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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】外殻分離装置
(51)【国際特許分類】
   A23N 4/02 20060101AFI20240617BHJP
   A23N 5/00 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
A23N4/02
A23N5/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020196432
(22)【出願日】2020-11-26
(65)【公開番号】P2022084493
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2023-11-03
(73)【特許権者】
【識別番号】519211340
【氏名又は名称】株式会社JUN建設
(73)【特許権者】
【識別番号】506137789
【氏名又は名称】株式会社ハラダ精工
(74)【代理人】
【識別番号】100195051
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 海幹
(72)【発明者】
【氏名】東 さつき
(72)【発明者】
【氏名】東井上 晃
(72)【発明者】
【氏名】東 和良
(72)【発明者】
【氏名】山下 純平
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-078594(JP,U)
【文献】中国実用新案第2701268(CN,Y)
【文献】中国実用新案第211510495(CN,U)
【文献】特開2016-039896(JP,A)
【文献】特開2002-262844(JP,A)
【文献】米国特許第07717033(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 4/02
A23N 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の果実の外殻と内部の核を分離する装置であって、
投入した果実を受け入れるホッパーを備えた供給部と、前記供給部から送出された果実から外殻と核を分離する分離部と、からなり、
前記分離部は、軸線方向を水平方向として垂直回転する外観視略円柱状のローラー部と、前記ローラー部の外周面に近接配置した押圧部と、で構成し、
前記ローラー部は、内部空間を有すると共に前記外周面には凹凸を有する受圧当接部を形成し、
前記受圧当接部は、前記内部空間と連通し外殻や核を前記内部空間に落下させるための複数の周面開口部を形成し、
前記押圧部は、前記受圧当接部と近接・離反自在とする付勢部を備えると共に、前記外周面の曲率に近似し前記外周面に沿って略弧状に形成した押圧当接部を備える、ことを特徴とする外殻分離装置。
【請求項2】
前記受圧当接部は、軸線方向を水平方向として各々間隙を設けて前記ローラー部の両端部の内側周縁間に複数介設した棒状の受圧凸部と、前記間隙で前記周面開口部をなす凹部と、からなることを特徴とする請求項1に記載の外殻分離装置。
【請求項3】
前記押圧当接部は、軸線方向を水平方向として各々間隙を設けて複数配設した棒状の押圧凸部からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の外殻分離装置。
【請求項4】
前記押圧凸部は、回動自在に軸支したことを特徴とする請求項3に記載の外殻分離装置。
【請求項5】
前記ローラー部の両端部の一側又は両側に前記内部空間と連通する側面開口部を形成し、前記ローラー部の前記内部空間には、平面視で前記両端部の一側又は両側の中心方向に傾斜した傾斜面を有する分散部を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の外殻分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の果実等の外殻と内部の種子等の核を分離する外殻分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植物の果実等は、例えば、被子植物の果実をなす桜桃や葡萄であれば外殻をなす柔らかい果肉は食用とされ、その内部に位置する核をなす固い種子は廃棄される。
【0003】
また、同じく被子植物の果実をなすエンドウや落花生であれば外殻をなす比較的固いサヤ等は廃棄され、核をなす比較的柔らかい豆は食用とされる。
【0004】
また、同じく被子植物のコーヒーノキにおいては、飲料としてのコーヒーを得ようとするとコーヒーの実(果実)から柔らかい外果皮や果肉を除去して精選し柔らかい種子(コーヒー豆)を取り出して乾燥し、固くしてから少なくとも焙煎前のコーヒー豆(生豆)の状態にしておく必要がある。
【0005】
更に、裸子植物のイチョウの種子をなす銀杏であれば外殻をなす固い外種皮等の殻は廃棄され、核をなす柔らかい外胚乳は食用とされる。
【0006】
このように、外殻と核に分離することが可能である植物の果実等は、柔らかい部位を食用として利用されることが多いが、近年では分離した固い部位やその他の部位にも利用価値が見出されて来ている。
【0007】
また、本発明者は、コーヒーの実の外殻には脳細胞を活性化させるとするトリゴネリンを多く含有していることや香り豊かであることから、実をそのまま焙煎してコーヒーとすることを見い出し特許出願(特願2019-108721)を行なうと共に、収穫後に短時間で腐敗する外殻と、従来の生豆としての核の両方を有効利用する場合には外殻と核を精度よく分離することも必要だと考えた。
【0008】
ここで、上述の果肉や種子等は、多くの場合、手や口や簡易な補助的な道具により外殻と核を容易に分離して食され利用されるが、外殻や核を大量に必要とするときはあまりにも煩雑な作業となるため手動若しくは自動の専用装置が必要となる。
【0009】
例えば、コーヒーの実から種子を取り出す器具として従来からパルパーと呼ばれる手動または自動の装置が用いられるが、これは、表面に複数の突起を形成した垂直回転の大型のドラムに対してドラムを囲繞する周壁との隙間でコーヒーの実を強制的に圧迫して外殻から核を分離するものであり、分離精度が悪く核への損傷も生じ易いため排出後の選別作業が煩雑となりながらもなおパルパーを使用した方が作業性は向上する。
【0010】
このような状況において、例えば、特許文献1に開示されている「ナッツ類の外殻割剥装置」は、円筒状の外周面に多数の殻割用の突起を有し、回転駆動される略水平配置のロータと、該ロータの外周の片方側面に沿って間隔を隔てて配置され、前記ロータ側の孤状内面に多数の殻割用の突起を有するステータと、該ステータと前記ロータとの間の間隙の上端に下端側を開口させ、殻付ナッツ類を該間隙に導入させるホッパーとを備え、前記ステータは、前記ロータの周面との間隙が下側に到るに従って狭くなる位置に配置させ、かつ前記ロータ周面から弾性的に離反自在に支持する支持具を介して移動自在に支持させてなるものである。
【0011】
すなわち、投入するナッツ類の粒径や外形のバラツキによる影響を抑えつつ割剥して外殻と核を分離することができるとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】実開昭63-078594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
確かに、特許文献1に係る「ナッツ類の外殻割剥装置」は、複数の突起を有し回転するロータと複数の突起を有するステータとの間にナッツ類が挟持されることで粒径や外形のバラツキによる影響を抑えつつ外殻を割剥できる点で優れている。
【0014】
しかしながら、ロータとステータとの隙間は下方に行くほど狭く形成されており、たとえ弾性支持具でステータによるナッツ類への負荷を適度に逃がしたとしても割剥した外殻と核はロータとステータとの隙間で保持されて逃げ場がないため、核はロータとの間でステータに押圧され損傷するものが生じてしまう。
【0015】
外殻が固いナッツ類においては、投入するナッツ類の粒径や外形を一定程度均一化することで上述した問題をある程度抑制できるが、外殻を果肉とする桜桃等の果実に用いた場合、固い種子が潰れた柔らかい果肉と一緒になった状態で排出されるため、排出後の外殻と核の選別が煩雑となってしまう。
【0016】
更に、本機構をコーヒーの実に用いた場合、柔らかい種子は損傷し易く、潰れた柔らかい果肉と混ざった状態で排出されるため、排出後の外殻と核の選別が煩雑となってしまうだけでなく、核からなるコーヒー豆の収穫歩留まりも大幅に低下してしまう。
【0017】
しかも、外殻である果肉を必要とする場合、果肉が潰れることにより果汁等の成分が減少してしまうため非常に効率が悪い作業となってしまう。
【0018】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、植物の果実等の外殻と内部の種子等の核を精度よく分離できるだけでなく、外殻や核への負荷を最小に抑えることができる外殻分離装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
以上のような目的を達成するために、本発明は以下のようなものを提供する。
【0020】
請求項1に係る発明では、植物の果実の外殻と内部の核を分離する装置であって、投入した果実を受け入れるホッパーを備えた供給部と、前記供給部から送出された果実から外殻と核を分離する分離部と、からなり、前記分離部は、軸線方向を水平方向として垂直回転する外観視略円柱状のローラー部と、前記ローラー部の外周面に近接配置した押圧部と、で構成し、前記ローラー部は、内部空間を有すると共に前記外周面には凹凸を有する受圧当接部を形成し、前記受圧当接部は、前記内部空間と連通し外殻や核を前記内部空間に落下させるための複数の周面開口部を形成し、前記押圧部は、前記受圧当接部と近接・離反自在とする付勢部を備えると共に、前記外周面の曲率に近似し前記外周面に沿って略弧状に形成した押圧当接部を備える、ことを特徴とする外殻分離装置
【0021】
請求項2に係る発明では、前記受圧当接部は、軸線方向を水平方向として各々間隙を設けて前記ローラー部の両端部の内側周縁間に複数介設した棒状の受圧凸部と、前記間隙で前記周面開口部をなす凹部と、からなることを特徴とする請求項1に記載の外殻分離装置を提供せんとする。
【0022】
請求項3に係る発明では、前記押圧当接部は、軸線方向を水平方向として各々間隙を設けて複数配設した棒状の押圧凸部からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の外殻分離装置を提供せんとする。
【0023】
請求項4に係る発明では、前記押圧凸部は、回動自在に軸支したことを特徴とする請求項3に記載の外殻分離装置を提供せんとする。
【0024】
請求項5に係る発明では、前記ローラー部の両端部の一側又は両側に前記内部空間と連通する側面開口部を形成し、前記ローラー部の前記内部空間には、平面視で前記両端部の一側又は両側の中心方向に傾斜した傾斜面を有する分散部を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の外殻分離装置を提供せんとする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1記載の発明によれば、植物の果実の外殻と内部の核を分離する装置であって、投入した果実を受け入れるホッパーを備えた供給部と、供給部から送出された果実から外殻と核を分離する分離部と、からなり、分離部は、軸線方向を水平方向として垂直回転する外観視略円柱状のローラー部と、ローラー部の外周面に近接配置した押圧部と、で構成し、ローラー部は、内部空間を有すると共に外周面には凹凸を有する受圧当接部を形成し、受圧当接部は、内部空間と連通し外殻や核を前記内部空間に落下させるための複数の周面開口部を形成し、押圧部は、受圧当接部と近接・離反自在とする付勢部を備えると共に、外周面の曲率に近似し外周面に沿って略弧状に形成した押圧当接部を備えることより、受圧当接部と押圧当接部との間で押圧される果実が外殻と核に分離した後は負荷の程度に応じて可及的に周面開口部からローラー部の内部空間に外殻や核が退避するため、必要以上の潰れや損傷を外殻や核に与えることがない。
【0026】
また、内部空間に落下した外殻や核は下方に位置した周面開口部から排出させることができ、また、落下により外殻と核の密着が防止され精度の高い分離を行なうことができる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、受圧当接部は、軸線方向を水平方向として各々間隙を設けてローラー部の両端部の内側周縁間に複数介設した棒状の受圧凸部と、間隙で周面開口部をなす凹部と、からなることより、果実等は受圧凸部の間に位置するため押圧当接部が押圧することで核が凹部に向かって少ない負荷で移動しながら外殻から分離し、そのままローラー部の内部空間に自然な流れで退避させることができる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、押圧当接部は、軸線方向を水平方向として各々間隙を設けて複数配設した棒状の押圧凸部からなることより、受圧凸部の間に位置する果実等に対してローラー部の回転に応じて押圧凸部が局所的な押圧力を段階的に与えることができるため、核が凹部に向かってより少ない負荷で移動しながら外殻から分離し、そのままローラー部の内部空間に自然な流れで退避させることができる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、前記押圧凸部は、回動自在に軸支したことより、受圧凸部の間に位置する果実等に対して押圧凸部によるローラー部の回転方向に抗する剪断力が大幅に軽減されるため外殻や核への負荷を極めて小さくすることができる。
【0030】
請求項5記載の発明によれば、ローラー部の両端部の一側又は両側に内部空間と連通する側面開口部を形成し、ローラー部の内部空間には、平面視で両端部の一側又は両側の中心方向に傾斜した傾斜面を有する分散部を備えたことより、周面開口部から内部空間に落下した外殻や核を下方に位置する周面開口部だけでなく側面開口部からも排出させることができるので、万一内部空間に外殻や核が堆積しそうになっても可及的に側面開口部から排出され、外殻と核の密着を防止し精度の高い分離を行なうことができる。
【0031】
また、分散部により周面開口部から内部空間に落下する外殻や核を傾斜面に接触させることで、外殻や核が周面開口部から内部空間に落下する位置が集中して内部空間で堆積することを防止できる。
【0032】
更に、平面視で両端部の一側又は両側の中心方向に傾斜した傾斜面により、外殻や核を側面開口部の方向に導くことができるので内部空間での堆積を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本実施形態に係る外殻分離装置の上方斜視図である。
図2】本実施形態に係る分離部の左上方斜視図である。
図3】本実施形態に係る分離部の正面部分断面図である。
図4】(a)は本実施形態に係るローラー部の正面部分透視図であり、(b)は(a)のA-A線断面図である。
図5】(a)は図4(a)のB-B線断面図で、(b)は図4(a)のC-C線断面図である。
図6】本実施形態に係る外殻分離装置で果実等が分離される様子を示す正面部分説明図である。
図7】本実施形態に係る外殻分離装置における投入物の流れを矢印で示す上方斜視図である。
図8】本実施形態に係る外殻分離装置の正面部分透視図である。
図9】本実施形態に係るスクリューコンベアの簡易分解斜視図である。
図10】本実施形態に係る分離部の右上方斜視図である。
図11】本実施形態に係る選別部と貯蔵部の上方斜視図である。
図12】(a)は本実施形態に係る貯蔵箱の上方斜視図で、(b)は本実施形態に係る排水部の上方斜視図である。
図13】(a)は本実施形態に係る選別部の様子を示す正面図で、(b)は他の様子を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明に係る外殻分離装置の要旨は、植物の果実等の外殻と内部の種子等の核を分離する装置であって、投入した果実等を受け入れるホッパーを備えた供給部と、供給部から送出された果実等から外殻と核を分離する分離部と、からなり、分離部は、軸線方向を水平方向として垂直回転する外観視略円柱状のローラー部と、ローラー部の外周面に近接配置した押圧部と、で構成し、ローラー部は、内部空間を有すると共に外周面には凹凸を有する受圧当接部を形成し、受圧当接部は、内部空間と連通する複数の周面開口部を形成し、押圧部は、受圧当接部と近接・離反自在とする付勢部を備えると共に、外周面の曲率に近似し外周面に沿って略弧状に形成した押圧当接部を備えることを特徴とする。すなわち、植物の果実等の外殻と内部の種子等の核を精度よく分離できるだけでなく、外殻や核への負荷を最小に抑えることができる外殻分離装置の提供を図ろうとするものである。
【0035】
以下、本発明に係る外殻分離装置1の一実施形態について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造や部品については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
【0036】
また、本明細書中の説明における左右とは、図8に示した正面視の外殻分離装置1を基準として紙面の右側を右とし、左側を左として説明し、前後とは、紙面の手前側を前とし、奥側を後ろとして説明し、上下とは紙面の上側を上とし、下側を下として説明する。
【0037】
また、本明細書中の説明においては、植物の果実等の塊の内部に種子等の分離可能な別の部位が内在する場合の当該部位を「核」と定義し、当該部位以外の部分を「外殻」と定義する。
【0038】
従って、本発明の装置への投入対象となるのは果実に限らず内部と分離可能な植物の塊であれば種子であってもよく、また、外殻の厚みや固さ、核の固さ等は対象によって様々である。
【0039】
本発明の実施形態に係る外殻分離装置1は、図1図2図6に示すように、投入した果実等Kを受け入れるホッパー44を備えた供給部43と、供給部43から送出された果実等Kから外殻Sと核Cを分離する分離部2と、からなり、分離部2は、軸線方向を水平方向として垂直回転する外観視略円柱状のローラー部3と、ローラー部3の外周面4に近接配置した押圧部18と、で構成し、ローラー部3は、内部空間11を有すると共に外周面4には凹凸を有する受圧当接部5を形成し、受圧当接部5は、内部空間11と連通する複数の周面開口部7を形成し、押圧部18は、受圧当接部5と近接・離反自在とする付勢部24を備えると共に、外周面4の曲率に近似し外周面4に沿って略弧状に形成した押圧当接部19を備えている。
【0040】
また、受圧当接部5は、軸線方向を水平方向として各々間隙を設けてローラー部3の両端部9,9の内側周縁間に複数介設した棒状の受圧凸部6と、その間隙で周面開口部7をなす凹部8とで構成している。
【0041】
また、図3に示すように、押圧当接部19は、軸線方向を水平方向として各々間隙を設けて複数配設した棒状の押圧凸部20で構成し、更に、押圧凸部20は、回動自在に軸支している。
【0042】
また、図4(a)、(b)に示すように、ローラー部3の両端部9,9の一側(又は両側)に内部空間11と連通する側面開口部10を形成し、ローラー部3の内部空間11には、平面視で両端部9,9の一側(又は両側)の中心方向に傾斜した傾斜面13を有する分散部12を備えている。
【0043】
上述の構成により、図6に示すように、受圧当接部5と押圧当接部19との間で押圧される果実等Kが外殻Sと核Cに分離した後は負荷の程度に応じて可及的に周面開口部7からローラー部3の内部空間11に外殻Sや核Cが退避するため、必要以上の潰れや損傷を外殻Sや核Cに与えることがない外殻分離装置1を提供することができる。
【0044】
以下、本実施形態に係る外殻分離装置1について具体的に詳述する。
【0045】
外殻分離装置1は、図1図7図8に示すように、複数の角材を用いて横長の略直方体に形成したフレーム64と、フレーム64の上方領域を略囲繞する台座66と、台座66の左方には平面視略正方形状の上方開口で下方右端中央部に向けて縮閉した当該位置に、下方に伸延しスクリューコンベア46側に若干屈曲した筒状の送出口45を形成したホッパー44を、台座66に立設した前側支持板68と後側支持板69とで支持固定している。
【0046】
台座66の略中央部には、ホッパー44の送出口45と連通するように配設したスクリューコンベア46を右側上方に向けて傾斜して配設することでホッパー44に投入した果実等Kを上方に導出することができ、本実施形態ではホッパー44とスクリューコンベア46とで供給部43を構成している。
【0047】
スクリューコンベア46は、図8図9に示すように、螺旋状のスクリュー47と、スクリュー用モーター48と、スクリュー用モーター48の駆動力をスクリュー47に伝達する図示しない減速機を内蔵した減速部49と、スクリュー用モーター48とスクリュー47との間に配設し減速部49に端部を接続した矩形板状の側面カバー50と、スクリュー47全体を略囲繞する脱着カバー53とで構成している。
【0048】
脱着カバー53は、円筒状の筒状部54を左方開口として形成し、スクリュー47が斜設する減速部49の開口に嵌合するよう形成すると共に左側上方にホッパー44の送出口45と連通する受入口55を周縁が突出するように穿設し、筒状部54の中央部には2つのヒンジ58で手前に開蓋可能な断面視略L字状の清掃用カバー56を形成すると共に清掃用カバー56の上面には透明板材からなる点検窓57を形成している。
【0049】
また、スクリュー47の先端部近傍に位置する筒状部54の右側下縁には、果実等Kを下方に落下させるための排出口59を周縁が突出するように穿設し、筒状部54の右端は、略中央部にスクリュー47の先端軸が貫通して軸支するスクリュー軸支孔62を穿設した矩形板状の軸支板60を筒状部54と一体に接続して右端を略閉蓋している。
【0050】
また、軸支板60の側面に形成した図示しない2つの雌ネジ孔に側面カバー50の右側端縁に穿設した2つのボルト孔51を介して螺入したボルト52によって側面カバー50に脱着カバー53を固定することができる。
【0051】
なお、スクリューコンベア46は、台座66に立設した矩形板状のコンベア固定ステー70の上部と側面カバー50の一側面とを図示しないボルトで螺着することで台座66上に傾斜状態で固定している。
【0052】
また、スクリューコンベア46には、排出口59から落下する果実等Kを所定方向に案内するために板材を屈曲して先端を略コ字状に形成した排出ガイド61を備えており、側面カバー50の右側下側面で接続している。
【0053】
次に、分離部2を構成するローラー部3と押圧部18について詳述する。
【0054】
ローラー部3は、図1図2に示すように、減速機を内在したローラー用モーター15により正面視時計方向に駆動し、軸線方向を水平方向として垂直回転する外観視略円柱状に形成している。
【0055】
モーター軸16は、台座66上にボルト72で螺着して立設した所定厚の板状で逆T字状の3つのモーター軸支板71の軸孔で軸支し、1つはモーター軸16の基端近傍へ、他の2つはローラー部3の両端部9,9を挟持するようにしてモーター軸16を軸支し、台座66にはこの対向するモーター軸支板71の間に送出開口部67を穿設して、台座66の上下からローラー部3が露出するようにしてローラー部3を配設している。
【0056】
ローラー部3は、円盤状で中央部にモーター軸16を軸止した2枚の端部9,9間に、外周面4をなし凹凸を有する受圧当接部5を形成しており、具体的には、軸線方向を水平方向として各々間隙を設けてローラー部3の両端部9,9の内側周縁間に複数介設した丸棒状の受圧凸部6と、その間隙で周面開口部7をなす凹部8により凹凸を形成している。
【0057】
すなわち、ローラー部3は、両端部9,9の中央にモーター軸16を有し、外周面4をなす受圧当接部5を複数の丸棒状の受圧凸部6で形成することで内部空間11をなし、内部空間11は周面開口部7を介して外部と連通している。
【0058】
また、モーター軸16には、図5(a)、(b)に示すように、ドーナツ状の抜け止め補強部17をモーター軸16と一体に形成して両端部9,9に接続し、回転時のローラー部3のガタツキ等を防止している。
【0059】
なお、本実施形態に係る受圧凸部6の形状は丸棒状として説明しているが、多角形や楕円等の断面を有する棒状体であってもよく、本実施形態に限定されるものではない。
【0060】
また、図4(a)に示すように、ローラー部3の両端部9,9の各々には内部空間11と連通する側面開口部10を形成しており、具体的には、受圧凸部6の内側において十字方向に対向する位置に受圧凸部6の配置に倣うようにして略楕円状の側面開口部10を4箇所穿設している。
【0061】
また、側面開口部10の受圧凸部6側の開口縁は、図5(b)に示すように、受圧凸部6の内側縁と段差無く面一となるように形成することで内部空間11に落下した外殻Sや核Cが側面開口部10からスムーズに排出させることができる。
【0062】
また、ローラー部3の内部空間11には、図5(a)に示すように、平面視で両端部9,9の各々の中心方向に傾斜した傾斜面13を有する分散部12を備えている。
【0063】
具体的に分散部12は、内部空間11において2つの円錐台形の下底同士が接合した形状で下底の端縁が受圧凸部6に近接し、両端の上底の中央部にモーター軸16を貫通固定して形成している。
【0064】
なお、本実施形態に係る分散部12は円錐台形の下底同士を接合した形状として説明しているが、分散部12の形状については本実施形態に限定されるものではない。
【0065】
次に、押圧部18は、図3図10に示すように、ローラー部3の回転方向に抗する外周面4の上方に近接配置し、受圧当接部5と近接・離反自在とする付勢部24を備えると共に、外周面4の曲率に近似し外周面4に沿って略弧状に形成した押圧当接部19を備えている。
【0066】
具体的には、押圧部18は、略L字状の2枚のステー32を上面に接続した矩形状の固定板30を4本のボルト31で台座66上に螺着し、対向するステー32,32の上方で挟持して左右2本のボルト33で螺着した正面視逆L字状のリンク34と、ローラー部3に向いたリンク34先端に枢支連結して左上方に傾斜した押圧当接部19と、同じくリンク34先端に枢支連結して垂下した剥離部39と、2枚のL字状部材を交互に接続して上方に伸延するようリンク34の側面に接続した付勢端固定部35と、付勢端固定部35に一端を略固定してローラー部3の上方に向けて平行配置した2つの付勢部24と、付勢端固定部35に一端を挿通して外側からナット37でストッパーを形成し付勢部24と同方向で付勢部24間に平行配置した調整軸36と、付勢部24と調整軸36の他端を固定すると共に押圧当接部19の後部上面に接続した略L字状の調整基準板38とで構成している。
【0067】
押圧当接部19は、軸線方向を水平方向として各々間隙を設けて複数配設した丸棒状の押圧凸部20を形成し、更に、押圧凸部20は、図示しないベアリング等で回動自在に軸支している。
【0068】
なお、本実施形態に係る押圧凸部20の形状は丸棒状として説明しているが、多角形や楕円等の断面を有する棒状体であってもよく、本実施形態に限定されるものではない。
【0069】
また、本実施形態に係る押圧凸部20は回動自在として説明しているが、固定されていてもよく、本実施形態に限定されるものではない。
【0070】
また、押圧当接部19の上端側は、可能な限りローラー部3の最上端近傍に配設することが望ましい。
【0071】
押圧当接部19の背後の上面には液体や気体等の流体を送出可能とする管を着脱自在とした継手21を形成し、押圧当接部19の内部には継手21と連通して押圧凸部20の方向に複数の噴出孔を備えた水路22を形成している。
【0072】
このように形成することで、例えば、水等の液体を用いれば果実等Kを分離する際の摩擦が大幅に低減され外殻Sや核Cの損傷を防止でき、更に、液体の消費を少量に抑えることができ、しかも、分離部の洗浄効果も発揮する。
【0073】
なお、コーヒーの実Kを外殻Sと核Cに分離する場合、コーヒーの実Kの内部に粘液質(ミューシレージ)が存在するため分離部2の当該部分に水を噴射しながらの分離は非常に有効なものとなる。
【0074】
また、押圧当接部19の上側端部には、スクリューコンベア46の排出口59から落下した果実等Kを所定方向に案内するために板材を屈曲して略コ字状に形成した受入ガイド23を備えている。
【0075】
付勢部24は、有底円筒状の筒体25の右端部に固設した固定軸26を付勢端固定部35に略固定し、内部には圧縮バネ28のみを配設すると共に筒体25の左端部には圧縮バネ28の伸縮方向に付勢力を受けつつも上下左右斜めの如何なる方向にも遊動自在とした遊動軸29を調整基準板38に略固定している。
【0076】
また、調整軸36は、螺刻した丸棒からなり他端側を調整基準板38に固定しつつ一端側はナット37をストッパーとしてナット37の位置を前後させることで付勢端固定部35と調整基準板38との間隙を調整自在としている。すなわち、調整軸36のナット37を進退調整することで受圧当接部5と押圧当接部19との間隙を調整自在としている。
【0077】
なお、調整軸36の進退調整の際には、付勢部24の一端側のナット27の位置調整を同時に行なうことで押圧当接部19の付勢力を自在に調整することもできる。
【0078】
また、付勢部24の構造は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内において種々の構成を採用することができる。
【0079】
また、図3に示すように、剥離部39は、ローラー部3側に凹状となる平面視コ字状に形成した飛散防止カバー40と、格子状の金属網を中途部で傾斜屈曲させ先端部を内側に巻回して受圧当接部5に近接配置した剥離網41と、で構成することで、分離した外殻S等の飛び散りを飛散防止カバー40により防止し、剥離網41によって受圧当接部5に付着した外殻S等を除去することができる。
【0080】
なお、飛散防止カバー40は上部の枢支連結構造により下方を左右に動かすことができ、剥離網41は飛散防止カバー40とは一体に接続しておらず、図示しない部品により台座66に固定されている。
【0081】
上述のように分離部2を構成することで、図6に示すように、ローラー部3と押圧部18により分離した外殻Sと核Cは台座66に穿設した送出開口部67から下方へ落下する。具体的には、ローラー部3の内部空間11を経由するものは周面開口部7や側面開口部10から落下し、それ以外は、押圧当接部19の下方でローラー部3の外周面4と剥離部39との間から下方へと落下していく。
【0082】
なお、分離部2は、図8の破線で示す上カバーXと下カバーYを設けることが望ましく、上カバーXは台座66の上方において分離部2から外方への外殻S等の飛散防止と台座66に穿設した送出開口部67への外殻S等の案内、下カバーYは台座66の下方において分離部2から落下する外殻S等の外方への飛散防止と下方の選別部75への外殻S等の案内の役割を果たすことができる。
【0083】
上カバーXは、下方開口の箱状で上部に排出ガイド61と受入ガイド23が貫通して露出する開口を穿設して送出開口部67と共に分離部2の上半部全体を囲繞し、図示しないボルトにより台座66上に固定している。
【0084】
下カバーYは、上下開口の筒状で台座66下から下方にかけて縮径し、飛散防止カバー40までの左方の送出開口部67と共にローラー部3の下半部全体を囲繞し、図示しないボルトにより台座66下に固定している。
【0085】
次に、分離された外殻Sと核Cを選別して貯蔵する選別貯蔵部74について詳述する。
【0086】
選別貯蔵部74は、図6図7図11図12(b)に示すように、選別部75と貯蔵部90と排水部106とで構成しており、分離部2で分離した外殻Sと核Cは下方に落下し、揺動する選別部75で選別され、選別部75の下方に位置する貯蔵部90の左側の第一貯蔵箱91に核Cが入り、右側の第二貯蔵箱92に外殻Sが入り、混入した液体は2つの貯蔵箱91,92の下方に配設した排水部106に溜まり、排水管115によって外部に排出される。
【0087】
具体的に選別部75は、図6図11に示すように、矩形状の枠体76の右側を第二貯蔵箱92の真上に位置して開口した外殻通過開口部78と、左側には分離対象とする核Cよりも大きく外殻Sよりも小さい開口を核通過開口部80とした格子状の金属網からなる核通過選別網79を形成している。
【0088】
また、核通過選別網79の左端近傍の中央部において、図13(a)に示すように、選別部75を設置した際に上方に位置するローラー部3の受圧当接部5に先端が接触する程度の接触揺動部81を上方に向けて斜設している。
【0089】
具体的には、接触揺動部81は、板状で左側に若干だけ傾斜した正面視略L字状のL字固定部83の縦片の右側面に、合成樹脂製で所定厚の板状で先端角部を正面視で右側が左側よりも倍の長さとなるようにして各々を略45°に形成した接触揺動片82を図示しないボルト等で接続して一体とし、L字固定部83の横片を核通過選別網79の上面に図示しないボルト等で接続している。
【0090】
また、図11に示すように、枠体76の対向する前後の枠77,77には、板材を屈曲してコ字状とした核案内部84を上方左右開放で左側下方の第一貯蔵箱91に向けて傾斜するようにして核案内部84の対向片85,85の右端部が核通過選別網79と外殻通過開口部78との境界近傍に位置するように接続している。
【0091】
また、枠体76の対向する前後の枠77,77の中央から左寄りの位置において、L字板状の吊下げ部86の一方の片87の端部を枢支連結し他方の片88を台座66の下底面に接続している。
【0092】
このように構成した選別部75は、図13(a)に示すように、接触揺動片82の先端部が受圧凸部6近傍に位置した状態で枠体76が右側下方に傾斜し、ローラー部3が時計回りに回転することで受圧凸部6と接触揺動片82との衝突が繰り返され、図13(b)に示すように、吊下げ部86で枢支連結した枠体76が核案内部84と共に左右側を上下に揺動し、図6の如く核Cは核通過選別網79や核案内部84から下方の第一貯蔵箱91に、外殻Sは外殻通過開口部78を通って下方の第二貯蔵箱92に落下して貯蔵される。
【0093】
貯蔵部90は、図12(a)に示すように、上方開口の直方体形状で底部を格子状とした通水網93で形成し、前方上側面に横長楕円状の把持部94を穿設した単独の第一貯蔵箱91と第二貯蔵箱92の2つで構成している。
【0094】
また、通水網93は、液体は通過するが外殻Sや核Cが下方に通過して落下しない程度の格子で形成している。
【0095】
排水部106は、図7図12(b)に示すように、フレーム64をなす右側下方の前後の角材上に架設し、上方開口の矩形箱状で中央部において前後に伸延した仕切板111を形成し、前外壁107を他の外壁よりも低く形成し、左右外壁110,110の内側壁と仕切板111の左右側壁に水平方向で前後に伸延した帯状の載置板112を前外壁107の高さに形成することで、載置板112の上に第一・第二貯蔵箱91,92を各々前方に引出し自在に載置可能としている。
【0096】
また、仕切板111で仕切られた左右の領域は液体が自由に移動できるように連通しており、右側の領域の後外壁108に穿設した排水孔109に排水管115を連通連設することで排水部106に溜まった液体は外部に排出される。
【0097】
次に、スクリューコンベア46のスクリュー47と、ローラー部3を自動回転させるための構成を簡単に説明する。
【0098】
スクリュー47を駆動するスクリュー用モーター48とローラー部3を駆動するローラー用モーター15は、各々図示しないモータードライバーで制御され駆動し、モータードライバーは同じく図示しない電源ユニット等と共に図1に示す台座66の下底面の左手前角部近傍に吊設した扉98付きの制御BOX97内に内蔵している。
【0099】
なお、電源ユニットには外部から電源を供給するためのコンセント付きのケーブルが配線されている。
【0100】
また、スクリュー47やローラー部3を駆動させるための電源ONスイッチ100と電源OFFスイッチ101は、ホッパー44を支持する前側支持板68に配設しており、スクリュー用モーター48とローラー用モーター15の回転速度を調節するためのスクリュー用調整レバー102とモーター用調整レバー103は電源ONスイッチ100と電源OFFスイッチ101の横に各々配設している。
【0101】
なお、外殻分離装置1は、ローラー用モーター15を駆動させずにモーター軸16を手回しで回動自在とする機構を採用しても良く、この場合、モーター軸16の先端にキー溝等の凸形状を形成し、当該部分に凸形状と係合するハンドルを設置することもできる。
【0102】
以上説明したように本実施形態に係る外殻分離装置1は構成しており、植物の果実等Kの外殻Sと内部の種子等の核Cを分離する装置であって、投入した果実等Kを受け入れるホッパー44を備えた供給部43と、供給部43から送出された果実等Kから外殻Sと核Cを分離する分離部2と、からなり、分離部2は、軸線方向を水平方向として垂直回転する外観視略円柱状のローラー部3と、ローラー部3の外周面4に近接配置した押圧部18と、で構成し、ローラー部3は、内部空間11を有すると共に外周面4には凹凸を有する受圧当接部5を形成し、受圧当接部5は、内部空間11と連通する複数の周面開口部7を形成し、押圧部18は、受圧当接部5と近接・離反自在とする付勢部24を備えると共に、外周面4の曲率に近似し外周面4に沿って略弧状に形成した押圧当接部19を備えることより、受圧当接部5と押圧当接部19との間で押圧される果実等Kが外殻Sと核Cに分離した後は負荷の程度に応じて可及的に周面開口部7からローラー部3の内部空間11に外殻Sや核Cが退避するため、必要以上の潰れや損傷を外殻Sや核Cに与えることがない。
【0103】
また、内部空間11に落下した外殻Sや核Cは下方に位置した周面開口部7から排出させることができ、また、落下により外殻Sと核Cの密着が防止され精度の高い分離を行なうことができる。
【0104】
また、受圧当接部5は、軸線方向を水平方向として各々間隙を設けてローラー部3の両端部9,9の内側周縁間に複数介設した棒状の受圧凸部6と、間隙で周面開口部7をなす凹部8と、からなることより、果実等Kは受圧凸部6の間に位置するため押圧当接部19が押圧することで核Cが凹部8に向かって少ない負荷で移動しながら外殻Sから分離し、そのままローラー部3の内部空間11に自然な流れで退避させることができる。
【0105】
また、押圧当接部19は、軸線方向を水平方向として各々間隙を設けて複数配設した棒状の押圧凸部20からなることより、受圧凸部6の間に位置する果実等Kに対してローラー部3の回転に応じて押圧凸部20が局所的な押圧力を段階的に与えることができるため、核Cが凹部8に向かってより少ない負荷で移動しながら外殻Sから分離し、そのままローラー部3の内部空間11に自然な流れで退避させることができる。
【0106】
また、押圧凸部20は、回動自在に軸支したことより、受圧凸部6の間に位置する果実等Kに対して押圧凸部20によるローラー部3の回転方向に抗する剪断力が大幅に軽減されるため外殻Sや核Cへの負荷を極めて小さくすることができる。
【0107】
また、ローラー部3の両端部9,9の一側又は両側に内部空間11と連通する側面開口部10を形成し、ローラー部3の内部空間11には、平面視で両端部9,9の一側又は両側の中心方向に傾斜した傾斜面13を有する分散部12を備えたことより、周面開口部7から内部空間11に落下した外殻Sや核Cを下方に位置する周面開口部7だけでなく側面開口部10からも排出させることができるので、万一内部空間11に外殻Sや核Cが堆積しそうになっても可及的に側面開口部10から排出され、外殻Sと核Cの密着を防止し精度の高い分離を行なうことができる。
【0108】
更に、分散部12により周面開口部7から内部空間11に落下する外殻Sや核Cを傾斜面13に接触させることで、外殻Sや核Cが周面開口部7から内部空間11に落下する位置が集中して内部空間11で堆積することを防止できる。
【0109】
しかも、平面視で両端部9,9の一側又は両側の中心方向に傾斜した傾斜面13により、外殻Sや核Cを側面開口部10の方向に導くことができるので内部空間11での堆積を防止することができる。
【0110】
以上、本発明の本実施形態に係る外殻分離装置1の好ましい実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0111】
K 果実等
S 外殻
C 核
1 外殻分離装置
2 分離部
3 ローラー部
4 外周面
5 受圧当接部
6 受圧凸部
7 周面開口部
8 凹部
9 端部
10 側面開口部
11 内部空間
12 分散部
13 傾斜面
18 押圧部
19 押圧当接部
20 押圧凸部
24 付勢部
43 供給部
44 ホッパー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13