IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シェンク プロセス エルエルシーの特許一覧

特許7504292集塵機内のスタッコを調整するためのシステム
<>
  • 特許-集塵機内のスタッコを調整するためのシステム 図1
  • 特許-集塵機内のスタッコを調整するためのシステム 図2A
  • 特許-集塵機内のスタッコを調整するためのシステム 図2B
  • 特許-集塵機内のスタッコを調整するためのシステム 図2C
  • 特許-集塵機内のスタッコを調整するためのシステム 図3
  • 特許-集塵機内のスタッコを調整するためのシステム 図4
  • 特許-集塵機内のスタッコを調整するためのシステム 図5
  • 特許-集塵機内のスタッコを調整するためのシステム 図6
  • 特許-集塵機内のスタッコを調整するためのシステム 図7A
  • 特許-集塵機内のスタッコを調整するためのシステム 図7B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】集塵機内のスタッコを調整するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   C04B 11/028 20060101AFI20240614BHJP
【FI】
C04B11/028
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023520180
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 US2021051877
(87)【国際公開番号】W WO2022072226
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-05-22
(31)【優先権主張番号】17/038,910
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523116686
【氏名又は名称】シェンク プロセス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SCHENCK PROCESS LLC
【住所又は居所原語表記】7901 NW 107th Terrace Kansas City, Missouri 64153, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン, マイケル エム.
【審査官】田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-526201(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107866121(CN,A)
【文献】米国特許第01746294(US,A)
【文献】特表2011-522766(JP,A)
【文献】米国特許第03071297(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0320668(US,A1)
【文献】米国特許第01630605(US,A)
【文献】米国特許第02404884(US,A)
【文献】特開昭54-002297(JP,A)
【文献】国際公開第2016/136485(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 11/02 - 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタッコ粒状材料を調整するためのシステム(10)であって、前記システム(10)は、
保持チャンバ(12H)と連通する分離チャンバ(12A)を有する容器(12)を備え、
スタッコ粒状材料が高温空気に巻き込まれ、前記スタッコ粒状材料は、その中に残留石膏及び過剰か焼スタッコを有し、
前記分離チャンバ(12A)は、前記高温空気に巻き込まれた前記スタッコ粒状材料を供給するように構成された入口(12F)を有し、前記分離チャンバ(12A)は、前記スタッコ粒状材料を前記高温空気から分離するように構成されたコレクタシステム(12C)を有し、前記分離チャンバ(12A)は、前記分離チャンバ(12A)から前記高温空気を排出するための気体出口(12M)を有し、前記コレクタシステム(12C)は、前記スタッコ粒状材料をそこから前記保持チャンバ(12H)内に排出する排出能力を有し、
前記保持チャンバ(12H)は、内部に保持容積(12V)を画定し、前記保持チャンバ(12H)は、スタッコ出口(14)と、前記スタッコ出口(14)を通じて前記スタッコ粒状材料を搬送し、前記保持チャンバ(12H)内の前記スタッコ粒状材料を混ぜ、これのブリッジングを緩和するための、前記保持容積(12V)と前記スタッコ出口(14)との間に配置されたコンベアスクリュー(16A)と、を有し、
(a)前記保持容積(12V)は、前記スタッコ粒状材料を前記スタッコ出口(14)を通じて排出する前に前記保持チャンバ(12H)内の前記スタッコ粒状材料の20~30分の滞留時間を達成する大きさであり、前記調整することは、前記残留石膏を硫酸カルシウム半水和物になるようにか焼することと、前記過剰か焼スタッコを硫酸カルシウム半水和物に変化させることと、を含む、ことと、
(b)前記コンベアスクリュー(16A)に接続された駆動部(16D)と通信する制御部(20)と、前記保持チャンバ(12H)及び前記制御部(20)と通信するセンサ(22)と、であり、前記センサ(20)は、レベルセンサ又はレベルスイッチであり、設定点で制御信号を生成するように構成され、前記制御信号は、前記保持チャンバ(12H)内のスタッコ粒状材料のレベルを示し、前記制御信号を前記制御部(20)へ送信し、前記制御部(20)は、前記スタッコ粒状材料を前記スタッコ出口(14)から排出する前に前記保持チャンバ(12H)内の前記スタッコ粒状材料の20~30分の滞留時間を達成し、それによって前記保持チャンバ(12H)内の前記スタッコ粒状材料を調整するために、前記保持チャンバ(12H)内に前記スタッコ粒状材料を蓄積し留めるように、前記制御信号に基づいて前記駆動部(16D)を制御するように構成され、前記調整することは、前記残留石膏を硫酸カルシウム半水和物になるようにか焼することと、前記過剰か焼スタッコを硫酸カルシウム半水和物に変化させることと、を含む、ことと、の少なくとも1つである、システム(10)。
【請求項2】
請求項1に記載のシステム(10)であって、前記スタッコ出口(14)の下流に位置しそれと連通するスタッコ冷却器(70)と、前記スタッコ冷却器(70)において前記過剰か焼スタッコを硫酸カルシウム半水和物に変化させるための水分を前記スタッコ冷却器(70)に供給するために前記スタッコ冷却器(70)と連通する水分供給と、をさらに備える、システム(10)。
【請求項3】
請求項1に記載のシステム(10)であって、前記容器(12)は、前記容器(12)内の凝固を防止するためにヒータ(30)と断熱材(34)とのうちの少なくとも1つを備える、システム(10)。
【請求項4】
請求項1に記載のシステム(10)であって、前記保持チャンバ(12H)は、前記保持チャンバ(12H)内の前記スタッコ粒状材料を混ぜ、これのブリッジングを緩和するための攪拌機を備える、システム(10)。
【請求項5】
請求項4に記載のシステム(10)であって、前記攪拌機は、
(a)振動機構成(32)と、
(b)気体分配構成(50)と、
(c)前記コンベアスクリュー(16A)の可変ピッチフライトと、のうちの少なくとも1つを備える、システム(10)。
【請求項6】
請求項1に記載のシステム(10)であって、前記保持チャンバ(12H)は、その頂部の水平基準線から内向面へ測定された最低60度の角度で前記頂部から下方に傾斜する前記内向面を有する傾斜壁(12W)を備える、システム(10)。
【請求項7】
請求項6に記載のシステム(10)であって、前記角度は、約70度である、システム(10)。
【請求項8】
請求項1に記載のシステム(10)であって、前記保持チャンバ(12H)は、内部に内張り構成(40)を備え、前記内張り構成(40)は、低摩擦材料を備える、システム(10)。
【請求項9】
請求項8に記載のシステム(10)であって、前記低摩擦材料は、ポリテトラフルオロエチレンを備える、システム(10)。
【請求項10】
請求項1に記載のシステム(10)であって、前記保持チャンバ(12H)は、最大容量レベルを有し、前記設定点は、前記最大容量レベルに設定され、前記制御部(20)は、前記最大容量レベルに達するまで、前記コンベアスクリュー(16A)の出力を低下させるために前記駆動部(16D)の速度を低下させるように構成される、システム(10)。
【請求項11】
請求項10に記載のシステム(10)であって、前記制御部(20)は、前記スタッコ粒状材料のブリッジング又は凝固を防止するために前記駆動部(16D)を最低速度維持するように構成される、システム(10)。
【請求項12】
請求項1に記載のシステム(10)であって、前記保持チャンバ(12H)の重量と、内部に蓄積され留められた前記スタッコ粒状材料の重量とを支持するように前記保持チャンバ(12H)に係合する支持構造(12T)をさらに備える、システム(10)。
【請求項13】
請求項1に記載のシステム(10)であって、前記スタッコ粒状材料が前記保持チャンバ(12H)内でブリッジングすることを防止し、前記保持チャンバ(12H)から出る前記スタッコ粒状材料の均一フローの促進を支援するために、前記スタッコ粒状材料をかき混ぜるための攪拌機として機能するように、前記コンベアスクリュー(16A)は、第1の端部(16X)及び第2の端部(16Y)を有し、前記第2の端部(16Y)は、前記スタッコ出口(14)に近接して配置され、前記コンベアスクリュー(16A)は、少なくとも第1のピッチ(P1)及び第2のピッチ(P2)を有し、前記第2のピッチ(P2)は、前記第2の端部(16Y)に近接し、前記第2のピッチ(P2)は、前記第1のピッチ(P1)よりも大きい、システム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタッコ相を均質化するために、すなわち、任意の残留石膏(二水和物、CaSO・2HO)をか焼し終え、任意の過剰か焼スタッコ(可溶性無水石膏、CaSO)を所望の半水和物(CaSO・1/2HO)に変化させるために、十分な攪拌が採用される集塵機保持チャンバ内のスタッコ粒状材料の滞留時間を増加することによって集塵機内のスタッコ粒状材料を調整するためのシステムを対象とする。本発明はさらに、内部のスタッコ粒状材料の滞留時間を増加するための既存又は大きなサイズの保持チャンバの使用を対象とする。本発明はまた、保持チャンバ内のスタッコ粒状材料の滞留時間を増加するように構成されたレベル制御システムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
グラインディングミルは、スタッコ、リン鉱石、塩、バイオマス、コークス、及び石炭の製造に使用される鉱物、石灰岩、石膏のような固体材料を小さな粒子に押し潰し粉砕するために使用される。インパクトハンマーミル及びボールレースミルは、石膏のような特定の種類の固体材料の押し潰し、粉砕、乾燥、瞬間か焼のすべてをワンステップで行うために使用されうる典型的なグラインディングミルである。瞬間か焼プロセスは、か焼のために材料を非常に短い期間(すなわち、数秒)しか提供せず、その結果、粒子のごく一部は依然として未か焼でありうるが、一部は高温に起因して過剰か焼されうる。したがって、か焼された石膏、すなわちスタッコをさらに調整/均質化するために、低温での長い滞留時間を伴う追加の後か焼プロセスを有することが重要である。
【0003】
ハンマーインパクトミル100を使用してスタッコを生成するための先行技術のスタッコ製造システム1000が図1に図示されている。スタッコ製造システム1000は、内部に生石膏を貯留するためのサイロ200を含む。サイロ200から生石膏を抽出し、生石膏を重量分離ベルトフィーダ220に搬送するためのモータ作動プラウ排出器210がサイロ200の底部出口部に配置されている。測定された量の生石膏が、導管230を介してハンマーインパクトミル100の入口ホッパー110に輸送される。ハンマーインパクトミル100は、供給された生石膏を粉砕するモータ作動ハンマーインパクトアセンブリ130を含む。送風機310及び空気予熱器320を含む空気供給システム300は、ハンマーインパクトミル130に加熱空気を提供する。送風機310は、加熱空気をハンマーインパクトミル100に通し、粉砕石膏をか焼スタッコ粒状材料に瞬間か焼し、分級機140への輸送のためにか焼スタッコ粒子材料を巻き込む。分級機140は、さらなるグラインディング及びか焼を行うために、粗い粒子をホッパー110に戻す。か焼スタッコ粒状材料の細かい粒子は、華氏約325度で分級機140から出る。か焼粒状材料は、か焼粒状材料を加熱空気から分離する集塵機(例えば、バッグハウス又は電気集塵器)500に輸送される。清浄化された高温空気は、華氏約325度で集塵機500から、ファン610及びスタックシステム620を含む排出システム600に排出される。集塵機500は、スタッコ粒状材料を高温空気から分離する。例えば、スタッコ粒子材料は、多孔質バッグの外表面に集まり、気体はバッグを通って排出システム600に流れ込む。バッグ上に蓄積されたスタッコ粒子状材料は、空気のパルス又は振動作用のような攪拌によって定期的に除去される。スタッコ粒状材料は、重力によって集塵機500のトラフ部に落下する。トラフは、集塵機500の底部に位置する。典型的に、トラフエリアに蓄積されたスタッコは、スタッコ粒状材料のフローとして、集塵機500へ速やかに(例えば、数秒~数分)排出される。スタッコ粒子材料は、トラフが埋まる前に、冷却器700(例えば、ロータリー冷却器)に排出される。冷却器700は、スタッコ粒状材料の温度を下げる。冷却後、スタッコ粒状材料は貯留容器800に輸送される。
【0004】
しかし、ハンマーインパクトミル100から排出され、集塵機500内に短い滞留時間(例えば、数秒~数分)保持される瞬間か焼されたスタッコは、必ずしも正しい相組成を有するとは限らない。よって、スタッコの品質を向上させるために、冷却器のような別の容器内での追加の調整が典型的に必要となる。しかし、冷却器のような別の容器は典型的に、より低い温度にあり、これは、結果として、残留生石膏を完全にか焼するのに長い時間がかかるか、温度及び滞留時間の制限のために完全にか焼されない。
【0005】
よって、追加の容器を使用せずに完全に調整するのに十分な高い温度でスタッコを調整する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
バッグハウス又は電気集塵機のような集塵機の中でスタッコ粒状材料を調整するためのシステムが本書に開示されている。システムは、保持チャンバと連通する分離チャンバを有する容器(例えば、収集トラフ)を含む。分離チャンバは、加熱空気のような気体に巻き込まれたスタッコ粒状材料を供給するための入口を有する。分離チャンバは、気体が通過することを可能にしスタッコ粒状材料を分離することによって気体からスタッコ粒状材料を分離するように構成された収集システム(例えば、バッグセパレータシステム)を有する。分離チャンバは、分離チャンバから気体を排出するための気体出口を有する。コレクタシステムは、スタッコ粒状材料をそこから保持チャンバ内に排出するための排出能力(例えば、トン/時間で測定される)を有する。保持チャンバは、内部に保持容積を画定する。保持チャンバは、スタッコ出口と、スタッコ出口を通じてスタッコ粒状材料を搬送するための、保持容積とスタッコ出口との間に配置されるコンベアとを有する。システムは、保持容積が、スタッコ出口を通じて排出される前に保持チャンバ内のスタッコ粒状材料を調整するのに十分な所定の大きさである1つの実施形態(本書では、保持チャンバ容積増加実施形態と呼ばれる)を含む。いくつかの実施形態において、所定の大きさの保持容積は、スタッコ出口から排出される前に、20~30分間のか焼の間、スタッコ材料を保持チャンバ内に蓄積し留めるように構成される。保持チャンバ容積増加実施形態において、支持構造は、保持チャンバの増加した重量及び内部に蓄積され留まるスタッコ粒状材料の増加した重量を支持するように保持チャンバに係合する。
【0007】
システムはまた、制御システムが、コンベアに接続されている駆動部と通信する制御部を備える別の実施形態も含む。制御システムは、保持チャンバ及び制御部と通信するセンサ(例えば、レベルセンサ又はレベルスイッチ)を含む。センサは、設定点で制御信号を生成し、制御信号を制御部へ送信するように構成される。制御部は、スタッコ出口を通じて排出される前に、調整のために保持チャンバ内にスタッコ粒状材料の残留上部を蓄積し留めるために、制御信号に基づいて駆動部を制御するように構成される。いくつかの実施形態において、保持チャンバは最大容量レベルを有し、センサはレベルスイッチのようなレベルセンサである。設定点は最大容量レベルに設定され、制御部は、最大容量レベルに達するまで、コンベアの出力を低下するために駆動部の速度を低下する。制御部は、最大容量レベルに達するまで、スタッコ粒状材料のブリッジング又は凝固を防ぐために最小速度を維持する。最大容量レベルに達っした後に、制御部は、コレクタシステムの排出容量に一致させるようにコンベアの出力を通常の動作容量に増加するために、駆動部の速度をリセットする。
【0008】
いくつかの実施形態において、調整は、保持チャンバ内のスタッコ粒状材料の完全なか焼を含む。いくつかの実施形態において、保持チャンバ内のスタッコ粒状材料の部分的な調整のみである。
【0009】
いくつかの実施形態において、システムは、スタッコ出口の下流に位置し、スタッコ出口と連通するスタッコ冷却器(又は他の熱交換器)を含む。保持チャンバ内で部分的な調整のみが行われる場合に、調整はスタッコ冷却器内で完了する。いくつかの実施形態において、スタッコ冷却器は、スタッコ冷却器に水分を搬送するための水分供給と流体連通している水分入口ラインを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、容器は、容器内の結露を防止するためのヒータ及び/又は断熱材を含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、保持チャンバは、保持チャンバ内のスタッコ粒状材料を混ぜ、これのブリッジングを緩和するための1つ以上の攪拌機を含む。攪拌機は、振動機構成と、気体分配構成と、コンベアのスクリュー部分のフライト上の構成とのうちの1つ以上を含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、保持チャンバは、頂部の水平基準線から内向面へ測定された最低60度(好ましくは70度)の角度でその頂部から下方に傾斜する内向面を有する傾斜壁を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、保持チャンバは、内部に内張り構成を含み、これは、これには限定されないがポリテトラフルオロエチレンのような低摩擦材料から作られる。
【0014】
いくつかの実施形態において、コンベアは、第1の端部及び第2端部を有するスクリューを含む。第2の端部は、スタッコ出口に近接して配置される。スクリューは、少なくとも1のピッチ及び第2のピッチを有する。第2のピッチは、第2の端部に近接してスクリューの長さに沿って配置される。第2のピッチは第1のピッチよりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】先行技術のスタッコ製造システムの概略フロー図。
図2A】本発明のスタッコ粒状材料のための調整システムの斜視図。
図2B図2Aの2B-2B面で切り取った本発明のスタッコ粒状材料のための調整システムの断面概略図。
図2C】本発明のスタッコ粒状材料のための調整システムの別の実施形態であって、中央に配置されたスタッコ出口を有する円錐形の保持チャンバを有する別の実施形態の斜視図。
図3図2Bの調整システムの一部の拡大断面図。
図4】調整システムの壁に低摩擦内張りを有するように示される図2Bの調整システムの傾斜壁の一部の拡大図。
図5】調整システムの壁にエアパッドを有するように示される図2Bの調製システムの傾斜壁の一部の拡大図。
図6】調整システムの壁に空気攪拌構成を有するように示される図2Bの調製システムの傾斜壁の一部の拡大図。
図7A】可変ピッチコンベアスクリューの概略図。
図7B】可変ピッチコンベアスクリューの別の実施形態の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図2A及び図2Bに示されるように、スタッコ粒状材料のための調整システムは、一般に符号10で示され、保持チャンバ12Hと連通する分離チャンバ12Aを有する容器12を含む。保持チャンバ12Hは、第1の端部12Xと第2の端部12Yとの間で横方向に延びている。容器12は、支持構造12Tを介して基礎に固定されている。分離チャンバ12Aは略矩形断面を有し、保持チャンバ12Hは傾斜した側壁12W(例えば、4つの傾斜した側壁)を有する略矩形断面を有する。図12Aは、略矩形断面を有する分離チャンバ12A及び保持チャンバ12Hを示すが、本発明はこの点に関して限定されるものではなく、図2Cに示されるような円形/円筒形の断面を有する分離チャンバ12A’と、円錐形状及び中央に位置するスタッコ出口14を有する保持チャンバ12H’を含むがこれに限定されない他の構成が採用されてもよい。保持チャンバ12H'は、水平基準線H(すなわち、傾斜壁12W’の頂部に位置する)から内向面12Qまで、最低60度の角度θでその頂部から下方に傾斜する傾斜壁12W’を有する。1つの実施形態では、角度θは、図3で示されているものと同様に約70度である。
【0017】
調整システム10は、スタッコ相を均質化及び調整するために、すなわち、任意の残留石膏(二水和物、CaSO・2HO)をか焼し終え、過剰か焼スタッコ(可溶性無水石膏、CaSO)を所望の半水和物(CaSO・1/2HO)に変化させるために、十分な攪拌が採用される集塵機保持チャンバ内のスタッコ粒状材料の滞留時間を増加する。いくつかの実施形態において、スタッコ相を均質化及び調整するために、すなわち、任意の残留石膏(二水和物、CaSO・2HO)を所望の半水和物(CaSO・1/2HO)にか焼し終えるために、保持チャンバ12Hに熱が加えられうる。例えば、1つの実施形態において、図2Bに示されるように、スタッコ粒状材料に(凝縮を防止するために必要な熱量を超える)熱を加えてその調整を補助するために、追加のヒータ90Hが保持チャンバ12H内に配置される。
【0018】
分離チャンバ12Aは、例えば図1に示されるハンマーインパクトミル100のようなミルから、高温気体、例えば華氏325度の高温空気に巻き込まれたスタッコ粒状材料を供給するための入口12Fを有する。保持チャンバ12Hは、入口12Fの直下にある。図2Bに示されるように、分離チャンバ12Aは、気体からスタッコ粒状材料を分離するように構成されたコレクタシステム12C(例えば、フィルタバッグ又は電気集塵機)を有する。分離チャンバ12Aは、例えば図1に示されるように、清浄気体(例えば、空気)をそこから排出システム600内に排出するための出口12Mを有する。図2Bに示されるように、分離チャンバ12Cは、分離チャンバ12Aから気体を排出するための気体出口を有する。気体フローに巻き込まれたスタッコ粒状材料は、入口12Fを介して分離チャンバ12Aに流入し、気体は、コレクタシステム12Cを通じて(例えば、フィルタバッグを通じて)矢印Gの方向に流れ、出口12Mを介して分離チャンバ12Aから排出される。スタッコ粒状材料は、コレクタシステム12Cにおいて(例えば、フィルタバッグの外側に)集まり、コレクタシステム12Cから(例えば、空気パルス又は振動を介して)放出され(例えば、排出され)、重力により保持チャンバ12H内に落下する。コレクタシステム12Cは、スタッコ粒状材料をそこから保持チャンバ12H内に排出するための排出能力(例えば、ポンド毎時で測定される製造能力)を有する。
【0019】
保持チャンバ12Hは、内部に保持容積12Vを画定する。保持チャンバ12Hは、スタッコ出口14と、スタッコ出口14を通じてスタッコ粒状材料を搬送するための、保持容積12Vとスタッコ出口14との間に配置されるコンベア16とを有する。
【0020】
調整システム10は、スタッコ粒状材料の調整のための2つの実施形態(すなわち、実施形態(a)及び実施形態(b))の一方又は両方を含み、各々は、内部の調整(例えば、か焼)を促進するために、保持チャンバ12H内のスタッコ粒状材料の滞留時間を増加することを対象とする。実施形態(a)において、保持チャンバ12H内のスタッコ材料の滞留時間は、保持チャンバ12H内の滞留時間の増加を可能にするのに十分な大きさの保持容積12Vを有する既存の保持チャンバ12Hを採用することによって、又は保持チャンバ12H内の滞留時間の増加を可能にするのに十分な大きさの保持容積12Vを生成するように保持チャンバ12Hの容積を最初にサイズ設定する又は増加することによって、増加される。例えば、実施形態(a)は、スタッコ出口14を通じて排出される前に、保持チャンバ12H内のスタッコ粒状材料を調整する(例えば、完全にか焼する)のに十分な所定の大きさである保持容積12Vを含む。実施形態(b)において、保持チャンバ12H内のスタッコ粒状材料の滞留時間は、スタッコ粒状材料の十分な上部が保持チャンバ12H内に蓄積されるまでスタッコ粒状材料の排出を遅らせる制御システムによって増加される。例えば、実施形態(b)は、コンベア16に接続された駆動部16Hと通信する制御部20と、保持チャンバ12H及び制御部20と通信するセンサ22とを含み、センサ22は、設定点(setpoint)で制御信号を生成し、制御信号を制御部20へ送信するように構成され、制御部20は、制御信号に基づいて駆動部16Dを制御し、スタッコ出口14を通じて排出される前に、調整のために保持チャンバ12H内にスタッコ粒状材料を蓄積し留めるように構成されている。実施形態(a)及び実施形態(b)は、単独で又は一緒に採用されうる。1つの実施形態において、実施形態(b)の制御システムは、スタッコを均質化し調整するのに、すなわち、任意の残留石膏(二水和物、CaSO・2HO)をか焼し終え、か焼スタッコ(可溶性無水石膏、CaSO)を所望の半水和物(CaSO・1/2HO)に変化させるのに十分な滞留時間を得るために、既存の容積を有する既存の保持チャンバと共に採用される。
【0021】
図2Bに示されるように、保持チャンバ12Hは、最大容量レベルMLを有する。1つの実施形態において、センサ22は、レベルセンサ又はレベルスイッチである。設定点は最大容量レベルMLに設定され、システム10の起動中に、制御部20は、最大容量レベルMLに達するまでコンベア16の出力を低下させ、それによってスタッコ粒状材料の残留の上部が保持チャンバ12H内に積みあがるように、駆動部16Dの速度を低下させる。起動中、保持チャンバ12Hが最大容量レベルMLまで埋まっている場合に、制御部は、スタッコ粒状材料のブリッジング又は固結を防止するために駆動部16Dを最低速度に維持する。制御システムは、部分的な調整又は完全な調整のいずれかのための滞留時間の間、スタッコ粒状材料を保持チャンバ12H内に蓄積させるように構成されている。最大容量レベルMLが達成された場合に、レベルセンサ22は、レベルを認識し、制御部20へ信号を送り、制御部20は次いで、コンベア16の通常の容量速度(例えば、フルスピード)を再開して、コレクタシステム12Cの排出容量に一致させ、保持チャンバ12H内の一定レベルを維持するために、駆動部16Dへ制御信号を送る。通常の容量速度で、コンベア16は、スタッコ粒状材料を、スタッコ出口14を通じて先入れ先出し方式で輸送する。1つの実施形態において、図7A及び図7Bで示され説明されるような先入れ先出しフロー構成を実現するために、コンベア16は、可変ピッチスクリューコンベアを採用する。よって、保持チャンバ12Hに入るスタッコ粒状材料は、保持チャンバから排出される前に、調整のための適切な滞留時間(例えば、20~30分)の間、保持チャンバ12H内に留まる。通常の容量速度において、コンベア16は、保持チャンバ12Hに供給される全ての追加のスタッコ粒状材料が、調整のための適切な滞留時間の間、保持チャンバ12H内に留まることを可能にする速度でスタッコ出口14を通じてスタッコ粒状材料を輸送する。
【0022】
本書で使用されるように、スタッコ粒状材料の調整という用語は、二水和物(CaSO・2HO)を半水和物(CaSO・1/2HO)に変化させる水蒸気の放出によって残留原料をか焼するために、追加の調整を必要とするスタッコ粒状材料(すなわち、粉砕された生石膏)を華氏300度以上に維持することを含む。よって、保持チャンバ12H内の水蒸気は、可溶性無水石膏(CaSO)を半水和物(CaSO・1/2HO)に変化させる。
【0023】
1つの実施形態において、保持チャンバ12Hの保持容積12Vは、スタッコ出口14を通じて排出される前に、保持チャンバ14H内でか焼を完了するのに十分な滞留時間の間、スタッコ粒状材料の上部を蓄積するのに十分な所定の大きさのものである。1つの実施形態において、所定の大きさの保持容積12Vは、スタッコ出口14から排出される前に、20~30分間のか焼の間、スタッコ材料を保持チャンバ内に蓄積し留めるように構成される。例えば、毎時20トンの製造能力について、スタッコ粒状材料の完全な調整のための保持容積12Vは6.7~10トンである。保持チャンバ12H内のか焼が完了するまでスタッコ粒状材料を調整するのに十分なスタッコ粒状材料を蓄積するのに十分な所定の大きさである保持チャンバ12Hは、スタッコ粒状材料を部分的にしかか焼できない保持チャンバ12Hよりも大きくて重い(すなわち、保持チャンバ12H及びその中のスタッコ材料の重量を含む)。したがって、調整を完了するのに十分な滞留時間の間、スタッコ粒状材料の上部を蓄積するための大きさである保持チャンバ12Hは、保持チャンバ12H及び内部に蓄積され留められるスタッコ粒状材料の重量を支持するために保持チャンバ12Hに係合する補助支持構造を必要とする。
【0024】
保持容積12Vが、保持チャンバ12H内でより完全な調整を有するのに十分なスタッコ粒状材料を蓄積するのに十分な大きさのものである実施形態において、(図2Bでスタッコ出口14の下流に示される)スタッコ冷却器70は、スタッコ粒状材料を効果的にさらにか焼するように構成されておらず、単に冷却するだけである。
【0025】
1つの実施形態において、スタッコ出口を通じて排出されるスタッコ粒状材料のわずかな部分は、過剰にか焼されて、いくらかの無水石膏CaSOになりうる。
【0026】
図2Bに示されるように、無水石膏CaSOを所望の半水和物(CaSO・1/2HO)に変化させるために、水分(例えば、水蒸気)が冷却器70に加えられてもよい。過剰か焼されたスタッコを半水和物の理想スタッコに変化させるためにスタッコに水蒸気を加えても、調整の第2の部分は、依然として有効である。集塵機12A及びスタッコ冷却器70における調整の組み合わせは、互いに補完し合うことによって、調整プロセスを完了する。1つの実施形態において、スタッコ冷却器は、いくつかの実施形態では約20分の滞留時間を有する冷却器プロセス全体を通じて、スタッコ粒状材料の表面をスタッコ冷却器内の水蒸気(例えば、既存の水蒸気、又はインパクトミル又は分離チャンバ12Aからの出口12Mからの少量の排気気体の再循環を通じて加えられた水蒸気)にさらすことを可能にする回転する冷却器である。スタッコ冷却器70は、スタッコ粒子を水分(例えば水蒸気)にさらすのを助ける、冷却器70内のスタッコ粒状材料を転がす回転式冷却器である。例えば、図2Bは、清浄化された高温湿潤空気が、分離チャンバ12Aから、ファン610及びスタックシステム620を含む排出システム600へ、華氏約325度で出口12Mを通して排出されることを説明する。清浄化された高温湿潤空気の一部は、ハンマーインパクトアセンブリ130(図1参照)に加熱空気を提供する、送風機310及び空気予熱器320を含む空気供給システム300に輸送される。図2Bを参照して、水分供給は、スタッコ冷却器70と流体連通している。水分供給は、清浄化された高温湿潤空気の一部を、排出システム600からスタッコ冷却器70へ、輸送ライン91、バルブ92及び水分入口ライン93を介して迂回させることによって提供される。バルブ92は、輸送ライン91と水分入口ライン93との間に配置される。水分入口ライン93は、調整を完了する(例えば、無水石膏CaSOを所望の半水和物(CaSO・1/2HO)に変化させる)ために水分をスタッコ冷却器70に搬送するために、スタッコ冷却器70と流体連通している。スタッコ冷却器70は、スタッコ粒状材料をそこから排出するための排出ライン71を含む。
【0027】
1つの実施形態において、保持容積12Vは、保持チャンバ12Hがいっぱいになる(すなわち、最大容量レベルMLに達する)前に、保持チャンバ12H内のスタッコ粒状材料を部分的にか焼するのに十分な長さだけスタッコ粒状材料を保持するのに十分な大きさのものである。よって、スタッコ出口14を通じた保持チャンバ12Hからのスタッコ粒状材料の排出は、入ってくるスタッコ粒状材料が保持チャンバ12Hの過充填をしないようにするために、全能力で再開しなければならない。スタッコ粒状材料が完全にか焼されるのに十分な滞留時間を有するには保持容積12Hが小さすぎるいくつかの実施形態において、調整システム10の下流に配置された補助設備においてさらなるか焼が達成されうる。例えば、1つの実施形態において、スタッコ粒状材料の追加の調整は、スタッコ出口14の下流に位置し連通するスタッコ冷却器70(図2B参照)内で達成される。スタッコ粒状材料が調整システム10において部分的にのみ調整される実施形態において、スタッコ冷却器70(又は他の熱交換器)は、調整を完了し、スタッコ粒状材料を冷却し、熱を回収するように構成される。
【0028】
図3に示されるように、保持チャンバ12Hは、内向面12Qと外向面12Rとを有する傾斜壁12Wによって画定される。保持チャンバ12Hは傾斜壁12Wを有するものとして示され説明されているが、本発明は、これには限定されないが弓形壁のような他の傾斜構成が採用されてもよいため、この点に関して限定されない。
【0029】
図3に示されるように、保持チャンバ12Hの傾斜壁12Wの内向面12Qは、水平基準線H(すなわち、傾斜壁12Wの上部に位置する)から測定して最低60度の角度θでその頂部から(すなわち、水平基準線Hにおいて)内向面12Qへ下方に傾斜している。1つの実施形態において、角度θは約70度である。角度θは、保持チャンバ12H内のスタッコ粒状材料の下方へのフローを促進し、(a)スタッコ材料が傾斜壁12Wに付着すること、(b)傾斜壁12Wの互いに反対側にある側面間のスタッコ粒状材料のブリッジング、及び(c)保持チャンバ12Hからのスタッコ粒状材料のフローの遮断、を防止するように選択される。
【0030】
図3に示されるように、ヒータシステム30(例えば、電気抵抗ヒータの列)は、傾斜壁12Wに連通している。例えば、ヒータシステム12は、外向面12Rに取り付けられている。円錐壁12Wは、これに固定された断熱材34の層を有する。図3に示されるように、断熱材34はヒータシステム30を覆い、さらに断熱材34’は分離チャンバ12Aを覆う。ヒータシステム30及び断熱材34、34’は、容器12内の凝縮を防止する助けとなる。
【0031】
いくつかの実施形態において、保持チャンバ12Hは、保持チャンバ12H内のスタッコ粒状材料を混ぜ、このブリッジングを緩和するための1つ以上の攪拌機を含む。攪拌機は、スタッコ粒状材料から水蒸気を放出し、また、水蒸気にか焼スタッコを水蒸気にさらす助けとなり、これは調整プロセスを支援する。図3に示されるように、振動機構成32攪拌機は、外向面12Rに固定されている。図5に示されるように、気体分配構成50攪拌機は、保持チャンバ12H内のスタッコ粒状材料の下方フローを促進するのを支援するために、内向面12Rに固定されている。1つの実施形態において、気体分配構成50は、空気供給システム52から加圧及び加熱された空気が供給される多孔質パッドの構成を含む。図6に示されるように、別の実施形態の気体分配構成50は、保持チャンバ12H内のスタッコ粒状材料の下方フローを促進するのを支援するために内向面12Qに固定される。1つの実施形態において、気体分配構成50は、空気供給システム60から加圧及び加熱された空気が供給されるノズル60の構成を含む。図2Bに示されるように、スタッコ粒状材料が保持チャンバ12H内でブリッジングするのを防ぎ、保持チャンバ12Hからのスタッコ粒状材料の均一なフローを促進するのを支援するために、コンベア16は、粒状材料をかき混ぜる攪拌機として機能するヘリカルフライト16F(例えば、可変ピッチフライト、図7A及び図7Bを参照)を有するスクリュー16Aを含む。
【0032】
1つの実施形態において、図7Aに示されるように、スクリュー16Aは、その第1の端部16Xから第2の端部16Yまでスクリュー16Aの長さLTに沿って減少するレートでスタッコ粒状材料を攪拌し、かき混ぜ、搬送するように構成され、スタッコ粒状材料をスタッコ出口14を通じて先入れ先出し方式で排出するように構成された不均一な形状を有する可変ピッチスクリューである。例えば、スクリュー16Aは、その長さLTに沿って異なるねじ山ピッチ(すなわち、ねじ山間の距離)を有する。スクリュー16Aは、長さL1に沿った第1のピッチP1、長さL2に沿った第2のピッチP2、及び長さL3に沿った第3のピッチP3を有する。第3のピッチP3は第2のピッチP2よりも大きく、第2のピッチP2は第1のピッチP1よりも大きい。第1の長さL1は、第1の端部16Xから第2の端部16Yに向かう方向に軸方向に延び、第1の端部16Xと第2の端部16Yとの中間点で終端する。第2の長さL2は、第1の長さLIと第3の長さL3との間に延びている。第3の長さL3は、第2の端部16Yから第1の端部16Xに向かう方向に軸方向に延び、第1の端部16Xと第2の端部16Yとの中間で終端する。第3の長さL3は、スタッコ出口14に近接して位置している。図7Aに示されるように、第1の長さL1は第2の長さL2よりも大きく、第2の長さL2は第3の長さL3よりも大きい。しかし、本発明はこの点に関して限定されるものではなく、第1の長さL1、第2の長さL2及び第3の長さL3は、スクリュー16Aの長さLTに沿ってスタッコ粒状材料の攪拌及び搬送速度を選択的に制御するように構成され、スタッコ粒状材料を先入れ先出し方式でスタッコ出口14を通じて排出するように構成された、等しい大きさ、異なる大きさ又は他の大きさであってもよい。
【0033】
スクリュー16Aが回転すると、スタッコ粒状材料の第1の速度R1の攪拌及び搬送が第1の長さL1に沿って生成され、スタッコ粒状材料の第2の速度R2の攪拌及び搬送が第2の長さL2に沿って生成され、スタッコ粒状材料の第3の速度R3の攪拌及び搬送が第3の長さに沿って生成される。第1の速度R1は第2の速度R2よりも大きく、第2の速度R2は第3の速度R3よりも大きい。まとめると、第1の速度R1、第2のレートR2及び第3の速度R3は、保持チャンバ12Hの第1の端部12Xと第2の端部12Yとの間でスタッコ粒状材料を保持チャンバ12Hから均一に排出させ、スタッコ粒状材料をスタッコ出口14を通じて先入れ先出し方式で排出するように協働する。
【0034】
図7Aのスクリュー16Aは、第1の長さL1、第2の長さL2及び第3の長さL3がそれぞれ第1のピッチP1、第2のピッチP1、第3のピッチP3を有するように説明されているが、本発明は、この点に関して限定されず、図7Bに示されるように、第1の端部16Xから第2の端部16Yまでスクリュー16A’の長さLTに沿ってピッチが段階的に又は漸進的に増加してもよい。
【0035】
図4に示されるように、内張り構成40(例えば、低摩擦材料で作られた内張り)は、保持チャンバ12H内のスタッコ粒状材料の下方フローを促進するのを支援するために、内向面12Qに固定されている。1つの実施形態において、低摩擦材料は、ポリテトラフルオロエチレンである。
【0036】
この発明がその詳細な実施形態に関して示され説明されたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、その要素に均等物が置き換えられてもよいことが当業者によって理解されよう。これ加えて、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために修正がなされてもよい。したがって、本発明は、上記の詳細な説明に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明が添付の特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B