知障害、パーキンソン病関連認知障害、てんかん関連認知障害、鬱に関連する認知障害、双極性障害に関連する認知障害、強迫性障害に関連する認知障害、心的外傷後ストレス障害、注意力欠如障害、注意欠如多動性障害及び学習欠如障害からなる群から選ばれる、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
認知障害に関連する疾患が、軽度認知障害、アルツハイマー病、アルツハイマー型認知症、初老期認知症、初期発症アルツハイマー病、老年性認知症、近時短期記憶障害、加齢による認知障害、加齢による記憶障害、薬物性認知障害及び統合失調症に関連する認知障害からなる群から選ばれる、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
哺乳動物への投与のために調整される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項14】
0.1~500mg/kg(体重)の式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項15】
経口投与用、又は静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射、腹腔内注射、内皮投与、局所投与、鼻腔内投与、膣内投与、肺内投与及び直腸内投与からなる群から選ばれる非経口投与用である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項16】
ジメチルアミルアミン、メチルフェニデート、アンフェタミン、タクリン、リバスチグミン、ガランタミン、ドネペジル、メマンチン、トルカポン、レボドパ、アトモキセチン、クロニジン、プラミペキソール、グアンファシン及びフェキソフェナジンからなる群から選ばれる一つ以上の薬物をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項17】
薬学的に許容される担体が、賦形剤、抗酸化剤、バッファー、静菌剤、分散剤、吸着剤、界面活性剤、結合剤、防腐剤、崩壊剤、甘味剤、香味剤、流動促進剤、放出調節剤、湿潤剤、安定化剤、懸濁化剤及び潤滑剤で選ばれる1種以上である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項18】
下記式(1)
【化2】
(1)
[式中、Xは、CH又はNであり;
Zは、O又はSであり;
1は、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、アミノ、ジ(C1-C5アルキル)アミノ、シアノ、ホルミル、ハロ-C1-C5アルキル、ヒドロキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ-C1-C5アルキル、カルバモイルオキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルキル-C(O)O-C1-C5アルキル、N、O及びSから選ばれる1-3個のヘテロ原子を有する5又は6員ヘテロシクロアルキル-C1-C5アルキル及びジ(C1-C5アルキル)アミノ-C1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換されたC6-C12アリール;又はハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ及びハロ-C1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1-5個のヘテロ原子を有する5~12員不飽和ヘテロシクリルであり;
2は、ハロ、重水素、ヒドロキシ及びC1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換されたC6-C12アリール;又はハロ及びC1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1-3個のヘテロ原子を有する5~12員不飽和ヘテロシクリルである。]
で示されるイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物の、認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能を改善するための薬剤の製造における使用。
【請求項19】
0.1~500mg/kg(体重)の式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物が使用される、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
該薬剤が、さらに、ジメチルアミルアミン、メチルフェニデート、アンフェタミン、タクリン、リバスチグミン、ガランタミン、ドネペジル、メマンチン、トルカポン、レボドパ、アトモキセチン、クロニジン、プラミペキソール、グアンファシン及びフェキソフェナジンからなる群から選ばれる一つ以上の薬物を含む、請求項18に記載の使用。
【請求項21】
下記式(1)
【化3】
(1)
[式中、Xは、CH又はNであり;
Zは、O又はSであり;
1は、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、アミノ、ジ(C1-C5アルキル)アミノ、シアノ、ホルミル、ハロ-C1-C5アルキル、ヒドロキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ-C1-C5アルキル、カルバモイルオキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルキル-C(O)O-C1-C5アルキル、N、O及びSから選ばれる1-3個のヘテロ原子を有する5又は6員ヘテロシクロアルキル-C1-C5アルキル及びジ(C1-C5アルキル)アミノ-C1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換されたC6-C12アリール;又はハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ及びハロ-C1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1-5個のヘテロ原子を有する5~12員不飽和ヘテロシクリルであり;
2は、ハロ、重水素、ヒドロキシ及びC1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換されたC6-C12アリール;又はハロ及びC1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1-3個のヘテロ原子を有する5~12員不飽和ヘテロシクリルである。]
で示されるイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物、および、
ジメチルアミルアミン、メチルフェニデート、アンフェタミン、タクリン、リバスチグミン、ガランタミン、ドネペジル、メマンチン、トルカポン、レボドパ、アトモキセチン、クロニジン、プラミペキソール、グアンファシン、及びフェキソフェナジンからなる群から選ばれる一つ以上の薬物、
の組み合わせを含む、認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能を改善するための薬剤。
【請求項22】
式(1)で示されるイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物を、一つ以上の該薬物、の前、後、または同時に、投与する、請求項21に記載の薬剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能の改善のための、下記式(1)
【化1】
(1)
(式中、X、Z、R1及びR2は本明細書における定義と同義である。)で示されるイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の脳には、何十年にもわたって情報を取得、保存、引き出す能力がある。このような情報の収集、つまり学習は、記憶をコード化する過程で特定のニューロンの生理学的な状態を変化させる。これらの生理学的な変化は、その記憶の神経コードの一部になることを学習することによって引き起こされる細胞活動の変化である。その変化は、ニューロンが多かれ少なかれ興奮させるイオンチャネルの発現又は機能を通じて発生する可能性がある。これは、活動電位の増加又は減少をもたらす可能性があり、又は他の電気的信号の変化を通じてより間接的に現れる可能性がある。学習は、新しい連結を介した神経成長のプロセス、又は逆に既存の連結を除去するための神経の撤回のプロセスを進めることもできる。学習はまた、異なる類型の信号を統合するニューロンの全般的な能力変化を通じて細胞信号のプロセスを進める可能性があり、又はニューロンの能力を増加又は減少させるシナプスの形態的、機能的変化をもたらす可能性もある。この学習に関与するすべてのニューロンによって生成される分子及び細胞の記憶痕跡(engram)は、後で記憶情報を取得できるようにするガイドとして機能する。「索引(index)」は、記憶痕跡細胞はコード化された後、知覚概念に従った単純化プルセスを通じて概念間で連結された細胞の相互連結が強化され、論理的に効率的に管理される。しかし、時間が経過するにつれて記憶痕跡の数は、蓄積され続けられる。従って、未使用又は使用頻度の低い記憶痕跡を削除する忘却のプロセスを通じて、脳の能力の効率がさらに改善する。以前に経験した事件や内容に関する情報を後で回想して認識できるように、記憶痕跡を作成及び管理するすべてのプルセスが認知過程である(非特許文献1)。
【0003】
認知機能の改善とは、情報の獲得、保存、引き出しにおいて、神経成長の過程で新しい連結がうまく形成されるようにすること、細胞信号適応のプロセスが統合されること、又は概念間で連結された細胞の相互連結がより論理的になる方向に細胞の活動が行われることである。又は認知機能の改善は、忘却の過程、すなわち、生物の自然的な衰退によって必要な記憶痕跡が衰退すること、所望の情報の適切な検索を妨げる同様の記憶痕跡が生成されること、又は記憶痕跡の構造の変化により記憶の引き出しが困難になる方向の認知障害を防ぐことである。
【0004】
認知障害は、記憶力、注意力、言語能力、判断力などが認知過程で低下する神経障害であり、非常に軽度の状態から重度の状態まで様々である。軽度認知障害(Mild cognitive impairment)は、日常の活動を行う能力が維持され、道具的(instrumental)活動は可能であるが、認知機能が損なわれている状態である。認知症とは、認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を意味する。軽度認知障害は、認知症の発症過程における一時的な障害で発生する可能性がある。また、認知障害の危険因子としては、加齢、遺伝、心臓血管疾患などが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】Davis & Zhong, 2017, 'The Biology of Forgetting-A Perspective'. Neuron. Aug 2; 95(3): 490-503
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能の改善のための方法を提供することである。
本発明の別の目的は、認知障害の予防、軽減又は治療のために、又は認知機能の改善のために、下記式(1)
【化2】
(1)
(式中、X、Z、R1及びR2は本明細書における定義と同義である。)で示されるイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物の使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、治療有効量の下記式(1)
【化3】
(1)
[式中、Xは、CH又はNであり;
Zは、O又はSであり;
1は、ハロ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、アミノ、ジ(C1-C5アルキル)アミノ、シアノ、ホルミル、ハロ-C1-C5アルキル、ヒドロキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ-C1-C5アルキル、カルバモイルオキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルキル-C(O)O-C1-C5アルキル、N、O及びSから選ばれる1-3個のヘテロ原子を有する5又は6員ヘテロシクロアルキル-C1-C5アルキル及びジ(C1-C5アルキル)アミノ-C1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換されたC6-C12アリール;又はハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ及びハロ-C1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1-5個のヘテロ原子を有する5~12員不飽和ヘテロシクリルであり;
2は、ハロ、重水素、ヒドロキシ及びC1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換されたC6-C12アリール;又はハロ及びC1-C5アルキルから選ばれる一つ以上の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1-3個のヘテロ原子を有する5~12員不飽和ヘテロシクリルである。]
で示されるイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物を含む、認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能を改善するための薬剤を提供する。
【0008】
また、本発明は、治療有効量の前記式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物を含み、さらに1つ以上の薬学的に許容される担体を含む、認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能を改善するための医薬組成物を提供する。
【0009】
さらに、本発明は、治療有効量の前記式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物を対象体に投与することを含む、対象体において認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能を改善するための方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、前記式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物又は水和物の認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能を改善するための使用を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明による薬剤及び医薬組成物は、認知障害を効率的に予防、軽減又は治療するか、又は認知機能を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】物体認識試験において、ジゾシルピンによる治療により認知能力が低下したラットモデルに対する試験化合物(0.03、0.1、0.3mg/kg)の効果を示す結果である。
図2】Y迷路試験において、ジゾシルピンによる治療により認知能力が低下されたラットモデルに対する試験化合物(0.1、0.3、1mg/kg)の効果を示す結果である。
図3】物体認識試験における自然的忘却ラットモデルに対する試験化合物(0.1、0.3mg/kg)の効果を示す結果である。
図4】物体認識試験における自然的忘却ラットモデルに対する試験化合物(1、3mg/kg)の効果を示す結果である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記式(1)において、R1が、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、アミノ、ジ(C1-C5アルキル)アミノ、シアノ、ホルミル、ハロ-C1-C5アルキル、ヒドロキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ-C1-C5アルキル、カルバモイルオキシ-C1-C5アルキル及びC1-C5アルキル-C(O)O-C1-C5アルキルから選ばれる1~3個の置換基で置換又は非置換されたフェニル;又はハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ及びハロ-C1-C5アルキルから選ばれる1~3個の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1-3個のヘテロ原子を有する5~10員不飽和ヘテロシクリルである。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、前記式(1)において、R2が、ハロ、重水素、ヒドロキシ及びC1-C5アルキルから選ばれる1~5個の置換基で置換又は非置換されたフェニル;又はハロ及びC1-C5アルキルから選ばれる1~3個の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1-3個のヘテロ原子を有する5又は6員ヘテロアリールである。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、前記式(1)において、
Xは、CH又はNであり;
Zは、Oであり;
1は、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、アミノ、ジ(C1-C5アルキル)アミノ、シアノ、ホルミル、ハロ-C1-C5アルキル、ヒドロキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ-C1-C5アルキル、カルバモイルオキシ-C1-C5アルキル及びC1-C5アルキル-C(O)O-C1-C5アルキルから選ばれる1~3個の置換基で置換又は非置換されたフェニル;又はハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ及びハロ-C1-C5アルキルから選ばれる1又は2個の置換基で置換又は非置換された、N、O及びSから選ばれる1又は2個のヘテロ原子を有する5~9員不飽和ヘテロシクリルであり;
2は、ハロ、重水素、ヒドロキシ及びC1-C5アルキルから選ばれる1~5個の置換基で置換又は非置換されたフェニル;又はハロ及びC1-C5アルキルから選ばれる1又は2個の置換基で置換又は非置換された、1又は2個の窒素原子を有する6員ヘテロアリールである。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、前記式(1)において、
1は、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、アミノ、ジ(C1-C5アルキル)アミノ、シアノ、ホルミル、ハロ-C1-C5アルキル、ヒドロキシ-C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ-C1-C5アルキル、カルバモイルオキシ-C1-C5アルキル及びC1-C5アルキル-C(O)O-C1-C5アルキルから選ばれる1~3個の置換基で置換又は非置換されたフェニル;1又は2個のハロで置換又は非置換された1,3-ベンゾジオキソリル;又はハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ及びハロ-C1-C5アルキルから選ばれる1又は2個の置換基で置換又は非置換されたピリジル又はピリミジニルであり、
2は、ハロ、重水素、ヒドロキシ及びC1-C5アルキルから選ばれる1~5個の置換基で置換又は非置換されたフェニル;又はハロ及びC1-C5アルキルから選ばれる1又は2個の置換基で置換又は非置換されたピリジルである。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、前記式(1)において、
Xは、CHであり;
Zは、Oであり;
1は、ハロ、ヒドロキシ、C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、アミノ、ハロ-C1-C5アルキル、ヒドロキシ-C1-C5アルキル及びC1-C5アルコキシ-C1-C5アルキルから選ばれる1~3個の置換基で置換又は非置換されたフェニルであり;
2は、ハロ及びC1-C5アルキルから選ばれる1又は2の置換基で置換又は非置換されたピリジルである。
【0018】
本発明による式(1)の化合物の代表は、以下を含む:
6-(2-フルオロフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-フェノキシメチル-6-フェニルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-メトキシフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-メチルフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,3-ジフルオロフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3-アミノフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-アミノフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3-アミノ-6-メチルフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3-アミノ-4-フルオロフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-ジメチルアミノフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-ヒドロキシフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3-ヒドロキシフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-トリフルオロメチルフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3,4-ジフルオロフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-メトキシ-4-フルオロフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-シアノ-2-メトキシフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(7-フルオロベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-ヒドロキシメチルフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチルチオフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-アミノ-4-フルオロフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,4-ジフルオロ-5-メトキシフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-フルオロピリジン-3-イル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(6-メトキシピリジン-3-イル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(6-フルオロピリジン-3-イル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-メチルピリジン-3-イル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,6-ジフルオロピリジン-3-イル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(6-クロロピリジン-3-イル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-フルオロピリジン-4-イル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3-クロロピリジン-4-イル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-クロロフェニル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(6-フルオロ-4-メチル-3-ピリジル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(6-フルオロ-5-メチル-3-ピリジル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(5-フルオロ-2-ピリジル)-2-フェノキシメチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(3-フルオロフェノキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-(3-フルオロフェノキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)-2-(3-フルオロフェノキシメチル)-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-アミノフェニル)-2-(3-フルオロフェノキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3-クロロピリジン-4-イル)-2-(3-フルオロフェノキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-メチルピリジン-3-イル)-2-(3-フルオロフェノキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(4-フルオロフェノキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(4-フルオロフェノキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3-クロロピリジン-4-イル)-2-(4-フルオロフェノキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,6-ジメチルフェニル)-2-(4-フルオロフェノキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(6-フルオロ-3-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
4-[[6-(4-フルオロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-イル]メトキシ]フェノール;
2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(4-フルオロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(4-フルオロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-フルオロ-5-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェノール;
2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-6-フェニル-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
5-フルオロ-2-[2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェノール;
5-フルオロ-2-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェノール;
6-(4-フルオロフェニル)-2-[(2,3,4,5,6-ペンタデューテリオフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]6-(o-トリル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(5-フルオロ-2-メチル-フェニル)-2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(2-フルオロ-4-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェノール;
6-(2-フルオロ-4-メチル-フェニル)-2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-6-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]アニリン;
6-(2-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
4-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]-3-メトキシ-ベンゾニトリル;
6-(4-クロロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-フルオロ-5-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]アニリン;
6-(2,6-ジフルオロ-3-ピリジル)-2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
5-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]-2-メチル-アニリン;
4,5-ジフルオロ-2-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]アニリン;
2-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]-5-メチル-アニリン;
5-クロロ-2-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]アニリン;
2-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]-4-メチル-アニリン;
5-フルオロ-2-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]アニリン;
2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(4-メチル-3-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(2-フルオロ-4-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]-6-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(6-フルオロ-3-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(2-フルオロ-3-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(5,6-ジフルオロ-3-ピリジル)-2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
5-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]-2-メトキシ-アニリン;
2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(5-フルオロ-2-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(5-メトキシ-2-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-クロロ-3-ピリジル)-2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(5-クロロ-3-ピリジル)-2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(5-メトキシ-3-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
5-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]ピリジン-2-オール;
6-(6-フルオロ-5-メチル-3-ピリジル)-2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(6-メチル-3-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(5-フルオロ-2-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]-6-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
4-[2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]-3-メトキシ-ベンゾニトリル;
[5-フルオロ-2-[2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェニル]メタノール;
[5-フルオロ-2-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェニル]メタノール;
6-(4-フルオロ-2-メチルスルファニル-フェニル)-2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]-6-(2-メトキシ-4-ピリジル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]-4-メチル-アニリン;
5-フルオロ-2-[2-[(3-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]アニリン;
6-(4-フルオロフェニル)-2-(ピリジン-2-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-メチルフェニル)-2-(ピリジン-2-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-(ピリジン-2-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(ピリジン-2-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(ピリジン-2-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,3-ジフルオロフェニル)-2-(ピリジン-2-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(ピリジン-2-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(ピリジン-2-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(7-フルオロ-2H-ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル)-2-(ピリジン-2-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-2-(ピリジン-2-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチル-フェニル)-2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-エチルフェニル)-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチル-フェニル)-2-[(4-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-フルオロ-4-メチル-フェニル)-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[(4-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル]-6-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-[(4-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-2-[(4-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,3-ジフルオロフェニル)-2-[(4-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロフェニル)-2-[(4-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(3-フルオロ-2-メチル-フェニル)-2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(4-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル]-6-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル]-6-(o-トリル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-クロロ-2-メチル-フェニル)-2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,4-ジメチルフェニル)-2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロフェニル)-2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-(2-ピリジルオキシメチル)-6-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル]-6-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(5-フルオロ-2-ピリジル)-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-フルオロ-5-[2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]アニリン;
2-フルオロ-5-[2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]アニリン;
[5-フルオロ-2-[2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェニル]メタノール;
3-メトキシ-4-[2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]ベンゾニトリル;
4-[2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]-3-メトキシ-ベンゾニトリル;
6-(4-フルオロ-2-メチルスルファニル-フェニル)-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
[5-フルオロ-2-[2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェニル]メタノール;
4-[2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]ベンゾニトリル;
6-[4-フルオロ-2-(メトキシメチル)フェニル]-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
[2-[2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール;
6-(2-イソプロピルフェニル)-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
4-[2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]-3-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド;
6-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロフェニル)-2-(ピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-(ピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(ピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(ピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-(ピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-(ピリジン-4-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(ピリジン-4-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-メチルフェニル)-2-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(5-フルオロ-ピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-(5-フルオロピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-(5-フルオロピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(6-フルオロピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(6-フルオロピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(2-フルオロピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(5-クロロピリジン-3-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-(2-フルオロピリジン-4-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-2-(2-フルオロピリジン-4-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-(2-フルオロピリジン-4-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロフェニル)-2-(2-フルオロピリジン-4-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2,3-ジフルオロフェニル)-2-(2-フルオロピリジン-4-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-フルオロフェニル)-2-(2-フルオロピリジン-4-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-(2-フルオロピリジン-4-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-メチルフェニル)-2-(2-フルオロピリジン-4-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(2-ヒドロキシフェニル)-2-(2-フルオロピリジン-4-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-ヒドロキシメチルフェニル)-2-(2-フルオロピリジン-4-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロフェニル)-2-[(5-フルオロ-3-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(2-クロロ-4-ピリジル)オキシメチル]-6-(4-フルオロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(5-フルオロ-3-ピリジル)オキシメチル]-6-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
2-[(2-フルオロ-4-ピリジル)オキシメチル]-6-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
5-フルオロ-2-[2-[(5-フルオロ-3-ピリジル)オキシメチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]アニリン;
5-フルオロ-2-[2-[(2-フルオロ-4-ピリジル)オキシメチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]アニリン;
[5-フルオロ-2-[2-[(5-フルオロ-3-ピリジル)オキシメチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェニル]メタノール;
2-(2,4-ジフルオロフェニル)-6-(フェノキシメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-(2,4-ジフルオロフェニル)-6-((ピリジン-4-イルオキシ)メチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-(2,4-ジフルオロフェニル)-6-((ピリジン-2-イルオキシ)メチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-(4-フルオロフェニル)-6-((ピリジン-4-イルオキシ)メチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-(2-メチルフェニル)-6-((ピリジン-4-イルオキシ)メチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-(2,4-ジフルオロフェニル)-6-((2-フルオロピリジン-4-イルオキシ)メチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-(4-フルオロ-2-メチルフェニル)-6-((2-フルオロピリジン-4-イルオキシ)メチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-(2-メチルフェニル)-6-((2-フルオロピリジン-4-イルオキシ)メチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-(3-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-(4-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-6-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-(4-クロロ-2-メチル-フェニル)-6-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-(4-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
2-(4-フルオロ-2-メチル-フェニル)-6-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル]イミダゾ[1,2-b][1,2,4]トリアジン;
[5-フルオロ-2-[2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェニル]カルバミン酸メチル;
[5-フルオロ-2-[2-(フェノキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェニル]カルバミン酸メチル;
[5-フルオロ-2-[2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェニル]カルバミン酸メチル;
[5-フルオロ-2-[2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェニル]酢酸メチル;
6-[2-(クロロメチル)-4-フルオロ-フェニル]-2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-[4-フルオロ-2-(フルオロメチル)フェニル]-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;及び
6-[4-フルオロ-2-(フルオロメチル)フェニル]-2-[(4-フルオロフェノキシ)メチル]イミダゾ[1,2-a]ピリミジン。
【0019】
より具体的には、本発明による式(1)の化合物の代表は、以下を含む:
6-(4-フルオロフェニル)-2-(ピリジン-2-イルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロ-2-メチル-フェニル)-2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
6-(4-フルオロフェニル)-2-[(5-フルオロ-2-ピリジル)オキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン;
[5-フルオロ-2-[2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル]フェニル]メタノール;及び
6-[4-フルオロ-2-(フルオロメチル)フェニル]-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン。
【0020】
前記式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物は、既知の化合物又は化合物合成の当業者によって容易に調製することが製造できる化合物を使用して調製することができる。特に、前記式(1)化合物の調製方法は、参照により本明細書に組み込まれる国際公開特許WO2016/137260A1に詳細に記載されている。式(1)化合物は、前記文献に記載された方法によって化学的に合成することができるが、これは単に1つの例示的な方法の提示に過ぎなく、必要に応じて、単位操作の順序などが選択的に変更できるので、本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0021】
前記式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物は、認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能を改善するために使用することができる。
前記式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物はまた、認知障害の症状の予防、軽減又は治療に適用することができる。
【0022】
認知障害の症状は、記憶力の低下、注意力の低下、言語能力の低下、時空間能力の低下、推理能力の低下、判断力の低下、思考の乱れ、思考の遅さ、理解の困難、集中力の低下、問題解決の機能喪失、ずさんな記憶、思考表現の困難、思考、感覚及び行動の統合の困難又は不適切な考えの排除の困難など様々な形で発生することがある。このような症状は、同じ単語の繰り返し、同じ質問の繰り返し、喪失による内容伝達の困難、道迷い、名称、時間又は場所の不正確な記憶として現れる。
【0023】
一実施形態において、前記式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物を使用して、認知障害に関連する疾患を軽減又は治療することができる。
前記認知障害に関連する疾患には、軽度認知障害、アルツハイマー病、アルツハイマー型認知症、初老期認知症、初期発症アルツハイマー病、老年性認知症、レビー小体認知症、微小梗塞性認知症、エイズによる認知症、HIV-認知症、レビー小体に関連する認知症、ダウン症候群に関連する認知症、ピック病、近時短期記憶障害(recent short-term memory impairment)、加齢による認知障害、加齢による記憶障害、薬物性認知障害、免疫不全症候群に関連する認知障害、血管疾患に関連する認知障害、統合失調症に関連する認知障害(Cognitive Impairment Associated With Schizophrenia)、パーキンソン病関連認知障害、てんかん関連認知障害、鬱に関連する認知障害、双極性障害に関連する認知障害、強迫性障害に関連する認知障害、心的外傷後ストレス障害、注意力欠如障害、注意欠如多動性障害、及び学習欠如障害から選ばれる一つ以上が挙げられる。
【0024】
一実施形態において、前記認知障害に関連する疾患は、軽度認知障害、アルツハイマー病、アルツハイマー型認知症、初老期認知症、初期発症アルツハイマー病、老年性認知症、近時短期記憶障害、加齢による認知障害、加齢による記憶障害、薬物性認知障害及び統合失調症に関連する認知障害からなる群から選ばれる。
【0025】
したがって、本発明の薬剤又は医薬組成物は、前記認知障害に関連する疾患を予防、軽減又は治療するために使用することができるが、本発明の範囲は、前記疾患に限定されない。
また、本発明の薬剤又は医薬組成物は、認知障害の症状を予防、軽減又は治療するために使用することができ、前記症状には注意力の低下、言語能力の低下、時空間能力の低下、推理能力の低下及び判断力の低下が含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
認知障害に対する前記式(1)化合物の有効性は、既知のモデルを使用して検証することができる。認知障害の予防及び治療に関連する動物モデルとしては、認知阻害剤の投与により認知能力が低下する動物モデルを使用することができる。認知機能を改善するための動物モデルとしては、時間の経過とともに自然的忘却が起こった自然的忘却モデルを使用することができる。これらの中で、ジゾシルピン(MK-801)による治療によって認知能力が低下する動物モデルは、認知障害の治療剤の開発のための薬効を検証する手段として広く使用されている(N.M.W.J de Bruin et al., Neurobiology of learning and memory, 2016, Vol. 133, p. 100-117)。また、自然的忘却ラットモデルは、認知機能の改善のための開発のための薬効を検証する手段としても使用されている(M.V. King et al., Neuropharmacology 47 (2004) 195-204)。
【0027】
前記疾患の予防、軽減又は治療のための式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物の投与量は、通常、疾患の重症度、治療対象の体重及び代謝状態に応じて変化する。個々の患者の「治療有効量」とは、前記した薬理的効果、すなわち、前記治療効果を達成するのに十分な量を意味する。式(1)化合物の治療有効量として、化合物は、ヒトを含む哺乳類に投与するとき、1日当たり0.1~500mg/kg(体重)、好ましくは0.5~100mg/kg(体重)で前記医薬組成物に含まれ得る。このような医薬組成物は、1日1回投与することも、又は2回以上に分割して投与することもできる。
【0028】
本発明の化合物は、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下又は直腸投与などの治療剤の投与に使用される任意の方法によって投与することができる。
【0029】
本発明の一実施形態による薬剤又は医薬組成物は、治療有効量の本発明のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物及びそれらの組合わせよりなる群から選ばれる化合物を含むことができる。
【0030】
前記薬学的に許容可能な塩には、酸又は塩基の付加塩及びそれらの立体化学的異性体形態の両方が含まれる。前記塩には、投与される対象において親化合物の活性を維持し、望ましくない効果を誘発しない任意の塩を含み、特に限定されない。そのような塩には、無機塩と有機塩を含み、例えば、酢酸、硝酸、アスパラギン酸、スルホン酸、硫酸、マレイン酸、グルタミン酸、ギ酸、コハク酸、リン酸、フタル酸、タンニン酸、酒石酸、臭化水素酸、プロピオン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ステアリン酸、エシル酸、乳酸、重炭酸、重硫酸、重酒石酸、シュウ酸、酪酸、エデト酸カルシウム、カムシル酸、炭酸、クロロ安息香酸、クエン酸、エデト酸、トルエンスルホン酸、エジシル酸、エシル酸、フマル酸、グルセプト酸(gluceptic acid)、パモン酸、グルコン酸、グリコリルアルサニル酸、硝酸メチル、ポリガラクツロン酸、ヘキシルレゾルシン酸、マロン酸、ヒドロバミン酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、マンデル酸、エストル酸、粘液酸、ナプシル酸、ムコン酸、p-ニトロメタンスルホン酸、ヘキサミン酸、パントテン酸、リン酸一水素、リン酸ニ水素、サリチル酸、スルファミン酸、スルファニル酸、メタンスルホン酸、又はテオクル酸(theoclic acid)であってもよい。また、前記塩基性塩の形態は、例えば、アンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩などのアルカリ及びアルカリ土類金属塩、例えば、ベンザチン、N-メチル-D-グルカミン、ヒドラバミン塩などの有機塩基を有する塩及び例えば、アルギニン、リシンなどのアミノ酸を有する塩を含む。また、前記塩の形態は、適当な塩基又は酸で処理することによって遊離の形態に転換することもできる。用語「付加塩」は、式(1)の化合物及びその塩が形成することができる溶媒化合物を含む。そのような溶媒化合物は、例えば、水和物、アルコラートである。
【0031】
本発明の一実施形態による薬剤又は医薬組成物は、経口投与用又は非経口投与用、好ましくは経口投与用であってもよい。非経口投与用の場合、薬剤又は医薬組成物は、静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射、腹腔内注射、内皮投与、局所投与、鼻腔内投与、膣内投与、肺内投与又は直腸内投与などの非経口投与用であってもよい。経口投与用の場合、本発明の薬剤又は医薬組成物は、当技術分野で知られている方法により、粉末、顆粒、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、懸濁液、ウエハーなどの形態で製剤化することができる。一実施形態による医薬組成物は、素錠であるか、又は活性剤でコーティングされているか、又は胃での分解から保護されるように製剤化することができる。また、前記組成物は、活性物質を標的細胞に輸送することができる任意の装置によって投与することができる。投与経路は、治療対象の一般的な状態及び年齢、治療状態の性質、及び選ばれる有効成分に応じて変わる。
【0032】
本発明の一実施形態による薬剤又は医薬組成物の手緊切な投与量は、製剤化方法、投与方式、患者の年齢、体重、性別、病的状態、食物、投与時間、投与経路、排せつ速度及び反応感受性などの要因に応じて変わる。通常の熟練した医師は、所望の治療又は予防に有効な投与量を容易に結晶及び処方することができる。一実施形態による前記医薬組成物は、1回又は数回の投与量で投与することができ、例えば、1日1回から4回までの分割用量で投与することができる。一実施形態による前記医薬組成物は、式(1)の化合物を0.1~500mg/kg(体重)、好ましくは0.5~100mg/kg(体重)含むことができる。
【0033】
本発明の一実施形態による薬剤又は医薬組成物は、当業者が容易に実施することができる方法に従って、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を使用して製剤化することができ、それにより、単位剤形で製造されるか、又は複数回投与容器に含まれる。このとき、製剤は、油性又は水性媒質中の溶液、懸濁液又は乳化液形態、抽出剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤又はカプセル剤の形態であってもよく、分散剤又は安定化剤をさらに含むことができる。さらに、前記医薬組成物は、座薬、スプレー、軟膏、クリーム、ゲル、吸入剤又は皮膚パッチの形態で投与することができる。また、前記医薬組成物は、哺乳動物への投与のために、より好ましくはヒトへの投与のために調製することができる。
【0034】
薬学的に許容される担体は、固体又は液体であってもよく、賦形剤、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、分散剤、吸着剤、界面活性剤、結合剤、防腐剤、崩壊剤、甘味剤、香味剤、流動促進剤、放出調節剤、湿潤剤、安定化剤、懸濁化剤及び潤滑剤から選ばれる1種以上であってもよい。また、薬学的に許容される担体は、生理食塩水、滅菌水、リンガー液、緩衝食塩水、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール及びそれらの混合物から選ぶことができる。
【0035】
一実施形態において、適切な賦形剤(filler)としては、糖(例えば、デキストロース、スクロース、マルトース及びラクトース)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン)、糖アルコール(例えば、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、エリトリトール及びキシリトール)、デンプン加水分解物(例えば、デキストリン及びマルトデキストリン)、セルロース又はセルロース誘導体(例えば、微晶質セルロース)又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
一実施形態において、適切な結合剤(binder)としては、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、ポビドン、コポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ガム類、スクロース、デンプン又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0037】
一実施形態において、適切な防腐剤(preservative)としては、安息香酸、ナトリウムベンゾエート、ベンジルアルコール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、クロルブトール、ガレート(gallate)、ヒドロキシベンゾエート、EDTA又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
一実施形態において、適切な崩壊剤(disintegrant)としては、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロース、デンプン、微晶質セルロース又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0039】
一実施形態において、適切な甘味剤としては、スクラロース、サッカリン、ナトリウム又はカリウム又はカルシウムサッカリン、アセスルファムカリウム又はナトリウムシクラメート、マンニトール、フルクトース、スクロース、マルトース又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
一実施形態において、適切な流動促進剤(glidant)としては、シリカ、コロイド状シリコーンジオキシド、タルクなど含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
一実施形態において、適切な潤滑剤(lubricant)としては、長鎖脂肪酸及びその塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸、タルク、グリセリドワックス又はそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
前記式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物は、認知障害の予防、軽減又は治療、又は認知機能の改善のために、追加の薬物と一緒に使用することができる。
【0043】
従って、本発明の薬剤又は医薬組成物は、治療有効量の有効成分として、前記式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物及びそのような追加の薬物を含む複合製剤であってもよい。
【0044】
そのような追加の薬物としては、例えば、ジメチルアミルアミン、メチルフェニデート、アンフェタミン、タクリン、リバスチグミン、ガランタミン、ドネペジル、メマンチン、トルカポン、レボドパ、アトモキセチン、クロニジン、プラミペキソール、グアンファシン及びフェキソフェナジンからなる群から選ばれる一つ以上を使用することができる。
【0045】
従って、本発明の一実施形態による薬剤又は医薬組成物は、ジメチルアミルアミン、メチルフェニデート、アンフェタミン、タクリン、リバスチグミン、ガランタミン、ドネペジル、メマンチン、トルカポン、レボドパ、アトモキセチン、クロニジン、プラミペキソール、グアンファシン及びフェキソフェナジンからなる群から選ばれる一つ以上の薬物をさらに含むことができる。
【0046】
一実施形態において、本発明の薬剤又は医薬組成物が前記の複合製剤である場合、その複合製剤で前記式(1)のイミダゾピリミジン又はイミダゾトリアジン化合物[成分(a)]及び追加の薬物[成分(b)]の配合重量比(A:b)は、例えば、1,000:1~1:1,000、又は500:1~1:500,又は100:1~1:100、又は50:1~1:50、又は10:1~1:10の範囲内であるが、これに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「予防する」、「予防すること」及び「予防」は、疾患の可能性を低減又は排除することを指す。
【0047】
本明細書で使用される場合、用語「軽減する」、「軽減すること」及び「軽減」は、疾患及び/又はそれに付随する症状を全部又は一部緩和すること指す。
【0048】
本明細書で使用される場合、用語「治療する」、「治療すること」及び「治療」は、疾患及び/又はそれに付随する症状を全部又は一部除去することを指す。
【0049】
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、治療、観察又は実験の対象である動物、好ましくは、哺乳動物(例えば、霊長類(primates)(例えば、ヒト))、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなど)、最も好ましくは、ヒトを意味する。
【0050】
本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」は、研究員、獣医師、擬似又は他の臨床医によって求められており、治療される疾患又は障害の症状の軽減を含む、システム、動物又はヒトにおいて生物学的又は医学的反応を誘導する活性化合物又は医薬製剤の量を意味する。
【0051】
本明細書で使用される場合、用語「組成物」は、特定の量の特定の成分を含む生成物、及び特定の量の特定成分の生成物から直接又は間接的に生成される任意の生成物を含む。
【0052】
本明細書で使用される場合、用語「認知障害」は、動物の認知機能又は認知的領域、例えば、作業記憶、注意及び覚醒、言語学習及び記憶、視的学習及び記憶、推論及び問題解決、例えば、実行機能、課題処理速度及び/又は社会的認知における萎縮を示す障害を意味する。特に、認知障害は、注意力の欠乏、思考の乱れ、思考の遅さ、理解の困難、集中力の低下、問題解決の機能喪失、ずさんな記憶、思考表現の困難及び/又は思考、感覚及び行動統合の困難、又は不適切な考えの排除の困難を示す可能性があると知られており、「認知欠乏」という用語と同じ意味で使用される場合がある。
【実施例
【0053】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、一つ以上の実施形態を例示的に説明するためだけのものであり、本発明の範囲はそれに限定されない。これらによって限定されるのではない。
【0054】
製造例:試験化合物の調製
6-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-(2-ピリジルオキシメチル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン(試験化合物)を国際公開番号WO2016/137260号の実施例113に記載された方法により調製した。
【0055】
実施例1:ジゾシルピンによる治療により認知能力が低下されたラットモデルにおける物体認識試験に対する効果
認知障害動物モデルとして、認知阻害物質であるジゾシルピンを投与することにより認知能力を低下させた動物モデルを使用した。
【0056】
実験動物
雄性ラット(Wistar、4週齢、Orient Bio社製)を購入し、動物用ケージで1週間以上順応させた。実験動物は、光制御された環境(12時間照明/12時間非照明)で飼育され、19~25℃、相対湿度30~70%が維持され、水と餌は自由に摂取できる環境下で、動物実験倫理委員会(IACUC)の実験室動物管理基準に従って保管及び管理した。ラットは1週間以上安定化させた後、物体認識試験に使用した。ラットは、ランダムに群分けし、照明下で試験を行った。
【0057】
薬物
認知能力低下の症状が誘導される動物モデルを作成するために、試験動物をN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体阻害物質であるジゾシルピンで処理した。
ジゾシルピン[シグマ社から購入]は、ビヒクルとして使用する生理食塩水に溶解し、新たに調製し、訓練の30分前にラット体重1kg当たり1mLの容量で0.1mg/kg用量を皮下で投与した。対照群には生理食塩水のみを投与した。
試験化合物は、10%クレモフォール(Cremophor)中の5%DMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解し、ラット体重1kg当たり1mLの用量で0.03、0.1、0.3mg/kg用量を訓練1時間前に経口投与した。対照群には、ビヒクル(10%クレモフォール中5%DMSO)のみを投与した。
【0058】
物体認識試験
各ラットは、実験者が3分以上ハンドリングしており、実験前に空の箱で3分間の箱馴化を2回行った。ビヒクル又は試験化合物を1mg/kg用量で訓練の1時間前に腹腔内投与し、ビヒクル又はジゾシルピンを訓練の30分前に皮下投与した後、ラットを訓練のために箱に入れた。訓練は、2つの同一のプラスチック円柱又はステンレス四角錐が配置された箱でラットをさらすことによって行った。訓練の1時間後、1つのプラスチック円柱と1つのステンレス四角錐が配置された箱内で試験が行われた。試験中、ラットが各物体を探索した時間を測定した。実験結果は、2つのプラスチック円柱が配された箱で訓練されたラットはステンレス四角錐を新しい物体として、2個のステンレス四角錐が配置された箱で訓練されたラットはプラスチック円柱を新しい物体として実験結果を分析した。
【0059】
実験結果の統計分析
認知指数は、物体が探索された時間に基づいて計算され、群間の認知指数に関するデータは、1元配置分散分析(ANOVA)及びダネット多重比較検定によって分析後、p<0.05の場合に効果が有意であると定義された。すべての結果は平均値±SEMとして表された。
【0060】
試験結果
ジゾシルピンのみで処理された陰性対照群の認知指数は49.77±1.03秒であり、陽性対照群であるビヒクル群での認知指数である63.29±1.56秒と比較して認知機能の有意な低下が観察された(P<0.001)。ジゾシルピンと試験化合物を併用投与した場合、0.1mg/kg投与群と0.3mg/kg投与群の認知指数は、それぞれ57.95±1.8秒、57.62±1.89秒であり、認知機能の低下を示す陰性対照群と比較して、有意な認知機能の回復が観察された(両方ともP<0.01)。
試験化合物を用いた物体認識試験において、ジゾシルピン処理により認知能力が低下されたラットモデルの認知指数の分析結果を表1にまとめた。
【0061】
ジゾシルピン処理により認知能力が低下されたラットモデルで物体認識試験に対する試験化合物の認知指数の分析結果
【表1】

1)認知指数=新しい物体の探索時間/すべての物体(既存物体+新しい物体)の探索時間×100
2)sc=皮下投与
3)po=経口投与(os当たり)
4)NT=未処理
このことから、試験化合物の投与の結果、認知機能障害に対する回復効果の相乗的増加が確認された。
【0062】
実施例2:ジゾシルピン処理により認知能力が低下されたラットモデルにおけるY迷路試験に対する効果
実験動物
雄性ラット(Wistar、4週齢、Orient Bio社製)を購入し、動物用ケージで1週間以上順応させた。実験動物は、光制御された環境(12時間照明/12時間非照明)で飼育され、19~25℃、相対湿度30~70%が維持され、水と餌は自由に摂取できる環境下で、動物実験倫理委員会(IACUC)の実験室動物管理基準に従って保管及び管理した。ラットは1週間以上安定化させた後、Y迷路試験に使用した。ラットは、ランダムに群分けし、照明下で試験を行った。
【0063】
薬物
認知能力の低下症状が誘導される動物モデルを作成するために、試験動物をNMDA受容体阻害物質であるジゾシルピンで処理した。
ジゾシルピン[シグマ社から購入]は、ビヒクルとして使用する生理食塩水に溶解し、新たに調製し、訓練の30分前にラット体重1kg当たり1mLの容量で0.1mg/kg用量を皮下で投与した。対照群には生理食塩水のみを投与した。
試験化合物は、9.5%クレモフォール(Cremophor)中の5%DMSOに溶解し、ラット体重1kg当たり5mLの容積で0.1、0.3、1mg/kg用量で訓練の1時間前に経口投与した。対照群にはビヒクル(9.5%クレモフォール(Cremophor)中5%DMSOのみを投与した。
【0064】
Y迷路試験
ラットは2日間、3分ずつ実験者によりハンドリングされ、翌日Y迷路試験を行った。Y迷路試験は、ビヒクル又は試験化合物を試験の1時間前に腹腔内投与し、ビヒクル又はジゾシルピンを試験の30分前に皮下投与した後、ラットをY迷路の片方のアームの端に入れ、自由に動かすことによって5分間行た。Y迷路の同じ角度に配置された3つのアームは、同じ長さ45cm、同じ幅10cm、同じ高さ20cmであった。ラットが3つの異なるアームを連続して訪れた場合を交替行動(alternation behavior)と定義した。
【0065】
実験結果の統計分析
交替率は、Y迷路試験の各アームへの訪問記録に基づいてラットの交替行動を特定することによって決定され、群間の交替率に対するデータは、一元配置分散分析及びダネット多重比較検定によって分析した後、p<0.05の場合に効果が有意であると定義された。すべての結果は平均値±SEMとして表された。
【0066】
試験結果
ジゾシルピンのみで処理された陰性対照群の交替率は49.2±5.3秒であり、陽性対照群であるビヒクル群での交替率である70.1±2.8秒と比較して、認知機能の有意な低下が観察された(P<0.001)。ジゾシルピンと試験化合物を併用投与した場合、0.1mg/kg投与群への交替率は67.3±3.5秒であり、認知機能の低下を示す陰性対照群と比較して有意な認知機能の回復が観察された(P<0.001)。
試験化合物0.3mg/kg投与群の交替率は57.3±5.7秒であり、認知機能の低下を示す対照群と比較して、認知機能が回復する傾向が観察された。
ジゾシルピン処理により認知能力が低下されたラットモデルで、Y迷路試験に対する試験化合物の交替率の分析結果を表2にまとめた。
【0067】
ジゾシルピン処理により認知能力が低下されたラットモデルでY迷路試験に対する試験化合物の交替率の分析結果
【表2】

1)交替率=実際の交替行動の数/可能な交替行動の最大数×100
[可能な交替行動の最大数=すべてのアームの訪問回数-2]
2)sc=皮下投与
3)po=経口投与(os当たり)
4)NT=未処理
このことから、試験化合物の投与の結果、認知機能障害に対する回復効果の相乗的増加が確認された。
【0068】
実施例3:自然的忘却が起きたラットモデルでの物体認識試験に対する効果
認知障害動物モデルとして、時間の経過とともに自然的忘却が発生する自然的忘却モデルを使用した。
【0069】
実験動物
雄性ラット(Wistar、4週齢、Orient Bio社製)を購入し、動物用ケージで1週間以上順応させた。実験動物は、光制御された環境(12時間照明/12時間非照明)で飼育され、19~25℃、相対湿度30~70%が維持され、水と餌は自由に摂取できる環境下で、動物実験倫理委員会(IACUC)の実験室動物管理基準に従って保管及び管理した。ラットは1週間以上安定化させた後、物体認識試験に使用した。ラットは、ランダムに群分けし、照明下で試験を行った。
【0070】
薬物
認知能力低下の症状が誘導される動物モデルを作成するために、試験動物をN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体阻害物質であるジゾシルピンで処理した。
ジゾシルピン[シグマ社から購入]は、ビヒクルとして使用する生理食塩水に溶解し、新たに調製し、訓練の30分前にラット体重1kg当たり1mLの容量で0.1mg/kg用量を皮下で投与した。対照群には生理食塩水のみを投与した。
試験化合物は、10%クレモフォール(Cremophor)中の5%DMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解し、ラット体重1kg当たり1mLの用量で0.03、0.1、0.3mg/kg用量を訓練1時間前に経口投与した。対照群には、ビヒクル(10%クレモフォール中5%DMSO)のみを投与した。
【0071】
物体認識試験
各ラットは、実験者が3分以上ハンドリングしており、実験前に空の箱で3分間の箱馴化を2回行った。ビヒクル又は試験化合物を1mg/kg用量で訓練の1時間前に腹腔内投与し、ビヒクル又はジゾシルピンを訓練の30分前に皮下投与した後、ラットを訓練のために箱に入れた。訓練は、2つの同一のプラスチック円柱又はステンレス四角錐が配置された箱でラットをさらすことによって行った。訓練の1時間後、1つのプラスチック円柱と1つのステンレス四角錐が配置された箱内で試験が行われた。試験中、ラットが各物体を探索した時間を測定した。実験結果は、2つのプラスチック円柱が配された箱で訓練されたラットはステンレス四角錐を新しい物体として、2個のステンレス四角錐が配置された箱で訓練されたラットはプラスチック円柱を新しい物体として実験結果を分析した。
【0072】
実験結果の統計分析
認知指数は、物体が探索された時間に基づいて計算され、群間の認知指数に関するデータは、1元配置分散分析(ANOVA)及びダネット多重比較検定によって分析後、p<0.05の場合に効果が有意であると定義された。すべての結果は平均値±SEMとして表された。
【0073】
試験結果
試験は試験化合物の用量に応じて2回行った。最初の試験では、対照群であるビヒクル群での認知指数は48.61±1.87秒であり、既存物体と新しい物体を区分できなく、正確に同じ時間に探索する場合の認知指数である50と差がなく、従って、24時間にわたって十分な自然的忘却が起こったことが確認された。。
試験化合物を0.1mg/kg、0.3mg/kgで投与した場合、認知指数はそれぞれ56.57±2.37秒、59.77±2.64秒であり、自然的忘却が起こった対照群と比較して有意な差を観察された(それぞれP<0.05、P<0.01)。
自然的忘却が起きたラットモデルで物体認識試験に対する試験化合物(0.1mg/kg、0.3mg/kg)の認知指数の分析結果を表3にまとめた。
【0074】
自然的忘却ラットモデルで物体認識試験に対する試験化合物(0.1mg/kg、0.3mg/kg)の認知指数の分析結果
【表3】

1)認知指数=新しい物体の探索時間/すべての物体(既存物体+新しい物体)の探索時間×100
2)po=経口投与(os当たり)
3)NT=未処理
2回目の実験でも、対照群であるビヒクル群の認知指数は51.20±2.61秒であり、既存物体と新しい物体を区分できなく、正確に同じ時間に探索する場合の認知指数である50と差がなく、従って、24時間にわたって十分な自然的忘却が起こったことが確認された。
試験化合物を1mg/kgで投与した場合、認知指数は60.91±2.72秒であり、自然的忘却が起こった対照群と比較して有意な差が観察された(P<0.01)。試験化合物3mg/kg投与群の認知指数は56.20±2.27秒であり、自然的忘却が起こった対照群と比較して、自然的忘却が軽減されることを示している。
自然的忘却が起こったラットモデルで物体認識試験に対する試験化合物(1mg/kg、3mg/kg)の認知指数の分析結果を表にまとめた。
【0075】
自然的忘却ラットモデルで物体認識試験に対する試験化合物(1mg/kg、3mg/kg)の認知指数の分析結果
【表4】
1)認知指数=新しい物体の探索時間/すべての物体(既存物体+新しい物体)の探索時間×100
2)po=経口投与(os当たり)
3)NT=未処理
このような自然的忘却モデルでの実験結果から、正常な認知状態での認知機能の改善による試験化合物の自然的忘却軽減効果が確認された。
図1
図2
図3
図4