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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】表示システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20240617BHJP
   B60R 1/26 20220101ALI20240617BHJP
   B60K 35/231 20240101ALI20240617BHJP
   B60J 1/02 20060101ALI20240617BHJP
   G02B 27/28 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
B60R11/02 C
B60R1/26
B60K35/231
B60J1/02 M
G02B27/28 Z
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2023032534
(22)【出願日】2023-03-03
(65)【公開番号】P2024037124
(43)【公開日】2024-03-18
【審査請求日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】P 2022141246
(32)【優先日】2022-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】永冨 謙司
(72)【発明者】
【氏名】今村 典広
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-102428(JP,A)
【文献】特開2021-088329(JP,A)
【文献】特開2017-024597(JP,A)
【文献】特開2017-210229(JP,A)
【文献】米国特許第10017114(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
B60R 1/00-1/31
B60K 35/00-35/90
G02B 27/00-27/64
B60J 1/00- 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物の前後方向において前記乗物のウインドシールドよりも後方に設けられかつ前記ウインドシールド側に向かって画像光を出射する出射面を有する出射部と、
前記ウインドシールドと前記出射面との間に設けられかつ前記出射面から出射された前記画像光を反射させる反射面を有する反射部と、
前記出射面から出射されて前記反射面で反射しない前記画像光を吸収しまたは反射させかつ前記乗物の外部の光である外光を透過させる偏光板を有し、前記ウインドシールドまたは前記ウインドシールド及び前記反射部の間に設けられる光学部とを備える、
表示システム。
【請求項2】
前記偏光板は、前記乗物の上下方向における前記出射面の上縁部および前記反射部の上縁部を通る直線よりも上方と、前記乗物の上下方向における前記出射面の下縁部および前記反射部の下縁部を通る直線よりも下方との少なくとも一方に設けられる、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記光学部は、前記偏光板の前記反射部側とは反対側に設けられるλ/4板を有する、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記出射面と前記反射面との間に設けられ、前記出射面から出射された前記画像光を前記反射面に向かって透過させ、前記反射面で反射した前記画像光によって形成される画像を補正するための補正レンズを備える、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項5】
前記乗物に乗っている人を撮影する撮影部と、前記出射面と前記反射面との間に設けられかつ前記出射面から出射された前記画像光を前記反射面に向かって透過させかつ前記反射面で反射した前記画像光によって形成される画像を補正するための補正レンズと、前記撮影部によって撮影された当該人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて前記補正レンズの位置を制御することによって前記反射面で反射した前記画像光によって形成される画像を補正する補正部とを備える、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項6】
前記乗物に乗っている人を撮影する撮影部と、前記撮影部によって撮影された当該人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて前記画像光の基になる画像信号を補正することによって前記反射面で反射した前記画像光によって形成される画像を補正する補正部とを備える、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項7】
前記出射面および前記反射面は、前記乗物の左右方向において、前記乗物の中心よりも前記乗物の運転席側に設けられる、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項8】
前記出射面および前記反射面は、前記乗物の上下方向から見たとき、前記出射面の中心と前記反射面の中心とを通る直線が前記乗物に乗っている人の頭部を通るように設けられる、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項9】
前記偏光板は、前記ウインドシールドにおける、前記出射面と前記反射面とが並ぶ方向において前記反射部と重なる部分の少なくとも一部には設けられない、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項10】
前記出射面と前記反射面との間に設けられ、前記出射面から前記反射面に向かう方向に出射された前記画像光を通過させ、前記出射面から前記反射面に向かう方向よりも前記乗物の上下方向における下方側に向かう方向に出射された前記画像光を遮断するルーバーフィルムを備える、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項11】
前記出射面から前記反射面に向かう方向よりも前記乗物の上下方向における下方側に向かう方向に出射された前記画像光を遮断する遮断部を備える、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項12】
前記出射面と前記反射面との間に設けられるλ/4板を備え、
前記光学部は、前記偏光板の前記反射部側に設けられるλ/4板を有する、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項13】
前記偏光板は、前記出射面から出射されて前記反射面で反射しない前記画像光を反射させる反射型偏光板である、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項14】
前記反射面は、凹曲面であり、
前記出射面は、前記反射面の中心における接線と平行になるように設けられる、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項15】
前記反射面は、凹曲面であり、前記反射面の中心における接線が前記乗物の上下方向に対して傾斜するように設けられ、
前記出射面は、前記接線よりも前記乗物の上下方向に対して傾斜するように設けられる、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項16】
前記偏光板は、前記出射面から出射されて前記反射面で反射しない前記画像光を反射させる反射型偏光板であり、
前記反射面は、凹曲面であり、前記反射面の中心における接線が前記乗物の上下方向に対して傾斜するように設けられ、
前記ウインドシールドは、前記接線よりも前記乗物の上下方向に対して傾斜するように設けられる、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項17】
前記反射部を回転自在に保持する保持部を備え、
前記反射面は、互いに背向して配置された第一反射面及び第二反射面を含み、
前記第一反射面及び前記第二反射面には、前記偏光板を透過した前記外光を、そのまま反射しない偏光シートが積層されている、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項18】
前記反射部と前記出射部とは、前記前後方向に並んでいる、
請求項17に記載の表示システム。
【請求項19】
前記光学部は、前記ウインドシールドと前記反射部との間に設けられた透光性の担体により支持されている、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項20】
前記光学部は、前記画像光の吸収率または前記外光の透過率が、上下方向に勾配を有する、
請求項1または2に記載の表示システム。
【請求項21】
前記光学部は、前記ウインドシールドに設けられている、
請求項1または2に記載の表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を表示する表示システムが知られている。たとえば、表示システムの一例として、特許文献1には、ディスプレイユニットと、ディスプレイユニットから出射された画像光を反射させるミラーユニットとを備えるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第10682958号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、乗物のウインドシールドよりも後方にディスプレイユニットを設け、ウインドシールドとディスプレイユニットとの間にミラーユニットを設け、ディスプレイユニットから出射された画像光をミラーユニットで反射させる場合、ディスプレイユニットから出射された画像光のうちミラーユニットで反射しなかった画像光が乗物の外部に出射されるという課題がある。また、ディスプレイユニットから出射された画像光が乗物の外部に出射されないようにミラーユニットを大きくすると、視界を妨げるという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、視界を妨げることを抑制しつつ画像光が乗物の外部に出射されることを抑制できる表示システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示システムは、乗物の前後方向において前記乗物のウインドシールドよりも後方に設けられかつ前記ウインドシールド側に向かって画像光を出射する出射面を有する出射部と、前記ウインドシールドと前記出射面との間に設けられかつ前記出射面から出射された前記画像光を反射させる反射面を有する反射部と、前記出射面から出射されて前記反射面で反射しない前記画像光を吸収しまたは反射させかつ前記乗物の外部の光である外光を透過させる偏光板を有し、前記ウインドシールドまたは前記ウインドシールド及び前記反射部の間に設けられる光学部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の表示システムによれば、視界を妨げることを抑制しつつ画像光が乗物の外部に出射されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図2図2は、第2の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図3図3は、第3の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図4図4は、第4の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図5図5は、図4の表示システムの機能構成を示すブロック図である。
図6図6は、第5の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図7図7は、図6の表示システムの機能構成を示すブロック図である。
図8図8は、第6の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図9図9は、第7の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図10図10は、第8の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図11図11は、第9の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図12図12は、第10の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図13図13は、第11の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図14図14は、第12の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図15図15は、第13の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図16図16は、第14の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図17図17は、第15の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図18図18は、第16の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図19図19は、第17の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
図20図20は、第17の実施の形態に係る表示システムを示す平面図である。
図21図21は、第17の実施の形態に係る表示システムであって、反射部の向きが調整された後の状態を示す模式図である。
図22図22は、第17の実施の形態に係る表示システムにおいて、反射部と出射部との位置関係を示す上面図である。
図23図23は、第18の実施の形態に係る表示システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一態様に係る表示システムは、乗物の前後方向において前記乗物のウインドシールドよりも後方に設けられかつ前記ウインドシールド側に向かって画像光を出射する出射面を有する出射部と、前記ウインドシールドと前記出射面との間に設けられかつ前記出射面から出射された前記画像光を反射させる反射面を有する反射部と、前記出射面から出射されて前記反射面で反射しない前記画像光を吸収しまたは反射させかつ前記乗物の外部の光である外光を透過させる偏光板を有し、前記ウインドシールドまたは前記ウインドシールド及び前記反射部の間に設けられる光学部とを備える。
【0010】
これによれば、偏光板は出射面から出射されて反射面で反射しない画像光を吸収することまたは反射させることができるので、画像光が乗物の外部に出射されることを抑制できる。また、偏光板は乗物の外部の光である外光を透過させることができるので、視界を妨げることを抑制できる。このように、視界を妨げることを抑制しつつ、画像光が乗物の外部に出射されることを抑制できる。
【0011】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記偏光板は、前記乗物の上下方向における前記出射面の上縁部および前記反射部の上縁部を通る直線よりも上方と、、前記乗物の上下方向における前記出射面の下縁部および前記反射部の下縁部を通る直線よりも下方との少なくとも一方に設けられてもよい。
【0012】
これによれば、出射面から出射されて反射面で反射せずかつ乗物の上下方向における出射面の上縁部および反射部の上縁部を通る直線よりも上方を通る画像光が乗物の外部に出射されることをより確実に抑制できる。または、出射面から出射されて反射面で反射せずかつ乗物の上下方向における出射面の下縁部および反射部の下縁部を通る直線よりも下方を通る画像光が乗物の外部に出射されることをより確実に抑制できる。このように、視界を妨げることを抑制しつつ、画像光が乗物の外部に出射されることをより確実に抑制できる。
【0013】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記光学部は、前記偏光板の前記反射部側とは反対側に設けられるλ/4板を有してもよい。
【0014】
これによれば、λ/4板がない場合に偏光板によって吸収されるまたは反射する外光を、λ/4板によって偏光板を透過するように変換することができるので、より多くの外光を乗物の内部に入射させることができる。したがって、視界を妨げることをさらに抑制しつつ、画像光が乗物の外部に出射されることを抑制できる。
【0015】
また、本開示の一態様に係る表示システムは、前記出射面と前記反射面との間に設けられ、前記出射面から出射された前記画像光を前記反射面に向かって透過させ、前記反射面で反射した前記画像光によって形成される画像を補正するための補正レンズを備えてもよい。
【0016】
これによれば、反射面で反射した画像光によって形成される画像を視認する人の目の位置が変わった場合等であっても、補正レンズによって画像を補正することができる。
【0017】
また、本開示の一態様に係る表示システムは、前記乗物に乗っている人を撮影する撮影部と、前記出射面と前記反射面との間に設けられかつ前記出射面から出射された前記画像光を前記反射面に向かって透過させかつ前記反射面で反射した前記画像光によって形成される画像を補正するための補正レンズと、前記撮影部によって撮影された当該人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて前記補正レンズの位置を制御することによって前記反射面で反射した前記画像光によって形成される画像を補正する補正部とを備えてもよい。
【0018】
これによれば、反射面で反射した画像光によって形成される画像を視認する人の目の位置が変わった場合等であっても、当該人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて補正レンズの位置を制御できるので、画像を容易に補正することができる。
【0019】
また、本開示の一態様に係る表示システムは、前記乗物に乗っている人を撮影する撮影部と、前記撮影部によって撮影された当該人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて前記画像光の基になる画像信号を補正することによって前記反射面で反射した前記画像光によって形成される画像を補正する補正部とを備えてもよい。
【0020】
これによれば、反射面で反射した画像光によって形成される画像を視認する人の目の位置が変わった場合等であっても、当該人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて画像光の基になる画像信号を補正できるので、画像を容易に補正することができる。
【0021】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記出射面および前記反射面は、前記乗物の左右方向において、前記乗物の中心よりも前記乗物の運転席側に設けられてもよい。
【0022】
これによれば、運転席に座っている人から見た場合に、左右方向における光路差をより小さくできるので、反射面で反射した画像光によって形成される画像に歪が生じることを抑制できる。
【0023】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記出射面および前記反射面は、前記乗物の上下方向から見たとき、前記出射面の中心と前記反射面の中心とを通る直線が前記乗物に乗っている人の頭部を通るように設けられてもよい。
【0024】
これによれば、乗物に乗っている人から見た場合に、左右方向における光路差をより小さくできるので、反射面で反射した画像光によって形成される画像に歪が生じることを抑制できる。
【0025】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記偏光板は、前記ウインドシールドにおける、前記出射面と前記反射面とが並ぶ方向において前記反射部と重なる部分の少なくとも一部には設けられなくてもよい。
【0026】
これによれば、ウインドシールドにおける出射面と反射面とが並ぶ方向において反射部と重なる部分には出射面から出射された画像光が当たり難く、このように出射面から出射された画像光が当たり難い部分の少なくとも一部に偏光板を設けないことによって、偏光板に係るコストの増加を抑制しつつ、視界を妨げることおよび画像光が乗物の外部に出射されることを抑制できる。
【0027】
また、本開示の一態様に係る表示システムは、前記出射面と前記反射面との間に設けられ、前記出射面から前記反射面に向かう方向に出射された前記画像光を通過させ、前記出射面から前記反射面に向かう方向よりも前記乗物の上下方向における下方側に向かう方向に出射された前記画像光を遮断するルーバーフィルムを備えてもよい。
【0028】
これによれば、出射面から反射面に向かう方向よりも乗物の上下方向における下方側に向かう方向に出射された画像光をルーバーフィルムによって遮断できるので、視界を妨げることをさらに抑制しつつ、画像光が乗物の外部に出射されることを抑制できる。
【0029】
また、本開示の一態様に係る表示システムは、前記出射面から前記反射面に向かう方向よりも前記乗物の上下方向における下方側に向かう方向に出射された前記画像光を遮断する遮断部を備えてもよい。
【0030】
これによれば、出射面から反射面に向かう方向よりも乗物の上下方向における下方側に向かう方向に出射された画像光を遮断部によって遮断できるので、視界を妨げることをさらに抑制しつつ、画像光が乗物の外部に出射されることを抑制できる。
【0031】
また、本開示の一態様に係る表示システムは、前記出射面と前記反射面との間に設けられるλ/4板を備え、前記光学部は、前記偏光板の前記反射部側に設けられるλ/4板を有してもよい。
【0032】
これによれば、外光を円偏光にして乗物の内部に出射させることができるので、視界を妨げることをさらに抑制しつつ、画像光が乗物の外部に出射されることを抑制できる。
【0033】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記偏光板は、前記出射面から出射されて前記反射面で反射しない前記画像光を反射させる反射型偏光板であってもよい。
【0034】
これによれば、偏光板が画像光を吸収して発熱することを抑制できるので、偏光板が発熱することによる偏光板の劣化を抑制できる。
【0035】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記反射面は、凹曲面であり、前記出射面は、前記反射面の中心における接線と平行になるように設けられてもよい。
【0036】
これによれば、出射面と反射面との距離をより均一に近づけることができるので、反射面で反射した画像光によって形成される画像に歪が生じることを抑制できる。
【0037】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記反射面は、凹曲面であり、前記反射面の中心における接線が前記乗物の上下方向に対して傾斜するように設けられ、前記出射面は、前記接線よりも前記乗物の上下方向に対して傾斜するように設けられてもよい。
【0038】
これによれば、出射面の一端部と反射面の一端部との距離に対して、出射面の他端部と反射面の他端部との距離をより小さくできるので、反射面で反射した画像光によって形成される画像をより立体的に表示させることができる。
【0039】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記偏光板は、前記出射面から出射されて前記反射面で反射しない前記画像光を反射させる反射型偏光板であり、前記反射面は、凹曲面であり、前記反射面の中心における接線が前記乗物の上下方向に対して傾斜するように設けられ、前記ウインドシールドは、前記接線よりも前記乗物の上下方向に対して傾斜するように設けられてもよい。
【0040】
これによれば、出射面から出射されて反射面で反射しない画像光を偏光板によって下方側に反射させ易くなるので、偏光板によって反射された画像光が乗物に乗っている人に視認されることを抑制できる。
【0041】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記反射部を回転自在に保持する保持部を備え、前記反射面は、互いに背向して配置された第一反射面及び第二反射面を含み、前記第一反射面及び前記第二反射面には、前記偏光板を透過した前記外光をそのまま反射しない偏光シートが積層されていてもよい。
【0042】
これによれば、保持部が反射部を回転自在に保持しているので、反射部を容易に回転させることができる。ここで、反射部には、互いに背向した第一反射面及び第二反射面が備えられているので、回転させることで第一反射面または第二反射面を、乗物に乗っている人に向けることができる。第一反射面及び第二反射面の双方には、偏光板を透過した外光をそのまま反射しない偏光シートが積層されている。たとえば、第一反射面が人を向いている場合には、第二反射面はウインドシールドを向いているが、この場合、偏光板を透過した外光は第二反射面で反射されうる。しかしながら、第二反射面には、偏光板を透過した外光をそのまま反射しない偏光シートが積層されている。偏光シートが、偏光板を透過した外光を吸収する光学性能であれば、当該外光は偏光シートで吸収されるので、反射されない。また、偏光シートがλ/4板である場合には、偏光板を透過した外光は、λ/4板を透過した後に、第二反射面で反射されて、再度λ/4板を透過して、偏光板に向かう。このように外光はλ/4板を二回透過するために、偏光板で吸収される偏光となる。つまり、この場合においても、第二反射面で反射された光(外光)は、偏光板で吸収されて、ウインドシールド外部へと出射されない。このように、第一反射面及び第二反射面を切り替える形態であっても、ウインドシールドを向く反射面が外光を乗物の外部へ反射させてしまうことを抑制できる。
【0043】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記反射部と前記出射部とは、前記前後方向に並んでいてもよい。
【0044】
これによれば、回転式の反射部と、出射部とが前後方向に並んでいるので、反射部を反転させるだけで、出射部からの画像光と、乗物の後方反射像とを、乗物に乗っている人に向かわせることができる。
【0045】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記光学部は、前記ウインドシールドと前記反射部との間に設けられた透光性の担体により支持されていてもよい。
【0046】
これによれば、ウインドシールドと反射部との間に設けられた透光性の担体により光学部が支持されているので、光学部をウインドシールドよりも出射部に近づけて配置することができる。つまり、光学部で画像光をウインドシールドに到達する前に遮光できる。たとえば、ウインドシールドに設けられる光学部と、担体に設けられる光学部との下端位置が同じである場合には、担体に設けられる光学部の方が広範囲にわたって遮光できる。
【0047】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記光学部は、前記画像光の吸収率または前記外光の透過率が、上下方向に勾配を有してもよい。
【0048】
これによれば、光学部は、画像光の吸収率または外光の透過率が上下方向に勾配を有しているので、急激な光量変化を抑制できる。
【0049】
また、本開示の一態様に係る表示システムにおいて、前記光学部は、前記ウインドシールドに設けられていてもよい。
【0050】
これによれば、光学部は、前記ウインドシールドに設けられているので、ウインドシールドと光学部とを一体化でき、簡素な構造とすることができる。
【0051】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0052】
また、以下の実施の形態において、平行および直交等の、2つの方向の相対的な姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密にはその姿勢ではない場合も含む。たとえば、2つの方向が平行である、という場合、特に断りのない限り、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、たとえば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0053】
以下の実施の形態における各図で例示する光路は、原理的な考え方を示すものであるため、必ずしも実際の光路を反映しているものではない。
【0054】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る表示システム10を示す模式図である。図1は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10を示している。なお、図1では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0055】
表示システム10は、画像を表示するシステムである。表示システム10は、乗物1に搭載されている。乗物1は、ウインドシールド2と、天井3とを有している。ウインドシールド2は、フロントウインドウまたはフロントガラス等と呼ばれることもある。たとえば、乗物1は、車両、船舶、または航空機等である。たとえば、車両は、自動車等である。図1に示すように、表示システム10は、出射部20と、反射部30と、光学部40とを備えている。
【0056】
出射部20は、画像を形成する画像光を出射する。出射部20は、画像光を出射することによって画像を表示する表示装置である。たとえば、画像は、撮影部(図示せず)によって撮影された画像である。たとえば、撮影部は、カメラであり、乗物1の後方を撮影する。なお、たとえば、画像は、乗物1の車速、乗物1に近接する物体の検知結果、または乗物1の現在地から目的地までのナビゲーション情報等を示す画像であってもよい。本実施の形態では、出射部20は、天井3に取り付けられている。たとえば、出射部20は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはマイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等を含んで実現される。出射部20は、出射面21を有している。
【0057】
出射面21は、画像光を出射する面である。つまり、出射面21は、出射部20における画像が表示される面である。出射面21は、乗物1の前後方向において乗物1のウインドシールド2よりも後方に設けられている。本実施の形態では、出射面21は、乗物1の前後方向においてウインドシールド2の後方に設けられており、乗物1の前後方向においてウインドシールド2と重なっている。出射面21は、ウインドシールド2側に向かって画像光を出射する(図1の太線実線矢印および太線破線矢印を参照)。本実施の形態では、出射面21は、平面であり、乗物1の上下方向および左右方向のそれぞれと平行であり、乗物1の前後方向における前方側を向くように設けられている。なお、たとえば、出射面21は、乗物1の上下方向に対して傾斜していてもよいし、乗物1の左右方向に対して傾斜していてもよい。たとえば、出射部20は、所定方向に振動する偏光の画像光が出射面21から出射されるように構成されている。つまり、たとえば、出射面21から出射される画像光は、所定方向に振動する偏光である。具体的には、たとえば、出射面21から出射される画像光は、P偏光である。
【0058】
反射部30は、出射面21から出射された画像光を反射させる。反射部30は、ミラー等を含んで構成される。本実施の形態では、反射部30は、凹面ミラーである。なお、たとえば、反射部30は、凹面ミラーでなくてもよく、平面ミラー等であってもよい。反射部30は、反射面31を有している。
【0059】
反射面31は、出射面21から出射された画像光を反射させる面である。たとえば、反射面31は、ミラー面である。反射面31は、ウインドシールド2と出射面21との間に設けられている。反射面31は、乗物1の前後方向において乗物1のウインドシールド2よりも後方に設けられている。本実施の形態では、反射面31は、乗物1の前後方向においてウインドシールド2の後方に設けられており、乗物1の前後方向においてウインドシールド2と重なっている。本実施の形態では、反射面31の少なくとも一部は、乗物1の上下方向において出射面21の少なくとも一部と同じ位置に位置するように設けられており、出射面21から出射された画像光を乗物1の上下方向における下方側に向かって反射させる(図1の太線実線矢印を参照)。本実施の形態では、反射面31は、凹曲面であり、反射面31の中心における接線L1が乗物1の上下方向に対して傾斜するように設けられている。接線L1は、反射面31の中心において反射面31と接する接線である。本実施の形態では、接線L1は、乗物1の上下方向における上方側に向かうに連れて出射面21側に位置するように傾斜している。本実施の形態では、接線L1は、乗物1の左右方向と直交している。なお、たとえば、接線L1は、乗物1の左右方向と直交していなくてもよい。また、たとえば、反射面31は、凹曲面でなくてもよく、平面であってもよい。この場合、たとえば、反射面31は、乗物1の上下方向における上方側に向かうに連れて出射面21側に位置するように傾斜していてもよい。
【0060】
光学部40は、ウインドシールド2に設けられている。光学部40は、偏光板41を有している。
【0061】
偏光板41は、出射面21から出射されて反射面31で反射しない画像光を吸収しまたは反射させ、乗物1の外部の光である外光を透過させる。たとえば、偏光板41は、出射面21から出射される画像光の振動方向とは異なる方向に振動する光を透過させる透過型偏光板である。たとえば、出射面21からP偏光の画像光が出射される場合、偏光板41は、S偏光を透過させる透過型偏光板である。この場合、偏光板41は、出射面21から出射されたP偏光の画像光を吸収することができ(図1の太線破線矢印を参照)、S偏光の外光を透過させることができる(図1の太線一転鎖線矢印を参照)。このようにして、偏光板41は、出射面21から出射されて反射面31で反射しない画像光を吸収し、外光のうち画像光とは異なる方向に振動する偏光を透過させる。なお、たとえば、偏光板41は、出射面21から出射されて反射面31で反射しない画像光を反射させ、外光のうち画像光とは異なる方向に振動する偏光を透過させる偏光板であってもよい。本実施の形態では、偏光板41は、ウインドシールド2における乗物1の室内側の面に接着されている。なお、たとえば、偏光板41は、ウインドシールド2における乗物1の室外側の面に接着されていてもよい。本実施の形態では、偏光板41は、乗物1の上下方向における出射面21の上縁部および反射部30の上縁部を通る直線L2よりも上方に設けられ、乗物1の上下方向における出射面21の下縁部および反射部30の下縁部を通る直線L3よりも下方に設けられている。たとえば、偏光板41は、乗物1の左右方向における出射面21の左縁部および反射部30の左縁部を通る直線よりも左方に設けられてもよいし、乗物1の左右方向における出射面21の右縁部および反射部30の右縁部を通る直線よりも右方に設けられてもよい。なお、たとえば、ウインドシールド2において部材を設置できる範囲は法律で定められており、光学部40(偏光板41)は、ウインドシールド2における法律で定められた範囲内に設けられる。たとえば、ウインドシールド2において部材を設置できる範囲がウインドシールド2の上縁部から20%以内の範囲であると法律で定められている場合、光学部40(偏光板41)は、ウインドシールド2の上縁部から20%以内の範囲に設けられる。また、たとえば、ウインドシールド2において部材を設置できる範囲がウインドシールド2の上縁部から4インチ以内の範囲であると法律で定められている場合、光学部40(偏光板41)は、ウインドシールド2の上縁部から4インチ以内の範囲に設けられる。
【0062】
ここで、光学部40の偏光板41は、画像光の吸収率または外光の透過率が上下方向に勾配を有しているとよい。具体的には、偏光板41は、下方に向かうほど吸収率が漸減、または透過率が漸増するようにグラデーションとなっている。なお、ウインドシールド2の上縁部から20%よりも下方の領域では、70%の透過率が確保されているとよい。これにより、急激な光量変化を抑制できるので、偏光板41の境界部分を目立ちにくくすることができる。
【0063】
第1の実施の形態に係る表示システム10は、乗物1の前後方向において乗物1のウインドシールド2よりも後方に設けられかつウインドシールド2側に向かって画像光を出射する出射面21を有する出射部20と、ウインドシールド2と出射面21との間に設けられかつ出射面21から出射された画像光を反射させる反射面31を有する反射部30と、出射面21から出射されて反射面31で反射しない画像光を吸収しまたは反射させかつ乗物1の外部の光である外光を透過させる偏光板41を有し、ウインドシールド2に設けられる光学部40とを備える。
【0064】
これによれば、偏光板41は出射面21から出射されて反射面31で反射しない画像光を吸収しまたは反射させることができるので、画像光が乗物1の外部に出射されることを抑制できる。また、偏光板41は乗物1の外部の光である外光を透過させることができるので、視界を妨げることを抑制できる。このように、視界を妨げることを抑制しつつ、画像光が乗物1の外部に出射されることを抑制できる。
【0065】
また、第1の実施の形態に係る表示システム10において、偏光板41は、乗物1の上下方向における出射面21の上縁部および反射部30の上縁部を通る直線L2よりも上方に設けられ、乗物1の上下方向における出射面21の下縁部および反射部30の下縁部を通る直線L3よりも下方に設けられる。
【0066】
これによれば、出射面21から出射されて反射面31で反射せずかつ乗物1の上下方向における出射面21の上縁部および反射部30の上縁部を通る直線L2よりも上方を通る画像光が乗物1の外部に出射されることをより確実に抑制できる。また、出射面21から出射されて反射面31で反射せずかつ乗物1の上下方向における出射面21の下縁部および反射部30の下縁部を通る直線L3よりも下方を通る画像光が乗物1の外部に出射されることをより確実に抑制できる。このように、視界を妨げることを抑制しつつ、画像光が乗物1の外部に出射されることをより確実に抑制できる。
【0067】
また、第1の実施の形態に係る表示システム10において、光学部40の偏光板41は、画像光の吸収率または外光の透過率が、上下方向に勾配を有している。
【0068】
これによれば、偏光板41は、画像光の吸収率または外光の透過率が上下方向に勾配を有しているので、急激な光量変化を抑制できる。
【0069】
また、第1の実施の形態に係る表示システム10において、光学部40は、ウインドシールド2に設けられている。
【0070】
これによれば、光学部40は、ウインドシールド2に設けられているので、ウインドシールド2と光学部40とを一体化でき、簡素な構造とすることができる。
【0071】
なお、偏光板41は、乗物1の上下方向における出射面21の上縁部および反射部30の上縁部を通る直線L2よりも上方に設けられ、乗物1の上下方向における出射面21の下縁部および反射部30の下縁部を通る直線L3よりも上方に設けられていてもよい。さらに、偏光板41は、乗物1の上下方向における出射面21の上縁部および反射部30の上縁部を通る直線L2よりも下方に設けられ、乗物1の上下方向における出射面21の下縁部および反射部30の下縁部を通る直線L3よりも下方に設けられていてもよい。
【0072】
(第2の実施の形態)
図2は、第2の実施の形態に係る表示システム10aを示す模式図である。図2は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10aを示している。なお、図2では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0073】
図2に示すように、表示システム10aは、光学部40に代えて光学部40aを備えている点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0074】
光学部40aは、λ/4板42をさらに有している点において、光学部40と主に異なっている。
【0075】
λ/4板42は、偏光板41の反射部30側とは反対側に設けられている。本実施の形態では、λ/4板42は、偏光板41とウインドシールド2との間に設けられている。本実施の形態では、λ/4板42は、ウインドシールド2における乗物1の室内側の面に接着されており、偏光板41は、λ/4板42と重なるようにしてλ/4板42に接着されている。λ/4板42は、P偏光を円偏光にし、S偏光を円偏光にし、円偏光をP偏光またはS偏光にする。たとえば、P偏光の外光は、λ/4板42に入射した後に円偏光となってλ/4板42から出射され、偏光板41は、λ/4板42から出射された円偏光のうち所定方向に振動する偏光(たとえば、S偏光)だけを透過させる。また、S偏光の外光は、λ/4板42に入射した後に円偏光となってλ/4板42から出射され、偏光板41は、λ/4板42から出射された円偏光のうち所定方向に振動する偏光(たとえば、S偏光)だけを透過させる。
【0076】
第2の実施の形態に係る表示システム10aにおいて、光学部40aは、偏光板41の反射部30側とは反対側に設けられるλ/4板42を有する。
【0077】
これによれば、λ/4板42がない場合に偏光板41によって吸収されるまたは反射する外光を、λ/4板42によって偏光板41を透過するように変換することができるので、より多くの外光を乗物1の内部に入射させることができる。したがって、視界を妨げることをさらに抑制しつつ、画像光が乗物1の外部に出射されることを抑制できる。
【0078】
(第3の実施の形態)
図3は、第3の実施の形態に係る表示システム10bを示す模式図である。図3は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10bを示している。なお、図3では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0079】
図3に示すように、表示システム10bは、補正レンズ50をさらに備えている点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0080】
補正レンズ50は、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正するためのレンズである。補正レンズ50は、出射面21と反射面31との間に設けられ、出射面21から出射された画像光を反射面31に向かって透過させる。たとえば、補正レンズ50は、出射部20および反射部30に対して変位可能となるように、天井3に取り付けられている。たとえば、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を視認する人の目の位置によって、当該画像に歪等が生じる場合がある。この場合、当該人は、補正レンズ50の位置を変えることによって補正レンズ50を透過した画像光が進む方向等を変えることができ、出射面21から出射されて反射面31で反射した画像光によって形成される画像の歪および表示位置等を補正することができる。本実施の形態では、補正レンズ50は、両面自由曲面レンズである。なお、たとえば、補正レンズ50は、凸レンズであってもよく、凹レンズであってもよい。
【0081】
第3の実施の形態に係る表示システム10bは、出射面21と反射面31との間に設けられ、出射面21から出射された画像光を反射面31に向かって透過させ、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正するための補正レンズ50を備える。
【0082】
これによれば、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を視認する人の目の位置が変わった場合等であっても、補正レンズ50によって画像を補正することができる。
【0083】
(第4の実施の形態)
図4は、第4の実施の形態に係る表示システム10cを示す模式図である。図4は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10cを示している。なお、図4では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。図5は、図4の表示システム10cの機能構成を示すブロック図である。
【0084】
図4および図5に示すように、表示システム10cは、撮影部60と補正部70とアクチュエータ80とをさらに備えている点において、表示システム10bと主に異なっている。以下では、表示システム10bとの相違点を中心に説明する。
【0085】
撮影部60は、乗物1に乗っている人を撮影する。たとえば、乗物1に乗っている人は、乗物1の運転者である。撮影部60は、乗物1に乗っている人の頭部、および当該人の目の少なくとも一方を撮影可能な位置に設けられる。たとえば、撮影部60は、カメラである。
【0086】
補正部70は、撮影部60によって撮影された人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて補正レンズ50の位置を制御することによって、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正する。たとえば、補正部70は、撮影部60によって撮影された人の頭部および目の少なくとも一方の位置が下側に移動した場合には、補正レンズ50の下端部を出射面21に近づけるように補正レンズ50の位置を制御することによって、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正する。また、たとえば、補正部70は、撮影部60によって撮影された人の頭部および目の少なくとも一方の位置が上側に移動した場合には、補正レンズ50の上端部を出射面21に近づけるように補正レンズ50の位置を制御することによって、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正する。また、たとえば、補正部70は、撮影部60によって撮影された人の頭部および目の少なくとも一方の位置が右側に移動した場合には、補正レンズ50の水平位置を右側に移動するように補正レンズ50の位置を制御することによって、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正する。また、たとえば、補正部70は、撮影部60によって撮影された人の頭部および目の少なくとも一方の位置が左側に移動した場合には、補正レンズ50の水平位置を左側に移動するように補正レンズ50の位置を制御することによって、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正する。本実施の形態では、補正部70は、アクチュエータ80に電気的に接続されており、アクチュエータ80を駆動させることによって、補正レンズ50の位置を制御する。たとえば、補正部70は、プログラムを実行するプロセッサ等によって実現される。
【0087】
アクチュエータ80は、駆動することによって補正レンズ50を変位させる。たとえば、アクチュエータ80は、電動アクチュエータであり、補正レンズ50に機械的に接続されている。
【0088】
第4の実施の形態に係る表示システム10cは、乗物1に乗っている人を撮影する撮影部60と、出射面21と反射面31との間に設けられかつ出射面21から出射された画像光を反射面31に向かって透過させかつ反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正するための補正レンズ50と、撮影部60によって撮影された当該人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて補正レンズ50の位置を制御することによって反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正する補正部70とを備える。
【0089】
これによれば、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を視認する人の目の位置が変わった場合等であっても、当該人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて補正レンズ50の位置を制御できるので、画像を容易に補正することができる。
【0090】
(第5の実施の形態)
図6は、第5の実施の形態に係る表示システム10dを示す模式図である。図6は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10dを示している。なお、図6では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。図7は、図6の表示システム10dの機能構成を示すブロック図である。
【0091】
図6および図7に示すように、表示システム10dは、撮影部60と補正部70とをさらに備えている点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0092】
撮影部60については、上述した第4の実施の形態における説明を参照することにより、ここでは詳細な説明を省略する。
【0093】
補正部70は、撮影部60によって撮影された人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて画像光の基になる画像信号を補正することによって、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正する。たとえば、補正部70は、撮影部60によって撮影された人の頭部および目の少なくとも一方の位置が下側に移動した場合には、出射面21に表示される画像におけるより上側をより大きく表示するように画像信号を補正することによって、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正する。また、たとえば、補正部70は、撮影部60によって撮影された人の頭部および目の少なくとも一方の位置が上側に移動した場合には、出射面21に表示される画像におけるより下側をより大きく表示するように画像信号を補正することによって、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正する。また、たとえば、補正部70は、撮影部60によって撮影された人の頭部および目の少なくとも一方の位置が右側に移動した場合には、出射面21に表示される画像におけるより左側をより大きく表示するように画像信号を補正することによって、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正する。また、たとえば、補正部70は、撮影部60によって撮影された人の頭部および目の少なくとも一方の位置が左側に移動した場合には、出射面21に表示される画像におけるより右側をより大きく表示するように画像信号を補正することによって、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正する。本実施の形態では、補正部70は、出射部20に電気的に接続されており、出射部20を制御することによって画像信号を補正する。たとえば、補正部70は、プログラムを実行するプロセッサ等によって実現される。
【0094】
第5の実施の形態に係る表示システム10dは、乗物1に乗っている人を撮影する撮影部60と、撮影部60によって撮影された当該人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて画像光の基になる画像信号を補正することによって反射面31で反射した画像光によって形成される画像を補正する補正部70とを備える。
【0095】
これによれば、反射面31で反射した画像光によって形成される画像を視認する人の頭部の位置および目の位置の方向の少なくとも一方が変わった場合等であっても、当該人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて画像光の基になる画像信号を補正できるので、画像を容易に補正することができる。
【0096】
(第6の実施の形態)
図8は、第6の実施の形態に係る表示システム10eを示す模式図である。図8は、乗物1の上下方向における上方側から見た表示システム10eを示している。
【0097】
図8に示すように、表示システム10eでは、出射面21および反射面31は、乗物1の左右方向において、乗物1の中心よりも乗物1の運転席側に設けられている。乗物1の左右方向における乗物1の中心線を中心線L4としたとき、乗物1の運転席、出射面21、および反射面31は、乗物1の左右方向において中心線L4よりも一方側に設けられている。また、出射面21および反射面31は、乗物1の上下方向から見たとき、出射面21の中心と反射面31の中心とを通る直線L5が乗物1に乗っている人の頭部4を通るように設けられている。たとえば、頭部4の位置は、設計上の頭部4の位置である。たとえば、直線L5は、乗物1の上下方向から見たとき、乗物1に乗っている人の頭部4の中心を通るように設けられていてもよい。本実施の形態では、直線L5は、乗物1の上下方向から見たとき、乗物1の前後方向と平行である。
【0098】
第6の実施の形態に係る表示システム10eにおいて、出射面21および反射面31は、乗物1の左右方向において、乗物1の中心よりも乗物1の運転席側に設けられる。
【0099】
これによれば、運転席に座っている人から見た場合に、左右方向における光路差をより小さくできるので、反射面31で反射した画像光によって形成される画像に歪が生じることを抑制できる。
【0100】
また、第6の実施の形態に係る表示システム10eにおいて、出射面21および反射面31は、乗物1の上下方向から見たとき、出射面21の中心と反射面31の中心とを通る直線L5が乗物1に乗っている人の頭部4を通るように設けられる。
【0101】
これによれば、乗物1に乗っている人から見た場合に、左右方向における光路差をより小さくできるので、反射面31で反射した画像光によって形成される画像に歪が生じることを抑制できる。
【0102】
(第7の実施の形態)
図9は、第7の実施の形態に係る表示システム10fを示す模式図である。図9は、乗物1の上下方向における上方側から見た表示システム10fを示している。
【0103】
図9に示すように、表示システム10fでは、出射面21および反射面31は、乗物1の左右方向において、乗物1の中心よりも乗物1の運転席側に設けられている。乗物1の左右方向における乗物1の中心線を中心線L4としたとき、乗物1の運転席、出射面21、および反射面31は、乗物1の左右方向において中心線L4よりも一方側に設けられている。また、出射面21および反射面31は、乗物1の上下方向から見たとき、出射面21の中心と反射面31の中心とを通る直線L5が乗物1に乗っている人の頭部4を通るように設けられている。たとえば、頭部4の位置は、設計上の頭部4の位置である。本実施の形態では、直線L5は、乗物1の上下方向から見たとき、乗物1に乗っている人の頭部4の中心を通るように設けられている。本実施の形態では、直線L5は、乗物1の上下方向から見たとき、乗物1の前後方向に対して傾斜している。
【0104】
第7の実施の形態に係る表示システム10fにおいて、出射面21および反射面31は、乗物1の左右方向において、乗物1の中心よりも乗物1の運転席側に設けられる。
【0105】
これによれば、運転席に座っている人から見た場合に、左右方向における光路差をより小さくできるので、反射面31で反射した画像光によって形成される画像に歪が生じることを抑制できる。
【0106】
また、第7の実施の形態に係る表示システム10fにおいて、出射面21および反射面31は、乗物1の上下方向から見たとき、出射面21の中心と反射面31の中心とを通る直線L5が乗物1に乗っている人の頭部4を通るように設けられる。
【0107】
これによれば、乗物1に乗っている人から見た場合に、左右方向における光路差をより小さくできるので、反射面31で反射した画像光によって形成される画像に歪が生じることを抑制できる。
【0108】
(第8の実施の形態)
図10は、第8の実施の形態に係る表示システム10gを示す模式図である。図10は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10aを示している。なお、図10では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0109】
図10に示すように、表示システム10gは、光学部40に代えて光学部40gを備えている点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0110】
光学部40gは、偏光板41に代えて偏光板41gを有している点において、光学部40と主に異なっている。
【0111】
偏光板41gは、ウインドシールド2における、出射面21と反射面31とが並ぶ方向Dにおいて反射部30と重なる部分5の少なくとも一部には設けられない。部分5は、ウインドシールド2の乗物1の室内側の面における、方向Dから見たときに反射部30と重なる部分である。
【0112】
第8の実施の形態に係る表示システム10gにおいて、偏光板41gは、ウインドシールド2における、出射面21と反射面31とが並ぶ方向Dにおいて反射部30と重なる部分5の少なくとも一部には設けられない。
【0113】
これによれば、ウインドシールド2における出射面21と反射面31とが並ぶ方向Dにおいて反射部30と重なる部分5には出射面21から出射された画像光が当たり難く、このように出射面21から出射された画像光が当たり難い部分5の少なくとも一部に偏光板41gを設けないことによって、偏光板41gに係るコストの増加を抑制しつつ、視界を妨げることおよび画像光が乗物1の外部に出射されることを抑制できる。
【0114】
(第9の実施の形態)
図11は、第9の実施の形態に係る表示システム10hを示す模式図である。図11は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10hを示している。なお、図11では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0115】
図11に示すように、表示システム10hは、ルーバーフィルム90をさらに備えている点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0116】
ルーバーフィルム90は、出射面21と反射面31との間に設けられ、出射面21から反射面31に向かう方向に出射された画像光を通過させ、出射面21から反射面31に向かう方向よりも乗物1の上下方向における下方側に向かう方向に出射された画像光を遮断する。出射面21から反射面31に向かう方向は、方向Dのうち出射面21側から反射面31側に向かう方向である。たとえば、ルーバーフィルム90は、それぞれが方向Dと平行でありかつ方向Dと直交する方向に並ぶ複数の板材を含んで構成されている。本実施の形態では、ルーバーフィルム90は、出射面21に接着されている。なお、たとえば、ルーバーフィルム90は、出射面21と間隔を空けて設けられていてもよい。
【0117】
第9の実施の形態に係る表示システム10hは、出射面21と反射面31との間に設けられ、出射面21から反射面31に向かう方向に出射された画像光を通過させ、出射面21から反射面31に向かう方向よりも乗物1の上下方向における下方側に向かう方向に出射された画像光を遮断するルーバーフィルム90を備える。
【0118】
これによれば、出射面21から反射面31に向かう方向よりも乗物1の上下方向における下方側に向かう方向に出射された画像光をルーバーフィルム90によって遮断できるので、視界を妨げることをさらに抑制しつつ、画像光が乗物1の外部に出射されることを抑制できる。
【0119】
(第10の実施の形態)
図12は、第10の実施の形態に係る表示システム10iを示す模式図である。図12は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10iを示している。なお、図12では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0120】
図12に示すように、表示システム10iは、遮断部100と遮断部110とをさらに備えている点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0121】
遮断部100は、出射面21から反射面31に向かう方向よりも乗物1の上下方向における下方側に向かう方向に出射された画像光を遮断する(図12の太線二点鎖線矢印を参照)。出射面21から反射面31に向かう方向は、方向Dのうち出射面21側から反射面31側に向かう方向である。遮断部100は、出射部20に設けられている。遮断部100は、板状であり、方向Dと平行に設けられている。遮断部100は、出射面21よりも下方側において出射部20から反射部30側に突出するように設けられている。たとえば、遮断部100は、接着剤等によって出射部20に接着されている。
【0122】
遮断部110は、出射面21から反射面31に向かう方向よりも乗物1の左右方向における右方側に向かう方向に出射された画像光を遮断する。遮断部110は、出射部20に設けられている。遮断部110は、板状であり、方向Dと平行かつ遮断部100と直交するように設けられている。遮断部110は、出射面21よりも右方側において出射部20から反射部30側に突出するように設けられている。たとえば、遮断部110は、接着剤等によって出射部20に接着されている。
【0123】
なお、たとえば、表示システム10iは、出射面21から反射面31に向かう方向よりも乗物1の左右方向における左方側に向かう方向に出射された画像光を遮断する遮断部を備えていてもよい。
【0124】
第10の実施の形態に係る表示システム10iは、出射面21から反射面31に向かう方向よりも乗物1の上下方向における下方側に向かう方向に出射された画像光を遮断する遮断部100を備える。
【0125】
これによれば、出射面21から反射面31に向かう方向よりも乗物1の上下方向における下方側に向かう方向に出射された画像光を遮断部100によって遮断できるので、視界を妨げることをさらに抑制しつつ、画像光が乗物1の外部に出射されることを抑制できる。
【0126】
(第11の実施の形態)
図13は、第11の実施の形態に係る表示システム10jを示す模式図である。図13は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10jを示している。なお、図13では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0127】
図13に示すように、表示システム10jは、遮断部100と支持部材120とをさらに備えている点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0128】
遮断部100については、上述した第10の実施の形態における説明を参照することにより、ここでは詳細な説明を省略する。
【0129】
支持部材120は、遮断部100を支持する部材である。支持部材120は、出射部20の上端部と遮断部100における出射部20側とは反対側の端部とに接続されている。支持部材120は、方向Dにおいて出射面21と重ならないように設けられている。
【0130】
第11の実施の形態に係る表示システム10jは、出射面21から反射面31に向かう方向よりも乗物1の上下方向における下方側に向かう方向に出射された画像光を遮断する遮断部100を備える。
【0131】
これによれば、出射面21から反射面31に向かう方向よりも乗物1の上下方向における下方側に向かう方向に出射された画像光を遮断部100によって遮断できるので、視界を妨げることをさらに抑制しつつ、画像光が乗物1の外部に出射されることを抑制できる。
【0132】
(第12の実施の形態)
図14は、第12の実施の形態に係る表示システム10kを示す模式図である。図14は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10kを示している。なお、図14では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0133】
図14に示すように、表示システム10kは、出射部20の位置が表示システム10における出射部20の位置と異なっている点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0134】
出射面21は、反射面31の中心における接線L1と平行になるように設けられている。接線L1は、乗物1の上下方向における上方側に向かうに連れて出射面21側に位置するように傾斜しており、出射面21は、乗物1の上下方向における上方側に向かうに連れて反射面31側とは反対側に位置するように傾斜している。乗物1の上下方向に対する出射面21の傾斜角度は、乗物1の上下方向に対する接線L1の傾斜角度と等しい。
【0135】
第12の実施の形態に係る表示システム10kにおいて、反射面31は、凹曲面であり、出射面21は、反射面31の中心における接線L1と平行になるように設けられる。
【0136】
これによれば、出射面21と反射面31との距離をより均一に近づけることができるので、反射面31で反射した画像光によって形成される画像に歪が生じることを抑制できる。
【0137】
(第13の実施の形態)
図15は、第13の実施の形態に係る表示システム10lを示す模式図である。図15は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10lを示している。なお、図15では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0138】
図15に示すように、表示システム10lは、出射部20の位置が表示システム10における出射部20の位置と異なっている点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0139】
出射面21は、反射面31の中心における接線L1よりも乗物1の上下方向に対して傾斜するように設けられている。接線L1は、乗物1の上下方向における上方側に向かうに連れて出射面21側に位置するように傾斜しており、出射面21は、乗物1の上下方向における上方側に向かうに連れて反射面31側とは反対側に位置するように傾斜している。乗物1の上下方向に対する出射面21の傾斜角度は、乗物1の上下方向に対する接線L1の傾斜角度よりも大きい。これにより、凹曲面である反射面31により視認される虚像において、出射面21の上端から反射面31に至る光路長は、出射面21の下端から反射面31に至る光路長より長くなる。その結果、視認される虚像は上側が下側に比べ奥側に見える。出射面21に表示される画像が、上記のように乗物1の後方画像である場合、画像の上側は後続車両、下側は路面となるため、視認される虚像は後続車両が路面に対して奥側に見えることとなる。そのため、表示システム10lは画像をより立体的に表示することができる。
【0140】
第13の実施の形態に係る表示システム10lにおいて、反射面31は、凹曲面であり、反射面31の中心における接線L1が乗物1の上下方向に対して傾斜するように設けられ、出射面21は、接線L1よりも乗物1の上下方向に対して傾斜するように設けられる。
【0141】
これによれば、出射面21の一端部と反射面31の一端部との距離に対して、出射面21の他端部と反射面31の他端部との距離をより小さくできるので、反射面31で反射した画像光によって形成される画像をより立体的に表示させることができる。
【0142】
(第14の実施の形態)
図16は、第14の実施の形態に係る表示システム10mを示す模式図である。図16は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10mを示している。なお、図16では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0143】
図16に示すように、表示システム10mは、λ/4板130をさらに備えている点、および光学部40に代えて光学部40mを備えている点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0144】
λ/4板130は、出射面21と反射面31との間に設けられている。たとえば、λ/4板130は、出射面21に接着されるが、出射面21と間隔を空けて設けられていてもよい。λ/4板130は、P偏光を円偏光にし、S偏光を円偏光にし、円偏光をP偏光またはS偏光にする。
【0145】
光学部40mは、偏光板41の反射部30側に設けられるλ/4板43を有している。本実施の形態では、λ/4板43は、偏光板41と重なるようにして偏光板41に接着されている。λ/4板43は、P偏光を円偏光にし、S偏光を円偏光にし、円偏光をP偏光またはS偏光にする。
【0146】
たとえば、出射面21から出射されたP偏光の画像光は、λ/4板130によって円偏光となり、円偏光となった後に反射面31で反射する。また、たとえば、出射面21から出射されたP偏光の画像光は、λ/4板43によって円偏光となり、円偏光となった後にλ/4板43によってP偏光に戻り、P偏光に戻った後に偏光板41に吸収される。また、たとえば、S偏光の外光は、偏光板41を透過した後にλ/4板43によって円偏光になって乗物1の室内に出射される。その結果、画像光、外光ともに円偏光となるので、乗物1の運転者が偏光サングラスをかけていても、いずれの光も視認することができ、視界を妨げることが抑制される。
【0147】
なお、たとえば、出射面21から出射されたP偏光の画像光が、λ/4板43によって円偏光となり、円偏光となった後にλ/4板43によってS偏光になるように、λ/4板43が設けられてもよい。この場合、偏光板41は、P偏光を透過させる透過型偏光板であってもよい。この場合、たとえば、P偏光の外光は、偏光板41を透過した後にλ/4板43によって円偏光になって乗物1の室内に出射される。
【0148】
第14の実施の形態に係る表示システム10mは、出射面21と反射面31との間に設けられるλ/4板130を備え、光学部40mは、偏光板41の反射部30側に設けられるλ/4板43を有する。
【0149】
これによれば、外光を円偏光にして乗物1の内部に出射させることができるので、視界を妨げることをさらに抑制しつつ、画像光が乗物の外部に出射されることを抑制できる。
【0150】
(第15の実施の形態)
図17は、第15の実施の形態に係る表示システム10nを示す模式図である。図17は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10nを示している。なお、図17では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0151】
図17に示すように、表示システム10nは、光学部40に代えて光学部40nを備えている点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0152】
光学部40nは、偏光板41に代えて偏光板41nを有している点において、光学部40と主に異なっている。
【0153】
偏光板41nは、出射面21から出射されて反射面31で反射しない画像光を反射させる反射型偏光板である。偏光板41nは、出射面21から出射される画像光の振動方向と同じ方向に振動する光を反射させる。たとえば、出射面21からP偏光の画像光が出射される場合、偏光板41nは、P偏光を反射させる反射型偏光板である。この場合、偏光板41nは、出射面21から出射されたP偏光の画像光を反射させることができ(図17の太線破線矢印を参照)、S偏光の外光を透過させることができる(図17の太線一転鎖線矢印を参照)。このようにして、偏光板41nは、出射面21から出射されて反射面31で反射しない画像光を反射させ、外光のうち画像光とは異なる方向に振動する偏光を透過させる。
【0154】
第15の実施の形態に係る表示システム10nにおいて、偏光板41nは、出射面21から出射されて反射面31で反射しない画像光を反射させる反射型偏光板である。
【0155】
これによれば、偏光板41nが画像光を吸収して発熱することを抑制できるので、偏光板41nが発熱することによる偏光板41nの劣化を抑制できる。
【0156】
(第16の実施の形態)
図18は、第16の実施の形態に係る表示システム10nを示す模式図である。図18は、乗物1pの左右方向における左方側から見た表示システム10nを示している。なお、図18では、乗物1pのウインドシールド2p、および乗物1pの天井3を断面で示している。
【0157】
図18に示すように、表示システム10nは、乗物1に代えて乗物1pに搭載されている。乗物1pは、ウインドシールド2とは異なるウインドシールド2pを備えている。ウインドシールド2pは、接線L1よりも乗物1pの上下方向に対して傾斜するように設けられている。ウインドシールド2pは、反射面31の中心における接線L1よりも乗物1pの上下方向に対して傾斜するように設けられている。接線L1は、乗物1pの上下方向における上方側に向かうに連れて出射面21側に位置するように傾斜しており、ウインドシールド2pは、乗物1pの上下方向における上方側に向かうに連れて乗物1pの前後方向における後方側に位置するように傾斜している。乗物1pの上下方向に対するウインドシールド2pの傾斜角度は、乗物1pの上下方向に対する接線L1の傾斜角度よりも大きい。
【0158】
第16の実施の形態に係る表示システム10nにおいて、偏光板41nは、出射面21から出射されて反射面31で反射しない画像光を反射させる反射型偏光板であり、反射面31は、凹曲面であり、反射面31の中心における接線L1が乗物1pの上下方向に対して傾斜するように設けられ、ウインドシールド2pは、接線L1よりも乗物1pの上下方向に対して傾斜するように設けられる。
【0159】
これによれば、出射面21から出射されて反射面31で反射しない画像光を偏光板41nによって下方側に反射させ易くなるので、偏光板41nによって反射された画像光が乗物1pに乗っている人に視認されることを抑制できる。
【0160】
(第17の実施の形態)
図19は、第17の実施の形態に係る表示システム10pを示す模式図である。図20は、第17の実施の形態に係る表示システム10pを示す平面図である。図19は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10pを示している。なお、図19では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0161】
図19に示すように、表示システム10pは、反射部30に代えて反射部30pを有している点と、当該反射部30pを回転自在に保持する保持部140p(破線で示す。)とを有している点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0162】
反射部30pの反射面31pは、互いに背向して配置された第一反射面311pと第二反射面312pとを含む。具体的には、第一反射面311pと第二反射面312pとは乗物1の前後方向で背向して配置されている。第一反射面311pは平面ミラーであり、第二反射面312pは凹面ミラーである。第一反射面311p及び第二反射面312pの双方には、偏光シート150pが積層されている。偏光シート150pは、出射面21から出射された画像光を透過し、偏光板41を透過した外光を、そのまま反射しない特性を有している。
【0163】
保持部140pは、ボールジョイント141pと、保持本体142pと、操作部143pとを備えている。ボールジョイント141pは、乗物1の天井3に対して保持本体142pを連結している。ボールジョイント141pによって保持本体142pの姿勢が調整できるようになっている。保持本体142pは、反射部30pを保持するフレームである。保持本体142pは、平面視逆U字状に形成されており、その両端部で反射部30pを回転自在に保持している。操作部143pは、保持本体142pを介して反射部30pに連結されており、人により回転操作されることで、それに連動して反射部30pも回転するようになっている。これにより、反射部30pの第一反射面311pが乗物1の前方を向いたり(図19参照)、第二反射面312pが乗物1の前方を向いたりする(図21参照)ことを切り替えることができる。図21は、第17の実施の形態に係る表示システム10pであって、反射部30pの向きが調整された後の状態を示す模式図である。
【0164】
図19に示した状態では、凹面ミラーである第二反射面312pが出射面21を向いている。この状態では、出射部20が画像光を出射面21から出射しているので、画像光は、第二反射面312pを反射して、乗物1に乗っている人へと向かう。ここで、偏光シート150pがS偏光を吸収し、その他の偏光を透過させる偏光シートである場合には、P偏光である画像光は、偏光シート150pを透過して、第二反射面312pに到達して反射され、再度、偏光シート150pを透過して人へと向かう。
【0165】
一方、ウインドシールド2から入射した外光はP偏光及びS偏光を含んでいるものの、偏光板41を透過することでP偏光が吸収されて、S偏光が第一反射面311pの偏光シート150pに至る。このS偏光は偏光シート150pで吸収されるので、第一反射面311pでは反射されない。つまり、偏光板41を透過した外光は、偏光シート150pによってそのまま反射されないこととなる。
【0166】
図21に示した状態では、平面ミラーである第一反射面311pが出射面21を向いている。この状態では、出射部20がOFFとなっていると、出射面21からは画像光が出射されない。このため、第一反射面311では、乗物1の後方から入射した外光を反射する。この外光はP偏光及びS偏光を含んでいるが、第一反射面311pの偏光シート150pを透過することで、S偏光が吸収されてP偏光となり、第一反射面311pで反射される。この反射によって、P偏光は、再度偏光シート150pを透過して、人へと向かう。なお、出射部20のON/OFFは、手入力で切り替わっても、反射部30pの回転動作に連動して切り替わってもよい。
【0167】
一方、ウインドシールド2から入射した外光においてもP偏光及びS偏光を含んでいるが、偏光板41を透過することでP偏光が吸収されて、S偏光が第二反射面312pの偏光シート150pに至る。このS偏光は偏光シート150pで吸収されるので、第二反射面312pでは反射されない。つまり、偏光板41を透過した外光は、偏光シート150pによってそのまま反射されないこととなる。
【0168】
このように、反射部30pを反転させることで、出射部20からの画像光を人が視認するか、乗物1の後方の反射像を視認するかを切り替えることが可能である。この切替は、人の好みに応じて実行されたり、出射部20が故障したときに実行されたりする。いずれの場合においても、ウインドシールド2から入射した外光が反射部30pで反射し、再度ウインドシールド2から出射することが、各反射面(第一反射面311p、第二反射面312p)の偏光シート150pにより抑制されている。
【0169】
図22は、第17の実施の形態に係る表示システム10pにおいて、反射部30pと出射部20との位置関係を示す上面図である。図22に示すように、反射部30pと出射部20とは、乗物1の前後方向に並んで配置されている。具体的には、本実施の形態では、反射部30pと出射部20とは中心線L4上に配置されている場合を例示しているが、前後方向に並ぶのであれば中心線L4から外れていてもよい。このようなレイアウトであるので、反射部30pを反転させるだけで、出射部20からの画像光と、乗物1の後方反射像とを、乗物1に乗っている人(頭部4)に向かわせることができる。
【0170】
なお、本実施の形態では、偏光シート150pがS偏光を吸収し、その他の偏光を透過させる偏光シートである場合を例示した。しかしながら、偏光シート150pは、偏光板41を透過した外光を吸収しまたは反射させる偏光シートであれば如何様でもよい。たとえば、偏光シート150pがP偏光を吸収し、その他の偏光を透過させる偏光シートであってもよい。この場合、出射部20は、S偏光の画像光を出射面21から出射させればよい。
【0171】
また、偏光シート150pは、λ/4板であってもよい。偏光シート150pがλ/4板である場合には、偏光板41を透過した外光は、λ/4板を透過した後に、反射面(第一反射面311pまたは第二反射面312p)で反射されて、再度λ/4板を透過して、偏光板41に向かう。このように外光はλ/4板を二回透過するために、偏光板41で吸収される偏光となる。つまり、この場合においても、反射面で反射された光(外光)は、偏光板41で吸収されて、ウインドシールド2外部へと出射されない。
【0172】
第17の実施の形態に係る表示システム10pにおいて、反射部30pを回転自在に保持する保持部140pを備え、反射面31pは、互いに背向して配置された第一反射面311p及び第二反射面312pを含み、第一反射面311p及び第二反射面312pには、偏光板41を透過した外光をそのまま反射しない偏光シート150pが積層されている。
【0173】
これによれば、保持部140pが反射部30pを回転自在に保持しているので、反射部30pを容易に回転させることができる。ここで、反射部30pには、互いに背向した第一反射面311p及び第二反射面312pが備えられているので、回転させることで第一反射面311pまたは第二反射面312pを、乗物1に乗っている人に向けることができる。第一反射面311p及び第二反射面312pの双方には、偏光板41を透過した外光をそのまま反射しない偏光シート150pが積層されている。このような偏光シート150pが設けられているので、ウインドシールド2を向く反射面(第一反射面311pまたは第二反射面312p)が外光を乗物1の外部へ反射させてしまうことを抑制できる。
【0174】
第17の実施の形態に係る表示システム10pにおいて、反射部30pと出射部20とは、前後方向に並んでいる。
【0175】
これによれば、回転式の反射部30pと、出射部20とが前後方向に並んでいるので、反射部30pを反転させるだけで、出射部20からの画像光と、乗物の後方反射像とを、乗物に乗っている人に向かわせることができる。
【0176】
(第18の実施の形態)
図23は、第18の実施の形態に係る表示システム10qを示す模式図である。図23は、乗物1の左右方向における左方側から見た表示システム10qを示している。なお、図23では、乗物1のウインドシールド2、および乗物1の天井3を断面で示している。
【0177】
図23に示すように、表示システム10qは、光学部40に代えて光学部40qを有している点と、光学部40qを支持する担体160qを有している点において、表示システム10と主に異なっている。以下では、表示システム10との相違点を中心に説明する。
【0178】
担体160qは、ウインドシールド2と反射部30との間に配置された透光性の板体である。担体160qの上端部は、反射部30の上端部よりも上方に配置されていて、担体160qの下端部は、反射部30の下端部よりも下方に配置されている。担体160qにおいて反射部30を向く面には、光学部40q(偏光板41q)が全体的に積層されている。なお、担体160qにおいてウインドシールド2を向く面に光学部40qが積層されていてもよい。また本実施の形態では、ウインドシールド2には、光学部が積層されていない。このように、ウインドシールド2に光学部を積層しなくてもよいので、光学部の設置作業を簡素化できる。
【0179】
このように、第17の実施の形態に係る表示システム10pにおいて、光学部40qは、ウインドシールド2と反射部30との間に設けられた透光性の担体160qにより支持されている。
【0180】
これによれば、ウインドシールド2と反射部30との間に設けられた透光性の担体160qにより光学部40qが支持されているので、光学部40qをウインドシールド2よりも出射部20に近づけて配置することができる。つまり、光学部40qで画像光をウインドシールド2に到達する前に遮光できる。たとえば、ウインドシールド2に設けられる光学部と、担体160qに設けられる光学部40qとの下端位置が同じである場合には、担体160qに設けられる光学部40qの方が広範囲にわたって遮光できる。
【0181】
(他の実施の形態等)
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る表示システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0182】
(付記)
以上の実施の形態等の記載により、下記の技術が開示される。
【0183】
(技術1)
乗物の前後方向において前記乗物のウインドシールドよりも後方に設けられかつ前記ウインドシールド側に向かって画像光を出射する出射面を有する出射部と、
前記ウインドシールドと前記出射面との間に設けられかつ前記出射面から出射された前記画像光を反射させる反射面を有する反射部と、
前記出射面から出射されて前記反射面で反射しない前記画像光を吸収しまたは反射させかつ前記乗物の外部の光である外光を透過させる偏光板を有し、前記ウインドシールドまたは前記ウインドシールド及び前記反射部の間に設けられる光学部とを備える、
表示システム。
【0184】
(技術2)
前記偏光板は、前記乗物の上下方向における前記出射面の上縁部および前記反射部の上縁部を通る直線よりも上方と、前記乗物の上下方向における前記出射面の下縁部および前記反射部の下縁部を通る直線よりも下方との少なくとも一方に設けられる、
技術1に記載の表示システム。
【0185】
(技術3)
前記光学部は、前記偏光板の前記反射部側とは反対側に設けられるλ/4板を有する、
技術1または2に記載の表示システム。
【0186】
(技術4)
前記出射面と前記反射面との間に設けられ、前記出射面から出射された前記画像光を前記反射面に向かって透過させ、前記反射面で反射した前記画像光によって形成される画像を補正するための補正レンズを備える、
技術1から3のいずれか1つに記載の表示システム。
【0187】
(技術5)
前記乗物に乗っている人を撮影する撮影部と、前記出射面と前記反射面との間に設けられかつ前記出射面から出射された前記画像光を前記反射面に向かって透過させかつ前記反射面で反射した前記画像光によって形成される画像を補正するための補正レンズと、前記撮影部によって撮影された当該人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて前記補正レンズの位置を制御することによって前記反射面で反射した前記画像光によって形成される画像を補正する補正部とを備える、
技術1から3のいずれか1つに記載の表示システム。
【0188】
(技術6)
前記乗物に乗っている人を撮影する撮影部と、前記撮影部によって撮影された当該人の頭部の位置および目の位置の少なくとも一方に基づいて前記画像光の基になる画像信号を補正することによって前記反射面で反射した前記画像光によって形成される画像を補正する補正部とを備える、
技術1から3のいずれか1つに記載の表示システム。
【0189】
(技術7)
前記出射面および前記反射面は、前記乗物の左右方向において、前記乗物の中心よりも前記乗物の運転席側に設けられる、
技術1から6のいずれか1つに記載の表示システム。
【0190】
(技術8)
前記出射面および前記反射面は、前記乗物の上下方向から見たとき、前記出射面の中心と前記反射面の中心とを通る直線が前記乗物に乗っている人の頭部を通るように設けられる、
技術1から7のいずれか1つに記載の表示システム。
【0191】
(技術9)
前記偏光板は、前記ウインドシールドにおける、前記出射面と前記反射面とが並ぶ方向において前記反射部と重なる部分の少なくとも一部には設けられない、
技術1から8のいずれか1つに記載の表示システム。
【0192】
(技術10)
前記出射面と前記反射面との間に設けられ、前記出射面から前記反射面に向かう方向に出射された前記画像光を通過させ、前記出射面から前記反射面に向かう方向よりも前記乗物の上下方向における下方側に向かう方向に出射された前記画像光を遮断するルーバーフィルムを備える、
技術1から9のいずれか1つに記載の表示システム。
【0193】
(技術11)
前記出射面から前記反射面に向かう方向よりも前記乗物の上下方向における下方側に向かう方向に出射された前記画像光を遮断する遮断部を備える、
技術1から9のいずれか1つに記載の表示システム。
【0194】
(技術12)
前記出射面と前記反射面との間に設けられるλ/4板を備え、
前記光学部は、前記偏光板の前記反射部側に設けられるλ/4板を有する、
技術1から11のいずれか1つに記載の表示システム。
【0195】
(技術13)
前記偏光板は、前記出射面から出射されて前記反射面で反射しない前記画像光を反射させる反射型偏光板である、
技術1から12のいずれか1つに記載の表示システム。
【0196】
(技術14)
前記反射面は、凹曲面であり、
前記出射面は、前記反射面の中心における接線と平行になるように設けられる、
技術1から13のいずれか1つに記載の表示システム。
【0197】
(技術15)
前記反射面は、凹曲面であり、前記反射面の中心における接線が前記乗物の上下方向に対して傾斜するように設けられ、
前記出射面は、前記接線よりも前記乗物の上下方向に対して傾斜するように設けられる、
技術1から13のいずれか1つに記載の表示システム。
【0198】
(技術16)
前記偏光板は、前記出射面から出射されて前記反射面で反射しない前記画像光を反射させる反射型偏光板であり、
前記反射面は、凹曲面であり、前記反射面の中心における接線が前記乗物の上下方向に対して傾斜するように設けられ、
前記ウインドシールドは、前記接線よりも前記乗物の上下方向に対して傾斜するように設けられる、
技術1から12のいずれか1つに記載の表示システム。
【0199】
(技術17)
表示システムは、前記反射部を回転自在に保持する保持部を備え、
前記反射面は、互いに背向して配置された第一反射面及び第二反射面を含み、
前記第一反射面及び前記第二反射面には、前記偏光板を透過した前記外光を、そのまま反射しない偏光シートが積層されている、
技術1から技術12のいずれか1つに記載の表示システム。
【0200】
(技術18)
前記反射部と前記出射部とは、前記前後方向に並んでいる、
技術17に記載の表示システム。
【0201】
(技術19)
前記光学部は、前記ウインドシールドと前記反射部との間に設けられた透光性の担体により支持されている、
技術1から技術18のいずれか1つに記載の表示システム。
【0202】
(技術20)
前記光学部は、前記画像光の吸収率または前記外光の透過率が、上下方向に勾配を有する、
技術1から技術19のいずれか1つに記載の表示システム。
【0203】
(技術21)
前記光学部は、前記ウインドシールドに設けられている、
技術1から技術20のいずれか1つに記載の表示システム。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本開示は、画像を表示する表示システム等に利用できる。
【符号の説明】
【0205】
1,1p 乗物
2,2p ウインドシールド
3 天井
4 頭部
5 部分
10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10h,10i,10j,10k,10l,10m,10n,10p,10q 表示システム
20 出射部
21 出射面
30,30p 反射部
31,31p 反射面
40,40a,40g,40m,40n,40q 光学部
41,41g,41n,41q 偏光板
42、43,130 λ/4板
50 補正レンズ
60 撮影部
70 補正部
80 アクチュエータ
90 ルーバーフィルム
100,110 遮断部
120 支持部材
140p 保持部
141p ボールジョイント
142p 保持本体
143p 操作部
150p 偏光シート
160q 担体
311p 第一反射面
312p 第二反射面
D 方向
L1 接線
L2,L3,L5 直線
L4 中心線
図1
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図3
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