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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】ソケット構造
(51)【国際特許分類】
   B25B 21/00 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
B25B21/00 Q
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022010499
(22)【出願日】2022-01-26
(65)【公開番号】P2022128411
(43)【公開日】2022-09-01
【審査請求日】2022-02-02
(31)【優先権主張番号】110105954
(32)【優先日】2021-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511314186
【氏名又は名称】優鋼機械股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】謝 智慶
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0151520(US,A1)
【文献】特開昭61-270081(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0116203(US,A1)
【文献】特開2019-042844(JP,A)
【文献】特開2000-326243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の一端に設けられた第1套接孔と、
前記本体の他端に設けられかつ回転駆動部に接続するための第2套接孔と、
前記第1套接孔に設けられ、且つ半径方向に前記第1套接孔の内部に向かって突出する少なくとも1つの弾性係合部材と、を含み、
前記第1套接孔に先端工具が挿入されると、前記少なくとも1つの弾性係合部材が前記先端工具からの押圧を受けて、変形して前記先端工具に当接し、
前記弾性係合部材が前記第1套接孔の前記内部に向かって突出する当接部を含み、前記当接部に、前記当接部の変形を増加させるための貫通孔が設けられ、前記貫通孔が前記本体の軸方向に沿って前記当接部を貫通する、ソケット構造。
【請求項2】
前記第1套接孔と連通し、且つ前記少なくとも1つの弾性係合部材を設置するのに提供される少なくとも1つの収容孔をさらに含む、請求項1に記載のソケット構造。
【請求項3】
前記少なくとも1つの収容孔は大径セクションと小径セクションを含み、前記小径セクションは前記大径セクションに接続されており、且つ前記少なくとも1つの弾性係合部材は、
前記大径セクションに設置される頭部と、
前記頭部に接続されており、前記小径セクションに設置されるネック部とをさらに含み、
前記当接部が前記ネック部に接続され、
前記当接部の第1断面の面積は、前記ネック部の第2断面の面積よりも大きい、請求項2に記載のソケット構造。
【請求項4】
前記当接部の前記第1断面は略楕円形を呈し、且つ、
前記第1套接孔の軸方向に平行な長軸と、
前記長軸に垂直な短軸と、を含む、請求項3に記載のソケット構造。
【請求項5】
前記少なくとも1つの弾性係合部材は、
前記当接部の前記頭部から離れた一端に設けられた面取り部と、をさらに含む、請求項3に記載のソケット構造。
【請求項6】
前記当接部は略半球状を呈する、請求項3に記載のソケット構造。
【請求項7】
前記頭部は前記本体の外側表面に半径方向に突出する、請求項3に記載のソケット構造。
【請求項8】
前記少なくとも1つの収容孔の数は3つであり、3つの前記収容孔は前記第1套接孔に間隔をあけて半径方向に設けられており、且つ前記少なくとも1つの弾性係合部材の数は3つであり、3つの前記弾性係合部材はそれぞれ前記3つの収容孔に設けられる、請求項3に記載のソケット構造。
【請求項9】
各前記収容孔と前記本体の端縁とは軸方向に沿って1つの距離で離れており、各前記距離は異なっている、請求項8に記載のソケット構造。
【請求項10】
前記本体に套設され且つ前記少なくとも1つの弾性係合部材が接続されるソケットリングをさらに含む、請求項1に記載のソケット構造。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソケット構造に関し、特に工具の交換に使用するソケット構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ボルトやナットなどの締結部材は、ネジ山の摩擦力を利用して固定が必要な部品を結合する。強力接着剤や気密性接着剤などの粘着方式と比べ、締結部材により結合された部品は工具を用いて分離することもでき、部品自体の外観や構造が破壊されることがない。締結結合の力は大きく、使用者が素手で取り外しや取り付けを行うのは難しいため、ボルトなどの締結部材は一般的に工具と嵌合するための構造を持たせて製造されており、対応する嵌合構造を有するレンチ、ドライバーなどの工具によって使用者が加力するモーメントを大幅に向上させることで、取り外しや取り付けに必要な力を減らすと同時に、作業時間をより節約することが可能となる。
【0003】
部品の多様化に伴い、締結部材も派生し、各種の用途に適合する様々な嵌合構造が登場している。例えば、六角形溝の方式で締結部材の内部に陥入させることで部品を結合した後の美観性が保たれるようにしたり、締結部材の外部輪郭をそのまま多角形にすることで取り外しや取り付けの利便性を向上させたりするなどである。多種の締結部材を同時に用いて部品の結合を行う場合、使用者は事前に各種工具を準備する必要があり、そのうちの何かの規格の工具が1つでも欠けると、取り外しや取り付け全体が完成できなくなってしまう。携帯が必要な工具の負荷を減らすために、様々な工具を入れ替えるための交換ソケットが当業者によって開発されている。例えば、気動式工具を接続するため、交換ソケットの一端が気動式工具と係合する套接孔を有し、交換ソケットの他端はソケットを持たないレンチやドライバーなどを接続することができ、気動式工具の駆動によってレンチやドライバーを回転せしめるなどである。通常、交換ソケットは套接構造によって取り外し可能に工具と結合されるが、交換ソケットと工具が緊密に結合できるようにするため、ある業者は套接孔内でバネと鋼球によるリミット構造を使用し、バネの作用力によって鋼球を押圧することで工具の位置を制限しているが、接続可能な工具に鋼球と係合して位置決めする溝がない場合には、点接触の位置制限が形成されてしまい、緩くて抜けやすいという欠点がある。
【0004】
そのため、ソケット構造を改善して工具の交換の利便性を向上させることが、当業者の努力目標となっている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの実施形態に基づき提供されるソケット構造は、本体、第1套接孔、第2套接孔及び少なくとも1つの弾性係合部材を含む。第1套接孔は本体の一端に設けられ、第2套接孔は本体の他端に設けられ、上述の少なくとも1つの弾性係合部材は第1套接孔に設置され、且つ半径方向は第1套接孔の内部に向かって突出している。第1套接孔に工具が挿入されると、上述の少なくとも1つの弾性係合部材が工具からの押圧を受けて変形し、工具に当接する。
【0006】
弾性係合部材の構成により、工具の交換の利便性を向上させる効果を達成することができる。
【0007】
上述の実施形態に基づくソケット構造は、少なくとも1つの収容孔をさらに含むことができ、上述の少なくとも1つの収容孔は第1套接孔と連通しており、上述の少なくとも1つの弾性係合部材を設置するのに提供される。
【0008】
上述の実施形態に基づくソケット構造のうち、上述の少なくとも1つの収容孔は大径セクションと小径セクションを含み、小径セクションは大径セクションに接続されている。上述の少なくとも1つの弾性係合部材は頭部、ネック部及び当接部を含み、頭部は大径セクションに設置される。ネック部は頭部に接続されており、小径セクションに設置される。当接部はネック部に接続されており、且つ半径方向は第1套接孔の内部に向かって突出している。そのうち、当接部の第1断面の面積は、ネック部の第2断面の面積よりも大きい。
【0009】
上述の実施形態に基づくソケット構造のうち、当接部の第1断面は略楕円形を呈し、且つ長軸と短軸を含み、長軸は第1套接孔の軸方向に平行である。短軸は長軸に垂直である。
【0010】
上述の実施形態に基づくソケット構造のうち、上述の少なくとも1つの弾性係合部材は貫通孔と面取り部をさらに含むことができ、貫通孔は当接部に設けられる。面取り部は当接部の頭部から離れた一端に設けられる。
【0011】
上述の実施形態に基づくソケット構造のうち、当接部は略半球状を呈することができる。
【0012】
上述の実施形態に基づくソケット構造のうち、頭部は本体の外側表面に半径方向に突出することができる。
【0013】
上述の実施形態に基づくソケット構造のうち、上述の少なくとも1つの収容孔の数は3つにすることができ、3つの収容孔は第1套接孔に間隔をあけて半径方向に設ける。また上述の少なくとも1つの弾性係合部材の数は3つにすることができ、3つの弾性係合部材はそれぞれ3つの収容孔に設ける。
【0014】
上述の実施形態に基づくソケット構造のうち、各収容孔と本体の端縁とは軸方向に沿って1つの距離で離れており、各距離は異なっている。
【0015】
上述の実施形態に基づくソケット構造は、本体に套設され且つ上述の少なくとも1つの弾性係合部材が接続されるソケットリングをさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施例に基づくソケット構造が工具に接続された立体概念図である。
図2図1の第1実施例におけるソケット構造の切断線2-2の断面図である。
図3図1の第1実施例における弾性係合部材の立体概念図である。
図4図3の第1実施例における弾性係合部材の切断線4-4の断面図である。
図5A図4の第1実施例における弾性係合部材の切断線5A-5Aの断面図である。
図5B図4の第1実施例における弾性係合部材の切断線5B-5Bの断面図である。
図6】本発明の第2実施例に基づくソケット構造の断面図である。
図7】本発明の第3実施例に基づくソケット構造の立体概念図である。
図8図7の第3実施例に基づく弾性係合部材及びソケットリングの立体概念図である。
図9図7の第3実施例に基づく弾性係合部材の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例について説明する。明確に説明するため、以下の記述中では多くの実務上の詳細も併せて説明する。なお、それらの実務上の詳細は本発明を限定するものではないことを理解されたい。即ち、本発明の一部の実施例中、それらの実務上の詳細は不要である。また、図面を簡略化するため、公知慣用の構造及び構成要素は、図面中に簡単に概略する方法で示している。また、重複する構成要素は同じ符号又は類似の符合により示されている場合がある。
【0018】
また、本明細書において、ある構成要素(又は機構若しくはモジュールなど)が別の構成要素に「接続される」、「設置される」又は「結合される」場合、その構成要素が別の構成要素に直接接続される、直接設置される又は直接結合されることを意味することもできるし、ある構成要素が別の構成要素に間接的に接続される、間接的に設置される又は間接的に結合されることを意味することもでき、即ち、その構成要素と別の構成要素との間に他の構成要素が介在することを意味する。しかし、ある構成要素が別の構成要素に「直接接続される」、「直接設置される」又は「直接結合される」と明示された場合には、その構成要素と別の構成要素との間に他の構成要素が介在しないことを示す。第1、第2、第3などの用語は、様々な構成要素や成分を説明するためのものに過ぎず、構成要素/成分自体を限定するものではないため、第1構成要素/成分は第2構成要素/成分と称することも可能である。本明細書における構成要素/成分/機構/モジュールの組み合わせは当該分野において一般に公知、常套又は既知の組み合わせではなく、構成要素/成分/機構/モジュール自体が既知か否かによってその組み合わせ関係が当業者によって容易に実施され得るか否かを判断することはできない。
【実施例1】
【0019】
図1及び図2を参照されたい。図1は本発明の第1実施例に基づくソケット構造10が工具20に接続された立体概念図であり、図2図1の第1実施例におけるソケット構造10の切断線2-2の断面図である。図1及び図2から分かるように、ソケット構造10は、本体100、第1套接孔110、第2套接孔120及び少なくとも1つの弾性係合部材130を含む。第1套接孔110は本体100の一端に設けられ、第2套接孔120は本体100の他端に設けられている。上述の少なくとも1つの弾性係合部材130は第1套接孔110に設置され、且つ半径方向は第1套接孔110の内部に向かって突出している。第1套接孔110に工具20が挿入されると、上述の少なくとも1つの弾性係合部材130が押圧を受けて、変形して工具20に当接する。
【0020】
弾性係合部材130の構成により、工具20の交換の利便性を向上させる効果を達成することができる。
【0021】
図3図4図5A及び図5B図2と併せて参照されたい。図3図1の第1実施例における弾性係合部材130の立体概念図であり、図4図3の第1実施例における弾性係合部材130の切断線4-4の断面図であり、図5A図4の第1実施例における弾性係合部材130の切断線5A-5Aの断面図であり、図5B図4の第1実施例における弾性係合部材130の切断線5B-5Bの断面図である。図2から分かるように、ソケット構造10は、少なくとも1つの収容孔140をさらに含むことができ、上述の少なくとも1つの収容孔140は第1套接孔110と連通しており、上述の少なくとも1つの弾性係合部材130を設置するのに提供される。
【0022】
具体的には、ソケット構造10の各収容孔140は大径セクション141と小径セクション142を含むことができ、小径セクション142は大径セクション141に接続されている。また図3図4図5A及び図5Bから分かるように、各弾性係合部材130は頭部131、ネック部132及び当接部133を含み、頭部131は大径セクション141に設置されている。ネック部132は頭部131に接続されており、小径セクション142に設置されている。当接部133はネック部132に接続されており、且つ半径方向は第1套接孔110の内部に向かって突出している。そのうち、当接部133の第1断面A1の面積は、ネック部132の第2断面A2の面積よりも大きく、頭部131の断面の面積も第2断面A2の面積より大きい。即ち、各弾性係合部材130が押圧を受けて各収容孔140に設置された後、頭部131は弾性係合部材130が第1套接孔110の内部に向かって脱離するのを防ぐことができ、当接部133は弾性係合部材130が第1套接孔110の外部に向かって脱離するのを防ぐことができ、各弾性係合部材130を各収容孔140中に確実に設置させるとともに、第1断面A1の面積がやや大きいため、各弾性係合部材130が変形した後に工具20に当接する面積も大きくなり、工具20への当接をさらに安定させることができる。
【0023】
ソケット構造10の各当接部133の第1断面A1は略楕円形を呈することができ、且つ長軸L1と短軸L2を含み、長軸L1は第1套接孔110の軸方向I1に平行である。短軸L2は長軸L1に垂直であり、第2断面A2は略円形を呈している。他の実施例において、ネック部の第2断面と頭部の断面が楕円形となるようにし、それに応じて大径セクションと小径セクションの断面も楕円形を呈し、各弾性係合部材が各収容孔に設置された際に相対的に回転しないようにさせてもよいが、これに限定されない。各弾性係合部材130は貫通孔134と面取り部135をさらに含むことができ、貫通孔134は当接部133に設けられる。面取り部135は当接部133の頭部131から離れた一端に設けられ、貫通孔134は軸方向I1に沿って当接部133を貫通することができる。長軸L1、短軸L2及び面取り部135の構造構成により、工具20が第1套接孔110の軸方向I1に沿って挿入又は取り出される際の当接部133との間の抵抗を低減することができ、且つ貫通孔134の構成が当接部133の変形量を増加させ、接続の利便性を向上させることができる。他の実施例において、頭部、ネック部、大径セクション及び小径セクションの断面は他の幾何学形状を呈してもよく、本発明はこれに限定されない。
【0024】
本発明の第1実施例中、上述の少なくとも1つの収容孔140の数は3つにすることができ、3つの収容孔140は第1套接孔110に間隔をあけて半径方向に設ける。また上述の少なくとも1つの弾性係合部材130の数は3つにすることができ、3つの弾性係合部材130はそれぞれ3つの収容孔140に設け、工具20が半径方向において同時に3つの弾性係合部材130から当接を受けられるようにすることで、安定性を向上させ、容易に揺れたり脱離したりしないようにし、これにより使用者が加える力の伝達効率を向上させることができる。また、ソケット構造10は第1套接孔110内に設けられた複数の嵌合歯(未表示)をさらに含むことができ、これにより工具20(図1に示す)が回転駆動されるときに第1套接孔110からより脱離しにくくすることができる。言い換えると、操作においては、第2套接孔120を気動式工具(図示しない)に套接し、且つ第1套接孔110を工具20(ここでは六角レンチで示す)に套接して、工具20が気動式工具に駆動されて回転するようにさせることができる。
【実施例2】
【0025】
図6を参照されたい。図6は本発明の第2実施例に基づくソケット構造10aの断面図である。図6から分かるように、ソケット構造10aの構造は第1実施例のソケット構造10と似ており、異なる点として、ソケット構造10aの各収容孔140aと本体100aの端縁101aとは軸方向I1aに沿ってそれぞれ1つの距離で離れており、各距離は異なっている。例えば、弾性係合部材130aと端縁101aとの間は距離D1で離れており、別の弾性係合部材130aと端縁101aとの間は別の距離D2で離れており、距離D1と距離D2が等しくないことで、工具が軸方向I1a上の異なった位置においてそれぞれ各弾性係合部材130aの当接を受けることができる。但し、他の実施例において、収容孔と弾性係合部材の数や分布は実際の使用状況に応じて変更することができ、本発明はこれに限定されない。
【実施例3】
【0026】
図7及び図8を参照されたい。図7は本発明の第3実施例に基づくソケット構造10bの立体概念図であり、図8図7の第3実施例に基づく弾性係合部材130b及びソケットリング150bの立体概念図である。図7及び図8から分かるように、第3実施例のソケット構造10bは第1実施例のソケット構造10と類似しているが、ソケット構造10bはソケットリング150bをさらに含むことができ、それは本体100bに套設され、且つ上述の少なくとも1つの弾性係合部材130bが接続されており、ソケットリング150bは頭部131bとネック部132bとの間に接続することができる。第3実施例中、ソケットリング150bと弾性係合部材130bは一体成形の方法を用いて製造することができ、これによりソケットリング150bと各弾性係合部材130b自体の弾性によってソケットリング150bを本体100bに套設し、各弾性係合部材130bの当接部133bが第1套接孔(未表示)内部に食い込むまで各収容孔(図7及び図8では図示しない)中に押し込み、各弾性係合部材130bが容易に抜けるのを防止する。また他の実施例において、ソケットリングは弾性係合部材を挿設するのに提供される貫通孔も含むことができ、組み立てるときには先にソケットリングを本体に套設し、各弾性係合部材の当接部とネック部を各貫通孔に通すと、ネック部が各収容孔中に設置され、当接部を第1套接孔内部に食い込ませることができ、その後で使用状況に応じて各弾性係合部材やソケットリングをそれぞれ取り外して交換することができる。
【0027】
図9を参照されたい。図9図7の第3実施例に基づく弾性係合部材130bの正面図である。図9から分かるように、各当接部133bは略半球状を呈することができ、半球状の幾何学的構造の漸進式円弧面が当接部133bに良好なガイド作用を保持させることができる。弾性係合部材130bの貫通孔134bは第1套接孔の軸方向(未表示)に沿って当接部133bを貫通しており、貫通孔134bは楕円柱状を呈することができ、且つ貫通孔134bの短軸(未表示)と第1套接孔の半径方向は平行であり(即ち弾性係合部材130bの中心線I2方向に平行)、当接部133bの半径方向に沿った変形抵抗力を軸方向の変形抵抗力よりも小さくし、工具が第1套接孔に挿入されるときに、貫通孔134bが当接部133bを半径方向に沿って変形しやすくさせることで、接続の利便性を向上させている。また、弾性係合部材130bの各頭部131bは、本体100bの外側表面で半径方向に突出することができ、ソケット構造10bが平面に置かれたときに、ソケット構造10bが勝手に転がるのを突出した頭部131bが防ぐことができる。
【0028】
本発明を上述の通り実施例により開示したが、それらは本発明を限定するものではなく、当業者であれば本発明の精神及び範囲を逸脱することなく各種の変更や修飾を行うことが可能であり、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲が定めるところに準ずるものとする。
【符号の説明】
【0029】
10、10a、10b ソケット構造
100、100a、100b 本体
101a 端縁
110 第1套接孔
120 第2套接孔
130、130a、130b 弾性係合部材
131、131b 頭部
132、132b ネック部
133、133b 当接部
134、134b 貫通孔
135 面取り部
140、140a 収容孔
141 大径セクション
142 小径セクション
150b ソケットリング
20 工具
A1 第1断面
A2 第2断面
D1、D2 距離
I1、I1a 軸方向
I2 中心線
L1 長軸
L2 短軸
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9