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特許7504444椅子に対するオプション部材取着具の取付け構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】椅子に対するオプション部材取着具の取付け構造
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/64 20060101AFI20240617BHJP
   A47C 7/40 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
A47C7/64 A
A47C7/40
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020153641
(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公開番号】P2022047716
(43)【公開日】2022-03-25
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】512168700
【氏名又は名称】アイコトレーディング 株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083655
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 哲寛
(72)【発明者】
【氏名】成田 和紀
(72)【発明者】
【氏名】栗眞 椎太
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-079875(JP,A)
【文献】特開2008-237400(JP,A)
【文献】特開2015-077339(JP,A)
【文献】実開平07-011947(JP,U)
【文献】米国特許第06808093(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/00 - A47C 7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部が開口されたわん曲方形枠状の背凭れを備えた椅子の当該背凭れの上辺棹部に、当該背凭れの背面側にオプション部材を取着可能なオプション部材取着具を取付ける構造であって、
前記上辺棹部は、底面と、当該底面に接続する内側面及び外側面とを備え、前記背凭れの上辺棹部の内側面の下端部には、突出部が設けられ、
前記オプション部材取着具の取着具本体には、前記上辺棹部の突出部の内端面に当接する突出部当接部と、前記上辺棹部の外側面に当接する外側面当接部が設けられ、
前記上辺棹部の突出部の内端面に前記取着具本体の突出部当接部を当接させた状態で、当該当接部を中心にしてオプション部材取着具を上方に回動させて、前記上辺棹部の外側面にオプション部材取着具の外側面当接部が当接することで、当該上辺棹部の下端部にオプション部材取着具が仮固定状態で嵌着される構成であることを特徴とする椅子に対するオプション部材取着具の取付け構造。
【請求項2】
当該背凭れの上辺棹部の底面と、当該底面に接続する外側面とのなす角度は、鋭角であることを特徴とする請求項に記載の椅子に対するオプション部材取着具の取付け構造。
【請求項3】
前記背凭れの上辺棹部の内面における前記オプション部材取着具が取付けられる部位には、当該オプション部材取着具の対応部位に設けられた位置決め用の凹部又は凸部に対応する凸部又は凹部が設けられ、
前記背凭れの上辺棹部の前記位置決め用の凹部又は凸部と、前記オプション部材取着具の対応部の凸部又は凹部とを嵌合させた状態で、当該嵌合部を支点にして、前記オプション部材取着具を上方に回動させる構成であることを特徴とする請求項又はに記載の椅子に対するオプション部材取着具の取付け構造。
【請求項4】
前記オプション部材取着具は、
前記上辺棹部の面を覆うようにして、当該上辺棹部の下端部に嵌着され、当該嵌着状態で、前記背凭れの背面側に配置されて、オプション部材のロッドがスライド可能に挿通されるロッド挿通環部が一体に設けられた取着具本体と、
前記ロッド挿通環部に挿通されたオプション部材のロッドの長手方向に沿って設けられた多数の係止孔のいずれかに係止される係止部を先端部に備え、当該取着具本体の内部のスライダ配置空間に、付勢手段により前記ロッド挿通環部の側に付勢された状態で、前記上辺棹部の幅方向にスライド可能に配置される係止スライダと、を備え、
前記付勢手段の付勢力に抗して前記係止スライダを、前記取着具本体のロッド挿通環部に対して後退させた状態で、当該係止スライダを開放することで、その先端の係止部が、前記オプション部材のロッドのいずれかの係止孔に係止されて、前記ロッド挿通環部に対して前記ロッドがスライド不能となる構成であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の椅子に対するオプション部材取着具の取付け構造。
【請求項5】
前記取着具本体のスライダ配置空間にスライド可能に配置される前記係止スライダは、所定間隔をおいて配置された一対のスライダ板の後端部が操作レバーで連結されていると共に、当該一対のスライダ板の先端部である係止部の内側の部分が、前記付勢手段を構成する圧縮バネの前端が弾接する弾接板部で連結され、前記圧縮バネの後端は、前記一対のスライダ板の間に固定配置される圧縮バネ弾性体に弾接され、前記ロッド挿通環部の側が片持ち保持されて、前記取着具本体のスライダ配置空間に前記スライド方向に突出して配置されたスライド案内ロッドは、前記弾接板部の案内孔に挿通されて、当該係止スライダのスライド案内を行う構成であることを特徴とする請求項に記載の椅子に対するオプション部材取着具の取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子のわん曲方形枠状をした背凭れに対してオプション部材取着具をワンタッチで着脱できる椅子に対するオプション部材取着具の取付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
椅子の背凭れとして、わん曲方形枠状をなすことで、中央部が開口した構造のものがあり、この構造の背凭れに、ハンガー等のオプション部材が着脱可能に取付けられる構造が多数出願されており、例えば特許文献1には、上記構造の椅子の背凭れ、及びオプション部材の取付け構造が開示されている。
【0003】
特許文献1には、わん曲方形枠状をした背凭れの上辺棹部に断面L字状をした第1及び第2の各壁部36,37から成る突出部35が設けられ、当該突出部35を構成していて、ほぼ水平配置される第2壁部37を第1及び第2の各部材51,61で挟み込むと共に、第2部材61に起立状態で設けられた基端側当接部63を第1壁部36の背面側に当てがった状態で、前記各部材51,61を2本の締結ボルト72で連結する構造の背凭れに対するオプション部材取着具の取付け構造が開示されている。なお、第2部材61に、ハンガー46を高さ方向に沿った配置位置を調整可能にして支持するためのホルダー41が設けられている。
【0004】
特許文献1に開示の椅子の背凭れに対するオプション部材取着具の取付け構造は、オプション部材として、互いに独立した第1及び第2の各部材51,61の二つの部材を必要とし、オプション部材取着具の取付け構造としては、上記した第1及び第2の各部材51,61を、背凭れの上辺棹部の第1及び第2の各壁部36,37に対して配置した状態を作業者の手により保持し、この状態で、第1及び第2の各部材51,61を2本の締結ボルト72で連結することで、前記第2壁部37を各部材51,61に挟み込んで固定している。
【0005】
従って、椅子の背凭れに対するオプション部材取着具の取付けに関しても、上記した第1及び第2の各部材51,61を、背凭れの上辺棹部の第1及び第2の各壁部36,37に対して配置した状態を作業者の手により保持し、この状態で、第1及び第2の各部材51,61を2本の締結ボルト72で連結する必要があるので、極めて面倒である。しかも、背凭れの上辺棹部の長手方向の中央部にオプション部材取着具を配置固定するのが通常の設計であるが、当該配置固定位置の位置決めに関しても、予め配置固定位置に目印を付しておく等の必要があり、この点に関しても、面倒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-79875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、椅子のわん曲方形枠状をした背凭れに対してオプション部材取着具を正確な位置決めを確保して、ワンタッチで着脱可能にすること、及びオプション部材取着具に対するオプション部材の高さ方向の配置位置の調整を簡単に行えるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
【0009】
【0010】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、
中央部が開口されたわん曲方形枠状の背凭れを備えた椅子の当該背凭れの上辺棹部に、当該背凭れの背面側にオプション部材を取着可能なオプション部材取着具を取付ける構造であって、
前記上辺棹部は、底面と、当該底面に接続する内側面及び外側面とを備え、前記背凭れの上辺棹部の内側面の下端部には、突出部が設けられ、
前記オプション部材取着具の取着具本体には、前記上辺棹部の突出部の内端面に当接する突出部当接部と、前記上辺棹部の外側面に当接する外側面当接部が設けられ、
前記上辺棹部の突出部の内端面に前記取着具本体の突出部当接部を当接させた状態で、当該当接部を中心にしてオプション部材取着具を上方に回動させて、前記上辺棹部の外側面にオプション部材取着具の外側面当接部が当接することで、当該上辺棹部の下端部にオプション部材取着具が仮固定状態で嵌着される構成であることを特徴としている。
【0011】
請求項1の発明によれば、前記上辺棹部の突出部の内端面に前記取着具本体の突出部当接部を当接させた状態で、当該当接部を中心にしてオプション部材取着具を上方に回動させて、前記上辺棹部の外側面にオプション部材取着具の外側面当接部が当接することで、上辺棹部の前記突出部の内端面、前記上辺棹部の底面、及びその外側面の下端部がオプション部材取着具で覆われて、当該上辺棹部の下端部にオプション部材取着具が仮固定状態で嵌着される。その後に、ボルトを介して上辺棹部に対してオプション部材取着具が固定される。この結果、椅子の上辺棹部の下端部にオプション部材取着具をワンタッチで嵌着できて、その固定作業が容易となる。
【0012】
請求項の発明は、請求項の発明において、当該背凭れの上辺棹部の底面と、当該底面に接続する外側面とのなす角度は、鋭角であることを特徴としている。
【0013】
請求項の発明によれば、背凭れの上辺棹部の底面と外側面とのなす角度が鋭角であるため、背凭れの上辺棹部の下端部にオプション部材取着具が嵌着された状態が維持され易くなって、当該嵌着が容易に解除されなくなる。よって、背凭れの上辺棹部の下端部に対するオプション部材取着具の仮固定(仮保持)が確実となる。
【0014】
請求項の発明は、請求項又はの発明において、前記背凭れの上辺棹部の内面における前記オプション部材取着具が取付けられる部位には、当該オプション部材取着具の対応部位に設けられた位置決め用の凹部又は凸部に対応する凸部又は凹部が設けられ、
前記背凭れの上辺棹部の前記位置決め用の凹部又は凸部と、前記オプション部材取着具の対応部の凸部又は凹部とを嵌合させた状態で、当該嵌合部を支点にして、前記オプション部材取着具を上方に回動させる構成であることを特徴としている。
【0015】
請求項の発明によれば、背凭れの上辺棹部に対してオプション部材取着具が部分的に嵌着された仮嵌着状態で、当該オプション部材取着具を当該上辺棹部の長手方向にスライドさせると、当該背凭れの上辺棹部の内面に設けられた前記位置決め用の凹部又は凸部と、前記オプション部材取着具の対応部の凸部又は凹部とが嵌合され、この状態で、当該嵌合部を支点にして、前記オプション部材取着具を上方に回動させると、当該背凭れの上辺棹部の下端部に当該オプション部材取着具が仮固定状態で嵌着される。このように、背凭れの上辺棹部の長手方向に対してオプション部材取着具の取着位置を確実に定めて、当該オプション部材取着具を背凭れの上辺棹部に固定できる。よって、背凭れの上辺棹部に対してオプション部材取着具をボルト固定する際に、当該上辺棹部に対してオプション部材取着具が正規の配置位置に対してずれることはないので、上記のボルト固定の作業も容易となる。
【0016】
請求項の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、
前記オプション部材取着具は、
前記上辺棹部の面を覆うようにして、当該上辺棹部の下端部に嵌着され、当該嵌着状態で、前記背凭れの背面側に配置されて、オプション部材のロッドがスライド可能に挿通されるロッド挿通環部が一体に設けられた取着具本体と、
前記ロッド挿通環部に挿通されたオプション部材のロッドの長手方向に沿って設けられた多数の係止孔のいずれかに係止される係止部を先端部に備え、当該取着具本体の内部のスライダ配置空間に、付勢手段により前記ロッド挿通環部の側に付勢された状態で、前記上辺棹部の幅方向にスライド可能に配置される係止スライダと、を備え、
前記付勢手段の付勢力に抗して前記係止スライダを、前記取着具本体のロッド挿通環部に対して後退させた状態で、当該係止スライダを開放することで、その先端の係止部が、前記オプション部材のロッドのいずれかの係止孔に係止されて、前記ロッド挿通環部に対して前記ロッドがスライド不能となる構成であることを特徴としている。
【0017】
請求項の発明によれば、椅子の背凭れの上辺棹部の下端部に嵌着される取着具本体のスライダ配置空間に係止スライダが、付勢手段により前記ロッド挿通環部の側に付勢された状態で当該上辺棹部の幅方向にスライド可能に配置されていて、前記付勢手段の付勢力に抗して前記係止スライダを、前記取着具本体のロッド挿通環部に対して後退させた状態で、当該係止スライダを開放することで、その先端の係止部が、前記オプション部材のロッドのいずれかの係止孔に係止されて、前記ロッド挿通環部に対して前記ロッドがスライド不能となる構成である。このように、請求項の発明によれば、嵌着具本体の内部のスライダ配置空間に係止スライダが配置されていて、付勢手段の付勢力に抗して係止スライダをロッド挿通環部に対して後退させない限り、オプション部材のロッドの係止孔と、係止スライダの先端部の係止部との係止は解除されないので、使用中において、前記係止が解除されて、オプション部材が不意に下がる不具合がなくなる。即ち、オプション部材のロッドと係止させて、当該ロッドの下動を防止する係止機構をロッド挿通環部に設けることなく、取着具本体の内部に配設した構造であるので、オプション部材取着具の全体構成が簡単になると共に、係止スライダの操作部は、背凭れの上辺棹部の下端部に嵌着される取着具本体の下方に突出した構造となるため、前記係止機構がロッド挿通環部に配置させる構成に比較して、係止スライダの係止部とオプション部材のロッドとの係止が解除される恐れが少なくなる。
【0018】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記取着具本体のスライダ配置空間にスライド可能に配置される前記係止スライダは、所定間隔をおいて配置された一対のスライダ板の後端部が操作レバーで連結されていると共に、当該一対のスライダ板の先端部である係止部の内側の部分が、前記付勢手段を構成する圧縮バネの前端が弾接する弾接板部で連結され、前記圧縮バネの後端は、前記一対のスライダ板の間に固定配置される圧縮バネ弾性体に弾接され、前記ロッド挿通環部の側が片持ち保持されて、前記取着具本体のスライダ配置空間に前記スライド方向に突出して配置されたスライド案内ロッドは、前記弾接板部の案内孔に挿通されて、当該係止スライダのスライド案内を行う構成であることを特徴としている。
【0019】
請求項の発明は、請求項の発明の下位概念として具現化した固定を特定したものであって、取着具本体のロッド挿通環部に挿通されたオプション部材のロッドに形成された特定の係止孔と、取着具本体のスライダ配置空間に配置された係止スライダの各スライダ板の先端部の係止部とが係止している状態で、一対のスライダ板の後端部を一体に連結している操作レバーにより、圧縮バネの付勢力(弾性復元力)に抗して内方(椅子の座体の側)にスライドさせると、前記係止が解除されて、オプション部材の高さ方向の配置位置が調整可能となる。オプション部材の高さ位置を変更した後に、内方に後退させられた前記係止スライダを開放させると、圧縮バネの付勢力により、係止スライダは、ロッド挿通環部の側にスライドさせられて、各スライダ板の先端の係止部は、オプション部材のロッドに設けられた多数の係止孔のうち直前の係止孔とは別の係止孔に係止されて、オプション部材の高さ方向の配置位置が変更される。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、上辺棹部の突出部の内端面に前記取着具本体の突出部当接部を当接させた状態で、当該当接部を中心にしてオプション部材取着具を上方に回動させて、前記上辺棹部の外側面にオプション部材取着具の外側面当接部が当接することで、上辺棹部の前記突出部の内端面、前記上辺棹部の底面、及びその外側面の下端部がオプション部材取着具で覆われて、当該上辺棹部の下端部にオプション部材取着具が仮固定状態で嵌着され、その後に、ボルトを介して上辺棹部に対してオプション部材取着具が固定される。この結果、椅子の上辺棹部の下端部にオプション部材取着具をワンタッチで嵌着できて、その固定作業が容易となる。
【0021】
特に、請求項の発明のように、背凭れの上辺棹部に対してオプション部材取着具を仮嵌着した状態で、当該オプション部材取着具を当該上辺棹部の長手方向にスライドさせると、当該背凭れの上辺棹部の内面に設けられた前記位置決め用の凹部又は凸部と、前記オプション部材取着具の対応部の凸部又は凹部とが嵌合され、この状態で、当該嵌合部を支点にして、前記オプション部材取着具を上方に回動させると、当該背凭れの上辺棹部の下端部に当該オプション部材取着具が仮固定状態で嵌着される。このように、背凭れの上辺棹部の長手方向に対してオプション部材取着具の固定位置を確実に定めて、当該オプション部材取着具を背凭れの上辺棹部に固定できる。
【0022】
請求項の発明によれば、オプション部材のロッドと係止させて、当該ロッドの下動を防止する係止機構をロッド挿通環部に設けることなく、取着具本体の内部に配設した構造であるので、オプション部材取着具の全体構成が簡単になると共に、係止スライダの操作部は、背凭れの上辺棹部の下端部に嵌着される取着具本体の下方に突出した構造となるため、前記係止機構がロッド挿通環部に配置される構成に比較して、係止スライダの係止部とオプション部材のロッドとの係止が解除される恐れが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る椅子Cを背面側から見た斜視図である。
図2】椅子Cの側面図である。
図3】椅子Cの背凭れ6の上辺棹部11と、当該上辺棹部11に取付けられるオプション部材取着具Aと、当該オプション部材取着具Aのロッド挿通環部34にロッド62が挿通支持されるハンガーHとの分離状態の斜視図である。
図4】背凭れ6の上辺棹部11のわん曲した長手方向の中央部を内側から見た部分斜視図である。
図5】(a)は、背凭れ6の上辺棹部11の一般部の横断面図であり、(b)は、図4のナット体31が埋設された部分の横断面図である。
図6】オプション部材取着具A及びハンガーHの分解斜視図である。
図7】(a),(b)は、それぞれオプション部材取着具Aを異なる方向から見た斜視図である。
図8】(a),(b)は、それぞれ一部が破断されたオプション部材取着具Aを異なる方向から見た斜視図である。
図9】背凭れ6の上辺棹部11の下端部に下方から仮嵌着されたオプション部材取着具Aを、当該上辺棹部11の長手方向にスライドさせて、上辺棹部11の位置決め凸部29と取着具本体Bの位置決め凹部39とが嵌合されて位置決めされる状態を示す平面図である。
図10】(a)は、背凭れ6の上辺棹部11の長手方向に対して位置決めされた状態で仮嵌着されたオプション部材取着具Aを上方に回動させて嵌着させる状態を示す横断面図であり、(b)は、(a)のWで示される部分の拡大図である。
図11】背凭れ6の上辺棹部11に対するオプション部材取着具Aのボルト固定構造を示す部分断面図である。
図12】(a),(b)は、それぞれオプション部材取着具Aの係止スライダSの先端部の係止部46aと、ハンガーHのロッド62に形成された係止孔63とが係止された状態、及び当該係止が解除された状態の縦断面図である。
図13図12(a)のX-X線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、最良の実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。最初に、図1図4を参照して、本発明に係るオプション部材取着具Aが取付けられる背凭れ6を備えた椅子Cについて説明し、その後に、オプション部材取着具Aについて詳細に説明する。
【0025】
椅子Cは、図1図3に示されるように、脚柱1を中心にして放射状に配置された複数の脚体2と、当該脚柱1の上端部に一体に設けられた箱状の支持基体3と、当該支持基体3の上部に一体に設けられた座体4と、前記支持基体3における前記座体4の両側部に起立して設けられた一対の肘掛け5と、前記支持基体3における前記座体4の背面側に後方に向けて僅かに傾斜して配置される背凭れ6とを備えている。前記背凭れ6は、高さ方向に沿って下端から1/3位の部分が最も前方に突出することで、その全体形状は、側面視でわん曲されたわん曲方形枠状をなしていて、中央部が大きく開口された開口部7となっている。よって、背凭れ6は、座体4の側である内側に緩やかな凹状となるように平面視でわん曲された上辺棹部11と、ほぼ同様の形状にわん曲された下辺棹部12と、左右一対の側辺棹部13a,13bとから成り、本発明に係るオプション部材取着具Aは、前記背凭れ6の上辺棹部11のわん曲した長手方向の中央部の下端部に嵌着構造で取付けられる。なお、背凭れ6の開口部7、上辺棹部11、下辺棹部12及び左右一対の側辺棹部13a,13bの内面側は、メッシュ素材のシート14で覆われている。
【0026】
背凭れ6は、図1及び図3に示されるように、樹脂の射出成形により形成され、その上辺棹部11の全体形状は、平面視で内側(座体4の側)が凹となるように僅かにわん曲していて、図5に示されるように、横断面がコの字形となっていて、厚肉状の側壁部21は、使用状態において僅かに内側に傾斜して配置され、当該側壁部21の上端部に、全周が曲面となっていて、当該側壁部21に対して一部が内側に突出した形状のシート端係止部22が一体に設けられ、前記オプション部材取着具Aが嵌着される前記側壁部21の底面23は平面状に形成され、当該側壁部21の下端部の内側面24には、内側に向けて厚板状の突出部25が形成されることで、当該突出部25と前記シート端係止部22との間には、内側凹部26が形成された形状となっている。厚肉状の側壁部21の肉厚は、高さ方向に沿って一定していて、前記内側面24と外側面27とは平行となっていて、前記上辺棹部11の外側面27と面23との交叉角度(θ)は、鋭角をなしている。なお、図5において、28は、シート14の上端部を挿入して固着するためのシート挿入固着溝を示す。
【0027】
内側が凹となるように緩やかにわん曲された前記上辺棹部11の長手方向の中央部の下端部には、その突出部25、当該上辺棹部11の底面23及びその外側面27を取り囲むようにしてオプション部材取着具Aが嵌着される。このため、図4及び図5に示されるように、当該上辺棹部11の突出部25の長手方向の中央部の端面には、オプション部材取着具Aの取着具本体Bの位置決め凹部39に対して嵌合されて位置決めを行う位置決め凸部29が設けられている。図3図4及び図11に示されるように、上辺棹部11の下端部における前記位置決め凸部29の両側に対応する部分には、側壁部21よりも厚肉のナット体埋設突部30が部分的に前記突出部25の先端側に突出して設けられ、当該ナット体埋設突部30にナット体31が埋設されている。このナット体31は、背凭れ6の射出成形時に成形型のキャビティ内にインサート(セット)されているため、射出成形される上辺棹部11の下端部に一体に埋設される。ナット体埋設突部30に埋設された各ナット体31の上下の各部分には、その雌ねじ部に連通するボルト挿通孔32a,32bが貫通して形成されている。なお、図11において、ナット体埋設突部30とその直上のシート端係止部22との間に所定高さの空間部20を設けたのは、側壁部21における厚肉となる部分を可能な限り少なくして、上辺棹部11の射出成形時において、側壁部21の外側面27における各ナット体埋設突部30に対応する部分に「ヒケ」が発生して、前記外側面27の外観が害されるのを防止するためである。
【0028】
次に、図6図13を参照して、椅子Cの背凭れ6の上辺棹部11のわん曲した長手方向の中央部の下端部に嵌着されて、椅子Cの背凭れ6の背面側にハンガーHを高さ調整可能にして配置するためのオプション部材取着具Aについて説明する。オプション部材取着具Aは、上辺棹部11の下端部に嵌着される取着具本体Bと、当該取着具本体Bの内部のスライダ配置空間33に、当該取着具本体Bの背面側に一体に設けられたロッド挿通環部34に対して進退するように配置された係止スライダSとから成る。オプション部材取着具Aの全体形状は、左右対称線K(図9参照)に対して立体的に対称な形状になっている。取着具本体B及び係止スライダSは、いずれも樹脂の射出成形により形成される。取着具本体Bは、上辺棹部11の下端部に嵌着される機能と、内部のスライダ配置空間33に係止スライダSを配置可能とする機能とを有しているため、「スライダ配置体」とも称することができる。
【0029】
取着具本体Bの背面側には、上辺棹部11の下端部に嵌着された使用状態で、ロッド挿通環部34が一体に設けられている。上辺棹部11の下端部に対して取着具本体Bが嵌着されるため、当該取着具本体Bの上面36は、上辺棹部11の平面状の面23に対して密着可能なように平面状に形成され、取着具本体Bの上面36には、上辺棹部11の突出部25の端面25a、及び外側面27にそれぞれ密着状態で当接される横長厚板状の突出部当接部37及びブロック状の外側面当接部38が係止スライダSのスライド方向Pに沿って対向した状態で、上方に突出して設けられている。突出部当接部37は、その内面が当接面37aとなっていると共に、外側面当接部38は、前記当接面37aと対向する面が当接面38aとなっている。突出部当接部37は、取着具本体Bの全幅に亘って設けられているが、外側面当接部38は、取着具本体Bの幅方向の中央部のみに設けられている。突出部当接部37の当接面37a及び外側面当接部38の当接面38aは、上辺棹部11が長手方向に沿って緩やかにわん曲している形状に対応してわん曲していると共に、取着具本体Bの上面36と外側面当接部38の当接面38aとのなす角度(θ)は、上辺棹部11の面23と外側面27とのなす角度(θ)と同一の鋭角に形成されている。突出部当接部37の当接面37aにおける長手方向の中央部には、背凭れ6の上辺棹部11の突出部25に形成された位置決め凸部29と嵌合される位置決め凹部39が形成されている。
【0030】
取着具本体Bにおける幅方向の中央部には、係止スライダSの幅に対して僅かに幅広のスライダ配置空間33(図8図12及び図13参照)が形成されている。当該スライダ配置空間33は、取着具本体Bに対して上下及び両側の計4面が閉塞されて、前面の一部及び背面の全部が開口された形態で形成されているため、取着具本体Bは、前記スライダ配置空間33及び後述の圧縮バネ弾接体52の蓋部52aを配置する蓋部配置空間40を除いて中実構造となっている。前記スライダ配置空間33は、係止スライダSの全体形状である直方体状に対応する中空形状になっていて、その横断面形状は、係止スライダSの横断面形状である横長の長方形状に対応した形状になっている。ここで、スライダ配置空間33の前面の一部が開口された形状とは、図8及び図13に示されるように、横長の長方形状の開口の横方向の中央部が閉塞板部41により全高に亘って閉塞されることで、当該閉塞板部41の両側に、係止スライダSの後述する左右一対の係止部46aが挿通されて、ロッド挿通環部34の挿通空間34bに入り込ませるための一対の係止部挿通孔42が全高に亘って形成されている。前記閉塞板部41には、係止スライダSのスライド案内を行うスライド案内ロッド43が、前記スライダ配置空間33の内部に突出して片持ち状となって設けられている。
【0031】
係止スライダSは、図6、図 8、図12及び図13に示されるように、横方向に所定間隔をおいた一対のスライダ板46の後端部が操作レバー47で一体に連結されていると共に、当該一対のスライダ板46の先端部の係止部46aの内側の部分が、後述の圧縮バネ51の前端部が弾接する弾接板部48で連結されている。当該弾接板部48には、前記スライド案内ロッド43を挿通させるロッド挿通孔48aが形成されている。
【0032】
そして、図6図8図12及び図13に示されるように、係止スライダSを構成する一対のスライダ板46の間における前記弾接板部48の背面側に圧縮バネ51を配置した状態で、当該係止スライダSを取着具本体Bのスライダ配置空間33に挿入させて、各スライダ板46の先端部の係止部46aを、取着具本体Bに設けられた係止部挿通孔42に挿通させた状態〔図12(a)で示される状態〕で、直方体ブロック状の圧縮バネ弾接体52を前記蓋部配置空間40を通して一対のスライダ板46の間に配置させて、当該圧縮バネ弾接体52の蓋部52aを、取着具本体Bの蓋部配置空間40に配置して、取着具本体Bの底面側において、当該圧縮バネ弾接体52を取着具本体Bの底板部44に対してビス53を介して固定すると、取着具本体Bのスライダ配置空間33に係止スライダSがスライド可能に組み込まれる。この組み込み状態では、前記弾接板部48のロッド挿通孔48aに、取着具本体Bに一体に設けられたスライド案内ロッド43が挿通されて、係止スライダSのスライド時における全方向に対する移動が規制されると共に、圧縮バネ51の内部に当該スライド案内ロッド43が挿通されることで、そのスライド運動を安定化させている。
【0033】
スライダ配置空間33を形成する底板部44は、係止スライダSのスライド方向Pに沿って途中に欠落されて、その後端面は、係止スライダSを構成する操作レバー47が当接するストッパ面44aとなっていて、当該係止スライダSの前進端位置を規制している。係止スライダSの操作レバー47は、前記底板部44を超えて下方に延出しており、その操作部47aを人の指先により圧縮バネ51の弾性復元力に抗してロッド挿通環部34から離間する側に押圧させることで、係止スライダSの先端の係止部46aと、ハンガーHのロッド62に形成された係止孔63との係止を解除可能にしている。なお、図12に示されるように、前記底板部44のストッパ面44aは、直方体ブロック状の圧縮バネ弾接体52の特定の一面と同一面となっている。
【0034】
取着具本体Bにおける前記蓋部配置空間40の両側には、椅子Cの背凭れ6の下端部にオプション部材取着具Aが、当該背凭れ6の長手方向に沿って位置決めされて嵌着されて仮固定された状態で、一対の孔付ボルト71を介してオプション部材取着具Aを背凭れ6に固定するための一対のボルト挿通孔45が貫通して形成されている。図11に示されるように、一対の孔付ボルト71は、背凭れ6の下端部に埋設された前記一対のナット体31に螺着される。
【0035】
取着具本体Bの背面側には、ハンガーHのロッド62を挿通支持するための偏平環状のロッド挿通環部34が一体に形成されている。ハンガーHは、内部に大きな中空部が形成されて全体として変則環状を成しているハンガー本体61の直線状の下半部61aの長手方向の中央部に厚板状のロッド62が、当該下半部61aに対して垂直となって一体に設けられている。厚板状のロッド62の前面には、左右一対で一組となった複数組の係止孔63が長手方向に沿って一定間隔をおいて形成されている。
【0036】
前記ロッド挿通環部34は、ハンガーHのロッド62の前面に形成された複数組の係止孔63のうち、2組の係止孔63が完全に内部に挿入配置される長さを有していて、当該ロッド挿通環部34の前部に、前記取着具本体Bが一体に設けられている。取着具本体Bは、ロッド挿通環部34のロッド62の挿通方向に沿ったほぼ中央部に一体に設けられることで、当該ロッド挿通環部34は、取着具本体Bに対して所定長だけ上方及び下方の双方に延出している。取着具本体Bの外側面当接部38の上面は、ロッド挿通環部34の上端面と同一面となっている。ロッド挿通環部34の内周面には、図7図8及び図13に示されるように、ハンガーHのロッド62の外周面に対して部分的に摺接する複数の摺接突条34aが、周方向に沿って所定間隔をおいて前記ロッド62の挿通方向に沿って形成されている。
【0037】
次に、図9及び図10を参照して、椅子Cの背凭れ6の上辺棹部11の下端部の長手方向の中央部に前記オプション部材取着具Aを嵌着させる方法について説明する。まず、図9に示されるように、背凭れ6の下端部にオプション部材取着具Aの取着具本体Bを配置して、その突出部当接部37と外側面当接部38とで背凭れ6の上辺棹部11の下端部を仮嵌着して、当該上辺棹部11の長手方向に沿ってオプション部材取着具Aをスライドさせると、図9で実線及び図10で2点鎖線で示されるように、取着具本体Bの上面36と上辺棹部11の面23とが互いに離間した状態で、上辺棹部11の突出部25の先端の位置決め凸部29と、取着具本体Bの位置決め凹部39とが嵌合されて、スライド不能となることで、上辺棹部11の長手方向に対するオプション部材取着具Aの配置位置が定められる。その後に、前記位置決め凸部29と前記位置決め凹部39との嵌合部を中心にして、オプション部材取着具Aの全体を僅かに上方に回動させると、取着具本体Bの外側面当接部38の当接面38aと上辺棹部11の外側面27とが密着すると共に、取着具本体Bの上面36と上辺棹部11の面23とが密着して、上辺棹部11の下端部にオプション部材取着具Aがワンタッチで嵌着される。この状態で、取着具本体Bの一対のボルト挿通孔45に孔付ボルト71をそれぞれ挿通して、各孔付ボルト71を、上辺棹部11の下端部に埋設されている各ナット体31に螺合させると、上辺棹部11の下端部にオプション部材取着具Aが位置決め状態で固定される。また、上記と逆の操作を行うことで、椅子の背凭れ6の上辺棹部11に取付けられているオプション部材取着具Aをワンタッチで取り外すことができる。なお、図9において、31aは、ナット体31に形成された雌ねじ部を示す。
【0038】
このように、椅子の背凭れ6の上辺棹部11の下端部にオプション部材取着具Aを仮嵌着した状態で、当該オプション部材取着具Aを上辺棹部11の長手方向にスライドさせて、上辺棹部11に設けられた位置決め凸部29と、取着具本体Bに設けられた位置決め凹部39を嵌合させ、当該嵌合部を中心にして、オプション部材取着具Aの全体を僅かに上方に回動させると、前記上辺棹部11の下端部にオプション部材取着具Aが嵌着されて仮固定されるので、上辺棹部11の下端部の位置決めされた位置にオプション部材取着具Aをワンタッチで嵌着して仮固定できる。よって、椅子の背凭れ6の上辺棹部11に対するオプション部材取着具Aの着脱を簡単、かつ正確に行える。
【0039】
そして、図12(a)及び図13に示されるように、オプション部材取着具Aのロッド挿通環部34にハンガーHのロッド62が挿通され、当該ロッド62に設けられた複数組の係止孔63のうち特定の係止孔63に、係止スライダSの先端の係止部46aが圧縮バネ51の弾性復元力により入り込むことで、当該係止孔63と係止部46aとが係止された状態では、ロッド挿通環部34に対するロッド62の上下方向の位置が定められて、当該ロッド62は、上下に移動不能となる。これにより、図1に示されるように、椅子Cの背凭れ6の上辺棹部11の背面側に、オプション部材取着具Aを介してハンガーHが取着され、そのハンガー本体61に、事務作業時に不用な上着72が吊り下げられている。
【0040】
上記の状態で、椅子Cの背凭れ6に対するハンガーHの高さ位置を変更するには、図12(b)に示されるように、取着具本体Bの下面から下方に突出している係止スライダSの操作レバー47の操作部47aに対して人の指先により前方(椅子Cの座体4の側)に向けて操作力Fを加えると、圧縮バネ51の弾性復元力に抗して係止スライダSが後退して、ロッド62の係止孔63と、係止スライダSの係止部46aが解除され、ロッド挿通環部34に対してハンガーHのロッド62が上下に移動可能となる。圧縮バネ51の弾性復元力に抗して後退させられている係止スライダSを開放させた状態で、ハンガーHのロッド62を上下方向に移動させると、直前とは別の組の係止孔63に対して係止スライダSの先端の係止部46aが挿入係止されて、椅子Cの背凭れ6に対するハンガーHの高さ位置が変更される。
【0041】
また、上辺棹部11の面23と外側面27とのなす角度(θ)は、当該上辺棹部11の下端部に対するオプション部材取着具Aの嵌着を確実にするために、鋭角であることが望ましいが、鈍角でない限り、外側面27と、オプション部材取着具Aの外側面当接部38の当接面38aとの摩擦力により、前記嵌着状態を保持できる限り、90°でも可能である。
【0042】
また、先端に係止部が形成された係止スライダの構成に関しても、付勢手段によりオプション部材取着具のロッド挿通環部の側に付勢されて、係止スライダの係止部と、オプション部材のロッドの係止孔との係止を維持できる構成である限り、上記実施例に限定されない。
【0043】
背凭れ6の上辺棹部11の突出部25に設けられる位置決め凸部29と、取着具本体Bの突出部当接部37に設けられる位置決め凹部39との凹凸部は、互いに逆にすることも可能である。
【0044】
上記実施例では、オプション部材としてハンガーHが例示されているが、杖等の他の部材であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
A:オプション部材取着具
B:取着具本体
C:椅子
H:ハンガー(オプション部材)
S:係止スライダ
θ:上辺棹部の下端面と外側面との形成角度
6:背凭れ
11:上辺棹部
21:側壁部
23:上辺棹部の底面
25:突出部
25a:突出部の内端面
27:外側面
29:位置決め凸部
33:スライダ配置空間
34:ロッド挿通環部
37:突出部当接部
37a:突出部当接部の当接面
38:外側面当接部
38a:外側面当接部の当接面
39:位置決め凹部
43:スライド案内ロッド
46:スライダ板
46a:スライダ板の係止部
47:操作レバー
48:弾接板部
51:圧縮バネ
52:圧縮バネ弾接体
62:ハンガーのロッド
63:ロッドの係止孔
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
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図13