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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】印鑑提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240617BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240617BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q50/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020090622
(22)【出願日】2020-05-25
(65)【公開番号】P2021189463
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】390017891
【氏名又は名称】シヤチハタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150430
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 元
(74)【代理人】
【識別番号】100217191
【弁理士】
【氏名又は名称】林 信吾
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 慎磨
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-168601(JP,A)
【文献】特開2002-373294(JP,A)
【文献】特開2002-269201(JP,A)
【文献】特開2002-248742(JP,A)
【文献】特開2020-181377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ印鑑を提供するシステムであって、
ユーザが入力した印面内容に基づいて作成された印鑑の印面情報を管理する第1管理手段と、
前記第1管理手段で管理される印面情報について所定の基準を満たすか否かを判定する判定手段と、
標準的な印鑑の印面情報を管理する第2管理手段と、
前記判定手段により前記所定の基準を満たすと判定された印面情報を前記第2管理手段に登録する登録手段と、を備え
前記所定の基準を満たすと判定された印面情報が前記第2管理手段に登録された場合、当該登録された印面情報は、前記標準的な印鑑の印面情報と同類のものとして管理され、
前記第2管理手段で管理される印面情報に基づいて作成される印鑑が、ユーザからの要求に応じて提供可能とされる
ことを特徴とする印鑑提供システム。
【請求項2】
印鑑をユーザに提供する側の提供側装置と、
印鑑を作成する側の作成側装置と、を備え、
前記提供側装置は前記第2管理手段を含み、
前記作成側装置は、前記第1管理手段、前記判定手段及び前記登録手段を含み、
前記提供側装置と前記作成側装置とがネットワークを介して通信可能に接続され、
前記登録手段は、前記所定の基準を満たすと判定された印面情報を前記提供側装置に転送して前記第2管理手段に登録する
ことを特徴とする請求項1に記載の印鑑提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに提供される印鑑の印面情報を管理するシステム、方法及び印鑑を提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、受注サーバとネットワークを介して接続される発注端末を発注者(ユーザ)が操作して氏名印を発注できるようにしたシステムが知られている(例えば特許文献1を参照)。このシステムでは、発注者が入力した氏名(かな)に対応する選択可能な漢字が発注端末の画面に表示されるものとなっており、そこには常用漢字と特殊な漢字の双方が表示される。ユーザは、発注端末の画面に表示された漢字(印面内容)を選択することで、常用漢字による氏名印(標準的な氏名印)だけでなく特殊な漢字による氏名印(標準的でない氏名印)もオンラインで発注可能となり、これにより所望の氏名印を入手することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-7807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように、常用漢字と特殊な漢字の双方が表示される場合、所望する氏名印が常用漢字によるものであるユーザにとっては、特殊な漢字の表示は余計な情報の表示となり、所望する氏名印が特殊な漢字によるものであるユーザにとっては、常用漢字の表示は余計な情報の表示となる。このような余計な情報も含めて表示内容を確認しなければならないのは、ユーザ(氏名印の提供を受ける者)にとって手間であり、利便性に欠ける。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、印鑑を提供するにあたっての利便性を向上させることが可能なシステム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用した。
【0007】
手段1の印鑑提供システムは、
ユーザ印鑑を提供するシステムであって、
ユーザが入力した印面内容に基づいて作成された印鑑の印面情報を管理する第1管理手段と、
前記第1管理手段で管理される印面情報について所定の基準を満たすか否かを判定する判定手段と、
標準的な印鑑の印面情報を管理する第2管理手段と、
前記判定手段により前記所定の基準を満たすと判定された印面情報を前記第2管理手段に登録する登録手段と、を備え
前記所定の基準を満たすと判定された印面情報が前記第2管理手段に登録された場合、当該登録された印面情報は、前記標準的な印鑑の印面情報と同類のものとして管理され、
前記第2管理手段で管理される印面情報に基づいて作成される印鑑が、ユーザからの要求に応じて提供可能とされる
ことを要旨とする。
【0008】
本システムによれば、ユーザが入力した印面内容に基づいて作成された印鑑の印面情報(第1管理手段で管理される印面情報)のうち、所定の基準を満たした印面情報は、標準的な印鑑の印面情報と同類のものとして第2管理手段で管理されるようになる。そして、第2管理手段で管理される印面情報に基づいて作成される印鑑が、ユーザからの要求に応じて提供可能とされる。これにより、標準的な印鑑として管理される印鑑の種類を限定的に増やすことでユーザが所望する印鑑を選択しやすくし、利便性を向上させることが可能となる。また、標準的な印鑑の印面情報が管理される管理手段(第2管理手段)への無駄な登録を回避することも可能である。
【0009】
なお、「印鑑」には、ゴム印や硬質印、浸透印等の現物としての印鑑の他、印影を画像データ化した印影イメージを端末に表示された電子文書に貼り付けることにより、端末上で捺印することができる電子印鑑が含まれる(以下同じ)。また、「印面情報」とは、印面文字、書体(フォント)、印面枠形状、印面サイズ、色、印面レイアウト(縦書き、横書き、小付き有無、改行有無など)、印影イメージ等、印面(印影)を構成する情報を意味する(以下同じ)。
【0012】
手段印鑑提供システムは、手段印鑑提供システムにおいて、
印鑑をユーザに提供する側の提供側装置と、
印鑑を作成する側の作成側装置と、を備え、
前記提供側装置前記第2管理手段を含み
前記作成側装置、前記第1管理手段、前記判定手段及び前記登録手段を含み
前記提供側装置と前記作成側装置とがネットワークを介して通信可能に接続され、
前記登録手段は、前記所定の基準を満たすと判定された印面情報を前記提供側装置に転送して前記第2管理手段に登録する
ことを要旨とする。
【0013】
本システムによれば、ユーザが入力した印面内容に基づいて作成された印鑑の印面情報が作成側装置で管理され、そのうちの所定の基準を満たした印面情報が提供側装置に転送され、第2管理手段に登録される。これにより、印面情報の効率的な管理及び提供が可能となる。
【発明の効果】
【0020】
以上の本発明によれば、印鑑の提供にあたり利便性を向上させることが可能なシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本形態に係るシステムの構成図である。
図2】印面テーブルの一例を示す図である。
図3】電子印鑑設定処理のフローチャートである。
図4】印面リクエスト処理のフローチャートである。
図5】印面情報管理処理のフローチャートである。
図6】(A)は設定画面の一例を示す図であり、(B)は印面内容入力画面の一例を示す図である。
図7】(A)及び(B)は登録対象となる印面情報の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。以下では、ユーザに提供される印鑑が、氏名印の印影を画像データ化した電子印鑑である場合を例に説明する。
【0023】
[システムの全体構成]
本実施の形態(以下「本形態」という。)のシステムは、図1に示すように、ユーザが使用する端末1と、電子印鑑を利用した電子署名のサービスを提供する事業者(以下「サービス提供事業者」という。)が保有するサービス提供サーバ2と、電子印鑑を作成する事業者(以下「電子印鑑作成事業者」という。)が保有するWebサーバ3及び管理サーバ4と、インターネット等のネットワーク5とを含んで構成される。サービス提供サーバ2は「提供側装置」の一例であり、Webサーバ3及び管理サーバ4は「作成側装置」の一例である。
【0024】
サービス提供事業者は、電子文書に電子印鑑を捺印(貼付)することでその文書に電子署名を施すことができる機能(「電子署名サービス」ともいう。)を企業や個人等に提供する者である。電子印鑑作成事業者は、電子署名サービスで使用可能な標準的な電子印鑑をサービス提供事業者に提供する者である。サービス提供事業者に提供された電子印鑑は、電子署名サービスを利用するユーザにサービス提供事業者から提供される。なお、本形態でいうユーザは、電子署名サービスの提供先が企業である場合、その企業の社員を指し、個人である場合、その個人を指す。また、標準的な電子印鑑とは、例えば、現物の印鑑で所謂「既製品」として扱われる印面(印影)で構成されるものであり、迅速な提供が可能とされるものである。また、ユーザは電子印鑑作成事業者に所望する電子印鑑を直接注文することもでき、この場合、注文を受けて作成された電子印鑑(印影イメージ)が電子印鑑作成事業者からユーザに直接提供されて、これを電子署名に使用することができる。こうした流れが、図1に示すシステムにより実現される。
【0025】
[端末の構成]
次に、ユーザが使用する端末1について説明する。図1では、ユーザが使用する端末(「ユーザ端末」ともいう。)として1台の端末1を示しているが、その数は1台に限られず、ユーザの数に応じて変動し得るものであり、実際には複数台のユーザ端末が存在するのが通常である。また、端末1(ユーザ端末)は、一人のユーザが単独で使用する端末であっても、複数人のユーザが共用する端末(共用端末)であってもよい。
【0026】
端末1(ユーザ端末)は、パーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン、タブレットなどの通信端末である。図1に示すように、端末1は、処理部11、記憶部12、通信部13、表示部14及び操作部15を含んで構成される。この構成(ハードウェア構成)は、公知の通信端末が備える一般的な構成である。
【0027】
処理部11は、端末1の作動を制御するための各種処理を実行するものであり、CPU(Central Processing Unit)等により構成される。処理部のことを「制御部」ともいう。記憶部12は、端末1を作動させるOS(Operating System)や各種アプリケーションのプログラム、その他端末1の作動に必要なデータが記憶されるものであり、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)、揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)、補助記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)等により構成される。アプリケーション(アプリケーションソフトウェア)には、電子文書を作成するための文書作成ソフト、電子文書を閲覧するための文書閲覧ソフト、Webページを閲覧するためのWeb閲覧ソフト(Webブラウザ)等が含まれる。
【0028】
通信部13は、ネットワーク5を介して、サービス提供サーバ2やWebサーバ3とデータ通信を行う。表示部14は、各種の情報を表示するものであり、液晶ディスプレイ等により構成される。操作部15は、ユーザが各種の指示入力を行うために操作されるものであり、キーボードやマウス等により構成される。なお、表示部14は、表示機能(出力機能)と入力機能とを兼ね備えたタッチパネルであってもよい。この場合、表示部14に表示されるボタンやアイコン、キーボード等が操作部15として機能する。
【0029】
[サービス提供サーバの構成]
次に、サービス提供サーバ2について説明する。サービス提供サーバ2は、本サーバ2にネットワーク5を介して接続される端末1の利用者(ユーザ)に対し、電子署名や電子印鑑その他これに付随するサービスを提供する。サービス提供サーバ2は、クラウド型のサーバやオンプレミス型のサーバにより構成することができる。またサービス提供サーバ2は、複数存在していてもよいし、いわゆる仮想化されたサーバであってもよい。
【0030】
図1に示すように、サービス提供サーバ2は、処理部21と記憶部22と通信部26とを含んで構成される。端末1と同様に、処理部21はCPU等により構成され、記憶部22はROM、RAM、HDD等により構成される。また通信部26は、ネットワーク5を介して当該サーバ2に接続された端末1や管理サーバ4、その他当該サーバ2へのアクセス権を有する装置等とデータ通信を行う。
【0031】
サービス提供サーバ2には、電子印鑑を利用した電子署名を実行するためのプログラム等がインストールされ、記憶部22に記憶される。具体的には、図1に示すように、電子印鑑DB23と電子印鑑プログラム24と電子署名プログラム25とが記憶される。
【0032】
電子印鑑DB23は、電子印鑑作成事業者から提供される標準的な電子印鑑の印面情報(印面データ)を管理するデータベースである。この電子印鑑DB23は「第2管理手段」及び「標準管理手段」の一例である。
【0033】
電子印鑑DB23では、例えば、図2に示す印面テーブルにより印面情報(印面データ)が管理される。同図に示すように、印面テーブルには、印面の構成要素である印面文字、文字数、書体(フォント)、枠形状、印面サイズ、色、縦横(縦書き又は横書き)、小付き有無及び改行有無を設定するデータが格納される。
【0034】
印面の構成要素のうち、印面文字は電子印鑑(本形態では氏名印)の印面を構成する文字であり、例えば名字(漢字)である。文字数は印面を構成する文字の文字数であり、例えば5文字以内の文字数である。書体(フォント)は印面を構成する文字の書体であり、例えば楷書体や明朝体等である。枠形状は印面を構成する枠(印面枠)の形状であり、例えば丸型(丸)や角型(角)等である。印面サイズは印面の大きさであり、例えば大サイズ、中サイズ、小サイズ等である。色は印影の色(表示色)であり、例えば朱色や赤色等である。縦横は印面を構成する文字の方向であり、例えば縦書き(縦)や横書き(横)等である。小付き有無は印面を構成する文字にかっこ書きの小文字(例えば、下の名前の一文字)を付加するか否かであり、例えば同性が多い場合に小付き有を選択することができる。改行有無は、印面を構成する文字を改行して表すか否かであり、例えば文字数が多い場合に改行有を選択することができる。縦横、小付き有無及び改行有無を総じて「印面レイアウト」ともいう。これらの各構成要素を定めるデータが印面情報(印面データ)であり、その印面情報が印面テーブルに格納される。
【0035】
本形態では、一般的な名字に対応する複数(例えば、約3,000)の印面情報が、標準的な電子印鑑の印面情報(「標準印面情報」ともいう。)として印面テーブルに格納される。本形態では標準印面情報を、印面文字が「漢字表記の名字」、書体が「楷書体」、枠形状が「丸」、印面サイズが「中」、色が「朱色」、印面レイアウトが「縦書き・小付き無・改行無」としている(図2を参照)。標準印面情報を構成する各構成要素のことをそれぞれ「標準印面文字」、「標準書体」、「標準形状」、「標準サイズ」、「標準色」、「標準印面レイアウト」ともいう。なお、図2に示す印面テーブルのうち、管理No.は印面テーブルに格納される印面情報毎に付与される値である。
【0036】
電子印鑑DB23(印面テーブル)への印面情報の登録や更新等は、電子印鑑作成事業者が保有するPC等の図示しない端末(以下「作成事業者端末」という。)や管理サーバ4からサービス提供サーバ2にアクセスして行われる。
【0037】
電子印鑑プログラム24は、電子署名のサービスを利用するユーザの電子印鑑の選択や設定(ユーザへの割り当て)、印影イメージの生成等を行うためのプログラムである。電子署名プログラム25は、端末1の表示部14に表示された電子文書にユーザの電子印鑑を捺印(貼付)して当該文書に電子署名を施すためのプログラムである。
【0038】
処理部21は、端末1からの指示に基づいて、電子印鑑プログラム24や電子署名プログラム25を実行することが可能である。また記憶部22には、プログラムの実行やプログラムによる機能実現のために必要な各種データが記憶される。
【0039】
[Webサーバの構成]
次に、Webサーバ3について説明する。Webサーバ3は、電子印鑑を注文するためのWebサイト(「印面リクエストサイト」ともいう。)を運営するサーバである。Webサーバ3(印面リクエストサイト)には、前述の電子署名サービスのユーザがアクセス可能とされ、本サーバ3にネットワーク5を介して接続される端末1の利用者(ユーザ)に対し、ユーザが所望する電子印鑑(印影イメージ)の注文を受け付けるサービスが提供される。Webサーバ3は、クラウド型のサーバやオンプレミス型のサーバにより構成することができる。またWebサーバ3は、複数存在していてもよいし、いわゆる仮想化されたサーバであってもよい。
【0040】
図1に示すように、Webサーバ3は、処理部31と記憶部32と通信部35とを含んで構成される。端末1やサービス提供サーバ2と同様に、処理部31はCPU等により構成され、記憶部32はROM、RAM、HDD等により構成される。また通信部35は、ネットワーク5を介して当該サーバ3に接続された端末1、その他当該サーバ3へのアクセス権を有する装置等とデータ通信を行う。
【0041】
Webサーバ3には、印面リクエストサイトを通じた電子印鑑の注文を実行するためのプログラム等がインストールされ、記憶部32に記憶される。具体的には、図1に示すように、構成ファイル33と印面リクエストプログラム34とが記憶される。構成ファイル33は、印面リクエストサイトのページ(Webページ)を構成する各種データである。
【0042】
印面リクエストプログラム34は、Webサーバ3に接続された端末1の表示部14に印面リクエストサイトの各種ページ(注文画面等)を表示させたり、当該サイト上で入力された電子印鑑の注文情報を管理サーバ4に送信したりする等、電子印鑑の作成依頼(注文)に関連する処理を行うためのプログラム(Webアプリケーションプログラム)である。注文情報は、注文する電子印鑑の印面に関する情報(印面情報)や、注文者(ユーザ)の氏名や作成した電子印鑑の送付先(届け先)に関する情報(ユーザ情報)等、注文の内容を示す情報である。
【0043】
処理部31は、端末1からの指示に基づいて、印面リクエストプログラム34を実行することが可能である。また記憶部32には、プログラムの実行やプログラムによる機能実現のために必要な各種データが記憶される。
【0044】
[管理サーバの構成]
次に、管理サーバ4について説明する。管理サーバ4は、前述の印面リクエストサイトを通じて注文のあった電子印鑑に関する情報を管理するサーバである。この管理サーバ4は、端末1、サービス提供サーバ2及びWebサーバ3のそれぞれとネットワーク5を介して接続可能とされる。管理サーバ4は、クラウド型のサーバやオンプレミス型のサーバにより構成することができる。また管理サーバ4は、複数存在していてもよいし、いわゆる仮想化されたサーバであってもよい。
【0045】
図1に示すように、管理サーバ4は、処理部41と記憶部42と通信部47とを含んで構成される。端末1やサービス提供サーバ2等と同様に、処理部41はCPU等により構成され、記憶部42はROM、RAM、HDD等により構成される。また通信部47は、ネットワーク5を介して当該サーバ4に接続された端末1、サービス提供サーバ2及びWebサーバ3、その他当該サーバ4へのアクセス権を有する装置等とデータ通信を行う。
【0046】
管理サーバ4には、印面リクエストサイトを通じて注文のあった電子印鑑に関する情報管理を実行するためのプログラム等がインストールされ、記憶部42に記憶される。具体的には、図1に示すように、受注管理DB43と受注管理プログラム44と印面管理DB45と印面管理プログラム46とが記憶される。また管理サーバ4には、作成事業者端末(図示せず)が接続可能となっている。
【0047】
受注管理DB43は、印面リクエストサイトを通じて注文を受け付けた電子印鑑の受注情報を管理するデータベースである。受注情報は、例えば、注文者(ユーザ)の氏名、送付先(ユーザのメールアドレス等)、印面の内容(印面情報)、作成状況等、受注した電子印鑑の作成から納品(提供)に至るまでを管理するための情報である。
【0048】
受注管理プログラム44は、印面リクエストサイトによる電子印鑑の注文を受け付けたり、その受け付けた電子印鑑の受注情報を受注管理DB43に登録したりする等、電子印鑑の受注に関連する処理を行うためのプログラムである。処理部41は、印面リクエストサイト(Webサーバ3)からの注文情報の受信や、作成事業者端末からの指示に基づいて、受注管理プログラム44を実行することが可能である。また記憶部42には、プログラムの実行やプログラムによる機能実現のために必要な各種データが記憶される。
【0049】
ここで、電子印鑑作成事業者は、受注管理DB43で管理される受注情報に基づいて電子印鑑を作成することができる。電子印鑑の作成は、電子印鑑作成事業者が保有する所定の作成ツールを用いて行われる。その作成工程は本発明の要旨に直接関係しないので説明を省略する。完成した電子印鑑(印面データ)は、電子メールやWebサイト等によりデータとして注文者(発注者、ユーザ)に納品することができる。これにより、ユーザの注文に応じて作成した電子印鑑(印面データ)を迅速に提供することが可能である。
【0050】
印面管理DB45は、印面リクエストサイトによりユーザからの注文に応じて作成された電子印鑑の印面情報を管理するデータベースである。この印面管理DB45は「第1管理手段」及び「作成管理手段」の一例である。
【0051】
印面管理DB45は、前述の電子印鑑DB23と同様のデータベース構造(テーブル構造)を有しており、図2に示す印面テーブルの各構成要素のデータが、新たに作成された電子印鑑の印面情報として管理される。なお、電子印鑑DB23の印面テーブルと区別するため、電子印鑑DB23の印面テーブルのことを「標準印面テーブル」ともいい、印面管理DB45の印面テーブルのことを「別注印面テーブル」ともいう。
【0052】
印面管理プログラム46は、ユーザからの注文に応じて新規に作成した電子印鑑の印面情報を印面管理DB45に登録したり、印面管理DB45で管理される(印面管理DB45に登録された)印面情報のうち所定の基準を満たした印面情報を電子印鑑DB23(サービス提供サーバ2)に登録したりする等、新規に作成した電子印鑑の印面情報の管理に関連する処理を行うためのプログラムである。所定の基準については後述する。
【0053】
処理部41は、印面リクエストサイト(Webサーバ3)からの注文情報の受信や、作成事業者端末からの指示に基づいて、印面管理プログラム46を実行することが可能である。また記憶部42には、プログラムの実行やプログラムによる機能実現のために必要な各種データが記憶される。
【0054】
ここで、電子印鑑作成事業者は、受注管理DB43で管理されている受注情報に基づいて作成した電子印鑑の印面情報、すなわち、印面リクエストサイトで入力された注文情報に基づく印面情報を、作成事業者端末を操作して印面管理DB45に登録することができる。なお、印面管理DB45への印面情報の登録は、作成事業者端末の操作によらずに印面管理プログラム46で行うことも可能である。例えば、印面リクエストサイトで入力された注文情報を管理サーバ4が受信したことに基づいて、その注文情報を印面管理プログラム46の処理によって読み取り、その読み取った注文情報から印面情報を抽出し、その印面情報を印面管理プログラム46の処理によって印面管理DB45に登録することが可能である。
【0055】
[電子印鑑設定処理]
次に、サービス提供サーバ2の処理部21が電子印鑑プログラム24に従って実行する電子印鑑設定処理(S100)について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本明細書においてS100等の「S」(フローチャート中の「S」)はステップを意味する。
【0056】
サービス提供サーバ2により提供される電子署名サービスを利用するユーザ(企業の社員等)は、電子署名で使用する自身の電子印鑑を設定する場合、サービス提供サーバ2と通信可能に接続された端末1を操作して、電子印鑑の設定に係る処理の実行指示(例えば実行開始コマンド)をサービス提供サーバ2に送る。その実行指示をサービス提供サーバ2が受けると、処理部21が電子印鑑設定処理(S100)を実行する。
【0057】
図3に示すように、電子印鑑設定処理(S100)ではまず、実行指示を送ってきた端末1の表示部14に設定画面を表示させる(S101)。その設定画面の例を図6(A)に示す。同図に示すように、設定画面210は、入力エリア211と印面プレビュー表示エリア212とを上下に配置して構成される。
【0058】
入力エリア211には、印面にしたい文字(例えば名字)を入力するための入力フィールド213と、その入力内容を確定させるためのOKボタン214と、ユーザが自ら用意した印面データを指定するための指定ボタン215とが設けられている。入力フィールド213には、漢字や平仮名、片仮名、アルファベットを入力することが可能とされている。但し、本形態では標準印面情報の印面文字が漢字表記の名字であるため、それ以外を入力した場合には、後述するように別注対応(印面リクエストサイト対応)となる。
【0059】
印面プレビュー表示エリア212には、当該エリア212に表示された印面プレビュー(印影イメージ)をユーザの電子印鑑として設定(登録)するための設定ボタン216と、当該エリア212に表示された印面プレビュー(印影イメージ)以外の印面からなる電子印鑑を独自に注文するための別注ボタン217とが設けられている。
【0060】
ユーザは端末1の操作部15を操作して、設定画面210上の入力フィールド213に文字を入力したり設定画面210上の各種ボタンを押下(クリック)したりする等して、処理部21(サービス提供サーバ2)とデータ通信を行うことができる。
【0061】
次いでS103では、入力フィールド213への文字入力が完了したか否かを判定する(S103)。ここでは、入力エリア211に文字が入力された状態でOKボタン214が押下(クリック)されて、文字入力が完了した旨の通知が端末1から送られてきたか否かを判定する。その結果、文字入力が完了したと判定した場合(S103でYES)、その入力された文字に対応する電子印鑑の印面情報(印面データ)を電子印鑑DB23(印面テーブル)の中から検索する(S105)。入力フィールド213に入力される文字は、印面テーブル(図2を参照)の印面文字に対応する。
【0062】
前述したように電子印鑑DB23には、電子印鑑作成事業者から提供される標準的な電子印鑑の印面情報(標準印面情報)が登録されて管理されている。S105では、その標準印面情報が管理されている電子印鑑DB23(印面テーブル)の中から、入力フィールド213に入力された文字に対応する印面情報(ユーザからの要求に応じた印面情報)の検索が行われる。
【0063】
S105による検索の結果、該当する印面情報(標準印面情報)が抽出された場合(S107でYES)、その抽出された印面情報を取得し(S108)、その印面情報に基づく印面プレビュー(印影イメージ)を生成し(S109)、これを設定画面210上の印面プレビュー表示エリア212に表示する(S111)。例えば、入力フィールド213に入力された文字が漢字の「佐藤」であり、これに対応する標準印面情報が抽出された場合、「印面文字:佐藤」、「書体:楷書体」、「枠形状:丸」、「印面サイズ:中」、「色:朱色」、「印面レイアウト:縦書き・小付き無・改行無」の印影イメージが表示される。なお、S108の処理は「取得手段」の一例であり、S109及びS111の処理は「表示手段」の一例である。
【0064】
次いでS113では、電子印鑑を設定する旨の設定指示が入力されたか否かを判定する(S113)。ここでは、印面プレビュー表示エリア212に表示された状態で設定ボタン216が押下(クリック)されて、設定指示の通知が端末1から送られてきたか否かを判定する。その結果、設定指示が入力されたと判定した場合(S113でYES)、印面プレビュー表示エリア212に表示されている印面プレビューによる電子印鑑を、その設定指示を入力したユーザの電子印鑑として設定(登録)して(S115)、本処理を終える。これ以降、そのユーザはS115で設定した電子印鑑を使用して電子署名を行うことができる。
【0065】
以上までが、電子印鑑DB23で管理されている標準印面情報に基づく電子印鑑を設定する場合の処理である。これに対し、前述のS103で文字入力が完了していないと判定した場合(S103でNO)、ユーザが自ら用意した印面データによる電子印鑑を指定する旨の指示(「別指定指示」ともいう。)が入力されたか否かを判定する(S117)。ここでは、指定ボタン215が押下(クリック)されて、別指定指示の通知が端末1から送られてきたか否かを判定する。その結果、別指定指示が入力されていないと判定した場合(S117でNO)、S103の処理に戻り、別指定指示が入力されたと判定した場合(S117でYES)、印面データを選択するための印面データ選択画面(図示せず)を、その別指定指示を送ってきた端末1の表示部14に表示させる(S119)。
【0066】
印面データ選択画面は、例えば、設定画面210の手前に表示されるファイル選択ダイアログボックスにより構成することができる。ユーザは端末1の操作部15を操作して、表示部14に表示された印面データ選択画面の中から自ら用意した印面データを選択する。ユーザが自ら用意した印面データは、例えば、端末1の記憶部12に予め記憶させておくことができる。
【0067】
次いでS121では、印面データ選択画面での印面データの選択が完了したか否かを判定する(S121)。ここでは、例えば、印面データ選択画面上で所定の印面データファイルが選択されて開くボタン等(図示せず)が押下(クリック)されて、印面データの選択が完了した旨の通知が端末1から送られてきたか否かを判定する。その結果、印面データの選択が完了していないと判定した場合(S121でNO)、そのまま待機し、完了したと判定した場合(S121でYES)、選択された印面データに基づく印面プレビュー(印影イメージ)を生成し(S109)、これを設定画面210上の印面プレビュー表示エリア212に表示する(S111)。この後、設定画面210上の設定ボタン216が押下(クリック)され、設定指示が入力されると(S113でYES)、印面プレビュー表示エリア212に表示されている印面プレビューによる電子印鑑、すなわち、ユーザが自ら用意した印面データによる電子印鑑が設定(登録)される(S115)。
【0068】
また、前述のS105による印面情報検索の結果、該当する印面情報(標準印面情報)が抽出されなかった場合(S107でNO)、例えば、入力フィールド213に入力された文字(名字)が標準的でない場合、該当する印面情報(標準印面情報)が存在しない旨を示すメッセージを印面プレビュー表示エリア212に表示する(S123)。次いで、電子印鑑を注文する旨の指示(「別注指示」ともいう。)が入力されたか否かを判定する(S125)。ここでは、別注ボタン217が押下(クリック)されて、別注指示の通知が端末1から送られてきたか否かを判定する。その結果、別注指示が入力されていないと判定した場合(S125でNO)、そのまま待機し、別注指示が入力されたと判定した場合(S125でYES)、印面リクエストサイトへの接続要求をWebサーバ3に送信して(S127)、本処理を終える。S127の処理により、端末1が印面リクエストサイトに接続される。
【0069】
また、前述のS113で設定指示が入力されていないと判定した場合(S113でNO)、S125と同様に、別注指示が入力されたか否かを判定する(S129)。これは、電子印鑑DB23で管理されている標準印面情報に基づく電子印鑑の設定(使用)が可能であるものの、ユーザが独自の電子印鑑の設定(使用)を望む場合に対応するためである。そして、S129で別注指示が入力されたと判定した場合(S129でYES)、印面リクエストサイトへの接続要求をWebサーバ3に送信して(S131)、本処理を終える。S131の処理により、端末1が印面リクエストサイトに接続される。
【0070】
[印面リクエスト処理]
次に、Webサーバ3の処理部31が印面リクエストプログラム34に従って実行する印面リクエスト処理(S200)について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0071】
前述のS127又はS131の処理によりサービス提供サーバ2から送信される接続要求をWebサーバ3が受信すると、処理部31が端末1と印面リクエストサイトとを通信可能に接続し、印面リクエスト処理(S200)を実行する。
【0072】
図4に示すように、印面リクエスト処理(S200)ではまず、印面リクエストサイトに接続された端末1の表示部14に印面内容入力画面を表示させる(S201)。その入力画面の例を図6(B)に示す。同図に示すように、印面内容入力画面310には、印面文字(例えば名字)を入力するための文字入力フィールド311と、書体(フォント)を選択入力するための書体フィールド312と、印面枠の形状を選択入力するための形状フィールド313と、印面サイズを選択入力するためのサイズフィールド314と、印影の色を選択入力するための色フィールド315と、印面レイアウトを選択入力するためのレイアウトフィールド316と、各フィールドに入力した内容に基づく印面プレビュー(印影イメージ)を表示させるためのプレビューボタン317と、が設けられている。これらのフィールドは、印面管理DB45(印面テーブル)で管理される印面情報(印面データ)を構成する要素(印面の構成要素)に対応している(図2を参照)。
【0073】
文字入力フィールド311には、漢字、平仮名、片仮名、アルファベットを入力することが可能とされている。
【0074】
書体フィールド312、形状フィールド313、サイズフィールド314、色フィールド315及びレイアウトフィールド316は、いずれもドロップダウンリストによりデータを入力することが可能とされている。
【0075】
書体フィールド312では、楷書体、隷書体、古印体、明朝体、角ゴシック体、丸ゴシック体及びてん書体が選択可能な書体としてドロップダウンリストに表示され、その中から何れかを選択して入力することができる。本形態では楷書体以外の書体が非標準書体である。
【0076】
形状フィールド313では、丸及び角が選択可能な形状としてドロップダウンリストに表示され、その中から何れかを選択して入力することができる。本形態では角が非標準形状である。
【0077】
サイズフィールド314では、大、中及び小が選択可能なサイズとしてドロップダウンリストに表示され、その中から何れかを選択して入力することができる。本形態では大及び小が非標準サイズである。
【0078】
色フィールド315では、朱色、赤色、黒色、藍色、紫色及び緑色が選択可能な色としてドロップダウンリストに表示され、その中から何れかを選択して入力することができる。本形態では朱色以外の色は非標準色である。
【0079】
レイアウトフィールド316では、「縦書き・小付き無・改行無」、「縦書き・小付き有・改行無」、「縦書き・小付き無・改行有」、「縦書き・小付き有・改行有」、「横書き・小付き無・改行無」、「横書き・小付き有・改行無」、「横書き・小付き無・改行有」及び「横書き・小付き有・改行有」が選択可能な印面レイアウトとしてドロップダウンリストに表示され、その中から何れかを選択して入力することができる。本形態では「縦書き・小付き無・改行無」以外の印面レイアウトが非標準印面レイアウトである。
【0080】
ユーザは端末1の操作部15を操作して、印面内容入力画面310上の各フィールド311~316に所望する印面内容を入力したりプレビューボタン317を押下(クリック)したりする等して、処理部31(Webサーバ3)とデータ通信を行うことができる。
【0081】
次いでS203では、印面プレビュー(印影イメージ)の表示指示が入力されたか否かを判定する(S203)。ここでは、印面内容入力画面310上の各フィールド311~316への入力が完了した状態でプレビューボタン317が押下(クリック)されて、表示指示の通知が端末1から送られてきたか否かを判定する。その結果、表示指示が入力されていないと判定した場合(S203でNO)、そのまま待機し、表示指示が入力されたと判定した場合(S203でYES)、各フィールド311~316への入力内容に基づく印面プレビュー(印影イメージ)を生成し、これを表示するためのプレビュー表示画面(図示せず)を、表示部14に表示させる(S205)。このプレビュー表示画面を通じてユーザは所望する電子印鑑の印面内容を確認することができる。
【0082】
次いでS207では、プレビュー表示画面に表示された印面プレビュー(印影イメージ)の内容で、注文する電子印鑑の印面内容を確定させる旨の印面確定指示が入力されたか否かを判定する(S207)。ここでは、プレビュー表示画面上の確定ボタン(図示せず)が押下(クリック)されて、印面確定指示の通知が端末1から送られてきたか否かを判定する。
【0083】
S207で印面確定指示が入力されていないと判定した場合(S207でNO)、プレビュー表示画面に表示された印面プレビューに変更や修正等を加える編集指示が入力されたか否かを判定する(S215)。ここでは、プレビュー表示画面上の編集ボタン(図示せず)が押下(クリック)されて、編集指示の通知が端末1から送られてきたか否かを判定する。
【0084】
S215で編集指示が入力されていないと判定した場合(S215でNO)、S207の処理に戻り、編集指示が入力されたと判定された場合、編集画面(図示せず)を表示部14に表示させる(S217)。この編集画面は、例えば、プレビュー表示画面に表示された印面プレビューについて、操作部15を操作して、印面文字や書体を修正したり、手書きの文字や図形等を追加したり、印面文字や印面枠を構成する線の太さを変更したりする等の各種編集(印面編集)を可能とする画面である(印面編集手段)。これにより、ユーザはオリジナルの印面(印影イメージ)を作成することができる。なお、印面内容入力画面310上から編集指示の入力を行えるようにして、編集画面を表示部14に表示させるようしてもよい。
【0085】
次いでS219では、編集画面での編集を終了する旨の編集終了指示が入力されたか否かを判定する(S219)。ここでは、プレビュー表示画面上の終了ボタン(図示せず)が押下(クリック)されて、編集終了指示の通知が端末1から送られてきたか否かを判定する。
【0086】
S219で編集終了指示が入力されていないと判定した場合(S219でNO)、そのまま待機し、編集終了指示が入力されたと判定した場合(S219でYES)、S207の処理に戻る。
【0087】
S207で印面確定指示が入力されたと判定した場合(S207でYES)、ユーザ情報入力画面(図示せず)を表示部14に表示させる(S209)。ユーザ情報入力画面は、注文者の氏名や連絡先、送付(納品)先等、電子印鑑を注文するユーザに関する情報を入力するため画面である。ユーザ情報入力画面に入力されたユーザ情報に基づいて、完成した電子印鑑(印面データ)がユーザ(注文者)に納品される。
【0088】
また、ユーザ情報入力画面では、注文する電子印鑑の印面データ(印面情報)の他者(第三者)による使用を許可するか否かを示す情報(「使用可否情報」ともいう。)も入力される。使用可否情報の入力は、例えば、ユーザ情報入力画面に設けられたチェックボックス(図示せず)により行うものとし、チェックを入れた場合は使用許可、チェックを入れない場合は使用禁止(使用不可)とすることができる。使用許可を示す情報のことを「使用許可情報」ともいい、使用禁止(使用不可)を示す情報のことを「使用禁止情報」ともいう。印面リクエストサイトを通じて電子印鑑を注文するユーザのなかには、オリジナルの印面の使用を望む者もいると考えられるので、本形態では使用可否情報を入力項目として設けている。但し、使用可否情報を設けなくてもよい。
【0089】
次いでS211では、電子印鑑の注文指示が入力されたか否かを判定する(S211)。ここでは、ユーザ情報入力画面上の注文ボタン(図示せず)が押下(クリック)されて、注文指示の通知が端末1から送られてきたか否かを判定する。その結果、注文指示が入力されていないと判定した場合(S211でNO)、そのまま待機し、注文指示が入力されたと判定した場合(S211でYES)、前述のS207の処理により確定された印面内容(印面情報)、ユーザ情報入力画面で入力されたユーザ情報及び使用可否情報を含む注文情報を管理サーバ4に送信して(S213)、本処理を終える。
【0090】
なお、印面リクエストサイトに接続された端末1の表示部14に表示される印面内容入力画面310及びユーザ情報入力画面は「注文画面」の一例であり、それら入力画面(注文画面)を表示部14に表示させるS201及びS209の処理は「注文画面表示手段」の一例である。
【0091】
S213の処理により管理サーバ4へ送られた注文情報は、受注情報として受注管理DB43で管理される。受注管理DB43への受注情報(注文情報)の登録は、電子印鑑作成事業者の担当者が作成事業者端末を操作して行うことができる。あるいは、作成事業者端末の操作によらずに受注管理プログラム44で行うこともできる。例えば、Webサーバ3からの注文情報を管理サーバ4が受信したことに基づいて、その注文情報を受注管理プログラム44の処理によって読み取り、その読み取った注文情報を受注情報として受注管理プログラム44の処理によって受注管理DB43に登録することが可能である。
【0092】
また、S213の処理により管理サーバ4へ送られた注文情報に基づく印面情報(別注対応の印面情報)は、前述したように印面管理DB45に登録されて管理される。但し、ユーザ情報入力画面で入力された使用可否情報が、他者による使用を禁止する(許可しない)旨を示す使用禁止情報である場合、その使用禁止情報を含む注文情報に基づく印面情報は印面管理DB45に登録されない。そして、印面管理DB45に登録されない別注対応の印面情報は、後述する307の処理対象、すなわち、電子印鑑DB23(サービス提供サーバ2)への登録対象とならない。これにより、その印面情報の他者による使用(前述のS115による電子印鑑の設定)を禁止(回避)することが可能となる(使用禁止手段)。
【0093】
[印面情報管理処理]
次に、管理サーバ4の処理部41が印面管理プログラム46に従って実行する印面情報管理処理(S300)について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0094】
処理部41は、注文情報に基づく印面情報が印面管理DB45に新たに登録されると、これに基づいて印面情報管理処理(S300)を実行する。なお、管理サーバ4に接続された作成事業者端末からの指示に基づいて処理部41が印面情報管理処理(S300)を実行するようにしてもよい。
【0095】
図5に示すように、印面情報管理処理(S300)ではまず、印面管理DB45で管理されている別注対応の印面情報(標準的でない印面情報)について、電子印鑑DB23(サービス提供サーバ2)に登録することとなる条件(「登録条件」ともいう。)を満たすか否かを判定する(S301)。具体的には、印面管理DB45の印面テーブル(別注印面テーブル)に格納されている印面情報を解析し、登録条件を満たす印面情報の有無を判定する。S301の処理は「判定手段」の一例である。
【0096】
印面管理プログラム46には、登録条件を満たす印面情報の有無を判定する制御(判定プログラム)が組み込まれており、これに従って印面情報についての判定が行われる。登録条件は予めプログラミングされるものであり、例えば、互いに印面文字が同一又は類似である印面情報が所定数(例えば3以上)存在することや、互いに印面文字が同一又は類似であり且つ書体、サイズ、色、印面レイアウトのうち少なくとも一つが非標準で同一である印面情報が所定数(例えば3以上)存在すること等である。印面文字が同一又は類似とは、文字の外観(見た目)を基準にした同一又は類似であり、例えば、印面文字を構成する文字列の類似度をプログラムにより計算して類似判定(同一含む)を行うことができる。また、登録条件として定められる所定数は、印面リクエストサイトによる電子印鑑の注文回数を意味する。登録条件は「所定の基準」の一例である。
【0097】
なお、登録条件はこれに限られず、例えば、非標準書体の同一書体(例えば「隷書体」)が所定数(例えば100以上)存在することや、非標準色の同一色(例えば「赤色」)が所定数(例えば100以上)存在すること等を、登録条件としてもよい。また、前述の使用可否情報が、他者による使用を許可する旨を示す使用許可情報であることも、登録条件の一つであるといえる。
【0098】
S301による判定の結果、登録条件を満たす印面情報が無かった場合(S303でNO)、すなわち、電子印鑑DB23(サービス提供サーバ2)に登録してもよい登録対象の印面情報が存在しない場合、S305以降の処理を行うことなく、本処理を終える。
【0099】
一方、登録条件を満たす印面情報が有った場合(S303でYES)、すなわち、電子印鑑DB23(サービス提供サーバ2)に登録してもよい登録対象の印面情報が存在する場合、その印面情報を取得する(S305)。そして、取得した印面情報を、サービス提供サーバ2へ転送して電子印鑑DB23に登録(標準印面テーブルに格納)し(S307)、本処理を終える。S307の処理は「登録手段」の一例である。
【0100】
なお、登録対象の印面情報を電子印鑑DB23に登録した場合(S307)、それまで印面管理DB45で管理されていた登録対象の印面情報を、印面管理DB45(別注印面テーブル)から削除してもよく、削除せず印面管理DB45に残しておいてもよい。削除する場合には、印面管理DB45(記憶部42)の容量不足を生じにくくすることが可能となり、残す場合には、先に登録対象となった印面情報に類似する後の別注対応の印面情報が電子印鑑DB23に登録されやすくなる。
【0101】
ここで、登録対象となる印面情報の例を図7に示す。図7(A)は、印面文字が同一であり且つ書体が非標準書体で同一である印面情報が3つ以上存在することを登録条件とした場合の例である。この設例では、S301による印面情報の判定の結果、印面文字が「佐藤」、書体が「隷書体」である印面情報A1~A3が抽出されている。これは、印面文字「佐藤」について「隷書体」が計3回注文されたことを意味している。この場合、印面文字「佐藤」について「隷書体」のニーズが見込まれると考えられるので、印面情報A1~A3を登録対象として取得し、電子印鑑DB23に登録する。これにより、印面情報A1~A3は標準印面情報と同類のものとして電子印鑑DB23で管理されるようになる。
【0102】
このように印面情報A1~A3を電子印鑑DB23に登録した場合、これ以降、サービス提供サーバ2に接続した端末1で、ユーザが電子署名で使用する自身の電子印鑑を設定する際、電子印鑑処理(S100)のS101により表示される設定画面210の入力フィールド213に「佐藤」の文字が入力されると、標準印面情報に基づく印面プレビューに加え、印面情報A1~A3に基づく印面プレビューが設定画面210の印面プレビュー表示エリア212に表示され(S111)、これら4つの印面プレビューのうち何れかを設定画面上で選択することが可能となる。そして、選択した印面プレビューによる電子印鑑を、電子署名で使用する電子印鑑として設定することが可能となる(S115)。この場合、標準印面情報に基づく印面プレビューしか表示されない場合(デフォルト)に比べ、ユーザが選択できる電子印鑑の種類が増え、選択の幅が広がるようになる。
【0103】
なお、印面情報A1~A3のうち印面情報A1を電子印鑑DB23に登録し、印面情報A2及びA3については登録しないこととしてもよい。印面情報A1は、書体以外が標準印面情報と同様であるのに対し、印面情報A2,A3はいずれも色が非標準色(赤色)であり、さらに印面情報A3は枠形状及び印面サイズもそれぞれ非標準形状(角)、非標準サイズ(大)であるため、印面情報A1に比して標準印面情報との差異が大きく、ニーズが低いと考えられるからである。こうした登録可否の基準は登録条件により適宜定めることができる。
【0104】
また図7(B)は、印面文字が類似であり且つ書体が非標準書体で同一である印面情報が3つ以上存在することを登録条件とした場合の例である。この設例では、S301による印面情報の判定の結果、印面文字が「鈴木」(標準印面文字)であり書体が「丸ゴシック体」である印面情報B1と、印面文字が「鈴本」(非標準印面文字)であり書体が「丸ゴシック体」である印面情報B2及びB3が抽出されている。これは、印面文字が互いに類似する「鈴木」と「鈴本」について「丸ゴシック体」が計3回注文されたことを意味している。この場合、互いに類似する印面文字「鈴木」と「鈴本」について「丸ゴシック体」のニーズが見込まれると考えられるので、印面情報B1及びB2(又はB3)を登録対象として取得し、電子印鑑DB23に登録する。これにより、印面情報B1及びB2(又はB3)は標準印面情報と同類のものとして電子印鑑DB23で管理されるようになる。
【0105】
このように印面情報B1及びB2(又はB3)を電子印鑑DB23に登録した場合、これ以降、サービス提供サーバ2に接続した端末1で、ユーザが電子署名で使用する自身の電子印鑑を設定する際、電子印鑑処理(S100)のS101により表示される設定画面210の入力フィールド213に「鈴木」の文字が入力されると、標準印面情報に基づく印面プレビューに加え、印面情報B1に基づく印面プレビューが設定画面210の印面プレビュー表示エリア212に表示され(S111)、これら2つの印面プレビューのうち何れかを設定画面上で選択することが可能となる。また、設定画面210の入力フィールド213に「鈴本」の文字が入力されると、印面情報B2(又はB3)に基づく印面プレビューが設定画面210の印面プレビュー表示エリア212に表示され(S111)、その印面プレビューによる電子印鑑を、電子署名で使用する電子印鑑として設定することが可能となる(S115)。この場合においても、標準印面情報に基づく印面プレビューしか表示されない場合(デフォルト)に比べ、ユーザが選択できる電子印鑑の種類が増え、選択の幅が広がるようになる。
【0106】
なお、本設例において印面情報B2及びB3のうち一方を電子印鑑DB23に登録するのは、双方の印面情報の内容が同一だからである。また例えば、印面情報B2と印面情報B3とで、枠形状やサイズ、色及び印面レイアウトの少なくとも一つが異なる場合、双方の印面情報を電子印鑑DB23に登録してもよく、標準印面情報との差異が少ない印面情報のみを電子印鑑DB23に登録してもよい。こうした登録可否の基準は登録条件により適宜定めることができる。
【0107】
[本形態の作用効果]
以上に説明した本形態のシステム及び印面情報の管理方法によれば、サービス提供事業者により提供されるサービス(電子署名サービス)を利用するユーザからの注文に応じて新たに作成された電子印鑑に関し、電子印鑑作成事業者側の印面管理DB45(管理サーバ4)で管理される電子印鑑の印面情報のうち、サービス提供事業者側の電子印鑑DB23(サービス提供サーバ2)への登録条件を満たした印面情報は、標準印面情報と同類のものとして電子印鑑DB23で管理されるようになる。このため、電子印鑑DB23(サービス提供サーバ2)で標準的な電子印鑑として管理される電子印鑑の種類を限定的に増やすことができる。これにより、使用する電子印鑑をユーザが選択する際の選択肢を適度に増やして、ユーザが所望する印鑑を選択しやすくし、利便性を向上させることが可能となる。また、印面管理DB45で管理される印面情報のうち登録条件を満たした印面情報のみが電子印鑑DB23に登録されるので、電子印鑑DB23への無駄な登録を回避することも可能である。
【0108】
また、端末1に表示された印面内容入力画面を通じて入力した注文情報に基づいて印面情報が印面管理DB45で管理されるようになる。これにより、ユーザの注文に応じて作成された電子印鑑の印面情報の効率的な管理が可能となる。また、ユーザからの新たな電子印鑑の注文を受けやすくして、注文漏れを防ぐことが可能となる。
【0109】
また、ユーザからの注文に応じて作成された(印面内容入力画面を通じて入力された注文情報に基づく)電子印鑑の印面情報が管理サーバ4(電子印鑑作成事業者のサーバ)で管理され、そのうち登録条件を満たした印面情報がサービス提供サーバ2(サービス提供事業者のサーバ)に転送されて、電子印鑑DB23に登録される。これにより、印面情報の効率的な管理及び提供が可能となる。
【0110】
また、管理サーバ4で実行される印面管理プログラム46には、登録条件を満たす印面情報の有無を判定する制御(判定プログラム)が組み込まれており、これに従って印面情報についての判定が行われる。これにより、印面管理DB45(管理サーバ4)で管理される印面情報(新たに作成された電子印鑑の印面情報)のうち、電子印鑑DB23(サービス提供サーバ2)に登録する印面情報(標準印面情報と同類とする印面情報)を適切に抽出することが可能となる。
【0111】
また、新たに作成された電子印鑑の印面情報が印面管理DB45(管理サーバ4)で管理されるなか、登録条件を満たした印面情報がサービス提供事業者側の電子印鑑DB23に登録されて管理されるようになることで、サービス提供事業者により提供されるサービス(電子署名サービス)で使用する電子印鑑をユーザに可及的速やかに提供することが可能となる。
【0112】
以上、本発明の実施の形態として電子印鑑の提供に係るシステムに本発明を適用した例を説明したが、本発明は電子印鑑の他、ゴム印や硬質印、浸透印等の現物としての印鑑についても適用可能である。また、上述の実施の形態では、電子印鑑の種類(印面種)を氏名印としていたが、データ印や社印、契約印、ビジネス印、記念印、店舗印等、その種類は問わず、あらゆる印面種の印鑑(電子印鑑含む)について本発明は適用可能である。
【0113】
また、上述の実施の形態では、印面管理DB45(管理サーバ4)から電子印鑑DB23(サービス提供サーバ2)への印面情報の登録条件(所定の基準)に関し、印面文字の外観(見た目)の類似度による条件(基準)を例示したが、例えば、印面文字の読み(称呼)の類似度による条件や、印面を構成する文字以外の要素(例えば印面に含まれる図形、印面レイアウトなど)の類似度による条件を登録条件とし、その類似度をプログラムにより計算して類似判定(同一含む)を行うように構成することも可能である。これにより、対応可能な印面情報の種類を増やし、印面情報の管理の幅を広げることが可能となる。
【0114】
また、上述の実施の形態では、印面リクエストサイトを通じた電子印鑑の注文回数に相当する数(所定数)を登録条件に含め、S301による印面情報の判定に基づき抽出された印面情報(例えば図7を参照)の抽出件数(ヒット件数)が注文回数と見做されるものとして説明したが、管理サーバ4側のプログラムで注文回数を計数(カウント)し、これを登録条件の判定基準に用いてもよい。例えば、印面管理DB45に、印面文字(例えば名字)と書体の情報を管理するテーブルを設け、印面文字単位で非標準書体の種類ごとの注文回数を計数し、その計数値に基づいて登録条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。この場合、例えば、印面文字「佐藤」について、隷書体の注文回数、古印体の注文回数、丸ゴシック体の注文回数など、非標準書体の種類ごとの注文回数を計数し、そのうち注文回数が所定数(例えば3以上)となった書体について、登録条件を満たすと判定するように構成することができる。これによっても、電子印鑑DB23への無駄な登録を回避しつつ、ユーザが所望する電子印鑑を選択しやすくすることが可能である。このことは、書体以外の印面構成要素の種類(印面文字、枠形状、サイズ、色、印面レイアウト等)ごとの注文回数を計数するように構成した場合についても同様である。
【0115】
また、上記登録条件として、印面を構成する文字や図形等の印面構成要素に公序良俗に反するもの(例えば、氏名に使用する文字として一般的に相応しくないとされる文字等)が含まれているか否かを判定し、そのような文字等が含まれている場合には登録条件を満たさず、含まれていない場合に登録条件を満たすと判定するようにしてもよい。この場合、印面文字の外観(見た目)や読み(称呼)の類似度に関する条件を満たすとしても、公序良俗に関する条件を満たさないのであれば、その印面情報は電子印鑑DB23に登録しないようにすることができる。これによっても、電子印鑑DB23に登録する印面情報を適切に抽出することが可能である。
【0116】
また、上述の実施の形態では、印面リクエストサイトを通じて電子印鑑を注文する際、ユーザ情報入力画面(S207)で使用可否情報を入力することとし、その使用可否情報が使用禁止情報として入力された場合、当該使用禁止情報を含む注文情報に基づく印面情報は印面管理DB45に登録されないこととした。これに対し、使用可否情報とセットで印面情報が印面管理DB45に登録されるものとし、使用禁止情報に該当する印面情報は、印面情報管理処理(S300)のS301で登録条件を満たさないと判定されるようにしてもよい。これによっても、印面情報の他者による使用を禁止することが可能である(使用禁止手段)。
【0117】
また、上述の実施の形態では、電子署名で使用する電子印鑑を設定(登録)する際、ユーザが自ら用意した印面データ(印面リクエストサイトを通じて注文した電子印鑑の印面データを含む)による電子印鑑を設定可能としていたが(S117~S121を参照)、この場合、その印面データは独自性が高く他者に使用されたくないと考えるユーザも存在すると考えられる。そこで、例えば、別指定指示(S117)に基づき表示される印面データ選択画面上で印面データファイルが選択された際(S119,S121)、その印面データファイルに含まれる印面情報(印面データ)に関し、使用可否情報を入力するための画面をユーザ端末の表示部に表示させ、他者による使用の許可又は禁止を設定(選択)できるようにしてもよい。この場合、その印面情報と使用可否情報とをセットにして電子印鑑DB23で管理(電子印鑑DB23に登録)し、使用禁止情報に該当する印面情報は、S105による印面情報検索で抽出されない(ヒットしない)ようにしてもよい。こうすれば、例えば、自ら用意した印面データによる電子印鑑を設定したユーザ(「オリジナルユーザ」ともいう。)と同姓のユーザが、設定画面210の入力フィールド213に自身の名字を入力したとしても、オリジナルユーザの電子印鑑に対応する印面情報は抽出されないので、その印面情報の他者による使用を禁止することが可能である。
【0118】
また、上述の実施の形態では、電子署名サービスを提供するサービス提供事業者と、その電子署名で使用する電子印鑑を作成する電子印鑑作成事業者とがおり、サービス提供事業者側のサーバ(サービス提供サーバ2)に電子印鑑DB23(標準印面テーブル、標準印面管理DB)を設け、電子印鑑作成事業者側のサーバ(管理サーバ4)に印面管理DB45(別注印面テーブル、別注印面管理DB)を設ける構成としていたが、電子印鑑DB23と印面管理DB45とを同一のサーバに設けてもよい。この場合、その同一のサーバは、サービス提供事業者側のサーバであっても電子印鑑作成事業者側のサーバであってもどちらでもよく、両者が共同保有するサーバであってもよい。
【0119】
また、上述の実施の形態では、一の管理サーバ4に受注管理DB43及び受注管理プログラム44と、印面管理DB45及び印面管理プログラム46とを設け、注文のあった電子印鑑に関する受注情報の管理と、作成した電子印鑑の印面情報の管理とを、一の管理サーバ4で行う構成としていたが、受注情報の管理と印面情報の管理とを別々のサーバで行うようにしてもよい。すなわち、受注管理DB43及び受注管理プログラム44を備えるサーバと、印面管理DB45及び印面管理プログラム46を備えるサーバとを設けてもよい。
【0120】
また、上述の実施の形態では、サービス提供事業者により提供されるサービスが電子署名サービスである場合を例示したが、提供されるサービスは電子署名サービス以外のサービスであってもよく、例えば、電子印鑑を利用したワークフローのサービスなど、その内容は問わない。また、本発明を現物としての印鑑に適用する場合、上述の実施の形態におけるサービス提供事業者及び電子印鑑作成事業者は、例えば、印鑑販売事業者及び印鑑製造事業者とすることができる。
【符号の説明】
【0121】
1 端末、2 サービス提供サーバ、3 Webサーバ、4 管理サーバ、5 ネットワーク、11 処理部、12 記憶部、13 通信部、14 表示部、15 操作部、21 処理部、22 記憶部、23 電子印鑑DB、24 電子印鑑プログラム、25 電子署名プログラム、26 通信部、31 処理部、32 記憶部、33 構成ファイル、34 印面リクエストプログラム、35 通信部、41 処理部、42 記憶部、43 受注管理DB、44 受注管理プログラム、45 印面管理DB、46 印面管理プログラム、47 通信部。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7