(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】袋供給装置
(51)【国際特許分類】
B65B 43/04 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
B65B43/04
(21)【出願番号】P 2020005614
(22)【出願日】2020-01-17
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000142850
【氏名又は名称】株式会社古川製作所
(72)【発明者】
【氏名】中元 秀一
(72)【発明者】
【氏名】余頃 純一
(72)【発明者】
【氏名】芦谷 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】松本 哲彦
(72)【発明者】
【氏名】木曽 将央
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205010549(CN,U)
【文献】実開平06-078205(JP,U)
【文献】特開平05-193605(JP,A)
【文献】特開2011-116400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/04
B65B 41/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブフィルムを巻回したフィルムロールを軸支し、前記チューブフィルムを繰り出すリール機構と、前記リール機構から繰り出された
前記チューブフィルムを案内するテーブルと、前記テーブル上の
前記チューブフィルムを挟持してスライド機構により
前記テーブル前端側へ引き出すクリップ機構と、前記クリップ機構で引き出された
前記チューブフィルムを押え、所定の長さにカットするカット押え装置と、を備えた袋供給装置であって、
前記クリップ機構は、
前記カット押え装置で裁断された
前記チューブフィルムの前端両側をフィンガー部で挟持するクリップを備え、
前記スライド機構により、
前記チューブフィルムの前端両側を
前記フィンガー部で挟持する後方の位置と、
前記チューブフィル
ムを所定の位置まで引き出す前方の位置との間を往復可動し、
前記クリップ機構が
前記チューブフィルムの前端両側を
前記フィンガー部で挟持する後方の位置に後退すると、それまで支持されていた
前記チューブフィルムの前端両側の
前記テーブル側縁からはみ出したつかみ代を上下に開いた
前記フィンガー部で支持しつつ、挟持して前方の位置に引き出す、
ことを特徴とする袋供給装置。
【請求項2】
前記テーブルの前端側の横幅が
前記チューブフィルムの横幅よりも狭く、
前記テーブルの前端側の側縁からはみ出した
前記チューブフィルムの前端両側のつかみ代を支持する袋支持ガイドを前記テーブルの前端側に設け、
前記クリップ機構が、裁断された
前記チューブフィルムの前端両側を
前記フィンガー部で挟持する後方の位置まで後退すると、
前記チューブフィルムの前端両側を支持していた前記袋支持ガイドが後方に後退し、
前記テーブルの側縁からはみ出した
前記チューブフィルムの前端両側のつかみ代を上下に開いた
前記フィンガー部が支持しつつ、挟持する、請求項1に記載の袋供給装置。
【請求項3】
前記テーブルは、テーブル本体と中間テーブルと前端テーブルとからなり、前記中間テーブルと
前記前端テーブルの横幅が
前記チューブフィルムの幅より小さく、前記テーブル本体と
前記中間テーブルとの間、
前記中間テーブルと
前記前端テーブルとの間がスライドして伸長可能で、
前記中間テーブルと
前記前端テーブルとの間が、
前記カット押え装置の刃物が入り込む隙間が設けられ、
前記中間テーブルより幅が広く
前記チューブフィルムの前端部を支持可能な幅を有する
前記袋支持ガイドを備え、前記袋支持ガイドは、ダンパー機構に支持され、
前記クリップ機構と、前記ダンパー機構により、
前記中間テーブルの前端部を前後方向に往復動する
請求項2に記載の袋供給装置。
【請求項4】
前記テーブルの前端側に、
前記チューブフィルムを裁断する際に
前記チューブフィルムを支持するとともに、裁断された後の
前記チューブフィルムの前端部が垂れ下がらないように支持する裁断台が設けられ、
前記裁断台は、固定部と可動部からなり、
前記固定部と
前記可動部には幅方向にカット機構の刃物が入り込む隙間を設け、
前記可動部はダンパー機構に取付けられて前後方向に出退し、
前記可動部の後退により
前記チューブフィルムの先端部に
前記クリップ機構の
前記クリップのつかみ代を設ける請求項1に記載の袋供給装置。
【請求項5】
前記テーブルは、下段のメインテーブルと、
前記メインテーブル上を前後方向にスライド可能な可動テーブルと、
前記可動テーブルと接触することなく、
前記メインテーブルの後部に固定された上部テーブルとから構成され、
前記メインテーブルの下部に
前記ダンパー機構が配置され、
前記ダンパー機構のベース部に
前記裁断台の
前記固定部が連結し、
前記ダンパー機構のダンパー軸に
前記裁断台の
前記可動部が取り付けられ、
前記クリップ機構が
前記ダンパー軸に当接すると、
前記可動部は後方に退避し、
前記チューブフィルムの前端側両側が浮いてつかみ代ができる請求項4に記載の袋供給装置。
【請求項6】
前記クリップ機構は、一対の前記フィンガー部を開閉する開閉機構を備え、直線方向にスライドする
前記スライド機構に設けられ、
前記クリップ機構の
前記開閉機構は、一対の
前記フィンガー部に、それぞれラックが取り付けられ、前記ラック間にはピニオンが歯合し、前記ラックの一方にスプリングが外嵌するロッドが設けられ、前記ロッドの下端部には車輪が軸支し、前記車輪が回転しながら往復動する昇降レールの昇降動により、前記車輪と
前記ロッドを介して
前記ラックが
前記ピニオンにより逆方向に移動して前記フィンガー部を開閉する請求項1に記載の袋供給装置。
【請求項7】
前記クリップ機構の
前記フィンガー部は、
前記チューブフィルムの前端部を支持する突片が前方に突出し、
前記チューブフィルムの前端部を支持している
請求項1に記載の袋供給装置。
【請求項8】
前記カット押え装置は、
刃物を備えたカット機構と第1押え機構と第2押え機構とからなり、前記第1押え機構の第1押え片は前記刃物より後方側の前記チューブフィルムを押え、前記第2押え機構の第2押え片は、前記刃物より前方側の前記チューブフィルムを押え、前記刃物は前記第1押え機構と前記第2押え機構で押えられた前記チューブフィルムを裁断する請求項1に記載の袋供給装置。
【請求項9】
カット押えユニットは、ユニット本体と、サブユニットとから構成され、前記ユニット本体は、前記メインテーブル上を前後方向にスライドする取付けアームを備え、前記取付けアームの取付け板に
カット機構と
第1、第2の押え機構を取付けた
カット押え装置を備え、前記サブユニットは、前記固定部と前記可動部からなる前記裁断台を備え、前記固定部が前記ダンパー機構の前記ベース部に固定され、前記可動部が前記ダンパー機構の前記ダンパー軸に取付けられ、
前記取付けアームと、前記可動テーブルと、前記裁断台の前記固定部及び前記可動部とが、前記ダンパー機構を介して連結されており、袋のサイズの変更に際して、前記ユニット本体を前後方向にスライドすることにより、前記ダンパー機構がスライドするとともに、前記可動テーブル、前記裁断台の前記固定部及び前記可動部がともにスライドして袋の裁断位置に合わせる
請求項5に記載の袋供給装置。
【請求項10】
フィルムロールを軸支し、前記フィルムロールからチューブフィルムを繰り出すリール機構と、前記リール機構から繰り出された
前記チューブフィルムを案内するテーブルと、前記テーブル上の
前記チューブフィルムを挟持して
前記テーブル前端側へ引き出すクリップ機構と、前記クリップ機構で引き出された
前記チューブフィルムを押えて所定の長さにカットするカット押え装置とを備えた袋供給装置の制御方法であって、
前記クリップ機構のクリップにより
前記チューブフィルムを挟持し、スライド機構により
前記テーブル前端側へ引き出すステップと、
前記カット押え装置の刃物により裁断した
前記チューブフィルムの前端縁の位置を検知するステップと、
センサーが裁断された
前記チューブフィルムの前端縁が所定の位置より浅いと検知すると、前記クリップ機構の
前記クリップは
前記チューブフィルムを放して浅い分だけ後方側に移動し、再度
前記チューブフィルムを挟持して
前記テーブル前端側へ引き出すステップと、を有することを特徴とする袋供給装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムロールから繰り出されたチューブフィルムを裁断し、クリップ機構で挟持して包装装置に供給する袋供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の梱包袋供給装置は、原反ロール(フィルムロール)を回転駆動する回転駆動機、原反送り機および溶着切断機を順次配置した梱包袋製造部から構成されている。前記梱包袋供給装置は、事前に、原反ロールが回転駆動機に装填され、フリーロールを介して原反送り機のロール間に通され、溶着切断機の位置まで、原反を繰出す。また、回転駆動機とフリーロールとの間において、原反の上面にテンションロールを載せている。
【0003】
特許文献2は、筒形フィルム(チューブフィルム)を送り出して製袋を行う製袋装置のフィルムの送り制御装置を開示している。この製袋装置のフィルムの送り制御装置は、フィルムに付されたマークの監視時点を決定する位置が計算され、マークを検出した場合にフィルムの送り速度を変える減速開始位置と停止位置とを計算し、マークを検出しない場合に入力データに基づいて減速開始位置と停止位置等を計算する演算装置と、この演算装置の値から変換された所定パルス数と、前記計数手段により計数された実パルス数とを比較して前記モータ装置の駆動を制御する制御装置とを備える。
【0004】
特許文献2は、袋の長さや切断位置からフィルムに付されたマークまでの長さ等のデータを入力手段によって入力することにより、フィルムの送りが最適に制御されるものである。たとえマークの検出がされない場合にも、初期の入力データに基づきフィルムの送りが制御され、マークが数回続けて検出されない時にはモータ装置の作動を停止するように構成されているため、製袋作業が円滑に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-285378
【文献】特開平8-25523
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、回転駆動機による原反ロールのフィルムの送りを制御する方法は開示されていない。これに対して、特許文献2は、送りローラによる筒形フィルムの送りを最適に制御するものである。しかし、従来、筒形フィルムを送り出す際に、筒形フィルムが蛇行するため、蛇行修正機能を実装する必要があった。前記特許文献2には、そのような蛇行修正機能は開示されていない。
【0007】
本発明は、フィルムロールからチューブフィルムを繰り出し、チューブフィルムを引き出す際にフィルムが蛇行しにくい袋供給装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の袋供給装置は、チューブフィルムを巻回したフィルムロールを軸支し、前記チューブフィルムを繰り出すリール機構と、前記リール機構から繰り出された前記チューブフィルムを案内するテーブルと、前記テーブル上の前記チューブフィルムを挟持してスライド機構により前記テーブル前端側へ引き出すクリップ機構と、前記クリップ機構で引き出された前記チューブフィルムを押え、所定の長さにカットするカット押え装置と、を備えた袋供給装置であって、前記クリップ機構は、前記カット押え装置で裁断された前記チューブフィルムの前端両側をフィンガー部で挟持するクリップを備え、前記スライド機構により、前記チューブフィルムの前端両側を前記フィンガー部で挟持する後方の位置と、前記チューブフィルムを所定の位置まで引き出す前方の位置との間を往復可動し、前記クリップ機構が前記チューブフィルムの前端両側を前記フィンガー部で挟持する後方の位置に後退すると、それまで支持されていた前記チューブフィルムの前端両側の前記テーブル側縁からはみ出したつかみ代を上下に開いた前記フィンガー部で支持しつつ、挟持して前方の位置に引き出す、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の袋供給装置の制御方法は、フィルムロールを軸支し、前記フィルムロールからチューブフィルムを繰り出すリール機構と、前記リール機構から繰り出されたチューブフィルムを案内するテーブルと、前記テーブル上のチューブフィルムを挟持してテーブル前端側へ引き出すクリップ機構と、前記クリップ機構で引き出されたチューブフィルムを押えて所定の長さにカットするカット押え装置とを備えた袋供給装置の制御方法であって、前記クリップ機構のクリップによりチューブフィルムを挟持し、スライド機構によりテーブル前端側へ引き出すステップと、前記テーブル上に残ったチューブフィルムを前記クリップで挟持し、センサーにより、チューブフィルムの前端縁の位置を検知するステップと、センサーがクリップの挟持位置がチューブフィルムの前端縁の所定の位置より浅いと検知すると、前記クリップ機構のクリップはチューブフィルムを放して浅い分だけ後方側に移動し、再度チューブフィルムを挟持してテーブル前端側へ引き出すステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の袋供給装置は、前記構成により、クリップ機構でチューブフィルムの前端両側を挟持する際の挟持ミスが少なくなる。さらに、本発明の袋供給装置の制御方法は、前記構成により、包装機への袋の受け渡しミスが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例1の袋供給装置の使用状態の正面図
【
図6】フィルムロールの正面図およびチューブフィルムの平面図
【
図8】本発明の実施例1の袋供給装置の使用状態の部分平面図
【
図9】本発明の実施例1の袋供給装置の使用状態の部分平面図
【
図10】本発明の実施例1の袋供給装置の使用状態の部分平面図
【
図11】本発明の実施例1の
カット押え装置の使用状態図
【
図12】本発明の実施例1のスライド機構の使用状態図
【
図13】本発明の実施例1のスライド機構の使用状態図
【
図15】本発明の実施例2の袋供給装置の背面側斜視図
【
図16】本発明の実施例2の袋供給装置の部分分解斜視図
【
図18】本発明の実施例2の袋供給装置の部分側面図
【
図19】本発明の実施例2の袋供給装置の部分斜視図
【
図20】本発明の実施例2の袋供給装置の使用状態図
【
図21】本発明の実施例2の袋供給装置の使用状態図
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
(袋供給機構の基本構造)
図1は、本発明の袋供給装置の使用状態の正面図であって、包装機はロータリー式包装機11である。ロータリー式包装機11は、回転するロータ11Bの外周縁部に一対のクランプアーム11Aを複数装備しており、各クランプアーム11Aの先端に、チューブフィルム51から切り取られた袋51Aの側部を挟持するクランプを備えている。袋受け渡し装置12のチャック部12Aは、袋供給装置1上の袋51Aをロータリー式包装機11のクランプアーム11Aに受け渡す。ロータリー式包装機11は、ロータ11Bの回転により各セクションで包装作業を行う。本発明は、ロータリー式包装機以外に直線式や楕円式の包装機であってもよい。なお、符号の10は、コントロールボックスである。
【0013】
本発明の袋供給装置1は、チューブフィルム51を巻回したフィルムロール5を軸支し、前記チューブフィルム51を繰り出すリール機構4と、前記リール機構4から繰り出されたチューブフィルム51を案内するテーブル3と、テーブル3上のチューブフィルム51を挟持してテーブル3の前端側へ引き出すクリップ機構7と、前記クリップ機構7で引き出されたチューブフィルム51を押えて所定の長さにカットするカット押え装置6とを備えている。袋供給装置1の構成はフレーム2に装備されており、脚柱21間に架け渡された上棚22と下棚23に配置されている。下棚23には、リール機構4を配置し、上棚22には、テーブル3と、クリップ機構7と、カット押え装置6とを配置している。以下に、順次、前記構成を説明する。
【0014】
(リール機構)
図1に示すように、下棚23の上にフィルムロール5を軸支する軸45が取り付けられている。前記フィルムロール5は、後述するチューブフィルム51を巻回したもので、新しいフィルムロール5を軸45にセットすることができる。フィルムロール5に隣接してダンサーロール41が設けられている。このダンサーロール41の下端部にはエアシリンダ42が垂直に設けられており、このエアシリンダ42のピストンロッドを伸縮させることにより、ダンサーロール41を上下動させることができる。このダンサーロール41の上下動により、フィルムロール5からチューブフィルム51が繰り出される。
【0015】
44は、ブレーキ機構であって、前記ダンサーロール41により繰り出される際にチューブフィルム51が必要以上に空転してダンサーロール41の手前で弛まないよう設けられている。ただし、ブレーキ機構44は、図示するような構造のものに限定されるものではない。さらに、脚柱21の側部にはガイドローラ43が取り付けられており、前記のようにフィルムロール5からチューブフィルム51がダンサーロール41により繰り出され、ガイドローラ43によりテーブル3側に導かれる。
【0016】
(チューブフィルム)
次に、
図6を用いて前記チューブフィルム51について説明する。チューブフィルム51は、シート状のフィルムを折り重ねて一側縁を溶着してチューブ状に形成したものや、2枚のシートを重ねて両側縁を溶着して、チューブ状に形成したもの、その他、その種類は問わない。前記チューブフィルム51の幅方向には、所定間隔でシール54がなされている。前記シール54に平行してミシン目53が後方側(チューブフィルム51の送り方向を前とし、反対側を後とする。)に設けられている。このミシン目53は、カット押え装置6の刃物61Bによって押し切って、袋51Aに分離する。なお、このミシン目53の代わりに、チューブフィルム51を鋭利な刃物で切断してもよいが、鋭利で無い刃物61Bでミシン目53を切り離す方が誤ったところを切断することが少なくなる利点がある。
【0017】
チューブフィルム51の一側で、ミシン目53の後方に、マーク52が印刷されている。このマーク52は、特許文献2に記載されているように、チューブフィルム51の送りを制御する際に使用する。
図2に示すように、このマーク52をテーブル3の側部に設けられたマーク検出センサー52Aにより検出する。検出結果に基づいて、制御装置は、正確にチューブフィルム51の送りピッチを決定する。
【0018】
(テーブル)
図7に示すように、テーブル3は大きく3つの部分から構成されている。即ち、テーブル3は、後方から、テーブル本体31、中間テーブル32、前端テーブル33とから構成されている。前記テーブル本体31と中間テーブル32との間、中間テーブル32と前端テーブル33との間がスライドしてテーブル3の全体の長さを伸縮できる。中間テーブル32と前端テーブル33との間が、カット機構61の刃物61Bが入り込む隙間34が設けられている。テーブル3の各部分が前後方向にスライドして長さが変えられるのは、袋51Aの寸法に合わせるためである。
【0019】
前記のテーブル本体31は、基板の前方側の中央部が長方形状に切り抜かれており、全体の形状は、平面視においてC字状をしている。このC字形の基板の開口部31Aの両側部に切欠き部31Bが形成されており、後述する袋支持ガイド9が後退した時に退避できるよう構成されている。なお、このテーブル本体31の横幅は、袋供給装置1の横幅と略同じである。このテール本体31の長方形状に切り抜かれ部分に、長方形の中間テーブル32がスライド可能に嵌め込まれている。
【0020】
前記中間テーブル32の前側には、隙間34を開けて前端テーブル33が配置されている。前記隙間34は、カット押え装置6の刃物61Bが入り込める寸法に設定されている。前記中間テーブル32と前端テーブル33の前後方向の位置を変えることにより、隙間34の位置を変えることができる。前記前端テーブル33は、第1前端小テーブル33Aと第2前端小テーブル33Bの2つの部材から構成されている。第1前端小テーブル33Aは細身の逆C字形をしており、この第1前端小テーブル33Aの開口部31Aに、第2前端小テーブル33BのE字形の太い中央部が前後方向にスライド可能に嵌め込まれている。袋51Aの寸法に応じて、前記第2前端小テーブル33Bをスライドして前端テーブル33の長さを変えることができる。
【0021】
前記中間テーブル32と前端テーブル33の横幅はチューブフィルム51の横幅よりも狭い。このように、中間テーブル32と前端テーブル33の横幅が狭いのは、前記両テーブル32、33の側縁からはみ出したチューブフィルム51の両側縁をクリップ機構7のクリップ71により挟持するためである。なお、前記テーブル本体31の両側には、
図1に示すように、逆L字形の取付脚24Aが設けられており、この両側の取付脚24Aの間に取付板24Bが架設され、
図2に示すように、前記取付板24Bに、第1押えシリンダ62B,第2押えシリンダ63B、カットエアーシリンダ61Aが取付けられている。
【0022】
(クリップ機構およびスライド機構)
クリップ機構7を取り付けたスライド機構8は、長尺な電動アクチュエータ81を用いている。
図5に示すように、電動アクチュエータ81は、支持台88を介して上棚22の長手方向の中央部に固定されている。電動アクチュエータ81は、上部長手方向に、スリット87が開けられている。このスリット87に沿って移動する、クリップ機構7を取り付けるスライダ82を備えている。電動アクチュエータ81の前端側と後端側にはリミットセンサー84が設けられ、後端側のリミットセンサー84の内側に、原点センサー83が設けられている。
【0023】
図4に示すように、電動アクチュエータ81のスライダ82上に、クリップ機構7を取り付けるための取付板85が架け渡されている。取付板85の両端部に固定部86が取付けられている。この固定部86に、ラック72A、72Bとピニオン72Cを納めたギアボックス72Dが固定されている。クリップ機構7は、クリップ71と、前記クリップ71のフィンガー部71Aを開閉する開閉機構72と、前記開閉機構72を稼働するための昇降機構73とから構成されている。
図4に示すように、テーブル3の両側に、前記クリップ71(フィンガー部71A)と、開閉機構72が配置され、テーブル3上のチューブフィルム51を両側から挟持して前方に引き出している。
【0024】
前記クリップ71は、一対のフィンガー部71Aからなり、チューブフィルム51の側部を上下からフィンガー部71Aで挟持する。フィンガー部71Aは板状に形成され、
図8-
図10に示すように平面視においてL字形をしており、内側面には滑り止めが取付けられている。フィンガー部71AをL字形に形成することにとり、L字形の突片が前方に突出し、チューブフィルム51の前端部を突片が水平に支持し、フィンガー部71Aが挟持する際の失敗がなくなる。
【0025】
開閉機構72は、一対の前記フィンガー部71Aの一端に、それぞれ第1ラック72Aと第2ラック72Bが取り付けられ、前記ラック72A、72B間にはピニオン72Cが歯合している。外側に配置された第1ラック72Aには、スプリング71Bが外嵌するロッド71Cが延設しており、ロッド71Cの下端部には車輪72Eが軸支し、車輪72Eが回転しながら昇降レール73Dの上を往復動する。昇降レール73Dの昇降動により、車輪72Eとロッド71Cを介して前記一対の第1、第2ラック72A、72Bがピニオン72Cにより逆方向に移動してフィンガー部71Aを開閉する。
【0026】
昇降機構73は電動アクチュエータ81の下部に配置されている。昇降機構73はレール昇降シリンダ73Aを備え、レール昇降シリンダ73Aのピストンロッドに、
図2に示すような昇降フレーム73Bが水平に取り付けられている。この昇降フレーム73Bは、フレーム2に取り付けられたスライダ73Cによりスムースに上下方向に昇降する。昇降フレーム73Bの両側には昇降レール73Dが水平に取り付けられ、前記のように、この昇降レール73Dの上を車輪72Eが回転しながら往復移動する。
【0027】
(
カット押え装置)
図11に示すように、カット押え装置6は、中間テーブル32と前端テーブル33の間の上方に配置されている。カット押え装置6は、カット機構61と、第1押え機構62と、第2押え機構63とから構成されている。カット機構61は、カットエアーシリンダ61Aに刃物61Bが取り付けられ、中間テーブル32と前端テーブル33の間の隙間34まで下降してチューブフィルム51のミシン目53を裁断する。刃物61Bは、薄板であっ て、前記のように鋭利である必要は無く、ミシン目53が押し切れればよい。この刃物61Bは、第1押え機構62と、第2押え機構63の間に配置されている。
【0028】
第1押え機構62は、第1押えシリンダ62Bが取付板24Bの後部面に取り付けられ、前記第1押えシリンダ62Bのピストンロッドに第1押え片62Aが取り付けられている。第1押え片62AはC字形をしており、中間テーブル32の前端上部に位置する。第2押え機構63は第2押えシリンダ63Bが取付板24Bの前部面に取り付けられ、前記第2押えシリンダ63Bのピストンロッドに第2押え片63Aが取り付けられている。第2押え片63AはL字形をしており、前端テーブル33の後端上部に位置する。
【0029】
第1押え機構62の第1押え片62Aは中間テーブル32上のチューブフィルム51を押え、第2押え機構63の第2押え片63Aは、前端テーブル33上のチューブフィルム51を押え、刃物61Bは第1押え機構62と第2押え機構63で押えられたチューブフィルム51の中間を裁断する。
【0030】
(袋支持ガイド)
袋支持ガイド9は、中間テーブル32上のチューブフィルム51を刃物61Bで裁断した際に、チューブフィルム51の前端両側部が下方に曲がらないように支持する。即ち、前記したように、中間テーブル32の横幅はチューブフィルム51の横幅より狭いので、チューブフィルム51をカット押え装置6の刃物61Bで切断した場合に、中間テーブル32で支持されていないチューブフィルム51の前端部の両側部が下方に曲がるおそれがある。チューブフィルム51の前端部が下方に曲がると、クリップ機構7のフィンガー部71Aで挟持する際に挟持ミスが発生する。袋支持ガイド9は、中間テーブル32よりも幅が広く、チューブフィルム51の前端部を支持できるため、裁断された前記前端部の両側を水平に支持できる。
【0031】
袋支持ガイド9は、正面視において、T字形をしており、このT字形の下部がダンパー機構91のダンパー軸92に取り付けられている。袋支持ガイド9は中間テーブル32の下部を横切るように配置され、袋支持ガイド9の両端部が中間テーブル32から突き出ている。前記ダンパー機構91は、支持部94によりテーブル本体31の開口部31Aの両側底面に支持されている。なお、ダンパー軸92にバネ93が外嵌しており、袋支持ガイド9を常時、前方に付勢している。ダンパー機構91とクリップ機構7の当接部74により、袋支持ガイド9が前後方向に往復動する。この作用については後述する。
【0032】
(作用)
次に、前記袋供給装置1の作用について、説明する。
図1に示すように、フィルムロール5をリール機構4の軸45にセットし、チューブフィルム51を引き出してダンサーロール41、ガイドローラ43に架け渡す。さらに、チューブフィルム51を引き出して、テーブル3上に乗せ、チューブフィルム51の前端縁がテーブル3の隙間34に来るようにセットする。同時に、チューブフィルム51の前端縁をカット押え装置6の第1押え片62Aで押えて準備が完了する。準備完了後、ロータリー式包装機11および袋供給装置1のスタートボタンを押して作業がスタートする。
【0033】
スタートボタンを押すと、電動アクチュエータ81が起動して、
図8に示すように、クリップ機構7がチューブフィルム51の前端部を挟持するために、後方に移動を開始する。さらに、
図9に示すように、クリップ機構7がチューブフィルム51の前端部まで後退して停止する。
【0034】
図12は、当接部74がダンパー機構91のダンパー軸92に当接する前の状態を示している。この
図12では、袋支持ガイド9がチューブフィルム51の前端両側部を下方に曲がらないように支持している。
図12の状態では、クリップ機構7のフィンガー部71Aは、開閉機構72および昇降機構73の作用により、上下に開いた状態である。
【0035】
図13は、クリップ機構7がチューブフィルム51の前端両側に後退した状態を示している。
図13では、当接部74が袋支持ガイド9のクッション部材95に当接して、バネ93の付勢力に抗しながら、ダンパー軸92を後方に押し込んでいる。ダンパー軸92が押し込まれて、袋支持ガイド9に支持されていたフィルムロール5の前端両側が浮き上がった時に、袋支持ガイド9に代わってフィンガー部71Aがチューブフィルム51の前端両側を支持する。その際、クリップ機構7のレール昇降シリンダ73AがOFFとなり、昇降機構73のスプリング71Bの作用によりフィンガー部71Aが閉じて、チューブフィルム51の前端両側を挟持する。
【0036】
前記のように、クリップ71のフィンガー部71Aがチューブフィルム51の前端部を挟持した後、電動アクチュエータ81が起動して、クリップ機構7が前方に移動する。クリップ機構7が前方に移動すると、
図10に示すように、チューブフィルム51は前方に引き出されて、クリップ機構7は停止する。引き出されたチューブフィルム51の後部は、
図11の上段の状態にある。
【0037】
前記のように、チューブフィルム51が前方に引き出されて停止した後、
図11の中段に示すように、カット押え装置6の第1押え機構62と、第2押え機構63がチューブフィルム51のミシン目53の後方と前方を押える。押さえる順序は、第1押え片62Aと第2押え片63Aが同時に押えてもよいし、第1押え片62Aが押えた後、第2押え片63Aが押さえるようにしてもよい。
【0038】
その後、
図11の下段に示すように、刃物61Bにより、ミシン目53からチューブフィルム51を裁断する。同時に、袋受渡し装置12のチャック部12Aが、チューブフィルム51を裁断した袋51Aの前端部を挟持すると同時に、クリップ71のフィンガー部71Aがチューブフィルム51を離す。その後、
図1に示すように、袋受渡し装置12が回転して袋51Aをロータリー式包装機11のクランプアーム11Aに受け渡す。この工程から後は、前記のチューブフィルム51をセットした状態になるので、ロータリー式包装機11の包装作業を継続するには上記の手順を繰り返す。
【0039】
なお、チューブフィルム51のミシン目53は、必ずしも正確な位置に設けられるとは限らない。そのため、ミシン目53が刃物61Bの直下よりも多少、前後方向にずれてしまうことがある。ただし、ミシン目53が多少ずれても、チューブフィルム51は、弱いミシン目53の部分で裁断される。しかし、ミシン目53が刃物61Bの直下よりも後方にずれると、クリップ71のフィンガー部71Aはチューブフィルム51の通常の挟持位置より浅く挟持することになる。挟持する位置が浅いと、袋受渡し装置12が袋51Aをロータリー式包装機11のクランプアーム11Aに受け渡す際に、クランプアーム11Aの挟持ミスが発生するおそれがある。そこで、取付板24Bに取り付けられたセンサー(図示せず。)が、チューブフィルム51の前端の位置が所定の位置より後方にあると検知すると、クリップ71(フィンガー部71A)は、チューブフィルム51を一旦、放して浅い分だけ後方側に移動し、再度チューブフィルム51を挟持し直す。逆に、挟持する位置が深くても、前記のような挟持ミスが発生しないので、そのまま袋51Aの供給作業を継続する。なお、センサーは、ファイバセンサーやCCDカメラなどを使用する。
【実施例2】
【0040】
次に、本発明の実施例2について説明する。
図14は、実施例2の袋供給装置1の正面図、
図15は斜視図である。この実施例2は、前記実施例1と基本的な構成は同じであるので、以下において相違点を中心に説明する。なお、図面の符号は、同じ構成および部材については同一の符号を使用する。この実施例2の袋供給装置1もロータリー式包装機11や直線式、楕円式の包装機に袋を供給する装置である。
【0041】
(リール機構)
実施例2の袋供給装置1もリール機構4を備えている。実施例2は、
図14、
図15および
図17に示すように、フレーム2の下部の両側の下枠23Aに、リニアレール46が取り付けられており、このリニアレール46上にスライドブロック46Aを介してスライド棚47が前後方向にスライド可能に乗せられている。この実施例2では、スライド棚47上にリール機構4が配置されている。リール機構4のダンサーロール41は、スライド棚47の中央部に設けられている。ダンサーロール41の下端部にエアシリンダ42が取り付けられ、エアシリンダ42がダンサーロール41を上下に駆動する。なお、実施例2では、脚柱21の上部のガイドローラ43は、クラウンタイプのロールを用いて、チューブフィルム51の蛇行を押えている。
【0042】
さらに、スライド棚47の後部に、フィルムロール5をセットする軸45が水平に取り付けられている。軸45の自由端は、脚柱21に取付けられたC字形の支持片45Aに支持されている。スライド棚47の後端には、キャスター付きロッド48が取り付けられている。キャスター付きロッド48により、スライド棚47を前方に移動してリール機構4をフレーム2内に格納する。リール機構4がフレーム2内に格納されると、包装作業時にリール機構4が邪魔にならない。スライド棚47を引き出すことにより、フィルムロール5の交換が容易になる。
【0043】
なお、スライド棚47の前部にストッパー47Aが設けられており、スライド棚47の移動範囲を規制している。スライド棚47の前端縁には磁石47Bが取り付けられ、フレーム2の鉄部材に吸着して、スライド棚47が飛び出さないようになっている。図示していないが、スライド棚47と下枠23Aに接触センサーが設けられ、リール機構4がフレーム内に適正に格納されているか検知する。なお、49は泥除けを示し、床から跳ね上がる泥水等からフィルムロール5を保護する。
【0044】
(テーブル)
テーブル3は、
図16に示すように、フレーム2の上棚22の上方に配置された3枚の板体から構成されている。即ち、テーブル3は、下段のメインテーブル35と、メインテーブル35上を前後方向にスライド可能な可動テーブル36と、可動テーブル36と接触することなく、メインテーブル35の後部に固定された上部テーブル37とから構成されている。テーブル3は、前記フィルムロール5から引き出されたチューブフィルム51を案内する。
【0045】
前記メインテーブル35は、
図16に示すように、特異な形状をしており、略正方形の基板部35Aと、基板部35Aの前縁中央部から前方方向に突出する長方形状の架設部35Cとから構成されている。架設部35C上には補強板35cが取り付けられている。基板部35Aは、横幅がフレーム2の横幅と略同一で、長さはフレーム2の前後方向の約1/3である。基板部35Aは、上棚22の後部の上枠22Aに設けられたテーブル35Bの上部に固定されている。基板部35Aには、前記架設部35Cの後部両側から後方に向かって、前端側が開放した長いスリット351と短いスリット352が形成されている。さらに、基板部35Aの両側部に、両端が開放していないサイドスリット353が前後方向に形成されている。これらのスリット351、352の役割については後述する。
【0046】
前記架設部35Cの前端部は、フレーム2の上棚22の前側の上枠22Aに取り付けられた門型板25の中央部に固定されている。前記門型板25は、上部中央に支持片25Aが後方側に折り曲げられ、この支持片25A上に前記架設部35Cの前端部が固定されている。架設部35Cおよび補強板35cには、長いスライド用スリット354が形成されている。このスライド用スリット354に、後述するカット押えユニット65Aの裁断台66aの固定部66cがロックピン66eを介して取り付けられている。
【0047】
前記可動テーブル36は略正方形であって、前端側の中央部に、僅かに上方へ折れ曲がった突片36Aが突出している。この突片36Aは、裁断台66aの固定部66cとは連結しておらず、可動テーブル36と裁断台66aとの間でチューブフィルム51を支持する。可動テーブル36の底部には、ダンパー機構66bが連結金具66mを介して取り付けられている。可動テーブル36の中央部に後端側が開放した太くて長いスリットと、このスリットの両側に短いスリットが形成されている。これらのスリットは、袋51Aの寸法を変える際に、可動テーブル36を後方にスライドする時に、上部テーブル37を固定するピンと干渉しないように形成されている。
【0048】
前記上部テーブル37は略正方形をしており、この上部テーブル37の両側、前後方向には、チューブフィルム51をガイドするガイドバー37Aが設けられている。このガイドバー37Aは、チューブフィルム51の幅に応じて調整する。上部テーブル37の後端部の底側にボールネジ37Bが軸受け37Cにより支持され、両側にナット37Dが嵌め込まれている。ボールネジ37Bの一側にハンドル37Eが取り付けられており、ハンドル37Eでボールネジ37Bを回転して、両側のナット37Dを逆方向に移動して両側のガイドバー37Aの幅方向の間隔を変えることができる。
【0049】
(カット押えユニット)
チューブフィルム51をカットするカット押え装置6は、実施例1とは異なりユニット化されている。カット押えユニット65は、カット機構61や押え機構62、63を備えたユニット本体65Aと、裁断するチューブフィルム51を乗せる裁断台66aを備えたサブユニット66Aとから構成されている。ユニット本体65Aは、前記メインテーブル35の基板部35Aの両側に取り付けられているリニアレール35D上にスライドブロック65aを介して設けられている。従って、ユニット本体65Aは、袋51Aのサイズを変更する際に、前後方向にスライドして袋51Aの裁断位置に合わせることができる。なお、前記サブユニット66Aもユニット本体65Aがスライドする際に、一体となってスライドする。
図22は、袋51Aのサイズを変更する際のカット押えユニット65を示している。実線で示したカット押えユニット65は、長いサイズの袋51Aを必要とする場合の位置を示している。仮想線で示したカット押えユニット65は、短いサイズの袋51Aを必要とする場合の位置を示している。矢印で示す間で、カット押え装置6と裁断台66aが移動して袋51Aのサイズを変更できる。
【0050】
前記ユニット本体65Aは、太い逆L字形の一対の取付けアーム65bを備えている。前記カット押え装置6は、一対の取付けアーム65bの前端間に架け渡された取付板65cに取り付けられている。カット押え装置6は、実施例1のカット押え装置6と略同一であるので、詳細は省略する。前記したように、基板部35Aの両側部に、サイドスリット353が形成されている。このサイドスリット353には、
図18に示すように、下方からボルト356が挿通され、ユニット本体65Aを基板部35Aに固定している。袋51Aのサイズを変更する際は、前記ボルト356をゆるめて、ユニット本体65Aをサイドスリット353に沿って前後方向にスライドする。65dは、保護カバーであって、取付けアーム65bの外側に取り付けられている。なお、図示していないが、作業者の安全のため他にも保護カバーを設ける。
【0051】
図18に示すように、取付けアーム65bの内壁の前部に、エアーノズル65eが取り付けられている。このエアーノズル65eは、前記カット押え装置6の刃物61Bでチューブフィルム51を裁断した際に、裁断されたチューブフィルム51の前端部が静電気等で前記刃物61Bに付着して持ち上がるのを防止する。チューブフィルム51の前端部が持ち上がると、クリップ機構7の挟持ミスが起こるので、エアーノズル65eからエアーを噴射してチューブフィルム51の前端部を裁断台66aに押さえ付ける。
【0052】
前記取付けアーム65bの内壁で、エアーノズル65eの後部に、直角三角形のブラケット65fが設けられ、このブラケット65fの下部にマーク検出センサー52Aが取り付けられている。前記マーク検出センサー52Aは、実施例1のマーク検出センサー52Aと同様に、チューブフィルム51の送りピッチを決定するために設けられているが、実施例2では前記マーク検出センサー52Aが両側に設けられ、異なる種類のフィルムロール5でも対応できる。さらに、マーク検出センサー52Aの後部には、フィルム押え片52Bが取り付けられ、チューブフィルム51がテーブル3上で波打って検知ミスを起こさないようにしている。
【0053】
前記サブユニット66Aは、裁断台66aとダンパー機構66bとによって構成され、可動テーブル36が取り付けられている。前記裁断台66aは、前方に送られるチューブフィルム51を支持すると共に、カット機構61の刃物61Bでチューブフィルム51を裁断する際に、裁断された後のチューブフィルム51の端部が下方に垂れ下がらないように支持する。チューブフィルム51をカット機構61の刃物61Bで裁断した後、チューブフィルム51の前端部が垂れ下がると、クリップ機構7のフィンガー部71Aで挟持する際に挟持ミスが発生する。
【0054】
図19に示すように、前記裁断台66aは、中央の固定部66cと、両側の可動部66dとから構成されている。固定部66cと可動部66dは、
図22に示すように2枚の逆L字形の板材をT字形に合わせた構成である。これらの固定部66cと可動部66dは、逆L字形の板材間に、カット機構61の刃物61Bが入り込むための隙間66nを設けている。前記したように、固定部66cの裏面には、ロックピン66eの上端が接合している。ロックピン66eの下端は、架設部35Cと補強板35cの前記スライド用スリット354を挿通して連結板66fに固定されている。連結板66fはダンパー機構66bのベース部66gに連結しており、袋サイズを変更するために、ユニット本体65Aによりダンパー機構66bがスライドすると、連結板66fを介して同じ寸法だけ固定部66cも前後方向にスライドする。
【0055】
前記ダンパー機構66bは、2本のダンパーの前端部をベース部66gで連結している。それぞれダンパー軸66hの前端部は、裁断台66aの一対の可動部66dが取り付けられている。このため、
図20に示すように、クリップ機構7(図示せず。)の当接部74が前記ダンパー軸66hの前端部に当接すると、可動部66dは後方に退避する。可動部66dが退避することにより、チューブフィルム51の前端部が浮いて、つかみ代Lができる。このつかみ代Lをクリップ機構7のフィンガー部71Aが上下から挟持して、チューブフィルム51を前方へ引き出す。
【0056】
クリップ機構7のフィンガー部71Aがチューブフィルム51を前方に引き出すと、クリップ機構7の当接部74が可動部66dから離れる。前記ダンパー軸66hに外嵌するバネ66iにより、可動部66dは固定部66cの両側まで移動する。このように、実施例2の裁断台66aは、実施例1の袋支持ガイド9と同様な働きをする。
【0057】
ダンパー軸66hの後端部には、検知センサー66kが取り付けられ、前記バネ66iにより、ダンパー軸66hが正常に復帰しているか否かを検知している。バネ66iが弱くて、ダンパー軸66hが戻っていなければ、裁断台66aにカット押え装置6の刃物61Bがぶつかり、刃物61Bが損傷する恐れがある。なお、前記バネ66iは、寸法が長いと付勢力が弱まるので、短い2本のバネ66iを用い、中間部分にカップリング66jを介在させて強度を上げている。
【0058】
図18に示すように、ダンパー機構66bは、メインテーブル35の下部に位置している が(
図16は、作図上から、ダンパー機構66bをメインテーブル35上に示す。)、このメインテーブル35とは接合しておらず、可動テーブル36と接合している。即ち、ダンパー機構66の前記ベース部66gと、前記可動テーブル36の底部とが、一枚の連結金具66mで連結されている。前記連結金具66mは、架設部35Cおよび補強板35cとは接触していない。このため、ユニット本体65Aによりダンパー機構66bがスライドすると、ダンパー機構66bと可動テーブル36が一体にスライドする。袋51Aのサイズを変更する際、ダンパー機構66bを後方にスライドすると、連結金具66mがメインテーブル35の基板部35Aにあたり、必要なだけ
カット押えユニット65を後方にスライドできなくなる。このため、
図16に示すように、基板部35Aに、前端側が開放した短いスリット352が形成されている。
【0059】
ダンパー機構66bのベース部66gの下部に、スライドブロック46Aが取り付けられている。スライドブロック46Aは、メインテーブル35の下方に位置する中棚35eに設けられたリニアレール35f上に乗っている。ダンパー機構66bは、スライドブロック46Aを介してリニアレール35f上をスライドする。
図16に示すように、中棚35eの前縁中央にはリニアレール35fを乗せるための長方形の突出部35gが形成されている。さらに、この突出部35gの上部に長い支持板35hが重ねて取り付けられ、この支持板35hの前端は門型板25の上部中央に固定されている。この支持板35hは、ダンパー軸92の先端部に取り付けられた補強スライダ66pを支持して、裁断台66a上でチューブフィルム51を裁断する際に、突出部35gだけでは十分ではない裁断台66aにかかる力を支える。
【0060】
前記のように、カット押えユニット65のユニット本体65Aとサブユニット66Aを一体に前後方向にスライドするため、ユニット本体65Aの取付けアーム65bとダンパー機構66bとは、
図16に示す連結片65gにより連結されている。連結片65gはメインテーブル35の中央部に形成された長いスリット351を通り、メインテーブル35の下面のダンパー機構66hのベース部66gと連結している。このため、ユニット本体65Aが前方にスライドすると、ダンパー機構66bも前方にスライドするが、可動テーブル36の長いスリット351は、連結片65gが移動できるよう長く形成している。
【0061】
図18に示すように、取付板65cには、ファイバセンサー67が取り付けられている。このファイバセンサー67は、実施例1で説明したように、カット機構61の刃物61Bで裁断した、裁断台66a上のチューブフィルム51の前端の位置を検知する。実施例1で説明したように、所定の位置より浅いと検知すると、クリップ71(フィンガー部71A)は、再度チューブフィルム51を挟持し直すようにする。
【0062】
(クリップ機構およびスライド機構)
クリップ機構7は、スライド機構8に取り付けられ、スライド機構8によって、テーブル3に沿って、前後方向にスライドする点は実施例1と同じである。ただし、スライド機構8は、実施例1のように、スリット87が無く、電動アクチュエータ81上に、クリップ機構7を取り付けたスライダ82が往復移動する点が相違する。取付けアーム65bには、スライド機構8の原点位置を検知する原点センサー68が取り付けられ、スライド機構8の側部に取り付けられた検知板68Aを検知する。
図21は、クリップ機構7のスライドする距離dを示している。この距離dは袋51Aのサイズによって決定される。即ち、前方のクリップ機構7の位置は、常に同じであるが、後方にスライドしたクリップ機構7の位置は、袋サイズに応じて決定され、原点センサー68の取付位置も変更される。なお、グリップ機構7を昇降する昇降機構73は、実施例1と略同じであるので、符号を同じくして詳細は省略する。
【0063】
図19に示すように、クリップ機構7を取り付けるための取付板85が電動アクチュエータ81の上部を横切ってスライダ82に固定されている。取付板85の両端部に、ラック72A、72Bとピニオン72Cを納めたギアボックス72Dが固定されている。前記取付板85の後部中央には、当接部74が取り付けられている。この当接部74は門型をしており、この当接部74の上部前後方向に、2本のショックアブソーバー74Aが取り付けられている。このショックアブソーバー74Aは、当接部74がダンパー機構66bの可動部66dが当たった際の衝撃音を小さくする。なお、クリップ機構7は前記実施例1と略同一であるが、フィンガー部71Aは、
図19に示すようにF字形をしている。このフィンガー部71Aは、袋受渡し装置12のチャック部12Aにより、確実にチューブフィルム51の端部を挟むことができる。なお、この実施例2にも、フィンガー部71Aの内側に、滑り止めが取付けられている。
【0064】
(他の実施例)
前記実施例では、グリップ機構7を昇降レール73Dの昇降により、フィンガー部71Aを開閉したが、本発明ではフィンガー部71Aの開閉は、かかる構成による必要はなく、直接、アクチュエータ(図示せず。)により、フィンガー部71Aを開閉してもよい。さらに、スライド機構8は、前記のような電動アクチュエータ81に限定されるものではなく、モータとボールネジ等を組み合わせたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の袋供給装置は、ロータリー式包装機などの包装機に連続して包装袋を供給することのできる袋供給装置に応用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 袋供給装置,11 ロータリー式包装機,11A クランプアーム,11B ロータ,12 袋受渡し装置,12A チャック部,2 フレーム,21 脚柱,22 上棚,22A 上枠,23 下棚,23A 下枠,24A 取付脚,24B 取付板,25 門型板,3 テーブル,31 テーブル本体,31A 開口部,31B 切欠き部,32 中間テーブル,33 前端テーブル,33A 第1先端テーブル,33B 第2先端テーブル,34 隙間,35 メインテーブル,35A 基板部,35B テーブル,35C 架設部,35c 補強板,35D リニアレール,35e 中棚,35g 突出部,35h 支持板,351 長いスリット,355 支持片,36 可動テーブル,37 上部テーブル,4 リール機構,41 ダンサーロール,43 ガイドローラ,45 軸,45A 支持片,46 リニアレール,47 スライド棚,47B 磁石,48 キャスター付きロッド,5 フィルムロール,51 チューブフィルム,51A 袋,52 マーク,52A マーク検知センサー,52B フィルム押え片,53 ミシン目,54 シール,6 カット押え装置,61 カット機構,61A カットエアーシリンダ,61B 刃物,62 第1押え機構,62A 第1押え片,62B 第1押えシリンダ,63 第2押え機構,63A 第2押え片,63B 第2押えシリンダ,65 カット押えユニット,65A ユニット本体,65a スライドブロック,65b 取付けアーム,65c 取付板,65d 保護カバー,65e エアーノズル,65f ブラケット,65g 連結片,66A サブユニット,66a 裁断台,66b ダンパー機構,66c 固定部,66d 可動部,66f 連結板,66g ベース部,66h ダンパー軸,66i バネ,66j カップリング,66k 検知センサー,66m 連結金具,66n 隙間,66p 補強スライダ,67 ファイバセンサー,68 原点センサー,68A 検知板,7 クリップ機構,71 クリップ,71A フィンガー部,71B スプリング,71C ロッド,72 開閉機構,72A 第1ラック,72B 第2ラック,72C ピニオン,72D ギアボックス,72E 車輪,73 昇降機構,73A レール昇降シリンダ,73B 昇降フレーム,73C スライダ,73D 昇降レール,74 当接部,74A ショックアブソーバー,8 スライド機構,81 電動アクチュエータ,82 スライダ,83 原点センサー,84 リミットセンサー,85 取付板,86 固定部,87 スリット,9 袋支持ガイド,91 ダンパー機構,92 ダンパー軸,93 バネ,94 支持部,95 クッション部材,