(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】動的環境を監視および/または制御するための入力/出力装置および方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/042 20060101AFI20240614BHJP
H04L 25/52 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
G05B19/042
H04L25/52 Z
(21)【出願番号】P 2022525033
(86)(22)【出願日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2020059221
(87)【国際公開番号】W WO2021092257
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-03-01
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514087599
【氏名又は名称】オプテオン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス,ティー.,エリック
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー,ティモシー,エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】チョー,ジェフリー
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-507842(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0147367(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/04 -19/05
H04L 25/00 -25/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置と機械の構成要素との間で信号を適応的に交換するためのプログラマブルインタフェース回路であって、
プログラミング電圧を前記制御装置から受信するための複数のインターコネクトと、
前記プログラマブルインタフェース回路と前記構成要素との間で信号を伝送するための信号チャネルと、
前記信号チャネルと連結して第1アナログ信号を前記制御装置から受信するためのプログラマブルアナログI/O回路と、
前記信号チャネルと連結して第1デジタル信号を前記制御装置から受信するためのプログラマブルデジタルI/O回路と、
前記信号チャネルを流れる電流量を検出するための電流検出回路
であって、前記プログラマブルアナログI/O回路からの出力のフィードバック制御のために選択可能である、電流検出回路と、を備え、
前記プログラマブルインタフェース回路は、前記第1アナログ信号に基づく第2アナログ信号を前記信号チャネルに提供するように、または前記第1デジタル信号に基づく第2デジタル信号を前記信号チャネルに提供するように、前記複数のインターコネクトに印加される少なくとも第1の前記プログラミング電圧に基づいて、動作中にプログラム可能である、プログラマブルインタフェース回路。
【請求項2】
前記プログラマブルインタフェース回路は、
前記信号チャネルを通じてアナログ信号およびデジタル信号を受信するように、または、
前記信号チャネルを通じて少なくとも2種類のデジタル信号を送信および受信するように、
少なくとも第2の前記プログラミング電圧に基づいてプログラム可能である、請求項1に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項3】
前記プログラマブルインタフェース回路は、前記第2アナログ信号として、前記信号チャネルを通じて少なくとも2種類の異なるアナログ信号を送信するように、少なくとも第2の前記プログラミング電圧に基づいてプログラム可能である、請求項1に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項4】
前記少なくとも2種類の異なるアナログ信号のうちの第3アナログ信号は、電流由来のアナログ信号である、請求項3に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項5】
前記プログラマブルインタフェース回路は、前記信号チャネルと連結されて前記信号チャネルにより送信される前記第2アナログ信号および前記第2デジタル信号を4ミリアンペア(mA)~24mAの出力電流で提供する、少なくとも1つの増幅回路をさらに備える、請求項1に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項6】
前記プログラマブルアナログI/O回路は、
第1フィードバック回路経路と、
第2フィードバック回路経路と、
フィードバック入力を有するオペアンプと、
少なくとも第2の前記プログラミング電圧に基づいて、前記フィードバック入力を前記第1フィードバック回路経路または前記第2フィードバック回路経路へ接続するよう構成されたマルチプレクサと、を備える、請求項1に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項7】
前記第1フィードバック回路経路は、前記信号チャネルの電圧を検出し、前記第2フィードバック回路経路は、前記信号チャネルを流れる前記電流量を検出する、請求項6に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項8】
前記プログラマブルデジタルI/O回路は、
前記信号チャネルを高論理レベルに駆動するように構成された第1回路と、
前記信号チャネルを低論理レベルに駆動するように構成された第2回路と、を備える、請求項1に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項9】
前記第2回路は、少なくとも第2の前記プログラミング電圧に基づいて、前記低論理レベルを前記信号チャネルから絶縁するためのスイッチを含む、請求項8に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項10】
前記プログラマブルデジタルI/O回路は、前記複数のインターコネクトのうちの1つまたは複数と前記信号チャネルとの間で接続されるトランシーバを備える、請求項1に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項11】
前記トランシーバは、シングルサイド信号および差動デジタル信号を送受信するように、少なくとも第2の前記プログラミング電圧に基づいてプログラム可能である、請求項10に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項12】
前記制御装置と組み合わせられ、前記制御装置は、前記複数のインターコネクトのうちの1つまたは複数を介して前記プログラマブルインタフェース回路へ接続する絶縁通信制御装置であり、前記絶縁通信制御装置は、プログラマブル論理制御器またはマイクロコントローラを備える、請求項1に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項13】
前記構成要素をさらに備え、前記構成要素は、センサ、モータもしくは作動装置、または撮像装置の少なくとも1つである請求項12に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項14】
制御装置と機械の構成要素との間で信号を適応的に交換するためのプログラマブルインタフェース回路であって、
プログラミング電圧を受信するための複数のインターコネクトと、
前記プログラマブルインタフェース回路と前記構成要素との間で信号を伝送するための信号チャネルと、
前記信号チャネルと連結して第1アナログ信号を前記制御装置から受信するためにプログラム可能なオペアンプを有するプログラマブルアナログI/O回路と、
前記信号チャネルと連結して第1デジタル信号を前記制御装置から受信するためにプログラム可能なプログラマブルデジタルI/O回路と、を備え、
前記プログラマブルインタフェース回路は、前記第1アナログ信号に基づく第2アナログ信号を前記信号チャネルに提供するように、または前記第1デジタル信号に基づく第2デジタル信号を前記信号チャネルに提供するように、前記複数のインターコネクトに印加される少なくとも第1の前記プログラミング電圧に基づいて、動作中にプログラム可能である、プログラマブルインタフェース回路。
【請求項15】
前記プログラマブルアナログI/O回路内で前記第1アナログ信号を受信するための切り替え可能な出力信号ドライバをさらに備え、前記切り替え可能な出力信号ドライバ用のフィードバック信号は、少なくとも第2の前記プログラミング電圧に基づいて、電流検出モードから電圧検出モードまで切替されるように構成される、請求項14に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項16】
前記切り替え可能な出力信号ドライバは、前記オペアンプを備える、請求項15に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項17】
前記信号チャネルを流れる電流量を検出し、前記フィードバック信号を前記電流検出モードの前記切り替え可能な出力信号ドライバに提供するための電流検出回路をさらに備える、請求項15に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項18】
シングルエンドアンプと差動アンプとの間で切り替えられるように構成されたアンプを含む前記プログラマブルアナログI/O回路内で切り替え可能な受信信号ドライバをさらに備える、請求項14に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項19】
前記プログラマブルインタフェース回路は、前記信号チャネルを通じてアナログ信号およびデジタル信号を受信するように、少なくとも第2の前記プログラミング電圧に基づいてさらにプログラム可能である、請求項14に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項20】
前記プログラマブルインタフェース回路は、前記信号チャネルを通じて少なくとも2種類の異なる信号伝達のアナログ信号を送信するように、少なくとも第2の前記プログラミング電圧に基づいてプログラム可能である、請求項14に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項21】
前記プログラマブルインタフェース回路は、前記信号チャネルを通じて少なくとも2種類のデジタル信号を送受信するように、前記プログラミング電圧に基づいてプログラム可能である、請求項14に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項22】
前記プログラマブルアナログI/O回路と前記プログラマブルデジタルI/O回路を前記信号チャネルと連結するためのプログラマブル信号経路設定/絶縁回路をさらに備える、請求項14に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項23】
前記プログラマブル信号経路設定/絶縁回路は、前記プログラマブルデジタルI/O回路の少なくとも一部分を前記信号チャネルから絶縁するためのトランジスタを備える、請求項22に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項24】
前記複数のインターコネクトのうちの1つまたは複数を介して前記プログラマブルインタフェース回路へ接続する絶縁通信制御装置と組み合わせられる、請求項14に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項25】
前記絶縁通信制御装置は、プログラマブル論理制御器またはマイクロコントローラを備える、請求項24に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【請求項26】
前記構成要素をさらに備える、請求項24に記載のプログラマブルインタフェース回路。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年11月5日に出願された、「動的環境を監視および/または制御するための入力/出力方法および装置(Input/Output Methods and Apparatus for Monitoring and/or Controlling Dynamic Environments)」と題された米国特許仮出願第62/931,188号明細書に対する優先権の利益を主張し、当該出願は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
現代の自動化または半自動化された機械の一部(例えば、工場での組み立て、および/または検査ラインなどの産業環境における)は、数十~数百の構成要素を含むことがあり、それらの構成要素は1つまたは複数の遠隔装置により制御および/または監視されていることがある。例えば、異種の構成要素(センサ、作動装置、エンコーダ、モータ、電源、光源、撮像装置、画像処理プロセッサ、コンベヤ、制御装置、信号プロセッサ、信号発生器等)がありえて、データおよび/もしくは制御信号がそれらの構成要素へ送信される、ならびに/または、データおよび/もしくは制御信号がそれらの構成要素から受信されることがある。
【0003】
様々な種類の工場で使用される現代の製造機械は、多数の異なる業者から入手可能な数百のそのような異種の構成要素を備えうる。様々な構成要素の多様なエコシステムにより、現代の機械の設計者は、あらゆる独特な用途に対して特注の構成要素を発明する必要なしにほとんど無限の設計目標の一式を満足することができる、機械の多数の構成要素を組み立てることができる。多数の構成要素から構成されうる機械の例として、製造機械、自律走行車、最新型自動車、航空機、風力タービン、発電所が挙げられる。
【0004】
機械用の構成要素は、高い頻度で任意の一つのエンドユーザ用途で必要となるよりも大量に生産されて、その結果、構成要素の製造に関連する固定費と変動費は削減される。このビジネスモデルは、大量の構成要素が多くのエンドユーザへ販売される、および/または多くの異なるエンドユーザ用途で使用されるという予測に基づいている。大量生産の結果、機械用の多くの構成要素は特定のエンドユーザ用途とは無関係に設計される。そのため、そのような構成要素は典型的には特定の用途に対して最適化されない。設計段階で構成要素が最適化されないことで、比較的多数の構成要素が自動化/半自動化された機械で使用されうるが、構成要素の全機能または全能力が充分に活用されないことがある。さらに、1つまたは複数の含まれている構成要素の機能を適合させて自動化/半自動化された機械に対する特定の設計目標を実現するのに、1つまたは複数の適合する構成要素の追加が必要になることがある。要するに、特注ではない機械の構成要素の一般性によって、そのような構成要素を備える自動化/半自動化された機械にかなりの複雑さとコストが追加されうる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書には、自動化/半自動化された機械用のプログラマブル入力/出力インタフェース回路に関連する本発明の装置および方法が記載される。プログラマブルインタフェース回路の例は、例えば、自動化/半自動化された機械の動的環境の制御を支援するのに使用することができて、制御装置と、機械の制御対象である1つまたは複数の構成要素および/またはそこからのデータが受信されうる1つまたは複数の構成要素との間に設置されうる。そのような構成要素は、温度センサ、光センサ、風センサ、圧力センサ、速度センサ、近接検出装置、ひずみゲージ、X線検出器、放射線センサ、化学センサ、湿度センサ、炎検出装置、煙センサ又はほこりセンサ、光源、ライトカーテン、検流計、エンコーダ、モータ、電源、光源、撮像装置、画像処理プロセッサ、コンベヤ、制御装置、信号プロセッサ、信号発生器、ロボティクス装置等であるが、これらに限定されない、センサや作動装置を備える。一部の実装によれば、本実装のプログラマブルインタフェース回路は、異なる種類の信号伝達(例えば、異なる種類のデジタル/アナログ信号伝達方式)を使用する多種多様な構成要素と連動するように(機械を使用する前、またはリアルタイムで機械が動作中に)プログラムすることができる。一部の実装では、インタフェース回路は異なる種類の信号を同じ信号チャネルを通じて送受信することができる。異なる種類の信号を同じ信号チャネルを通じて送受信する能力により、インターコネクトケーブルをより少なくして、相互接続の複雑さを軽減し、制御装置の設置面積を小さくして、実装および動作のコストを削減して、動作の信頼性をより高くすることができる。
【0006】
要するに、様々な実装は、絶縁通信制御装置と機械の構成要素との間で信号を適応的に交換することのできるプログラマブルインタフェース回路を対象としている。一実装例では、プログラマブルインタフェース回路は、プログラミング電圧を絶縁通信制御装置から受信するための複数のインターコネクトと、プログラマブルインタフェース回路と構成要素との間で信号を伝送するための信号チャネルとを備える。また、プログラマブルインタフェース回路は、信号チャネルへ接続して第1信号を絶縁通信制御装置から受信するためのプログラマブルアナログI/O回路と、信号チャネルへ接続して第2信号を絶縁通信制御装置から受信するためのプログラマブルデジタルI/O回路と、信号チャネルを流れる電流量を検出するための電流検出回路も備える。プログラマブルインタフェース回路は、絶縁通信制御装置から受信した第1信号に基づく第1アナログ信号を信号チャネルへ提供するように、または絶縁通信制御装置から受信した第2信号に基づく第1デジタル信号を信号チャネルへ提供するように、動作中に第1のプログラミング電圧が複数のインターコネクトへ印加された場合に少なくとも第1のプログラミング電圧に基づいてプログラム可能である。
【0007】
一実装例では、プログラマブルインタフェース回路は、複数のインターコネクトと、プログラマブルインタフェース回路と構成要素との間で信号を伝送するための信号チャネルとを備える。また、プログラマブルインタフェース回路は、信号チャネルへ接続して第1信号を絶縁通信制御装置から受信するためのプログラマブルアナログI/O回路と、信号チャネルへ接続して第2信号を絶縁通信制御装置から受信するためのプログラマブルデジタルI/O回路も備える。プログラマブルインタフェース回路は、絶縁通信制御装置から受信した第1信号に基づく第1アナログ信号を信号チャネルへ提供するように、または絶縁通信制御装置から受信した第2信号に基づく第1デジタル信号を信号チャネルへ提供するように、動作中に第1のプログラミング電圧が複数のインターコネクトへ印加された場合に少なくとも第1のプログラミング電圧に基づいてプログラム可能である。
【0008】
一部の実装は、プログラマブルインタフェース回路を動作させる方法を対象とする。プログラマブルインタフェース回路を動作させる例示の方法は、絶縁通信制御装置から機械の構成要素へ送信する第1信号を受信するようにインタフェース回路をプログラムする第1プログラミング電圧を受信する動作を含むことができて、第1信号はアナログ信号とデジタル信号のいずれかでありうる。この例示の方法はさらに、第1信号を絶縁通信制御装置から受信する動作と、受信した第1信号に基づく第1出力信号をプログラマブルインタフェース回路の信号チャネルへ送信する動作を含むことができて、第1出力信号は受信した第1信号と同じ種類の信号である。また、この例示の方法は、インタフェース回路をプログラムする第2プログラミング電圧を受信して信号チャネルにおいて第2信号を構成要素から受信することであって、第2信号は第1信号とは異なる種類の信号である、受信することと、受信した第2信号に基づく第1入力信号を絶縁通信制御装置へ送信することも含むことができる。
【0009】
本教示の前述および他の態様、実装、ならびに特徴は、以下の説明を添付の図面と併用することでさらによく理解することができる。前述の態様、実装、および特徴と、以下でより詳細に論じられる追加の態様、実装および特徴(そのような態様、実装および特徴は互いに矛盾しないとして)のすべての組み合わせは、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると考えられることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる請求項に係る主題のすべての組み合わせは、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は主に例示を目的としており、本明細書に記載される本発明の主題の範囲の制限は意図していないことを当業者は理解するであろう。図面は必ずしも縮尺通りではなく、本明細書で開示される本発明の主題の様々な態様は、場合によっては、様々な特徴の理解を容易にするために図面において誇張されて示される、または拡大されて示されることがある。図面において、類似の参照文字は概して類似の特徴(例えば、機能的に類似の、および/または構造的に類似の要素)を指す。
【0011】
【
図1】機械の自動化のための従来の制御アーキテクチャおよび装置の一部分の例を表す。
【
図2A】
図1に示される従来の制御アーキテクチャで使用可能な配線用ハーネスの例を表す。
【
図2B】
図1に示される従来の制御アーキテクチャの計器用ラック内の配線の例を表す。
【
図3】本発明の一部の実装に係る、プログラマブルインタフェースモジュール315およびプログラマブルインタフェース回路440を含む機械の自動化のための制御アーキテクチャおよび装置の一部分の例を表す。
【
図4A】プログラマブルインタフェースモジュール、アナログデジタル変換器、デジタルアナログ変換器、および絶縁通信制御装置を含む、フレックスI/O制御装置のパッケージに対する相互接続の例を表す。
【
図4B】
図3に示されるプログラマブルインタフェースモジュールの例を表し、モジュールは多数のプログラマブルインタフェース回路を含むことができて、各プログラマブルインタフェース回路は本発明の一部の実装に係る、プログラマブルアナログI/O回路とプログラマブルデジタルI/O回路を含むことができる。
【
図5A】
図4Bに示されるプログラマブルインタフェースモジュールで使用可能な、本発明の一部の実装に係るプログラマブルアナログI/O回路の例を示す。
【
図5B】
図4Bに示されるプログラマブルインタフェースモジュールで使用可能な、本発明の一部の実装に係るプログラマブルデジタルI/O回路の例を示す。
【
図5C】
図4Bに示されるプログラマブルインタフェースモジュールで使用可能な、本発明の一部の実装に係るプログラマブル信号経路設定/絶縁回路の例を示す。
【
図5D】
図4Bに示されるプログラマブルインタフェースモジュールで電圧供給レベルをプログラムするのに使用できる、本発明の一部の実装に係るプログラマブルバイアス回路の例を示す。
【
図5E】
図4Bに示されるプログラマブルインタフェースモジュールで使用可能な、本発明の一部の実装に係るプログラマブルデジタルI/O回路の別の例を示す。
【
図6A】
図4Bに示されるプログラマブルインタフェースモジュールにおいてプログラム可能なアナログI/O信号伝達を実現するための、本発明の一部の実装に係る別の回路の例を示す。
【
図6B】
図4Bに示されるプログラマブルインタフェースモジュールにおいてプログラム可能なアナログI/O信号伝達を実現するための、本発明の一部の実装に係る別の回路の例を示す。
【
図7】機械の自動化/半自動化された制御のための、本発明の一部の実装に係る、方法に関連する動作を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下には、動的環境を監視および/または制御するための本発明の入力/出力方法および装置に関連する様々な概念、および、この方法および装置の実装の詳細な説明が続く。本明細書で論じられる様々な概念は多くの方法で実装されうることを理解されたい。特定の実装および用途の例は、本明細書では主に例示を目的として提供される。
【0013】
特に、図ならびに前述した実装例および以下の実装例は、本開示の範囲を本明細書で論じられる実装例に限定することは意図していない。記載される、または示される要素の少なくとも一部を交換することにより、他の実装は可能である。さらに、開示される実装例のうちの特定の要素が部分的に、または完全に、既知の構成要素を用いて例示可能である場合は、場合によっては、そのような既知の構成要素のうち本実装の理解に必要なそれらの部分のみが記載され、そのような既知の構成要素の他の部分の詳細な説明は、実装例の基礎となる際だった本発明の概念をわかりにくくしないように省略される。
【0014】
図1は、例えば製造施設で実現されうる、機械150の自動化のための従来の制御アーキテクチャおよび装置の一部分の簡略化された例を表す。
図1では、プログラマブル論理制御装置(PLC)105は、機械150の構成要素と最終的に通信するために、少なくとも1つの信号変圧器110-1と信号を送受信し得る。PLCを1台のみ図示しているが、そのようなPLCを複数台(例えば、一部の実装においては、PLCを数十~数百単位で)、製造施設内の様々な場所で配置され得ることを理解するべきである。場合によっては、各PLCは、複数の信号変圧器110-1、110-2、…と連結可能で、次に、1つまたは複数の配線用ハーネス115により、自動化/半自動化された機械150内の構成要素120、130、140と連結する。
【0015】
図1では、説明のために機械150が3つの例示の構成要素、すなわちセンサ120、ステッピングモータ130、および熱制御機器140(加熱器および/または冷却器)を含むとして示されている。実際の用途では、機械150(および製造施設内の他の機械)は、(一般的には、少なくとも1つまたは複数のセンサ120が典型的には機械150内に含まれるが)プログラマブル論理制御装置105へと連結されたより少ない、もしくはより多い種類の構成要素、および/または異なる種類の構成要素を有しうる。機械150の構成要素は、指令信号および/または検出された信号に応答して動的環境で動作する。1つの構成要素の動作は別の構成要素の動作、および/または1つまたは複数のセンサ120により検出された動的環境内の変化に依存しうる。
【0016】
図1に示すのと同様の実装では、プログラマブル論理制御装置105は、複数のインターコネクト108を介して、複数の信号変圧器110-1、110-2、…110-Nへ接続及びそれらと通信し得る。信号変圧器は、特定の種類の信号伝達を扱うように設計され得、各種類の信号伝達に対して、信号変圧器の設計を異なるようにし得る。例えば、アナログの第1種類の信号伝達に対して第1信号変圧器110-1とデジタルの第1種類の信号伝達に対して第2信号変圧器110-2が存在し得る。アナログの第1種類の信号伝達と異なるアナログの第2種類の信号伝達に対して第3の信号変圧器等があり得る。各信号変圧器は、記載の通り、電線および/またはケーブル113を配線用ハーネス115に直接接続するために使用され得る、複数のピン(例えば、入力/出力信号チャネル用の物理的な導電性インターコネクト)を有し得る。プログラマブル論理制御装置105、信号変圧器110および配線用ハーネス115は、
図2Aの写真で表示されるように見えることがある。典型的には、信号変圧器と機械150のそれぞれの構成要素へ接続される異なる数の電線および/またはケーブル113が存在しうる。
【0017】
図2Bは、写真ではほとんど見えない機材ラック210との接続時に起こりうる、配線の密集状態の例を示す。自動化された機械用にプログラマブル論理制御装置105、信号変圧器110、配線用ハーネス115、および他のインタフェース装置を設置するのに、機材ラックおよび/または電子機器用キャビネットがしばしば使用されうる。一部の自動化/半自動化された製造機械では、多数のプログラマブル論理制御装置の信号変圧器、配線用ハーネスを含む多数のラックおよび複雑なケーブル配線(例えば、気が遠くなるような量の相互接続用ケーブルや特注のケーブル用ハーネス一式)が必要となることがある。多数のプログラマブル論理制御装置の信号変圧器および配線用ハーネスが機材ラック210に設置される場合、ラックはケーブル配線で非常に混雑してしまうことがあり、点検が非常に難しくなる。最初の設置時の複雑さに加えて、そのような機材の問題解決や修理は、非常に複雑で時間と費用がかかる仕事になりうる。場合によっては、ラック、ケーブル配線、ハーネス、およびPLCは組み立てられて、いくつかの大きく高価な電気キャビネットに収容されて、
図2Aおよび
図2Bに示されるような装置となることがある。
【0018】
機械の自動化における課題には、自動化/半自動化された機械においていくつかの異種の構成要素を(しばしば、かなり高速の動作速度で)確実に接続、調整、および制御することが含まれうる。そのような課題の克服には、前述したように、機械に対してかなりの技術的時間と、複雑さと、コストが加わりうる。この課題は新しい機械の設計ではより困難になりうる。使用される用途によっては、電力標準および通信標準により、少なくとも部分的にシステムの複雑さの範囲が制約を受けることがある。それでも、数多くの電力標準および/または通信標準を整合させるという仕事は、多数の異種の機械構成要素の存在とそれらの構成要素それぞれの電力要件および通信/信号伝達要件と相まって、かなりの時間と労力とコストをかけざるをえないことがある。
【0019】
様々な工場環境における製造機械を含む自動化のためにシステムにおいて異種の構成要素を組み合わせる複雑さは結果としてできるシステムの信頼性も制限することがあり、より少ない稼働時間と、かなりの修理/保守コストにつながりうることを、出願者は認識し、理解した。そのような低下した信頼性は、いくつかの自動化された従来の異種構成要素から構成されるシステムを用いることにより、機械を動作させることの危険性が増す(例えば、修理に関連する休止時間およびコストのリスクが高まる)ことを意味しうる。
【0020】
自動化/半自動化された機械における構成要素の配置を考案し、それらの異種の構成要素を組み立て、それら構成要素すべてを適切に機能させるというプロセスには、かなりの人的資源が必要とされ、場合によっては、機械そのものの部品コストを上回る。そのような法外な経済状態は自動化/半自動化された機械において自動化を利用するのにかなりの制約であることも、出願者は認識し、理解した。前述の複雑さ、リスク、コストという要因の一部またはすべては、自動化が適用され得る(例えば、工場の自動化/半自動化された環境を超える)経済活動の様々な領域で機械の自動化に対する検討を制約しうる。そのような領域には、限定しないが、職場、家庭、自律走行車、最新型自動車、通信システム、流体を操作または処理するシステム、廃棄物処理施設、発電所、ガス配管網および/または電力網が含まれうる。
【0021】
機械の様々な構成要素の相互接続をさらに検討するなかで、出願者は、多数の工業用イーサネット標準が開発されて制御機械の構成要素(場合によっては「周辺機器」と呼ばれることがある)に効果的に配備されていることも認識し、理解した。一部の構成要素または周辺機器はそのような工業用イーサネット標準に従って制御されうるが、機械の他の構成要素は比較的簡易な制御インタフェースを必要とすることがあり、その例として、限定しないが、シングルエンド接続、二値の電圧ベースの差動接続および電流ベース差動接続、ならびにアナログ電流/電圧信号による信号伝達に対応する制御インタフェースが挙げられる。様々な理由で、これらの接続のすべてではないとしてもほとんどは、データと、場合によっては電力についても自由な流れを許しながらも、構成要素間での電気的絶縁を維持する必要がある。
【0022】
機械の自動化のための多数の異なる構成要素との配線および接続の潜在的な複雑さを考慮し、機械の自動化に関連する上記の課題のうち、プログラマブルインタフェース回路/モジュールを用いて軽減しうるいくつかについて、出願者は認識し、理解した。より安価でより信頼できる自動化/半自動化された機械を迅速に配備することの重要な部分には、少なくともいくつかの基本的システム構成要素の統合を改善することと、(例えば、給電および制御を複雑なケーブル配線を用いて集中型の大きな電気キャビネット内で行うこととは対照的に)ネットワーク化および分散制御を一層活用することと、適応的でプログラム可能な(適応性のある)インタフェース回路を入力/出力の信号伝達に利用することが含まれることを出願者は認識し、理解した。
【0023】
前述の記載内容を鑑みて、
図3は、システム構成要素の改善された統合およびネットワーク化と入力/出力の信号伝達用に適応的でプログラム可能な(適応性のある)インタフェース回路を実現する、自動化/半自動化された機械用の装置および制御アーキテクチャの一部分を表す。
図3では、システム制御装置301は、様々な制御およびプログラミング信号を提供し、機械350の1つまたは複数の構成要素から情報を受信する。一部の実装では、システム制御装置301は、1つまたは複数のシリアル通信チャネルを介して、有線またはワイヤレスリンク305により通信する。システム制御装置301として機能する制御装置の例は、PLC、パソコン、ラップトップコンピュータ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、分散型機械制御装置、またはそれらのいくつかの組み合わせを含むが、これらに限定されない。1つの例示的な実装では、システム制御装置301は、(米国)マサチューセッツ州・ケンブリッジのオプテオン社の製品であるマエストロ16を含み得る。マエストロ16の制御装置に関する現情報は、www.opteontech.com/seamless-systems/beyond-plcsにアクセスして入手可能である。マエストロ16が使用する発明の技術は、2016年10月4日に出願された、「動的環境を監視および/または制御するための方法、装置およびシステム(Methods、Apparatus、and Systems for Monitoring and/or Controlling Dynamic Environments)」と題された米国特許第9,459,607に記載があり、当該出願は参照によりその全体が本明細書に援用される。他の利点の中には、マエストロ16をシステム制御装置301に使用すると、機械の自動化用に小型で、費用対効果がよく、遅延が非常に小さい制御策が提供される。
【0024】
図3に示す通り、絶縁通信制御装置310は、有線またはワイヤレスリンク305により、システム制御装置301と信号の送受信が可能である。絶縁通信制御装置310は、リンク305と機械350に最終的に接続する工場配線との間で電気的絶縁(例えば、電圧と電流の絶縁)を提供可能である。一部の実装では、絶縁通信制御装置310は、以下でさらに記載する通り、時分割の直列化信号をシステム制御装置301から受信し、受信した信号を電気的に絶縁し、直列化した絶縁信号を、モジュール315の作動モードをプログラムするために、プログラマブルインタフェースモジュール315に印加される並列化したプログラミング電圧に変換可能である。さらに、絶縁通信制御装置310は、並列化したデータを1つまたは複数のプログラマブルインタフェースモジュール315から受信し、該データを直列化し、リンク305を介して、直列化したデータを、システム制御装置301に送信するために電気的に絶縁可能である。絶縁通信制御装置310は、直列信号を並列信号に、かつその逆に変換するために、信号マルチプレクサを使用し、電気的絶縁を実現するための光遮断器および/または他のオプトアイソレーション回路の構成要素を使用し得る。
【0025】
適応的なプログラマブルなインタフェース回路に関して、絶縁通信制御装置310は、異なる種類の信号伝達の制御信号を提供し、給電し、および/または異なる種類の信号伝達の入力信号を、自動化/半自動化された機械350内の多種多様の構成要素から受信するために、以下さらに記載の通り、プログラマブルなインタフェース回路440、580を含むプログラマブルインタフェースモジュール315へ接続可能である。プログラマブルインタフェースモジュール315およびその回路の有利な態様は、1つまたは複数の適応的信号チャネル(いわゆる「フレキシブル(適応性のある、flexible)I/O」チャネル)を含むことで、各信号チャネルは、異なる種類のアナログ信号およびデジタル信号を送信する、および/または受信するようにプログラムすることができる。絶縁通信制御装置310とプログラマブルインタフェースモジュール315の組み合わせは、本明細書では「フレックスI/O制御装置」450として言及され、異なる種類の信号伝達をそれぞれ使用する機械350内の1つまたは複数の構成要素との電気的絶縁および多様な信号伝達が可能である。フレックスI/O制御装置450の異なる実装では、プログラマブルインタフェースモジュール315は、絶縁通信制御装置310を備えた同じパッケージ内の回路として組み込まれ得、または絶縁通信制御装置に近接して設置可能な別個のモジュールとしてパッケージ化され得る。
【0026】
1つの態様において、フレックスI/O制御装置450により、システム制御装置301は、プログラマブルインタフェースモジュール315が接続され得る機械350のほとんどいかなる構成要素または装置との適合性を実現可能である。以下に記載される本発明の一部の実装によれば、同じ種類のケーブルおよびコネクタを各インタフェースモジュール315と構成要素またはインタフェースモジュールが接続されるブレイクアウトボックス318との間に使用可能である。
図2Aおよび
図2Bに示す従来のシステムの実装と比較すると、フレックスI/O制御装置450は、したがって、込み入った複雑な配線の配置、そのような配置に関連する様々な課題(破壊または他の破損への脆弱性および破壊および他の破損の解決にかなりの困難さを含む)をそれぞれ生じる多数の信号変圧器を要する問題に対して、素晴らしくロバストな解決策を提示する。
【0027】
図3に示す通り、プログラマブルインタフェースモジュール315は絶縁通信制御装置310と機械350の1つまたは複数の構成要素320、325、330、340との間に置くことができる。一部の実装によれば、プログラマブルインタフェースモジュール315は最大で16個の機械構成要素と連動するよう構成することができる。しかし、場合によっては、プログラマブルインタフェースモジュール315は任意の適切な数(例えば2個、4個、5個、6個、8個、9個、10個、12個、16個、20個、32個など)の構成要素と連動するよう構成することができる。例えば、
図4Bに関連して以下でより詳細に論じられるように、プログラマブルインタフェースモジュール315は、絶縁通信制御装置310と機械構成要素との間の接続に使用されるプログラマブルインタフェース回路440のN個のコピーを含みうる。場合によっては、プログラマブルインタフェースモジュール315は、絶縁通信制御装置310と機械構成要素との間の接続に使用される異なる実装のプログラマブルインタフェース回路580のM個のコピーをさらに含み得る。NおよびMの値は、一部の実装では、1~50の間の同じまたは異なる正の整数であり得る。
【0028】
また、機械の自動化のための装置はプログラマブルインタフェースモジュール315が接続されるブレイクアウトボックス318を含みうる。1つのプログラマブルインタフェースモジュール315は、追加のケーブル319を用いて、1つまたは複数のブレイクアウトボックス318へ接続することができる。一実装例によれば、インタフェースモジュール315からの各ケーブル319は、最大で4つの機械構成要素との適応性のあるI/O信号伝達に対応可能で、1つのブレイクアウトボックス318へ接続することができる。別のケーブル314がブレイクアウトボックス318から各構成要素320、330、および340へと延びることがある。
【0029】
プログラマブルインタフェースモジュール315は、1つまたは複数のケーブル319が接続される1つまたは複数の信号ポート317を含むことができる。信号ポート317は、異なる種類のアナログ信号および/またはデジタル信号、ならびに電力および基準電位を伝送するために、複数の導電性インターコネクトを備えうる。一実装例によれば、プログラマブルインタフェースモジュール315上には最大で4つ、またはより多くの信号ポート317が存在可能で、その結果、プログラマブルインタフェースモジュールは適応性のあるI/O信号チャネルを最大で16個までの機械構成要素へ提供することができるが、より少ない、またはより多い機械構成要素との信号伝達に対応するインタフェースモジュールおよび信号ポート317はありうる。
【0030】
一部の実装では、各信号ポート317と、各ケーブル319、314の終端に使用される対となる対応するコネクタに同じ種類のコネクタ(オスまたはメス)を使用することができる。一部の実装によれば、ケーブル319は各信号ポートおよび各プログラマブルインタフェースモジュール315に対してすべて同じ種類とすることができる。場合によっては、ケーブルは、プログラマブルインタフェースモジュール315の標準的なレセプタクル(例えば、RJ-45、M8またはM12のメスまたはオスのレセプタクル)へ差し込まれる標準的なイーサネットまたは工業用イーサネットコネクタ(例えば、RJ-45、M8またはM12のオスまたはメスのプラグ)を有する8線式もしくは12線式のイーサネットケーブル、または工業用イーサネットケーブル(例えば、CAT5系列またはCAT6系列のケーブル)とすることができる。したがって、本実装のプログラマブルインタフェースモジュール315を用いて(電線や配線用ハーネスなどの)多様な接続装置をかなり簡略化、削減、除去することができる。
【0031】
一部の実装ではイーサネットケーブル以外のケーブルおよびコネクタを用いる、あるいは異なる数の信号線を有するケーブルおよびコネクタを用いることがあることが理解されるであろう。場合によっては、プログラマブルインタフェースモジュール315と機械の1つまたは複数の構成要素および/または制御装置310との間で1つまたは複数のワイヤレスリンクが実現されることがある。さらに、またはあるいは、適応性のあるI/O信号伝達能力を有する単一のプログラマブルインタフェースモジュール315に対して、異なる種類のケーブルおよびコネクタが使用されることがある。
【0032】
一部の実装によれば、プログラマブルインタフェースモジュール315と絶縁通信制御装置310の間にデータ電力インターコネクト401が存在しうる。そのようなインターコネクトは、絶縁通信制御装置とプログラマブルインタフェースモジュールの両方を含むパッケージまたは筐体の中に含まれうる。あるいは、制御装置310とインタフェースモジュール315が別々にパッケージ化されている場合は、データ電力インターコネクトは1つ、2つ、またはより多くの多線式ケーブルおよびコネクタを用いて作成されうる。
【0033】
上述の通り、
図3に示し、本明細書記載の実装に係る、プログラマブルインタフェースモジュール315を含む、フレックスI/O制御装置450を使用すると、多様な別個の信号変圧器110、複雑な配線用ハーネス、多様なコネクタおよびケーブル、および従来の自動化/半自動化された機械アーキテクチャ内で典型的に必要な適合する構成要素を使用する必要性を相当程度削減またはその使用をなくすことができる。そのような使用削減の例は、
図3のアーキテクチャを
図1のアーキテクチャと比較することで想定することができる。以下でより詳細に記載されるように、自動化の複雑さは、異なる種類のアナログ信号およびデジタル信号を扱うためにチャネルの適応的な(「適応性のある(flexible)」)制御が可能であるように、絶縁通信制御装置の入力/出力チャネルの機能を本質的に強化することのできるプログラマブルインタフェースモジュール315により低減することができる。そのような入力/出力チャネルの適応性は、本明細書では「フレックスI/O」、「適応性のあるI/O信号伝達」、または「適応性のあるI/Oチャネル」と呼ばれることがある。
【0034】
そのようなフレックスI/O信号チャネルを備える多数の絶縁通信制御装置310とプログラマブルインタフェースモジュール315が絶縁通信制御装置のネットワークとして共に用いられて、機械の各構成要素の相互接続に関連する複雑さを顕著に小さくすると共に、小さな遅延で動作の信頼性を向上させながら製造用途または他の自動化された用途のための自動化/半自動化された機械を制御することができる。そのような自動化/半自動化された用途には、限定しないが、製造施設、職場、家庭、自律走行車、複数のプロセッサおよび電子制御モジュールを用いる最新型自動車、通信システム、流体を操作または処理するシステム、廃棄物処理施設、発電所、ガス配管網および/または電力網が含まれる。
【0035】
図4Aは、フレックスI/O制御装置450の例を表し、その中では絶縁通信制御装置310が少なくとも1つのプログラマブルインタフェースモジュール315と共にパッケージ化されている。図は、プログラマブルインタフェースモジュール315と絶縁通信制御装置310の間のいくつかのインターコネクト401の更なる詳細を示す。インターコネクト401は、各プログラマブルインタフェース回路440上の多数のインターコネクト401用の多数の電線(例えばリボンケーブル)を含みうる。一部の実装によれば、プログラマブルインタフェース回路440、580からのデジタル入力線(DIN)は、絶縁通信制御装置310へ直接接続することができる。場合によっては、アナログ入力(AIN)およびアナログ出力(AOUT)線がアナログデジタル変換器(ADC)480およびデジタルアナログ変換器(DAC)482にそれぞれ提供されることがあり、デジタル信号への、またはデジタル信号からの変換が、制御装置310との通信用に起こり得る。
【0036】
図4Bでは、プログラマブルインタフェースモジュール315の例が簡略化されたブロック図を用いて描かれている。プログラマブルインタフェースモジュール315は、プログラマブルインタフェースモジュール315の1つまたは複数の構成要素へ印加される供給電圧+V
DCの値をプログラムするのに使用することができるプログラマブルバイアス回路405を含みうる。一部の実装によれば、プログラマブルインタフェースモジュール315は、それぞれがプログラマブルアナログ入力/出力回路410およびプログラマブルデジタル入力/出力回路420を備える1つまたは複数のプログラマブルインタフェース回路440、580を備えうる。アナログI/O回路410およびデジタルI/O回路420は、少なくとも一部の導電性インターコネクト401を使用して、絶縁通信制御装置310から信号を受信する、および絶縁通信制御装置310へ信号を送信することができる。プログラマブルインタフェースモジュール315はさらにプログラマブル信号経路設定/絶縁回路430を含みうる。アナログI/O回路410およびデジタルI/O回路420により生成される出力信号は、一部の実装に係る信号経路設定/絶縁回路430を用いて信号ポート317にある1つまたは2つの出力導電性インターコネクト452、454(それぞれADIO、DIFFと名付けられている)へ向かわせることができる。場合によっては、信号経路設定/絶縁回路430は、出力インターコネクトのうちの一つ(例えば、インターコネクト452)がグランド電位または他の基準電位に対してシングルエンドの信号伝達を提供するように、プログラムすることができる。場合によっては、信号経路設定/絶縁回路430は、出力インターコネクトのうちの一つ(例えば、インターコネクト454)がグランドまたは一定の基準電圧もしくはグランドへの抵抗性経路を提供して、他の出力インターコネクト上でシングルエンド信号を提供しうるように、プログラムすることができる。一部の実装では、信号経路設定/絶縁回路430は、2つの出力インターコネクト452、454が互いに対して差動伝送方式を可能とするようにプログラムすることができる。
【0037】
一部の実装では、プログラマブルインタフェースモジュール315は単一バージョンのプログラマブルインタフェース回路440の多数のコピー(例えば、回路410、420、430のコピー)を含むことができて、各プログラマブルインタフェース回路は1つまたは複数の機械構成要素と通信することができる。一部の実装では、プログラマブルインタフェースモジュール315にはプログラマブルインタフェース回路440のコピーが少なくとも4つ存在することがあり、その結果、プログラマブルインタフェースモジュール315は8線式のケーブル319を用いて4つの機械構成要素と通信するための4つの信号チャネル(最大で8つの導電性インターコネクト452、545)を有する。それゆえ、インタフェースモジュール315へ接続するのに標準的な工業用M8またはM12ケーブル配線を使用することができる。ただし、本発明のプログラマブルインタフェースモジュール315は、インタフェース回路440の4つのコピーと標準的なM8またはM12ケーブル配線に限定されない。場合によっては、プログラマブルインタフェースモジュール315はプログラマブルインタフェース回路440のコピーを4つより少なく、または4つより多く有することがある。
【0038】
場合によっては、プログラマブルインタフェースモジュール315の中に2つ以上の異なるバージョンのプログラマブルインタフェース回路440、580のコピーが存在しうる。そのような実装の例が、
図5Eに関連して以下で説明される。
【0039】
例示のプログラマブルアナログI/O回路410の更なる詳細は
図5Aに示される。一部の実装では、プログラマブルアナログI/O回路410は、第1マルチプレクサ510と、第2マルチプレクサ515と、切り替え可能なアナログ出力ドライバ520と、電流センサ530と、切り替え可能な受信側信号ドライバ540とを備える。第1マルチプレクサ510、出力信号ドライバ520、および電流センサ530を接続して、信号を電圧レベルで符号化(例えば、電圧源として動作する)、または信号を電流レベルで符号化(例えば、電流源として動作する)して信号を出力するプログラマブルまたは切り替え可能な出力信号ドライバを形成することができる。したがって、プログラマブルアナログI/O回路410は、アナログ電圧由来の信号またはアナログ電流由来の信号のいずれかを出力できる。受信側信号ドライバ540は、シングルエンドアナログ信号または差動アナログ信号を受信するようプログラムすることができる。
【0040】
一部の実装では、第1マルチプレクサ510は多重化チップ512として具現化することができて、この多重化チップ512は2つの入力信号(IN1、IN2)のうちの一つを選択してその出力で提供するように(インターコネクトAMODEを介して)プログラムすることができる。そのようなチップの例はSN74LVC1G3157で、多重化動作用に構成された単極双投アナログスイッチであり、テキサス州ダラスのテキサス・インスツルメンツから入手できる。ただし、他の多重化回路も場合によっては用いることができる。例えば、汎用の電界効果トランジスタ(FET)を使用して、2つの信号のうちの一つを共通出力線上で制御可能に切り替えることができる。多重化チップ512が使用される場合、チップからの出力を例えば出力信号ドライバ520内のオペアンプ522の非反転端子へ接続することができる。多重化チップの(AMODEと名付けられた導電性インターコネクトへ接続されているのが示される)プログラム可能な「選択」入力を使用して、プログラマブルアナログI/O回路410のアナログ電圧モード(例えば、本質的に電圧由来の出力)またはアナログ電流モード(例えば、本質的に電流由来の出力)に対する動作をプログラムすることができる。電圧由来の出力または電流由来の出力を
図5Aの模式図内のインターコネクトP3に提供することができて、インターコネクトP3は第1出力インターコネクト452(ADIO)での電圧または電流を制御するためにインターコネクトP3を有する回路(
図5Cに示される)と連結することができる。一部の実装では、図面内の導電性インターコネクトは、プリント回路基板、電線、もしくはコネクタのピン、またはこれらの何らかの組み合わせの上で導電性配線またはパッドとして具現化することができる。
【0041】
第1マルチプレクサ510の多重化チップ512の第1入力IN1は、第1出力インターコネクト452(ADIO)を流れる電流レベルに比例する信号を伝送することができる。電流レベルは、電圧源または電流源+V
DCと第1出力インターコネクト452(回路実装において
図5Aおよび
図5CのインターコネクトP1)の間で接続される線上での電流の流れを検出するために配置される電流検出チップ532を有する電流センサ530により検出することができる。電流検出チップ532の例はLT6106電流検出チップであり、以前はカリフォルニア州ミルピタスのLinear Technologies Corporationにより販売されていたが、現在はマサチューセッツ州ノーウッドのアナログ・デバイセズ社から入手できる。ただし、他の電流検出回路(例えば、専用チップの代わりに汎用オペアンプを使用する検出回路)を使用することもできる。
図5Aで示される実装によれば、インターコネクトP1を介して第1出力インターコネクト452へ電力を供給する電源ラインに抵抗器R3が置かれている。抵抗器R3での電圧差を検出して、第1出力インターコネクト452を流れる(例えば、インターコネクト452へ吐き出される、またはインターコネクト452に吸い込まれる)電流に比例する信号を提供することができる。多重化チップ512の第2入力IN2は、プログラマブルインタフェース回路440の第1出力インターコネクト452(ADIO)での電圧レベルに比例する信号を伝送することができる。例えば、第2入力IN2は、インターコネクトP2を用いて第1出力インターコネクト452と連結することができる(例えば、1つまたは複数の抵抗器R14および受信側信号ドライバ540を介して接続される)。
【0042】
第1入力IN1または第2入力IN2から信号を選択することで、電流レベル検出または電圧レベル検出のいずれかをフィードバック回路経路においてアナログ出力信号ドライバ520内のオペアンプ522の非反転端子へ提供することができる。したがって、出力信号ドライバ520は、2つの異なるフィードバックループ間で切り替え可能である。電圧レベル検出が使用される(IN2入力が選択される)場合、プログラマブルインタフェース回路440のアナログI/O部分は電圧-電圧モードで動作することができる。そのような場合は、アンプ522からの出力電圧は、(例えば、AOUTと名付けられた導電性インターコネクトを介して)アンプの反転端子に提供される入力電圧に比例する。場合によっては、絶縁通信制御装置310はアナログ信号を直接AOUTへ供給することができる(例えば、絶縁通信制御装置は基板に実装されたDACを含みうる)。他の場合では、デジタルアナログ変換器(DAC)を絶縁通信制御装置310からのデジタル信号をAOUTへ提供されるアナログ信号へ変換するために、(絶縁通信制御装置と
図4Aに描かれたインタフェースモジュールの間で、またはインタフェースモジュール315のフロントエンドで)使用することができる。
【0043】
電流レベル検出が使用される(IN1入力が選択される)場合、プログラマブルインタフェース回路440のアナログI/O部分は電流出力モードで動作することができる。そのような構成では、アンプ522からの出力電流は、AOUTを介してアンプの反転端子に提供される入力電圧に比例する。入力電圧は絶縁通信制御装置310または前述したDACから受信可能である。
【0044】
プログラマブルインタフェース回路440の更なる特徴は、少なくとも第1出力インターコネクト452(インターコネクトP2を介してADIO)上でアナログ信号を受信することができて、受信したアナログ信号を、
図4Aに示されるように、(例えば、インターコネクトAINを介して)絶縁通信制御装置310へ、または対応するデジタル信号を制御装置310へ提供するアナログデジタル変換器(ADC)へ提供することができるということである。切り替え可能な受信側信号ドライバ540を使用して、シングルエンドアナログ信号に対して第1出力インターコネクト452(ADIO)へ供給される出力信号、または差動アナログ信号に対して両方の出力インターコネクト452、454(ADIOおよびDIFF)へ供給される出力信号を監視することができる。例えば、マルチプレクサチップ512を有する第2マルチプレクサ515を使用して入力IN1とIN2の間で切り替えを行うことができて、これにより受信側ドライバオペアンプ542の異なる構成が提供される。第1入力(IN1)がインターコネクト(ADIFSEL)へ印加される信号に基づいて選択される場合、オペアンプ542の反転端子は基準電位(例えばグランド)へ接続することができる。この構成では、オペアンプは第1出力インターコネクト(ADIO)へ接続されるインターコネクトP2を介して検出される信号に対してシングルエンド非反転アンプとして動作する。第2入力(IN2)が選択される場合、オペアンプの反転端子は第2出力インターコネクト454(DIFF)へ接続することができる。この構成では、オペアンプ542は出力インターコネクト(ADIOおよびDIFF)間に現れる差動アナログ信号に対して差動アンプとして機能する。場合によっては、第2マルチプレクサ512の選択ピン(ADIFSELと名付けられたインターコネクトへ接続されるのが示されている)は代わりに(
図5Bに示される)トランシーバ570の(RXENと名付けられた)インターコネクトへ接続することができて、余分なインターコネクトを回避することができる。
【0045】
切り替え可能な受信側信号ドライバ540のオペアンプ542からの出力を絶縁通信制御装置へ信号を提供するインターコネクト(AIN)へ(または、
図4Aに描かれる絶縁通信制御装置へ信号を提供するADCへ)提供することができる。アナログ信号を受信、または検出した場合、第1出力インターコネクト452は、プログラマブル信号経路設定/絶縁回路430に関連して以下でさらに詳細に記載されるように、出力信号ドライバ520のオペアンプ522の出力およびデジタルI/O回路420から絶縁することができる。
【0046】
プログラマブルデジタルI/O回路420の例が
図5Bに示されている。一部の実装によれば、デジタルI/O回路420は、調整可能な高レベル論理ドライバ550と、低レベル論理ドライバ560と、トランシーバ570とを含む。高レベル論理ドライバ550および低レベル論理ドライバ560は、第1出力インターコネクト452(ADIO)上でシングルエンド論理信号を提供するのに使用することができる。トランシーバ570は、第1出力インターコネクト452上でシングルエンド論理信号を、または第1出力インターコネクト452(ADIO)および第2出力インターコネクト454(DIFF)上で差動論理信号を提供するために使用することができて、シングルエンド論理信号および差動論理信号を受信するのにも使用することができる。
【0047】
アナログおよびデジタルI/O回路の汎用性により、プログラマブルインタフェース回路315は、一部の実装では、標準化されたネットワーク通信をサポート可能である。例えば、1つまたは複数のデジタル信号チャネルは、標準的な信号プロトコルにしたがって、RS485通信をサポートするようにプログラム可能である。より具体的な例として、デジタルI/O回路420は、2線式RS-485ネットワーキングチャネル用に2つのインターコネクト452、454を使用して、直線バス技術をサポートするようにプログラム可能である。あるいは、2つのデジタルI/O回路420は、4線式の全二重RS-485ネットワーキングチャネルをサポートするようにプログラム可能である。プログラマブルインタフェースモジュールでサポートされ得る他のネットワーキングプロトコルは、ProfibusやCANバスを含むが、これらに限定されない。
【0048】
一部の実装によれば、調整可能な高レベル論理ドライバ550にはカレントミラー552およびリレードライバ554を実装することができる。カレントミラーおよびリレードライバは、任意の適切な電圧+V
DCを第1出力インターコネクト452上で切り替える(
図5Cに示される)トランジスタ584を(インターコネクトP4を介して)駆動することができる。このようにして、カレントミラー552およびリレードライバ554は、(例えば、DOUTPと名付けられた導電性インターコネクトにおいて)絶縁通信制御装置310から受信した高論理値を機械350の構成要素が高論理レベルであると解釈するのに適切な任意の電圧レベル+V
DCへ変換することができる。その構成要素は第1出力インターコネクト452へ接続することができる。一部の実装によれば、電圧値+V
DCは、
図5Dに関連して以下に記載されるように、ユーザプログラム可能とすることができる。高レベル論理ドライバ550に対する他の実装も可能である。場合によっては、絶縁通信制御装置310からの出力はトランジスタ584を直接駆動するのに充分である可能性があり、カレントミラー552およびリレードライバ554は必要ではない可能性がある。一部の実装では、カレントミラーおよびリレードライバは、アンプ、ラインドライバ、バッファ、またはそれらの何らかの組み合わせで置き換えることができる。
【0049】
低レベル論理ドライバ560には、一部の実装によれば、一部でトランジスタ562が実装されることがある。トランジスタは、絶縁通信制御装置310から(例えば、導電性インターコネクトDOUTNを介して)受信した信号に応答してグランド電位などの低レベル基準電圧を(インターコネクトP2を介して)第1出力インターコネクト452上で切り替えるように構成することができる。場合によっては、抵抗器R17および第2トランジスタT8を、第1出力インターコネクト452へ接続された構成要素により低論理レベルと解釈されるであろう電圧に対して安全なプルダウン電流を規定するためにトランジスタ562と組み合わせて使用することができる。場合によっては、低レベル論理ドライバ560を絶縁通信制御装置からの論理信号を反転させるために使用することができる。例えば、トランジスタ562は正電圧でオンにされるn-FETとすることができて、トランジスタ582、584(
図5C)をオン状態にすることができる。そのような構成では、トランジスタ562を駆動する論理信号は第1出力インターコネクト452で反転される。トランジスタ562がオフ状態にされている場合、トランジスタ562は低レベル論理ドライバ560の回路を第1出力インターコネクト452から効果的に絶縁することができる。
【0050】
トランシーバ570には、一部の実装では、トランシーバチップ572を実装することができる。トランシーバチップの例は、LTC2876トランシーバチップであり、以前はカリフォルニア州ミルピタスのLinear Technologies Corporationにより販売されていたが、現在はマサチューセッツ州ノーウッドのアナログ・デバイセズ社から入手できる。
そのようなトランシーバチップは、2つの出力インターコネクト(TR1、TR2)上でユーザが選択可能なシングルエンドまたは差動のデジタル送受信を提供することができる。場合によっては、トランシーバチップ572を5ボルトの論理レベルまたは3ボルトの論理レベルのデジタル信号を送受信するのに使用することもできる。論理信号レベルは、例えばトランシーバのVCC供給ピンへ印加される電圧レベルにより設定することができる。トランシーバ570は、絶縁通信制御装置310へ接続することのできる(TXEN、RXENと名付けられた)プログラマブル入力インターコネクトを有することができて、TXENはトランシーバがデジタル信号を送信、RXENはトランシーバがデジタル信号を受信するようにプログラムするのに使用することができる。トランシーバ570はさらに、絶縁通信制御装置310へ接続することのできる(DIN、DOUTと名付けられた)デジタルデータインターコネクトをさらに含みうる。デジタルデータインターコネクトDINは、機械350の構成要素から受信したデジタルデータを絶縁通信制御装置310へ送信するのに使用することができる。デジタルデータインターコネクトDOUTは、絶縁通信制御装置310から受信したデジタルデータを機械350の構成要素へ送信するのに使用することができる。専用トランシーバチップ572が一部の実装に使用されることがあるが、別の実装では、トランシーバ570は(パッケージ化されたトランジスタ、抵抗器などの)より基本的な回路部品から作ることができる。
【0051】
デジタルI/O回路420は、一部の実装によれば、(インターコネクトP2を介して)第1出力インターコネクト452と基準電圧(図示の例ではグランド)の間で接続するシャントスイッチ(例えば、トランジスタ586)を含みうる。場合によっては、低インピーダンス抵抗器R4はトランジスタ586の電流を伝送する端子と直列で含まれうる。このトランジスタは、第1出力インターコネクト上で低論理レベル値を提供するのに使用することができる。
また、このトランジスタは、(例えば、センサからアナログ信号を受信した場合に)第1出力インターコネクト452から受信した電流に対して低インピーダンスのシンクを提供するのに使用することができる。例えば、抵抗器R4の値は10オーム~500オームの間の任意の値とすることができる。低インピーダンス経路は電流検出動作または電流により符号化される通信動作、および差動アナログ電圧の測定で有用となりうる。
【0052】
一部の実装では、デジタルI/O回路420はさらに、第2出力インターコネクト454(DIFF)と基準電圧(例えば、グランド)の間で接続される第2シャントスイッチ(例えば、図示されていないトランジスタ)をさらに含みうる。この第2シャントスイッチは、例えばシングルエンドの送信または受信で第2出力インターコネクト454上で基準電圧を提供するのに使用することができる。デジタルI/O回路420は、アナログI/O回路410の対応するインターコネクトと接続するインターコネクトP2、P4、P5を含むことができる。
【0053】
図5Cは、プログラマブルインタフェース回路440に実装することのできるプログラマブル信号経路設定/絶縁回路430の例を示す。一部の実装によれば、経路設定/絶縁回路は、アナログ信号またはデジタル信号を第1出力インターコネクト452(ADIO)上で切り替える、および/またはアナログ/デジタル回路を第1出力インターコネクト452から絶縁するよう構成される複数のトランジスタを備える。例えば、第1トランジスタ582は、アナログ信号がアナログI/O回路410に入力された(例えば、インターコネクトAOUTにおいて絶縁通信制御装置310から受信されて、
図5Aのアナログ信号ドライバ520によりインターコネクトP3へ出力される)場合、第1出力インターコネクト452上のアナログ信号を駆動するアンプとして構成することができる。第1トランジスタ582は、ペンシルベニア州マルバーンのビシェイ・インターテクノロジー社から入手できるSiliconix Si3459BDVパワーMOSFETなどのパワーFETとすることができる。デジタル信号が第1出力インターコネクト452へ提供される場合、第1トランジスタ582はオン状態にすることができて、その結果、電圧を経路設定/絶縁回路430の第2トランジスタ584へ提供することができる。
【0054】
第2トランジスタ584(やはりパワートランジスタとすることができて、第1トランジスタ582と同じモデルでもよい)は、第1出力インターコネクト452上で論理信号を駆動するのに使用することができる。例えば、高レベル論理ドライバ550の入力へ印加される(例えば、
図5BのインターコネクトDOUTPにおいて提供される)論理信号は、電圧で変換して、第2トランジスタ584により第1出力インターコネクト452上で切り替えることができる。
【0055】
信号伝達がアナログI/O回路410でも高レベル論理ドライバ550でも提供されない場合、第1トランジスタ582および第2トランジスタ584はオン状態にされて、高電圧レベル+VDCを第1出力インターコネクト452へ供給することができる。この構成では、一部の実装によれば、デジタル信号インターコネクトDOUTNおよび低レベル論理ドライバ560は第1出力インターコネクト452上の反転した論理信号を駆動するために使用することができる。
【0056】
プログラマブル信号経路設定/絶縁回路430のトランジスタおよび低レベル論理ドライバ560のトランジスタ562は、場合によっては、絶縁スイッチと考えることができる。例えば、これらのトランジスタのうちの関連する方がオフ状態にある場合、そのトランジスタは第1出力インターコネクトをアナログ回路、デジタル回路、および/またはアナログ回路とデジタル回路に関連する電圧レベルから絶縁することができる。これらのトランジスタを使用することで、一部の実装によれば、異なる種類のデジタル信号およびアナログ信号の適応性のあるI/O信号伝達(送信および受信)が1つまたは2つの出力インターコネクト452(ADIO)、454(DIFF)を有する同じ信号チャネルを通じて可能となる。
【0057】
前述したように、プログラマブルインタフェース回路440で使用可能な(正電圧および負電圧の振幅を提供する回路用に+V
DCや-V
DCなどの)電圧源は、一部の実装によれば、ユーザプログラム可能とすることができる。
図5Dは、前述した回路部分のうちの任意の1つまたはそれらの組み合わせに対する供給電圧をプログラムするためのプログラマブルバイアス回路405の例を示す。一部の実装によれば、プログラマブルバイアス回路405は、バイアス電圧+V
DCを提供する出力バイアス端子598へ接続可能である、第1バイアス電圧(図示の例で+24V)を受信するよう構成されている第1端子591および第2バイアス電圧(図示の例で+5V)を受信するように構成されている第2端子592を含むことができる。他の実装に対しては他のバイアス値を使用可能である。第1トランジスタ593は、より高いバイアス値を有する第1端子を出力バイアス端子598へ接続するのに使用可能である。ツェナーダイオードD8は、より高いバイアス電源が出力端子へ接続された場合に、より低いバイアス電源を出力バイアス端子から効果的に絶縁するのに使用可能である。場合によっては、第2トランジスタ595は第1トランジスタ593をオンまたはオフにするのに使用可能である(例えば、第1トランジスタで必要とされるゲート電圧が絶縁通信制御装置の論理ドライバにより提供されるゲート電圧より高い場合)。バイアス値は、(VDSELと名付けられた)論理入力を設定またはクリアすることで選択可能である。単一のプログラマブル論理入力により選択可能な2つのバイアス値のみが示されているが、例えばより多くのトランジスタ、バイアス入力端子、およびプログラマブル論理入力を追加することで、追加のバイアス値を加えて選択することができる。
【0058】
プログラマブルインタフェースモジュール315およびそのインタフェース回路440を動作させるのに使用可能ないくつかの例示の電圧バイアス値には、限定しないが、24V DC、5V DC、および3.3V DCが含まれる。一部の実装では、プログラマブルインタフェースモジュール315は、バイアス電圧を内部的に、絶縁通信制御装置から独立して生成するために、電源回路および/または構成要素を含みうる。そのような実装では、プログラマブルインタフェースモジュール315は、機械の局所にあるインターコネクトケーブル319、314の電線を介してインタフェースモジュールへ接続された構成要素のグランド基準を局所的に共有して、機械のより大部分の範囲で発生しうるグランドの相違を回避することができる。場合によっては、プログラマブルインタフェースモジュール315は、やはり、またはあるいは、機械の局所にあるインターコネクトケーブル上の1つまたは複数の電線を介してインタフェースモジュールへ接続された構成要素と1つまたは複数のバイアス電源を局所的に共有可能である。
【0059】
ふたたび
図4Bを参照すると、プログラマブルアナログI/O回路410、プログラマブルデジタルI/O回路420、プログラマブル信号経路設定/絶縁回路430についての上記の説明から、インターコネクト401上での様々な設定により、インタフェース回路440を異なる種類のアナログ信号伝達およびデジタル信号伝達を扱うように構成する、またはプログラムすることができることが理解されるであろう。いくつかの例示の設定が次に記載される。記載される設定は、インタフェース回路440内の絶縁スイッチを実現するのに使用されるトランジスタの種類および/または数に依存することを当業者は理解するであろう。それゆえ、異なる種類および/または異なる数のトランジスタが絶縁スイッチを実現するのに使用される場合、設定は異なりうる。
【0060】
機械350の構成要素へのアナログ信号の送信では、第2トランジスタ584はアナログ信号が第1出力インターコネクト452へ通過するのを可能とするオン(すなわち、導通)状態にすることができて(例えば、DOUTPが論理的に高い値に設定される)、シャントトランジスタ586は基準電位(示される実装ではグランド)を第1出力インターコネクト452から絶縁するオフ(すなわち、非導通)状態にすることができて(インターコネクトCURSINKが論理的に低い値へクリアされる)、低レベル論理ドライバ560のトランジスタ562は低レベル論理ドライバの回路を第1出力インターコネクト452から絶縁するオフ状態にすることができる(DOUTNが論理的に低い値へクリアされる)。アナログ信号の送信は、前述した(インターコネクトAMODE上でなされる)モード選択に従って、電流モードまたは電圧モードとしうるのが理解されるであろう。さらに、アナログデータは、絶縁通信制御装置310によってそのような信号をインターコネクトAOUTへ印加することで時間的に変化する信号として、静的な直流値として、または直流値に重畳された時間的に変化する信号(例えば、直流電流に重畳されたシリアルデータ)として、送信することができる。
【0061】
アナログ信号の受信では、高レベル論理ドライバ550の回路、アンプ520、電流センサ530、および供給+VDCを第1出力インターコネクト452から絶縁するために少なくとも第2トランジスタ584をオフ状態にすることができる(DOUTPが低論理値へクリアされる)。場合によっては、第1トランジスタ582もオフ状態にすることができる(AOUTが低電圧レベルまたはゼロ電圧レベルへクリアされる)。低レベル論理ドライバ560のトランジスタ562は、アナログ信号の受信ではオフ状態にすることができる。場合によっては、シャントトランジスタ586は、受信した電流に基づくアナログ信号の受信でアナログ電流を吸い込むために、オン状態にすることができる(CURSINKが論理的に高い値へ設定される)。あるいは、第3トランジスタ586は、受信した電圧に基づくアナログ信号の受信でオフ状態にすることができる(CURSINKが論理的に低い値へ設定される)。さらに、アナログデータは、時間的に変化する信号として、一時的に静的な値として、または一時的に静的な値に重畳された時間的に変化する信号として受信することができる。一時的に静的な値は、1マイクロ秒~10秒の期間にわたって値の変化がないことがある。
【0062】
時間的に変化する信号が一時的に静的な値に重畳される場合、アナログ信号を受信するために絶縁通信制御装置により適切なデジタルフィルタ処理をすることで、直流電流または直流電圧に重畳されたシリアルデジタル情報も読み出しながら直流電流情報または直流電圧情報を読み出せるようにすることができる。シリアルデジタル情報は、一部の実装によれば、4mA~20mAの範囲の直流電流の±1mAの変調として、信号の送信および/または受信で重畳されうる。300ボー~230.4キロボーのボーレートおよびより高いレートで重畳されたデータは、一部の実装によれば、絶縁通信制御装置または機械の構成要素により受信して復号化することができる。
【0063】
LTC2876トランシーバチップなどのトランシーバチップ572がトランシーバ570で使用される場合、アナログ信号を送信および受信する間はその出力を高インピーダンス状態にするのが望ましいことがある。これは、LTC2876トランシーバチップではチップの受信側イネーブルピン(示される実装ではインターコネクトRXENへ接続される)を高論理レベルとして、チップの送信側イネーブルピン(図ではインターコネクトTXENへ接続される)を低論理レベルにすることで行うことができる。異なるトランシーバチップまたはトランシーバ構成では他の設定が必要になることがある。
【0064】
トランシーバ570を介した差動信号の送信および受信では、高レベル論理ドライバ550の回路、アンプ520、電流センサ530、および供給+VDCを第1出力インターコネクト452(ADIO)から絶縁するために少なくとも第2トランジスタ584をオフ状態にすることができる(DOUTPが論理的に低い値へクリアされる)。場合によっては、第1トランジスタ582もオフ状態にすることができる(AOUTが低電圧レベルまたはゼロ電圧レベルへクリアされる)。低レベル論理ドライバ560のトランジスタ562も、差動信号の送信ではオフ状態にすることができる(DOUTNが低論理値へクリアされる)。シャントトランジスタ586も、基準電位(この例ではグランド)を差動信号線(ADIOおよびDIFF)から絶縁するためにオフ状態にすることができる(CURSINKが論理的に低い値へクリアされる)。
【0065】
差動デジタル信号伝達での送信モードおよび受信モードは、トランシーバチップ572のピンの値を設定することで確立される。例えば、LTC2876トランシーバチップがトランシーバ内で使用される場合、その受信側イネーブルピン(RXENへ接続される)を論理的に低い値へクリアして、その送信側イネーブルピン(TXENへ接続される)を論理的に低い値へクリアすることで、トランシーバは第1出力インターコネクト452(ADIO)および第2出力インターコネクト454(DIFF)上で差動デジタル信号を受信して、対応するデジタル信号をチップのデジタル出力(インターコネクトDINへ接続される)において絶縁通信制御装置310へ提供するよう設定される。逆に、トランシーバチップの受信側イネーブルピンを論理的に高い値に設定して、送信側イネーブルピンを論理的に高い値に設定することで、トランシーバはチップのデジタル入力(インターコネクトDOUTへ接続される)で絶縁通信制御装置310から受信したデジタル信号を差動デジタル信号として第1出力インターコネクト452(ADIO)および第2出力インターコネクト454(DIFF)へ接続される構成要素へ送信するよう設定される。異なるトランシーバ構成では他の設定が必要になることがある。
【0066】
シングルエンドデジタル受信は、一部の実装によれば、トランシーバ570を用いて行うことができる。例えば、LTC2876トランシーバチップがトランシーバ内で使用される場合、その受信側イネーブルピン(RXENへ接続される)を論理的に低い値へクリアして、その送信側イネーブルピン(TXENへ接続される)を論理的に低い値へクリアすることで、トランシーバは第1出力インターコネクト452(ADIO)上でシングルエンドデジタル信号を受信するよう設定される。また、第2トランジスタ584、第3トランジスタ586、および任意選択で第1トランジスタ582も、それぞれの回路を絶縁するためにクリアされうる。この構成では、論理的に高い値は、第1出力インターコネクト452(ADIO)上の電圧レベルが(示される実装では、分圧器567のために第2出力インターコネクト454上の)+VDCの値の半分より大きい場合にトランシーバの出力(DINへ接続される)に現れる。論理的に低い値は、第1出力インターコネクト452(ADIO)上の電圧レベルが+VDCの値の半分より小さい場合にトランシーバの出力(DINへ接続される)に現れる。ある送信機からシングルエンドデジタル信号を受信する際に電流プルアップが必要な場合、第1トランジスタ582および第2トランジスタはオン状態へ設定されることがある。ある送信機からシングルエンドデジタル信号を受信する際に電流プルダウンが必要な場合、低レベルデジタルドライバ560のトランジスタ562はオン状態へ設定されることがある。
【0067】
シングルエンドデジタル送信は、前述したように高レベル論理ドライバ550および/または低レベル論理ドライバ560を用いて行うことができる。シングルエンドデジタル送信を可能にするインターコネクトの設定は、当業者には前述の説明から明らかであろう。シングルエンドデジタル送信を行う場合、トランシーバ570の出力は、前述したように高インピーダンス状態にすることができる。+VDCに対する電圧レベルを選択することで、シングルエンドデジタル送信をユーザがプログラムした論理的に高い電圧レベルで行うことができる。
【0068】
必要に応じて、絶縁通信制御装置310とプログラマブルインタフェースモジュール315の間のインターコネクト401のうちの1つまたは複数を絶縁通信制御装置の出力および/または他の部分からある程度電気的に絶縁することができる。例えば、(例えば、不要な直流電圧または直流電流から絶縁するため、および/または信号のクロストークを防ぐために)光電子工学的絶縁、容量性絶縁、もしくは誘導性絶縁、またはこれらの何らかの組み合わせを使用して、ある程度の電気的絶縁を提供することができる。
【0069】
一部の実装では、デジタルI/O回路の2つの変形をインタフェースモジュール315で使用することができる。
図5Eは、
図5Bに示されるデジタルI/O回路の変形を表す。
図5EのデジタルI/O回路580は高レベル論理ドライバ550および低レベル論理ドライバ560を含むが、トランシーバチップ572は含まない。代わりに、デジタルI/O回路580は一対のツェナーダイオードD20、D21を使用して、受信した電圧を約3ボルトに保つ。一対のダイオードは、構成要素の送信機により出力された非常に広範囲の信号電圧から受信したシングルエンドデジタル信号を絶縁通信制御装置310に対して適切なデジタル入力信号レベルへ変換するロバストな手段を提供する。
示される例では、受信したシングルエンドデジタル信号はおよそ3ボルトへ下げることができる。ツェナーダイオードの対に異なる供給電圧を与えることで、受信したシングルエンドデジタル信号を他のデジタル電圧値(例えば、5ボルト、1.8ボルト、1.5ボルトなど)へ下げることができる。
【0070】
図5EのデジタルI/O回路580は、(例えば、差動デジタル信号伝達が必要ない場合に)シングルエンドデジタル送信・受信で使用されうる。デジタルI/O回路580は、プログラマブルインタフェースモジュール315の何らかのインタフェース回路440内の前述したアナログI/O回路410と共に使用することができる。
【0071】
一部の実装では、別の回路をプログラマブルインタフェースモジュール315の一部に対して使用することができる。そのような別の回路は、2019年11月5日に出願された「動的環境を監視および/または制御するための入力/出力方法および装置」と題された米国特許仮出願第62/931,188号明細書でその明細書の中の
図4A、
図4B、および
図5に関連して記載されている。
図5Aのアナログ回路の代わりに、アナログI/O信号伝達を実現する別の回路の例が
図6Aおよび
図6Bに示されている。
【0072】
図6Aは、絶縁通信制御装置310と構成要素320、325、330、340の間でアナログ信号を送受信するのに使用可能な、一部の実装に係る別のプログラマブルアナログI/O回路610の例を示す。アナログI/O回路610は、電圧電流変換器642と(少なくとも部分的にトランジスタを用いて実現されうる)複数のスイッチ652、654、656、658を備えうる。一部の実装では、アナログI/O回路610は、アナログデジタル変換器480とデジタルアナログ変換器482の一方または両方と組み合わせられ得る。絶縁通信制御装置310がアナログ信号を出力および受信することができる場合、アナログデジタル変換器480およびデジタルアナログ変換器482は使用されないことがある。一部の実装によれば、アナログI/O回路610は、2つの出力インターコネクト652、654(AN1、AN2)上に各ライン(例えば、図示の例では24Vと5V)上に現れる電圧量を制限することのできるツェナーダイオード電圧リミッタを含みうる。アナログI/O回路610はさらに、フィルタ処理、電圧調整、電流調整、および/または電流制限のために抵抗器およびコンデンサを含みうる。
【0073】
図6Aに係る回路がプログラマブルインタフェース回路440内で使用される場合、この回路は
図5AのプログラマブルアナログI/O回路410を置き変えうる。例えば、第1マルチプレクサ510、第2マルチプレクサ515、アナログ出力信号ドライバ520、および電流センサ530を取り除いて
図6Aの回路で置き換えることができる。受信側信号ドライバ540を取り除く、または非切替式の電圧フォロワまたはアンプへと変更することができる。さらに、プログラマブル信号経路設定/絶縁回路430の第1トランジスタ582を取り除くことができる。電流制限抵抗器を第2トランジスタ584と電圧源+V
DCの間に保持することができる。
図6AのプログラマブルI/O回路610は、
図5BのプログラマブルデジタルI/O回路420と共に動作することができる。例えば、別のプログラマブルアナログI/O回路610の第1出力インターコネクト632(P2)はプログラマブルインタフェース回路440の第1出力インターコネクト452(ADIO)へ接続することができて、プログラマブルアナログI/O回路610の第2出力インターコネクト634(DIFF)はプログラマブルインタフェース回路440の第2出力インターコネクト454(DIFF)へ接続することができる。
【0074】
さらに詳細には、電圧電流変換器642はアナログ電圧信号を受信して、アナログ電圧信号に比例し、アナログ電圧信号を代表する電流値を有するアナログ電流信号を出力することができる。電流変換器642は、機械の構成要素を用いてカレントループ内の信号を駆動して、場合によっては4mA~20Aの電流レベルを、またはほぼそれらの値の間の電流レベルを出力することができる。一部の実装では、電流変換器642は、信号伝達に対して0.2ミリアンペア(mA)~25mAの電流レベルを、またはほぼそれらの値の間の電流レベルを出力することができる。電流変換器の例は、テキサス州ダラスのテキサス・インスツルメンツから入手できる、XTR117カレントループ送信機である。電流変換器642は、電圧電流変換器642を出力から、およびオフ状態にされている(すなわち、開回路または高インピーダンス状態)デジタルI/O回路610から絶縁することができる、あるいは電圧電流変換器642が絶縁通信制御装置310からのアナログ信号を受信してアナログ電流信号を第1出力インターコネクト632(P2)へ出力することができるようにするスイッチ652、654と共に配置することができる。
【0075】
一部の実装によれば、第1スイッチ652は双投スイッチとすることができる。第1位置(インターコネクトAMODE上の信号により設定またはクリアされる)では、第1スイッチ652はアナログ信号へ変換される絶縁通信制御装置からのデジタル出力(DAOUT)を伝送するインターコネクトを電圧電流変換器642の入力へ接続することができる。第2位置では、第1スイッチ652は、P2を介して受信した信号を機械350の構成要素へ送信するため、第1出力インターコネクト632(P2)を電圧電流変換器642の入力へ接続することができる。
【0076】
第3スイッチ656は、例えば構成要素からアナログ信号を受信した場合にグランドへの(抵抗器R30を介した低インピーダンス経路などの)電流路を提供するために、または、アナログ信号を構成要素へ送信する場合に基準電圧(例えばグランド)を提供するために使用することができる。第3スイッチは、例えば、インターコネクト(GNDENと名付けられた)に保持されたプログラミング電圧により、プログラム可能である。また、第4スイッチ658もアナログ信号を構成要素から受信した場合にグランドへの電流路を提供するために使用することができる。プログラミング電圧は、プログラミング電圧信号、プログラミング電流信号、またはプログラミング光信号としてではあるが、これらに限定されないものとして、提供され得る。
【0077】
4つのスイッチ652、654、656、658の様々な種類のアナログ信号の送信および受信に対する設定は、デジタルおよびアナログ電子機器の分野の当業者には前述の説明から明らかであろう。デジタル信号の送信および受信では、第1スイッチ652、第2スイッチ654、および第4スイッチ658はオフ(開回路または高インピーダンス)状態にされることがある。差動デジタル送受信では、第3スイッチ656はオフ状態にされることがある。シングルエンドデジタル送受信およびシングルエンドアナログ送信では、第3スイッチ656はオン(短絡、または低インピーダンス)状態にされることがある。4つのスイッチ652、654、656、658は、スイッチへ接続されたインターコネクト(それぞれ、AMODE、AOUTEN、GNDEN、およびREFENと名付けられた)に保持されたプログラミング電圧によりプログラム可能である。
【0078】
図6BはプログラマブルアナログI/O回路612の別の取りうる実装を表す。
図6Bの実装は、受信側信号ドライバ541が切り替え可能ではないことを除き、
図5Aの実装と似ている。その代わりに、受信側信号ドライバ541はフォロワとして構成されているオペアンプ542を有する。受信側信号ドライバ540、541内のオペアンプ542は、幅広い出力インピーダンスから信号を調整することができる。
図6Bの実装では、マルチプレクサ512の第2入力は抵抗性経路(R14)を介して出力インターコネクトP2へ接続し、T1が導通する場合に電流にグランドへの経路を提供可能なシャント抵抗性分岐R16およびT1)へ接続する。
図6Bの回路は
図5Aの回路よりチップが一つ少なく、差動アナログ信号の受信が必要ない場合に使用されうる。
【0079】
上記の回路は主に正電力を供給するために記載されているが(例えば正電位をグランドへ)、回路は、負電圧で動作させる、または正電圧および負電圧の範囲内で動作するよう、上記説明から電子機器の当業者は容易に構成することができる。情報の信号伝達の大部分は多くの用途で正電位を含むが、(例えば、センサからの)何らかのアナログ信号は負電圧を含みうる。そのような場合、信号のレベルシフトが用いられることがあり、(例えば、アナログ出力信号ドライバ520および/または受信側信号ドライバ540へ給電するために)負電位電源がアナログI/O回路へ追加されることがあり、その結果、正電圧値から負電圧値までの信号を送受信することができる。そのような場合、プログラマブル信号経路設定/絶縁回路430は正電圧変動および負電圧変動を扱うよう変更されることがある。
【0080】
上記のプログラマブルインタフェース回路440から構成されるプログラマブルインタフェースモジュール315は、一部の実装によれば、各インタフェース回路440に対して2つの出力インターコネクト452、454(ADIO、DIFF)を有することができる。場合によっては、4つのインタフェース回路440をインタフェースモジュール315内に含めることができる。それゆえ、機械の4つの構成要素と連動するために使用されうるインタフェースモジュールからは8つの出力インターコネクトが存在しうる。そのような場合は、インタフェースモジュール315を
図3に示されるように構成要素の近くに置かれたブレイクアウトボックス318へ接続するのに、前述したコネクタを有する8線式または10線式のイーサネットケーブルを使用することができる。ブレイクアウトボックス318はイーサネットケーブルを受けて、各構成要素へ別々の電線またはケーブル14を配線することができる。他の実装では、インタフェースモジュール315内により多い、またはより少ないインタフェース回路440が存在することができて、異なるケーブルおよびコネクタが必要に応じて使用されうる。
【0081】
一部の実装では、インターコネクトケーブルを介して電力(例えば、+V
DC1、+V
DC2、-V
DC1など)および/または基準電位(例えばグランド)を提供するのが望ましいことがある。いくつかのそのような場合では、追加の電線およびピンを有する(例えば、8線式の代わりに10線式の)ケーブルおよびコネクタが使用されることがある。他のそのような場合では、インタフェース回路440の第2出力インターコネクト454のいくつかは使用されない、および/または基準電位に関連付けられないことがある。例えば、第2出力インターコネクト454の1つまたは複数は、シングルエンド信号伝達のみで使用されることが分かっている場合は接地されることがある。あるいは、
図5EのシングルエンドデジタルI/O回路580が使用される場合、第2出力インターコネクト454(DIFF)は存在せず、これにより8線式のイーサネットケーブルの1つまたは複数の電線が解放されて、電力(+V
DC)および/または基準電位(グランド)を伝送することができる。
【0082】
プログラマブルインタフェースモジュール315内で使用されるインタフェース回路440の個数により、少なくとも部分的に、ケーブルおよびコネクタのインターコネクトに必要な電線およびピンの個数が決定される。ピン割り当て用コネクタを任意の適切な方法で配置することができる。例えば、プログラマブルインタフェース回路440を4つだけ有するインタフェースモジュール315では、8ピンのコネクタと標準的な8線式のイーサネットケーブルを使用することができる。電圧源および基準電圧がケーブルを介して提供される場合、ピン配置は表1に示されるようにすることができる。この例では、インタフェース回路440のうちの2つは
図5EのシングルエンドデジタルI/O回路580を含むことができて、2つは
図5BのデジタルI/O回路420を含む。他の実装では、別のピン割り当てを使用することができる。一部の実装では、ピン割り当ては標準化されて業界標準として認められていることがある。
【表1】
【0083】
前述した開示される回路は、高速のネットワーク化された絶縁通信制御装置310との間で絶縁されたデジタル信号を、一般向けの、または特注の電圧・電流範囲で多種多様な信号伝達方式(例えば、シングルエンド、差動、電流モード、デジタル、アナログ)を実現しうる周辺機器へ信号を送信および/またはそのような周辺機器から信号を受信するのに必要な電流および電圧へ変換することができる。信号伝達の種類および電圧レベルまたは電流レベルは、絶縁通信制御装置310によりインターコネクト401を介して、ユーザ選択およびプログラムすることができる。プログラム可能性は、一部の実装によれば(例えばユーザ設定可能なスイッチとして)ハードウェアで実現することができる、もしくは一部の実装によればソフトウェアで実現することができる、またはハードウェアとソフトウェアの設定の組み合わせで実現することができる。ソフトウェアのプログラム可能性は、信号伝達の種類、データの方向、電圧レベル、電流レベルなどのチャネルごとの選択を提供するプルダウンメニューとして実現することができる。ソフトウェアは、中央制御装置301および中央制御装置と通信する1つまたは複数の絶縁通信制御装置310用のシステムを動作させるソフトウェアの一部でありうる。
【0084】
一部の実装では、開示される回路は、機械の至る所に分散させることのできる小型でIP67または類似の耐久性のあるケースに梱包されていることがある。一部の実装では、それほど耐久性がないケースも使用可能となりうる。パッケージ化されたケースは、一部の実装によれば、絶縁通信制御装置310とプログラマブルインタフェースモジュール315を含みうる。他の実装では、パッケージ化されたケースはプログラマブルインタフェースモジュール315のみを含むことがある。機械の至る所にそのようなパッケージ化されたケースを分散させることで、特注の配線用ハーネス、長いケーブル、および機械制御用の電気キャビネットを著しく削減する、または除去することができる。例えば、機械を相互接続するのに使用されるイーサネットケーブル(防水の業界標準イーサネットケーブルなど)の本数を、本実装の絶縁通信制御装置310およびプログラマブルインタフェースモジュール315を用いることで、複雑な自動化/半自動化された機械に対する従来の相互接続の手法と比べて16倍以上削減することができる。
【0085】
本実装のプログラマブルインタフェースモジュール315を用いて機械350の構成要素を動作させる様々な方法がありうる。例示の方法700に関連する動作が
図7のフローチャートに示されている。(絶縁通信制御装置などの)制御装置と機械の1つまたは複数の構成要素との間の信号伝達の例示の方法700は、機械350の構成要素320、330、340へ送信する第1種類の信号を制御装置から受信するようにインタフェース回路440をプログラムする(動作705)インタフェース回路でプログラミング電圧を受信することを含むことができて、第1種類の信号は、アナログ信号とデジタル信号のいずれかとすることができる。方法700はさらに、絶縁通信制御装置から第1種類の信号を(例えば、プログラマブルインタフェース回路440のアナログ入力またはデジタル入力(AOUT、DOUT、DOUTP、DOUTN)のうちの一つにおいて)受信すること(動作710)と、第1種類の出力信号をプログラマブルインタフェース回路440の信号チャネル(ADIOまたはADIOとDIFF)へ送信すること(動作720)とを含みうる。送信される信号は、受信した第1種類の信号を基にすることができる。制御装置と機械の1つまたは複数の構成要素との間の信号伝達の方法はさらに、またはあるいは、アナログ信号とデジタル信号のいずれかである第2種類の信号を信号チャネルにおいて受信するようにインタフェース回路440をプログラムする(動作730)ために第2プログラミング電圧を受信することと、第2種類の信号を信号チャネルにおいて受信すること(動作740)を含むことができる。方法はさらに、受信した第2種類の信号に基づく第2種類の信号を制御装置へ送信すること(動作750)を含むことができる。そのような動作の組み合わせは、会話の動作で実行可能で、話すは第1モードで、聞くは第2モードにある。あるいは、そのような動作の組み合わせは、信号チャネルが、既存の設定(例えば、構成要素の取替後)で別の目的で使用される場合、実行され得る。方法700は、(シングルエンドデジタル信号、差動デジタル信号、シングルエンドアナログ信号、差動アナログ信号、電圧由来のアナログ信号、電流由来のアナログ信号などの)様々な種類のアナログ信号およびデジタル信号を送受信するようにインタフェース回路440をさらにプログラムすることに関連する更なる動作を含むことができる。
【0086】
一部の実装では、信号チャネルは異なる種類のアナログ信号およびデジタル信号を送信、および/または受信するように動作中に再プログラムすることができる。例えば、第1期間中に第1種類のアナログ信号を第1機械構成要素へ送信するよう信号チャネルがプログラムされるように、時分割多重化方式をチャネルを用いて実装することができる。後続の第2期間中に、第2種類のデジタル信号を第2機械構成要素へ送信するよう同じ信号チャネルをプログラムすることができる。マルチプレクサ(例えば、ブレイクアウトボックス318に、またはその後に置かれる)を使用して、信号を異なる構成要素へ送ることができる。後続の第3期間中に、アナログ信号またはデジタル信号を受信するように同じ信号チャネルをプログラムすることができる。そのような時分割多重化方式により、信号チャネルに対してさらに多くの異なる利用法が可能となりうる。
【0087】
開示される実装のプログラマブルインタフェース回路の様々な構成が可能である。そのような構成の例が以下に列挙される。
(1)絶縁通信制御装置(310)と機械(350)の構成要素(320、330、340)との間で信号を適応的に交換するためのプログラマブルインタフェース回路(440)であって、プログラミング電圧を絶縁通信制御装置から受信するための複数のインターコネクト(401)と、プログラマブルインタフェース回路と構成要素との間で信号を伝送するための信号チャネル(452、454)と、信号チャネルと連結して第1アナログ信号を絶縁通信制御装置から受信するためのプログラマブルアナログI/O回路(410、610、612)と、信号チャネルと連結して第1デジタル信号を絶縁通信制御装置から受信するためのプログラマブルデジタルI/O回路(420、580)と、信号チャネルを流れる電流量を検出するための電流検出回路(530)と、を備え、プログラマブルインタフェース回路は、第1アナログ信号に基づく第2アナログ信号を信号チャネルに提供するように、または第1デジタル信号に基づく第2デジタル信号を信号チャネルに提供するように、複数のインターコネクトに印加される少なくとも第1のプログラミング電圧に基づいて、動作中にプログラム可能である、プログラマブルインタフェース回路。
(2)プログラマブルインタフェース回路は、信号チャネルを通じてアナログ信号およびデジタル信号を受信するように、少なくとも第2のプログラミング電圧に基づいてプログラム可能である、構成(1)に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(3)プログラマブルインタフェース回路は、第2アナログ信号として、信号チャネルを通じて少なくとも2種類の異なるアナログ信号を送信するように、少なくとも第2のプログラミング電圧に基づいてプログラム可能である、構成(1)または(2)に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(4)少なくとも2種類の異なるアナログ信号のうちの第3アナログ信号は、電流由来のアナログ信号である、構成(3)に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(5)プログラマブルインタフェース回路は、信号チャネルと連結されて信号チャネルにより送信される第2アナログ信号および第2デジタル信号を4ミリアンペア(mA)~24mAの出力電流で提供する、少なくとも1つの増幅回路をさらに備える、構成(1)~(4)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(6)プログラマブルインタフェース回路は、信号チャネルを通じて少なくとも2種類のデジタル信号を送受信するように、少なくとも第2のプログラミング電圧に基づいてプログラム可能である、構成(1)~(5)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(7)プログラマブルアナログI/O回路は、第1フィードバック回路経路と、第2フィードバック回路経路と、フィードバック入力を有するオペアンプと、少なくとも第2プログラミング電圧に基づいて、フィードバック入力を第1フィードバック回路経路または第2フィードバック回路経路へ接続するように構成されたマルチプレクサと、を含む、構成(1)~(6)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(8)第1フィードバック回路経路は、信号チャネルの電圧を検出し、第2フィードバック回路経路は、信号チャネルを流れる電流量を検出する、構成(7)に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(9)プログラマブルアナログI/O回路は、
信号チャネルを高論理レベルに駆動するように構成された第1回路と、
信号チャネルを低論理レベルに駆動するように構成された第2回路と、を含む、構成(1)~(8)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(10)第2回路は、少なくとも第2のプログラミング電圧に基づいて、低論理レベルを信号チャネルから絶縁するためのスイッチを含む、構成(9)に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(11)プログラマブルデジタルI/O回路は、複数のインターコネクトのうちの1つまたは複数と信号チャネルとの間で接続されるトランシーバを備える、構成(1)~(10)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(12)トランシーバは、シングルサイド信号および差動デジタル信号を送受信するように、少なくとも第2のプログラミング電圧に基づいてプログラム可能である、構成(11)に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(13)複数のインターコネクトのうちの1つまたは複数を介してプログラマブルインタフェース回路へ接続する絶縁通信制御装置と組み合わせられる、構成(1)~(12)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(14)絶縁通信制御装置は、プログラマブル論理制御装置またはマイクロコントローラを備える、構成(13)の組み合わせ。
(15)構成要素をさらに備える、構成(13)または(14)の組み合わせ。
(16)構成要素は、センサ、モータもしくは作動装置、または撮像装置の少なくとも1つである、構成(15)の組み合わせ。
【0088】
さらなる例示の構成を、以下に列挙する。
構成(1)の従属態様(2)~(16)のうち1つまたは複数は、一部の実装では、以下の構成のうち1つまたは複数と組み合わせられ得る。
(17)絶縁通信制御装置(310)と機械(350)の構成要素(320、330、340)との間で信号を適応的に交換するためのプログラマブルインタフェース回路(440)であって、プログラミング電圧を受信するための複数のインターコネクト(401)と、プログラマブルインタフェース回路と構成要素との間で信号を伝送するための信号チャネル(452、454)と、信号チャネルと連結して第1アナログ信号を絶縁通信制御装置から受信するためにプログラム可能なオペアンプ(522又は542)を有するプログラマブルアナログI/O回路(410、630)と、信号チャネルと連結して第1デジタル信号を絶縁通信制御装置から受信するためにプログラム可能なプログラマブルデジタルI/O回路(420)と、を備え、プログラマブルインタフェース回路は、第1アナログ信号に基づく第2アナログ信号を信号チャネルに提供するように、または第1デジタル信号に基づく第2デジタル信号を信号チャネルに提供するように、複数のインターコネクトに印加される少なくとも第1のプログラミング電圧に基づいて、動作中にプログラム可能である、プログラマブルインタフェース回路。
(18)プログラマブルアナログI/O回路内で第1アナログ信号を受信するための切り替え可能な出力信号ドライバをさらに備え、切り替え可能な出力信号ドライバ用のフィードバック信号は、少なくとも第2のプログラミング電圧に基づいて、電流検出モードから電圧検出モードまで切替られるように構成される、構成(17)に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(19)切り替え可能な出力信号ドライバは、オペアンプを備える、構成(18)に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(20)信号チャネルを流れる電流量を検出し、フィードバック信号を電流検出モードの切り替え可能な出力信号ドライバに提供するための電流検出回路をさらに備える、構成(18)に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(21)シングルエンドアンプと差動アンプとの間で切り替えられるように構成されたアンプを含むプログラマブルアナログI/O回路内に切り替え可能な受信信号ドライバをさらに備える、構成(17)~(20)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(22)前記プログラマブルインタフェース回路は、信号チャネルを通じてアナログ信号およびデジタル信号を受信するように、少なくとも第2のプログラミング電圧に基づいてさらにプログラム可能である、構成(17)~(21)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(23)前記プログラマブルインタフェース回路は、信号チャネルを通じて少なくとも2つの異なる種類の信号伝達のアナログ信号を送信するように、少なくとも第2のプログラミング電圧に基づいてプログラム可能である、構成(17)~(22)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(24)プログラマブルインタフェース回路は、信号チャネルを通じて少なくとも2種類のデジタル信号を送受信するように、プログラミング電圧に基づいてプログラム可能である、構成(17)~(23)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(25)プログラマブルアナログI/O回路とプログラマブルデジタルI/O回路を信号チャネルと連結するためのプログラマブル信号経路設定/絶縁回路をさらに備える、構成(17)~(24)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(26)プログラマブル信号経路設定/絶縁回路は、プログラマブルデジタルI/O回路の少なくとも一部分を信号チャネルから絶縁するためのトランジスタを備える、構成(17)~(25)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(27)複数のインターコネクトのうちの1つまたは複数を介してプログラマブルインタフェース回路へ接続する絶縁通信制御装置と組み合わせられる、構成(17)~(26)のいずれか1項に記載のプログラマブルインタフェース回路。
(28)絶縁通信制御装置は、プログラマブル論理制御装置またはマイクロコントローラを備える、構成(27)に記載の組み合わせ。
(29)構成要素をさらに備える、構成(27)または(28)に記載の組み合わせ。
【0089】
以下の構成は、構成(2)~(16)および(18)~(29)の態様と組み合わせて実現され得る。
(30)絶縁通信制御装置(310)と機械(350)の構成要素(320、330、340)との間で信号を適応的に交換するためのプログラマブルインタフェース回路(440)であって、プログラミング電圧を受信するための複数のインターコネクト(401)と、プログラマブルインタフェース回路と構成要素との間で信号を伝送するための信号チャネル(452、454)と、信号チャネルと連結して第1アナログ信号を絶縁通信制御装置から受信するためにプログラム可能なプログラマブルアナログI/O回路(410、630)と、信号チャネルと連結して第1デジタル信号を絶縁通信制御装置から受信するためにプログラム可能なプログラマブルデジタルI/O回路(420)と、を備え、プログラマブルアナログI/O回路は、第1フィードバック回路経路と、第2フィードバック回路経路と、フィードバック入力を有するオペアンプと、少なくとも第1のプログラミング電圧に基づいて、フィードバック入力を第1フィードバック回路経路または第2フィードバック回路経路へ接続するためのマルチプレクサと、を備える、プログラマブルインタフェース回路。
【0090】
上記に列挙した構成のプログラマブルインタフェース回路を動作させる様々な方法が実行され得る。
そのような方法の例が以下に列挙される。
(31)プログラマブルインタフェース回路(440)を動作させる方法であって、機械(350)の構成要素(320、325、330、340)に送信される第1信号を絶縁通信制御装置(310)から受信するために、インタフェース回路をプログラムする(705)第1プログラミング電圧を受信することであって、第1信号は、アナログ信号またはデジタル信号のいずれかであり得る、受信すること、第1信号を絶縁通信制御装置から受信する(710)ことと、受信した第1信号に基づく第1出力信号をプログラマブルインタフェース回路の信号チャネルに送信する(720)ことであって、第1出力信号は、受信した第1信号と同じ種類の信号である、送信すること、信号チャネルで第2信号を構成要素から受信するために、インタフェース回路をプログラムする(730)第2プログラミング電圧を受信することであって、第2信号は、第1信号と異なる種類の信号である、受信すること、信号チャネルで第2信号を受信する(740)こと、及び受信した第2信号に基づく第1入力信号を、絶縁通信制御装置に送信する(750)こと、を含む、方法。
(32)第1信号は、差動アナログ信号である、(31)に記載の方法。
(33)第1信号は、4mA~24mAの振幅を有する電流由来のアナログ信号である、(31)または(32)に記載の方法。
(34)第1信号は、差動デジタル信号である、(31)~(33)のいずれか1項に記載の方法。
(35)第1信号は、低電圧の差動デジタル信号である、(31)~(34)のいずれか1項に記載の方法。
(36)第2信号は、2つまたは4つの信号伝達配線を要する標準化されたネットワーク通信信号である、(31)~(36)のいずれか1項に記載の方法。
(37)第2信号は、差動アナログ信号である、(31)~(37)のいずれか1項に記載の方法。
(38)第2信号は、4mA~24mAの振幅を有する電流由来のアナログ信号である、(31)~(38)のいずれか1項に記載の方法。
(39)第2信号は、差動デジタル信号である、(31)~(39)のいずれか1項に記載の方法。
(40)第2信号は、低電圧の差動デジタル信号である、(31)~(40)のいずれか1項に記載の方法。
(41)第1信号は、電流由来のアナログ信号で、第2信号は、電圧由来のアナログ信号である、(31)~(41)のいずれか1項に記載の方法。
(42)第1出力信号を送信することは、少なくとも第1プログラミング電圧に基づいて、プログラマブルインタフェース回路内のオペアンプに対して、フィードバック回路を選択することを含む、(31)~(42)のいずれか1項に記載の方法。
(43)第2信号を受信することは、少なくとも第2プログラミング電圧に基づいて、プログラマブルインタフェース回路内のオペアンプに対して、シングルエンド増幅モードまたは差動増幅モードを選択することを含む、(31)~(43)のいずれか1項に記載の方法。
(44)第1入力信号を絶縁通信制御装置に送信することは、プログラマブルデジタルI/O回路の少なくとも一部分を信号チャネルから電気的に絶縁することを含む、(31)~(44)のいずれか1項に記載の方法。
(45)第1入力信号を絶縁通信制御装置に送信することは、プログラマブルアナログI/O回路の少なくとも一部分を信号チャネルから電気的に絶縁することを含む、(31)~(45)のいずれか1項に記載の方法。
【0091】
本発明の様々な実装が本明細書に記載され、示されたが、当業者は本明細書に記載される機能を実行するための、ならびに/または、本明細書に記載される結果および/もしくは利点の1つもしくは複数を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に想到するであろう。また、その変形および/または修正のそれぞれは本明細書に記載される本発明の実装の範囲内であるとみなされる。より大まかに言うと、本明細書に記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成は例示となるよう意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は本発明の教示が使用される特定の用途により決まるということを当業者は容易に理解するであろう。当業者は日常の実験を行うだけで本明細書に記載される本発明の特定の実装に対する多数の均等物を認識するであろう、あるいは特定できるであろう。それゆえ、前述の実装はほんの一例として提示されており、添付の請求項およびその均等物の範囲内で本発明の実装を具体的に記載され特許請求されている以外の方法で実施可能であるということを理解されたい。本発明の本開示の実装は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、品物、材料、および/または方法のそれぞれを対象としている。加えて、そのような特徴、システム、品物、材料、および/または方法の2つ以上の任意の組み合わせは、互いに矛盾していなければ、本発明の本開示の範囲内に含まれる。
【0092】
上記の実装は、数多くの方法のいずれかで実現することができる。例えば、実装はハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使って実現可能である。ソフトウェアで実装される場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータで提供される、または多数のコンピュータに分散されるかに関わらず、任意の適切なプロセッサ、またはプロセッサ群で実行することができる。
【0093】
また、本発明の様々な概念は、その一例が提供された1つまたは複数の方法として具現化可能である。方法の一部として行われる動作は、任意の適切な方法で順序付けすることができる。その結果、実装は、示されたものと異なる順序で動作が行われるよう構成することができて、これには、例示の実装では連続する動作として示されたが、いくつかの動作を同時に実行することが含まれうる。
【0094】
本明細書で規定され、使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により援用される書類での定義、および/または定義される用語の通常の意味を規制すると理解されるべきである。
【0095】
本明細書および請求項で使用される場合、不定冠詞の「a」および「an」は、そうではないと明確に示されていない限り、「少なくとも1つ(at least one)」を意味すると理解されるべきである。
【0096】
本明細書および請求項で使用される場合、「および/または(and/or)」という表現は、そのように結合された要素の「どちらか一方、または両方」、つまり、場合によっては連結的に存在し、他の場合には分離されて存在する要素を意味すると理解されるべきである。「および/または」を用いて列挙される多数の要素は同じように、つまり、そのように結合された要素の「1つまたは複数」であると解釈されるべきである。「および/または」という項で明確に特定された要素以外の他の要素は、明確に特定された要素に関連する、または関連しないに関わらず、任意選択で存在しうる。したがって、非限定の例として、「Aおよび/またはB」という言及は、「備える/含む(comprising)」などのオープンエンドの言葉と共に使用された場合は、一実装ではAのみ(任意選択でB以外の要素も含む)を指しうるが、別の実装ではBのみ(任意選択でA以外の要素も含む)を指し、さらに別の実装ではAとBの両方(任意選択で他の要素も含む)を指す、などとなりうる。
【0097】
本明細書および請求項で使用される場合、「または(or)」は上で定義された「および/または」と同じ意味を持つと理解されるべきである。例えば、一覧の中の項目を分離する場合、「または」または「および/または」は包括的である、つまり、多数の要素または要素の一覧のうちの少なくとも1つを含むが、2つ以上を含むことも含み、任意選択で一覧にない追加の項目も含む、と理解される必要がある。「~のうちの1つのみ」、「~のうちのちょうど1つ」、または請求項で使用された場合の「~からなる」などの、そうではないと明確に示された用語のみが多数の要素または要素の一覧のうちのちょうど1つを含むことを指す。概して、本明細書で使用される場合は「または」という用語は、「どちらか一方(either)」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つだけ」、または「~のうちのちょうど1つ」などの排他的な用語により先行される場合、排他的な選択肢(つまり、「一方または他方であって、両方ではない」)を示すとのみ解釈される必要がある。請求項で使用された場合の「~から本質的になる」は、特許法の分野で使用される通常の意味を有することとする。
【0098】
本明細書および請求項で使用される場合、1つまたは複数の要素の一覧に関連する「少なくとも1つ(at least one)」という表現は、要素の一覧にある任意の1つまたは複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、要素の一覧内に具体的に列挙されるありとあらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、要素の一覧内の要素の任意の組み合わせも排除しない。また、この定義により、要素の一覧内で「少なくとも1つ」という表現が指している明確に特定された要素以外の要素が、明確に特定された要素に関連する、または関連しないに関わらず、任意選択で存在しうることを可能とする。したがって、非限定の例として、「AとBの少なくとも1つ」(言い換えると、「AまたはBの少なくとも1つ」、あるいは言い換えると、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実装では少なくとも1つのAで任意選択で2つ以上のAを含み、Bは存在しない(そして任意選択でB以外の要素を含む)ことを指すことができて、別の実装では少なくとも1つのBで任意選択で2つ以上のBを含み、Aは存在しない(そして任意選択でA以外の要素を含む)ことを指すことができて、さらに別の実装では少なくとも1つのAで任意選択で2つ以上のAを含み、少なくとも1つのBで任意選択で2つ以上のBを含む(そして任意選択で他の要素を含む)ことを指すことができる、などとなりうる。
【0099】
請求の範囲および上記の明細書では、「備える/含む(comprising)」、「含む(including)」、「積載する(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、「保持する(holding)」、「~から構成される(composed of)」、および同種のものなどのすべての移行句はオープンエンドである、つまり、限定されないが含む、を意味すると理解されるべきである。
「~からなる(consisting of)」および「~から本質的になる(consisting essentially of)」という移行句のみを、米国特許商標庁米国特許審査便覧の2111.03節に記載されているように、それぞれクローズド、セミクローズドの移行句とする。
【0100】
「約(about)」、「およそ(approximately)」、および「かなり(substantially)」という用語は、(数値範囲内で用いられる目標値などの)値を指すのに使用されることがあり、言及された値に本発明の実装の範囲内とみなされるであろう変動を加えた/差し引いたものを包含することを意図している。変動量は、一部の実装では列挙された値の±5%程度であり、一部の実装では列挙された値の±10%程度であり、さらに一部の実装では列挙された値の±20%程度である。「本質的に(essentially)」という用語は、±3%以下しか変動しない値を指すのに使用される。