(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】電気温水器システム
(51)【国際特許分類】
F24H 9/16 20220101AFI20240617BHJP
F24H 1/18 20220101ALI20240617BHJP
F24H 15/12 20220101ALI20240617BHJP
F24H 15/225 20220101ALI20240617BHJP
F24H 15/269 20220101ALI20240617BHJP
F24H 15/31 20220101ALI20240617BHJP
【FI】
F24H9/16 A
F24H1/18 B
F24H15/12
F24H15/225
F24H15/269
F24H15/31
(21)【出願番号】P 2020162486
(22)【出願日】2020-09-28
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】金崎 桂介
(72)【発明者】
【氏名】中村 研太
(72)【発明者】
【氏名】大井 正樹
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-136796(JP,A)
【文献】特開2020-148457(JP,A)
【文献】特開2001-271754(JP,A)
【文献】特開2011-085347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 - 15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気温水器システムであって、
電気温水器であって、排水を共通の排水流路に排水する複数の上記電気温水器が電気温水器グループとして設定される、上記電気温水器と、
上記電気温水器の排水動作を制御する制御部と、
上記電気温水器と上記排水流路との間に設けられる排水ホッパーと、を備え、
上記電気温水器は、
水を貯める貯水タンクと、
上記貯水タンク内の水を加熱する加熱部と、
上記制御部により制御され、上記貯水タンク内の水を上記排水流路に排水させる排水部と、
上記貯水タンク内の水の温度を検出する第1検出部と、上記第1検出部と異なる高さ位置に設けられた第2検出部と、を備え、
上記制御部は、上記電気温水器グループ内の複数の上記電気温水器について上記貯水タンク内の水の排水動作要求がある場合に、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させた後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる排水タイミング調整モードを備え
、
上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させた後、且つ上記第1検出部によって検出された温度と、上記第2検出部によって検出された温度との差分値が所定値を超えてから再びこの差分値が所定値以下となった後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させることを特徴とする電気温水器システム。
【請求項2】
電気温水器システムであって、
電気温水器であって、排水を共通の排水流路に排水する複数の上記電気温水器が電気温水器グループとして設定される、上記電気温水器と、
上記電気温水器の排水動作を制御する制御部と、
上記電気温水器と上記排水流路との間に設けられる排水ホッパーと、を備え、
上記電気温水器は、
水を貯める貯水タンクと、
上記貯水タンク内の水を加熱する加熱部と、
上記制御部により制御され、上記貯水タンク内の水を上記排水流路に排水させる排水部と、を備え、
上記制御部は、施設内において上記電気温水器グループ内のそれぞれの上記電気温水器が設けられている階層の情報を認識でき、
上記制御部は、上記電気温水器グループ内の複数の上記電気温水器について上記貯水タンク内の水の排水動作要求がある場合に、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させた後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる排水タイミング調整モードを備え、
上記排水タイミング調整モードにおいて、上記電気温水器グループ内において排水動作要求があるうちの最も低い階層に設けられた上記電気温水器を、この最も低い階層に設けられた上記電気温水器よりも高い階層に設けられた上記電気温水器よりも先に排水動作を開始させることを特徴とする電気温水器システム。
【請求項3】
上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させた後且つ排水動作を開始した上記電気温水器の排水動作が完了した後に、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる、請求項
2に記載の電気温水器システム。
【請求項4】
上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させた後且つ上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作が完了してから所定時間が経過した後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる、請求項
3に記載の電気温水器システム。
【請求項5】
上記電気温水器は、さらに、上記貯水タンク内の水の温度を検出する検出部を備え、
上記制御部は、上記検出部によって検出された水の温度の低下に基づいて上記貯水タンクからの排水の推定終了時間を推定し、
上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させ、且つ上記推定終了時間が経過した後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる、請求項
2に記載の電気温水器システム。
【請求項6】
上記電気温水器は、さらに、上記貯水タンク内の水の温度を検出する第1検出部と、上記第1検出部と異なる高さ位置に設けられた第2検出部とを備え、
上記制御部は、上記第1検出部によって検出された水の温度の低下と上記第2検出部によって検出された水の温度の低下とに基づいて上記貯水タンクからの排水の推定終了時間を推定し、
上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させ、且つ上記推定終了時間が経過した後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる、請求項
2に記載の電気温水器システム。
【請求項7】
上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させてから所定時間が経過した後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる、請求項
2に記載の電気温水器システム。
【請求項8】
上記電気温水器は、さらに、上記貯水タンク内の水の温度を検出する検出部を備え、
上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させた後、且つ上記検出部によって検出された水の温度が所定値以下となった後に、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる、請求項
2に記載の電気温水器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気温水器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、貯湯タンク内で水を沸かして湯を貯水し、必要に応じて給湯する貯湯式電気温水器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特許文献1に示すような貯湯式電気温水器と、排水流路との間には排水ホッパーが設けられ、電気温水器において貯水タンク内の湯を排水する際には、この排水ホッパーを介して排水流路に排水を行うこととなる。
【0005】
しかしながら、共通の排水流路に排水する電気温水器が複数設けられている場合に、複数の電気温水器が同時に貯水タンク内の水を排水すると、排水流路内の排水量が同時期に増加され排水流路から排水しきれなくなり、又は排水流路が一部詰まり等により流れ難くなっているような場合に排水流路内の排水が十分になされず排水流路から排水しきれなくなる可能性がある。このとき、排水流路から溢れた排水が排水流路と電気温水器との間に設けられた排水ホッパーから水が漏洩するという問題が生じた。また、電気温水器が複数設けられている場合には、複数の排水ホッパーから水が漏洩することとなり漏水被害が大きくなるという問題もあった。さらに、排水流路からシンク等に水があふれる場合と比べて、排水ホッパーは、使用者から見えにくい位置に設けられることが多いため、漏水に気づきにくく発見が遅れやすいため、排水ホッパーからの漏水をより抑制したいという要請もあった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、排水が排水ホッパーから溢れ出る漏水を抑制できる電気温水器システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、電気温水器システムであって、電気温水器であって、排水を共通の排水流路に排水する複数の上記電気温水器が電気温水器グループとして設定される、上記電気温水器と、上記電気温水器の排水動作を制御する制御部と、上記電気温水器と上記排水流路との間に設けられる排水ホッパーと、を備え、上記電気温水器は、水を貯める貯水タンクと、上記貯水タンク内の水を加熱する加熱部と、上記制御部により制御され、上記貯水タンク内の水を上記排水流路に排水させる排水部と、を備え、上記制御部は、上記電気温水器グループ内の複数の上記電気温水器について上記貯水タンク内の水の排水動作要求がある場合に、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させた後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる排水タイミング調整モードを備えることを特徴としている。
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部は、電気温水器グループ内の複数の電気温水器について貯水タンク内の水の排水動作要求がある場合に、電気温水器グループ内の電気温水器のうち1つの電気温水器の排水動作を開始させた後、電気温水器グループ内の残りの電気温水器のうち少なくとも1つの電気温水器の排水動作を開始させる排水タイミング調整モードを備える。これにより、電気温水器グループの全ての電気温水器が同時に排水を共通の排水流路に排水することを防ぐと共に、電気温水器グループ内の電気温水器からの共通の排水流路内への排水のタイミングをずらすことができ、電気温水器グループ内の電気温水器からの排水が共通の排水流路内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路で排水しきれなくなった排水が排水ホッパーから溢れ出る漏水を抑制できる。
【0008】
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させた後且つ排水動作を開始した上記電気温水器の排水動作が完了した後に、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部の排水タイミング調整モードは、電気温水器グループ内の電気温水器のうち1つの電気温水器の排水動作を開始させた後且つ電気温水器グループ内の電気温水器のうち少なくとも1つの電気温水器の排水動作が完了した後に、電気温水器グループ内の残りの電気温水器のうち少なくとも1つの電気温水器の排水動作を開始させる。これにより、電気温水器グループの全ての電気温水器が同時に排水を共通の排水流路に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ内の電気温水器からの共通の排水流路内への排水のタイミングをよりずらすことができ、電気温水器グループ内の電気温水器からの排水が共通の排水流路内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路で排水しきれなくなった排水が排水ホッパーから溢れ出る漏水をより抑制できる。
【0009】
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させた後且つ上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作が完了してから所定時間が経過した後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部の排水タイミング調整モードは、電気温水器グループ内の電気温水器のうち1つの電気温水器の排水動作を開始させた後且つ電気温水器グループ内の電気温水器のうち少なくとも1つの電気温水器の排水動作が完了してから所定時間が経過した後、電気温水器グループ内の残りの電気温水器のうち少なくとも1つの電気温水器の排水動作を開始させる。これにより、電気温水器グループの全ての電気温水器が同時に排水を共通の排水流路に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ内の電気温水器からの共通の排水流路内への排水のタイミングをさらにずらすことができ、排水動作が完了した電気温水器からの排水が排水流路内を流下する時間の猶予をさらに与えることができ、電気温水器グループ内の電気温水器からの排水が共通の排水流路内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路で排水しきれなくなった排水が排水ホッパーから溢れ出る漏水をさらに抑制できる。
【0010】
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記電気温水器は、さらに、上記貯水タンク内の水の温度を検出する検出部を備え、上記制御部は、上記検出部によって検出された水の温度の低下に基づいて上記貯水タンクからの排水の推定終了時間を推定し、上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させ、且つ上記推定終了時間が経過した後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部の排水タイミング調整モードは、電気温水器グループ内の電気温水器のうち1つの電気温水器の排水動作を開始させた後、推定終了時間が経過した後、電気温水器グループ内の残りの電気温水器のうち少なくとも1つの電気温水器の排水動作を開始させる。これにより、排水の推定終了時間の推定に基づいて、電気温水器グループの全ての電気温水器が同時に排水を共通の排水流路に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ内の電気温水器からの共通の排水流路内への排水のタイミングをずらすことができ、電気温水器グループ内の電気温水器からの排水が共通の排水流路内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路で排水しきれなくなった排水が排水ホッパーから溢れ出る漏水を抑制できる。
【0011】
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記電気温水器は、さらに、上記貯水タンク内の水の温度を検出する第1検出部と、上記第1検出部と異なる高さ位置に設けられた第2検出部とを備え、上記制御部は、上記第1検出部によって検出された水の温度の低下と上記第2検出部によって検出された水の温度の低下とに基づいて上記貯水タンクからの排水の推定終了時間を推定し、上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させ、且つ上記推定終了時間が経過した後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部は、上記第1検出部によって検出された水の温度の低下と上記第2検出部によって検出された水の温度の低下とに基づいて上記貯水タンクからの排水の推定終了時間を推定でき、これにより、排水の推定終了時間の推定に基づいて、電気温水器グループの全ての電気温水器が同時に排水を共通の排水流路に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ内の電気温水器からの共通の排水流路内への排水のタイミングをずらすことができ、電気温水器グループ内の電気温水器からの排水が共通の排水流路内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路で排水しきれなくなった排水が排水ホッパーから溢れ出る漏水を抑制できる。
【0012】
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させてから所定時間が経過した後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部の排水タイミング調整モードは、電気温水器グループ内の電気温水器のうち1つの電気温水器の排水動作を開始させてから所定時間が経過した後、電気温水器グループ内の残りの電気温水器のうち少なくとも1つの電気温水器の排水動作を開始させる。これにより、電気温水器グループの全ての電気温水器が同時に排水を共通の排水流路に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ内の電気温水器からの共通の排水流路内への排水のタイミングをよりずらすことができ、排水動作が開始された電気温水器からの排水が排水流路内を流下する時間の猶予を与えることができ、電気温水器グループ内の電気温水器からの排水が共通の排水流路内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路で排水しきれなくなった排水が排水ホッパーから溢れ出る漏水をさらに抑制できる。
【0013】
本発明において、好ましくは、上記電気温水器は、さらに、上記貯水タンク内の水の温度を検出する検出部を備え、上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させた後、且つ上記検出部によって検出された水の温度が所定値以下となった後に、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、電気温水器は、さらに、貯水タンク内の水の温度を検出する検出部を備え、制御部の排水タイミング調整モードは、電気温水器グループ内の電気温水器のうち1つの電気温水器の排水動作を開始させた後、且つ検出部によって検出された水の温度が所定値以下となった後に、電気温水器グループ内の残りの電気温水器のうち少なくとも1つの電気温水器の排水動作を開始させる。これにより、制御部は、検出部によって検出された水の温度が所定値以下となったことにより、貯水タンクからの排水が所定の程度まで進んだことを判断でき、貯水タンクからの排水が一定程度まで進んだ後に、電気温水器グループ内の残りの電気温水器のうち少なくとも1つの電気温水器の排水動作を開始させる。よって、電気温水器グループの全ての電気温水器が同時に排水を共通の排水流路に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ内の電気温水器からの共通の排水流路内への排水のタイミングをよりずらすことができ、電気温水器グループ内の電気温水器からの排水が共通の排水流路内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路で排水しきれなくなった排水が排水ホッパーから溢れ出る漏水をより抑制できる。
【0014】
本発明において、好ましくは、上記電気温水器は、さらに、上記貯水タンク内の水の温度を検出する第1検出部と、上記第1検出部と異なる高さ位置に設けられた第2検出部とを備え、上記制御部の上記排水タイミング調整モードは、上記電気温水器グループ内の上記電気温水器のうち1つの上記電気温水器の排水動作を開始させた後、且つ上記第1検出部によって検出された温度と、上記第2検出部によって検出された温度との差分値が所定値を超えてから再びこの差分値が所定値以下となった後、上記電気温水器グループ内の残りの上記電気温水器のうち少なくとも1つの上記電気温水器の排水動作を開始させる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部の排水タイミング調整モードは、電気温水器グループ内の電気温水器のうち1つの電気温水器の排水動作を開始させた後、且つ第1検出部によって検出された温度と、第2検出部によって検出された温度との差分値が所定値を超えてから再びこの差分値が所定値以下となった後、電気温水器グループ内の残りの電気温水器のうち少なくとも1つの電気温水器の排水動作を開始させる。これにより、第1検出部又は第2検出部の一方が水を検知した後、第1検出部及び第2検出部の両方が水を検知して差分値が所定値以下となり、貯水タンクからの排水が一定程度まで進んだことを判断でき、貯水タンクからの排水が一定程度まで進んだ後に、電気温水器グループ内の残りの電気温水器のうち少なくとも1つの電気温水器の排水動作が開始される。よって、電気温水器グループの全ての電気温水器が同時に排水を共通の排水流路に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ内の電気温水器からの共通の排水流路内への排水のタイミングをよりずらすことができ、電気温水器グループ内の電気温水器からの排水が共通の排水流路内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路で排水しきれなくなった排水が排水ホッパーから溢れ出る漏水をより抑制できる。
【0015】
本発明において、好ましくは、上記制御部は、施設内において上記電気温水器グループ内のそれぞれの上記電気温水器が設けられている階層の情報を認識でき、上記制御部の上記排水タイミング調整モードにおいて、上記電気温水器グループ内において排水動作要求があるうちの最も低い階層に設けられた上記電気温水器を、この最も低い階層に設けられた上記電気温水器よりも高い階層に設けられた上記電気温水器よりも先に排水動作を開始させる。
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部の排水タイミング調整モードにおいて、電気温水器の排水動作を開始させるときに、電気温水器グループ内において最も低い階層に設けられた電気温水器を、この最も低い階層に設けられた電気温水器よりも高い階層に設けられた電気温水器よりも先に排水動作を開始させる。これにより、最も低い階層に設けられた電気温水器の排水動作を先に開始させた後、高い階層に設けられた電気温水器の排水動作を開始させることができ、高い階層に設けられた電気温水器からの排水が排水流路を流れる際に、既に最も低い階層に設けられた電気温水器からの排水が排水流路を流れ去っている可能性が高くなり、電気温水器グループ内の電気温水器からの共通の排水流路内への排水のタイミングをさらにずらすことができ、電気温水器グループ内の電気温水器からの排水が共通の排水流路内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路で排水しきれなくなった排水が排水ホッパーから溢れ出る漏水をさらに抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の電気温水器システムによれば、排水が排水ホッパーから溢れ出る漏水を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態による電気温水器システムの構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態による電気温水器システムの電気温水器を排水ホッパーを介して排水流路に接続している状態を示す構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態による電気温水器システムの電気温水器の内部構成を示す構成図である。
【
図4】本発明の一実施形態による電気温水器システムにおいて、制御部の排水タイミング調整モードの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態による電気温水器システムの1つの電気温水器からの排水動作が開始されている状態であると共に、電気温水器グループ内の残りの電気温水器の排水動作は開始されていない待機状態を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態による電気温水器システムの1つの電気温水器から排水が開始された後の排水動作開始後の状態であると共に、他の1つの電気温水器から新たに排水動作が開始されている状態であり、さらに、電気温水器グループ内の残りの電気温水器の排水動作は開始されていない待機状態を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態による電気温水器システムにおいて、制御部の排水タイミング調整モードの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態による電気温水器システムの1つの電気温水器からの排水動作が完了した後に、他の1つの電気温水器から排水動作が開始されている状態であり、さらに、電気温水器グループ内の残りの電気温水器の排水動作は開始されていない待機状態を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態による電気温水器システムにおいて、制御部の排水タイミング調整モードの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態による電気温水器システムにおいて、制御部の排水タイミング調整モードの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態による電気温水器システムにおいて、制御部の排水タイミング調整モードの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の一実施形態による電気温水器システムにおいて、制御部の排水タイミング調整モードの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施形態による電気温水器システムにおいて、制御部の排水タイミング調整モードの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施形態による電気温水器システムにおいて、制御部の排水タイミング調整モードの制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の一実施形態による電気温水器システムにおいて、例えば下位階層における紙面の左端から1つ目の電気温水器、及び上位階層における紙面の左端から3つ目の電気温水器が排水動作要求有となった場合、下位階層の電気温水器からの排水動作が開始され、上位階層の電気温水器は排水動作が開始されずに待機状態となっている様子を示す図である。
【
図16】本発明の一実施形態による電気温水器システムにおいて、例えば下位階層における紙面の左端から1つ目の電気温水器からの排水動作が完了された後、上位階層の電気温水器からの排水動作が開始される様子を示す図である。
【0018】
以下では、本明細書に開示する本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。以下の説明から、当業者にとって、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、以下の説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更することができる。
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態による電気温水器システムについて説明する。
図1は本発明の一実施形態による電気温水器システムの構成図であり、
図2は本発明の一実施形態による電気温水器システムの電気温水器を排水ホッパーを介して排水流路に接続している状態を示す構成図であり、
図3は本発明の一実施形態による電気温水器システムの電気温水器の内部構成を示す構成図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による電気温水器システム1は、複数の電気温水器2を備えている。排水を共通の排水流路4に排水する複数の電気温水器2が電気温水器グループ6として設定される。すなわち、電気温水器システム1は、複数の電気温水器2により構成される電気温水器グループ6を備えている。
【0020】
図2に示すように、電気温水器2は、水栓装置8に温水を供給するように水栓装置8に接続されて配置される。水栓装置8は、例えばキッチン用の水洗装置、洗面用の水洗装置、オフィスの給湯室用の水洗装置、トイレ用の水洗装置、浴室用の水洗装置等である。水栓装置8は、水(温水を含む)を吐水可能な吐水装置10と、吐水装置10から吐水された水を受ける水受け部11とを備えている。吐水装置10は、
図3に示すように、例えば湯である温水と水とを混合して吐水できると共に選択的に温水又は水を吐水できる湯水混合水栓装置12と、例えば湯である所定の温度の温水のみを吐水する出湯装置14とを備えている。なお、吐水装置10は、湯水混合水栓装置12及び出湯装置14を備えるものに限られず、湯水混合水栓装置12又は出湯装置14のみを備えていてもよい。また、吐水装置10は、湯水混合水栓装置12に限られず、温水を吐水できる吐水装置であればよい。電気温水器2は、吐水装置10と接続され、温水を吐水装置10に供給できるようになっている。電気温水器2は、吐水装置10と接続され、水を吐水装置10に供給できるようになっていてもよい。電気温水器2は、例えば飲料とされてもよい飲料用の温水又は水を供給する電気温水器である。
【0021】
湯水混合水栓装置12は、後述する第3排出路34から供給される温水を、後述する第3給水路36から供給される水と混合し、温度調節装置によって所定温度に調節した温水又は水を開閉弁の開閉により吐水状態又は止水状態に切り替える湯水混合水栓装置を構成している。
出湯装置14は、貯水タンク20内で沸かされた湯である温水(水)を、加水せずに沸かされた温度のまま吐水するように構成されている。
【0022】
水受け部11は、排水流路4と接続され、水受け部11に排水された水は排水流路4に排水される。水受け部11は、例えば、キッチンシンク、洗面台ボウル、流し、浴室床等である。
【0023】
電気温水器システム1は、さらに、電気温水器2と排水流路4との間に設けられる排水ホッパー16を備えている。排水ホッパー16は、電気温水器2において湯を沸かすときに発生する膨張水を排水流路に排出させる機能を有する。排水ホッパー16は、排水流路4から排水が電気温水器2内まで逆流するのを防ぐ開口部18を備えている。例えば飲料用の温水を供給する飲料用の電気温水器に対しては開口部18により排水の逆流を防ぐことが電気温水器の清潔性を保つために有効である。よって、排水時に下流側の排水流路4の排水能力が不足して逆流を生じるような状況になった場合に、開口部18は、水を漏水させることにより逆流を防ぐことができる。また、排水ホッパー16は、トラップを備えることにより防臭機能を有することができる。電気温水器2は、排水ホッパー16を介して排水流路4と接続される。電気温水器2は、後述するように例えば自動給排水機能付き電気温水器である。
【0024】
本実施形態における電気温水器システム1は、電気温水器2を伴う水栓装置8が複数設置される施設、例えばオフィスビル、居住用マンション、複合用途に用いられるビル、工場、アパート、公共施設、多目的施設等に設けられる。例えば、オフィスビル等の建物において、多数の水栓装置8と共に多数の電気温水器2が配置される場合に、複数の電気温水器2が共通の排水流路4に排水することとなる。このような場合に、電気温水器システム1は、電気温水器グループ6内の複数の電気温水器2に所定の制御を行う。
【0025】
排水流路4は、各電気温水器2から比較的大形の公共の都市水道管に至るまでの排水流路の少なくとも一部により規定される。排水流路4は、例えば各電気温水器2から延びる建物内の排水設備としての配水管である。排水流路4は、また、例えば電気温水器グループ6内の各電気温水器2から、これらの各電気温水器2からの排水流路が全て合流する部分(例えば
図2に示す合流部A)までの排水流路部分として規定されてもよい。このような排水流路に排水する複数の電気温水器2は、排水を共通の排水流路4に排水する複数の電気温水器2とされる。
【0026】
次に、
図3を参照して、電気温水器2についてより詳細に説明する。
電気温水器2は、水又は温水を貯める貯水タンク20と、貯水タンク20内の水(水又は温水)を加熱する加熱部22と、後述する制御部40により制御され、貯水タンク20内の水(水又は温水)を排水流路4に排水させる排水部24と、水道等の給水源から延びる第1給水路26が貯水タンク20の下部に接続される第1給水路26と、貯水タンク20の上部に接続される第1排出路28と、貯水タンク20の上部に接続される第2排出路30と、水道等の給水源から延びると共に第2排出路30に接続される第2給水路32と、第2排出路30から分岐される第3排出路34と、水道等の給水源から延びると共に湯水混合水栓装置12に接続される第3給水路36と、貯水タンク20内の水(水又は温水)の温度を検出する検出部である第1検出部42と、第1検出部42と異なる高さ位置に設けられた検出部である第2検出部44とを備えている。
【0027】
貯水タンク20は、供給された水又は加温された温水、例えば所定の給湯温度の湯である温水を貯水する。貯水タンク20は、貯水タンク20内で水から湯を沸かす(温水にする)ことができるようになっている。貯水タンク20内において温水が貯水されることを分かりやすく説明するため、温水という用語が用いられると共に、貯水タンク20内に加熱前の水が供給されることを説明するため、水という用語が用いられている。ここで、貯水タンク20内の液体として使用される「水」の用語は、基本的に「温水」も含む意味で用いられる。また、他の説明において、説明を分かりやすくするため、温かい水の意味で温水という用語が、加熱されていない水と区別するように用いられているが、基本的に「水」の用語には、「温水」が含まれる。
【0028】
排水部24は、第2排出路30において第3排出路34への分岐部分の下流側に設けられている。排水部24は、制御部40の制御信号により電気的に第2排出路30の流路を開閉する電磁弁により形成されている。
【0029】
第1排出路28は、出湯装置14に接続され、貯水タンク20内の湯である温水(水)を、水を加水せずに出湯装置14に直接供給する。
第2排出路30には、その途中において第2給水路32が接続されている。第2排出路30と第2給水路32との接続箇所には混合弁31が設けられている。混合弁31は、第2排出路30内を水(水又は温水)が通過する際に、第2給水路32から水が引き込まれて混合されるように形成されている。よって、第2排出路30には、混合弁31を介して第2給水路32から水が供給され、温水の温度が火傷をしにくい温度まで低下されるようになっている。第2排出路30は、第2給水路32の接続箇所の混合弁31の下流側において、第3排出路34と接続されている。第2排出路30には、排水部24が設けられ、排水部24の下流側において第2排出路30が排水ホッパー16に接続される。よって、排水部24が開状態とされた場合に、貯水タンク20内の水(水又は温水)が第2排出路30を通って排水ホッパー16及び排水流路4に排出される。
【0030】
第3排出路34は、第2排出路30から分岐され湯水混合水栓装置12に接続される。第3排出路34は、湯水混合水栓装置12に、温水に対し、所定の温度になるように、水を加水した状態の温水を供給する。第2給水路32及び第3給水路36は、第1給水路26から分岐されるように設けられている。
【0031】
第1検出部42は、貯水タンク20の高さ方向の中央近傍の所定の高さ位置に取付けられている。第1検出部42は、例えば、貯水タンク20の全容量の半分の容量の水位の水又は温水の温度を測定する。第1検出部42は、例えば、直接又は間接に貯水タンク20内の水又は温水の温度を測定できる。第1検出部42は、例えばサーミスタ等の温度検知センサである。
【0032】
第2検出部44は、貯水タンク20の高さ方向の下部の所定の高さ位置に取付けられている。第2検出部44は、第1検出部42より低い位置、例えば第1検出部42と貯水タンク20の底面との間の中間近傍の所定の高さ位置に取付けられている。第2検出部44は、直接又は間接に貯水タンク20内の温水の温度を測定できる。第2検出部44は、例えばサーミスタ等の温度検知センサである。検出部が第1検出部42及び第2検出部44の両方により構成される場合に限られず、検出部は第1検出部42又は第2検出部44の一方により構成されてもよい。
【0033】
電気温水器システム1は、さらに、使用者の操作を受け付ける操作ユニット38と、電気温水器の排水動作を制御する制御部40と、を備えている。
【0034】
操作ユニット38は、使用者の操作入力を受け付けるように形成されている。操作ユニット38は、制御部40と電気的に接続され、操作ユニット38での操作による入力信号を制御部40に送信する。また、操作ユニット38は、電気温水器システム1及び/又は電気温水器2の状態を確認又は表示できる機能を有している。
【0035】
制御部40は、操作ユニット38、第1検出部42、第2検出部44、排水部24等と電気的に接続されている。制御部40は、また、電気温水器グループ6を構成する他の電気温水器2のそれぞれの制御部40とも電気的に接続されている。制御部40は、接続されている電気温水器2を認識し、それぞれの状態を把握でき、それぞれの電気温水器2において少なくとも排水動作要求があるか否かを認識できる。制御部40は、排水流路4を共通にする電気温水器2を電気温水器グループ6として認識し且つ記憶している。これらの電気的な接続は、インターネット回線を介して接続されていてもよく、その全体又は一部が赤外線通信、その他の方式等の無線通信により接続されていてもよい。制御部40は、本実施形態においては、電気温水器2において制御基板の形態において設けられているが、制御部40は、インターネットを介する等して電気温水器2とは物理的に離れた位置に配置されていてもよく、又はインターネットを介したサーバー上にプログラムの形態で設けられることにより制御部が構成されていてもよい。すなわち、制御部40は、プログラムの形態で提供されることによりサーバー上に形成されてもよい。本実施形態においては、制御部40は、CPU等の演算装置及びメモリ等の記憶装置を内蔵し、所定の制御プログラム等に基づいて電気的に接続された機器の制御を行うことができる。また、例えば、制御部40は、後述する制御、例えば通常排水モード、排水タイミング調整モード、自動給排水機能等の制御を実行するための制御プログラムを記憶装置に記憶している。なお、制御部40は、電気温水器グループ6を構成する電気温水器2のそれぞれに設けられているが、その機能の全部又は一部が複数の電気温水器2に対して統合され、同様の制御機能を有する共通の制御部を構成していてもよい。
【0036】
制御部40は、例えば制御部40が取付けられている1つの電気温水器2について貯水タンク20内の水(水又は温水)の排水動作要求がある場合に、所定の条件に基づいて、電気温水器グループ6内の他の電気温水器2の動作を考慮せずに、排水部24を閉状態から開状態にさせ、電気温水器2の貯水タンク20からの排水を開始させる通常の排水モードを備える。この通常の排水モードによれば、制御部40は、1つの電気温水器2について貯水タンク20から意図する量の排水を実行して排水動作を終了させる。貯水タンク20には、貯水タンク20から排水された排水量と同じ量の給水が自動的に第1給水路26から給水されるようになっている。
【0037】
制御部40は、例えば電気温水器グループ6内の複数の電気温水器2について貯水タンク20内の水又は温水の排水動作要求がある場合に、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させた後、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる排水タイミング調整モードを備える。
【0038】
制御部40は、例えば、自動給排水機能を備えている。貯水タンク20内の水(水又は温水)の水質維持のため、制御部40の自動給排水機能は、定期的に貯水タンク20内の水の少なくとも半分以上、より好ましくは大半、さらに好ましくは全部を排水し、新規の水を貯水タンク20内に給水する。制御部40は、自動給排水機能により、定期的に貯水タンク20内の水を入れ替えるように貯水タンク20内の水を排水する排水動作要求を生じさせる。制御部40は、基本的には、排水動作要求を受けて、貯水タンク20内の水を排水する。このように制御部40の自動給排水機能は、定期的に貯水タンク20内の水を排水することとなるため、複数の電気温水器2が同じ建物や施設内に配置されている場合に、複数の電気温水器2の貯水タンク20内から排水が行われることとなる。このような複数の電気温水器2からの排水が排水流路4内で集中して合流されると、排水流路4内が満水状態となり、排水しきれなくなり、排水ホッパー16から排水が溢れ出てしまう可能性がある。そこで、本実施形態においては、制御部40の所定の制御により、排水流路4において排水しきれなくなることを抑制する。なお、制御部40は、自動給排水機能以外の排水機能、例えば使用者の操作を受けて貯水タンク20内の温水を排水させる排水機能を備えていてもよい。この場合、制御部40は、このような排水機能により、貯水タンク20内の水を排水する排水動作要求を生じさせることとなる。
【0039】
次に、
図4乃至
図6を参照して、電気温水器グループ6内の複数の電気温水器2について貯水タンク20内の水の排水動作要求がある場合における、制御部40の排水タイミング調整モードの制御について説明する。
図5及び
図6において、各電気温水器2の上に、各電気温水器2の作動状態を示している。
制御部40は、例えば制御部40が取付けられている1つの電気温水器2について貯水タンク20内の水の排水動作要求がある場合に、排水動作の制御を開始させる(
図4のスタート)。
S1において、制御部40は、電気温水器グループ6内の他の電気温水器2について貯水タンク20内の水の排水動作要求があるか否かの情報を、他の電気温水器2の制御部40等から取得する。制御部40は、電気温水器グループ6内の複数の電気温水器2について貯水タンク20内の水の排水動作要求があることを認識すると、電気温水器グループ6内の複数の電気温水器2について貯水タンク20内の水の排水動作要求がある場合であると判断する。上述のように、制御部40は、例えば、自動給排水機能を備える。これにより、複数の電気温水器2の制御部40が定期的に各電気温水器2の貯水タンク20内の水を排水したいという排水動作要求を生じることとなる。
【0040】
よって、S1において、制御部40が、電気温水器グループ6内の複数の電気温水器2(自己を含む複数の電気温水器2)について貯水タンク20内の水の排水動作要求があると判断する場合(YESの場合)、排水流路4において排水を抑制する必要があると判断できるため、排水タイミング調整モードを実行して、S3に進む。
S1において、制御部40が、電気温水器グループ6内の複数の電気温水器2(自己を含む複数の電気温水器2)について貯水タンク20内の水の排水動作要求がないと判断する場合(NOの場合)、他の電気温水器2からの排水を考慮する必要はないと判断できるため、S2に進む。
【0041】
S2においては、制御部40は、通常排水モードを実行する。すなわち、制御部40は、排水部24を閉状態から開状態にさせ、電気温水器2の貯水タンク20からの排水を開始させる。この通常排水モードによれば、制御部40は、1つの電気温水器2について貯水タンク20から意図する量の排水を実行して排水動作を終了する。
【0042】
S3において、制御部40は、排水タイミング調整モードの制御を実行し、排水部24を閉状態から開状態にさせ、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2、例えば制御部40が取付けられている1つの電気温水器2の排水動作を開始させ、貯水タンク20から排水を開始させた後、S4に進む。S3においては、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2を排水動作を開始させないような待機状態に制御する。
図5においては、紙面の左端の1つの電気温水器2の貯水タンク20から排水が開始される状態を示すと共に、電気温水器グループ6内の残りの3つの電気温水器2は、排水動作が開始されていない待機状態を示している。
【0043】
S4において、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる。よって、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2からの排水のタイミングを、S3よりも遅いタイミングにずらすことができる。これにより、制御部40は、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水すること、例えば同時に排水を開始することを防ぐことができる。さらに、制御部40は、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水を抑制できる。
【0044】
図6においては、紙面の左端の1つの電気温水器2の貯水タンク20から排水が開始された後の排水動作開始後の状態を示すと共に、紙面の左端から2番目の1つの電気温水器2の貯水タンク20から排水動作が開始される状態を示し、さらに電気温水器グループ6内の残りの2つの電気温水器2は、排水動作が開始されていない待機状態を示している。紙面の左端から2番目の1つの電気温水器2の排水タイミングが遅らされることにより、排水流路4内における排水の量の一時的な増大を抑制できると共に、先に排水を開始した電気温水器2からの排水の流量が徐々に減少しやすい比較的後半の排水のタイミングにおいて、他の電気温水器2からの排水を合流させることができ、排水流路4内における排水の増大を抑制しやすくできる。S4において、制御部40は、上記電気温水器2の排水動作を開始させた後、エンドに進み、排水タイミング調整モード及び排水動作の制御を終了させる。また、制御部40は、各電気温水器2について貯水タンク20から意図する量の排水を実行して排水動作を終了する。なお、新たに貯水タンク20からの排水動作が開始されるタイミング(例えば紙面の左端から2番目の1つの電気温水器2の貯水タンク20からの排水動作が開始されるタイミング)については、最初の貯水タンク20からの排水動作が開始されるタイミング(例えば紙面の左端の1つの電気温水器2の貯水タンク20からの排水動作が開始されるタイミング)の直後のタイミングでもよく、また例えば、最初の貯水タンク20の容量の半分程度(又は3分の1程度、又は3分の2程度)が排出される(温水が排出され水が貯水タンク20に給水される)と推定されるタイミングでもよい。
【0045】
次に、
図7及び
図8を参照して、制御部40の排水タイミング調整モードのさらなる例について説明する。制御部40における制御のうち、上述の制御部40における制御と同様のステップについては同様の参照符号を付すると共に重複する説明を一部省略する。
図8において、各電気温水器2の上に、各電気温水器2の作動状態を示している。
排水タイミング調整モードは、例えば、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させた後且つ排水動作を開始した電気温水器2の排水動作が完了した後に、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させてもよい。
【0046】
制御部40は、例えば制御部40が取付けられている1つの電気温水器2について貯水タンク20内の水の排水動作要求がある場合に、排水動作の制御を開始させる(
図7のスタート)。以後、制御部40がS1からS3に進んだ場合を説明する。
S3において、制御部40が、排水タイミング調整モードの制御を実行し、排水部24を閉状態から開状態にさせ、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2、例えば制御部40が取付けられている1つの電気温水器2の排水動作を開始させ、貯水タンク20から排水を開始させた後、S14に進む。
【0047】
S14においては、制御部40が、排水部24が開状態であり、排水動作を開始した電気温水器2の排水動作が完了していないと判断する場合(NOの場合)、排水動作が完了していないうちに他の電気温水器2から排水して排水流路内の排水流量が増大するリスクを抑制するため、S14に戻る。
制御部40が、排水部24が開状態から閉状態に制御され、排水動作を開始した電気温水器2の排水動作が完了したと判断する場合(YESの場合)、電気温水器2からの排水が完了し、排水流路4内の排水が減少すると判断できるので、S15に進む。
【0048】
S15において、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる。よって、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2からの排水のタイミングを、S3よりも遅く且つS14よりも遅いタイミング、すなわち排水動作を開始した電気温水器2の排水動作が完了した後のタイミングにずらすことができる。これにより、制御部40は、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより確実に防ぐことができる。さらに、制御部40は、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をより抑制できる。
【0049】
図8においては、紙面の左端の1つの電気温水器2の貯水タンク20からの排水動作が完了した後に、紙面の左端から2番目の1つの電気温水器2の貯水タンク20から排水が開始される状態を示し、さらに電気温水器グループ6内の残りの2つの電気温水器2は、排水動作が開始されていない待機状態を示している。紙面の左端から2番目の1つの電気温水器2の排水タイミングが紙面の左端から1番目の1つの電気温水器2の排水が完了した後のタイミングまで遅らされることにより、排水流路4内における排水の量の一時的な増大をより確実に抑制できる。
S15において、制御部40は、上記電気温水器2の排水動作を開始させた後、エンドに進み、排水タイミング調整モード及び排水動作の制御を終了させる。また、制御部40は、各電気温水器2について貯水タンク20から意図する量の排水を実行して排水動作を終了する。
【0050】
次に、
図9を参照して、制御部40の排水タイミング調整モードのさらなる例について説明する。制御部40における制御のうち、上述の制御部40における制御と同様のステップについては同様の参照符号を付すると共に重複する説明を一部省略する。
排水タイミング調整モードは、例えば、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させた後且つ排水動作を開始した電気温水器2の排水動作が完了してから所定時間が経過した後、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させてもよい。
【0051】
制御部40は、例えば制御部40が取付けられている1つの電気温水器2について貯水タンク20内の水の排水動作要求がある場合に、排水動作の制御を開始させる(
図9のスタート)。以後、制御部40がS1から、S3を介してS14に進んだ場合を説明する。
【0052】
S14においては、制御部40が、排水部24が開状態であり、排水動作を開始した電気温水器2の排水動作が完了していないと判断する場合(NOの場合)、排水動作が完了していないうちに他の電気温水器2から排水して排水流路4内の排水流量が増大するリスクを抑制するため、S14に戻る。制御部40が、排水部24が開状態から閉状態に制御され、排水動作を開始した電気温水器2の排水動作が完了したと判断する場合(YESの場合)、電気温水器2からの排水が完了し、排水流路4内の排水が減少すると判断できるので、S25に進む。
【0053】
S25において、制御部40は、排水動作を開始した電気温水器2の排水動作が完了してから所定時間、例えば30秒、より好ましくは15秒乃至45秒の範囲内の時間が経過していないと判断する場合(NOの場合)、排水動作が完了した後に排水が排水流路4を流れ下る時間を考慮し、他の電気温水器2からの排水が排水開始後に排水動作が完了した電気温水器2からの排水と排水流路4内で合流して排水流量が増大するリスクをより抑制するため、S25に戻る。
制御部40が、排水動作を開始した電気温水器2の排水動作が完了してから所定時間が経過したと判断する場合(YESの場合)、排水動作が完了した後に排水が排水流路を流れ下る時間を考慮することにより、他の電気温水器2からの排水が排水開始後に排水動作が完了した電気温水器2からの排水と排水流路4内で合流して排水流量が増大するリスクをより抑制できると判断できるので、S26に進む。
【0054】
S26において、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる。よって、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2からの排水のタイミングを、S14よりもさらに遅いタイミング、すなわちS25以後のタイミングにずらすことができる。これにより、制御部40は、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより確実に防ぐことができる。さらに、制御部40は、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をさらに抑制できる。S26において、制御部40は、上記電気温水器2の排水動作を開始させた後、エンドに進み、排水タイミング調整モード及び排水動作の制御を終了させる。また、制御部40は、各電気温水器2について貯水タンク20から意図する量の排水を実行して排水動作を終了する。
【0055】
次に、
図10を参照して、制御部40の排水タイミング調整モードのさらなる例について説明する。制御部40における制御のうち、上述の制御部40における制御と同様のステップについては同様の参照符号を付すると共に重複する説明を一部省略する。
制御部40は、例えば、第1検出部42及び/又は第2検出部44によって検出された水の温度の低下に基づいて貯水タンク20からの排水の推定終了時間を推定し、排水タイミング調整モードは、例えば、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させ且つ推定終了時間が経過した後、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させてもよい。
【0056】
制御部40は、排水動作の制御を開始させて(
図10のスタート)以後、制御部40がS1から、S3に進んだ場合を説明する。
S3において、制御部40は、排水タイミング調整モードの制御を実行し、排水部24を閉状態から開状態にさせ、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2、例えば制御部40が取付けられている1つの電気温水器2の排水動作を開始させ、貯水タンク20から排水を開始させた後、S34に進む。
【0057】
S34において、制御部40は、第1検出部42及び/又は第2検出部44において検出された温度低下が排水タイミング調整モードの実行開始時の温度から所定の温度低下、例えば10℃以上の温度低下となっていない場合(NOの場合)には、所定の温度低下を生じるまでにかかった時間を計測するため、S34に戻る。
S34において、制御部40は、第1検出部42及び/又は第2検出部44において検出された温度低下が排水タイミング調整モードの実行開始時の温度から所定の温度低下、例えば10℃以上の温度低下となる場合(YESの場合)には、第1検出部42及び/又は第2検出部44の高さ位置まで水が貯水タンク20内に供給された、すなわち、その分だけ温水が貯水タンク20から排出されたと判断できるので、S35に進む。
【0058】
S35において、制御部40は、第1検出部42及び/又は第2検出部44において所定の温度低下を生じるまでにかかった時間に基づき推定された貯水タンク20からの温水の排水の推定終了時間が経過していない場合(NOの場合)には、貯水タンク20からの温水の排水がまだ終了しておらず貯水タンク20からの温水の排水が依然として継続されていると推定されるので、S35に戻る。
S35において、制御部40は、第1検出部42及び/又は第2検出部44において所定の温度低下を生じるまでにかかった時間に基づき推定された貯水タンク20からの温水の排水の推定終了時間が経過している場合(YESの場合)には、貯水タンク20からの温水の排水が終了しており貯水タンク20からの温水の排水が終了されていると推定されるので、S36に進む。
【0059】
S36において、制御部40は、貯水タンク20からの温水の排水が終了されているとの推定に基づいて、排水を停止させるため、排水部24を開状態から閉状態とさせ、電気温水器2からの排水動作を停止させ、S37に進む。
【0060】
S37において、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる。よって、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2からの排水のタイミングを、1つめの電気温水器2からの温水の排水の推定終了時間が経過するタイミングよりも遅いタイミングにずらすことができる。これにより、制御部40は、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより防ぐことができる。さらに、制御部40は、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をさらに抑制できる。
S37において、制御部40は、上記電気温水器2の排水動作を開始させた後、エンドに進み、排水タイミング調整モード及び排水動作の制御を終了させる。また、制御部40は、各電気温水器2について貯水タンク20から意図する量の排水を実行して排水動作を終了する。
【0061】
なお、制御部は、第1検出部42によって検出された水の温度の低下と第2検出部44によって検出された水の温度の低下とに基づいて貯水タンク20からの排水の推定終了時間を推定してもよい。例えば、制御部40は、第1検出部42よって検出された水の温度が所定の温度低下となってから、第2検出部44によって検出された水の温度が所定の温度低下となるまでに掛かった時間から、排水の速度を推定すると共に貯水タンク20からの排水の推定終了時間(すなわち湯が排水されて水に入れ替わるような排水の終了のタイミング)を推定する。このような制御を行うとき、S34において、制御部40は、第1検出部42及び第2検出部44において検出された温度低下が、それぞれ排水タイミング調整モードの実行開始時の温度から所定の温度低下、例えば10℃以上の温度低下となっていない場合(NOの場合)には、所定の温度低下を生じるまでにかかった時間を計測するため、S34に戻る。このようなS34において、制御部40は、第1検出部42及び第2検出部44のそれぞれにおいて検出された温度低下が排水タイミング調整モードの実行開始時の温度から所定の温度低下、例えば10℃以上の温度低下となる場合(YESの場合)には、第1検出部42及び第2検出部44のそれぞれの高さ位置まで水が貯水タンク20内に供給された、すなわち、その分だけ温水が貯水タンク20から排出されたと判断できるので、S35に進む。S35においては、制御部40は、第1検出部42よって検出された水の温度が所定の温度低下となってから、第2検出部44によって検出された水の温度が所定の温度低下となるまでに掛かった時間から、排水の速度を推定すると共に貯水タンク20からの排水の推定終了時間を推定する。制御部40は、この排水の推定終了時間が経過していない場合(NOの場合)には、貯水タンク20からの温水の排水がまだ終了しておらず貯水タンク20からの温水の排水が依然として継続されていると推定されるので、S35に戻る。制御部40は、この排水の推定終了時間が経過している場合(YESの場合)には、貯水タンク20からの温水の排水が終了しており貯水タンク20からの温水の排水が終了されていると推定されるので、S36に進む。以後、制御部40は、S36、S37等を実行させる。
【0062】
次に、
図11を参照して、制御部40の排水タイミング調整モードのさらなる例について説明する。制御部40における制御のうち、上述の制御部40における制御と同様のステップについては同様の参照符号を付すると共に重複する説明を一部省略する。
排水タイミング調整モードは、例えば、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させてから所定時間が経過した後、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させてもよい。
【0063】
制御部40は、排水動作の制御を開始させて(
図11のスタート)以後、制御部40がS1から、S3に進んだ場合を説明する。
S3において、制御部40は、排水タイミング調整モードの制御を実行し、排水部24を閉状態から開状態にさせ、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2、例えば制御部40が取付けられている1つの電気温水器2の排水動作を開始させ、貯水タンク20から排水を開始させた後、S44に進む。
【0064】
S44において、制御部40は、排水動作を開始した電気温水器2の排水動作を開始させてから所定時間、例えば30秒、より好ましくは15秒乃至45秒の範囲内の時間が経過していないと判断する場合(NOの場合)、排水動作を開始した電気温水器2からの排水動作が完了していない可能性が高いと判断できるため、S44に戻る。
制御部40が、排水動作を開始した電気温水器2の排水動作を開始させてから所定時間が経過したと判断する場合(YESの場合)、排水動作を開始した電気温水器2からの排水動作が完了した可能性が高いと判断できるため、排水部24の制御によることなく、S45に進む。
【0065】
S45において、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる。よって、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2からの排水のタイミングを、S44よりもさらに遅いタイミング、すなわち排水動作が完了する可能性の高い所定時間経過後のタイミングにずらすことができる。これにより、制御部40は、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより確実に防ぐことができる。さらに、制御部40は、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をさらに抑制できる。S45において、制御部40は、上記電気温水器2の排水動作を開始させた後、エンドに進み、排水タイミング調整モード及び排水動作の制御を終了させる。また、制御部40は、各電気温水器2について貯水タンク20から意図する量の排水を実行して排水動作を終了する。
【0066】
次に、
図12を参照して、制御部40の排水タイミング調整モードのさらなる例について説明する。制御部40における制御のうち、上述の制御部40における制御と同様のステップについては同様の参照符号を付すると共に重複する説明を一部省略する。
上記排水タイミング調整モードは、例えば、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させた後、且つ第1検出部42及び/又は第2検出部44によって検出された水の温度が所定値以下となった後に、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させてもよい。
【0067】
制御部40は、排水動作の制御を開始させて(
図12のスタート)以後、制御部40がS1から、S3に進んだ場合を説明する。
S3において、制御部40は、排水タイミング調整モードの制御を実行し、排水部24を閉状態から開状態にさせ、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2、例えば制御部40が取付けられている1つの電気温水器2の排水動作を開始させ、貯水タンク20から排水を開始させた後、S54に進む。
【0068】
S54において、制御部40は、第1検出部42及び/又は第2検出部44において検出された水の温度が所定値以下となっていない場合(NOの場合)には、貯水タンクからの排水が所定の程度まで進んでいないと判断できるため、S54に戻る。
S54において、制御部40は、第1検出部42及び/又は第2検出部44において検出された温度低下が所定値以下となる場合(YESの場合)には、第1検出部42及び/又は第2検出部44の高さ位置と、検出された水の温度とから、貯水タンクからの排水が所定の程度まで進んだと推定でき、貯水タンク20内における温水と水の入れ替えの推定の割合が所定の基準まで達していると判断できるため、S55に進む。例えば、制御部40は、貯水タンク20からの排水の程度が貯水タンク20内の水がほぼ全部入れ替わっているまで達していると判断する場合には、貯水タンク20からの温水の排水が終了しており貯水タンク20からの温水の排水が終了されていると判断できる。
【0069】
S55において、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる。よって、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2からの排水のタイミングを、1つめの電気温水器2の貯水タンク20からの排水が所定の程度まで進んだタイミングよりも遅いタイミングにずらすことができる。これにより、制御部40は、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより防ぐことができる。さらに、制御部40は、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をさらに抑制できる。
S55において、制御部40は、上記電気温水器2の排水動作を開始させた後、エンドに進み、排水タイミング調整モード及び排水動作の制御を終了させる。また、制御部40は、各電気温水器2について貯水タンク20から意図する量の排水を実行して排水動作を終了する。
【0070】
次に、
図13を参照して、制御部40の排水タイミング調整モードのさらなる例について説明する。制御部40における制御のうち、上述の制御部40における制御と同様のステップについては同様の参照符号を付すると共に重複する説明を一部省略する。
排水タイミング調整モードは、例えば、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させた後、且つ第1検出部42によって検出された温度と、第2検出部44によって検出された温度との差分値が所定値を超えてから再びこの差分値が所定値以下となった後、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させてもよい。
【0071】
制御部40は、排水動作の制御を開始させて(
図13のスタート)以後、制御部40がS1から、S3に進んだ場合を説明する。
S3において、制御部40は、排水タイミング調整モードの制御を実行し、排水部24を閉状態から開状態にさせ、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2、例えば制御部40が取付けられている1つの電気温水器2の排水動作を開始させ、貯水タンク20から排水を開始させた後、S64に進む。
【0072】
S64において、制御部40は、第1検出部42において検出された温度低下が排水タイミング調整モードの実行開始時の温度から所定の温度低下、例えば10℃以上の温度低下となっていない場合(NOの場合)には、第1検出部42の高さ位置まで水が貯水タンク20内に供給されていないと推定されるため、S64に戻る。
S64において、制御部40は、第1検出部42において検出された温度低下が排水タイミング調整モードの実行開始時の温度から所定の温度低下、例えば10℃以上の温度低下となっている場合(YESの場合)には、第1検出部42の高さ位置まで水が貯水タンク20内に供給されたと推定され、その分だけ温水が貯水タンク20から排出されたと判断できるので、S65に進む。
【0073】
S65において、制御部40は、第1検出部42によって検出された温度と、第2検出部44によって検出された温度との差分値が、排水タイミング調整モード開始以後に一旦所定値を超えてから再びこの差分値が所定値以下となっていない場合(NOの場合)には、第1検出部42及び第2検出部44の高さ位置まで水が貯水タンク20内に供給されていないと推定され、貯水タンク20からの排水が一定程度まで進んだことを判断できにくいので、S65に戻る。
S65において、制御部40は、第1検出部42によって検出された温度と、第2検出部44によって検出された温度との差分値が、排水タイミング調整モード開始以後に一旦所定値を超えてから再びこの差分値が所定値以下となっている場合(YESの場合)には、第1検出部42及び第2検出部44の高さ位置まで水が貯水タンク20内に供給されていると推定され、貯水タンク20からの排水が一定程度まで進んだと判断できるので、S66に進む。
【0074】
S66において、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる。よって、制御部40は、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2からの排水のタイミングを、1つめの電気温水器2の貯水タンク20からの排水が一定程度まで進んだタイミングよりも遅いタイミングにずらすことができる。これにより、制御部40は、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより防ぐことができる。さらに、制御部40は、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をさらに抑制できる。
S66において、制御部40は、上記電気温水器2の排水動作を開始させた後、エンドに進み、排水タイミング調整モード及び排水動作の制御を終了させる。また、制御部40は、各電気温水器2について貯水タンク20から意図する量の排水を実行して排水動作を終了する。
【0075】
次に、
図14乃至
図16を参照して、制御部40の排水タイミング調整モードのさらなる例について説明する。制御部40における制御のうち、上述の制御部40における制御と同様のステップについては同様の参照符号を付すると共に重複する説明を一部省略する。
制御部40は、例えば、施設内において電気温水器グループ6内のそれぞれの電気温水器2が設けられている階層の情報を認識でき、排水タイミング調整モードにおいて、例えば、電気温水器2の排水動作を開始させるときに、電気温水器グループ6内において最も低い階層に設けられた電気温水器2を、この最も低い階層に設けられた電気温水器2よりも高い階層に設けられた電気温水器2よりも先に排水動作を開始させてもよい。
【0076】
制御部40は、排水動作の制御を開始させて(
図14のスタート)以後、制御部40がS1に進んだ場合を説明する。
S1において、制御部40が、電気温水器グループ6内の複数の電気温水器2(自己を含む複数の電気温水器2)について貯水タンク20内の水の排水動作要求があると判断する場合(YESの場合)、排水流路4において排水を抑制する必要があると判断できるため、排水タイミング調整モードを実行して、S73に進む。
【0077】
S73において、制御部40は、排水タイミング調整モードの制御を実行し、電気温水器グループ6内において排水動作要求があるうちの最も低い階層に設けられた電気温水器2を、この最も低い階層に設けられた電気温水器2よりも高い階層に設けられた電気温水器2よりも先に排水動作を開始させる。制御部40は、排水動作要求があるうちの最も低い階層に設けられた電気温水器2の排水部24を閉状態から開状態にさせ、この電気温水器2の排水動作を開始させた後、S74に進む。
図15に示すように、例えば、施設内において、電気温水器グループ6内の複数の電気温水器2が下位階層及び上位階層に配置されている。仮に電気温水器グループ6内の下位階層における紙面の左端から1つ目の電気温水器2、及び上位階層における紙面の左端から3つ目の電気温水器2が排水動作要求有となった場合、制御部40は、電気温水器グループ6内において排水動作要求があるうちの最も低い階層に設けられた電気温水器2を、この最も低い階層に設けられた電気温水器2よりも高い階層に設けられた電気温水器2よりも先に排水動作を開始させる。よって、制御部40は、下位階層における紙面の左端から1つ目の電気温水器2の排水動作を開始させる。このとき、制御部40は、所定期間にわたり、上位階層における紙面の左端から3つ目の電気温水器2の排水動作を開始させずに待機させる。
【0078】
S74においては、制御部40が、排水動作が開始された電気温水器2の排水部24が開状態から閉状態となっていないと判断する場合(NOの場合)、排水動作が完了していないうちに他の電気温水器2から排水して排水流路4内の排水流量が増大するリスクを抑制するため、S74に戻る。
制御部40が、排水動作が開始された電気温水器2の排水部24が開状態から閉状態となったと判断する場合(YESの場合)、排水動作が開始された電気温水器2からの排水が完了し、以後、排水流路4内の排水が減少すると判断できるので、S75に進む。このとき、制御部40は最も低い階層に設けられた電気温水器2から排水を実行させていたので、排水は基本的に最も低い階層よりさらに下方側の排水流路4内を流れている。
【0079】
S75においては、制御部40が、排水動作要求を受けている電気温水器2の中で最も低い階層に設けられた電気温水器2よりも高い階層に設けられた電気温水器2の排水部24を閉状態から開状態にさせ、この電気温水器2の排水動作を開始させる。このようにより高い階層に設けられた電気温水器2から次の排水を行うことにより、排水が最も低い階層の排水流路に到達するまでに、既に最も低い下位階層に設けられた電気温水器2からの排水が下位階層の排水流路4を流れ去っている可能性が高くなり、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの共通の排水流路4内への排水のタイミングをさらにずらすことができる。よって、両者の排水が合流しにくくなり、排水流路4内の排水の増加を抑制できる。従って、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をさらに抑制できる。S75において、制御部40は、上記高い階層に設けられた電気温水器2の排水動作を開始させた後、エンドに進み、排水タイミング調整モード及び排水動作の制御を終了させる。また、制御部40は、各電気温水器2について貯水タンク20から意図する量の排水を実行して排水動作を終了する。
【0080】
図16に示すように、排水動作が開始された電気温水器2の排水部24が開状態から閉状態となった後、上位階層に設けられた電気温水器2の排水部24を閉状態から開状態にさせ、この電気温水器2の排水動作を開始させる。このとき、下位階層に設けられた電気温水器2からの排水が、矢印F1に示すように、下位階層の排水流路4から流れ去ろうとしている。一方で、上位階層に設けられた電気温水器2からの排水が、矢印F2に示すように、上位階層の排水流路4から流入している。上位階層からの排水が下位階層に到達する頃には、下位階層の排水は、下位階層の排水流路4から流れ去っており、排水流路4内で2つの流れが合流して排水流量が増大することを抑制できる。なお、同じ階層内において複数の電気温水器2に排水動作要求が生じている場合には、上述の排水タイミング調整モードの他の例による制御と組合せて、排水流路4内で排水の流れが合流して排水が溢れ出ることを抑制できる。下位階層は、上位階層に対して相対的に低い位置にあることを意味するので、下位階層及び上位階層は同じ建物内に限られず、複数の建物内に配置されていてもよい。また階層が厳密に規定しにくいような場合においては、下位階層及び上位階層は相対的な高さのレベルの上位及び下位を意味する。従って、低い位置に設けられた電気温水器2が、この低い位置の電気温水器2により高い位置に設けられた電気温水器2よりも先に排水動作を開始されることが含まれる。さらに、複数の電気温水器2が、3つ以上の階層にわたって配置されている場合には、制御部40は、下位階層の電気温水器2から、より上位の上位階層の電気温水器2まで、下方から上方に向かって順に排水するように制御されてもよい。
【0081】
次に、本実施形態の構成による効果を説明する。
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部40は、電気温水器グループ6内の複数の電気温水器2について貯水タンク20内の水の排水動作要求がある場合に、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させた後、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる排水タイミング調整モードを備える。これにより、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することを防ぐと共に、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの共通の排水流路4内への排水のタイミングをずらすことができ、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水を抑制できる。また、排水タイミング調整モードにより、電気温水器2が複数設けられている場合に、複数の排水ホッパー16から水が漏洩することも抑制できる。さらに、排水タイミング調整モードにより、使用者から見えにくい位置に設けられることが多い排水ホッパー16からの漏水をより抑制できる。
【0082】
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部40の排水タイミング調整モードは、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させた後且つ電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作が完了した後に、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの上記電気温水器2の排水動作を開始させる。これにより、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの共通の排水流路4内への排水のタイミングをよりずらすことができ、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をより抑制できる。
【0083】
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部40の排水タイミング調整モードは、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させた後且つ電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作が完了してから所定時間が経過した後、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる。これにより、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの共通の排水流路4内への排水のタイミングをさらにずらすことができ、排水動作が完了した電気温水器2からの排水が排水流路4内を流下する時間の猶予をさらに与えることができ、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をさらに抑制できる。
【0084】
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部40の排水タイミング調整モードは、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させた後、推定終了時間が経過した後、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの上記電気温水器2の排水動作を開始させる。これにより、排水の推定終了時間の推定に基づいて、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの共通の排水流路4内への排水のタイミングをずらすことができ、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水を抑制できる。
【0085】
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部40は、第1検出部42によって検出された水の温度の低下と第2検出部44によって検出された水の温度の低下とに基づいて貯水タンク20からの排水の推定終了時間を推定でき、これにより、排水の推定終了時間の推定に基づいて、電気温水器グループの全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ内の電気温水器2からの共通の排水流路内への排水のタイミングをずらすことができ、電気温水器グループ内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水を抑制できる。
【0086】
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部40の排水タイミング調整モードは、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させてから所定時間が経過した後、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる。これにより、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの共通の排水流路4内への排水のタイミングをよりずらすことができ、排水動作が開始された電気温水器2からの排水が排水流路4内を流下する時間の猶予を与えることができ、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をさらに抑制できる。
【0087】
このように構成された本発明の一実施形態においては、電気温水器2は、さらに、貯水タンク20内の水の温度を検出する第1検出部42及び/又は第2検出部44を備え、制御部40の排水タイミング調整モードは、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させた後、且つ第1検出部42及び/又は第2検出部44によって検出された水の温度が所定値以下となった後に、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる。これにより、制御部40は、第1検出部42及び/又は第2検出部44によって検出された水の温度が所定値以下となったことにより、貯水タンク20からの排水が所定の程度まで進んだことを判断でき、貯水タンク20からの排水が一定程度まで進んだ後に、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる。よって、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの共通の排水流路4内への排水のタイミングをよりずらすことができ、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をより抑制できる。
【0088】
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部40の排水タイミング調整モードは、電気温水器グループ6内の電気温水器2のうち1つの電気温水器2の排水動作を開始させた後、且つ第1検出部42によって検出された温度と、第2検出部44によって検出された温度との差分値が所定値を超えてから再びこの差分値が所定値以下となった後、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作を開始させる。これにより、第1検出部42又は第2検出部44の一方が水を検知した後、第1検出部42及び第2検出部44の両方が水を検知して差分値が所定値以下となり、貯水タンク20からの排水が一定程度まで進んだことを判断でき、貯水タンク20からの排水が一定程度まで進んだ後に、電気温水器グループ6内の残りの電気温水器2のうち少なくとも1つの電気温水器2の排水動作が開始される。よって、電気温水器グループ6の全ての電気温水器2が同時に排水を共通の排水流路4に排水することをより防ぐと共に、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの共通の排水流路4内への排水のタイミングをよりずらすことができ、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をより抑制できる。
【0089】
このように構成された本発明の一実施形態においては、制御部40の排水タイミング調整モードにおいて、電気温水器2の排水動作を開始させるときに、電気温水器グループ6内において最も低い階層に設けられた電気温水器2を、この最も低い階層に設けられた電気温水器2よりも高い階層に設けられた電気温水器2よりも先に排水動作を開始させる。これにより、最も低い階層に設けられた電気温水器2の排水動作を先に開始させた後、高い階層に設けられた電気温水器2の排水動作を開始させることができ、高い階層に設けられた電気温水器2からの排水が排水流路4を流れる際に、既に最も低い階層に設けられた電気温水器2からの排水が排水流路4を流れ去っている可能性が高くなり、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの共通の排水流路4内への排水のタイミングをさらにずらすことができ、電気温水器グループ6内の電気温水器2からの排水が共通の排水流路4内で同じタイミングで合流されてしまい排水流路4で排水しきれなくなった排水が排水ホッパー16から溢れ出る漏水をさらに抑制できる。
【符号の説明】
【0090】
1 電気温水器システム
2 電気温水器
4 排水流路
6 電気温水器グループ
16 排水ホッパー
20 貯水タンク
22 加熱部
24 排水部
40 制御部
42 第1検出部
44 第2検出部