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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】オンライン対話システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240617BHJP
   H04L 65/40 20220101ALI20240617BHJP
【FI】
G06Q50/10
H04L65/40
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020137742
(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公開番号】P2022034112
(43)【公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】313004654
【氏名又は名称】株式会社プラットフィールド
(74)【代理人】
【識別番号】100106013
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 幸一
(72)【発明者】
【氏名】水田 猛
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-293925(JP,A)
【文献】米国特許第07478129(US,B1)
【文献】特開2011-091582(JP,A)
【文献】特表2017-537412(JP,A)
【文献】国際公開第2015/166573(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04L 65/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報通信手段を介して情報の通信が可能な複数のクライアント装置および/またはサーバ装置を備えたオンライン対話システムであって、
前記各クライアント装置は、同一のグループに属する他のクライアント装置と対話可能な状態となるよう構成されたいずれかの仮想のグループに属するよう構成され、すべてのグループは、一の仮想の対話ルームに属するよう構成され、
前記クライアント装置および/またはサーバ装置は、
前記クライアント装置において生成された信号であって、当該対話ルームに属する新たなグループの生成を求める旨のグループ生成要求信号を検出すると、当該クライアント装置を構成要素に含む新たなグループを生成するとともに、当該新たなグループを構成するクライアント装置を、直前に属していたグループから離脱させるよう制御するよう構成された新規グループ生成制御部、を備えた対話制御部、
を備え、
前記グループ生成要求信号は、1のクライアント装置において生成された他のクライアント装置の指定を含む新たなグループの生成を提案する旨のグループ生成提案信号と、当該グループ生成提案信号に応答して当該指定された他のクライアント装置において生成された新たなグループの生成の提案を受諾する旨のグループ生成受諾信号と、を含むよう構成されたこと、
を特徴とする、オンライン対話システム。
【請求項2】
請求項1のオンライン対話システムにおいて、
前記対話制御部は、
前記クライアント装置において生成された信号であって、当該対話ルームに属するグループであって自己の属するグループ以外の他のグループの指定を含む当該他のグループにおける対話内容の表示を求める旨の他グループ対話内容表示要求信号を検知すると、当該クライアント装置を現に属しているグループから離脱させることなく、当該他のグループの対話内容を当該クライアント装置に表示するよう制御する他グループ対話内容表示制御部、
を備えたこと、
を特徴とする、オンライン対話システム。
【請求項3】
請求項1ないし2のいずれかのオンライン対話システムにおいて、
前記対話制御部は、
前記クライアント装置において生成された信号であって、当該対話ルームに属するグループであって自己の属するグループ以外の他のグループの指定を含む当該他のグループへの移動を求める旨のグループ間移動要求信号を検知すると、当該クライアント装置を当該他のグループの構成要素として追加するとともに、当該クライアント装置を、直前に属していたグループから離脱させるよう制御するよう構成されたグループ間移動制御部、
を備えたこと、
を特徴とする、オンライン対話システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかのオンライン対話システムにおいて、
前記対話制御部は、
前記クライアント装置において生成された信号であって、当該対話ルームに属する他のクライアント装置の指定を含む特定の複数のクライアント装置相互間での対話を求める旨の特定クライアント間対話要求信号を検知すると、当該特定の複数のクライアント装置を、現に属しているグループから離脱させることなく、当該特定の複数のクライアント装置相互間での対話を許容するよう制御するよう構成された特定クライアント間対話制御部、
を備えたこと、
を特徴とする、オンライン対話システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかのオンライン対話システムに用いられる前記クライアント装置および/またはサーバ装置
【請求項6】
コンピュータを、請求項5クライアント装置および/またはサーバ装置の対話制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項6のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項8】
情報通信手段を介して情報の通信が可能な複数のクライアント装置および/またはサーバ装置を用いて行うオンライン対話方法であって、
前記各クライアント装置は、同一のグループに属する他のクライアント装置と対話可能な状態となるよう構成されたいずれかの仮想のグループに属するよう構成され、すべてのグループは、一の仮想の対話ルームに属するよう構成され、
前記クライアント装置および/またはサーバ装置が、前記クライアント装置において生成された信号であって、当該対話ルームに属する新たなグループの生成を求める旨のグループ生成要求信号を検出すると、当該クライアント装置を構成要素に含む新たなグループを生成するとともに、当該新たなグループを構成するクライアント装置を、直前に属していたグループから離脱させるよう制御するよう構成された新規グループ生成制御ステップ、を備えた、対話制御ステップを備え
前記グループ生成要求信号は、1のクライアント装置において生成された他のクライアント装置の指定を含む新たなグループの生成を提案する旨のグループ生成提案信号と、当該グループ生成提案信号に応答して当該指定された他のクライアント装置において生成された新たなグループの生成の提案を受諾する旨のグループ生成受諾信号と、を含むよう構成されたこと、
を特徴とする、オンライン対話方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、オンライン対話システムに関し、とくに情報通信手段を介して、文字、音声、画像(静止画像、映像等の動画像を含む。以下同様)などの情報を相互に提示・交換・共有する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信手段を介して、文字、音声、画像などの知覚情報を相互に提示・交換・共有すること(以下、このような行為を「対話」ということがある。)で、物理的に離れた場所からでも会議、会合、レッスンなど(以下、単に「会合」ということがある。)に参加することが可能なオンライン対話システム(テレビ会議システム、ビデオ会議システム、ウェブ会議システムなどと呼ばれるシステムを含む)が知られている。
【0003】
オンライン対話システムを利用すれば、遠隔地にあっても会合を開催したり会合に参加したりすることができることから、移動時間や移動コストの低減という観点で、効率的な会合の運用が期待できる。
【0004】
このようなシステムとして、たとえば、引用文献1に開示されたテレビ会議システムが提案されている。このシステムにおいては、会議の参加者の端末から得られた音声データなどに基づいて発言者を特定し、各端末に表示されている会議の参加者の映像のうち、発言者とそうでない者の映像を視覚的に区別して出力するよう構成している。(特許文献1の段落[0037]、[0045]~[0055]、図7図9図11図12図13図15図17図19図21参照)。
【0005】
このように構成することで、発言者は、自分で意識しなくても現在の発言者が自分であることを他の参加者に知らしめることができ、発言者以外の参加者も、発言者が誰であるかをリアルタイムで知ることができるから、参加者全員を会議に集中させることが可能となる。
【0006】
しかしながら、このようなシステムは、参加者全員を会議に集中させることに主眼をおくあまり、私語をすることが想定されていないなど、実際の会議に比し、過度の緊張感、被拘束感を参加者に与えることとなる。この結果、参加者の疲労感が増し、集中力が途切れるなど、逆に会議の効率化を阻害するおそれがある。
【0007】
さらに、近年では、インターネットなどの情報通信ネットワークに接続できる環境があれば、パーソナルコンピュータやスマートフォンを使用して、容易にテレビ会議に参加することが可能であることから、1つの会議に多数の者が参加する事態が想定されるところ、会議の参加者が多くなれば、これに比例して発言者の話す内容にあまり関心のない参加者の数も増加すると考えられ、やはり、効率的な会議運用を阻害する要因となっている。
【0008】
とりわけ、このようなシステムを、会議以外の用途(たとえばオンライン飲み会など、参加者の交流を目的とする会合など)に利用する場合、過度の緊張感、被拘束感を参加者に強いる従来のテレビ会議システムでは、円滑な会合の運用が困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2003-299051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、このような従来の問題を解決し、会合の参加者の多寡にかかわらず、効率的で円滑な会合の運用を実現することのできる、オンライン対話システムなどを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明によるオンライン対話システムは、情報通信手段を介して情報の通信が可能な複数のクライアント装置を含む一群の情報処理装置を備えたオンライン対話システムであって、各クライアント装置は、同一のグループに属する他のクライアント装置と対話可能な状態となるよう構成されたいずれかの仮想のグループに属するよう構成され、すべてのグループは、一の仮想の対話ルームに属するよう構成され、情報処理装置は、クライアント装置において生成された信号であって、当該対話ルームに属するグループであって自己の属するグループ以外の他のグループの指定を含む当該他のグループへの移動を求める旨のグループ間移動要求信号を検知すると、当該クライアント装置を当該他のグループの構成要素として追加するとともに、当該クライアント装置を、直前に属していたグループから離脱させるよう制御するよう構成されたグループ間移動制御部、を備えた対話制御部、を備えたこと、を特徴とする。
【0012】
本発明の特徴は、上記のように広く示すことができるが、その構成や内容は、目的および特徴とともに、図面を考慮に入れた上で、以下の開示によりさらに明らかになるであろう。
【0013】
なお、本願に係る各発明における、「クライアント装置が他のクライアント装置と対話可能な状態になる」とは、「クライアント装置を現在使用しているユーザが、他のクライアント装置を現在使用しているユーザと、それぞれのクライアント装置を介して対話可能になる」ことを意味する。したがって、説明が煩雑になることを避けるために、「クライアント装置が他のクライアント装置と対話可能な状態になる」ことを、適宜、「クライアント装置のユーザ(単に、「ユーザ」ということがある。以下同様。)が他のユーザと対話可能になる」のように表現する。
【0014】
また、本願に係る各発明における、「各クライアント装置がいずれかの仮想のグループに属する」とは、「各クライアント装置を現在使用しているユーザがいずれかのグループに属する」ことを意味する。したがって、説明が煩雑になることを避けるために、「各クライアント装置がいずれかの仮想のグループに属する」ことを、適宜、「各クライアント装置のユーザ(単に、「ユーザ」ということがある。以下同様。)がいずれかのグループに属する」のように表現する。
【発明の効果】
【0015】
本願の第1発明によるオンライン対話システムは、情報通信手段を介して情報の通信が可能な複数のクライアント装置を含む一群の情報処理装置を備えたオンライン対話システムであって、各クライアント装置は、同一のグループに属する他のクライアント装置と対話可能な状態となるよう構成されたいずれかの仮想のグループに属するよう構成され、すべてのグループは、一の仮想の対話ルームに属するよう構成され、情報処理装置は、クライアント装置において生成された信号であって、当該対話ルームに属するグループであって自己の属するグループ以外の他のグループの指定を含む当該他のグループへの移動を求める旨のグループ間移動要求信号を検知すると、当該クライアント装置を当該他のグループの構成要素として追加するとともに、当該クライアント装置を、直前に属していたグループから離脱させるよう制御するよう構成されたグループ間移動制御部、を備えた対話制御部、を備えたこと、を特徴とする。
【0016】
このように、一の仮想の対話ルームを複数の仮想のグループに分け、クライアント装置のユーザが同一のグループ内でのみ対話可能となるように構成することで、各ユーザは、他のグループの対話を気にすることなく、それぞれグループ内での対話に専念することが可能となる。
【0017】
そのうえで、ユーザが自由に他のグループに移動できるよう構成することで、各ユーザは、より関心のある話題について対話しているグループがあれば、会合中であっても、自由にそのグループに参加することが可能となる。
【0018】
したがって、本システムを、たとえば分科会形式の会議やいわゆるオンライン飲み会などの会合に適用すれば、会合の参加者の多寡にかかわらず、全体として効率的で円滑な会合の運用を実現することが可能となる。
【0019】
本願の第2発明によるオンライン対話システムは、本願の第1発明によるオンライン対話システムにおいて、対話制御部が、クライアント装置において生成された信号であって、当該対話ルームに属するグループであって自己の属するグループ以外の他のグループの指定を含む当該他のグループにおける対話内容の表示を求める旨の他グループ対話内容表示要求信号を検知すると、当該クライアント装置を現に属しているグループから離脱させることなく、当該他のグループの対話内容を当該クライアント装置に表示するよう制御する他グループ対話内容表示制御部、を備えたこと、を特徴とする。
【0020】
このように構成することで、ユーザは、他のグループに移動することなく、他のグループにおける対話内容、たとえば、他のグループにおける対話の様子を示す画像、音声、テキスト等の知覚情報を、知ることができる。
【0021】
したがって、ユーザは、自己のグループの対話内容に最も関心があるものの、他のグループの対話内容にもある程度関心があるような場合、自己のグループにとどまったまま、たとえば、他のグループにおける発言権のないオブザーバのような形で他のグループの対話にも参加することが可能となる。
【0022】
また、このように構成することで、ユーザは、他のグループに移動する前に、気になる他のグループの対話内容を予め知ることができる。その結果、ユーザによるグループ間移動を的確に実行させることが可能となり、無駄なグループ間移動を抑制することができる。
【0023】
本願の第3発明によるオンライン対話システムは、本願の第1ないし第2のいずれかの発明によるオンライン対話システムにおいて、対話制御部が、クライアント装置において生成された信号であって、当該対話ルームに属する新たなグループの生成を求める旨のグループ生成要求信号を検出すると、当該クライアント装置を構成要素に含む新たなグループを生成するとともに、当該新たなグループを構成するクライアント装置を、直前に属していたグループから離脱させるよう制御するよう構成された新規グループ生成制御部、を備えたこと、を特徴とする。
【0024】
このように構成することで、ユーザは、たとえば、自己の属しているグループを含め、いずれのグループの対話内容にもあまり関心がないものの、対話ルームからは退出したくない、または、退出できないような場合、対話ルーム内に新たなグループを生成し、そのグループに属することで、会合を有効活用する(とくに会合に費やされる時間を有効活用する。以下同様)ことが可能となる。
【0025】
本願の第4発明によるオンライン対話システムは、本願の第3発明によるオンライン対話システムにおいて、グループ生成要求信号が、1のクライアント装置において生成された他のクライアント装置の指定を含む新たなグループの生成を提案する旨のグループ生成提案信号と、当該グループ生成提案信号に応答して当該指定された他のクライアント装置において生成された新たなグループの生成の提案を受諾する旨のグループ生成受諾信号と、を含むよう構成されたこと、を特徴とする。
【0026】
このように構成することで、ユーザは、他のユーザに対し、新たなグループの生成を提案し、当該他のユーザがこの提案を受諾する場合には、これらのユーザを構成要素とする新たなグループを立ち上げることが可能となる。
【0027】
この結果、ユーザは、既存のグループにおける対話内容にとらわれない新たなテーマを対話対象とするグループや、気の合うユーザ同士で結成したグループを立ち上げることが可能となり、会合を有効活用することができる。
【0028】
本願の第5発明によるオンライン対話システムは、本願の第3発明によるオンライン対話システムにおいて、グループ生成要求信号が、クライアント装置において生成された当該クライアント装置のみを構成要素とする新たなグループの生成を求める旨の単一要素グループ生成要求信号であること、を特徴とする。
【0029】
このように構成することで、ユーザは、自己のみを構成要素とする新たなグループを立ち上げることが可能となる。
【0030】
この結果、ユーザは、対話ルームからは退出したくない、または、退出できないような場合であっても、誰とも対話する必要のない自分一人の新たなグループを生成することで、会合を有効活用することが可能となる。
【0031】
本願の第6発明によるオンライン対話システムは、本願の第1ないし第5のいずれかの発明によるオンライン対話システムにおいて、対話制御部が、クライアント装置において生成された信号であって、当該対話ルームに属する他のクライアント装置の指定を含む特定の複数のクライアント装置相互間での対話を求める旨の特定クライアント間対話要求信号を検知すると、当該特定の複数のクライアント装置を、現に属しているグループから離脱させることなく、当該特定の複数のクライアント装置相互間での対話を許容するよう制御するよう構成された特定クライアント間対話制御部、を備えたこと、を特徴とする。
【0032】
このように構成することで、ユーザは、他のグループに移動することなく、特定のユーザ間でのみ私的に対話することが可能となる。
【0033】
したがって、ユーザは、たとえば、自己のグループにおける主たる対話内容に関してさらに突き詰めた話題について、あるいは、グループにおける主たる対話内容と無関係の話題について、特定のユーザ間で私的に対話(いわゆる私語)をすることが可能となる。
【0034】
この結果、過度の緊張感、被拘束感を参加ユーザに強いることがなく、全体として効率的で円滑な会合の運用を実現することが可能となる。
【0035】
本願の第7発明による情報処理装置は、本願の第1ないし第6のいずれかの発明によるオンライン対話システムに用いられることを特徴とする。
【0036】
したがって、これらの情報処理装置をオンライン対話システムに用いることで、上記第1ないし第6のいずれかの発明と同様の効果を奏する。
【0037】
本願の第8発明によるプログラムは、コンピュータを、本願の第7発明による情報処理装置の対話制御部として機能させるためのプログラムである。
【0038】
したがって、当該プログラムをコンピュータに実行させることで、上記第7発明と同様の効果を奏する。
【0039】
本願の第9発明による記録媒体は、本願の第8発明によるプログラムを記憶した記録媒体である。
【0040】
したがって、記録媒体に記憶されたプログラムをコンピュータに実行させることで、上記第8発明と同様の効果を奏する。
【0041】
また、本願の第10発明によるオンライン対話方法は、情報通信手段を介して情報の通信が可能な複数のクライアント装置を含む一群の情報処理装置を用いて行うオンライン対話方法であって、各クライアント装置は、同一のグループに属する他のクライアント装置と対話可能な状態となるよう構成されたいずれかの仮想のグループに属するよう構成され、すべてのグループは、一の仮想の対話ルームに属するよう構成され、情報処理装置が、クライアント装置において生成された信号であって、当該対話ルームに属するグループであって自己の属するグループ以外の他のグループの指定を含む当該他のグループへの移動を求める旨のグループ間移動要求信号を検知すると、当該クライアント装置を当該他のグループの構成要素として追加するとともに、当該クライアント装置を、直前に属していたグループから離脱させるよう制御するよう構成されたグループ間移動制御ステップ、を備えた対話制御ステップ、を備えたこと、を特徴とする。
【0042】
したがって、情報通信手段を介して情報の通信が可能な複数のクライアント装置を含む一群の情報処理装置を用いて当該方法を使用することで、上記第1発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、この発明の一実施形態によるオンライン対話システム2の構成を示すブロック図である。
図2図2は、サーバ装置4の構成を例示するブロック図である。
図3図3は、各クライアント装置6の構成を例示するブロック図である。
図4図4は、図2に示すサーバ装置4および図3に示すクライアント装置6のハードウェア構成の一例を示すブロック図であって、サーバ装置4およびクライアント装置6として、それぞれ1台のコンピュータ用いた場合の例である。
図5図5は、オンライン対話システム2において実現される仮想の対話ルームの構成を模式的に例示した図面である。
図6図6は、オンライン対話システム2を構成するサーバ装置4における処理の流れの一例を示すフローチャートであって、主として、各種制御データの授受に関連した処理について説明するための図面である。
図7図7は、オンライン対話システム2を構成する各クライアント装置6における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、オンライン対話システム2を構成する各クライアント装置6における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9図9は、ユーザ管理テーブル21の一例を示す図面である。
図10図10は、サーバ側対話管理テーブル22の一例を示す図面である。
図11図11は、クライアント側対話管理テーブル41の一例を示す図面であって、各ユーザの対話状況が変遷してゆく状況を説明するための図面である。
図12図12は、クライアント側対話管理テーブル41の一例を示す図面であって、各ユーザの対話状況が変遷してゆく状況を説明するための図面である。
図13図13Aおよび図13Bは、クライアント側対話管理テーブル41の一例を示す図面であって、各ユーザの対話状況が変遷してゆく状況を説明するための図面である。
図14図14Aおよび図14Bは、クライアント側対話管理テーブル41の一例を示す図面であって、各ユーザの対話状況が変遷してゆく状況を説明するための図面である。
図15図15Aおよび図15Bは、クライアント側対話管理テーブル41の一例を示す図面であって、各ユーザの対話状況が変遷してゆく状況を説明するための図面である。
図16図16Aおよび図16Bは、オンライン対話システム2における処理に際し、クライアント装置6のLCD70に表示される表示画面80の例を示す図面である。
図17図17Aおよび図17Bは、オンライン対話システム2における処理に際し、クライアント装置6のLCD70に表示される表示画面80の例を示す図面である。
図18図18Aおよび図18Bは、オンライン対話システム2における処理に際し、クライアント装置6のLCD70に表示される表示画面80の例を示す図面である。
図19図19Aおよび図19Bは、オンライン対話システム2における処理に際し、クライアント装置6のLCD70に表示される表示画面80の例を示す図面である。
図20図20Aおよび図20Bは、オンライン対話システム2における処理に際し、クライアント装置6のLCD70に表示される表示画面80の例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
(1.本システムの構成)
図1は、この発明の一実施形態によるオンライン対話システム2の構成を示すブロック図である。
【0045】
オンライン対話システム2は、情報処理装置として、サーバ装置4および複数のクライアント装置6、6、・・・を備えており、サーバ装置4と各クライアント装置6との間、ならびに、クライアント装置6、・・・相互間は、適宜、情報通信手段8を介して、文字、音声、画像、制御信号等の情報の通信が可能となっている。
【0046】
なお、以下、クライアント装置6における表示対象となる知覚情報(文字、音声、画像等)をとくに「コンテンツデータ」ということがある。また、本システム2における各処理を実行するために用いられる制御信号等の情報(コンテンツデータを除く)を「制御データ」ということがある。「コンテンツデータ」および「制御データ」を「コンテンツデータ等」と総称することがある。
【0047】
図2は、サーバ装置4の構成を例示するブロック図である。
【0048】
図2に示すように、サーバ装置4は、サーバ側対話制御部10とサーバ側記憶部20とを備えている。
【0049】
サーバ側対話制御部10は、情報処理装置としてのサーバ装置4に設けられた対話制御部であって、通信制御部11と、ルーム管理部12とを備えている。
【0050】
通信制御部11は、クライアント装置6、・・・相互間におけるコンテンツデータ等の通信が円滑に実行されるよう制御する。また、通信形態によっては、コンテンツデータ等の中継等も行う。
【0051】
ルーム管理部12は、仮想の対話ルーム、対話ルームに属する仮想のグループ、グループに属するクライアント装置6のユーザの構成を管理する。
【0052】
サーバ側記憶部20は、ユーザ管理テーブル21と、サーバ側対話管理テーブル22とを備えている。サーバ側記憶部20は、さらに、本システム2においてサーバ装置4側で実行されるプログラム(サーバ側プログラム)を記憶している。
【0053】
ユーザ管理テーブル21は、ユーザの属性等を記憶したテーブルである。図9は、ユーザ管理テーブル21の一例を示す図面である。この例では、本システム2を利用する各ユーザの属性として、ユーザの識別標識である「ユーザID」、ユーザの「名称」、「所属」、本システム2にログインするための「パスワード」が記憶されている。
【0054】
なお、ユーザ管理テーブル21に記憶されるユーザの属性は、これに限定されるものではなく、たとえば、ユーザの性別、年齢、住所等が含まれるよう構成することもできる。
【0055】
サーバ側対話管理テーブル22は、ユーザの対話状況を管理(把握)するためにサーバ装置4側に設けられたテーブルである。図10は、サーバ側対話管理テーブル22の一例を示す図面である。この例では、各ユーザの現在の対話状況を示す情報として、「ユーザID」、コンテンツデータ等を当該ユーザ宛に送信(アップロード)するための宛先を表す「宛先情報」、当該ユーザの属するグループの識別標識である「グループID」、当該ユーザの属する対話ルームの識別標識である「ルームID」が記憶されている。
【0056】
このうち、「ユーザID」は、ユーザ管理テーブル21に記憶されている同名の項目で示される情報と同じ内容である。
【0057】
図3は、各クライアント装置6の構成を例示するブロック図である。
【0058】
図3に示すように、クライアント装置6は、クライアント側対話制御部30とクライアント側記憶部40とを備えている。
【0059】
クライアント側対話制御部30は、情報処理装置としてのクライアント装置6に設けられた対話制御部であって、送受信制御部31、表示制御部32、グループ間移動制御部33、他グループ対話内容表示制御部34、新規グループ生成制御部35、および特定クライアント間対話制御部36を備えている。
【0060】
送受信制御部31は、コンテンツデータ等を他のクライアント装置6やサーバ装置4に送信したり、他のクライアント装置6やサーバ装置4から送信されたコンテンツデータ等を受信したりするよう制御する。
【0061】
表示制御部32は、受信したコンテンツデータを所定の仕様にしたがって表示するよう制御する。コンテンツデータのうち画像は、たとえばクライアント装置6のLCD70(図16A参照)に描画する態様で表示される。音声は、たとえばクライアント装置6のスピーカ71(図16A参照。イヤホンやヘッドホン等を含む。以下同様)から音声情報として出力する態様で表示される。文字は、たとえば、クライアント装置6のLCD70に描画したり、クライアント装置6のスピーカ71から音声情報として出力したりする態様で表示される。
【0062】
上記表示処理に際し、表示制御部32は、各クライアント装置6から(直接的に、または、サーバ装置4を介して間接的に)受信した各コンテンツデータを統合・編集したうえで、自己のクライアント装置6に表示したり、サーバ装置4において既に統合・編集済みのコンテンツデータを、そのまま、あるいは、一部加工して、自己のクライアント装置6に表示したりするよう制御する。
【0063】
グループ間移動制御部33は、クライアント装置6において生成された信号であって、他のグループ(自己の属する対話ルームに属するグループであって自己の属するグループ以外のグループ)の指定を含む当該他のグループへの移動を求める旨のグループ間移動要求信号を検知すると、当該クライアント装置6のユーザを当該他のグループの構成要素として追加するとともに、当該クライアント装置6のユーザを、直前に属していたグループから離脱させるよう制御するよう構成されている。
【0064】
この実施形態においては、グループ間移動要求信号は、1のクライアント装置6において生成され、グループ間移動制御部33における処理も、当該クライアント装置6において実行されるよう構成されている。
【0065】
他グループ対話内容表示制御部34は、クライアント装置6において生成された信号であって、他のグループ(自己の属する対話ルームに属するグループであって自己の属するグループ以外のグループ)の指定を含む当該他のグループにおける対話内容の表示を求める旨の他グループ対話内容表示要求信号を検知すると、当該クライアント装置6のユーザを現に属しているグループから離脱させることなく、当該他のグループの対話内容を当該クライアント装置6に表示するよう制御するよう構成されている。
【0066】
この実施形態においては、他グループ対話内容表示要求信号は、1のクライアント装置6において生成され、他グループ対話内容表示制御部34における処理も、当該クライアント装置6において実行されるよう構成されている。
【0067】
新規グループ生成制御部35は、クライアント装置6において生成された信号であって、自己の属する対話ルームに属する新たなグループの生成を求める旨のグループ生成要求信号を検出すると、当該クライアント装置6のユーザを構成要素に含む新たなグループを生成するとともに、当該新たなグループを構成するクライアント装置6のユーザを、直前に属していたグループから離脱させるよう制御するよう構成されている。
【0068】
この実施形態においては、グループ生成要求信号は、1または2以上のクライアント装置6において生成され、新規グループ生成制御部35における処理も、これらのクライアント装置6において実行されるよう構成されている。
【0069】
たとえば、グループ生成要求信号は、1のクライアント装置6において生成された他のクライアント装置6のユーザの指定を含む新たなグループの生成を提案する旨のグループ生成提案信号と、当該グループ生成提案信号に応答して当該指定された他のクライアント装置6において生成された新たなグループの生成の提案を受諾する旨のグループ生成受諾信号と、を含むよう構成することができる。
【0070】
また、グループ生成要求信号は、1のクライアント装置6において生成された当該クライアント装置6のユーザのみを構成要素とする新たなグループの生成を求める旨の単一要素グループ生成要求信号であるよう構成することもできる。
【0071】
特定クライアント間対話制御部36は、クライアント装置6において生成された信号であって、自己の属する対話ルームに属する他のクライアント装置6の指定を含む、特定の複数のクライアント装置6のユーザ相互間での対話を求める旨の特定クライアント間対話要求信号を検知すると、当該特定の複数のクライアント装置6のユーザを、現に属しているグループから離脱させることなく、当該特定の複数のクライアント装置6のユーザ相互間での対話を許容するよう制御するよう構成されている。
【0072】
この実施形態においては、特定クライアント間対話要求信号は、特定の複数のクライアント装置6のうち少なくとも一のクライアント装置6において生成され、特定クライアント間対話制御部36における処理は、これらの特定の複数のクライアント装置6において実行されるよう構成されている。
【0073】
クライアント側記憶部40は、クライアント側対話管理テーブル41を備えている。クライアント側記憶部40は、さらに、本システム2においてクライアント装置6側で実行されるプログラム(クライアント側プログラム)を記憶している。
【0074】
クライアント側対話管理テーブル41は、ユーザの対話状況を管理(把握)するためにクライアント装置6側に設けられたテーブルである。図11図15Bは、クライアント側対話管理テーブル41の一例を示す図面であって、各ユーザの対話状況が変遷してゆく状況を説明するための図面である。
【0075】
この例では、各ユーザの現在の対話状況を示す情報として、「ユーザID」、「宛先情報」、「グループID」、現在の発言者(フラグ'1'で示されている)を示す「発言者フラグ」、他グループ対話内容表示要求信号において現に指定されている他のグループのグループIDを表す「他グループ対話内容表示」、特定クライアント間対話要求信号において現に指定されているユーザのユーザIDを表す「特定クライアント間対話指定先」、特定クライアント間対話要求信号を現に発しているユーザのユーザIDを表す「特定クライアント間対話指定元」が記憶されている。なお、同テーブルにおいて'-'は、当該情報が存在しないことを示す。
【0076】
クライアント側対話管理テーブル41に示す情報のうち、「ユーザID」、「宛先情報」、「グループID」は、サーバ側対話管理テーブル22に記憶されている同名の項目で示される情報と同じ内容である。
【0077】
図4は、図2に示すサーバ装置4および図3に示すクライアント装置6のハードウェア構成の一例を示すブロック図であって、サーバ装置4およびクライアント装置6として、それぞれ1台のコンピュータ用いた場合の例である。
【0078】
サーバ装置4は、とくに限定されるものではないが、この例では、一般的なサーバコンピュータと同様の構成である。
【0079】
サーバ装置4は、オンライン対話システム2のサーバ装置4側のプログラムを記憶した記録媒体であり、サーバ側記憶部20でもあるハードディスクを備えたHDD(ハードディスクドライブ)等の補助記憶装置55、補助記憶装置55に記憶されたプログラムがロードされる主記憶装置54、主記憶装置54にロードされたプログラムを実行するサーバ側対話制御部10に対応するCPU51、LCD(液晶表示装置)等の表示装置52,キーボード、マウス、トラックパッド等の入力装置53、および、情報通信手段8を介してクライアント装置6と通信するための通信インタフェース56を備えている。
【0080】
クライアント装置6は、とくに限定されるものではなく、たとえばパーソナルコンピュータであってもよいし、タブレット型コンピュータであってもよいし、携帯情報端末装置であってもよいし、いわゆるスマートフォンに代表される携帯電話機であってもよい。
【0081】
クライアント装置6は、オンライン対話システム2のクライアント装置6側のプログラムを記憶した記録媒体であり、クライアント側記憶部40でもあるフラッシュメモリを搭載したSSD(ソリッドステートドライブ)等の補助記憶装置65、補助記憶装置65に記憶されたプログラムがロードされる主記憶装置64、主記憶装置64にロードされたプログラムを実行するクライアント側対話制御部30に対応するCPU61、LCD(液晶表示装置)、スピーカ等の表示装置62,入力キー、タッチパネル、マイクロフォン(以下、「マイク」と略称することがある。)、カメラ等の入力装置63、および、情報通信手段8を介してサーバ装置4や他のクライアント装置6と通信するための通信インタフェース66、を備えている。
【0082】
情報通信手段8は、電気信号、光信号等に変換された情報を伝達するための通信手段であって、有線、無線の別を問わない。情報通信手段8として、インターネットに代表されるWAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のコンピュータネットワーク、電話回線(携帯電話回線を含む。)、専用回線等の通信回線、通信ケーブルや赤外線等による直接接続、あるいはこれらを組合わせたものが例示される。
【0083】
図5は、オンライン対話システム2において実現される仮想の対話ルームの構成を模式的に例示した図面である。この図面には、図10に示すサーバ側対話管理テーブル22および図11に示すクライアント側対話管理テーブル41に表される対話ルームR01(ルームID:R01)の状況が表されている。
【0084】
この例では、対話ルームR01は、現在、グループGA、グループGB、グループGC、グループGDの4つのグループにより構成されている。1つのグループを構成するユーザ、たとえば、グループGAを構成するユーザU01、ユーザU02、ユーザU03、ユーザU04は、それぞれ、原則として、同一のグループ(すなわち、グループGA)に属する他のユーザと対話可能な状態であるが、他のグループ(すなわち、グループGB、グループGC、グループGD)に属するユーザとは対話不能な状態となるよう構成されている。なお、グループGDは、ユーザU10のみを構成要素とする単一要素グループである。対話ルームR01における各グループの現在の発言者にハッチングを付している。

(2.本システムにおける処理)
図6は、オンライン対話システム2を構成するサーバ装置4における処理の流れの一例を示すフローチャートであって、主として、各種制御データの授受に関連した処理について説明するための図面である。図7および図8は、オンライン対話システム2を構成する各クライアント装置6における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0085】
図16A図20Bは、オンライン対話システム2における処理に際し、クライアント装置6(この例ではスマートフォン)のLCD70に表示される表示画面80の例を示す図面である。
【0086】
なお、図16A等に示すように、クライアント装置6は、表示装置62としての、LCD70およびスピーカ71、ならびに、入力装置63としての、マイク72、カメラ73およびタッチパネル74を備えている。
【0087】
図6図20Bを参照しつつ、オンライン対話システム2における処理手順の一例について説明する。オンライン対話システム2における処理全般を、オンライン対話処理という。
【0088】
(2-1.ログイン関連処理)
図7に示すように、クライアント装置6は、当該クライアント装置6の入力装置63から入力されるログイン入力を監視している(ステップS11)。
【0089】
ユーザが新たな対話ルームの開設を希望する場合、ログイン入力の内容はとくに限定されるものではないが、たとえば、当該ユーザのユーザIDおよびパスワード、ならびに、対話ルームの開設を希望する旨の要求が含まれるよう構成することができる。
【0090】
一方、ユーザが既設の対話ルームへの入室を希望する場合、ログイン入力の内容はとくに限定されるものではないが、たとえば、当該ユーザのユーザIDおよびパスワード、ならびに、当該対話ルームのルームIDおよびパスワードが含まれるよう構成することができる。
【0091】
ログイン入力を検知すると、クライアント装置6は、ログイン要求処理を実行する(ステップS12)。
【0092】
ログイン要求処理において、クライアント装置6は、サーバ装置4に対し、ログイン入力がなされた旨、およびログイン入力の内容を含むログイン要求信号を送信する。
【0093】
図6に示すように、サーバ装置4は、各クライアント装置6からのログイン要求信号を監視しており(ステップS1)、いずれかのクライアント装置6からログイン要求信号を受信すると、ログイン処理を実行する(ステップS2)。
【0094】
ログイン処理において、まず、ユーザ認証処理が実行される。ユーザ認証処理において、サーバ装置4は、ユーザ管理テーブル21(図9参照)を参照し、ログイン要求信号に含まれるユーザIDとパスワードの組み合わせがユーザ管理テーブル21に登録されていれば、当該ユーザが本システムの登録メンバーであると判断し、ユーザ認証処理を終了する。もっとも、ユーザの認証方法はこれに限定されるものでなく、たとえば、公開鍵・秘密鍵を用いた認証方法等を利用することもできる。
【0095】
なお、ユーザ認証処理は、必ずしも厳格に実行される必要はなく、たとえば、ユーザ管理テーブル21に登録されていないユーザであっても、所定の処理(たとえば、仮登録等の処理)を行ったうえで、ユーザ認証処理に成功したものとみなすよう構成することもできる。
【0096】
ユーザ認証処理に成功する(成功したとみなされた場合を含む)と、つぎに、ログイン要求信号に対話ルームの開設を希望する旨の要求が含まれる場合、対話ルーム設定処理が実行される。対話ルーム設定処理において、サーバ装置4は、当該ユーザを主催者とする新たな仮想の対話ルームを開設し、当該対話ルームのルームID(たとえばR1)および当該対話ルームのパスワードを設定し、これらを関連付けてサーバ側記憶部20に記憶する(図示せず)とともに、当該ユーザにこれらの情報を通知する。
【0097】
主催者たるユーザは、他のユーザに当該対話ルームのルームIDおよびパスワードを、何らかの手段(例えば電子メール)を用いて通知し、当該対話ルームへの参加を勧めることができる。
【0098】
一方、ログイン要求信号に既設の対話ルームのルームIDおよびパスワードが含まれる場合、対話ルーム入室許可処理が実行される。対話ルーム入室許可処理において、サーバ装置4は、ログイン要求信号に含まれるルームIDおよびパスワードが、サーバ側記憶部20に記憶されている情報と一致するか否か判断し、一致すると判断した場合は、当該ユーザによる当該対話ルームへのログイン(入室)を許可する。
【0099】
なお、主催者たるユーザについては、あらためて既設の対話ルームへの入室を希望する旨の要求を含むログイン入力を実行しなくても、上記対話ルーム設定処理実行後に、自動的に、当該対話ルームへの入室を許可するよう構成することもできる。
【0100】
対話ルームへの入室が許可されたユーザについては、そのユーザIDと対話ルームのルームIDとが関連付けて、サーバ側対話管理テーブル22(図10参照)に記憶される。
【0101】
ログイン処理(ステップS2)において、つぎに、グループ割り当て処理、および、通信形態決定処理が実行される。
【0102】
グループ割り当て処理において、サーバ装置4は、ログインを許可されたユーザが当該対話ルーム内において最初に属すべきグループを決定する。
【0103】
グループの割り当て方法はとくに限定されるものではないが、たとえば、当該対話ルーム内に1のグループ(たとえばグループGA)を開設し、ログインを許可したユーザの数が所定の想定定員(たとえば4人)に達するまで同一グループに配属してゆき、当該グループが想定定員に達した後は、別のグループ(たとえばグループGB)を開設して、以後ログインを許可されたユーザは、当該別のグループに配属するようにし、以後同様の処理を繰り返すよう構成することができる。
【0104】
あるいは、当該対話ルーム内に複数のグループをあらかじめ設定しておき、ログインを許可されたユーザの所属すべきグループを、当該ユーザの属性(たとえば、所属、性別、年齢、住所等)に基づいて割り当てたり、各ユーザの希望を考慮して割り当てたり、無作為に割り当てたりするよう構成することもできる。
【0105】
グループの割り当て方法は、あらかじめサーバ装置4に設定しておくよう構成することもできるし、ユーザ、とくに主催者たるユーザが、サーバ装置4に対して、適宜、指定できるよう構成することもできる。
【0106】
グループが割り当てられたユーザについては、そのユーザIDと当該グループのグループIDとが関連付けて、サーバ側対話管理テーブル22(図10参照)に記憶される。
【0107】
つぎに、通信形態決定処理について説明する。通信形態決定処理において、サーバ装置4は、各クライアント装置6において生成された(あるいは入力された、以下同様)コンテンツデータ等を、他のクライアント装置6やサーバ装置4との間で、どのような通信形態(通信経路や通信規格等)で通信するかについて決定する処理を行う。
【0108】
本システム2における通信形態は、とくに限定されるものではないが、この実施形態においては、Webブラウザを介してコンテンツデータ等のリアルタイム通信を可能とする技術であるWebRTC(Web Real-Time Communication)を利用して通信する場合を例示している。
【0109】
そして、この例では、WebRTCを利用する場合の通信形態として、コンテンツデータ等をクライアント装置6相互間で送受信する際に、直接的に(または直接的とみなされる状態で)通信を行うP2P(Peer to Peer)型と呼ばれる通信形態と、サーバ装置4を介して間接的に通信を行うSFU(Selective Forwarding Unit)型と呼ばれる通信形態とが想定されており、いずれの通信形態とすべきかが、サーバ装置4において決定される。
【0110】
P2P型の通信形態においては、1のクライアント装置6において生成されたコンテンツデータ等を他のすべてのクライアント装置6に個々に送信するとともに、他のクライアント装置6において生成されたコンテンツデータ等を当該他のクライアント装置6から個々に受信することになる。このため、他のクライアント装置6の数をnとすると、アップロード、ダウンロードともn経路となる。この結果、通信相手となるクライアント装置6の数nが多くなると、クライアント装置6の通信負荷が過大となるおそれがある。
【0111】
一方、SFU型の通信形態においては、他のクライアント装置6において生成されたコンテンツデータ等を他のクライアント装置6から個々に受信することはP2P型の通信形態と同様であるが、1のクライアント装置6において生成されたコンテンツデータ等は、サーバ装置4のみに送信すればよい。このため、ダウンロードはn経路となるものの、アップロードは1経路となる。この結果、通信相手となるクライアント装置6の数が多くなっても、クライアント装置6の通信負荷は、P2P型の通信形態の場合ほど大きくならない。
【0112】
なお、WebRTCを利用したP2P型の通信形態を実行するために、この実施形態においては、サーバ装置4は、Webサーバとしての機能、シグナリングサーバとしての機能、STUN(Session Traversal Utilities for NAT)サーバとしての機能およびTURN(Traversal Using Relay around NAT)サーバとしての機能を備えている。
【0113】
Webサーバは、クライアント装置6のWebブラウザに、本システム2を利用するためのWebページ等を提供するために用いられる。
【0114】
シグナリングサーバは、P2P型の通信を行うために、通信相手との間で宛先情報(たとえば、IPアドレスおよびポート番号)の交換を行うために用いられる。
【0115】
STUNサーバ、TURNサーバは、クライアント装置6がNAT( Network Address Translation)やファイヤーウォールで保護されている場合に、P2P型の通信を行うために、いわゆるNAT越え、ファイヤーウォール越えをするために用いられる。
【0116】
また、WebRTCを利用したSFU型の通信形態を実行するために、この実施形態においては、サーバ装置4は、さらにSFUサーバとしての機能を備えている。
【0117】
SFUサーバは、各クライアント装置6から受信したコンテンツデータ等を中継し、各クライアント装置6に、そのまま転送するために用いられる。
【0118】
通信形態の決定方法は、とくに限定されるものではないが、たとえば、1の対話ルームにおける参加メンバーの人数が所定数(たとえば5人)以下の場合はP2P型とし、これを超える場合はSFU型とするよう構成することができる。また、クライアント装置6の通信負荷やサーバ装置4における処理負荷等を検知し、当該検知結果に基づいて、P2P型とSFU型とを切り替えるよう構成することもできる。さらに、クライアント装置6からの所定の要求(たとえばサーバ装置4に対話内容の録画や録音を残す要求)があれば、強制的にSFU型に切り替えるよう構成することもできる。
【0119】
通信形態決定処理において通信形態が決定されると、サーバ装置4は、決定された通信形態に対応した各ユーザの宛先情報をサーバ側対話管理テーブル22(図10参照)に書き込む。
【0120】
決定された通信形態がP2P型の通信形態である場合、クライアント装置6から見たコンテンツデータ等のアップロード先は、他のクライアント装置6となるから、各ユーザの宛先情報として、たとえば、それらのクライアント装置のIPアドレス、ポート番号が書き込まれる。
【0121】
一方、決定された通信形態がSFU型の通信形態である場合、クライアント装置6から見たコンテンツデータのアップロード先は、サーバ装置4のうちSFUサーバ相当部となるから、各ユーザの宛先情報として、たとえば、当該SFUサーバ相当部を示すIPアドレス等が書き込まれる。
【0122】
最後に、サーバ装置4は、サーバ側対話管理テーブル22に記憶されている当該対話ルームを構成するユーザ全員の「ユーザID」、「宛先情報」および「グループID」(以下、これらのデータを、サーバ装置4に記憶された対話処理に用いられる情報を意味する「サーバ側対話用情報」と呼ぶことがある。)を、当該対話ルーム(例えば対話ルームR01)を構成するすべてのユーザのクライアント装置6に送信して、ログイン処理(図6、ステップS2)を終了する。

(2-2.対話用情報設定・更新処理)
つぎに、図7に示すように、クライアント装置6は、対話用情報設定・更新処理を実行する(ステップS13)。
【0123】
対話用情報設定・更新処理において、クライアント装置6は、サーバ装置4から受信したサーバ側対話用情報に基づいて、クライアント装置6側の対話用情報の設定または更新を行う。
【0124】
クライアント装置6側の対話用情報(以下、クライアント装置6に記憶された対話処理に用いられる情報を意味する「クライアント側対話用情報」と呼ぶことがある。)とは、図11に示すクライアント側対話管理テーブル41に記載されたデータのうち「ユーザID」、「宛先情報」および「グループID」の項目で示されるデータである。
【0125】
すなわち、対話用情報設定・更新処理において、クライアント側対話管理テーブル41の「クライアント側対話用情報」がサーバ側対話管理テーブル22の「サーバ側対話用情報」に同期されることになる。

(2-3.対話処理)
つづいて、クライアント装置6は、対話処理を実行する(ステップS14)。対話処理の詳細な一例を図8に示す。
【0126】
(2-3-1.データ送受信・表示処理)
対話処理において、クライアント装置6は、データ送受信・表示処理(すなわち、データ送受信処理および表示処理を実行する(ステップS21)。
【0127】
データ送受信処理において、クライアント装置6は、当該クライアント装置6の入力装置63(マイク72、カメラ73、タッチパネル74等)から入力された、または、当該クライアント装置6のクライアント側記憶部40に記憶されていたコンテンツデータ等を、現在の通信形態に従って他のクライアント装置6に送信する。
【0128】
各クライアント装置6にコンテンツデータ等を送信する場合の宛先(アップロード先)は、クライアント側対話管理テーブル41の「宛先情報」として記憶されており、この「宛先情報」は、現在の通信形態(この実施形態においては、P2P型またはSFU型)に対応した情報となっている。したがって、当該「宛先情報」に従ってコンテンツデータ等を送信すれば、通信形態の如何にかかわらず、他のクライアント装置6に当該データを送信することができる。
【0129】
データ送受信処理において、クライアント装置6は、他のクライアント装置6から送信されたコンテンツデータ等を、現在の通信形態に対応した所定の通信経路を経て受信する。この実施形態においては、いずれの通信経路を経て受信する場合であっても、各クライアント装置6においてアップロードされたコンテンツデータ等は、統合・編集等の加工が施されることなく、そのまま他のクライアント装置6に受信される。
【0130】
表示処理において、クライアント装置6は、自己のクライアント装置6において生成されたコンテンツデータ、および、受信した他のクライアント装置6のコンテンツデータに統合・編集等の加工を施したうえ、表示画面80を生成してLCD70に表示したり(このような表示処理の形態を、以下、「画面による表示処理」ということがある。)、スピーカ71を介して音声を出力したり(このような表示処理の形態を、以下、「音声による表示処理」ということがある。)するよう構成されている。
【0131】
まず、表示処理のうち、画面による表示処理について説明する。
【0132】
図16A図16B図17A図17B図18A図18B図19A図19B図20Aおよび図20Bは、クライアント装置6の外観の一例を表す図面であって、本システム2における、クライアント装置6の表示画面80の推移を説明するための図面である。なお、以後、とくにユーザを特定して説明する必要のある場合は、たとえば、ユーザU01の使用するクライアント装置6をクライアント装置6a、ユーザU03の使用するクライアント装置6をクライアント装置6bのように表現することがある。
【0133】
図16Aに示すように、クライアント装置6のLCD70には、クライアント装置6における画面による表示処理で生成された表示画面80が表示されている。表示画面80の構成はとくに限定されるものではないが、この例では、表示画面80が、自己グループ表示部81と他グループ表示部86とを備えるよう構成されている。
【0134】
自己グループ表示部81には、自己の属するグループ(以下、「自己グループ」ということがある。この例ではグループGA)の対話状況が表示される。自己グループ表示部81の構成はとくに限定されるものではないが、この例では、当該グループを構成する各ユーザの画像を個別に表示するユーザ別表示部82を、当該グループを構成するユーザの数だけ、並べて配置するよう構成している。また、自己グループ表示部81の一部に、当該グループのグループIDを表す表示(この例では「Group GA」)が表示されている。
【0135】
また、各ユーザ別表示部82には、ユーザの画像とともに、当該ユーザのユーザID(又は当該ユーザの名称)を併せて表示するよう構成している。
【0136】
自己グループにおける現在の発言者を示す発言者マーク83が、当該発言者であるユーザに対応するユーザ別表示部82の一部またはその近傍に表示される。この例では、特定色(たとえば青色)に変更されたユーザ別表示部82の外枠が、発言者マーク83に該当する。
【0137】
各グループにおける現在の発言者は、クライアント側対話管理テーブル41(図11参照)の「発言者フラグ」によって示される。「発言者フラグ」に示すフラグが‘1’であるユーザが現在の発言者である。この「発言者フラグ」に基づいて発言者マーク83が表示される。
【0138】
なお、この実施形態においては、自己(この例ではユーザU01)の画像が表示されるユーザ別表示部82を、自己グループに属する他のユーザと区別可能な状態で表示するよう構成している。「区別可能な状態」は、とくに限定されるものではないが、たとえば、表示画面80内の特定の位置に配置することが含まれる。この例では、自己の画像が表示されるユーザ別表示部82を、常に、自己グループ表示部81の左上隅に配置するよう構成している。このほか、「区別可能な状態」として、自己の画像が表示されるユーザ別表示部82の大きさを、他のユーザのそれと異ならせることもできる。
【0139】
つぎに、他グループ表示部86の構成について説明する。他グループ表示部86には、自己グループ以外のグループ(この例ではグループGB、グループGCおよびグループGD。以下、これらを「他グループ」と総称することがある。)の対話状況が表示される。
【0140】
この実施形態においては、他グループ表示部86には、「他グループ」の対話状況に加え「無人グループ」を表示するよう構成している。「無人グループ」については、後述する。
【0141】
他グループ表示部86の構成はとくに限定されるものではないが、この例では、自己の属する対話ルーム(この例では対話ルームR01)に属する他グループの画像をグループ単位で個別に表示するグループ別表示部87を一つ配置するよう構成している。
【0142】
グループ別表示部87の表示方法はとくに限定されるものではないが、たとえば、グループ別表示部87に表示されるグループが、適宜、変更されるよう構成することができる。グループ別表示部87に表示されるグループの変更方法も限定されるものではないが、たとえば、一定時間ごとに、グループGB、グループGC、グループGD、無人グループ、の順に順次表示してゆき、以後、これを繰り返すよう構成することもできる。
【0143】
また、グループ別表示部87の近傍の所定位置(この例では右側および左側)に送りボタン88を表示し、送りボタン88をタップすると、グループ別表示部87に表示されるグループが変更されるよう構成することもできる。また、グループ別表示部87をスワイプすることで、グループ別表示部87に表示されるグループが変更されるよう構成することもできる。
【0144】
グループ別表示部87に表示されるグループを変更する方法は、上記の方法に限定されるものではない。たとえば、表示画面80上で所定の操作を実行したり、クライアント装置6の所定の入力キー(図示せず)を操作したりするなど、クライアント装置6に対する所定の動作を行うことで、グループ別表示部87に表示されるグループを変更するよう構成することができる。さらに、上述のグループの変更方法を併せて用いるよう構成することもできる。
【0145】
グループ別表示部87に表示される他グループの画像の内容はとくに限定されるものではないが、当該他グループの画像として、たとえば、当該他グループを代表するユーザの画像を用いるよう構成することができる。
【0146】
他グループを代表するユーザは、とくに限定されるものではないが、この例では、当該他グループにおいて現在、発言者が存する場合には、当該発言者を、他グループを代表するユーザとするよう構成している。
【0147】
この場合、上述のように、他グループを含め、各グループにおける現在の発言者は、クライアント側対話管理テーブル41(図11参照)の「発言者フラグ」によって示される。この「発言者フラグ」の内容に基づいて、グループ別表示部87に表示される画像が決定されることになる。
【0148】
また、他グループ表示部86の一部(この例では、グループ別表示部87の下端近傍)に、現在、グループ別表示部87に表示されている他グループのグループIDを表す表示(この例では「Group GB」)が表示されている。
【0149】
また、グループ別表示部87には、現在、表示されている他グループを代表するユーザの画像とともに、当該ユーザのユーザID(又は当該ユーザの名称)を併せて表示するよう構成している。
【0150】
なお、他グループ表示部86の構成として、たとえば、他グループ表示部86に、グループ別表示部87を複数、配置するよう構成することもできる。この場合、すべての他グループ(グループGB、グループGC、グループGD)および無人グループの合計数(この例では4つ)に相当する数のグループ別表示部87を配置することで、これらのグループにおける状況を同時に表示するよう構成することもできる。
【0151】
さて、この実施形態では、表示画面80を構成する自己グループ表示部81および他グループ表示部86のうち、自己グループ表示部81には、自己グループの対話状況が詳細に表示される一方、他グループ表示部86には、他グループの対話状況が、自己グループの対話状況に比し、簡略に表示されている。
【0152】
また、図16Aに示すように、表示画面80において、自己グループ表示部81が他グループ表示部86より上方に配置され、加えて、自己グループ表示部81の占める面積が、他グループ表示部86の占める面積よりも大きくなるよう構成されている。
【0153】
換言すれば、この実施形態では、画面による表示処理において、主として自己グループの対話状況を表示するとともに、付加的に他グループの対話状況を表示するよう構成している。もちろん、画面による表示処理の構成は、これに限定されるものではない。
【0154】
つぎに、表示処理のうち、音声による表示処理について説明する。
【0155】
音声による表示処理における表示方法は、とくに限定されるものではないが、上記の画面による表示処理の場合と同様に、主として自己グループにおける対話の音声(自己グループ対話音声)を出力するとともに、付加的に他グループにおける対話の音声(他グループ対話音声)を出力するよう構成することが好ましい。
【0156】
他グループ対話音声をスピーカ71から出力する場合、他グループの中のいずれか1つのグループを選択して出力するよう構成することが好ましい。たとえば、他グループ表示部86にグループ別表示部87を1つ配置する場合(図16A参照)には、現在、グループ別表示部87に表示されている他グループ(この例では、グループGB)における対話音声のみを、他グループ対話音声として出力するよう構成することができる。
【0157】
なお、自己グループ対話音声にせよ、他グループ対話音声にせよ、1のグループの対話音声は、特定の処理(たとえば、後述の特定クライアント間対話処理)の実行中である場合を除き、原則として、当該グループに属するメンバー全員の音声を既知の手法により単純にミキシングして得られるよう構成されている。
【0158】
さて、音声による表示処理における具体例として、たとえば、自己グループ対話音声のみをスピーカ71から出力するよう構成することもできるし、自己グループ対話音声と同時に他グループ対話音声をスピーカ71から出力するよう構成することもできる。
【0159】
また、他グループ対話音声と自己グループ対話音声とを切り替えて、択一的にスピーカ71から出力できるよう構成することもできるし、自己グループ対話音声を常時スピーカ71から出力しつつ、他グループ対話音声をスピーカ71から出力するか否かを選択できるよう構成することもできる。
【0160】
自己グループ対話音声および他グループ対話音声を、同時にまたは切り替えて、スピーカ71から出力できるように構成する場合、他グループ対話音声の音量が、自己グループ対話音声の音量よりも小さくなるよう構成することが好ましい。
【0161】
また、他グループ対話音声の音量と自己グループ対話音声の音量との比率を変更できるよう構成することもできる。この場合、たとえば、他グループ対話音声の音量が、自己グループ対話音声の音量の4/5倍程度から0倍程度の間で変更できるよう構成することができる。より好ましくは、他グループ対話音声の音量が、自己グループ対話音声の音量の1/2倍程度から0倍程度の間で変更できるよう構成することができる。
【0162】
他グループ対話音声をスピーカ71から出力する替わりに、または、他グループ対話音声をスピーカ71から出力するとともに、テキストに変換された他グループ対話音声(テキスト化他グループ対話音声)を、表示画面80の適切な位置、たとえば、他グループ表示部86内に表示するよう構成することもできる。テキスト化他グループ対話音声は、他グループ対話音声をそのままテキストに変換したものであってもよいし、他グループ対話音声を要約したうえでテキストに変換したものであってもよい。
【0163】
このようにして、データ送受信・表示処理が実行されるが(図8、ステップS21)、データ送受信・表示処理の実行中に、各種の割り込み(ステップS22~ステップS27)を検知すると、クライアント装置6は、これらの割り込みに対応した処理(ステップS32~ステップS37)を実行する。

(2-3-2.発言者変更処理)
クライアント装置6は、自己グループおよび他グループにおける発言者の変更を監視しており、(ステップS22)発言者の変更を検知すると、図11に示すクライアント側対話管理テーブル41の「発言者フラグ」の情報を更新するとともに、クライアント装置6の表示画面80に表される発言者に関する表示を変更する(ステップS32)。これを、発言者変更処理という。
【0164】
自己グループまたは他グループにおける発言者の変更を検知する方法は、とくに限定されるものではないが、たとえば、つぎのような方法が考えられる。
【0165】
すなわち、各クライアント装置は、自己のクライアント装置6のマイク72から入力される音声レベルを監視しており、当該音声レベルが所定値を超える場合であって、かつ、当該グループにおける直近の発言者(自己以外のユーザ)の音声レベルが所定値以下である場合、当該クライアント装置6は、当該グループの発言者が、自己のクライアント装置6のユーザに変わったことを検知する。
【0166】
そして、当該クライアント装置6は、当該クライアント装置6のユーザが当該グループの新たな発言者となったことを通知する新規発言者通知信号を、制御データとして、他のクライアント装置6に送信する。他のクライアント装置6は、新規発言者通知信号を受信することで、自己グループまたは他グループにおける発言者の変更を検知する。
【0167】
新規発言者通知信号を送信したクライアント装置6および新規発言者通知信号を受信したクライアント装置6の双方で、クライアント側対話管理テーブル41の「発言者フラグ」の情報が更新され、更新後の「発言者フラグ」に基づいて、各クライアント装置6の表示画面80の表示内容が更新される。
【0168】
たとえば、グループGAにおける発言者が、ユーザU02からユーザU01に変わるとともに、グループGBにおける発言者が、ユーザU06からユーザU07に変わった場合、クライアント側対話管理テーブル41は、ステップS32の実行により更新され、その「発言者フラグ」の記載内容は、図11から図12へと変化する。
【0169】
そして、たとえば、ユーザU01のクライアント装置6の表示画面80は、図16Aから図16Bへと変化する。自己グループ表示部81における発言者マーク83の表示位置が、ユーザU02を表すユーザ別表示部82から、ユーザU01を表すユーザ別表示部82へと変更されていることがわかる。
【0170】
また、当該クライアント装置6における他グループ表示部86のグループ別表示部87に表示されているグループGBの発言者を示す画像が、ユーザU06を示す画像からユーザU07を示す画像に変更されていることがわかる。

(2-3-3.他グループ対話内容表示処理)
クライアント装置6は、自己のクライアント装置6において生成された他グループ対話内容表示要求信号(すなわち、自己の属する対話ルームに属するグループであって自己の属するグループ以外の他のグループの指定を含む当該他のグループにおける対話内容の表示を求める旨の信号)を監視しており(ステップS23)、当該信号を検知すると、当該クライアント装置6のユーザを現に属しているグループから離脱させることなく、当該他のグループの対話内容を当該クライアント装置6に表示する。(ステップS33)。これを、他グループ対話内容表示処理という。
【0171】
他グループ対話内容表示要求信号を生成する方法は、とくに限定されるものではないが、たとえば、つぎのような方法が考えられる。例として、クライアント装置6のユーザであるグループGAのユーザU01が、他グループであるグループGBにおける対話内容の表示を求める場合について説明する。
【0172】
そして、図16Aに示すように、クライアント装置6に表示された表示画面80を構成する他グループ表示部86のグループ別表示部87に、現在、グループGBの画像が表示されているものとする。
【0173】
この方法によれば、ユーザU01が、図16Aに示すクライアント装置6のグループGBの画像が表示されているグループ別表示部87をタップするなどして選択すると、グループGBを指定した他グループ対話内容表示要求信号が生成される。
【0174】
クライアント装置6は、自己のクライアント装置6において生成された他グループ対話内容表示要求信号を検知すると、図13Aに示すように、クライアント側対話管理テーブル41の「他グループ対話内容表示」の自己(ユーザU01)に係る情報として、他グループ対話内容表示要求信号において指定した他グループのグループID(GB)を記憶する。
【0175】
クライアント装置6は、クライアント側対話管理テーブル41の「他グループ対話内容表示」の情報に基づいて、ユーザU01を現に属しているグループGAから離脱させることなく、他グループであるグループGBの対話内容を自己のクライアント装置6に表示する。
【0176】
他グループの対話内容を自己のクライアント装置6に表示する方法は、とくに限定されるものではないが、たとえば、他グループ対話内容表示要求信号において指定された他グループの対話音声(他グループ対話音声)を、所定の音量でスピーカ71から出力するよう構成することができる。
【0177】
この場合、当該処理(ステップS33)において出力される他グループ対話音声の音量は、通常の表示処理(ステップS21)において出力される他グループ対話音声の音量より、大きくなるよう構成することが好ましい。
【0178】
他グループ対話音声を、スピーカ71から出力する場合、当該他グループ対話音声のみを、スピーカ71から出力するよう構成してもよいし、他グループ対話音声、自己グループ対話音声の双方をスピーカ71から出力するよう構成してもよい。
【0179】
他グループ対話音声、自己グループ対話音声の双方をスピーカ71から出力するよう構成する場合、両音声の音量の比率は、とくに限定されるものではないが、自己グループ対話音声の音量が、他グループ対話音声の音量と同等となるか、あるいは、他グループ対話音声の音量よりも小さくなるよう構成することができる。
【0180】
さらに、他グループ対話音声の音量に対する自己グループ対話音声の音量の比率を調整することができるよう構成することもできる。
【0181】
また、他グループの対話内容を自己のクライアント装置6に表示する方法として、他グループ対話音声をスピーカ71から出力する替わりに、または、上述の種々の方法にしたがって他グループ対話音声をスピーカ71から出力するとともに、テキストに変換された他グループ対話音声(テキスト化他グループ対話音声)を、表示画面80の他グループ表示部86に表示するよう構成することもできる。テキスト化他グループ対話音声は、他グループ対話音声をそのままテキストに変換したものであってもよいし、他グループ対話音声を要約したうえでテキストに変換したものであってもよい。
【0182】
また、この実施形態においては、このようにして他グループの対話内容を自己のクライアント装置6に表示するとともに、図17Aに示すように、他グループ指定マーク89を、表示画面80のグループ別表示部87の一部またはその近傍に表示するよう構成している。他グループ指定マーク89は、他グループの対話内容を自己のクライアント装置6に表示するために当該他グループが指定されていることを示すマークである。この例では、特定色(たとえば赤色)に変更されたグループ別表示部87の外枠が、他グループ指定マーク89に該当する。
【0183】
これと同時に、他グループ指定マーク89の近傍に、キャンセルボタン90および移動ボタン91が表示される。
【0184】
なお、通常の表示処理(上述のステップS21)において、クライアント装置6のグループ別表示部87に表示される対象となるグループ(この場合は、グループGB、グループGC、グループGDおよび無人グループ)が、一定時間ごとに自動的に切り替わるよう構成されている場合であっても、他グループ対話内容表示処理の実行中は、このような自動的な切り替え動作は行われず、他グループ対話内容表示処理の対象とされたグループ(この場合は、グループGB)の対話内容のみが当該クライアント装置6に表示される。
【0185】
キャンセルボタン90をタップするなどして操作することにより、他グループ対話内容表示処理を終了させるよう構成することができる。なお、移動ボタン91については、後述する。
【0186】
他グループ対話内容表示処理を終了させる方法は、上記の方法に限定されるものではない。たとえば、図17Aに示すグループ別表示部87をスワイプしたり、送りボタン88をタップしたりするなど表示画面80上で所定の操作を実行したり、あるいは、クライアント装置6の所定の入力キー(図示せず)を操作したりするなど、クライアント装置6に対する所定の動作を行うことで、他グループ対話内容表示処理を終了させるよう構成することができる。
【0187】
また、上記の終了方法とは別に、または、上記の終了方法と併用して、たとえば、他グループ対話内容表示処理を開始してから一定時間経過後に、自動的に当該処理を終了させるよう構成することもできる。
【0188】
このように、他グループ対話内容表示要求信号を検知すると(ステップS23)、クライアント側対話管理テーブル41は、ステップS33の実行により更新され、その「他グループ対話内容表示」の記載内容は、図11から図13Aへと変化し、当該クライアント装置6において、他グループ対話内容表示処理が開始される。他グループ対話内容表示処理が終了すると、「他グループ対話内容表示」の記載内容は、図11に示す内容に戻る。
【0189】
そして、クライアント装置6の表示画面80は、ステップS33の実行により更新され、図16Aから図17Aへと変化する。他グループ対話内容表示処理が終了すると、クライアント装置6の表示画面80は、図16Aに示す状態に戻る。

(2-3-4.グループ間移動処理)
クライアント装置6は、自己のクライアント装置6において生成されたグループ間移動要求信号(すなわち、自己の属する対話ルームに属するグループであって自己の属するグループ以外の他のグループの指定を含む、当該他のグループへの移動を求める旨の信号)を監視しており(ステップS24)、当該信号を検知すると、当該クライアント装置6のユーザを当該他のグループの構成要素として追加するとともに、当該ユーザを、直前に属していたグループから離脱させるよう制御する(ステップS34)。これを、グループ間移動処理という。
【0190】
グループ間移動要求信号を生成する方法は、とくに限定されるものではないが、たとえば、つぎのような方法が考えられる。例として、クライアント装置6のユーザであるグループGAのユーザU01が、他グループであるグループGBへの移動を求める場合について説明する。
【0191】
そして、図17Aに示すように、クライアント装置6においては上記の他グループ対話内容表示処理(ステップS33)が実行されているものとする。
【0192】
この方法によれば、ユーザU01が、他グループ対話内容表示処理を実行中のクライアント装置6のグループ別表示部87の近傍に表示されている移動ボタン91をタップするなどして操作すると、グループGBを指定したグループ間移動要求信号が生成される。
【0193】
クライアント装置6は、自己のクライアント装置6において生成されたグループ間移動要求信号を検知すると、図13Bに示すように、クライアント側対話管理テーブル41の「グループID」の自己(ユーザU01)に係る情報として、直前に属していたグループのグループID(GA)に替えて、グループ間移動要求信号において指定した他グループのグループID(GB)を記憶する。
【0194】
これにより、ユーザU01は、グループGBの構成要素として追加されるとともに、直前に属していたグループGAから離脱することになる。
【0195】
このように、グループ間移動要求信号を検知すると(ステップS24)、クライアント側対話管理テーブル41は、ステップS34の実行により更新され、その「グループID」の記載内容は、図11から図13Aを経て図13Bへと変化する。
【0196】
そして、クライアント装置6の表示画面80は、ステップS34の実行により更新され、図16Aから図17Aを経て、図17Bへと変化する。図17Bに示すように、表示画面80の自己グループ表示部81には、ユーザU01の移動先であるグループGBを構成する各ユーザ(当該グループの新たな構成要素となったユーザU01を含む)の画像を表示した4つのユーザ別表示部82が表示されている。
【0197】
一方、図17Aにおいて、表示画面80の他グループ表示部86に表示されていた他グループ指定マーク89、ならびに、キャンセルボタン90および移動ボタン91が消去されていることがわかる。また、他グループ表示部86のグループ別表示部87には、ユーザU01の新たな所属先であるグループ(グループGB)以外のグループ(この例では、グループGA)の画像が表示されている。
【0198】
クライアント装置6は、グループ間移動処理によって、自己(ユーザU01)が他のグループ(グループGB)に移動したことを示すグループ変更通知を、制御データとして、サーバ装置4に送信するとともに、直接またはサーバ装置4を介して、他のクライアント装置6に送信する。
【0199】
当該制御データを受信した、他のクライアント装置6およびサーバ装置4における処理については、後述する。
【0200】
このように、この実施形態においては、他グループ対話内容表示処理(ステップS33)を経て、グループ間移動処理(ステップS34)を実行するよう構成している。このように構成することで、ユーザは、グループ間移動を行う前に、移動先となるグループにおける対話内容を知ることができるので、好都合である。
【0201】
ただし、他グループ対話内容表示処理を経ることなく、グループ間移動処理を実行するよう構成することもできる。たとえば、分科会形式のオンライン会合のように、他グループでの対話内容(分科会の討議テーマ)が予め知らされている場合には、他グループ対話内容表示処理を経る必要性が低いからである。
【0202】
また、グループ間移動処理の実行に際し、他グループ対話内容表示処理を経るか、経ないかを選択できるよう構成することもできる。

(2-3-5.特定クライアント間対話処理)
クライアント装置6は、自己のクライアント装置6において生成された特定クライアント間対話要求信号(すなわち、当該対話ルームに属する他のクライアント装置のユーザの指定を含む特定の複数のクライアント装置のユーザ相互間での対話を求める旨の信号)を監視しており(ステップS25)、当該信号を検知すると、当該特定の複数のクライアント装置のユーザを、現に属しているグループから離脱させることなく、当該特定の複数のクライアント装置のユーザ相互間での対話を許容するよう制御する。(ステップS35)。これを、特定クライアント間対話処理という。
【0203】
特定クライアント間対話要求信号を生成する方法は、とくに限定されるものではないが、たとえば、つぎのような方法が考えられる。例として、クライアント装置6のユーザであるグループGAのユーザU01が、同一グループ内のユーザであるユーザU03との間における対話を求める場合について説明する。
【0204】
そして、図16Aに示すように、クライアント装置6に表示された表示画面80を構成する自己グループ表示部81には、グループGAを構成する各ユーザの画像を表示した4つのユーザ別表示部82が配置されており。グループGAにおける現在の発言者を示す発言者マーク83が、ユーザU02を表すユーザ別表示部82に表示されているものとする。
【0205】
この方法によれば、現在の発言者ではないユーザ(以下、「非発言ユーザ」ということがある。)であるユーザU01が、図16Aに示す自己のクライアント装置6の自己グループ表示部81に、非発言ユーザとして表示されているユーザU03を示すユーザ別表示部82を、タップするなどして選択すると、ユーザU03を指定した特定クライアント間対話要求信号が生成される。
【0206】
クライアント装置6は、自己のクライアント装置6において生成された特定クライアント間対話要求信号を検知すると、図14Aに示すように、クライアント側対話管理テーブル41の「特定クライアント間対話指定先」の自己(ユーザU01)に係る情報として、特定クライアント間対話要求信号において指定したユーザのユーザID(U03)を記憶するとともに、「特定クライアント間対話指定元」のユーザU03に係る情報として、当該特定クライアント間対話要求信号を生成したユーザのユーザID(U01)を記憶する。
【0207】
1のクライアント装置6において特定クライアント間対話要求信号が生成された事実および当該信号の内容は、他のクライアント装置との間で共有される。
【0208】
このように、1の情報処理装置(たとえば、クライアント装置6)において信号が生成された事実および当該信号の内容を、他の情報処理装置(たとえば、他のクライアント装置6)との間で共有することを、単に「信号を共有する」ということがある。
【0209】
なお、信号を共有する方法はとくに限定されるものではないが、たとえば、信号を生成した情報処理装置が、当該信号の内容を制御データ(の一部)として、他の情報処理装置宛に送信するよう構成することができる。当該信号を受信した情報処理装置は、当該信号の内容を解釈し、たとえば、自己のテーブルの書替え等、必要な処理を実行する。
【0210】
また、各情報処理装置に、同一内容の(あるいは一部の内容が同一の)テーブル等を、それぞれ記憶させておき、適宜、各情報処理装置のテーブルの一部または全体を、情報通信手段8を介して同期させるよう構成することもできる。
【0211】
さて、ユーザU01のクライアント装置6aは、図14Aに示すクライアント側対話管理テーブル41の「特定クライアント間対話指定先」の自己(ユーザU01)に係る情報に基づいて、図18Aに示すように、自己のクライアント装置6aの表示画面80の適部に、当該特定クライアント間対話要求信号において指定されたユーザ(以下、「対話指定先ユーザ」ということがある。)を示す対話指定先マーク84を表示する。この例では、当該指定されたユーザ(U03)に係るユーザ別表示部82の外枠を特定色(たとえば赤色)に変更することで、対話指定先マーク84とするよう構成している。
【0212】
一方、特定クライアント間対話要求信号において指定されたユーザであるユーザU03のクライアント装置6bにおいては、上述のように、当該特定クライアント間対話要求信号が共有され、自己のクライアント側対話管理テーブル41が、図14Aに示すそれと同一内容となるよう構成されているものとする。
【0213】
ユーザU03のクライアント装置6bは、自己のクライアント側対話管理テーブル41(図14A参照)の「特定クライアント間対話指定元」の自己(ユーザU03)に係る情報に基づいて、図18Bに示すように、自己のクライアント装置6bの表示画面80の適部に、当該特定クライアント間対話要求信号を生成したユーザ(以下、「対話指定元ユーザ」ということがある。)を示す対話指定元マーク85を表示する。この例では、当該指定元ユーザ(U01)に係るユーザ別表示部82の外枠を特定色(たとえば赤色)に変更することで、対話指定元マーク85とするよう構成している。
【0214】
クライアント装置6aおよびクライアント装置6bは、それぞれ、クライアント側対話管理テーブル41の「特定クライアント間対話指定先」および「特定クライアント間対話指定元」の情報に基づいて、ユーザU01およびユーザU03を、現に属しているグループGAから離脱させることなく、当該ユーザ相互間での対話を許容するよう制御する。
【0215】
特定クライアント間対話処理における当該特定の複数のクライアント装置のユーザ相互間での対話(以下、これを「特定クライアント間対話」ということがある。)の方法は、とくに限定されるものではないが、この実施形態においては、特定クライアント間対話の音声(特定クライアント間対話音声)が、当該特定の複数のクライアント装置6のスピーカ71においてのみ出力され、他のクライアント装置6のスピーカ71からは出力されないよう構成している。すなわち、上述の音声による表示処理(ステップS21)における自己グループ対話音声に、特定クライアント間対話音声を含まないよう構成している。
【0216】
このように構成することで、特定クライアント間対話によって当該特定のクライアント装置6の属するグループにおける通常の対話(当該特定の複数のクライアント装置のユーザ以外のユーザによる対話)が阻害されるのを防ぐことができる。
【0217】
また、特定クライアント間対話において当該特定の複数のクライアント装置6から入力される音声は、上記の発言者変更処理(図8、ステップS22およびステップS32)の対象としないよう構成している。このように構成することで、特定クライアント間対話によって当該特定のクライアント装置6の属するグループにおける「現在の発言者」が変更されるのを防ぐことができる。
【0218】
また、特定クライアント間対話処理において、当該特定の複数のクライアント装置6のスピーカ71から出力される対話音声をどのように構成するかは、とくに限定されるものではないが、たとえば、当該処理において当該特定の複数のクライアント装置6のスピーカ71から出力される対話音声に、自己グループ対話音声を含めることができるよう構成することができる。
【0219】
この場合、特定クライアント間対話音声、自己グループ対話音声の双方をスピーカ71から出力するよう構成してもよいし、特定クライアント間対話音声、自己グループ対話音声の双方をスピーカ71から出力するか、特定クライアント間対話音声のみをスピーカ71から出力するかを選択できるよう構成してもよい。
【0220】
特定クライアント間対話音声、自己グループ対話音声の双方をスピーカ71から出力する場合、両音声の音量の比率は、とくに限定されるものではなく、たとえば、当該比率を変更できるよう構成することができる。
【0221】
また、対話指定元ユーザ(この場合はユーザU01)のクライアント装置6aにおいては、たとえば、自己グループ対話音声の音量が、特定クライアント間対話音声の音量と同等となるか、あるいは、特定クライアント間対話音声の音量よりも小さくなるよう構成することができる。
【0222】
一方、対話指定先ユーザ(この場合はユーザU03)のクライアント装置6bにおいては、たとえば、自己グループ対話音声の音量が、特定クライアント間対話音声の音量と同等となるか、あるいは、特定クライアント間対話音声の音量よりも大きくなるよう構成することができる。
【0223】
また、特定クライアント間対話処理において、自己グループ対話音声または特定クライアント間対話音声を、対話指定元ユーザおよび/または対話指定先ユーザのクライアント装置6に表示する方法として、これらの音声を当該クライアント装置6のスピーカ71から出力する替わりに、または、これらの音声を、上述の種々の方法にしたがって、スピーカ71から出力するとともに、テキストに変換されたこれらの音声を、表示画面80に表示するよう構成することもできる。テキストに変換されたこれらの音声は、自己グループ対話音声または特定クライアント間対話音声をそのままテキストに変換したものであってもよいし、これら音声を要約したうえでテキストに変換したものであってもよい。
【0224】
たとえば、特定クライアント間対話処理において、対話指定元ユーザのクライアント装置6aに自己グループ対話音声を表示する方法として、当該音声を当該クライアント装置6aのスピーカ71から出力する替わりに、または、当該音声を、上述の種々の方法にしたがって、スピーカ71から出力するとともに、テキストに変換された当該音声を、その表示画面80に表示するよう構成することができる。
【0225】
また、特定クライアント間対話処理において、対話指定先ユーザのクライアント装置6bに特定クライアント間対話音声を表示する方法として、当該音声を当該クライアント装置6bのスピーカ71から出力する替わりに、または、当該音声を、上述の種々の方法にしたがって、スピーカ71から出力するとともに、テキストに変換された当該音声を、その表示画面80に表示するよう構成することができる。
【0226】
対話指定元ユーザのクライアント装置6aの表示画面80には、図18Aに示すように、自己グループ表示部81に表示された対話指定先マーク84とともに、キャンセルボタン92が表示される。
【0227】
一方、対話指定先ユーザのクライアント装置6bの表示画面80には、図18Bに示すように、自己グループ表示部81に表示された対話指定元マーク85とともに、キャンセルボタン93および移動ボタン94が表示される。
【0228】
キャンセルボタン92またはキャンセルボタン93を、タップするなどして操作することにより、特定クライアント間対話処理を終了させるよう構成することができる。なお、移動ボタン94については、後述する。
【0229】
特定クライアント間対話処理を終了させる方法は、上記の方法に限定されるものではない。たとえば、クライアント装置6aまたはクライアント装置6bの表示画面80上で所定の操作を実行したり、あるいは、クライアント装置6aまたはクライアント装置6bの所定の入力キー(図示せず)を操作したりするなど、クライアント装置6aまたはクライアント装置6bに対する所定の動作を行うことで、特定クライアント間対話処理を終了させるよう構成することができる。
【0230】
また、上記の終了方法とは別に、または、上記の終了方法と併用して、たとえば、特定クライアント間対話処理を開始してから一定時間経過後に、自動的に当該処理を終了させるよう構成したり、特定クライアント間対話処理において、特定クライアント間対話音声が所定レベル以下(たとえば無音状態)の状態が所定時間継続すると自動的に当該処理を終了させるよう構成したりすることもできる。
【0231】
このように、特定クライアント間対話要求信号(ステップS25)が検知されたことを条件として、クライアント側対話管理テーブル41は、ステップS35の実行により更新され、その「特定クライアント間対話指定先」および「特定クライアント間対話指定元」の記載内容は、図11から図14Aへと変化し、特定の複数のクライアント装置間において、特定クライアント間対話処理が開始される。特定クライアント間対話処理が終了すると、「特定クライアント間対話指定先」および「特定クライアント間対話指定元」の記載内容は、図11に示す内容に戻る。
【0232】
そして、クライアント装置6aの表示画面80が、ステップS35の実行により更新され、図16Aに示す状態から図18Aに示す状態へと変化し、特定クライアント間対話処理が終了すると、クライアント装置6aの表示画面80は、図16Aに示す状態に戻る。クライアント装置6bの表示画面80が、ステップS35の実行により更新され、図16Aに類する状態(図示せず)から図18Bに示す状態へと変化し、特定クライアント間対話処理が終了すると、クライアント装置6bの表示画面80は、図16Aに類する状態に戻る。
【0233】
なお、この例においては、対話指定元ユーザである非発言ユーザが、同一グループ内における対話指定先ユーザとなる他の1の非発言ユーザを指定して、当該2つのユーザ間で特定クライアント間対話が行われる場合について説明したが、特定クライアント間対話処理は、これに限定されるものではない。
【0234】
たとえば、対話指定元ユーザである非発言ユーザが、同一グループ内における対話指定先ユーザとなる他の2以上の非発言ユーザを指定して、当該3以上のユーザ間で特定クライアント間対話が可能となるよう構成することもできる。
【0235】
また、対話指定元ユーザおよび/または対話指定先ユーザが、グループにおける発言者であっても、特定クライアント間対話処理を開始することができるよう構成することもできる。ただし、これらの対話指定元ユーザおよび/または対話指定先ユーザにおいて、実際に特定クライアント間対話が可能となるのは、これらのユーザが非発言ユーザに転じた後である。
【0236】
また、対話指定元ユーザおよび対話指定先ユーザが同一の対話ルームに属しているのであれば、異なるグループに属する場合であっても、これらのユーザ間において特定クライアント間対話処理が実行可能となるよう構成することもできる。

(2-3-6.新規グループ生成処理)
クライアント装置6は、自己のクライアント装置6を含む1以上のクライアント装置6において生成されたグループ生成要求信号(すなわち、自己の属する対話ルームに属する新たなグループの生成を求める旨の信号)を監視しており(ステップS26)、当該信号を検知すると、当該1以上のクライアント装置6を構成要素に含む新たなグループを生成するとともに、当該新たなグループを構成するクライアント装置を、直前に属していたグループから離脱させるよう制御する(ステップS36)。これを、新規グループ生成処理という。
【0237】
新規グループ生成処理を、複数のユーザを構成要素とする新たなグループを生成する複数要素グループ生成処理と、1のユーザを構成要素とする新たなグループを生成する単一要素グループ生成処理とに分けて説明する。
【0238】
(2-3-6-1.複数要素グループ生成処理)
複数要素グループ生成処理におけるグループ生成要求信号の態様は、とくに限定されるものではないが、たとえば、グループ生成要求信号が、1のクライアント装置6において生成された他のクライアント装置6の指定を含む新たなグループの生成を提案する旨のグループ生成提案信号と、当該グループ生成提案信号に応答して当該指定された他のクライアント装置6において生成された新たなグループの生成の提案を受諾する旨のグループ生成受諾信号と、を含むよう構成することができる。
【0239】
グループ生成提案信号およびグループ生成受諾信号を生成する方法は、とくに限定されるものではないが、たとえば、つぎのような方法が考えられる。例として、クライアント装置6aのユーザであるグループGAのユーザU01が、クライアント装置6bのユーザであって同一グループに属するユーザU03を指定して、両ユーザを構成要素とする新たなグループの生成を求める場合について説明する。
【0240】
そして、図18Aおよび図18Bに示すように、クライアント装置6aおよびクライアント装置6b間においては、上記の特定クライアント間対話処理(ステップS35)が実行されているものとする。
【0241】
この方法によれば、上記の特定クライアント間対話処理(ステップS35)において生成された、ユーザU03を指定した特定クライアント間対話要求信号が、ユーザU03を指定したグループ生成提案信号を兼ねている。したがって、当該グループ生成提案信号は、クライアント装置6aにおいて生成され、クライアント装置6bに共有されていることになる。
【0242】
そして、ユーザU03が、特定クライアント間対話処理を実行中のクライアント装置6bの表示画面80に表示されている移動ボタン94(図18B参照)をタップするなどして操作すると、グループ生成受諾信号が生成される。当該グループ生成受諾信号は、上記いずれかの方法により、クライアント装置6aに共有される。
【0243】
クライアント装置6aは、自己のクライアント装置6aにおいて生成されたグループ生成提案信号およびクライアント装置6bにおいて生成されたグループ生成受諾信号を検知すると、図14Bに示すように、クライアント側対話管理テーブル41の「グループID」の自己(ユーザU01)およびユーザU03に係る情報として、直前に属していたグループのグループID(GA)に替えて、複数要素グループ生成処理において新たに生成されたグループのグループID(GE)を記憶する。クライアント装置6bにおいても、上記のクライアント装置6aにおける処理と同様の処理が行われる。
【0244】
これにより、ユーザU01およびユーザU03を構成要素とする新たなグループであるグループGEが生成されるとともに、ユーザU01およびユーザU03は、直前に属していたグループGAから離脱することになる。
【0245】
このように、クライアント装置6aが、グループ生成提案信号およびグループ生成受諾信号を含むグループ生成要求信号を検知すると(ステップS26)、クライアント側対話管理テーブル41は、ステップS36の実行により更新され、その「グループID」の記載内容は、図11から図14Aを経て図14Bへと変化する。クライアント装置6bにおいても同様である。
【0246】
また、クライアント装置6aの表示画面80は、ステップS36の実行により更新され、図16Aに示す状態から、図18Aを経て、図19Aへと変化する。
【0247】
一方、クライアント装置6bの表示画面80は、ステップS36の実行により更新され、図16Aに類する状態から、図18Bを経て、図19Bへと変化する。
【0248】
クライアント装置6aおよび/またはクライアント装置6bは、複数要素グループ生成処理によって、自己(ユーザU01)およびユーザU03を構成要素とする新たなグループ(グループGE)が生成されたことを示すグループ変更通知を、制御データとして、サーバ装置4に送信するとともに、直接またはサーバ装置4を介して、他のクライアント装置6に送信する。
【0249】
当該制御データを受信した、他のクライアント装置6およびサーバ装置4における処理については、後述する。
【0250】
このように、この実施形態においては、特定クライアント間対話処理(ステップS35)を経て、新規グループ生成処理としての複数要素グループ生成処理(ステップS36)を実行するよう構成している。このように構成することで、ユーザは、新たなグループを生成する前に、その構成要素となる可能性のある他のユーザとの間で、たとえば、新たなグループを生成する目的等について、予め対話することができるので、好都合である。
【0251】
ただし、特定クライアント間対話処理を経ることなく、複数要素グループ生成処理を実行するよう構成することもできる。たとえば、新たなグループの構成要素となる可能性のある複数のユーザが、互いに相手の考え方等を熟知しているような場合には、特定クライアント間対話処理を経る必要性が低いからである。
【0252】
また、複数要素グループ生成処理の実行に際し、特定クライアント間対話処理を経るか、経ないかを選択できるよう構成することもできる。
【0253】
なお、この例においては、非発言ユーザが、同一グループ内における他の1の非発言ユーザを指定して、当該2つのユーザを構成要素とする新たなグループを生成する場合について説明したが、複数要素グループ生成処理は、これに限定されるものではない。
【0254】
たとえば、非発言ユーザが、同一グループ内における他の2以上の非発言ユーザを指定して、当該3以上のユーザを構成要素とする新たなグループを生成するよう構成することもできる。
【0255】
また、新たに生成されるグループの構成要素となるべき複数のユーザ全員が同一の対話ルームに属しているのであれば、複数のユーザの一部または全員が、相異なるグループに属する場合であっても、これらのユーザによって新たな複数要素グループを生成することができるよう構成することができる。
【0256】
また、新たに生成されるグループの構成要素となるべき複数のユーザのいずれか、または全員が現在属しているグループにおける発言者であっても、複数要素グループ生成処理を開始することができるよう構成することもできる。ただし、発言者であるユーザが、実際に新たな複数要素グループの構成要素となるのは、これらのユーザが非発言ユーザに転じた後である。

(2-3-6-2.単一要素グループ生成処理)
単一要素グループを生成する方法は、とくに限定されるものではないが、たとえば、つぎのような方法が考えられる。例として、クライアント装置6aのユーザであるグループGAのユーザU01が、自己のみを構成要素とする新たなグループの生成を求める場合について説明する。
【0257】
この方法は、上記グループ間移動処理(ステップS34)と同様の手順によって単一要素グループ生成する方法である。
【0258】
図16Aに示すように、クライアント装置6aにおいては、上記の表示処理(ステップS21)が実行されているものとする。
【0259】
表示処理(ステップS21)において、クライアント装置6aの表示画面80を構成する他グループ表示部86のグループ別表示部87に、現在、「無人グループ」を示す画像が表示されているものとする(図示せず)。
【0260】
「無人グループ」は、構成要素たるユーザが0人のグループであって、単一要素グループ生成処理を実行する際に用いられるダミーのグループであるが、表示処理(ステップS21)ならびに他グループ対話内容表示処理(ステップS33)およびグループ間移動処理(ステップS34)において、「他グループ」と同様の扱いを受けるよう構成されている。
【0261】
この状態において、ユーザU01が、無人グループの画像が表示されているグループ別表示部87をタップするなどして選択すると、無人グループを指定した他グループ対話内容表示要求信号(以下、「無人グループ指定信号」ということがある。)が生成される。
【0262】
クライアント装置6aは、自己のクライアント装置6において生成された無人グループ指定信号を検知すると、図15Aに示すように、クライアント側対話管理テーブル41の「他グループ対話内容表示」の自己(ユーザU01)に係る情報として、無人グループ指定信号において指定した無人グループのグループID(NULL)を記憶する。
【0263】
クライアント装置6aは、クライアント側対話管理テーブル41の「他グループ対話内容表示」の情報に基づいて、図20Aに示すように、他グループ指定マーク89を、表示画面80のグループ別表示部87の一部またはその近傍に表示するよう構成している。無人グループ指定信号に基づいて表示された他グループ指定マーク89を、とくに、無人グループ指定マーク89と呼ぶことがある。
【0264】
無人グループ指定マーク89は、無人グループ指定信号により無人グループが指定されていることを示すマークである。この例では、特定色(たとえば赤色)に変更されたグループ別表示部87の外枠が、無人グループ指定マーク89に該当する。
【0265】
これと同時に、無人グループ指定マーク89の近傍に、キャンセルボタン90および移動ボタン91が表示される。
【0266】
キャンセルボタン90をタップするなどして操作することにより、単一要素グループ生成処理を終了させるよう構成することができる。
【0267】
そして、ユーザU01が、図20Aに示す移動ボタン91をタップするなどして操作することで、無人グループを指定したグループ間移動要求信号が生成される。ユーザU01が無人グループに移動することで、新たな単一要素グループが生成されることになる。したがって、当該方法においては、無人グループを指定したグループ間移動要求信号が、単一要素グループ生成要求信号に該当する。
【0268】
クライアント装置6aは、自己のクライアント装置6aにおいて生成された単一要素グループ生成要求信号を検知すると、図15Bに示すように、クライアント側対話管理テーブル41の「グループID」の自己(ユーザU01)に係る情報として、直前に属していたグループのグループID(GA)に替えて、単一要素グループ生成要求信号によって新たに生成されたグループのグループID(GF)を記憶する。
【0269】
これにより、ユーザU01のみを構成要素とする新たな単一要素グループであるグループGFが生成されるとともに、ユーザU01は、直前に属していたグループGAから離脱することになる。
【0270】
このように、クライアント装置6aが、グループ生成要求信号としての単一要素グループ生成要求信号を検知すると(ステップS26)、クライアント側対話管理テーブル41は、ステップS36の実行により更新され、その「グループID」の記載内容は、図11から図15Aを経て図15Bへと変化する。
【0271】
また、クライアント装置6aの表示画面80は、ステップS36の実行により更新され、図16Aに類する状態から、図20Aを経て、図20Bへと変化する。
【0272】
クライアント装置6aは、単一要素グループ生成処理によって、自己(ユーザU01)のみを構成要素とする新たな単一要素グループ(グループGF)が生成されたことを示すグループ変更通知を、制御データとして、サーバ装置4に送信するとともに、直接またはサーバ装置4を介して、他のクライアント装置6に送信する。
【0273】
当該制御データを受信した、他のクライアント装置6およびサーバ装置4における処理については、後述する。
【0274】
このように、この実施形態においては、グループ間移動処理(ステップS34)と同様の手順によって単一要素グループを生成するよう構成している。このように構成することで、システム全体の処理構成の単純化を図ることが可能となる。
【0275】
ただし、これと異なる手順、たとえば、クライアント装置6の表示画面80に、単一要素グループ生成用のボタンを表示させ、当該ボタンを操作することにより、単一要素グループを生成するよう構成することもできる。
【0276】
さて、単一要素グループを構成するユーザのクライアント装置6において、所定の音声、画像および/または文字を出力させるよう構成することができる。この場合、音声としてたとえば音楽等を出力させるよう構成することができる。音声を出力させるか否かについて、あるいは、出力させる音声の内容について、ユーザが選択できるよう構成することができる。
【0277】
画像および/または文字を出力させる場合も同様である。画像および/または文字を出力させるに際し、クライアント装置6の表示画面80を、図20Bに示す状態から変更するよう構成することができる。たとえば、画像および/または文字を自己グループ表示部81に表示するよう構成することができる。この場合、自己グループ表示部81に既に表示されているユーザ別表示部82を、一時的に、または、単一要素グループが解消されるまで、非表示にするよう構成することもできる。
【0278】
なお、単一要素グループを構成するユーザのクライアント装置6においても、複数要素グループを構成するユーザのクライアント装置6と同様の条件下で、複数要素グループを構成するユーザのクライアント装置6における同様の処理(たとえば、他グループ対話内容表示処理、グループ間移動処理等)を実行することができる。

(2-3-7.ログアウト処理)
クライアント装置6は、自己のクライアント装置6の入力装置63から入力されるログアウト入力を監視している(ステップS27)。
【0279】
ログアウト入力を検知すると、クライアント装置6は、当該クライアント装置6が当該対話ルームからログアウトすることを示すログアウト通知を、制御データとして、サーバ装置4に送信するとともに、直接またはサーバ装置4を介して、他のクライアント装置6に送信し、その後、当該クライアント装置6におけるオンライン対話処理を終了させる(ステップS37)。これにより、当該クライアント装置6のユーザは、所属していた対話ルームから退出することになる。
【0280】
上記制御データを受信した、他のクライアント装置6およびサーバ装置4における処理については、後述する。

(2-4.その他の処理)
図6に戻って、サーバ装置4は、本システム2における通信形態や、各クライアント装置9から制御データ等の態様で送られてくる各種通知を監視しており、これらの監視結果に基づいて、所定の処理を実行する(ステップS1~ステップS8)。ステップS1およびステップS2に示す処理は上記のとおりである。
【0281】
一方、図7に示すように、各クライアント装置6は、サーバ装置4または他のクライアント装置6から制御データ等の態様で送られてくる各種通知を監視しており(ステップS15~ステップS17)、これらの監視結果に基づいて、対話用情報の更新等の処理を実行する(ステップS13)。
【0282】
すなわち、図6に示すように、サーバ装置4は、当該サーバ装置4によって決定される本システム2における通信形態(この実施形態においては、P2P型またはSFU型)の変更を監視しており(ステップS3)、通信形態の変更を検出すると、通信形態変更処理(ステップS4)を実行する。
【0283】
通信形態変更処理において、サーバ装置4は、サーバ側対話管理テーブル22の「宛先情報」に記憶されている情報を、変更後の通信形態に対応する情報に変更するとともに、通信形態が変更された旨、および変更後の「宛先情報」に記憶された情報を含む通信形態変更通知を生成して、各クライアント装置6に送信する。
【0284】
一方、図7に示すように、クライアント装置6は、通信形態変更通知を受信したか否かを監視しており(ステップS15)、当該通知を受信した場合には、必要な対話用情報の更新処理を実行する(ステップS13)。
【0285】
この場合、対話用情報の更新処理において、クライアント装置6は、クライアント側対話管理テーブル41の「宛先情報」に記憶されている情報を、通信形態変更通知に記載された「宛先情報」を示す情報に変更する。
【0286】
また、図6に示すように、サーバ装置4は、クライアント装置6から送信されるグループ変更通知を監視しており(ステップS5)、当該通知の受信を検知すると、グループ変更処理(ステップS6)を実行する。
【0287】
監視対象となるグループ変更通知には、グループ間移動処理(図8、ステップS34)または新規グループ生成処理(図8、ステップS36)において該当するユーザから送信されたグループ変更通知が含まれる。
【0288】
グループ変更処理において、サーバ装置4は、サーバ側対話管理テーブル22の「グループID」の当該ユーザに係る情報を、変更後のそれに書き換えるとともに、必要に応じて、受信したグループ変更通知を、他のクライアント装置6に転送する。
【0289】
一方、図7に示すように、クライアント装置6は、サーバ装置4または他のクライアント装置6から、グループ変更通知を受信したか否かを監視しており(ステップS16)、当該通知を受信した場合には、必要な対話用情報の更新処理を実行する(ステップS13)。
【0290】
この場合、対話用情報の更新処理において、クライアント装置6は、クライアント側対話管理テーブル41の「グループID」の当該ユーザに係る情報を、変更後のそれに書き換える。
【0291】
また、図6に示すように、サーバ装置4は、クライアント装置6から送信されるログアウト通知を監視しており(ステップS7)、当該通知の受信を検知すると、ログアウト処理(ステップS8)を実行する。
【0292】
ログアウト処理において、サーバ装置4は、サーバ側対話管理テーブル22の対応するユーザに係る欄(行)を削除するとともに、必要に応じて、受信したログアウト通知を、他のクライアント装置6に転送する。
【0293】
一方、図7に示すように、クライアント装置6は、サーバ装置4または他のクライアント装置6から、ログアウト通知を受信したか否かを監視しており(ステップS17)、当該通知を受信した場合には、必要な対話用情報の更新処理を実行する(ステップS13)。
【0294】
この場合、対話用情報の更新処理において、クライアント装置6は、クライアント側対話管理テーブル41の対応するユーザに係る欄(行)を削除する。
【0295】
なお、図6に示すステップS1~ステップS8が、図2のサーバ装置4のサーバ側対話制御部10のルーム管理部12に対応する。
【0296】
図7に示すステップS11~ステップS17(ステップS14を構成する図8に示すステップS21~ステップS27、および、ステップS32~ステップS37を含む)が、図3のクライアント装置6のクライアント側対話制御部30に対応する。
【0297】
このうち、図8に示すステップS21が、クライアント側対話制御部30の送受信制御部31および表示制御部32に対応する。
【0298】
図8に示すステップS23およびステップS33が、クライアント側対話制御部30の他グループ対話内容表示制御部34に対応する。ステップS24およびステップS34が、グループ間移動制御部33に対応する。ステップS25およびステップS35が、特定クライアント間対話制御部36に対応する。ステップS26およびステップS36が、新規グループ生成制御部35に対応する。

(3.他の実施形態)
なお、上述の実施形態においては、本システムにおける表示制御部32(図3参照)としての機能の全てを、クライアント装置が担当する場合を例として説明しているが、本システムにおける表示制御部としての機能の一部を、サーバ装置が担当するよう構成することもできる。
【0299】
この場合、たとえば、各クライアント装置から受信した各コンテンツデータを統合・編集する機能をサーバ装置が担当するよう構成することもできる。このような構成を実現するために、たとえば、サーバ装置に、MCU(Multipoint Control Unit)サーバとしての機能を持たせるよう構成することができる。
【0300】
また、上述の実施形態においては、本システムにおけるグループ間移動制御部33、他グループ対話内容表示制御部34、新規グループ生成制御部35および特定クライアント間対話制御部36(図3参照)としての機能の全てを、情報処理装置としてのクライアント装置が担当する場合を例として説明しているが、本システムにおけるグループ間移動制御部、他グループ対話内容表示制御部、新規グループ生成制御部および特定クライアント間対話制御部としての機能の全てまたは一部を、情報処理装置としてのサーバ装置が担当するよう構成することもできる。
【0301】
また、上述の実施形態においては、本システムが、グループ間移動制御部33、他グループ対話内容表示制御部34、新規グループ生成制御部35および特定クライアント間対話制御部36(図3参照)としての機能の全てを実行する場合を例として説明しているが、本システムが、グループ間移動制御部、他グループ対話内容表示制御部、新規グループ生成制御部および特定クライアント間対話制御部としての機能のうち一部の機能のみを実行するよう構成することができる。
【0302】
たとえば、本システムが、上記各機能のうち、特定クライアント間対話制御部としての機能のみを実行するよう構成されるとして、仮想の対話ルームが1の仮想のグループのみにより構成される場合、すなわち、仮想の対話ルームと仮想のグループとが同一視されるようなケースにおいては、当該機能のみを実行するオンライン対話システムは、以下に示す発明Aとして把握することができる。
【0303】
[発明A]
情報通信手段を介して情報の通信が可能な複数のクライアント装置を含む一群の情報処理装置を備えたオンライン対話システムであって、
前記各クライアント装置は、対話ルームに属する他のクライアント装置と対話可能な状態となるよう構成された仮想の1の対話ルームに属するよう構成され、
前記情報処理装置は、
前記クライアント装置において生成された信号であって、当該対話ルームに属する他のクライアント装置の指定を含む特定の複数のクライアント装置相互間での対話を求める旨の特定クライアント間対話要求信号を検知すると、当該特定の複数のクライアント装置を、現に属している対話ルームから離脱させることなく、当該特定の複数のクライアント装置相互間での対話を許容するよう制御するよう構成された特定クライアント間対話制御部、を備えた対話制御部、
を備えたこと、
を特徴とする、オンライン対話システム。
【0304】
また、上述の各実施形態においては、サーバ装置およびクライアント装置が、それぞれ1台のコンピュータを用いて構成されている場合を例に説明したが、この発明はこれに限定されるものではない。サーバ装置を、2台以上のコンピュータにより構成することもできる。この場合、当該2台以上のコンピュータを、上記情報通信手段8を介して接続することもできる。
【0305】
また、クライアント装置を2台以上のコンピュータにより構成することもできる。この場合も、当該2台以上のコンピュータを、上記情報通信手段8を介して接続することもできる。
【0306】
また、この実施形態においては、オンライン対話システム2のサーバ装置4側のプログラムを記憶した記録媒体としてHDDに装着されたハードディスクを例示し、クライアント装置6側のプログラムを記憶した記録媒体として、SSDに装着されたフラッシュメモリを例示しているが、プログラムを記憶した記録媒体はこれらに限定されるものではなく、プログラムを記憶した記録媒体として、たとえば、外部メモリカード、CD-ROM、DVD-ROM、フレキシブルディスク、磁気テープを用いることもできる。さらに、主記憶装置もプログラムを記憶した記録媒体として用いることができる。
【0307】
また、プログラムの配布態様は特に限定されるものではなく、記録媒体にプログラムを記憶した状態で配布するほか、有線や無線の情報通信手段を介して当該プログラムを配布するようにしてもよい。
【0308】
また、プログラムの記録態様は特に限定されるものではない。直接実行できる形で記録媒体に記憶したり配布したりする他、たとえば、解凍して使用するように圧縮された形で記録媒体に記憶したり配布したりすることもできる。
【0309】
なお、上述の各実施形態においては、コンピュータを用いて図2および図3の各機能を実現する場合を例に説明したが、これらの機能の一部または全部を、ハードウェアロジックを用いて構成するようにしてもよい。
【0310】
また、上述のブロック図、ハードウェア構成、フローチャート、テーブル(データベース)の構成、表示画面の構成等は、例として挙げたものであり、本願発明は、これらに限定されるものではない。
【0311】
また、テーブル(データベース)を構成するデータの一部または全てを、変数として個別に記憶するよう構成することもできる。
【0312】
上記においては、本発明を好ましい実施形態として説明したが、各用語は、限定のために用いたのではなく、説明のために用いたものであって、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、添付のクレームの範囲において、変更することができるものである。また、上記においては、本発明のいくつかの典型的な実施形態についてのみ詳細に記述したが、当業者であれば、本発明の新規な教示および利点を逸脱することなしに上記典型的な実施形態において多くの変更が可能であることを、容易に認識するであろう。したがって、そのような変更はすべて、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0313】
6:クライアント装置
30:クライアント側対話制御部
33:グループ間移動制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図19
図20