(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】浄油器
(51)【国際特許分類】
A47J 43/28 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
A47J43/28
(21)【出願番号】P 2020165135
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000133445
【氏名又は名称】株式会社ダスキン
(73)【特許権者】
【識別番号】396020349
【氏名又は名称】株式会社日本メタルワークス
(73)【特許権者】
【識別番号】593196861
【氏名又は名称】ヤマトヨ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】西村 豊和
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 宏章
(72)【発明者】
【氏名】坂口 作弥
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 聖二
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-115422(JP,A)
【文献】実公平03-049639(JP,Y2)
【文献】特開昭49-031467(JP,A)
【文献】実開昭63-164438(JP,U)
【文献】実開昭52-123765(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/00-44/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油を濾過する上ポットと、濾過された油を受けて貯める下ポットと、を備えた浄油器において、
前記下ポットが、平面視円形の且つ上開きの開口部を有し、且つ、油を貯めるための内部空間を有する、下ポット本体と、前記開口部に着脱自在に嵌め込まれた環状体であり、且つ、半径方向外方向に突出した注ぎ口を有する、注ぎ口用枠体と、を備えており、
前記枠体が、前記開口部に内嵌した下部枠部と、前記開口部から露出しており、且つ、前記注ぎ口を有する、上部枠部と、を有しており、
前記下部枠部が、外周面に、円環状シール部材を保持しており、
前記枠体が、前記注ぎ口の下側に回り込んだ油を前記内部空間へ戻すための、戻し流路を、有しており、
前記戻し流路が、溝からなっており、その溝が、前記注ぎ口の直下の位置から、前記上部枠部の外周面に沿って円周方向両側に向けて延び
た第1溝部と、
前記第1溝部から更
に前記下部枠部の外周面に沿って
円周方向に向けて延びた第2溝部と、前記第2溝部から更に前記下部枠部の外周面に沿って前記円環状シール部材の半径方向内側を通って下降して前記内部空間に通じる
第3溝部とを有するように、形成されている、
ことを特徴とする、浄油器。
【請求項2】
前記上部枠部が、前記注ぎ口として、第1注ぎ口及び第2注ぎ口を有しており、
前記第1注ぎ口及び前記第2注ぎ口は、前記上部枠部の平面視において対向する位置に、設けられており、
前記枠体は、前記第2注ぎ口側の内面に、前記第2注ぎ口への油の流れを堰き止める遮蔽板を、有しており、
前記遮蔽板は、前記第2注ぎ口へ通じる貫通孔を有している、
請求項1記載の浄油器。
【請求項3】
前記注ぎ口が、先端に、油垂れ防止用の返しを、有している、
請求項1又は2に記載の浄油器。
【請求項4】
前記下ポットの前記下ポット本体の外周面が、ゴム部材で覆われている、
請求項1~3のいずれか一つに記載の浄油器。
【請求項5】
前記上ポット及び前記下ポットを支持する支持台を、更に備えており、
前記支持台は、前記上ポットを支持する上支持部と、前記下ポットを支持する下支持部とを、一体に、有しており、
前記上支持部は、前記上ポットが嵌まり込む貫通孔を有しており、
前記下支持部は、前記下ポットを横方向からスライドさせて嵌め込むように載置できる凹面部を有しており、前記凹面部は、前記下ポットが前記横方向から突き当たることによって、前記下ポットを前記上支持部の前記貫通孔の真下に位置決めする、突き当たり部を、有している、
請求項1~4のいずれか一つに記載の浄油器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油を濾過して再利用又は廃棄するための浄油器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の浄油器の一例が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、浄油器においては、濾過された油を再利用に供する際に油が垂れる、ということが問題となっていた。この問題を解決する手段は種々提案されているが、より確実に解決できる浄油器が、要望されている。
【0005】
更には、近年、少ない量の油を用いて揚げ物を作ることがよく行われるようになってきている。すなわち、使用済みの油を濾過して再利用する場合に、再利用の料理が、必ずしも大量の油を必要とせず、油を少量だけ必要とする場合がある。そのような場合でも、利便性良く使用できる浄油器が、要望されている。
【0006】
本発明は、油が垂れるという問題をより確実に解決できる浄油器を、提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、油を濾過する上ポットと、濾過された油を受けて貯める下ポットと、を備えた浄油器において、
前記下ポットが、平面視円形の且つ上開きの開口部を有し、且つ、油を貯めるための内部空間を有する、下ポット本体と、 前記開口部に着脱自在に嵌め込まれた環状体であり、且つ、半径方向外方向に突出した注ぎ口を有する、注ぎ口用枠体と、を備えており、
前記枠体が、前記開口部に内嵌した下部枠部と、前記開口部から露出しており、且つ、前記注ぎ口を有する、上部枠部と、を有しており、
前記下部枠部が、外周面に、円環状シール部材を保持しており、
前記枠体が、前記注ぎ口の下側に回り込んだ油を前記内部空間へ戻すための、戻し流路を、有しており、
前記戻し流路が、溝からなっており、その溝が、前記注ぎ口の直下の位置から、前記上部枠部の外周面に沿って円周方向両側に向けて延びた第1溝部と、前記第1溝部から更に前記下部枠部の外周面に沿って円周方向に向けて延びた第2溝部と、前記第2溝部から更に前記下部枠部の外周面に沿って前記円環状シール部材の半径方向内側を通って下降して前記内部空間に通じる第3溝部とを有するように、形成されている、
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、戻し流路、更には円環状シール部材によって、油を再利用に供する際に油が垂れるという問題を、より確実に解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【0010】
【
図11】上ポット内に設置された、活性炭フィルター及びメッシュフィルター、を示す側面図である。
【0011】
【
図23】円環状シール部材を取り外した注ぎ口用枠体を示しており、
図15の注ぎ口用枠体に対応する図である。
【
図24】円環状シール部材を取り外した注ぎ口用枠体を示しており、
図18に対応する図である。
【
図25】円環状シール部材を取り外した注ぎ口用枠体を示しており、
図19に対応する図である。
【
図26】ゴム部材で覆われた下ポットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の浄油器を示す斜視図である。
図2は、
図1の浄油器の正面図である。
図3は、
図1の浄油器の右側面図である。
図4は、
図1の浄油器の平面図である。この浄油器10は、油を濾過する上ポット1と、濾過された油を受けて貯める下ポット2と、を備えている。更に、浄油器10は、上ポット1及び下ポット2を支持する支持台3を、備えている。
【0013】
図5は、上ポット1の斜視図である。上ポット1は、上ポット本体11及び蓋12を有している。
図6は、上ポット1の分解斜視図である。上ポット本体11は、例えばステンレス製又はホーロー製の有底円筒体である。
図7は、
図6の上ポット本体11のVII矢視図である。
図8は、
図7のVIII矢視図である。上ポット本体11は、平面視円形の且つ上開きの開口部111を、有しており、また、油を貯留可能な内部空間112を、有している。内部空間112の容量は、例えば250mlである。上ポット本体11は、上から、大径部113、中径部114、及び小径部115を、有する形態を、有しており、小径部115の底面中央に、下方に少し突出した開口部116を有している。蓋12は、例えばシンジオタクチックポリスチレン樹脂製の円板であり、ダークグレー色に着色されている。
図9は、
図6の蓋12のIX矢視図である。
図10は、
図9のX矢視図である。蓋12は、大径部121と小径部122とを有している。小径部122は、開口部111に内嵌する形態を、有している。蓋12は、上ポット本体11の開口部111を塞ぐように、着脱自在に、設けられている。
【0014】
図11は、上ポット1内に設置された、活性炭フィルター13及びメッシュフィルター14、を示す側面図である。
図12は、活性炭フィルター13の斜視図である。活性炭フィルター13は、薄い板状の形態を有しており、フィルター本体部131と、周縁の張出部132と、を有している。活性炭フィルター13は、上ポット本体11内では、フィルター本体部131が小径部115内に位置し、張出部132が段部1140(
図8)に上方から当接するようになっている。
図13は、メッシュフィルター14の斜視図である。メッシュフィルター14は、平面視円形の且つ上開きの、開口部141を有する、底の浅い容器の形態を有しており、下半分142がメッシュネットで構成されている。メッシュフィルター14は、上ポット本体11内では、活性炭フィルター13上に載るようになっている。
【0015】
図14は、下ポット2の斜視図である。下ポット2は、下ポット本体21及び注ぎ口用枠体22を有している。
図15は、下ポット2の分解斜視図である。下ポット本体21は、例えばステンレス製又はホーロー製の有底円筒体である。
図16は、
図15の下ポット本体21の側面図である。
図17は、
図15の下ポット本体21の平面図である。下ポット本体21は、平面視円形の且つ上開きの開口部211を有しており、また、油を貯めるための内部空間212を有している。
【0016】
注ぎ口用枠体22は、例えばシンジオタクチックポリスチレン樹脂製の部材であり、ダークグレー色に着色されている。
図18は、
図15の注ぎ口用枠体22のXVIII矢視図である。
図19は、
図15の注ぎ口用枠体22のXIX矢視図である。
図20は、
図15の注ぎ口用枠体22のXX矢視図である。注ぎ口用枠体22は、開口部211に着脱自在に嵌め込まれた環状体である。注ぎ口用枠体22は、下部枠部221と上部枠部222とを有している。下部枠部221は、開口部211に内嵌する部分である。上部枠部222は、開口部211から露出する部分である。
【0017】
注ぎ口用枠体22は、上部枠部222に、半径方向外方向に突出した2個の注ぎ口、すなわち、第1注ぎ口223及び第2注ぎ口224を、有している。第1注ぎ口223及び第2注ぎ口224は、上部枠部222の平面視において対向する位置に、設けられている。注ぎ口用枠体22は、第2注ぎ口224側の内面に、第2注ぎ口224への油の流れを堰き止める遮蔽板225を、有している。遮蔽板225は、第2注ぎ口224へ通じる貫通孔226を有している。第1注ぎ口223及び第2注ぎ口224は、それぞれ、先端に、油垂れ防止用の返し2231、2241を、有している。
【0018】
下部枠部221は、外周面に円環状シール部材23を保持している。
図21は、円環状シール部材23の斜視図である。
図22は、円環状シール部材23の側面図である。円環状シール部材23は、外向きに開いた、断面凹形状を、有している。
図23、
図24、及び
図25は、円環状シール部材23を取り外した注ぎ口用枠体22を示しており、それぞれ、
図15の注ぎ口用枠体22、
図18、及び
図19に、対応している。円環状シール部材23は、ゴム部材であり、下部枠部221の円周溝227に対して、着脱自在に圧着嵌合している。
【0019】
注ぎ口用枠体22は、第1注ぎ口223及び第2注ぎ口224の、それぞれの下側に回り込んだ油を内部空間212へ戻すための、戻し流路24を、有している。戻し流路24は、溝からなっている。その溝は、例えば第1注ぎ口223側においては、第1注ぎ口223の直下の位置から、上部枠部222の外周面に沿って円周方向両側に向けて延びた、第1溝部241と、第1溝部241から更に下部枠部221の外周面に沿って延びた、第2溝部242と、第2溝部242から円環状シール部材23の半径方向内側を通って下降して内部空間212に通じる、第3溝部243と、からなっている。第2注ぎ口224側においても、戻し流路24は、同様に形成されており、すなわち、第1溝部241、第2溝部242、及び第3溝部243からなっている。なお、第1注ぎ口223側の戻し流路24と第2注ぎ口224側の戻し流路24とおいて、第3溝部243は共用されている。
【0020】
なお、上述した図では、略しているが、下ポット本体21の外周面は、
図26に示されるように、ゴム部材25で覆われている。ゴム部材25は、
図27に示されるように、円筒状の形態を有しており、下ポット本体21に下方から外嵌されるようになっている。ゴム部材25の表面には、滑り止め処理が施されているのが、好ましい。例えば、
図26及び
図27に示されるように、多数の溝251が形成されたり、面部252にブラスト処理が施されたりしている。その他の滑り止め処理を採用してもよい。
【0021】
図28は、支持台3の前方斜視図である。
図29は、支持台3の正面図である。
図30は、支持台3の右側面図である。
図31は、支持台3の平面図である。支持台3は、上ポット1を支持する上支持部31と、下ポット2を支持する下支持部32とを、一体に、有している。支持台3は、具体的には、後方の2本の柱部331、332によって上支持部31と下支持部32とを平行に支持した形態を、有している。これにより、上支持部31と下支持部32との間の空間、すなわち、下ポット2が載置される空間は、前方及び左右両方に開いている。
【0022】
上支持部31は、上ポット1が嵌まり込む貫通孔34を有している。貫通孔34は、
図7の上ポット本体11を参照しながら説明すると、
図28(又は
図31)に示されるように、上ポット本体11の開口部116が嵌り込む孔部341と、小径部115の周縁部1151が載せられる面部342と、中径部114の周縁部1141が載せられる面部343と、を有しており、すなわち、階段状の形態を有している。
【0023】
下支持部32は、下ポット2を横方向(ここでは前方)からスライドさせて嵌め込むように載置できる凹面部321を有している。凹面部321は、スライドさせた下ポット2が突き当たる突き当たり部3211を、後方に、有している。突き当たり部3211は、下ポット2が突き当たることによって、下ポット2を上支持部31の貫通孔34の真下に位置決めするようになっている。更に、凹面部321は、複数のリブ3212を有している。複数のリブ3212は、前後方向に、且つ、相互に平行に、延びている。
【0024】
浄油器10は、次のようにして組み立てる。まず、上ポット1及び下ポット2をそれぞれ組み立てる。上ポット1においては、上ポット本体11内に、メッシュフィルター13及び活性炭フィルター14を入れ、蓋12で開口部111を塞ぐ。下ポット2においては、注ぎ口用枠体22を、下ポット本体21の開口部211に、嵌め込む。このとき、下部枠部221が開口部211に嵌入し、上部枠部222は下ポット本体21から露出する。次に、上ポット1及び下ポット2をそれぞれ支持台3に設置する。すなわち、上ポット1に関しては、上ポット本体11を上支持部31の貫通孔34にはめ込む。下ポット2に関しては、下ポット2を、凹面部321の上で後方にスライドさせて、突き当たり部3211に突き当てる。これによって、浄油器10が組み立てられる。
【0025】
上記構成の浄油器10は、次のように使用する。すなわち、まず、上ポット1の蓋12を開ける。次に、上ポット本体11内に、上方から、ゆっくりと、使用済みの油を注ぎ込む。注ぎ込まれた油は、メッシュフィルター13によって大きな不要物が取り除かれ、次いで、活性炭フィルター14によって小さな不要物が取り除かれることによって、清浄化され、下ポット本体21の内部空間212内に落下して貯められる。この後は、清浄化された油を、そのまま保管してもよいが、再利用に供してもよい。
【0026】
清浄化された油を再利用に供する場合は、支持台3から下ポット2を取り出し、第1注ぎ口223又は第2注ぎ口224から油を排出する。例えば、炒め物や焼き物の料理に再利用する場合には、油は少量でよいので、第2注ぎ口224から油を排出する。第2注ぎ口224から油を排出する場合には、油は、遮蔽板225で一旦堰き止めて貫通孔226を通るので、第2注ぎ口224から大量の油が排出されるのを防止でき、したがって、少量の油を容易に再利用に供することができる。これに対して、揚げ物の料理に再利用する場合には、油は大量でもよいので、第1注ぎ口223から油を排出する。
【0027】
次に、上記構成の浄油器10の作用効果について、説明する。
(1)例えば第1注ぎ口223から油を排出する際、大部分の油は第1注ぎ口223から順当に排出されるが、一部の油は第1注ぎ口223の下側へ回り込んでしまう。その状態で、油の排出を止めて、浄油器10を水平台などの上に静置すると、従来においては、第1注ぎ口223の下側へ回り込んだ油が、垂れ落ちたり、下ポット本体21の外周面に沿って流れ落ちたりしていた。しかしながら、上記構成の浄油器10においては、
図24及び
図25に示されるように、第1注ぎ口223の下側へ回り込んだ油は、戻し流路24を流れて内部空間212へ落下する。すなわち、第1注ぎ口223の下側へ回り込んだ油は、第1溝部241、第2溝部242、及び第3溝部243を流れて内部空間212へ落下する。なお、第2注ぎ口224から油を排出する際も、同様に、第2注ぎ口224の下側へ回り込んだ油は、第1溝部241、第2溝部242、及び第3溝部243を流れて内部空間212へ落下する。したがって、上記構成の浄油器10によれば、第1注ぎ口223及び第2注ぎ口224から油を排出する際に、第1注ぎ口223及び第2注ぎ口224の下側へ回り込んだ油を、戻し流路24を介して内部空間212へ落下させることができるので、油が垂れ落ちたり下ポット本体21の外周面に沿って流れ落ちたりするのを、防止できる。よって、浄油器10の外観を清潔に保持できる。
【0028】
(2)下部枠部221の円周溝227に円環状シール部材23が取り付けられているので、上記のように戻し流路24を油が流れる際において、戻し流路24から油が溢れたとしても、溢れた油は、円環状シール部材23で堰き止められて、第3溝部243を通って内部空間212へ落下する。したがって、上記(1)の効果を良好に発揮できる。
【0029】
(3)第1注ぎ口223及び第2注ぎ口224が、それぞれ、先端に、油垂れ防止用の返し2231、2241を、有しているので、油が注ぎ口223、224の下側へ回り込むのを抑制できる。したがって、戻し流路24を流れる油の量を低減できるので、上記(1)の効果を良好に発揮できる。
【0030】
(4)下ポット2に貯まった油を排出して再利用に供する場合に、再利用の料理に合わせて、2つの注ぎ口223、224の一方を選択して使用できる。したがって、下ポット2に貯まった油を、容易に且つ適切に、再利用に供することができる。
【0031】
(5)下ポット2の下ポット本体21がゴム部材25で覆われているので、使用者が下ポット2を把持した際に下ポット2に貯まった油の熱で火傷を負うのを、防止できる。よって、安全性を向上できる。
【0032】
(6)ゴム部材25の表面に滑り止め処理が施されているので、使用者が下ポット2を把持し損なうのを、防止できる。よって、この点からも、安全性を向上できる。
【0033】
(7)支持台3において、下ポット2が載置される空間が前方、後方、及び左右両方に開いているので、使用者は、窮屈さを感じることなく、容易に、下ポット2を支持台3に設置できる。よって、使用者の利便性を向上できる。
【0034】
(8)上支持部31が階段状の貫通孔34を有しているので、支持台3は、上ポット1を安定して支持できる。したがって、上ポット1内へ、使用済み油を安定して注ぎ入れることができる。よって、この点からも、安全性を向上できる。
【0035】
(9)下支持部32が凹面部321を有しているので、下ポット2をスライドさせて下支持部32上に載置できる。よって、下ポット2を支持台3に容易に設置できる。
【0036】
(10)凹面部321が前後方向に延びた多数のリブ3212を有しているので、下ポット2を円滑にスライドさせて下支持部32上に載置できる。よって、下ポット2を支持台3に容易に設置できる。
【0037】
(11)下支持部32が突き当たり部3211を有しているので、下ポット2を上ポット1の真下の位置に、容易に設置できる。よって、使用者の利便性を向上できる。
【0038】
(12)蓋12は、シンジオタクチックポリスチレン樹脂製であるので、良好な耐熱性及び耐久性を発揮できる。
【0039】
(13)蓋12は、ダークグレー色に着色されているので、日光で黄変しても目立たない。よって、良好な外観を維持できる。
【0040】
(14)注ぎ口用枠体22は、シンジオタクチックポリスチレン樹脂製であるので、良好な耐熱性及び耐久性を発揮できる。
【0041】
(15)注ぎ口用枠体22は、ダークグレー色に着色されているので、日光で黄変しても目立たない。よって、良好な外観を維持できる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の浄油器は、油を再利用に供する際に油が垂れるという問題を、より確実に解消できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0043】
1 上ポット
2 下ポット
21 下ポット本体
211 開口部
212 内部空間
22 注ぎ口用枠体
221 下部枠部
222 上部枠部
223 第1注ぎ口
224 第2注ぎ口
2231、2241 (油垂れ防止用の)返し
225 遮蔽版
226 貫通孔
23 円環状シール部材
24 戻し流路
25 ゴム部材
3 支持台
31 上支持部
32 下支持部
321 凹面部
3211 突き当たり部
34 貫通孔