(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】製造工場で物品を移送する搬送台車、及びそれを含む物品搬送システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240614BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240614BHJP
B62B 5/00 20060101ALN20240614BHJP
【FI】
B65G1/04 551A
H01L21/68 A
B62B5/00 H
(21)【出願番号】P 2023003137
(22)【出願日】2023-01-12
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2022-0080920
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ヒョク チェ
(72)【発明者】
【氏名】ノ、キ テ
(72)【発明者】
【氏名】リ、チュ ホ
(72)【発明者】
【氏名】リム、チョン ヒョン
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-093875(JP,A)
【文献】特開2013-075748(JP,A)
【文献】国際公開第2020/090254(WO,A1)
【文献】特開2010-067144(JP,A)
【文献】特開2016-174167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
H01L 21/677
B62B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造工場で物品を移送する搬送台車であって、
走行レールに沿って走行する走行ユニットと、
前記走行ユニットの下部で物品を支持するホイストユニットと、を備え、
前記ホイストユニットは、
フレームと、
前記フレームの後面に設けられ、後方に突出した一対のテールプレートと、を備え
、
前記テールプレートは、前記フレームの後面に設けられたバンパーユニットの下部に設けられる、搬送台車。
【請求項2】
前記テールプレートは、前記バンパーユニットの端部だけ後方に突出する、請求項
1に記載の搬送台車。
【請求項3】
前記テールプレートの位置は、
後方に位置した他の搬送台車との衝突の際に、前記他の搬送台車の前面中心部に設けられた台車検知センサとの衝突が回避されるように決定される、請求項1に記載の搬送台車。
【請求項4】
前記テールプレートは、前記台車検知センサから照射された光を反射するように構成される、請求項
3に記載の搬送台車。
【請求項5】
製造工場で物品を移送する搬送台車であって、
走行レールに沿って走行する走行ユニットと、
前記走行ユニットの下部で物品を支持するホイストユニットと、を備え、
前記ホイストユニットは、
フレームと、
前記フレームの前面及び後面にそれぞれ設けられたバンパーユニットと、
前記フレームの後面に設けられ、後方に突出した一対のテールプレートと、を備える、搬送台車。
【請求項6】
前記バンパーユニットは、
前記フレームの前面に設けられた前方バンパーユニットと、
前記フレームの後面に設けられた後方バンパーユニットと、を備える、請求項
5に記載の搬送台車。
【請求項7】
前記前方バンパーユニットは、
前記フレームの前面中心部に結合し、前方に突出した軸を有する前方ブラケットと、
前記フレームの前面側部の両側に結合し、前方に突出して折り曲げられる前方カバープレートと、
前記前方カバープレートの外側に結合するゴムバンパー部材と、を備える、請求項
6に記載の搬送台車。
【請求項8】
前記後方バンパーユニットは、
前記フレームの後面中心部に結合し、後方に突出した軸を有する後方ブラケットと、
前記フレームの後面側部の両側に結合し、後方に突出して折り曲げられる後方カバープレートと、
前記後方ブラケットと前記後方カバープレートとの間に設けられ、緩衝力を発生させる
ダンパー部材と、を備える、請求項
6に記載の搬送台車。
【請求項9】
前記バンパーユニットは、前記走行ユニットの両端よりも突出するように設けられる、請求項
5に記載の搬送台車。
【請求項10】
前記テールプレートは、前記フレームにおける前記バンパーユニットの下部に設けられる、請求項
5に記載の搬送台車。
【請求項11】
前記テールプレートは、前記バンパーユニットの端部だけ後方に突出する、請求項
10に記載の搬送台車。
【請求項12】
前記テールプレートの位置は、後方に位置した他の搬送台車との衝突の際に、前記他の搬送台車の前面中心部に設けられた台車検知センサとの衝突が回避されるように決定される、請求項
5に記載の搬送台車。
【請求項13】
前記テールプレートは、前記台車検知センサから照射された光を反射するように構成される、請求項
12に記載の搬送台車。
【請求項14】
製造工場の物品搬送システムであって、
物品を移送する搬送台車と、
前記搬送台車の走行経路を提供する走行レールと、を備え、
前記搬送台車は、
走行レールに沿って走行する走行ユニットと、
前記走行ユニットの下部で物品を支持するホイストユニットと、を備え、
前記ホイストユニットは、
フレームと、
前記フレームの前面及び後面にそれぞれ設けられたバンパーユニットと、
前記フレームの後面に設けられ、後方に突出した一対のテールプレートと、を備える、物品搬送システム。
【請求項15】
前記バンパーユニットは、
前記フレームの前面に設けられた前方バンパーユニットと、
前記フレームの後面に設けられた後方バンパーユニットと、を備える、請求項
14に記載の物品搬送システム。
【請求項16】
前記前方バンパーユニットは、
前記フレームの前面中心部に結合し、前方に突出した軸を有する前方ブラケットと、
前記フレームの前面側部の両側に結合し、前方に突出して折り曲げられる前方カバープレートと、
前記前方カバープレートの外側に結合するゴムバンパー部材と、を備える、請求項
15に記載の物品搬送システム。
【請求項17】
前記後方バンパーユニットは、
前記フレームの後面中心部に結合し、後方に突出した軸を有する後方ブラケットと、
前記フレームの後面側部の両側に結合し、後方に突出して折り曲げられる後方カバープレートと、
前記後方ブラケットと前記後方カバープレートとの間に設けられ、緩衝力を発生させるダンパー部材と、を備える、請求項
15に記載の物品搬送システム。
【請求項18】
前記テールプレートは、前記フレームにおける前記バンパーユニットの下部に設けられ
る、請求項
14に記載の物品搬送システム。
【請求項19】
前記テールプレートの位置は、後方に位置した他の搬送台車との衝突の際に、前記他の搬送台車の前面中心部に設けられた台車検知センサとの衝突が回避されるように決定される、請求項
14に記載の物品搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造工場で物品を移送する搬送台車、及びそれを含む物品搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体又はディスプレイ製造工程は、基板(ウェーハ又はガラス)上に数十~数百段階の処理工程を経て最終製品を製造する工程であって、工程ごとに当該工程を行う製造設備によって行われる。特定の製造設備における工程が終了すると、次の工程を行うために物品(基板)が次の製造設備へ搬送され、一定期間の間は保管設備で保管され得る。
【0003】
製造工場の物流システムは、上述したように、製造工程のために物品を搬送又は保管するシステムを指し、物品を搬送する搬送設備と、物品を貯蔵する貯蔵設備に大きく区分される。物流システムにおいて、天井に設置されたレールに沿って走行するOHT(overhead hoist transport)システムが製造工場に適用されている。
【0004】
物品を移送する搬送台車の場合は、車体に設置された各種センサ又は上部の制御器から、周辺に位置した他の搬送台車又は障害物などの物体を検知し、他の物体と衝突することなく目標位置へ走行するように設定される。しかし、センサが正常に動作しないか、或いはセンサによって検出されない物体が存在して衝突が発生する可能性がある。特に、製造工場内の搬送台車の走行経路は、直線区間だけでなく、分岐や曲線区間などを含み、分岐や曲線区間の場合は、センサによって物体が検出できず、衝突が発生する可能性が高い。特に他の搬送台車との衝突が発生すると、衝撃により搬送中の物品(例えば、ウェーハ、マスク)に損傷が発生するおそれもあり、搬送台車に備えられた電子機器(例えば、センサ)にも損傷が発生するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、搬送台車の衝突リスクを防止し、衝突の際に部品の破損を最小限に抑えることができる搬送台車、及びそれを含む物品搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による製造工場で物品を移送する搬送台車は、走行レールに沿って走行する走行ユニットと、前記走行ユニットの下部で物品を支持するホイストユニットと、を備える。前記ホイストユニットは、フレームと、前記フレームの後面に設けられ、後方に突出した一対のテールプレートと、を備える。
【0007】
本発明の実施形態によれば、前記テールプレートは、前記フレームの後方に設けられたバンパーユニットの下部に設けられてもよい。
【0008】
本発明の実施形態によれば、前記テールプレートは、前記バンパーユニットの端部だけ後方に突出してもよい。
【0009】
本発明の実施形態によれば、前記テールプレートの位置は、後方に位置した他の搬送台車との衝突の際に、前記他の搬送台車の前面中心部に設けられた台車検知センサとの衝突が回避されるように決定されてもよい。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記テールプレートは、前記台車検知センサから照射された光を反射するように構成されてもよい。
【0011】
本発明による製造工場で物品を移送する搬送台車は、走行レールに沿って走行する走行ユニットと、前記走行ユニットの下部で物品を支持するホイストユニットと、を備える。前記ホイストユニットは、フレームと、前記フレームの前面及び後面にそれぞれ設けられたバンパーユニットと、前記フレームの後面に設けられ、後方に突出した一対のテールプレートと、を備える。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記バンパーユニットは、前記フレームの前面に設けられた前方バンパーユニットと、前記フレームの後面に設けられた後方バンパーユニットと、を備えてもよい。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記前方バンパーユニットは、前記フレームの前面中心部に結合し、前方に突出した軸を有する前方ブラケットと、前記フレームの前面側部の両側に結合し、前方に突出して折り曲げられる前方カバープレートと、前記前方カバープレートの外側に結合するゴムバンパー部材と、を備えてもよい。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記後方バンパーユニットは、前記フレームの後面中心部に結合し、後方に突出した軸を有する後方ブラケットと、前記フレームの後面側部の両側に結合し、後方に突出して折り曲げられる後方カバープレートと、前記後方ブラケットと前記後方カバープレートとの間に設けられ、緩衝力を発生させるダンパー部材と、を備えてもよい。
【0015】
本発明による製造工場の物品搬送システムは、物品を移送する搬送台車と、前記搬送台車の走行経路を提供する走行レールと、を備える。前記搬送台車は、走行レールに沿って走行する走行ユニットと、前記走行ユニットの下部で物品を支持するホイストユニットと、を備える。前記ホイストユニットは、フレームと、前記フレームの前面及び後面にそれぞれ設けられたバンパーユニットと、前記フレームの後面に設けられ、後方に突出した一対のテールプレートと、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前方に位置した搬送台車から後方に突出した一対のテールプレートを構成することにより、当該テールプレートを介して、前方に位置した搬送台車が検知されるようにしながら、後方に位置した他の搬送台車との衝突の際にも、他の搬送台車の前面に位置した台車検知センサが破損するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による製造工場で物品を移送するための物品搬送システムの概略レイアウトを示す。
【
図5】搬送台車におけるバンパーユニットの構成を示す。
【
図6】搬送台車におけるテールプレートを説明するための図である。
【
図7】搬送台車におけるテールプレートを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。本発明は、種々の異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0019】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたり、同一又は類似の構成要素に対しては同一の参照符号を付す。
【0020】
また、幾つかの実施形態において、同一の構成を有する構成要素については同一の符号を用いて代表的な実施形態でのみ説明し、それ以外の他の実施形態では代表的な実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
【0021】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結(又は結合)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(又は結合)」されている場合だけでなく、別の部材を挟んで「間接的に連結(又は結合)」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0022】
他に定義されない限り、技術的又は科学的用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を持っている。一般的に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明確に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0023】
図1は、本発明による製造工場で物品を移送するための物品搬送システムの概略レイアウトを示す。以下では、本発明が適用される製造工場として、半導体製品を製造する半導体製造工場を例として説明する。ただし、本発明が適用できる製造工場の範囲は、特定のタイプに制限されるものではなく、様々な産業群の製造工場に適用できる。例えば、本発明の物品搬送システムは、ディスプレイパネル、電子機器、自動車、又は二次電池などの製品を生産する他の種類の製造工場に適用できる。
【0024】
製造工場は、1つ又はそれ以上のクリーンルームで構成され、各クリーンルームに半導体製造工程を行うための製造設備1が設置できる。一般に、基板(例えばウェーハ)に複数の製造工程が繰り返し行われることにより最終的に処理された基板が完成できるが、特定の半導体製造設備1で製造工程が完了すると、次の製造工程のための製造設備1へ基板が搬送される。ここで、ウェーハは、複数の基板を収容可能な搬送容器(例えば、front opening unified pod、FOUP)に保管された状態で搬送できる。ウェーハが収納された搬送容器は、搬送台車20によって搬送できる。搬送台車20は、天井に設置された走行レール10に沿って走行するOHT(overhead hoist transport)と呼ばれる。
【0025】
図1を参照すると、製造工場内の工程を行うための製造設備1が設置され、製造設備1間の物品を移送する搬送台車20と、搬送台車20の走行経路を提供する走行レール10とが提供される。ここで、搬送台車20が製造設備1同士の間で物品を搬送するとき、物品が直ちに特定の製造設備1から他の製造設備1へ搬送されてもよく、物品がストッカー設備30に保管された後、他の製造設備へ搬送されてもよい。
【0026】
図2及び
図3は、本発明による製造工場で物品を移送する搬送台車20を示す。
図2は、前面から見た搬送台車20を示し、
図3は、側面から見た搬送台車20を示す。
【0027】
図2を参照すると、走行レール10は、水平方向に互いに離隔し且つ互いに対をなす一対のレール部材を含み、レールサポート15によって製造工場の天井側に設置される。レールサポート15のそれぞれは、下端部分が一対のレール部材を支持し、上端部分が半導体製造工場の天井に定着されることができる。一対のレール部材は、上側に走行面を提供するように形成できる。
【0028】
図2に示すように、搬送台車20へ電力を供給するための給電装置40は、走行レール10の下部に設置されたケーブル設置構造物42と、ケーブル設置構造物42に設置された給電ケーブル41と、を含む。給電ケーブル41は、駆動電力を提供する搬送台車20の受電装置へ電流を誘導する。
【0029】
図2を参照すると、搬送台車20は、走行レール10に沿って走行する走行ユニット100と、走行ユニット100の下部で物品を支持するホイストユニット200と、を含む。ホイストユニット200は、走行ユニット100と共に移動し、製造設備30に対して物品を移載/積載する。
【0030】
走行ユニット100は、車体110と走行ホイール120と、を含む。車体110には、左右方向に延びた車軸が装着される。車軸は複数で提供され、前後方向に互いに離隔することができる。走行ホイール120は、車体110が走行レール10の案内に従って走行可能であるように車体110に移動性を付与するホイールである。走行ホイール120は、車軸の両端部分にそれぞれ装着され、一対の走行レール10の上面にそれぞれ接触して回転することができる。走行ユニット100は、走行ホイール120を回転させるための動力を提供するホイール駆動ユニット130をさらに含む。一例として、ホイール駆動ユニット130は、車軸を回転させるように構成できる。
【0031】
ホイストユニット200は、フレーム210を含む。フレーム210は、走行レール10の下方で走行ユニット100と互いに連結される。フレーム210は、上部が車体110の下部に単数又は複数の連結器によって連結されることができる。フレーム210は、物品が収容される収容空間を提供する。フレーム210は、物品を収容空間で水平方向(X方向)に移動させ、下方向に移動させることができるよう、左右両側及び下側が全て開放された構造を持つように形成される。
【0032】
さらに、ホイストユニット200は、物品をグリップ又はアングリップするためのハンドユニット220と、ハンドユニット220を第1位置と第2位置との間に移動させるハンド移動ユニットと、をさらに含む。第1位置は、ハンドユニット220がグリップした物品がフレーム210の収容空間に収容される位置であり、第2位置は、このような第1位置からずれた位置に該当するフレーム210の外部である。ホイストユニット200は、ハンド移動ユニットであって、垂直駆動ユニット230、回転駆動ユニット240及び水平駆動ユニット250を含む。
【0033】
ハンドユニット220は、物品に対してグリップ及びアングリップを行うハンドと、ハンドを支持するハンドサポートと、を含むことができる。垂直駆動ユニット230は、ハンドユニット220を上下方向に移動させる。垂直駆動ユニット230は、少なくとも1つのベルト(belt)をドラム(drum)に対して巻き取ったり(winding)巻き戻したり(unwinding)する方式でハンドユニット220を垂直方向(Z方向)に移動させることができる。回転駆動ユニット240は、ハンドユニット220を垂直方向の軸を中心に回転させ、水平駆動ユニット250は、ハンドユニット220を左右方向に移動させる。一例として、ハンドユニット220を垂直駆動ユニット230によって垂直方向に移動させ、垂直駆動ユニット230を回転駆動ユニット240によって垂直方向の軸を中心に回転させ、回転駆動ユニット240を水平駆動ユニット250によって左右方向に移動させることにより、ハンドユニット220によってグリップされた物品を垂直方向に移動させたり、垂直方向の軸を中心に回転させたり、左右方向に移動させたりすることができる。
【0034】
ホイストユニット200は、フレーム210の前面210Fに位置した台車検知センサ260を含む。台車検知センサ260は、フレーム前面210Fの上側中心部に位置し、前方に位置した他の搬送台車20の位置(方向及び距離)を検出することができる。台車検知センサ260は、ライダー(Lidar)、レーダー、又はカメラなどで実現できる。
【0035】
一方、ホイストユニット200の上端部の前面210F及び後面210Rには、他の搬送台車20との衝突時の衝撃を低減するためのバンパーユニット270が構成できる。バンパーユニット270は、フレーム前面210Fに構成された前方バンパーユニット270Fと、フレーム後面210Rに構成された後方バンパーユニット270Rと、を含むことができる。また、フレーム210の後面210Rにテールプレート280が設けられる。バンパーユニット270及びテールプレート280の構成については、
図4乃至
図7を参照して説明する。
【0036】
図4は、上方から見た搬送台車20を示す。
図4を参照すると、フレーム210は、前後方向に長く形成され、前方Fと後方Rにそれぞれ前方バンパーユニット270F及び後方バンパーユニット270Rが構成される。すなわち、バンパーユニット270は、フレーム210の前面210Fに設けられた前方バンパーユニット270Fと、フレーム210の後面210Rに設けられた後方バンパーユニット270Rと、を含むことができる。
【0037】
前方バンパーユニット270Fは、フレーム210の前面中心部に結合し、前方に突出した軸を有する前方ブラケット271と、フレーム210の前面側部の両側に結合し、前方Fに突出して折り曲げられる前方カバープレート272と、前方カバープレート272の外側に結合するゴムバンパー部材273と、を含むことができる。
【0038】
後方バンパーユニット270Rは、フレーム210の後面中心部に結合し、後方に突出した軸を有する後方ブラケット274と、フレーム210の後面側部の両側に結合し、後方Rに突出して折り曲げられる後方カバープレート275と、後方ブラケット274と後方カバープレート275との間に設けられ、緩衝力を発生させるダンパー部材276と、を含むことができる。
【0039】
前方バンパーユニット270Fと後方バンパーユニット270Rがフレーム210に取り付けられる以前の状態が
図5に示される。前方ブラケット271は、フレーム210の前面中心部とブラケット軸271Bとを結合させるブラケット271Aと、前面Fに向かって延びるブラケット軸271Bと、ブラケット軸271Bと前方カバープレート272とを結合させるブラケット271Cと、を含む。前方カバープレート272は、フレーム210の両側に締結され、前方ブラケット271を介してフレーム210の前面中央部にも固定締結される。前方カバープレート272の外側には、ゴムバンパー部材273が取り付けられることができる。
【0040】
後方ブラケット274は、フレーム210の後面中心部とブラケット軸274Bとを結合させるブラケット274Aと、後方Rに向かって延びるブラケット軸274Bと、ブラケット軸274Bと後方カバープレート275とを結合させるブラケット274Cと、を含む。後方カバープレート275は、フレーム210の両側に締結され、後方ブラケット274を介してフレーム210の後面中央部にも固定締結される。後方ブラケット274と後方カバープレート275との間には、緩衝力を発生させるためのダンパー部材276が挿入できる。
【0041】
本発明によれば、バンパーユニット270は、走行ユニット100の両端100Eよりも突出するように形成できる。例えば、
図6を参照すると、後方バンパーユニット270Rの後方カバープレート275は、走行ユニット100の車体110の後端100Eよりも後方Rに突出して設けられることができる。同様に、搬送台車20の前面にも、前方バンパーユニット270Fが走行ユニット100の前端よりも前方Fに突出して設けられることができる。バンパーユニット270が走行ユニット100の両端100Eよりも突出して設けられることにより、他の搬送台車20との衝突が発生しても、走行ユニット100に損傷が発生するのを防止することができる。
【0042】
一方、フレーム210の後面210Rには、一対のテールプレート280が設けられてもよい。テールプレート280は、他の搬送台車20によって検出できるように反射板として機能することができる。テールプレート280を単純にフレーム210の後面210Rの中心部に設置する場合、搬送台車20が互いに衝突するときに、前方の搬送台車20のテールプレート280によって、後方の搬送台車20の前方に位置した台車検知センサ260が破損するおそれがある。台車検知センサ260は、通常、高いコストが発生し、供給され難い部品に該当するため、台車検知センサ260が破損した場合、当該搬送台車20は長い時間の間使用できないので、致命的である。したがって、搬送台車20が互いに衝突する場合にも、台車検知センサ260の破損を防ぐことが重要である。したがって、本発明の実施形態によるテールプレート280は、後方に位置した搬送台車20の台車検知センサ260と接触しないように両側に一対が設けられることができる。
【0043】
図6及び
図7を参照すると、テールプレート280は、バンパーユニット270の下部に設けられてもよい。テールプレート280は、後方の搬送台車20の前面に位置した台車検知センサ260が位置した箇所の両側で干渉しないように設けられてもよい。テールプレート280の位置は、後方に位置した他の搬送台車20との衝突の際に、他の搬送台車20の前面中心部に設けられた台車検知センサ260との衝突が回避されるように決定できる。テールプレート280は、台車検知センサ260から照射された光を反射するように構成される。
【0044】
テールプレート280は、バンパーユニット270の端部270Eだけ後方に突出することができる。テールプレート280は、バンパーユニット270の端部270Eだけ後方に突出することにより、搬送台車20間の衝突が発生する場合にも破損しないように構成できる。
【0045】
本実施形態及び本明細書に添付された図面は、本発明に含まれる技術的思想の一部を明確に示しているものに過ぎず、本発明の明細書及び図面に含まれている技術的思想の範囲内で当業者が容易に類推することが可能な変形例及び具体的な実施形態はいずれも、本発明の権利範囲に含まれることが自明であるといえる。
【0046】
したがって、本発明の思想は、説明された実施形態に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等又は等価的な変形がある全てのものは、本発明の思想の範疇に属するというべきである。
【符号の説明】
【0047】
10 走行レール
20 搬送台車
100 走行ユニット
200 ホイストユニット
210 フレーム
220 ハンドユニット
260 台車検知センサ
270 バンパーユニット
271 前方ブラケット
272 前方カバープレート
273 ゴムバンパー部材
274 後方ブラケット
275 後方カバープレート
276 ダンパー部材
280 テールプレート