(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】男性用尿漏れ防止袋
(51)【国際特許分類】
A61F 13/471 20060101AFI20240617BHJP
A61F 5/453 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
A61F13/471
A61F5/453
(21)【出願番号】P 2023025612
(22)【出願日】2023-02-02
【審査請求日】2023-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】308040823
【氏名又は名称】有限会社フットケア
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100133592
【氏名又は名称】山口 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100168114
【氏名又は名称】山中 生太
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】森田 友良
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-360622(JP,A)
【文献】特開2010-162113(JP,A)
【文献】特開2000-83983(JP,A)
【文献】特開平8-52169(JP,A)
【文献】実開昭50-010097(JP,U)
【文献】実開昭52-041996(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/471
A61F 5/453-5/457
A61G 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水部材
(C
)を環状に巻いた陰茎
(A
)を収納できる
収納部(2)と前記陰茎(A)を出入りさせる開口部(3)を有する本体部
(1
)と、前記本体部
(1
)を使用者が着用する下着から吊り下げる
とともに伸縮
性を有する紐
(13
)と、前記紐
(13
)を前記下着に架け止めるストッパー
(4
)とを備える男性用尿漏れ防止袋
において、
前記紐(13)は、
前記開口部(3)にある第1の固着点と、前記開口部(3)にあって前記第1の固着点から離隔された位置にある第2の固着点の2点に固着される第1の紐と、
前記開口部(3)にある第3の固着点と、前記開口部(3)にあって前記第3の固着点から離隔された位置にある第4の固着点の2点に固着される第2の紐と、から構成されるとともに、
前記第1~4の固着点は、前記開口部(3)において、前記第2の固着点、前記第1の固着点、前記第3の固着点、前記第4の固着点の順に配列され、
前記第1の固着点と前記第2の固着点との間にある前記第1の紐の自然長は、前記開口部(3)における前記第1の固着点と前記第2の固着点の間の距離よりも短く、
前記第3の固着点と前記第4の固着点との間にある前記第2の紐の自然長は、前記開口部(3)における前記第3の固着点と前記第4の固着点の間の距離よりも短いことを特徴とする、
男性用尿漏れ防止袋。
【請求項2】
前記開口部(3)の前記第1の固着点と前記第3の固着点との間に裂け目(7)が形成されていることを特徴とする、
請求項1に記載の男性用尿漏れ防止袋。
【請求項3】
前記収納部
(2
)の内部
に、挿入方向に対して、複数の逆目のプリーツの襞
(14
)を備えていることを特徴とする
、
請求項1
又は請求項2に記載の男性用尿漏れ防止袋。
【請求項4】
前記開口部
(3
)の内部
に、前記開口部(3)の上部を周回する裏地(15)を備えることを特徴とする
、
請求項1又は請求項2に記載の男性用尿漏れ防止袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者の尿漏れを吸収する男性用尿漏れ防止袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の男性用使い捨て尿取りパッドは、少量10cc以上の尿漏れが対象で吸水量が多く、陰茎部を尿取りパッドで覆いパンツに接着して固定するのが殆どで、微量の尿漏れを吸水する男性用尿漏れ防止袋は市場に出ていない状況である。
急速な高齢化に伴い、使い捨て尿とりパッドや、大人用紙おむつの廃棄量が増え、自治体の焼却炉への負担が重く、高齢者施設でも処理費用がかさみ社会問題になっている。
【0003】
一般的に、加齢に伴って男性は前立腺が肥大化する傾向にあり、骨盤底の筋肉群の機能低下が起こりやすく、腹圧がかかった時の尿漏れや、時に寒い時の尿漏れ、トイレまで我慢ができない尿漏れ等が頻発する。
男性には前立腺が存在することや、尿道が15cmと女性よりも長いことから、女性に起こりやすい腹圧性尿失禁は起こり難いといわれるが、男性の場合、最も多い尿漏れは、少量の尿が漏れる排尿後尿滴下といわれ40代後半から始まる。男性に多くみられる症状の一つで、加齢に伴い排尿の勢いが弱くなって、尿道に残ったわずかな尿が後から出てしまう「尿漏れ」は、誰にでも起こりうる症状で、時にはズボンまで濡らし、嫌な感じのみでなく他人にも見え外出の機会が減り、生活の質(Quality of Life)が著しく低下する。
【0004】
特開2002-360622特許文献1によれば、尿取り袋の例として液透過性表面シートと、液不透過性裏面シートと、それらに挟まれた吸収体を持つ吸収体シートから構成され、その外側面が液不透過性シートになるように袋を形成しており、前記袋の上端縁付近に挿入口を具備した男性用尿取り袋において、前記尿取り袋の少なくとも1箇所に、長さ方向に直交する方向に折り曲がりを容易にする屈曲ラインを形成し、吸収体に設けられた前記複数の屈曲ラインを折り線として袋体の胴部を折り畳み、横方向への屈曲性を付与することによって、着用感を改善し、陰茎部を抜け難くした男性用尿取り袋の技術がある。
【0005】
陰茎部は、主に海綿体から出来ており非常に不安定で動きに富む箇所であり、装着時の折り曲がりを容易にする屈曲ラインとあるが、複数の凸の吸収体シート及び屈曲ラインでの陰茎部の圧迫は、使用中のズレや、ゴワゴワした違和感がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
陰茎部には、二本一対の陰茎海綿体とその下部に一本の尿道海綿体の三本の海綿体があり、平常時(非勃起時)はその約半分が下腹部に埋もれている。従って、陰茎部を尿取り袋で挟んでも、構造上、不安定で柔軟性に富む箇所であるので、日常生活動作時の体の動きに追従せずに、袋から陰茎部が抜けやすく、尿が尿取り袋の外に漏れ、またパンツに粘着テープで固定しても外れやすく落下しやすい問題があった。
【0008】
本発明の男性用尿漏れ防止袋は、吸水部材を環状に巻いた陰茎を収納できる空間を有する本体部と、前期本体部を使用者が着用する下着から吊り下げる伸縮する紐と、前記紐を前記下着に架け止めるストッパーを備え、収納部の内部には、挿入方向に対して複数の逆目のプリーツの襞を備え、また開口部の内部には、挿入方向に対して開口部の内側の上部を周回する逆目の裏地を備え、前記本体部は開口端の下端に裂け目と、前記裂け目の両側に配置された折り返し部を備え、前記紐の端部は、紐固定部において、前記開口端の1点に縫着されるとともに、そこからさらに延びて前記折り返し部の1点に縫着されている男性用尿漏れ防止袋を提供することを目的とする。
【0009】
従来の尿取り袋は、陰茎部を袋体の中で折り曲げ屈曲できる構造で、マジックテープでパンツに接着して使用しているが、これらは、幅広形状で陰茎部の接触面が小さく密着感が不良で、使用中のゴワゴワした違和感があり、尿取り袋が陰茎部から落下し易い。
また、通気性が悪く、蒸れて皮膚への負担もあり、毎回の使い捨てでゴミ問題にもなる。
【0010】
男性用尿漏れ防止袋は、中高齢者の男性に頻発する1ccから5cc程度の微量の尿漏れのある方が対象である。また微量の尿漏れを吸水する商品は皆無であり、男性用尿漏れ防止袋の商品開発は環境問題を含め、社会的なニーズで開発が急がれている。
【0011】
男性用尿漏れ防止袋で陰茎部を固定保持するには、上記の事を考慮し陰茎部の解剖学的な構造、運動生理学的な動きを含めた総合的な視点で問題解決をしなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記問題について検討した結果、男性用尿漏れ防止袋の本体部を下着から吊り下げる伸縮する紐、下着に架け止めるストッパーにおいて下記の構成とすることにより上記の問題を解決できる。
男性用尿漏れ防止袋は、吸水部材を環状に巻いた陰茎を収納できる空間を有する本体部と、前記本体部を使用者が着用する下着から吊り下げる伸縮する紐と、前記紐を前記下着に架け止めるストッパーを備えていることを特徴とする。
【0013】
収納部の内部には、挿入方向に対して複数の逆目のプリーツの襞を備えていることを特徴とする。
【0014】
開口部の内部には、挿入方向に対して開口部の内側の上部を周回する逆目の裏地を備えていることを特徴とする。
【0015】
前記本体部は開口端の下端に裂け目と、前記裂け目の両側に配置された折り返し部を有し、前記紐の端部は、紐固定部において、前記開口端の1点に縫着されるとともに、そこからさらに延びて前記折り返し部の1点に縫着されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の男性用尿漏れ防止袋は、吸水部材を環状に巻いた陰茎を収納できる空間を有する本体部と、前期本体部を使用者が着用する下着から吊り下げる伸縮する紐と、前記紐を前記下着に架け止めるストッパーを備えているので、本体部から陰茎が抜けて、尿が本体部の外に漏れることもなく、男性用尿漏れ防止袋が落下せず、安全に安心して使用できる。
【0017】
吸水部材を環状に巻いた陰茎が本体部から抜け出ようとすると、収納部の内部には、挿入方向に対して複数の逆目のプリーツの襞を備え、開口部の内部には、挿入方向に対して開口部の内側の上部を周回する逆目の裏地を備えているので、陰茎に巻いた吸水部材がこれらに引っ掛かり摩擦で本体部から陰茎が抜け難くなる。
【0018】
前記本体部は開口端の下端に裂け目と、前記裂け目の両側に配置された折り返し部を有し、前記紐の端部は、紐固定部において、前記開口端の1点に縫着されるとともに、そこからさらに延びて前記折り返し部の1点に縫着されている。
紐があるけれども、前記紐が伸縮するから開口部を広げることができる。
本体部の開口部に陰茎を挿入する際は、開口部が左右に広がり陰茎の挿入を簡単にし、挿入後は、前記紐が縮み開口部を狭め陰茎が抜け難くなる。
【0019】
男性用尿漏れ防止袋は、本体部を使用者が着用する下着から吊り下げる伸縮する紐を備えているので、日常生活動作時の陰茎部の上下左右、及び伸縮の動きに追従して、本体部から陰茎が外れることもなく安心して使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は男性用尿漏れ防止袋の斜視図である。
【
図2】
図2は男性用尿漏れ防止袋の正面図である。
【
図3】
図3は男性用尿漏れ防止袋の本体部の断面図である。
【
図4】
図4は男性用尿漏れ防止袋の上面図である。
【
図5】
図5は男性用尿漏れ防止袋の下面図である。
【
図6】
図6は亀頭部への吸水部材料を取り付けた説明図である。
【
図7】
図7は陰茎部・亀頭部に吸収部材を環状に巻き男性用尿漏れ防止袋に挿入した側面図である。
【
図8】
図8は陰茎部に吸収部材を環状に巻き、男性用尿漏れ防止袋を挿入してパンツに架け止めた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に記載の発明を実施するための形態に基づいて、本発明を具体的に説明する。
図1乃至
図9は、本発明に係る男性用尿漏れ防止袋の実施の例を示す。
【0022】
図1は本発明を実施するための形態を示す男性用尿漏れ防止袋の斜視図である。
男性用尿漏れ防止袋は、本体部1、本体部1を使用者が着用する下着から吊り下げる伸縮する紐13及びストッパー4からなる。
【0023】
本体部1は、収納部2と開口部3を備え、吸水部材Cを環状に巻いた陰茎Aを収納できる空間を有する本体部1と、前期本体部1を使用者が着用する下着から吊り下げる伸縮する紐13と、前記紐13を前記下着に架け止めるストッパー4を備えるので、本体部1と陰茎Aの収まりも良く、男性用漏れ防止袋の落下を防ぎ安心して使用できる。
【0024】
開口部3の下に設けた裂け目7、折り返し部8は、陰茎Aの挿入時に、開口部3を左右に広げ陰茎Aの挿入を簡単にする。また、男性用尿漏れ防止袋は、使用時に前記紐13が伸縮し、陰茎部の上下、左右及び伸縮の動きに追従するので、本体部1と陰茎Aにズレもない。
【0025】
本体部1は、内側も外側も液透過性表面シートからなり、不織布マスクの材料を使用している。本体は、ポリプロピレン、ポリエステル、及びポリエチレンからなり、一対の伸縮する紐は、ポリエステル及びポリウレタンからなる。濡れても乾きやすい材料で構成されている。また外側の不織布より2層目に銀系抗菌剤が含まれているのが望ましい。
【0026】
本体部1は液透過性表面シートと、液不透過性裏面シートを使用することもできる。
【0027】
図2は本発明を実施するための形態を示す男性用尿漏れ防止袋の正面図である。
本体部1は開口端の下端に裂け目7と、前記裂け目7の両側に配置された折り返し部8を有し、前記本体部1を使用者が着用する下着から吊り下げる伸縮する紐13の端部は、紐固定部11において、前記開口端の1点に縫着されるとともに、そこからさらに延びて前記折り返し部8の1点に縫着されている。
【0028】
紐があるけれども、前記紐13が伸縮するから開口部3を広げることができる。
本体部1の開口部3に陰茎Aを挿入する際は、開口部3が左右に広がり陰茎Aが挿入し易くなり、挿入後は、前記紐13が縮み開口部3を狭め陰茎が抜け難くなる。
【0029】
吸収部材Cを環状に巻いた陰茎Aを収納した本体部1と、前記本体部1を前記紐13と、前記紐13を前記下着に架け止めるストッパー4を、パンツの内側から引き上げ、パンツの縁Eに架け止め固定保持し装着すると、前記紐13が両側の紐固定部11を介して本体部1を引き上げ、複数の逆目のプリーツの襞14、アーチ部6、斜めの切れ目9及び開口部3の内側の上部を周回する逆目の裏地15が、陰茎Aに巻いた吸収部材Cに引っ掛かり本体部1が陰茎Aから抜け難くなる。
【0030】
さらに折り返し部8が、陰茎A及び陰茎根部(陰茎の根本部分)の両側面を保持し、折り返し部8の奥に設けた斜めの切れ目9が、陰茎Aの支点となり男性用尿漏れ防止袋を安全に保持することができる。
また並行して、前記紐13が本体部1を引き上げると、両側の紐固定部11が開口部3の幅を狭めるので本体部1と陰茎Aのフィットも良くなる。また、就寝時に寝返りを打っても男性用尿漏れ防止袋が外れて、尿漏れで下着を濡らすこともない。
【0031】
図3は本発明を実施するための形態を示す男性用尿漏れ防止袋の本体部の断面図である。
収納部2の内部には、挿入方向に対して、複数の逆目のプリーツの襞14を備えているので、吸水部材Cを環状に巻いた陰茎Aを収納した本体部1から、陰茎Aが抜け出ようとすると、吸水部材Cが前記逆目のプリーツの襞14に引っ掛かり、本体部1から陰茎Aが抜け難くなる。
【0032】
本体部1に、複数のプリーツ5を備えることで逆目の襞が出来る。
プリーツ5の方向が逆目になり、陰茎Aを引き抜く方向に抵抗が働くように、複数の逆目のプリーツの襞14が、収納部2の内側に向かって傾いている。
【0033】
開口部3の内部には、挿入方向に対して、開口部3の内側の上部を周回する逆目の裏地15を備えているので、吸水部材Cを環状に巻いた陰茎Aを収納している本体部1から、陰茎Aが抜け出ようとすると、前記逆目の裏地15が陰茎Aの周囲を被い開口部3を狭め、陰茎Aが抜け難くなる。
【0034】
図4は本発明を実施するための形態を示す男性用尿漏れ防止袋の上面図である。
本体部1の開口部3は、吸収部材Cを環状に巻いた陰茎Aを挿入する入口で、本体部1の中央両外側に設けた複数の通気口16は、陰茎Aの蒸れを防ぎ換気を良くする。本体部1の長さは13cm、高さ7.5cm、直径5.5cm、開口部を広げた幅8.5cmが望ましい。
【0035】
図5は本発明を実施するための形態を示す男性用尿漏れ防止袋の下面図である。
本体部1の下面から側面に、上下左右に伸縮する複数のプリーツ5と、アーチ部6を設けているので陰茎Aが挿入し易い。本体部1の長さは、上部より下部の方が2cm程度短いのが望ましい。
【0036】
図6は亀頭への吸水部材料を取り付けた説明図である。
本体部1に挿入後の亀頭Bに巻いた吸水部材C(トイレットペーパーほか)が、尿漏れを吸水した吸水部材Cの形状を示す。
微量の尿漏れ1cc乃至2ccの、亀頭B(陰茎の先端)への吸水部材Cの巻き方は、亀頭Bに短めの吸水部材Cを環状、又は螺旋状に厚めに巻き、尿道の先に吸水部材Cを集めている。
【0037】
従来は、尿が漏れたら、トイレで使い捨ての尿取りパッド及び男性用尿取り袋を交換し、使用済みの尿とりパッド等を、自宅に持ち帰り廃棄という煩わしさがあったが、トイレに流せる吸収部材(トイレットペーパー等)Cを使用することで、尿漏れを吸水した吸収部材Cをトイレに流し、吸収部材Cの陰茎Aへの取り付け及び本体部の装着が簡単にできる。
【0038】
図7は本発明を実施するための形態を示し、陰茎に吸水部材を環状に巻き男性用尿漏れ防止袋に挿入した側面図である。
本体部1の尿漏れ吸水範囲は1cc~5ccである。本体部1には、吸収部材Cを環状に巻いた陰茎A及び亀頭Bを収納できる収納部2を設けている。亀頭Bの尿道出口に尿漏れが集中するので、収納部2の先端は吸水部材Cが多めに収納できるように余裕を持って設計しており、吸水部材Cを環状に巻いた陰茎Aを本体部1に挿入してもゴワゴワした違和感はない。
【0039】
尿漏れ3cc乃至5cc程度の、陰茎A及び亀頭Bへの吸水部材Cの巻き方は、陰茎Aの中央に吸水部材Cを多めに環状に巻き、亀頭Bの先で吸水部材Cを裏側に折り曲げ、先端を丸めて本体部1に陰茎Aを挿入する。
吸水部材Cを裏側に折り曲げる理由は、尿道は海綿体の下部に位置しており、尿は亀頭B(陰茎の先端部)の下方に流れるので、吸水部材Cを裏側に折り曲げて使用した方が吸水効率を高めることが出来る。また前記吸収部材Cを折り曲げないで直接本体部1に挿入する方法もある。
【0040】
男性用尿漏れ防止袋が、トイレに流せる吸水部材C(トイレットペーパーほか)を使用する理由は、トイレには吸収部材(トイレットペーパーほか)Cを備えており、トイレに流せる吸水部材Cの使用により、陰茎Aに巻く尿漏れ後の吸収部材Cの交換が簡単にでき、また尿漏れ量に応じた陰茎Aに巻く吸水部材Cの量の調整もその場所でできる。
トイレットペーパーは、ソフトで肌に優しく密着感も良く、巻きやすく吸水性に優れる。
【0041】
基本的に、利用者が尿漏れ量に合った吸水量を管理できて、尿漏れ1cc乃至5ccの範囲であれば、吸水部材Cの量の調整で本体部1から尿が濡れることはない。
男性用尿漏れ防止袋は、トイレで吸水部材Aの交換が簡単なので、尿漏れしても安心で、外出時にパンツやズボンを濡らすこともなく、尿漏れの不快な感覚や悪臭、下着の交換の煩わしさ等の心身のストレスから解放され、外出の機会も増え生活の質(Quality of Life)が向上する。
【0042】
男性用尿漏れ防止袋は、耐久性があり洗濯することで再使用も出来る。
【0043】
トイレに流せない吸収部材Cで、吸水率の高いティッシュペーパー、破れにくいソフトなハンドペーパー、洗濯して複数回の使用が可能なガーゼ等を使用することも可能である。
【0044】
図8は本発明を実施するための形態を示し陰茎部、亀頭部に吸水部材を環状に巻き男性用尿漏れ防止袋を挿入してパンツに架け止めた状態を示す側面図である。
装着法は、本体部1の開口部3内部の紐固定部11を母指と示指で持ち、開口部3を広げ、本体部1に、吸水部材C(トイレットペーパーほか)を環状に巻いた亀頭B及び陰茎Aを、挿入する。次に、ストッパー4を、パンツの内側から引き上げパンツのゴム紐Dの外に出して、パンツの縁Eに架け止め、ズボンで押さえ固定保持して装着する。
【0045】
尿漏れを吸水した吸水部材Cの取り外しは、パンツの縁Eに架け止めているストッパー4を外し、ズボンとパンツを下ろして本体部1を陰茎Aから抜き取り、陰茎Aから吸水部材Cを取り外しトイレに流す。
排尿後は、陰茎A及び亀頭Bに、トイレに備え付けの前記吸水部材Cを環状に巻き、本体部1を挿入し、ストッパー4をパンツの内側から引き上げパンツの縁Eに架け止め、パンツの外に出し、ストッパー4をズボンで押さえ固定保持する。また排尿後は、尿道に残った残尿を指で押し出して、陰茎Aに吸水部材Cを巻きつけることで、陰茎Aに巻いた吸水部材Cの尿漏れの吸水を少なくすることができる。
【0046】
男性用尿漏れ防止袋と陰茎Aの収まりの調整は、パンツの位置を上下してストッパー4をパンツの縁Eに架け止めることで可能になる。
男性用尿漏れ防止袋が下がって陰茎Aとの収まりが緩い場合は、パンツを上に上げた状態でストッパー4を引き上げパンツの縁Eに架け止めて、下着から吊り下げる伸縮する紐13を緊張させると本体部1が上に上がり陰茎Aとの収まりが良くなる。
男性用尿漏れ防止袋が上がりすぎて陰茎Aが窮屈な場合は、パンツを下に下げた状態でストッパー4をパンツの縁Eに架け止めて、下着から吊り下げる伸縮する紐13を弛緩させて調整する。
【0047】
本体部1を使用者が着用する下着から吊り下げる伸縮する紐13と、前記紐13をパンツの縁Eに架け止めるストッパー4の裏面の上部両外側に離して設けたことで、使用時に本体部1をバランスよく左右均等に引き上げ、前記紐13の捻れを防ぐこともできる。
【0048】
図9は
図8の斜視図である。
本体部1を使用者が着用する下着から吊り下げる伸縮する紐13と、前記紐13を前記下着に架け止めるストッパー4を設けた。
【0049】
ストッパー4の材料は、柔らかく、体のフィット感、及び肌触りも良く体の動きに追随して、パンツの縁Eから外れ難い、弾力性を有する密着性のある低反発フォームなどからなる。
【符号の説明】
【0050】
1 本体部
2 収納部
3 開口部
4 ストッパー
5 複数のプリーツ
6 アーチ部
7 裂け目
8 折り返し部
9 斜めの切れ目
10 1対の収縮する紐
11 紐固定部
12 U字状の溝
13 下着から吊り下げる伸縮する紐
14 逆目のプリーツの襞
15 逆目の裏地
16 複数の通気口
A 陰茎
B 亀頭
C 吸水部材
D パンツのゴム紐
E パンツの縁
【要約】
【課題】 尿が外に漏れず、使用中に陰茎部分が抜けて落下しない男性用尿漏れ防止袋を提供する。
【解決手段】吸水部材Cを環状に巻いた陰茎Aを収納できる空間を有する本体部1と、前期本体部1を使用者が着用する下着から吊り下げる伸縮する紐13と、前記紐13を前記下着に架け止めるストッパー4を備える男性用尿漏れ防止袋。
【選択図】
図1