IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 国立大学法人 熊本大学の特許一覧

特許7504340画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体
<>
  • 特許-画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体 図1
  • 特許-画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体 図2
  • 特許-画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体 図3
  • 特許-画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体 図4
  • 特許-画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体 図5
  • 特許-画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体 図6
  • 特許-画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体 図7
  • 特許-画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体 図8
  • 特許-画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体 図9
  • 特許-画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
A61B5/055 380
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022504425
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(86)【国際出願番号】 JP2021008197
(87)【国際公開番号】W WO2021177353
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】P 2020037332
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、「長寿・障害総合研究事業 認知症研究開発事業」委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】504159235
【氏名又は名称】国立大学法人 熊本大学
(74)【代理人】
【識別番号】100136180
【弁理士】
【氏名又は名称】羽立 章二
(72)【発明者】
【氏名】米田 哲也
【審査官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/047583(WO,A1)
【文献】特開2017-184935(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0203087(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01N 24/00-24/14
G01R 33/28-33/64
PubMed
ISMRM
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の複数の部位を撮影して得られた磁気共鳴画像データに対して処理を行う画像処理方法であって、
信号取得部が、前記磁気共鳴画像データから位相差画像信号を取得する信号取得ステップと、
統計量計算部が、位相差に対する前記位相差画像信号の分布に対して、前記部位ごとに統計処理を行って統計量を計算する統計量計算ステップを含む画像処理方法。
【請求項2】
前記統計処理は、平均値、標準偏差、尖度及び歪度の少なくとも一部を計算することを含む、請求項1記載の画像処理方法。
【請求項3】
対象物質評価部が、前記各部位の統計量を用いて、前記複数の部位に含まれる対象物質の量を評価して評価結果を生成する対象物質評価ステップを含む請求項1又は2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記統計量計算ステップにおいて、前記統計量計算部は、前記各部位の統計量の一部又は全部から統計量評価値を計算し、
前記対象物質評価ステップにおいて、前記対象物質評価部は、前記各部位の統計量に加えて又は代えて前記統計量評価値を用いて前記対象物質の量を評価する、請求項3記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記磁気共鳴画像データがマルチエコーにより得られた場合に、
前記統計量計算ステップにおいて、前記統計量計算部は、複数のエコー時間に対して行われる統計処理を利用して前記統計量を計算し、
前記対象物質評価ステップにおいて、前記対象物質評価部は、エコー時間の変化を用いて前記対象物質の量を評価し、
前記統計量計算ステップにおいて、前記対象物質の蓄積が検出限界以上の部位に対して、エコー時間と統計量との間の近似モデルがエコー時間から統計量を再現できる度合いを表す決定係数がCut-off値よりも大きいデータによる近似モデルを用いて前記統計量を計算し、及び/又は、前記複数の統計処理により得られた値に対して一次関数よりも高次のモデルによる近似処理を行って前記統計量を計算する、請求項3又は4に記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記対象物質は、前記各部位において前記生体の加齢により増減するとともに加齢とは異なる要因により増減し、
前記統計量は、少なくとも、前記対象物質が加齢とは異なる要因により増減することによって変化し、
前記対象物質評価ステップにおいて、前記対象物質評価部は、加齢とは異なる要因により増減した前記対象物質の量を評価する、請求項3から5のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記対象物質は、タンパク質と結合した鉄であり、
前記生体の複数の部位は、脳における複数の部位を含み、
タンパク質と結合した鉄は、前記各部位において前記生体の加齢により増加するとともに加齢とは異なる要因により増加する、請求項6記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記対象物質は、前記各部位において加齢とは異なる要因によって増減する順序が定まっており、
前記対象物質評価ステップにおいて、前記対象物質評価部は、前記順序を用いて、加齢とは異なる要因により増減した前記対象物質の量を評価する、請求項6又は7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
生体の複数の部位を撮影して得られた磁気共鳴画像データに対して処理を行う画像処理装置であって、
前記磁気共鳴画像データから位相差画像信号を取得する信号取得部と、
位相差に対する前記位相差画像信号の分布に対して、前記部位ごとに統計処理を行って統計量を計算する統計量計算部を備える画像処理装置。
【請求項10】
前記統計処理は、平均値、標準偏差、尖度及び歪度の少なくとも一部を計算することを含む、請求項9記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記各部位の統計量を用いて、前記複数の部位に含まれる対象物質の量を評価して評価結果を生成する対象物質評価部を備える請求項9又は10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記統計量計算部は、前記各部位の統計量の一部又は全部から統計量評価値を計算し、
前記対象物質評価部は、前記各部位の統計量に加えて又は代えて前記統計量評価値を用いて前記対象物質の量を評価する、請求項11記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記磁気共鳴画像データがマルチエコーにより得られた場合に、
前記統計量計算部は、複数のエコー時間に対して行われる統計処理を利用して前記統計量を計算し、
前記対象物質評価部は、エコー時間の変化を用いて前記対象物質の量を評価し、
前記統計量計算部は、前記対象物質の蓄積が検出限界以上の部位に対して、エコー時間と統計量との間の近似モデルがエコー時間から統計量を再現できる度合いを表す決定係数がCut-off値よりも大きいデータによる近似モデルを用いて前記統計量を計算し、及び/又は、前記複数の統計処理により得られた値に対して一次関数よりも高次のモデルによる近似処理を行って前記統計量を計算する、請求項11又は12に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記対象物質は、前記各部位において前記生体の加齢により増減するとともに加齢とは異なる要因により増減し、
前記統計量は、少なくとも、前記対象物質が加齢とは異なる要因により増減することによって変化し、
前記対象物質評価部は、加齢とは異なる要因による前記対象物質の増減を評価する、請求項11から13のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記対象物質は、タンパク質と結合した鉄であり、
前記生体の複数の部位は、脳における複数の部位を含み、
タンパク質と結合した鉄は、前記各部位において前記生体の加齢により増加するとともに加齢とは異なる要因により増加する、請求項14記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記対象物質は、前記各部位において加齢とは異なる要因によって増減する順序が定まっており、
前記対象物質評価部は、前記順序を用いて、加齢とは異なる要因による前記対象物質の増減を評価する、請求項14又は15に記載の画像処理装置。
【請求項17】
コンピュータを、請求項9から16のいずれかに記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
請求項17記載のプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、画像処理方法、画像処理装置、プログラム及び記録媒体に関し、特に、生体の複数の部位を撮影して得られた磁気共鳴画像データに対して処理を行う画像処理方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1及び2にあるように、発明者は磁気共鳴画像化法(MRI、Magnetic Resonance Imaging)により得られた磁気共鳴画像データについて研究している。
【0003】
特許文献2には、生体の所定領域から得られた核磁気共鳴信号の位相差分布に対して、複数の関数群でフィッティングして組織の磁化率を特定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4982881号公報
【文献】特許第6041356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2記載の技術は、非線形近似を行うものであった。そのため、例えば非線形近似の収束が悪いことなどで、磁気率を特定することが難しい場合があった。また、特許文献1記載の技術は、強調処理に関するものであり、画像データの解析における計算負担の軽減について記載されていない。
【0006】
そこで、本願発明は、シンプルな演算処理によって磁気共鳴画像データを解析することに適した画像処理方法等を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の観点は、生体の複数の部位を撮影して得られた磁気共鳴画像データに対して処理を行う画像処理方法であって、信号取得部が、前記磁気共鳴画像データから位相差画像信号を取得する信号取得ステップと、統計量計算部が、位相差に対する前記位相差画像信号の分布に対して、前記部位ごとに統計処理を行って統計量を計算する統計量計算ステップを含む。
【0008】
本願発明の第2の観点は、第1の観点の画像処理方法であって、前記統計処理は、平均値、標準偏差、尖度及び歪度の少なくとも一部を計算することを含む。
【0009】
本願発明の第3の観点は、第1又は第2の観点の画像処理方法であって、対象物質評価部が、前記各部位の統計量を用いて、前記複数の部位に含まれる対象物質の量を評価して評価結果を生成する対象物質評価ステップを含む。
【0010】
本願発明の第4の観点は、第3の観点の画像処理方法であって、前記統計量計算ステップにおいて、前記統計量計算部は、前記各部位の統計量の一部又は全部から統計量評価値を計算し、前記対象物質評価ステップにおいて、前記対象物質評価部は、前記各部位の統計量に加えて又は代えて前記統計量評価値を用いて前記対象物質の量を評価する。
【0011】
前磁気共鳴画像データは、シングルエコーでもマルチエコーでも得ることができる。本願発明の第5の観点は、第3又は第4の観点の画像処理方法であって、前記磁気共鳴画像データがマルチエコーにより得られた場合に、前記統計量計算ステップにおいて、前記統計量計算部は、複数のエコー時間に対して行われる統計処理を利用して前記統計量を計算し、前記対象物質評価ステップにおいて、前記対象物質評価部は、エコー時間の変化を用いて前記対象物質の量を評価し、前記統計量計算ステップにおいて、前記統計量計算部は、前記対象物質の蓄積が検出限界以上の部位に対して、エコー時間と統計量との間の近似モデルがエコー時間から統計量を再現できる度合いを表す決定係数がCut-off値よりも大きいデータによる近似モデルを用いて前記統計量を計算し、及び/又は、前記複数の統計処理により得られた値に対して一次関数よりも高次のモデルによる近似処理を行って前記統計量を計算する。
【0012】
本願発明の第6の観点は、第3から第5のいずれかの観点の画像処理方法であって、前記対象物質は、前記各部位において前記生体の加齢により増減するとともに加齢とは異なる要因により増減し、前記統計量は、少なくとも、前記対象物質が加齢とは異なる要因により増減することによって変化し、前記対象物質評価ステップにおいて、前記対象物質評価部は、加齢とは異なる要因により増減した前記対象物質の量を評価する。
【0013】
本願発明の第7の観点は、第6の観点の画像処理方法であって、前記対象物質は、タンパク質と結合した鉄であり、前記生体の複数の部位は、脳における複数の部位を含み、タンパク質と結合した鉄は、前記各部位において前記生体の加齢により増加するとともに加齢とは異なる要因により増加する。
【0014】
本願発明の第8の観点は、第6又は第7の観点の画像処理方法であって、前記対象物質は、前記各部位において加齢とは異なる要因によって増減する順序が定まっており、前記対象物質評価ステップにおいて、前記対象物質評価部は、前記順序を用いて、加齢とは異なる要因により増減した前記対象物質の量を評価する。
【0015】
本願発明の第9の観点は、生体の複数の部位を撮影して得られた磁気共鳴画像データに対して処理を行う画像処理装置であって、前記磁気共鳴画像データから位相差画像信号を取得する信号取得部と、位相差に対する前記位相差画像信号の分布に対して、前記部位ごとに統計処理を行って統計量を計算する統計量計算部を備える。
【0016】
本願発明の第10の観点は、第9の観点の画像処理装置であって、前記統計処理は、平均値、標準偏差、尖度及び歪度の少なくとも一部を計算することを含む。
【0017】
本願発明の第11の観点は、第9又は第10の観点の画像処理装置であって、前記各部位の統計量を用いて、前記複数の部位に含まれる対象物質の量を評価して評価結果を生成する対象物質評価部を備える。
【0018】
本願発明の第12の観点は、第11の観点の画像処理装置であって、前記統計量計算部は、前記各部位の統計量の一部又は全部から統計量評価値を計算し、前記対象物質評価部は、前記各部位の統計量に加えて又は代えて前記統計量評価値を用いて前記対象物質の量を評価する。
【0019】
記磁気共鳴画像データは、シングルエコーでもマルチエコーでも得ることができるものである。本願発明の第13の観点は、第11又は第12の観点の画像処理装置であって、前記磁気共鳴画像データがマルチエコーにより得られた場合に、前記統計量計算部は、複数のエコー時間に対して行われる統計処理を利用して前記統計量を計算し、前記対象物質評価部は、エコー時間の変化を用いて前記対象物質の量を評価し、前記統計量計算部は、前記対象物質の蓄積が検出限界以上の部位に対して、エコー時間と統計量との間の近似モデルがエコー時間から統計量を再現できる度合いを表す決定係数がCut-off値よりも大きいデータによる近似モデルを用いて前記統計量を計算し、及び/又は、前記複数の統計処理により得られた値に対して一次関数よりも高次のモデルによる近似処理を行って前記統計量を計算する。
【0020】
本願発明の第14の観点は、第11から第13のいずれかの観点の画像処理装置であって、前記対象物質は、前記各部位において前記生体の加齢により増減するとともに加齢とは異なる要因により増減し、前記統計量は、少なくとも、前記対象物質が加齢とは異なる要因により増減することによって変化し、前記対象物質評価部は、加齢とは異なる要因による前記対象物質の増減を評価する。
【0021】
本願発明の第15の観点は、第14の観点の画像処理装置であって、前記対象物質は、タンパク質と結合した鉄であり、前記生体の複数の部位は、脳における複数の部位を含み、タンパク質と結合した鉄は、前記各部位において前記生体の加齢により増加するとともに加齢とは異なる要因により増加する。
【0022】
本願発明の第16の観点は、第14又は第15の観点の画像処理装置であって、前記対象物質は、前記各部位において加齢とは異なる要因によって増減する順序が定まっており、前記対象物質評価部は、前記順序を用いて、加齢とは異なる要因による前記対象物質の増減を評価する。
【0023】
本願発明の第17の観点は、コンピュータを、第9から第16のいずれかの観点の画像処理装置として機能させるためのプログラムである。
【0024】
本願発明の第18の観点は、第17の観点のプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0025】
なお、本願発明の各観点において、画像処理部が、磁気共鳴画像データを用いて位相差を取り出して位相差画像データを生成し、信号取得部が、位相差画像データから位相差画像信号を取得してもよい。画像処理装置は、画像処理部を備えてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本願発明の各観点によれば、磁気共鳴画像データの解析を、統計処理というシンプルな演算によって行う。そのため、例えば非線形近似のような複雑な計算を行わずに、容易に解析を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願発明の実施の形態に係る画像処理システム1の(a)構成の一例を示すブロック図と、(b)処理の一例を示すフロー図である。
図2図1(a)のMRI撮影装置3を説明するための図である。
図3】位相差画像データに設定された関心領域41の一例を示す。
図4】シングルエコー法により図1(a)の統計量計算部15が生成したヒストグラムの一例を示す。
図5】マルチエコー法により図1(a)の統計量計算部15が生成したヒストグラムの一例を示す。
図6】(a)図5により得られたエコー時間に対する統計量の変化率を示す図と、(b)この変化率が評価指標と高い相関を示すことを示す図である。
図7】(a)及び(b)は各部位の統計量の変化率を示し、(c)はその和を示す図である。
図8】部位ごとに仮定するモデルについて、(a)線形モデルの場合、及び、(b)2次関数のモデルの場合、を示す図である。
図9】CnとCGでのCut-offを利用した精度の向上について説明するための図である。
図10】2次関数のモデルを利用したときのCn、PrCn、SFG及びCGでのFitの結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、図面を参照して、本願発明の実施例について説明する。なお、本願発明は、この実施例に限定されるものではない。
【実施例
【0029】
図1は、本願発明の実施の形態に係る画像処理システム1の(a)構成の一例を示すブロック図と、(b)処理の一例を示すフロー図である。
【0030】
図1(a)を参照して、画像処理システム1の構成の一例を説明する。画像処理システム1は、MRI撮影装置3と、画像処理装置5を備える。
【0031】
MRI撮影装置3は、撮影部7を備える。
【0032】
画像処理装置5は、撮影画像記憶部9と、画像処理部11と、信号取得部13(本願請求項の「信号取得部」の一例)と、統計量計算部15(本願請求項の「統計量計算部」の一例)と、対象物質評価部17(本願請求項の「対象物質評価部」の一例)を備える。
【0033】
なお、本願発明については、MRI撮影装置3において、画像処理装置5が備える各部の一部又は全部を組み込んで実現してもよい。
【0034】
図1(b)を参照して、図1(a)の画像処理システム1の動作の一例を説明する。
【0035】
MRI撮影装置3において、撮影部7は、人体を撮影して、撮影画像データを取得する(ステップST1)。ここで、撮影部7は、MRI撮影装置3が通常備えている撮影法(例えばグラジエントエコー法など)によって撮影すればよい。また、撮影画像データは、シングルエコー法(単一のエコーによって収集する手法)でも、マルチエコー(複数のエコーによって収集する手法)でも、いずれによって撮影されたものであってもよい。
【0036】
画像処理装置5は、MRI撮影装置3と通信可能である。MRI撮影装置3は、画像処理装置5に対して、撮影部7が撮影した撮影画像データ(本願請求項の「磁気共鳴画像データ」の一例)を送信する。画像処理装置5の撮影画像記憶部9は、受信した撮影画像データを記憶する。
【0037】
画像処理部11は、例えば特許文献2記載の技術などを使用して、撮影画像記憶部9が記憶する撮影画像データを用いて位相差画像データを生成する。
【0038】
信号取得部13は、位相差画像データに関心領域(ROI)を設定して、関心領域の中の位相差画像信号を取得する(ステップST2)。関心領域の設定は、例えば、信号取得部13が、位相差画像データを分析して自動的に設定してもよく、画像処理装置5で表示して利用者の指示により設定してもよい。
【0039】
統計量計算部15は、取得した位相差画像信号を、横軸を位相差とし、縦軸を頻度としてヒストグラム化する。そして、関心領域に含まれる部位ごとに、統計処理を行って統計量を計算する(ステップST3)。統計処理は、例えば平均値、標準偏差、尖度、歪度などを計算することである。統計量は、統計処理によって計算された値である。
【0040】
対象物質評価部17は、統計量計算部15が計算した統計量を用いて対象物質の量を評価して、評価結果を生成する(ステップST4)。
【0041】
対象物質は、例えばタンパク質と結合した鉄である。アルツハイマー病(以下、「AD」という)の主な病理的原因に、アミロイドβの脳内の蓄積がある。アミロイドβは、主に大脳(新)皮質内部に蓄積することでアミロイド老人斑(以下、「AP」という)を形成し、APが神経毒を生成することで、皮質内部の脳神経にダメージを与えて、結果的に脳機能を阻害することで認知症をきたすと考えられている。AP内に蓄積する鉄は、APを撮影した磁気共鳴画像データから取得された位相差画像信号に反映される。
【0042】
発明者は、後に説明するように、位相差画像信号に対して統計処理を行って計算された統計量が、MMSEなどの臨床指標との間で相関が認められることを明らかにした。対象物質評価部17は、統計量を用いて、皮質を撮影して得られた磁気共鳴画像データから取り出された位相差画像信号の分布からAP内の鉄の蓄積(量)を予測し、臨床指標(例えばADや認知症の代表的認知機能指標であるMMSEなど)と相関が認められる情報を提供することができる。対象物質評価部17は、評価結果として、例えば、臨床指標を計算するものであってもよく、また、医師などが臨床指標を判断する際に利用される参考情報を提供するものであってもよい。
【0043】
また、マルチエコー法による場合に、エコー時間の変化が、臨床指標と強い相関が認められる。そのため、統計量計算部15は、例えばマルチエコー法による場合には、ステップST3において、統計量計算部15は、エコーごとに統計量を算出して、エコー時間の変化に対する統計量の変化率を計算し、ステップST4において、対象物質評価部17は、エコー時間の変化に対する統計量の変化率を用いて対象物質の量を評価してもよい。ここで、対象物質評価部17は、統計量や統計量評価値なども用いて対象物質の量を評価してもよい。
【0044】
また、各部位の統計量の統計量評価値(複数の部位の統計量の一部又は全部を用いて計算される評価値。例えば、各部位の統計量の和など)と臨床指標との相関が認められる(図7参照)。そのため、ステップST3において、統計量計算部15は、各部位ごとに統計量を計算するとともに、統計量評価値を計算し、ステップST4において、対象物質評価部17は、各部位の統計量に加えて又は代えて統計量評価値を用いて対象物質の量を評価してもよい。また、マルチエコー法を用いた場合には、例えば、エコー時間の変化に対する統計量の変化率や統計量評価値の変化率、各部位の統計量の変化率の一部又は全部を用いて計算される統計量変化率評価値、などを用いて対象物質の量を評価してもよい。
【0045】
統計量(特に歪度)がAP蓄積量と相関する理由について説明する。脳内においてタンパク質と結合する鉄は、加齢に伴い増加するものと、AP内に蓄積されるものが含まれる。横軸が位相差であり縦軸が頻度であるヒストグラムは、通常、AP内の鉄がなければ所定の分布(例えば、単一のガウス分布など)に従ったものとなる。そして、AP内に蓄積される鉄の分布と、加齢に伴い増加する鉄による所定の分布とは、例えば中心軸が異なる。そのため、加齢に伴い増加する鉄とAP内に蓄積される鉄とを併せたヒストグラムは、加齢に伴い増加する鉄の所定の分布とは異なるヒストグラムになる(図4参照)。分布が異なるために、統計処理により計算された統計量(例えば歪度など)は、AP内の鉄が多い場合と少ない場合とで値が変化する。そして、AP蓄積量と臨床指標の間には、相関(線形相関など)があることが知られている(例えば、Cummings、外3名著,β-AMYLOID DEPOSITION AND OTHER MEASURES OF NEUROPATHOLOGY PREDICT COGNITIVE STATUS IN ALZHEIMER'S DISEASE,Neurobiology of Aging, Vol. 17, No. 6, pp. 921-933, 1996など参照)。そのため、統計量は、AP内の鉄の量との相関が認められ、臨床指標との相関が認められる。
【0046】
なお、定量的磁化率マップ(QSM)により脳内の鉄を検出することが知られている。しかしながら、これは、加齢鉄とアミロイド鉄を一括して評価している。そのため、正しくAPを評価していないという欠点があり、さらに結果的に臨床指標と相関しない。他方、本手法では、統計量(特に歪度)が、ヒストグラムのアミロイドに由来する歪みを検出することを用いて、正しくAP内の鉄を評価しているため、臨床指標との相関を示す。特に、本手法では、QSMでは特定していないアミロイド(に含まれる鉄)の磁化率を評価している。
【0047】
さらに、APの蓄積は、時間が経過するにともなって蓄積する脳部位が広がっていくことが知られている(例えば、Braak、外1名著,Frequency of Stages of Alzheimer-Related Lesions in Different Age Categories,Neurobiology of Aging, Vol. 18, No. 4, pp. 351-357, 1997など参照)。APの蓄積は、時間が経過するにともなって蓄積する脳部位が広がってゆくため、ある時点での蓄積の異なる脳部位(脳機能野)を分けて評価することで、蓄積の違いからADの(前臨床期や軽度認知症時の)進行を器質的に評価することが可能になる。このような蓄積の違いが認知機能に影響することが予想されるため、脳部位間の相対的な評価が、結果的により効果的な認知機能障害との関連を示す指標となりうる。ADを発症したときには、すでに脳部位間の差が少なくなるほど、全ての領域で概ね蓄積が進み、本手法を用いると部位間の差が無くなる方向に結果が表れると考えられる。
【0048】
図2は、図1(a)のMRI撮影装置3を説明するための図である。図2(a)は、撮影の状況を説明するための図である。図2(b)~(g)は、磁気共鳴画像データの一例を示す図である。
【0049】
図2(a)にあるように、被検体は、MRI撮影装置3の筒の中に入る。MRI撮影装置3は、筒における磁気を利用して、NMR(核磁気共鳴、Nuclear Magnetic Resonance)現象を利用して被検体の内部情報を画像化することができる。MRI撮影装置3による撮影で得られる画像データは、回転する磁化ベクトルの大きさと角度を持った複素画像(complex image)である。通常のMRI撮影装置3では、撮影画像データとして、強度画像(magnitude image)データ、及び、位相画像(phase image)データを使用することができる(特許文献2参照)。ここで、強度画像は、磁気共鳴信号の強度成分を画像化したものである。位相画像は、磁化ベクトルの回転角を画像化したものである(図2(b)~(g)参照)。撮影画像記憶部9は、強度画像データ及び位相画像データを記憶する。
【0050】
画像処理部11は、強度画像データ及び位相画像データから位相差画像データを生成する(図3参照)。この位相差画像データは、例えば特許文献2(例えば位相差画像の作成についての説明を参照)記載の技術により生成することができる。
【0051】
位相差画像データの生成について、念のために説明する。MRI信号の取得に際して長いTE(エコー時間)を用いると、位相画像にフェーズラッピング(phase wrapping)が発生し、位相が2πを超えるものが、実際の位相から2πn(nは整数)を差し引いた位相値を取る。そのため、位相画像が縞模様の画像となり、本来の位相値を示さなくなる。画像処理部11は、特許文献2記載の技術などにより、このフェーズラッピングを取り除くと共に、位相差を取り出す処理を行い、位相差画像データを生成する。
【0052】
信号取得部13は、位相差画像データに関心領域(ROI)を設定する。図3は、位相差画像データに設定された関心領域41の一例を示す。信号取得部13は、関心領域を、例えば、画像処理装置5のディスプレイなどの表示部に位相差画像データを表示し、画像処理装置5の利用者がマウスなどの入力部を利用して指定したものにより設定してもよい。また、例えば学習処理などを利用して自動的に関心領域を判定して設定してもよい。関心領域は、2次元領域であってもよく、3次元領域であってもよい。
【0053】
信号取得部13は、関心領域に含まれる組織から取得されたMRI信号の全位相差データ(本願請求項の「位相差画像信号」の一例)を取得する。
【0054】
統計量計算部15は、MRI信号の全位相差データを部位ごとに分けて位相差分布を生成する。例えば、横軸を位相差とし、縦軸をデータ数としたヒストグラムを作成する。そして、部位ごとに統計量を計算する。統計量は、例えば、部位ごとの位相差分布の平均値、標準偏差、尖度、歪度などである。
【0055】
図4は、統計量計算部15が生成したヒストグラムの一例を示す。横軸は位相差(rad)であり、縦軸は頻度(データ数)である。ライン43は、生体の加齢による鉄の分布(加齢鉄位相分布)を示す。ライン45は、アミロイド鉄の分布(アミロイド鉄分布)を示す。アミロイド鉄が無ければ、ライン43にあるように、単一のガウス分布となる。アミロイド鉄の分布が存在するために、ライン47にあるように、ガウス分布から違いが生じている。ライン47により計算される統計量には、ライン43からの変化が反映されている。例えば歪度は、分布の非対称性を示す指標である。アミロイド鉄分布が、加齢鉄位相分布(ライン43)の中心軸に対して、図4の左側に存在する、そのため、ライン47は、ライン43を非対称にしている。そのため、ライン47に対して歪度を計算することによって、アミロイド鉄分布を評価することができる。同様に、アミロイド鉄分布は、分布の尖り具合を変化させる。そのため、ライン47の尖度を計算することによって、アミロイド鉄分布(ライン45)を評価できる。さらに、発明者は、アミロイド鉄分布(ライン45)は、ライン47の平均値、標準偏差によっても評価できることを確認した。
【0056】
図5は、マルチエコー法で得られた位相差画像信号の分布の一例を示す。図5において、エコー時間は、(a)、(b)、(c)、(d)の順に増える。エコー時間が増えると、アミロイド鉄の分布は大きく負にシフトする。そのため、アミロイド鉄の分布は、それぞれのエコーに対して計算された統計量に影響を与える。
【0057】
図6(a)は、図5の各グラフについて計算された歪度について、各エコーのTE(エコー時間)に関する変化率(傾き)を示す。図6(a)より、変化率を定量値として、アミロイド鉄分布を評価することができる。
【0058】
図6(b)は、横軸をMMSEスコアとし、縦軸を図6(a)と同様にして得られた変化率について、患者データ39人分をプロットしたものである。図6(a)の値は、MMSEスコアと高く相関している。そのため、図6(a)と同様にして得られた変化率は、医者などがMMSEスコアを決定する際に参考にできることが期待され、さらには、MMSEスコアを自動的に決定する可能性をも認められるものである。図6(a)と同様にして得られた変化率は、本願発明の「評価結果」の一例である。
【0059】
図7は、統計量評価値による評価の一例を示す。図7(a)及び(b)は、各部位の統計量(歪度)の変化率を示す。図7(a)は楔前部PrCnであり、図7(b)は上前頭回SFGである。図7(c)は、これらの二つの部位の歪度の和(本願請求項の「統計量評価値」の一例)を個人ごとにとったものをプロットしたものである。図7(c)より、MMSEとより相関することがわかった。なお、ADを発症したときには、部位間の差が無くなる方向に結果が表れると考えられる。そのため、統計量評価値は、和以外にも、例えば部位間の差などを計算したものであってもよい。
【0060】
発明者は、同様に、シングルエコー法で得られた統計量(平均値、標準偏差、歪度、尖度)と臨床指標(MMSEスコアなど)が相関することを確認した。また、シングルエコー法で得られた統計量や、マルチエコー法で得られた変化率が、臨床指標と相関を示すことを確認した。
【0061】
対象物質評価部17は、統計量計算部15が計算した部位ごとの統計量や、統計量評価値などが部位ごとのアミロイド鉄の分布を反映することを利用して、部位ごとのアミロイド鉄の量を評価する。
【0062】
なお、本願発明は、位相差画像信号に反映される物質であれば、それを対象物質として、位相差画像信号の統計量によって対象物質の量を評価することができる。
【0063】
また、本願発明は、非侵襲的検査法として導入することも可能である。
【0064】
図8図10を参照して、本願発明において、複数のTE(エコー時間)を利用して歪度を取得する技術を向上させることについて説明をする。
【0065】
基本統計量である歪度(skewness)は、確率変数をXとしたとき、式(1)にあるように、Xの平均μ(μ<0)を用いて3次のモーメントとして表される。ここで、E(x)はxの期待値を表し、σは確率変数の標準偏差を表す。式(1)の分子にある期待値を展開すると、式(2)となる。XはEcho Time (TE)での位相値を表すので,γを磁気回転比、Bを局所磁場として、式(3)と表される。式(2)から分かるように、skewnessはTEの3次の多項式である。
【0066】
Xのオーダーは0.1[rad]程度であるため、TEの最低次数近似のもとでskewnessは、式(3)を用いて、式(4)のようにTEの一次式と近似することができる。このため、この近似下では、skewnessはTEと線型関係が成立すると考えてよい。図8(a)を参照して、短いTEでは式(4)の線形モデルを仮定することができる。ここで、skewnessは歪度であり、kはPCS(Proportional coefficient of Skewness、アミロイド鉄の平均的な磁化率に関連するパラメタ)であり、k0は定数(constant)である。比例定数kは、式(3)と対比して磁化率の影響を含むことが予想され得る。
【0067】
しかしながら、データがばらついて安定して線形性を示さない場合がある。その結果、MMSEと相関が低くなる傾向にある。そこで、SkewnessとTEの関係を式(4)の線形モデルにより近似したときに、TEを決めればSkewnessをどの程度再現できるかを表す決定係数R2を計算した。R2は0から1まで取り得る数値で、0は全く再現できない場合であり、数値が大きくなるほど再現でき、1は完全に再現できる場合である。R2は、例えば、被検者脳に設定されたROIを異なるTEで作成された位相画像に適用し、TE毎にSkewnessを取得して各々のデータ点を、横軸をTE,縦軸をSkewnessとして取得することができる。決定係数R2にCut-offを設けて、ある程度以上のfit精度があるものだけを選別する。図9では、Cut-offの一例として、各脳領域で得られたR2の平均値をCut-offとして設定し、Cut-offよりも高いR2を示すデータを信頼できるデータとして採用した。信頼できるデータによる近似モデルを用いることにより、高い精度でSkewnessを得ることができる。
【0068】
また、平均値μがある程度大きくなると、式(4)で適用した最低近似が成り立たなくなる可能性がある。図8(b)を参照して、TEについて、30ms、40msのように、場合によっては十分に短いTEと評価できない場合も考えられる。そこで、図8(b)にあるように、近似次数をあげて、式(5)の2次関数にモデルを変えて評価する。ここで、skewnessは歪度であり、k2、k1及びk0は定数(constant)である。図8(b)にあるように、Fitの精度が大幅に上昇する。このように、十分に短いTEと評価できないものを含む場合に、より正確に高次(2次、3次)の項を残すことで、近似の精度を上げることができると考えられる。
【0069】
図9を参照して、Cut-offの利用について具体的に説明する。CnとCGでのCut-offを利用した精度の向上について説明する。図9(a)及び(b)は、それぞれ、Cn及びCGでのCut-offをしない場合で、歪度とMMSEとの相関を求めたものを示す。この場合、R2は、それぞれ、0.019及び0.0043であった。
【0070】
図9(c)及び(e)は、それぞれ、CnでCut-offをした場合で、歪度とMMSEとの相関を求めたもの及びPCSとMMSEとの相関を求めたものを示す。Cnでは、Cut-offを行うことによりR2の値が図9(c)で0.26、図9(e)で0.45であり、大幅に上昇しており、線形性が大幅向上することが認められる。
【0071】
図9(d)及び(f)は、それぞれ、CGでCut-offをした場合で、歪度とMMSEとの相関を求めたもの及びPCSとMMSEとの相関を求めたものを示す。CGでは、Cut-offを行うことで、R2の値が図9(f)は0.047と大幅に上昇しているが、図9(d)では0.0006と小さくなっており、線形性は向上しなかった。これは、CGではアミロイドの蓄積が少ないためであると考えられる。このように検出限界があることが判明した。よって、アミロイドの蓄積が検出限界以上の部位においてR2の値によってCut-offを行うことにより、線形性が向上することが期待される。
【0072】
図10を参照して2次関数のモデルの利用について具体的に説明する。図10(a)、(b)、(c)及び(d)は、それぞれ、Cn、PrCn、SFG及びCGでのFitの結果を示す。2次関数のモデルを利用することにより、R2の値は、それぞれ、0.995、0.993、0.993、0.85であり、Fitの精度が大幅に向上している。これにより、予測精度が向上する可能性がある。なお、2次関数よりも高次の関数のモデルを使用してもよい。また、SkewnessとTEの関係をモデルにより近似したときに、TEからSkewnessを再現できるかを表す決定係数R2を用いてCut-offを利用してもよい。
【0073】
【数1】
【符号の説明】
【0074】
1 画像処理システム、3 MRI撮影装置、5 画像処理装置、7 撮影部、9 画像データ記憶部、11 画像処理部、13 信号取得部、15 統計量計算部、17 対象物質評価部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10