(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】衝撃工具
(51)【国際特許分類】
B25D 9/04 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
B25D9/04
(21)【出願番号】P 2021206485
(22)【出願日】2021-12-20
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000236698
【氏名又は名称】不二空機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100044
【氏名又は名称】秋山 重夫
(74)【代理人】
【識別番号】100205888
【氏名又は名称】北川 孝之助
(72)【発明者】
【氏名】西野 将人
(72)【発明者】
【氏名】ダミアン コステ
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-017482(JP,U)
【文献】特開昭54-002903(JP,A)
【文献】実公昭25-008189(JP,Y1)
【文献】特開昭53-005470(JP,A)
【文献】実開平01-138584(JP,U)
【文献】実開昭56-166187(JP,U)
【文献】特開平10-006244(JP,A)
【文献】実開昭53-149919(JP,U)
【文献】特開昭60-180784(JP,A)
【文献】特表平08-501502(JP,A)
【文献】特開2017-009068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25D1/00-17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダと、
シリンダ内に摺動可能に収容されて、シリンダ内に前空間と後空間とを形成するとともに、前空間に供給される流体からの圧力を受けて後ろ方向に摺動し、後空間に供給される流体からの圧力を受けて前方向に摺動することを繰り返すことで前後方向に往復振動するピストンと、を備えた衝撃工具であって、
ピストンが、シリンダ内の所定の位置に来たときに前空間と連通して後空間に流体を供給し、前空間と連通していないときに後空間の流体を外部に排出する連通路を備え、
連通路が、ピストン内の空間を広げる拡大部を備え、
拡大部と後空間とを連通する流路の流路面積を小さくする絞り手段を備えている、衝撃工具。
【請求項2】
絞り手段が、拡大部よりも後空間側に設けられた絞り部である、請求項1記載の衝撃工具。
【請求項3】
絞り手段が、拡大部に収容された、又は拡大部よりも後空間側に取り付けられた通気性を有する通気体である、請求項1記載の衝撃工具。
【請求項4】
絞り手段が、シリンダに支持され、後空間側から拡大部に挿入される挿入体である、請求項1記載の衝撃工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流体駆動の衝撃工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧縮空気を利用してピストンを往復振動させる衝撃工具が開示されている。この衝撃工具では、ピストンを摺動可能に収容するシリンダの側部に、シリンダ内に流体(圧縮空気)を供給するための第1通孔を設けている。また、ピストンの側部に第3孔を、後部に第4孔を設けている。なお、第3孔と第4孔とは連通している。
【0003】
ピストンは、第3孔が第1通孔よりも前に位置した状態においては、第1通孔から供給される圧縮空気を受けて後方へと移動する。ピストンが後方へ移動して第1通孔と第3孔とが連通すると、第3孔から連通路、第4孔を通じてピストンの後方に圧縮空気が送られる。そして、ピストンの後方に溜まった圧縮空気に押されるようにしてピストンは前方へ勢いよく移動する。前方への移動により、第3孔は第1通孔を通り過ぎて始めの位置に戻る。この前後方向への移動を1サイクルとし、圧縮空気が供給され続ける限り、ピストンは前後方向への往復振動を繰り返す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
往復振動するピストンは、前方へ移動したときにタガネと衝突し、タガネに打撃力を付与する。そのため、ピストンの質量が大きいほど大きな打撃力を与えることができるが、衝撃工具を把持する作業者にもその衝撃やピストンの振動が伝わるため、作業者に過度の負担が生じるおそれがある。
【0006】
ピストンを軽量化すれば作業者の負担を減らすことができるが、ピストンを効率良く往復振動させるには別途、改良の必要がある。
【0007】
本願発明は、上記問題の少なくとも1つを解決することができる衝撃工具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の衝撃工具は、シリンダ2と、シリンダ2内に摺動可能に収容され、シリンダ2内に前空間Fと後空間Bとを形成するとともに、前空間Fに供給される流体からの圧力を受けて後ろ方向に摺動し、後空間Bに供給される流体からの圧力を受けて前方向に摺動することを繰り返すことで前後方向に往復振動するピストン3と、を備えた衝撃工具であって、ピストン3が、シリンダ2内の所定の位置に来たときに前空間Fと連通して後空間Bに流体を供給し、前空間Fと連通していないときに後空間Bの流体を外部に排出する連通路34を備え、連通路34が、ピストン3内の空間を広げる拡大部34b1を備え、拡大部34b1と後空間Bとを連通する流路の流路断面を小さくする絞り手段を備えていることを特徴としている。
【0009】
上記衝撃工具においては、絞り手段が、拡大部34b1よりも後空間B側に設けられた絞り部34b2であることが好ましい。
【0010】
または、絞り手段が、拡大部34b1に収容された、又は拡大部34b1よりも後空間B側に取り付けられた通気性を有する通気体81であることが好ましい。
【0011】
または、絞り手段が、シリンダ2に支持され、後空間B側から拡大部34b1に挿入される挿入体82、82Aであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の衝撃工具は、連通路が、ピストン内の空間を広げる拡大部を備えているため、拡大部を備えないピストンに比べて質量を小さくすることができ、作業者への負担を減らすことができる。また、拡大部と後空間とを連通する流路の流路断面を小さくする絞り手段を備えているため、拡大部と後空間との間の流体の流れを絞ることができ、ピストンを効率良く往復振動させることができる。
【0013】
絞り手段が、拡大部よりも後空間側に設けられた絞り部である場合、絞り部の流路面積を管理し易い。
【0014】
絞り手段が、拡大部に収容された、又は拡大部よりも後空間側に取り付けられた通気性を有する通気体である場合、流体に流路抵抗を与えやすくなる。
【0015】
絞り手段が、シリンダに支持され、後空間側から拡大部に挿入される挿入体である場合、ピストンをより軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明の一実施形態に係る衝撃工具を示す断面図である。
【
図5】他のピストンを用いた衝撃工具を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、この発明の衝撃工具の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本発明の衝撃工具1は、
図1に示すように、シリンダ2と、シリンダ2内に摺動可能に収容されたピストン3と、シリンダ2の一端側から突出するタガネ4と、シリンダ2の他端側に設けられた操作部5とを備えている。以下、各構成部品について詳細に説明するが、説明の簡単のために、タガネ4が設けられている側を前とし、操作部5が設けられている側を後ろとする。
【0018】
ピストン3は、
図2に示すように、略円柱状の本体部31と、本体部31の先端から前方に突出する打撃部32と、本体部31の後部から径外方向に突出する拡径部33とを備えている。このピストン3をシリンダ2内に収容すると、シリンダ2内には前空間Fと後空間Bとが形成される。そしてこのピストン3は、ピストン3がシリンダ2の所定の位置に来たときに前空間Fと連通して後空間Bに流体を供給し、前空間Fと連通していないときに後空間Bの流体を外部に排出する連通路34を備えている。
【0019】
連通路34は、ピストン3の軸方向と略直交する直交孔34aと、ピストン3の軸方向と略平行な平行孔34bとで構成されており、本体部31の側面と後端面とでそれぞれ開口している。なお、側面の開口を第1開口35とし、後端面の開口を第2開口34b2とした場合、第1開口35は周方向に略等間隔に2つ、第2開口34b2は中央に1つ設けられている。また、この連通路34は、ピストン3内の空間を広げる拡大部34b1と、拡大部34b1によって広がった流路を拡大部34b1よりも後空間B側で絞る絞り部とを備えている。具体的に、絞り部は第2開口34b2に位置している。この状態は、絞り部を有する蓋が第2開口34b2に取り付けられることにより、絞り部が第2開口34b2として機能しているとも言える。また、第2開口34b2を作るための蓋を絞り部と考えることもできる。絞り部34b2の流路面積は、拡大部34b1の流路面積の例えば1/25~4/5倍とされている。従って、この絞り部34b2が、拡大部34b1と後空間Bとを連通する流路の流路面積を小さくする絞り手段となる。なお、絞り部34b2の流路面積が、拡大部34b1の流路面積の4/5倍を超えると流体消費量が増し、1/25倍よりも小さいと打撃力が急激に小さくなる。また、絞り部34b2の流路面積は、2つの第1開口35の流路面積を合計した値よりも小とされている。従って、連通路34の最大流量は、絞り部34b2によって定まる。
【0020】
上記構成のピストン3は、例えば、拡大部34b1が設けられている部位(有底筒)と、絞り部34b2が設けられている部位(蓋)とで別部材とし、拡大部34b1と絞り部34b2とをそれぞれ設けた後に2つの部材を溶接、圧入、接着、ネジによる螺合等で一体化することで製造される。
【0021】
シリンダ2は略筒状であって、前側は開口し、後ろ側は後ろ蓋21によって閉じられている。シリンダの前部は、タガネ4の基端部を摺動可能に収容するタガネ支持部22とされ、後部は、ピストン3を摺動可能に収容するピストン収容部23とされている。
【0022】
ピストン収容部23の内部空間は略円柱状とされている。ただ、その径は軸方向(前後)の位置によって異なっている。
【0023】
具体的には、最も後ろ側の部位(第1区間)23aは、ピストン3の拡径部33と略同径とされており、拡径部33を摺動可能に支持している。なお、この第1区間23aの内周面と拡径部33の外周面とは、ピストン3の後端面と第1区間23aの内周面と後ろ蓋21とによって構成される後空間Bの圧力が、供給される流体(圧縮空気)によって上昇する程度に近接している。
【0024】
また、第1区間23aの前に位置する部位(第2区間)23bは、ピストン3の本体部31と略同径とされており、本体部31を摺動可能に支持している。すなわち、第2区間23bは第1区間23aよりも小径とされており、第2区間23bと第1区間23aとの間には段差24が形成されている。なお、第2区間23bの内周面と本体部31の外周面とは、ピストン3の拡径部33と第1区間23aの内周面と段差24とによって構成される前空間Fの圧力が、供給される圧縮空気によって上昇する程度に近接している。
【0025】
また、第2区間23bの前に位置する部位(第3区間)23cは、ピストン3の本体部31や打撃部32よりも大径とされており、本体部31や打撃部32の外周面との間に、供給された圧縮空気を通過させることができる隙間を形成している。
【0026】
ピストン収容部23には、圧縮空気をシリンダ2内に導入するための導入路2aが設けられている。この導入路2aは、シリンダ2の後端から前方に延びており、前空間Fと連通している。また、タガネ支持部22には、圧縮空気をシリンダ2外に排出するための排出路2bが設けられている。この排出路2bは、第3区間23cから前方に延びており、外気(衝撃工具1の外部)と連通している。この導入路2aと排出路2bとは、
図1に示すようにピストン3によって隔てられている。
【0027】
操作部5はシリンダ2の後部に接続されている。操作部5は、エアコンプレッサから延びるホース(図示しない)を接続する接続口51と、接続口51からシリンダ2の導入路2aまで続く供給路52を備えている。また、供給路52にはバルブ53が介在しており、操作レバー54を操作することで供給路52を開閉できるようになっている。
【0028】
タガネ4は、その側面に、軸方向に沿った長溝4aが設けられており、この長溝4aに支持ボール6を位置させることで、シリンダ2からの前方への抜けや後方への過度の移動が規制されている。タガネ4の取り外しは、シリンダ2を覆うようにして取り付けられている先端カバー7を後退させ、支持ボール6を径外方向に移動させることで行う。
【0029】
次に、上記構成の衝撃工具の動作を
図3に基づいて説明する。
【0030】
作業者が操作レバー54を握るとバルブ53が開き、圧縮空気が接続口51から供給路52、導入路2aを通って前空間Fに供給される(一点鎖線の矢印参照)。S1の状態では、前空間Fは閉鎖空間となっているため、前空間F内の圧力が上昇し、ピストン3が勢いよく後ろ方向に摺動する(白抜き矢印参照)。この際、後空間Bは連通路34を通じて第3区間23cと連通しているため、後空間Bに溜まっている空気(2サイクル目では供給された圧縮空気)は、ピストン3に押し出されるようにして第2開口(絞り部)34b2から第1開口35、第3区間23cに開口する排出路2bを通って外部に排出される(破線の矢印参照)。
【0031】
ある程度ピストン3が後退すると、S2に示すように、導入路2aと第1開口35とが連通し、第1開口35から第2開口34b2を通じて圧縮空気が後空間Bに供給される(一点鎖線の矢印参照)。後空間Bは連通路34を除いて外部と連通していないため、後空間Bの圧力が上昇し、ピストン3は勢いよく前方向に摺動する(白抜き矢印参照)。そして、S3に示すようにピストン3の打撃部32がタガネ4の後端に衝突し、タガネ4に打撃力を付加する。
【0032】
上記S1からS3までの前後の摺動を1サイクルとして、圧縮空気が供給され続ける限り、ピストン3は前後方向に往復振動する。
【0033】
ところで、上記の通り、ピストン3はピストン3内の内部空間を広げる拡大部34b1を備えている。そのため、拡大部34b1を備えていないピストンに比べて軽量化を図ることができる。ピストン3が軽量である場合、ピストン3による振動が小さく、またピストン3がタガネ4に衝突する際の衝撃も小さくなることから、作業者の負担を軽減することができる。また、絞り部34b2を備えているため、拡大部34b1を設けているにもかかわらず、拡大部34b1と後空間Bとの間の流体の流れを絞ることができ、1打撃当たりの流体消費量(空気消費量)を抑えることができる結果、ピストン3を効率良く往復振動させることができる。
【0034】
図4は、別のピストン3Aを示している。このピストン3Aは、絞り手段として通気性を有する通気体81を拡大部34b1に収容している。通気体81の具体例としては、繊維の集合体(織布、不織布)、連続気泡を有する合成樹脂(スポンジ、フォーム)、金属多孔体、金属メッシュ等が挙げられる。通気体81は、少なくとも嵩比重が、金属製(例えば炭素工具鋼、合金工具鋼)であるピストン3Aの真比重よりも小である。また、真比重がピストン3Aの真比重よりも小であることが好ましい。また、通気体81の開口面積は、拡大部34b1の流路面積の例えば1/25~4/5倍である。なお、絞り部34b2の流路面積が、拡大部34b1の流路面積の4/5倍を超えると流体消費量が増し、1/25倍よりも小さいと打撃力が急激に小さくなる。
【0035】
通気体81は、
図4に示すように、直交孔34aに重ならないようにして拡大部34b1に収容されている。ただ、直交孔34aに重なるように収容してもよいし、拡大部34b1の後部にのみ配置するようにしてもよい。また、拡大部34b1よりも後空間B側に取り付けられていてもよい。すなわち、拡大部34b1の後方を塞ぐようにしてピストン3Bの後ろに通気体81を取り付けてもよい。
【0036】
上記構成のピストン3Aを用いた衝撃工具1についても、ピストン3Aが拡大部34b1を備えているため、拡大部34b1を備えていないピストンに比べて軽量化を図ることができる。また、通気体81によって拡大部34b1と後空間Bとの間の流体の流れを絞ることができ、1打撃当たりの流体消費量を抑えることができる結果、ピストン3Aを効率良く往復振動させることができる。
【0037】
なお、ピストン3Aでは、
図2のピストン3の蓋(絞り部が設けられている部位)に相当する部位を備えていないが、設けてもよい。
【0038】
図5は、さらに別のピストン3Bを用いた衝撃工具1を示している。この衝撃工具1は、絞り手段として、シリンダ2に支持され、後空間B側から拡大部34b1に挿入される挿入体82を用いている。具体的には、後ろ蓋21bからピストン3Bに向かって挿入体82が延びており、この挿入体82が、ピストン3Bの後端から拡大部34b1内に挿入されることで、拡大部34b1と後空間Bとを連通する流路の流路面積が小さくなるように構成されている。なお、ピストン3Bは、
図2のピストン3の蓋に相当する部位は備えておらず、第2開口34b2は拡大部34b1と同じ大きさとされている。換言すれば、拡大部34b1がピストン3Bの後端まで設けられているとも言える。
【0039】
挿入体82は柱状であって、軸方向(前後方向)長さは、ピストン3Bの平行孔34b(拡大部34b1)の長さよりも小とされている。また、軸方向と直交する方向の長さ(幅)は、平行孔34b(拡大部34b1)の内法よりも小とされている。従って、挿入体82がピストン3Bに当接することは無い。挿入体82を拡大部34b1に挿入したときの、挿入体82とピストン3Bの内面との間に生じる流路の面積は、拡大部34b1の流路面積の例えば1/6~4/5倍である。なお、挿入体82とピストン3Bの内面との間に生じる流路の面積が、拡大部34b1の流路面積の1/6倍よりも小さくなると、挿入体82とピストン3Bの内面との間の隙間の幅が極端に小さくなり、通気抵抗が大きくなる結果、打撃力が急激に小さくなる。また、挿入体82の体積は、例えば拡大部34b1の容量の1/4~3/4倍であることが好ましい。
【0040】
上記構成の衝撃工具1についても、ピストン3Bが拡大部34b1を備えているため、拡大部34b1を備えていないピストンに比べて軽量化を図ることができる。特に、ピストンに絞り部34b2や通気体81を設けていないため、その分、軽量化を図ることができる。また、挿入体82によって拡大部34b1と後空間Bとの間の流体の流れを絞ることができ、1打撃当たりの流体消費量を抑えることができる結果、ピストン3Bを効率良く往復振動させることができる。
【0041】
図6は、挿入体の変形例である。この挿入体82Aは、ピストン3B内と後空間Bとを連通する通気路83を有している。通気路83の流路面積は、拡大部34b1の流路面積の例えば1/25~4/5倍、好ましくは1/20~2/3倍である。通気路83は断面略T字状であって、後ろ側で複数に分岐しているが、分岐した通路の流路面積の合計は、分岐前の流路面積と同じかそれよりも大とされている。挿入体82Aの外径は、ピストン3Bの内径(拡大部34b1)と略等しく、挿入体82Aの外周面とピストン3Bの内周面との間に流体を通す流路は形成されない。挿入体82Aの体積(通気路83を除く)は、例えば拡大部34b1の容量の1/4~3/4倍であることが好ましい。挿入体82Aの軸方向長さは、ピストン3Bが最も前に移動した(タガネ4に衝突した)状態でも、ピストン3Bから挿入体82Aが抜けない長さとすることが好ましい。すなわち、ピストン3Bが往復運動する間、拡大部34b1への挿入状態が維持される長さとすることが好ましい。
【0042】
この変形例についても上記衝撃工具1と同様の作用効果を奏する。
【0043】
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施形態では、流体として圧縮空気(空気圧)を利用していたが、油等の液体を利用してもよい。第1開口35は2つに限らず、3つ以上の複数であってもよいし、1つでもよい。また、絞り部34b2を2つ以上設けてもよい。また、
図5の衝撃工具1では、後ろ蓋21Aから挿入体82が延びていたが、後ろ蓋21A以外から延びていてもよく、シリンダ2のどこかに支持されていれば一体成形される必要も無い。また、衝撃工具1は、片手で操作レバー54とシリンダ2の両方を握るようにして使う小型のチッパーであるが、両手で操作するような大型のコンクリートブレーカ等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 衝撃工具
2 シリンダ
2a 導入路
2b 排出路
21、21A 後ろ蓋
22 タガネ支持部
23 ピストン収容部
23a 第1区間
23b 第2区間
23c 第3区間
24 段差
3、3A、3B ピストン
31 本体部
32 打撃部
33 拡径部
34 連通路
34a 直交孔
34b 平行孔
34b1 拡大部
34b2 絞り部(第2開口)
35 第1開口
4 タガネ
4a 長溝
5 操作部
51 接続口
52 供給路
53 バルブ
54 操作レバー
6 支持ボール
7 先端カバー
81 通気体
82、82A 挿入体
83 通気路
F 前空間
B 後空間