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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240614BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023184194
(22)【出願日】2023-10-26
【審査請求日】2023-12-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新川 由佳
(72)【発明者】
【氏名】星 知佳子
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 聡子
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-005233(JP,A)
【文献】特開2005-259026(JP,A)
【文献】特開2002-099667(JP,A)
【文献】特開2020-166465(JP,A)
【文献】特開2007-015198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の施設である対象施設を訪れた来場者に関する来場者情報であって、前記来場者の数に関する情報を含む前記来場者情報と、前記対象施設と同じ地域に所在する他の施設を訪れた来場者に関する他の来場者情報であって、前記他の施設を訪れた来場者の数に関する情報を含む前記他の来場者情報と、前記対象施設において実施されたイベントの実績に関するイベント実績情報であって、前記イベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つに関する情報を含む前記イベント実績情報と、前記他の施設において実施されたイベントの実績に関する他のイベント実績情報であって、イベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つに関する情報を含む前記他のイベント実績情報を取得する取得部と、
記イベント実績情報と前記他のイベント実績情報とに基づいて、前記対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であることを示す第1の条件であって、前記イベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つに関する情報と前記他の施設において実施されたイベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち前記少なくともいずれか1つに関する情報に対応する情報との比較結果に関する前記第1の条件を満たすか否かを判定し、前記来場者情報と前記他の来場者情報とに基づいて、前記対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であることを示す第2の条件であって、前記対象施設における所定期間の前記来場者の数に関する情報と前記他の施設における前記所定期間の来場者の数に関する情報との比較結果に関する前記第2の条件を満たすか否かを判定し、前記対象施設が前記第1の条件を満たすか否かの判定結果、および、前記対象施設が前記第2の条件を満たすか否かの判定結果に基づいて、前記対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する判定を行う評価部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記評価部は、
前記イベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つの代表値と、前記他の施設において実施されたイベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち前記少なくともいずれか1つに関する情報に対応する情報の代表値との比較結果に関する前記第1の条件を満たすか否かを判定し、前記対象施設における前記所定期間の前記来場者の数の代表値と、前記他の施設における前記所定期間の来場者の数の代表値との比較結果に関する前記第2の条件を満たすか否かを判定し、前記対象施設が前記第1の条件を満たすか否かの判定結果、および、前記対象施設が前記第2の条件を満たすか否かの判定結果に基づいて、前記対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する判定を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価部は、
前記イベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つの平均と、前記他の施設において実施されたイベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち前記少なくともいずれか1つに関する情報に対応する情報の平均との比較結果に関する前記第1の条件を満たすか否かを判定し、前記対象施設における所定期間の来場者の数の平均と、前記他の施設における前記所定期間の来場者の数の平均との比較結果に関する前記第2の条件を満たすか否かを判定し、前記対象施設が前記第1の条件を満たすか否かの判定結果、および、前記対象施設が前記第2の条件を満たすか否かの判定結果に基づいて、前記対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する判定を行う
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記来場者情報は、前記対象施設における前記来場者の滞在時間または前記来場者の客層に関する情報を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価部は、
前記来場者の滞在時間および前記来場者の客層に関する情報に基づいて、前記来場者の滞在時間および前記来場者の客層に関する情報に応じた複数の異なるグループのいずれかに前記対象施設を分類し、前記対象施設が分類されたグループに関する情報に基づいて、前記判定を行う
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記評価部によって行われた前記判定の結果に基づいて、前記対象施設におけるイベントの実施に関する提案であって、前記判定の結果に応じた提案を行う提案部
をさらに備える請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記来場者情報は、前記対象施設における前記来場者の客層に関する情報を含み、
前記提案部は、
前記来場者の客層に関する情報に基づいて、前記来場者の客層ごとに異なるイベントの内容を提案する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
記提案部は、
前記評価部によって、前記対象施設が前記第1の条件を満たさないと判定された場合であって、かつ、前記対象施設が前記第2の条件を満たすと判定された場合、前記来場者の客層ごとに異なるイベントの内容を提案する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行するプログラムにより実現される情報処理方法であって、
処理対象の施設である対象施設を訪れた来場者に関する来場者情報であって、前記来場者の数に関する情報を含む前記来場者情報と、前記対象施設と同じ地域に所在する他の施設を訪れた来場者に関する他の来場者情報であって、前記他の施設を訪れた来場者の数に関する情報を含む前記他の来場者情報と、前記対象施設において実施されたイベントの実績に関するイベント実績情報であって、前記イベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つに関する情報を含む前記イベント実績情報と、前記他の施設において実施されたイベントの実績に関する他のイベント実績情報であって、イベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つに関する情報を含む前記他のイベント実績情報を取得する取得工程と、
記イベント実績情報と前記他のイベント実績情報とに基づいて、前記対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であることを示す第1の条件であって、前記イベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つに関する情報と前記他の施設において実施されたイベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち前記少なくともいずれか1つに関する情報に対応する情報との比較結果に関する前記第1の条件を満たすか否かを判定し、前記来場者情報と前記他の来場者情報とに基づいて、前記対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であることを示す第2の条件であって、前記対象施設における所定期間の前記来場者の数に関する情報と前記他の施設における前記所定期間の来場者の数に関する情報との比較結果に関する前記第2の条件を満たすか否かを判定し、前記対象施設が前記第1の条件を満たすか否かの判定結果、および、前記対象施設が前記第2の条件を満たすか否かの判定結果に基づいて、前記対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する判定を行う評価工程と、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の場所で開催される各種イベントを企画するイベント企画者を支援する技術が知られている。例えば、イベント会場内の出展ブース毎に設置された情報読取装置により、イベント来場者の個人情報を記録した記録媒体であって、出展ブースを訪れたイベント来場者が携行する記録媒体に記録された個人情報を読み取る。そして、情報処理装置が、情報読取装置により読み取られたイベント来場者の個人情報を収集し、収集された個人情報から必要な情報を抽出して、そのイベントを企画したことによる効果の測定を行なう技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-167976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、イベント来場者の個人情報を収集し、収集された個人情報から必要な情報を抽出して、そのイベントを企画したことによる効果の測定を行なうに過ぎないため、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かを客観的に評価することができるとは限らない。
【0005】
本願は、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かを客観的に評価することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、処理対象の施設である対象施設を訪れた来場者に関する来場者情報および前記対象施設において実施されたイベントの実績に関するイベント実績情報を取得する取得部と、前記来場者情報および前記イベント実績情報に基づいて、前記対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う評価部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かを客観的に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る来場者の滞在時間および客層に応じた複数の異なるグループについて説明するための図である。
図3図3は、実施形態に係る評価の結果および提案の内容を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置及び情報処理方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置及び情報処理方法が限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.はじめに〕
従来、どのような施設でどのような内容のイベントを行うかの判断は、各種イベントを企画するイベント企画者の経験に委ねられるところが大きかった。例えば、携帯電話の新規契約を顧客にさせるためのイベントは、大型の商業施設における所定の場所に設けられた一時的なイベント会場(サテライト店舗ともいう)で開催される場合がある。このとき、イベント企画者は、多くの施設の中から、より多くの新規契約を獲得するために、どの施設でイベントを開催すればよいかを決定する必要に迫られる。このような場合、イベント企画者によっては、経験が少ないため、どの施設でイベントを開催すればよいかを決定することが難しい場合がある。これに対し、イベント企画者の経験の多少に関係なく、誰もが、データに基づいて、どのような施設でどのような内容のイベントを行うかの判断を客観的に行える技術が望まれている。
【0011】
そこで、実施形態に係る情報処理装置は、処理対象の施設である対象施設を訪れた来場者に関する来場者情報および対象施設において実施されたイベントの実績に関するイベント実績情報を取得し、来場者情報およびイベント実績情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う。これにより、情報処理装置は、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かを客観的に評価することができる。
【0012】
〔2.情報処理装置の構成〕
図1は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。実施形態に係る情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0013】
(通信部110)
通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部110は、NIC(Network Interface Card)やアンテナ等によって実現される。
【0014】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。具体的には、記憶部120は、実施形態に係る情報処理プログラムを記憶する。
【0015】
(制御部130)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0016】
制御部130は、取得部151と、評価部152と、提案部153を機能部として有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行してよい。なお、制御部130の内部構成は、図1に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、各機能部は、制御部130の機能を示したものであり、必ずしも物理的に区別されるものでなくともよい。
【0017】
(取得部131)
取得部131は、各種情報を取得する。具体的には、取得部131は、処理対象の施設である対象施設を訪れた来場者に関する来場者情報および対象施設において実施されたイベントの実績に関するイベント実績情報を取得する。より具体的には、取得部131は、所定期間(例えば、2022年10月~2022年12月など)に対象施設を訪れた来場者に関する来場者情報を取得する。例えば、取得部131は、施設ごとの来場者情報を収集し、収集した施設ごとの来場者情報を他の事業者に提供するサービスを提供する事業者のサーバから、所定期間に対象施設を訪れた来場者に関する来場者情報を取得する。また、取得部131は、所定期間(例えば、2022年10月~2022年12月など)に対象施設において実施されたイベントの実績に関するイベント実績情報を取得する。例えば、取得部131は、対象施設におけるイベント実績情報を保持するサーバまたはイベント企画者の端末装置から、所定期間に対象施設において実施されたイベントの実績に関するイベント実績情報を取得する。
【0018】
(評価部132)
評価部132は、取得部131が取得した情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う。具体的には、評価部132は、取得部131が取得した来場者情報およびイベント実績情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う。
【0019】
例えば、施設における滞在時間が30分未満等の短時間である来場者は、その施設を訪れても用事を済ませたらすぐに帰ってしまうため、イベントに参加する可能性が低いと考えられる。また、施設における滞在時間が12時間以上等の長時間である来場者は、その施設の従業員である可能性が高いため、イベントに参加する可能性が低いと考えられる。このように、施設における滞在時間が30分未満等の短時間または12時間以上等の長時間である来場者は、イベントに参加する可能性が低いと考えられる。言い換えると、イベントに参加する可能性が高い来場者の滞在時間は、30分以上12時間未満であると考えられる。そこで、情報処理装置100は、施設における滞在時間が30分以上12時間未満等の中時間である来場者の数の割合に注目して施設を評価する。これにより、情報処理装置100は、例えば、施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合が高い(低い)施設は、イベントの集客率が高い(低い)と考えられるため、イベントを実施するのに向いている(向いていない)施設であると評価することができる。
【0020】
なお、本実施形態では、短時間が30分未満であり、中時間が30分以上12時間未満であり、長時間が12時間以上である場合について説明するが、短時間、中時間および長時間の時間長はこれに限られない。例えば、短時間は、15分未満または10分未満等の任意の時間長であってもよい。また、長時間は、8時間以上または5時間以上等の任意の時間長であってもよい。また、中時間は短時間以上(例えば、15分以上または10分以上等)長時間未満(例えば、8時間未満または5時間未満等)の任意の時間長であってよい。
【0021】
具体的には、来場者情報は、対象施設における来場者の滞在時間に関する情報を含む。例えば、取得部131は、来場者の滞在時間に関する情報として、対象施設における来場者の滞在時間を来場者ごとに取得する。例えば、取得部131は、来場者を匿名の状態で識別可能な情報(例えば、来場者ID)と、来場者の滞在時間を示す情報とが紐づけられた情報を取得する。評価部132は、取得部131が取得した来場者の滞在時間に関する情報に基づいて、対象施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合を算出する。例えば、評価部132は、取得部131が取得した来場者の滞在時間を示す情報に基づいて、対象施設における滞在時間が中時間である来場者の数を算出する。また、評価部132は、取得部131が取得した来場者を匿名の状態で識別可能な情報の数に基づいて、対象施設を訪れた全ての来場者の数を算出する。続いて、評価部132は、対象施設における滞在時間が中時間である来場者の数を、対象施設を訪れた全ての来場者の数で除することにより、対象施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合を算出する。
【0022】
また、取得部131は、対象施設と同じ地域(例えば、北海道地方または東北地方などの8地方区分)に所在する他の施設それぞれにおける来場者の滞在時間に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、来場者の滞在時間に関する情報として、他の施設それぞれにおける来場者の滞在時間を来場者ごとに取得する。例えば、取得部131は、来場者の滞在時間に関する情報として、来場者を匿名の状態で識別可能な情報と、来場者の滞在時間を示す情報とが紐づけられた情報を他の施設ごとに取得する。また、評価部132は、取得部131が取得した他の施設それぞれにおける来場者の滞在時間に関する情報に基づいて、他の施設それぞれにおける滞在時間が中時間である来場者の数の割合をそれぞれ算出する。続いて、評価部132は、他の施設それぞれにおける滞在時間が中時間である来場者の数の割合に基づいて、対象施設と同じ地域に所在する他の施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合の平均(以下、「地域の施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合の平均」と記載する場合がある。)を算出する。なお、評価部132は、対象施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合を加味して地域の施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合の平均を算出してもよい。
【0023】
また、例えば、携帯電話の新規契約等は、家族で契約すると、家族間の通話やメールの利用料金を割引するサービスを受けられるのが一般的であるため、家族単位で結ばれることが多い。そのため、例えば、携帯電話の新規契約等を顧客にさせるためのイベントは、顧客にファミリー層が多い(少ない)施設ほど集客率が高い(低い)ことが予想される。ここで、ファミリー層とは、いわゆる親子連れの来場者のことを指す。例えば、ファミリー層である来場者とは、20代~50代である来場者(親)と10代以下である来場者(子ども)の組に含まれる来場者のことを指す。そこで、情報処理装置100は、施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合に注目して施設を評価する。これにより、情報処理装置100は、例えば、施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合が高い(低い)施設は、イベントの集客率が高い(低い)と考えられるため、イベントを実施するのに向いている(向いていない)施設であると評価することができる。
【0024】
なお、本実施形態では、施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合に注目して施設を評価する場合について説明するが、注目する客層はファミリー層に限られない。例えば、若年層をターゲットとする内容のイベントを実施する場合、情報処理装置100は、施設における客層が若年層である来場者の数の割合に注目して施設を評価してよい。また、高齢者層をターゲットとする内容のイベントを実施する場合、情報処理装置100は、施設における客層が高齢者層である来場者の数の割合に注目して施設を評価してよい。このように、情報処理装置100は、イベントの内容に応じてターゲットとなる客層(ターゲット層ともいう)である来場者の数の割合に注目して施設を評価してよい。
【0025】
具体的には、来場者情報は、対象施設における来場者の客層に関する情報を含む。例えば、取得部131は、来場者の客層に関する情報として、対象施設における来場者の客層を来場者ごとに取得する。例えば、取得部131は、来場者を匿名の状態で識別可能な情報と、来場者の客層を示す情報とが紐づけられた情報を取得する。例えば、取得部131は、来場者を匿名の状態で識別可能な情報と、来場者の客層であるファミリー層、高齢者層、または若年層であることを示す情報とが紐づけられた情報を取得する。評価部132は、取得部131が取得した来場者の客層に関する情報に基づいて、対象施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合を算出する。例えば、評価部132は、取得部131が取得した来場者の客層を示す情報に基づいて、対象施設における客層がファミリー層である来場者の数を算出する。また、評価部132は、取得部131が取得した来場者を匿名の状態で識別可能な情報の数に基づいて、対象施設を訪れた全ての来場者の数を算出する。続いて、評価部132は、対象施設における客層がファミリー層である来場者の数を、対象施設を訪れた全ての来場者の数で除することにより、対象施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合を算出する。
【0026】
また、取得部131は、対象施設と同じ地域に所在する他の施設それぞれにおける来場者の客層に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、来場者の客層に関する情報として、他の施設それぞれにおける来場者の客層を来場者ごとに取得する。例えば、取得部131は、来場者の客層に関する情報として、来場者を匿名の状態で識別可能な情報と、来場者の客層を示す情報とが紐づけられた情報を他の施設ごとに取得する。また、評価部132は、取得部131が取得した他の施設それぞれにおける来場者の客層に関する情報に基づいて、他の施設それぞれにおける客層がファミリー層である来場者の数の割合をそれぞれ算出する。続いて、評価部132は、他の施設それぞれにおける客層がファミリー層である来場者の数の割合に基づいて、対象施設と同じ地域に所在する他の施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合の平均(以下、「地域の施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合の平均」と記載する場合がある。)を算出する。なお、評価部132は、対象施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合を加味して地域の施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合の平均を算出してもよい。
【0027】
図2は、実施形態に係る来場者の滞在時間および客層に応じた複数の異なるグループについて説明するための図である。図2では、評価部132は、来場者の滞在時間および客層に関する情報に基づいて、来場者の滞在時間および客層に関する情報に応じた複数の異なるグループのいずれかに対象施設を分類し、対象施設が分類されたグループに関する情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う。
【0028】
具体的には、図2では、評価部132は、対象施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合と地域の施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合の平均との比較に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う。例えば、評価部132は、対象施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合が地域の施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合の平均未満である場合、対象施設を「C」のグループに分類する。評価部132は、対象施設が「C」のグループに分類された場合、対象施設がイベントを実施するのにあまり向いていない施設であると判定する。
【0029】
また、図2では、評価部132は、対象施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合と地域の施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合との比較に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う。例えば、評価部132は、対象施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合が地域の施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合の平均以上である場合であって、かつ、対象施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合が地域の施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合の平均以上である場合、対象施設を「A」のグループに分類する。評価部132は、対象施設が「A」のグループに分類された場合、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であると判定する。
【0030】
また、図2では、評価部132は、対象施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合が地域の施設における滞在時間が中時間である来場者の数の割合の平均以上である場合であって、かつ、対象施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合が地域の施設における客層がファミリー層である来場者の数の割合の平均未満である場合、対象施設を「B」のグループに分類する。評価部132は、対象施設が「B」のグループに分類された場合、対象施設がイベントを実施するのに「C」のグループよりは向いているが「A」のグループよりは向いていない施設であると判定する。
【0031】
また、過去に実施されたイベントの実績が良い(悪い)施設は、これから実施されるイベントの実績も良い(悪い)ことが予想される。例えば、イベントの実績として、過去に実施されたイベントの売上が高い(低い)施設は、これから実施されるイベントの売上も高い(低い)ことが予想される。そこで、情報処理装置100は、施設において過去に実施されたイベントの売上に注目して施設を評価する。これにより、情報処理装置100は、例えば、過去に実施されたイベントの売上が高い(低い)施設は、これから実施されるイベントの売上も高い(低い)と考えられるため、イベントを実施するのに向いている(向いていない)施設であると評価することができる。
【0032】
なお、本実施形態では、イベントの実績として、施設において過去に実施されたイベントの売上に注目して施設を評価する場合について説明するが、注目するイベントの実績は売上に限られない。例えば、新規顧客を開拓するためのイベントが実施される場合がある。このようなイベントの場合、イベントの実績として、施設において過去に実施されたイベントで獲得された新規顧客の数(以下、「顧客獲得数」と記載する場合がある。)に注目して施設を評価してよい。例えば、情報処理装置100は、施設において実施されたイベントで獲得された新規顧客の数(例えば、特定のサービスに新たに会員登録をした顧客の数)に注目して施設を評価する。また、新規契約を締結させるためのイベントが実施される場合がある。このようなイベントの場合、イベントの実績として、施設において過去に実施されたイベントで締結された新規契約の件数に注目して施設を評価してよい。例えば、情報処理装置100は、施設において実施されたイベントで締結された新規契約の件数(以下、「契約獲得数」と記載する場合がある。)に注目して施設を評価する。このように、情報処理装置100は、イベントの内容に応じたイベントの実績に注目して施設を評価してよい。
【0033】
具体的には、イベント実績情報は、対象施設において実施されたイベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つに関する情報を含む。また、イベント実績情報は、対象施設において実施されたイベントの実施回数を含む。例えば、取得部131は、イベント実績情報として、対象施設において実施されたイベントの売上(金額)、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つ、および、イベントの実施回数を示す情報を取得する。以下では、取得部131が、イベント実績情報として、対象施設において実施されたイベントの売上およびイベントの実施回数を示す情報を取得する場合について説明する。また、評価部132が、対象施設において実施されたイベントの売上およびイベントの実施回数を示す情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う場合について説明する。評価部132は、取得部131が取得したイベント実績情報に基づいて、対象施設において実施されたイベントの(1回あたりの)売上の平均を算出する。例えば、評価部132は、取得部131が取得したイベントの売上総額をイベントの実施回数で除することにより、対象施設において実施されたイベントの売上の平均を算出する。なお、取得部131は、対象施設におけるイベントの開催場所が複数存在する場合には、イベントの開催場所ごとのイベントの売上総額およびイベントの実施回数を取得する。また、評価部132は、対象施設におけるイベントの開催場所ごとのイベントの売上の平均を算出する。
【0034】
また、取得部131は、対象施設と同じ地域に所在する他の施設それぞれにおいて実施されたイベントに関するイベント実績情報を取得する。例えば、取得部131は、イベント実績情報として、他の施設それぞれにおいて実施されたイベントの売上総額およびイベントの実施回数を示す情報をそれぞれ取得する。また、評価部132は、取得部131が取得した他の施設それぞれにおけるイベント実績情報に基づいて、他の施設それぞれにおいて実施されたイベントの売上の平均をそれぞれ算出する。続いて、評価部132は、他の施設それぞれにおいて実施されたイベントの売上の平均および対象施設において実施されたイベントの売上の平均に基づいて、対象施設と同じ地域に所在する全ての施設それぞれにおいて実施されたイベントの売上の平均の平均(以下、「地域の施設において実施されたイベントの売上の平均」と記載する場合がある。)を算出する。また、評価部132は、他の施設それぞれにおいて実施されたイベントの売上の平均、対象施設において実施されたイベントの売上の平均、地域の施設において実施されたイベントの売上の平均、および、対象施設と同じ地域に所在する全ての施設の数に基づいて、対象施設と同じ地域に所在する施設において実施されたイベントの売上に関する標準偏差(以下、「標準偏差」と記載する場合がある。)を算出する。
【0035】
なお、評価部132は、対象施設において実施されたイベントの売上の平均を算出する代わりに、対象施設において実施されたイベントの契約獲得数または顧客獲得数の平均を算出する。また、評価部132は、地域の施設において実施されたイベントの売上の平均を算出する代わりに、地域の施設において実施されたイベントの契約獲得数または顧客獲得数の平均を算出する。また、評価部132は、他の施設それぞれにおいて実施されたイベントの契約獲得数または顧客獲得数の平均、対象施設において実施されたイベントの契約獲得数または顧客獲得数の平均、地域の施設において実施されたイベントの契約獲得数または顧客獲得数の平均、および、対象施設と同じ地域に所在する全ての施設の数に基づいて、対象施設と同じ地域に所在する施設において実施されたイベントの契約獲得数または顧客獲得数に関する標準偏差を算出する。
【0036】
また、そもそも施設を訪れる来場者の数が多ければ(少なければ)、その施設で実施されるイベントに参加する来場者の数も多くなる(少なくなる)ことが予想される。そこで、情報処理装置100は、施設を訪れた来場者の数に注目して施設を評価する。これにより、情報処理装置100は、例えば、来場者の数が多い(少ない)施設は、これから実施されるイベントの集客率も高い(低い)と考えられるため、イベントを実施するのに向いている(向いていない)施設であると評価することができる。
【0037】
具体的には、来場者情報は、対象施設を訪れた来場者の数に関する情報を含む。例えば、取得部131は、来場者情報として、対象施設における月別(例えば、1月、2月、3月、…等の各月)の来場者の数を取得する。評価部132は、取得部131が取得した対象施設における月別の来場者の数に基づいて、対象施設における月間の来場者の数の平均を算出する。
【0038】
また、取得部131は、対象施設と同じ地域に所在する他の施設それぞれを訪れた来場者の数に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、他の施設それぞれにおける月別の来場者の数をそれぞれ取得する。また、評価部132は、取得部131が取得した他の施設それぞれにおける月別の来場者の数に基づいて、他の施設それぞれにおける月間の来場者の数の平均をそれぞれ算出する。続いて、評価部132は、他の施設それぞれにおける月間の来場者の数の平均に基づいて、対象施設と同じ地域に所在する他の施設における月間の来場者の数の平均の平均(以下、「地域の施設における月間の来場者の数の平均」と記載する場合がある。)を算出する。
【0039】
図3は、実施形態に係る評価の結果および提案の内容を示す図である。図3では、評価部132は、対象施設を訪れた来場者の数に関する情報および対象施設において実施されたイベントの売上に関する情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う。具体的には、評価部132は、イベント実績情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であることを示す第1の条件を満たすか否かを判定する。また、評価部132は、来場者情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であることを示す第2の条件を満たすか否かを判定する。
【0040】
具体的には、図3では、評価部132は、対象施設において実施されたイベントの売上の平均と地域の施設において実施されたイベントの売上の平均との比較に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う。例えば、評価部132は、「(対象施設において実施されたイベントの売上の平均-地域の施設において実施されたイベントの売上の平均)÷標準偏差×10+50」という式に基づく計算を行うことにより、対象施設において実施されたイベントの売上の偏差値(以下、「イベント偏差値」と記載する場合がある。)を算出する。続いて、評価部132は、イベント偏差値に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う。例えば、評価部132は、対象施設のイベント偏差値が50以上である場合には、対象施設において実施されたイベントの売上が地域の施設において実施されたイベントの売上よりも高いと判定する。続いて、評価部132は、対象施設において実施されたイベントの売上が地域の施設において実施されたイベントの売上よりも高いと判定した場合、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であることを示す第1の条件を満たすと判定する。一方、評価部132は、対象施設のイベント偏差値が50未満である場合には、対象施設において実施されたイベントの売上が地域の施設において実施されたイベントの売上よりも低いと判定する。続いて、評価部132は、対象施設において実施されたイベントの売上が地域の施設において実施されたイベントの売上よりも低いと判定した場合、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であることを示す第1の条件を満たさないと判定する。
【0041】
なお、評価部132は、イベント偏差値に限らず、対象施設において実施されたイベントの売上の高さを評価することが可能な評価値(以下、「イベント実績評価値」と記載する場合がある。)であれば、どのような評価値に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行ってもよい。例えば、評価部132は、イベント実績評価値として、対象施設において実施されたイベントの売上の平均から地域の施設において実施されたイベントの売上の平均を減算した値を算出してもよい。また、評価部132は、イベントの売上の平均の代わりに、イベントの売上の中央値または最頻値を用いてもよい。このように、評価部132は、所定期間に対象施設において実施されたイベントの売上の代表値(例えば、平均、中央値または最頻値)と地域の施設において実施されたイベントの売上の代表値(例えば、平均、中央値または最頻値)との比較に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う。
【0042】
また、評価部132は、対象施設における月間の来場者の数の平均と地域の施設における月間の来場者の数の平均との比較に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う。例えば、評価部132は、対象施設における月間の来場者の数の平均が地域の施設における月間の来場者の数の平均以上である場合には、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であることを示す第2の条件を満たすと判定する。一方、評価部132は、対象施設における月間の来場者の数の平均が地域の施設における月間の来場者の数の平均未満である場合には、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であることを示す第2の条件を満たさないと判定する。
【0043】
例えば、評価部132は、対象施設のイベント偏差値が50以上であって、かつ、対象施設における月間の来場者の数の平均が地域の施設における月間の来場者の数の平均以上であって、かつ、対象施設が「A」のグループに分類される場合、対象施設の評価結果をイベントの実施を推奨する施設であることを示す「1」とする。評価部132は、対象施設の評価結果を「1」とした場合、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であると判定する。
【0044】
また、評価部132は、対象施設のイベント偏差値が50以上であって、かつ、対象施設における月間の来場者の数の平均が地域の施設における月間の来場者の数の平均以上であって、かつ、対象施設が「B」のグループに分類される場合、対象施設の評価結果を会場のポテンシャルを検討した上でイベントの実施を推奨する施設であることを示す「2」とする。評価部132は、対象施設の評価結果を「2」とした場合、対象施設が会場のポテンシャルを検討すればイベントを実施するのに向いている施設であると判定する。
【0045】
また、評価部132は、対象施設のイベント偏差値が50以上であって、かつ、対象施設における月間の来場者の数の平均が地域の施設における月間の来場者の数の平均以上であって、かつ、対象施設が「C」のグループに分類される場合、対象施設の評価結果をイベントの戦略を立てた上でイベントの実施を推奨する施設であることを示す「3」とする。評価部132は、対象施設の評価結果を「3」とした場合、対象施設がイベントの戦略を立てればイベントを実施するのに向いている施設であると判定する。
【0046】
また、評価部132は、対象施設のイベント偏差値が50以上であって、かつ、対象施設における月間の来場者の数の平均が地域の施設における月間の来場者の数の平均未満であって、かつ、対象施設が「A」、「B」または「C」のグループに分類される場合、対象施設の評価結果をイベントの戦略を立てた上でイベントの実施を検討すべき施設であることを示す「4(4A)」とする。評価部132は、対象施設の評価結果を「4(4A)」とした場合、対象施設がイベントの戦略を立てたうえでイベントの実施を検討すべき施設であると判定する。
【0047】
また、評価部132は、対象施設のイベント偏差値が50未満であって、かつ、対象施設における月間の来場者の数の平均が地域の施設における月間の来場者の数の平均以上であって、かつ、対象施設が「A」または「B」のグループに分類される場合、対象施設の評価結果をイベントの実施に関して伸びしろのある施設であることを示す「5」とする。ここで、評価部132が対象施設の評価結果を「5」とする場合は、評価部132によって対象施設が第1の条件を満たさないと判定された場合であって、かつ、対象施設が第2の条件を満たすと判定された場合に相当する。評価部132は、対象施設の評価結果を「5」とした場合、対象施設がイベントの実施に関して伸びしろのある施設であると判定する。
【0048】
また、評価部132は、対象施設のイベント偏差値が50未満であって、かつ、対象施設における月間の来場者の数の平均が地域の施設における月間の来場者の数の平均以上であって、かつ、対象施設が「C」のグループに分類される場合、対象施設の評価結果をイベントの戦略を立てた上でイベントの実施を検討すべき施設であることを示す「4(4B)」とする。評価部132は、対象施設の評価結果を「4(4B)」とした場合、対象施設がイベントの戦略を立てたうえでイベントの実施を検討すべき施設であると判定する。
【0049】
また、評価部132は、対象施設のイベント偏差値が50未満であって、かつ、対象施設における月間の来場者の数の平均が地域の施設における月間の来場者の数の平均未満であって、かつ、対象施設におけるイベントの実施回数が3回以上であって、かつ、対象施設が「A」、「B」または「C」のグループに分類される場合、対象施設の評価結果をイベントの実施を慎重に検討すべき施設(つまり、イベントを実施するのに向いていない施設)であることを示す「6」とする。評価部132は、対象施設の評価結果を「6」とした場合、対象施設がイベントを実施するのに向いていない施設であると判定する。
【0050】
また、評価部132は、対象施設のイベント偏差値が50未満であって、かつ、対象施設における月間の来場者の数の平均が地域の施設における月間の来場者の数の平均未満であって、かつ、対象施設におけるイベントの実施回数が2回以下であって、かつ、対象施設が「A」、「B」または「C」のグループに分類される場合、対象施設の評価結果をイベントの戦略を立てた上でイベントの実施を検討すべき施設であることを示す「4(4C)」とする。評価部132は、対象施設の評価結果を「4(4C)」とした場合、対象施設がイベントの戦略を立てたうえでイベントの実施を検討すべき施設であると判定する。
【0051】
(提案部133)
提案部133は、評価部132によって行われた評価の結果に基づいて、対象施設におけるイベントの実施に関する提案であって、評価の結果に応じた提案を行う。
【0052】
例えば、提案部133は、評価部132が対象施設の評価結果を「1」とした場合、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であると判定されたため、対象施設においてイベントを実施することを推奨する提案を行う。
【0053】
また、提案部133は、評価部132が対象施設の評価結果を「2」とした場合、対象施設が会場のポテンシャルを検討すればイベントを実施するのに向いている施設であると判定されたため、会場のポテンシャルを検討したうえで対象施設においてイベントを実施することを推奨する提案を行う。具体的には、評価部132は、対象施設におけるイベントの開催場所が複数存在する場合には、対象施設内でイベントの開催に適したイベントの開催場所にてイベントを実施することを推奨する提案を行う。例えば、対象施設が1階のみに入口のあるショッピングモール等である場合には、1階と3階の端を比較すると、1階の集客率と3階の端の集客率が大きく異なる(1階の集客率の方が高い)。そこで、評価部132は、対象施設が1階のみに入口のあるショッピングモール等である場合には、1階のイベントの開催場所にてイベントを実施することを推奨する提案を行う。また、評価部132は、対象施設におけるイベントの開催場所が1つしか存在しない場合には、イベントの開催場所が、例えば、対象施設の入口に近い場所などの集客率の高い場所にあるかを確認した上でイベントを実施することを推奨する提案を行う。また、評価部132は、イベントの開催場所が、例えば、3階の端などの集客率の低い場所にしかない場合には、対象施設が、1階の入口等の集客率の高い場所でイベントの参加券等を配布する等して顧客をイベントに誘引する施策を実施する等の対策が可能な施設であるかを確認した上でイベントを実施することを推奨する提案を行う。
【0054】
また、提案部133は、評価部132が対象施設の評価結果を「3」とした場合、対象施設がイベントの戦略を立てればイベントを実施するのに向いている施設であると判定されたため、イベントの戦略を立てたうえで対象施設においてイベントを実施することを推奨する提案を行う。
【0055】
また、提案部133は、評価部132が対象施設の評価結果を「4」とした場合、対象施設がイベントの戦略を立てたうえでイベントの実施を検討すべき施設であると判定されたため、イベントの戦略を立てたうえでイベントの実施を検討するよう提案を行う。
【0056】
また、提案部133は、評価部132が対象施設の評価結果を「5」とした場合、対象施設がイベントの実施に関して伸びしろのある施設であると判定されたため、イベントの内容を見直すよう提案を行う。具体的には、提案部133は、来場者の客層に関する情報に基づいて、来場者の客層ごとに異なるイベントの内容を提案する。例えば、提案部133は、対象施設における客層が若年層または高齢者層が多い施設である場合、若年層をターゲットとする内容のイベントまたは高齢者層をターゲットとする内容のイベントを実施することを提案する。また、上述したように、評価部132が対象施設の評価結果を「5」とする場合は、評価部132によって対象施設が第1の条件を満たさないと判定された場合であって、かつ、対象施設が第2の条件を満たすと判定された場合に相当する。このように、提案部133は、評価部132によって、対象施設が第1の条件を満たさないと判定された場合であって、かつ、対象施設が第2の条件を満たすと判定された場合、来場者の客層ごとに異なるイベントの内容を提案する。
【0057】
例えば、提案部133は、評価部132が対象施設の評価結果を「6」とした場合、対象施設がイベントを実施するのに向いていない施設であると判定されたため、対象施設においてイベントの実施を止めるよう提案を行う。
【0058】
〔3.処理手順〕
図4は、実施形態に係る情報処理装置による処理手順を示すフローチャートである。図4では、情報処理装置100の取得部131は、対象施設における来場者情報およびイベント実績情報を取得する(ステップS101)。また、情報処理装置100の評価部132は、取得部131によって取得された来場者情報およびイベント実績情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う(ステップS102)。また、情報処理装置100の提案部133は、評価部132によって行われた評価の結果に基づいて、対象施設におけるイベントの実施に関する提案であって、評価の結果に応じた提案を行う(ステップS103)。
【0059】
〔4.効果〕
上述したように、実施形態に係る情報処理装置100は、取得部131と評価部132を備える。取得部131は、処理対象の施設である対象施設を訪れた来場者に関する来場者情報および対象施設において実施されたイベントの実績に関するイベント実績情報を取得する。評価部132は、来場者情報およびイベント実績情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う。
【0060】
これにより、情報処理装置100は、来場者情報およびイベント実績情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かを客観的に評価することができる。また、情報処理装置100は、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かを客観的に評価することができるので、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献できる。
【0061】
また、来場者情報は、来場者の数に関する情報を含む。イベント実績情報は、イベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つに関する情報を含む。評価部132は、来場者の数に関する情報およびイベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つに関する情報に基づいて、評価を行う。
【0062】
これにより、情報処理装置100は、来場者の数およびイベントの売上、契約獲得数または顧客獲得数のうち少なくともいずれか1つに関する情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かを客観的に評価することができる。
【0063】
また、来場者情報は、対象施設における来場者の滞在時間または来場者の客層に関する情報を含む。
【0064】
これにより、情報処理装置100は、来場者の滞在時間または来場者の客層に関する情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かを客観的に評価することができる。
【0065】
評価部132は、来場者の滞在時間および来場者の客層に関する情報に基づいて、来場者の滞在時間および来場者の客層に関する情報に応じた複数の異なるグループのいずれかに対象施設を分類し、対象施設が分類されたグループに関する情報に基づいて、評価を行う。
【0066】
これにより、情報処理装置100は、来場者の滞在時間および客層に関する情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かを客観的に評価することができる。
【0067】
また、情報処理装置100は、提案部133をさらに備える。提案部133は、評価部132によって行われた評価の結果に基づいて、対象施設におけるイベントの実施に関する提案であって、評価の結果に応じた提案を行う。
【0068】
これにより、情報処理装置100は、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かを客観的に評価したうえで、対象施設におけるイベントの実施に関して適切な提案を行うことができる。
【0069】
また、来場者情報は、対象施設における来場者の客層に関する情報を含む。提案部133は、来場者の客層に関する情報に基づいて、来場者の客層ごとに異なるイベントの内容を提案する。
【0070】
これにより、情報処理装置100は、来場者の客層に基づいて、対象施設におけるイベントの実施に関して適切な提案を行うことができる。
【0071】
また、評価部132は、イベント実績情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であることを示す第1の条件を満たすか否かを判定し、来場者情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であることを示す第2の条件を満たすか否かを判定する。提案部133は、評価部132によって、対象施設が第1の条件を満たさないと判定された場合であって、かつ、対象施設が第2の条件を満たすと判定された場合、来場者の客層ごとに異なるイベントの内容を提案する。
【0072】
これにより、情報処理装置100は、イベントの実施に関して伸びしろのある施設であると判定された場合に、来場者の客層に基づいて、対象施設におけるイベントの実施に関して適切な提案を行うことができる。
【0073】
〔5.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図5は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェース(I/F)1500、入出力インターフェース(I/F)1600、及びメディアインターフェース(I/F)1700を備える。
【0074】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0075】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェース1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0076】
CPU1100は、入出力インターフェース1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェース1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェース1600を介して出力装置へ出力する。
【0077】
メディアインターフェース1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェース1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0078】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0079】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0080】
〔6.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0081】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0082】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0083】
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
130 制御部
131 取得部
132 評価部
133 提案部
【要約】
【課題】対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かを客観的に評価する。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、処理対象の施設である対象施設を訪れた来場者に関する来場者情報および対象施設において実施されたイベントの実績に関するイベント実績情報を取得する取得部と、来場者情報およびイベント実績情報に基づいて、対象施設がイベントを実施するのに向いている施設であるか否かに関する評価を行う評価部と、を備える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5