(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】ウェアラブルデバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240617BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022161009
(22)【出願日】2022-10-05
(62)【分割の表示】P 2020534339の分割
【原出願日】2018-11-29
【審査請求日】2022-11-01
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2018-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】523259282
【氏名又は名称】スナップ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロリー・トーマス・アレキサンダー・ミルズ
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・ウィリアム・ハリス
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-156979(JP,A)
【文献】国際公開第2016/174928(WO,A1)
【文献】特開2008-022358(JP,A)
【文献】特開2014-016627(JP,A)
【文献】特開2011-053353(JP,A)
【文献】特開平10-301055(JP,A)
【文献】特開2008-176681(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0033772(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0293147(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01 - 27/02
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムであって、
データを受信するように構成された処理デバイスと、
少なくとも1つのコリメーション光学部品を含み、前記データを少なくとも部分的に表す画像担持光を出力するように構成された画像プロジェクタと、
第1のアームおよび第2のアーム、ここにおいて、前記第1のアームおよび前記第2のアームのうちの1つは、前記画像プロジェクタを支持
する、と、
前記第1のアームと前記第2のアームの各々がフレームに対して可動範囲を有するように、前記第1のアームと前記第2のアームの各々が対応するヒンジによってヒンジ式に取り付けられるフレーム、ここにおいて、前記可動範囲は、展開位置および折畳み位置を含
む、と、
前記フレームによって支持され、前記画像プロジェクタによって出力され、前記ヒンジにより形成されたヒンジ面を通過した前記画像担持光を受け、前記受けた光を前記ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムのユーザの目に向けるように配置されたコンバイナ、ここにおいて、前記ヒンジにより形成されたヒンジ面は、前記展開位置において、前記第1のアームおよび前記第2のアームのうちの1つと前記フレームが接触する面である、と
を備える、ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項2】
前記対応するヒンジのうちの1つは、前記コリメーション光学部品と前記コンバイナとの間に位置する、請求項1に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項3】
前記画像プロジェクタは、前記画像担持光を出力するためにマイクロディスプレイが光源によって照明されるように構成されるように配置された前記光源と前記マイクロディスプレイとを備える、請求項1に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項4】
前記ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムは、眼鏡の形状因子を有する、請求項1に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項5】
前記アームは、前記画像プロジェクタの光軸を通る平面において折畳めるように配置される、請求項1に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項6】
前記画像プロジェクタは、前記画像プロジェクタを支持する前記アームに位置する前記対応するヒンジのうちの前記1つが折畳み位置にあるとき、前記画像担持光を壁またはスクリーンの表面上に出力するように配置される、請求項1に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項7】
前記コンバイナは、前記受けた光を方向付けるために出力導波路、プリズム、回折格子、およびミラーアレイを含む光学部品から選択された少なくとも1つの光学部品を備える、請求項1に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項8】
前記画像プロジェクタは、前記ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムが展開位置にないときに画像担持光の出力を停止するように構成される、請求項1に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項9】
前記画像担持光は、コンピュータ生成画像を表す、請求項1に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項10】
前記処理デバイスは、ワイヤード接続およびワイヤレス接続のうちの少なくとも1つを介してデータを受信するように構成される、請求項1に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項11】
ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムであって、
画像担持光を方向付けるように構成された画像プロジェクタを支持するアーム、ここにおいて、前記画像プロジェクタは、前記画像担持光のうちの少なくとも一部として含まれるデータを受信して処理するための処理デバイスを含
む、と、
コンバイナアセンブリを支持するフレーム、ここにおいて、前記フレームは、ヒンジが展開位置にあるときにのみ前記コンバイナアセンブリが前記画像プロジェクタによって出力され、前記ヒンジにより形成されたヒンジ面を通過した前記画像担持光を受けるように配置されるように、前記画像プロジェクタと前記コンバイナアセンブリとの間の位置で前記ヒンジによって前記アームにヒンジ式に取り付けられている、ここにおいて、前記ヒンジにより形成されたヒンジ面は、前記展開位置において、前記アームと前記フレームが接触する面である、と
を備える、ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項12】
前記画像担持光を方向付けるための少なくとも1つのコリメーション光学部品をさらに備え、前記少なくとも1つのコリメーション光学部品は、前記アームによって支持され、前記ヒンジが展開位置にあるとき前記画像プロジェクタと前記コンバイナアセンブリとの間に位置する、請求項11に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのコリメーション光学部品の出力にわたって配置される第1の透明カバーと、
前記コンバイナアセンブリへの入力にわたって配置される第2の透明カバーとをさらに備え、前記第1の透明カバーおよび前記第2の透明カバーは、前記ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムが折畳み位置にあるときに、それぞれ前記少なくとも1つのコリメーション光学部品および前記コンバイナアセンブリを保護する、請求項12に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項14】
前記ヒンジ面は、前記少なくとも1つのコリメーション光学部品の最終レンズと前記コンバイナアセンブリへの入力との間に位置する、請求項12に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項15】
前記画像プロジェクタは、前記ヒンジが前記展開位置にあるとき、前記コンバイナアセンブリに向けて前記画像担持光を出力するためにマイクロディスプレイが光源によって照明されるように構成されるように配置された前記光源と前記マイクロディスプレイとを備える、請求項11に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項16】
ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムであって、
データを受信するように構成された処理デバイスと、
前記データの処理バージョンを少なくとも部分的に表す画像担持光を出力するように構成された画像プロジェクタと、
前記画像プロジェクタを支持するアームと、
前記アームがフレームに対して可動範囲を有するように、前記アームがヒンジによってヒンジ式に取り付けられるフレーム、ここにおいて、前記可動範囲は、展開位置および折畳み位置を含
む、と、
前記フレームによって支持され、前記ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムが展開位置にあるとき前記画像プロジェクタによって出力され、前記ヒンジにより形成されたヒンジ面を通過した前記画像担持光を受けるように配置されたコンバイナ、ここにおいて、前記コンバイナはさらに、前記受けた光を前記ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムのユーザの目に向け、ここにおいて、前記ヒンジにより形成されたヒンジ面は、前記展開位置において、前記アームと前記フレームが接触する面である、と、
を備える、ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項17】
前記コンバイナは、前記受けた光を前記ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムの前記ユーザの目に向けるように配置される、請求項16に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項18】
前記ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムが展開位置にあるとき前記コンバイナに向けて前記画像担持光を方向付けるための少なくとも1つのコリメーション光学部品をさらに備え、前記少なくとも1つのコリメーション光学部品は、前記アームによって支持され、前記ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムが展開位置にあるとき前記画像プロジェクタと前記コンバイナとの間に位置する、請求項16に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのコリメーション光学部品は、1つまたは複数のレンズを備える、請求項18に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【請求項20】
前記画像担持光は、前記画像担持光からの画像が前記ユーザの視野上にオーバーレイされるように前記ウェアラブルヘッドアップディスプレイシステムの前記ユーザの目に前記コンバイナによって方向付けられ、前記視野は、現実世界を含む、請求項16に記載のウェアラブルヘッドアップディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウェアラブルヘッドアップディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドアップディスプレイは、現実世界の画像と投影画像の両方を知覚するように、人の現実世界の視界上に投影画像をオーバーレイする。ヘッドアップディスプレイは、ユーザがそれを通して見る、および、ユーザの視野に現れるように画像を投影する透明部品を利用する。
【0003】
透明部品は、航空機のクリアスクリーンのような固定の部品であり得るか、またはユーザによって装着され得る。ウェアラブルヘッドアップディスプレイの軍事用途は、ヘルメットのバイザを透明部品として利用してきたが、これは、非軍事用途には不便であり、特定の軍事用途にすらも不便である。眼鏡のように装着される、はるかに小さい透明部品を有するデバイスが提供されてきたが、依然として、光源および光学部品のような光学投影部品がデバイスの折畳みを妨げるのに十分な大きさのデバイスである。
【0004】
したがって、装着しているときも折畳んだときもコンパクトなウェアラブルヘッドアップディスプレイが必要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様および実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載のディスプレイを提供する。
【0006】
本発明のある態様によれば、画像投影手段を支持するアームと、コンバイナアセンブリを支持するフレームとを備えるウェアラブルヘッドアップディスプレイが提供される。フレームは、ヒンジが展開位置にあるときコンバイナアセンブリが画像投影手段によって出力された光を受けるように配置されるように、アームにヒンジ式に取り付けられ得る。
【0007】
随意に、画像投影手段は、光源およびマイクロディスプレイを備える。マイクロディスプレイは、画像担持光(IMAGE-BEARING LIGHT)を出力するために光源によって照明され得る。
【0008】
随意に、フレームは、コリメーション光学部品とコンバイナアセンブリとの間の位置でアームにヒンジ式に取り付けられ得る。有利に、これは、ディスプレイの便利な折畳み、したがって容易な収納および携帯性を可能にする。
【0009】
随意に、コンバイナアセンブリは、出力導波路を備え得る。有利に、これは、画像担持光の方向付けを可能にする。
【0010】
随意に、コンバイナアセンブリはプリズムを備え得る。有利に、これは、画像担持光の方向付けを可能にする。
【0011】
随意に、コンバイナアセンブリは、回折格子を備え得る。有利に、これは、画像担持光の方向付けを可能にする。
【0012】
随意に、コンバイナアセンブリは、ミラーアレイを備え得る。有利に、これは、画像担持光の方向付けを可能にする。
【0013】
随意に、コンバイナアセンブリは、受けた光をユーザの目に向けるように配置される。有利に、これは、ユーザの現実世界の視界の上に画像をオーバーレイすることを可能にする。
【0014】
随意に、ウェアラブルヘッドアップディスプレイを展開位置に保持するための係止機構がさらに設けられている。係止機構は、磁気または抵抗ベースのクリップを備え得る。有利に、これは、例えばディスプレイの装着中、ディスプレイが展開位置を保持することを可能にする。
【0015】
随意に、画像投影手段は、ヒンジが展開位置にないとき光の出力を停止するように配置され得る。有利に、これは、ディスプレイが展開位置にあるとき有害な光が出力されるのを防ぐといった目の安全プロトコルが観察されることを可能にする。さらに、これは、ディスプレイが折畳まれており使用されていないときの省電力を可能にし得る。
【0016】
随意に、画像投影手段は、ヒンジが折畳み位置にあるとき画像担持光を表面上に出力するように配置され得る。有利に、これは、画像を見る代替方法を可能にする。
【0017】
随意に、アームは、画像投影手段の光軸を通る平面において折畳めるように配置され得る。有利に、これは、ディスプレイの便利な折畳み、したがって容易な収納および携帯性を可能にする。
【0018】
随意に、画像投影手段は、画像担持光によって生成された画像を示すデータを受信して処理するための処理デバイスを備え得る。有利に、これは、コンピュータ駆動画像(COMPUTER DRIVEN IMAGERY)の表示を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、ヘッドアップディスプレイの部品のブロック図を示す。
【
図2】
図2は、ヘッドアップディスプレイの概略図を示す。
【
図4】
図4は、動作の例となるフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ヘッドアップディスプレイは、光学投影デバイスを利用して、画像コンテンツを含む光を透明部品の中または上に投影し、次いで、それは、この光を、必要とされる位置においてユーザの目に向ける。典型的に、投影デバイスは、LEDまたはレーザダイオードのような光源と、DMD、LCD、LCOSまたはOLEDパネルのようなイメージングデバイスと、透明部品の中または上に光を投影するコリメーション光学部品とを備える。必要とされる輝度および光学的品質を達成するために、これらの部品はかなりのサイズである。ウェアラブルヘッドアップディスプレイの例では、これらの部品は、ユーザによって装着されることが意図されたアセンブリに統合される。
【0021】
光源(OPTICAL SOURCE)およびコリメーション光学部品の適切な位置決めおよび安定性を提供するために、これらの部品は、従来、ユーザの顔および頭部に配向された透明部品を有する剛性構造で形成されてきた。これは、快適な取付けを確実にし、正確な光学的位置合わせを、それゆえに画像品質を確実にするための剛性を提供する。光源は、正しい光学配置を通してではなく直接見た場合、目に損傷を引き起こすのに十分な強度である可能性があるため、このような配置は安全性についての懸念にも対処する。しかしながら、結果として得られるデバイスは、剛性で、かさばり、そして、従来の眼鏡のように便利に折畳むことができない。
【0022】
図1は、収納のために手頃なサイズに折畳むことができるウェアラブルヘッドアップディスプレイ100の部品のブロック図を示す。画像投影手段110は、画像担持光を出力するためのマイクロディスプレイ112および光源111を備える。光源111は、マイクロディスプレイ112を照明するように配置される。画像投影手段110は、出力された画像担持光を方向付けるためのコリメーション光学部品113をさらに備え得る。コリメーション光学部品113は、1つまたは複数のレンズを備え得る。コリメーション光学部品113は、マイクロディスプレイから、実質的にコリメートされた画像担持光を生成するように配置される。適宜、他の画像投影手段が利用され得る。
【0023】
画像投影手段110は、コンバイナアセンブリ120に光を出力するように構成される。コンバイナアセンブリ120は、ユーザの目123の前に配置されるように、および、画像が現実世界のユーザの視野上にオーバーレイされるよう光を方向付けるように構成される。コンバイナアセンブリ120は、光を出力導波路122に結合するように構成されたプリズム121を備え得る。プリズム121は、ヒンジ面130の後に位置し、画像投影手段110は、それを中心として、ヒンジ機構の使用を通じて回転し得る。プリズム121を使用することは、投影された光を直接出力導波路122に効率的にルーティングすることを有利に可能にする。これは、複数の利点を有することができる。第1に、投影された光が、先のコリメーション光学部品113の光軸に対して軸外である方向にルーティングされることができ、そのため、ヘッドアップディスプレイシステムが、ユーザ124の頭部の円弧の形状により共形であり、したがって、より快適かつ審美的により好ましい空間容積へと設計されることを可能にする。第2に、プリズム121は、回転ヒンジ機構がヒンジ面130付近に導入される場合に、画像投影手段110とコンバイナアセンブリ120との間の光路長が最小にされることを確実にし、ゆえに、ウェアラブルヘッドアップディスプレイ100をよりコンパクトにする。第3に、プリズムの表面は、屈折力を含み得、したがって、プリズム121は、コリメーション光学部品113の一部を形成し、ゆえに、コリメーション光学部品113に必要とされる素子の数を減らし、ウェアラブルヘッドアップディスプレイ100をよりコンパクトにするであろう。
【0024】
コンバイナアセンブリ120は、必要に応じて画像投影手段110からユーザの目に光を向ける機能性を提供する任意の部品を備え得る。例えば、ミラーおよび/または回折格子が導波路素子と併せて利用され得る。
【0025】
図2は、
図1の光学部品を組み込んだヘッドアップディスプレイデバイス200の概略図を示す。デバイス200は、従来の眼鏡のように構成されたフロントフレーム201および2つのアーム202、203を備える。フレーム201は、コンバイナアセンブリ120を支持するように配置され、アーム202は、画像投影手段110を支持するように配置される。フレーム201は、画像担持光がユーザの目に向けられ得るようにユーザの視線の前の位置でコンバイナアセンブリ120の少なくとも一部を支持するようにさらに配置され得る。アーム202は、従来の方法でフレーム201にヒンジ式に取り付けられ、すなわち、アーム202は、アームがジョイント204を中心として90度回転した状態でデバイス200が従来の眼鏡と同様に折畳まれることができるように、取付け点またはジョイント204を中心としてフレーム201の周りを回転するように配置される。折畳み位置にあるとき、デバイス200のフレーム201およびアーム202は、容易な収納および携帯性を可能にするためにジョイント204を中心として折畳まれている。同様に、展開位置にあるとき、デバイスのフレーム201およびアーム202は、ユーザによるデバイスの装着に適した位置を達成するためにジョイント204を中心として開いている(OPENED)であろう。アーム202は、画像投影手段110とコンバイナアセンブリ120との間の位置でフレーム201にヒンジ式に取り付けられ得る。破線130で示されるように、アーム202の折畳みは、画像をコンバイナアセンブリ120に投影するために画像投影手段110の光軸を通る平面内で生じる。
【0026】
画像がコンバイナアセンブリ120に正しく投影されることを保証するために、ジョイント204は、展開状態にあるとき十分に剛性でなければならない。ジョイント204には、展開された動作位置にアーム202を保持するための係止機構が配置され得、これは、ヒンジにおける動作または折畳みを防ぐ。例えば、磁気または抵抗ベースのクリップが利用され得る。
【0027】
図3は、
図1および
図2の配置を容易にする近軸光学設計300を示す。ヒンジ面130は、コリメーション光学部品103の最終レンズ310とプリズム104との間に位置する。透明カバー320、330、例えばガラス、が、コリメーション光学部品およびプリズム入力にわたって配置され、これらの領域を封止し、適切な環境封止を提供する。ヒンジ面130はまた、必要とされる折畳み状態および展開状態を提供するために、光学システム300内の他の位置に配置され得る。
【0028】
図1~3のデバイスが折畳まれているとき、画像投影手段110によって投影される光は、ヘッドアップディスプレイから放出され得る。安全システムを提供するために、画像投影手段110は、ジョイント204が完全な展開状態にないときまたはデバイスが収容されているときに、自動的にオフになり、光の投影を停止するように配置され得る。例えば、
図4に示すように、眼鏡が折畳まれているか収容されているかを示す検出手段、例えばスイッチ、が、ヒンジ配置に関連して設けられ得る。アーム202が係止位置または展開位置から離れると、画像投影手段110は非アクティブ化される。
【0029】
光学デバイス200は、折畳み状態にあるとき、壁またはスクリーンのような表面上に画像を投影するために、さらなる光学部品とともに使用され得る。さらなる光学部品は、(例えば、ヒンジに接続されたスイッチと係合することによって)画像の投影を可能にすることを求めて、画像投影手段110に信号を送ることができる。
【0030】
本明細書で説明したデバイスには、投影されることとなる画像を示すデータを受信するために電子システムが設けられ得る。例えば、ワイヤードまたはワイヤレス接続を介してデータを受信し、そのデータを画像投影装置のために処理する処理デバイスが設けられ得る。
【0031】
本発明は、いくつかの実施形態に関連して説明されてきたが、それは、本明細書に記載される特定の形態に限定されるように意図されない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。追加的に、特徴は、特定の実施形態に関連して説明されるように見うけられ得るが、当業者であれば、説明される実施形態の種々の特徴が、本発明にしたがって組み合わせられ得ることを認識するであろう。特許請求の範囲では、「備える(COMPRISING)」という用語は、他の要素またはステップの存在を除外しない。
【0032】
さらに、特許請求の範囲における特徴の順序は、特徴が実行されなければならない任意の特定の順序を意味せず、特に、方法の請求項における個々のステップの順序は、ステップがこの順序で実行されなければならないことを意味しない。むしろ、ステップは、任意の適切な順序で実行され得る。加えて、単数の参照は複数を除外しない。ゆえに、「A」、「AN」、「第1の」、「第2の」、等への参照は、複数を除外しない。特許請求の範囲では、「備える(COMPRISING)」または「含む(INCLUDING)」という用語は、他の要素の存在を除外しない。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[C1]
ウェアラブルヘッドアップディスプレイであって、
画像担持光を出力するための画像投影手段(110)を支持するアーム(202)と、
コンバイナアセンブリ(120)を支持するフレーム(201)、ここにおいて、前記フレームは、前記ヒンジが展開位置にあるとき前記コンバイナアセンブリ(120)が前記画像投影手段(110)によって出力された前記光を受けるように配置されるように、前記アーム(202)にヒンジ式に取り付けられている、と、
を備えるディスプレイ。
[C2]
前記画像投影手段(110)は、前記画像担持光を出力するためにマイクロディスプレイ(112)が光源(111)によって照明されるように配置された前記光源と前記マイクロディスプレイとを備える、C1に記載のディスプレイ。
[C3]
前記画像投影手段(110)は、前記出力された画像担持光を方向付けるための少なくとも1つのコリメーション光学部品(113)を備える、C1または2に記載のディスプレイ。
[C4]
前記フレーム(201)は、前記コリメーション光学部品(113)と前記コンバイナアセンブリ(120)との間の位置で前記アーム(202)にヒンジ式に取り付けられている、C3に記載のディスプレイ。
[C5]
前記コンバイナアセンブリ(120)は、前記受けた光を方向付けるための出力導波路(122)、プリズム(121)、回折格子、およびミラーアレイのうちの1つまたは複数を備える、C1~4のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ。
[C6]
前記コンバイナアセンブリ(120)は、前記受けた光をユーザの目に向けるように配置される、C1~5のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ。
[C7]
前記ウェアラブルヘッドアップディスプレイを前記展開位置に保持するための係止機構を備える、C1~6のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ。
[C8]
前記係止機構は、磁気または抵抗ベースのクリップを備える、C7に記載のディスプレイ。
[C9]
前記画像投影手段(110)は、前記ヒンジが前記展開位置にないときに光の出力を停止するように配置されている、C1~8のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ。
[C10]
前記画像投影手段(110)は、前記ヒンジが折畳み位置にあるとき前記画像担持光を表面上に出力するように配置される、C1~8のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ。
[C11]
前記アーム(202)は、前記画像投影手段(110)の前記光軸を通る平面において折畳めるように配置されている、C1~10のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ。
[C12]
前記画像投影手段(110)は、前記画像担持光によって生成された前記画像を示すデータを受信して処理するための処理デバイスを備える、C1~11のうちのいずれか一項に記載のディスプレイ。