(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2021119615
(22)【出願日】2021-07-20
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(72)【発明者】
【氏名】中山 博夫
【審査官】牧 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-045253(JP,A)
【文献】特開2021-102005(JP,A)
【文献】特開2017-144169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口に入球した際に乱数値を抽出し、該抽出した乱数値を所定個数まで記憶可能な抽出乱数値記憶手段と、
該記憶された乱数値に基づいて当否の判定を行う当否判定手段と、
該判定が行われることに基づいて、特別図柄の変動を行った後、該判定の結果を確定表示する特別図柄表示装置と、を備え、
該特別図柄の変動に対応して、演出表示装置で疑似演出を実行可能な遊技機であって、
前記演出表示装置に出現可能な保留図柄表示領域に前記抽出した乱数値に対応する保留図柄が表示され、前記抽出乱数値記憶手段に記憶された乱数値に関して前記判定が行われる度に、該判定が行われる乱数値に対応した保留図柄が前記保留図柄表示領域から消去されると共に、前記演出表示装置に出現可能な変動中図柄表示領域に変動中図柄が表示され、
前記保留図柄及び前記変動中図柄として、其々、期待度が異なる複数の表示形態を表示可能とされ、前記判定が行われた際に前記変動中図柄表示領域に表示される変動中図柄の表示形態は、当該判定が行われた際に消去された保留図柄の表示形態に関連付けられたものであり、
前記疑似演出として、視覚的に演出内容を特定可能な演出特定要素の相違に基づき、分類される複数の種類が存在し、
前記変動中図柄は、遅くとも変動中の特別図柄が確定表示されるまでに消去され、
所定の疑似演出において、当該疑似演出の開始から変動中図柄が消去されるまでの時間がT1時間となる場合と、該T1時間よりも長いT2時間となる場合と、が有り、当該所定の疑似演出において、消去される直前の変動中図柄の表示形態が同じ表示形態であっても当該疑似演出の開始から変動中図柄が消去されるまでの時間が、前記T2時間だった場合よりも前記T1時間だった場合のほうが、前記判定で当選となる確率が高くなるようにしたことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関し、特に判定結果が当選となる期待度を報知可能な弾球遊技機(パチンコ機)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、設置されているパチンコ機(以下、遊技機という)のほとんどは、始動口に遊技球が入球した際に抽出した乱数値を記憶し、該記憶されている乱数値にて当否を判定する構成となっている。
また、最近の遊技機では、記憶されている乱数値を当否の判定が行われる前に確認し、確認結果を基に記憶されている乱数値に対応させている保留図柄の表示形態を他の形態に変化させることで、当否の判定が行われる前の乱数値の記憶についての期待度を前もって遊技者に示す、所謂、先読み保留図柄演出を実施している。
【0003】
そして、抽出した乱数値に基づいて当否の判定が行われると、当該判定の結果を示すための疑似図柄が変動を開始すると共に、当該乱数値に対応する保留図柄の表示形態を引き継いだ変動中図柄が表示される。
なお、変動中図柄も他の表示形態に変化可能であり、変動中図柄の表示形態の違いにより、変動中の抽選結果に対する期待度を示す構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、保留図柄と、変動中図柄を備える遊技機において、より効果的な期待度報知を行うことで、より趣向性を向上させることが望ましい。
【0006】
本発明は上記観点に鑑みてなされたものであり、保留図柄と変動中図柄を備え、今までにない期待度報知を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技機は、
始動口に入球した際に乱数値を抽出し、該抽出した乱数値を所定個数まで記憶可能な抽出乱数値記憶手段と、
該記憶された乱数値に基づいて当否の判定を行う当否判定手段と、
該判定が行われることに基づいて、特別図柄の変動を行った後、該判定の結果を確定表示する特別図柄表示装置と、を備え、
該特別図柄の変動に対応して、演出表示装置で疑似演出を実行可能な遊技機であって、
前記演出表示装置に出現可能な保留図柄表示領域に前記抽出した乱数値に対応する保留図柄が表示され、前記抽出乱数値記憶手段に記憶された乱数値に関して前記判定が行われる度に、該判定が行われる乱数値に対応した保留図柄が前記保留図柄表示領域から消去されると共に、前記演出表示装置に出現可能な変動中図柄表示領域に変動中図柄が表示され、
前記保留図柄及び前記変動中図柄として、其々、期待度が異なる複数の表示形態を表示可能とされ、前記判定が行われた際に前記変動中図柄表示領域に表示される変動中図柄の表示形態は、当該判定が行われた際に消去された保留図柄の表示形態に関連付けられたものであり、
前記疑似演出として、視覚的に演出内容を特定可能な演出特定要素の相違に基づき、分類される複数の種類が存在し、
前記変動中図柄は、遅くとも変動中の特別図柄が確定表示されるまでに消去され、
所定の疑似演出において、当該疑似演出の開始から変動中図柄が消去されるまでの時間がT1時間となる場合と、該T1時間よりも長いT2時間となる場合と、が有り、当該所定の疑似演出において、消去される直前の変動中図柄の表示形態が同じ表示形態であっても当該疑似演出の開始から変動中図柄が消去されるまでの時間が、前記T2時間だった場合よりも前記T1時間だった場合のほうが、前記判定で当選となる確率が高くなるようにしたことを特徴とする。
【0008】
本発明によると、演出表示装置に保留図柄や変動中図柄を表示可能な遊技機において、変動中図柄の表示形態だけでなく、変動中図柄の消去タイミングによって期待度(当選期待度)が変るので、従来以上に変動中図柄を注視して遊技を楽しむことが出来、遊技興趣を高めることができる。
【0009】
つまり、従来の遊技機では、(a)抽出乱数値記憶手段(保留記憶手段)に記憶された乱数値に対応して保留図柄表示領域に表示された保留図柄の表示形態や、(b)判定対象となった抽出乱数値に対応し、変動中図柄表示領域で表示されている変動中図柄の表示形態の違いによって期待度(判定の結果が当選(当り)であることが報知される期待度)を示していた。
これに対して、本発明は、変動中図柄表示領域で表示されている変動中図柄を、遅くとも特別図柄が確定表示されるまでに非表示とする構成(変動中図柄を消去して非表示とする(消滅させる)構成)を備える。このため、本発明によると、保留図柄や変動中図柄の表示形態に加えて、変動中図柄を非表示とするタイミングの違いによって期待度を示すことができる。
【0010】
すなわち、保留図柄や変動中図柄の表示形態の違いで期待度を示すことが従来の常識であるところ、本発明では表示中の変動中図柄が消去されるタイミングの相違に基づいて期待度を表すという、斬新な構成を採用する。
従って、本発明によると、保留図柄と変動中図柄を備える遊技機において、対面する遊技者は、変動中図柄が非表示になるまで息を抜けないこととなる。このため、対面する遊技者は、保留図柄と変動中図柄の表示形態が如何なる表示形態になるか、変動中図柄がいつ消去されるか(いつ消滅するか)という、複数の観点から変動中図柄の様子を注視することとなる。従って、本発明の遊技機によると、遊技者のより趣向性を向上させ、遊技興趣を高めることができる。
【0011】
ここで、本発明では、抽出乱数値記憶手段に記憶された乱数値に関し、当否の判定(抽選)が実行されると、保留図柄表示領域に表示された保留図柄が、変動中図柄表示領域に移動して変動中図柄になる演出を行う構成の遊技機であってもよい。かかる遊技機であっても、保留図柄表示領域に表示されていた保留図柄自体は無くなることとなる。つまり、保留図柄表示領域に表示されていた保留図柄が消滅するという点と、当該消滅に伴い変動中図柄が変動中図柄表示領域に表示される点で、何ら変わりがない。
【0012】
このように、「保留図柄表示領域の保留図柄が変動中図柄表示領域に移動するという演出」を行う場合、遊技者は、見た目上、演出表示装置(演出表示装置の画面)から保留図柄が消滅することなく、当該保留図柄が変動中図柄表示領域に移動するような印象を受ける。但し、かかる場合においても、実際には、保留図柄表示領域に表示されていた保留図柄が消滅し、当該消滅に伴い変動中図柄が変動中図柄表示領域に表示されることに何ら差異がない。
【0013】
また、本発明においては、「変動中図柄表示領域に表示される変動中図柄の表示形態」は、「判定が行われた際に保留図柄表示領域から消去された保留図柄の表示形態」に関連付けられたものである。ここで、「表示される変動中図柄の表示形態」と、「消去された保留図柄の表示形態」が関連付けられていることには、例えば、両者が見た目上、関連付けられていることを指す。例えば、(a)保留図柄及び変動中図柄が所定の色に着色されている場合、当該色の点で関連付けられていること、(b)保留図柄及び変動中図柄をキャラクタで表示する場合、当該キャラクタの点で関連付けられていること等、その外観、観念等において関連付けられていること等を指す。より具体的には、図柄の色で期待度の高低を示唆する場合において、「表示される変動中図柄」と「消去された保留図柄」とが「同一色」を有する場合や、「表示される変動中図柄」の方が「消去された保留図柄」よりも期待度が高い色を有する場合等を例示できる。
【0014】
本発明の「演出特定要素」とは、視覚的に演出内容を特定可能な演出要素である。つまり、当該要素の相違に基づき、疑似演出に対面した遊技者が一目で、当該疑似演出の種別を分類可能(識別可能)とする要素である。
例えば、(a)疑似演出が演出途中にリーチ表示を伴う演出(以下、リーチ演出という)であり、当該リーチ演出がキャラクタの表示を伴う場合において、当該キャラクタの動作演出(例えば、キャラクタが行う動作演出)により、当該リーチ演出(疑似演出)を複数のリーチ演出(疑似演出)に分類可能とする場合を例示することができる。例えば、疑似演出がAリーチ演出、Bリーチ演出、Cリーチ演出、等の複数のリーチ演出に見た目上、分類される場合を例示できる。
【0015】
また、(b)当該リーチ演出(疑似演出)がキャラクタの表示を伴う場合において、表示されるキャラクタの種類(人物を示すキャラクタ、動物を示すキャラクタ、乗り物を示すキャラクタ等のキャラクタの種類等)によって、リーチ演出(疑似演出)が分類される場合を例示することもできる。
この他にも、(c)当該リーチ演出(疑似演出)として、表示する数字図柄の種類(算用数字を用いた数字図柄、漢字数字を用いた数字図柄、フォントの相違によって識別される数字図柄の種類等)を複数種類備える場合、数字図柄の種類によってリーチ演出(疑似演出)が分類される場合等を例示することもできる。
更に、(d)疑似演出として、背景図柄等の装飾要素(地上、海、山、アニメのテーマ等)を複数種類備える場合等を例示することもできる。
【0016】
また、(e)当該リーチ演出(疑似演出)がキャラクタの表示を伴うか否かによって、当該リーチ演出(疑似演出)が分類されることもある。例えば、当該リーチ演出(疑似演出)がキャラクタの表示を伴うリーチ演出(疑似演出)であるか、キャラクタの表示を伴わないリーチ演出(例えば、キャラクタが表示されずに、数字図柄で実行されるノーマルリーチ演出)か、否かによって当該リーチ演出(疑似演出)が分類されることもある。
なお、上記(a)~(e)のうち、1個若しくは2個以上の観点から、複数の疑似演出を分類することもできる。
【0017】
なお、本発明においては、同一のグループに分類された疑似演出(例えば、Aリーチ演出に分類された疑似演出)として、演出時間(変動時間)が必ずしも同一である必要はなく、演出時間(変動時間)が異なるものを複数備えてもよい。
また、同一のグループに分類された疑似演出(例えば、Aリーチ演出、Bリーチ演出、Cリーチ演出等)には、発展演出に移行するパターン(例えば、演出内容が突然、切り替わる演出)と、発展演出に移行しないパターンと、が存在していてもよい。例えば、前半の演出のみで終了するパターンと、前半の演出後に後半の演出が行われるパターンと、があり、どちらの場合も、同一の疑似演出(例えば、Aリーチ演出)の種類に含まれてもよい。
【0018】
なお、一般にリーチ表示とは、演出表示装置に表示(変動表示及び確定表示)される演出図柄が複数個である場合において、変動表示の途中で行われる「中間演出表示」である。より具体的には、複数の演出図柄の停止順序が定められている場合において、最終に停止表示される以外の演出図柄を停止表示し、最終的に停止表示される演出図柄が何れであるかによって、停止表示された全ての演出図柄によって当り発生(小当り、大当り)を表示する可能性があることを示す演出的な表示である。
【0019】
また、本発明において、「所定の疑似演出の開始から変動中図柄が消去されるまでの時間」が、T1時間、T2時間だけでなくT3時間、T4時間(T2時間よりも長いT3時間、T3時間よりも長いT4時間)などがあってもよい。但し、この場合、変動中図柄が消去されるまでの時間がT1時間である場合に、一番期待度が高くなる構成が好適である。
更に、本発明において「所定の疑似演出」としているように、全ての種類の疑似演出において、「変動中図柄が消えるタイミングが早ければ期待度が高くされること」が必要とされない。つまり、全疑似演出のうち、1つでも「所定の疑似演出」に該当する疑似演出が存在していればよい。
また、本発明は以下の構成を更に備えてもよい。
つまり、本発明の遊技機が、
「始動口に入球した際に抽出した乱数値による当否の判定が行われる前において、該抽出した乱数値を確認する確認手段を備え、
該確認手段の確認結果に応じて、表示する保留図柄の表示形態を決定するとともに、該確認手段の確認結果に応じて、表示する変動中図柄の表示形態を決定する構成」を備えてもよい(後述する実施例を参照)。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明の遊技機によると、保留図柄と変動中図柄を備え、今までにない期待度報知を行うことが可能な遊技機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図4】パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図。
【
図6】パチンコ機50の大当り図柄と、大当りの種類と、大当り遊技実行後の遊技状態等の関係を示す図表。
【
図7】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート。
【
図8】主制御装置80が実行する特別図柄に関する始動入賞確認処理のフローチャート。
【
図10】主制御装置80が実行する特別図柄に関する当否判定処理の第1のフローチャート。
【
図11】主制御装置80が実行する特別図柄に関する当否判定処理の第2のフローチャート。
【
図12】(a)は遊技状態と変動パターンテーブルの関係を示す図表、(b)は主制御装置80が実行する当否判定処理の第3のフローチャート。
【
図13】主制御装置80が実行する特別図柄に関する当否判定処理の第4のフローチャート。
【
図14】主制御装置80が実行する大当り遊技処理の第1のフローチャート。
【
図15】主制御装置80が実行する大当り遊技処理の第2のフローチャート。
【
図16】主制御装置80が実行する大当り遊技処理の第3のフローチャート。
【
図17】演出図柄表示装置6の画面6aに表示される変動演出、保留図柄、変動中図柄を示す概略的な説明図。
【
図18】保留図柄と変動中図柄が保留記憶の消化に伴い変位(シフト)する様子を示す説明図。
【
図19】(a)は特別図柄の変動を示すタイムチャート、(b)は特別図柄の変動に対応して実行される疑似演出(変動演出)を示すタイムチャート、(c-1)、(c-2)及び(d)は変動中図柄の表示形態を示すタイムチャート、(e)は疑似演出の種類と大当り期待度の関係を示す説明図。
【
図20】(a)は保留関係図柄(保留図柄及び変動中図柄)に関して説明するための図表、(b)は保留関係図柄(保留図柄及び変動中図柄)の表示変化態様を示す図表。
【
図22】(a)及び(b)はシナリオ選択テーブルの一部を示す図表、(c)は各最終表示形態(変動中図柄)の選択率と当否判定の結果との関係を示す図表。
【
図25】(a)は疑似演出Bの内容を示す説明図、(b)は疑似演出Cの内容を示す説明図。
【
図26】サブ統合制御装置83が実行する保留図柄表示処理を示すフローチャート。
【
図27】(a)は変化演出実行抽選の当選確率を示す図表、(b)はサブ統合制御装置83が実行する保留数情報受信処理を示すフローチャート。
【
図28】サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を示すフローチャート。
【
図29】(a)及び(b)は変動パターンテーブルの一部を示す説明図。
【
図30】(a)~(c)は演出パターンテーブルの一部を示す説明図。
【
図31】(a)は変動中図柄演出パターン選択処理を示すフローチャート、(b)及び(c)は特別演出パターンテーブルを示す図表。
【
図32】(a)~(d)は特別演出パターンテーブルを示す図表、(e)は通常演出パターンテーブルを示す図表。
【
図33】(a)はサブ統合制御装置83が実行する変動中図柄変化処理を示すフローチャート、
図33(a)のS1355の内容を示す図表。
【
図34】(a)はサブ統合制御装置83が実行する演出停止処理を示すフローチャート、(b)は本発明の特徴を示す図表。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0023】
(1)実施例1
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0024】
また、前枠52は、左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開閉可能に構成されている。そして、外枠51に対して内枠70を閉鎖し、前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態となると、遊技を実行可能な状態となる。また、前枠52を左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開放すると、遊技盤1の前面1aが開放され、パチンコホールの店員等が、当該前面1aに対して発生した不具合を解消する作業(遊技盤1における球詰まりの解消作業等)を施すことができる。なお、以下の説明において、前枠52をガラス枠と称することもある。
【0025】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0026】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。演出ボタン67は、遊技者が有効期間中に操作することで、後述する演出図柄表示装置6に表示される演出内容を変化させ、スピーカ66により出力される遊技音が変化させるものとなっている。また、演出ボタン67は、その周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっており、ジョグダイヤル68を回転させることにより、演出用の画像に変化を与えることが可能に構成されている。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0027】
図2は、本実施例のパチンコ機50の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機50の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面6aを臨ませる窓等を備えている。
センターケース5の左方には、遊技球が通過(入球)可能な普図(以下、普通図柄ともいう)の普通図柄作動ゲート17が設けられている。普通図柄作動ゲート17は遊技球が入球して通過することにより普通図柄の当否抽選が実行される起因となるものである。
【0028】
また、センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第1始動口11及び第2始動口12が、上下に並んで配設されている。このパチンコ機50は、第1始動口11への入球により変動する第1特別図柄(以下、第1特図ともいう)と、第2始動口12への入球により変動する第2特別図柄(以下、第2特図ともいう)との2種類の特別図柄を備える。また、第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、開放時のみ入球可能となっている。
【0029】
第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特別図柄の大当り決定用乱数、大当り図柄決定乱数、第1特別図柄の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶として記憶される。また、これら乱数に応じて第1特別図柄の当否判定が実行され、結果は大当り、又は外れの判定がなされる。
【0030】
第2始動口12への入球により第2特別図柄の大当り決定用乱数、大当り図柄決定乱数、第2特別図柄の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶として記憶される。また、これら乱数に応じて第2特別図柄の当否判定が実行され、結果は大当り、又は外れのいずれかの判定がなされる。
【0031】
また、普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定時間の開放が行われる。そして、第2始動口12の下方には、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域3における向かって左下の領域(遊技領域3において遊技球の発射強度が所定以下である場合に遊技球が到達する左打ち領域の下方側)には、複数の一般入賞口13が配設されている。
【0032】
遊技盤1における向かって右下の領域には、7セグメントの第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置18及び第2特図保留数表示装置19と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
【0033】
また、遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上(演出図柄表示装置6の前面6a)では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。
【0034】
ここで、第1特図表示装置9と、第2特図表示装置10は、特別図柄の変動表示と、停止表示(確定表示)を行う手段の具体例を構成する。
また、演出図柄表示装置6は、当否判定の結果を報知する報知図柄(大当り図柄や外れ図柄)を、図柄変動(演出図柄の変動表示)を経て停止表示(確定表示)する。
そして、特別図柄の変動表と演出図柄の変動表示は同時に開始され、停止表示(確定表示)は同時に実行される。
【0035】
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口2dが設けられている。
【0036】
パチンコ機50の裏面は
図3に示すとおり、前述した遊技盤1脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0037】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0038】
本パチンコ機50の電気的構成は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0039】
本パチンコ機50は、バックアップ電源を備え、少なくとも、主制御装置80、払出制御装置81に設けられたRAMの内容を保持する構成である。尚、パチンコ機50では、サブ統合制御装置83に設けられたRAMの内容は保持されない。
【0040】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口13に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ13a等の検出信号が入力される。
【0041】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄表示装置7、普通図柄保留表示装置8の点灯を制御する。
【0042】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで普通電動役物(第2始動口12)の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0043】
また、主制御装置80には、ガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36から検出信号が入力される。具体的な図示を省略するが、内枠70の前面からは、ガラス枠開放スイッチ35が前後(パチンコ機50の前後)に出没可能な出没型のスイッチが突出している。そして、内枠70に対して前枠52が開放されると、ガラス枠開放スイッチ35の前端部が開放されるため、ガラス枠開放スイッチ35の突出量が多くなり、ガラス枠開放スイッチ35はOFF状態となる。一方、内枠70に対して前枠52が閉鎖されると、ガラス枠開放スイッチ35の前端部が前枠52の裏面で後方に押圧され、ガラス枠開放スイッチ35の突出量が少なくなり、ガラス枠開放スイッチ35はON状態となる。なお、本パチンコ機50においては、実際に前枠52が開放されても、指(パチンコホールの店員の指)等で、ガラス枠開放スイッチ35の前端部を押圧(パチンコ機50の後方に向かって押圧)することで、ガラス枠開放スイッチ35はON状態となる。
【0044】
また、外枠51に対して内枠70が閉鎖状態になると内枠スイッチ36(
図4を参照)がON状態となり、外枠51に対して内枠70が開放状態になると内枠スイッチ36がOFF状態となる。更に、ガラス枠開放スイッチ35を内枠70の裏面側に設けることができる。
【0045】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0046】
なお、払出制御装置81は、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0047】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニット(CRユニット)56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0048】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
【0049】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0050】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
【0051】
そして、音声制御装置としての機能部(
図4において音声制御部83aと表記)は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御、つまり、音量の制御や、音声の種類(例えば、報知音の種類等)を制御する。また、ランプ制御装置としての機能部(
図4においてランプ制御部83bと表記)は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
【0052】
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、ジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
【0053】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
【0054】
次に、
図5を用いて、本実施例のパチンコ機50の作動と、基本的仕様について説明する。
【0055】
パチンコ機50は、第1始動口11への入球に起因して第1特別図柄の当否判定(以下、第1当否判定という)が実行され、第2始動口12への入球に起因して第2特別図柄の当否判定(以下、第2当否判定という)が実行される。なお、本実施例において、第1当否判定や第2当否判定は、本発明の「当否の判定(当否判定)」の具体例を構成する。なお、「当否の判定(当否判定)」で大当りとなることは、本発明の「当否の判定で当選」となることを具体例を構成する。
【0056】
そして、第1当否判定が実行されることに基づき、第1特別図柄の変動時間が決定され、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄の変動が開始される。同様に、第2当否判定が実行されることに基づき、第2特別図柄の変動時間が決定され、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄の変動が開始される。
また、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄の変動を開始するか、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄の変動を開始すると、対応して(開始する第1特別図柄の変動若しくは第2特別図柄の変動に対応して)、演出図柄表示装置6において疑似変動(演出図柄の変動、つまり、変動演出)を開始する。
【0057】
また、第1特別図柄の変動を開始するか、第2特別図柄の変動を開始すると、演出図柄表示装置6で変動中図柄の表示を開始する。
第1特別図柄の変動を開始した場合、第1特別図柄の変動時間を経過すると、第1特別図柄表示装置9にて第1特別図柄の確定図柄が表示され、第1当否判定の結果が報知される。同時に、演出図柄表示装置6において、第1特別図柄に対応する演出図柄を確定表示することによっても、特別図柄の当否判定の結果が報知される。
【0058】
同様に、第2特別図柄の変動を開始した場合、第2特別図柄の変動時間を経過すると、第2特別図柄表示装置10にて第2特別図柄の確定図柄が表示され、第2当否判定の結果が報知される。同時に、演出図柄表示装置6において、第2特別図柄に対応する演出図柄を確定表示することによっても、特別図柄の当否判定の結果が報知される。
【0059】
更に、第1特別図柄の変動に対応して開始される変動中図柄の表示は、遅くとも、変動を開始した第1特別図柄の変動時間を経過するまでに終了(変動中図柄が消去され、消滅)する。同様に、第2特別図柄の変動に対応して開始される変動中図柄の表示は、遅くとも、変動を開始した第2特別図柄の変動時間を経過するまでに終了(変動中図柄が消去され、消滅)する。
【0060】
また、本実施例のパチンコ機50は、所謂「確変機」であり、高確率状態における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率は、通常確率状態(大当り判定確率が通常確率)における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率の約10倍となっている。つまり、通常確率状態での大当り判定確率が「1/300」、高確率状態での大当り判定確率が「1/30」とされている。
【0061】
更に、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなり、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り図柄で確定表示されると、条件装置が作動することによって役物連続作動装置が作動して大入賞口14が賞球の獲得に有利な所定の態様で開放される大当り遊技が実行される。
【0062】
そして、確定表示された大当り図柄が確変大当り図柄である場合、大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態を、高確遊技状態(高確率状態)で、しかも開放延長状態に設定する。この高確遊技状態(高確率状態)且つ開放延長状態は、次回の大当りを生ずるまで継続する。ここで、確変大当り図柄とは確定表示されると、大当り遊技の終了後、当該パチンコ機50の遊技状態を高確率遊技状態(高確率状態)に設定することになる大当り図柄である。
【0063】
また、確定表示された大当り図柄が通常大当り図柄である場合、大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、通常確率遊技状態(通常確率状態)で、しかも開放延長状態となる。この通常確率状態で、しかも開放延長状態は、大当りを生ずることなく、所定回数(100回)の変動表示を行うと終了する。ここで、通常大当り図柄とは確定表示されると、大当り遊技の終了後、当該パチンコ機50の遊技状態を通常確率遊技状態(通常確率状態)に設定することになる大当り図柄である。
【0064】
ここで、高確率遊技状態(高確率状態若しくは確変遊技状態)とは、第1特別図柄の当否判定及び第2特別図柄の当否判定で大当りと判定される確率(大当り判定確率)を向上させる確率変動機能が作動する状態をいい、通常確率状態とは、確率変動機能が作動していない状態をいう。また、開放延長状態(時短状態)とは、普通電動役物(第2始動口12)の開放時間を延長する(開放延長機能)とともに、特別図柄及び普通図柄の平均変動時間を短くする時短機能が作動される状態をいい、非開放延長状態(非時短状態)とは開放延長機能及び時短機能が作動していない状態をいう。
【0065】
また、本実施例のパチンコ機50では、第1始動口11及び第2始動口12への入球による賞球数は4個、その他入賞口13への入球による賞球数は10個となっている。また、大入賞口14への入球による賞球数は10個となっている。更に、大入賞口14への規定入賞数は10個、普通電動役物(第2始動口12)への規定入賞数は9個(
図5では図示を省略)となっている。
【0066】
普通図柄の当選確率は、非開放延長状態(非時短状態)で「1/6」に設定され、開放延長状態(時短状態)で「5/6」に設定されている。
普通電動役物(第2始動口12)の開放時間は、非開放延長状態(非時短状態)において「0.3秒を1回」であり、開放延長状態(時短状態)において「1秒を2回」である。
普通図柄の変動時間は、非開放延長状態で平均5秒、開放延長状態で平均1秒とされている。
【0067】
次に、
図6(a)及び(b)を用いて、本パチンコ機50が実行する大当り遊技の内容及び大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。
第1当否判定の結果として大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は2種類存在する。
【0068】
一方の大当り遊技が、第1当否判定の結果として確変大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態(高確率状態)で、しかも開放延長状態(時短状態)に移行する。この確変遊技状態(高確率状態)は、当否判定の実行回数が10000回になるか、当否判定の結果が大当りになるまで継続する。
また、他方の大当り遊技が、第1当否判定の結果として通常大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態にしないが、開放延長状態(時短状態)に移行する。この開放延長状態(時短状態)は、大当りを発生するか、当否判定の実行回数が100回になるまで継続する。
【0069】
第1当否判定の結果として確変大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は、所謂「8R大当り遊技」であり、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大30秒の開放又は10カウント)を8回行う。また、第1当否判定の結果として通常大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は、所謂「8R大当り遊技」であり、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大28秒の開放又は10カウント)を8回行う。
そして、第1当否判定の結果が大当りである場合、確定表示される大当り図柄が、確変大当り図柄若しくは通常大当り図柄に50%の比率で振分られる。
【0070】
第2当否判定の結果として大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技も2種類存在する。
一方の大当り遊技が、第2当否判定の結果として確変大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態(高確率状態)でしかも、開放延長状態(時短状態)には移行する。この確変遊技状態(高確率状態)も、当否判定の実行回数が10000回になるか、当否判定の結果が大当りになるまで継続する。
【0071】
また、他方の大当り遊技が、第2当否判定の結果として通常大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行しないが、開放延長状態(時短状態)に移行する。この開放延長状態(時短状態)は、大当りを発生するか、当否判定の実行回数が100回になるまで継続する。
【0072】
第2当否判定の大当りである場合に実行される大当り遊技は、何れも「10R大当り遊技」であり、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大30秒の開放又は10カウント)を10回行う。また、第2当否判定の結果が大当りである場合、確定表示される大当り図柄が、確変大当り図柄若しくは通常大当り図柄に50%の比率で振分けられる。
【0073】
なお、以下の説明において、確変大当り図柄が確定表示されることになる大当りを「確変大当り」、通常大当り図柄が確定表示されることになる大当りを「通常大当り」と称する。
【0074】
本パチンコ機50では、以下のように遊技が進行する。
まず、パチンコ機50の主制御装置80が実行するメインルーチンについて、
図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施例では、S10~S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0075】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0076】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0077】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」~「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0078】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」~「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0079】
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」~「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0080】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」~「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
なお、当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0081】
S35に続くリーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」~「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」~「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」~「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」~「5」である。
【0082】
S40に続く変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」~「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0083】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12への入賞、大入賞口14、一般入賞口13への入賞及び普通図柄作動ゲート17への入球の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
各始動口及び作動口への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)等については、後述する。
【0084】
なお、本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球(4個)が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0085】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
【0086】
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b、等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0087】
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口13に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0088】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10~S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、
図7に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0~3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0089】
次に、
図8を用いて、特別図柄に関する入賞確認処理(以下、特図入賞確認処理という)について説明する。この特図入賞確認処理は、
図7のメインルーチンの入賞確認処理(S50)のサブルーチンの1つである。
特別図柄入賞確認処理が起動すると、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S200)。そして、肯定判断なら(S200:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数、外れ図柄決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1特別図柄に関する保留記憶(以下、第1保留記憶という)が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S202)。また、第1始動口11に遊技球が入球したと判断された場合には(S200:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(4個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
【0090】
第1保留記憶が満杯でなければ(S202:no)、S204に移行し、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶領域に記憶するとともに、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させ、第1保留記憶の数を示すカウンタに「1」を加算し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やす。そして、消化されていない(当否判定の対象となっていない)、第1特別図柄に関する保留記憶(以下、第1保留記憶という)の数を示す保留数コマンド(以下、第1保留数コマンドという)をサブ統合制御装置83に送信し、S206に移行する。
【0091】
S206では、主制御装置80は、新たに発生した第1特別図柄に関する保留記憶(第1保留記憶)についての先読み判定処理を実行し、S210に処理を移行する。このS206の先読み判定処理については、S216の先読み判定処理とともに、
図9を用いて後述する。
一方、S202で、4個の第1保留記憶が記憶されていると判定する場合(S202:yes)は、保留記憶(第1保留記憶)を記憶せず、第1保留記憶の数を示すカウンタや第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS210へ移行する。
【0092】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S200:no)と、S202で肯定判定される場合(S202:yes)と、S206の実行後は、S210に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。
そして、肯定判断(S210:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数、外れ図柄決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2特別図柄に関する保留記憶(以下、第2保留記憶という)が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S212)。また、第2始動口12に遊技球が入球したと判断された場合には(S210:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(4個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
【0093】
第2保留記憶が満杯でなければ(S212:no)、S214に移行し、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶の数を示すカウンタに「1」を加算し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を増やす。そして、消化されていない(当否判定の対象となっていない)、第2特別図柄に関する保留記憶(以下、第2保留記憶という)の数を示す保留数コマンド(以下、第2保留数コマンドという)をサブ統合制御装置83に送信し、S216に移行する。
【0094】
S216では、主制御装置80は、新たに発生した第2特別図柄に関する保留記憶(第2保留記憶)についての先読み判定処理を実行する。そして、S216を実行すると、本処理を終了(リターン)する。
一方、S212において4個の第2保留記憶があれば(S212:yes)、保留記憶(第2保留記憶)を記憶せず、第2保留記憶の数を示すカウンタや第2特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなく本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S210:no)も、本処理を終了する。
【0095】
次に、
図9を用いて、新たに発生した保留記憶(抽出乱数)に対応する大当り決定用乱数等の値について、事前判定(当該新たに発生した保留記憶の当否判定に先立つ事前判定)を行う処理、つまり、先読み判定処理(S206、S216)について説明する。なお、本処理は、特別図柄入賞確認処理からコールされる。
【0096】
先読み判定処理が起動すると、主制御装置80は、S220で新たに発生した保留記憶(S206では第1保留記憶、S216では第2保留記憶)に係る大当り決定用乱数が特定値(大当りとなる大当り値)であるか否かを判定する。そして、肯定判定されると(S220;yes)、S222の処理に移行し、否定判定されると(S220;no)、S224の処理に移行する。
【0097】
ここで、S222において、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶(第1保留記憶、第2保留記憶)に係る大当り決定用乱数が、特定値(大当りとなる大当り値)であることを示す先読みコマンド1を生成し、サブ統合制御装置83に送信し、本処理をリターンする。
【0098】
主制御装置80は、S220の否定判定を経て移行するS224において、新たに発生した保留記憶(第1保留記憶、第2保留記憶)に係るリーチ判定用乱数が、所定値(演出表示でリーチ外れ演出を実行することとなる値)であるか否かを判定する。そして、肯定判定されると(S224;yes)、S226の処理に移行し、否定判定されると(S224;no)、S228の処理に移行する。
【0099】
ここで、S226において、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶(第1保留記憶、第2保留記憶)が所定値(リーチを行う旨の値)であることを示す先読みコマンド2を生成し、サブ統合制御装置83に送信し、本処理をリターンする。
【0100】
S228の処理に移行すると、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶(第1保留記憶、第2保留記憶)に係る大当り決定用乱数が上記特定値(大当りとなる大当り値)でなく、しかも、上記所定値(リーチを行う旨の値)でないことを示す先読みコマンド3を生成し、サブ統合制御装置83に送信し、本処理をリターンする。なお、主制御装置80は、先読みコマンド1~3を出力する前に、出力するか否かを決定し(例えば、乱数抽選で決定し)、出力すると決定される場合に限り、先読みコマンド1~3を出力することとしてもよい。
【0101】
なお、本実施例では、先読判定コマンドと保留数指示コマンドとを個別のコマンドとしてサブ統合制御装置83に送信しているが、この二つのコマンド内容を一つのコマンドに生成してサブ統合制御装置83に送信する構成も考えられる。
また、サブ統合制御装置83は第1保留数コマンド、若しくは、第2保留数コマンド(第2保留記憶数指示コマンド)を受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。
【0102】
次に、
図10~13を用いて、特別図柄に関する当否判定処理(特図当否判定処理)について説明する。この特図当否判定処理は、
図8に示すメインルーチンの当否判定処理(S55)のサブルーチンの1つである。
特別図柄当否判定処理を起動すると、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S320)。特別電動役物が作動中である場合には(S320:yes)、大当り遊技処理へ移行する。また、S320の判定が否定判定であり(S320:no)、特別図柄が変動中でなく(S322:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S324:no)、
図11のS330に移行し、第2保留記憶(上記、
図8のS214による保留記憶)があるか否かを判定する(S330)。
【0103】
この保留記憶があれば(S330:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S332)、S338に進む。
一方、第2保留記憶がなければ(S330:no)、第1保留記憶(上記、
図8のS204による保留記憶)があるか否かを判断する(S334)。そして、第1保留記憶があれば(S334:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S336)、S338に進む。
【0104】
また、第1保留記憶がなければ(S334:no)、待機コマンドをサブ統合制御装置83に送信した後(S337)、大当り遊技処理へ移行する。この待機コマンドは、特別図柄が変動しておらずパチンコ機50が「待機状態(所謂「客待ちの状態)」であることを示すコマンドである。
また、本パチンコ機50では、このように、第1保留記憶及び第2保留記憶が何れも「ゼロ」でない場合には、第2保留記憶を優先的に処理する。
【0105】
S338では確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率状態であることを意味する。
S338の処理で肯定判断であれば(S338:yes)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S340)。
【0106】
一方、S338の処理で否定判断であれば(S338:no)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S344)。
そして、S340またはS344の判定に基づき、大当りか否かを判定する(S350)。
【0107】
S350で大当りと判定される場合には(S350:yes)、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する(S352)。
ここで、主制御装置80が、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第1当否判定」に相当する。また、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第2当否判定」に相当する。
【0108】
そして、「第1当否判定」の結果が大当りである場合には、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する。この場合、
図6(a)に示すように、大当り図柄が通常大当り図柄(図柄B)及び確変大当り図柄(図柄A)のうちの何れかに、各々50%の割合で決定される。
また、「第2当否判定」の結果が大当りである場合には、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する。この場合、
図6(b)に示すように、大当り図柄が通常大当り図柄(図柄D)及び確変大当り図柄(図柄C)のうちの何れかに、各々50%の割合で決定される。
【0109】
そして、S352の処理で大当り図柄を決定すると、変動パターン決定処理(S354)に移行する。
この変動パターン決定処理(S354)では、変動パターン決定用乱数によって大当り変動パターンを決定する。ここで、変動パターンによって、大当り図柄を停止表示されるまでの変動時間(特別図柄の変動時間)が特定されるが、当否判定の結果が大当りの場合に実行される変動(以下、大当り変動という)に対応する演出表示(演出図柄の変動表示)では、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ表示後演出)を行う。このため、パチンコ機50の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)が何れであっても、長目(当否判定の結果が外れとなる場合に比べて長目)の変動時間が決定される可能性が高くなっている。
【0110】
そして、変動パターン決定処理後、大当り設定処理を行った後(S356)、S364の処理に移行する。
ここで、大当り設定処理とは決定した大当り図柄(
図6(a)(b)を参照)によって、大当り遊技実行後の遊技状態(高確率状態となるか、時短状態となるか等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
【0111】
S350において外れと判定された場合は(S350:no)、外れ図柄を決定する(S358)。そして、外れ図柄を決定すると、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S360)。こうして、変動パターンが設定されると、外れ設定処理を行った後(S362)、S364の処理に移行する。
【0112】
ここで、S360では、リーチ判定用乱数がリーチを発生させる値と判定される場合には、その時点の遊技状態を考慮した変動パターンテーブルと、変動パターン決定用乱数とを用いて変動パターンを決定する。ここで、当否判定の結果が外れである場合、演出図柄の変動表示においてリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ表示後演出)を行う場合を「リーチ外れ」と称し、リーチを行わない場合を「単純外れ」と称することとする。
図12(a)に示すように、当否判定の結果が外れであり、リーチを行わない場合(単純外れの場合)であって、遊技状態が非開放延長状態である場合、「単純外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が開放延長状態である場合、「単純外れ且つ開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。
【0113】
当否判定の結果が外れであり、リーチを行う場合(リーチ外れの場合)であって、遊技状態が非開放延長状態である場合、「リーチ外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が開放延長状態である場合、「リーチ外れ且つ開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。この場合も、当否判定の結果が大当りである場合と同様に、開放延長用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間は、非開放延長用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間よりも短か目とされる。
【0114】
一般に単純外れ時において「単純外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して決定する変動パターンは、リーチ外れ時において「リーチ外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して決定する変動パターンに比べて短い変動時間を特定する。
【0115】
S356又はS362に続いては、S364に移行する。このS364では、上述したS332若しくはS336でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合装置83に送信する。
そして、S364に続くS366では、上述の抽選結果(第1当否判定若しくは第2当否判定)を示すデータをサブ統合制御装置83に出力し(S366)、大当り遊技処理へ移行する。
【0116】
ここで、このS366でサブ統合制御装置83に送信されるデータは、「当否判定の結果を示すデータ(大当りか、外れを示すデータ)」と、「当否判定の結果が大当りの場合、大当りの種類を示すデータ(発生する大当りが、通常大当りであることを示すデータ、若しくは、確変大当りであることを示すデータ)」と、「当否判定の結果が外れの場合、当該外れがリーチ外れか、単純外れかを示すデータ」と、「変動時間を指定する変動パターンのデータ(変動パターンコマンド)」と、が含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)である。
また、S366の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0117】
図10のS322において特別図柄が変動中(S322:yes)と判定された場合には、
図12(b)のS370に移行し、図柄変動時間(S354、又はS360の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。そして、否定判定の場合には(S370:no)、そのまま大当り遊技処理に移行する。一方、肯定判定の場合には(S370:yes)、確定図柄表示処理(S372)を行なってから大当り遊技処理を行う。なお、確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0118】
図10のS324において確定図柄を表示中と判定された場合には(S324:yes)、
図13のS374に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S374:no)は大当り遊技処理を行う。
これに対し、S374において肯定判定(S374:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S376)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S378)。
【0119】
S378で大当りになる図柄であると判定された場合(S378:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S380)。確変フラグが1であれば(S380:yes)、S382にて確変フラグを0にし、S384に移行する。一方、確変フラグが1でなければ(S380:no)、そのままS384に移行する。
そして、S384では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S384:yes)、S386にて時短フラグを0にし、S390に移行する。一方、時短フラグが1でなければ(S384:no)、そのままS390に移行する。
【0120】
このS390では、状態指定コマンドを送信する。この場合、遊技状態が「通常確率・非開放延長状態」、つまり、通常遊技状態であることを示すコマンド(高確率・開放延長状態が終了することを示すコマンド)が、サブ統合制御装置83に送信される。これにより、大当り遊技を実行中には、遊技状態が通常確率・非開放延長状態(通常遊技状態)となる。
そして、S376で確定表示される大当り図柄が確変大当りであると、当該確変大当りに基づいて実行される大当り遊技を実行した後、遊技状態が通常確率・非開放延長状態から高確率・開放延長状態に移行する。
【0121】
S390に続いて、S392では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットし、続くS394にて役物連続作動装置を作動させる。
S394を行うと、続くS396において大当り遊技開始処理を行う。大当り遊技開始処理では、大当り遊技を開始するコマンド(以下、大当り開始コマンドという)及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り遊技開始処理が終了すると、大当り遊技処理を行う。
【0122】
S378で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は(S378:no)、S400で確変フラグが「1」か否かを判定する。
そして、「1」であれば(S400:yes)、確変回数が「0」か否かを判定する(S404)。
確変回数が「0」であれば(S404:yes)、S406にて確変フラグを「0」にしてS410に進む。一方、確変フラグが「1」でないとき(S400:no)又は確変回数が「0」ではないとき(S404:no)はそのままS410に移行する。
【0123】
このS410では、時短フラグが「1」か否かを判定し、「1」であれば(S410:yes)、時短回数が「0」か否かを判定する(S412)。そして、時短回数が「0」であれば(S412:yes)、S414にて時短フラグを「0」にし、S416に進む。
また、時短フラグが「1」でないとき(S410:no)又は時短回数が「0」ではないとき(S412:no)はそのままS416に移行する。
【0124】
S416では、主制御装置80が現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、大当り遊技処理へ移行する。
なお、本実施例の場合、特別図柄当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
【0125】
S406で確変フラグが解除され、S414で時短フラグが解除される場合には、S416において、遊技状態が高確率・開放延長状態(有利遊技状態)から通常確率・非開放延長状態(通常遊技状態)に移行したことを示すコマンド(以下、確変終了コマンドという)が送信される。
【0126】
次に
図14から
図16を用いて、大当り遊技処理について説明する。
まず、
図14に示すように、大当り遊技処理において、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中で(S500:yes)、大入賞口14が開放中であるか否かを判定し(S502)、大入賞口14が閉鎖中であると判定された場合には(S502:no)、ラウンド遊技間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているか否かを判断する(S506)。
【0127】
ラウンド遊技間のインターバル中でもない場合は(S506:no)、大当り終了演出中であるか判定する(S508)。これも否定判定の場合は(S508:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S510)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S510:yes)、大入賞口開放処理(S512)を行なって、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
なお、S500において、役物連続作動装置が作動していない場合には(S500:no)、大当り遊技処理を終了する。また、S510において、大当り開始演出時間を経過していない場合も(S510:no)、大当り遊技処理を終了する。
【0128】
大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S502:yes)、
図15のS514に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では大入賞口14への規定入賞数は10個だが、8個、9個でもよく、特に限定するものではない。
大入賞口14に10個入賞していない場合(S514:no)には、S516に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。開放時間が終了した場合(S516:yes)には、S518に移行する。また、大入賞口14の開放時間が終了していない場合には(S516:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。
S514において、大入賞口14に遊技球が10個入賞した場合には(S514:yes)、大入賞口閉鎖処理(S518)を行い、大当りインターバル処理(S520)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0129】
図14に戻る。
図14のS506でインターバル中であると判定された場合は(S506:yes)、
図15のS522に進み、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過したか否かを判定する。ラウンド遊技間のインターバル時間が経過している場合(S522:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S524)。また、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過していない場合には(S522:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。S524において、最終ラウンドであれば(S524:yes)、大当り終了演出処理(S526)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0130】
S524において、最終ラウンドでなければ(S524:no)、大入賞口14を開放する処理(S528)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0131】
図14に戻る。
図14のS508で大当りの終了演出中であると判定された場合は(S508:yes)、
図16のS530に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。そして、大当り終了演出時間が経過していない場合には(S530:no)、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
一方、大当り終了演出時間が経過した場合には(S530:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S532)、条件装置の作動を停止する(S534)。
【0132】
そして、S536において、主制御装置80は、次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する。肯定判定の場合には(S536:yes)、確変回数を設定し(S538)、確変フラグを1に設定する(S540)。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。なお、確変回数は10000回に設定される。
【0133】
S536で否定判定されるか(S536:no)、S540を実行すると、S544に移行し、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。
本実施例では、S544で一律に肯定判定され、続いて、時短回数を設定する処理(S546)と、時短フラグを1に設定する(S548)とを行った後、S554に移行する。また、時短フラグを1にする場合には、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能をセットする。
ここで、終了した大当り遊技が確変大当り図柄の確定表示に基づいたものである場合には、S546において時短回数は10000回に設定され、通常大当り図柄の確定表示に基づいたものである場合には、S546において時短回数は100回に設定される。
S554において、主制御装置80は、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行ない、続くS556において、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。そして、大当り遊技処理をリターンする。
【0134】
次に、
図17~
図25を用いて本実施例のパチンコ機50で実行される演出制御の概要を説明する。
本実施例のパチンコ機50においてサブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信される各コマンドに基づいて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面6aで行う表示演出を行ったり、スピーカ66から発生される効果音を制御したり、電飾用のLED・ランプ26の発光態様を制御する。
【0135】
本実施例のパチンコ機50では、サブ統合制御装置83が主制御装置80から送信される先読み判定コマンドを、受信することに基づいて、以下に示すように、先読み予告演出(保留予告演出)を実行する。
図17に示すように、演出図柄表示装置6の画面6aには、特別図柄に関する当否判定の結果を表示するための数字図柄表示領域6Hの他に、第1保留図柄表示領域6Dと、第2保留図柄表示領域6Eと、変動中図柄表示領域6Gと、関連事項表示領域6Fと、が出現可能とされている。
【0136】
また、数字図柄(演出図柄を構成する数字図柄)を表示するための数字図柄表示領域6Hは、演出図柄表示装置6の画面6aの略中央左寄り、画面6aの隅等の所定の位置に出現する。そして、「演出図柄を構成する数字図柄」を変動させる演出を実行する。また、関連事項表示領域6Fは、その範囲、位置を適宜、変更しつつキャラクタ6fを出現させる。なお、疑似演出(以下、変動演出ともいう)は、演出図柄で構成される数字図柄の変動や、キャラクタ6fの出現、キャラクタ6fの動作演出等によって構成される。また、数字図柄表示領域6Hの出現範囲やサイズは、関連事項表示領域6Fの出現範囲、出現位置の変更(関連事項表示領域6Fの拡大等)に伴い、変更されることがある。また、数字図柄表示領域6Hは透けた状態で表示され、その背後に関連事項表示領域6Fが出現することもある。
【0137】
この数字図柄表示領域6Hでは、「消化される保留記憶に係わる変動パターン決定用乱数に対応する変動パターン」によって特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、当否判定の結果を示す組み合わせで停止する。
以下の説明において、保留記憶が消化されるとは、当該保留記憶に関し、特別図柄に関する当否判定を行うことを指し、当該保留記憶が消化されることに基づいて、特別図柄の変動表示と、これに対応する変動演出(疑似演出)が開始される。
【0138】
関連事項表示領域6Fには、例えば、キャラクタ6fのみならず、動画、実写画像等を用いて、変動演出(数字図柄で構成する演出図柄の変動)や、停止表示を盛り上げるための関連演出を実行したり、遊技者に発するコメント、警告等を表示したりする。
なお、本実施例では、演出図柄(数字図柄)の変動を数字図柄表示領域6Hにおいて、横方向に並ぶ3桁の構成図柄の変動で実行し、構成図柄を縦方向にスクロールする態様を例示するが、構成図柄の数は特に問わないし、スクロール方向は特に問わず、例えば、3桁の構成図柄を横方向にスクロールさせてもよい。また、以下の説明では数字図柄表示領域6Hで、左側に表示される構成図柄を左演出図柄6L、右側に表示される構成図柄を右演出図柄6R、中央に表示される構成図柄を中演出図柄6Cと称する。
【0139】
変動中図柄表示領域6Gは、演出図柄表示装置6の画面6aの下方側(変動表示領域6Hの下方)の略中央に出現し、第1保留図柄表示領域6Dは画面6aの下方側において変動中図柄表示領域6Gの左側に出現し、第2保留図柄表示領域6Eは画面6aの下方側において変動中図柄表示領域6Gの右側に出現する。
第1保留図柄表示領域6Dは、遊技球が第1始動口11に入球することに基づき取得した保留記憶(第1保留記憶)に対応する保留図柄(以下、第1保留図柄という)6dを、4個を限度に表示可能な領域である。そして、この第1保留図柄表示領域6Dは、未消化(当否判定を実行する前)の保留記憶に対応する表示であり、その表示個数によって未消化の第1保留記憶の個数(以下、第1保留数という)を表示する。
【0140】
また、第2保留図柄表示領域6Eは、遊技球が第2始動口12に入球することに基づき取得した保留記憶(第2保留記憶)に対応する保留図柄(以下、第2保留図柄という)6eを、4個を限度に表示可能な領域である。そして、この第2保留図柄表示領域6Eは、未消化(当否判定を実行する前)の保留記憶に対応する表示であり、その表示個数によって未消化の第2保留記憶の個数(以下、第2保留数という)を表示する。
【0141】
第1保留図柄表示領域6Dにおいては、第1保留記憶に対応する保留図柄6dの表示位置として、第1表示位置d1、第2表示位置d2、第3表示位置d3、第4表示位置d4が、この並び順で右方向から左方向に向かって想定されている。
また、第2保留図柄表示領域6Eにおいては、第2保留記憶に対応する保留図柄6eの表示位置として、第1表示位置e1、第2表示位置e2、第3表示位置e3、第4表示位置e4が、この並び順で左方向から右方向に向かって想定されている。
【0142】
ここで、本実施例では、第1保留記憶に対応する保留図柄6dを丸い外形を備える図柄で構成し、第2保留記憶に対応する保留図柄6eを矩形の外形を備える図柄で構成することで、両保留図柄6d、6eを一見して識別可能としている。
なお、
図17において、第1保留図柄表示領域6Dには対応する保留図柄6dが3個の保留図柄6dが表示され、第2保留図柄表示領域6Eには対応する保留図柄(保留図柄6e)が表示されていない状態を示している。
【0143】
何れの保留図柄表示領域6D、6Eにおいても、遊技球が始動口11,12に入球することに基づいて、保留図柄6d、6eがより上位の空き位置から順次、追加表示可能とされている。ここで、より上位の位置とは、より第1表示位置d1、e1に近い位置であり、空き位置とは保留図柄6d、6eが未表示の表示位置である(
図17の第4表示位置d4、第1表示位置e1~第4表示位置e4のように実線の保留図柄6d、6eが図示されていない表示位置を参照)。
【0144】
そして、何れの保留図柄表示領域6D、6Eにおいても、第1表示位置d1、e1が消化直前の保留記憶に対応する保留図柄6d、6eを表示するための最上位の表示位置であり、第2表示位置d2、e2、第3表示位置d3、e3、第4表示位置d4、e4の順に消化順位がより遅くなる表示位置とされている。なお、消化順がより遅くなる表示位置を「下位の表示位置」と称することとする。
【0145】
また、保留図柄6d、6eは対応する保留記憶が処理されることに伴い、保留図柄表示領域6D、6Eから消去されるが、当該消去されるよりも前に当該保留図柄表示領域6D、6Eに表示された保留図柄6d、6e(以下、後続する保留図柄6d、6eという)が存在していた場合には、当該保留図柄6d、6eが消去されることに伴い後続する保留記憶に対応する保留図柄6d、6eが、より上位の表示位置にシフトして表示される。
【0146】
例えば、
図18(a)に示すように、第1保留図柄表示領域6Dの3個の表示位置(第1表示位置d1~第3表示位置d3)にそれぞれ第1保留図柄6d(符号a1~a3で示す第1保留図柄6d)が表示されていた場合には、第1表示位置の第1保留図柄6d(符号a1で示す第1保留図柄6d)が消去されることに伴い、
図18(b)に示すように、より下位の第2表示位置d2~第3表示位置d3の第1保留図柄6d(a2及びa3で示す第1保留図柄6d)が、1つ上位の第1表示位置d1~第2表示位置d2にシフトして表示される。
【0147】
また、
図18(a)に示すように「第1表示位置d1、e1に表示されていた保留図柄6d、6e(符号a1で示す保留図柄)に対応する保留記憶」が消化されると、
図18(b)に示すように、当該保留図柄6d、6e(符号a1で示す保留図柄)は保留図柄表示領域6D、6Eから消去されるとともに、消去される保留図柄6d、6eと略同一形状の変動中図柄7d、7e(符号a1で示す変動中図柄が変動中図柄表示領域6Gに表示される。
【0148】
このように、所定の保留記憶が処理されると、「対応する保留図柄の消去と変動中図柄の表示開始」を行うのであるが、本発明においては、この「保留図柄の消去と変動中図柄の表示開始」を演出的に行ってもよい。例えば、
図18(b)に示すように、第1表示位置d1、e1に表示されていた保留図柄6d、6e(符号a1で示す保留図柄)が消去されると、当該消去された保留図柄6d、6eが所定の移動経路6g(
図18(b)を参照)を通り、変動中図柄表示領域6Gに変位(シフト)し、「当該消去された保留図柄6d、6eに関連する変動中図柄7d、7e」として表示される。つまり、「保留図柄の消去と変動中図柄の表示開始」を、あたかも、「第1表示位置d1、e1の保留図柄が変動中図柄表示領域6Gに変位(シフト)するように見せる演出」によって行うこともできる。なお、かかる演出(変位(シフト)する演出)を行っても、「保留図柄の消去と変動中図柄の表示開始を行うこと」に他ならない。
【0149】
そして、この変動中図柄表示領域6Gに移動した変動中図柄7d、7eは、
図18(c)に示すように、当該変動演出(当該疑似演出)の途中に(遅くとも当該変動演出を停止するよりも前に)、消去される(消滅し、非表示となる)。そして、変動中図柄7eが消去された後、当該変動演出(当該疑似演出)の実行時間(特別図柄の変動時間)を終了すると、
図18(d)に示すように、当該変動演出(当該疑似演出)を停止する。
なお、変動中図柄7eが消去される前において、
図18(e)に示すように、変動中図柄表示領域6Gで表示された変動中図柄7eは、その表示形態を変化させる場合と、変化させない場合がある。
【0150】
ここで、
図18(b)に示すように、保留図柄表示領域6D、6Eから保留図柄6d、6eが消去されることに基づいて表示される変動中図柄7d、7eの外形は、当該消去される保留図柄6d、6eと等しくされている。
なお、
図17は、第1特別図柄が変動表示を実行中であるため、変動中図柄表示領域6Gに第1保留図柄6dと同様な外形を呈する変動中図柄7d(略円形の変動中図柄7d)を表示中であることを示している。このため、第2特別図柄が変動表示を実行中である場合には、変動中図柄表示領域6Gに第2保留図柄6eと同様な外形を呈する変動中図柄7e(略矩形の変動中図柄7e)が表示されることになる。
【0151】
また、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示が実行されていない場合には、変動中図柄表示領域6Gに変動中図柄7d、7eが表示さないため、遊技者は、その時点において、特別図柄の変動を行われていないことを一見して理解することができる。
【0152】
また、本実施例では、例えば、
図19に示すように、「対象となる保留記憶が処理されて開始される疑似演出(つまり、当該変動演出(当該疑似演出)」のうち、「所定の疑似演出」とされるもの(以下、当該所定の疑似演出という)において、所定の変動中図柄7d、7eが消去されるタイミングの先後に応じて、示唆する期待度(当該変動演出によって大当りの発生が報知される期待度)が異なっている。
【0153】
つまり、本実施例では、
図19(a)、(b)及び(c-1)に示すように、当該「所定の疑似演出」を開始した後、T1時間(例えば、14秒)で変動中図柄7d、7eが消去されるケース(以下、ケース1という)と、
図19(a)、(b)及び(c-2)に示すように、当該「所定の疑似演出」を開始した後、T1時間よりも長いT2時間(T1時間よりも遅く到来するT2時間(例えば、19秒))に消去されるケース(以下、ケース2という)が存在する。そして、ケース1の方がケース2よりも高い期待度を示唆することとされている。
【0154】
なお、疑似演出(変動演出)が「所定の疑似演出」でない場合には、この「所定以外の疑似演出」を開始した後、一定時間(例えば、T1時間よりも早く到来するT3時間(例えば、12秒))に変動中図柄7d、7eが消去される。
また、本実施例では、
図19(e)に示すように、「所定の疑似演出」として、疑似演出A(後述する)と疑似演出Eを備え、「所定の疑似演出以外の疑似演出」として、疑似演出B~D、Fを備えている。
【0155】
ところで、本実施例のパチンコ機50において、保留図柄6d、6eが保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示される際に(保留図柄6d、6eに対応する保留記憶を取得した際に)、サブ統合制御装置83は保留変化演出実行抽選を行う。
そして、保留変化演出実行抽選の結果が落選であると、保留図柄6d、6eと、変動中図柄7d、7eは、保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示されてから、変動中図柄表示領域6Gで変動中図柄7d、7eが消去されるまで、終始、同一の表示形態を維持する。
【0156】
これに対し、保留変化演出実行抽選の結果が当選であると、保留図柄6d、6eと、変動中図柄7d、7eは、保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示されてから、変動中図柄表示領域6Gで変動中図柄7d、7eが消去されるまで、適宜表示形態を変化させる。
【0157】
次に、
図20(a)用いて、保留図柄6d、6e及び変動中図柄7d、7eの表示形態について説明する。ここで、以下の説明において、保留図柄と、これに対応する変動中図柄を保留関係図柄と称することがある。
本実施例では、保留関係図柄(保留図柄6d、6e、変動中図柄7d、7e)として、第1表示形態に係る保留関係図柄(以下、保留関係図柄Aという)と、第2表示形態に係る保留関係図柄(以下、保留関係図柄Bという)と、第3表示形態に係る保留関係図柄(以下、保留関係図柄Cという)を備える。
【0158】
そして、本実施例の保留関係図柄(保留図柄6d、6e、変動中図柄7d、7e)の表示形態は、保留関係図柄Aから保留関係図柄B、保留関係図柄Bから保留関係図柄Cに、それぞれ変化可能となっている。
ここで、保留関係図柄Aは、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなる期待度(以下、単に「期待度」という)を示唆しない(不明である)図柄である。この保留関係図柄Aは、始動入賞時に保留図柄が保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示される際に常に表示される標準表示形態(デフォルトの標準表示形態)である。つまり、保留関係図柄Aは、前述の「保留変化演出実行抽選」の当落に関わらず、一律に1次表示形態(最初の表示形態)として表示される表示形態である。
【0159】
この保留関係図柄Aの表示形態は、第1保留記憶に対応するものが「内部を青色で着色した丸枠」を用いて構成され、第2保留記憶に対応するものが「内部を青色で着色した矩形枠」を用いて構成される。なお、本実施例では、保留関係図柄Aとして、保留図柄Aと変動中図柄Aを備え、図示の都合上、青色で着色したことを漢字の「青」で示している。また、期待度とは、保留関係図柄に対応する保留記憶に関し、当否判定の結果が大当り(当選)であることが報知される確率の高さ(大当り期待度)を意味する。
【0160】
また、保留関係図柄B及び保留関係図柄Cは、前述の「変化演出実行抽選」で当選となる場合に限り、2次以降の表示形態として表示される表示形態である。そして、保留関係図柄B及び保留関係図柄Cは、先読み判定(事前判定)の結果を反映した表示形態である。
【0161】
保留関係図柄Bは、保留関係図柄Aよりも高く、保留関係図柄Cよりも低い期待度(保留関係図柄A~保留関係図柄Cにおいて中位の期待度)を示唆する表示形態であり、第1保留記憶に対応するものが「内部を黄色で着色した丸枠」を用いて構成され、第2保留記憶に対応するものが「内部を黄色で着色した矩形枠」を用いて構成される。なお、図中の保留関係図柄Bとして、保留図柄Bと変動中図柄Bを示し、図示の都合上、黄色に着色したことを漢字の「黄」で示している。
【0162】
更に、保留関係図柄Cは、保留関係図柄A~保留関係図柄Cのうち、最高の期待度を示唆する保留関係図柄であり、第1保留記憶に対応するものが「内部を赤色に着色した丸枠」を用いて構成され、第2保留記憶に対応するものが「内部を赤色に着色した矩形枠」を用いて構成される。なお、図中の保留関係図柄Cとして、保留図柄Cと変動中図柄Cとを備え、図示の都合上、赤色に着色したことを漢字の「赤」で示している。
ここで、本実施例では、保留関係図柄Cを当否判定の結果が大当りとなる可能性が非常に高いことを示唆する図柄(所謂「ゲキ熱図柄」という)であるが、保留関係図柄Cを当否判定の結果が大当りとことが確定していることを示唆する図柄(所謂「大当り確定図柄」という)としてもよい。或いは、保留関係図柄Cとは別に「大当り確定図柄(例えば、「内部をレインボーカラーで着色した丸枠」若しくは「内部をレインボーカラーで着色した矩形枠」で構成される保留関係図柄D)を備えてもよい。
【0163】
なお、本実施例では、始動入賞時(始動口11,12への入賞時)に保留図柄が保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示される際に、保留図柄関係図柄の1次表示形態として保留図柄関係図柄A(保留図柄A)が、一律に追加表示される態様を例示した。但し、前述の「保留変化演出実行抽選」で当選となる場合には、1次表示形態として先読み判定(事前判定)の結果を反映した保留図柄B若しくは保留図柄Cが追加表示されるケースを備えてもよい。
【0164】
ここで、以下においては、第1保留口11や第2保留口13に入球することに基づいて取得される保留記憶に対応する保留図柄関係図柄が、保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示され、最後に変動中図柄表示領域6Gで変動中図柄として表示され、消去されされるまでの一連の過程を説明するため、便宜上、「所定の一の保留記憶(以下、対象保留記憶という)」に着目して説明を行う。但し、この対象保留記憶とは何ら特別な保留記憶ではなく、遊技球が第1保留口11や第2保留口13に入球することに基づき、順次、取得される保留記憶に過ぎない。
【0165】
次に、
図20(b)を用いて、保留関係図柄の表示変化態様について説明する。
パターン1は、始動入賞時に保留図柄が保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示される際に保留図柄Aが表示され、その表示形態を変化させずに、変動中図柄表示領域6Gにおいて、保留図柄Aと略同一の外観の変動中図柄Aとして表示され、消去されるパターンである。
【0166】
パターン11は、始動入賞時に保留図柄が保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示される際に保留図柄Aが表示され、その後、保留図柄Aが保留図柄Bに表示形態を変化させた後、当該保留に関わる当該変動演出を開始する際に保留図柄Bが消去され、消去された保留図柄Bに関連する変動中図柄Bを変動中図柄表示領域6Gにおいて表示する。そして、当該変動を終了する前に変動中図柄Bが消去されるパターンである。
【0167】
そして、パターン12~15に示すように、始動入賞時に保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示された保留図柄Aは、保留図柄表示領域6D、6Eにおいて、他の保留図柄(B若しくはC)に変化したり、変動中図柄表示領域6Gにおいて、他の変動中図柄(B若しくはC)に変化したりすることがある。
【0168】
また、サブ統合制御装置83は、保留図柄6d、6eが保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示された際に保留変化演出を実行するか否かの抽選(前述の保留変化演出実行抽選)を実行する。そして、サブ統合制御装置83は、保留変化演出実行抽選の結果が当選であると、受信した先読みコマンド1~3(
図9を参照)と、保留図柄6d、6eが保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示された際に設定したシナリオに従い、保留関係図柄(保留図柄6d、6eや変動中図柄7d、7e)の表示形態を段階的に変化可能としている。
【0169】
つまり、サブ統合制御装置83は、変化演出実行抽選の結果が当選であると、保留関係図柄をシナリオ(後述する
図21、22等を参照)に従い、最終的な表示形態(変動中図柄として消滅する直前の表示形態を指し、以下、最終表示形態という)となるまで、保留関係図柄の表示形態を段階的に変化させる。これにより、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなる期待度を段階的に報知する演出(以下、期待度変化演出ともいう)を実行することとしている。
【0170】
一方、サブ統合制御装置83は、保留変化演出実行抽選の結果が落選であると、保留図柄6d、6eが保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示される際に、最終表示形態に関わる保留関係図柄A(保留図柄A)を表示することとし、保留関係図柄の表示形態を変化させる演出(つまり、前述の変化演出)を実行することはない。この場合、変動中図柄が消滅するまで、最終表示形態に関わる保留関係図柄A(保留図柄A)の表示形態を維持することになる。
【0171】
ここで、シナリオとは、保留変化演出を行う場合に、保留関係図柄の1次表示形態として保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示された保留図柄Aが、変動中図柄表示領域6Gにおいて変動中図柄として消滅するまでの間において、保留関係図柄の表示形態が変化する変化過程を定めるシナリオである。
本実施例では、特別図柄の種類(第1特別図柄と第2特別図柄)と、先読みコマンドの種別(先読みコマンド1~3の何れか)と、保留図柄Aが保留図柄表示領域6D、6Eに追加表示される際の保留数と、最終表示形態等に対応して、複数のシナリオを備える。
【0172】
次に、
図21及び
図22を用いて、サブ統合制御装置83の記憶手段(保留関係図柄表示用バッファ)に格納されたシナリオについて簡単に説明する。
図21及び
図22は、サブ統合制御装置83が保留変化演出最終表示形態(期待度変化演出)を実行する際に参照するシナリオ選択テーブルの一部を示している。
ここで、当該シナリオは、(1)当該シナリオを決定する際に受信した先読みコマンドの種類、(2)当該シナリオを決定する際に対象となる保留数、(3)当該シナリオ選択テーブルを参照する際に決定されている最終表示形態(保留関係図柄の最終表示形態)に基づいて定められている。
【0173】
図21(a)は、受信した先読みコマンドが先読みコマンド1で、対象保留記憶を取得した際(第1始動口11若しくは第2始動口12に遊技球が入賞し、保留記憶を記憶した際)の保留数が3で、且つ、「保留関係図柄B若しくはC」が保留関係図柄の最終表示形態となる場合に選択されるシナリオ選択テーブルである。
このシナリオ選択テーブルには、複数のシナリオ(シナリオSA11~14)が設けられている。以下、シナリオSA11~14の内容を簡単に説明する。
シナリオSA11が選択されると、始動口11,12の遊技球が入球したとき(以下、始動入賞時という)には、「対応する保留図柄表示領域6D、6Eの対応する表示位置」に保留図柄Aが追加表示される。
【0174】
ここで、以下の説明において、対象保留記憶に対応する保留図柄として追加表示される保留図柄を一次保留図柄と称する。そして、本実施例では、保留図柄Aが一律に「一次保留図柄」とされる。
なお、保留数が「3」の場合において「対応する表示位置」は、第1始動口11に遊技球が入球した場合(以下、第1始動入賞という)、第1保留図柄表示領域6Dの第4表示位置d4を指し、第2始動口12に遊技球が入球した場合(以下、第2始動入賞という)、第2保留図柄表示領域6Eの第4表示位置e4を指す。
【0175】
そして、対象保留記憶に先行して記憶されていた保留記憶(以下、先行保留記憶という)であって、未処理のものが処理されることで、1回目のシフトが行われる。ここで、対象保留記憶が第1保留記憶であれば、再先に取得された第1保留記憶が処理されることで、1回目のシフトが行われ、対象保留記憶が第2保留記憶であれば、再先に取得された第2保留記憶が処理されることで、1回目のシフトが行われる。この1回目のシフトが行われると、第4表示位置d4(第4表示位置e4)に表示されていた保留図柄A(対象保留記憶に対応する保留図柄A)は、第3表示位置d3(第3表示位置e3)にシフトして表示される。なお、この1回目のシフトが行われても、対象保留記憶に対応する保留図柄の表示形態は、保留図柄Aの表示形態に維持される。なお、以下の説明において、保留図柄がシフトして表示されるとは、保留図柄がその表示位置を1つ上位の表示位置(例えば、第4表示位置から1つ上位の第3表示位置)に変更して表示されることを指す。
【0176】
続いて、当該1回目のシフトが行われた後、第3表示位置d3(第3表示位置e3)に表示されていた保留図柄A(対象保留記憶に対応する保留図柄A)は、第2表示位置d2(第2表示位置e2)にシフトして表示される。そして、この2回目のシフトが行われても、保留図柄Aの表示形態は保留図柄Aの表示形態に維持される。
【0177】
更に続いて、3回目のシフトが行われると、第2表示位置d2(第2表示位置e2)に表示されていた保留図柄A(対象保留記憶に対応する保留図柄A)は、第1表示位置d1(第2表示位置e1)にシフトして表示される。但し、この3回目のシフトが行われると、保留図柄Aの表示形態は、保留図柄Bの表示形態に変更される。なお、ここに示す「1回目」、「2回目」及び「3回目」のシフトは、1回目のシフトと同一の保留図柄表示領域6E、6Eで行われるものを指す。
【0178】
シナリオSA11では、第1表示位置(d1、e1)に表示されている保留図柄Bに対応する保留記憶(つまり、対象保留記憶)が処理されるタイミングとなると、当該第1表示位置(d1、e1)に表示されている保留図柄Bが消去されるとともに、当該消去された保留図柄Bに対応する変動中図柄Bが変動中図柄表示領域6Gに表示される。
そして、変動中図柄表示領域6Gに表示されている変動中図柄Bは、変動中図柄Cに変化した後、遅くとも、当該変動演出(対象保留記憶を消化して実行される疑似演出)を終了するより前に消去される。
【0179】
なお、詳細な説明を省略するが、シナリオSA12は保留関係図柄の最終表示形態を変動中図柄Bとするシナリオであり、シナリオSA13及びSA14は保留関係図柄の最終表示形態を変動中図柄Cとするシナリオである。また、シナリオSA11及びSA14は変動中図柄が表示された段階で、当該変動中図柄の表示形態を変化させるシナリオであり、シナリオSA12及びSA13は変動中図柄が表示された段階で、当該変動中図柄の表示形態を変化させないシナリオである。なお、
図21や
図22に示す他のシナリオとしても、変動中図柄が表示された段階で、当該変動中図柄の表示形態を変化させるシナリオと、変化させないシナリオを備えている。
そして、
図21や
図22に示す何れのシナリオであっても、表示形態を変化させるタイミングや、その回数等に差異が存在するが、何れのシナリオに従う場合においても、対象保留記憶が処理され、当該変動演出を開始する際に第1表示位置(d1、e1)に表示されていた保留図柄は消去され、当該保留図柄が変動中図柄として変動中図柄表示領域6Gに表示される。
そして、何れのシナリオに従う場合においても、遅くとも、当該疑似演出(当該変動演出)を終了するよりも前に変動中図柄は消去される。
【0180】
なお、詳細な説明を省略するが、対象保留記憶を取得した際の保留数が3以外の場合も、変動中図柄の最終表示形態を変動中図柄B若しくは変動中図柄Cとする期待度変化演出を実行可能である。つまり、受信した先読みコマンドが先読みコマンド1で、且つ、対象保留記憶を取得した際の保留数が2の場合には、
図21(b)に示すシナリオ選択テーブルが参照され、同保留数が1の場合には、
図21(c)に示すシナリオ選択テーブルが参照され、同保留数が「0」の場合には、
図21(d)に示すシナリオ選択テーブルが参照される。
【0181】
図22(a)は、受信した先読みコマンドが、先読みコマンド2で、対象保留記憶を取得した際の保留数が3で、且つ、変動中図柄の最終表示形態が「変動中図柄B若しくはC」となる場合に選択されるシナリオ選択テーブルを示している。また、
図22(b)は、受信した先読みコマンドが先読みコマンド2で、対象保留記憶を取得した際の保留数が2で、且つ、変動中図柄の最終表示形態が「変動中図柄B若しくはC」となる場合に選択されるシナリオ選択テーブルを示している。なお、図示を省略するが、本パチンコ機50は、受信した先読みコマンドが先読みコマンド2で、対象保留記憶を取得した際の保留数が1若しくは0で、且つ、変動中図柄の最終表示形態が「変動中図柄B若しくはC」となる場合に選択されるシナリオ選択テーブルも備えている。
【0182】
ここで、
図22(c)を用いて、各変動中図柄が最終表示形態として選択される確率と当否判定の結果との関係を説明する。
本実施例では当否判定の結果が大当りの場合、保留変化演出が実行される確率は「70%」であるため(後述する
図27(a)を参照)、変動中図柄Aが最終表示形態として選択される確率は「30%」とされている。また、本実施例では当否判定の結果が大当りの場合、変動中図柄Bが最終表示形態として選択される確率は「20%(保留変化演出が実行される場合の約3割)」、変動中図柄Cが最終表示形態として選択される確率は「50%(保留変化演出が実行される場合の約7割)」と、それぞれされている。
【0183】
また、本実施例では当否判定の結果がリーチ外れの場合、保留変化演出が実行される確率は「10%」であるため、変動中図柄Aが最終表示形態として選択される確率は「90%」であるため(後述する
図27(a)を参照)、変動中図柄Aが最終表示形態として選択される確率は「90%」とされている。更に、本実施例では当否判定の結果がリーチ外れである場合、変動中図柄Bが最終表示形態として選択される確率は「8%(保留変化演出が実行される場合の9割)」、変動中図柄Cが最終表示形態として選択される確率は「2%(保留変化演出が実行される場合の1割)」。
更に、本実施例では当否判定の結果が単純外れの場合、保留変化演出が実行される確率は「0%」であるため(後述する
図27(a)を参照)、変動中図柄Aが最終表示形態として選択される確率は「100」%、変動中図柄Bが最終表示形態となる確率と、変動中図柄Cが最終表示形態となる確率は「0%」と、それぞれされている。
【0184】
次に、
図23~25を用いて、本実施例のパチンコ機50で実行される変動演出(疑似演出)の具体例を説明する。
ここで、
図23及び
図24は変動演出(疑似演出)の一具体例を構成する疑似演出Aを示し、
図25は変動演出(疑似演出)の他の具体例を構成する疑似演出B及び疑似演出Cを示している。
【0185】
疑似演出A及び疑似演出Bは、疑似演出(変動演出)の途中にリーチ表示を伴うリーチ演出である。ここで、リーチ演出は、リーチ表示を行う前の数字図柄変動演出と、リーチ表示を行った後、終了するまで実行される「リーチ表示後演出」とを備える。
そして、疑似演出A(リーチ演出A)と、疑似演出B(リーチ演出B)と、疑似演出C(リーチ演出C)は、何れも視覚的に演出内容を識別(特定)可能な疑似演出(リーチ演出)であり、遊技者は、何れの疑似演出(リーチ演出)に対面しても、一目で分類可能(識別可能)である。なお、本実施例では、疑似演出A(リーチ演出A)と、詳細を図示しない疑似演出E(リーチ演出E)が、「所定の疑似演出」の具体例を構成する(
図19(e)を参照)。なお、疑似演出E(リーチ演出E)は、登場するキャラクタが、疑似演出A(リーチ演出A)とは異なっている。
【0186】
先ず、
図23及び
図24を用いて、疑似演出A(リーチ演出A)について説明する。
図23は、当該変動演出(当該疑似演出)として疑似演出A(リーチ演出A)を実行する場合において、「当該変動演出(当該疑似演出)の開始から、対象保留記憶に対応する変動中図柄7a(7b)が消去されるまでの時間」が、T1時間である場合(演出開始後、T1時間となるまでに消去される場合)を示している。一方、
図24は、当該変動演出として疑似演出A(リーチ演出A)を実行する場合において、「当該変動演出(当該疑似演出)の開始から、対象保留記憶に対応する変動中図柄7a(7b)が消去されるまでの時間」が、T1時間よりも長いT2時間である(演出開始後、T2時間となるまでに消去される場合)を示している。但し、
図23に示す場合も、
図24に示すも、変動中図柄7a(7b)の消去直前の表示形態は等しいもの(何れも変動中図柄Bである場合を例示)を例示している。
【0187】
図23(a)は、変化演出の対象となった保留記憶、つまり、対象保留記憶(
図23では、第1保留記憶)が消化され、第1保留図柄表示領域6Dに表示されていた保留図柄Aが消去され、変動中図柄Aが変動中図柄表示領域6Gに表示されるとともに、数字図柄表示領域6Hにおいて左右中の演出図柄が変動を開始した状態を示している。
図23(b)は、リーチ表示の実行タイミングが到来し、リーチ表示を実行する場合を示している。この場合、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rを同一数字で停止表示してリーチ表示を実行する。また、リーチ表示を実行する際に(若しくはリーチ表示を実行する前に)、変動中図柄Aはその表示形態を変化させ、変動中図柄Bになったものとする。
【0188】
そして、
図23(c)に示すように、リーチ表示の後、所定時間を経過すると、空手家を示す味方キャラクタK1と、頑強な岩を示す格闘対象物キャラクタK2が対面するという動作演出を行う。そして、味方キャラクタK1と、格闘対象物キャラクタK2が対面するという動作演出の後、所定時間が経過すると、
図23(d)に示すように、味方キャラクタK1は空を見上げて考え込むという動作演出を開始する。このとき、変動中図柄として表示されていた変動中図柄Bが消去され、消滅する。
この後、
図23(e)に示すように、味方キャラクタK1が格闘対象物キャラクタK2と再び対面し、味方キャラクタK1が格闘対象物キャラクタK2を打ち壊す演出(動作演出)を行う。
【0189】
この疑似演出A(リーチ演出A)の実行時間が比較的、短い場合(例えば、20秒の場合)は、発展演出を行うことなく(
図23(g)を参照)、当否判定の結果が報知される(
図23(h)を参照)。
一方、この疑似演出A(リーチ演出A)の実行時間が比較的、長い場合(例えば、40秒の場合)は、発展演出(例えば、カットイン演出)を行った後(
図23(f)を参照)、当否判定の結果が報知される(
図23(h)を参照)。
【0190】
図24に示すケースにおいても、
図23に示すケースと同様に、
図24(a)~(h)に従って疑似演出A(リーチ演出A)が進行する。但し、
図24に示すケース(以下、ケース2という)では、
図23に示すケース(以下、ケース1という)よりも、対象保留記憶を消化して開始される疑似演出A(リーチ演出A)において、当該疑似演出Aが開始されてから変動中図柄7a(7b)が消去されるまでの時期(時間)が長く(T1時間よりも長く)されている。具体的には、
図24(c)に示すように、味方キャラクタK1と、格闘対象物キャラクタK2が対面するという動作演出の後、所定時間が経過し、味方キャラクタK1が空を見上げて考え込むという動作演出を開始しても、変動中図柄Bは表示させたままの状態を維持する。そして、それよりも演出進行させ、
図24(e)に示すように、味方キャラクタK1が格闘対象物キャラクタK2を打ち壊す演出(動作演出)を行う際に、変動中図柄7a(7b)が消去される。
【0191】
なお、
図24に示すケース2においても、疑似演出A(リーチ演出A)の実行時間が比較的、短い場合(例えば、20秒の場合)は、発展演出を行うことなく(
図24(g)を参照)、当否判定の結果が報知される(
図24(h)を参照)。また、疑似演出A(リーチ演出A)の実行時間が比較的、長い場合(例えば、40秒の場合)は、発展演出を行った後(
図24(f)を参照)、当否判定の結果が報知される(
図24(h)を参照)。
【0192】
図23に示すケース1のように、疑似演出A(リーチ演出A)を実行する場合において、対象保留記憶に対応する変動中図柄7a(7b)が消去されるまでの時間が短い場合(例えば、当該疑似演出Aを開始後、14秒の場合)には、当否判定の結果が大当りであることを報知する可能性が高くなっている。
これに対して、
図24に示すケース2のように、疑似演出A(リーチ演出A)を実行する場合において、対象保留記憶に対応する変動中図柄7a(7b)が消去されるまでの時間が長い場合(例えば、疑似演出Aを開始後、19秒の場合)には、当否判定の結果が大当りであることを報知する可能性が低くなっている。つまり、変動中図柄7a(7b)が消滅する直前の変動中図柄7a(7b)の表示形態が同一であっても(例えば、何れも先読み図柄Bであっても)、ケース1において大当り期待度が高く、ケース2において大当り期待度が低くなっている。
【0193】
また、ケース1及びケース2の何れの場合においても、疑似演出A(リーチ演出A)が発展演出を伴う場合と、発展演出を伴わない場合があるが、発展演出を伴う場合には発展演出を伴わない場合に比べて、大当り期待度が高くなる。つまり、変動中図柄が消去されるタイミングが早いと発展演出が実行される確率が高いとも言える。
なお、変動中図柄7a(7b)が消去されるまでの時間が長い場合において、当該時間が疑似演出を終了する前に到来してもよいし、当該時間が疑似演出を終了する際に到来してもよい。
【0194】
次に、
図25を用い、疑似演出B(リーチ演出B)及び疑似演出C(リーチ演出C)について簡単に説明する。
図25(a)~(d)に示すように、当該変動演出(疑似演出)として疑似演出B(リーチ演出B)を実行する場合において、対象保留記憶に対応する変動中図柄7a(7b)が消去される時間が一定時間とされている。例えば、常時、当該疑似演出開始後(当該変動演出開始後)、12秒で変動中図柄7a(7b)が消去されることとしている。
【0195】
図25(a)は、対象保留記憶(
図25(a)では、第1保留記憶)が消化され、第1保留図柄表示領域6Dに表示されていた保留図柄Aが消滅し、変動中図柄Aが変動中図柄表示領域6Gに表示されるとともに、数字図柄表示領域6Hにおいて左右中の演出図柄(数字図柄)が変動を開始した状態を示している。
【0196】
図25(b)は、リーチ表示の実行タイミングが到来し、リーチ表示を実行する場合を示している。また、リーチ表示を実行する際に(若しくはリーチ表示を実行する前に)、変動中図柄Aはその表示形態を変化させ、変動中図柄Bになったものとする。
そして、
図25(c)に示すように、リーチ表示の後、所定時間を経過すると、空手家の味方を示すキャラクタK1と、空手家の敵方を示すキャラクタK3とが出現し、対面して睨み合うという動作演出を行う。
この後、
図25(d)に示すように、味方キャラクタK1と敵方キャラクタK3とがバトルを開始するという動作演出を行うと、対象保留記憶に対応する変動中図柄7a(7b)が消去される。この後、当否判定の結果が報知される。
【0197】
図25(e)~(h)に示すように、当該変動演出(疑似演出)として疑似演出C(リーチ演出C)を実行する場合において、対象保留記憶に対応する変動中図柄7a(7b)が消去される時間が、一定とされている。例えば、常時、当該疑似演出開始後(当該変動演出開始後)、T3時間(当該疑似演出開始後、12秒)としている。
【0198】
図25(e)は、対象保留記憶(
図25(e)では、第1保留記憶)が消化され、第1保留図柄表示領域6Dに表示されていた保留図柄Aが消去され、変動中図柄Aが変動中図柄表示領域6Gに表示されるとともに、変動表示領域6Hにおいて左右中の演出図柄(数字図柄)が変動を開始した状態を示している。
【0199】
図25(f)は、リーチ表示の実行タイミングが到来し、リーチ表示を実行する場合を示している。また、リーチ表示を実行する際に(若しくはリーチ表示を実行する前に)、変動中図柄Aはその表示形態を変化させ、変動中図柄Bになったものとする。
そして、
図25(g)に示すように、リーチ表示の後、所定時間を経過すると、マイクM1を持ったネコキャラクタK5が出現するという動作演出を行う。
この後、
図25(h)に示すように、ネコキャラクタK5が歌唱を開始するという動作演出を行うと、対象保留記憶に対応する変動中図柄7a(7b)が消去される。この後、当否判定の結果が報知される。
以上、例示した疑似演出B(リーチ演出B)や疑似演出C(リーチ演出C)等のように、「所定の疑似演出」以外の疑似演出(以下、通常疑似演出という)では、常時、当該疑似演出開始後(当該変動演出開始後)、12秒で変動中図柄7a(7b)が消去されることとしている。
【0200】
また、
図25では、通常疑似演出においては変動中図柄7a(7b)が消去される直前における変動中図柄の表示形態が第2表示形態である場合を例示するが、この表示形態がたとえ他の表示形態(第1表示形態若しくは第3表示形態)であっても、同様に、当該疑似演出開始後(当該変動演出開始後)、一定時間(12秒を例示)で変動中図柄7a(7b)が消去される。すなわち、本実施例において、所定の疑似演出以外のリーチ演出では、変動中図柄が何れであっても、消去されるタイミングを一定としている。
【0201】
以上のように、本実施例のパチンコ機50においては、リーチ演出(疑似演出)として、リーチ演出A(疑似演出A)、リーチ演出B(疑似演出B)、リーチ演出C(疑似演出C)を含む複数種類のリーチ演出(疑似演出)を備える。このうち、リーチ演出A(疑似演出A)及びリーチ演出E(疑似演出E)が本発明の「所定の疑似演出」である。また、
図19(e)に示すリーチ演出A(疑似演出A)、リーチ演出B(疑似演出B)、リーチ演出C(疑似演出C)、リーチ演出D(疑似演出D)、リーチ演出E(疑似演出E)、リーチ演出F(疑似演出F)は、何れも、表示中のキャラクタの動作演出が異なるため、遊技者は、どのリーチ演出(疑似演出)が開始されたかを一見で理解することができる。
【0202】
次に、
図26のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する保留図柄表示処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
本処理を開始すると、保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S1000)。このS1000の処理で否定判定されると(S1000:no)、リターンし、肯定判定されると(S1000:yes)、S1005でサブ統合制御装置83が備える保留数カウンタに「+1」し、演出図柄制御装置82に保留数表示指示信号を送信し、S1010に移行する。
そして、S1010で振分乱数1を抽出した後(S1010)、S1015に移行する。
【0203】
なお、S1005で「+1」される保留数カウンタの値は、後述する保留数情報受信処理(
図27(b)を参照)において、保留情報コマンドを受信する毎にデクリメントされる。これにより、絶えず主制御装置80が記憶する保留記憶の数と同一数が管理される。
S1015では、サブ統合制御装置83が主制御装置80から先読みコマンド(先読み情報)を受信したか否かを判定する(S1015)。この先読みコマンド(先読み情報)には、前述の
図8のS206若しくはS216で主制御装置80から出力されるコマンドである。
また、保留数指示コマンドと先読みコマンドを一体化されたコマンドとしてもよく、この一体化された場合、S1000において、受信した保留数指示コマンドに先読みコマンドが含まれているか否かが判定される。
【0204】
この先読みコマンド(先読み情報)は、先読みコマンド1~3の何れかである。そして、S1015で否定判定される場合には(S1015:no)、一旦、保留図柄表示処理を終了する。
そして、保留図柄表示処理を繰り返し実行するうちに、S1015で肯定判定されると(S1150:yes)、S1020に移行する。
【0205】
S1020では保留変化演出(変化演出)を実行するか否かの抽選を行う。このS1020は、S1010で取得した振分乱数1を用いた乱数抽選で行われる。
【0206】
S1020を実行すると、S1025に移行し、「S1020で行われた抽選において、保留変化演出(変化演出)を実行する旨の抽選結果が得られたか否か」を判定する(S1025)。
【0207】
ここで、保留変化演出(変化演出)を実行するか否かの抽選における当選確率は、
図27(a)に示すように、S1010で受信した先読みコマンドの種類によって異なっている。つまり、受信した先読みコマンドが先読みコマンド1(図中「大当り(コマンド1)」と記載する欄を参照)であると当該「当選確率」は「70%」、受信した先読みコマンドが先読みコマンド2(図中「リーチ外れ(コマンド2)」と記載する欄を参照)であると当該「当選確率」は「10%」、受信した先読みコマンドが先読みコマンド3(図中「単純外れ(コマンド3)」と記載する欄を参照)であると当該「当選確率」は「0%」である。つまり、本実施例では、当否判定の結果が単純外れであると、一律に保留変化演出を実行しないこととしているが、当否判定の結果が単純外れである場合においても保留変化演出を実行すること(例えば、S1020の抽選処理の「当選確率」を低確率(例えば、「2%」)としてもよい。
【0208】
S1025で肯定判定される場合には(S1025:yes、)、S1030に移行し、否定判定される場合には(S1025:no)、S1040に移行する。
S1040に移行すると、サブ統合制御装置83は、今回受信した先読みコマンド(S1015で肯定判定された先読みコマンド)に基づく保留記憶に係る保留図柄(追加表示される保留図柄)として、予め定めた「表示形態(一次保留表示図柄という)を表示する(S1040)。ここで、S1040で表示する「第1表示形態に係る保留図柄」は保留図柄Aに定められている。つまり、保留変化演出(変化演出)を実行しない場合には、対象保留記憶を所得した際に、デフォルトの表示形態(第1表示形態に係る保留図柄(保留図柄A))が表示される。そして、S1040を実行すると、本処理を終了する。
【0209】
一方、S1030に移行すると、サブ統合制御装置83は、今回の保留変化演出(変化演出)にて参照するシナリオを決定し、S1035に移行する。
すなわち、S1030では、各種シナリオ選択テーブルを参照し、保留変化演出(変化演出)を実行する際に、保留関係図柄(保留図柄、変動中図柄)の表示態様の変化パターンを特定するシナリオを選択決定する。
【0210】
ここで、S1030で選択決定したシナリオは、サブ統合制御装置83に設けられた記憶手段(保留表示演出用バッファ)に格納され、適宜参照される。つまり、後述するS1035、後述する
図27(b)の保留情報受信処理におけるS1120、後述する
図32(a)の変動中図柄変化処理におけるS1360等にて参照される。
【0211】
S1030を経て移行するS1035において、サブ統合制御装置83は、S1035で決定したシナリオを参照して、該シナリオの最初の表示形態(一次保留表示形態)を特定して、該表示形態にて、今回受信した先読みコマンドに基づく保留記憶に係る保留図柄を、演出図柄表示装置6に表示する処理を行う。但し、本実施例では、何れのシナリオが決定されても、該シナリオの最初の表示形態(一次保留表示形態)は、一律に保留図柄Aとされている。つまり、保留変化演出(変化演出)を実行する場合においても、対象保留記憶を取得した際に、デフォルトの表示形態(第1表示形態に係る保留図柄(保留図柄A))が表示されることとしている。そして、S1035を実行すると、本処理を終了する。
なお、本実施例と異なり、保留変化演出(変化演出)を実行する場合においては、最初の表示形態(一次保留表示形態)として、デフォルトの表示形態以外の表示形態(第2表示形態に係る保留図柄若しくは第3表示形態)に係る保留図柄が特定するケースを一定確率で生じてもよい。
【0212】
次に、
図27(b)を用いて、サブ統合制御装置83が実行する保留数情報受信処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0213】
この保留数情報受信処理では、保留記憶が消化された際に、演出図柄表示装置6に表示されている保留図柄の表示位置を更新するとともに、必要に応じて保留変化演出(変化演出)を実行する。
また、「保留数情報受信処理」は、保留記憶が有る状態において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了して確定表示された際、第2特別図柄の保留記憶があれば第2特別図柄の、無ければ第1特別図柄の、最古の保留記憶に基づく新たな変動表示を開始するために、前記最古の保留記憶の表示が消去され、同じ特別図柄の他の保留記憶が、その表示位置をシフトさせる処理を行う際に、実行される処理である。よって、上述した「保留表示処理」とは異なるタイミングにて実行されるものである。
【0214】
本処理を開始すると、保留情報(保留情報コマンド)を受信したか否か判定する(S1100)。このS1100の処理で否定判定されると(S1100:no)、本処理をリターンする。
なお、サブ統合制御装置83がS1100の処理で受信する保留情報コマンドは、
図11のS364の「保留情報送信処理」で主制御装置80から送信される。
【0215】
S1100で肯定判定されると(S1100:yes)、サブ統合制御装置83が備える保留数カウンタから-1する処理を行い(S1105)、S1110に移行する。
S1110で、サブ統合制御装置83は、上述した第2特別図柄を第1特別図柄よりも優先変動する構成を前提とした上で、演出図柄表示装置6に表示されている最も古い保留記憶に対応する保留図柄を消去すると共に、同じ特別図柄で、これ以外に保留図柄が表示されている場合には、残りの全ての保留図柄の表示位置を、演出図柄表示装置6の画面中央方向に向かって各々1個シフトし、S1115に移行する。
【0216】
なお、本実施形態では、保留図柄をシフトする処理が行われると、第1特別図柄に係る保留図柄では、右方に1個シフトし、第2特別図柄に係る保留図柄では、左方に1個シフトするようになっている(
図18等を参照)。
【0217】
S1110で、サブ統合制御装置83は、保留図柄をシフトする処理に伴い変更された保留図柄の表示位置と、
図26のS1030にて決定したシナリオの内容を参照して、保留図柄の内の何れかが「保留変化演出(変化演出)」の実行位置、すなわち保留図柄又は変動中図柄の表示形態の変更時期(位置)となったか否かの判定を行い、肯定判定が得られた場合には(S1115:yes)、S1120に処理を移行する。また、S1115で、否定判定が得られた場合には(S1115:no)、本処理を終了する。
シナリオの内容を確認する処理は、前述の「保留表示演出用バッファ」に格納されたシナリオに係る情報を参照することで実施される。
【0218】
S1120では、サブ統合制御装置83は、「保留変化演出(変化演出)」の実行位置(時期)となった保留図柄について、決定されたシナリオの内容に基づいて表示形態を変化して表示する処理を実行し、本処理を終了する。
【0219】
ここで、
図21及び
図22等に示すシナリオに従い、S1120の処理が実行される。
この具体例として、第2保留記憶が存在しない状態で、第1保留数が3のときに、第1始動口11への遊技球の入球に伴って取得した対象保留記憶に対応する保留図柄として追加表示された保留図柄Aが、
図21(a)のSA13シナリオに従いシフトする場合について説明する。
つまり、この具体例では、対象保留記憶に先行する保留記憶が3個存在するが、当該先行する保留記憶が処理される度に(当該先行する保留記憶に関し、S1100で肯定判定される度に)、当該追加表示された保留図柄Aはシフトして表示される。
その際、1回目のシフトで保留図柄の表示形態は保留図柄Aから保留図柄Bに変化し、2回目のシフトでは保留図柄Bの表示形態を維持する。そして、3回目のシフトでは、保留図柄Bから保留図柄Cに変化する。
【0220】
また、対象保留記憶に対応する保留図柄Cが第1表示位置d1に表示された状態において、当該対象保留記憶が処理されると当該保留図柄Cは消去される。これに伴い、当該保留図柄Cに対応する変動中図柄Cが変動中図柄表示領域6Gに表示される。
なお、S1110の処理において、演出図柄制御装置82に保留数表示指示信号が送信される。この保留数表示指示信号は、演出図柄表示装置6の画面6aから第1保留図柄6d若しくは第2保留図柄6eを1個減らす旨を指示する信号である。
【0221】
また、サブ統合制御装置83がS1100の処理で受信する保留情報コマンドは、
図11のS364の「保留情報送信処理」で主制御装置80から送信される。そして、主制御装置80から送信された「保留情報」が、第1保留数をデクリメントする際(特
図1を変動開始する際)に送信されたものである場合には、演出図柄表示装置6の画面6aに出現する第1保留記憶表示領域6Dで、第1保留図柄6dが1デクリメントされる。このデクリメントされる第1保留図柄6dに対応づけて先読み判定情報コマンドを受信している場合には、当該先読み判定情報(コマンド)の記憶も消去される。
【0222】
更に、主制御装置80から送信された「保留情報」が、第2保留数をデクリメントする際(特
図2を変動開始する際)に送信されたものである場合には、演出図柄表示装置6の画面6aに出現する第2保留記憶表示領域6Eで、第2保留図柄6eが1デクリメントされる。このデクリメントされる第2保留図柄6eに対応づけて先読み判定情報コマンドを受信している場合には、当該先読み判定情報(コマンド)の記憶も消去される。
【0223】
次に、
図28のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は演出開始処理を起動すると、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1200)。ここで、変動開始コマンドとは、特別図柄の変動を開始する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(
図11のS366を参照)。
【0224】
この変動開始コマンドには、特別図柄に関する当否判定の結果(大当り、外れ)を示すデータと、変動時間を指定する変動パターンを示すデータが含まれる。また、特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合、変動開始コマンドには、大当り図柄を指定するデータ(発生した大当りの種類を示すデータ)が含まれる。
【0225】
S1200で否定判定されると(S1200:no)、そのまま演出開始処理を終了し、肯定判定されると(S1200:yes)、S1205の処理に移行し、演出パターン(演出態様)を振り分ける際に使用する振分乱数2を取得する。
サブ統合制御装置83はS1205を実行すると、S1210に移行し、変動開始コマンドに大当りとなるものを示すデータが含まれているか否か(変動開始コマンドに大当り情報が含まれているか否か)を判定する。
S1210で肯定判定される場合には(S1210:yes)、S1215に移行して、「特別図柄の変動表示に対応して開始される演出表示のパターン(演出パターン)」として、「大当り用の演出パターン」を選択した後(S1215)、S1220に移行する。
【0226】
このS1220では、S1215で決定した演出表示のパターン(疑似変動の種類)に基づいて、大当り用の変動中図柄に関する演出パターン(具体的には、変動中図柄を消去するタイミング)を選択する処理を行う。このS1220を行うと、S1240に移行する。ここで、S1215、S1220に関しては、
図29、
図30を用いて後述する。
【0227】
一方、S1210で否定判定される場合(S1210:no)、つまり、当否判定の結果が外れである場合(S1210:no)には、S1230に移行し、「特別図柄の変動表示に対応して開始される演出表示のパターン(演出パターン)」として、「外れ用の演出パターン」を選択する「外れ演出を伴う演出パターン」を選択した後、S1235に移行する。
【0228】
このS1235では、S1230で決定した演出表示のパターン(疑似変動の種類)に基づいて、外れ用の変動中図柄に関する演出パターン(具体的には、変動中図柄を消去するタイミング)を選択する処理を行う。このS1235を行うと、S1240に移行する。ここで、S1230、S1235に関しては、
図29、
図30を用いて後述する。
【0229】
S1240に移行すると、確定表示させる演出図柄(特別図柄に関する当否判定の結果を報知する演出図柄)を設定する処理を行う。この後S1245で演出を開始し(S1245)、演出開始処理をリターンする。
【0230】
このS1245を行う際に演出中フラグの値と、表示中フラグの値を「1」とする。ここで、演出中フラグは変動演出(演出図柄を変動される演出表示)が実行されているか否かを示すフラグであり、変動演出の実行中には(変動演出が開始されると)、演出中フラグの値が「1」とされる。また、表示中フラグは変動中図柄の表示が実行されているか否かを示すフラグであり、変動中図柄の表示中には(変動中図柄の表示が開始されると)、表示中フラグの値が「1」とされる。
【0231】
以下、
図29~
図30を用いて、
図28のS1215、S1220、S1230及びS1235について簡単に説明する。
【0232】
本実施例のパチンコ機50では、当否判定を実行する毎に、当否判定の結果とその時点の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)に対応する変動パターンテーブルと、取得した変動パターン決定用乱数と、を用いて乱数抽選で変動パターンを決定する。
先ず、
図29を用いて、本実施例のパチンコ機50で対象とする変動パターンテーブルの概要を説明する。
【0233】
図29(a)は、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に参照する変動パターンテーブルを示す図表である。この変動パターンテーブルには、変動パターン決定用乱数(「0」~「1020」)と対応づけられた複数個(例えば、20個)の変動パターンA1~A20が格納されている。
【0234】
なお、遊技状態が開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に参照する変動パターンテーブルの図示を省略するが、当該変動パターンテーブルにも、変動パターン決定用乱数と対応づけられた複数個(例えば、20個)の変動パターンが格納されている。また、遊技状態が開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に参照する変動パターンテーブルを参照して特定される平均変動時間は、
図29(a)に示す変動パターンテーブルを参照して特定される平均変動時間よりも短くされている。
【0235】
また、
図29(b)は、遊技状態が非開放延長状態で当否判定の結果が外れであり、且つ当該外れがリーチ外れと判定される場合に参照する変動パターンテーブル(以下、前者の変動パターンテーブルという)である。この変動パターンテーブルには、変動パターン決定用乱数(「0」~「1020」)と対応づけられた複数個(例えば、30個)の変動パターンB1~B30が格納されている。
【0236】
なお、本実施例では、遊技状態が開放延長状態且つ当否判定の結果が外れであり、且つ当該外れがリーチ外れである場合に参照する変動パターンテーブル(以下、後者の変動パターンテーブルという)の図示を省略する。当該変動パターンテーブルにも、変動パターン決定用乱数と対応づけられた複数個(例えば、30個)の変動パターンが格納されている。また、後者の変動パターンテーブルを参照して特定される平均変動時間は、前者の変動パターンテーブルを参照して特定される平均変動時間よりも短くされている。
【0237】
更に、本実施例では、遊技状態が非開放延長状態である場合と、遊技状態が開放延長状態である場合のそれぞれにおいて、当否判定の結果が外れであり、且つ当該外れが単純外れと判定される場合に参照する変動パターンテーブルの図示を省略している。これらの変動パターンテーブルにも、変動パターン決定用乱数と対応づけられた複数個の変動パターンが格納されている。なお、各変動パターンテーブルは、主制御装置80のROMに格納されている。
【0238】
なお、
図29(a)及び(b)において欄外に「三角印」を付した変動パターンは、25秒未満の変動時間を特定する変動パターンであり、この変動パターンが選択されても、演出が途中で発展する演出表示を特定する演出パターンは選択されない。また、
図29(a)及び(b)において欄外に「二重丸印」を付した変動パターンは、25秒以上の変動時間を特定する変動パターンであり、この変動パターンが選択されると、演出が途中で発展する演出表示を特定する演出パターンが選択可能とされている。
【0239】
一方、サブ統合制御装置83を構成するROMには、各変動パターンに対応する演出パターンテーブルが格納されている。そして、サブ統合制御装置83は変動開始コマンドを受信する度に(当否判定によって変動パターンが決定される毎に)、対応する演出パターンテーブルを参照し、S1205の処理で抽出した振分乱数2を用いた乱数抽選を行い、演出表示を実行する際に適用する演出パターンを選択する。
次に、
図30を用いて、演出パターンテーブルについて説明する。
【0240】
図30(a)は、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に選択される変動パターンA1に対応する演出パターンテーブルA1を示している。この変動パターンA1は、45秒の変動時間を特定する変動パターンである(
図29(a)を参照)。
演出パターンテーブルA1には、それぞれ振分乱数2に対応付けられた複数個(例えば、4個)の演出パターンE1~4が格納されている。
【0241】
このうち、演出パターンE1は、疑似演出A(リーチ演出A)を実行するための演出パターンであり、この演出パターンE1で特定される疑似演出においては、途中で「カットイン演出」が行われた後、演出内容が発展する。
同様に、演出パターンE2は疑似演出B(リーチ演出B)を、演出パターンE3は疑似演出C(リーチ演出C)を、演出パターンE4は疑似演出D(リーチ演出D)を、それぞれ実行するための演出パターンであり、何れも途中で演出内容が発展する。
なお、疑似演出A(リーチ演出A)~疑似演出D(リーチ演出D)のうち、疑似演出A(リーチ演出A)と、前述した疑似演出E(リーチ演出E)、が本発明の「所定の疑似演出」に相当する(
図19(e)を参照)。また、
図30(a)及び後述する
図30(b)及び(c)の欄外に「星印」を付した演出パターンが、「所定の疑似演出」を特定する演出パターンである。
【0242】
図30(b)は、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に選択される変動パターンA2に対応する演出パターンテーブルA2を示している。この変動パターンA2は、20秒の変動時間を特定する変動パターンである。
演出パターンテーブルA2には、それぞれ振分乱数2に対応付けられた複数個(例えば、4個)の演出パターンF1~4が格納されている。
【0243】
演出パターンテーブルA2に格納された演出パターンのうち、演出パターンF1は、疑似演出B(リーチ演出B)を実行するための演出パターンであり、この演出パターンF1で特定される疑似演出においては、途中で演出内容が発展することは無い。
同様に、演出パターンF2は疑似演出D(リーチ演出D)を、演出パターンF3は疑似演出E(リーチ演出E)を、演出パターンF4は疑似演出F(リーチ演出F)を、それぞれ実行するための演出パターンであり、何れも途中で演出内容が発展することは無い。
なお、疑似演出B(リーチ演出B)、疑似演出D(リーチ演出D)、疑似演出E(リーチ演出E)、疑似演出F(リーチ演出E)のうち、疑似演出E(リーチ演出E)が本発明の「所定の疑似演出」に相当する。
【0244】
図30(c)は、当否判定の結果がリ-チ外れである場合に選択される変動パターンB1に対応する演出パターンテーブルB1を示している。この変動パターンB1は、32秒の変動時間を特定する変動パターンである(
図29(b)を参照)。
演出パターンテーブルB1には、それぞれ振分乱数2に対応付けられた複数個(例えば、4個)の演出パターンG1~4が格納されている。
【0245】
このうち、演出パターンG1は、疑似演出A(リーチ演出A)を実行するための演出パターンであり、この演出パターンG1で特定される疑似演出においては、中途で「カットイン演出」を行われた後、演出内容が発展する。
同様に、演出パターンG2は疑似演出B(リーチ演出B)を、演出パターンG3は疑似演出C(リーチ演出C)を、演出パターンG4は疑似演出F(リーチ演出F)を、それぞれ実行するための演出パターンであり、何れも中途で演出内容が発展する。
【0246】
なお、本パチンコ機50は、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に選択される変動パターンであって、特定される変動時間が一定時間(25秒)を超えるものとして、変動パターンA1の他に、変動パターンA3、変動パターンA20等の多数の変動パターンを備え、変動パターンに各々対応する演出パターンテーブルを備えている。そして、何れの演出パターンテーブルを参照しても、所定の割合で、本発明の「所定の疑似演出」が選択される。そして、その一例として、本実施例では何れの演出パターンテーブルを参照しても、リーチ演出として「所定の疑似演出」が選択される確率は等しくなる場合(何れも40%とされる場合)を例示している。
【0247】
また、図示を省略するが、サブ統合制御装置83を構成するROMには、遊技状態が開放延長状態且つ当否判定の結果が大当りである場合に参照する変動パターンテーブルに対応する演出パターンテーブルも格納されている。
また、サブ統合制御装置83を構成するROMには、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果がリーチ外れである場合に選択される変動パターンであって、変動パターンB1以外の変動パターンに対応する演出パターンテーブルも格納されている。更に、サブ統合制御装置83を構成するROMには、遊技状態が開放延長状態且つ当否判定の結果がリーチ外れである場合に選択される変動パターンに対応する演出パターンテーブルも格納されている。そして、何れの演出パターンテーブルを参照しても、所定の割合で、本発明の「所定の疑似演出」が選択される。
なお、サブ統合制御装置83を構成するROMには、遊技状態が非開放延長状態且つ当否判定の結果が単純外れである場合に選択される変動パターンや、遊技状態が開放延長状態且つ当否判定の結果が単純外れである場合に選択される変動パターンに対応する演出パターンテーブルも格納されている。但し、これらの演出パターンテーブルを参照しても、本発明の「所定の疑似演出」が選択されることはない。
【0248】
次に、
図31(a)のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する変動中図柄演出パターン選択処理を説明する。つまり、
図28のS1220若しくはS1235の処理について説明する。
サブ統合制御装置83は、変動中図柄演出パターン選択処理を起動すると、S1215若しくはS1230で選択された疑似演出が「所定の疑似演出」であるか否かを判定する(S1300)。
【0249】
S1300で否定判定されると(S1300:no)、「通常疑似演出時の変動中図柄演出用の演出パターンテーブル(以下、通常演出パターンテーブルという)」を参照し、変動中図柄の演出パターンを選択し(S1310)、変動中図柄演出パターン選択処理をリターンする。
【0250】
これに対して、S1300で肯定判定されると(S1300:yes)、「当否判定の結果」と「変動中図柄の最終表示形態(消去直前の変動中図柄が、変動中図柄A~Cの何れであるか)」とに対応した「所定疑似演出時(所定の疑似演出時)の変動中図柄演出用の演出パターンテーブル(以下、特別演出パターンテーブルという)」を参照し、変動中図柄演出パターンを選択し(S1305)、変動中図柄演出パターン選択処理をリターンする。
【0251】
以下、S1305で参照する「特別演出パターンテーブル」について、
図31(b)、(c)、及び
図32(a)~(d)を用いて説明し、S1310で参照する「通常演出パターンテーブル」について、
図32(e)を用いて説明する。
以下の説明において、当否判定の結果が大当りである場合に参照する特別演出パターンテーブルを「第1特別演出パターンテーブル」と称し、当否判定の結果がリーチ外れである場合に参照する特別演出パターンテーブルを「第2特別演出パターンテーブル」と称する。
【0252】
当否判定の結果が大当りであり、変動中図柄の最終表示形態が変動中図柄A(
図20(b)のパターン1を参照)には、
図31(b)に示す第1特別演出パターンテーブルを参照する。これにより、変動中図柄表示領域6Gにおいて変動中図柄Aの表示を開始した後、14秒で消去する演出パターン(変動中図柄の表示開始後、T1時間に消去する演出パターン)が「80%」の確率で選択され、19秒で消去する演出パターン(変動中図柄を表示開始後、T2時間に消去する演出パターン)が「20%」の確率で選択される。
【0253】
一方、当否判定の結果がリーチ外れであり、変動中図柄の最終表示形態が変動中図柄A(
図20(b)のパターン1を参照)である場合には、
図31(c)の第2特別演出パターンテーブルを参照する。これにより、変動中図柄表示領域6Gにおいて、変動中図柄Aの表示を開始した後、19秒で消去する演出パターン(変動中図柄の表示開始後、T2時間に消去する演出パターン)が「100%」の確率で選択される。
【0254】
このように、当否判定の結果が大当りである場合には、この変動中図柄Aが早い時間(T1時間)に消去される確率の方が、それよりも遅い時間(T2時間)に消去される確率よりも高くなっている。
なお、変動中図柄Aは、本来、「高い大当り期待度」を示唆しない変動中図柄であり、当否判定の結果が大当りである場合には、その選択率が30%と低くされているが(
図22(c)を参照)、変動中図柄Aの表示がT1時間に消去されると、一転して「大当りとなる確率が高いこと」を示唆するメッセージを報知することになる。
【0255】
また、当否判定の結果が大当りであり、変動中図柄の最終表示形態が変動中図柄Bの場合(
図20(b)のパターン11、13を参照)には、
図32(a)の第1特別演出パターンテーブルを参照する。これにより、変動中図柄表示領域6Gに表示された変動中図柄Bを変動中図柄の表示を開始した後、14秒で消去する演出パターン(変動中図柄の表示開始後、T1時間に消去する演出パターン)が「70%」の確率で選択され、19秒で消去する演出パターン(変動中図柄Aを表示開始後、T2時間に消去する演出パターン)が「30%」の確率で選択される。
【0256】
一方、当否判定の結果がリーチ外れであり、変動中図柄の最終表示形態が変動中図柄B(
図20(b)のパターン11、13を参照)である場合には、
図32(b)の第2特別演出パターンテーブルが参照される。これにより、変動中図柄表示領域6Gに表示された変動中図柄Bが、変動中図柄の表示を開始した後、14秒で消去する演出パターン(変動中図柄Bの表示開始後、T1時間に消去する演出パターン)が「2%」の確率で選択される。また、変動中図柄表示領域6Gに表示された変動中図柄Bが、変動中図柄の表示を開始した後、19秒で消去する演出パターン(変動中図柄Bの表示開始後、T2時間に消去する演出パターン)が「98%」の確率で選択される。
【0257】
このように、当否判定の結果が大当りであり、変動中図柄の最終表示形態が変動中図柄Bである場合も、この変動中図柄Bが早い時間(T1時間)に消去される確率の方が、それよりも遅い時間(T2時間)に消去される確率よりも高くなっている。
なお、変動中図柄の最終表示形態が変動中図柄Bとしては、(1)変動中図柄表示領域6Gに表示された当初より変動中図柄の表示形態が変動中図柄Bである場合(
図20(b)のパターン11)の他に、(2)変動中図柄表示領域6Gに表示された当初の表示形態が変動中図柄Aであるが、表示中にその表示形態が変動中図柄Bに変化した場合(
図20(b)のパターン13)がある。後者の場合、例えば、変動中図柄表示領域6Gに表示された当初から所定時間(例えば、6秒間)、変動中図柄Aを表示した後、変動中図柄Aを変動中図柄Bに変化させ、T1時間若しくはT2時間に消去される演出パターンが設定される。
【0258】
更に同様に、当否判定の結果が大当りであり、変動中図柄の最終表示形態が変動中図柄Cの場合(
図20(b)のパターン12、14,15を参照)、
図32(c)の第1特別演出パターンテーブルが参照される。これにより、変動中図柄表示領域6Gに表示された変動中図柄Cを変動中図柄の表示を開始した後、14秒で消去する演出パターン(変動中図柄の表示開始後、T1時間に消去する演出パターン)が「80%」の確率で選択され、19秒で消去する演出パターン(変動中図柄Aの表示開始後、T2時間に消去される演出パターン)が「20%」の確率で選択される。
【0259】
一方、当否判定の結果がリーチ外れであり、変動中図柄の最終表示形態が変動中図柄Cである場合(
図20(b)のパターン12、14,15を参照)、
図32(d)の第2特別演出パターンテーブル)が参照される。これにより、変動中図柄表示領域6Gに表示された変動中図柄Cが、変動中図柄の表示を開始した後、14秒で消去する演出パターン(変動中図柄Cの表示開始後、T1時間に消去する演出パターン)が「5%」の確率で選択される。また、19秒で消去する演出パターン(変動中図柄Cの表示開始後、T2時間に消去する演出パターン)が「95%」の確率で選択される。
【0260】
このように、当否判定の結果が大当りであり、変動中図柄の最終表示形態が変動中図柄Cである場合も、この変動中図柄Cが早い時間(T1時間)に消去される確率の方が、それよりも遅い時間(T2時間)に消去される確率よりも高くなっている。
【0261】
なお、変動中図柄の最終表示形態が変動中図柄Cとしては、(a)変動中図柄表示領域6Gに表示された当初より変動中図柄の表示形態が変動中図柄Cである場合(
図20(b)のパターン12)の他に、(b)変動中図柄表示領域6Gに表示された当初の表示形態が変動中図柄Aであるが、表示中にその表示形態が変動中図柄B、変動中図柄Cの順で変化した場合(
図20(b)のパターン15)と、(c)変動中図柄表示領域6Gに表示された当初の表示形態が変動中図柄Bであるが、表示中にその表示形態が変動中図柄Cに変化した場合(
図20(b)のパターン14)がある。(b)の場合、例えば、変動中図柄表示領域6Gに表示された当初から第1所定時間(例えば、3秒間)、変動中図柄Aを表示した後、変動中図柄Aが変動中図柄Bに変化させ、第2所定時間(例えば、更に3秒経過後)に変動中図柄Bが変動中図柄Cに変化させ、T1時間若しくはT2時間に消去される演出パターンが設定される。
【0262】
ここで、変動中図柄C自体が高い大当り確率を示唆する変動中図柄であり、その選択率も高くなっている(
図22(c)に示すように、約5割となっている)。そして、当該変動中図柄Cの表示がT1時間に消去されると、疑似演出において停止表示される図柄(演出図柄)が「大当り図柄」となる可能性が高く、「外れ図柄」となる可能性が低いことを示唆する。一方、変動中図柄Cの表示がT2時間に消去されると、疑似演出において停止表示される図柄(演出図柄)が「外れ図柄」となる可能性があることを示している。
【0263】
なお、当否判定の結果が大当りであり、最終表示形態が変動中図柄Cである場合において、変動中図柄表示領域6Gで表示を開始した時点には変動中図柄の表示形態が変動中図柄A若しくは変動中図柄Bであるが、表示開始後において変動中図柄の表示形態が変動中図柄Cに変化したケースにおいては、例えば,以下のような演出(変動中図柄を表示する演出)を行ってもよい。例えば、T1時間を経過した後、変動中図柄Cに変化する前の表示形態(変動中図柄A若しくは変動中図柄B)が表示されているとする。T1時間を経過しても、変動中図柄A若しくは変動中図柄Bが表示されていると、当否判定の結果が外れリーチである可能性が高いと判断し、期待感が一気に低下する可能性があるが、T2時間になる前に変動中図柄Cが表示されると、一旦低下した期待感が一気に盛り上がり、遊技興趣を高めることができる。
【0264】
次に、S1310で参照する「通常演出パターンテーブル」について、
図32(e)を用いて簡単に説明する。
つまり、疑似演出が「所定の疑似演出」以外である場合としては、「所定の疑似演出」を構成するリーチ演出(リーチ演出A、E)とは異なるリーチ演出(リーチ演出B~D、Fやノマールリーチ演出等)を実行するか、リーチ表示を伴わない単純外れに係わる疑似演出を実行する場合である。
【0265】
図32(e)に示す「通常演出パターンテーブル」を参照すると、変動中図柄を表示開始後、一律にT3時間(12秒)で消去する演出パターンが設定される。但し、通常疑似演出が単純外れに係わる疑似演出である場合のように、変動時間が12秒未満の場合、当該通常疑似演出が終了する際に、変動中図柄が消去される。また、通常疑似演出がリーチ演出である場合には、消去直前の変動中図柄が変動中図柄A~Cのいずれかである可能性があり、通常疑似演出が単純外れに係わる疑似演出である場合には、消去直前の変動中図柄が変動中図柄Aに限られる(
図27(a)を参照)。
【0266】
なお、変動中図柄の演出パターンが何れに決定されても、変動中図柄の段階で、保留変化演出を実行するシナリオが設定されている場合には、変動中図柄が消去されるまでに保留変化演出を完了する。但し、保留変化演出を完了するために時間不足である場合には、保留変化演出を中途で打ち切り、変動中図柄を消滅させてもよい。
【0267】
次に、
図33(a)を用いて、サブ統合制御装置83が実行する変動中図柄変化処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0268】
本処理を開始すると、S1350で表示中フラグの値が「1」であるか否かを」判定し、否定判定される場合には(S1350:no)、変動中図柄変化処理を終了する。
これに対して、S1350で肯定判定される場合には(S1350:yes)、S1355に移行し、変動中図柄の表示終了タイミングになったか否かを判定する(S1355)。つまり、
図28のS1220若しくはS1235で選択した「変動中図柄の表示終了タイミング」になったか否かを判定する(S1355)。
【0269】
そして、S1355で肯定判定される場合には(S1355:yes)、S1375に移行し、表示中フラグの値を「0」とした後、変動中図柄変化処理を終了する。
一方、S1355で否定判定される場合には(S1355:no)、S1360で、前述のシナリオ(
図26で決定したシナリオ)に基づいて、変動中図柄表示領域6Gで表示中の変動中図柄が変化可能であるか否かを判定する。
S1360で否定判定される場合には(S1360:no)、変動中図柄変化処理を終了する。
【0270】
ここで、変化可能であるか否かは、前述のシナリオによって定められているが、本実施例では、変動中図柄が表示された段階で、変化しない場合(
図21(a)のシナリオSA12等を参照)と、1回だけ変化する場合(
図21(a)のシナリオSA11等を参照)と、2回変化する場合(
図21(a)のシナリオSA14等を参照)とがある。
【0271】
S1360で肯定判定される場合には(S1360:yes)、S1365で変化タイミングが到来したか否かを判定する。ここで、この変化タイミングが、変動中図柄が表示された段階で1回だけ到来する場合(
図21(a)のシナリオSA12等を参照)には、変動中図柄を表示してから消滅するまでに、S1365において所定タイミングで1回肯定判定され、S1370の処理を実行した後、本処理をリターンする。また、この変化タイミングが、変動中図柄が表示された段階で、2回到来する場合には(
図21(a)のシナリオSA14等を参照)、変動中図柄を表示してから消滅するまでに、S1365において肯定判定される度にS1370の処理を実行した後、本処理をリターンする。
なお、本実施例では、変動中図柄が最高2回変化することとされているが、3回以上、変化することとしてもよい。
【0272】
ここで、本実施例では、
図33(b)に示すように、S1355の示す「表示終了タイミング」を以下のように定めている。
対象保留記憶を処理することに基づき、実行される変動演出が「所定の疑似演出(疑似演出A、E)」である場合、「T1時間」は変動中図柄の表示開始後、14秒経過時とされ、「T2時間」は変動中図柄の表示開始後、19秒経過時とされる。なお、本実施例では、「所定の疑似演出(疑似演出A、E)」の変動時間は20秒を超える時間とされる(
図29を参照)。このため、「T1時間」及び「T2時間」は「所定の疑似演出(疑似演出A、E)」の変動時間を終了する前に消去される。
【0273】
また、「所定の疑似演出(疑似演出A、E)」以外のリーチ演出(疑似演出B~D、F)や、単純外れに対応する変動演出では、「時間T3」は変動中図柄の表示開始後、12秒を経過するか、変動演出の変動時間を終了するまでとされる。
【0274】
次に、
図34(a)を用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0275】
演出停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83が変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1500)。ここで、変動停止コマンドは、特別図柄の変動を停止して確定図柄を表示する際に主制御装置40から送信されるコマンドである(
図12(b)のS372の処理を参照)。
そして、否定判定される場合には(S1500:no)、演出停止処理をそのまま終了する。
【0276】
一方、肯定判定される場合には(S1500:yes)、S1505では、演出図柄確定表示指示信号を演出図柄制御装置82に送信する処理を行う。そして、S1510で演出中フラグの値を「0」とした後、演出停止処理を終了する。
【0277】
実施例1によると、演出表示装置6に保留図柄や変動中図柄を表示可能なパチンコ機50において、変動中図柄の表示形態だけでなく、変動中図柄の消去タイミングによって期待度(大当り期待度)が変るので、変動中図柄を注視して遊技を楽しむことが出来、遊技興趣を高めることができる。
つまり、実施例1のパチンコ機50によると、変動中図柄表示領域で表示されている変動中図柄を特別図柄が確定表示されるまでに消去される構成(消滅させ、非表示とする構成)を備えるため、保留図柄や変動中図柄の表示形態に加えて、変動中図柄を非表示とするタイミングの違いによって期待度を示すことができる。
【0278】
つまり、
図34(b)、
図35に示すように、所定の疑似演出A、Eが開始された後、変動中図柄が消去されるまでの時間が短い時間(T1時間)とされると期待度が高くされ、長い時間(T2時間)とされると期待度が低くされる。しかも、
図35(a)及び(b)に示すように、当該疑似演出(変動演出)が「所定の疑似演出」であれば、演出途中に発展演出を行うか否かを問わず、変動中図柄を非表示とするタイミングが早いと期待度が高くされ、遅いと期待度が低くされる。
【0279】
このように、実施例1によると、保留図柄と変動中図柄を備えるパチンコ機50において、対面する遊技者は、変動中図柄が非表示になるまで息を抜けないこととなる。
つまり、実施例1のパチンコ機50では、対面する遊技者は、保留図柄と変動中図柄の表示形態が如何なる表示形態になるか、変動中図柄がいつ消去されるか(消滅するか)という、複数の観点から変動中図柄の様子を注視することとなる。従って、本実施例のパチンコ機50によると、遊技者の趣向性を向上させ、遊技興趣を高めることができる。
【0280】
ここで、実施例では結果として、
図34(b)に括弧を付して示すように、各変動中図柄毎に消去タイミングも踏まえた状態で期待度を設定している。なお、
図34(b)で括弧内に示す「X1」~「X6」は、「X1」~「X6」の順に期待度が高くなることを意味している。
【0281】
つまり、本実施例では、(a)「変動中図柄が変動中図柄Aで、当該変動中図柄Aが所定の疑似演出開始後、T2時間で消去される場合」に最低の期待度(以下、X1期待度という)を示し、(b)「変動中図柄が変動中図柄Aで、当該変動中図柄Aが所定の疑似演出開始後、T1時間で消去される場合」にX1期待度よりも高い期待度(以下、X2期待度という)を示す。更に、(c)「変動中図柄が変動中図柄Bで、当該変動中図柄Bが所定の疑似演出開始後、T2時間で消去される場合」、X2期待度よりも高い期待度(以下、X3期待度という)を示す。また、(d)「変動中図柄が変動中図柄Bで、当該変動中図柄Bが、所定の疑似演出開始後、T1時間で消去される場合」にX3期待度よりも高い期待度(以下、X4期待度という)を示す。更に、(e)「変動中図柄が変動中図柄Cで、当該変動中図柄Cが、所定の疑似演出開始後、T2時間で消去される場合」にX4期待度よりも高い期待度(以下、X5期待度という)を示す。そして、(f)「変動中図柄が変動中図柄Cで、当該変動中図柄Cが、所定の疑似演出開始後、T1時間で消去される場合」に最高の期待度(以下、X6期待度という)を示すこととしている。
【0282】
このように、本実施例では、変動中図柄の消去タイミングに加えて、変動中図柄の種類をも踏まえた期待度を設定するため、対面する遊技者は、保留図柄と変動中図柄の表示形態が如何なる表示形態で、いつ消去されるかということに注視することとなる。
そして、本実施例によると、消去される変動中図柄の種類によって期待度の高低が報知される。しかも、消去される変動中図柄の種類が同じであっても、消去される時期の先後によって期待度の高低が異なる。このため、遊技者は、変動中図柄が消去されるまで、変動中図柄が何れの種類になるかとか、いつ消去するかということに関し、より一層、気を抜くことができないばかりか、多様な思考を働かせる必要があるため、より一層趣向性を向上させ、より一層遊技興趣を高めることができる。
【0283】
(2)変形例
以上のように本発明の実施例を説明したが、本発明の範囲は前述の実施例に示す範囲に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形例を例示することができる。
【0284】
すなわち、実施例1のパチンコ機50では、「所定の疑似演出」をキャラクタの出現を伴うリ-チ演出(リ-チ演出A、リ-チ演出E)とした。これに対して、以下に示す変形例(以下、変形例1という)に示すように、キャラクタの出現を伴わないリ-チ演出(ノーマルリーチ演出)を「所定の疑似演出」としてもよい。
このノーマルリーチ演出において、当該ノーマルリーチ演出の開始から変動中図柄が消去されるまでの時間がT1時間となる場合と、該T1時間よりも長いT2時間となる場合と、が存在する。そして、当該ノーマルリーチ演出において、消去される直前の変動中図柄の表示形態が同じ表示形態であっても当該ノーマルリーチ演出の開始から変動中図柄が消去されるまでの時間が、T2時間だった場合よりもT1時間だった場合のほうが、当否の判定で当選となる確率が高くなるようにしてもよい。
【0285】
例えば、キャラクタの出現を伴わない疑似演出X(リ-チ演出X)を所定の疑似演出とし、リーチ表示を行う前や、リーチ表示時に変動中図柄が消去されると、当否判定の結果が大当りとなる確率が高くなる。一方、リーチ表示を行った後に変動中図柄が消去されると、当否判定の結果が大当りとなる確率が低くされてもよい。この変形例1によっても、実施例1と同様な効果を得ることができる。なお、ノーマルリーチ演出が実行される場合は、キャラクタの出現を伴うリ-チ演出が実行される場合よりも大当り期待度が低くしてもよい。
【0286】
また、実施例1で疑似演出の内容に関係なく変動中図柄が消去されるようにしたが、本発明の態様は実施例1に示す態様に限定されない。
例えば、当該疑似演出(変動演出)中にT1時間になり、変動中図柄を消去するタイミングに合わせて特定の演出(例えば、特定の予告)を発生させる変形例(以下、変形例2という。)を例示することもできる。例えば、所定の疑似演出において、当該演出開始(変動開始)から第1時間(例えば0秒~10秒)、キャラクタが出現しない数字図柄変動演出(つまり、リーチ表示前に、キャラクタの出現を伴わずに数字図柄を変動させる演出)を行う。そして、当該演出開始(変動開始)から第2時間(11秒~20秒)においてキャラクタの出現を伴うリーチ表示後演出(キャラクタ動作演出)を行うものとする。
【0287】
そして、変形例2において、第1ケースでは当該演出開始(変動開始)から5秒後(時間T1)に変動中図柄が消去されることに合わせて特定の演出(例えば、特定の予告)が発生することとする。なお、変形例2の第1ケースでは特定の演出(特定の予告)が終了しても、変動中図柄は消去されたままとする。
また、変形例2において第2ケースでは、所定の疑似演出が終了するまで、当該演出開始(変動開始)から19秒後(T2)に変動中図柄が消去されるが、特定の演出(特定の予告)が発生しないこととする。
【0288】
この変形例2において、所定の疑似演出中に変動中図柄が消去されるタイミングに合わせて特定の演出(特定の予告)が発生する場合には、当否判定の結果が大当りである旨を報知される確率が高くされる。一方、変動中図柄が消去されても、特定の演出(特定の予告)が合わせて発生しない場合には、当否判定の結果が大当りである旨が報知される確率が低くされることとしている。
【0289】
この変形例2に示すように、変動中図柄が消去されることに合わせて特定の演出が出現することとすれば、T1時間が経過したことが判り易くなり、遊技者が変動中図柄が消去されることを見逃し難くなる。このため、変形例2によると、遊技興趣を高めることが一層、容易となる。
【0290】
また、以下に述べる変形例3に示すように、変動中図柄を消去するタイミングに合わせてキャラクタ動作演出を開始させても、変形例2と同様な効果を得ることができる。
つまり、変形例3の第1ケースでは、所定の疑似演出において、当該演出開始(変動開始)から第3時間(例えば0秒~5秒)、キャラクタが出現しない数字図柄変動演出を行う。そして、当該演出開始(変動開始)から第4時間(6秒~20秒)、キャラクタの出現を伴うリーチ表示後演出(キャラクタ動作演出)を行うものとする。この変形例3の第1ケースでは、キャラクタ動作演出が開始されたとき、つまり、当該変動開始から6秒後(T1)に変動中図柄が消去されることとする。
【0291】
一方、変形例3の第2ケースでは、所定の疑似演出において、当該演出開始(変動開始)から第5時間(例えば0秒~10秒)、キャラクタが出現しない数字図柄変動演出を行う。そして、当該演出開始(変動開始)から第6時間(11秒~20秒)、キャラクタの出現を伴うリーチ表示後演出(キャラクタ動作演出)を行うものとする。この変形例3の第2ケースにおいても、キャラクタ動作演出が開始されたとき、つまり、当該変動開始から11秒後(T2時間)に変動中図柄が消去されるものとする。
【0292】
この変形例3に示すように、変動中図柄が消去されることに合わせてキャラクタが出現することとしても、T1時間が経過したことが判り易くなり、遊技者が変動中図柄が消去されることを見逃し難くなる。このため、遊技興趣を高めることが一層、容易となる。
なお、実施例1、変形例1~3において、変動中図柄が消去されるタイミングが早い疑似演出(
図23を参照)と、変動中図柄が消去されるタイミングが遅い疑似演出(
図24を参照)と、で変動時間を同一とする場合を例示した。但し、本発明においては、変動中図柄が消去されるタイミングが早い疑似演出と、遅い疑似演出とで変動時間が異なっていても良い。
【0293】
また、各実施例では、単に変動中図柄の消去タイミングの先後で、当否判定の結果が大当りである旨が報知される確率の高低を設定したが、本発明では、変形例2に示すように、変動中図柄が消去されることに合わせて特定の演出(特定の予告)を発生させたり、変形例3に示すように、変動中図柄が消去されることに合わせて、キャラクタ動作演出を開始したり、或いは、実施例1、変形例1~変形例3の特徴を2つ以上を備えてもよい。
【0294】
更に、本発明においては、以下に示す変形例(以下、変形例4という)のように、所定の疑似演出を開始した後、変動中図柄が消去されるまでの時間として、「T1時間」、「T2時間」だけでなく「T3時間」、「T4時間」など、他のタイミングを備えてもよい。この場合、「所定の疑似演出を開始した後、変動中図柄が消去されるまでの時間として、最も短い時間「T1時間」である場合に一番高い期待度くなる構成が好適である。そして、「T2時間」、「T3時間」と時間が長くなる程、期待度が低くなり、「T4時間」で最も期待度とされている構成が好適である。
【0295】
このように、変形例4のパチンコ機50によると、変動中図柄が消去されるまでの時間が「T1時間」、「T2時間」、「T3時間」、「T4時間」と長くなる程、当否判定の結果が大当りである旨が報知される確率が低くなるため、変動演出に対面した遊技者は、表示中の変動中図柄を最長「T4時間」なるまで固唾を飲んで、注視することになるため、遊技興趣をより一層向上させることができる。
【0296】
本実施例では、所定の疑似演出を2種類として説明したが、1つでも該当する疑似演出が存在していればよいし、3種類以上若しくは全ての種類の疑似演出において、変動中図柄が消えるタイミングが早ければ期待度を高くしてもよい。
【0297】
各実施例では、変動中図柄が消去されても保留図柄は消去されないこととしたが、変動中図柄が消去された際、保留図柄も消去される構成であっても、保留図柄は消去されない構成であってもよい。
【0298】
また、実施例1とは異なり、各保留変化演出のシナリオに変動中図柄が消去される時間も定められている構成にしてもよい。そして、このような構成にした場合、当選時には、消去タイミングがT2時間のシナリオよりも、消去タイミングがT1時間のシナリオが選択される確率が高いようにしてもよい。
【0299】
また、各実施例及び各変形例を、一般的なデジパチタイプのパチンコ機50への適用例として説明したが、これに限らず、本発明を所謂「1種2種混合機タイプ」のパチンコ機50や、所謂「Vチャレタイプのパチンコ機50等の他のタイプのパチンコ機50にも適用することができる。
更に、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい。
【0300】
[特許請求の範囲との対応]
次に、上記実施形態(実施例)の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
「パチンコ機50」が、「遊技機」の一例に相当する。
【0301】
各実施例に示す第1始動口11と、第2始動口12が「始動口」の一例に相当する。
図11のS330~S350に至る処理が、「当否判定」の一例に相当する。
図2及び
図4の第1特別図柄表示装置9と第2特別図柄表示装置10が、特別図柄表示段)の一例に相当する。
【符号の説明】
【0302】
1;遊技盤、3;遊技領域、3L:左打ち領域、3R:右打ち領域、6;演出図柄表示装置、11;第1始動口(特1始動口)、12;第2始動口(特1始動口)、14;大入賞口、17;普通図柄作動ゲート、80;主制御装置、82;演出図柄制御装置、83;サブ統合制御装置。