(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】記憶素子への通過電流を制御する半導体装置
(51)【国際特許分類】
G11C 17/18 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
G11C17/18
(21)【出願番号】P 2022566789
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(86)【国際出願番号】 JP2021040247
(87)【国際公開番号】W WO2022118588
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】P 2020200228
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】長倉 輝和
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-114726(JP,A)
【文献】特開2001-319499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項8】
電源電圧が供給される電源端子と接地との間で直列に接続される記憶素子と直列に接続される第1トランジスタのゲートに、前記記憶素子に電流を流すための制御電圧を供給し、
前記電源端子から供給される電源電圧が前記記憶素子の抵抗値を変化させるための電圧値の場合、第1電圧値の前記制御電圧を、前記第1トランジスタのゲートに供給し、
前記電源電圧が前記記憶素子の抵抗値を読み取るための電圧値の場合、前記第1電圧値よりも絶対値が大きい第2電圧値の前記制御電圧を、前記第1トランジスタのゲートに供給する、
ように構成された制御回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気的に1回限りの書き込みが行われる記憶素子への通過電流を制御する半導体装置及び制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RAM(Random Access Memory)回路などにおいて、不良ビットを救済するための冗長処理や、各チップを識別するための識別番号などに、電気ヒューズ素子を使用することがある。電気ヒューズ素子は、電気的に1回限りの書き込みが行われる記憶素子(以下、OTP(One Time Programming)素子という)である。記憶素子は、所定の書き込み電圧が供給される端子と、記憶素子への通電を制御するトランジスタに接続される。記憶素子は、所定の書き込み電圧が供給されると、書き込みを制御する信号によって書き込みトランジスタがオン状態となり、通過電流が流れる。記憶素子は、この通過電流によってヒューズが切断されて、書き込まれた状態となる。すなわち、記憶素子は、書き込みのための通過電流以外の意図しない電流が流れると、誤書き込みを生じる。また、記憶素子に書き込んだ後、記憶素子の書き込みの状態を検査するために、抵抗値を読み込むための通過電流を発生させる回路を別に設ける必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る制御回路は、書き込み信号に応じて、電気的に1回限りの書き込みが行われる記憶素子への書き込みを制御する制御部を備える。制御部は、記憶素子へ供給される書き込み電圧を検出する。そして、制御部は、書き込み電圧が所定の閾値電圧以上となると、書き込み信号に係わらず記憶素子への書き込みを停止させる。これにより、制御回路は、電気的に1回限りの書き込みが行われる記憶素子への誤書き込みを抑制できる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る制御回路は、記憶素子に供給される過電圧時の誤書き込みを抑制する構成は開示されているものの、過電流時の誤書き込みを抑制できない虞があった。また、特許文献1においては、記憶素子に書き込んだ後に、記憶素子の書き込み状態を検査するための別の回路が必要となるため、回路が大きくなる虞があった。
【0006】
そこで、本開示は、記憶素子に供給される電圧に応じて、記憶素子への書き込み時の通過電流と、記憶素子の抵抗値を読み取り時の通過電流とを調整する制御回路を備える半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る半導体装置は、電源電圧が供給される電源端子と接地との間で直列に接続される記憶素子と、前記電源端子と前記接地との間で、前記記憶素子と直列に接続される第1トランジスタと、前記記憶素子に電流を流すための第1制御電圧を、前記第1トランジスタのゲートに供給する第1制御回路を備え、前記第1制御回路は、前記電源電圧が、前記記憶素子の抵抗値を変化させるための電圧値である場合、第1電圧値の前記第1制御電圧を、前記第1トランジスタのゲートに供給し、前記電源電圧が、前記記憶素子の抵抗値を読み取るための電圧値である場合、前記第1電圧値よりも絶対値が大きい第2電圧値の前記第1制御電圧を、前記第1トランジスタのゲートに供給する。
【0008】
本発明の一側面に係る制御回路は、電源電圧が供給される電源端子と接地との間で直列に接続される記憶素子と直列に接続される第1トランジスタのゲートに、前記記憶素子に電流を流すための制御電圧を供給し、前記電源端子から供給される電源電圧が、前記記憶素子の抵抗値を変化させるための電圧値の場合、第1電圧値の前記制御電圧を、前記トランジスタのゲートに供給し、前記電源電圧が、前記記憶素子の抵抗値を読み取るための電圧値の場合、前記第1電圧値よりも絶対値が大きい第2電圧値の前記制御電圧を、前記トランジスタのゲートに供給するように構成される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、記憶素子に供給される電圧に応じて、記憶素子への書き込み時の通過電流と、記憶素子の抵抗値を読み取り時の通過電流とを調整する制御回路を備える半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る半導体装置を備える増幅回路の構成の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る半導体装置の構成の一例を示す図である。
【
図6】記憶素子への書き込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【
図7】記憶素子の抵抗値の読み込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【
図8】第1変形例における記憶素子への書き込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【
図9】第1変形例における記憶素子の抵抗値の読み込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【
図10】第2変形例における記憶素子への書き込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【
図11】第2変形例における記憶素子の抵抗値の読み込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【
図12】第3変形例に係る半導体装置の構成の一例を示す図である。
【
図13】第2実施形態に係る半導体装置の構成の一例を示す図である。
【
図14】第2実施形態における記憶素子への書き込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【
図15】第2実施形態における記憶素子の抵抗値の読み込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【
図16】第2実施形態の変形例に係る半導体装置の構成の一例を示す図である。
【
図17】第2実施形態の変更例における記憶素子への書き込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【
図18】第2実施形態の変更例における記憶素子の抵抗値の読み込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
===第1実施形態に係る半導体装置10===
<<構成>>
図1、
図2を参照して、第1実施形態に係る半導体装置10の構成の一例について説明する。
図1は、第1実施形態に係る半導体装置10を備える増幅回路100の構成の一例を示す図である。
図2は、第1実施形態に係る半導体装置10の構成の一例を示す図である。
【0012】
増幅回路100は、例えば、携帯電話等の移動体通信機に搭載され、入力信号Pinの電力を基地局に送信するために必要なレベルまで増幅し、これを増幅信号として出力信号Poutとして出力する。
図1に示すように、増幅回路100は、例えば、増幅素子110と、抵抗器120と、コンデンサ130と、読出回路140と、電流源回路部150と、を含む。増幅素子110は、例えば、
コンデンサ130を通じて入力される入力信号Pinを出力信号Poutに増幅するトランジスタである。コンデンサ130は、例えば、直流成分カット用のキャパシタである。読出回路140は、例えば複数の半導体装置10から設定値を読み出す。電流源回路部150は、例えば、複数の読出回路140で読み出された複数の半導体装置10の設定値に応じて、バイアス電流値を調整する。
【0013】
図2に示される半導体装置10は、例えば、電気的に1回の書き込みを行うための記憶機能を有する装置である。半導体装置10は、例えば、記憶素子11に通電するための電圧を供給する電源1000が接続されている。
図2に示すように、半導体装置10は、例えば、記憶素子11と、電源側トランジスタ12と、接地側トランジスタ13と、切替制御回路14と、電流検知部15とを含む。以下、便宜上、記憶素子11の抵抗値を変化させることを「記憶素子11への書き込み」といい、記憶素子11の抵抗値を読み取ることを「記憶素子11の抵抗値の読み込み」ということもある。
【0014】
記憶素子11は、例えば、その通過電流によって電流路が切断されるヒューズ素子である。また、記憶素子11は、例えば、トランジスタのゲート酸化膜に高電圧を供給することにより電気的に破壊して書き込み状態になるOTP素子などであってもよい。また、記憶素子11は、例えば、ポリシリコン層上に形成されるシリサイド層を利用したものや、メタルヒューズなどであってもよい。
【0015】
電源側トランジスタ12は、例えば、pチャネル型MOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。電源側トランジスタ12は、例えば、電源
1000と記憶素子11との間に直列に接続される。具体的には、電源側トランジスタ12のソースは、例えば後述する電流検知部15を通じて電源1000に接続される。また、電源側トランジスタ12のドレインは、例えば記憶素子11の一端に接続される。電源側トランジスタ12は、例えば、切替制御回路14から入力される制御電圧に基づいて、記憶素子11に流れる電流(以下、「通過電流」という)の通電時間を制御する。なお、電源側トランジスタ12のゲートに入力される制御電圧は、切替制御回路14とは異なる回路(不図示)から供給される電圧であってもよい。
【0016】
接地側トランジスタ13は、例えば、nチャネル型MOSFETである。接地側トランジスタ13は、例えば、記憶素子11の他端と、接地1100との間に直列に接続される。具体的には、接地側トランジスタ13のソースは、例えば接地1100に接続される。また、接地側トランジスタ13のドレインは、例えば記憶素子11の他端に接続される。接地側トランジスタ13は、例えば、切替制御回路14からゲートに供給される制御電圧に基づいて、記憶素子11に流れる通過電流の大きさを制御する。
【0017】
切替制御回路14は、例えば、接地側トランジスタ13のゲートに、記憶素子11に所定の通過電流を流すための制御電圧を供給する。切替制御回路14は、例えば、電源1000から供給される電圧(以下、「制御電源電圧」という)が、記憶素子11への書き込み時の電圧値である場合、第1電圧値の制御電圧(以下、「書き込み制御電圧」という)を供給する。なお、制御電源電圧は、例えば、電源側トランジスタ12のソースにかかる電圧であってもよい。また、切替制御回路14は、例えば、制御電源電圧が、記憶素子11の抵抗値の読み込み時の電圧値である場合、第1電圧値よりも絶対値が大きい第2電圧値の制御電圧(以下、「読み込み制御電圧」という)を供給する。
【0018】
また、切替制御回路14は、例えば、電源側トランジスタ12のゲートに、記憶素子11に所定の通過電流を流す時間間隔を制御する制御電圧を供給してもよい。切替制御回路14は、例えば、制御電源電圧に応じて、記憶素子11への書き込み時に、電源側トランジスタ12が所定の時間間隔だけオンさせるための、所定の電圧値の制御電圧(以下、「短時間オン制御電圧」という)を供給してもよい。また、切替制御回路14は、例えば、制御電源電圧に応じて、記憶素子11の抵抗値の読み込み時に、電源側トランジスタ12が予め定められた時間においてオン状態を継続させるための、所定の電圧値の制御電圧(以下、「長時間オン制御電圧」という)を供給してもよい。
【0019】
ここで、切替制御回路14の半導体装置10における役割の概要を説明する。半導体装置10において、記憶素子11は、例えば、記憶素子11への書き込み時及び記憶素子11の抵抗値の読み込み時の、通過電流及び制御電源電圧の値が規定されている。ここで、通過電流の値は、制御電源電圧を記憶素子11の抵抗値と各トランジスタ12,13の抵抗値との和で除した値と等しい。したがって、電源側トランジスタ12のゲートに供給される制御電圧の大きさが一定(オンしたときの抵抗が一定)である場合、切替制御回路14は、記憶素子11の抵抗値の読み込みができるように、接地側トランジスタ13がオンしたときの抵抗(以下、「接地側オン抵抗」という)を調整する。具体的には、切替制御回路14は、記憶素子11への書き込み時、接地側オン抵抗(ここでは、接地側オン抵抗が数10Ω~数100Ω程度)を大きくする書き込み制御電圧(例えば、0Vに近い電圧)を、接地側トランジスタ13のゲートに供給する。また、切替制御回路14は、記憶素子11の抵抗値の読み込み時、記憶素子11の抵抗値を検出することに影響を生じさせないように、接地側オン抵抗(ここでは、接地側オン抵抗が10Ω程度)を、記憶素子11に書き込む場合のオン抵抗よりも小さくする読み込み制御電圧(例えば、電源電圧Vddに近い電圧)を、接地側トランジスタ13のゲートに供給する。
【0020】
すなわち、切替制御回路14は、例えば、制御電源電圧に応じて、接地側トランジスタ13のゲートに供給される制御電圧を自動的に調整することで、MOSFETのオン抵抗(ここでは、接地側オン抵抗)を変化させることにより、記憶素子11の通過電流を調整する。
【0021】
これにより、半導体装置10は、記憶素子11に供給される制御電源電圧に応じて、記憶素子11に書き込むときの通過電流と、記憶素子11の抵抗値を読み取るときの通過電流とを調整することができる。よって、半導体装置10は、記憶素子11への書き込み及び記憶素子11の抵抗値の読み込みを一つの回路で実現することができるため、回路を小さくすることができる。また、半導体装置10は、記憶素子11への書き込み時に、接地側オン抵抗を大きくして通過電流を調整することによって、記憶素子11への誤書き込みを防止することができる。また、半導体装置10は、記憶素子11の抵抗値の読み込み時に、接地側オン抵抗を小さくして記憶素子11の抵抗値を検出できるような通過電流に調整することによって、抵抗値を検出することへの影響を減らせる。
【0022】
次に、
図3~
図5を参照して、切替制御回路14の具体的な構成の一例について説明する。
図3~
図5は、切替制御回路14の構成の一例を示す図である。
【0023】
図3に示すように、切替制御回路14は、例えば、制御電源電圧からの入力信号の整形を行うバッファ素子141aと、書き込み制御電圧が供給される第1端子141bと読み込み制御電圧が供給される第2端子141cとを切り替えるスイッチ141dとを含んでいてもよい。スイッチ141dは、入力信号の電圧の値に応じて、第1端子141bと第2端子141cとを切り替える。
【0024】
図4に示すように、切替制御回路14は、例えば、コンパレータ142aと、トランジスタ142bと、第1抵抗142cと、第2抵抗142dとを含んでいてもよい。コンパレータ142aは、例えば、一方の端子に制御電源電圧が供給され、他方の端子に基準電圧が供給される。なお、コンパレータ142aの一方の端子には、例えば、電源電圧より制御電源電圧の方が大きい場合、レベルシフタ(不図示)を設けてもよい。トランジスタ142bは、例えば、そのゲートにコンパレータ142aから出力される信号が入力される。トランジスタ142bのドレインには、第1抵抗142cおよび第2抵抗142dを通じて電源電圧Vddが供給される。第1抵抗142cと第2抵抗142dとの間のノード142eは、接地側トランジスタ13のゲートに接続されている。切替制御回路14は、制御電源電圧が基準電圧よりも大きい場合、トランジスタ142bをオンして、書き込み制御電圧(例えば、電源電圧Vddの半分の電圧)を接地側トランジスタ13のゲートに供給する。また、切替制御回路14は、制御電源電圧が基準電圧よりも小さい場合、トランジスタ142bがオフとなり、読み込み制御電圧(例えば、電源電圧Vdd)を接地側トランジスタ13のゲートに供給する。
【0025】
図5に示すように、切替制御回路14は、例えば、トランジスタ143aと、第1抵抗143bと、第2抵抗143cとを含んでいてもよい。トランジスタ143aは、例えば、そのゲートに制御電源電圧が供給される。トランジスタ143aのドレインには、第1抵抗143bおよび第2抵抗143cを通じて電源電圧Vddが供給される。第1抵抗143bと第2抵抗143cとの間のノード143dは、接地側トランジスタ13のゲートに接続されている。切替制御回路14は、制御電源電圧がトランジスタ143aのゲートの閾値電圧Vthよりも大きい場合、トランジスタ143aがオンして、書き込み制御電圧(例えば、電源電圧Vddの半分の電圧)を接地側トランジスタ13のゲートに供給する。また、切替制御回路14は、制御電源電圧がトランジスタ143aのゲートの閾値電圧Vthよりも小さい場合、トランジスタ142bがオフとなり、読み込み制御電圧(例えば、電源電圧Vdd)を接地側トランジスタ13のゲートに供給する。
【0026】
図3~
図5に示す切替制御回路14によって、半導体装置10は、制御電源電圧の大きさに応じて、接地側トランジスタ13のゲートに供給する、書き込み制御電圧と読み込み制御電圧とを切り替える。これにより、半導体装置10は、容易な回路設計により、記憶素子11への書き込み及び記憶素子11の抵抗値の読み込みを一つの回路で実現することができるため、設計・製造にかかるコストを抑制できる。
【0027】
図2に示す電流検知部15は、例えば、電源1000の端子の電流を計測する機能を有する。電流検知部15は、例えば、電源1000と、電源側トランジスタ12のソースとの間に直列に接続されている。これにより、電流検知部15で検出された電流の値に基づき、記憶素子11の抵抗値を特定できる。
【0028】
<<動作>>
図6、
図7を参照して、第1実施形態に係る半導体装置10の動作の一例について説明する。
図6は、記憶素子11への書き込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
図7は、記憶素子11の抵抗値の読み込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【0029】
まず、
図6を参照して、記憶素子11への書き込み時の半導体装置10の動作について説明する。
図6に示すように、時刻t11において、記憶素子11への書き込み時に、規定されている制御電源電圧V(例えば、5.0V)が電源側トランジスタ12のソースに供給される。また、制御電源電圧Vは、切替制御回路14に供給される。次に、時刻t12において、切替制御回路14は、制御電源電圧Vの大きさに基づいて、記憶素子11に書き込むための制御電圧Vg1(例えば、Vdd/2、Vddは3.3Vないし5.0V)(書き込み制御電圧)を、接地側トランジスタ13のゲートに供給する。次に、時刻t13において、切替制御回路14は、例えば、制御電圧Vg1を出力したことを契機に、制御電圧Vg2(例えば、-Vdd)(短時間オン制御電圧)を、所定の時間(ここでは、時刻t13~t14)だけ電源側トランジスタ12のゲートに供給する。時刻t13からt14において、電源側トランジスタ12のゲートに制御電圧Vg2が供給されて、通過電流Ifuseが記憶素子11に流れることによって、記憶素子11が書き込まれる。これにより、予め定められた時間、接地側トランジスタ13の接地側オン抵抗が調整されて所定の通過電流Ifuseを流すことで、記憶素子11への誤書き込みを防止できる。なお、電源側トランジスタ12のゲートに供給される制御電圧Vg2は、切替制御回路14とは異なる回路から供給されてもよい。
【0030】
次に、
図7を参照して、記憶素子11の抵抗値の読み込み時の半導体装置10の動作について説明する。
図7に示すように、時刻t21において、記憶素子11の抵抗値の読み込み時に、規定されている制御電源電圧V(例えば、数100mV)が電源側トランジスタ12のソースに供給される。また、制御電源電圧Vは、切替制御回路14に供給される。次に、時刻t22において、切替制御回路14は、制御電源電圧Vの大きさに基づいて、記憶素子11の抵抗値を読み込むための制御電圧Vg1(例えば、Vdd、Vddは3.3Vないし5.0V)(読み込み制御電圧)を、接地側トランジスタ13のゲートに供給する。次に、時刻t23において、切替制御回路14は、例えば、制御電圧Vg1が出力されたことを契機に、制御電圧Vg2(例えば、-Vdd)(長時間オン制御電圧)を、予め定められた時間、電源側トランジスタ12のゲートに供給する。電源側トランジスタ12のゲートに制御電圧Vg2が供給されている間、記憶素子11に書き込みがされない大きさの通過電流Ifuseが記憶素子11に流れる。電流検知部15は、電源1000の端子の電流Ireadを検出する。半導体装置10は、検出された電流Ireadに基づいて、記憶素子11の抵抗値を特定できる。これにより、半導体装置10は、記憶素子11への書き込み及び記憶素子11の抵抗値の読み込みを一つの回路で実現できるため、その回路を小さくできる。また、半導体装置10は、接地側オン抵抗を調整することで、記憶素子11への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子11の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。なお、電源側トランジスタ12のゲートに供給される制御電圧Vg2は、切替制御回路14とは異なる回路から供給されてもよい。
【0031】
<<第1変形例>>
第1変形例に係る半導体装置10は、上記において、切替制御回路14において、接地側トランジスタ13のオン抵抗を調整することで通過電流を制御する構成を、電源側トランジスタ12のオン抵抗(以下、「電源側オン抵抗」という)を調整することで通過電流を制御する構成に変更した装置である。これにより、半導体装置10は、記憶素子11への書き込み及び記憶素子11の抵抗値の読み込みを一つの回路で実現できるため、その回路を小さくすることができる。また、半導体装置10は、接地側オン抵抗を調整することで、記憶素子11への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子11の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。
【0032】
図8、
図9を参照して、第1変更例に係る半導体装置10の動作の一例について説明する。
図8は、第1変形例における記憶素子11への書き込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
図9は、第1変形例における記憶素子11の抵抗値の読み込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【0033】
図8において、
図6の時刻t11、t12、t13、t14が、時刻t31、t32、t33、t34に対応する。具体的には、時刻t31において、制御電源電圧V(例えば、5.0V)が電源側トランジスタ12のソースに供給される。また、制御電源電圧Vは、切替制御回路14に供給される。次に、時刻t32において、切替制御回路14は、制御電源電圧Vの大きさに基づいて、記憶素子11に書き込むための制御電圧Vg2(例えば、-Vdd/2、Vddは3.3Vないし5.0V)(書き込み制御電圧)を、電源側トランジスタ12のゲートに供給する。次に、時刻t33において、切替制御回路14は、例えば、制御電圧Vg2が出力されたことを契機に、制御電圧Vg1(例えば、Vdd)(短時間オン制御電圧)を、所定の時間だけ接地側トランジスタ13のゲートに供給する。時刻t33からt34における、接地側トランジスタ13のゲートに制御電圧Vg1が供給されている間、通過電流Ifuseが記憶素子11に流れて、記憶素子11が書き込まれる。これにより、予め定められた時間、電源側トランジスタ12のオン抵抗を調整して所定の通過電流Ifuseを流すことで、記憶素子11への誤書き込みを防止できる。
【0034】
図9において、
図7の時刻t21、t22、t23が、時刻t41、t42、t43に対応する。具体的には、時刻t41において、制御電源電圧V(例えば、数100mV)が電源側トランジスタ12のソースに供給される。また、制御電源電圧Vは、切替制御回路14に供給される。次に、時刻t42において、切替制御回路14は、制御電源電圧Vの大きさに基づいて、記憶素子11の抵抗値を読み込むための制御電圧Vg2(例えば、-Vdd、Vddは3.3Vないし5.0V)(読み込み制御電圧)を、電源側トランジスタ12のゲートに供給する。次に、時刻t43において、切替制御回路14は、例えば、制御電圧Vg2が出力されたことを契機に、制御電圧Vg1(例えば、Vdd)(長時間オン制御電圧)を、予め定められた時間、接地側トランジスタ13のゲートに供給する。接地側トランジスタ13のゲートに制御電圧Vg1が供給されている間、記憶素子11に書き込みがされない大きさの通過電流Ifuseが記憶素子11に流れる。電流検知部15は、電源1000の端子の電流Ireadを検出する。半導体装置10は、検出された電流Ireadに基づいて、記憶素子11の抵抗値を特定できる。これにより、半導体装置10は、記憶素子11への書き込み及び記憶素子11の抵抗値の読み込みを一つの回路で実現できるため、その回路を小さくできる。また、半導体装置10は、接地側オン抵抗を調整することで、記憶素子11への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子11の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。なお、接地側トランジスタ13のゲートに供給される制御電圧Vg1は、切替制御回路14とは異なる回路から供給されてもよい。
【0035】
<<第2変形例>>
第2変形例に係る半導体装置10は、上記では、切替制御回路14において、電源側トランジスタ12または接地側トランジスタ13に制御電圧を供給する時間を調整することによって記憶素子11に電流を流す時間を制御していたところを、制御電源電圧を供給する時間を調整することで記憶素子11に電流を流す時間を制御するように変更した装置である。これにより、切替制御回路14において、記憶素子11に電流を流す時間を制御するための回路が不要となるため、半導体装置10の小型化が図れる。
【0036】
図10、
図11を参照して、第2変更例に係る半導体装置10の動作の一例について説明する。
図10は、第2変形例における記憶素子11への書き込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
図11は、第2変形例における記憶素子11の抵抗値の読み込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【0037】
図10に示すように、半導体装置10は、記憶素子11への書き込み動作を開始することを示す信号に基づき、時刻t51において、切替制御回路14から接地側トランジスタ13および電源側トランジスタ12に制御電圧を供給させる。切替制御回路14は、当該信号に基づき、記憶素子11に書き込むための制御電圧Vg1(例えば、Vdd、Vddは3.3Vないし5.0V)(書き込み制御電圧)を、接地側トランジスタ13のゲートに供給する。同時に、切替制御回路14は、例えば、制御電圧Vg2(例えば、-Vdd)を、電源側トランジスタ12のゲートに供給する。制御電圧Vg1および制御電圧Vg2は、例えば、各トランジスタ12,13のゲートに、少なくとも後述する時刻t52からt53の間の時間よりも長い時間、供給される。次に、時刻t52において、切替制御回路14は制御電圧Vg1を例えばVdd/2とする。そして、半導体装置10は、時刻t52からt53の間、制御電源電圧Vを、記憶素子11、電源側トランジスタ12、及び接地側トランジスタ13に供給する。すなわち、第2変形例に係る半導体装置10は、記憶素子11の規定の範囲内において、予め定められた時間、予め定められた制御電源電圧Vの大きさに対応する、記憶素子11への書き込みのための通過電流Ifuseを流すことができる。これにより、記憶素子11への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子11の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。
【0038】
図11に示すように、半導体装置10は、記憶素子11の抵抗値の読み込み動作を開始することを示す信号に基づき、時刻t61において、切替制御回路14から接地側トランジスタ13および電源側トランジスタ12に制御電圧を供給させる。切替制御回路14は、当該信号に基づき、記憶素子11の抵抗値を読み込むための制御電圧Vg1(例えば、Vdd、Vddは3.3Vないし5.0V)(読み込み制御電圧)を、接地側トランジスタ13のゲートに供給する。同時に、切替制御回路14は、例えば、制御電圧Vg2(例えば、-Vdd)を、電源側トランジスタ12のゲートに供給する。制御電圧Vg1および制御電圧Vg2は、例えば、各トランジスタのゲートに、少なくとも制御電源電圧Vがオンの間の時間よりも長い時間、供給される。次に、時刻t62において、半導体装置10は、所定の時間、制御電源電圧Vを、記憶素子11、電源側トランジスタ12、及び接地側トランジスタ13に供給する。すなわち、第2変形例に係る半導体装置10は、記憶素子11の規定の範囲内において、予め定められた時間、予め定められた制御電源電圧Vの大きさに対応する、記憶素子11の抵抗値の読み込みのための電流Ireadを流すことができる。これにより、半導体装置10は、回路を小さくすることができるとともに、記憶素子11への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子11の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。
【0039】
<<第3変形例>>
図12を参照して、第3変形例に係る半導体装置10の構成について説明する。
図12は、第3変形例に係る半導体装置10の構成の一例を示す図である。
図12に示すように、第3変形例に係る半導体装置10は、上記では、切替制御回路14において、電源側トランジスタ12および接地側トランジスタ13に制御電圧を供給する構成を、第1切替制御回路14aにおいて接地側トランジスタ13に制御電圧を供給し、第2切替制御回路14bにおいて、電源側トランジスタ12に制御電圧を供給する構成に変更した装置である。すなわち、第3変形例に係る半導体装置10においては、第1切替制御回路14aが制御電源電圧に応じて接地側トランジスタ13の接地側オン抵抗を制御し、第2切替制御回路14bが制御電源電圧に応じて電源側トランジスタ12のオン抵抗を制御する。これにより、半導体装置10は、書き込み時のトランジスタのオン抵抗をより制御しやすくなり通過電流を緻密に所定の通過電流Ifuseで流す事ができる。さらに、読み込み時に通過電流を調整することで、記憶素子11への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子11の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。
【0040】
===第2実施形態に係る半導体装置20===
図13を参照して、第2実施形態に係る半導体装置20の構成の一例について説明する。
図13は、第2実施形態に係る半導体装置20の構成の一例を示す図である。第2実施形態に係る半導体装置20は、第1実施形態に係る半導体装置10における接地側トランジスタ13を設けずに構成した装置である。すなわち、半導体装置20は、例えば、切替制御回路23において、接地側トランジスタ22のオン抵抗が調整されるとともに、接地側トランジスタ22のオン時間が制御される。これにより、電源側トランジスタ12を設けなくてもよいため、より回路を小型化できる。
【0041】
図13に示すように、半導体装置20は、例えば、記憶素子21と、接地側トランジスタ22と、切替制御回路23と、電流検知部24とを含む。記憶素子21、接地側トランジスタ22、及び電流検知部24は、記憶素子11、接地側トランジスタ13、及び電流検知部15と同様であるため、その説明を省略する。
【0042】
切替制御回路23は、例えば、接地側トランジスタ22のゲートに対して、記憶素子21に電流を流すための制御電圧を供給する。切替制御回路23は、例えば、制御電源電圧の大きさに応じて、記憶素子21への書き込み時に書き込み制御電圧を供給する。また、切替制御回路23は、例えば、制御電圧を、記憶素子21に電流を流す時間を規定する電圧として供給してもよい。
【0043】
次に、
図14、
図15を参照して、第2実施形態に係る半導体装置20の動作の一例について説明する。
図14は、第2実施形態における記憶素子21への書き込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
図15は、第2実施形態における記憶素子21の抵抗値の読み込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【0044】
まず、
図14を参照して、記憶素子21への書き込み時の半導体装置20の動作について説明する。
図14に示すように、時刻t71において、制御電源電圧V(例えば、5.0V)が記憶素子21および接地側トランジスタ22のドレインに供給される。また、制御電源電圧Vは、切替制御回路23に供給される。次に、時刻t72において、切替制御回路23は、制御電源電圧Vの大きさに基づいて、記憶素子21に書き込むための制御電圧Vg1(例えば、Vdd/2、Vddは3.3Vないし5.0V)(書き込み制御電圧)を、接地側トランジスタ22のゲートに供給する。そして、記憶素子21は、通過電流Ifuseが流れることによって書き込まれる。次に、時刻t73において、切替制御回路23は、接地側トランジスタ22のゲートへの制御電圧Vg1(例えば、Vdd/2)の供給を停止する。これにより、記憶素子21への通過電流Ifuseが停止する。これにより、半導体装置
20は、回路を小さくすることができるとともに、記憶素子
21への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子
21の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。
【0045】
次に、
図15を参照して、記憶素子21の抵抗値の読み込み時の半導体装置20の動作について説明する。
図15に示すように、時刻t81において、記憶素子21の抵抗値の読み込み時に定められている制御電源電圧V(例えば、数100mV)が記憶素子21および接地側トランジスタ22のドレインに供給される。また、制御電源電圧Vは、切替制御回路23に供給される。次に、時刻t82において、切替制御回路23は、制御電源電圧Vの大きさに基づいて、記憶素子
21の抵抗値を読み込むための制御電圧Vg1(例えば、Vdd、Vddは3.3Vないし5.0V)(読み込み制御電圧)を、接地側トランジスタ22のゲートに供給する。そして、記憶素子
21は、制御電圧Vg1が供給されている間、書き込みがされない大きさの通過電流Ifuseが流れる。これにより、半導体装置
20は、回路を小さくすることができるとともに、記憶素子
21への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子
21の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。
【0046】
<<変形例>>
図16を参照して、第2実施形態の変形例に係る半導体装置20の構成の一例について説明する。
図16は、第2実施形態の変形例に係る半導体装置20の構成の一例を示す図である。
図16に示すように、第2実施形態の変形例に係る半導体装置20は、第2実施形態に係る半導体装置20における接地側トランジスタ22を、電源側トランジスタ25に替えた構成を有する装置である。なお、電源側トランジスタ25は、第1実施形態に係る半導体装置10の電源側トランジスタ12と同様であるため、その説明を省略する。
【0047】
図17、
図18を参照して、第2実施形態の変更例に係る半導体装置20の動作の一例について説明する。
図17は、第2実施形態の変更例における記憶素子21への書き込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
図18は、第2実施形態の変更例における記憶素子21の抵抗値の読み込み時における各部の信号波形の一例を示す図である。
【0048】
まず、
図17を参照して、記憶素子21への書き込み時の半導体装置20の動作について説明する。
図17に示すように、時刻t91において、制御電源電圧V(例えば、5.0V)が電源側トランジスタ25のソースに供給される。また、制御電源電圧Vは、切替制御回路23に供給される。次に、時刻t92において、切替制御回路23は、制御電源電圧Vの大きさに基づいて、記憶素子21に書き込むための制御電圧Vg2(例えば、-Vdd/2、Vddは3.3Vないし5.0V)(書き込み制御電圧)を、電源側トランジスタ25のゲートに供給する。そして、記憶素子21は、通過電流Ifuseが流れることにより書き込まれる。次に、時刻t93において、切替制御回路23は、電源側トランジスタ25のゲートへの制御電圧Vg2(例えば、Vdd/2)の供給を停止する。これにより、記憶素子21への通過電流Ifuseが停止する。これにより、半導体装置
20は、回路を小さくすることができるとともに、記憶素子
21への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子
21の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。
【0049】
次に、
図18を参照して、記憶素子21の抵抗値の読み込み時の半導体装置20の動作について説明する。
図18に示すように、時刻t101において、記憶素子21の抵抗値の読み込み時に定められている制御電源電圧V(例えば、数100mV)が電源側トランジスタ25のソースに供給される。また、制御電源電圧Vは、切替制御回路23に供給される。次に、時刻t102において、切替制御回路23は、制御電源電圧Vの大きさに基づいて、記憶素子21の抵抗値を読み込むための制御電圧Vg2(例えば、-Vdd、Vddは3.3Vないし5.0V)(読み込み制御電圧)を、電源側トランジスタ25のゲートに供給する。そして、記憶素子21は、制御電圧Vg2が供給されている間、書き込みがされない大きさの通過電流Ifuseが流れる。これにより、半導体装置
20は、回路を小さくすることができるとともに、記憶素子
21への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子
21の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。
【0050】
半導体装置10,20は、制御電源電圧(電源電圧)が供給される電源端子と接地との間で直列に接続される記憶素子11,21と、電源端子と接地との間で、記憶素子11,21と直列に接続される電源側トランジスタ12,25または接地側トランジスタ13,22(第1トランジスタ)と、記憶素子11,21に電流を流すための制御電圧を、電源側トランジスタ12,25または接地側トランジスタ13,22(第1トランジスタ)のゲートに供給する切替制御回路14,23(第1制御回路)と、を備え、切替制御回路14,23(第1制御回路)は、制御電源電圧(電源電圧)が記憶素子11,21の抵抗値を変化させるための電圧値である場合、第1電圧値の書き込み制御電圧(第1制御電圧)を、電源側トランジスタ12,25または接地側トランジスタ13,22(第1トランジスタ)のゲートに供給し、制御電源電圧(電源電圧)が記憶素子11,21の抵抗値を読み取るための電圧値である場合、第1電圧値よりも絶対値が大きい第2電圧値の読み込み制御電圧(第1制御電圧)を、電源側トランジスタ12,25または接地側トランジスタ13,22(第1トランジスタ)のゲートに供給する。これにより、半導体装置10,20は、記憶素子11,21に供給される制御電源電圧に応じて、記憶素子11,21に書き込むときの通過電流と、記憶素子11,21の抵抗値を読み取るときの通過電流とを調整することができる。よって、半導体装置10,20は、記憶素子11,21への書き込み及び記憶素子11,21の抵抗値の読み込みを一つの回路で実現することができるため、回路を小さくすることができる。また、半導体装置10,20は、記憶素子11,21への書き込み時に、接地側オン抵抗を大きくして通過電流を調整することによって、記憶素子11,21への誤書き込みを防止することができる。また、半導体装置10,20は、記憶素子11,21の抵抗値の読み込み時に、接地側オン抵抗を小さくして記憶素子11,21の抵抗値を検出できるような通過電流に調整することによって、抵抗値を検出することへの影響を減らせる。
【0051】
また、半導体装置10,20において、記憶素子11,21は、接地側トランジスタ1
3,22(第1トランジスタ)を通じて、接地に接続される。これにより、記憶素子11,21への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子11,21の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。
【0052】
また、半導体装置10,20において、記憶素子11,21は、電源側トランジスタ1
2,25(第1トランジスタ)を通じて、電源1000の端子に接続される。これにより、記憶素子11,21への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子11,21の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。
【0053】
また、半導体装置20において、切替制御回路23(第1制御回路)は、記憶素子21の抵抗値を変化させるときに、所定の時間間隔で書き込み制御電圧(第1制御電圧)を、接地側トランジスタ22(第1トランジスタ)のゲートに供給する。これにより、電源側トランジスタ12を設けなくてもよいため、より回路を小型化できる。
【0054】
また、半導体装置10は、電源端子と接地との間で、記憶素子11と直列に接続される電源側トランジスタ12(第2トランジスタ)をさらに備え、接地側トランジスタ13(第1トランジスタ)は、記憶素子11の一方の端子に接続され、電源側トランジスタ12(第2トランジスタ)は、記憶素子11の他方の端子に接続され、切替制御回路14(第1制御回路)は、電源側トランジスタ12(第2トランジスタ)のゲートに、所定の電圧で所定の時間間隔の制御電圧(第2制御電圧)を供給する。これにより、予め定められた時間、接地側トランジスタ13の接地側オン抵抗が調整されて所定の通過電流Ifuseを流すことで、記憶素子11への誤書き込みを防止できる。
【0055】
また、半導体装置10は、記憶素子11の抵抗値を変化させるときに、電源側トランジスタ12(第2トランジスタ)のゲートに、所定の電圧で所定の時間間隔の制御電圧(第2制御電圧)を供給する第2切替制御回路14b(第2制御回路)をさらに備える。これにより、半導体装置10は、読み込み時に通過電流を調整することで、記憶素子11への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子11の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。
【0056】
また、半導体装置10,20は、記憶素子11,21と電源端子との間で直列に接続される電流検知部15,24をさらに備える。これにより、電流検知部15,24で検出された通過電流の値に基づき、記憶素子11,21の抵抗値を特定できる。
【0057】
また、切替制御回路14,23は、制御電源電圧(電源電圧)が供給される電源端子と接地との間で直列に接続される記憶素子11,21と直列に接続される接地側トランジスタ13,22(第1トランジスタ)のゲートに、記憶素子11,21に電流を流すための制御電圧を供給し、電源端子から供給される制御電源電圧(電源電圧)が記憶素子11,21の抵抗値を変化させるための電圧(第1制御電源電圧)の場合、第1電圧値の書き込み制御電圧(制御電圧)を、電源側トランジスタ12,25または接地側トランジスタ13,22(第1トランジスタ)のゲートに供給し、制御電源電圧(電源電圧)が、記憶素子11,21の抵抗値を読み取るための電圧(第2制御電源電圧)の場合、第1電圧よりも絶対値が大きい第2電圧値の読み込み制御電圧(制御電圧)を、電源側トランジスタ12,25または接地側トランジスタ13,22(第1トランジスタ)のゲートに供給する。これにより、切替制御回路14,23は、半導体装置10,20を小さくすることができるとともに、記憶素子11,21への誤書き込みを防止するとともに、記憶素子11の抵抗値を読み込むことへの影響を減らせる。
【0058】
以上説明した実施形態は、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定して解釈するためのものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく、変更又は改良され得るとともに、本開示にはその等価物も含まれる。すなわち、実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。実施形態が備える素子及びその配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0059】
10,20…半導体装置、11,21…記憶素子、12,25…電源側トランジスタ、13,22…接地側トランジスタ、14…切替制御回路、14a…第1切替制御回路、14b…第2切替制御回路。