(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2020142566
(22)【出願日】2020-08-26
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(72)【発明者】
【氏名】安福 一郎
(72)【発明者】
【氏名】瀬崎 卓人
【審査官】袴田 知弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-024708(JP,A)
【文献】特開2019-205503(JP,A)
【文献】特開2011-87682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の所定条件の成立により作動する複数の演出用可動物と、
始動条件の成立に基づいて当りか否かの当否判定を実施する当否判定手段と、
前記当否判定の結果に応じて識別情報に対応する演出変動表示を行う演出表示手段と、
を備える遊技機において、
複数の前記演出用可動物はそれぞれ、初期位置と、前記演出表示手段の表示領域を遮るように作動する作動位置と、に移動可能であり、
前記演出用可動物は、少なくとも第1演出用可動物と第2演出用可動物とを備え、且つ複数の前記演出用可動物はそれぞれ順次に作動するようになし、前記第1演出用可動物が作動して前記作動位置から前記初期位置へ移動した後に前記第2演出用可動物が前記初期位置から前記作動位置へ移動し、
前記第1演出用可動物と前記第2演出用可動物とは、それぞれの前記初期位置と前記作動位置との間の作動領域が互いに交わり、前記第1演出用可動物と前記第2演出用可動物の両方が作動位置に位置するとお互いが干渉する構成であり、
前記表示領域内の少なくとも
前記第1演出用可動物の前記作動位置に対応する位置に前記
第1演出用可動物と同様の可動物疑似映像を表示する表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記
第1演出用可動物が前記作動位置に作動したときに
、前記可動物疑似映像を表示するようになし、前記
第1演出用可動物が前記作動位置から移動した後も、
少なくとも前記第2演出用可動物が前記作動位置に作動している期間、前記可動物疑似映像の表示を継続させ
、前記第2演出用可動物は前記可動物擬似映像に重なる前記作動位置に作動させることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機、特に、遊技の所定条件の成立により作動する演出用可動物を備え、演出用可動物を作動させて演出効果を奏する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機であるパチンコ機は、遊技球が始動口へ入球することに起因して大当りか否かの当否判定が行われ、判定結果が大当りとなると大入賞口が開放作動し、賞球の獲得に有利な大当り遊技が開始されものが主流である。この種のパチンコ機では、大当りになるか否かの当否判定に伴い、特別図柄を変動させ、後に特別図柄を確定表示させることにより当否判定の結果が報知される。この場合、特別図柄は遊技領域の隅に小さく表示されるので、遊技領域の中央に設けられた演出図柄表示装置にて特別図柄に対応する疑似演出表示を行い、疑似演出表示にて、遊技者の大当りへの期待感を高め、当否判定の結果を報知することが行われている。
【0003】
更に従来のパチンコ機には、疑似演出表示とともに遊技者の大当りへの期待感を高めために演出用可動物を設け、演出用可動物を作動させることでより大当りへの期待感を高めるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、演出用可動物を作動させる遊技機では、演出用可動物の作動等が早く、作動後すぐに元の位置に戻ってしまうと遊技者がその作動を見逃してしまうことがある。一方、演出用可動物を長い時間作動した状態にしておくと他の演出用可動物等の邪魔になるおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、前記事情に鑑み、遊技者に演出用可動物による演出を十分に楽しませることができ、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技機は、遊技の所定条件の成立により作動する複数の演出用可動物と、
始動条件の成立に基づいて当りか否かの当否判定を実施する当否判定手段と、
前記当否判定の結果に応じて識別情報に対応する演出変動表示を行う演出表示手段と、
を備える遊技機において、
複数の前記演出用可動物はそれぞれ、初期位置と、前記演出表示手段の表示領域を遮るように作動する作動位置と、に移動可能であり、
前記表示領域内の少なくとも何れか一つの前記演出用可動物の前記作動位置に対応する位置に前記演出用可動物と同様の可動物疑似映像を表示する表示制御手段を備え、
前記表示制御手段は、前記演出用可動物が前記作動位置に作動したときに、前記演出用可動物の前記可動物疑似映像を表示するようになし、前記演出用可動物が前記作動位置から移動した後も、所定の期間、前記可動物疑似映像の表示を継続させることを要旨とする。
【0008】
本発明において始動条件は、識別情報の変動表示を開始するための条件である。弾球遊技機の場合、遊技領域に配置された始動口への遊技球の入賞により、当否判定に用いる判定用乱数を取得し、且つ、大当り中でなく、識別情報の変動表示中又は確定表示中でないことを条件とする。尚、始動条件は、条件を付加しても、一部の条件を削ってもよい。
【0009】
一方、回胴式遊技機の場合の始動条件は、遊技機に価値媒体が投入され、BETされ、リールが回転中でなく、抽選権を得た状態で始動レバーが操作され、且つ、メダルの払い出し中でないことを条件とする。尚、始動条件は、条件を付加しても、一部の条件を削ってもよい。
【0010】
本発明において演出用可動物は、初期位置を演出表示手段の表示領域の外側に設けることが考えられる。本発明において可動物疑似映像は、演出用可動物と同一態様の表示形態とすることが望ましいが、単に演出用可動物のシルエットや輪郭のみのような演出用可動物と認識できる表示態様としてもよい。
【0011】
本発明によれば、遊技者が演出可動物の作動を見逃したとしても、可動物疑似映像により演出用可動物が作動したことを遊技者に認識させることができ、遊技者に演出用可動物による演出を十分に楽しませることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、演出用可動物を長い時間作動位置に作動させる必要がないので、他の演出を邪魔にならずに済む。
【0012】
本発明は演出用可動物を複数備える。この場合、全ての演出用可動物に対応する可動物疑似映像を表示する構成が考えられる。これに限らず、何れか一つ又は複数の演出用可動物に対応する可動物疑似映像を表示する構成でもよい。
【0013】
また演出用可動物は、少なくとも第1演出用可動物と第2演出用可動物とを備え、第1演出用可動物と第2演出用可動物とは、それぞれの初期位置と作動位置との間の作動領域が互いに交わる構成が考えられる。
【0014】
この場合、第1演出用可動物と第2演出用可動物などの複数の演出用可動物はそれぞれ順次に作動するようになし、先の演出用可動物が作動して作動位置から初期位置へ移動した後に次の演出用可動物が初期位置から作動位置へ移動する構成が望ましい。
【0015】
更に、先の演出用可動物が作動位置に作動したときに可動物疑似映像を表示するようになし、その後に演出用可動物が作動位置から初期位置に移動した後も、少なくとも次の演出用可動物が作動位置に作動している期間、先の演出用可動物の可動物疑似映像の表示を継続させることが考えられえる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】前記遊技機において可動物として用いられるタイトル役物を示す単体の説明図である。
【
図4】前記遊技機において可動物として用いられる剣役物を示す単体の説明図である。
【
図5】前記遊技機において可動物として用いられる盾役物を示す単体の説明図である。
【
図8】前記遊技機の遊技仕様に関する説明図である。
【
図9】前記遊技機の主制御装置により実行される「起動処理」の制御内容を示すフローチャートである。
【
図10】主制御装置により実行される「割込み処理」の制御内容を示す第1のフローチャートである。
【
図11】主制御装置により実行される「割込み処理」の制御内容を示す第2のフローチャートである。
【
図12】割込み処理の中で実行される「入力判定処理」の制御内容を示すフローチャートである。
【
図13】入力判定処理の中で実行される「特図入球確認処理」の制御内容を示すフローチャートである。
【
図14】割込み処理の中で実行される「当否判定処理」の制御内容を示すフローチャートである。
【
図15】当否判定処理の中で実行される「第1特図当否判定処理」の制御内容を示す第1のフローチャートである。
【
図16】当否判定処理の中で実行される「第1特図当否判定処理」の制御内容を示す第2のフローチャートである。
【
図17】当否判定処理の中で実行される「第2特図当否判定処理」の制御内容を示す第1のフローチャートである。
【
図18】当否判定処理の中で実行される「第2特図当否判定処理」の制御内容を示す第2のフローチャートである。
【
図19】当否判定処理の中で実行される「第1特図当否判定処理」、「第2特図当否判定処理」の制御内容を示す第3のフローチャートである。
【
図20】当否判定処理の中で実行される「第1特図当否判定処理」、「第2特図当否判定処理」の制御内容を示す第4のフローチャートである。
【
図21】当否判定処理の中で実行される「第1特図当否判定処理」、「第2特図当否判定処理」の制御内容を示す第5のフローチャートである。
【
図22】前記遊技機のサブ統合制御装置により実行される「演出パターン設定処理」の制御内容を示すフローチャートである。
【
図23】前記遊技機で用いられる可動役物演出パターンに関する説明図である。
【
図24】前記サブ統合制御装置により実行される「タイトル役物疑似映像処理」の制御内容を示すフローチャートである。
【
図25】前記サブ統合制御装置により実行される「剣役物疑似映像処理」の制御内容を示すフローチャートである。
【
図26】前記サブ統合制御装置により実行される「盾役物疑似映像処理」の制御内容を示すフローチャートである。
【
図27】前記遊技機で実施される特別図柄に対応する演出表示の表示態様を示す図である。
【
図28】前記遊技機で実施される可動役物演出の第1可動態様を示す図である。
【
図29】前記遊技機で実施される可動役物演出の第2可動態様を示す図である。
【
図30】前記遊技機で実施される可動役物演出の第3可動態様を示す図である。
【
図31】前記遊技機で実施される可動役物演出の第4可動態様を示す図である。
【
図32】前記遊技機で実施される可動役物演出の第5可動態様を示す図である。
【
図33】前記遊技機で実施される可動役物演出の第6可動態様を示す図である。
【
図34】前記遊技機で実施される可動役物演出の第7可動態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1実施例〕
以下、本発明を提供した実施例の遊技機(パチンコ機)について、図面を参照しながら説明する。まず、
図1から
図6を参照して、本実施例におけるパチンコ機1の外観構成を説明する。
【0018】
(1.パチンコ機1の概略構成)
図1に示すように、パチンコ機1は、遊技者が遊技可能な遊技機であり、遊技施設に設置される。
【0019】
(1-1.パチンコ機1の前面構成)
パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101,101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び内枠30(
図6参照)が開閉可能に設けてある。尚、これら前枠11及び内枠30はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して内枠30を開放するようになし、反時計回りの操作により前枠11を開放可能である。
前枠11の板ガラス110の奥には内枠30に保持された遊技盤2(
図2参照)が設けてある。
【0020】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112,112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
【0021】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0022】
本パチンコ機1は、所謂、CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)CRが隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に精算表示装置170(
図7参照)の球貸スイッチ171、精算スイッチ172及び精算表示器が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な演出ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0023】
(1-2.パチンコ機1の遊技盤の構成)
図2に示すように、遊技盤2は、前記内枠に対して着脱可能に取り付けられており、背面側が目視可能なように透明な合成樹脂性の板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20の中央付近には、それぞれが特図に対応する演出用の擬似演出図柄の変動表示を可能とするLCDパネルを有する演出図柄表示装置46と、これよりも小型のLCDパネルを有する表示装置とが、透明な遊技盤2を透して目視できるように、遊技盤2の背面側に設けられている。尚、遊技領域20には風車や多数の遊技釘が植設されている。
【0024】
遊技領域20にはセンターケース200の左横位置に、遊技球が通過可能であり、通過時に普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される普図作動ゲート22が設けられている。
【0025】
センターケース200の中央直下位置には、常時、遊技球の入球が可能で、入球に起因して第1特別図柄(以下、第1特図という)の当否判定が実行される第1特図始動口23が配置されている。更にその直下位置には、入球に起因して第2特別図柄(以下、第2特図という)の当否判定が実行される第2特図始動口24が設置されている。第2特図始動口24は、チューリップ式の開放部材により開放可能に構成されている。第2特図始動口24は、前記普図の抽選で当りとなり、普通電動役物(普電役物ともいう)が作動することで、開放部材が所定の時間、所定の開放態様で開放され、開放部材の開放時にのみ入球(入賞)可能である。
【0026】
第2特図始動口24の直下位置には、開閉板にて開閉可能に設けられ、大当り遊技に開放される大入賞口25が設置されている。大入賞口25は、特別電動役物が作動することで、開閉板が所定の時間、所定の開放態様で開放され、開放板の開放時にのみ入球(入賞)可能である。尚、第1特図又は第2特図の当否判定で大当りとなると、役物連続作動装置が作動し、役物連続作動装置が作動することで、特別電動役物が連続して作動する。これにより大入賞口25が連続して開放される。
【0027】
センターケース200の左側斜め下方位置で、第1特図始動口23乃至大入賞口25の左側位置には複数(4つ)の一般入賞口27が配されている。また、大入賞口25の直下の盤面最下部にはアウト口203が設けられている。アウト口203には、発射された遊技球のうち、第1特図始動口23、第2特図始動口24、大入賞口25、一般入賞口27のいずれにも入球(入賞)しなかった遊技球が取り込まれる。
【0028】
遊技盤2の右下端部には、外レール201の外部に、第1特図表示装置281、第1特図保留数表示装置282、第2特図表示装置283、第2特図保留数表示装置284、普図表示装置285及び普図保留数表示装置286が配置されている。
【0029】
(1-3.パチンコ機1の演出用可動物の構成)
遊技盤2には、センターケース200の上縁部に沿う位置に、演出に応じて作動する演出用可動物としてタイトル役物60が配置されている。タイトル役物60は、通常、センターケース200の上縁部に沿う初期位置にある。タイトル役物60は、作動時、初期位置から下降して演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように表示領域の前側に突出する作動位置に移動可能に設けられている。
【0030】
また遊技盤2には、センターケース200の左側縁部に沿う位置に、演出に応じて作動する演出用可動物として剣役物61が配置されている。剣役物61は、通常、センターケース200の左側縁部に沿う初期位置にある(剣役物61がセンターケース200内に収納された状態)。剣役物61は、作動時、初期位置から時計回りに回転して演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように表示領域の前側に突出する作動位置(仮想線)に移動可能に設けられている。
【0031】
更に遊技盤2には、センターケース200の右側縁部に沿う位置に、演出に応じて作動する演出用可動物として盾役物62が配置されている。盾役物62は、通常、センターケース200の右側縁部に沿う初期位置にある。盾役物62は、作動時、初期位置から左方向に回転して演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように表示領域の前側に突出する作動位置に移動可能に設けられている。
【0032】
図3はタイトル役物60及びその駆動機構を示す。タイトル役物60は、センターケース200の上縁部に、鉛直方向に昇降可能に設置されている。タイトル役物60はタイトル役物モータ601を動力源としてタイトル用歯車603が回転駆動されることにより、ラック602が鉛直方向に移動してタイトル役物60を昇降させる。尚、図中の符号604はタイトル役物センサを示す。タイトル役物センサ604は、ラック602が初期位置(タイトル役物60が
図2に示すセンターケース200の上縁部に収納された状態)にあることを検出する。
【0033】
図4は剣役物61及びその駆動機構を示す。剣役物61は、下端部615がセンターケース200の左側縁部に、上下方向に回動可能に軸着されている。剣役物61は、剣役物モータ611を動力源として剣用歯車613が回転駆動される。そして剣役物61は、剣用歯車613及びこれと連動する剣用ラック614の作動により、下端部615を支点に、初期位置と作動位置との間で、揺動可能に構成されている。尚、図中の符号612は剣役物センサを示す。剣役物センサ612は、剣役物61が初期位置(センターケース200の左側縁部に収納された状態)にあることを検出する。
【0034】
図5は盾役物62及びその駆動機構を示す。盾役物62は、アーム部623の下端部626がセンターケース200の右側縁部に、上下方向に回動可能に軸着されている。盾役物62は、盾役物モータ621を動力源として盾用歯車624が回転駆動される。そして盾役物62は、盾用歯車624及びこれと連動する盾用ラック625の作動により、下端部626を支点に、初期位置と作動位置との間で、揺動可能に構成されている。尚、図中の符号622は盾役物センサを示す。盾役物センサ622は、盾役物62が初期位置(センターケース200の右側縁部に収納された状態)にあることを検出する。
【0035】
(1-4.パチンコ機1の裏面構成)
図6はパチンコ機1の裏面を示すもので、パチンコ機1の裏面側には、遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(
図6の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出機構が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り上皿12に払い出される。また、賞球を払い出す払出ユニット33により球貸スイッチ171の操作で払い出される貸球も払い出す構成である。
【0036】
パチンコ機1の裏面側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。
図6では発射制御装置44が描かれていないが、電源基板45の裏側に設けられている。
【0037】
主制御装置40には、RWMクリアスイッチ及び設定キースイッチが設けられる。RWMクリアスイッチは、主として、主制御装置40に内蔵されたRWMに記憶された遊技情報等をクリアする際に操作される。尚、RWMクリアスイッチは、払出制御装置41や電源基板45に配置してもよい。
【0038】
主制御装置40には、4つの7セグメントLED表示器からなる性能表示装置が設けられている。パチンコ機1は、性能表示装置をパチンコ機1の裏面側に設けることにより、遊技中の遊技者から見えない位置に性能表示装置を配置することができる。
【0039】
また、払出制御装置41には、不正があったと主制御装置40が判断した場合に、LEDを点灯し、不正があった旨を遊技施設の従業員等に報知する不正報知ランプが設けられている。
【0040】
パチンコ機1の裏面側には、球タンク31の右側に、外部接続端子板38が配置され、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ500(
図7参照)へ送られる。尚、従来はホールコンピュータ500へ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータ500へ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30から出力される信号をホールコンピュータ500へ出力するための端子)の2種類を用いられているが、本実施例では、一つの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ500へ送信される。
【0041】
(1-5.パチンコ機1の作動)
図2に戻り、パチンコ機1の作動について説明する。パチンコ機1は、普図作動ゲート22への入球に起因して普図の当否抽選を行い、後述の普図表示装置285の当否の変動表示を開始する。前記抽選結果が当りであれば、普図表示装置285に普図の当りを確定表示して普電役物の扉部を開放する。これにより第2特図始動口24への入球が可能となる。
【0042】
普電役物の開放時間及び開放回数は、例えば、通常状態で0.2秒×1回、遊技者にとって有利な遊技状態(後述の普電役物サポート状態)では、2.0秒×1回に設定される。
【0043】
パチンコ機1は、第1特図始動口23に遊技球が入球すると、第1特図の当否判定に関する複数種の乱数値を抽出し、抽出した乱数値を第1特図の保留記憶として所定数記憶する。そして、パチンコ機1は、保留記憶された乱数値に基づいて当否判定を行い、大当りであるか又はハズレであるか判定される。この当否判定の結果に基づき、パチンコ機1は、第1特図表示装置281において第1特図の変動表示を開始し、所定時間経過後に確定表示を行う。また、パチンコ機1は、演出図柄表示装置46において第1特図に対応する疑似演出図柄700(
図27参照)の変動表示を開始し、所定時間経過後に確定表示を行う。
【0044】
同様に、パチンコ機1は、第2特図始動口24に遊技球が入球すると、第2特図の当否判定に関する複数種の乱数値を抽出し、抽出した乱数値を第2特図の保留記憶として所定数記憶する。そして、パチンコ機1は、保留記憶された第2特図の乱数値に基づいて当否判定を行い、大当り、小当り、ハズレの何れであるか判定される。この当否判定に基づき、パチンコ機1は、第2特図表示装置283において第2特図の変動表示を開始し、所定時間経過後に第2特図の確定表示を行う。また、パチンコ機1は、演出図柄表示装置46において第2特図に対応する疑似演出図柄700の変動表示を開始し、所定時間経過後に確定表示を行う。
【0045】
尚、第1特図及び第2特図の変動表示及び確定表示は、遊技盤2の隅に小さく表示される。そこで、パチンコ機1は、遊技領域20の中央に設けた演出図柄表示装置46において第1特図及び第2特図に対応する疑似演出図柄700による疑似演出表示を行い、疑似演出表示を通して遊技者に当否判定の結果を報知する。パチンコ機1は、疑似演出表示において、3つの疑似演出図柄700の変動表示を行い、当否判定の結果が大当りであれば、3つの疑似演出図柄700を同一図柄で停止させる。また、パチンコ機1は、疑似演出表示において、2つの疑似演出図柄700を同じ図柄で停止させた状態で残り1つの疑似演出図柄700の変動表示を行うリーチ演出を行うことにより、当否判定において大当りになることの期待感を遊技者に与えることができる。
【0046】
また、パチンコ機1は、第1特図又は第2特図の変動に伴う疑似演出表示のうちの所定のリーチ演出において、変動中の第1特図又は第2特図の当否判定の結果を、第1特図や第2特図の確定表示に先立って報知する予告演出を実行可能な構成である。予告演出は、「可動役物演出」を含むもので、所定の作動態様にてタイトル役物60、剣役物61、盾役物62を初期位置から作動位置へ、作動位置から初期位置へと作動させることにより大当りへの期待度を示す。
【0047】
また「可動役物演出」は、リーチ演出に限らず、疑似演出表示の変動に先立つように実施し、「可動役物演出」の後に変動を開始する構成も考えられる。更に、「可動役物演出」は大当りへの期待度に限らず、後述の確変状態へ移行するか否かといった大当り期待度以外の遊技者に有用な情報を報知することも考えられる。
【0048】
更に、パチンコ機1は、「可動役物演出」において、可動役物が作動位置に作動したときに、演出図柄表示装置46の表示領域の作動位置に対応する位置に可動役物と同様の可動物疑似映像を表示するようになす。そして、可動役物が作動位置から初期位置に移動した後も、所定の期間、可動物疑似映像の表示を継続させるようになす。
【0049】
例えば、パチンコ機1は、タイトル役物60が作動位置に作動した際に、演出図柄表示装置46にはその表示領域の作動位置と対応する位置にタイトル役物60と同形のタイトル役物疑似映像を表示するようになす。そして、タイトル役物60が初期位置に戻った後も、所定の期間、表示領域の作動位置と対応する位置にタイトル役物疑似映像の表示を継続させるようになす。
【0050】
例えば、パチンコ機1は、剣役物61が作動位置に作動した際に、演出図柄表示装置46にはその表示領域の作動位置と対応する位置に剣役物61と同形の剣役物疑似映像を表示するようになす。そして、剣役物61が初期位置に戻った後も、所定の期間、表示領域の作動位置と対応する位置に剣役物疑似映像の表示を継続させるようになす。
【0051】
例えば、パチンコ機1は、盾役物62が作動位置に作動した際に、演出図柄表示装置46にはその表示領域の作動位置と対応する位置に盾役物62と同形の盾役物疑似映像を表示するようになす。そして、盾役物62が初期位置に戻った後も、所定の期間、表示領域の作動位置と対応する位置に盾役物疑似映像の表示を継続させるようになす。
【0052】
更にまた、パチンコ機1は、第1特図の当否判定と第2特図の当否判定とがそれぞれ、第1特図始動口23、第2特図始動口24への入球に応じて実行され、第1特図と第2特図との同時変動が可能な構成である。
【0053】
そして、パチンコ機1は、第1特図と第2特図とが同時変動している場合、演出図柄表示装置46において実施される疑似演出表示では、現在の遊技状況に応じて主体となる第1特図又は第2特図の何れか一方の変動を対象とする疑似演出表示を実施するように構成されている。例えば、遊技状況に応じて、第1特図始動口23を狙ったほうが有利な左打ち遊技が推奨される遊技状態では、演出図柄表示装置46にて第1特図に対応する疑似演出表示を実施する。一方、第2特図始動口24を狙ったほうが有利な右打ち遊技が推奨される遊技状態では、演出図柄表示装置46にて第2特図に対応する疑似演出表示を実施する。
【0054】
尚、第1特図と第2特図とが同時変動時、パチンコ機1は、演出図柄表示装置46において、主体となる特図の疑似演出表示のみを表示することが望ましい。またこれに限らず、主体となる特図の疑似演出表示を実施している状態で、他の特図の変動が開始及び終了となった場合に、表示画面の隅に小さく、他方の特図の変動開始に対応する演出表示及び他方の特図の変動終了に対応する演出表示を表示するようにしてもよい。
【0055】
前記当否判定の結果が大当りであれば、前記第1特図表示装置281又は第2特図表示装置283、及び演出図柄表示装置46に大当り図柄(擬似演出大当り図柄)を確定表示して大入賞口25の開放を伴う大当り遊技(特別遊技)を実施する。
【0056】
大当り遊技は、所定の開放態様での大入賞口25の開閉動作を1ラウンドとするラウンド遊技を複数ラウンド、例えば12ラウンド実施する構成である。また各ラウンド遊技は、大入賞口25の開放時間が予め設定された所定の時間(例えば、29秒)に達することを条件とし、又は大入賞口25への入球数が予め設定された所定の個数(例えば、9個)に達することを条件とし終了する構成とされている。
【0057】
パチンコ機1は、第2特図当否判定の結果が、第2特図の確定表示した態様に応じて小当りであれば、小当り遊技が実施される。この小当り遊技において、パチンコ機1は、大入賞口25の開閉を行う。小当り遊技では、例えば、大入賞口25を6.0秒開放する開放動作、又は大入賞口25への入球数が予め設定された所定の個数(例えば、4個)に達するまでの開放動作が1回実行される。
【0058】
パチンコ機1は、第1特図及び第2特図の同時変動時に、例えば、第2特図判定結果が小当りであり、第2特図が小当りを示す確定表示がなされると、第1特図の変動表示が中断される。そして、第1特図の変動表示は、第2特図の小当り遊技中では中断され、小当り遊技の終了後に再開される。
【0059】
また、パチンコ機1は、第1特図及び第2特図の同時変動時に、例えば、第1特図又は第2特図の何れか一方の判定結果が大当りであり、第1特図又は第2特図が大当りを示す確定表示がなされると、他方の第2特図又は第1特図の変動表示が停止される。この場合、一方の特図が大当りとなる変動中に、他方の当否判定が実施されても、強制的にハズレ判定にされるため、他方の特図の変動表示はハズレ図柄で停止され、確定される。
【0060】
パチンコ機1は、いわゆる確率変動機であり、大入賞口25が閉鎖された遊技状態と大入賞口25が開放された遊技状態との2つの遊技状態に大別される。更に、大入賞口25が閉鎖された遊技状態には、通常状態(低確率状態)と、通常状態よりも遊技者にとって有利な確変状態(高確率状態)との2つの遊技状態が含まれる。尚、確変状態とは、第1特図及び第2特図の当否判定で大当りとなる確率が通常状態よりも高く設定された遊技状態である。例えば、確変状態は、次回の大当りが生起するまで継続される。
【0061】
また、パチンコ機1は、確変大当りと通常大当りとの2つの大当り種別を含む。パチンコ機1は、第1特図又は第2特図の当否判定で確変大当りとなった場合に、大当り図柄として確変図柄を選択する。この場合、パチンコ機1は、大当り遊技後に確変状態へ移行する。
【0062】
また、パチンコ機1は、確変状態への移行と共に、普図の当否判定時の当選確率が高確率とされ、普図の変動時間が短縮され、且つ普電役物の開放時間が延長される普電役物サポート機能(普図の確変機能、普図の時短機能、普電役物の開放延長機能)が付与される。この普電役物サポート機能(普電サポート機能)は、第1特図及び第2特図の当否判定に伴う図柄変動回数が、所定の回数(例えば100回)に達するまで又はこの間に大当りが生起するまで継続される。この普電サポート機能の作動中において、パチンコ機1は、一定時間内で行われる第2特図及び普図の変動回数を増やすことができる。
【0063】
一方、パチンコ機1は、第1特図又は第2特図の当否判定で通常大当りとなった場合に、大当り図柄として通常図柄を選択する。この場合、パチンコ機1は、大当り遊技後に、普電サポート機能が付与された普電サポート状態へ移行する。例えば普電サポート状態は、第1特図及び第2特図の当否判定に伴う図柄変動時間短縮されると共に、普図の確変機能、普図の時短機能、普電役物の開放延長機能等が付与される。普電サポート状態は、第1特図及び第2特図の当否判定に伴う図柄変動回数が、所定の回数(例えば100回)に達するまで又はこの間に大当りが生起するまで継続される。
【0064】
(2.パチンコ機1の電気的構成)
次に、
図7を参照して、パチンコ機1の電気的構成を説明する。パチンコ機1は、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。また、主制御装置40には各種の乱数を抽出する乱数カウンタ等も備わっている。
【0065】
本実施例において、発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0066】
(2-1.主制御装置40)
図7に示すように、パチンコ機1の電気的構成は、主として遊技の制御を司る主制御装置40を中心に構成される。主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介してホールコンピュータ500又は試射試験装置(図示せず)に電気的に接続される。そして、主制御装置40からの出力信号は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介してホールコンピュータ500又は試射試験装置に送られる。
【0067】
主制御装置40には、裏配線中継端子板530を介して、前枠11(
図1参照)が開放しているか否かを検出するガラス枠開放スイッチ501、及び、内枠30(
図6参照)が開放しているか否かを検出する内枠開放スイッチ502が接続される。尚、図においてスイッチは、単にSWと記載する。これらガラス枠開放スイッチ501及び内枠開放スイッチ502は、各々の検出信号を主制御装置40に出力する。
【0068】
また、主制御装置40には、遊技盤中継端子板531を介して、第1特図始動口23への入球を検出する第1特図始動口SW503、第2特図始動口24への入球を検出する第2特図始動口SW504、普図作動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、一般入賞口27への入球を検出する一般入賞口SW506、大入賞口25への入球を検出するカウントSW507等が接続される。
【0069】
そして、これら第1特図始動口SW503、第2特図始動口SW504、普通図柄作動SW505、一般入賞口SW506、カウントSW507は、各々の検出信号を主制御装置40に出力する。
【0070】
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、大入賞口SOL(ソレノイド)510、及び普電役物SOL511が接続されている。主制御装置40は、大入賞口SOL510を制御して大入賞口25を開閉作動せしめ、普電役物SOL511を制御して普電役物(第2特図始動口24)の開閉作動せしめる。
【0071】
また主制御装置40は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドを出力する。
【0072】
更に主制御装置40は、図柄表示装置中継端子板533を介して第1特図表示装置281、第1特図保留数表示装置282、第2特図表示装置283、第2特図保留数表示装置284、普図表示装置285、及び普図保留数表示装置286等の表示制御を行う。
【0073】
主制御装置40に搭載されるMPU(Micro Processing Unit)は、CPUと、ROMと、RAMと、カウンタ回路と、タイマ回路と、乱数回路とを主に備える。CPU、ROM、RAM、カウンタ回路、タイマ回路及び乱数回路の各々は、内部バスを介して接続され、内部バスは、外部バスインターフェイスを介して、パチンコ機1に設けられた各種スイッチや各種装置等に通信可能に接続されている。
【0074】
(2-2.払出制御装置41)
次に払出制御装置41について説明する。払出制御装置41は、主制御装置40に対して双方向通信可能に接続される。払出制御装置41には、払出中継端子板534及び裏配線中継端子板530を介してガラス枠開放スイッチ501及び内枠開放スイッチ502に接続される。そして、払出制御装置41は、外部接続端子板38を介して賞球に関する情報、前枠11及び内枠30の開閉状態に関する情報等をホールコンピュータ500又は試射試験装置(図示せず)に送信する。また、払出制御装置41は、必要に応じて、遊技球の発射を停止させるための発射停止信号を発射制御装置44に送信する。
【0075】
また、払出制御装置41は、裏配線中継端子板530を介して、球タンク31(
図6参照)が空状態になったことを検出する球切れスイッチ520が接続される。球切れスイッチ520は、球タンク31が空状態になったことを検出すると、検出信号を払出制御装置41に出力する。
【0076】
更に、払出制御装置41には、払出中継端子板534を介して、遊技球の払出を行う払出モータ521と、遊技球が払い出されたことを検出する払出スイッチ522とが接続される。払出制御装置41は、主制御装置40から送られるコマンドに応じて払出モータ521を駆動し、遊技球の払出を行う。払出スイッチ522は、遊技球が払い出されたことを検出すると、検出信号を払出制御装置41に出力する。更に、払出制御装置41には、下皿13が満杯状態になったことを検出する満杯スイッチ523が接続される。満杯スイッチ523は、下皿13が満杯状態になったことを検出すると、検出信号を払出制御装置41に出力する。
【0077】
払出制御装置41は、球切れスイッチ520から検出信号が入力された場合、及び、満杯スイッチ523から検出信号が入力された場合、払出モータ521を停止する。これにより、払出ユニット33による賞球の払出動作が停止される。球切れスイッチ520は、球切れ状態が解消されるまで検出信号を出力し続け、満杯スイッチ523は、下皿13の満杯状態が解除されるまで検出信号を出力し続ける。そして、払出制御装置41は、球切れスイッチ520及び満杯スイッチ523からの検出信号の入力が停止すると、払出モータ521の駆動を再開する。
【0078】
尚、機台内に封入した遊技球を循環させて遊技を行う封入式遊技機等に本発明を採用する場合、主制御装置40から払出制御装置41(封入式遊技機の場合では、遊技球の払出が行われないため、枠制御装置と称するのが好適)への一方向通信としてもよい。この場合、遊技機は、不正されにくい構成とすることができる。
【0079】
更に、払出制御装置41には、CRユニット端子板535を介して、CRユニットCR及び精算表示装置170に双方向通信可能に接続される。精算表示装置170には、遊技者により操作される球貸スイッチ171及び精算スイッチ172が接続される。球貸スイッチ171は、遊技者が遊技球の貸出を要求する際に操作されるスイッチであり、精算スイッチ172は、遊技者が精算を要求する際に操作されるスイッチである。
【0080】
球貸スイッチ171は、遊技者による操作を検知すると、貸出要求の操作信号を出力する。球貸スイッチ171が出力した貸出要求信号は、精算表示装置170を介してCRユニットCRに入力され、CRユニットCRから払出制御装置41へ貸出要求信号が発信される。そして、払出制御装置41は、CRユニットCRから貸出要求信号を受けると、払出モータ521を駆動し、遊技球の払出を行うと共に、CRユニットCRに挿入されたプリペイドカードの残高表示を制御する。
【0081】
精算スイッチ172は、遊技者による操作を検知すると、精算要求の操作信号を出力する。精算スイッチ172が出力した精算要求信号は、精算表示装置170を介してCRユニットCRに入力され、CRユニットCRは、精算要求信号に応じて、CRユニットCRに挿入されたプリペイドカードの残高管理及び残高表示に関する制御を行う。
【0082】
また、払出制御装置41には、一般入賞口27への入球頻度が異常であると判断され場合に、点灯するLEDである不正報知ランプが設けられる。払出制御装置41は、主制御装置40から不正コマンドを受信すると、不正報知ランプを点灯させることにより、遊技施設の従業員等に対し、不正が行われたおそれがあることを報知できる。
【0083】
(2-3.サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43)
サブ統合制御装置42は、演出中継端子板532を介して主制御装置40に接続されると共に、主制御装置40からサブ統合制御装置42への通信を可能とする。そして、サブ統合制御装置42は、主制御装置40から受信したコマンドに基づいて演出制御を行う。サブ統合制御装置42には、演出ボタン15及びジョグダイヤル16が接続される。演出ボタン15及びジョグダイヤル16はそれぞれ、操作による各々の検出信号をサブ統合制御装置42に入力する。
【0084】
サブ統合制御装置42には、タイトル役物センサ604、剣役物センサ612及び盾役物センサ622が接続される。タイトル役物センサ604、剣役物センサ612及び盾役物センサ622は各々の検出信号をサブ統合制御装置42に入力する。
【0085】
サブ統合制御装置42には、スピーカ112、各種LED、ランプ113、タイトル役物モータ601、剣役物モータ611、及び盾役物モータ621が接続される。
【0086】
そして、サブ統合制御装置42は、スピーカ112の駆動により音声の出力を制御すると共に、枠側装飾ランプ113を含む各種LEDやランプの点灯及び消灯等を制御する。尚、サブ統合制御装置42には、スピーカ112から出力する音量を調節する音量調節スイッチが設けられる。サブ統合制御装置42は、音量調節スイッチから入力された操作信号に基づいて、スピーカ112から出力する音量を制御する。
【0087】
更に、サブ統合制御装置42は、タイトル役物モータ601、剣役物モータ611、及び盾役物モータ621を駆動せしめて、タイトル役物60、剣役物61及び盾役物62の作動を制御する。
【0088】
また、サブ統合制御装置42は、一般入賞口27への入球頻度が異常であると判断され場合に、スピーカ112、枠側装飾ランプ113及び演出図柄表示装置46によるエラー報知を行う。
【0089】
演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42に対して双方向通信可能に接続される。サブ統合制御装置42は、演出図柄制御装置43に対し、キャラクタ等を表示する疑似演出や特図の疑似図柄の表示態様に関するコマンドを送信する。一方、演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られるコマンドに応じた疑似演出図柄700を演出図柄表示装置46のLCDパネルに表示する。
【0090】
(2-4.発射制御装置44)
発射制御装置44は、払出制御装置41に接続され、払出制御装置41から発射制御装置44への通信を可能とする。発射制御装置44は、払出制御装置41を介して主制御装置40から送られるコマンドや、発射ハンドル14の回動信号に基づいて発射モータ526を制御し、遊技球の発射及び発射停止を行う。
【0091】
また、発射制御装置44には、発射ハンドル14に設けられた発射停止スイッチ524、及び、発射ハンドル14に遊技者が接触していることを検出するタッチスイッチ525が接続される。タッチスイッチ525は、遊技者による発射ハンドル14の接触を検出した場合に、検出信号を発射制御装置44に入力する。そして、発射制御装置44は、タッチスイッチ525から検出信号が入力されている場合に、遊技球を発射する。一方、発射停止スイッチ524は、遊技者による操作があった場合に、検出信号を発射制御装置44に入力する。そして、発射制御装置44は、発射停止スイッチ524から検出信号が入力されると、タッチスイッチ525から検出信号が入力されている場合であっても、遊技球の発射を停止する。
【0092】
(2-5.電源基板45)
図略であるが、電源基板45は、電源回路と、受電回路と、停電検出回路と、バックアップ用電源回路とを備える。電源回路は、外部に設けられたAC電源(主電源AC24V)から供給される交流電圧を変換し、直流電圧を生成する。受電回路には、電源スイッチが設けられ、電源回路は、受電回路を介してAC電源に接続される。電源スイッチをONにすると、電源回路は、AC電源と導通し、電源回路に主電源AC24Vが供給される。そして、電源回路は、必要な直流電圧各種制御装置やアクチュエータ等に供給する。
【0093】
停電検出回路は、電源回路から供給される電圧を監視する。そして、停電検出回路は、供給された電圧が所定電圧未満となった場合に、電源スイッチのOFFへの切替え、或いは、停電に伴う電源の遮断が発生したと判断し、主制御装置40及び払出制御装置41に出力する停電検出信号をハイレベル(ON)にする。その一方、停電検出回路は、電源回路から供給される電圧が所定電圧以上に上昇した場合に、停電検出信号をローレベル(OFF)にする。
【0094】
尚、本実施例において、停電検出回路は、停電検出信号を主制御装置40及び払出制御装置41に送信する場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば停電検出回路は、停電検出信号を主制御装置40及び払出制御装置41の何れか一方のみに送信し、主制御装置40から払出制御装置41に、或いは、払出制御装置41から主制御装置40に対し、停電用のコマンドを送信する構成としてもよい。
【0095】
バックアップ用電源回路は、コンデンサ等により構成される。バックアップ用電源回路は、電源回路がAC電源から電力を供給しながら生成したDC5Vの電力を充電し、停電となった場合に、バックアップ電源(DC5V)を主制御装置40のRWM及び払出制御装置41のRWM等に供給する。
【0096】
本実施例において、バックアップ電源は、主制御装置40のRWM及び払出制御装置41のRWMに供給される。よって、パチンコ機1は、電源が遮断された後においても一定時間に亘り、電源断発生時に主制御装置40及び払出制御装置41に記憶されていた内容、例えば、パチンコ機1の遊技状態や賞球として払い出す遊技球の数等の情報を保持できる。
【0097】
その一方、バックアップ電源は、サブ統合制御装置42のRWMには供給されない。よって、パチンコ機1への電力供給が停止されると、サブ統合制御装置42のRWMに記憶されていた内容は、消去される。
【0098】
(3.パチンコ機1の仕様)
次に、パチンコ機1の基本的仕様を説明する。
図8に示すように、パチンコ機1は、通常遊技状態における大当り確率は、第1特図及び第2特図共に1/260に設定される。確変遊技状態における大当り確率は、第1特図及び第2特図共に1/70に設定されている。
【0099】
パチンコ機1は、第1特図の当否判定において小当り判定されはされない。一方、第2特図の小当りの当選確率は、通常遊技状態、確変遊技状態にかかわらず1/40に設定されている。これに限らず、小当りの当選確率は、通常遊技状態、確変遊技状態、設定値毎に相違させてもよい。
【0100】
パチンコ機1では、普図の当選確率は、通常遊技状態では1/6とされている。そして、通常遊技状態において、普図の変動時間は約30秒に設定される。普電サポート状態において、普図の当選確率は5/6とされ、普図の変動時間は約1秒に設定される。
【0101】
パチンコ機1において、記憶可能な保留記憶の上限数は、第1特図、第2特図共に、各々4個である。
【0102】
パチンコ機1において、大当り遊技終了後に確変状態に移行する確変突入率は、第1特図が40%に設定されている。一方、大当り遊技終了後に確変状態に移行する第2特図の確変突入率は60%に設定される。また確変状態の継続は、次に大当りが発生するまで、又は第1特図及び第2特図の変動回数(=当否判定の実行回数)が100回に達するまで継続される。
【0103】
パチンコ機1において、大当り遊技終了後に普電サポート状態に移行する電サポ突入率は、第1特図及び第2特図共に100%に設定されている。また、普電サポート状態の継続は、次に大当りが発生するまで、又は第1特図及び第2特図の変動回数(=当否判定の実行回数)が100回に達するまで継続される。
【0104】
パチンコ機1は、第1特図又は第2特図の大当りが生起すると、大入賞口25にて大当り遊技が実施される。大当り遊技では、大入賞口25を開放するラウンド遊技を例えば12ラウンド行う。各ラウンド遊技において、大入賞口25は、開放時間が29秒に達するまで、又は大入賞口25への入球数が規定数の9個に達するまで開放される。
【0105】
パチンコ機1は、第2特図の小当りが生起すると、大入賞口25にて小当り遊技が実施される。小当り遊技では、大入賞口25が6.0秒間にわたって1回開放される。小当り遊技の規定数は4個である。
【0106】
パチンコ機1において、普電役物の作動態様は、通常遊技状態(非電サポ)、電サポ状態とで各々異なる構成である。非普電サポート状態で普図が当選すると、普電役物が0.2秒間にわたって1回開放される。また電サポ状態では、普電役物が2.0秒間にわたって1回開放される。
【0107】
次に、賞球について説明する。第1特図始動口23及び第2特図始動口24の賞球は、それぞれ1個の入球につき3個に設定されている。大入賞口25の賞球は、1個の入球につき13個に設定されている。その他の一般入賞口27などの賞球数は1個の入球につき10個に設定されている。
【0108】
(4.起動処理)
次に、
図9に示すフローチャートを参照しながら、主制御装置40により実行される「起動処理」について説明する。起動処理は、パチンコ機1の電源投入時に実行される処理である。
【0109】
図9に示すように、主制御装置40は、起動処理の最初の処理として、スタックアドレスにスタックポインタを設定する(処理S1)。続いて、主制御装置40は、割込みベクタテーブルの割込みベクタアドレスを、対応するレジスタに設定する(処理S2)と共に、内蔵レジスタを設定する(処理S3)尚、割込みベクタアドレスは、アドレス空間(メモリ空間)の中で、後述する割込み処理のプログラムに係る開始番地の指定に使用される。
【0110】
次に、主制御装置40は、入力ポートのレジスタを読込み(処理S4)、停電停止信号がOFFであるか否かを判定する(処理S5)。そして、停電検出信号がONのままであり、否定判定あれば(処理S5:No)、主制御装置40は、電源基板45から供給される電圧が所定電圧に到達していないと判断する。この場合、主制御装置40は、処理S4に戻り、停電停止信号がOFFになるまで処理S4及び処理S5を繰り返し実行する。
【0111】
一方、停電検出信号がOFFに切り替わり、肯定判定であれば(処理S5:Yes)、主制御装置40は、電源基板45から供給される電圧が所定電圧以上となり、安定的に電圧が供給される状態になったと判断し、RWM630への書込みを許可する(処理S6)。
【0112】
処理S6の後、主制御装置40は、初期設定処理(処理S7)を実行する。この初期設定処理(処理S7)は、主に、移行モードの設定を行う。その後、主制御装置40は、割込みを禁止する(処理S8)と共に、レジスタ退避を実行する(処理S9)。更に、主制御装置40は、ベース値等の遊技性能を演算する遊技性能演算処理を実行する(処理S10)。つまり、主制御装置40は、遊技性能に関する演算をRWM630の領域外で行う。
【0113】
処理S10の後、主制御装置40は、レジスタ復帰を実行する(処理S11)と共に割込みを許可し(処理S12)、処理S8へ戻る。このように、主制御装置40は、起動処理において、処理S8から処理S12までを繰り返し実行する。その一方で、主制御装置40は、処理S12が実行されてから処理S8が再度実行されるまでの間に、後述する割込み処理(
図10参照)を周期的に(例えば4mS周期で処理)実行する。
【0114】
(5.割込み処理)
次に、
図10に示すフローチャートを参照しながら、主制御装置40により実行される「割込み処理」について説明する。
図10に示すように、主制御装置40は、割込み処理で実行する最初の処理として、タイマ及びウォッチドッグタイマを設定する(処理S21)。処理S21において、主制御装置40は、主制御装置40に設けられた各種タイマの設定や、ウォッチドッグタイマのクリア及びリスタートを行う。
【0115】
処理S21の後、主制御装置40は、モード値格納領域に格納されたモード値が「3」であるか否かを判定する(処理S22)。その結果、モード値が「3」であれば(処理S22:Yes)、パチンコ機1は、移行モードとして、遊技停止モードが設定されていると判断できる。つまり、パチンコ機1は、遊技開始不能な状態であって、電源スイッチのOFFへの切替えを待機している状態であると判断できる。よってこの場合、主制御装置40は、割込み許可(処理S36)を行い、起動処理(
図9参照)へリターンする。
【0116】
一方、モード値格納領域に格納されたモード値が「3」でなければ(処理S22:No)、主制御装置40は、主制御装置40に設けられた各種タイマを更新するタイマ更新処理を実行する(処理S23)。続いて、主制御装置40は、各種始動口及び各種入賞口への遊技球の入球に関する処理である入力判定処理(処理S24)を実行する。尚、入力判定処理(処理S24)の詳細は、
図12に示すフローチャートを参照しながら後述する。処理S24の後、主制御装置40は、当否判定及び大当り遊技に関する処理である当否判定処理(処理S25)を実行する。尚、当否判定処理(処理S25)の詳細は、
図14に示すフローチャートを参照しながら後述する。
【0117】
処理S25の後、主制御装置40は、遊技状態が移行した場合に、その旨の信号をホールコンピュータ500に送信する遊技状態設定処理(処理S26)を実行する。処理S26において、主制御装置40は、例えば、上記した当否判定処理(処理S25)において大当り遊技(特別遊技)や当り遊技(普図遊技)が終了した後、所定時間経過後にホールコンピュータ500に信号を送信する。
【0118】
尚、パチンコ機1が図示しない試射試験装置に接続されている場合に、主制御装置40は、処理S26において、遊技状態が移行したことを示す試験信号を試射試験装置(図示せず)に送信する。
【0119】
処理S26の後、主制御装置40は、エラーが発生したか否かを監視するエラー監視処理(処理S27)を行う。尚、エラー監視処理(処理S27)において主制御装置40が監視するエラーとしては、前枠11や内枠30が開放されていることを示す開放エラーや、図示しない電波センサにより異常な電波が検出されたことを示す電波エラーや、図示しない振動センサにより異常な振動が検出されたことを示す振動エラー等が例示される。
【0120】
処理S27の後、主制御装置40は、払出制御装置41に賞球コマンドを送信する賞球コマンド送信処理(処理S28)を実行する。そして、払出制御装置41は、受信した賞球コマンドに基づき、入球があった各種始動口又は各種入賞口毎に設定された賞球の払い出しを実行する。
【0121】
処理S28の後、主制御装置40は、実行中に遊技内容に応じた画像データや音声データ等を作成し、サブ統合制御装置42に出力する演出用データ出力処理(処理S29)を実行する。更に、主制御装置40は、上記したエラー監視処理(処理S27)においてエラーの発生を検出した場合に、検出したエラーの内容に応じて、演出図柄表示装置46におけるエラー表示や、枠側装飾ランプ113の点灯や点滅、スピーカ112からの音声出力等のエラー報知を適宜行う。
【0122】
処理S29の後、主制御装置40は、外部接続端子板38を介してホールコンピュータ500に外部出力処理(処理S30)を実行する。処理S30において、主制御装置40は、上記した当否判定処理(処理S25)での処理内容に基づき、大入賞口ソレノイド510及び普電役物ソレノイド511に関するデータをホールコンピュータ500に送信する。また、処理S30において、主制御装置40は、上記したエラー監視処理(処理S27)でエラーの発生を検出した場合に、セキュリティ信号をホールコンピュータ500に送信する。尚、パチンコ機1に試射試験装置が接続されている場合、主制御装置40は、処理S30において、大入賞口ソレノイド510及び普電役物ソレノイド511に関するデータやセキュリティ信号を試射試験装置に送信する。
【0123】
図11に示すように、処理S30の後、主制御装置40は、レジスタ退避(処理S31)を行い、性能表示用データ作成処理(処理S32)を実行する。処理S32において、主制御装置40は、起動処理(
図9参照)においてRWM630の領域外で実行した性能表示用演算処理(処理S10)の算出結果や、試射試験の試験結果を性能表示装置に表示するためのデータを作成する。処理S31の後、主制御装置40は、レジスタ復帰(処理S33)を実行する。
【0124】
処理S33の後、主制御装置40は、セグメントデータ作成処理(処理S34)を実行する)。処理S34において、主制御装置40は、処理S31で作成したデータを性能表示装置に表示する準備として、性能表示装置に設けられた各種LEDのコモン(LEDセグメントに係る8bit単位の表示領域)毎の発光制御を行うためのセグメントデータを作成する。
【0125】
処理S34の後、主制御装置40は、各種表示装置に対する表示処理(処理S35)として、性能表示装置における遊技性能や試射試験データの表示を行う。また、処理S35において、主制御装置40は、実行中の遊技状況に応じて、第1特図表示装置281、第2特図表示装置283、普図表示装置285における各種図柄の変動表示や確定表示等を行う。処理S35の後、主制御装置40は、割込みを許可し(処理S36)、起動処理(
図9参照)へリターンする。
【0126】
尚、主制御装置40は、性能表示用演算処理(処理S10)を起動処理(
図9)で実行するのに対し、性能表示用演算処理(処理S10)での演算結果の表示に関する処理を割込み処理で行う。この点に関し、主制御装置40は、処理量が多い性能表示用演算処理(処理S10)を起動処理で行うことにより、性能表示用演算処理(処理S10)が終了する前に割込み禁止(処理S8、
図9参照)が実行されることを防止できる。一方、主制御装置40は、性能表示装置に対する表示処理を、第1特図表示装置281等に対する表示処理と同じタイミングで実行することで、表示制御の効率化を図ることができる。
【0127】
(6.入力判定処理)
次に、
図12に示すフローチャートを参照しながら、割込み処理(
図10参照)の中で実行される「入力判定処理」(処理S24)について説明する。
図12に示すように、主制御装置40は、入力判定処理(処理S24)の最初の処理として、特図入球確認処理(処理S101)を実行する。特図入球確認処理(処理S101)は、第1特図始動口23又は第2特図始動口24に遊技球が入球した場合に実行される処理である。尚、特図入球確認処理(処理S101)の詳細は、
図13に示すフローチャートを参照しながら後述する。
【0128】
処理S101の後、主制御装置40は、普図入球確認処理(処理S102)を実行する。普図入球確認処理(処理S102)は、普図作動ゲート21に遊技球が入球した場合に実行される処理である。
【0129】
処理S102の後、主制御装置40は、入賞数カウント処理(処理S103)を実行する。入賞数カウント処理(処理S103)は、大入賞口25又は一般入賞口27に遊技球が入球した場合に実行される処理である。具体的に、処理S103において、主制御装置40は、カウントスイッチ507又は一般入賞口スイッチ506が遊技球を検出した場合に、大入賞口25又は一般入賞口27へ入球した遊技球の数をカウントするカウンタの値に1を加算する。
【0130】
処理S103の後、主制御装置40は、アウト数カウント処理(処理S104)を実行する。アウト数カウント処理(処理S104)は、遊技性能の演算に利用するアウト数の集計を行う処理である。具体的に、処理S104において、主制御装置40は、第1特図始動口スイッチ503、第2特図始動口スイッチ504、普通図柄作動スイッチ505、一般入賞口スイッチ506、カウントスイッチ507、及び図示しない排出口に設けられたスイッチが遊技球を検出した場合に、アウト数をカウントするカウンタの値に1を加算する。
【0131】
処理S104の後、主制御装置40は、一般入賞口27への入球頻度が異常であるか否かを判定する(処理S105)。具体的に、主制御装置40は、処理S105において、所定時間内(例えば60秒間)に一般入賞口27に入球した遊技球数が規定入賞数(例えば10個)を超えた場合に、不正が行われたと判定する。その結果、主制御装置40は、入球頻度が正常であり、否定判定であれば(処理S105:No)、そのまま本処理を終了し、割込み処理(
図10参照)へリターンする。
【0132】
一方、入球頻度が異常であり、肯定判定であれば(処理S105:Yes)、主制御装置40は、払出制御装置41及びサブ統合制御装置42に対して不正報知コマンドを送信し(処理S106)、本処理を終了する。処理S106において、主制御装置40から不正報知コマンドを受信した払出制御装置41は、払出制御装置41に設けられた不正報知ランプを点灯する。
【0133】
また、主制御装置40から不正報知コマンドを受信したサブ統合制御装置42は、枠側装飾ランプ113の点灯や点滅、スピーカ112からの音声出力等によるエラー報知を行う。さらに、サブ統合制御装置42から不正報知コマンドに受信した演出図柄制御装置43は、演出図柄表示装置46において、不正が行われた旨の警告表示を行う。尚、スピーカ112からの音声出力によるエラー報知は、エラー報知を開始してから30秒後に終了し、演出図柄表示装置46における警告表示及び枠側装飾ランプ113によるエラー報知は、エラー報知を開始してから5分後に終了する。
【0134】
(7.特図入球確認処理)
次に、
図13に示すフローチャートを参照しながら、入力判定処理(処理S24、
図12参照)の中で実行される特図入球確認処理(処理S101)について説明する。特図入球確認処理(処理S101)は、第1特図始動口23への入球に応じて複数種の第1特図の乱数を抽出し保留記憶すると共に、第2特図始動口24への入球に応じて複数種の第2特図の乱数を抽出し保留記憶する。そして第1特図始動口23、第2特図始動口24への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理である。
【0135】
図13に示すように、「特図入球確認処理」は、先ず、処理S110において第1特図始動口スイッチ503により第1特図始動口23への入球を検出したか否か判定する。否定判定であれば(処理S110:No)、処理S115へ移行する。
【0136】
肯定判定であれば(処理S110:Yes)、処理S111において第1特図用保留記憶領域に記憶されている第1特図の保留記憶の数が満杯か否か(上限数に達しているか否か)判定する。肯定判定であれば(処理S111:Yes)、処理S115へ移行する。
【0137】
前記処理S111で否定判定であれば(処理S111:No)、処理S112において、第1特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。抽出された各種の乱数を第1特図用保留記憶領域の仮の記憶領域に記憶する。更に仮の記憶領域に記憶された各種の乱数を第1特図用保留記憶として第1特図用保留記憶領域の主体の記憶領域に記憶する。尚、第1特図の保留記憶数が「0」であっても、第1特図始動口23に遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶される。
【0138】
続いて処理S113の第1特図の先読み判定処理を実行する。本先読み判定処理は、大当りとなるか否かの当否判定が行われる前に、第1特図用保留記憶領域の仮の記憶領域に記憶された大当り決定用乱数や大当り図柄決定用乱数などが特定の数値であるか確認する。例えば、特定の数値として、大当りと判定される数値、スーパーリーチやリーチと判定される数値等であるか否か、更に大当りの場合は確変状態や普電サポート状態が付与される大当りであるか否かなどが確認される。また本処理では第1特図の先読み判定の判定結果を示す先読みコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。その後、処理S114において保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した第1特図の保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する。
【0139】
尚、先読みコマンドは、大当りやリーチ等の可能性がある場合に、サブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。無論、判定内容に拘わらず、サブ統合制御装置42に毎回先読みコマンドを送信する構成でもよい。先読みコマンドに応じて、サブ統合制御装置42では、演出図柄表示装置46の保留記憶図柄等に、大当りやリーチの可能性があることを示唆する先読み演出を行う。
【0140】
続く処理S115において、第2特図始動口スイッチ504により第2特図始動口24への入球を検出したか否か判定する。否定判定であれば(処理S115:No)、入力判定処理(
図12参照)へリターンし、本処理を終了する。
【0141】
肯定判定であれば(処理S115:Yes)、処理S116において第2特図用保留記憶領域に記憶されている第2特図の保留記憶の数が満杯か否か(上限数に達しているか否か)判定する。肯定判定であれば(処理S116:Yes)、リターンする。
【0142】
前記処理S116で否定判定であれば(処理S116:No)、処理S117において、第2特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出する。抽出された各種の乱数を第2特図用保留記憶領域の仮の記憶領域に記憶する。更に仮の記憶領域に記憶された各種の乱数を第2特図用保留記憶として第2特図用保留記憶領域の主体の記憶領域に記憶する。更に所定の記憶領域に記憶された乱数を保留記憶として記憶する。尚、第2特図の保留記憶数が「0」であっても、第2特図始動口24に遊技球が入球したとき抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に記憶される。
【0143】
続いて処理S118において第2特図の先読み判定処理を実行する。本先読み判定処理は、大当りとなるか否かの当否判定が行われる前に、第2特図用保留記憶領域の仮の記憶領域に記憶された大当り決定用乱数や大当り図柄決定用乱数などが特定の数値であるか確認する。例えば、特定の数値として、大当りと判定される数値、スーパーリーチやリーチと判定される数値等であるか否か、更に大当りの場合は確変状態や普電サポート状態が付与される大当りであるか否かなどが確認される。また本処理では第2特図の先読み判定の判定結果を示す先読みコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。その後、処理S119において保留記憶数を示す保留記憶カウンタを加算し、加算した第1特図の保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する。
【0144】
尚、先読みコマンドは、大当りやリーチ等の可能性がある場合に、サブ統合制御装置42へ送信することが望ましい。無論、判定内容に拘わらず、サブ統合制御装置42に毎回先読みコマンドを送信する構成でもよい。先読みコマンドに応じて、サブ統合制御装置42では、演出図柄表示装置46の保留記憶図柄等に、大当りやリーチの可能性があることを示唆する先読み演出を行う。
【0145】
特図入球確認処理(処理S101)では、保留記憶の数が満杯なければ、抽出された乱数を予め設定された仮の記憶領域に記憶し、その後、仮の記憶領域に記憶された乱数を主体の保留記憶領域に記憶する構成である。これに限らず、保留記憶の数が満杯でなければ、抽出された乱数を、仮の記憶領域と主体の保留記憶領域とにそれぞれ記憶するようにしてもよい。更に、第1特図始動口23又は第2特図始動口24への入球に起因して乱数が抽出されると、抽出された乱数を仮の記憶領域に記憶する。そして保留記憶の数が満杯であるか否か確認し、満杯でなければ、仮の記憶領域に記憶された乱数を主体の保留記憶領域に記憶するようにしてもよい。この場合、保留記憶の数が満杯であれば、仮の記憶領域に記憶した乱数を消去する。
【0146】
尚、特図入球確認処理(処理S101)では、先読み判定処理は、仮の記憶領域に記憶された乱数を先読み判定するが、これに限らず、主体の保留記憶領域に記憶された乱数を先読み判定するようにしてもよい。
【0147】
(8.当否判定処理)
次に、
図14に示すフローチャートを参照しながら、割込み処理の中で実行される当否判定処理(処理S25)について説明する。
図14に示すように、主制御装置40は、当否判定処理(処理S25)で実行する最初の処理として、普図の当否判定に関する処理である普図当否判定処理(処理S200)を実行する。
【0148】
次に、主制御装置40は、普図の当否判定に応じた普図の当り遊技(普図遊技)に関する処理である普図遊技処理(処理S250)を実行する。
【0149】
続いて、主制御装置40は、第1特図又は第2特図の当否判定に関する処理である特図当否判定処理(処理S300)を実行する。
【0150】
続いて、主制御装置40は、第1特図又は第2特図の当否判定に応じて、大当り遊技(特別遊技)に関する処理である大当り遊技処理(処理S400)を実行する。
【0151】
(8-1.特図当否判定処理)
次に、
図15乃至
図21に示すフローチャートを参照しながら、当否判定処理(処理S25、
図10参照)の中で実行される「特図当否判定処理」(処理S300)について説明する。特図当否判定処理(処理S300)は、
図15乃至
図16に示す「第1特図当否判定処理」、
図17乃至
図21に示す「第2特図当否判定処理」が順次に実行される。
【0152】
「特図当否判定処理」(処理S300)は、「第1特図当否判定処理」及び「第2特図当否判定処理」において第1特図の当否判定と第2特図の当否判定は個別に実行される。
【0153】
(8-2.第1特図当否判定処理)
図15に示すように「第1特図当否判定処理」は、先ず、処理S301において特別電動役物の未作動を確認して大当り遊技中又は小当り遊技中でないか否かを判定する。否定判定であれば(処理S301:No)、本処理を終了し、特図当否判定処理へリターンする。
【0154】
肯定判定であれば(処理S301:Yes)、処理S302において第1特図が変動停止中であるか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S302:Yes)、処理S303において第1特図の確定図柄が未表示中であるか否かを判定する。
【0155】
前記処理S303において肯定判定であれば(処理S303:Yes)、処理S304において第1特図の保留記憶があるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S304:No)、リターンする。肯定判定であれば(処理S304:Yes)、処理S305において第1特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う。該シフト処理により第1特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0156】
続いて、
図16に示す処理S310において現在の遊技状態が特図の確変(高確率)状態であるか否か判定する。具体的には、確変フラグが「1」であるか否かを判定する。確変フラグは、遊技状態が確変状態にあることを示すフラグであり、セットされると(フラグの値が「1」になると)、確変状態とされる。一方、解除されると(フラグの値が「0」になると)、通常(低確率)状態とされる。
【0157】
前記処理S310にて肯定判定であれば(S310:Yes)、処理S311において確変時の当否判定用テーブルと当否判定の対象となる第1特図の保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して判定を行う。前記処理S310にて否定判定であれば(S310:No)、処理S312において低確率の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる第1特図の保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して判定を行う。
【0158】
続いて、処理S313において第2特図が大当りの変動中であるか否かの判定を行う。肯定判定であれば(処理S313:Yes)、第1特図の当否判定を強制的にハズレとなし、処理S320へ移行する。否定判定であれば(処理S313:No)、処理S314において、前記処理S311又は前記処理S312の当否判定が大当りか否かの判定を行う。否定判定であれば(処理S314:No)、第1特図の当否判定をハズレとなし、処理S320へ移行する。
【0159】
前記処理S314において肯定判定であれば(処理S314:Yes)、処理S315において、前記当否判定の対象となる第1特図の保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
【0160】
次に、処理S316において、前記当否判定の対象となる第1特図の保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、変動テーブルから第1特図の大当り図柄の変動時間等といった変動パターンが決定される。この場合、パチンコ機1では、前回の大当り図柄や当否判定時の遊技状態等に応じて変動テーブルが決定される。そして、決定された変動テーブルの中から変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンが決定される。
【0161】
変動パターンの決定後、処理S317において大当り設定処理を行う。この処理では、決定された大当り図柄に基づき、例えば、10R大当り遊技を実施するといった大当り遊技の内容、大当り遊技終了後の確変状態への移行や普電サポート状態への移行、これらの継続回数、演出図柄表示装置46で実施される大当り遊技の大当り開始演出の時間の設定、大当り終了演出の時間等の設定がなされる。
【0162】
次に、処理S318において、当否判定後の第1特図の保留記憶の情報(例えば当否判定実行後の保留記憶の減少を示す情報など)をサブ統合制御装置42に送信する処理を行う。
【0163】
更に処理S319において第1特図表示装置281の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信する。その後、リターンする。尚、前記変動開始コマンド、図柄指定コマンドには第1特図の変動パターン、第1特図の当否判定の判定結果などが含まれる。尚、構成によっては変動時間の終了を指示するための図柄確定コマンドを送ってもよい。但し、変動パターンなどで予め変動時間は指定されているため必須のものではない。
【0164】
前記処理S313で肯定判定(処理S313:Yes)、又は前記処理S314否定判定であれば(処理S314:No)、第1特図はハズレ判定であるので、処理S320においてハズレ図柄の決定、処理S321において、前記当否判定の対象となる第1特図の保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、ハズレ図柄の変動パターンの決定が行われる。更に処理S322においてハズレ設定処理が行われる。その後、大当り判定時と同様に、前記処理S318及び前記処理S319が行われる。その後、リターンする。
【0165】
(8-3.第2特図当否判定処理)
次に、
図17に示すように、「第2特図当否判定処理」は、先ず、処理S331において特別電動役物の未作動を確認して大当り遊技中又は小当り遊技中でないか否かを判定する。否定判定であれば(処理S331:No)本処理を終了し、特図当否判定処理へリターンする。
【0166】
肯定判定であれば(処理S331:Yes)、処理S332において第2特図が変動停止中であるか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S332:Yes)、処理S333において第2特図の確定図柄が未表示中であるか否かを判定する。
【0167】
前記処理S333において肯定判定であれば(処理S333:Yes)、処理S334において第2特図の保留記憶があるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S334:No)、リターンする。肯定判定であれば(処理S334:Yes)、処理S335において第2特図の保留記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う。該シフト処理により第2特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0168】
続いて、
図18に示す処理S340において現在の遊技状態が特図の確変状態であるか否か判定する。肯定判定であれば(処理S340:Yes)、処理S341において確変時の当否判定用テーブルと当否判定の対象となる第2特図の大当り決定用乱数とを対比して判定を行う。否定判定であれば(処理S340:No)、処理S342において低確率の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる第2特図の大当り決定用乱数とを対比して判定を行う。
【0169】
続いて、処理S343において第1特図が大当りの変動中であるか否かの判定を行う。肯定判定であれば(処理S343:Yes)、第2特図の当否判定を強制的にハズレとなし、処理S355へ移行する。否定判定であれば(処理S343:No)、処理S344において、前記処理S341又は前記処理S342の当否判定が大当りであるか否かの判定を行う。
【0170】
前記処理S344にて肯定判定であれば(処理S344:Yes)、処理S345において、前記当否判定の対象となる第2特図の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
【0171】
続いて処理S346において、前記当否判定の対象となる第2特図の変動パターン決定用乱数に基づいて、変動テーブルから第2特図の大当り図柄の変動時間等といった変動パターンが決定される。この場合も前記処理S316と同様、前回の大当り図柄や当否判定時の遊技状態等に応じて変動テーブルが決定される。そして、決定された変動テーブルの中から変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンが決定される。
【0172】
変動パターンの決定後、処理S347において大当り設定処理を行う。この処理では、決定された大当り図柄に基づき、例えば、10R大当り遊技を実施するといった大当り遊技の内容の設定が行われる。また、大当り遊技終了後の確変状態への移行や普電サポート状態への移行、これらの継続回数、演出図柄表示装置46で実施される大当り遊技の大当り開始演出の時間の設定、大当り終了演出の時間等の設定がなされる。
【0173】
次に、処理S348において第2特図の当否判定後の保留記憶の情報(例えば当否判定実行後の保留記憶の減少を示す情報など)をサブ統合制御装置42に送信する処理を行う。
【0174】
続く処理S349において第2特図表示装置283の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信する。その後、リターンする。尚、前記変動開始コマンド、図柄指定コマンドには第2特図の変動パターン、第2特図の当否判定の判定結果などが含まれる。更に、構成によっては変動時間の終了を指示するための図柄確定コマンドを送ってもよい。但し、変動パターンなどで予め変動時間は指定されているため必須のものではない。
【0175】
前記処理S344で否定判定であれば(処理S344:No)、処理S350において前記処理S341又は前記処理S342の当否判定が小当りか否かの判定を行う。肯定判定であれば(処理S350:Yes)、処理S351において、前記当否判定の対象となる第2特図の小当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を決定する。
【0176】
続いて、処理S352において、前記当否判定の対象となる第2特図の変動パターン決定用乱数に基づいて、第2特図の小当り図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する。
【0177】
続いて処理S353において小当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された小当り図柄に基づき、小当り遊技の内容、演出図柄表示装置46で実施される小当り遊技の小当り開始演出の時間の設定、小当り終了演出の時間等の設定がなされる。その後、前記処理S348及び前記処理S349を実行し、リターンする。
【0178】
前記処理S343において肯定判定(処理S343:Yes)又は前記処理S350において否定判定(処理S350:No)であれば、第2特図はハズレ判定であるので、処理S355において第2特図のハズレ図柄を決定し、処理S356において、前記当否判定の対象となる第2特図の変動パターン決定用乱数に基づいて、ハズレ図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する。次に処理S357においてハズレ設定処理を行う。その後、前記処理S348及び前記処理S349を実行し、その後、リターンする。
【0179】
前記処理S302(
図15)又は前記処理S332(
図17)で否定判定であれば(処理S302又は処理S332:No)、
図19に示すように、処理S360において第1特図又は第2特図の図柄変動時間が経過したか否かを判定する(処理S360)。肯定判定であれば(処理S360:Yes)、処理S361において、第1特図表示装置281の変動表示を終了して第1特図を確定表示させる制御、又は第2特図表示装置283の変動表示を終了して第2特図を確定表示させる制御を行う。更にサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ特図に対応する疑似演出図柄の確定表示をさせるようにコマンドを送信する。尚、前記変動開始コマンドにて変動時間を指定していることから、図柄確定コマンドを送信しない構成でもよい。この構成ならばコマンド数を抑えながら同等に演出表示を実施することができる。
【0180】
続いて、処理S362においては、前記処理S361で確定表示された特図が小当り図柄であるか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S362:Yes)、処理S363において中断フラグを「1」にセットする。その後、「大当り遊技処理」へ移行する。
【0181】
前記処理S362にて否定判定であれば(処理S362:No)、処理S364において前記特図が大当り図柄であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S364:No)、「大当り遊技処理」へ移行する。
肯定判定であれば(処理S364:Yes)、処理S365において停止フラグを「1」にセットする。その後、当否判定処理(
図14参照)へリターンし、「大当り遊技処理」へ移行する。
【0182】
前記処理S360にて否定判定であれば(処理S360:No)、処理S366において中断フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S366:Yes)、処理S367において特図変動中断処理を行う。その後、リターンし、大当り遊技処理に移行する。
【0183】
前記特図変動中断処理は、第1特図又は第2特図のうちの一方の特図(第2特図)が小当り図柄で確定表示されたため、変動中の他方の特図(第1特図)の変動を中断する処理である。更に、この処理は、当該他方の特図の変動時間の計測を停止させる処理であり、一方の特図の確定表示に基づく小当り遊技を終了すると、当該他方の特図の変動を再開する。
【0184】
前記処理S366にて否定判定であれば(処理S366:No)、処理S368において停止フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。否定判定であれば(処理S368:No)、リターンし、「大当り遊技処理」へ移行する。肯定判定であれば(処理S368:Yes)、処理S369において特図変動停止処理を行う、その後、リターンし、「大当り遊技処理」に移行する。
【0185】
前記特図変動停止処理は、第1特図又は第2特図のうちの一方の特図が大当り図柄で確定表示されたため、変動中の他方の特図の変動をハズレ図柄で停止させる処理である。
【0186】
前記処理S303又は前記処理S333にて否定判定であれば(処理S303又は処理S333:No)、
図20に示すように、処理S370において第1特図又は第2特図の確定図柄表示時間が経過したか否かを判定する。否定判定であれば(処理S370:No)、リターンし、「大当り遊技処理」へ移行する。
【0187】
一方、肯定判定であれば(処理S370:Yes)、処理S371において第1特図表示装置281による第1特図の確定図柄表示又は第2特図表示装置283による第2特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ第1特図又は第2特図に対応する疑似演出図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
【0188】
続いて、処理S372において第1特図又は第2特図の図柄が大当りになる組み合わせであるか否かを判定する。肯定判定であれば(処理S372:Yes)、処理S373において確変状態を示す確変フラグが「1」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S373:No)、処理S375へ移行する。肯定判定であれば(処理S373:Yes)、処理S374において確変フラグを「0」にリセットする。
【0189】
処理S375では普電サポート状態を示す電サポフラグが「1」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S375:No)、処理S377へ移行する。肯定判定であれば(処理S375:Yes)、処理S376において電サポフラグを「0」にリセットする。
【0190】
電サポフラグは、遊技状態が普電サポート状態にあることを示すフラグであり、セットされると(フラグの値が「1」になると)、普電サポート状態とされる。一方、解除されると(フラグの値が「0」になると)、非普電サポート状態とされる。
【0191】
これらの処理により大当り遊技中での確変状態及び普電サポート状態に関する遊技状態を通常遊技状態にリセットする。
【0192】
次に、処理S377において条件装置の作動を開始させる。尚、条件装置は第1特図又は第2特図の当否判定が大当りとなり大当り図柄が確定表示されることにより作動して大当り遊技の開始条件を成立させるものであり、且つ大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置である。
【0193】
続く処理S378において役物連続作動装置を作動させる。更に役物連続作動装置の作動に応じて特別電動役物を作動させる。これにより、大当り遊技を開始可能な状態となり、続く処理S379において大当り遊技開始処理を行なう。
【0194】
前記大当り遊技開始処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置42に送信する。その後、リターンし、「大当り遊技処理」に移行する。
【0195】
前記処理S372にて否定判定であれば(処理S372:No)、
図21に示すように、処理S380において第2特図の図柄が小当りになる組み合わせであるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S380:No)、後述の処理S383へ移行する。肯定判定であれば(処理S380:Yes)、処理S381において特別電動役物の作動開始処理を行う。続く処理S382において小当り遊技開始処理を行う。この処理では、小当り遊技を開始するコマンド及び小当り遊技に係る情報(小当りのオープニング時間、開放パターン、小当りのエンディング時間等)をサブ統合制御装置42に送信する。
【0196】
前記処理S382から続いて移行する、又は処理S380にて否定判定(処理S380:No)で移行する処理S383において、確変フラグが「1」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S383:No)、処理S386へ移行する。肯定判定であれば(処理S383:Yes)、処理S384において確変状態の終了条件が成立したか否かを判定する処理を行う。
【0197】
本処理では、確変状態に移行後の第1特図及び第2特図の変動回数が100回に達したか否かを判定する。処理S384において否定判定であれば(処理S384:No)、処理S386へ移行する。
【0198】
前記処理S384において肯定判定であれば(処理S384:Yes)、処理S385において確変フラグを「0」にリセットする。これにより、遊技状態は非確変状態(低確率)へ移行される。
【0199】
次に、処理S386において、電サポフラグが「1」であるか否かを判定する。否定判定であれば(処理S386:No)、処理S389へ移行する。肯定判定であれば(処理S386:Yes)、処理S387において普電サポート状態の終了条件が成立したか否かを判定する処理を行う。
【0200】
本処理では、普電サポート状態に移行後の第1特図及び第2特図の変動回数が100回に達したか否かを判定する。処理S387において否定判定であれば(処理S387:No)、処理S389へ移行する。
【0201】
前記処理S387において肯定判定であれば(処理S387:Yes)、処理S388において電サポフラグを「0」にリセットする。これにより、遊技状態は非普電サポート状態へ移行される。
【0202】
続いて処理S389において、現在の遊技状態が確変状態であるか否か、普電サポート状態であるか否かなどの状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置42に送信する。その後、リターンし、「大当り遊技処理」へ移行する。
【0203】
(9.可動役物演出)
次に、第1特図又は第2特図の当否判定に伴う疑似演出(変動演出)、及び大当りのリーチ演出において実施される予告演出(可動役物演出)について説明する。尚、パチンコ機1は、可動役物演出において、可動役物が作動位置に作動したときに、演出図柄表示装置46の表示領域の作動位置に対応する位置に可動役物と同様の可動物疑似映像を表示するようになす。そして、可動役物が作動位置から初期位置に移動した後も、所定の期間、可動物疑似映像の表示を継続させるようになす。
【0204】
(9-1.演出パターン設定処理)
図22は、サブ統合制御装置42で実行される「演出パターン設定処理」を示す。「演出パターン設定処理」は、主制御装置40から送信される変動開始コマンドに応じて、可動役物演出を実施するか否かを含む演出パターンを設定し、設定した演出パターンに基づいて演出を開始する処理である。「演出パターン設定処理」はサブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンから分岐するサブルーチンである。
【0205】
図22に示すように、「演出パターン設定処理」は、先ず、処理S501において主制御装置40からの変動開始コマンドを受信した否かを判定する。変動開始コマンドとは、第1特図当否判定処理の処理S319(
図16参照)又は第2特図当否判定処理の処理S349(
図18参照)にて主制御装置40が送信するコマンドである。変動開始コマンドには、大当りであるか否か、また大当りの場合は確変か否か、特図の変動時間などの情報が含まれている。
【0206】
前記処理S501にて否定判定であれば(処理S501:No)、本「演出パターン設定処理」を終了してサブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンへリターンする。
【0207】
前記処理S501にて肯定判定であれば(処理S501:Yes)、処理S502において演出パターン決定処理を実行する。処理S502は、変動開始コマンドに含まれる特別図柄の変動時間と同じ時間の演出を選択する。
【0208】
次に処理S503において役物初期位置確認処理を実行する。処理S503は、タイトル役物60、剣役物61及び盾役物62がそれぞれ初期位置であることを確認する。例えば、タイトル役物60は、タイトル役物センサ604により初期位置であることを確認する。剣役物61は、剣役物センサ612により初期位置であることを確認する。盾役物62は、盾役物センサ622により初期位置であることを確認する。
【0209】
続いて処理S504において役物初期位置移動処理を実行する。処理S504は、タイトル役物60、剣役物61及び盾役物62をそれぞれ初期位置へ移動する処理である。例えば、タイトル役物60は、タイトル役物モータ601を駆動し、タイトル役物センサ604により初期位置であることが検出されるまで、タイトル役物60を移動させる。剣役物61は、剣役物モータ611を駆動し、剣役物センサ612により初期位置であることが検出されるまで、剣役物61を移動させる。盾役物62は、盾役物モータ621を駆動し、盾役物センサ622により初期位置であることが検出されるまで、盾役物62を移動させる。
【0210】
続いて処理S505において、タイトル役物60、剣役物61及び盾役物62がそれぞれ、正常に作動するか否かを判定する。即ち、役物初期位置確認処理(処理S503)及び役物初期位置移動処理(処理S504)において初期値であれば正常であると判断する。
【0211】
前記処理S505にて肯定判定であれば(処理S505:Yes)、処理S506において、可動役物演出パターン決定処理を実行する。可動役物演出パターン決定処理では、処理S502にて決定された演出パターンが可動役物演出パターンを含むか否か判定し、可動役物演出パターンを含む場合に、
図23に示す「役物演出パターン1」乃至「役物演出パターン7」から何れかの演出パターンを決定する。
【0212】
ここで、
図23を参照して役物演出パターンについて説明する。
図23に示すように、役物演出パターンとして「役物演出パターン1」乃至「役物演出パターン7」の7種類のパターンが設けられている。各役物演出パターンは、作動する可動役物が異なり、大当りの期待度が異なる構成である。
【0213】
「役物演出パターン1」は、剣役物61が作動するパターンで、大当り期待度が「小」に設定されている。
「役物演出パターン2」は、盾役物62が作動するパターンで、大当り期待度が「小」に設定されている。
「役物演出パターン3」は、タイトル役物60が作動するパターンで、大当り期待度が「中」に設定されている。
【0214】
「役物演出パターン4」は、剣役物61が作動した後に盾役物62が作動するパターンで、大当り期待度が「大」に設定されている。
「役物演出パターン5」は、剣役物61が作動した後にタイトル役物60が作動するパターンで、大当り期待度が「大」に設定されている。
「役物演出パターン6」は、盾役物62が作動した後にタイトル役物60が作動するパターンで、大当り期待度が「大」に設定されている。
【0215】
「役物演出パターン7」は、全ての可動役物が作動するパターンである。例えば、剣役物61が作動した後にタイトル役物60が作動し、タイトル役物60が作動した後に盾役物62が作動するパターンが考えられる。また「役物演出パターン7」は、大当り期待度が最も大きい設定である。
【0216】
図22に戻って、「演出パターン設定処理」の説明を続ける。前記処理S506の次に、処理S507において演出開始処理を実行する。演出開始処理において演出図柄制御装置43を介して演出図柄表示装置46において特図の変動に対応する疑似演出図柄の変動表示が開始される。更に可動役物演出パターンに応じて適宜に可動役物の作動が実施される。その後、本「演出パターン設定処理」を終了して、リターンする。
【0217】
前記処理S505において否定判定であれば(処理S505:No)、タイトル役物60、剣役物61又は盾役物62に何らかの異常があると判断して、可動役物演出パターンを決定することなく処理S507において演出開始処理を実行する。その後、本「演出パターン設定処理」を終了して、リターンする。
【0218】
この場合、タイトル役物60、剣役物61又は盾役物62の何れかに異常がある状態で演出を開始することになるが、可動役物を作動させることなく、可動役物以外の演出を実施するものとする。
【0219】
(9-2.タイトル役物疑似映像処理)
図24は、サブ統合制御装置42で実行される「タイトル役物疑似映像処理」を示す。「タイトル役物疑似映像処理」は、タイトル役物60の作動位置への作動に応じて、演出図柄表示装置46にてその表示領域の作動位置に対応する位置にタイトル役物疑似映像800(
図30参照)を表示する処理である。「タイトル役物疑似映像処理」はサブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンから分岐するサブルーチンである。
【0220】
図24に示すように、「タイトル役物疑似映像処理」は、先ず、処理S601においてタイトル映像フラグが「0」であるか否かを判定する。タイトル映像フラグは本「タイトル役物疑似映像処理」でタイトル役物疑似映像800の表示を実施したときに「1」とするフラグである。
【0221】
タイトル役物疑似映像がすでに表示されており、処理S601において否定判定であれば(処理S601:No)、処理S605へ移行する。
【0222】
タイトル役物疑似映像が表示されておらず、処理S601において肯定判定であれば(処理S601:Yes)、処理S602において、タイトル作動フラグが「1」であるか否かを判定する。タイトル作動フラグはタイトル役物60が作動位置へ作動しているときに「1」とするフラグである。
【0223】
タイトル役物60が作動位置へ作動しておらず、処理S602において否定判定であれば(処理S602:No)、本「タイトル役物疑似映像処理」を終了してサブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンへリターンする。
【0224】
タイトル役物60が作動位置へ作動しており、処理S602において肯定判定であれば(処理S602:Yes)、処理S603においてタイトル役物疑似映像開始処理を行う。このタイトル役物疑似映像開始処理を実行することにより、演出図柄表示装置46の表示領域においてタイトル役物60の作動位置に対応する位置にタイトル役物疑似映像800の表示が開始される。続く処理S604においてタイトル映像フラグに「1」をセットする。
【0225】
処理が進行し、処理S605において、タイトル作動フラグを参照して作動位置に作動したタイトル役物60が初期位置に戻ったか否かを判定する。否定判定であれば(処理S605:No)、本「タイトル役物疑似映像処理」を終了して、リターンする。
【0226】
タイトル役物60が作動位置から初期位置に戻った状態であり処理S605にて肯定判定であれば(処理S605:Yes)、処理S606において、タイトル役物疑似映像800の表示を終了する条件が成立したか否かを判定する。例えば、タイトル役物疑似映像800はタイトル役物60が作動位置から初期位置に戻った後に所定期間(所定時間、例えば3秒)表示を継続するようになす。そこで処理S606は終了条件としてタイトル役物60が作動位置から初期位置に戻った後に所定期間が経過したか否かを判定する。否定判定であれば(処理S606:No)、本「タイトル役物疑似映像処理」を終了して、リターンする。
【0227】
処理S606において肯定判定であれば(処理S606:Yes)、処理S607においてタイトル役物疑似映像終了処理を実行し、タイトル役物疑似映像800の表示を終了する。続いて処理S608においてタイトル映像フラグを「0」にリセットする。その後、本「タイトル役物疑似映像処理」を終了して、リターンする。
【0228】
(9-3.剣役物疑似映像処理)
図25は、サブ統合制御装置42で実行される「剣役物疑似映像処理」を示す。「剣役物疑似映像処理」は、剣役物61の作動位置への作動に応じて、演出図柄表示装置46にてその表示領域の作動位置に対応する位置に剣役物疑似映像810(
図28参照)を表示する処理である。「剣役物疑似映像処理」はサブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンから分岐するサブルーチンである。
【0229】
図25に示すように、「剣役物疑似映像処理」は、先ず、処理S631において剣役物映像フラグが「0」であるか否かを判定する。剣役物映像フラグは本「剣役物疑似映像処理」で剣役物疑似映像810の表示を実施したときに「1」とするフラグである。
【0230】
剣役物疑似映像がすでに表示されており、処理S631において否定判定であれば(処理S631:No)、処理S635へ移行する。
【0231】
剣役物疑似映像が表示されておらず、処理S631において肯定判定であれば(処理S631:Yes)、処理S632において、剣役物作動フラグが「1」であるか否かを判定する。剣役物作動フラグは剣役物61が作動位置へ作動しているときに「1」とするフラグである。
【0232】
剣役物61が作動位置へ作動しておらず、処理S632において否定判定であれば(処理S632:No)、本「剣役物疑似映像処理」を終了してサブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンへリターンする。
【0233】
剣役物61が作動位置へ作動しており、処理S632において肯定判定であれば(処理S632:Yes)、処理S633において剣役物疑似映像開始処理を行う。この剣役物疑似映像開始処理を実行することにより、演出図柄表示装置46の表示領域において剣役物61の作動位置に対応する位置に剣役物疑似映像810の表示が開始される。続く処理S634において剣役物映像フラグに「1」をセットする。
【0234】
処理が進行し、処理S635において、剣役物作動フラグを参照して作動位置に作動した剣役物61が初期位置に戻ったか否かを判定する。否定判定であれば(処理S635:No)、本「剣役物疑似映像処理」を終了して、リターンする。
【0235】
剣役物61が作動位置から初期位置に戻った状態であり処理S635にて肯定判定であれば(処理S635:Yes)、処理S636において、剣役物疑似映像810の表示を終了する条件が成立したか否かを判定する。例えば、剣役物疑似映像810は剣役物61が作動位置から初期位置に戻った後に所定期間(所定時間、例えば3秒)表示を継続するようになす。そこで処理S636は終了条件として剣役物61が作動位置から初期位置に戻った後に所定期間が経過したか否かを判定する。否定判定であれば(処理S636:No)、本「剣役物疑似映像処理」を終了して、リターンする。
【0236】
処理S636において肯定判定であれば(処理S636:Yes)、処理S637において剣役物疑似映像終了処理を実行し、剣役物疑似映像810の表示を終了する。続いて処理S638において剣役物映像フラグを「0」にリセットする。その後、本「剣役物疑似映像処理」を終了して、リターンする。
【0237】
(9-4.盾役物疑似映像処理)
図26は、サブ統合制御装置42で実行される「盾役物疑似映像処理」を示す。「盾役物疑似映像処理」は、盾役物62の作動位置への作動に応じて、演出図柄表示装置46にてその表示領域の作動位置に対応する位置に盾役物疑似映像820(
図29参照)を表示する処理である。「盾役物疑似映像処理」はサブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンから分岐するサブルーチンである。
【0238】
図26に示すように、「盾役物疑似映像処理」は、先ず、処理S661において盾役物映像フラグが「0」であるか否かを判定する。盾役物映像フラグは本「盾役物疑似映像処理」で盾役物疑似映像820の表示を実施したときに「1」とするフラグである。
【0239】
盾役物疑似映像がすでに表示されており、処理S661において否定判定であれば(処理S661:No)、処理S665へ移行する。
【0240】
盾役物疑似映像が表示されておらず、処理S661において肯定判定であれば(処理S661:Yes)、処理S662において、盾役物作動フラグが「1」であるか否かを判定する。盾役物作動フラグは盾役物62が作動位置へ作動しているときに「1」とするフラグである。
【0241】
盾役物62が作動位置へ作動しておらず、処理S662において否定判定であれば(処理S662:No)、本「盾役物疑似映像処理」を終了してサブ統合制御装置42で実行されるメインルーチンへリターンする。
【0242】
盾役物62が作動位置へ作動しており、処理S662において肯定判定であれば(処理S662:Yes)、処理S663において盾役物疑似映像開始処理を行う。この盾役物疑似映像開始処理を実行することにより、演出図柄表示装置46の表示領域において盾役物62の作動位置に対応する位置に盾役物疑似映像820の表示が開始される。続く処理S664において盾役物映像フラグに「1」をセットする。
【0243】
処理が進行し、処理S665において、盾役物作動フラグを参照して作動位置に作動した盾役物62が初期位置に戻ったか否かを判定する。否定判定であれば(処理S665:No)、本「盾役物疑似映像処理」を終了して、リターンする。
【0244】
盾役物62が作動位置から初期位置に戻った状態であり処理S665にて肯定判定であれば(処理S665:Yes)、処理S666において、盾役物疑似映像820の表示を終了する条件が成立したか否かを判定する。例えば、盾役物疑似映像820は盾役物62が作動位置から初期位置に戻った後に所定期間(所定時間、例えば3秒)表示を継続するようになす。そこで処理S666は終了条件として盾役物62が作動位置から初期位置に戻った後に所定期間が経過したか否かを判定する。否定判定であれば(処理S666:No)、本「盾役物疑似映像処理」を終了して、リターンする。
【0245】
処理S666において肯定判定であれば(処理S666:Yes)、処理S667において盾役物疑似映像終了処理を実行し、盾役物疑似映像820の表示を終了する。続いて処理S668において盾役物映像フラグを「0」にリセットする。その後、本「盾役物疑似映像処理」を終了して、リターンする。
【0246】
(9-5.変動演出表示態様)
パチンコ機1は、第1特図表示装置281又は第2特図表示装置283にて当否判定に伴い第1特図又は第2特図の図柄変動が開始されると、演出図柄表示装置46において、第1特図又は第2特図に対応する疑似演出図柄の変動を開始する。
図27(a)に示すように、演出図柄表示装置46の表示画面には、下半部に大きく、第1特図又は第2特図の変動に対応する3個の数字図柄等からなる疑似演出図柄700を変動表示する。また表示画面の上部右側には、パチンコ機1のメインキャラクタである「熊の達吉」のキャラクタ画像710を表示する。そして、表示画面の下部左側部には、第1特図の保留記憶の存在を示す第1保留記憶表示画像731を表示する。同様に、下部右側部には、第2特図の保留記憶の存在を示す第2保留記憶表示画像732の表示を行う。
【0247】
パチンコ機1は、疑似演出図柄700の変動時に大当りの期待度が高いとリーチ演出に発展する。この場合、
図27(b)に示すように、演出図柄表示装置46の表示画面には、上部左側にリーチ示唆表示部722の表示を行い、表示画面の下半部に大きく、リーチ疑似演出図柄701を表示する。リーチ疑似演出図柄701は、両側の2つの図柄が同一図柄で停止し、中央の図柄のみ変動中とする。
【0248】
パチンコ機1は、第1特図又は第2特図の当否判定の結果が大当り(図柄大当り)であれば、
図27(c)に示すように、演出図柄表示装置46の表示画面の上部左側に大当り示唆表示部723を表示する。そして、表示画面の下半部に大きく、第1特図又は第2特図の大当り図柄に対応する3つの同一図柄からなる大当り疑似演出図柄702を確定表示する。また、キャラクタ画像710として、満面の笑みの「熊の達吉」を表示する。
【0249】
パチンコ機1は、当否判定の結果が小当りであれば、
図27(d)に示すように、演出図柄表示装置46の表示画面の下半部に大きく、第2特図の小当り図柄に対応する3つの同一小当り図柄からなる小当り疑似演出図柄703を確定表示する。
【0250】
次に、
図28乃至
図34を参照して「役物演出パターン1」乃至「役物演出パターン7」における可動役物の作動態様及び可動役物疑似映像の表示態様について説明する。
【0251】
(9-5.役物演出パターン1)
「役物演出パターン1」は、
図28に示すように、剣役物61が作動して大当りへの期待度を示す演出である。「役物演出パターン1」は、演出図柄表示装置46における疑似演出図柄のリーチ演出にて実施される。「役物演出パターン1」は、リーチ演出中に所定のタイミングで、
図28(a)に示すように、剣役物61が時計回りに回転して(矢印F1方向)、センターケース200の左側縁部に沿う初期位置から、演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように表示領域の前側に突出する作動位置に現れる。剣役物61は、作動位置で約2秒間静止する。その後、剣役物61は反時計回りに回転して、センターケース200内の初期位置に戻る。
【0252】
一方で「役物演出パターン1」は、剣役物61が作動位置へ作動した状態で、演出図柄表示装置46においてその表示領域の作動位置と対応する位置に、剣役物61と同形の剣役物疑似映像810の表示を開始する。そして
図28(b)に示すように、剣役物61が反時計回りに回転して初期位置(矢印R1方向)に戻った後、剣役物疑似映像810の表示が3秒継続され、その後、表示が終了となる。このように、「役物演出パターン1」は、遊技者が剣役物61の作動を見逃したとしても、剣役物疑似映像810の表示により剣役物61が作動したことを認識することができる。
【0253】
(9-6.役物演出パターン2)
「役物演出パターン2」は、
図29に示すように、盾役物62が作動して大当りへの期待度を示す演出である。「役物演出パターン2」は、演出図柄表示装置46における疑似演出図柄のリーチ演出にて実施される。「役物演出パターン2」は、リーチ演出中に所定のタイミングで、
図29(a)に示すように、盾役物62が反時計回りに回転して(矢印F2方向)、センターケース200の右側縁部に沿う初期位置から、演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように表示領域の前側に突出する作動位置に現れる。盾役物62は、作動位置で約2秒間静止する。その後、盾役物62は時計回りに回転して、センターケース200内の初期位置に戻る。
【0254】
一方で「役物演出パターン2」は、盾役物62が作動位置へ作動した状態で、演出図柄表示装置46においてその表示領域の作動位置と対応する位置に、盾役物62と同形の盾役物疑似映像820の表示を開始する。そして
図29(b)に示すように、盾役物62が時計回りに回転して初期位置(矢印R2方向)に戻った後、盾役物疑似映像820の表示が3秒継続され、その後、表示が終了となる。このように、「役物演出パターン2」は、遊技者が盾役物62の作動を見逃したとしても、盾役物疑似映像820の表示により盾役物62が作動したことを認識することができる。
【0255】
(9-7.役物演出パターン3)
「役物演出パターン3」は、
図30に示すように、タイトル役物60が作動して大当りへの期待度を示す演出である。「役物演出パターン3」は、演出図柄表示装置46における疑似演出図柄のリーチ演出にて実施される。「役物演出パターン3」は、リーチ演出中に所定のタイミングで、
図30(a)に示すように、タイトル役物60が下降して(矢印F3方向)、センターケース200の上縁部に沿う初期位置から、演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように表示領域の前側に突出する作動位置に現れる。タイトル役物60は、作動位置で約2秒間静止する。その後、タイトル役物60は上昇して、センターケース200の初期位置に戻る。
【0256】
一方で「役物演出パターン3」は、タイトル役物60が作動位置へ作動した状態で、演出図柄表示装置46においてその表示領域の作動位置と対応する位置に、タイトル役物60と同形のタイトル役物疑似映像800の表示を開始する。そして
図30(b)に示すように、タイトル役物60が上昇して初期位置(矢印R3方向)に戻った後、タイトル役物疑似映像800の表示が3秒継続され、その後、表示が終了となる。このように、「役物演出パターン3」は、遊技者がタイトル役物60の作動を見逃したとしても、タイトル役物疑似映像800の表示によりタイトル役物60が作動したことを認識することができる。
【0257】
(9-8.役物演出パターン4)
「役物演出パターン4」は、
図31に示すように、剣役物61及び盾役物62が作動して大当りへの期待度を示す演出である。「役物演出パターン4」は、演出図柄表示装置46における疑似演出図柄のリーチ演出にて実施される。「役物演出パターン4」は、リーチ演出中に所定のタイミングで、
図31(a)に示すように、剣役物61が時計回りに回転して(矢印F1方向)、センターケース200の左側縁部に沿う初期位置から、演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように作動位置に現れる。続いて盾役物62が反時計回りに回転して(矢印F方向)、センターケース200の右側縁部に沿う初期位置から、演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように表示領域の前側に突出する作動位置に現れる。尚、剣役物61と盾役物62とは共に作動位置に静止している作動期間が重なるようになす。
【0258】
その後、剣役物61は、作動位置で約2秒間静止する。その後、剣役物61は反時計回りに回転して、センターケース200内の初期位置に戻る。盾役物62も、作動位置で約2秒間静止する。その後、盾役物62は時計回りに回転して、センターケース200内の初期位置に戻る。
【0259】
一方で「役物演出パターン4」は、剣役物61が作動位置へ作動した状態で、演出図柄表示装置46においてその表示領域の作動位置と対応する位置に、剣役物61と同形の剣役物疑似映像810の表示を開始する。そして
図31(b)に示すように、剣役物61が反時計回りに回転して初期位置(矢印R1方向)に戻った後、剣役物疑似映像810の表示が3秒継続され、その後、表示が終了となる。
【0260】
更に「役物演出パターン4」は、盾役物62が作動位置へ作動した状態で、演出図柄表示装置46においてその表示領域の作動位置と対応する位置に、盾役物62と同形の盾役物疑似映像820の表示を開始する。そして
図31(b)に示すように、盾役物62が時計回りに回転して初期位置(矢印R2方向)に戻った後、盾役物疑似映像820の表示が3秒継続され、その後、表示が終了となる。尚、剣役物疑似映像810と盾役物疑似映像820とは、共に表示期間が重なるようになす。
【0261】
このように、「役物演出パターン4」は、遊技者が剣役物61の作動を見逃したとしても、剣役物疑似映像810の表示により剣役物61が作動したことを認識することができる。更に、遊技者が盾役物62の作動を見逃したとしても、盾役物疑似映像820の表示により盾役物62が作動したことを認識することができる。
【0262】
(9-9.役物演出パターン5)
「役物演出パターン5」は、
図32に示すように、剣役物61及びタイトル役物60が作動して大当りへの期待度を示す演出である。「役物演出パターン5」は、演出図柄表示装置46における疑似演出図柄のリーチ演出にて実施される。「役物演出パターン5」は、リーチ演出中に所定のタイミングで、
図32(a)に示すように、剣役物61が時計回りに回転して(矢印F1方向)、センターケース200の左側縁部に沿う初期位置から、演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように作動位置に現れる。続いてタイトル役物60が下降して(矢印F3方向)、センターケース200の上縁部に沿う初期位置から、演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように表示領域の前側に突出する作動位置に現れる。尚、剣役物61とタイトル役物60とは共に作動位置に静止している作動期間が重なるようになす。
【0263】
その後、剣役物61は、作動位置で約2秒間静止する。その後、剣役物61は反時計回りに回転して、センターケース200内の初期位置に戻る。タイトル役物60も、作動位置で約2秒間静止する。その後、タイトル役物60は上昇して、センターケース200内の初期位置に戻る。
【0264】
一方で「役物演出パターン5」は、剣役物61が作動位置へ作動した状態で、演出図柄表示装置46においてその表示領域の作動位置と対応する位置に、剣役物61と同形の剣役物疑似映像810の表示を開始する。そして
図32(b)に示すように、剣役物61が反時計回りに回転して初期位置(矢印R1方向)に戻った後、剣役物疑似映像810の表示が3秒継続され、その後、表示が終了となる。
【0265】
更に「役物演出パターン5」は、タイトル役物60が作動位置へ作動した状態で、演出図柄表示装置46においてその表示領域の作動位置と対応する位置に、タイトル役物60と同形のタイトル役物疑似映像800の表示を開始する。そして
図32(b)に示すように、タイトル役物60が上昇して初期位置(矢印R3方向)に戻った後、タイトル役物疑似映像800の表示が3秒継続され、その後、表示が終了となる。尚、剣役物疑似映像810とタイトル役物疑似映像800とは、共に表示期間が重なるようになす。
【0266】
このように、「役物演出パターン5」は、遊技者が剣役物61の作動を見逃したとしても、剣役物疑似映像810の表示により剣役物61が作動したことを認識することができる。更に、遊技者がタイトル役物60の作動を見逃したとしても、タイトル役物疑似映像800の表示によりタイトル役物60が作動したことを認識することができる。
【0267】
(9-9.役物演出パターン6)
「役物演出パターン6」は、
図33に示すように、盾役物62及びタイトル役物60が作動して大当りへの期待度を示す演出である。「役物演出パターン6」は、演出図柄表示装置46における疑似演出図柄のリーチ演出にて実施される。この場合、盾役物62及びタイトル役物60は作動位置への作動領域の(軌道)が重なるため、盾役物62及びタイトル役物60を順次個別に作動させるようになす。例えば、先ず盾役物62を作動せしめ且つ初期位置へ戻した後にタイトル役物60を作動させるようになす。
【0268】
「役物演出パターン6」は、リーチ演出中に所定のタイミングで、
図33(a)に示すように、盾役物62が反時計回りに回転して(矢印F2方向)、センターケース200の右側縁部に沿う初期位置から、演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように作動位置に現れる。盾役物62は、作動位置で約2秒間静止する。その後、盾役物62は時計回りに回転して、センターケース200内の初期位置に戻る。
【0269】
「役物演出パターン6」は、盾役物62の作動に応じて、演出図柄表示装置46においてその表示領域の作動位置と対応する位置に、盾役物62と同形の盾役物疑似映像820の表示を開始する。そして
図33(b)に示すように、盾役物62が時計回りに回転して初期位置(矢印R2方向)に戻った後、盾役物疑似映像820の表示が継続される。
【0270】
「役物演出パターン6」は、盾役物62が初期位置に戻った後、続いてタイトル役物60が下降して(矢印F3方向)、センターケース200の上縁部に沿う初期位置から、演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように表示領域の前側に突出する作動位置に現れる。
【0271】
このように「役物演出パターン6」は盾剣役物疑似映像802表示期間とタイトル役物60の作動位置に静止している作動期間とが重なるようになす。これにより、盾役物疑似映像820と作動位置のタイトル役物60とで、あたかも両可動物が作動しているように見せることができ、遊技者に盾役物62及びタイトル役物60の作動を認識させることができる。
【0272】
尚、タイトル役物60は、作動位置で所定の間静止した後、上昇して、センターケース200の初期位置に戻る。この場合、演出図柄表示装置46においてタイトル役物疑似映像800を表示する構成でもよいし、タイトル役物疑似映像800を表示しない構成でもよい。
【0273】
(9-10.役物演出パターン7)
「役物演出パターン7」は、
図34に示すように、剣役物61、タイトル役物60及び盾役物62が作動して大当りへの期待度を示す演出である。「役物演出パターン7」は、演出図柄表示装置46における疑似演出図柄のリーチ演出にて実施される。この場合、タイトル役物60と盾役物62とは作動位置への作動領域の(軌道)が重なるため、剣役物61、タイトル役物60及び盾役物62を順次個別に作動させるようになす。例えば、先ず剣役物61を作動せしめ、次にタイトル役物60を作動せしめ且つ初期位置へ戻した後に盾役物62を作動させるようになす。
【0274】
「役物演出パターン7」は、リーチ演出中に所定のタイミングで、
図34(a)に示すように、剣役物61が時計回りに回転して(矢印F1方向)、センターケース200の左側縁部に沿う初期位置から、演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように作動位置に現れる。
【0275】
続いて、タイトル役物60が下降して(矢印F3方向)、センターケース200の上縁部に沿う初期位置から、演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように表示領域の前側に突出する作動位置に現れる。タイトル役物60は、作動位置で約2秒間静止する。その後、タイトル役物60は上昇して(矢印R3方向)、センターケース200の初期位置に戻る。
【0276】
「役物演出パターン7」は、タイトル役物60の作動に応じて、演出図柄表示装置46においてその表示領域の作動位置と対応する位置に、タイトル役物60と同形のタイトル役物疑似映像800の表示を開始する。そして
図34(b)に示すように、タイトル役物60が上昇して初期位置(矢印R3方向)に戻った後、タイトル役物疑似映像800の表示が継続される。
【0277】
「役物演出パターン7」は、タイトル役物60が初期位置に戻った後、続いて盾役物62が反時計回りに回転して(矢印F2方向)、センターケース200の右側縁部に沿う初期位置から、演出図柄表示装置46の表示領域を遮るように表示領域の前側に突出する作動位置に現れる。
【0278】
このように「役物演出パターン7」は剣役物61の作動位置に静止している作動期間、タイトル役物疑似映像800の表示期間、及び盾役物62の作動位置に静止している作動期間が重なるようになす。これにより、タイトル役物疑似映像800と作動位置の剣役物61及び盾役物62とで、あたかも全ての可動物が作動しているように見せることができ、遊技者にタイトル役物60、剣役物61及び盾役物62の作動を認識させることができる。
【0279】
尚、盾役物62作動位置へ移動した後、剣役物61及び盾役物62はそれぞれ、作動位置で約2秒間静止した後、センターケース200の初期位置に戻る。この場合、演出図柄表示装置46において剣役物疑似映像810、盾役物疑似映像820を表示する構成でもよいし、剣役物疑似映像810、盾役物疑似映像820を表示しない構成でもよい。
【0280】
(10.本実施例の作用効果)
本実施例のパチンコ機1は、次の構成を有する。即ち、遊技の所定条件の成立により作動する演出用可動物(タイトル役物60,剣役物61,盾役物62)を備える。始動条件の成立に基づいて当りか否かの当否判定を実施する当否判定手段(処理S311、処理S312、処理S341、処理S342)を備える。当否判定の結果に応じて識別情報に対応する演出変動表示を行う演出表示手段(演出図柄表示装置46)を備える。そして、演出用可動物は、演出表示手段の表示領域の外側に位置する初期位置と、表示領域を遮るように作動する作動位置とに移動可能である。またパチンコ機1は、表示領域内の作動位置に対応する位置に演出用可動物と同様の可動物疑似映像(タイトル役物疑似映像800、剣役物疑似映像810、盾役物疑似映像820)を表示する表示制御手段(処理S603、処理S633、処理S663)を備える。表示制御手段は、演出用可動物が作動位置に作動したときに、可動物疑似映像を表示するようになし、演出用可動物が作動位置から初期位置に移動した後も、所定の期間、可動物疑似映像の表示を継続させることを要旨とする。
【0281】
また本実施例のパチンコ機1は、演出用可動物を複数備える。そして、全ての演出用可動物に対応する可動物疑似映像を表示する構成である。これに限らず、何れか一つ又は複数の演出用可動物に対応する可動物疑似映像を表示する構成でもよい。
【0282】
更にまた本実施例のパチンコ機1は、演出用可動物を複数設けた場合、複数の演出用可動物それぞれの初期位置と作動位置との間の作動領域が互いに交わる構成である。この場合、複数の演出用可動物はそれぞれ順次に作動するようになし、先の演出用可動物が作動して作動位置から初期位置へ移動した後に次の演出用可動物が初期位置から作動位置へ移動する構成である。
【0283】
この場合、先の演出用可動物が作動位置に作動したときに可動物疑似映像を表示するようになし、その後に演出用可動物が作動位置から初期位置に移動した後も、少なくとも次の演出用可動物が作動位置に作動している期間、先の演出用可動物の可動物疑似映像の表示を継続させる構成である。
【0284】
本実施例のパチンコ機1によれば、遊技者が演出用可動物の作動を見逃したとしても、可動物疑似映像により演出用可動物が作動したことを遊技者に認識させることができる。そして可動物の作動と可動物の映像とを組み合わせた演出を遊技者に十分に楽しませることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、演出用可動物を長い時間作動位置に作動させる必要がないので、他の演出を邪魔にならずに済む。例えば、他の演出として、可動物疑似映像と重複するような表示、即ち疑似演出図柄やキャラクタ図柄を表示しても、可動物疑似映像によれば実質の可動役物と異なり、疑似演出図柄やキャラクタ図柄が完全に隠れることがない。
【0285】
尚、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、可動役物は複数種類の役物を設ける構成に限るものではない。また、可動役物は、その初期位置が表示領域の外側に限らず、表示領域の端に位置することも考えられる。
【0286】
「可動役物演出」は、リーチ演出に限らず、疑似演出表示の変動に先立つように実施し、「可動役物演出」の後に変動を開始する構成も考えられる。更に、「可動役物演出」は、可動役物が作動位置から初期位置に移動した後に可動物疑似映像の表示を継続させる演出と、可動役物が作動しても可動物疑似映像を表示しない演出とを実施可能となし、遊技の状況に応じて使い分けるようにしてもよい。この場合、例えば、可動物疑似映像を表示する演出は、可動物疑似映像を表示しない演出よりも大当りへの期待度が高いときに実施することが考えられる。逆に、可動物疑似映像を表示しない演出が、可動物疑似映像を表示する演出よりも大当りへの期待度が高いときに実施することも考えられる。これにより「可動役物演出」の演出幅が広がり面白味が増す。
【0287】
更にまた、「可動役物演出」は大当りへの期待度に限らず、確変状態へ移行するか否かといった大当り期待度以外の遊技者に有用な情報を報知することも考えられる。また複数の演出用可動物を作動させる場合、作動領域が重ならない演出用可動物においては同時に作動するようにしてもよい。また演出用可動物に対応する可動物疑似映像は、演出用可動物のシルエットや輪郭のみのような演出用可動物と認識できる表示態様としてもよい。更に「可動役物演出」は、可動役物の作動なしに可動物疑似映像の表示を行うことも考えられる。
【0288】
更に、本発明は、発射された遊技球を遊技機内部で回収し、再び発射装置により発射すると共に、ICカードなどの記憶媒体を用いて遊技者の持ち球数をデータとして管理する封入式遊技機に適用してもよい。更にまた本発明は、回胴式遊技機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0289】
1:パチンコ機、2:遊技盤、23:第1特図始動口、24:第2特図始動口、25:大入賞口、281:第1特図表示装置(変動表示手段)、283:第2特図表示装置(変動表示手段)、40:主制御装置(当否判定手段、大当り遊技実施手段)、42:サブ統合制御装置(表示制御手段)、46:演出図柄表示装置(演出表示手段)、60:タイトル役物(演出用可動物)、61:剣役物(演出用可動物)、62:盾役物(演出用可動物)